きみも村上隆を超えてみないか?

「きみも村上 隆 を 超 えてみないか?」
第1期 生
募集
30名限定
!
◉校長
黒瀬陽平
◉開催日
5/25 、6/1 ・ 8 ・ 15 ・ 22 ・ 28 、7/6 ・ 12 ・ 20 ・ 26 、8/3 ・ 29-31 、9/1(全 15 日)
45,000 円+消費税
◉受講料
◉お申し込み ゲンロンショップのサイトよりお申し込み下さい
http://shop.genron.co.jp/products/detail.php?product_id=171
応募締切:4月30日【水】
黒瀬陽
講義 4 回+ワークショップ 2 回+フィールドワーク 1 回+展覧会ツアー 5 回+講評会 2 回+ゲンロンカフェでの成果作品展覧会 校長
平
変動期のアート
震災から3年。
私たちは今、
変動期に生きている。
故が、
これからのアートにどのような思想的、
哲学的なインパクトを与えるのか。
そして、
地面
(地殻)
が変動し、
時代が変動した。
変動期において、
イメージは、
かつてと違う
これから長い時間をかけて取り組まなければならない復興活動とアートは、
どのような
姿で現れる。
何に意味があり、
無意味なのか。
何が政治的であり、
そうでないのか。
すべ
関係を持ちうるのか。
このような状況下において、
アーティストこそが、
「タブー」
や
「穢
ての布置が変ってしまう。
その変動を見定めること。
そしてその渦中を生きること。
「変動
れ」
と呼ばれるものに物怖じせず、
問題の核心に迫ってゆける存在であるべきだ。
期のアート」
はそこからはじまる。
そして
「情報社会」
の問題。
周知のように、
2000年以降の急速な情報化は、
私たちの日
2000年に村上隆によって提唱された
「スーパーフラット」
というコンセプトは、
戦後日
常生活のインフラだけでなく、
クリエイティブに関わる領域にも深い影響を与えるに至っ
本の文化的自画像を鮮烈に描き出し、
オタク文化から狩野派まで一挙につなぐ美学と
ている。
ビッグデータ社会と呼ばれる現在、
情報環境はアーティストを生かしも殺しもす
歴史意識で、
グローバルな美術史に参入しうる日本現代アートの文脈を提出した。
その
る。
今日のアーティストは、
情報社会が持つその凶暴な両義性から決して目を背けるべ
射程は、
いまなお有効であるに違いない。
きではない。
しかし、
震災後の現在、
変動期の只中を生きる私たちにとっては、
どうだろうか?
「スー
このように、
「ポスト・スーパーフラット」
に属する私たちのやるべき仕事は明確であ
パーフラット」
は、
「変動期のアート」
を思考するためのコンセプトに成りうるだろうか?
る。
本講座では、
ゲスト講師とともに
「スーパーフラット」
の意義を再検討しつつ、
「スー
少なくとも言えることは、
「スーパーフラット」
からは、
「フクシマ」
と
「情報社会」
という二
パーフラット」
を根本からアップグレードし、
「変動期のアート」
を思考するための議論
つの視座が、
明確に欠落しているということだ。
を重ねてゆく。
そして受講者は、
それぞれが
「ポスト・スーパーフラット」
の地平を切り
なによりまず、
「フクシマ」
の問題、
つまり原子力の問題は、
決して避けて通ることはで
開くアーティストとして作品を制作し、
最終的に展覧会の形で、
その成果を世に問うこ
きない。
チェルノブイリ、
スリーマイルに続いて、
この日本の地で起こってしまった原発事
とになる。
スケジュール
5月
DAY-1 5/25[日]
◉10:00-12:00【講義 1 】
黒瀬陽平講義
「新たな日本現代美術史のために」
◉13:00-15:00【講義 2 】
黒瀬陽平講義
「徹底解剖 ! スーパーフラット」
講師 = 黒瀬陽平
DAY-5 6/22[日]
◉10:00-12:00【講義 3 】
三瀬夏之介と語る
「震災後の〈東北画〉」
◉13:00-15:00【ワークショップ 1 】
講師 = 黒瀬陽平+三瀬夏之介
「スーパーフラット」は「日本画」
という概念のアップ
