宅建こうち - 高知県宅建協会

KOCHI TAKKEN KYOKAI KOUHO
2017
l.119月発4行
vo
成 29 年
平
特
集
新春号
高知城の追手門に2017 年春、山内家の伝来の資料などを保存、展示する高知県立高知城歴史博物館が開館します。
重厚な造り、石張りのある壁面、正面玄関にはイベント告知などを行う掲示板も設置されています。
2017年3月4日より 高知
高知城歴史博物館 はじまる!
県立
高知県立高知城博物館 追手筋側正面玄関
02-04
新年のご挨拶
05
研修会開催報告
宅地建物取引士資格試験実施報告
06
空き家・空き土地の無料相談開催報告
ハトマークサイト高知に関する意見交換会を開催
07
不動産無料相談開催案内
会員の異動のお知らせ
08-09
紛争事例
10-11
12
『3 月 4 日一般公開!
高知県立高知城歴史博物館』
一般公開セミナー開催案内
空き家・空き土地の無料相談開催案内
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
会員の皆様、県民の皆様には、幸多き新春をお迎えのこととお慶
宅 建こ う ち
び申し上げます。
さて、平成28年の日本経済は、次期米国大統領トランプ氏による
TPP離脱表明が締めくくる通り、揺れ動く世界経済の動向に慎重
な対応を余儀なくされた一年でありました。
日本国内においては、熊
公益社団法人
本、鳥取中部など大型地震の発生が相次ぎ、
また少子高齢化の波
公益社団法人
は地方から国内全域に拡大するなど、経済の中核を担う宅地建物
取引に携わる我々においても、今後の業界の役割と使命を再確認
高知県宅地建物取引業協会
全国宅地建物取引業保証協会高知本部
会長・本部長
山下 徳隆
する年となりました。
本会では、地震対策としての津波浸水予測区域からの転居、空き家対策の推進、過疎化対策
としての移住促進など、土地住宅に関わる重要課題への取り組みを継続しました。具体的には、市
街化調整区域への移住や区域内での賃貸借の規制緩和、農地法の改善などの政策提言活動
の継続、居住支援協議会での会員専門機関等による空き家対策部会の発足、高知県移住推進
協議会への協力のほか、昨年開催し多数の利用者があった
「空き家・空き土地の無料相談」
を本
年度は2回(2回目は3月開催予定)開催するなど、今後も多面的な事業を展開して参ります。
また、本会の公益事業の軸でもある情報提供業務においては、不動産情報収集管理システム
を一新し、
「ハトマークサイト高知」
として4月より運用を開始しました。本システムを利用して不動産
情報を閲覧される一般消費者の方には画像情報の充実や候補物件の比較検討がしやすいな
ど、新しい機能を搭載したシステムとなっております。
また、物件登録者向けの検索機能に関しまし
ては、来年にかけて日報情報機能の追加など更に使いやすいものとなるよう研究と改良を行って
参ります。
このほかにも、会員業者の資質向上のための研修事業、住生活を豊かにし、宅地建物
取引を身近に感じてもらうために開催しております消費者セミナーや広報誌の発行等も、利用者に
満足いただける情報の提供を目指して活動して参ります。
本会をご支援いただきます会員の皆様、消費者の皆様のお陰をもちまして、宅建協会は本年、
昭和42年の設立から50周年を、
また保証協会高知本部は45周年の節目を迎えることとなりまし
た。業界の発展と公共の福祉のために発足した本会は、平成24年の公益法人改革を経て公益
社団法人として生まれ変わり、
また次の50年に一歩を踏み出しました。安全で快適な住宅の確保
と適正な不動産取引推進のため、
「人と住まいを守り・育てる」事業をこれからも実施して参ります。
最後に皆様方の益々のご発展とご健勝を心よりご祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせて
いただきます。
2
全宅連50周年・全宅保証45周年の節目の年
を策定します~
~「ハトマークグループ・ビジョン2020」
述べさせていただきます。
