第18回 「大阪女学院大学教職フィールドワーク課題研究発表」

3) is “we” in English.
4) is “gister” in Afrikaans.
5) To change verbs from the present tense to the past tense,
You must add _________and _______ to the verb in Afrikaans.
(動詞を現在形から過去形に変えるためには, ~と~を付け加える)
6) To talk about the future, you must add time word such as tomorrow in Afrikaans.
Tomorrow is _____ in Afrikaans. _______ means “will.” 7) What does “Hulle het gister boeke gekoop" mean?
8) Write, “ I will buy a book tomorrow” in Afrikaans.
なかなか面白い活動であった。 ズール語など知り合いに頼んで録音されていた。 言語に関心を持たせることは、 英語教員とし
て心がけるべきことである。 言語として言葉がどう成り立っているのか 、 そういうことを教えることは大切である。
こうして実践活動の紹介は終わった。 小野木先生は生徒が作成したたくさんの作品を持参していただいていたので 、 参加者の
先生は群がるように生徒作品を点検しながら、 参考にと写メを撮っていた。 小野木スタイルは、 実際のものやわかりやすい具体
的なもの Realia を充分用意し、 臨場感を持たせることを心がけてられる。 その努力が生徒に通じていると思われた。 多岐に亘る
非常に実際的な報告に参加者は充分満足した。
第 18 回勉強会 「英語の教え方教室」 報告 2012( 平成 24) 年 10 月 20 日 (土) 14:00 〜 17:00
「大阪女学院大学 教職フィールドワーク 課題研究発表」
学生 横田朋子、 屋麻戸周子、 樋口綾香、 中尾実可、 川野潤美、 髙井楓 + 中井 弘一
9 月に実施した本学の教職フィールドワーク ( 英国 ) に参加した学生の課題研究発表を行い、 現場の先
生にも役立つ英語教育情報を提供するとともに、 現地資料で作成した教材も紹介した。
学生の新鮮な感覚でまとめた課題研究に対し、 参加者の皆様から建設的なコメントをいただいた。
今回は発表学生を除いて 26 名の参加を得た。 初めて参加していただいた学校の先生が 4 名おられ、 大
変ありがたく思った。 参加していただいた先生に喜んでいただけただろうか、 納得していただいただろうか
と会が終わってからも、 終わるまでと変わらない心配はきなかったが、 勉強会の終了後、 有志で乾杯を重
ねた席で、 今日も参加して良かったというお言葉を頂きほっとしているところです。
【報告】
最初に、 私の方から 「教職フィールドワーク ( 英国 ) 2012 Field Experience in Education (UK)」 の概要を説明した。 日程は
2012年9月10日 (月) ~9月22日 (土) 《13日間》 で、 趣旨、 目的は
This Fieldwork training abroad aims to contribute to developing the students’ quality of teaching English with richer and broader
perspectives and knowledge on English education through the following three major activities:
1. Visiting secondary schools in York to study how English and other subjects are taught in class
2. Observing cities in the UK and making reports on the similarities and diversities between Japanese culture and British culture
