つかもう健康 ~ あさひ元気アッププラン

~
つかもう健康
~
あさひ元気アッププラン
旭 市 健 康 増 進 計 画
平成27年3月
旭 市
ごあいさつ
旭市は、平成17年11月に健康都市宣言を行い、「ひとが輝き
海とみどりがつくる健康都市“旭”」の実現をめざす総合計画の
もと、保健事業にきめ細かく取り組んでまいりました。
旭市における平成22年の平均寿命は、男79.0歳・女86.1
歳で、平成17年に比べ、男1.7歳・女2.3歳延びております。
しかし、旭市の死因統計によると「がん」
「心疾患」
「脳血管疾患」の生活習慣に起因す
るものが全国平均より高い状況にあります。
また、旭市民の健康に関するアンケート調査からは、高血圧の治療をしている人の割
合が高く、生活習慣病につながる食習慣の乱れや塩分のとり過ぎが浮き彫りになりました。
合併10年という節目を迎えた今、長寿社会を見据えての健康づくり施策は、旭市の未来
にとって最も重要になると痛感しております。
私としましては、平均寿命の延伸もさることながら、介護を受けたり寝たきりになった
りせず、自立して健康に生活できる健康寿命の延伸が最重要だと考えます。
したがいまして、本計画では総合目標として「健康寿命の延伸」を掲げ、
「~つかもう
健康~ 笑顔が輝き
みんなが元気にくらせるまち・旭」を目指し、市民一人ひとりが主
体的に健康づくりに取り組んでいただけるよう支援をすすめてまいります。
具体的な施策としましては、統計及びアンケート調査からもうかがえることから、減
塩対策などを含む「生活習慣」に焦点を当て、生活習慣病の発症予防とともに、重症化予
防にも重点をおいた健康増進施策の推進を図る取り組みを一層進めることとしておりま
す。
おわりに、計画策定にあたり、アンケート等にご協力いただいた市民の皆様をはじめ、
貴重な意見を賜りました各委員の皆様、関係各位に厚くお礼申し上げます。
平成27年 3 月
旭市長
明智
忠直
目
次
第1章 計画の策定にあたって
第1節 計画策定の背景・趣旨 ......................................................... 3
第2節 計画の位置付け ............................................................... 4
第3節 計画の期間 ................................................................... 4
第2章 数字で見る市民の健康状態
第1節 市民の健康状態 ............................................................... 7
第3章 計画の基本的な考え方
第1節 目指す姿 .................................................................... 19
第2節 総合目標 .................................................................... 19
第3節 施策の方向 .................................................................. 20
第4節 施策の体系 .................................................................. 21
第5節 ライフステージ別の目標項目 .................................................. 22
第4章 課題と対策
第1節 重点施策 .................................................................... 27
1.生活習慣病の発症予防と重症化予防 .............................................. 27
① がん ......................................................................... 27
② 循環器疾患 ................................................................... 30
③ 糖尿病 ....................................................................... 34
2.次世代の健康(親と子の健康) ................................................. 38
第2節 分野別施策 .................................................................. 43
1.生活習慣の改善 ................................................................ 43
①-1 栄養・食生活 ............................................................. 43
①-2 減塩 ..................................................................... 50
② 身体活動・運動 ............................................................... 54
③ 歯と口腔の健康 ............................................................... 57
④ 喫煙 ......................................................................... 61
⑤ 飲酒 ......................................................................... 65
⑥ 休養・こころの健康 ........................................................... 67
第5章 計画の推進
第1節 健康増進に向けた取り組みの推進 .............................................. 73
1.活動展開の視点 ................................................................ 73
2.健康を守り支え合う環境づくりと関係機関との連携 ................................ 73
3.進行管理と評価 ................................................................ 73
4.目標値の設定 .................................................................. 74
資料
1.市民の健康に関するアンケート .................................................. 79
2.委員名簿 ...................................................................... 86
3.用語解説 ...................................................................... 87
2
第1節 計画策定の背景・趣旨
第1節
計画策定の背景・趣旨
旭市では、
「自分の健康は自分で守る」をスローガンに、一次予防である生活習慣の改善
対策として、
「運動」
「食」
「禁煙」の大切さを市民に広く啓発すると共に、生活習慣病を早
期に発見し早期に治療へ結び付ける二次予防対策として、がん検診等の受診率のアップを
はじめ、指導体制や相談体制の拡充を図る等、健康づくりに取り組んできました。
しかし、旭市民の生活習慣から起因する「がん」
「心疾患」
「脳血管疾患」の三大疾病は、
依然として高く推移していることが、統計値から明らかとなっています。
このことから、市ではこれまでの健康づくりの取り組みの実績を踏まえ、市民の健康状
態に合わせた課題を見出し、10年後を見据えた健康づくり施策を推進するため、
「健康増
進計画」を策定することとしました。
この計画では、健康づくり施策を効果的に実施していくため、生活習慣との関わりを明
確に示し、健康づくり意識の醸成から実践、継続、環境づくりに結び付けていきます。
生活環境の改善や医学の進歩によって、我が国の平均寿命は世界でも高い水準で推移し
ています。その一方で、急速な人口の高齢化や生活習慣の変化に伴い、がん、心臓病、脳
卒中等生活習慣病の増加や重症化等により、介護が必要な人が増加しています。併せて、
社会経済状況の変化や市民の価値観、ライフスタイル等も多様化しており、個人の健康づ
くりだけではなく、社会全体で健康な暮らしに向け取り組むことが求められています。
このような背景から、国は平成12年3月に、
「21世紀における国民健康づくり運動(健
康日本21)
」を策定し、平成14年度には健康増進法が、平成18年度に医療制度改革関連
法等、健康づくりと疾病予防を推進するための環境整備を進めてきました。平成25年度
からは、「21世紀における第2次国民健康づくり運動《健康日本21(第2次)》」を策定
し基本的な方針に基づいて国民の健康増進を総合的に推進しています。
≪国の基本的な方針≫
(1)健康寿命の延伸と健康格差の縮小
(2)生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(NCDの予防)
(3)社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上
(4)健康を支え、守るための社会環境の整備
(5)栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、禁煙及び歯・口腔
の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善
※健康寿命
健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間。
※NCD
非感染性疾患。不健康な食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒などの原因が共通しており、生活習慣の改善により、
予防可能な疾患をまとめて非感染性疾患と位置づけている。心血管疾患、がん、糖尿病、慢性呼吸器疾患などをいう。
※健康日本21(第 2 次)
21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)を改定した、平成25年度から平成34年度までの10年
間の計画。活力ある社会の実現、国民の健康の増進を目指す。
3
第2節
計画の位置付け
第2節 計画の位置付け
1
この計画は、市のまちづくりの基軸となる「旭市総合計画」を基本としつつ、市民
の健康の増進を図るため基本的事項を示し、推進に必要な方策を明らかにし、関連す
る各種計画との整合性を図りながら、策定・推進するものです。また、「旭市歯と口
腔の健康づくり推進条例」第7条に規定する計画を含みます。
2
健康増進法第8条第2項に基づく「市町村健康増進計画」に対応する計画であるこ
とから、国の「健康日本21(第2次)」や「健やか親子21」をはじめ、県の「健康ち
ば21(第2次)」を踏まえながら、市の健康水準や地域性を考慮した計画としていま
す。
表2-1
法
律
関連する法律及び各種計画等
千葉県が策定した計画
旭市が策定した計画等
健康増進法
健康ちば21(第2次)
旭市健康増進計画
次世代育成支援対策
推進法
千葉県次世代育成支援行動計画
(後期計画)H22~26年度
旭市次世代育成支援行動計画
(後期計画)H22~26年度
子ども子育て支援法
千葉県子ども子育て支援事業支
援計画 H27~31年度
旭市子ども子育て支援事業計画
H27~31年度
食育基本法
第2次千葉県食育推進計画
高齢者の医療の確保
に関する法律
千葉県における健康福祉の取り
組みと医療費の見直しに関する
計画(医療費適正計画)
がん対策基本法
千葉県がん対策推進計画
歯科口腔保健の推進に
関する法律
千葉県歯・口腔保健計画
旭市歯と口腔の健康づくり推進
条例
介護保険法
千葉県高齢者保健福祉計画
旭市高齢者福祉計画・介護保険
事業計画
第3節
旭市国保保健事業・特定健康診
査等実施計画
計画の期間
第3節 計画の期間
本計画の期間は、平成27年度から平成36年度までの10年間とします。また、社
会情勢の変化に応じて見直しを行うこととします。
※健やか親子21
21世紀の初頭における母子保健の国民運動計画として平成12年11月に策定された2001年~2010年
の計画。計画期間は延長され、2014年までとなっている。
4
5
6
第1節
市民の健康状態
(1)人口動態総覧
表1-1
平成 20~24 年人口動態
(率:人口千人当たり)
区分
出 生
人 口
実 数
年
死 亡
合計特殊
率
婚 姻
実 数
出生率
率
実 数
離 婚
率
実 数
率
H20年
69,690
521
7.5
1.34
766
11.0
345
5.0
136
2.0
H21年
69,455
542
7.8
1.42
793
11.4
326
4.7
143
2.1
H22年
69,704
533
7.6
1.48
775
11.1
333
4.8
141
2.1
H23年
68,169
519
7.6
1.44
839
12.3
304
4.5
126
1.8
H24年
67,735
543
8.0
1.53
842
12.4
316
4.7
119
1.8
千葉県 H24年
6,136,250
48,881
8.0
1.31
53,206
8.7
32,150
5.3
11,521
1.9
全 国 H24年 126,393,679
1,037,231
8.2
1.41
1,256,359
10.0
668,869
5.3
235,406
1.9
旭
市
(率:出生千人当たり)
区分
乳児死亡
年
実 数
死 産
新生児死亡
実 数
率
率
自 然
実 数
周産期死亡
人 工
率
実 数
率
実 数
率
H20年
0
0.0
0
0.0
9
16.9
4
7.5
1
1.9
H21年
3
5.5
0
0.0
13
23.2
6
10.7
3
5.5
H22年
3
5.6
1
1.9
7
13.1
4
7.5
1
1.9
H23年
2
3.9
2
3.9
9
16.9
4
7.5
2
3.9
H24年
3
5.5
2
3.7
7
12.6
7
12.6
3
5.5
千葉県
H24年
135
2.8
64
1.3
555
11.1
598
12.0
216
4.4
全 国
H24年
2,299
2.2
1,065
1.0
11,448
10.8
13,352
12.6
4,133
4.0
旭
市
(資料:厚生労働省人口動態統計、海匝健康福祉センター事業年報)
(2)年齢別人口構成の推移
(%)
100
100%
図1-1
14.8
年齢別人口構成推移
17.3
20.1
22.1
24.1
80
80%
老年人口(65歳以上)
60
60%
66.7
65.9
64.8
40
40%
64.0
63.0
20
20%
生産年齢人口(15~64歳以下)
年少人口(0~14歳以下)
18.5
16.7
15.1
13.8
12.9
H2年
H7年
H12年
H17年
H22年
0
0%
(資料:国勢調査)
人口は減少傾向にあり、高齢化が進んでいます。
7
(1)平均寿命
表1-2
男 性
平均寿命
女 性
1995
2000
2010
1995
2000
H7年
H12年 H17年 H22年
H7年
H12年 H17年 H22年
2005
旭 市
―
―
77.3
79.0
千葉県
76.89
78.05
78.95
79.95
全 国
76.70
77.71
78.79
79.64
―
2005
2010
―
83.8
86.1
千葉県 83.19
84.51
85.49
86.23
全 国 83.22
84.62
85.75
86.39
旭 市
(資料:厚生労働省 都道府県別生命表の概況、 厚生労働省 市町村別生命表の
概況、平成 22 年全国・千葉県 健康ちば 21(第2次)より)
(2)健康寿命(日常生活動作が自立している期間の平均)
図1-2
全国と千葉県の平均寿命と健康寿命の差
旭市は、全国・千葉
県と比較できるデ
ータはありません。
(図1-2は国民生活基
礎調査データを基に算出)
(資料:厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究班」平成 22 年)
表1-3
65 歳における平均余命と平均自立期間
男
平成17年
旭
市
千
葉
県
65歳における平均余命
65歳における平均自立期間
65歳における日常生活に差障りのある期間
17.70
16.43
1.27
65歳における平均余命
65歳における平均自立期間
65歳における日常生活に差障りのある期間
性
平成22年
17.61
16.16
1.45
19.07
17.53
1.54
女
平成17年
22.53
19.75
2.78
性
平成22年
23.28
20.41
2.87
23.68
20.44
3.24
(資料:厚生労働科学 健康寿命研究平均自立期間の算定プログラムによ
り旭市算出。平成 17 年千葉県は、健康ちば 21(第2次)より)
旭市の平均寿命は、平成17年の国勢調査の結果で、女性は千葉県でワースト1位(全
国でワースト10位)、男性は千葉県でワースト5位でした。平成22年は、女性は千葉
県でワースト31位に、男性は千葉県でワースト10位になりました。
65歳における平均自立期間は、千葉県に比べて短くなっています。
※平均余命
ある年齢の人々がその後生きられる平均の年数。
※平均自立期間
日常生活に介護を要しない、要介護2以上の認定を受けるまでの期間。
8
(1)出生数及び出生率の推移
図1-3
(人)
542
521
出
生 500
数
出生数及び出生率の推移
8.7
8.6
533
8.6
8.5
519
8.8
出
8.6 生
率
8.4 (
人
8.2 口
千
8
人
7.8 当
た
7.6 り
)
7.4
8.5
8.3
400
300
543
8.3
8.2
8.2
8.0
8.0
7.8
7.6
200
7.6
7.5
出生数
出生率
(旭市)
出生率
(千葉県)
7.2
100
出生率
(全国)
7
0
6.8
