2016 年 11 月 経営概況説明会 質疑応答要旨 日時 2016 年 11 月 16 日 場所 三井化学本社内会議室 説明者・応対者 代表取締役 社長執行役員 (CEO) 淡輪 敏 代表取締役 専務執行役員 (CFO) 久保 雅晴 代表取締役 専務執行役員 (CTO) 諫山 滋 説明資料 15:00~16:30 2025 長期経営計画 CEO Explanation Q&A Q1.2025 年の営業利益目標 2,000 億円について、ハードルは高いものの、達成不可能な水準ではない、と感じてい る。今後の拡大について、どのような領域に期待しているか、説明してほしい。 A1.10 年先までの道筋には不確実性が伴うものの、一定の財務規律を意識した上で成長投資を行っていけば、ポテンシャ ルとして到達し得る目標値だと思っています。 成長を牽引するのは、モビリティ、ヘルスケア及びフード&パッケージングの 3 領域であるのは間違いなく、モビリティ領域とフ ード&パッケージング領域は、既にある程度の感触を持っています。ヘルスケア領域についても、強みのある既存事業を着実 に伸ばしつつ、新たな取り組みを事業として成立するかたちに仕上げていこうと思います。 Q2.売上高目標 2 兆円の領域別内訳を教えてほしい。 A2.モビリティ、ヘルスケア及びフード&パッケージングの 3 領域で 3 分の 2 弱、基盤素材領域で 3 分の 1 弱、残りを新事業・ 次世代事業で実現したい、と考えています。 Q3.モビリティ領域における主要製品の成長見通しについて、説明してほしい。 A3.自動車産業を取り巻く環境規制が強化される中、軽量化、そして樹脂化の動きは、今後も大きく変わることはない、と考 えています。環境規制は、今後、グローバルに同水準化していくことが想定されますので、その動きを注視しつつ、お客様へ のソリューション提案活動に取り組んでいく方針です。 Q4.モビリティ領域の PP コンパウンド事業について、今後の欧州・北米市場での取り組みを説明してほしい。 A4.シェアの低かった欧州市場では、自社設備を検討するレベルにまで事業拡大しています。また、北米市場における技術・ 提案力も向上しており、こちらも更なる拡大につなげる計画です。 Q5.サービス価値提供も必要なヘルスケア領域の拡大については、三井化学の得意とする技術力だけでは足りない要素 があると考えるが、どうか。 A5.ご理解のとおり、自社グループの技術だけでは、チャレンジングな目標には届かない、と感じています。思い切った連携・提 携も視野に入れ、拡大を図りたい、と思っています。 Q6.ヘルスケア領域の歯科材料事業の現況について説明してほしい。 A6.課題として認識している「北米の販売体制再構築」及び「デジタル化トレンドへの対応」については、対応策を着実に進め ています。各施策が収益に結び付くよう、しっかりとフォローしていきます。 Q7.2025 年を見据えた農業化学品事業のポテンシャルについて、説明してほしい。 A7.新規原体の中には、規模を期待できる材も含まれています。様々なスキームを検討し、利益拡大につなげていく方針で す。 Q8.フード&パッケージング領域の利益拡大は、農業化学品が中心となるのか。 A8.農業化学品に限らず、コーティング・機能材や機能性フィルム・シートの拡大にも期待しています。 Q9.今期の業績予想では、基盤素材領域の営業利益が大きく改善している。外部要因を除いた実力の利益水準は、ど の程度だと考えているか。 A9.様々な構造改革に取り組んできたものの、環境が大きく変動するような事態においては、基盤素材領域の利益が喪失す るリスクを孕んでいます。様々な選択肢を視野に入れて更なる構造改革に取り組みつつ、基盤素材領域の魅力的な製品 をどう育成するかが課題である、と考えています。 1/2 Q10.基盤素材領域のリスク低減策について、更なる抜本的な構造改革を考えているか。 A10.基盤素材領域の構造改革については、これで終わった訳ではありません。不確実な将来に備えた施策は前広に進めて おくべき、と考えています。 Q11.次世代事業の育成について、その考え方を説明してほしい。 A11.当社グループの経営理念にある「高品質の製品とサービスを顧客に提供」することが、次世代事業のコンセプトです。経 営理念前段にある「材料・物質の革新と創出」は自社グループで行う一方、「高品質の製品とサービスを顧客に提供」する ことについては、昨今の小規模 M&A による顧客接点の拡大に加え、オープンイノベーションでの研究開発に取り組んでいく 計画です。研究開発に関する経営資源投入については、現状の研究開発コスト構成をそのまま拡大するのではなく、オー プンイノベーションにも資金を投じて、顧客との接点を広げる取り組みを加速していくことを考えています。 Q12.ロボット材料事業開発室の取り組みについて、詳細を説明してほしい。 A12.この取り組みは、数年前にある事業本部のスポンサーシップで始めた活動が起点になっています。ロボットには、モビリティ の最先端技術が詰まっています。この最先端領域に対し、研究所の 30~40 代の社員を中心に、三井化学の材料・技 術を集めてソリューション提案しよう、という自主的な取り組みが立ち上がり、16 年 4 月から正式な組織を立ち上げることに なりました。メンバーのモチベーションも高く、非常に期待しています。ロボット材料事業の他にも、デザイナーと一緒に新しい 素材の可能性を考える「そざいの魅力ラボ(MOLp™)」」という取り組みも、モビリティ、ヘルスケア及びフード&パッケージン グの 3 領域全てにおいて進めています。 Q13.営業利益は、2025 年までにどのような拡大ペースとなる見通しか。 A13.喫緊に供給能力を拡大すべき製品群があることから、最初の立ち上がりはゆっくりとした拡大ペースになる見通しです。 Q14.小規模の設備投資が多かった過去の事例を踏まえると、成長投資 1 兆円はかなりの規模感に感じる。何か大型案 件を計画しているのか。 A14.近い将来、供給能力不足に至る製品が数多くあり、顧客への供給責任上不可避に近い投資を積み上げるだけでも相 当な金額になります。その上で戦略投資を果敢に行い、事業の拡大を図りたい、と考えています。 Q15.過去の大型 M&A から学んだことは何か。 A15.今は大型 M&A を総括するタイミングではありませんが、PMI(Post Merger Integration)を如何に丁寧に実行するか が大切であることを学びました。一般的に M&A の成功確率は高くない、と言われているものの、拡大のためには、自社グル ープにない技術や周辺領域に狙いを定め、一定の規律を持った上で積極的に進出する覚悟が必要、と考えています。 Q16.財務規律を持って、という言葉が出てきたが、今後の財務状態について、どのような見通しを持っているのか。 A16.2025 年時点で、営業キャッシュ・フローは足下の倍近くまで拡大する見通しであり、投資の拡大に耐え得る状態にな る、と考えています。また、自己資本の拡大により、目標とするネット D/E レシオについても達成可能、と考えています。 Q17.株主還元方針について定量的な言及がなかったが、考え方を説明してほしい。 A17.持続的な利益成長を背景に、更なる増配を目指していく所存です。 Q18.新しい長期経営計画の中で、「変わる」部分は何か。 A18.現中計期間は、変わらざるを得ない環境の中、構造改革に取り組んできました。ポートフォリオ転換の方向性に手応え を感じており、今後もこのコンセプトを変えずに進めていく一方、環境の変化には迅速・柔軟に対応し「変わる」必要があるこ とを日々社員に伝え、意識の変革に努めています。 以 2/2 上
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