ご承知のとおり、昨年は英国のEU離脱、米国大統領選挙トラン
公益社団法人
プ氏勝利・TPP離脱表明等、今後の世界経済に大きな影響を及
全国宅地建物取引業協会連合会
ぼす出来事がありました。国内では、
日銀のマイナス金利政策による
全国宅地建物取引業保証協会
住宅ローン金利の史上最低更新、国勢調査で戦後初めて総人口
宅 建こ う ち
新年あけましておめでとうございます。年頭にあたり一言ご挨拶を
公益社団法人
会長
伊藤 博
が減少に転じるなど少子高齢化傾向が進んでおります。
このような中、喫緊の課題である既存住宅流通活性化対策としては、税制面で住宅や土地の
所有権移転登記に係る登録免許税の軽減措置や事業用買換え特例など各種流通課税の特
例が延長されました。空き家対策として本会が要望してきた所有者情報開示は、国交省にて関係
省庁と協議のうえ今年度中にガイドラインが策定される見込みです。
また、空き家・既存住宅活性
化のため実態に則した媒介報酬規定の見直しも引き続き検討する所存です。
本年4月1日施行の改正宅建業法にて全宅連に対し体系的な研修実施の努力義務が課せら
れるとともに、全宅保証は研修費用の助成を行うことができるようになります。
これを契機に不動産
キャリアパーソンの更なる充実に取り組んでいく所存です。
また弁済業務保証金の弁済対象者か
ら宅建業者が適用除外となるため引き続きコンプライアンス等の徹底を図っていきます。
平成29年は全宅連創立50周年・全宅保証創立45周年の節目の年であります。昭和42年
の全宅連発足、同47年の全宅保証発足以来現在に至るまで両団体は、土地・住宅政策要望、
大手フランチャイズ対策、
レインズの構築、銀行の不動産業進出問題、宅建士名称変更、苦情解
決・弁済業務等、業界最大の公益団体として宅地建物取引の適正な運営と消費者保護の面で
多大な役割を果たしてきました。
本会では次なる50年に向け、現状を分析し戦略課題を明らかにし
「ハトマークグループ・ビジョ
ン2020」
を策定いたします。本ビジョンにより各都道府県協会の進むべき道筋を示すとともに、全
宅管理・ハトマーク支援機構と連携し、
「 地域により添い、生活サポートのパートナー」
である皆様
の経営基盤の強化・業務支援を展開する所存です。
「みんなを笑顔にするために」会員各位のますますのご繁栄とご健勝をお祈り申し上げ、新年の
ご挨拶とさせていただきます。
3
新年明けましておめでとうございます。
公益社団法人高知県宅地建物取引業協会並びに会員の皆
宅 建こ う ち
様におかれましては、
お健やかに新春をお迎えのこととお喜び申し
上げます。
また、皆様には、県内の住生活の向上や、県民の皆様の豊か
高知県知事
尾﨑 正直
な暮らしを実現するパートナーとして日頃からご尽力いただいてお
りますことに、心から感謝申し上げます。
さて、昨年4月には熊本地震、
また10月には鳥取県中部地震が発生し、
それぞれの地域に甚大
な被害がもたらされました。高知県におきましても、職員の派遣など様々な形で支援をしているところ
ですが、今後もできる限りの支援を継続していきたいと考えています。
近い将来必ず起こるとされている南海トラフ地震対策については、本県の最重要課題として、全
力を挙げて取り組んでいるところであり、
その中でも貴協会とは、平成17年から
「大規模災害時に
おける民間賃貸住宅の媒介に関する協定」
を締結し、被災時に必要となる応急仮設住宅として民
間賃貸住宅を借上げ、被災者に提供する応急借上げ住宅制度の充実を進めています。
また、近年重点的に取り組んでいる移住促進の取り組みでは、貴協会には、移住推進協議会や
居住支援協議会の取り組みへの参画に加え、本県への移住促進に関する協定書に基づき県外か
らの移住希望者に空き家等の不動産情報を提供されるなど、多大なご協力をいただいています。
こうした取組の結果、県外から本県への移住者数は、平成27年度では518組864人、平成28
年度には10月末時点の実績で414組609名となっており、大きな成果をあげているところです。今
後も、
より一層のご協力をお願いします。