H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度
H20 年 H21 年 H22 年 H23 年 H24 年
(資料:千葉県衛生統計年報、
海匝健康福祉センター事業年報)
(2)合計特殊出生率の推移
図1-4
合計特殊出生率推移
1.6
1.5
1.4
旭市
1.3
全国
1.2
千葉県
1.1
(資料:千葉県衛生統計年報)
1
H20年H21 年H21年
H20 年
H22 年 H22年
H23 年 H23年
H24 年
H24年
※合計特殊出生率
一人の女性が一生の間に産む子どもの平均数。
(3)低出生体重児出生状況
表1-4
年
旭
市
体重
1,000g未満
低出生体重児出生状況
1,001g~
1,499g
1,500g~
1,999g
2,000g~
2,499g
計
低出生体重児出生率
(出生千人当たり)
H20年
0人
3人
11人
37人
51人
9.8
H21年
2人
4人
10人
41人
57人
10.5
H22年
3人
5人
5人
39人
52人
9.8
H23年
9人
1人
8人
49人
67人
12.9
H24年
7人
2人
7人
43人
59人
10.9
千葉県 H24年
164人
243人
572人
3,551人
4,530人
9.3
全 国 H24年
3,199人
4,786人
12,502人
78,824人 99,311人
9.6
(資料:千葉県衛生統計年報)
出生後に十分な管理や育児支援が必要となる低出生体重児の出生率は、全国・千葉県よ
り高い値で推移しています。
9
(1)主要死因別死亡状況(平成24年)
図1-5
その他の消化
高血圧性疾患
器系疾患
1.7%
慢性閉塞性
1.8%
肺疾患
1.7%
その他の症状
2.1%
主要死因別死亡状況(平成 24 年)
その他
15.6%
悪性新生物
25.2%
その他の呼吸
器系疾患
3.8%
不慮の事故
4.3%
老衰
5.5%
心疾患
16.5%
肺炎
7.1%
脳血管疾患
14.8%
(資料:千葉県衛生統計年報)
(2)四大死因の死亡率の比較(平成24年)
図1-6
四大死因の死亡率の比較(平成24年)
死図1-5
350
亡
率
( 300
人
口 250
10
万 200
人
当
た 150
り
) 100
50
0
旭市脳血管疾患
千葉県 全国
脳血管疾患
旭市 心疾患
千葉県
全国
旭市
千葉県 全国
悪性新生物
心疾患
旭市
千葉県
悪性新生物
全国
旭市
千葉県
肺炎
肺
全国
炎
(資料:千葉県衛生統計年報、海匝健康福祉センター事業年報)
10
(3)壮年期(40~64歳)死亡の状況
表1-5
総死亡数
壮年期死亡数
と総死亡に占
める割合
壮年期死亡状況
H20年
H21年
H22年
H23年
H24年
766人
793人
775人
839人
842人
109人
(14.2%)
117人
(14.8%)
105人
(13.5%)
112人
(13.3%)
96人
(11.4%)
男性
女性
男性
女性
男性
女性
男性
女性
男性
女性
75
人
34
人
86
人
31
人
77
人
28
人
83
人
29
人
69
人
27
人
(資料:千葉県衛生統計年報)
(4)がん部位別死亡状況(平成24年)
図1-7
がん部位別死亡状況(平成 24 年)
(人)
40
35
30
25
20
15
女性( 79 人)
10
男性(133 人)
5
0
す 肝 胆 食
肺 胃 大 膵
い 臓 の 道
腸 臓
臓
う
・
胆
道
悪 乳 そ 前 白 子 卵 膀 中 口 喉 皮 そ
性 房 の 立 血 宮 巣 胱 枢 唇 頭 膚 の
他
他 腺 病
神 ・
リ
リ
ン
経 口
腔
パ
ン
・
パ
腫
咽
造
頭
血
(資料:千葉県衛生統計年報)
死亡原因は、全国・千葉県はがん、心疾患、肺炎の順ですが、旭市はがん、脳血管疾患、
心疾患の順で死亡率も高く推移しています。
壮年期の死亡が 1 割強を占め、男性は女性の約 2 倍となっています。
死因第 1 位のがんの部位別死亡状況を見ると、1 位肺がん、2 位胃がん、3 位大腸がん
ですが、性別では男性は1位肺、2位胃、3位大腸・すい臓・肝臓、女性は1位胃、2位
大腸、3位肺の順です。
11
(1)国保特定健康診査結果有所見率(基準値を超えた人の割合)
図1-8
HbA
1c(
NGS
P)
HbA1c
国保特定健康診査の主な有所見率
男性
女性
収縮期血
圧
男性
腹囲
LDL
LDL
男性
コレステロール
女性
男性
収縮期
血圧
腹囲
女性
BMI
BMI
女性
男性
中性脂肪
女性
中性
脂肪
男性
女性
0
10
20
30
40
50
60
70
(%)
(資料:平成 25 年度旭市国民健康保険特定健康診査結果(40~74 歳))
収縮期血圧とは
最大血圧のこと
です。
※HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
糖尿病を調べる血液検査で、過去 1~2か月間の血糖状態を表す。糖尿病の診断・経過・血糖コントロール状態が
わかる。
※LDL コレステロール
血液中のコレステロールのひとつで「悪玉コレステロール」と呼ばれている。LDL コレステロールが増えると、
動脈硬化の原因となる。
※BMI
Body Mass Index(体格指数)の略で、体重と身長を用いて算出した肥満度を表す指数。
12
(2)メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の推移
図1-9
(%)
メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の推移
50
40
30
メタボリックシンドローム予備群
20
メタボリックシンドローム該当者
10
0
男性
女性
H21年度
男性
女性
H22年度
男性
女性
H23年度
男性
女性
H24年度
男性
女性
H25年度
(資料:旭市国民健康保険特定健康診査結果(40~74 歳))
国保特定健康診査の有所見率(基準値を超えた人の割合)を見ると、HbA1c、LDL コ
レステロール、収縮期血圧の順に多くなっています。HbA1c の有所見率は、男女とも 6
割を超えています。腹囲は、男性が女性の約 3 倍多くなっています。
メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の合計は、男女とも横ばいで推移してい
ます。また、予備群より該当者の人が男女とも多くなっています。
※メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)
内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうち、いずれか 2 つ以上を併せもった状態のこと。
13
(1)認定者数の推移
図1-10
(人)
要介護度の推移(第1号被保険者)
3000
2500
2000
364
337
290
427
405
451
要介護4
408
要介護3
528
要介護2
397
402
459
493
344
390
471
要介護1
要支援
423
430
1000
396
387
500
要介護5
424
399
1500
364
349
227
275
301
308
337
313
318
H20年度
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
0
(資料:統計あさひ)
(2)介護保険認定者の疾病
図1-11
要介護(支援)者有病状況(第1・2号被保険者)
心臓病(20.1%)
その他(22.6%)
その他(22.5%)
難病(3.2%)
筋・骨疾患
(14.6%)
がん(4.9%)
精神疾患
(9%)
(9.1%)
糖尿病(13.1%)
脳疾患(12.4%)
(資料:国保データベース25年度累計)
高齢化に伴い、認定者数が増加しています。不健康状態とされる要介護2~5の認定者
数も増加しています。
※第1・2号被保険者
介護保険における第1号被保険者は65歳以上の人、第2号被保険者は40歳以上64歳以下の人。
14
(1)身体障害者手帳保持者で内部機能障害のある人の推移
図1-12
内部機能障害人数推移
H23年度
心臓機能障害
H24年度
H25年度
腎臓機能障害
膀胱直腸機能障害
呼吸器機能障害
免疫機能障害
肝臓機能障害
小腸機能障害
0
50
100
150
200
250
300 (人)
(資料:千葉県障害福祉課障害福祉施策情報(各年3月31日現在))
(2)身体障害者手帳保持者で腎臓機能障害となった原因疾患の内訳
表1-6
腎臓機能障害の原因疾患
原因疾患
慢性腎炎
糖尿病性腎症
(内 1型糖尿病再掲)
腎硬化症
その他
合 計
人数(人)
62
61(2)
18
11
152
割合(%)
40.8
40.1
11.9
7.2
100.0
(資料:旭市社会福祉課調べ H26年3月31日現在)
内部障害のある人の内訳は、心臓機能障害、腎機能障害の順に多くなっています。
心臓機能障害、呼吸器機能障害、肝機能障害は増加傾向にあり、腎機能障害は横ばいに
推移しています。
腎機能障害の原因疾患を見ると、慢性腎炎に次いで糖尿病性腎症が多くなっています。
※1型糖尿病
すい臓から出るインスリンの量が足りなくなって起こる病気。子どものうちに始まることが多く、以前は小児糖
尿病やインスリン依存型糖尿病と呼ばれていた。
15
17
18
第1節 目指す姿
第1節
目指す姿
~ つかもう健康 ~
笑顔が輝き みんなが元気にくらせるまち・旭
1
健康の実現のためには、「自らの健康は、自ら守り、高める」という主体的な健康
づくりを行うことが基本です。
2
市民一人ひとりが、健康の重要性を認識し、健康に対する正しい知識に基づいて、
心身の健康づくりを生涯にわたって実践、継続していくとともに、地域、行政、学校
等による個人の健康を支援する環境づくりが必要です。
この計画は、「笑顔が輝き みんなが元気にくらせるまち・旭」を目指して、全ての
市民が生涯を通じ心身ともに健やかにくらせるよう健康づくりを推進していきます。
第2節
総合目標
第2節 基本目標
健康寿命の延伸
目指す姿の実現に向けて、市の健康を取り巻く状況と健康課題を踏まえ「健康寿命の
延伸」を総合目標に取り組んでいきます。
市民一人ひとりが自己の価値観や健康状態に応じた生きがいを持って、生涯にわたり
生活の質を維持・向上できるよう、健康で自立してくらすことのできる期間を延ばします。
19
第3節
施策の方向
第3節 具体的施策の方向
総合目標に向けて、重点施策として「生活習慣病の発症予防と重症化予防」「次世代
の健康」を、分野別施策として「生活習慣の改善」を位置づけ、連動した取り組みを進
めていきます。
【重点施策】
1
生活習慣病の発症予防と重症化予防
主要な死亡原因であるがんと循環器疾患(心疾患と脳血管疾患等)に加え、重大な合
併症を引き起こす恐れのある糖尿病等の生活習慣病の発症予防や重症化予防に重点を
置いた対策を推進することで、市民が自身の健康づくりに取り組み健康寿命の延伸を図
ります。
2
次世代の健康(親と子の健康)
妊娠中を健やかに過ごし、親子とも笑顔で健康にくらしていくために、こころと身体
の成長を応援します。
妊娠・出産後は健康で楽しく育児ができるように、また、乳幼児期・少年期には子ど
もたちが元気に育ち、生活習慣病の予防にもつながるように支援していきます。
【分野別施策】
1
生活習慣の改善
健康の基本となる①栄養・食生活・減塩、②身体活動・運動、③歯と口腔の健康、④
喫煙、⑤飲酒、⑥休養・こころの健康のそれぞれの分野について、健康づくりに視点を
置いた生活習慣の改善を推進し、市民が生きがいを持って安心してくらせるよう健康づ
くりを進めます。
20
第4節
施策の体系
第4節 施策の体系
目
指
す
姿
~ つかもう健康 ~
笑顔が輝き みんなが元気にくらせるまち・旭
総
合
目
標
健康寿命の延伸
生活習慣病の発症予防と重症化予防
重
点
施
策
がん
循環器
疾患
次世代の健康
親と子の健康
糖尿病
生活習慣の改善
分
野
別
施
策
栄養・食生活
休養・こころ
の健康
身体活動・
運動
喫煙
減塩
飲酒
歯と口腔の健康
健康を守り支え合う環境づくり
○健康づくりの場・機会
○健康づくり活動の推進
○感染症予防の推進
○関係機関及び活動団体との連携
21
第5節 ライフステージ別の目標項目
(健康日本21(第2次)で示された目標項目と旭市の目標項目)
☆第2次健康日本21目標値
☆健康日本 21(第 2 次)目標値
妊娠 出産 ★健康日本
21(第 2 次)目標値
★第2次健康日本21目標値
で旭市で取り組む目標値
で旭市で取り組む目標値
0歳
0歳
●旭市の目標値
乳幼児期 少年期 18歳
青壮年期
20歳
●旭市の目標値
重点
が ん
1
生
活
習
慣
病
の
発
症
予
防
と
重
症
化
予
防
★健康寿命の延伸
が ん
●子宮頸がん検診の受診率の増加
循環器
循環器疾患
糖尿病
糖尿病
次世代の健康
2
次
世
代
の
健
康
☆健康格差の縮小
★がん検診の受診率の向上
親と子の
健康
☆健康な生活習慣(栄養・食生活、運動)を有する子どもの割合の増加
☆健康な生活習慣(栄養・食生活、運動)を有する子どもの割合の増加
☆① 朝・昼・夜の三食を必ず食べることに気をつけて食事をしている子どもの割合の増加
☆①朝・昼・夜の三食を必ず食べることに気をつけて食事をしている子どもの割合の増加
☆② 運動やスポーツを習慣的にしている子どもの割合の増加 ☆②運動やスポーツを習慣的にしている子どもの割合の増加
☆適正体重の子どもの増加
☆ 適正体重の子どもの増加
★①全出生中の低出生体重児の割合の減少
★① 全出生数中の低出生体重児の割合の減少
☆②肥満傾向にある子どもの割合の減少
☆② 肥満傾向にある子どもの割合の減少
●両親学級への夫の参加の増加
●自分の命を大切だと思う子の増加
●楽しく子育てができる母親の増加
●夜9時までに寝る子の増加
栄養・食生活
3
生
活
習
慣
の
改
善
栄養・食生活
●朝食を毎日食べている人の割合の増加
●1日に野菜料理をとる人の割合の増加
・減塩
●地元産や旬の食材を取り入れた
料理を食べる人の割合の増加
●麺類の汁を半分以上飲む・漬物に
塩や醤油をかける人の割合の減少
☆共食の増加(食事を1人で食べる子どもの割合の減少) 身体活動・運動
身体活動
☆日常生活における歩数の増加 ・運動
飲酒・喫煙
飲
酒
喫 煙
歯と口腔
歯と口腔の
健康
☆運動習慣者の割合の増加
☆妊娠中の飲酒をなくす ☆未成年者の飲酒をなくす
★妊娠中の喫煙をなくす ☆未成年者の喫煙をなくす
★乳幼児・学齢期のむし歯のない者の増加
★歯周病を有する者の割合の減少
★過去1年間に歯科検診を受診した者の割合の増加 ●デンタルフロスや歯間ブラシを使用している者の
割合の増加
☆睡眠による休養を十分とれていない者の減少
休養・こころの
休養・こころの
健康
健康
☆気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を
感じている者の割合の減少
☆メンタルヘルスに関
する措置を受けられ
る職場の割合の増加
☆地域のつながりの強化
環
境
環
づ
境
く
づ
り
く
り
地域
地域・職域
職域
国・県等
国
●1日1時間以上の身体
活動を実施する人の増加
☆健康づくりを目的とした活動に主体的に関わっている国民の割合の増加
☆健康格差に取り組む自治体の増加
県等
☆住民が運動しやすい
まちづくり、環境整
備に取り組む自治
体数の増加
☆小児人口10万人当たりの小児科医・児童精神科医師の割合の増加
☆健康づくりに関する活動に取り組み、自発的に情報発信を行う企業登録数の増加
22
40歳
高齢期 65歳
75歳
●壮年期死亡の減少
★75歳未満のがんの年齢調整死亡率の減少
●胃・肺・大腸・乳がん検診の受診率の増加
★高血圧の改善
★脳血管疾患・虚血性心疾患の年齢調整死亡率の減少 ★脂質異常症の減少
☆メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少 ★特定健康診査・特定保健指導の実施率の向上
★糖尿病有病者の増加の抑制 ★合併症(糖尿病性腎症による年間新規透析導入患者数)の減少
★血糖コントロール指標におけるコントロール不良者の割合の減少
☆糖尿病治療継続者の割合の増加 ★適正体重を維持している人の増加(肥満、やせの減少)
★適切な量と質の食事をとる者の増加(主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日の者の
割合増加、食塩摂取量の減少)
☆低栄養傾向(BMI20以下)の高齢者の割合の増加の抑制
●食育に関心のある人の増加
☆足腰に痛みのある高齢者の割合の減少
☆ロコモティブシンドロームを認知している人の割合の増加
☆生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の減少
★成人の喫煙率の減少
★COPD(慢性閉塞性肺疾患)の認知度の向上
☆歯の喪失防止
☆口腔機能の維持・向上
☆介護保険サービス利用者の増加の抑制
☆自殺者数の減少
☆受動喫煙の機会を有する者の割合の減少
☆認知機能低下ハイリスク高齢者の把握率の向上
☆高齢者の社会参加の促進
☆食品中の食塩や脂肪の低減に取り組む食品企業及び飲食店の登録数の増加
☆健康づくりに関して身近で専門的な支援・相談が受けられる民間団体の活動拠点数の増加
☆利用者に応じた食事の計画、調理及び栄養の評価、改善を実施している特定給食施設の割合の増加
23
第4章野別取り組み
第1節
重点施策
① が ん
【基本的な考え方】
生涯を通じて、2人に1人は一生のうちに何らかのがんになると言われています。
がんは遺伝子が変異を起こすもので、予防が難しいと言われてきましたが、ウイルス・
細菌感染、生活習慣の中に原因が潜んでいることも明らかになってきました。
がんのリスクを高める生活習慣は、喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、運動不足、肥満、
野菜・果物不足、脂肪・塩分のとり過ぎなどがあげられており、これらの生活習慣を改善
することが、がんの発症予防につながると考えられています。
また、がんにかかる率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために重要なのは、がんの早
期発見です。そのため、自覚症状がなくても定期的ながん検診を受け、精密検査が必要と
判定された場合や自覚症状がある場合には、できるだけ早く医療機関を受診するよう啓発
することが必要です。
現 状
◇
平成24年のがんによる死亡者数は212人で、全死亡者数の25.2%を占め、主要
死因別死亡状況の第1位となっており、人口10万人当たりの死亡率は310.9と全国
(286.6)・千葉県(252.9)に比べ高くなっています。男女別でみると、男性が
133人、女性が79人と男性の方ががんによる死亡が多く、部位別でみると男性は肺
