環 境 報 告 書 2 0 0 9

環 境 報 告 書 2009
Contents
目 次
経営報告
P1
トップメッセージ
P2
イワタニ企業倫理綱領
イワタニ企業倫理綱領
P2
岩谷瓦斯は、イワタニグループの一員として「イワタ
ニグループ環境憲章」を共有しています。そして、それ
に定める基本理念、行動指針に基づいた独自の「環境方
針」を1999年8月に策定*しました。この方針に則り、循
環型社会の実現に向け、環境保全に配慮した企業活動
を展開しています。
コーポレート・ガバナンス
* 2006年6月に「環境方針」を改訂しました。
施策の実施状況
環境報告
P3
環境経営システム
岩谷瓦斯の経済活動/推進体制/環境監査/環境保全活動への取り組み
/環境行動計画・実績
P5
環境に配慮した事業活動
岩谷瓦斯のマテリアルバランス/環境会計/電気使用量の削減/用水使
用量の削減/ OA用紙使用量の削減/産業廃棄物の削減/グリーン購入
/花と緑のコンクールの開催/環境啓発活動/「チーム・マイナス6%」
活動への参加
P8
地域環境に配慮した事業活動
環境法規の遵守/保安/設備点検/保安デー点検/保安パトロール/防
災意識の高揚/液化水素保安教育/安全啓発活動/化学物質の管理
P10 環境に配慮した技術・製品
脱フロン製品[エコフリーズ/アイセオン] / IT関連分野[C3F(
8 八弗化プ
ロパン)/ダイナガード] /次世代エネルギー分野[水素エネルギー技術
/セルフステーションα] /リサイクル技術[低温粉砕処理技術] /溶接・
溶断技術[シールドマスター/水素切断] /その他の分野[MIX-GT]
P12 特集:安全性の向上を目指してアスベストフリー
「溶解アセチレン容器」を自社で製品化
社会性報告
P14 従業員との関わり
教育研修システム/「クールビズ」の実践/資格取得状況/安全衛生/雇
用/労使関係/福利厚生
イワタニグループ 環境憲章
住みよい地球がイワタニの願いです
基本理念
イワタニグループは、
地球環境との調和が企業の存在と活動に必須の要件
であるという認識に立ち全ての事業活動において環境負荷の低減に努め
持続可能な発展に寄与する国際複合企業集団を目指します。
行動指針
自然環境との調和
自然生態系に配慮した、資源およびエネルギーのエコ・エフィシエンシ−
(環境効率)の向上を目指すとともに、環境技術の開発ならびに、資源のリ
サイクルを推進します。
環境関連法規の遵守
日本および当該国の環境法令・規則および国際条約等を遵守し、地球環境
の保全に努めます。
地域社会との共生
良き企業市民として環境保全に貢献し、
地域社会との共生に努めます。
環境マネジメントシステムの推進
基本理念の実現のため、環境管理体制を構築し、不断の継続的な改善に努
めます。
啓蒙活動の推進
グループ全社員の環境意識の高揚を目指し、
教育・広報活動を推進します。
P15 お客様との関わり
品質保証・品質管理/輸送の合理化による環境負荷の低減/カスタマーソ
リューション/危険・有害性情報の提供
P16 社会との関わり
防災訓練/清掃/ 2008年度 表彰/社会福祉法人・公共団体への協力
環 境 方 針
P16 環境コミュニケーション
環境報告書の発行
企業データ
P17 会社概要
P17 岩谷瓦斯環境保全活動の歩み
̶基本理念̶
「イワタニグループ環境憲章」
の精神に則り、
「人間尊重」
・
「顧客第一
主義」
・
「改善の継続」
・
「全従業員の参画」
の経営理念のもと、
すべて
の事業活動において、資源・エネルギーの節約と地球環境保全に積
極的に取り組み、
地球環境と調和した持続可能な社会の形成に貢献
します。
̶行動指針̶
編集方針:
本報告書は、
岩谷瓦斯の2008年度の環境関連活動やその実績、
な
らびに今後の計画を中心に作成しています。
高圧ガスを取り扱
う上で重要という観点から、
法令の遵守、
安全・危機管理につい
て、
詳細な情報の開示にも努めました。
対象期間:
2008年度
(2008年4月1日から2009年3月31日)
対象範囲:
岩谷瓦斯全事業所を対象に報告しています。
(1)すべての事業活動において、安全性、省エネルギー、資源のリ
ユース・リサイクル、
廃棄物の低減並びに環境改善に配慮したシ
ステムを追求し、
資源循環型社会の構築に貢献します。
(2)
環境関連法規制及び当社が同意する環境に係わる要求事項を遵
守します。
(3)環境目的及び目標を設定し、実行し、見直すことにより、従業員
の環境意識を高揚し、有効な環境マネジメントシステムの継続
的な改善を図り、
汚染予防に努めます。
(4)
環境負荷の少ない技術・製品・サービスの開発・提供に努め、
環境
保全活動に貢献します。
(5)環境マネジメントシステムを文書化し、実施し、維持し、かつ当
社及び協力会社の従業員に周知いたします。
(この環境方針は外部からの要求に応じて開示します)
2006年6月27日
代表取締役社長
経 営 報 告
Management Report
トップメッセージ
社会的責任を着実に実践し、企業価値を高めていきます。
気候変動問題の克服が人類共通の重大な課題と
合理化を行っています。
さらに、
2011年運転を目標
なり、
地球温暖化防止への認識が急速に高まる中、
に、
主力の甲府工場のエア・セパレートガス製造プ
クリーンエネルギーとしての水素に寄せる人々の
ラントを高効率の新型プラントへリプレースする
期待は、
ますます大きくなりつつあります。
計画に取り組むなど、
「攻め」と
「守り」のバランス
イワタニグループの産業ガスメーカーとして、
「ガス&ケミカル」
を軸にさまざまな事業を展開す
のとれた施策を推進し、産業ガスメーカーとして
の基盤強化を図っています。
る岩谷瓦斯は、水素のパイオニアとして、
「世の中
冒頭にも述べましたように、当社は本業を通し
に必要なものこそ栄える」という企業理念を着実
て環境問題に大きく寄与できる可能性を秘めた企
に実践し、社会に貢献していきたいと考えていま
業です。まずその特徴を最大限発揮していくこと
す。その一環として2009年7月に、当社は関東地区
で社会に貢献していきます。
同時に
「安全は経営の
で最初の液化水素製造プラントを千葉工場内に建
最優先課題」
との旗印のもと、
全社を挙げて事故の
設し運転を開始するなど、拡大する需要への対応
ない安全な操業、安全な製品を目指して日々努力
を加速させています。
しています。
当社も世界同時不況の影響を受け、現在厳しい
当社の企業目的は、単に収益を追求するだけで
経営環境に直面していますが、こうした時こそ次
なく、環境問題をはじめとする社会的な問題や法
代の成長を視野に入れた抜本的な事業見直しの絶
令の遵守など、企業としての社会的責任
(CSR)を
好の機会と捉え、
「原点からの挑戦」
の方針のもと、
確実に果たしていくことで、社会からの揺るぎな
新しい環境や変化に対応できるよう、事業構造改
い信頼を獲得し、
企業価値を高めていくことです。
革に全社を挙げて取り組んでいます。
ガス事業としては、コスト競争力の強化や新技
術・製品の研究開発に注力する一方、
ガス製造プラ
当社は、
責任ある社会の一員として、
誠実で公正
な企業活動を心がけ、持続可能な社会の発展に貢
献していきたいと考えています。
ントやガスセンターの高効率化、オンサイト事業
の強化・拡大を図っています。ガス関連事業につ
い て も、
2008年12月 に イワタニガスエンジニアリ
ング㈱を設立し、
工事・施工面での事業の強化に取
代表取締役社長
り組んでいます。
また、
新たに基幹情報システムを
導入し、イワタニグループ内の連携強化と事務の
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
1
経 営 報 告
Management Report
イワタニ企業倫理綱領
岩谷瓦斯は、イワタニグループの産業ガスメーカーとして、
「世の中に必要な人間となれ、世の中に必要なものこ
そ栄える」という企業理念のもと、株主様、お客様、従業員および社会に評価され貢献できる企業を目指し日々の
事業経営に当たっています。
イワタニ企業倫理綱領
イワタニグループは
「グループの経営者、従業員が企業理念や
イワタニ企業倫理綱領
倫理観・価値観を共有し、あらゆる事業活動の局面において遵守
1. 顧客が求める新しい価値を創造し、
社会に貢献します。
すべき規範」としてイワタニ企業倫理綱領を1998年に制定
(2005
2. 関係法令の遵守及びその精神を尊重し、
公正で自由な競
争を通じ、
社会的責任をはたします。
年4月にこれを一部改訂)し、企業不祥事の発生阻止にむけて、当
