ひびきのNEWS - 北九州学術研究都市

北九州学術研究都市
Kitakyushu Science and Research Park
ひびきのNEWS
2013
第
36
号
■表紙写真
1
2
3
4
6
フィレンツェ大学国際プラントニューロバイオロジー研究所
北九州研究室を開設
太陽光発電システムのリサイクル研究開発施設公開
九州工業大学大学院 生命体工学研究科
Doosub JAHNG
(ジァン・ドゥーソッブ)教授
5「フィレンツェ大学国際プラントニューロバイオロジー研究所
北九州研究室」開設記念セミナー
住宅向け地中熱ヒートポンプシステム
1
3
4
P2
P4
特 集
2
5
「北九州医歯工連携研究会」の設立と
「医療・保健・介護分野製品開発事業」の
概要と採択テーマについて
研究室最前線
授業の現場を支援!KWMで
先生と学生の伝達と理解をスムーズに
九州工業大学大学院 生命体工学研究科
Doosub JAHNG(ジァン・ドゥーソッブ)教授
P5
ひびきの入居者名鑑
水の紫外線殺菌・消毒に紫外線(UV)-LED光照射を
LEDの可能性と画期的なシステムは市場で注目必至!
■日本プライスマネジメント株式会社
メーカーが修理対応しなくなった部品や
製造中止になった部品でお困りの時は、
ご連絡ください!
■株式会社トリコ
P6
TOPICS
●北九州市制50周年プレ事業「北九州学術研究都市立地企業等交流会」
●イタリア・フィレンツェ大学
国際プラントニューロバイオロジー研究所が
学研都市内に
「北九州研究室」
を開設∼記念セミナー開催∼
●太陽光発電システムのリサイクル研究開発施設を公開
●住宅向け地中熱ヒートポンプシステム実証研究施設を公開
6
P8
学研施設探訪
■共同研究開発センター(産学連携センター2号館)
「北九州医歯工連携研究会」の設立と
「医療・保健・介護分
特 集
少子高齢化の一層の進展が予測される我が国において、内需型市場の中でも特に医療機器産業は成長分野として期待されています
が、現状は、医療機器は輸入に大きく依存しています。
そこで、昨年9月、北九州市とFAI
Sでは、市内のものづくり企業の医療・保健・介護分野への参入と、技術の高度化を目指すため、医療現
場等のニーズと大学のシーズおよび市内企業が有する技術のマッチングなどを目的としたプラットフォームとして、
「北九州医歯工連携研究
会」
を設立しました。
《 北九州医歯工連携研究会 》
各大学間の医歯工連携に関する研究開発の推進に加え、市
内ものづくり企業の医療・保健・介護分野への参入・集積を目指
し、医療現場のニーズ、大学のシーズ並びに市内企業が有する
ものづくり技術のマッチングを行うことを目的としたプラットフ
ォームを設立するもの。
個別具体的な研究開発
プロジェクトの支援
開催 年2∼3回程度
テーマ例
テーマ A
「 定量的歯周病総合診断
装置の開発 」
テーマ B
研究機関
九工大、九歯大、北九大、
【 産医大、
早稲田大、北九州高専 】
医療機関
テーマ C
「 多糖体による新規
バイオマテリアルの開発 」
テーマ D
企 業
【地域ものづくり企業等】
・・・・
「・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・の開発」
事務局:FAIS
本研究会は、市内の大学、企業、医療機関、行政などのメンバーで構成し、
現在、地元で進められている医歯工分野の研究開発や各種支援制度などに
ついて、定期的な情報交換を行うとともに、産学連携推進に向けたセミナー開
催やマッチング支援などを行っていきます。
第1回北九州医歯工連携研究会の様子▶
2
HIBIKINO NEWS
F
A
I
S
助成金
【 地域医療機関】
「医療用ロボットの開発」
国プロジェクト、市・
第1回:平成24年9月11日
第2回:平成25年3月19日
● 医歯工連携に関する研究開発の定期的
な情報交換
● 個々の研究開発プロジェクトの情報収
集、
集約
● 産・医・学 連 携を推 進 するためのセミ
ナーの開催、
展示会出展等
野製品開発事業」の概要と採択テーマについて
現場で抱える課題を解決する製品開発を支援!
