部門別概況

部門別概況
コマツグループは、当社を中心に連結子会社・持分法適用会社を含め 209 社で構成され、世
界で約 39,000 名の社員が働いています。
中期経営計画「Global Teamwork for 15」のもと、全世界のコマツグループの社員と販売代
理店および協力会社の皆さまによるグローバルなチームワークで、世界中のお客さまに喜んで
いただける商品(ハードとソフト)を提供し、「建機・産機事業の持続的成長」を図っていきます。
22
部門別売上高
億円
部
門
別
概
況
25,000
22,430
18,933
20,000
16,121
15,000
3,454
産業機械・車両他*
建設・鉱山機械
3,256
3,209
10,000
12,912
15,677
18,976
2006.3
2007.3
2008.3
5,000
0
売上高構成比(2008年3月期)
15.4%
産業機械・車両他*
84.6%
* 2008年3月期より、エレクトロニクス部門を産業機械・車両他部門に組み入れ、
「建設・鉱山機械」、
「産業機械・車両他」の2つのセグメントに変更しています。また、過年度の数値についても同様の
組替えを行っています。
建設・鉱山機械
部門
主要製品・事業
建設・鉱山機械
●
掘削機械
油圧ショベル、ミニショベル、バック
ホーローダー
●
積込機械
ホイールローダー、ミニホイールロー
ダー、スキッドステアローダー
●
整地・路盤用機械
ブルドーザー、モーターグレーダー、
振動ローラー
●
運搬機械
ダンプトラック、アーティキュレート
ダンプトラック、クローラーキャリア
●
林業機械
ハーベスター、フォワーダー、フェラ
ーバンチャー
●
地下建設機械
シールドマシン、トンネルボーリング
マシン、小口径管推進機
●
資源リサイクル機械 自走式破砕機、自走式土質改良機、自
走式木材破砕機
●
その他機械
鉄道メンテナンス機械
●
エンジン、機器
ディーゼルエンジン、ディーゼル発電
機、油圧機器
●
鋳造品
鋳鋼・鋳鉄品
産業機械・車両他
●
鍛圧機械
大型プレス、サーボプレス、中型・
小型プレス、鍛造プレス
●
板金機械
レーザー加工機、プラズマ加工機、
プレスブレーキ、シヤー
●
工作機械
トランスファーマシン、マシニング
センター、クランクシャフトミラー、
研削盤
●
産業車両・物流関連 フォークリフト、梱包・運送
●
防衛関連
弾薬、装甲車
●
温度制御機器
サーモモジュール、半導体製造用温
度制御機器
●
その他
事業用プレハブハウス
23
部
門
別
概
況
部門別概況
建設・鉱山機械
地域別売上高構成比
地域別売上高
セグメント利益
(2008年3月期)
15.2%
11.6%
16.7%
億円
億円
%
20,000
3,500
20.0
16,000
2,800
16.0
12,000
2,100
12.0
8,000
1,400
8.0
4,000
700
4.0
0
0
0.0
25.4%
9.3%
2008.3
2007.3
2006.3
2008.3
2007.3
セグメント利益
売上高セグメント利益率
当部門のセグメント利益は、売上げの増加に加え、国内外にお
じめ性能面で圧倒的な特長を備えたダントツ商品の市場導入と拡
ける販売価格の改善などもあり、3,043 億円(前期比 38.0%増)
販に加え、販売価格の改善やプロダクトサポート体制の強化に注力
となり、売上高セグメント利益率は 16.0%と前期より 1.9 ポイ
しました。生産面では、旺盛な需要に応えるため、国内の主要コン
ント改善しました。
ポーネント工場およびアジアを中心とした組立工場の能力拡大な
また、更なる需要拡大に備え、新たに石川県金沢港の隣接地で
ど、協力企業の皆さまと連携して生産能力を一層増強しました。こ
超大型油圧ショベルの工場、ロシア モスクワ北東のヤロスラブ
れらの結果、2008 年 3 月期の連結売上高 *1 は 1 兆 8,976 億円
リで中型油圧ショベルやフォークリフトなどの工場および中国山
(前期比 21.0%増)となりました。
東省で建設機械の足回り(履帯)工場の建設に着手しました。
*1 セグメント間取引を消去した外部顧客に対する売上高
建設・鉱山機械の地域別需要推移(台数ベース)
※ コマツの推定
台数
350,000
日本
300,000
中国
250,000
アジア、オセアニア、
CIS、
中近東、
アフリカ、中南米
欧州
200,000
北米
150,000
100,000
