平成 21 年度 理数教育ステップアップ研修 実践記録 三角形の合同や等積の性質を活用して重心の性質を導き出す指導 ― 中学校第2学年数学「三角形・四角形・円」の指導を通して ― ( 実践者 見附市立西中学校 江田 浩 ) 多くの生徒は四則演算を活用し、計算を用いて答えを求めることが数学であると考えている。特 に、その傾向は図形分野に顕著に表れる。例えば、角度や長さ、面積や体積を求める課題は意欲的 に取り組む反面、説明や証明など筋道を立てて論証する課題については深く考えようとせず、すぐ に諦めてしまう。しかし、そのような課題を自らの力で見通しを見つけ、解くことが数学の面白さ を感じる瞬間の一つだと考える。さらに、視点を変え、既習事項を活用することによって課題の糸 口を見つけ出せたときの喜びが数学の醍醐味であると考える。 以上のことから、本実践では次の2点を柱にした。 ① これまで学んだ事項を様々な場面で活用する力の育成 ② 見方や考え方、思考の幅が広がるような課題設定の工夫 これらを実践するためには、生徒が「なぜ」、 「どうして」と感じ、解決の糸口が簡単に見つから ない課題を設定することが重要となる。そこで、中学3年生で学ぶ三角形の重心の性質を見出し、 論証することを課題とした。難度が高く、課題解決に至るのは困難であったが、生徒の学習意欲は とても高まった。また、生徒間の交流も深まり、多様な見方や考え方ができるようになった。 1 「理数の面白さや深く追究する楽しさなどを味わわせる」ための構想 (1)本単元における「理数の面白さや深く追究する楽しさなどを味わわせる」視点 図形分野は、これまで既習したことや経験を十分に活用しなければ解けない課題が多い。また、 視点や見方を変え、ちょっとしたひらめきや気付きによって解決の糸口が広がる場合がある。この ひらめきや気付きは、数学の醍醐味の一つであり、さらに面白さや探究心をかき立てる要因になる と考える。 以上のことから、本単元では ① 既習事項の活用 ② 課題設定の工夫 の2つの柱を設けて、 数学の面白さや深く追究する楽しさを味わわせたいと考える。 ① 既習事項の活用 既習事項を活用するためには、学習内容の定着と活用方法の理解が重要と考える。本単元では前 単元で学習した証明のしくみをもとにして、具体的な図形の性質を考察する。観察や実験、操作活 動を通して直感的に確認したことを一般性へと導いていく。そのためには、基礎基本の定着が不可 欠であり、定着を図るためには、十分な時間を確保する必要がある。また、生徒がより多くの課題 や解法に触れることで、積極的に既習事項を活用すると考える。 ② 課題設定の工夫 本単元は、図形における論証が学習の中心内容となる。これまでの生徒の様子を見ると、意欲や 取り組みの差が出やすい分野である。意欲を高めるため、生徒が「なぜ」「どうして」と感じる課 題を設定する必要がある。また、ひらめきや気付きを活用するため、筋道や見通しが立てにくい課 題を設定し、より数学の面白さや探究心をかきたたせようと考える。 1 (2)本時の計画(7/20時間) ① ねらい 合同な三角形や面積の等しい三角形を利用して、三角形の重心の性質を導き出す。 ② 本時における指導の構想 生徒は二等辺三角形の学習で、二等辺三角形の頂角の二等分線は、底辺を垂直に2等分する ことを学習する。2年次における学習はそれ以上深く追究せず、3本の中線によって図形内に できる線分の比までは学習しない。そのため、三角形の重心の性質については、3 年次に相似 の性質を利用して学習する。しかし、三角形の重心の性質については、合同な三角形や三角形 の面積を利用して導き出すことができる。 三角形の合同を利用して、三角形の線分や角度が等しいことや図形の性質だけを論証するだ けでなく、既習内容を活用し、三角形の重心の性質を見出し、論証することによって、図形の 知識がより深まり、論証力や探究心が増すと考える。しかし、これまでの学習から大幅に飛躍 しているため、課題の設定の仕方や目的を明確にして学習を進める必要がある。 