がん、女性は胃がんが多くなっています。(P10図1-5、図1-6、P11図1-7 参
照)
◇ 75歳未満のがんの年齢調整死亡率
を平成15~19年と平成20~24
年で比較すると、103.1から88.8
に減少していますが、全国・千葉県に
比べるとやや高くなっています。
図1-1①-1
75 歳未満のがんの年齢調整死亡率
年
齢
調
整
死
亡
率
(
人
口
万
人
当
た
り
)
※年齢調整死亡率
年齢構成の異なる地域間で死亡状況の比較が出来るよ
うに年齢構成を調整した人口10万人当たりの死亡率。
27
旭市
千葉県
全国
H15~19 年
旭市
千葉県
全国
H20~24 年
(資料:ちば県民保健予防財団 市町村別健康指標)
◇
旭市のがん検診受診率は、子宮頸がん・乳がん・大腸がん検診は増加していますが、
胃がん・肺がん・前立腺がん検診はほぼ横ばいです。
図1-1①-2
がん検診受診率の推移
(%)
45
乳(マンモグラフィ)
40
子宮(頸)
肺
35
30
乳(超音波)
25
大腸
20
胃
15
前立腺
10
5
0
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
(資料:旭市健康管理課事業年報)
◇
市民の健康に関するアンケート調査結果で、がん検診を受けていない理由は、「受診が
面倒だから」「自覚症状がないから」「自分は健康だから」が多くなっています。
図1-1①-3
がん検診を受けていない理由
0
10
23.3
受診が面倒だから
22.7
自覚症状がないから
14.9
自分は健康だから
10.7
日時が合わないから
9.9
検診受診にお金がかかるから
9.3
申込が面倒
8.1
対象年齢でないから
治療中だから
6.6
結果が不安だから
4.5
検診の実施を知らなかった
4.2
検査方法や検査精度に不安があるから
3.6
検診場所が遠いから
1.8
検診場所に行く交通機関が不便だから
1.8
その他
30 (%)
20
11.9
無回答
22.1
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
28
◇ 精密検査受診率は、
胃がん・子宮頸がん・
肺がん・乳がん・前立
腺がん検診で95%を
超えていますが、大腸
がん検診はやや低めで
す。精密検査の対象と
なった人から毎年30
~40人にがんが見つ
かっています。
表1-1①-1
がん検診の精密検査受診率とがん発見者数
年 度
H21
H22
H23
H24
H25
(%)
(人)
(%)
(人)
(%)
(人)
94.2
7
100
2
97.1
1
97.0
6
90.9
3
99.3
5
97.1
7
98.6
3
96.3
3
97.6
7
95.8
2
97.9
7
96.0
4
97.7
2
99.3
5
乳がん
(マンモグラフィ)
精密検査受診率 (%)
99.5
99.6
99.5
100
98.6
(人)
8
7
6
5
3
乳がん
(超音波)
精密検査受診率 (%)
96.7
100
100
100
94.6
がん発見者数 (人)
精密検査受診率 (%)
0
90.5
0
90.8
1
90.6
0
94.7
0
92.6
種
別
胃がん
子宮頸がん
肺がん
大腸がん
前立腺がん
精密検査受診率
がん発見者数
精密検査受診率
がん発見者数
精密検査受診率
がん発見者数
がん発見者数
がん発見者数
(人)
9
6
5
7
8
精密検査受診率 (%)
93.9
91.0
97.5
91.5
97.2
11
12
5
16
6
がん発見者数
(人)
(資料:旭市健康管理課事業年報)
課 題
1
がんによる死亡が多い状況から、各種がん検診を実施し、早期発見・早期治療を促進
することが必要です。
2
がん検診を受けていない理由は、「受診が面倒だから」「自覚症状がないから」等が多
いことから、検診の意義に対する知識の普及啓発を行い、受診率の向上を図る必要があ
ります。また受診しやすい体制づくりが必要となります。
3
がんの発症を予防するため、市民ががんの発症リスクを知り、生活習慣を改善する必
要があります。また、重症化予防のためには、がん検診精密検査の受診率向上が必要と
なります。
施 策
1 がん検診の実施
◆ がんの早期発見のため、国や県の指針に基づいた各種がん検診(胃がん・子宮頸が
ん・肺がん・乳がん・大腸がん及び前立腺がん検診)を実施します。
2 がん検診受診率向上の取り組み
◆ 対象者への個別通知、広報や世帯回覧、ホームページ等を活用した普及啓発に取り
組みます。受診者の利便性に配慮し休日検診の実施、また、申込方法や検診の実施方
法を検討し、受けやすい体制をつくります。
3 がん発症予防及び重症化予防のための取り組み
◆ がん発症予防のため、がんの発症リスクや適切な生活習慣について周知し、市民一
人ひとりが予防を実践できるよう、取り組みを進めます。また、精密検査が必要な場
合は確実に受診するよう、受診勧奨の強化を図ります。
29
② 循環器疾患
【基本的な考え方】
心疾患と脳血管疾患を含む循環器疾患は、がんと並んで主要死因の大きな一角を占めて
います。これらは、単に死亡を引き起こすのみではなく、急性期治療や後遺症治療のため
に、個人的にも社会的にも負担は増大し、特に脳血管疾患は「寝たきり」の主要な要因と
なっています。
循環器疾患は、血管の損傷によって起こる疾患で、予防は、(1)高血圧、(2)脂質異常、
(3) 糖尿病、(4)喫煙、(5)多量飲酒への対策が基本となります。
なお、高血圧と脂質異常については、この項で扱い、糖尿病と喫煙、飲酒においては別
項で記載します。
①発症予防
循環器疾患予防のためには、高血圧、糖尿病、脂質異常を早期発見するとともに、食生
活、運動、喫煙、飲酒等の生活習慣の見直しが必要です。
市民一人ひとりが循環器疾患に関する正しい知識を持ち、定期的に健康診査を受診し、
生活習慣改善に向けて取り組みをすることが必要です。
②重症化予防
循環器疾患の重症化を予防するには、高血圧、脂質異常、糖尿病、喫煙、多量飲酒を改
善することが重要です。そのためには、生活習慣の改善と高血圧及び脂質異常等で治療が
必要と考えられる人が、早期に適切な治療を開始・継続することが必要です。
現 状
図1-1②-1
◇ 全国、千葉県に比べて、心疾患、
脳血管疾患による死亡率が高い状況
です。
H24 年
主要死因別死亡状況
死 250
亡
率
(
人 200
口
万 150
人
当
た
り 100
)
50
0
旭市 千葉県 全国
旭市 千葉県 全国
心疾患
脳血管疾患
(資料:海匝健康福祉センター事業年報)
30
75 歳未満の心疾患年齢調整死亡
率は、平成 15~19 年に比べ、平
成 20~24 年では、男性はやや増
加、女性は減少していますが、男女
とも県より高い値であり、女性より
男性の方が高くなっています。
図1-1②-2
◇
75 歳未満の心疾患の年齢調整死亡率
年 80
齢
調
整
死 60
亡
率
(
人 40
口
男 旭市
男 千葉県
女 旭市
女 千葉県
万
人 20
当
た
り
) 0
H15~19年
H20~24年
(資料:ちば県民保健予防財団 市町村別健康指標)
図1-1②-3
◇
75 歳未満の脳血管疾患年齢調整
死亡率は、平成 15~19 年に比べ、
平成 20~24 年では減少していま
すが、男女とも県より高い値であり、
女性より男性の方が高くなっていま
す。
年
齢
調
整
死
亡
率
(
人
口
万
人
当
た
り
)
75 歳未満の脳血管疾患の年齢調整死亡率
50
40
男 旭市
30
男 千葉県
女 旭市
20
女 千葉県
10
0
H15~19年
H20~24年
(資料:ちば県民保健予防財団 市町村別健康指標)
図1-1②-4
国保特定健康診査受診率
(%)
◇
国保特定健康診査の受診率をみる
と、約 4 割で、ほぼ横ばいに推移し
ています。
48
47
46
45
44
43
42
41
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
(資料:旭市国民健康保険特定健康診査結果(40~74 歳)
)
31
◇
市民の健康に関するアンケート
調査結果で、現在治療中の病気と
しては、「高血圧」が41.8%で
最も高く、「高脂血症(高コレス
テロール血症)」
(17.6%)、
「整
形外科系の病気」(17.4%)の
順で続いています。
図1-1②-5
0
現在治療中の病気
10
20
30
50 (%)
41.8
高血圧
高脂血症(高コレステロール血症)
17.6
整形外科系の病気
17.4
16.5
虫歯・歯周疾患
15.0
糖尿病
5.8
心臓病
神経症
5.3
胃腸病
4.9
4.9
がん
4.0
痛風
肝臓病
2.4
脳卒中
2.0
貧血
2.0
腎臓病
1.8
19.9
その他
無回答
40
0.7
(資料:H26 年 市民の健康に関するアンケート調査)
◇
危険因子の 1 つである高血圧をみると、治療が必要と考えられるⅡ度高血圧
(160/100)以上の割合は、平成 21 年度からみると減少しています。
平成 25 年度では、治療を受けているのは 4 割で、6 割は治療を受けていません。
図1-1②-6
Ⅱ度高血圧以上の人の割合
図1-1②-7
(%) 6
Ⅱ度高血圧以上の人の
治療の有無(H25 年度)
5
図1-1②-6
4
Ⅱ度高血圧以上者の割合
治療中
40.0
60.0 %
%
3
2
1
未治療
0
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
(資料:旭市国民健康保険特定健康診査結果(40~74 歳)
)
(資料:旭市国民健康保険特定健康診査結果(40~74 歳))
◇
危険因子の 1 つである脂質異常をみると、治療が必要と考えられる LDL コレステロ
ール 160 ㎎/dl 以上の割合は、平成 21 年度からほぼ横ばいで推移しています。
平成 25 年度では、治療を受けているのは約 1 割であり、約 9 割の人が治療を受けて
いません。
図1-1②-8
LDL コレステロール 160 以上の人の割合
(%) 12
10
図1-1②-9 LDL コレステロール 160
以上の人の治療の有無(H25 年度)
10.4%
8
治療中
6
4
89.6%
未治療
2
0
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
(資料:旭市国民健康保険特定健康診査結果(40~74 歳)
)
32
(資料:旭市国民健康保険特定健康診査結果(40~74 歳)
)
課 題
1 全国・千葉県に比べ、心疾患や脳血管疾患の死亡率が高い。
◇ 市民の健康に関するアンケート調査結果から健康診断を受けていない理由は、
「受診
が面倒だから」
「自覚症状がないから」などが多く、また国保特定健康診査を受診して
いない人が約 6 割います。市民一人ひとりが自身の健康に関心が持てるよう、生活習
慣と循環器疾患の関連について知識の普及啓発を図る必要があります。
◇ 特定健康診査等を受診する必要性を啓発し、受診しやすい体制づくりを整えるなど、
さらなる受診率の向上を図ることが必要です。
2 循環器疾患の危険因子である高血圧や脂質異常の人が多い。
◇ 高血圧や脂質異常で治療を受けていない人や、治療を受けていても値が高い人がい
るため、生活習慣の見直しや適切な治療の開始、継続した治療ができるような支援が
必要です。
施 策
1 循環器疾患予防の啓発と健診受診率向上の取り組み
◆ 市民一人ひとりが自身の健康に関心を持ち、適切な生活習慣を身につけることがで
きるよう、健康相談・健康教育などの充実を図ります。
◆ 広報などを通じて特定健康診査を受診する重要性の啓発や受診勧奨を行う事で、受
診率の向上を目指します。
◆ 特定健康診査未受診者に対して、訪問等で個別勧奨を実施します。
2 循環器疾患の発症予防と重症化予防のための取り組み
(1)健康診査結果に基づく保健指導の充実
◆ 特定健康診査結果から、保健指導対象者の優先順位を明確にし、対象者に合わせた
保健指導を実施します。
◆ 特定健康診査結果等に基づき、現在の自分の数値や、治療を開始する必要がある数
値などを知ることで、自分の身体の状態を正しく理解できるよう、訪問指導・健康相
談等の個別支援を行い、発症予防・重症化予防に向けた支援を行います。
◆ 健康相談や健康教育(教室等)を実施し、生活習慣を改善する支援を図ります。
33
③ 糖尿病
【基本的な考え方】
全国の糖尿病有病者数は10年間で約1.3倍に増えており、人口の高齢化に伴って、増
加すると予測されています。
糖尿病は加齢のほか過食、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣が誘因となって
発病するため、
「生活習慣病」といわれています。一度発病すると、食事療法、運動療法、
薬物療法などによる血糖をコントロールするための治療が生涯必要とされる疾患です。糖
尿病の怖さは合併症にあるといわれ、放置すると、網膜症、腎症、神経障害などの合併症
を引き起こし、失明したり透析治療が必要となることがあります。さらには脳血管疾患、
心疾患などの発症・進展を促進することも知られています。これらの合併症は生活の質
を著しく低下させるのみでなく、医療経済的にも大きな影響を及ぼします。
①発症予防
糖尿病の予防のためには、自分の適正体重を知り、それに向かって体重をコントロール
すること、過食や脂肪の過剰摂取に注意し適正な食事をとること、また、運動をするとい
ったことが重要になってきます。
市民一人ひとりが糖尿病の正しい知識を持ち、定期的に健康診査を受診し、生活習慣改
善に向けて取り組んでいくことが必要です。
②重症化予防
糖尿病における重症化予防は、健康診査受診によって、糖尿病が強く疑われる人、ある
いは糖尿病の可能性が否定できない人を見逃すことなく、早期に適切な治療を開始・継続
することで、良好な血糖コントロール状態を維持し、糖尿病による合併症を予防すること
です。
血液中のブドウ糖が高い状態が
長い期間続くと、体中の細い血管が
もろくなり、いろんな障害が現れる
んだって。糖尿病の合併症はいろい
ろあるらしいよ。
合併症は始めの頃は、自覚症状が
ほとんどなく、発症してしまうと治
るのは難しくなるんだって。
34
現 状
◇ 国民健康保険対象者の糖尿病での
医療機関受診状況をみると、年々増
加しています。全国的な傾向と同様、
旭市でも糖尿病が増えていることが
わかります。
図1-1③-1
件
数
(
被
保
険
者
千
人
当
た
り
)
糖尿病で医療機関を受診している数
34
32
30
28
26
24
22
20
18
H22年度
H22 年
H23年度
H23 年
H24年度
H24 年
H25年度
H25 年
H26年度
H26 年
(資料:旭市国民健康保険病類別疾病統計各年 5 月診療分)
◇
糖尿病が強く疑われる人は、平成
23年度から 1 割前後で推移してい
ます。
図1-1③-2
糖尿病が強く疑われる人の推移
(%)
12
10
8
6
注)糖尿病が強く疑われる人とは HbA1c が
6.5%以上の人
4
2
0
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
(資料:旭市国民健康保険特定健康診査結果(40~74 歳))
)
◇
合併症の危険が高くなるといわれ
ている人の治療の有無をみると、約
4 割が治療を受けておらず、また治
療を受けていても、血糖が高い人は
約 6 割を占めています。
図1-1③-3
合併症の危険が高くなるといわれて
いる人の治療の有無(H25年度)
治療中
35.6%
未治療
64.4%
(資料:旭市国民健康保険特定健康診査結果(40~74 歳)
)
注)合併症の危険が高くなるといわれている人
とは HbA1c が 7.0%以上の人
35
◇
国民健康保険対象者で、人工透析者数
は71人で、そのうち半数が糖尿病の治
療を受けています。人工透析者の約6割
(41人)は65歳未満であり、40歳
代でも10人が人工透析を受けています。
表1-1③-1
旭市人工透析者の内、
糖尿病治療中の数
人工透析(人)
糖尿病
(人)
20歳代以下
0
0
30歳代
40歳代
50歳代
60~64歳
65~69歳
(資料:国保データベース
70~74歳
(厚生労働省様式 3-7)H26 年 7 月作成)
合計
0
10
16
15
20
10
71
0
6
10
5
11
7
39
◇
障害福祉の現状(2)身体障害者手帳保持者で腎臓機能障害となった原因疾患の内訳
(P15参照)をみると、旭市で腎臓機能障害により人工透析を受けている152人の
うち、糖尿病性腎症による人は61人います。
課 題
1 糖尿病の治療をしている人や国保特定健康診査結果で血糖の高い人が増加している。
◇ 糖尿病の増加を抑制するため、生活習慣と糖尿病の関連について、知識の普及啓発
を図る必要があります。
◇ 糖尿病は自覚症状が乏しく気がつかないうちに悪化するため、健康診査を受診する
必要性を啓発し、受診しやすい体制を整えるなど、さらなる受診率の向上を図ること
が必要です。
2 血糖コントロール不良者が多い。
◇ 糖尿病の治療を受けていても血糖の高い人が多いことから、糖尿病治療の基本は食
事療法と運動療法であることや、適切な治療の開始や継続、検査の必要性について、
より積極的な保健指導が必要となります。
◇ 血糖を良好にコントロールすることにより、糖尿病の合併症(人工透析の導入など)
を防いでいくことが必要です。
施 策
1 糖尿病予防の啓発と健診受診率向上の取り組み
◆ 市民一人ひとりが自身の健康に関心を持ち、適切な生活習慣を身につけることがで
きるよう、健康相談・健康教育などの充実を図ります。
◆ 広報などを通じて特定健康診査を受診する重要性の啓発や受診勧奨を行う事で、受
診率の向上を目指します。
◆ 特定健康診査未受診者に対して、訪問等で個別勧奨を実施します。
36
2 糖尿病の発症予防と重症化予防のための取り組み
(1)健康診査結果に基づく保健指導の充実
◆ 特定健康診査結果から、保健指導対象者の優先順位を明確にし、対象者に合わせた
保健指導を実施します。
◆ 特定健康診査結果等で、現在の自分の数値や、治療を開始する必要がある数値など
を知ることで、自分の身体の状態を正しく理解できるよう、訪問指導・健康相談等の
個別支援を実施します。
◆ 糖尿病の合併症を引き起こさないために、良好な血糖コントロール状態を維持でき
るよう、継続的な支援を行います。
◆ 健康相談・健康教育(教室等)を実施し、生活習慣を改善する支援を図ります。
まだ、薬を飲むほどでは
ないですが、
今後も食生活や運動等、
気をつけてくださいね。
多くの市民は「治療=薬」といった意識の傾向が
強いため、薬をもらいに定期受診はしても、検査の
ための定期受診の必要性がわからないまま治療を中
断してしまう実態があります。
薬が処方されなかった
から、病院にはいかな
くていいんだ。
やったー。
食生活の改善や運動等は、糖尿病の
治療で、とても重要なことです!!