2008.3
2007.3
2006.3
2005.3
2004.3
2003.3
2002.3
2001.3
2000.3
1999.3
1998.3
1997.3
1996.3
0
1995.3
50,000
1994.3
建
設
・
鉱
山
機
械
欧州・CIS
米州
日本
建設・鉱山機械部門では、引き続き需要が拡大する中、燃費をは
1993.3
部
門
別
概
況
中近東・アフリカ
アジア(日本・中国を除く)
・オセアニア
中国
1992.3
24
2006.3
21.8%
対象機種:主要7建機(ミニ建機は含まず)
① クローラー式油圧ショベル ② ホイール式油圧ショベル ③ ブルドーザー ④ ホイールローダー ⑤ ダンプトラック ⑥ アーティキュレートダンプトラック ⑦ モーターグレーダー
日 本
国内市場は、公共投資が引き続き低調に推移する
中、堅調な中古車輸出を背景とした更新需要に支え
米 州
米国における住宅着工件数の減少を背景として
2006 年後半より減少していた北米の需要は、サ
られていましたが、建築基準法改正の影響により住宅着工件数が
ブプライムローン問題を発端とする景気減速の影響もあり低調
減少したため、需要は期半ばに減少に転じました。このような状
に推移しましたが、中南米では、鉱山機械を中心に需要が引き続
況のもと、ダントツ商品を中心とした新車販売の拡大、販売価格
き伸長しました。このような状況のもと、北米では引き続き代理
の改善およびレンタル・中古車事業の強化に取り組んだ結果、売
店在庫の適正化を進めました。また、両地域において鉱山向けの
上げは 2,886 億円(前期比 2.1%増)となりました。また、レンタ
販売・プロダクトサポート体制の強化に注力するとともに、抜群
ル・中古車事業をより一層強化するための取組みとして、2007 年
の前方視界性を実現させた中型ブルドーザー「D51」シリーズに
12 月、コマツレンタル(株)と(株)BIGRENTAL との経営統合
代表されるダントツ商品の拡販および販売価格の改善など、競争
を決定しました。
力の強化に努めました。これらの結果、米州の売上げは前期並の
4,812 億円(前期比 0.2%増)となりました。
25
部
門
別
概
況
▲(株)BIGRENTAL のレンタルフリート
▲ 2008 年 3 月、米国ラスベガスで開催された CONEXPO 2008 のコマツの
欧州・ CIS
欧州では、最大市場のドイツや中・東欧諸
ブース
国での需要が好調で、市場は拡大しまし
た。生産リードタイムの短縮に加え、これまで整備・強化を進め
てきた代理店網を通じたダントツ商品の拡販および販売価格の改
中 国
中国全域にわたるインフラ整備向けの需要拡大に加
え、鉱山の新規開発や機械化の進展などにより、引き
善に注力しました。CIS では、資源・エネルギー開発に加え、都
続き市場は拡大しました。燃費を更に改善した中型油圧ショベル
市部におけるインフラ整備向けの需要が大幅に増加する中、現地
「PC200」モデルチェンジ車の市場導入に加え、IT を活用して得ら
の地域統括会社である(有)コマツ・シー・アイ・エスを中心に代理
れる商談情報・機械稼働情報をベースに新車販売の拡大、販売・生
店の整備・強化や鉱山向けの販売・プロダクトサポート体制の強
産の効率化およびお客さまの車両管理体制の強化など競争力の強
化に努めました。これらの結果、欧州・CIS の売上げは 4,142
化に注力した結果、売上げは 1,759 億円(前期比 62.3%増)とな
億円(前期比 32.9%増)となりました。
りました。
▲ シベリアで稼働するパイプレイヤー D355C
▲ 初めて中国に納入された超大型ダンプトラック 930E
建
設
・
鉱
山
機
械
部門別概況
アジア・オセアニア
東南アジアの最大市場で
あるインドネシアでは、鉱
中近東・アフリカ
原油価格をはじめとする資源
価格の高騰を背景として、中近
山向けの需要が拡大したことに加え、土木建設・農業・林業向け
東諸国におけるインフラ整備およびアフリカ諸国における資源開
の需要も引き続き伸長しました。インドでは、高い経済成長を背
発やインフラ整備の進展により、需要は引き続き好調に推移しまし
景にインフラ整備や鉱山向け需要が順調に推移しました。また、
た。このような状況のもと、代理店と一体となった積極的な販売・
オセアニアでは、鉱山向けを中心に需要が好調でした。このよう
プロダクトサポート体制の強化に注力した結果、中近東・アフリカ