一方、宅建業界では、昨年5月には宅建業法の一部を改正する法律が成立し、宅地建物取引
業者が媒介契約の締結や重要事項説明及び書面の交付、売買等の契約を行う際、
その成立時
にそれぞれ建物状況調査にかかる説明と、書面を交付することが新たに義務付けられました。
これにより、既存住宅の取引時において、消費者が住宅の質を把握しづらい状況が解消されるこ
とで、消費者が安心して取引を行える環境が整うものと期待しています。
県としましては、県民の皆様が安心して暮らしていける県土づくりを目指して全力を挙げて取り組
んでまいりますので、貴協会並びに会員の皆様におかれましても、
引き続きご支援・ご協力を賜ります
ようお願い申し上げます。
結びに、新しい年が皆様にとって、
すばらしい一年となりますよう、心からご祈念申し上げて、新年
のご挨拶とさせていただきます。
4
研修会 開催報告
12月8日、ザ クラウンパレス新阪急高知において研修
会を開催し144名が受講しました。今回は全宅連研修パッ
クの課題から宅地建物取引の実務に沿ったテーマを取り
上げ、参加者は熱心に耳を傾けました。
宅 建こ う ち
また、研修会終了後は忘年会を開催し盛会のうちに終
了しました。
〔研修課題〕
鈴木 崇裕 講師
『すぐに役立つ 定期借家基礎知識』
吉田修平法律事務所 弁護士 鈴木 崇裕氏
『すらすら覚えて指導できる 業法・民法の急所!』
(NPO)日本レジデンシャル・セールスプランナーズ協会
理事 谷中 健太郎 氏
他
谷中 健太郎 講師
忘年会の様子
熱心に受講する参加者
宅地建物取引士資格試験 実施報告
10月16日、高知情報ビジネス&フード専門学校、高知プリンスホテル、
高知市文化プラザかるぽーとの3会場において宅地建物取引士資格試験
を実施し、525名が受験しました。
合格者の発表は11月30日に行われ、実施結果は下記のとおりです。
○ 平成28年度実施結果概要
受験申込者数(名)
受験者数(名) 受験率
合格者数(名)
合格率
全 国
245,742
198,463
80.8%
30,589
15.4%
高 知
621
525
84.5%
77
14.7%
○ 合否判定基準 50問中35問以上(登録講習修了者は45問中30問以上)
の正解者
5
空き 家・空き土
研 修地
会の 開
無料
催相
報談
告 開 催 報 告
11月23日、高知市の帯パラ広場(高知中央公園北側)
において昨年に続いて2回目となる
「空き家・空き土地無
料相談」
を開催し、多数の利用者が訪れました。
相続した不動産や老朽化した空き家の、有効利用や適
宅 建こ う ち
正な管理などについて、
4名の相談員と午後からは森裕之
弁護士も同席して相談者に対応しました。
また、建物の耐震診断、補強工事、解体、
これに伴う補助
事業の有無など、関連資料やチラシ等も配布しました。
なお、消費者の関心も高いことから、平成29年3月
会場の様子
25日に本年度2回目の
「空き家・空き土地の無料相談」
を開催しますので、ぜひご利用下さい。
(※詳細は本誌、裏表紙に記載しています。)
ハトマークサイト高知に関する意見交換会を開催
11月29日に当会の流通システム
「ハトマークサイト高知」
に関する意見交換会を開催しました。会には当会役
員の他に、流通システムを利用している17会員が出席し、多数の会員の皆様より提出頂いた流通システム改善
要望書を山下会長が受領しました。
その後、今後のシステム運営について意見交換を行いました。
本会では、今後も情報提供委員会を中心に、操作説明会並びに流通システムに関する意見交換会を実施し、
より利用しやすいシステム作りを進めて参ります。
― 現在開発中の追加機能 ―
前システムで利用していた日報情報機能を開発しています。今回の日報情報は前システムの内容に加え、検
索機能や表示設定(例:高知市だけの日報情報など)等の新機能が予定されており、3月のリリースを予定してい
ます。
また、
リーフレット機能のレイアウトを変更し、画像を大きく、店頭で利用しやすい明るい配色とするため開発を
進めています。
流通システムに関する要望書を受け取る山下会長
6
意見交換の様子