デートに他ならないが、三瀬夏之介は「スーパーフラッ
ト」
とは異なるコンセプトで「日本画」をアップデートし
てきた稀有な画家である。三瀬はかねてより、
日本的
なモチーフを解釈し描く作家として知られていたが、
2009年に山形に移り住み「東北画」という概念を提
唱するなど、
「日本画」
という概念の拡張を続けてい
る。
とりわけ興味深いのは2003 年から描いては接ぎ
合わせを繰り返している《奇景》と名づけられた巨大
村上隆の狩野派への関心は「工房システム」の現代へ
の復活であり、
それは
「有限会社カイカイキキ」
という形
でビジネスとアートの融合へと結実した。
しかし、情報
社会におけるITビジネスとアートの融合はまだ確立され
ていない。一方で、
2000年代以降は堀江貴文、西村博
之、
そして家入一真といったIT起業家たちが、
従来のビ
ジネスや起業家像を大きく逸脱する事業やパフォーマ
ンスで注目を集めた時代でもあった。限りなくアートに
近いように見える彼らの活動、存在は、私たちはどのよ
うに受け止めるべきだろうか。前半講義では、今やイン
ターネットをツールとして、政治の世界にも進出した家
入氏とともに、ITビジネスとアートの関係性について議
論してゆく。後半は、受講者がそれぞれアートに関係す
る
「企画書」
を作成し、
家入氏にプレゼンする。
◉10:00-15:00【講評会 1 】
中間講評会
講師 = 黒瀬陽平
中間講評会。受講者たちは、
それぞれ現段階での作品
プランをできるだけ具体的に発表し、講評&ディスカッ
ション。コンセプトから素材、技法、最終的な展示形態
まで、総合的に検討し議論しあう。
DAY-6 6/28[土]
◉半日【ツアー 3 】
講師 = 黒瀬陽平+カオス*ラウンジ
◉半日【ツアー 1 】
講師 = 黒瀬陽平+カオス*ラウンジ
DAY-3 6/8[日]
DAY-9 7/20[日]
◉10:00-12:00【講義 4 】
家入一真と語る
「ITビジネスとアート」
(有料放送)
◉13:00-15:00【ワークショップ 2 】
「家入一真が
〈いいね!〉
と唸る企画書をつくれ!」
講師 = 黒瀬陽平+家入一真
◉半日【ツアー 2 】
講師 = 黒瀬陽平+カオス*ラウンジ
DAY-2 6/1[日]
見ておくべき展覧会や、美術館、博物館の常設展を黒
瀬の解説とともに巡る補講。
◉半日【ツアー 4 】
講師 = 黒瀬陽平+カオス*ラウンジ
DAY-4 6/15[日]
「スーパーフラット」は、単に現代文化を反映したコン
セプトであるだけでなく、
オタク文化から狩野派までを
繋ぐことのできる日本美術史としての歴史意識を持っ
ていた。
「ポスト・スーパーフラット」を考えるにあたっ
て、
この歴史意識は決して無碍に切り捨ててはならな
い。前半の講義では、
岡倉天心、矢代幸雄、
岡本太郎、
梅原猛らの言説を批評的に読み直すことで、震災後
の情報社会、
ネットカルチャー論に接続可能な、
まっ
たく新しい日本現代美術史の枠組みを提案する。ま
た、後半講義では、実際の村上隆作品を具体的に分
析し、
そこに隠されたコンテクストを明らかにすること
で、
より実践的な作品論を学ぶと同時に「スーパーフ
ラット」の脱構築を試みる。
6月
DAY-8 7/12[土]
な作品で、現在は50mを超える長さにまでなってい
る。
《奇景》はその巨大さ、
日本的モチーフの選択など
において、村上隆の《五百羅漢図》と比較すべき作品
だろう。前半講義では、三瀬氏に自身の活動を紹介し
てもらいながら、震災後にイメージを描くことについて
議論してゆく。後半は、三瀬氏から出される
「お題」を
受けて小作品を制作するワークショップ&講評会。
7月
DAY-7 7/6[日]
◉半日【フィールドワーク】
濱野智史と回る
「ゲーミフィケーション、AR、地下アイドルの
世界」
講師 = 黒瀬陽平+濱野智史
情報社会の叡智はなにもネットの中だけに存在するの
ではない。近年最も注目されているのは、ゲーミフィ
ケーションやAR(拡張現実)
といった、現実世界へと
侵入可能になったテクノロジーやアイディアの数々で