社のほかグループ会社で周知徹底を図っています。
3. 広く社会の共感、相互理解を得るために、積極的に企業
情報を開示するとともに社会との対話を行います。
4. ゆとりと豊かさを実現するため、多様な価値観を尊重
し、
能力を充分発揮できる環境をつくります。
5.「住みよい地球がイワタニの願いです」との認識に立っ
た、
環境との共生をめざす企業活動を行います。
6. 国際的な視野に立った企業経営を行います。
コーポレート・ガバナンス
岩谷瓦斯のコーポレート・ガバナンスは、意思決定の迅速化・透明性の向上、情報開示、説明責任(アカウンタビリ
ティ)の強化、法令遵守(コンプライアンス)、危機管理の徹底などを図り、経営の健全性を確保することを基本的
な考え方としています。また、2006年5月26日に決議(2008年5月29日にこれを一部改訂)された内部統制システム
の基本方針に基づいています。
施策の実施状況
当社のコーポレート・ガバナンス体制の概要は、
以下のとおりです。
②当社は、
監査役会設置会社であり、
監査役会は3名の監査役
(内2
株主総会
選任
監査役会
監査役
選任
選任
取締役会
取締役
会計監査人
代表取締役
経営会議
危機管理委員会
災害対応・工場保安委員会
内部監査室
コンプライアンス委員会
環境保安部
製品安全委員会
中央安全衛生委員会
情報管理委員会
各 部 門
名は社外監査役)
で構成し、
監査役はすべての取締役会・経営会
議に出席するなど、
取締役の職務執行を充分に監査できる体制
です。
③当社は、
常勤の取締役および各部門長で構成する経営会議を毎
月2回開催し、取締役会に付議する事項や業務執行上の重要事
項の審議に加えて、
情報の共有化と意思疎通を図っています。
④内部監査については、
「内部監査室」
および
「環境保安部」
を設置
し、監査役と密接な関係・連携を持って必要な内部監査を定期
的に実施し、
会社の事業活動が適正かつ効率的に行われている
かについて監査しています。
これらの結果は社長および監査役
会に報告しています。
⑤事業の継続性、全般のリスクに対して、社長直轄の組織である
①当社の業務意思決定および監督機関である取締役会は、
取締役
「危機管理委員会」を設置し、リスクの評価、発生の防止ならび
11名で構成しており、毎月1回定例の取締役会が充分かつ活発
に発生時の対策などを行なう体制を整備しています。
また個別
な議論の上に的確で迅速な意思決定および監督を行えるよう、
のリスクについては、
それぞれ5つの個別委員会を設置し、
適切
取締役会の機能を高めています。
に対応しています。
2
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
環 境 報 告
Environmental Performance
環境経営システム(Ⅰ)
岩谷瓦斯は、国際標準化機構(International Organization for Standardization)が定めた国際規格ISO14001に
則った環境マネジメントシステム(EMS: Environmental Management System)を構築し、全社を挙げて環境改
善活動に取り組んでいます。
岩谷瓦斯の経済活動
イワタニグループの産業ガスメーカーとして中核となる岩谷
瓦斯。
その活動範囲は、
水素、
セパレートガス* 、
アセチレンなどの
1
各種ガスの製造・販売を手がけるガス事業、
化成品の製造・販売を
手がけるガスケミカル、極低温機器、低温粉砕などのガス関連事
水素製造プラントを千葉工場
(千葉県市原市)
内に建設し、
2009年
7月7日 営業運転を開始いたしました。
今後も水素エネルギー社会の構築に向けた技術開発など積極
的に取り組んでまいります。
業、
さらにはガスの特性を活かした周辺機器や用途技術開発を行
うエンジニアリング事業と多岐にわたります。
水素
近年、
地球規模で早急な解決が望まれている地球温暖化や化石
燃料を中心としたエネルギー消費が問題とされております。
その
セパレート
ガス*1
代替資源となりクリーンエネルギーでもある
「水素」にいち早く
アセチレン
着目して、
創業当初より水素の製造を開始し、
以来50余年、
需要の
拡大に伴い設備を増強、
安全供給体制を全国に作り上げてまいり
ました。また、わが国初の商業用液化水素の製造プラントを完成
させるなど、水素の製造、アプリケーション分野でリードしてお
ります。液化水素の全国的な需要増加に対応し、安定供給体制の
充実をはかるため、
関西の㈱ハイドロエッジ
(大阪府堺市)
に続く
イワタニグループ第2の拠点として、関東地区では業界初の液化
*1セパレートガス: 一般的に空気から分離される
酸素と窒素とアルゴンのことを指します。
推進体制
環境監査
当社は、関連会社も含め全社を挙げた体制で、環境保全活動
2008年 度 は、す べ て の 部 門( 本 社、尼 崎 テクノセンタ ー 5F、
を推進しています。その運営に当たっては、
PDCA(Plan→Do→
千葉工場、甲府工場、佐賀工場、ガスケミカル部生産担当製造グ
Check→Action)
により、
活動の維持向上に努めています。
ループ)で年1回、社内監査を実施しました。また、外部監査とし
て、日本化学キューエイ株式会社による更新審査を受け、合格し
ました。
本 社
総務人事部、
経理部
経営企画室、
内部監査室、
業務部、
本社営業部、
近畿事業所、
ガスケミカル部
経営者による見直し会議
運営組織
社 長
尼崎テクノセンター 5階
環境保安部、
生産部
外部監査
千葉工場
環境管理責任者
事務局
(環境保安部)
甲府工場
佐賀工場
ガスケミカル部生産担当製造グループ
各工場
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
3
環境経営システム(Ⅱ)
環境保全活動への取り組み
原材料の調達から製造、
販売、
輸送、
貯蔵、
消費、
回収に至る事業
プロセス全体における安全性の確保や危機管理に十分配慮しつ
つ、環境負荷を分析・評価し、継続的な改善を図るLCA
(ライフサ
イクルアセスメント)
のもと、
環境負荷の低減に努めています。
また新製品・新技術についても、
LCAに基づいた研究・開発活動
を推進しています。
具体的には、下記カテゴリー毎に課題を設定し、その実現に向
け着実な取り組みを実施しています。
環境行動計画・実績
カテゴリー
取り組み課題
環境汚染事故・災
環境リスクマネジ
害防止、
緊急時の
メント
対応
中期目標
(達成年度:2009年度)
2008年度目標
2008年度実績
各事業所で年1回以上緊急時対応
訓練の実施
実績評価*1
環境汚染事故・災害防止への取り
組み、
緊急時の対応
緊急時対応訓練の実施
全事業所:2006年度比3%削減
全事業所:2006年度比2%削減
グリーン購入活
動の推進
グリーン購入活動の推進
グリーン購入活動の推進
電気使用量の
削減
生産工場:2001年度比6%削減
生産工場:2001年度比5%削減
生産工場:2001年度比18%削減
(P6参照)
●●●
用水使用量の
削減
生産工場:2001年度比19%削減
生産工場:2001年度比18%削減
生産工場:2001年度比28%削減
(P6参照)
●●●
産業廃棄物の削減
産業廃棄物の最
終処分量の削減
生産工場: 2001年度比3%削減
生産工場:2001年度比2%削減
生産工場: 2001年度比68%増加
(P6参照)
●
輸送効率の向上
輸送の合理化に
よる環境負荷の
低減
原単位2006年度比3%削減
原単位2006年度比2%削減
原単位2006年度比8%削減
(P15参照)
●●●
化学物質の管理
環境関連法規に
基づいた化学物
質の管理
環境関連法規に基づいた化学物質
の管理
環境関連法規に基づいた化学物質
の管理
環境に配慮した
製品・技術開発
環境良品の開発・
普及
環境良品の開発・普及
環境良品の開発・普及
環境良品の開発・普及
(P10、
11参照)
●●●
環境問題に関する広報・啓発活動
環境問題に関する広報・啓発活動
環境問題に関する広報・啓発活動
(P7、
16参照)
●●●
地域イベントなどへの参加、
近隣トラブルゼロ化
地域イベントなどへの参加、
近隣トラブルゼロ化
地域イベントなどへの参加、
近隣トラブルゼロ化
(P9、
16参照)
●●●
OA用紙の使用量
削減
省資源・リサイク
ルの推進
電子文書化の
推進
液化水素保安教育の実施
(P9参照)
全事業所:2006年度比2%増加
(P6参照)
エコカーの導入