3. Making teaching materials with English messages and objects in town and from experiences staying in the UK.
異文化理解の感性を磨くと共に、 教材を作成する視野を広げること、 そして英国の中学校の授業を 1 日ゆっくり見て過ごすこと、
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現地生徒にプレゼンを行うことを通して、 将来の教員としての資質能力の基礎力の育成を図りたいと説明した。
訪問した都市は
London, Warwick, Stratford-upon Avon, Oxford, Cambridge, Bath, York
それぞれ、 趣の異なる都市を訪ねた。
【学生発表の簡易まとめ】
「街角観察」
イギリスの監視カメラ
・英国では、 犯罪の防止や調査に役立てることが目的。
・1990 年代頃から監視カメラが増加。
・現在イギリス市街に設置されている監視カメラ (CCTV) は 420 万台。
・イギリスに住む人は毎日平均 300 回撮影されている。
・ごみのポイ捨て、 酔っ払い、 暴行など、 反社会的行動が見受けられるとモニター室から係員がスピーカーで直接本人に注
意を呼びかける事ができる。
日本の監視カメラ
・2002 年に警視庁が東京都新宿区の歌舞伎町に 50 台設置したことから増加。
・警察は犯罪の抑止と捜査の両方の目的。
・犯罪の発生が多い地域を選んで設置している。
・利用の目的や映像の保存期間を定めた規則を作り、 公安委員会がチェックしている。
・警察が管理する街頭防犯カメラは 2001 年度末で、 全国に 791 台。
・警察の街頭カメラ以外にも公式な統計ではないが、 国内に 300 万台以上あるという。
学生達は印象に残ったこととして、 防犯カメラのことやタクシーの模様、 2 階建てバス、 英国で見るアジアなどのことについて述
べた。 特に監視カメラの多さには驚いたようであった。
「創作教材」
様々な素材から教材を創り出す体験をさせ、 今後の教材開発の視野を拡げることをねらいとしていた。 紹介内容は省略する。
こちらで英語のチェックをせずに冊子印刷した。 参加された先生は気づかれていたと思うが、 英文に誤りが少なからず見られた。
この点は学生の英語力の不十分さと、 教材を作成する意識での学生の甘さである。 しかしながら、 教材作成への感性を磨く第一
歩となったと思う。
「授業観察」
Learning Support Class ( 特別支援クラス )
教材の工夫
•
*実験 (主題に沿いつつ、 生徒を引きつけている)
*身の回りのものを使って勉強する
*生徒一人ひとりに合わせて、 レベルの違うものを用意している
PPT の使用度の割合の多さ
•
* Math 以外のクラスは PPT を使って、 授業を進めていた
* PPT の使用時間と教材の時間の割合は偏りがなかった
生徒へのサポートの仕方
•
*先生が2人以上で授業をする
*一人一人の生徒の考えを受け止め、 シェアする
*生徒の気持ちや状態を受け止め、 その状態に合わせながら、 授業を進める
普通クラス
<生徒の学習態度の特徴>
*すごく活発的
*笑顔
*ほとんどの生徒が手を挙げて、 発言する
*ノートを取る時には、 ボールペンだけを使っている
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*小さいホワイト ・ ボードを使っている
*一切寝ない
*人の話をちゃんと聴く
*何事にもすごく集中する
*勉強する事が好き
*前向きに取り組む
<先生の指導の特徴>
*すごく活発的
*笑顔
*生徒に沢山質問をして、 生徒に考えを求める
*怒る時も筋を立てながらフォローをして、 短い時間で叱る
*パワーポイントを使った授業が多い
*説明時間が短い
*練習問題を沢山させる
*教科書を家に持って帰らせない
*どのクラスにも共通しているのが、 積極的であるということ
*自分から学ぼうとする姿勢
*間違えてもいいから発表する
*学びたいという思いの強さがノートの取り方や宿題の取り組みに出ている。
授業の全体的な特徴
・ 目標の提示
・ 協同学習を取り入れた学習スタイル
・ 実際に体験させて考えさせる授業形式
・ 予測をさせて自分の考えをまず整理させ実際のデータや正解との比較で更に考えさせる授業
とまとめた。
フロアーの先生からは、 どうして生徒はそれほど積極的なのか、 目標を与えた際にまとめとしてその目標の到達状況を先生はど
のように把握しているのか、 協同学習が多いがそれだけで学力がつくのかなど、 示唆に富む質問を頂いた。 学生の 1 回限りの
授業観察では判断できない質問であった。
学生の発表のうち 5 名が日本語で、 最後の1名が英語で行った。 今後英語で行えるものを増やしていきたいと考える。
【創作教材紹介等 ( 中井 )】
30 分ほど、 私からも創作教材を紹介した。
私も監視カメラのことは気になっていた。 たまたま現地にいるときに BBC 放送で学校のトイレや更衣室に CCTV が設置されてい
ることに問題があるのではというニュースが流れていた。現地にいるときに新聞出記事を探して見つけたので、その全文を紹介した。
TV Cameras in School Toilets METRO September 12, 2012 by HYDEN SMITH
HUNDREDS of schools have installed CCTV cameras in toilets or changing rooms, an investigation has revealed.
An estimated 106,000 cameras are in use in secondary schools and academies in England, Scotland and Wales, privacy watchdogs
say.
The group Big Brother Watch found 825 cameras located in changing rooms or bathrooms in 207 schools.
Last night, it said the figures emerged in data from a sample of more than 2,000 schools, so the total number of cameras in
communal areas is likely to be much higher.