まずは、比較的に見通しが立てやすく、三角形の合同を活用するだけで重心の性質を導き出 すことができる正三角形を扱う。ここで、論証の見通しや着眼点を養う力をつける。次に三角 形の合同と等積の関係から重心の性質を導き出すことができる二等辺三角形を扱う。ここで、 先の論証との類似点や相違点を確認し、見方や考え方の幅を広げさせる。最後に一般の三角形 を扱う。一般の三角形は見通しや筋道が立てにくく、これまでの2つの論証や既習事項を十分 に活用しなければならない。また、視点を変えて考えることも必要になる。生徒同士で相談し、 随時助言を加えながら論証を進め、三角形の重心の性質を一般化していきたい。 ③ 展開 時間 学習内容 ○三角形の3本の中線を作図 教師の働きかけと予想される 生徒の反応 T:このことからわかることはあ りませんか。 1点で交わる ・様々な三角形で作 図させる。 S:底辺を2等分しているようだ。 ・実測することで実 S:頂角を2等分しているようだ。 ○三角形の2本の中線の交点を通 支援・評価・留意点 感を持たせる。 T:なぜ、交点を通る線分は、底 辺を2等分するのでしょうか。 る線分を作図 S:他の2本の線分が中線だから、 前時 底辺を2等分する 3本目も中線になる。 課題1 三角形の2本の中線の交点を通る線分は底辺 を2等分することを説明しよう ○三角形の重心が中線をどのくら T:三角形の3本の中線は、交点 いの比に分けるか実測で求める によってどのくらいの線分比に 〈評価〉 分けられるでしょうか。 ・自分なりの予想を S:だいたい2:1になりそうだ。 立てることができ たか。 2 課題2 三角形の3本の中線は交点によって2:1に 分けられることを説明しよう。 5 ・次時の課題を明確 に設定する。 課題1 正三角形の2本の中線の交点を通る線分は底 辺を2等分することを説明しよう。 ○△ADF と合同な三角形を見つ な三角形はどれですか。また、 け、説明する。 ・本時の課題を確認 する。 そのときの合同条件は何でしょ A D T:△ABC の中で、△ADF と合同 F AE=CE E B AD=BD C G うか。 S:△BDF が合同な三角形、合同 ・∠ADF=90°を気 条件は2組の辺とそのはさむ角 付かない生徒には がそれぞれ等しい。 △ ADC ≡ △ BDC S:△AEF、△CEF も合同な三角 形となる。合同条件は直角三角 形の斜辺と他の1辺がそれぞれ 等しい。 となることを説明 する。 ・∠DAF=∠EAF は まだ、わからない ことを押さえる。 15 ○△BFB と△CFG についても考 える。 T:△BFG は合同になりますか。 ・二等辺三角形の性 また、△CFG はどうでしょう 質を活用して、BG か。 = CG が説 明でき S:合同だと思うけど条件がわか らない。 た場合、その方向 で進める。 S:∠DAF=30°AF=BF から1 組の辺とその両端の角がそれぞ 〈評価〉 れ等しくなるので、合同になる。 ・合同な三角形を見 つけることができ たか。 ○ 合 同 な 三 角 形 を 使 っ て BG = CG を説明する。 ・三角形内の6つの三角形がすべ て合同になる。 ・合同な三角形を使って、底辺を 2等分することを証明する。 ・合同な三角形を使 って、底辺を2等 分する説明ができ たか。 課題2 正三角形の3本の中線は交点によって2:1 に分けられることを説明しよう。 ○合同な三角形を利用して AF: T:合同な三角形は面積が等しく GF、BF:EF、CF:DF を求め なります。面積比を利用して、 る。 線分の比を求めてみましょう。 S:線分 AG を見ると、△ABF と 〈評価〉 ・面積比を利用して、 △BFG の面積比が2:1、高さ 線分の比を求める が同じなので AF:GF=2:1 ことができたか。 3 となる。 S:線分 BE、CD についても同じ ことがいえる。 課題1 二等辺三角形の2本の中線の交点を通る線分 30 は底辺を2等分することを説明しよう。 ○△ADF と合同な三角形を見つ T:△ABC の中で、△ADF と合同 な三角形はどれですか。また、 け、説明する。 A そのときの合同条件は何でしょ AE=CE E D AD=BD F B C G うか。 S:△AEF が合同な三角形になる。 ・∠DAF=∠EAF が 合同条件は2組の辺とそのはさ 説明できないの む角がそれぞれ等しい。 で、はさむ角は使 S:合同な三角形はありそうだが、 説明できない。 ○ 合 同 な 三 角 形 を 使 っ て BG = CG を説明する。 ・△ADF と△AEF が合同になる ことを証明する。 ・合同な三角形を使って、底辺を 2等分することを証明する。 えないことを確認 する。 ・合同条件は3組の 辺がそれぞれ等し い。 ・ 「二等辺三角形の頂 角の2等分は底辺 を垂直に2等分す る」を活用する。 課題2 二等辺三角形の3本の中線は交点によって 2:1に分けられることを説明しよう。 〈評価〉 ・三角形の合同を証 ○等積な三角形を利用して AF: T:△ADF と面積が等しい三角形 明し、底辺を2等 GF、BF:EF、CF:DF を求め を見つけ、面積比から線分の比 分する説明ができ る。 を求めてみましょう。 たか。 S:正三角形と同様に三角形内の ・面積比を利用して、 40 6つの三角形は面積が等しい。 線分の比を求める よって線分の比は2:1となる。 ことができたか。 ○一般の三角形 ABC の2本の中 T:合同な三角形を利用して、証 線が底辺を2等分することを説 明をすることができません。等 明する。 積な三角形を利用して証明を進 A めてみましょう。 S:△ADF と△BDF、△AEF と△ D CEF の面積は等しい。 E S:△BDF と△CEF の面積が等し F い の で 、 △ ADF、 △ BDF、 △ B G C AEF、△CEF の面積はすべて等 4 ○等積な三角形を利用して AF: GF、BF:EF、CF:DF を求め る。 〈評価〉 しくなる。 ・△ABF と△ACF の面積は等し ・面積が同じ三角形 い。AF を底辺とするとそれぞ を見つけることが れの高さが等しくなる。この高 できたか。 さは、△BFG と△CFG におい ・面積を利用して、 て FG を底辺としたときの高さ 底辺を2等分する である。よって、△BFG と△ ことや線分の比を CFG の面積は等しくなる。 求めることができ たか。 ④ 評価 合同な三角形や三角形の面積比を利用して、三角形の重心の性質を導き出すことができたか。 2 A 授業の実際 (1)三角形の2本の中線を作図、その交点を通る線分を作図する。 作図した図形からわかったことを記述する。また、線分の比を 実測して線分比を予想する。(前時) 右の図のような、特別な三角形だけでなく、様々な三角形を 作図して、考えさせた。右図のように、図中に記号を記入しな B かったため、生徒は記述することが困難であった。 D C 《生徒の記述》 ・底辺を2等分する。(BD=CD) ・頂角を2等分する。(∠BAD=∠CAD) 生徒の多くは「底辺を2等分する」という記述をした。また、実測をして確認する作業も取り 入れたため、確信をもっていた。2人の生徒は、「底辺を2等分する」だけでなく、「頂角を2等 分する」とも記述した。しかし、実測をしても角度が明らかにならないため、確信はもてないで いた。線分の比については、ほとんどの生徒は2:1という値を予想した。 意見の多かった「底辺を2等分する」を課題1として設定、 「線分比は2:1」を課題2として 設定して、次の授業で確認することを説明し、授業は終了した。 (2)前時で生徒が記述した「底辺を2等分する」 「線分の比が2:1になる」について、様々な三角 形を用いて説明する。 正三角形 A △ADF と合同な三角形を見つけ、合同な図形の性質を 利用して、説明させた。その際、合同な三角形を見つける だけでなく、どのような合同条件を使って証明するのかも D F E 答えさせた。 ほとんどの生徒が△ADF と△BDF が合同になることを予 想した。 