(P7参照)
●●●
●
●●●
省エネルギー対策
環境コミュニケー 環境問題に関する
ション
広報・啓発活動
地域貢献
地域イベントな
どへの参加、
近隣
トラブルゼロ化
環境関連法規に基づいた化学物質
の管理の実施
化学物質管理規定の制定
(P9参照)
* 1実績評価
●●●:目標達成または目標を上回る成果がでた ●●:目標まで至らなかったが、
少し成果がでた ●:目標まで至らず、
ほとんど効果がでなかった
4
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
●●●
環 境 報 告
Environmental Performance
環境に配慮した事業活動(Ⅰ)
岩谷瓦斯は、環境負荷の低減のために省資源・リサイクルの推進、省エネルギー 、産業廃棄物の削減などに取り組
み、エコサイトの実現を目指しています。
岩谷瓦斯のマテリアルバランス
当社の事業活動による資源の利用と環境負荷について、
可能な
2008年度CO2排出量の要因別割合
LPG 1%
限り定量的に把握するよう努めています。
灯油 1%
A重油 3%
INPUT
■電気
■燃料
LPガス
都市ガス
灯油
A重油
軽油
熱供給
■営業車燃料
OUTPUT
67百万 kWh
73千m3
76千m3
280 kL
749 kL
0.459kL
4,622 GJ
ガソリン
LPガス
13 kL
15 kL
■水使用量
415千m3
対象範囲:生産拠点 26工場
集計期間:2008年4月1日—2009年3月31日
生産
■生産に伴うCO2排出量
電力量
65%
計59,151t-CO2
エネルギー起源CO2排出量*1
41,345t-CO2
メタノール改質によるCO2排出量*2
17,806t-CO2
■一般廃棄物
38.9 t
■産業廃棄物
269.5 t
■紙のリサイクル
2.6 t
■産業廃棄物のリサイクル
(上水・工業用水)
メタノール
使用量
30%
生産拠点におけるCO2排出量の推移
(t-CO2)
(2001年度を100とする)
80,000
120
60,000
90
40,000
60
20,000
30
16.6 t
■紙資源
37.1 t
■メタノール
12,950 t
(水素製造に使用)
■物流に伴う燃料
■物流に伴うCO2排出量
物流
(原油換算) 7,120 kL
* 1エネルギー起源CO2排出量は、
使用した電力や燃料などのエネル
ギー量をそれぞれの製造や消費によって発生するCO2量に換算し
合算した値です。環境省
「事業者からの温室効果ガス排出量算定
方法ガイドライン
(試案)
」
を参考にして作成しました。
電力のCO2
排出係数は、
0.555kgCO2 /kWhを用いています。
18,900t-CO2
* 2当社における一部の水素製造工場において、
メタノール改質によ
る製造を行っており、
生産量に応じたCO2が排出されます。
現在、
エネルギー効率を高める生産に努め、
CO2放出の抑制を図っ
ています。
0
2001
2005
0
2006 2007 2008年度
生産拠点におけるCO2排出量
CO2原単位指数
(ガス工場)
(右目盛り)
※CO2原単位指数:CO2排出量/ガス生産量
環境会計
環境保全活動に関するコストを定量的に把握し、より効果的
な環境保全対策の実施へつなげていくため、環境会計を算出し
ています。
2008年度の環境保全コストは全事業所で66,220千円と
なりました。
環境保全コスト
(千円)
分類
主な取り組み内容
(1)
事業エリア内の環境負荷抑制コスト
投資額
費用額
合計
1,900
12,365
14,265
3,355
(1)
-1 公害防止コスト
水質汚染防止・大気汚染防止・騒音対策
1,900
(1)
-2 地球環境保全コスト
省エネ型装置導入、
低公害車導入・維持
0
0
1)
一般廃棄物処理・リサイクル
0
1,882
2)
産業廃棄物処理・リサイクル
0
7,128
環境物品等の購入
0
1,862
1,862
0
15,621
15,621
(1)
-3 資源循環コスト
(2)
上下流エリアの環境負荷抑制コスト
(3)
管理活動における環境負荷抑制コスト
1)
環境広告
0
2,626
2)
ISO14001維持費用
0
9,397
3)
環境改善対策
(美化・景観)
(4)
研究開発活動における環境負荷抑制コスト
環境良品の開発
(5)
社会活動における環境負荷抑制コスト
1)
地域団体活動参加費用
(環境を主とした対外教育)
2)
地域団体年会費
合計
環境活動による経済効果
効果の内容
省エネ・省資源などによる経費削減効果
0
3,598
1,200
28,000
29,200
0
5,272
5,272
0
5,056
0
216
3,100
63,120
66,220
(千円)
合計
37,107
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
5
環境に配慮した事業活動(Ⅱ)
電気使用量の削減
用水使用量の削減
各事業所の生産活動において、使用するエネルギーは、ガス生
各事業所の生産活動において、用水は冷却水やガス製造の原
産における電力が最も大きいため、
省エネ設備の導入や設備の効
料に使用されています。節水の徹底や冷却水の繰り返し利用、設
率的な稼動などに努め、
電力使用量の削減に取り組んでいます。
備の効率的な稼動などに努め、
用水使用量の削減に取り組んでい
2008年度は、生産性の向上に努め、さらに生産量も大幅に減少
ます。
したため、電力使用量が減少し、目標を達成しました。また、電力
量原単位としても改善しています。電力量原単位とは、電力使用
2008年度は、生産性の向上に努め、さらに生産量も大幅に減少
したため、
用水使用量が減少し、
目標を達成しました。
量をガス生産量で除したものです。
中期目標
2008年度目標
2008年度実績
5%削減
18%削減
2009年度までに6%削減
(目標・実績の基準年度は、
2001年度)
2008年度目標
2008年度実績
18%削減
28%削減
2009年度までに19%削減
(目標・実績の基準年度は、
2001年度)
電力使用量と電力量原単位指数の推移
水使用量(上水・工業用水)の推移
(2001年度を100とする)
(万kWh)
中期目標
9,000
120
7,500
100
6,000
80
4,500
60
3,000
40
1,500
20
(千m3)
600
400
200
電力使用量
0
2001
2005
2006
2007
2008年度
0
電力量原単位指数
0
2001
2005
2006
2007
2008年度
OA用紙使用量の削減
産業廃棄物の削減
各事業所では情報処理システムや社内電子掲示板により、
必要
各事業所では、
廃棄物による環境負荷を低減し、
適切な廃棄物
な情報だけを印刷するペーパーレス化を進めています。
また、
OA
管理を実施するために市の条例に基づいた
「廃棄物管理基準」を
用紙の両面使用を推進し、
使用量の削減に取り組んでいます。
定めています。
また、
リサイクルを推進し、
産業廃棄物の削減に取
2008年度は、規定類の制定・改訂が多く目標を達成できません
り組んでいます。
でした。
2008年度は、自社処分できない廃油、廃アルカリが増えたため
に、
大幅な目標の未達成となりました。
中期目標
2009年度までに3%削減
(目標・実績の基準年度は、
2006年度)
OA用紙使用量(A4換算)の推移
2008年度目標
2008年度実績
1%削減
2%増加
中期目標
2008年度目標
2008年度実績
2%削減
68%増加
2009年度までに3%削減
(目標・実績の基準年度は、
2001年度)
産業廃棄物の総排出量の推移
(t)
(万枚)
400
300
300
200
200
100
100
リサイクル量
0
6
2006
2007
2008年度
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
0
排出量
2001
2005
2006
2007
2008年度
環 境 報 告
Environmental Performance
グリーン購入*1
花と緑のコンクールの開催
各事業所では事務用品を中心に環境負荷の少ない物品の購入
身近な環境意識の促進ならびに美化の一環として花と緑のコ
を実施しています。
ンクールを実施しています。
3回目となる
「2008年度 花と緑のコン
LPガス仕様のエコカーの導入も併せて進めており、全社用車
クール」には前年度より多い27事業所の応募がありました。選考