な状況のもと、生産能力の増強および鉱山向けの販売・プロダク
の売上げは 2,207 億円(前期比 42.6%増)となりました。
トサポート体制の強化に注力し、アジア・オセアニアの売上げは
3,167 億円(前期比 37.8%増)となりました。
26
部
門
別
概
況
建
設
・
鉱
山
機
械
▲ インドの鉱山で稼働する大型油圧ショベル PC1250
▲ アフリカのダイヤモンド鉱山で稼働する大型油圧ショベル PC2000 と
ダンプトラック HD465
オーストラリアでの無人ダンプトラック運行システム導入に合意
世界的な鉱山・資源会社であるリオ・ティント社(本社:イギリス ロンドン)と、同社がオース
トラリア西部に保有するピルバラ鉄鉱山に、無人ダンプトラック運行システム「Front Runner
(フロント・ランナー)」を導入することについて合意しました。
「フロント・ランナー」は、
コマツの世界最大級の電気式ダンプトラック 930E の無人運行システムで、チリのコデル
コ社が保有する銅鉱山で既に実績があり、これが 2 番目の導入となります。
▲ チリの銅鉱山で稼働する 930E 無人ダンプトラ
ック運行システム
機械稼働管理システム KOMTRAX 搭載車両が 10 万台を突破
コマツの機械稼働管理システム「KOMTRAX(コムトラックス)
」を搭載する稼働車両が、全世
界で 10 万台を突破しました。KOMTRAX は、コマツが独自開発した GPS(全地球測位シス
テム)および移動体通信などの IT を活用した建設機械車両の稼働管理システムです。1999 年
より試験的に市場導入が行われ、日米欧に加
え中国での活用が進み、オーストラリアや東南
【搭載車両の配車台数(2008 年 5 月現在)】
アジアの国々にも導入範囲が拡大しています。
日本
約 47,000 台
現在では、省燃費運転支援や保守費用の低減
中国
約 27,000 台
など、お客さまの経済性に寄与するばかりで
北米
約 14,000 台
なく、コマツによる需要予測や生産・在庫計画
立案など経営判断の貴重な情報収集手段にも
活用しています。
欧州、他 約 12,000 台
合計
約 100,000 台
▲ KOMTRAX 画面イメージ
建設・鉱山機械部門の生産拠点
27
※2008年3月末現在
米州
欧州・CIS
アジア
中国
日本
合計
車体工場
コンポーネント・部品・応用商品工場
合計
6
4
10
5
3
8
4
5
9
3
4
7
7
6
13
25
22
47
マザー工場(商品開発機能有り)
2
4
0
0
5
11
ロシア、日本で工場建設を決定
インフラ整備向けや資源開発向けに拡大する建設・鉱山向けの需要に対応するため、ロシアと日本での工場新設を決定しました。ロシア
では、モスクワ北東のヤロスラブリに生産子会社を設立し、2010 年より中型油圧ショベルの生産を開始するとともに、急速に拡大する
フォークリフトの需要にも対応するため、フォークリフトの生産も行う計画です。
日本では、金沢港の隣接地に鉱山向け超大型油圧ショベル工場を新設し、2009 年 8 月を目処に、機械質量 400トンクラスの超大型油
圧ショベル「PC4000」の生産を開始する予定です。
【ロシア: コマツロシア製造(有)の概要】
所在地
:ロシア ヤロスラブリ州ヤロスラブリ
敷地面積
:500,000m 2
投資額
:69 億円
生産予定品目
:中型油圧ショベル、フォークリフト、小型建機
生産開始予定
:2010 年 6 月
(スキッドステアローダー)
【日本:金沢第二工場の概要】
所在地 :石川県金沢市
敷地面積
:104,500m 2
投資額
:53 億円
生産予定品目
:超大型油圧ショベル PC4000
生産開始予定
:2009 年 8 月
▲ 鉱山で稼働する超大型油圧ショベル PC4000(写真右)と超大型ダンプ
トラック 730E
部
門
別
概
況
建
設
・
鉱
山
機
械
部門別概況
産業機械・車両他
事業別売上高構成比
国内外別売上高
セグメント利益
(2008年3月期)
28.7%
%
億円
3,500
億円
350
15.0
2,800
280
12.0
2,100
210
9.0
1,400
140
6.0
700
70
3.0
0
0
0.0
フォークリフト
産業機械
28
部
門
別
概
況
産
業
機
械
・
車
両
他
その他
海外
日本
産業機械・車両他部門 *1 の 2008 年 3 月期の連結売上高 *2 は、