ある。第五回目は、
『アーキテクチャの生態系』の著者
であり、最近はアイドル好きが高じて自らアイドルをプ
ロデュースするまでになった濱野智史氏をゲストに迎
え、実際に最新の「アーキテクチャ」を体験すべく課外
授業を行なう。授業のメインイベントとして、濱野氏が
没頭している
「地下アイドル」の現場に訪れ、濱野氏の
解説を受けながら、束の間、濃密な地下アイドル空間
を体験する予定である。
DAY-10 7/26[土]
◉半日【ツアー 5 】
講師 = 黒瀬陽平+カオス*ラウンジ
DAY-11 8/3[日]
8月
◉10:00-15:00【講評会 2 】
最終講評会
講師 = 黒瀬陽平ほか
最終回は、
いよいよ受講者たちの作品発表会。三瀬氏
を再びお招きし、受講者作品をひとつずつ、徹底的に
講評する。8月の成果作品展に向けて、最後のディス
カッション&クオリティチェック。
EXHIBITION
9月
8/29[金]◉搬入
8/30[土]- 31[日]◉ゲンロンカフェでの作品展示
9/1[月]◉撤収
※ ツアーは基本的に現地集合、
自由参加です。交通費やチケット料は受講生負担になります。
講師プロフィール
校長
ゲスト講師
ゲスト講師
ゲスト講師
黒瀬陽平
三瀬夏之介
濱野智史
家入一真
くろせ・ようへい
みせ・なつのすけ
はまの・さとし
いえいり・かずま
1983 年生まれ。美術家、美術評論家。東京藝術
大学院美術研究科先端芸術表現専攻博士後期
課程修了。梅沢和木、藤城嘘らとともにアーティス
トグループ「カオス*ラウンジ」を結成し、展覧会や
イベントなどを組織している。著書に『情報社会の
( 2013 )。
情念』
1973 年奈良生まれ。東北芸術工科大学准教授。
京都市立芸術大学大学院修了。2006年五島記念
文化賞美術新人賞受賞。2007 年五島記念文化
財 団 研 修員としてフィレンツェに滞 在 。2009 年
VOCA賞受賞。
主に和紙と墨、金箔など日本画の素材を用いて大
きな画面を構成。伝統的な画材を用いたその画面
には、生活の場所や時事的モチーフが見られ、
また
技法面でも伝統の範疇に収まらない。
2009年に居を山形に移してから、チュートリアル活
動「東北画は可能か?」を鴻崎正武と立ち上げ、東
北地域における美術のあり方を問い続けている。
1980 年生まれ。批評家。慶應義塾大学大学院政
策・メディア研究科修士課程修了。専門は情報社会
論・メディア論。主著に日米のネット環境を比較分
(NTT出版)
がある
析した
『アーキテクチャの生態系』
……というプロフィールの持ち主だったはずが、
ここ
2年ほどアイドルにどっぷりハマっている。アイドル
関連の著書に
『前田敦子はキリストを超えた』
(ちく
『 AKB48白熱論争』
( 共著、幻冬舎新書)
な
ま新書)、
ど。2014 年に入り、ついにアイドルにハマりすぎて
自分でアイドルプロデュースを手がける宣言。
詳 細 は 合 同 会 社 プ ラトニクスの W e b サイト
http://platonics.jp/ へ。
1987年。活動家。2003年株式会社paperboy&「ロリ
co.を創業。JASDAQへ当時最年少で上場。
ポップ!」は100万ユーザを抱えるサービスに。ペパ
「 BASE 」などのウェブ
ボ退任後は「 CAMPFIRE 」
サービスを立ち上げ、取締役に就任。悩める若者の
立場に立ち、現代の駆け込み寺「リバ邸」や「深夜の
お悩み相談」などを精力的に展開。2014年東京都
知事選挙へ出馬し、
インターネッ党を旗揚げ。主要
「こんな
候補に次ぎ5位の88,936票を得る。著書に
(イーストプレス刊)」
「お金が教え
僕でも社長になれた
(大和書房刊)」
「もっと自由に働きたい
てくれること
(ディスカバー21刊)
」
[主催] 株式会社ゲンロン
[講義および展示会場] ゲンロンカフェ 〒141-0031 東京都品川区西五反田 1-11-9 司ビル 6F TEL: 03-5719-6821
[お問い合わせ]Email: [email protected] TEL: 03-6417-9230 担当 上田