しかし、 ∠ADF=∠BDF を明確に説明するこ B G C とができないため、合同条件を満たすことはできなかった。 分割された三角形に意識させすぎたため、△ACD や△BCD がとのような三角形になるのか気付かせることができなかった。 その結果、教師側からヒントを与えることとなった。しかし、そのヒントで何人かの生徒は気がつ 5 き、説明を進めることができた。その後、△AEF や△CEF も合同となることを証明することができ、 この4つの三角形すべてが合同となることがわかった。 △BGF と△CGF については、4つの三角形の合同 と正三角形の1つの内角が 60°となることを利用する ことで合同を説明し、底辺を2等分することを導いた。 当初の計画では、正三角形内の6つの三角形がすべて 合同となることを利用して線分の比を求めさせようと 考えていた。しかし、授業終了まで 10 分程度となって いたため、次の課題である二等辺三角形に進むことに した。 二等辺三角形 正三角形と同様に、まず△ADF と合同な三角形を見つけ、 A 底辺を2等分することの証明を試みた。ただ、正三角形とは 違い、合同だけでは証明することができず、等積な三角形を D 活用しなければならない。 E F 生徒は、△ADF と△AEF が合同になりそうなことまでは わかっていた。しかし、合同条件を説明できず、そこで本時 B C G は終了した。 授業終了後、十分に説明はできないが、方向性を見 つけた生徒が数人いた。提示した図の前で熱心に説明 する姿が見られた。 説明する生徒に、今日の授業の感想を聞いたところ、 教科で取り扱っていないこともあり、課題の難しさを 口にする生徒が多かった。その反面、簡単に課題を解 決できないが仲間と相談して考えることの楽しさやヒ ントを得て気付いたときの喜びを味わった生徒もいた。 (3)本時で説明ができなかった二等辺三角形と一般の三角形 について「底辺を2等分する」「線分 の比が2:1なる」ことを説明する。(次時) 二等辺三角形 A △ADF と△AEF の合同を証明するためには、DF=EF を説明しなければならない。ほとんどの生徒は等しくなるこ とがわからなかった。しかし、△BCF がどんな三角形にな D るか着目せたところ、何人かの生徒は△BCF が二等辺三角 E 形になることに気がつき、説明を進めることができた。 F また、正角形の検証では気がつかなかった、「二等辺三角 B G C 形の頂角の2等分は底辺を垂直に二等分する」を活用して説 明を進めた生徒もいた。 「線分の比が2:1になる」ことについては、正三角形と 二等辺三角形を続けて行った。正三角形、二等辺三角形ともに生徒が考えることができた。正三角形 については、三角形内の6つの三角形が合同であることを利用して、面積比から線分比を導き出した。 6 また、二等辺三角形についても正三角形での経験を生かし、正三角形と同様に面積比を利用して線分 比を導き出した。 一般の三角形 A 一般の三角形については、合同な三角形が一つもないため、 等積を活用して証明するしかない。正三角形や二等辺三角形 D に比べると難度も格段に上がる。 E F そのため、図形の見方やヒントを随時与え、教師主導で進 めた。生徒は、見方やヒントをよりどころとして証明しよう B G C としていたが、最後まで説明することは困難であった。しか し、面積比を利用して線分比を求めることについては、これまでの学習の経験を生かし、自分で考え ることができていた。 (参考) AD=BD、AE=CE より 解) H A I D △BDC=△CEB E F △BDF=△BDC-△BFC ② △CEF=△CEB-△BFC ③ ①、②、③より よって B G C ① △BDF=△CEF △ADF=△BDF=△AEF=△CEF AG に平行な直線 BH、CI を引く △ABF=△ACF より よって AF を底辺とした高さが等しい △BGF=△CGF BG=CG △ABC 内にできる6つの三角形の面積がすべて等しくなることから AF:GF=BF:EF=CF:DF=2:1 3 となる 実践の考察とまとめ (1)既習事項の活用について ① 基礎基本の定着を図るための十分な時間の確保 図形のイメージを膨らませ、直感的に図形を捉えるため、単元の導入部分ではより多くの活動時 間を作った。