に占めるエコカーの割合は、
2007年度の29.0%から2008年度には
の結果、
1位 三重プラント、2位 甲府工場、3位 戸畑工場が、
また
37.7%に増加しました。
努力賞として名古屋工場、
佐賀工場が選出されました。
*1グリーン購入:大口消費者としての企業が、環境への負荷の少ない製品を購入調達
することです。
環境啓発活動
各事業所では、
月1回の割合で環境教育を実施しています。
社内
報
「大地」
の中に環境に関する事項を取り上げ、
従業員の環境意識
の高揚を図っています。
1位 三重プラント
2008年 度 は、
「 チ ー ムマイナス6%アンケ ー ト 結 果 に つ い て 」
「2008年度 花と緑のコンクール」
を取り上げました。
3位 戸畑工場
2位 甲府工場
社内報
「大地」
「チーム・マイナス6%」活動への参加
地球温暖化防止対策として政府が主導する、国民一人ひとり
が取り組む活動
「チーム・マイナス6%」に岩谷瓦斯は、
2006年8月
に加入し、
6つのアクションプランを推進しています。
その実施状
況を把握するために、
全従業員を対象に毎年アンケートを実施し
ています。岩谷瓦斯の活動を定量的に評価するため、取り組みを
点数化した結果、
2008年度は、
100点満点中57点
(全従業員の平均
点)
となり、
2007年度と同じ点数となりました。
今後一層の社内啓
発に努めます。
また、
当社の自然冷媒
「エコフリーズ」
、
水素切断技術、
タイヤ用
充填ガス
「MIX−GT」
を環境に配慮した製品として
「チーム・マイ
ナス6%」
が設ける
「ハロー環境技術」
に登録し、
社会へのPRに努め
Act.1:冷房の設定温度は28℃、
暖房時の室温は20℃にしよう
(クールビズ、
ウォームビズの実践)
Act.2:水やシャワーの出しっ放しを止め、
蛇口はこまめに閉めよう
Act.3:エコドライブをしよう
(アイドリングストップ、
ふんわりアクセル
「eスタート」
の実践)
Act.4:エコ製品を選んで買おう
Act.5:過剰包装を断ろう
(買い物袋の携帯慣行)
Act.6:コンセントからこまめに抜こう
(待機電力削減)
ています。
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
7
地域環境に配慮した事業活動
岩谷瓦斯は、地域の皆様と共存し、ともに発展できるよう、すべてのプロセスにおいて安全性の確保を優先した
事業活動を推進しています。
環境法規の遵守
各事業所では、
環境保全、
保安のため関連法規や条例の遵守の
染につながる事故・トラブルはゼロでした。
徹底を図っています。
2008年度は、
環境関連法規に抵触し、
環境汚
保 安
当社は、
イワタニグループ保安理念・保安綱領に則った自主保安活動を実施しています。
イワタニグループ保安理念
総ての事業活動において地球環境を守り、
積極的に自主保安を推進することにより社会に貢献する。
イワタニグループ保安綱領
1. 保安の重要性
保安は事業の“要”であることを全社員に徹底・浸透し、自主的かつ積極的に
推進する。
6. 人材養成
知識・経験・資格を兼ね備えた人材養成に努め、精鋭技術集団化を実現する。
2. 自主保安
保安管理基準を自ら定め、自らの責任で実施する自主保安体制を確立する。
7. 情報の共有化
グループの保安情報・防災ネットワークを構築し、情報の共有化と緊急防災
体制の充実を実現する。
3. 製品の安全・品質
生産から消費に至る製品の安全と品質を確保する。
8. ゆとり
合理性とゆとりを重んじ、生産性の向上と保安の確保を実現する。
4. 安全設計
9. 美 化
安全・確実な設計、維持管理システムにより、災害・事故の未然防止を実現する。
工場美化を推進し、もって地域社会への融和を実現する。
5. 技術ノウハウ
グループの技術ノウハウを蓄積・体系化し、保安・技術レベルの向上を図る。
10. リーダーシップの発揮
グループの保安技術を「森」として結集し、リーダーシップを発揮する。
設備点検
当社の設備・機器は、
「高圧ガス保安法」
「消防法」
「労働安全衛生
法」などの法的規制を受けており、法令に基づいた法定設備点検
率的な運転を維持するために定期的に主要な設備の分解点検を
行い、
異常の有無の確認と消耗部品の交換を実施しています。
などを実施しています。生産拠点工場では、設備の安定的かつ効
保安デー点検
各事業所では、職場の安全を確保するために毎月25日を
「保安
デー」と定め、製造施設、付帯施設、環境整備などの毎月の点検項
目に加え、月毎に防消火設備および安全資機材の点検・整備や事
務所内外の整理・整頓など、強化項目を定めたチェックリストに
基づいた保安デー点検を実施し、
不備が発見された場合にはすぐ
に対応するよう努めています。
保安デー点検
保安パトロール
各事業所における保安確保の活動に加え、
社長または環境保安
部長により年1回以上全事業所を対象に
「保安パトロール」
を行っ
ています。なお、保安パトロールでの指摘事項については速やか
に是正・予防処置を検討し、
採用するシステムを運用しています。
保安パトロール点検項目
法令遵守
(高圧ガス保安法、労働安全衛生法、消防法、薬事法、廃掃法 など)
、
工場美
化、
施設・設備管理、防災設備管理、容器管理、目標管理、その他
8
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
保安パトロール
環 境 報 告
Environmental Performance
防災意識の高揚
当社は、
地震・雷・風水害などの自然原因や人為的な原因による
火災・爆発などにより生じ、環境に著しい影響を及ぼす恐れのあ
る事故を緊急事態と定義しています。
こうした緊急事態によりも
たらされる環境汚染事故・災害を未然に予防し、もし発生しても
最低限度にその被害が緩和できるよう、その対策を
「災害対応マ
ニュアル」
としてまとめ、
各事業所で、
年1回以上、
緊急時に備えた
訓練を実施しています。
総合防災訓練
液化水素保安教育
イワタニグループが取り扱う液化水素の輸送において、
安全か
つ安定的に供給するための支援を目的とした液水緊急対応ネッ
トワークを2006年度に設置して活動しています。
液化水素は本州
全域、
四国および九州地区に供給しており、
それに伴い、
緊急時に
液化水素ローリーが避難できる工場の整備も合わせて行なって
います。
液化水素ローリー乗務員に対しては、
資格制度を設け、
液
化水素保安教育を受講した乗務員を資格認定し、納入作業を行
なっています。
緊急時に対応する緊急出動者に対しても同様に教
液化水素ローリー保安教育
育を行なっています。
安全啓発活動
当社は、保安意識の高揚を図るため、高圧ガス保安活動促進週
間
(10月23日∼29日)
に合せて、
安全標語を各事業所より募り、
「最
優秀作」
「
、優秀作」
「
、佳作」を選出し、表彰を行なうとともに高圧
ガス保安協会および各県などが主催する安全標語に応募してい
ます。
また、
「最優秀作」
「
、優秀作」
をポスター化し、
全事業所に掲示し
ています。
安全標語表彰
最優秀作の宇土泰弘さん
安全標語ポスター
化学物質の管理
当社は、化学物質の管理の強化のため、国内法規
(消防法、毒物
劇物取締法、
フロン回収破壊法、
化学物質審査規制法、
PRTR法*1、
規定を2008年10月に制定しました。
また、
PRTR法の対象物質の排
出量を把握し、
適切な化学物質の管理を実施しています。
化学兵器禁止法を含む)
についての対応を規定した化学物質管理
工場
物質名
岡崎工場
①フロン22
①フロン141b
②フロン142b
③フロン22
①アクリル酸メチル
②キシレン
③クレゾール
④ホルムアルデヒド
⑤トルエン
⑥ダイオキシン類
⑦アクリロニトリル
⑧ニッケル
⑨アクロレイン
⑩アニリン
①キシレン
姫路工場
尼崎工場
三重プラント
大気への排出
14.7kg
0.0kg
0.4kg
150.0kg
0.0kg
450.0kg
1.1kg
0.0kg
320.0kg
0.85mg-TEQ
2.1kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
2006年度
公共用水域
への排出
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
3.7kg
0.0mg-TEQ
0.0kg
52.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