The group said government proposals for the regulation of CCTV were 'woefully weak' because they would not apply to schools
and the Newly created surveillance camera commissioner will have no enforcement or inspection powers.
The report also revealed 54 schools have a ratio of one camera for every 15 pupils or higher, with one for every five students in
some cases.
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The full extent of school surveillance is far higher than we had expected and will come as a shock to many parents, claimed Big
Brother Watch director Nick Pickles.
He said the most common reasons for installing them were theft and bullying, even though the only known study carried out in
France in 2007 found stealing rose after cameras were brought in.
Headteachers of schools named in the report claimed some of the findings were ‘misleading'.
The Radclyffe School in Oldham topped the list, with 20 cameras in toilets or changing rooms.
But headteacher Hardial Hayer said they were above doors entering toilets, overlooked only washbasins and were nowhere near
cubicles.
‘It is misleading to say we have the highest number, it all depends on the design,' he added.
‘We are also a much bigger school than the average secondary school.
Sibhan Freegard, of parenting website Netmums, said ‘everybody realises' cameras are not being placed in cubicles but in open
areas where a lot of bullying and bad behaviour takes place.
Are you for or against CCTV Cameras in school toilets?
その後、 調べたことを新たに紹介した。
英国 : 高性能の閉鎖回線カメラ (CCTV) による街路の監視が過剰であり, 国民の権利を侵害しているとの批判下記の記事が
出ている。
High-def CCTV cameras risk backlash, warns UK watchdog
BBC: 3 October, 2012
http://www.bbc.com/news/technology-19812385
Powerful CCTV cameras which can track faces from more than half a mile away 'could breach human rights laws'
Daily Mail: 3 October, 2012
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2212051/Powerful-CCTV-cameras-track-faces-halfmile-away-breach-human-rights-laws.html
警察が設置する街頭防犯カメラシステムに関する研究会を見るとまたよくわかる。
http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki8/7th_siryou_2.pdf
運用 ・ 効果検証に関する考察
英国の犯罪認知件数はわが国の3倍近く、 また、 テロの脅威が国民の支持率の高さにつながっている。
また、 全国警察改善庁の挙げた重要な視点には、 透明性や犯罪リスクとプライバシーのバランスがあった。 既存調査によると、
英国同様、 わが国でも防犯カメラに対する支持率は高いが、 プライバシーに関する配慮を十分認識する必要がある。 効果検証
結果を適切に公表するとともに、 世論調査を行い、 防犯カメラに対する国民の態度を把握することがのぞましいと思われる。
100 Greatest Britons (BBC Poll, 2002)
100 Greatest Britons was broadcast in 2002 by the BBC. The programme was the result of a vote conducted to determine
whom the United Kingdom public considers the greatest British people in history. The series, Great Britons, included individual
programmes on the top ten, with viewers having further opportunities to vote after each programme. It concluded with a debate.
All of the top 10 were dead by the year of broadcast.
The 20 Greatest Britons:
1. Winston Churchill (1874-1965) - Prime Minister (1940-1945, 1951–1955)
2. Isambard Kingdom Brunel (1806–1859) - Engineer.
3. Diana, Princess of Wales (1961–1997) - First wife of Charles, Prince of Wales, & mother of Prince William & Prince
Harry of Wales.
4. Charles Darwin (1809–1882) - Naturalist; the originator of the theory of evolution through natural selection
& author of 'On the Origin of Species'.
5. William Shakespeare (1564–1616) - English poet & playwright.
6. Sir Isaac Newton (1643–1727) - Mathematician, physicist, astronomer, natural philosopher, & alchemist.
7. Queen Elizabeth I of England (1533-1603)
- Monarch (reigned 1558-1603).
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8.John Lennon (1940–1980) - Musician with The Beatles.
9.Vice Admiral Horatio Nelson, 1st Viscount Nelson (1758–1805)
- Naval commander.
10.Oliver Cromwell (1599–1658) - Lord Protector.
11.Sir Ernest Shackleton (1874–1922) - Polar explorer.
12.Captain James Cook (1728–1779) - Explorer.
13.Robert Baden-Powell, 1st Baron Baden-Powell (1857–1941)
- Boy Scouts & Girl Guides founder.