平成24年度「医療・保健・介護分野製品開発事業」の採択テーマのご紹介
研究会の立ち上げと合わせ、医療現場等のニーズに対応した製品開発を積極的に支援していくため、
FAI
Sでは
「医療・保健・介護分野
製品開発事業」
を開始し、次のとおり助成金を交付しています。昨年8月27日から、9月14日まで申請受付を行い、11件の応募がありました。制
度が浸透していない初年度の募集でしたが、
この分野への関心が高いものと思われます。
今後、FAISでは、
これらの案件の事業化に向けた支援を通じて、北九州市内での産業化につなげていきたいと考えています。
●助成金制度の概要
医療・保健・介護分野の下記対象物の実用化に向けて行う
「事前調査」
や「試作」、試作品の「性能評価・検証」
に係る取り
組みに対して、開発費を補助。
事業内容
(1)機器、用具等および構成部材、材料
(2)機器、用具等の実用化に必要な周辺機器(評価機器等)
(3)機器、用具等の高度化を図るソフトウェア、通信機器
補助期間および補助額
単年度助成250万円以内
下記のいずれかに該当する方
助成対象者
(1)北九州市内に本社もしくは事業所を有する企業、個人または組合
(2)企業、個人または組合と連携して開発を行う、北九州市内の大学等研究機関(連携先は北九州市外の企業、個人もし
くは組合も可)
●採択テーマ一覧
テーマ名
一過性意識消失発作の原因診断を可能
とする非観血的心電図・血圧連続記録計
開発
申請代表者
産業医科大学医学部
不整脈先端治療学 教授
安 部 治 彦
開発概要
心疾患による失神等の発生は突然死に
繋がる確率も高く、一過性意識消失発作
の鑑別診断は臨床上非常に重要である。
現在、一過性意識消失発作に対する診断
には携帯式の心電計が用いられている
が、
これに血圧計機能を付加し、原因特定
の精度を向上する。
100%フッ素樹脂製「カテーテル部品」
の開発
(株)陽 和
使用時に血液や薬が付着しにくく、不純
物の溶出が極めて少ないというフッ素樹
脂(PTFE,PFA,ETFE,FEP)の特徴を活
かした従来にない「カテーテル部品」を開
発する。開発品は、接着剤を使用せずに接
合されており、100%フッ素樹脂製であ
ることを特徴とする。
静脈血栓症予防下肢運動補助ロボット
の開発と実地検証
九州工業大学大学院生命体工学研究科
脳情報専攻 教授
石 井 和 男
静脈血栓症は下肢で血液が凝固し血栓
が生じる疾患症であり、医療現場では血栓
症予防に苦心している。申請者らは静脈の
血流を増加させ血栓を予防する小型で容
易に装着可能な血栓症予防装置を開発し
てきた。本申請では製品版の開発と実地
検証を行う。
HIBIKINO NEWS
3
研 究 室 最 前 線
laboratory front line
授業の現場を支援!KWMで
先生と学生の伝達と理解をスムーズに
九州工業大学大学院 生命体工学研究科
教授
Doo
subJAHNG
(ジァン
・
ドゥーソッブ)
伝達と記憶、
この
「キーワード」
のやりとりが
KWMのきっかけに
夢は国公立の学校にKWMを無償配布
私たちの研 究 室では、授 業 支 援システム「 K e y W o r d s
KWMは多くの教育現場の方々の協力によって今でも成長し
Meeting(KWM)」
の研究・開発を行っています。
KWMとは、授
続けているシステムです。KWMをテーマに去年博士号を取得し
業における
「学生の反応の収集・評価および授業改善」
といった
た栗島一博博士は、現場からの要求をWeb上で丁寧に表現し
一連の活動を支援するICTシステムです。毎回の授業内容が学
てくれただけでなく、学生の立場からの提案もしてくれました。学