2008.3
2007.3
2006.3
2008.3
2007.3
31.5%
2006.3
39.8%
セグメント利益
売上高セグメント利益率
なり、売上高セグメント利益率は 9.8%(前期比 0.2 ポイント減)
国内外の堅調な設備投資を背景に、フォークリフト事業および産業
となりました。
機械事業が引き続き売上げを伸ばし、3,454 億円(前期比 6.1%
*1 2008 年 3 月期よりエレクトロニクス部門を産業機械・車両他部門に組み入れ、
「建設・鉱山
機械」
、
「産業機械・車両他」の 2 つのセグメントに変更しています。また、過年度の数値につ
いても同様の組替えを行っています。
増)となりました。
また、当部門のセグメント利益は 337 億円(前期比 3.2%増)と
*2 セグメント間取引を消去した外部顧客に対する売上高
産業機械および車両(フォークリフト)の生産拠点数
※2008年3月末現在
米州
フォークリフト
産業機械
合計
1
0
1
中国
1*3
1
2
日本
1*3
6*4
7
合計
3
7
10
*3 フォークリフトと建設機械を混合生産している工場です。建設・鉱山機械部門の生産拠点数にもカウントしています。
*4 6 生産拠点のうち 1 つは、建設・鉱山機械部門の生産拠点の敷地内にあります。
▲ コマツ小松工場(大型プレス)
▲ コマツ金沢工場(大型プレス)
▲ 小松優特力(中国)機械有限公司
(フォークリフト、小型建機)
フォークリフト事業
フォークリフト事業では、コ
マツユーティリティ(株)が、
産業機械事業
産業機械事業では、自動車産業を中心
とする国内外の設備投資需要を的確に
アジア、CIS、中近東などグレーター・アジア市場を中心に新車販
とらえ、大型プレス機械、コマツ産機(株)の板金・鍛圧機械、コマ
売の拡大や販売・サービス体制の強化に取り組むとともに、国内で
ツ工機(株)の工作機械などの販売が好調でした。
は業界初のバッテリーハイブリッド車の市場導入などバッテリー式
フォークリフトの拡販に努めました。
産業機械事業の一層の強化を目指し、当社は、2006 年 12 月、
(株)日平トヤマの株式 29.3%を取得しましたが、更なるシナジーを
実現するために、2008 年 1 月より同社株式に対する公開買付けを
実施した結果、93.7%の株式を保有することとなりました。
バッテリーハイブリッドフォークリフトが優秀省エネルギー機
(株)日平トヤマの完全子会社化を決定
器表彰「経済産業大臣賞」を受賞
コマツと(株)日平トヤマは、2008 年 8 月 1 日を期して、株式交
コマツユーティリティ(株)のバッテリーハイブリッドフォークリフト
換により日平トヤマをコマツの完全子会社とすることを決定し
29
「ARION HYBRID(アリオン・ハイブリッド)」が社団法人日本機械工業
ました。コマツは、2006 年 12 月に日平トヤマの発行済株式
連合会主催の平成 19 年度(第 28 回)優秀省エネルギー機器表彰に
29.3%を取得し、産業機械分野の購買・生産および、販売・サー
おいて、最高賞である「経済産業大臣賞」を受賞しました。アリオン・
ビスにおける協業効果の実現を進めてきました。今後は、研究・
ハイブリッドは、バッテリーとキャパシターの二系統の電源を搭載し
開発およびそれぞれの既存事業の枠を超えた新たな事業分野の
部
門
別
概
況
た、世界初のハイブリッドフォークリフトです。従来型バッテリー車と
開拓など、更なる関係強化を図ります。
比較して最大 20%という省燃費に加え、バッテリー車にありがちな
パワーダウンや稼働時間の短さ、メンテナンスの煩雑さを解消した画
期的な商品として、2007 年 5 月の発売以来高い評価を得ています。
【(株)日平トヤマの概要
(2008 年 3 月末現在)
】
設立
:1945 年 7 月
資本金
:6,014 百万円
連結売上高:90,691 百万円
従業員数 :1,689 名(連結)
生産拠点 :4 ヵ所(日本:3 ヵ所(富山県 2、神奈川県)
、
海外 1 ヵ所(中国))
主要製品 :産業用機械(レーザー加工機、トランスファ
ーマシン、マシニングセンター、シリコン
用ワイヤーソー 等)
▲ 平成 19 年度(第 28 回)優秀省エネルギー機器表彰式
▲ トランスファーマシン
▲「経済産業大臣賞」を受賞した「ARION HYBRID」
▲ 3 次元レーザー加工機
▲ マシニングセンター
▲ ワイヤーソー
産
業
機
械
・
車
両
他