タイトル:貸借対照表の2つの箱の関係 これまで、経済性分析の基本指標である「総資本経常利益率」を「売上高経常利益率」× 「総資本回転率」に分解し、さらに、「売上高経常利益率」についての深掘り(=収益性分 析)を行いました。 今回は、もう片方の「総資本回転率」を見て行きます。 総資本回転率は、式で表すと以下の通りになります。 総資本回転率=売上高÷総資本 総資本とは、「その会社につぎ込まれたお金」であり、従って、総資本回転率は、「つぎこ まれたお金に対して、どのくらいの売上を上げることができたか」を示します。 これは、「お金がどれだけ効率的に使われているか」を確かめるもので、「効率性分析」と 言われます。 それでは、お決まりの通り、数字をどんどん深掘って行きましょう。 収益性分析では、損益計算書をどんどん切り刻んで行きましたよね。 効率性分析では、その相方である貸借対照表を切り刻みます。 「貸借対照表を切り刻むってどういうこと?」 確かに、損益計算書と比べると分かりにくいかもしれませんね。 「貸借対照表ってどういうものか」をもう一度思い出してみましょう。 NO.15では、貸借対照表を以下のように説明しました。 <貸借対照表とは> ある一定時点(通常は期末の最終日)における、企業の財産表。 当該企業が、どれだけのお金や物を商売に使っているのか、また、その財源は何なのかを 把握するための道具。 多分、NO.15を読んだ頃は、「ふーん、そんなもの」で終わっていたと思いますが、も う少し、その意味をしっかり理解してみましょう。 貸借対照表は、左右2つの箱に分かれていて、どちらの箱も、その合計値が同じです。 そして、左の箱は「資産」、右の箱は「負債および資本」。 ここまでOKですか? 貸借対照表の2つの箱の意味は、「負債及び資本」として調達してきたお金を、諸々の資産 につぎこんでいるのです。 会社を運営して行くためには、お金が要りますよね。 そのお金は、 「借金(負債)か自分のお金(資本)」のいずれかで調達されます。 そして、その調達したお金で、社屋を建てたり、設備を買ったり、在庫をつくったり。 要するに、「つぎ込まれているお金が何に使われているか」は、「資産(左)」の箱を見れば わかるのです。 ということで、「貸借対照表を切り刻む」ということは、資産を切り刻むということなので す。 効率性分析については、具体的には次回からにしましょう。 今日のポイントは、貸借対照表の2つの箱の関係を理解すること。 …添付ファイルで復習しましょう。 非常に基本的なことなのですが、会計をちょっと知っている人でも、意外と皆、分かって いないのです。
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