生にどの程度伝わったかを調べる機能や、学生の理解内容に対
内外からKWM稼働実験に参加してくれた仲間もいます。特に、
して先生がそれぞれにコメントを出せる
(フィードバックできる)機
私たちを信頼してKWMを導入してくれた、教育を愛する嘉麻市
能などを備えています。
すなわちKWMは、伝わっている過程を先
の小中学校の先生方にこの場を借りて深謝申し上げます。子供
生と学生が共に知るためのシステムといえます。
たちの学力向上にKWMが寄与できているならば、
こんなにうれし
KWMシステムの開発のスタートは、約20年前のこと。
「自分の
いことはありません。
授業が学生にどのように伝わっているのかを知りたい」
と考え、授
教育機関のみならず、
ある情報を伝える場面は多々あります。
業後に
「今日の授業で記憶に残ったキーワードは何ですか?」
とい
指示報告などの企業活動への導入や広告効果の測定や調査、
うアンケートを独自に取り始めたのがきっかけです。最初は紙ベー
情報収集などにKWMを用いることもできます。手段・戦略に効果
スで行ってきましたが、現場の先生にとって導入しやすく、かつさ
を発揮する切れ味のいいシステムだけに、扱いはより慎重に行い
まざまなメリットを持った支援ツールを提供するために、
システムの
たいと思っています。
開発を行ってきました。
最後にこれは展望になりますが、国公立の学校にKWMを無
授業改善のため、
さまざまな活用方法を
研究しています
償で配布できるようにしたい、
と思っています。
K W Mシステム概 要
私たちは、授業などの情報伝達活動で重要な要素は、
KWM
KWMを通して集まったデータには、様々な活用方法があります。
の頭文字にもなっている
「キーワード」
であると考えています。
この
● 授業内容が学生へどの程度伝わったかを表す定量的な指標の計算
伝える内容の
「キーワード」
を軸とした独自の手法を用いて、
「先生
が何を伝えようとしたのか」や「学生に何が伝わったのか」
といっ
た双方向の情報収集を行っています。
また、
KWMには質問票調査を行う機能を組み込んでおり、授
● 授業内容を間違って解釈している学生や、
理解不足の学生の早期発
見・期末試験前での対応
● 名物教授の授業ノウハウの保存
● 教え方を習ったことのない若手教員の教育力育成
● これまで先生と学生の密室状態だった
「教室」の透明化(外部評価者
に対する説明資料として)
業開始前、終了後、授業終了後3ヶ月の時点などにおける学生の
状況を調べることもできます。併せて、授業に関連した膨大なデー
タをもとに、授業達成度の定量的な評価に関する研究や、学生が
入力した文字情報についての質的研究を行っています。
先生と学生の情報伝達活動が、
透明化・見える化へ
KWMの使用法はWEBにログインして先生・学生ともに情報を
書き込むのですが、先生が学生に理解してほしいと望むポイントと
学生が記憶したキーワードに開きがあることもしばしばです。印象
に残ったキーワードがない、
と書き込まれた日は正直落ち込みます
(笑)。
しかし、理解も誤解も関心も無関心もすべてオープンなの
がKWM。
だからこそコミュニケーション
(Meeting)
の重要性が増
し、関係性が築かれていく、
と確信しています。
4
HIBIKINO NEWS
KWMの長所は、同じ授業を聞いたはずの学生たちの理解が一人ひとり異
なっている点が実際にわかること。
さらに授業に対する意欲や理解度が良く
なったという声が挙がってくることです。
ひびきの
入 居 者 名 鑑
水の紫外線殺菌・消毒に紫外線(UV)-LED光照射を
LEDの可能性と画期的なシステムは市場で注目必至!