当該事業所の
外への移動
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
15,000.0kg
0.0kg
0.0kg
3,200.0kg
0.0mg-TEQ
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
大気への排出
7.7kg
0.0kg
0.4kg
140.0kg
0.0kg
̶
1.3kg
0.0kg
490.0kg
0.0mg-TEQ
0.8kg
0.0kg
̶
0.0kg
0.0kg
2007年度
公共用水域
への排出
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
̶
0.0kg
0.0kg
3.7kg
0.0mg-TEQ
0.0kg
96.0kg
̶
0.0kg
0.0kg
当該事業所の
外への移動
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
̶
0.0kg
0.0kg
3,100.0kg
0.0mg-TEQ
0.0kg
0.0kg
̶
0.0kg
0.0kg
大気への排出
6.4kg
0.0kg
0.0kg
100.0kg
0.0kg
̶
1.1kg
0.0kg
490.0kg
0.0mg-TEQ
1.1kg
0.0kg
̶
0.0kg
12.0kg
2008年度
公共用水域
への排出
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
̶
0.0kg
0.0kg
3.7kg
0.0mg-TEQ
0.0kg
22.0kg
̶
0.0kg
0.0kg
当該事業所の
外への移動
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
0.0kg
̶
0.0kg
0.0kg
3,600.0kg
0.0mg-TEQ
0.0kg
0.0kg
̶
0.0kg
0.0kg
※外部への排出がない物質は
「0.0kg」
、
取り扱いがない物質は
「̶」
としています。
*1 PRTR法: 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の促進に関する法律
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
9
環境に配慮した技術・製品
岩谷瓦斯では、
環境改善に貢献する製品や技術を
「環境良品」
と位置付け、
全社を挙げてその開発・普及に努めています。
脱フロン製品
フロンは、
車のエアコンや冷蔵庫などの冷媒として幅広く使用される一方で、
オゾン層破壊や地球温暖化といった深刻な環境問題の
原因となっています。
特定フロンと呼ばれるCFC
(クロロフルオロカーボン)
は1995年に全廃され、
HCFC
(ハイドロクロロフルオロカー
ボン)
も、
2019年末までに実質的に全廃になります。
そして、
特定フロンに替わるHFC
(ハイドロフルオロカーボン)
についても、
二酸化炭
素に比べて地球温暖化係数が数百倍∼数千倍であるため、
排出削減の対象となっています。
こうした中、
岩谷瓦斯は脱フロン化に向けた
さまざまな取り組みを行っています。
エコフリーズ®
自然冷媒
「エコフリーズ」
は、
従来
のフロン系冷媒に比べ、
オゾン層破
壊係数は0、
地球温暖化係数も0から
3と非常に低く、環境に配慮した冷
媒となっています。自然冷媒
「エコ
フリーズ」シリーズは、二酸化炭素
冷媒、アンモニア冷媒、炭化水素系
冷媒としてプロパン、イソブタン、
ノルマルブタン、プロピレンやこれ
らの混合ガスを取り揃えています。
アイセオン®
アイセオンは、オゾン層破壊物質を含ま
ず、
特定フロンに替わる代替冷媒ガスとして
ご利用いただけます。
冷媒に特定フロンを使
用している機器のガスをアイセオンと入れ
替えるだけで、
ご使用中の機器を引き続き環
境適合製品としてお使いいただけます。
※アイセオンはデュポン社の登録商標です。
IT関連分野
高度情報化社会の発展とともに、
ますます進化・多様化するIT関連製品。
この分野でも、
岩谷瓦斯は環境に配慮したさまざまな製品を
提供しています。
C3F8
(八弗化プロパン)
半導体製造に用いられるCVD装置の石英
チャンバーに付着した様々な生成物の除去
に、クリーニングガスとして使用。従来製品
C2F6と同様に使用でき、
同作業当たりの消費
量を約50%削減できるため、地球温暖化対策
やコスト削減に貢献します。
ダイナガード
半導体製造などに用いられる温暖化ガ
ス、特殊材料ガスの除害装置として使用。
当社独自の強制燃焼除害方式の採用に
より、省スペース化を図るとともに、維持
費が安く、処理量が大きいなど、省エネル
ギー、
コスト削減を実現しました。
次世代エネルギー分野
化石燃料をエネルギー源とするモータリゼーションの普及は、その一方で地球温暖化の元凶となる二酸化炭素排出を増大させて
きました。こうした深刻な事態からの脱却をめざして、岩谷瓦斯は、21世紀のクリーンエネルギーのあるべき姿をさまざまな形で提
案しています。
水素エネルギー技術
省エネルギー・環境負荷低減の切り札として、水素エネルギー
普及の取り組みが世界各国で進められています。
これは石油や石
炭は、使用の際、二酸化炭素を放出し地球温暖化を促進するのに
対し、
水素をエネルギーとして利用した水しか出さないシステム
が注目されているためです。
水素のエネルギー利用の普及促進は、
地球環境保全の重要テー
マという認識のもと、今
後も水素のエネルギー
利用・実用化をはじめと
した水素関連の革新的
研究開発を進めてまい
ります。
水素供給ステーション
10
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
セルフステーションα
クリーンエネルギーとしてのLPガスが注目される中、
NOXな
どの有害ガスや、
PM
(粒子状物質)の排出量の多いディーゼル車
に代わり、
LPガス車への転換が進んでいます。
セルフステーショ
ンαは、省スペース、簡単
操作、有資格者不要、燃料
コスト削減を実現した新
LPガス・セルフ 充 填 シス
テムです。
セルフステーションα
環 境 報 告
Environmental Performance
リサイクル技術
限りある資源をできるだけ有効に活用し、
環境面への影響を最小限に抑えるため、
廃棄物の削減・リサイクルを目的とした技術開発を
推進しています。
低温粉砕処理技術
液化窒素*1の冷熱を利用し、
常温では粉砕困難な工業用樹脂の
粉砕を可能にしました。この技術を活用し、これまで廃棄されて
いた樹脂加工屑を粉砕し、
異物を含まない粉状に加工することに
より、
原材料としての再利用の実現に向け取り組んでいます。
*1液化窒素:マイナス196℃の超低温を利用して、食品の凍結、合成樹脂や食品の凍結
粉砕、
ゴムなどの脆性バリ取り、金属のサブゼロ処理に使われています。
さまざまな物質の低温粉砕処理
溶接・溶断技術
人体や環境への負荷の少ない製品開発に努めています。
シールドマスター ®
水素切断
現在、
じん肺*1の発生原因の約3割を溶接作業が占め、
溶接時に
発生する金属微粒子であるヒューム*2が原因といわれています。
当社のシールドマスター(アーク溶接*3用シールドガス)の一
つであるアコムガスは、従来の炭酸ガスシールド溶接と比較し
て、溶接速度が速く、スパッタ*4の発生量も減少し、ヒューム発生
量については約60%の削減を実現しています。ハイアコムガス
は、アコムガス*5の特性を向上させ更なる溶接面の美しさを求め
ています。
また、
様々な材料、
溶接方法の組み合わせに対応した溶
接用シールドガスを取り揃えています。
*1じん肺:粉じんを長時間吸い続けると、肺内では線維増殖が起こり、肺が固くなって
呼吸が困難になります。
*2ヒューム:アークの熱によってワイヤやフラックス、
母材の成分が蒸気となって舞い
上がり、
その蒸気が空気中で冷えるときに形成される微細な酸化物粒子。
*3アーク溶接:電気の放電現象(アーク放電)を利用し、同じ金属同士をつなぎ合わせ
る溶接方法。
*4スパッタ:ガス溶接、アーク溶接時に飛散する微粒子。粒径は、約1μm∼数mmで塗
装欠陥などの原因になり品質に悪影響を与えます。
*5アコムガス:炭酸ガスとアルゴンガスの混合ガス。
鋼材のガス溶断には、従来ア
セチレンやLPG*1が用いられてき
ました。水素切断は、燃料に水素
ガスを用いた溶断であり、
品質、
環境、