14. Alfred the Great (849?–899) - King of Wessex (reigned 871–899).
15. Arthur Wellesley, 1st Duke of Wellington (1769–1852)
- Military commander, statesman & Prime Minister 1828–1830 & 1834.
16. Margaret Thatcher, Baroness Thatcher (1925-)
- Prime Minister (1979–1990).
17. Michael Crawford (1942-) - Actor & singer.
18. Queen Victoria of the United Kingdom (1819–1901) - Monarch (reigned 1837–1901).
19. Sir Paul McCartney (1942-) - Musician with The Beatles.
20. Sir Alexander Fleming (1881–1955)
- Biologist, pharmacologist, discoverer of penicillin.
英国人の考える偉大な人を想像させることも教材になると紹介。
現物を見せながら、 商品のプラスティックバッグに書かれていることも教材になることの紹介。
パラリンピックに対する英国人の反応として、
We will never look at disabled sports in the same manner again!
LORD Coe says the Paralympic Games has changed the perception of disabilities and disability sport forever (Metro, Mon.)
■ I was a sceptic but am now a convert. I'm not ashamed to admit I was wrong. What a fantastic summer it has been. For a
small but great nation, we showed. the rest of the world what makes Britain 'Great'. However, I do have one regret - not
getting tickets when I had the chance. Darren Fitch, via Facebook
■ Both the Olympic and Paralympic Games have been absolutely amazing. The athletes have been fantastic, the competition
has been great, as has the organisation and amazing atmosphere.
The country is in high spirits. There were fantastic out-comes with many medals for GB athletes and, as a bonus, the
weather has been kind. Gordon Owen, via email
■ What a fantastic Games. Both Team GB and Paralympics GB deserve the highest praise, as indeed do all the volunteers,
helpers and the armed forces personnel who stepped in to do the security work so magnificently. Can I also give praise to
the Royal Mail and the Post Office for delivering the wonderful gold medal stamps? Stuart Bentley, Essex
■ I used to look down on those with disabilities but the Paralympics have shown me the disabled are people and are worthy of
respect. Joel Arshad via Facebook
■ I think Channel Four deserves a lot of credit for injecting excitement and perspective into an event that was otherwise
taken for granted. It made it mean more to the people than the BBC did for the Olympics. Geoff Morris, via Facebook
■ For me it's been the best year to see sports. The Paralympics have been so wonderful. To see what courage the athletes
have makes me very proud to be British. Congratulations to all those who made it possible. I'm sad it's all finished. Kay
Martin via Facebook
■ A lot of our athletes will probably now lose their disability living allowance if our lovely government gets its way, which will
prevent them competing at such a level again. Elaine Rose, via Facebook
■ It's been so amazing to watch everything. I've been glued to the TV for the past two weeks. It's been incredibly
inspirational to people. Sandra Cockburn, via Facebook
■ Hopefully the Paralympics will instill a civic sense in the public to give extra consideration and space to the old, frail,
vulnerable and disabled, instead of trying to bulldoze all and sundry, especially in cities and crowded venues. Independent
Disabled, Glasgow
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トイレットペーパの歴史 (ヨーク ・ キャッスル ・ ミュージアム)
Toilet Paper
The first toilet paper appeared in 1857. Called ‘medicated paper’, it was sold as sheets in a flat packet. To avoid
embarrassment chemists sold it from under the counter. The first roll of toilet paper was introduced in 1928, followed by soft
paper in 1932 and coloured paper in 1957. Alternatives to bought toilet paper included newspaper cut in to squares.
Evidence from archaeological digs suggests that sponges, leaves, moss, stone and old clothing cut into squares were used
before toilet paper was introduced.