日本プライス
マネジメント
株式会社
メーカーが修理対応しなくなった部品や
製造中止になった部品でお困りの時は、
ご連絡ください!
株式会社
トリコ
H24年11月学研都市進出 技術開発交流センター
平成23年6月学研都市進出 事業化支援センター
代表取締役社長
学研都市に進出している企業・団体をご紹介します。
専務
北九州支店長
吉 赫哲氏
北九州支店
宮崎秋次朗氏(左)
坂田 優氏(中)
小川 孝輔氏(右)
■研究分野のよりよい発展を目指して起業
■日本のコンピューター時代の黎明期に創業 弊社は科学課題研究の環境化学分析、食品化学分析の分野
弊社の設立当初は、
日本のコンピューター時代の幕開けと同時
で蓄積してきたコア技術を基盤として、2011年に立ち上げたベン
期で、
欧米より最新技術の電子部品の輸入を始めました。
これらの
チャー企業です。
輸入部品を電算機メーカーへ提供することで、
日本のコンピュー
国内事業では、紫外線
(UV)
-LED照射装置を用いた水浄化装
ター業界の発展に寄与してきました。
置の開発・販売、
アルマイト関連試薬の輸入販売、
分析機器の専用
近年では半導体製造業界のほかサービス産業への進出を果
ソフトウェアの開発・販売、
技術サポートを行っています。
海外事業で
たし、機械部品にとどまらず、半導体およびFPD製造装置を中心
は主に環境分析、
食品分析分野において環境汚染物質、残留農
に、
周辺の製品を含めた修理サービスを行っています。
薬等の化学物質のリスク回避システムを提案するほか、
保守点検・
■電子部品の輸入からスタートし、現在は製造装置の修理が
メイン 2000年から弊社の主流となった製造装置の修理は、
メーカーが
技術サポートならびに、機器分析の自動前処理装置・キット、分析
装置の輸出を行っています。
■固定観念を打ち破り、
前例がないところから生まれたシステム
主な開発案件は紫外線
(UV)
-LED光照射による水浄化システ
ムです。
これまで紫外線殺菌・消毒は水銀ランプが主に使われてき
ましたが、
ランプ交換や廃棄処理、
環境負荷といった点で問題があ
りました。
しかし、
この装置は、
UV-LED配列に特徴を持たせ、
殺菌
効果だけでなく有機物分解能に優れており、残留薬剤なども効果
的に分解処理ができるクリーンな光源です。
最近では、高出力UV-LEDの高密度実装技術の開発に成功
し、
上水、
下水、
排水などの浄水装置の製品化を中心に、
小型・簡
易操作・自動制御の技術開発に力を入れています。
■研究の発端は雨水処理 これからも「水処理」に力を注ぎたい 一企業では実現できないことでも産学官が連携することで、
より
高度な技術的発展が望めることが学研の魅力です。
なかでも北九
州市は企業の海外市場開拓 をサ
ポートしており、
特に海外水ビジネス
推進協議会では海外水ビジネスへ
の参入に力を入れています。弊社
の装置も国内外において水環境の
改善に貢献できると考えています。
Al
ux瞬UVU−P100 養殖用水浄化・紫外線
(UV)
-LED光照射装置
初期投資の費用面
が水 銀ランプに比
べ高く感じられます
が、維持管理といっ
たメンテ ナンスや
ランニングコストを
抑えることができる
画期的な製品です。
行うユニットの交換を意味し、
ユニット内の交換された基板は産業
廃棄物として廃棄されております。弊社では月200∼300ペースで
多種多様のお客様より製造設備ラインで使用されている基板等の
修理品をお預かりしています。
プリント基板を再生することによりユニット自体を生かし、産業廃
棄物の削減ならびに高価なユニット交換を減らすことによって発生
するお客様のコスト削減に貢献しています。
■「輸出入の拠点」
として、
「修理の拠点」
として、
「新しい技術