はい、わかりました。
37
活習慣病の発症予防と重症
【基本的な考え方】
生涯を通じ健やかで心豊かに生活するためには、妊娠中(胎児期)から乳幼児期・少
年期といった子どもの頃からの健康づくりが大切です。
親がゆとりを持って子育てをし、子どもが心身ともに健やかに成長できるよう育児の
仲間づくりや子育てに関する不安の軽減、成長に関する知識の普及などをおこなってい
きます。
妊娠から出産・育児に向けて途切れない相談支援体制を充実していきます。
現 状
<妊娠期>
表1-2-1 妊娠届出状況
◇ 妊娠がわかったら、
早期に母子健康手帳と
届出
週数
12~
20~
不明注)
年度
11 週以内
28 週以上
医療機関委託妊婦一般
19 週
27 週
・産後
届出数
健康診査受診票を受け
563
533
25
3
2
0
H23
取ります。妊娠中の健
(94.7%)
(4.4%) (0.5%) (0.4%) (0.0%)
501
479
17
0
4
1
H24
康管理のため妊婦一般
(95.6%)
(3.4%)
(0.8%) (0.2%)
494
464
25
0
0
5
健康診査を実施し、妊
H25
(93.9%)
(5.1%)
(1.0%)
娠高血圧症候群やその
注)不明は予定日が不明であったもの
(資料:旭市健康管理課事業年報)
他妊娠中の異常の早期発見に努めています。
◇
妊婦の喫煙は自分自身だけでなく、胎児や子どもの健康に及ぼす影響があるといわれ
ています。喫煙者のうち80%以上は妊娠がわかり禁煙していますが、妊娠後も喫煙を
続けている人も数%見られます。夫・家族の喫煙は5割以上見られ、妊婦だけでなく、
夫や同居家族の喫煙にも注意が必要です。
喫煙のみでなく飲酒に関しても胎児への悪影響があると言われています。
図1-2-1
350
妊娠届け時の喫煙状況
(人)
300
妊婦(吸う)
250
妊婦(やめた)
200
家族
150
妊婦の飲酒は胎児性アルコール症候
群や発育障害を引き起こす原因となり
ます。
未成年者の飲酒は急性アルコール中
毒や臓器障害を起こしやすく、将来のア
ルコール依存症リスクが高くなるため
やめましょう。
100
50
(資料:妊娠届けより 旭市健康管理課調べ)
0
H23年度
H24年度
H25年度
※妊娠高血圧症候群
以前は妊娠中毒症といわれ、妊娠後半期におこりやすい。高血圧と蛋白尿を主症状とし、胎児や母体に悪影響を与える。
※胎児性アルコール症候群
アルコールは胎盤を通過しやすく、胎児に対して低体重・顔面の奇形・脳障害などを引き起こす可能性があり、胎児
性アルコール症候群と言われる。
38
◇
妊娠中に開催する両親学級で
表1-2-2 両親学級参加状況(率)
の食事調査では、主食・副菜・
参加妊婦数
参加夫数
参加妊婦に対する
年度
果物が不足している人や食事は
(人)
(人)
夫の割合(%)
H23
97
66
68.0
簡単だが間食が多い人が見られ
H24
79
52
65.8
ました。妊娠により必要になる
H25
89
56
63.0
栄養素、バランスのよい食事の
(資料:旭市健康管理課事業年報)
しかた、減塩・間食等を中心に、
次世代をになう子どもの母親としての意識づけも行いながら、妊婦同士の交流も図って
います。また、夫婦共に子育てをしていく気持ちを高めるため、夫は妊婦体験や沐浴実
習を行っています。
◇
出産直後は出産の疲労に加え、夜間
授乳などによる不眠、哺乳量や発育状
況等の児への不安が多く、また、産後
のホルモンバランスの変化により産後
うつ病なども起こりやすい時期です。
初産婦のほうが経産婦よりも高値と
なる状況がみられます。また第 4 子以
降で再び高値を示しています。
(%)
(%)
図1-2-2
EPDS 高値の産婦の状況
25
20
第1子
第2子
15
第3子
10
第4子以上
5
0
H23年度
H24年度
H25年度
(資料:赤ちゃん訪問質問票より 旭市健康管理課調べ)
※EPDS
エジンバラ産後うつ病質問票をいう。これは自己記入式で、
母親の抑うつ感や不安の評価を行い必要な支援につなげるもの。
<乳幼児期>
◇
乳幼児期における生活リズムも健康な体をつくっていく大切な要因になります。起床
や就寝の状況を健診からみると、8時以前の起床や21時以前の就寝は少なく、遅寝・
遅起きの傾向にあります。
図1-2-3
(%)
8時以前に起床する児の割合
図1-2-4
(%)
18
16
21 時以前に就寝する児の割合
14
12
14
10
12
8
10
1歳6か月児健診
1歳6か月児健診
8
6
3歳児健診
6
3歳児健診
4
4
2
2
0
0
H23年度
H24年度
H23年度 H24年度 H25年度
H25年度
(資料:1 歳 6 か月児・3 歳児健診問診票より 旭市健康管理課調べ )
39
(資料:同左)
◇
健診でみられる食生活の問題点としては、むら食い・野菜嫌い・不規則なおやつとい
ったものがあげられます。集団や個別での指導を行いながら、望ましい食生活への改善
と生活習慣病予防に努めています。
◇
子育てに関する気持ちについて 1 歳 6 か月児健診と 3 歳児健診をみてみると、
「楽し
い」「負担は増えたが楽しい」と答えている母が増加傾向にあります。
(%)
図1-2-5
子育てが楽しいと感じる母の気持ち
90
89
88
1歳6か月児健診
87
86
3歳児健診
85
84
83
82
81
80
H23年度
H24年度
H25年度
(資料:1 歳 6 か月児・3 歳児健診問診票より 旭市健康管理課調べ )
◇
子とのかかわりが苦手、かかわりにくさがあるといった親子を対象に親子遊び教室を
実施し、必要により心理相談員等による相談を実施しています。
<少年期>
◇ 少年期には自分を大切にし、人を思いやる気持ちを高めることが大切です。
「赤ちゃん
ふれあい体験教室」では、乳児とふれあう機会を通して、命の尊さや子育てのあり方を
考える場としています。
「赤ちゃんがぷにぷにしていてかわいい」
「やわらかい」
「母親の
大変さがわかった」といった感想のほか、自分の命を大切だと思う気持ちが高まってい
ます。
「自分の命を大切だと思う」「どちらかといえば思う」の割合
教室参加前
77.9%
→
教室参加後
87.6%
(資料:H25 年度 赤ちゃんふれあい体験教室参加中学生のアンケート、旭市健康管理課調べ )
◇
小中学校と協働し、思春期の子どもたちの性教育の一環とし、命の大切さの学習に取
り組んだり、妊婦体験ジャケットの貸し出しなどを行っています。
40
課 題
1
旭市は新生児死亡や乳児死亡、低出生体重児の割合が千葉県より高く、妊娠中の健康
状態を適切に保つ必要があります。また、妊娠中から夫婦協力して子育てをしていくと
いう気持ちの醸成が必要です。
2
乳幼児期における生活リズムの乱れは、心身の発育・発達に影響を及ぼす可能性があ
り、将来の生活習慣病につながると言われています。この時期から、基本的な早寝早起
きなどをはじめとする生活習慣、減塩や野菜を多くとるといった食習慣を身につけるこ
とが必要となります。また、子どもに対し育てにくさを感じる親が増えてきています。
親子での遊びや必要な相談をとおして心身の発育を促していきます。
3
自分を大切にする気持ちは自分の健康を守り、次世代への健康へとつながるものにな
ります。思春期への事業を通して自己肯定感を高め、人を思いやる気持ちをはぐくむこ
とが大切です。また、少年期でのアルコールやタバコの害なども周知していく必要があ
ります。
施 策
1
妊娠中を健やかに過ごすために
◆ 妊娠中の健康管理
妊婦一般健康診査の啓発を行い、
妊娠初期からの健康管理に役立て
ます。
◆ 両親学級の実施
妊娠中の過ごし方や起こりやすい異常への注意、貧血予防やバランス食・減塩の仕
方等メニューの提供を含めた食事の注意、出産・育児などの知識の普及とともに、仲
間づくりを勧めていきます。また、お互いを思いやり夫婦共に子育てをして行こうと
いう気持ちを育てます。
◆ 喫煙・飲酒に関する保健指導の実施
特に胎児の健康を損なうおそれのあるタバコやアルコール等に関する保健指導を充
実させます。
2
乳幼児期を健やかに過ごすために
◆ 乳幼児健康診査の実施
4か月での乳児健康診査、9~11か月児健康診査(医療機関委託)、1歳6か月児
健康診査、2歳児歯科健康診査、3歳児健康診査を実施します。健診では健康状態を
確認するとともに、その年齢での生活や食事の状況が、よりよい方向へ向かうよう相
談支援していきます。特に、生活リズムを整えること、食事では素材の味を生かし減
塩に心がけること、おやつのとり方等の指導を実施していきます。
41
◆
教育の実施
生後2~3か月児とその保護者を対象に子育て学級を開催し、育児の不安の有無を
確認しながら、仲間づくりや育児サークル化を支援していきます。同時に事故防止や
応急手当などの知識の普及も実施していきます。また、5~6か月頃に離乳食教室を
開催し、減塩と素材の味を楽しむ離乳食作りを勧めていきます。
◆ 相談の実施
いろいろな育児の不安に対して、保健師・助産師・栄養士・歯科衛生士が赤ちゃん
訪問や育児相談をはじめとする訪問や面接・電話等で相談を行っていきます。育てに
くさを感じている親に対しては、親子遊び教室や心理相談員・言語聴覚士による専門
的な相談を行います。また、極低出生体重児や疾病を抱える親子の集いなどを開催し
仲間づくりを促します。
◆ 虐待の予防、早期発見
様々な保健事業の機会を通じ、相談対応を充実させるとともに、医療機関・保育所
等との連携をはかり、虐待の予防・早期発見に努めます。
3
少年期を健やかに過ごすために
◆ 命の大切さ等、性に関する教育
赤ちゃんふれあい体験教室などの事業をとおして、命を大切にすることや自己肯定
感を育てていきます。性感染症なども学習する機会としていきます。
◆ タバコ・アルコールの害に関する知識の普及
喫煙や飲酒への興味が高くなる時期でもあります。学校保健と連携しながらタバコ
やアルコールの害などの知識の普及啓発を行います。
◆ 生活習慣病予防などの健康管理
学校での健診結果を踏まえ将来的な生活習慣病の予防について、学校保健と連携し
ていきます。
※極低出生体重児
出生体重が1,500g未満の新生児。一般に身体機能が未熟であることが多く医学的管理が必要になる。
42
第2節
分野別施策
① -1 栄養・食生活
【基本的な考え方】
日々健康に過ごすためには、栄養・運動・休養の調和が大切であることは知られてい
ますが、特に栄養バランスのとれた食生活は、健康の柱とも言えます。更に「食」は、
がん・循環器疾患・糖尿病などの生活習慣病とも密接な関係があります。またエネルギ
ーや脂肪、糖分の過剰摂取は、肥満・高脂血症・糖尿病等の原因となり、塩分のとりす
ぎは高血圧症や胃がん、動脈硬化症を引き起こします。減塩については別項にて記載し
ます。
近年、ライフスタイルや食環境の変化により、食習慣の乱れや栄養の偏り等様々な問
題が浮かび上がってきています。そのため、健康づくりに必要な知識を身につけ、望ま
しい食生活の実践に向けた取り組みが求められています。
現 状
◇
「バランスのとれた食事(主食・
主菜・副菜を組み合わせた食事)を
1日2回以上週6~7日とってい
る」と答えた人は、全体で48%で
した。
一方男性の20~40歳代、女性
の20歳代、40歳代のうち 2 割の
人は、週に2~3 日しかバランスよ
い食事がとれていないという状況で
す。
図2-1①-1
バランスのとれた食事を1日2回以上摂取している頻度
全 体
男性20代
30代
40代
50代
週6〜7日とっている
60代
週4〜5日とっている
70歳以上
週2〜3日とっている
女性20代
ほとんどとっていない
無回答
30代
40代
50代
60代
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査) 70歳以上
0%
0
◇
バランスのとれた食事と体格
指数(BMI)を合わせてみると、
「週6~7日とっている」と答え
た人の6割は、標準体重だったの
に対し、
「ほとんどとっていない」
と答えた人は、肥満型の割合が3
割、逆にやせ型の割合も1割と標
準をはずれる人が多い傾向にあ
ります。
20%
20
40%
40
60%
60
80%
80
100%
100
(%)
図2-1①-2
バランスのとれた食事をしている頻度と BMI の関係
全体
週6~7日とっている
やせ(BMI18.5未満)
標準(〃18.5以上25.0未満)
週4~5日とっている
肥満(〃25.0以上)
無回答
週2~3日とっている
ほとんど とっていない
0
0%
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
43
20
20%
40
40%
60
60%
80
80%
100(%)
100%
図2-1①-3
◇ 1日に必要な野菜の量(野
菜を70g程度使用した料
理を1つと数え、1日に5つ
程度)をほぼ満たしている人
は、全体でわずか12.1%
にとどまり、2~3つしか食
べていない人が半数を占め
ています。
全体
1日に野菜を食べる量
全体
男性 20 男性20代
代
30 代 30代
6つ以上食べている
40 代 40代
50 代 50代
4〜5つ食べている
60 代 60代
2〜3つ食べている
70歳以上
70 歳以上
1つ以下しか食べて
いない
無回答
女性 20 女性20代
代
30 代 30代
40 代 40代
50 代 50代
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査結果)
60 代 60代
70歳以上
70 歳以上
0%
0
20%
20
40%
40
60%
60
80%
80
100%
100 (%)
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
食生活で心がけているこ
とについては、
「地元産や国
内産を意識して食品(食材)
を購入する」、
「1 日に 1 回
は家族そろって食事をす
る」、「地元産や旬の食材を
取り入れた料理を食べる」
人の割合が、それぞれ全体
の60%を超えています。
図2-1①-4
心がけて
◇
「朝食を毎日食べている」
との回答は、全体で8割を超
えています。「ほとんど食べ
ていない」と答えた人は20
〜40歳代の男性で15%
と、約6人に1人が食べてい
ないという結果でした。
食生活で心がけていること
地元産や国内産を意識して食品(食材)を
購入する
1日に1回は家族そろって食事をする
地元産や旬の食材を取り入れた料理を食べる
(%)
伝統を意識した食事や郷土料理を食べる
0
20
40
60
80
(%)
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
◇
図2-1①-5
心がけて
全体
朝食の摂取頻度について
全体
男性 20
代
男性20代
30 代
30代
40 代
40代
50 代
50代
毎日食べている
60代
60 代
週5〜6日食べている
70歳以上
70
歳以上
週3〜4日食べている
女性20代
女性 20
代
週1〜2日食べている
30代
30 代
ほとんど食べていない
40代
40 代
無回答
50代
50 代
60代
60 代
70歳以上
70
歳以上
0%
0
20%
20
40%
40
60%
60
80%
80
100%
100 (%)
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
44
◇ 朝食を毎日食べない
理由としては、
「時間が
ない」が36.3%と最
も多く、次いで「食欲
がない」、「習慣で食べ
ない」と続いています。
図2-1①-6
朝食を毎日食べない理由
時間がない
食欲がない
習慣で食べない
特に理由はない
食事の用意がない
ダイエットのため
その他
無回答
0
10
20
30
40
(%)
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
1人で食事をとるこ
とが多いと答えた人は、
全体では24.4%でし
たが、男性の20歳代では
48.8%、女性の20
歳代は35.6%と若い
世代に多いという状況
です。
図2-1①-7
心がけて
◇
全体
食事は1人でとることが多い
全体
男性 20
代
男性20代
30 代 30代
40 代 40代
50 代 50代
60 代 60代
はい
7070歳以上
歳以上
いいえ
女性 20
代
女性20代
30 代 30代
無回答
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
40 代 40代
50 代 50代
60 代 60代
70 70歳以上
歳以上
0%
0
20%
20
40%
60%
40
60
80%
80
100%
100 (%)
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
◇ 「食育に関心があります
か」との問いには、6割の
人が「非常に関心がある」
「ある程度関心がある」と
答えています。特に女性の
20歳代を除くすべての
年代の人は関心が高く、逆
に男性では20歳代の6
割、30歳代の半数の人
は、「あまり関心がない」
と答え年代、性別によって
も差が見られました。
図2-1①-8
全体
食育に関心がありますか
全体
男性 20男性20代
代
30 代 30代
40 代 40代
50 代 50代
非常に関心がある
60 代 60代
ある程度関心がある
70 70歳以上
歳以上
あまり関心がない
女性 20女性20代
代
まったく関心がない
無回答
30 代 30代
40 代 40代
50 代 50代
60 代 60代
70 歳以上
70歳以上
0%
0
20%
20
40%
40
60%
60
80%
80
100%
100
(%)
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
45
課 題
1
主食・主菜・副菜を組み合わせた食事をとることにより、健康な体を保つために必要
な栄養がバランスよくとれ、良好な栄養状態につながります。今回のアンケートから、
働き盛りの世代でバランスのとれた食事を実践できてない割合が高いという問題点も浮
上してきました。今後は健康維持、生活習慣病の一次予防のためにも、
「1日3食、主食・
主菜・副菜がそろった食事をしている人」の割合を増やす取り組みが必要です。
2
食事バランスの乱れが体格にも影響することから、自分の適性体重を知り、それぞれ
に合った食事形態、量が理解できるような支援、そして自らが実践できる取り組みを進
めることが必要です。
3
健康日本21(第2次)では、健康増進の観点から1日の野菜摂取の目標量を 350g
としています。これを達成するには、野菜が主になる料理を1日に 5~6つ食べること
が必要なことから、1日当たりの野菜摂取量を増やす働きかけが必要です。
4
健康増進や、安全・安心な食への関心を高めるためにも、旭市の特性を生かした地元
産や旬の食材を食べる人の割合を増やす取り組みが必要です。
5
朝食を毎日食べることは、規則正しい食生活の基本です。生活リズムを整え、1日を
充実させるためにも朝食を食べる人を増やす働きがけが必要です。
6
核家族化や共働きの増加、家族の生活形態の多様化により、食を通じてのふれあいが
少なくなってきています。楽しく食べるコミュニケーションの場としても共食(家族や
親しい人と食事をすること)、食育の大切さを伝えていくことが必要です。
7
子どもの頃の食習慣は、青壮年期の食習慣まで影響します。乳幼児期から少年期にお
いて正しい食習慣を身につけ、食事の重要性や楽しさを理解することができる人を増や
していくことが重要です。
野菜は 1 日 350g を目標に
食べよう。
僕もトマトが大好きだよ!