コスト面で業界からの要望
に応えることができます。
LPG溶断と比較すると切断速度が速い
ため
(当社比10%∼50%アップ)
、
燃料、
酸素の使用量を低減できま
す。
また、
ノロ*2やスパッタの付着が少ないためアセチレン溶断と
同等の良質な切断面が得られ、
後工程の作業時間が短縮できコス
ト削減につながります。さらに放射熱が少ないため、暑さによる
作業者に対する負担を低減できます。そして、水素ガスは炭素分
を含まないため、
燃焼時に二酸化炭素を排出せず地球温暖化防止
にも貢献できます。
シールドガスとヒューム発生量の関係
* 1LPG:Liquefied Petroleum
Gasの略で、プロパン・ブタンな
どの炭化水素ガスを常温で加圧
し液化したもの。
*2ノロ:溶融した金属から分離し
て浮かぶ酸化物。
ヒューム発生量(mg/分)
300
200
100
0
炭酸ガス
アコム
ハイアコム
JIS Z3930 『アーク溶接のヒューム発生量
測定方法 』に準じて測定。
厚生労働省は粉じん障害防止対策の重点
項目の一つとしてアーク溶接作業に係る
粉じん障害防止対策を掲げています。
ガス切断に用いる
「水素火炎」
の形状
その他の分野
さまざまな分野で、
環境負荷のより少ない技術・製品開発に努めています。
MIX-GT
MIX-GTは、
岩谷産業株式会社、
横浜ゴム株式会社、
岩谷瓦斯株
式会社の3社で共同開発した新タイプのタイヤ用充填ガスです。
従来の充填用ガスである空気と比べ漏れ量最大65%減、
窒素に比
べ最大30%減を達成しました。
漏れ量が少ないとタイヤ内圧を長
期間保持できることから、
タイヤ内圧低下に伴う燃費の低下を抑
制でき、
二酸化炭素排出量の削減にも貢献します。
さらには、
内圧
低下によるタイヤ性能の低下や偏磨耗も低減し、
タイヤの長寿命
化にもつながります。また、
MIX-GTは酸素や水分を含まないた
めタイヤ本体やリムの劣化を防ぎ、温暖化に影響する二酸化炭
素、
フロンガス、
可燃性ガスも含有していません。
ご参考:タイヤ空気圧について
現在、
6台に1台はタイヤ空気圧不足といわれています。通
常タイヤからは僅かですが自然に充填ガスが抜けます。一
般的に、タイヤ圧力初期値200kPaとすると1 ヶ月でおよ
そ5∼10%
(10∼20kPa)低下します。また、指定空気圧より
50KPa低いと一般道で約4.5%燃費を悪化させてしまう実
証結果もあります。
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
11
特
集
安全性の向上を目指してアスベストフリー「溶解アセチレン容器」を自
近年、アスベストの危険性が大きくクローズアップされています。国際がん研究機関(IARC)の発がん
性分類においてもGroup1(ヒトに対する発がん性が認められる)に指定されており、日本においても21世
紀に入ってアスベスト規制がいっそう強化されてきました。イワタニグループではこれらの状況を踏ま
え、より安全な製品をお届けするため、アスベストフリー溶解アセチレン容器の採用を決定しました。
アセチレンとは
製法は炭化水素分解法、石油ナフサ分解法などがありま
アセチレン は 主 に
すが、炭化カルシウムに水を反応させるカルシウムカーバ
溶接・溶断、金属熱処
イド法*4が主流を占めています。
岩谷瓦斯は国内有数のアセ
理用に用いられるガ
チレンガスメーカーであり、カルシウムカーバイド法によ
スで、
酸素との混合ガ
る生産拠点を各地に多数保有しています。
スを燃焼させると約
3,400℃の火炎が発生
します。また、身近な
アセチレン酸素炎による溶断
ところではプラズマCVD法*1を用いて電気カミソリやハー
ドディスクの表面などを強化する硬質炭素膜コーティング
にも用いられています。分子式はC2H2で、分子内に3重結合
を持つ不飽和炭化水素であり、反応性が大きく極めて不安
定な物質です。
このため、
酸素や窒素のように圧縮ガスとし
*1プラズマCVD法: 原料ガスをプラズマ化させて、
目的の物質に蒸着させる方
法。
ここではアセチレンに含まれる炭素を、
金属表面に薄膜で形成させる技術
を指す。
*2アセトン: 溶剤として広く使われる有機化合物。
常温において無色液体であ
り、
ハッカ様のにおいと若干の甘味をもつ。
主な用途にラッカー塗料の原料な
どがある。
*3ジメチルホルムアミド: 溶剤として広く使われる有機化合物。
常温において
無色の液体。
皮革・繊維業界において工業的に溶媒として多く使われている。
*4カルシウムカーバイド法: 炭化カルシウムと水を反応させると、
アセチレン
と、
水酸化カルシウムが副生物として発生する。
水酸化カルシウムを水に分散
させたものを消石灰乳といい、
製紙、
塗料など工業用原料として使われる。
て充填すると、わずかなエネルギーで分解爆発を起こす可
能性があります。
溶解アセチレン容器とは、この不
安定なガスを安定的に貯蔵するた
2006年9月から施行された労働安全衛生法施行令の法改
め、多孔質物を詰めた容器に、溶剤
正により、
石綿および石綿をその重量の0.1%を超えて含有す
としてアセトン* またはジメチルホ
るすべての物
(一部の例を除く)
の製造、
譲渡、
提供、
使用が禁
ルムアミド* を 染 み 込 ま せ た も の
止されました。
従来のアセチレン容器では、
多孔質物の原料
で、ここにアセチレンを充填するこ
の一部としてアスベストを用いていましたが、これは容器
とで、アセチレンは溶剤に溶解し、
内に完全に密閉されており、使用に際して人体に影響を与
安定的な貯蔵が可能になります。
えるものではないため、現在でも既存のものに限り容器の
2
3
アセチレンガスホルダー
(北九州工場)
溶解アセチレン容器とアスベスト問題
使用が認められています。
2008年現在、溶解アセチレン容器は国内全体で約120万本
が流通していると推定されており、今後は順次アスベスト
フリー容器に切り替わっていく予定です。
しかし、
国内容器
メーカーの生産能力だけでは、完全な切り替えにかなりの
時間が必要となることが予測されています。
このため、
アセ
チレンを製造・販売している当グループでは、
容器の早期転
消石灰乳タンク
(北九州工場)
アセチレン充填
(北九州工場)
12
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
換を図るため、アスベスト規制で先行する欧州からの技術
導入により自社での容器製品化に踏み切りました。
環 境 報 告
Environmental Performance
社で製品化
容器製品化への道のり
今後の展望
今回の容器製品化にあたり、当グループが提携した総合
この新容器はマスの原料にアスベストの代替品として新
ガスメーカーであるイタリアのSIAD社はこの分野におい
たにカーボンファイバーを採用し、
ガスの充填可能量、
放出
て確かな実績があり、
すでに1994年からアスベストフリー容
速度、
多孔度、
多孔質物と容器壁間の適切な空間など従来容
器の流通を始めていました。
SIAD社は当グループと協力関
器に比較して同等のスペックを維持したうえ、安全性の向
係にある米国のプラックスエア社のグループ企業というこ
上も達成しています。当グループでは2008年10月より、自社
ともあり、
今回の提携が実現しました。
内の容器を順次この新容器に切り替えています。
SIAD社(イタリア・ベルガモ)
製品化されたアスベストフリー「溶解アセチレン容器」
先に述べたようにアセチレンは他の産業用ガスとは異な
り、
有機溶剤を染み込ませた多孔質物
(通称
「マス」
)
にガスを
溶解させて、
容器に貯蔵します。
高圧ガス保安協会
(KHK)
で
はアセチレン容器多孔質物性能試験規程を定めており、新
たに容器を製造するときはこの規程に基づく試験に合格し
たマスを使用する必要があります。
当グループはアスベストフリー容器の早期普及を目指し
て2005年より3年間にわたり、
SIAD製マスがKHK基準に適
合していることの証明のため、各国関係機関と努力を重ね
てきました。そして、ドイツの世界的権威のある研究・検査
機関BAM
(ドイツ連邦材料試験研究所)の協力を得て、
2007
年に欧州で6項目の性能試験
(①圧縮強度試験 ②多孔度試験
③振動試験 ④周囲加熱試験 ⑤逆火試験 ⑥衝撃試験)
を行っ
た結果、
SIAD製マスはすべての試験に合格し、
KHKの認定
を受けました。
新容器の仕様
■素 材: 鋼製
(溶接容器)
胴板: JIS G3116高圧ガス容器用鋼板
および鋼帯SG295