などを紹介した。 他の教材は 3 月の講習時に再度紹介することとする。
当日、 紹介しなかったが、 英国滞在時にジャーナルを綴っていた。 その二日分を紹介し、 今回の勉強会の報告とする。
現地滞在7日目 ヨーク マナースクール
York で滞在しているB&Bは8 : 15 から朝食の時間である。 しかしながら、 8 時 30 分にマナー ・ スクールに行くことになって
いたので、 7 : 30 に特別にお願いした。 パンとヨーグルトだけになったが、 それでも助かった。
8 時にタクシーが来て 、8 時 20 分に着いた。 しばらく受付で待っていると、 校長のブライアンと教頭のマイクが迎えに来てくれた。
1 年ぶりの再会である。 そのままついてこいと言われて、 従って行くと図書室に入った。 そこには全スタッフがいた。 そこで紹介さ
れた。 びっくりした。 本学生のことを the best of the best を連れてきてくれたと言われ 、 これには参った。
それから、 我々だけが別室の小会議室に入り、 学生を前にして校長が話をしてくれた。 学生は一応メモを取っていた。 少し気
合いが入ってきたようだった。 それからは、 学生はそれぞれ案内役の生徒につれられてそれぞれの教室に移動した。
私はしばらく校長と一緒にコーヒーを頂きながら、 話をしてそのあと、 教頭やリーダーの教員の会議に出席することになった。 こ
れまた驚いた。 学校の運営に関する会議に関係者でないものが参加していいものか 、 それにどういう意味があるのか戸惑った。
考えても仕方がない。 校長のブライアンが参加しろと言うのだから、 でも幹部教員は何でこいつがいるのかと思っているだろうと意
識が離れなかった。 入学前の子どもを持つ (10 歳の子ども ) 保護者会をどのような内容で運営するべきかが一つの議題で、 担当
の教員がプランを述べていく。 それを校長が即座に断を下していく。 褒めることも忘れないが 、 何よりも校長としてのビジョンがな
いとダメである。 集まった保護者にポストカードを与えて、 尋ねたいことがあれば送ってもらう、 またインターネットで質問を受ける
場合は 、 課題毎のセクション別の@で仕分けするようと校長から指示が入る。 教員研修をヨークでは市の教育委員会の年 5 回す
ることになっていて ( その日は授業なし )、教員同士で 1 日かけていくつかの課題について話し合ったりする。 ただ、マナー・スクー
ルは 3 回しかしないそうである。 あとの 2 回は保護者との話し合いに当てて、 より実際的に対応するようにしている。
いい教員の獲得が校長として一番の仕事で、 ヨーク大学の教員志望の学生などを TA として呼び込み、 大学と連携した教員
養成の活動を行うとともに、 現場でこれはと思った人物を引き込む努力をしている。 大学の方へは教員の報告だけでなく実際に
授業を受けた生徒が直接大学当局の先生に報告したりするそうである。 校長はマックファンで、 iPad を全教員に導入し、 会議の
時にもデータの確認、 カレンダーを見ながら話を進めている。 委員会からのメール連絡もその場でそれを見ながら紹介していた。
いくつかの委員会 ( かなり多いらしいが ) それぞれにMLがあり、 メールが錯綜するくらい多いそうだ。 教科の準備室もあるが、 教
員スタッフは自教室にほぼ張り付いている。 そのためにも連絡網体制が必要なのだろう。 ただ、我々が紹介されたスタッフ・ミーティ
ングは週に 3 回開かれているので、 意思疎通を図るためのコミュニケーションの場を重視している様子がうかがえた。
教員向けのトレーニング ・ デイが来週用意されているらしく、 その研修内容の検討をしていた。 3 班にわかれて、 bullying policy,
behavior management などを discussion するらしい。 また、 GCSEの問題で 11 年生をどう救うかもかなりの課題になっていた。
Behavior management は生徒だけでなく教員も含まれている。 そこで、 「True Colors」 を導入してトレーニング ・ デイに使おうとし
ている。 そのため、 教員にそれを使ったストレス発散 ・ 意欲の向上を指導する facilitator に数人の教員がなるための研修費用が
いるなど、 教員の資質向上のための施策に必要な費用の予算も学校独自で校長が判断して取り入れている。
TRUE COLORS (トゥルーカラーズ) とは、 自分の個性を知り、
お互いの持ち味や違いを活かしたコミュニケーションを実践する
プログラムである。
リーダー教員の会議のあと、 校長と一緒に Learning Walk で教室の授業を見て回った。 これは校長が教員の授業を見て回っ
て、 一声かけながら教員の授業観察をすることである。 教員評価のための授業観察は一時間きっちり見ることになっている。 組合
教員はこの評価のための視察を年 2 回しか受け入れないとしているらしい。 だからこうやってそれとは関係なく教室に入り込むこと
を行っている。 校長はその場の生徒にも 、 すかさずクイズのような質問を投げかけたりして、 うまく応えた生徒には名前を聞いて、
その生徒の名前をみんなの前で言いながら誉めていた。
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私の方はこのあとドイツ語の授業を見せてもらった。 昼からはまた会議に参加、 最後にまた校長と learning walk に出かけた。 こ
