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Roy Noble (以下、R):ちょうど一ヶ月前の今日、ウェールズ人作家のデボラ・フィッシャーさんを番組にお迎えし
ました。St David’s Day を祝って大阪で行われる「ウェールズ文化祭」に招待されたのです。さて・・・・ゴメン、と
めちゃって。クシャミがでたので。空中に何か漂ってたんだ。大阪にはきっと花が咲いてたんでしょう。デボラは
先週帰国して、まだ旅の興奮から覚めさらぬようです。今、電話口に出てくれています。お帰りなさい、デボラ!
はは、クシャミしたよ。
Deborah Fisher (以下、D):おかしなことに、日本でも多くの人がくしゃみをしてたわ。たくさんの人がマスクをし
てたの。花粉症ね。
R:ああ、向こうではたくさんの花が咲いてたんでしょう。あなたは確か、『ウェールズ文化祭』で英国皇太子妃たち
について講演するために招待されたんでしたね。
D:ええ、とくにダイアナ妃がなにをしたかという事柄について。彼女は日本ではものすごく人気があるから。
R:で、うまく行った?
D:とてもうまく行ったわ。『ウェールズ文化祭』は本当にすばらしかった。(それを主催した)日本人の友人たちも
素敵な人たちで、とても親切で、大歓迎してくれて。(親切なもてなしでは定評のある)ウェールズ人に対してあの
人たちが親しい感情を持つのも無理はないわ。
R:それで、日本人はものすごくダイアナ妃に興味があるんだね?
D:ええ。ほんとに、すごく興味があったの。
R:ふうん。
D:それに、ウェールズにも興味を持っていたわ。会った人たちの多くがウェールズ語を話せたなんて、驚きでしょ
う?
R:へえっ!
D: 私よりじょうずに、よ。
R:それは、その人たちがウェールズで仕事か何かをしていたから?
D:ウェールズで勉強した人もいるし。でも、実際には、日本でウェールズ語を自習している人もいるのよ。
R:なんとまあ! (多分、関西ウェールズ会が今年で創立 10 年なので)日本とウェールズの 10 年のつながりだ
ね。いや、10 年ではないけれど、(関西ウェールズ会で)ウェールズのことが紹介されるようになってから 10 年と
いうことだね。ワーズワースの『ダフォディル(黄水仙)』についてあなたに質問した日本人の女の人もいたんだっ
て?
D:ええ、その詩を全部覚えていて、暗誦してくれたわ。そして、この詩はウェールズでつくられたのかと私に聞い
たの、なぜなら文化祭でたくさんのダフォディルを見たから。(でもその詩はウェールズでつくられたのではない
ので)彼女を失望させちゃったかもしれないわね。
R:主催した団体もすばらしかったんだって?
D:ええ。本当に素敵な人たち。ほとんどは日本人で、仕事や留学でウェールズに住んだことがある人たち。日本
に住んでいるウェールズ人も一人か二人いるわ。
R:文化祭で他になにをやったかというと、ここに写真もあるんだけど、わぁ、ウェルシュケーキの試食!?
D:ええ。ホットプレートで焼いたの。スウォンジーのマーケットみたいに。
R:ウェルシュケーキの○○(聞き取れず)だね
D:そうそう。試食だから(聞き取れず)
R:それと、昨日の晩、私はある男声合唱団といっしょにトレオルキー(?)に行ってたんだけど、そこで若い音楽
家たちのコンクールがあったから。大阪メンズクワイアだって??
D:ええ
R:ウェールズの曲を歌ったって??
D:ええ。英語のとウェールズ語のとを 6 曲ほどうたったの。(聞き取れず)
R:ちょっと聴いてみよう! (大阪メンズコーラスのテーマソング『Sailing, sailing』が流れる)
R:じょうずに歌っているね、この大阪メンズクワイア。
D:そうでしょう。すばらしいでしょ。
R:ウェールズ語で歌っているのを放送したかったんだけど。録音がちょっと悪くてね。
D:(残念そうに)ええ。(ウェールズ語の歌の)発音もよかったでしょ。まるでウェールズの男声合唱団が歌ってい
るみたいだった。
R:本当にその通り。
D:日本人たちが歌を歌う習慣というのは、お寺で歌っていたからだと思うわ。日本にいる間にテレビでそういうの
を見たの。感動したわ。
R:そう。それからウェールズ国歌や「ソスヴァン・バック」といったウェールズ語の歌では、お手伝いがあったんだ
よね。小池剛史先生だったっけ?
D:そう。会場に来た人たちに、ウェールズ国歌を教えたの。私の主人も含めてね。イングランド人だから、きちん
と習ったことがなかったのよ。合唱団が「ラーラーラー」とメロディーを教えて、東京から来た小池先生がむずかし
いウェールズ語の単語の発音を教えて。小池先生は学生時代にランピターでウェールズ語を勉強したから。
R:なんとまぁ。
D:とても流暢にウェールズ語を話すの。それに多才な人でね、東京でおなじダイアナ妃についての講演をしたと
きに、息せき切ってきたからどうしたのかと思ったら、「失礼。今日は朝早く起きて、公演の後でのティータイム用
にバラ・ブリス(ウェールズのケーキ)を焼いていたものですから」ですって!
R:わっはっは!
D:とてもおいしいバラ・ブリスだったわ。
R:観光をする機会もあったの?
D:ええ、いっぱい観光もしてきたわ。普通の観光客が行くようなところに行ったの。京都の金閣寺や鎌倉の大仏
とか、東京もね、もちろん。でもなんといってもハイライトは大阪のウェールズ文化祭だった。
R:そうだろうね。 (はっきり聞き取れないのですが)確かに大成功だったんだね。
さて、ここにとても高級な日本の店を撮った写真があって、
D:ああ、そうそう(笑)
R: ~~kind of family branch to it. (この店は<自分の名前である>ノーブルの支部かな? くらいの意味?)
Le Noble だって!
(注:梅田にある舶来食器の店)
D:それで目を引いたのよ。あなたは見たことあるかもしれないと思ったけど。
R: いや、ないよ!
D:実際のところ、日本人は「Noble」という言葉が好きみたいよ。いろんな宣伝に使われているわ。
R: ほんと?
D:ほんと。職場へのお土産にビスケットを買ってきたんだけど、その箱に[チョコレート・オヴ・ノーブル・スウィート
ネス]って書いてあるの!
R:see. Here we go.(「日本に行かなくちゃ」くらいの意味?) there are hidden depth. いや、実際のところ、
東京にはわが家の支部、Roy Noble 支部があるんだよ。(←冗談です) わっはっは!
デボラ、話せて嬉しかったよ。
D:こちらこそ
R:無事に帰ってこれて、よかった。
D:ええ。それから、このことを言っておきたいの。この放送を聴いている人でだれか、日本でのビジネスに興味
があったり、文化祭を開いてウェールズを紹介してくれたことに感謝の気持ちを示したかったら、関西ウェールズ
会に連絡してください。どんな援助も喜ばれるはずです。
R: いい提案だね。ではまた。
D:バイバイ。
R:『英国皇太子妃列伝』の著者、デボラ・フィッシャーでした。本当に実り多い、いい旅だったようです。