46
施 策
1
年代や性別に応じた健康的な食生活の推進
健診や訪問指導・相談、各種講座や教室等において、食への関心を高め、望ましい食
習慣の定着・改善が図れるよう年代に応じた取り組みを推進するとともに、食に関する
知識・情報の普及啓発の充実を図ります。
◆ 朝食を毎日食べる、1日3食バランスのとれた食事をとる、といった習慣が身につ
き野菜の必要性も理解した上で摂取量を増すことができるよう、全ての年代において
啓発を行います。
◆ 妊娠期の望ましい食事内容、体重増加について理解できるよう妊娠届出時、両親学
級において指導、調理実習を実施していきます。
◆ 幼児期、少年期においては、栄養バランスのとれた給食の充実を図るとともに発達
段階に応じた食習慣、食への理解が身につくよう、取り組みを行います。
◆ 生活習慣病の予防・改善のため、特定健康診査の事後指導や健康づくり教室、栄養
講座等において、適正体重や望ましい食生活に関する知識の普及に努めます。
◆ 子どもや保護者が食への関心を高め、食の大切さや感謝する気持ちが培われるよう
離乳食教室や家庭教育学級、親子給食、調理実習、食農体験等にて支援していきます。
◆ 旭市保健推進員、あさひ食育アドバイザーによる教室、調理実習、地区活動におい
て食に関する知識の普及を行い、地域ぐるみで食生活改善に取り組んでいきます。
2 栄養・食生活に関する普及啓発の充実
◆ 市をはじめ関係機関から食に関する情報を発信し、栄養や地場産物の普及啓発、食
生活の充実を図ります。
3 食育による健康づくり
◆ 各関係機関と横の連携を持ちながら、食を通じた健康づくりを行っていきます。
47
旭市の食育を推進している
主な関係機関
市
県
活動団体
☆農水産課
☆海匝健康福祉センター ☆旭市保健推進員
☆学校教育課
☆海匝農業事務所
☆あさひ食育
☆子育て支援課
アドバイザー
☆JA
ちばみどり
☆健康管理課
☆海匝漁業
協同組合
☆地元生産者
☆地元商業施設
【食育の取り組み方針について】
課
農水産課
学校教育課
内
容
◆首都圏の台所である千葉県、そのなかでも本市はあらゆる農水産物を
豊富に供給することができる県内屈指の食料供給基地です。新鮮でおい
しい地元農水産物の「地産地消」を軸とした食育活動を行い、地域の農
業の活性化と地元農水産物の消費拡大を図ります。
◆食に関する指導の充実
・学校栄養職員による学校訪問指導(市内小学校)
・地元の食材を生かした献立作り(地産地消デー毎月19日)
・食に関する情報発信(給食だより、献立表)
・昼の放送を活用し、献立に関する食材情報を放送します。(毎日)
子育て支援課
◆厚生労働省の「保育所における食育に関する指針」を基本に、市内公
立各保育所の特色(地域性など)を考慮して毎年年度当初に食育計画を
作成し、それに沿って取り組んでいます。
◆保育所と家庭(保護者)、地域が連携を図り「食を楽しみ、食を営み、
健全な心身を作る」ことを目標として展開しています。
健康管理課
◆保健推進員による食生活改善推進事業(学校や地区等で実施)や離乳
食教室、両親学級、ヘルシーごはん講座等において、講話や調理実習を
とおし正しい知識の啓発を図ります。
◆広報へのレシピ掲載、イベント、健診、掲示等により、食や健康への
関心、地場産物の普及・啓発に努めます。
(資料:平成 25 年度食育の取組みに関する調査(旭市農水産課)
)
48
(資料:内閣府「食育ガイド」
)
49
活習慣病の発症予防と重症化予防
①
-2 減 塩
【基本的な考え方】
食塩(塩化ナトリウム)は、生命の維持に重要な物質で、食品の保存などにも広く使わ
れ、和食には欠かせない調味料であるため、日本人は昔から食塩を多く摂取する傾向にあ
りました。
しかし、食塩の過剰摂取は高血圧の大きな要因になっており、他にも胃がんを引き起こ
す原因の一つにもなっています。高血圧症は、自覚症状がないため放置されやすく、その
ために脳卒中・心筋梗塞を引き起こし、寝たきりの原因にもなっています。また、主要死
因別死亡状況をみると、旭市は、国・県と比較してもがん、心疾患、脳血管疾患による死
亡率が高いという状況です。(P10参照)
国際連合(国連)は2011年秋、
「生活習慣病対策のために世界全体がとるべき5つの
アクション」を発表しました。そこでは、減塩等を重視した食生活の改善が上位に取り上
げられています。
日本人の食事摂取基準(2015年版)では、高血圧予防の観点から食塩摂取の目標量
が男女とも前回より下げられ、男性は 1 日8g未満、女性は1日 7g未満(いずれも 18
歳以上)となりました。
減塩が血圧を低下させることは明らかになっており、結果的に脳血管疾患等の循環器疾
患の減少につながることが期待できることから、本計画では、これら疾患の一次予防とし
ても重要な「減塩」を、生活習慣の改善施策として一つの柱にあげています。
現 状
◇
平成24年国民健康・栄養調査の結果を見ると、千葉県民の食塩摂取量の平均値は男
性が1日当たり12.1g、女性は10.2g(いずれも20歳以上)と全国平均を上回り
47都道府県の中で男女ともにワースト7位という状況です。
順位
図2-1①2-1
心がけて
男性
全国の食塩摂取量の平均値
順位
女性
9.6g
11.3g
10.2g
12.1g
15
(g)
(g)
(資料:平成 24 年国民健康・栄養調査)
50
◇ 旭市を含む海匝地域の食塩摂取
量は、1日11.0gと目標量よりも
2~3g多くとっています。
図2-1①2-2
海匝地域の塩分摂取量
(g)
15
11.0g
10
目標
5
男性 8.0g未満
女性 7.0g未満
0
海匝地域
(資料:平成 22 年県民健康・栄養調査)
◇
1日の食塩摂取量の平均値を年代別に比較すると40~49歳の男性をのぞき、全て
の年代で全国より千葉県の方が多く摂取しています。
図2-1①2-3
1日の食塩摂取量(平均値)
男性
(g)
女性
(g)
14
14
12
12
10
10
8
8
全国
6
全国
6
千葉県
4
4
2
2
0
千葉県
0
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60-69歳
70歳以上
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60-69歳
70歳以上
(資料:平成 22 年県民健康・栄養調査、国民健康栄養調査)
図2-1①2-4
◇
市民の健康に関するアンケー
ト調査で食習慣について聞いた
ところ、
「麺類の汁は半分以上飲
む」と答えた人は男性が多く、
70歳以上を除き、各世代とも
半数を超え、中でも30歳代で
は6割を超えています。
麺類の汁は半分以上飲む
男性
20 代
男性
20代
30 代
30代
40 代
40代
50 代
50代
60代
60 代
はい
70歳以上
70
歳以上
いいえ
女性
20代
女性
20 代
無回答
30代
30 代
40代
40 代
50代
50 代
60代 (資料:平成
60 代
26 年市民の健康に関するアンケート調査)
70歳以上
70
歳以上
0%
0
20%
20
40%
40
60%
60
80%
80
100%
100 (%)
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
51
◇ 「漬物にしょうゆや塩をかけ
ることが多い」に関しては、女
性よりも男性の方が「はい」と
答えた人が多く、中でも60歳
代、70歳以上の男性の半数が
習慣化しています。
図2-1①2-5
漬物にしょうゆや塩をかけることが多い
男性
20代
男性
20 代
30代
30 代
40代
40 代
50代
50 代
60代
60 代
はい
70歳以上
70 歳以上
いいえ
女性
20 代
女性
20代
無回答
30 代
30代
40 代
40代
50 代
50代
60 代
60代
70 歳以上
70歳以上
0%
0
20%
20
40%
40
60%
60
80%
80
100%
100 (%)
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
図2-1①2-6
◇ 「外食(市販の弁当も含む)
を週3回以上利用する」で
は、20歳代、30歳代の男
性が4割近く、40歳代男性
では43.9%とおよそ2人
に1人が「はい」と答え、働
き盛りの男性が外食を多く
とっているという現状です。
外食(市販の弁当も含む)を週3回以上する
男性
20 代
男性
20代
30 代30代
40 代40代
50 代50代
60 代60代
はい
70歳以上
70
歳以上
いいえ
女性
20代
女性
20 代
無回答
30 代30代
40 代40代
50 代50代
60 代60代
70歳以上
70
歳以上
0%
0
20%
20
40%
40
60%
60
80%
80
100%(%)
100
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
図2-1①2-7
◇ 旭市保健推進員は、健康づく
り活動の一環として毎年みそ汁
の塩分濃度調査を実施していま
す。過去5年間のデータをみる
0.4%
0.6%
みそ汁の塩分濃度調査結果
0.8%
1.0%
1.2%
1.4%
1.6%
H21年度
H22年度
と、平成23年度から、適塩
H23年度
(0.8%)、薄味(0.6%)の
H24年度
みそ汁を飲んでいる家庭が徐々
に増えていることがわかります。 H25年度
0%
0
20%
20
40%
40
60%
60
80%
80
100%(%)
100
(資料:旭市保健推進員によるみそ汁の塩分濃度調査)
52
課 題
1 旭市では高血圧によって引き起こされる心疾患・脳血管疾患、胃がんで亡くなる人が
多く、市民の健康に関するアンケート調査の食習慣をみると、年代によって塩分を多く
摂取している人の割合が高いという実態も浮き彫りになりました。健康寿命を延伸して
いくためには、市全体で減塩対策の取り組みが必要です。
2
味覚は、幼少期に培われその後の味の好みにも大きく影響することから、子どもの頃
から薄味に慣れることが大切です。
3
減塩を長続きさせるために、塩分を減らすことの重要性を理解し、調理や食事の工夫
をしながら上手に減塩できるよう支援していくことが必要です。
施 策
1
健康寿命を延伸していくための減塩対策
◆ 広報を通じ市の現状や減塩の重要性について広く啓発・周知していきます。
◆ 各種健(検)診及び事後指導、訪問指導等において塩分の過剰摂取と疾病の関連性、
減塩の必要性を啓発していきます。
2 薄味の習慣をつけるために
◆ 両親学級や離乳食教室において、だしや素材のうま味を生かしたメニューを取り入
れるとともに、薄味の大切さを妊婦や母親に啓発していきます。
◆ 高血圧や脳血管疾患等、生活習慣病予防のため、子どもの頃からの食塩のとり過ぎ
に注意し薄味の習慣をつけることができるよう、各教室や調理実習、給食などにおい
て取り組みを行います。
◆ 旭市保健推進員の活動として、
「薄味習慣の定着を図る」ことを重点テーマの一つに
掲げ、地域活動を推進していきます。
3 減塩を上手に、長続きできるように
◆ しょうゆ味や塩味の料理を何品も重ねず、だしや香辛料・香味野菜を利用する、酢
やかんきつ類の酸味を生かす、料理にかける調味料を少量にする、麺類の汁は残す等、
調味料からの塩分摂取量を減らせるよう実践的な指導を行います。
◆ 加工食品や市販食品(菓子も含む)などは塩分が多い傾向にあります。表示されて
いる塩分量を確認する習慣や、どんな食品に
塩分が多く含まれているか理解することがで
単に味付けを薄くするだけ
きるよう支援をしていきます。
では、長続きしないし、食欲も低下
しがちになるよね。
1~2品は薄味にするなど味にメリハリを
つけると美味しく食べられるよ。健康のた
めにも、お刺身のつけしょうゆ
は、ほどほどにね。
減塩っていうと、
なんだか味気がな
くて、美味しそう
に感じないんだよ
ね・・・
53
② 身体活動・運動
【基本的な考え方】
身体活動とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費するすべての動作を
指しています。
身体活動・運動を増やすことで、生活習慣病(循環器疾患・糖尿病・メタボリックシン
ドローム等)発症のリスク、生活機能(ロコモティブシンドローム、認知症等)低下のリ
スクを低くすることが明らかになってきました。
世界保健機構(WHO)は、高血圧、喫煙、高血糖に次いで、身体不活動を全世界の死
亡に関係する危険因子の4番目と認識し、日本では、身体活動・運動は、喫煙、高血圧に
ついで非感染性疾患による死亡の3番目の危険因子であることが示唆されています。
健康増進や体力向上のために身体活動を増やし、運動を実施することは、個人の抱える
多様かつ個別の健康課題の改善につながります。
そのため、身体活動・運動の重要性が明らかになっていることから、多くの人々が無理
なく日常生活の中で運動を実施できる方法の提供や環境をつくることが求められています。
現 状
図2-1②-1 日常生活において歩行又は同等の身体
活動を1日 1 時間以上実施している人の割合
◇
日常生活における身体活動の実施で
は、千葉県と比較して旭市は実施してい
る割合が低くなっています。
年度で比較すると、男女とも身体活動
を実施している割合が少しずつ増えて
います。
(%)
60
50
H22
年度
40
30
H23
年度
20
10
H24
年度
0
旭市
(資料:特定健診・特定保健指導等実施結果状況表
(千葉県国民健康保険団体連合会))
千葉県
旭市
男
男性
図2-1②-2
◇
生活習慣の改善希望の割合では既に改
善に取り組んでいる人(6か月未満・6か
月以上)は、男性24.6%、女性26.9%
と千葉県と比較して、ほぼ同じ状況です。
改善を希望している人(改善をするつも
りである・近いうちに改善する)の割合は、
男性34.0%、女性43.1%です。
改善希望なしは、男性40.9%、女性
29.4%です。
千葉県
旭市
女
女性
千葉県
全体
運動や食生活等の生活習慣を
改善希望の割合(H24 年度)
50
改善するつもりは
ない
40
改善するつもりで
いる
(%)
近いうち改善する
30
20
既に改善に取り組ん
でいる(6か月未満)
10
既に改善に取り組ん
でいる(6か月以上)
0
旭市
千葉県
男
男性
旭市
千葉県
女
女性
旭市
千葉県
無回答
全体
(資料:特定健診・特定保健指導等実施結果状況表(千葉県国民健康保険団体連合会))
※ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
骨、関節、筋肉などの運動器の働きが衰えることによって、寝たきりになる危険性の高い状態をいう。
54
◇
運動への意欲としては、「足腰に痛みがありできない」「健康上の理由で運動ができな
い」は、70歳以上の女性では54.4%、男性では56.7%と半数以上となっています。
運動への意欲がある人の割合は男性42.2%、女性47.7%です。
ロコモティブシンドロームの認知度については、
「言葉も意味も知らない」が67.4%
と多くなっています。
図2-1②-3
現在より身体活動・運動を多く行うことへの意欲
|←----
意 欲 あ り
いす
るで
(に
1取
年り
以組
内ん
)で
いす
ぐ
に
取
り
組
み
た
---→|
組半
み年
た以
い内
に
は
取
り
組1
み年
た以
い内
に
は
取
り
で足
き腰
なに
い痛
み
が
あ
り
きの左
な理記
い由以
で外
、の
運健
動康
で上
取
り
組
み
た
く
な
い
無
回
答
n
(%)
体
(641)
8.7
男性
(261)
10.3
(360)
7.8
全
全体
男性
女性女性
男性
男性20代
20
代
(18)
30代
30 代
(28)
40代
40 代
(53)
50代
50 代
(40)
25.3
9.0
23.8
10.6
7.3
26.9
11.1
10.8
16.7
21.4
11.3
4.2
18.6
10.7
27.5
21.8
5.0
17.2
4.2
10.0
9.4
11.1
14.3
9.4
15.0
7.6
22.2
25.0
7.5
13.3
6.4
11.1
39.6
5.0
5.3
10.0
38.9
14.3
20.1
10.7
3.6
9.4
22.6
25.0
17.5
2.5
60代
60 代
(64)
14.1
70歳以上
(57)
70 歳以上
女性
女性20代
20
代
5.3
8.8
(33)
(50)
40代
40 代
(61)
8.2
50代
(60)
10.0
60代
60 代
9.4
6.3
3.5 5.3
21.9
12.3
30.3
6.0
18.2
40.0
6.1
14.0
29.5
9.8
16.0
19.7
36.7
11.7
7.8
14.0
8.8
12.1
15.2
4.0 4.0
11.5
8.3
2.5
20.3
3.1
42.1
18.2
30代
30 代
50 代
17.2
4.9
13.3
10.0
6.6
13.3
6.0
9.8
5.0
1.7
(62)
8.1
29.0
4.8
11.3
24.2
11.3
9.7
8.9
10.0
1.6
70歳以上
(90)
70 歳以上
2.2
10.0
10.0
38.9
17.8
2.2
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
図2-1②-4
知言
っ葉
ても
い意
る味
も
よ
く
ロコモティブシンドロームの認知状況
知し言
っ、葉
て意も
い味知
るもっ