開発」の拠点として 北九州支店は3名体制。
福岡・大分・山口が営業エリアです。
北
九州支店が学研都市に進出した目的は、車産業に入っていきた
い、
というのが一番の要因です。
また、
日本のみならずアメリカ・アジ
ア諸国に向けてグローバルな展開を行うために海外拠点を強化し
ており、
トリコUSAに続き上海にトリコ中国を
設立しました。今年の春にはインドにも新た
に拠点を設けます。
商社機
能もありますので、お気軽
にお問い合わせください。
製紙会社様からお預かりしたモーターの基盤。
部品がない場合でも調達して修理いたします
◆入居者データ
◆入居者データ
●住所/北九州市若松区ひびきの1番8号
●TEL/093-695-3499
●代表取締役社長/吉 赫 哲
●資本金/2,000万円
●社員数/8名
●URL/http://www.price-management.jp
●設立/2011年
●事業内容/研究機器の製造・販売、
機器分析関連ソフトウェアの開発・販売
●住所/北九州市若松区ひびきの北1番103号
●TEL/093-695-3455
●代表取締役社長/鳥 塚 昌 宏
●資本金/4億1000万円 ●社員数/63名
●URL/http://www.torico-ltd.co.jp ●設立/1973年
●事業内容/半導体製造装置、液晶製造装置およびコンピューターシステム関連
機器の修理サービス、半導体製造装置および液晶製造装置用金属、電子機器部
品の輸入ほか
HIBIKINO NEWS
5
TOPICS
北九州市制50 周年プレ事業「北九州学術研究都市立地企業等交流会」
日 時 : 平成25年1月23日
(水)
15:30∼19:00
場 所 : 第1部/北九州学術研究都市 会議場メインホール
第2部/北九州学術研究都市 会議場イベントホール
学研都市には4つの大学・大学院のほか、多くの研究機関や50を超える研究開発型企業が集積し、知的基盤と企業集積のメリットを生か
した産学連携活動が繰り広げられています。今後も新たな産学連携の動きが次々と生まれる風土を醸成し、新規事業創出のきっかけづくりと
するため
「立地企業等交流会」
を行いました。
立地企業や大学、市やFAI
Sなどの支援機関が一同に会する本交流会は、今年で4年目となり、交流も年々活発になってきています。今年
は北九州市内でご活躍されている企業(熱産ヒート株式会社、八幡電機精工株式会社、計測検査株式会社)
の方をお招きし、特色のある取
り組み内容などについて発表していただきました。
《 プ ロ グ ラ ム 》
第1部
交流会(15:30∼17:15)
1. あいさつ
北橋 健治
國武 豊喜
●北九州市長
●公益財団法人北九州産業学術推進機構 理事長
2. 交流会の趣旨・業務概要一覧・研究者情報紹介について
山本 泰史
●北九州市産業経済局新産業振興部 担当課長
3. 北九州市内企業の紹介(事業内容・技術)
●熱産ヒート株式会社 営業グループ マネジャー
●八幡電機精工株式会社 代表取締役社長
●計測検査株式会社 代表取締役
4. 情報交換
1
2
3
4
和田 順次 様 ※写真1
菊竹 浩和 様 ※写真2
坂本 敏弘 様 ※写真3
最近のトピックス、
連携促進に関する意見交換 など
第2部
懇親会(17:30∼19:00)※写真4
イタリア・フィレンツェ大学 国際プラントニューロバイオロジー研究所が
学研都市内に
「北九州研究室」
を開設∼記念セミナー開催∼
2月20日、
フィレンツェ大学国際プラントニューロバイオロジー研究所が北九州市およびFAI
S支援のもと学研都市内に
「北九州研究室」
を
開設しました。今後、北九州市立大学国際環境工学部と共同で、効率的な植物工場の開発を行うため、LEDを用いた光合成の研究や栽培
システムについての実証実験を行います。