鏡板: JIS G3116高圧ガス容器用鋼板
および鋼帯SG255
■溶 剤: アセトン
■容器容量: 41L
■容器重量: 約52kg
(多孔質物: 約11kg、
アセトン: 約14kg)
■充 填 量: 7.2kg
■多 孔 度: 90∼92%
■容器内壁との隙間: 3mm以下
■容器寸法: 高さ:951mm 外径:259mm
■最高充填圧力: 1.5MPaG at 15℃
■耐圧試験圧力: 4.9MPaG
■気密試験圧力: 2.9MPaG
BAM(ドイツ連邦材料試験研究所)本部
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
13
従業員との関わり
岩谷瓦斯は、最終的に企業を運営するのは人であるとの考えのもと、安全で明るく、快適な職場の中で、従業員一
人ひとりがのびのびと能力を発揮できる環境づくりに努めています。
教育研修システム
「クールビズ」の実践
期待された役割を十分に果たすために必要とされる知識・スキ
「チーム・マイナス6%」活動(P7参照)で設定されたアクショ
ルを身につけるための教育を、
各階層ごとに定め実施しています。
ンプログラムの1つである「Act.1: 冷房の設定温度は28℃、暖房
階層別教育研修システムの例
時の室温は20℃にしよう」の一環として、岩谷瓦斯では全事業
研修名
所を対象に「クールビズ」を実践しています。
研修内容
学生から社会人への意識の切り替え
初期集合研修
ビジネスマンとして、当社の従業員として基本的な知
識の習得
新入社員の指導役として役割の認識
OJT リーダー研修
指導に必要な基本スキルの習得
「クールビズ」活動としては毎年6月1日∼9月30日の期間、冷
房の設定温度を28℃に保ち、快適に過ごすためノー上着、ノー
ネクタイなどさまざまな取り組みを行っています。
中堅社員としての役割と期待の認識
リーダーシップ研修 効果的なリーダーシップ発揮のための自己特性の把握
対人折衝スキルの習得
人事考課研修
当社の管理職としての職務遂行のために必要な知識の
習得
問題解決研修
問題解決能力の強化
経営幹部研修
経営幹部に要求される諸知識の習得
会議風景
資格取得状況
安全衛生
高圧ガス、危険物の製造にあたり高圧ガス保安法、消防法など
従業員の安全と健康の確保は企業活動の前提であり、
社会的責
により有資格者の配置が義務付けられています。
当社の有資格者
任であると位置付け、
「人間尊重」の理念のもと、労働安全衛生法
の必要人数に対する資格取得者の割合は充足しています。
また各
などの関係法規を遵守し、
労働災害の未然防止や健康管理に取り
種資格の取得につきましても、
奨励金制度や通信教育制度を設け
組んでいます。
自己啓発の面からも推進しています。
労働災害の未然防止につきましては、
事業所を中心に、
現場に
(2009年3月末現在)
資格
充足率*
高圧ガス製造保安責任者
227%
危険物取扱者
715%
有機溶剤作業主任者
811%
密着した安全活動を実施しています
(P8∼9参照)
。
衛生面では、
全
従業員を対象とした定期的な健康診断を通して異常が認められ
た従業員には個別指導を行っています。
また各事業所では衛生管
理者および衛生推進者を選
任し、月に1回衛生管理教育
*充足率
(%)
=(有資格者数)÷(法的に必要な資格取得者数)×100
を実施しています。
雇 用
定期採用状況
区 分
2004年度
大学院
1
大 学
2
高専(専攻科)
2
高 専
4
専門学校
0
短 大
0
高 校
0
合 計
9
2005年度
1
8
0
4
0
0
0
13
2006年度
3
2
1
0
0
0
0
6
2007年度
6
5
0
0
2
0
1
14
2008年度
0
5
0
1
7
0
4
17
安全衛生大会
福利厚生
従業員が心身ともに健康で安心して働くこ
とができるように、各種福利厚生制度を整備
しています。
労使関係
主な制度
1985年に
「労働協約書」を締結し、
「労使は互いに共存共栄の関
退職金・年金制度、弔慰金、単身赴任者帰宅旅費補
係にある」との認識のもと、相互の基本的権利と義務を尊重して
労使関係の構築に努めています。労使の協議機関としては、労使
協議会があり、
労使の懸案事項や働きやすい職場環境の整備など
について協議しています。
14
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
助、
長期傷病休暇、
公傷病休暇、
その他休暇
(結婚、
忌
引き、妊娠、出産)
、育児休業制度、介護休業制度、財
形貯蓄制度、
持株制度、
住宅資金貸付制度、
会員制契
約保養所、借上社宅制度、災害・傷病見舞金、医療補
助制度、
各種クラブ活動助成制度 など
国内外約3,000件の宿
泊施設および約7,000
件の福利厚生サービス
が利用できます。
社 会 性 報 告
Social Performance
お客様との関わり
岩谷瓦斯は、お客様を第一に考えた安全で高品質な製品・サービスの提供に努めています。
品質保証・品質管理
輸送の合理化による環境負荷の低減
当社は、技術部内に品質保証担当を設置し、品質保証、品質管
当社では、生産した産業ガス、ケミカルなどの製品をタンク
理体制を整備しています。品質管理体制については、品質マネジ
ローリー、トラックでお客様にお届けしていますが、これらの自
メントシステムの国際規格であるISO9001の認証をさまざまな
動車から排出されるCO2排出量の削減も大きな課題です。
これら
製品を製造する事業所で取得しています。特に水素ガスについ
の製品の外部への委託輸送量により、省エネルギー法による
「特
ては、
全製造事業所が認証を取得しています。
環境監査同様、
品質
定荷主」に指定され、毎年行政にエネルギー使用量を報告してい
面でも外部機関による監査や内部監査を通して問題点がないか
ます。
チェックし、必要に応じて是正処置を施し、品質マネジメントシ
主な取り組みとして、
車両大型化による運行回数の削減、
車載
ステムの維持・向上に努めています。
また、
未認証の工場について
重量計導入
(面前取引)による走行距離削減などの輸送の効率化
もISO9001に則った活動を行なっています。
をめざしています。また、お客様の事業所におけるタンク内に遠
隔監視システム
(液化酸素、
液化窒素、
液化アルゴン、
液化炭酸、
液
運営組織
化水素、
水素ガス)
を導入させていただいています。
異常の有無や
技術部 品質保証担当
残存量を24時間遠隔監視により正確に把握し、
1回の輸送での平
均供給量の引き上げによる効率的な配送をしています。
ガスケミカル部
低温機器部
エンジニアリング部
ガス事業部
品質管理機能
品質管理機能
品質管理機能
品質管理機能
2008年度は、
輸送の効率化に努め、
原単位8%削減できました。
中期目標
2008年度目標
2008年度実績
2009年度までに原単位3%削減
原単位2%削減
原単位8%削減
(目標・実績の基準年度は、
2006年度)
ISO9001認証取得工場
尼崎工場(1996.7)
南陽工場(2001.2)
佐賀工場(1997.9)
姫路工場(2001.4)
甲府工場(1998.3)
戸畑工場(2001.4)
25,000
100
千葉工場(1999.3)
エンジニアリング部(2002.7)
20,000
80
低温機器部(1999.12)
名古屋工場(2002.10)
15,000
60
水島工場(2002.10)
10,000
40
5,000
20
CO2排出量
0
原単位指数
横浜プラント(2000.3)
北九州工場(2001.2)
東曹ダイスイ四日市(2002.10)
輸送に伴うCO2排出量とエネルギー原単位
(t-CO2)
0
(2006年度を100とする)
2006
2007
2008年度
カスタマーソリューション
危険・有害性情報の提供
親会社である岩谷産業株式会社と共同で、
「溶接技術センター」
法律で危険・有害性情報の提供が義務付けられている化学物
を運営しています。
シールドガスなどの研究開発、
デモサンプル評
質だけでなく、
当社で扱うすべての製品についてJIS
(日本工業規
価試験のほかに、
ユーザーからの溶接試験や教育育成なども受託
格)に準拠したMSDS*1を作成し、お客様に危険・有害性情報を提
できるよう体制を整えています。
試験設備は、
溶接ロボット、
溶接
供しています。
電源、
各種溶接ワイヤ、
水素切断設備を常設し、
迅速な各種テスト
に対応しています。
また、
センター所有の
「溶接サポートカー」
は、
溶接機・溶接ガスなどを搭載し、