大て
体い
た
知が言
ら、葉
な意は
い味知
はっ
あて
まい
りた
知が言
らあ葉
なるは
いが聞
、い
意た
味こ
はと
な言
い葉
も
意
味
も
知
ら
無
回
答
(%)
n
5.3
(1,038)
2.7
7.1
12.5
67.4
4.9
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート結果)
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
55
◇
健康増進センター利用状況(延べ
人数)は、年々増加しています。
図2-1②-5
健康増進センター利用状況
(人)
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
(資料:旭市健康管理課事業年報)
課 題
1
旭市は千葉県と比較して、身体活動を実施している人の割合が低く、運動に取り組み
たいが実践につながっていない人が多いことから、身体活動や運動の重要性を理解し、
個々の状況に合わせた健康づくりに取り組んでいくことが必要です。
2
寝たきり状態にならないように、ロコモティブシンドロームが介護予防と関連がある
ことを正しく知ってもらう必要があります。
3
運動に取り組みたいが実践につながっていない人が多いため、個々の身体状況にあっ
た身体活動・運動ができる機会が必要です。
施 策
1 身体活動量の増加や、運動習慣の必要性について知識の普及啓発
◆ 個別指導・教室等を通して、運動の必要性について情報提供をし、知識の普及啓発
をしていきます。
2
ロコモティブシンドロームについての知識の普及啓発
◆ 広報や出前講座等の健康教育の場を利用し、ロコモティブシンドロームが介護予防
に結び付けて考えられるよう、情報提供、および普及啓発をしていきます。
3
身体活動・運動のきっかけづくりと継続支援
◆ 今後も健康増進センター等の運動施設の周知や、個々の身体状況にあった身体活
動・運動が取り入れられるように、個別指導や健康教室等を実施します。
56
③ 歯と口腔の健康
【基本的な考え方】
歯と口腔の健康は、子どもの健やかな成長、生活習慣病の予防など全身の健康づくりに
重要な役割を果たしています。また、食事や会話を楽しむなど生活の質にも深く関わって
おり、豊かな生活を送るためにも大切なことです。
いつまでも自分の歯で健康に過ごすためには、歯の喪失原因であるむし歯や歯周疾患の
予防が重要であり、生涯にわたる歯と口腔の健康づくりに取り組むことが必要です。
現 状
◇
2歳児歯科健康診査において、希望者にフッ化物歯面塗布を実施しています。開始当
初の塗布率は89%でしたが、近年は96~98%と高い状況です。しかし、1 年後の
3歳児健康診査の問診から定期的にフッ化物歯面塗布をしている幼児は、20%前後と
低い状況です。
◇
3歳児健康診査結果によると、むし歯有病者率は平成25年度30.2%と平成18年
度の36.4%から6.2ポイント減少しています。しかし、全国や千葉県平均と比較する
と高い状況です。
(%)
図2-1③-1
3歳児むし歯有病者率
50
41.2
40
36.4
37.0
34.1
36.3
33.1
28.8
30
30.2
20
10
0
H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度
旭市
千葉県
注)H25 年度の全国の
データは未発表
全国
(資料:旭市3歳児歯科健康診査、厚生労働省母子保健課・歯科保健課調べ、千葉県健康福祉部調べ)
◇
保育所・幼稚園の歯科検診結果によると、むし歯有病者率は平成25年度37.9%と
平成18年度の48.1%から10.2ポイント減少しています。
◇
小学校の歯科検診結果によると、むし歯有病者率は平成25年度66.9%と平成18
年度の79.5%から12.6ポイント減少しています。しかし、全国や千葉県平均と比較
すると高い状況です。
57
◇
中学校の歯科検診結果によると、むし歯有病者率は平成25年度74.2%と平成18
年度の71.3%から2.9ポイント増加しており、全国や千葉県平均と比較しても高い状
況です。
また、12歳児(中学1年生)の永久歯の一人平均むし歯数(DMF 指数)は平成25
年度2.22本と、平成18年度の2.34本から0.12本減少しています。しかし、平成
25年度学校保健統計調査の全国平均1.05本と比較するとかなり高い状況です。
(本)
3.0
2.5
図2-1③-2
2.34
2.38
12 歳児一人平均むし歯数
2.24
2.22
2.08
2.02
2.0
1.84
1.73
1.5
1.0
0.5
0.0
H18年度
H19年度
H20年度
H21年度
旭市
H22年度
千葉県
H23年度
H24年度
H25年度
(資料:旭市3歳児歯科健康診査、学校保健統計調査)
全国
◇ 40歳、50歳、60歳、70歳を対象とした歯周疾患検診(医療機関委託)の受診
率は、平成25年度4.1%と平成18年度の1.2%から2.9ポイント増加していますが、
受診率が 1 割にも満たない状況です。
図2-1③-3
◇
1 年以内の歯科検診受診率は、年代が
高くなるほど、受診している割合が高く
なるが、20歳代では37.5%と最も低
くなっています。受診しない理由は「特
に気になるところがない」が 6 割を占め
ています。
1年以内の歯科検診受診率
(%)
60
40
45.3
46.2
30代
40代
55.2
48.6
50.3
37.5
20
0
20代
50代
60代
70代以上
(資料:H26 年市民の健康に関するアンケート調査)
図2-1③-4
◇
かかりつけ歯科医の状況は、50歳代
20代
以降では7割前後が「いる」と回答してい
ますが、20歳代・30歳代は 6 割前後が
「いない」と回答しています。
かかりつけ歯科医の状況
37.5
30代
60.2
46.2
40代
53.8
59.4
39.9
50代
69.4
29.2
60代
70.4
27.8
70代以上
70.2
26.0
0%
0
20%
20
40%
40
いる
いない
60%
60
80%
80
100%
100(%)
無回答
(資料:H26 年市民の健康に関するアンケート調査)
58
◇
歯間ブラシやデンタルフロス(糸よう
図2-1③-5
歯間ブラシやデンタルフロスの使用状況
じ)の使用状況は、「毎日使っている」は
20代 5.7
22.7
69.3
20歳代・30歳代で 1 割にも達してお
30代 6.8
37.6
54.7
らず、50歳以上でも 2 割前後という状
40代
16.8
30.8
51.7
況です。
「時々使っている」を合わせると、 50代 20.1
32.6
46.5
40歳代・50歳代で5割前後と高く、
60代
20.2
24.2
52.9
20歳代が 3 割弱と最も低くなっていま 70代以上 19.5 12.0
57.5
0
20
40
60
80
100(%)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
す。
毎日使っている
時々使っている
歯間ブラシを知らない
無回答
使っていない
(資料:H26 年市民の健康に関するアンケート調査)
図2-1③-6
咀しゃくの状態は、20歳代・30歳
代では「何でもかんで食べることができ
る」が 9 割を超えていますが、40歳代
以降減少し、70歳代以上では5割とい
う状況です。
咀しゃくの状態
◇
20代
92.0
30代
5.7
94.9
40代
4.3
86.7
50代
12.6
77.1
60代
21.5
64.6
70代以上
27.8
51.0
0
0%
34.2
20
20%
40
40%
60
60%
80
80%
100(%)
100%
何でもかんで食べることができる
一部かめない食べ物がある
かめない食べ物が多い
かんで食べることができない
無回答
(資料:H26 年市民の健康に関するアンケート調査)
図2-1③-7
◇
20本以上自分の歯がある人は、20
歳代から40歳代では 9 割を超えていま
すが、50歳代以降減少し、70歳代以
上では33.6%という状況です。
20 本以上保有者率
(%)
100
95.5
97.4
93.0
78.5
80
64.1
60
40
33.6
20
0
20代
30代
40代
50代
60代
70代以上
(資料:H26 年市民の健康に関するアンケート調査)
課 題
1
幼児のむし歯有病者率を減少させるためには、むし歯予防の正しい知識の普及啓発と
ともに、フッ化物歯面塗布をはじめフッ化物の利用を推進し、さらなるむし歯予防の啓
発に努める必要があります。
2
小・中学生のむし歯有病者率を減少させるためには、小さい頃からむし歯予防に対す
る正しい知識を習得し、むし歯を予防できる生活習慣を身につけることが重要です。保
育所・幼稚園及び学校と連携し、歯科保健事業の充実に努める必要があります。
59
3
成人の歯周疾患の予防が生活習慣病の予防にもつながることから、かかりつけ歯科医
をもち、定期的に歯科検診を受診することが大切です。また、定期検診の重要性を伝え、
歯間ブラシやデンタルフロスの使用を含めた正しいみがき方について普及啓発を行う必
要があります。
4
口腔機能の維持・向上は健康寿命の延伸、生活の質の向上に大きく関係しています。
歯の喪失防止のため、生涯にわたりむし歯や歯周疾患の予防は必須であり、正しい知識
の普及啓発を行う必要があります。
施 策
1 歯と口腔の健康づくりに関する知識の普及啓発
◆ 乳幼児健康診査や歯科健康教育、歯科健康相談、広報等さまざまな機会を通じて、
歯と口腔の健康づくりに関する知識の普及啓発に努めます。
◆ 親と子のよい歯のコンクール等8020運動普及啓発事業において、歯科医師会と
連携し、生涯にわたる歯と口腔の健康づくりに取り組み「8020運動」を推進しま
す。
2
むし歯予防対策の推進
◆ 乳幼児健康診査や歯科健康教育、歯科健康相談等さまざまな機会を通じて、むし歯
予防の正しい知識の普及啓発に努めます。
◆ 2歳児歯科健康診査や歯科健康教育等でフッ化物に対する正しい知識の普及啓発
に努めます。定期的なフッ化物歯面塗布をはじめフッ化物の利用を推進します。
◆ 保育所幼稚園巡回歯みがき教室、学校歯科健康教育において、保育所・幼稚園及び
学校と連携し、むし歯予防の正しい知識を習得させ、歯みがき習慣の定着を図ります。
3
歯周疾患予防対策の推進
◆ 歯周疾患検診、歯科相談、成人歯科健康教育等で歯周疾患と全身疾患との関連を含
めた歯周疾患予防の正しい知識の普及啓発に努めます。
◆ 歯間ブラシやデンタルフロスの使用を推進し、歯周疾患予防の効果的なみがき方の
啓発に努めます。
4
定期的な歯科検診の受診促進
◆ かかりつけ歯科医をもち、歯の喪失予防のために、定期的な歯科検診の重要性を伝
え、予防処置や早期発見のための定期受診を促進します。
60
④ 喫 煙
【基本的な考え方】
たばこは、がん促進物質が含まれており、肺がんをはじめ、咽頭がん、食道がん等全身
のがんや、心疾患、脳血管疾患、高血圧等の生活習慣病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)
の発症の危険因子となっています。妊婦にとっては、低出生体重児や流産、早産を起こす
危険因子でもあります。
また、喫煙者本人だけでなく、周囲の人々も受動喫煙により、肺がんや心筋梗塞、肺気
腫などの呼吸器疾患、乳幼児突然死症候群(SIDS)などを起こすことが指摘されてい
ます。これらのことから、禁煙についての更なる普及啓発が必要です。
図2-1④-1
(%)
現 状
たばこを習慣的に吸っている割合
35
30.2
28.6
28.5
30
旭市男性
◇
たばこを習慣的に吸っている割合
(喫煙率)をみると、旭市は、全国
平均(男34.1%、女9.1%)より
男女とも低い値ですが、男性は千葉
県より高い値となっています。
経年変化では、男性は減少してい
ますが、女性はあまり変化していま
せん。
25
23.6
24.6
千葉県男性
23.4
20
旭市女性
15
千葉県女性
10
6.2
6.0
6.1
5
5.6
6.2
5.8
0
H22年度
H23年度
H24年度
(資料:千葉県衛生研究所特定健診データ)
◇ 1か月に経験した受動喫煙の場所
についてもっとも多かったのは「飲
食店」の34.5%、ついで「職場」
26.3%、
「家庭」23.5%でした。
図2-1④-2
|←----
経 験 あ り
ほ
ぼ
毎
日
あ
っ
た
n=(1,038)
1か月に経験した受動喫煙場所
あ週
っに
た数
回
程
度
---→|
あ週
っに
た1
回
程
度
あ月
っに
た1
回
程
度
全
く
な
か
っ
た
無
回
答
(%)
(%)
ア.職場
13.7
イ.家庭
12.7
5.9 3.6 3.1
39.2
4.6 3.3
34.6
52.8
23.7
2.9
ウ.飲食店
3.9 8.4
19.7
35.0
30.6
2.5
エ.歩道 0.9 3.2 8.0
49.9
35.5
2.5
※受動喫煙
室内またはこれに準ずる環境における
他人のたばこの煙を吸わされていること。
オ.公園
3.9
0.5 0.6 1.8
56.3
37.0
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
※COPD(慢性閉塞性肺疾患)
代表的な慢性呼吸器疾患の一つであり、主に喫煙(受動喫煙を含む)によって
肺気腫や気道炎症が起きる病気のこと。
61
◇
「COPD について知っている」人は、
10.8%でした。
図2-1④-3
COPD について知っている割合
「COPD」って何だろう?
フムフム・・・
「慢性閉塞性肺疾患」って
言うんだね。
たばこが原因で、肺気腫や
慢性気管支炎が起こるん
だ・・・。
(資料:平成 24 年度肺がん検診問診票集計)
図2-1④-4
◇
喫煙している人のうち、「やめたい」
と答えている人は、24.5%います。
「本数を減らしたい」と答えている人
は35.9%、「やめたくない」と答え
ている人は、30.4%でした。
や
め
た
い
禁煙の意向の割合
本
数
を
減
ら
し
た
い
や
め
た
く
な
い
わ
か
ら
な
い
無
回
答
(%)
(%)
n
(184)
24.5
35.9
30.4
8.2
1.1
(資料:平成26年市民の健康に関するアンケート調査)
◇ 「やめたい」と考えている人の中で、
禁煙指導を希望している人の割合は全体
で31.6%ありました。
図2-1④-5
禁煙指導を希望している人の割合
無回答
7.7%
受けたい
31.6%
受けたくない
60.7%
(資料:平成26年市民の健康に関するアンケート調査)
62
◇
喫煙経験は男子が高い傾向にありますが年々減少しており、男女差は縮まりつつあり
ます。平成22年中学女子の喫煙経験割合は、やや増加しています。
図2-1④-6
(%)
中学生、高校生の喫煙頻度の推移
40
35
30
25
20
喫煙経験
15
月喫煙
10
毎日喫煙
5
中学男子
中学女子
年 年
年
高校男子
H
H
H
H22年
年
H
H20年
年 年
年
H
16 20 22
H16年
年 年
H
H22年
16 20 22
H20年
16 20 22
H16年
H
H22年
H
H20年
H
H16年
H
H22年
H
H20年
H
H16年
0
16 20 22
年 年
年
高校女子
注)月喫煙は、30 日に1日でも喫煙経験がある喫煙者(毎日喫煙者は除く)
(資料:「未成年者の喫煙および飲酒行動に関する全国調査」 2010)
課 題
1
旭市は千葉県の喫煙率より高い状況にあることから、喫煙や受動喫煙による健康被害
を予防するため、市民がリスクを知り生活習慣を改善する必要があります。
2
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の認知度が低いことから、その病態を理解し、喫煙と関
係があることを正しく知ってもらう必要があります。
3
喫煙は、習慣性・依存性が高いことから、成人になってからの禁煙が困難な傾向があ
るため、少年期から喫煙が身体に与える影響について知ってもらい、習慣化を防ぐ必要
があります。
4
禁煙の意思があり禁煙指導を希望する人の把握と、禁煙につなげられるよう支援する
必要があります。
5
受動喫煙の身体への影響を知り、喫煙者は分煙を守ること、また非喫煙者は自ら回避
することの理解と、その環境整備が求められます。
63
施 策
1 喫煙の健康被害についての知識の普及
◆ 喫煙率の低下を目指し、広報やホームページ等を利用して普及啓発に努めます。
また、がん検診や個別保健指導の場を利用して普及啓発を推進します。
2 COPD についての認知度と知識の普及
◆ 喫煙の影響と自己の健康状態が結び付けて考えられるよう、広報やホームページ等
を利用して普及啓発に努めます。また、がん検診や個別保健指導の場を利用しての普
及啓発を推進します。
3 小中学校における喫煙防止教育実施
◆ 喫煙を始める前から喫煙の害と健康について学習することで、成人になってからも
喫煙しない意思をもち、周囲の喫煙者に対する禁煙の呼びかけにつながることも期待
できるため、小中学校で喫煙防止教育を実施します。
4 禁煙を希望する人への支援体制の活用
◆ 保健指導・相談等において、喫煙者の禁煙についての意思確認が出来たときは、禁
煙方法について情報提供等を実施します。
5 受動喫煙防止対策の推進
◆ 受動喫煙について普及啓発に努めるとともに、市内公共施設の禁煙を関係課と協力
し推進します。
旭市の公共施設の状況だよ!