大学間の交流は平成17年にスタートし、北九州市立大学の河野研究室とフィレンツェ大学国際プラントニューロバイオロジー研究所との学
術研究交流がきっかけです。昨年6月には河野准教授の研究テーマが文部科学省に採択され、研究員が来日しました。
当日は
「北九州研究室」
の開設を記念して、研究室前で研究室の看板除幕式が行われ、学術情報センター1階遠隔講義室において記念
セミナーが開催されました。
研究室を開設するにあたっての目的と想定される主な効果は以下のとおりです。
(1)北九州市・ 北九州市立大学・ FAIS
・学研都市進出大学による海外大学との共同研究・連携の活発化
・学研都市への海外の優秀な頭脳(研究者・留学生)
の集積
・ひびきの LED アプリケーション創出協議会(別紙参照)
が有する技術の応用範囲拡大
(2)
フィレンツェ大学国際プラントニューロバイオロジー研究所側
講演 1
「高輝度LEDを利用した
植物科学研究と
植物工場への応用」
北九州市立大学国際環境工学部准教授
河野智謙
講演 2
「フィレンツェと北九州が共に描く
植物のビジョンーL
INV
(植物ニューロバイオロジー研究所)
」
フィレンツェ大学国際プラントニューロ
バイオロジー研究所研究員
・学研都市内の大学および研究者等と共同研究の実施
Diego Comparini
・北九州市内企業が有する半導体・LED・省エネルギー
技術の活用
講演 3
・日本(地域)企業との産学連携の推進
「植物と光」
(左)
フィレンツェ大学国際プラントニューロバイ
オロジー研究所研究員・Diego Comparini
(中)北九州市長・北橋健治(右)北九州市
立大学副学長・梶原昭博
6
HIBIKINO NEWS
兵庫県立大学副学長
新免輝男
太陽光発電システムのリサイクル研究開発施設を公開
2月20日、若松区南二島において、太陽光
発電システムのリサイクル研究開発施設が
公開され、本格運用がスタートしました。
このプロジェクトはFAISと地元企業が開
発を推進しており、国からの委託事業で総事
業費は5億円になります。
施設公開に先立ち、北橋市長が施設内を
見学し、太陽光パネルの解体から燃焼後の
FAIS産学連携統括センター 野田松平参与
様子をご覧いただきました。
この施設は、昨年7月より
「再生可能エネル
ギーの固定価格買取制度」がスタートし、太
陽光発電が急速に普及する中、将来的な廃
棄量の増加やリサイクル需要が拡大する場
合に備えて完成させました。
各メーカーによって構造・材料が異なる太
陽電池に対応可能な設備で今後、技術的課
題や事業化可能性を検証し、平成29年度の
実用化を目指しています。
■一貫処理フロー図
1
太陽光パネルか
らアルミ枠を解体②バックシート
(BS)除去③EVA加熱/燃焼処理、約500℃の高温で燃焼させ、燃焼処理後のパ
ネルから金や銀、
ガラスなどを取りだし再利用④CIS膜除去・回収
住宅向け地中熱ヒートポンプシステム実証研究施設を公開
2月28日、八幡西区折尾の新日本ホームズ株式会社の実験棟敷地内において、住宅向け地中熱ヒートポンプシステム実証研究施設の公
開が行われました。
このプロジェクトは、
「北九州地中熱・ヒートポンプシステム利用研究会」
のメンバーである新日本ホームズ株式会社、北九州市立大学の共
同研究で、
FAI
Sの平成24年度低炭素化技術拠点形成事業 ミニ実証事業に採択され、
スタートしました。
本実証研究は、住宅建物への地中熱ヒートポンプシステム導入の課題となっている掘削コストを削減するため、基礎杭を地中熱交換器と
して使用する施工実験を行い、施工方法を確立するとともに、
ヒートポンプを接続し暖冷房運転試験を行うことで省エネルギー効果を検証す
るもので、
●住宅建築の基礎杭を地中熱交換器として適用した場合の施工実証