れは正式な評価のための観察で、 校長はメモを取ったりしている。 彼は生徒がどれだけ授業に involve しているか、 engage され
ているかを一番の評価項目にしていた。 生徒が教員の質問にどう答えようとしているか 、 その回答に他の生徒はどこまで引き込ま
れているかをポイントとしていた。 その際、 私にもどうこの授業をどう思うかを尋ね 、 回答するとそれを伝えることにするなどと即座
に言っていた。 私の見方が異なると考えていて、 それを取り入れることにしていたようだ。 観察が終わるとすぐに彼は校長室から
授業観察した教員へメールでコメントなどをすぐに送りつけていた。 素早い行動であった。
放課後、 本学生と教頭を交えて授業など全般についてコメントし話し合った。 数学の授業では実際にテニス・コートの長さを測っ
たりしたことに学生はびっくりしたようだ。 教科書 ( テキスト ) を授業で先生が配り 、 生徒は教科書を自分では持っていないことにも
驚いていた。 付け加えると 、 学校はテキスト会社とライセンス契約をして、 ウエブ上でパスワードを打てば 、 教科書を自宅で見るこ
とができるようにしている。 音声も出る。 バーチャルテキストと言っていた。 この方法がいいのかどうかは分からないが、 IT 化を押
し進めている。 ただし、 これを押し進めると教材内容の画一化となり、 目の前にいる生徒を意識した教員の個性的な進め方、 工
夫した進め方は望めないかも知れない。 教育には生徒一人ひとりに向き合うという原点の哲学が必要である。
マナースクール2日目+知人宅訪問
9 時半、 歩いてヨークセンターまで歩き National Railway Museum をまず訪ねた。 日本の新幹線の 0 型が置いてある。 何よりも
ハリーポッターの機関車が設置されている。 入り口で寄付金を払った。 Great Court にハリーポッターの機関車があった。 学生は
熱心に写真を撮っていた。 そこらは 、 市のマーケット、 Shambles を訪ねたりした。 昼食を取り、 タクシーに乗ってまた、 マナー ・
スクールに向かった。
12 時 45 分ほどに着いた。 受付を済ませ待っているとマイクがやって来て、プレゼンのためのコンピュータの確認をすることになっ
た。 教室はマック環境でなかった。 結局私はプレゼンをしなかったが、 学生は緊張しながらもそれなりにがんばった。 英語がさっ
と出てこないということもあった。 もう少しゆっくりと思うところもあった。 改善の余地は多々あったが、 英国の中学生を前に授業で
プレゼンをすることに最初、 心臓が破裂しそうであったと思う。 時間の使い方が頭に入っていないほど緊張していたと思うが 、 とに
かく頑張った。 いい経験になったと確信する。 終わったあと、 達成感でいい意味での自信を持ったようだ。
この二日間のマナー ・ スクールでの活動は大いなる好結果を彼らに残したようだ。 マナー ・ スクールの校長教頭をはじめスタッ
フの理解に感謝する。 ヨークの住民がそうアジアの国へ行くことはない。 そういう意味でアジアの人間が話したことはマナー・スクー
ルにとってもよかったのだろう。
授業が終わって、 知人の娘さんの Ella が迎えに来てくれた。 知人の家まで 30 分弱かけて歩いていった。 着くと奥さんのビブが
いろいろともてなしを考えていてくれた。 7 人も押しかけているのだが、 軽食からメインの食事、 チョコレート ・ ケーキまで作ってい
てくれた。 学生も感激していたようだ。 イラに家の中を紹介してもらっていた。 英国の娘さんお部屋を見ることができたこともよかっ
たであろう。 何よりも温かなもてなしに心が和んだことだろう。 7 時頃に知人の知り合いの老夫妻がやって来て学生と楽しく話し合っ
ていた。 私は知人のスティーブが仕事から帰ってきたので、 二人でゆっくり話し合った。 1 年ぶりの再会を確かめ合った。 "meet
up" という表現は、 「時間をとって落ち合ってともに時間を過ごす」 というニュアンスがある。 まさに meet up であった。
しばらくして、 知り合いと学生が話し合っているところに行き、 スティーブに英国での child-abuse の現状や彼がその子どもを救
出することにどう奮闘しているかなどの話を当事者として学生に話してもらった。 懸命に学生は耳を傾けていた。 とてもいいレク
チャーになった。 娘さんのイラも一緒にいてくれ 、 楽しい会話の時間をもった。 願わくば 、 学生にもっと積極的に話して欲しかっ
たが、 内容が難しくなると仕方がないのかも知れない。 ショッピングの話になると元気になった。
9 時くらいまでお邪魔して、そこから車で宿泊しているところまで、2 回に分けて送ってもらった。ありがたいことである。2 回目に戻っ
た学生にはイラも同乗して宿泊先まで来てくれて別れを惜しんだ。 学生は感激していたことだろう。
今日の一日は、 非常に有意義であった。 彼らもささやかなプレゼントを持って来ていたが、 知人の奥さんも学生一人ひとりに手
作りのお土産を用意していてくれた。 本当に感謝である。 私も私の娘が手作りのサシェットや妻の手作りのネックレスなどいろいろ
とお土産を持っていった。 喜んでもらって何よりであった。
“Yes, we also see you as part of our extended family...the world is big place, but it is also very small and we have many, many