敷地内全面禁煙 41 か所
建物内禁煙
39 か所
分煙施設あり
1か所
(平成 26 年 5 月現在)
64
⑤ 飲 酒
【基本的な考え方】
適度な飲酒は、健康に良い影響を与え、生活にも潤いをもたらすほか、心身の緊張をや
わらげたり、ストレス解消や休養等の効果があります。しかし、その一方で、過度の飲酒
は、肝疾患、脳血管疾患、がん等の生活習慣病の原因になります。また、徐々に飲酒量が
増加し、それが習慣化するとアルコール依存症となり、社会への適応力の低下を引き起こ
すことがあります。
さらに、未成年者では脳や骨の発達・性ホルモンの分泌に悪影響が出ます。妊婦や授乳中
の女性では胎児や児の成長発達を妨げることがわかっています。これらを解消するための取り
組みが求められます。
現 状
◇
飲酒頻度を見てみると、旭市は男女ともに千葉県に比べて「毎日飲む」と回答してい
る人が、やや低くなっています。男女別に見ると、男性は毎日飲酒する割合が約4割と
女性の約7倍です。
図2-1⑤-1
(%)
男性
お酒を飲む頻度
女性
(%)
100
100
80
80
60
60
40
40
20
20
0
0
千葉県
旭市
千葉県
H22年度
毎日
旭市
千葉県
H23年度
時々
旭市
千葉県
H24年度
旭市
千葉県
H22年度
ほとんど飲まない
旭市
千葉県
H23年度
毎日
時々
旭市
H24年度
ほとんど飲まない
(資料:千葉県衛生研究所特定健診データ)
◇
旭市は1日当たりの飲酒量1合以上の割合が、千葉県より少なくなっています。平成
24年度の3合以上の割合は、男性1.8%、女性0.4%です。
図2-1⑤-2
男性
(%)
100
1日あたりの飲酒量
女性
(%)
100
80
80
60
60
40
40
20
20
0
0
千葉県
旭市
H22年度
千葉県
旭市
H23年度
1合未満(「全く飲まない」を含む)
千葉県
千葉県
旭市
旭市
H22年度
H24年度
千葉県
H23年度
1合未満(「全く飲まない」を含む)
1~2合未満 2~3合未満 3合以上
旭市
1~2合未満
千葉県
旭市
H24 年度
H24年度
2~3合未満
3合以上
(資料:千葉県衛生研究所特定健診データ)
65
清酒1合(180ml)は、次の量にほぼ相当します。
ビール中瓶1本(約500ml)
、ウイスキーダブル1杯(60ml)
、
焼酎20度(135ml)
、焼酎25度(110ml)、ワイングラス2杯(240ml)
1 日の適正量は、純アル
コールで20g、日本酒
なら 1 合が目安だよ。
課 題
1
アルコールの過度な摂取が及ぼす身体的・精神的・社会的な影響等についての知識の
普及と、生活習慣の改善が必要です。
毎日飲んでいる人や、1日の飲酒量が適正を超えている人について、個別の対応が求
められます。
2
施 策
1
アルコールの正しい知識の普及と啓発
◆ アルコールとの適切な付き合い方や多飲による健康被害・社会的影響について、広
報やホームページ等を利用しての普及啓発に努めます。また、特定健康診査や個別保
健指導・健康教育の場を利用しての普及啓発を推進します。
2
相談窓口の活用
◆ アルコールに関する相談を受け付けると共に、専門機関と円滑な連携を図ります。
66
⑥ 休養・こころの健康
【基本的な考え方】
社会構造の複雑化により、あらゆる世代において強いストレスを感じている人が増加し
ています。こうしたストレスは、うつ病、睡眠障害、アルコール関連障害等のこころの健
康に関わる様々な問題の発生へとつながっています。
こころの健康には、個人の性格や資質だけでなく、職場や家庭の人間関係、経済状況、
身体の健康状態等の多くの要因が影響しています。
こころの健康を保つには、運動・栄養・休養の3つの要素が大切であることは認識され
ていますが、その中でも十分な休養をとり、ストレスと上手に付き合うことが重要です。
時間を有効に使い、疲労回復のための休養を積極的にとり、趣味や旅行など上手に気分転
換を図ることが大切です。
現 状
◇ 「この1か月間の不満、悩み、苦労、ストレスの有無」では、63.2%が「あり」と
回答しています。男女別、年代別に見てみると、男性では30歳代が87.0%のほか、
20歳代、40歳代、50歳代でも70%前後となっています。女性では、20歳代が
86.7%と最も多く、30歳代、40歳代、50歳代で80%を超えて、いずれも就労
世代に高い状況です。
図2-1⑥-1
この 1 か月間の不満、悩み、苦労、ストレスの有無
あり
大
い
に
あ
っ
た
多
少
あ
っ
た
あ
ま
り
な
か
っ
た
ま
っ
た
く
な
か
っ
た
無
回
答
n
全
全体
(%)
19.7
体 (1,038)
43.5
17.2
17.0
2.6
男性
男性
(436)
女性
女性
(569)
19.5
39.2
19.0
20.9
1.4
男性
20代
男性
20
20.6
代 (43)
30代
30
代
(46)
40代
40
代
(66)
50代
50 代
(56)
60代
60
代(110)
70歳以上
70
(113)
歳以上
47.6
30.2
15.6
41.9
13.2
14.0
50.0
3.0
14.0
37.0
10.9
2.2
22.7
50.0
28.6
16.7
41.1
10.0
39.1
10.6
19.6
21.8
10.7
26.4
2.7
6.2
31.0
23.0
37.2
2.7
女性
20代
女性
20
代 (45)
30代
30
代
(71)
40代
40
代
(77)
31.1
33.8
55.6
4.4
49.3
11.3
8.9
4.2
1.4
32.5
53.2
10.4
1.3
2.6
50代
50
代
60代
60
代(112)
70歳以上
70
(171)
歳以上
(88)
22.7
59.1
13.4
10.5
46.4
36.8
21.4
20.5
26.3
13.6
4.5
15.2
3.6
5.8
(資料:平成 26 年度市民の健康に関するアンケート調査)
67
◇ 「睡眠で休養が十分とれている」割合を比較してみると、
「いいえ」と回答している人
は男女とも千葉県より高くなっています。
図2-1⑥-2
睡眠で休養が十分とれている割合
男性
(%)
女性
(%)
100
100
80
80
60
60
40
40
20
20
0
0
千葉県
旭市
H22年度
千葉県
旭市
H23年度
はい
千葉県
千葉県
旭市
旭市
H22年度
H24年度
千葉県
旭市
千葉県
H23年度
はい
いいえ
旭市
H24年度
いいえ
(資料:千葉県衛生研究所特定健診データ)
◇ ストレスなどの発散や解消方法
は、
「ゆっくり休む」が40.6%
ともっとも高く、男女別で見ると
男性では「ゆっくり休む」、次い
で「趣味・スポーツ」、女性では
「人と話す」「買い物」の順で多
くなっています。
図2-1⑥-3
ストレスなどの発散や解消方法の割合(複数回答)
全体
ゆっくり休む
人と話す
男性
趣味・スポーツ
買い物
注)複数回答のため、合計が 100%を超えて
います。
食べる
女性
0
50
100
150
200
(%)
(資料:平成 26 年市民の健康に関するアンケート調査)
ひつじが 1 匹、ひつじが 2
匹・・・ムニャムニャ・・。
ゆっくり休もうね。
68
課 題
1
ストレスなどを感じている割合が 6 割を上回っており、そのうち半数が解消できてい
ないということから、自己のストレスの高低を自覚し、その解消のために様々な方法を
選択できることが必要です。また、睡眠時間は心身の様々な症状と関連しており、自分
に合った睡眠が確保できるよう睡眠の重要性についての啓発が必要です。
2
悩みやストレスを抱えている人が多いことから、気軽に相談できる体制が必要です。
施 策
1 こころの健康についての知識の普及
◆ 日ごろから意識的にストレス解消に取り組めるよう、広報やホームページ等により
啓発と情報提供を行います。
2
相談体制の充実
◆ 既存の相談窓口を利用し、専門的な相談にも対応できるよう関係機関との連絡を円
滑に図ります。
69
第1節
健康増進に向けた取り組みの推進
市民の健康増進を図ることは、高齢化がすすむ旭市にとっても、一人ひとりの市民にと
っても重要な課題です。
したがって、健康増進施策を旭市の重要な行政施策として位置づけ、本計画の推進にお
いては、市民の健康に関する各種指標を活用し、取り組みを推進していきます。
一人ひとりの身体は、今までに生きてきた歴史や社会背景、本人の価値観によって作り
上げられてきているため、それぞれの身体の問題解決は画一的なものではありません。一
人ひとりの生活の状態や、能力、ライフステージに応じた主体的な取り組みを重視して健
康増進を図ることが基本になります。
市は、その活動を支えることにより、個人の理解や考え方が深まり、確かな自己管理能
力が身につくために、科学的根拠に基づいた支援を積極的に進めます。
同時に、個人の生活習慣や価値観の形成の背景となる、ともに生活を営む家族や、地域
の習慣や特徴等、共通性の実態把握にも努めます。そして、地域の健康課題に対し、市民
が協働して取り組みを考えあうことによって、個々が気づき、健康実現に向かう地域づく
りができる活動を目指します。
一人ひとりの健康は、社会的環境や経済的環境の影響を受けて多様となっており、情報
入手方法や情報量等も個人差があるものと考えられます。市民が健康について正しい知識
が得られるよう情報提供を図っていくことが必要です。
近年、予測が困難な新型インフルエンザ等の感染症を含む健康危機管理体制の整備が求
められています。重症化や合併症を引き起こすと重大な健康被害を及ぼす恐れがあるため、
状況に応じて、必要な情報提供等を行い適切な行動がとれるよう啓発していくことが重要
です。
また、事業の効率的な実施を図る観点から健康増進法第6条で規定された健康増進事業
実施者との連携が必要です。
旭市における健康増進事業実施者は、様々な部署にわたるため、関係各課との連携を図
ります。
また、市民の生涯を通した健康の実現を目指し、市民一人ひとりの主体的な健康づくり
活動を支援していくために、医師会や歯科医師会、薬剤師会などに加え、健康づくり推進
協議会の構成団体、保健推進員等とも十分に連携を図りながら、関係機関、関係団体、行
政等が協働して進めていきます。
市民の健康づくりに関わる機関等が課題を共有できるよう、旭市健康づくり推進協議会
73
や関係各課からなる保健師連絡会等を通じて事業の実施状況や課題を整理・共有し、計画
を推進していきます。
計画全体の評価は、市民の健康レベルの状況から、設定した目標の達成度を把握し、次
に目指すべき方向性を見極め、目標の再設定と新たな健康づくり運動を提起した次の計画
づくりに生かしていきます。
本計画の総合目標を達成するため、施策に対する目標値を設定することで計画の推進、
見直し、評価、次期計画の策定等において総括的な評価を行います。
総合目標
項
現状値注)
出典
目標値
男性 16.16 年
女性 20.41 年
厚生労働科学 健康寿命研究
(2010 年)より算出
増やす
平成 24 年
千葉県衛生統計年報
減らす
減らす
目
健康寿命の延伸
(旭市の 65 歳における日常生活動作が自立して
いる期間の平均)
男性 8.2 %
女性 3.2 %
壮年期死亡の減少
重点施策1
増やす
生活習慣病の発症予防と重症化予防
現状値注)
項 目
出典
75 歳未満のがんの年齢調整死亡率
88.8
胃がん検診受診率
40 歳以上
18.5 %
肺がん検診受診率
40 歳以上
35.9 %
大腸がん検診受診率
40 歳以上
24.2 %
乳がん検診受診率
40 歳以上女性
42.4 %
子宮頸がん検診受診率
20 歳以上女性
38.9 %
平成 20~24 年
ちば県民保健予防財団
市町村別健康指標
平成 25 年度
市がん検診事業受診率
平成 25 年度
市がん検診事業受診率
平成 25 年度
市がん検診事業受診率
平成 25 年度
市がん検診事業受診率
平成 25 年度
市がん検診事業受診率
目標値
減らす
40 %
40 %
40 %
増やす
40 %
75 歳未満の脳血管疾患の年齢調整死亡率
男性 28.6
女性 11.2
平成 20~24 年
ちば県民保健予防財団
市町村別健康指標
減らす
75 歳未満の心疾患の年齢調整死亡率
男性 71.1
女性 18.0
平成 20~24 年
ちば県民保健予防財団
市町村別健康指標
減らす
高血圧の改善(Ⅱ度高血圧(160/100)以上の人
の割合)
3.8 %
平成 25 年度旭市国民
健康保険特定健康診査
減らす
脂質異常症の減少(LDL160 以上の人の割合)
10.0 %
平成 25 年度旭市国民
健康保険特定健康診査
減らす
平成 25 年度
旭市特定健診結果
増やす
増やす
9.5 %
平成 25 年度旭市国民
健康保険特定健康診査
減らす
5.2 %
平成 25 年度旭市国民
健康保険特定健康診査
減らす
9
平成 25 年度身体障害
者手帳交付台帳
減らす
特定健診・特定保健指導の実施率の向上
特定健康診査の実施率
特定保健指導の終了率
糖尿病有病者の増加の抑制
(糖尿病が強く疑われる者 HbA1c6.5%以上
の人の割合)
血糖コントロール指標におけるコントロール不
良者の割合の減少
(HbA1c 7.0%以上の人の割合)
合併症(糖尿病性腎症による年間新規人工透析導
入者数)の減少
44.5 %
32.1 %
74
人
重点施策2
次世代の健康(親と子の健康)
項
現状値注)
目
妊娠中の妊婦の喫煙率
4.5 %
両親学級への夫の参加率
27.6 %
低出生体重児出生率
10.9 %
楽しく子育てができる母親の割合
89.4 %
夜 9 時までに寝る子の割合
自分の命を大切だと思う子の割合(中学生)
分野別施策
出典
平成 25 年度旭市妊娠届出
平成 25 年度旭市健康管理課
事業年報
平成 24 年千葉県衛生統計年
報
平成 25 年度旭市 1 歳 6 か
月児健診
目標値
減らす
増やす
減らす
増やす
8.8 %
平成 25 年度旭市 3 歳児健診
増やす
77.9 %
平成 25 年度旭市赤ちゃんふ
れあい体験教室アンケート
増やす
出典
目標値
生活習慣の改善
項
現状値注)
目
朝食を毎日食べている人の割合
80.5 %
平成 26 年市民の健康に関す
るアンケート調査
増やす
バランスの良い食事を 1 日 2 回以上、週6~7日とる
人の割合
48.0 %
平成 26 年市民の健康に関す
るアンケート調査
増やす
1 日に野菜料理(野菜を主な材料とした料理)を4~
5つとる人の割合
12.1 %
平成 26 年市民の健康に関す
るアンケート調査
増やす
食育に関心のある人の割合
65.3 %
平成 26 年市民の健康に関す
るアンケート調査
増やす
地元産や旬の食材を取り入れた料理を食べる人の割合
61.2 %
平成 26 年市民の健康に関す
るアンケート調査
増やす
適正体重(BMI18.5~24.9)を維持している人の割
合
62.8 %
平成 26 年市民の健康に関す
るアンケート調査
増やす
麺類の汁を半分以上飲む人の割合
36.1 %
平成 26 年市民の健康に関す
るアンケート調査
減らす
漬物にしょうゆや塩をかける人の割合
32.9 %
平成 26 年市民の健康に関す
るアンケート調査
減らす
平成 22 年
県民健康・栄養調査
減らす
食塩摂取量の減少(1日あたり)
男性 11.8 g
女性 10.3 g
日常生活の中で、1日 1 時間以上の身体活動を実施す
る人の割合
男性 49.3 %
女性 46.5 %
現在、たばこを習慣的に吸っている人の割合
男性 28.6 %
女性 5.8 %
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の認知度の向上
10.8 %
3歳児でむし歯のない者の割合
69.8 %
平成 25 年度旭市
3 歳児歯科健康診査
増やす
12 歳児の一人平均むし歯数
2.22 本
平成 25 年度旭市
生徒定期健康診断
減らす
40 歳で進行した歯周炎を有する者の割合
40.3 %
平成 25 年度旭市
歯周疾患検診
減らす
過去 1 年間に歯科検診を受診した者の割合
48.2 %
平成 26 年市民の健康に関す
るアンケート調査
増やす
デンタルフロスや歯間ブラシを使用している者の割合
40.9 %
平成 26 年市民の健康に関す
るアンケート調査
増やす
平成 24 年度
千葉県特定健診保健指導
に係るデータ収集、評価
・分析事業
平成 24 年度
千葉県特定健診保健指導
に係るデータ収集、評価
・分析事業
平成 24 年度
旭市肺がん検診問診
注)現状値:ここでの現状値は、策定時に把握している出典からの基準値を示しています。
75
増やす
減らす
増やす
第1節 目指す姿
(1)調査実施の目的
旭市は平成17年11月に健康都市宣言を行い、市民が健康を共有できるまちづくり
を目指しているなか、市民の健康状態や生活習慣に関する実態や意識を把握し、健康
増進計画を策定するための基礎資料を得ることを目的に、調査を実施しました。
(2)市民の健康に関するアンケート調査結果
計画策定にあたり、市民の健康状態や生活習慣に関する実態や意識を把握すること
を目的に、
「市民の健康に関するアンケート調査」を実施しました。その結果から、項
目ごとにまとめたものが、以下になります。
■調査の項目
(1)健康状態
(2)がん検診・健康診断
(3)食生活・運動習慣
(4)歯の健康
(5)心の健康
(6)睡眠
(7)健康なまちづくり
(8)健康に関する情報・事業
■調査方法と回収状況
調査方法:郵送配布―郵送回収
調査期間:平成 26 年8月1日(金)~8月 18 日(月)
回収状況:発送数 2,000 / 有効回答数 1,038 / 回収率 51.9%
1
健康状態
①現在の健康状態
自分の健康状態については、
「健康である」が30.3%で、これに「どちらかといえば健康である」
(45.0%)を合わせた《健康》は75.3%を占めている。一方、「どちらかといえば健康でない」
は11.6%、「健康ではない」は6.9%となっている。
性・年代別でみると、男性では、20歳代から40歳代では《健康》が8割を超えている。
女性では、20歳代、30歳代で《健康》が8割を超えている。
②身長・体重
身長については、
「155~160cm未満」が19.0%で最も高く、次いで「150~165cm未満」
が15.6%となっている。また、体重については、「50~55kg未満」が16.2%で最も高く、次い
で「55~60kg未満」が15.5%となっている。
BMIをみると、
「普通体重」が62.8%と最も高く、次いで「肥満度1」が18.6%となっている。
健康状態別でみると、健康な人ほど、
「普通体重」が増加し、健康であるでは72.1%となってい
る。
バランスのとれた食事の摂取状況別でみると、週6~7回とっている、週4~5回とっていると
いう層では、いずれも「普通体重」が6割を超えている。一方、ほとんどとっていない層では「普
通体重」が48.4%と低く、
「肥満度1」が29.7% と、他の層より高くなっている。
以上のように、健康状態や食生活と体重の間には明白な関連性があることがわかる。
79
③メタボリックシンドロームの認知状況
メタボリックシンドロームについては、
「内容まで知っている」が49.6%で、これに「言葉だけ
知っている」(39.6%)を合わせた《周知度》は89.2%を占めている。また、性・年代別でみる
と、男女とも70歳以上を除くと、いずれの年代でも《周知度》が9割を超えている。
このようにメタボリックシンドロームについては、市民に広く周知されている。
