(仮称)大崎市空家等の適切な管理及び利活用の促進に関する条例(案

パブリックコメント資料1
(仮称)大崎市空家等の適切な管理及び利活用の促進に関する条例(案)の概要
1
条例制定の背景と目的
近年,地域における人口減少の進行などにより,市街地,中山間地域にかかわらず適切な管
理が行われていない空き家が増加しています。
こうした空き家は,老朽化すると倒壊の危険や治安・景観の悪化,地域の活力低下,市街地
の機能低下を招くとともに,防犯・防災上の面においても多大な悪影響をもたらすこととなり
ます。
一方,空き家を地域資源と捉えて有効活用し,まちづくりと一体的に取り組むことは,新た
な空き家の発生を抑制し,地域コミュニティの活性化につながるものと期待されます。
こうしたことから,空き家の適切な管理を図るとともに,利活用が可能な空き家については,
有効活用を促進することなど総合的な空き家対策を推進することにより,市民の生命や財産の
保護と生活環境の保全を図り,もって公共の福祉の増進と地域の振興に寄与することを目的と
して条例を制定するものです。
2
条例の主な内容
1
目的
本市における空家等の適切な管理及び有効活用に関する施策を総合的に推進するこ
とにより,市民の生命,身体及び財産の保護並びに生活環境の保全を図り,もって公
共の福祉の増進と地域の振興に寄与することを目的とします。
【説明】
少子高齢化等による人口減少が急激に進む中で,適切に管理されない空家が増加する
ことにより,倒壊の危険や景観の悪化など深刻な社会問題になっています。
このため,条例を制定し,空家の未然防止,適切な管理及び利活用の促進など総合的
な空家対策を推進することで,市民の生命や財産を保護するとともに生活環境の保全を
図り,公共の福祉の増進と地域の活性化につなげていくことを目的としています。
この条例は,平成26年11月に成立し公布された空家等対策の推進に関する特別措
置法(以下「法」といいます。)の施行にあたり必要な事項や,本市が行う空き家に関す
る対策の実施などについて必要な事項を定めるものです。
なお,一般的に「空き家」と送り仮名を付けて表記される場合がありますが,法では
「空家」と表記されていることから,この条例においても「空家」と表記することとし
ています。
1
2
用語の定義
(1)空家等
市内に存在する建築物又はこれに附属する工作物で居住その他の使用
がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着
する物を含む。)をいいます。
(2)特定空家等
放置することにより倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある
状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態,適切な管理が行われていな
いことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図る
ために放置することが不適切な状態にあると認められる空家等をいいます。
【説明】
この条例で使用されている用語のうち,明確にしておく必要がある用語の定義につい
て規定しています。
3
基本理念
市,市民及び空家等の所有者等(所有者又は管理者をいいます。)は,適切に管理さ
れない空家等が増えることにより,良好な生活環境並びに地域社会の安全及び安心を
脅かす重大な問題を発生するおそれがあることを認識し,空家等の発生を予防すると
ともに空家等の適切な管理及び有効な活用の促進に取り組むこととします。
【説明】
空家等対策における基本理念を規定しています。
適切に管理されない空家等が増えることにより,良好な生活環境や地域社会の安全及
び安心が脅かされるおそれがあることから,市,市民及び所有者等が相互の理解と協力
のもと,空家の発生を未然に防ぐとともに,空家の適切な管理と有効活用に取り組むこ
とで魅力ある地域社会の実現につなげていくものです。
4
所有者等の責務
所有者等は,基本理念にのっとり,自らの責任及び負担において,空家等の適切な
管理に努めるものとします。
【説明】
所有者等の責務について規定しています。
建築物の所有者等は,所有している建築物等を常に適切な状態に維持するように努め
なければなりません。やむを得ず使用されない状態になっても,第一義的には空家の所
有者や管理者が自らの責任と負担により適切に管理するように努めることとしています。
5
市の責務
市は,基本理念にのっとり空家等の適切な管理及び有効活用に必要な施策を総合的
に講ずるものとします。
また,市民や所有者等が行う空家等の適切な管理及び有効活用に関し,必要な支援
を行うものとします。
2
【説明】
市の責務について規定しています。
空家等の適切な管理及び空家等の有効活用に関して,必要な施策を市が実施すること
を規定したものです。
また,市民や所有者等に対して,空家等の管理や有効活用に関する周知,啓発,相談
の対応,情報提供及び除却や利活用に対する助成などの支援を行うことを規定したもの
です。
6
市民等の役割
市民は,基本理念にのっとり,地域の良好な生活環境の保全に努めるとともに,市
が行う施策に協力するように努めることとします。また,空家等があるときは,市に
その情報を提供するように努めることとします。
自治会,町内会,地域自治組織その他の自治活動を行う団体は,市が行う空家等に
関する施策に協力するものとします。
【説明】
市民等の役割について規定しています。
空家等対策にあたって,市民の方々にも市が行う施策に協力していただくことや空家
等の情報を市に提供していただくことなど様々な取り組みに協力していただくことを規
定しています。
また,町内会や地域自治組織などの自治活動を行う団体には,空家等の利活用など空
家等対策に積極的な役割を果たしていただくことを規定しています。
7
関係機関との連携
市長は,この条例の目的を達成するために必要があると認めるときは,警察その他
の関係機関に協力を求めることができることとします。
【説明】