そのため、図形の性質の基本的な知識だけでなく、図形の理解も深まった。しかし、 全体で計画した時間より多くの時間を単元導入に費やしたため、生徒は様々な課題や解法に触れる 経験が少なくなってしまった。そのため、既習事項を活用する力を十分に高めることができなかっ た。 特に、今回のような難度が高く、既習事項を十分に活用しなければ解決できない課題を設定する 場合には、より多くの課題を取り組ませ、様々な経験を生徒にさせる必要がある。年間指導計画や 単元の全体計画をもう一度見直し、本時前に様々な課題やいろいろな解法に触れさせる時間を確保 するとともに、限られた時間の中で授業を進めるためには、単元導入で単に時間をかけるだけでな く、指導方法を工夫する必要がある。 ② 見方や考え方、解法の交流 一つの課題について多様な見方や考え方ができ、さらに生徒の論証力を高めるために、意図的に 7 生徒への発問の仕方を工夫した。また、論証の細かな部分を繰り返し問いかけるようにした。実践 当初、論証の課題に対して、生徒は自分の言葉で説明し、表現することを苦手としていた。しかし、 繰り返し実践することによって生徒は徐々に論証の仕方に慣れ、意欲的に論証できるようになった。 また、多くの生徒が自分の考えを表現することにより、生徒間の交流も深まり、多様な見方や考え 方ができるようになった。 (2)課題設定の工夫について 三角形の合同を利用するだけで課題が解決できる正三角形、三角形の合同と三角形の面積を利用 して課題を解決できる二等辺三角形、等積変形を利用して課題を解決する一般の三角形というよう に3段階の課題を設定した。正三角形の検証では、課題を提示された瞬間、生徒は自分なりの見通 しや筋道を立てることができ、学習意欲は高まった。しかし、二等辺三角形では、正三角形とは違 い、面積に着目しなければならないため、見通しや筋道が立てにくくなった。さらに、一般の三角 形ではほとんどの生徒は見通しや筋道を立てるのか困難となった。一般の三角形の課題は難度が高 く、課題解決に至るのは困難であったが、徐々に難度を上げて段階別に課題を設定したため、生徒 の意欲は継続して高く、難しい課題に対しても意欲的に挑戦する姿が見られた。以上のことから、 課題の難度や設定については適切であったと考える。 今回のような課題を設定する場合、授業のねらいと学習の方向性が一致し、生徒全員に方向性を 確認させる必要がある。しかし、授業展開や教師側からの指示、提示の仕方が不十分であったため、 本時のねらいと学習の方向性が十分に一致していなかった。本時のねらいは、「なぜ、中線は底辺 を2等分するのか」「なぜ、中線の線分比が2:1となるのか」といった三角形の重心の性質に関 係する課題であったが、生徒の多くは図形内の三角形の合同を証明することが目的であると考え、 課題に取り組んでいた。また、生徒に様々な問題を十分に取り組ませていなかったため、生徒は課 題を解くためのポイントに気がつかず、見通しを立てることができなかった。教科書や問題集で取 り扱っていない課題を設定する場合は、事前の準備がいつも以上に必要となる。さらに、ワークシ ートも生徒の実態に合わせて工夫すべきであった。 最後に、授業全体を通して感じたことは予想以上に生徒は意欲的に課題に取り組んでいた。難し い課題でも、生徒は諦めずに取り組み、時には仲間と相談して解決しようしていた。また、生徒同 士が相談する中で、全体に還元すると課題解決の糸口につながりそうなつぶやきや意見が多かった。 教師が生徒の個々の意見を拾い上げ、授業を創り上げていくことの重要性を感じた。 8
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