九州大学遺伝子組換え実験指針ダイジェスト(第6版)

九州大学遺伝子組換え実験指針ダイジェスト(第6版)
はじめに
当本ダイジェストは、九州大学における遺伝子組換え実験の安全性の確保と推進を目的に作成された「九
州大学遺伝子組換え実験指針」(以下「指針」という。)及び関連学内規則からエッセンスをまとめたも
のである。しかし、実験を行うにはこのダイジェストのみでは不十分であり、実験者は指針の内容を充分
理解しておくことが要求される。遺伝子組換え実験は平成16年2月19日以降法令化されており、問題
があれば罰則の適用を受ける可能性がある。
1.遺伝子組換え実験の定義(指針1)
遺伝子組換え生物等を作成もしくは使用する実験。この場合生物とは、細胞(大腸菌、酵母など)、個体
(マウス、シロイヌナズナなど)、ウイルス、ウイロイドをいう。但し、ヒトの細胞等、及び分化能力を有
する、または分化した細胞等(個体及び配偶子を除く。)で、自然条件において個体に成育しないものは生
物と見なさない(ES細胞を含む培養細胞等)。
2.実験者の教育訓練について
1)実験責任者:申請時において本学での教育訓練を受講しておかなければならない。但し、例外規定有り
(安全主任者に問い合わせること。)
2)実験従事者:受講歴が無い場合は、次回の教育訓練を受講すること。
3.実験の区分(指針p1-2, p8-12)
1)微生物使用実験
微生物やウイルス、ウイロイド等を用いた実験
2)大量培養実験
培養又は発酵に用いる設備の総容量が20リットルを越える実験(これまで九州大学では申請の例はな
い。)
3)動物使用実験
動物である遺伝子組換え生物等に係わる実験(動物作成実験)、動物により保有されている遺伝子組換
え生物等に係わる実験(動物接種実験)
4)植物等使用実験
植物である遺伝子組換え生物等に係わる実験(植物作成実験)、きのこ類である遺伝子組換え生物等に
係わる実験(きのこ作成実験)、植物により保有されている遺伝子組換え生物等に係わる実験(植物接種
実験)
4.手続き(指針p8-12)
1)大臣確認実験
条件についてはp8-12の大臣確認実験の項を参照のこと。
特に宿主がクラス3や、ウイルス・ウイロイドを用いた実験で増殖性を有したまま用いる実験について
は注意すること。但し、例外規定あり(別表3)。
2)機関承認実験
大臣確認実験以外の実験
5.拡散防止の方法(指針p3-4,p14-53)
物理的封じ込め(Pで始まるレベルであり拡散防止措置と呼ばれる。)、生物学的封じ込め(Bで始まる
レベル)がある。認定宿主ベクター系については別表1を参照のこと。大腸菌K12株を用いたプラスミド
ベクター系はB1である。
宿主、供与核酸、ベクター系を勘案して決定する(別表2及び表A1~4)。
微生物使用実験 : P1,P2,P3 認定宿主ベクター系の場合はB1を併記(別表4,表B-1)
大量培養実験:LSC,LS1,LS2 (別表5,表B-2)
動物使用実 験 : P1A,P2A,P3A,特定飼育区画(別表6,表B-3)
植物等使用実験 : P1P,P2P,P3P,特定網室(別表7,表B-4)
6.実験室(指針p33-41)
P1以外,つまりP2,P3,LSC,LS1,LS2,P1A,P2A,P 3 A ,特定飼育区画,P
1P,P2P,P3P,及び特定網室に関しては認可制。申請したい場合は、所属部局事務部に問い合わせ
ること。必要な設備等については別表4~7,別図1参照のこと。
※ 注意事項
哺乳類、鳥類、爬虫類に属する動物を用いて実験を行う場合は、実験動物飼養保管施設または動物実験室の承認を得るこ
と、同時に動物実験申請書を提出すること。
動物実験に関するホームページ
http://www.kyushu-u.ac.jp/university/office/kikaku-bu/kenkyusenryakuka/animal/index.php
7.遺伝子組換え生物等の譲渡(指針p5-6,p13)
譲渡者は譲渡先に明確な使用計画があることを確認後、譲渡する。その際、遺伝子組換え生物等について
の情報を文書送付、容器添付、FAX、電子メールのいずれかにより行わなければならない。このため、九
州大学では遺伝子組換え生物等の搬入に係る確認書、遺伝子組換え生物等の譲渡に係る情報提供書の様式を
設定している。また、譲渡後は速やかに譲渡届出書を提出しなければならない。
8.遺伝子組換え生物等の輸出入(指針p5-6)
遺伝子組換え生物等を輸出しようとするときは、法に定める様式12を遺伝子組換え生物等又はその包装若し
くは容器に添付するか送り状として輸出先に提供しなければならない。なお、輸入しようとするときは、様式を
指定しない。
輸出後は速やかに譲渡届出書を提出しなければならない。