市だけでは対応が困難な場合に,必要に応じて警察や消防等の関係機関に協力を求め
ることができることについて規定しています。
8
空家等の発生の予防
建築物の所有者等は,将来において空家等の発生の原因となるおそれの事実がある
ときは,その建築物の保全その他空家等の発生を予防するために必要な措置を講ずる
よう努めなければならないものとします。
また,市は空家等の発生の予防に資する措置を講ずるものとします。
【説明】
空家等の発生を予防するための努力義務等を規定しています。
居住している建築物が,将来において適切な管理がされない空家等にならないように,
建築物を保全するために必要な措置を講ずることや将来の管理方法などについて居住し
ているうちから明確にしておくことなど,空家等を出さないための努力義務について規
3
定しています。
また,市は所有者等が行う建築物の保全のための改修に対する助成などの支援を行う
ことを規定しています。
9
空家等の活用
空家等の所有者等は,利用する見込みのない空家等について,貸与や譲渡等の方法
により,有効活用するように努めるものとします。
市は,空家等を定住の促進や地域の活性化に資するために行う取り組みに対し,必
要な支援その他の措置を講ずるものとします。
【説明】
空家等の活用について規定しています。
所有者等は,空家等について,地域コミュニティの活性化に寄与するため,有効に活
用するように努めることとしています。また,そのための取り組みを行う者に対して,
市は情報提供や改修に対する助成などの支援を行うことを規定しています。
10
空家等対策計画
空家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するために,空家等対策計画を定め
るものとします。
空家等対策計画に定める主な内容は次のとおりとします。
①
空家対策の対象とする空家等の種類及び基本的な方針
②
計画期間
③
空家等の調査に関する事項
④
空家等の適切な管理の促進に関する事項
⑤
空家等の活用の促進に関する事項
⑥
適切な管理が行われていない特定空家等の所有者等に対する助言,指導,勧告,
及び命令並びに代執行などに関する事項
⑦
市民からの空家等に関する相談への対応に関する事項
⑧
空家等に関する対策の実施体制に関する事項
空家等対策計画を定めたときは公表することとします。
【説明】
空家等対策計画を定めることについて規定しています。
市に対し,空家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するために,空家等対策計
画を定めることを義務付けること及びその内容について規定しています。
また,空家等対策計画の公表の義務について規定しています。
4
11
空家等対策協議会
法の規定に基づく協議会として,大崎市空家等対策協議会を設置することとします。
法に定めるもののほか,協議会には次に掲げる事項について意見を聴くことができ
ることとします。
①
特定空家等の認定に関すること。
②
特定空家等に対する命令に関すること。
③
空家等対策に関して市長が必要と認めること。
協議会は,委員10人以内で組織することとします。
協議会の委員には,建築士,弁護士,学識経験者,市民を代表する者,関係行政機
関の職員その他市長が必要と認める者のうちから委嘱することとします。任期は2年
とします。
【説明】
法律の規定に基づき,空家等対策協議会を設置することを義務付けした規定です。
法に定めるもののほか,協議会の役割を規定しています。また,委員の定数は10
人以内とすることを規定しています。
委員の構成を建築士,弁護士,学識経験者,市民代表者などとすることとしていま
す。
12
特定空家等の認定
市長は,空家等の所有者等に対して,必要に応じて適切な管理を行うよう要請する
ものとします。
要請にも関わらず適切な管理が行われないために空家等が特定空家等であると疑わ
れるときは,調査を行い,特定空家等であると認めるときは,特定空家等として認定
するものとします。
【説明】
適切な管理が行われていない空家等を特定空家等に認定することについて規定してい
ます。
市内に適切に管理されない空家等が増えることで生活環境や地域社会の安全が脅かさ
れることを防止する観点から,空家等の所有者等に対して,適切な管理を要請すること
ができることを規定しています。
また,要請にも関わらず適切に管理されないためにそのまま放置されることで,保安
上危険となる空家等については,調査のうえで特定空家等として認定することを規定し
ています。
13
特定空家等に対する手続き
市長は,法第14条第3項の規定による命令及び同条第9項の規定による行政代執
行を実施しようとするときは,あらかじめ協議会の意見を聴くものとします。
【説明】
特定空家等に対しては適切な管理を要請することになります。しかし再三の要請や勧
5
告にも関わらず危険な状態が改善されない特定空家等に対しては,法の規定に基づいて,
行政処分にあたる措置命令を行うことになります。また,措置命令が履行されない場合
には,手続きを経た上で代執行を行うことになります。
命令や代執行については,私人の財産に大きな影響を与えることになりますので,慎
重に検討し判断する必要があります。このため命令や代執行を行う場合には,空家等対
策協議会の意見を聴いた上で市長が決定することとします。
14
緊急安全措置
市長は,空家等が人の生命,身体又は財産に重大な損害を及ぼす等の危険な状態が
切迫していると認められるときは,危険な状態を回避するために,必要な最小限度の
措置を所有者等に代わって講ずることができるものとします。
また,この措置に要した費用については,所有者等から徴収することができるもの
とします。
【説明】
空家等に起因して,人の生命,身体又は財産に危険が差し迫っているときに,緊急的
な対応として必要な最小限度の措置を講ずることができる旨を規定しています。
15
委任
この条例の施行に関し必要な事項は,市長が定めることとします。
【説明】
この条例に定めるもののほか,条例の施行に関し必要な事項は,規則などで定めるこ
とを規定しています。
6