④かかりつけ医・かかりつけ歯科医の有無
かかりつけ医については、
「いる」が57.9%、
「いない」が40.2%、また、かかりつけ歯科医に
ついては、
「いる」が62.7%、
「いない」が35.2%となっている。
かかりつけ医・かかりつけ歯科医のいる人が、いない人を上回っているが、今後も、健康の維持
のために、かかりつけ医、かかりつけ歯科医のいることの重要性を周知させていくことが課題とい
える。
⑤治療中の病気
治療中の病気の有無については、
「ある」が53.2%、「ない」が44.6%となっている。
治療中の病気の「ある」という人にその病気をきくと、
「高血圧」が41.8%で最も高く、以下「高
脂血症(高コレステロール血症)
」
(17.6%)、
「整形外科系の病気」
(17.4%)の順で続いている。
性・年代別でみると、男性の場合、
「高血圧」は加齢とともに増加し、60歳代以上では4割を超
えている。「高脂血症(高コレステロール血症)」は、50歳代、60歳代で、「整形外科系の病気」
は70歳以上で、いずれも2割を超えて他の年代より高くなっている。
女性の場合、
「高血圧」は、60歳代、70歳以上で5割を超えている。また、
「高脂血症(高コレ
ステロール血症)
」は、50歳以上で2割を超え、他の年代より高くなっている。
このように男女とも、年齢が高くなるにつれて、「高血圧」や「高脂血症(高コレステロール血
症)」が多くなる傾向がある。今後も、生活習慣病の予防や重症化の防止に取り組んでいくことが
課題である。
2
がん検診・健康診断
①がん検診・健康診断の受診状況
がん健診や健康診断の受診状況については、「毎年受けている」が58.3%、「2~3年に1回は
受けている」が10.8%となっている。一方、「受けていない」は27.3%となっている。
図2-1
図 がん検診や健康診断の受診状況
がん検診や健康診断の受診状況
毎
年
受
け
て
い
る
受2
け~
て3
い年
るに
1
回
受
け
て
い
な
い
無
回
答
(%)
n
(1,038)
58.3
10.8
27.3
3.7
現在の健康状態別でみると、健康である、どちらかといえば健康である層では、「毎年受けてい
る」が、いずれも6割を超え、他の層より高くなっている。
80
がん検診・健康診断を受けていない人では、その理由として「受診が面倒だから」「自覚症状が
ないから」
「自分は健康だから」が多く挙げられている。
調査結果からも、健康状態とがん検診・健康診断の受診状況の関連性は明らかであり、今後も、
市民の健康を維持する上でのがん検診・健康診断の重要性を広く市民に周知することにより、受診
率の向上を図っていくことが求められる。
3
食生活・運動習慣
①食生活
朝食の摂取状態については、
「毎日食べている」が80.5%。
性・年代別でみると、男性では、加齢とともに「毎日食べている」が増加し、70歳以上では92.9%
となっている。一方、20歳代から40歳代では「ほとんどとっていない」が1割台半ばと、他の年
代より高くなっている。
女性でも、男性と同様に、加齢とともに「毎日食べている」が増加し、60歳代、70歳以上では
9割を超えている。
次に、栄養のバランスのとれた食事1日2回以上の摂取状況については、「週6~7日とってい
る」が48.0%で最も高く、次いで「週4~5日とっている」が23.6%となっている。
図3-1 バランスのとれた食事の1日2回以上の摂取頻度
図 バランスのとれた食事の1日2回以上の摂取頻度
と週
っ6
て~
い7
る日
と週
っ4
て~
い5
る日
と週
っ2
て~
い3
る日
とほ
っと
てん
いど
な
い
無
回
答
(%)
n
(1,038)
48.0
23.6
16.1
6.2
6.2
性・年代別でみると、男性では、加齢につれて「週6~7日とっている」が増加し、70歳以上
では57.5%となっている。女性では、50歳代、70歳以上で「週6~7日とっている」が7割を
超えている。
さらに、1日に野菜を食べる量については、
「2~3つ」が55.4%で最も高く、次いで「1つ以
下」が25.4%となっている。
性・年代別でみると、男性では、20歳代で「1つ以下」が51.2%と、全年代中最も高くなって
いる。女性では、30歳代で「2~3つ」が69.0%と7割近くを占め、際立って高くなっている。
このように、男性では、若い世代を中心として、朝食や野菜を摂らない等、不健康な食生活をし
ている人が多いことがわかる。こうした層を対象として、健康の維持・増進における食生活の重要
性を周知していくことが大切である。
②食育
「食育」に対しては、
「非常に関心がある」が13.3%で、これに「ある程度関心がある」
(52.0%)
を合わせた《関心度》は65.3%を占めている。
性別でみると、女性では《関心度》が74.3%と、男性(53.9%)より高くなっている。
性・年代別でみると、男性では、40歳代以上で《関心度》が5割を超えている。女性では、30
歳代から60歳代では《関心度》が、いずれの年代も7割を超え、とくに60歳代では84.9%に達
81
している。
健康状態別でみると、健康である、どちらかといえば健康である層では《関心度》が、いずれも
6割台半ばを占め、他の層より高くなっている。
調査結果をみると、健康状態と食育への関心度との関連性は明白である。今後は、女性より男性、
とくに20歳代から30歳代の男性に対して、食育への関心を高めてもらうよう働きかけていくこと
が求められる。
③運動
日常生活の中での歩行時間は、
「30分未満」が43.2%で最も高く、次いで「30分~1時間未満」
が28.4%となっている。
また、健康状態別でみると、健康である、どちらかといえば健康である層では「30分以上」が、
いずれも5割を超えている。一方、健康でない層では「30分未満」が55.6%と、他の層より高く
なっている。
次に、1回30分以上・週2回以上の運動の1年以上の継続の有無については、「している」が
36.1%、「していない」が61.8%となっている。
健康状態別でみると、健康状態がよい層ほど「している」が増加している。
このように健康状態のよい人ほど、歩行時間が長く、適切な運動をしていることがわかる。今後
も、健康の維持・増進のため、運動することの大切さを広く市民に伝えていくことが重要である。
④ロコモティブシンドロームの認知状況
ロコモティブシンドロームについて、
「言葉も意味もよく知っている」か2.7%、「言葉も知って
いたし、意味も大体知っている」が5.3%、
「言葉は知っていたが、意味はあまり知らない」が12.5%、
「言葉は聞いたことがあるが、意味は知らない」が12.5%となっている。一方、
「言葉も意味も知
らない」が67.4%となっている。
性別でみると、男性では「知らない」が75.7%と、女性(61.7%)より高くなっている。
メタボリックシンドロームに比べて、この言葉についての市民の認知度は低くなっており、今後
も、その内容面を含めて、広く市民に浸透させていくことが求められる。
⑤喫煙
喫煙経験については、「過去合計100本以上、または6カ月以上吸っている(吸っていた)」が
34.4%、
「吸っている(吸ったことはある)が、過去合計100本未満で6カ月未満である」が6.6%
となっている。一方、
「まったく吸ったことがない」は52.4%となっている。
健康状態別でみると、健康である、どちらかといえば健康である層で「まったく吸ったことがな
い」が、いずれも5割を超え、他の層より高くなっている。
次に、喫煙経験のある人に、現在の喫煙状況を訊くと、「毎日吸う」が39.2%、「今は(この1
ヵ月間)吸っていない」が52.6%となっている。
現在喫煙している人に、禁煙意向を訊くと、
「本数を減らしたい」が35.9%、
「やめたい」が24.5%
となっている。一方、
「やめたくない」は30.4%である。
さらに、禁煙等の意向のある人に、禁煙指導の受診意向を訊くと、「受けたい」が33.3%、「受
けたくない」が64.0%となっている。
調査結果をみると、健康な人ほど喫煙経験が少なくなるという回答傾向が明白に現れており、今
後も、禁煙に向けて、啓発等の取り組みを進めていくことが求められる。
⑥COPDの認知状況
COPDについて、
「どんな病気かよく知っている」が10.1%で、これに「名前は聞いたことがあ
る」(14.0%)を合わせた《周知度》は24.1%である。
性別でみると、女性では《周知度》が28.6%と、男性(18.6%)より高くなっている。
この言葉についても、ロコモティブシンドロームと同様に、低い周知度に留まっているというの
が現状である。
82
⑦飲酒
飲酒頻度については、「毎日」が14.5%となっている。一方、「ほとんど飲まない(飲めない)」
は53.9%となっている。
また、飲酒をする人に、1日あたりの飲酒量を訊いたところ、
「1合(180ml)未満」が35.0%
で最も高く、次いで「1合以上2合未満(360ml)
」が32.8%となっている。
次に、飲酒頻度について、性・年代別でみると、男性では、60歳代で「毎日」が35.5%を占め
ているほか、40歳代、50歳代でも3割前後となっている。女性では、20歳代で「月に1~3日」
が26.7%と他の年代より高くなっている。
健康状態別でみると、健康である層では「ほとんど飲まない(飲めない)
」が48.9%と、他の層
よりやや低くなっている。
4
歯の健康
①1年以内の歯科検診の受診状況
1年以内の歯科検診の受診状況については、
「はい」が48.2%、
「いいえ」が49.4%となってい
る。
図4-1
図 1年以内の歯科検診の受診状況
1年以内の歯科検診の受診状況
無回答
2.4%
n
いいえ
49.4%
はい
48.2%
(1,038)
性・年代別でみると、男性では、40歳代、60歳代、70歳以上で「はい」が5割前後と他の年
代より高くなっている。女性では、60歳代で「はい」が60.7%を占めているほか、50歳代でも
55.7%となっている。
次に、「いいえ」と回答した人に、その理由をきいたところ、「特に気になるところがないから」
が60.8%で最も高く、次いで「予約などの手続きが面倒だから」が16.0%となっている。
性別でみると、男性では「特に気になるところはないから」が64.3%と、女性(57.1%)より
高くなっている。
②咀嚼の状態と歯の本数
咀嚼の状態については、
「何でもかんで食べることができる」が71.1%と最も高くなっている。
一方、「一部かめないものがある」は21.9%となっている。
健康状態別でみると、健康状態の悪い層ほど、「一部かめない食べ物がある」が増加し、反対に
「何でもかんで食べることができる」が減少する傾向がある。
次に、現在の歯の本数については、
「ほとんどある」が37.9%で最も高く、次いで「全部ある」
が29.8%となっている。
83
健康状態別でみると、健康状態が悪くなるにつれて、「全部ある」は減少し、健康ではないとい
う層では8.3%となっている。
このように、咀嚼の状態や歯の本数と、健康状態には緊密な関係がある。今後も、健康の維持・
増進という観点から、歯科健診の受診率の向上を図ることが重要である。
5
心の健康
①ストレスの有無
この1年間に不満、悩み、苦労、ストレスが「大いにあった」が19.7%で、これに「多少あっ
た」を合わせた《あり》は63.2%を占めている。
この1か月間の不満、悩み、苦労、ストレスの有無
図5-1 図
この1か月間の不安、悩み、苦労、ストレスの有無
あり 63.2%
大
い
に
あ
っ
た
多
少
あ
っ
た
あ
ま
り
な
か
っ
た
ま
っ
た
く
な
か
っ
た
無
回
答
(%)
n
(1,038)
19.7
43.5
17.2
17.0
2.6
平均睡眠時間別でみると、6時間未満の層では、いずれも《あり》が7割を超え、他の層より高
くなっている。
6
睡眠
①睡眠の状態
1週間の平均睡眠時間は、
「6時間以上7時間未満」が39.2%で最も高く、次いで「5時間以上
6時間未満」が22.9%となっている。
健康状態別でみると、健康である、どちらかといえば健康である層では、「6時間以上7時間未
満」が、いずれも4割を超えて、他の層より高くなっている。
調査結果によると、健康状態のよい人ほど《6時間以上》の十分な睡眠をとっていることがわか
る。
84
②平均睡眠時間の満足度
平均睡眠時間の満足度について、休養が「とれている」が25.9%で、これに「まあとれている」
(46.6%)を合わせた《満足している》は72.5%を占めている。
また、平均睡眠時間の満足度の低い人に、その理由を訊いたところ、「寝つきが悪い・夜中に何
度も目が覚める」が43.0%で最も高く、次いで「夜何回もトイレに起きる」(26.5%)、「心配事
がある」(25.5%)の順となっている。
次に、睡眠剤や安定剤、アルコール飲料の使用について、
「まったくない」が67.3%で最も高く、
次いで「めったにない」が9.3%となっている。一方、
「時々ある」が7.6%、
「常にある」が5.5%
となっている。
健康状態別でみると、健康状態が悪くなるにつれて、「常にある」が増加し、健康ではない層で
は18.1%となっている。
以上のように、市民の中には、平均睡眠時間に満足していないという層が2割近くいるほか、健
康状態の悪い人では、睡眠を助けるために睡眠剤等を常に使用している人も少なくない。
7
健康なまちづくり
①隣近所との交流
隣近所との交流について、「あいさつをする程度である」が37.0% で最も高く、次いで「立ち
話をする程度である」が34.2%となっている。
地区別でみると、干潟地区では、
「互いに相談したりするなど、生活面で協力しいている」が、
他の地区よりやや高くなっている。
8
健康に関する情報・事業
①健康・医療・福祉に関する情報の入手先
健康・医療・福祉に関する情報の入手先としては、
「テレビ・ラジオ・新聞」が73.0%で最も高
く、次いで「友人・知人」
(32.0%)
、
「インターネット」(24.5%)の順で続いている。
性別でみると、男性では「インターネット」が30.0%と女性より高くなっている。一方、女性
では、「友人・知人」
(39.0%)や「雑誌・本」
(26.0%)が男性より高くなっている。
性・年代別でみると、男性では、20歳代、30歳代で「インターネット」が、いずれも6割を超
えて、他の年代より高くなっている。女性では、50歳代、60歳代で「友人・知人」が、4割台半
ばを超えている。
地区別でみると、干潟地区では「友人・知人」が41.2%と他の地区より高くなっている。
健康状態別でみると、健康である、どちらかといえば健康である層では、「テレビ・ラジオ・新
聞」が、7割台半ばを超え、他の層より高くなっている。
85
旭市健康づくり推進協議会委員名簿
平成27年3月現在
団
体
名
役職
旭市医師会
会長
旭市歯科医師会
会長
学識経験を
有する者
旭市区長会
保健関係団体及び
民間団体の代表者
副会長
旭市老人クラブ連合会
会長
旭市スポーツ推進委員協議会
会長
旭市保健推進員協議会
会長
ちばみどり農業協同組合
いいくら
飯倉
たかはし
髙橋
はやし
林
いしばし
石𣘺
やまざき
山﨑
やなぎ
柳
もとまさ
基正
かずお
一雄
しゅうぞう
修三
ひろし
裕
きいちろう
喜一郎
あけみ
明美
せいいち
の
しゅうへい
間渕
海匝健康福祉センター
所長
野田
旭市小・中学校長会
校長
伊藤
旭市商工会
会長
伊東
だ
誠一
秀平
いとう
かねみち
いとう
あきら
しみず
公募
名
ま ぶち
組合長
関係行政機関及び
学校の代表者
事業所の代表者
氏
清水
兼道
諒
てつお
哲夫
住民の代表者
はしもと
公募
橋本
86
み
か
美香
第1節 目指す姿
あ行
EPDS
エジンバラ産後うつ病質問票をいう。こ
れは自己記入式で、母親の抑うつ感や不安
の評価を行い、必要な支援につなげるもの。
1型糖尿病
すい臓から出るインスリンの量が足りな
くなって起こる病気。子どものうちに始ま
ることが多く、以前は小児糖尿病やインス
リン依存型糖尿病と呼ばれていた。
合計特殊出生率
一人の女性が一生の間に産む子どもの平
均数。
極低出生体重児
出生体重が1,500g未満の新生児。
一般に身体機能が未熟であることが多く医
学的管理が必要になる。
さ行
NCD
非感染性疾患。不健康な食事や運動不足、
喫煙、過度の飲酒などの原因が共通してお
り、生活習慣の改善により、予防可能な疾
患をまとめて非感染性疾患と位置づけてい
る。心血管疾患、がん、糖尿病、慢性呼吸
器疾患などをいう。
LDL コレステロール
血液中のコレステロールのひとつで「悪
玉コレステロール」と呼ばれている。LDL
コレステロールが増えると、動脈硬化の原
因となる。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
代表的な慢性呼吸器疾患の一つであり、
主に喫煙(受動喫煙を含む)によって肺気
腫や気道炎症が起きる病気のこと。
受動喫煙
室内またはこれに準ずる環境における他
人のたばこの煙を吸わされていること。
健やか親子21
21世紀の初頭における母子保健の国民
運動計画として、平成12年11月に策定
された2001年~2010年の計画。計
画期間は延長され、2014年までとなっ
ている。
か行
た行
健康寿命
健康上の問題で日常生活が制限されるこ
となく生活できる期間。
第1・2号被保険者
介護保険における第1号被保険者は65
歳以上の人、第2号被保険者は40歳以上
64歳以下の人。
健康日本21(第2次)
21世紀における国民健康づくり運動
(健康日本21)を改定した、平成25年
度から平成34年度までの10年間の計
画。活力ある社会の実現、国民の健康の増
進を目指す。
胎児性アルコール症候群
アルコールは胎盤を通過しやすく、胎児
に対して低体重・顔面の奇形・脳障害など
を引き起こす可能性があり、胎児性アルコ
ール症候群と言われる。
87
な行
ら行
妊娠高血圧症候群
以前は妊娠中毒症といわれ、妊娠後半期
におこりやすい。高血圧と蛋白尿を主症状
とし、胎児や母体に悪影響を与える。
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
骨、関節、筋肉などの運動器の働きが衰
えることによって、寝たきりになる危険性
の高い状態をいう。
年齢調整死亡率
年齢構成の異なる地域間で死亡状況の比
較ができるように年齢構成を調整した人口
10万人当たりの死亡率。
は行
BMI
Body Mass Index(体格指数)の略で、
体重と身長を用いて算出した肥満度を表す
指数。
平均自立期間
日常生活に介護を要しない、要介護2以
上の認定を受けるまでの期間。
平均余命
ある年齢の人々がその後生きられる平均
の年数。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
糖尿病を調べる血液検査で、過去1~2
か月間の血糖状態を表す。糖尿病の診断・
経過・血糖コントロール状態がわかる。
ま行
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候
群)
内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血
圧、脂質異常のうち、いずれか2つ以上を
併せもった状態のこと。
88
~つかもう健康~ あさひ元気アッププラン
旭市健康増進計画
発行日
発 行
編 集
平成 27 年 3 月
旭市
旭市健康管理課
〒289-2504
千葉県旭市二の 2787-1
TEL:0479-63-8766
この計画書は再生紙を使用しています。