遠方のお客様の事業所に出向き、
現場での実演により、
品質、
経済性、
環境性能などについてお客様
のニーズに応えるカスタ
マーソリューション
(お客
様の問題解決)の提案を
行っています。
*1MSDS(Material Safety Data Sheet:
製品安全データシート)
:
化学物質の名称、有害性情報、物理的・化学的性
質、取扱い・保管上の注意事項、応急処置などを記
載した書面。
溶接技術センター(内部)
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
15
社 会 性 報 告
Social Performance
社会との関わり
岩谷瓦斯は、地元と一体となった活動を通して、地域社会や団体と連携を深めるとともに、
地域に根ざした企業をめざします。
防災訓練
清 掃
地域の防災協議会や消防
各事業所では、定期的に事業所周
署主催の防災訓練に協力し、
辺や道路、河川などのパブリックス
地域住民の皆様の防災意識
ペースの清掃を行っています。さら
の高揚に努めています。
に2005年度よりベンチャーコミュニ
ティの
「大阪美化プロジェクト」に参
加し、
大阪市内の清掃活動にも取り組
水素燃焼実験(大阪府地域防災協議会)
んでいます。
2008年度 表彰
パブリックスペースの清掃風景
社会福祉法人・公共団体への協力
表彰の種類
表彰者
表彰対象者・工場名
全国盲ろう者協会は、視覚と聴覚と両方に障害をもつ重複障
坂出工場 只野義春
害者「盲ろう者」が充分な福祉サービスを受けられるように支援
大阪府知事
近畿事業所 木村惠勇
することを目的として1991年に創立されました。当社は、2004年
大阪府知事
環境保安部 藤井孝
優良製造事業所
経済産業大臣
岡崎工場
優良製造事業所
山梨県高圧ガス保安協会 甲府工場
優良製造事業所
経済産業省原子力安全・
保安院 局長
危険物安全協会会長表彰 危険物安全協会会長
高圧ガス保安功労者
(大阪府)
高圧ガス保安功労者
(大阪府)
10月に同協会へ参加し、福祉事業に協力しています。
また、
日本赤十字社への献血協力をはじめ、
各種公共団体の活
動を支援しています。
鹿児島工場
環境コミュニケーション
岩谷瓦斯は、環境コミュニケーションを通して社会の幅広いステークホルダー(利害関係者)
の皆様とのパートナーシップを育んでいきたいと考えています。
環境報告書の発行
当社の環境関連活動に対する理解の促進を図るため、
2002年度
より毎年環境報告書を作成・発行するとともに、ホームページに
も掲載し、
情報開示に努めています。
環境報告書
16
ホームページでの情報開示
http://www.iwatanigas.co.jp
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
企 業 デ ー タ
Corporate Data
会社概要
岩谷瓦斯株式会社 (2009年4月1日現在)
設
立: 1947年3月22日
創
業: 1953年5月19日
本
社: 〒541-0047
大阪市中央区淡路町1丁目7番3号(日土地堺筋ビル)
TEL 06-4706-7221
本
店: 〒105-0003
東京都港区西新橋3丁目21番8号
TEL 03-5405-5795
(百万円)
売上高
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
32,639
34,778
48,105
51,788
49,583
営業利益
815
981
995
1,112
674
経常利益
811
1,007
1,020
1,260
971
当期純利益
405
446
463
599
411
〔ご参考〕
代 表 者: 代表取締役社長 吉良 佳浩
岩谷産業株式会社 (2009年6月26日現在)
資 本 金: 16億1944万円
設
立: 1945年2月2日
創
業: 1930年5月5日
本
社: 大阪本社 〒541-0053 大阪市中央区本町3丁目4番8号
TEL 06-6267-3310
従 業 員: 408人
主な事業内容: 酸素・窒素・アルゴンの製造販売、水素ガスの製造販売、液化
水素の販売、溶解アセチレンの製造販売、炭酸ガス・混合ガ
スの製造販売、有機化合物の水素添加、還元、蒸留精製およ
びその誘導体の製造販売、ガス設備の製造販売および運転、
保安点検などのメンテナンス、極低温小型冷凍装置の製造
販売、ガス応用装置、機器の製造販売、超低温可搬式小型容
器、
蒸発器、
加圧器などの製造販売
工
場: 生産拠点工場 26・オンサイト 20
子 会 社: 12社
関連会社: 4社
東京本社 〒105-8458 東京都港区西新橋3丁目21番8号
TEL 03-5405-5711
代 表 者: 代表取締役社長 牧野 明次
資 本 金: 200億96百万円
売 上 高: 6,813億76百万円(2009年3月期連結)
従 業 員: 1,363人
事 業 所: 91カ所(国内84/海外7)
岩谷産業株式会社は当社の親会社であります。
岩谷瓦斯環境保全活動の歩み
1970年
岩谷産業が企業スローガン「住みよい地球がイワタ
ニの願いです」を発表
1975年
水素エネルギー開発委員会を発足させ、サンシャイ
ン計画で受託した研究の活動を開始
1978年9月
尼崎工場内に、わが国初めての商業用大型液化水素
製造開始
1983年8月
甲府工場のエアセパレーションプラントは省エネに
配慮した夜間電力使用型でイワタニグループ、東日
本における初の自力ソースとなる
1985年9月
佐賀工場で当社初のメタノール分解による水素ガス
製造開始
1989年9月
姫路工場、発泡フロンミックス充填設備を設置し、発
泡用フロンの代替品として生産開始
1992年8月
1996年2月
1997年4月
横浜ガスセンター、メタノール分解による水素発生
プラントを立ち上げ水素ガス供給を開始
相模原プラント、メタノール分解による水素発生プ
ラントを立ち上げ水素ガス供給を開始
「イワタニグループ環境憲章」制定
1997年11月
環境入門講座について全従業員教育開始
1998年11月
ISO14001認証取得に向けてのキックオフ
1999年8月
環境方針制定
1999年10月
環境マネジメントシステム運用開始
2000年1月
佐賀工場ISO14001認証取得
2000年3月
フルオロカーボン分解破壊装置を開発
2000年4月
甲府工場第一種エネルギー管理指定工場となる
2000年5月
甲府工場ISO14001認証取得
2000年7月
全事業所に対応できるように環境方針を改訂
2000年12月
フッ素系地球温暖化ガスPFCの燃焼式除害装置「ダ
イナガードFシリーズ」の納入開始
2001年2月
本社・尼崎テクノセンター 5F ISO14001認証取得
2002年3月
温室効果が低い代替フロンHFC152aの普及促進の
ために新製品「PCエコダスター」を販売開始
2002年12月
佐賀工場、甲府工場、本社部門でISO14001認証更新
審査
2003年1月
環境報告書2002を初めて発行、以降年に1回の発行を
継続
2003年5月
創業50周年記念植樹、全従業員にエコ作業着配布
2003年8月
姫路工場エコフリーズ(R600a)の設備完成
2005年4月
千葉工場ISO14001認証取得
当社の環境方針を見直し、改訂実施
2006年1月
千葉工場エコフリーズ(R744)、高純度炭酸ガスの設
備完成
2006年8月
チームマイナス6%への参加
2008年1月
ガスケミカル部 生産担当 製造グループISO14001認
証取得
環境報告書についてのお問い合わせ
岩谷瓦斯株式会社 環境保安部
〒660-0842 兵庫県尼崎市大高洲町10番地
電話番号 06-6409-1175 ファックス番号 06-6409-1176
岩谷瓦斯 環境報告書 2009
17
本社 〒541-0047 大阪市中央区淡路町1丁目7番3号
(日土地堺筋ビル)
TEL 06-4706-7221 FAX 06-4706-7226
http://www.iwatanigas.co.jp
このFSCのロゴマークは、この報告書に使
用されている木材繊維が森林管理協議会
(FSC)
のルールに則って適切に管理されて
いる森林から生産されたものであることを
示します。
有害物の廃液量や使用量が
少ない
「水なし印刷方式」
を
採用しています。
環境対応型の大豆油インキで
印刷しました。
揮発性有機化合物
(VOC)
を含まないインクで印刷
しました。
岩谷瓦斯はチーム・マイナス6%に参加しています。
09.09.IP.IM.IM.400