things in common...we understand each other on a deep level!” 知人の奥さんからもらった言葉であった。
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第 19 回勉強会 「英語の教え方教室」 報告 2012( 平成 24) 年 11 月 17 日 (土) 14:00 〜 17:00
—クイーンズランド大学での研修で学んだことー Student-centered の授業展開における効果的実践方法について
大阪府立豊中高等学校 北村 浩子 教諭
今日は本学大学祭であるが、朝から雨が降っており、戸外に模擬店を出す学生達はかわいそうであった。
雨で足下の悪い中、 今回も 15 名の先生方にお越しいただき、 学生や本学教員を併せ 21 名が集って勉
強会を開くことができた。 3 名の方が初めて勉強会に参加された。 感謝である。 少しでも、 現場の先生の
役に立つことになれば幸いと思う。
さて、本日は、大阪府立豊中高等学校 北村浩子先生に「—クイーンズランド大学での研修で学んだことー
Student-centered の授業展開における効果的実践方法について」 で発表していただきました。 大阪府が
クイーンズランドと姉妹関係にあることから、 その事業として毎年5名の参加者を募集され、 今年は4名が参加したとのことであった。
校長の推薦要、 府教委による書類審査、 面接試験があるそうだが、 参加者の中では年長であったそうです。
今日の発表は、 百十数ページに及ぶ現地資料をもとに、 次の 5 つの項目を取り上げてお話いただきました。
1. Pair Work and Group Work
2. Classroom Language
3. Teaching Vocabulary & Vocabulary Activities
4. Pronunciation Stations
5. Checking Students’ Understanding of New language
まず、 Pair Work and Group Work について
ペア ・ グループ活動を行う際に見られる生徒に関する問題点と教員の問題点チェックシートを参照しながら、 どのような解決方
法があるかを提示されている Solution リストから選んで考え、 ペア ・ グループ活動の改善につなげるというものであった。
たとえば、 生徒が有する課題のチェック項目は、
1. Some students speak L1 if I put them in groups.
2. Different groups finish the task at different times
3. My students get bored working with the students in their row and I can’ t move the furniture.
4. Good students do all the work & lazy students do nothing.
5. My students are confused by group activities.
これらに対する possible Solution のリストは、
1. Do group work regularly so that it becomes part of the normal classroom routine and can be very quickly set up.
2. Use tasks that force all group members to contribute, such as information gap activities and jigsaw reading questions.
3. Ask students to turn around to speak to the people behind them or ask students at the end of each row to swap places with
the person at the end of the adjacent row so that the groups have a ‘fresh’ person to talk to.
4. Give a role to each group member during the activity. For example: Leader-keeps group on task. Secretary-makes notes.
Reporter-gives answers to the class. Time keeper-keeps time. Monitor- fills observation task sheet.
5. Ensure that the tasks are not too difficult for learners so that they don't really need to use L1 to express themselves.
6. Ask instruction check questions and do examples beforehand.
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