●北九州地域をモデルとした温暖地域の最適条件の探索
を行います。
このたび実証研究施設の完成に伴い公開を行いました。
今後は実測データをとりながら実証研究を進めていきます。
地中熱ヒートポンプシステムは、
エアコン等に対して1
0∼25%、
灯油ボイラーに対して30%程度の省エネルギー効果がある
といわれ、特に北海道地域などを中心とした寒冷地住宅で
は冬のエネルギー効率が非常に悪いために導入が進んで
います。
しかし、温暖地域では寒冷地ほど冬のエネルギー効
率が悪くないため、地中熱ヒートポンプシステムの普及に
は、
コスト低減と地域に適合した最適システムの構築が必
要とされています。
HIBIKINO NEWS
7
北九州学術研究都市の施設案内
4
共同研究開発センター(産学連携センター2号館)
半導体集積回路(IC)技術を中核にした微細加工関連の研究開発
を支援する施設です。
1階には、ICやMEMSの設計、製造、評価設備が設置されており、
学研都市内外を問わず、
どなたでも利用することが可能です。
昨年11月に、多数の装置更新を実施し、
さらに広範な研究開発の
場をご提供することが可能となりました。ぜひご活用ください。
UP! これらが新しい装置です!
研究施設紹介(設計から評価まで)
ケミカルプロセス室
ECLOS
イエロールーム
製 造
設計
超純水製造装置
スパッタ装置
電気炉
(酸化・拡散路)
高速熱処理装置
(RTA)
形状測定レーザー
マイクロスコープ
デジタル
マイクロスコープ
ダイシングソー
両面
マスクアライナ
評価
レイアウト設計室
組立測定室
共同研究開発センターでは、独自のIC製造プロセスを確立してお
り、設計から製造、評価の一貫工程を利用者自ら実施することが可能
です。自ら装置を操作することで、
これまで意識していなかった視点
から、新たな発見をすることも多く、研究者・技術者としてのポテン
機能UP!
精度UP!
操作性UP!
信頼性UP!
シャルを高めることが期待できます。
共同研究開発センターのここがすごい!
◆どなたでもご利用可能です
(国内外、企業、大学、個人でも)。
◆専門知識を持った職員が実験に立ち会いますので安心です。
◆IC試作実習(標準コース:2週間)の受入れも可能です。
スピンコータ
ボンディング装置
新しいことにも
チャレンジできます
◆ニーズに応じた様々なセミナーを準備します
(ご相談ください)。
文部科学省「ナノテクノロジープラットフォーム」事業への参画
本事業は、最先端の微細加工の研究設備とその活用のノウハウを有する機関が緊密に連携して、全国的な設備共用と利用支援体制を構築するも
のです。高度な装置と利用技術を研究者や企業に提供するとともに、若い微細加工研究者の養成を行うことなどにより、我が国の企業の世界的な競
争力の強化に貢献します。
FAISは、同事業の微細加工分野における九州唯一の参画機関として、九州内の大学や研究機関と連携を行いながら、九州地区における拠点的な
役割を果たしていきます。
連 絡 先
公益財団法人 北九州産業学術推進機構(FAIS)
共同開発センター
(管理運営団体:一般財団法人 ファジィシステム研究所)
〒808-0135 北九州市若松区ひびきの1番5号
E-mail: [email protected]
URL: http://www.ksrp.or.jp/fais
施設予約電話番号 093-695-3600
■編集・発行
8
HIBIKINO NEWS
公益財団法人
北九州産業学術推進機構
(FAIS) 総務企画部
〒808-0135 北九州市若松区ひびきの2番1号
TEL:093-695-3111 FAX:093-695-3010
Email:[email protected] http://www.ksrp.or.jp/fais
平成25年3月発行