不動産無料相談開催案内
不動産会館ご案内図 升形の電停を南に入る
〔定期相談のご案内〕
高知城
毎週 火曜日・金曜日 午後1時から4時まで宅建協会(不
県庁
動産会館)
で
『不動産に関する無料相談』
を行っています。宅
市役所
地建物取引に関わるトラブルや疑問などお気軽にご相談下
電気ビル
升形
出雲大社
毎月第1・第3金曜日は弁護士相談も実施(午後1時から3時まで)
県庁前
高知会館
高知県不動産会館
〔地区無料相談のご案内〕
地 区
開催日
会 場
南国地区
1月21日(土)午後1時から4時
南国市商工会館(南国市大埇甲1623-5)
幡多地区
2月23日(木)午後1時から4時
四万十市中央公民館(四万十市右山五月町8番22号)
宅 建こ う ち
さい。
グランド前
〔お問い合せ〕
(公社)高知県宅地建物取引業協会/(公社)全国宅地建物取引業保証協会高知本部
高知市上町1丁目9番1号 電話088-823-2001
◆会員の異動のお知らせ
【新入会者のご紹介】
(平成28年9月20日承認)
(平成28年9月20日承認)
① 北地区 大臣免許(5)5321
② 和建設(株)
わっとプラザ
③ 中澤 陽一(支店長:近藤 誠治)
④ 高知市東秦泉寺5-1
⑤ 掛橋 徹/掛水 美千由(2948/3876)
⑥ 088-822-7100
⑦ 088-822-7100
(平成28年10月24日承認)
① 中央東地区(1)2795
② (株)
アール不動産高知店
③ 齋藤 良浩
④ 高知市宝永町3番15号
⑤ 浜口 美佐(4258)
⑥ 088-802-6077
⑦ 088-802-6078
① 東地区(5)2269
② (株)高知ハウス高知インター店
③ 和田 英知(支店長:益 みさき)
④ 高知市薊野西町1丁目34-20
⑤ 大森 淳(4454)
⑥ 088-856-7275
⑦ 088-856-7650
① 地区名/免許番号
② 商号
③ 代表者
④ 事務所所在地
⑤ 取引士(登録№)
⑥ TEL
⑦ FAX
(平成28年11月21日承認)
① 北西地区(1)2865
② (株)
アースハウジング
③ 濵田 英夫
④ 高知市桜馬場8番19号
⑤ 渡邊 和子/大﨑 希(3569/4463)
⑥ 088-802-6600
⑦ 088-802-6601
【退会者】
地区名
免許№
商号
代表者
資格喪失日
須 崎
2463
㈲中平工務店
中平 勝則
2016/10/20
中央西
2667
丸西木材㈲
西川 幸信
2016/10/25
東
1779
㈲福岡住宅
福岡 勝一郎
2016/11/01
北 西
0229
曙 商 事
岡田 純子
2016/11/08
西
2471
㈲アスティ・コーポレーション
池田 裕子
2016/12/01
7
紛争事例 〔(一財)不動産適正取引推進機構発行「RETIO №103」より転載〕
最近の判例から -瑕疵担保責任・告知義務違反-
中古マンションの設備故障等につき、
宅 建こ う ち
売買時にその存在を認識し得ていたとして、
買主の瑕疵担保請求が否定された事例
笹谷 直生
内覧が不可であった賃貸中の中古マンションの売買
件建物の設備等について、経年変化及び使用に伴
において、
引渡し後に設備等の不具合が発見されたとし
う性能低下・キズ・汚れ等があるが、本件建物が賃
て、買主が売主に対し、瑕疵担保責任、告知義務違反
貸中であるため、
その内部を実査、点検することがで
等に基く損害賠償を請求した事案において、買主主張
きず、室内部の現状及び建物付帯設備の状況は不
の不具合は、建物の経年・重要事項説明等により認識
明であり、引渡し後修理・交換が必要となった際に
し得たもので隠れた瑕疵には当たらない等として、その
は、買主の費用負担が発生する場合がある」
旨の説
請求を棄却した事例(東京地裁 平成27年1月23日 控訴
明をした。
棄却 ウエストロー・ジャパン)
・本件売買契約の特約として、
「買主は賃貸人の地位
を継承した後は、
自己の責任と負担において賃借人
1. 事案の概要
平成25年3月、買主X(控訴人・ビジネス及びマネージメン
トコンサルティング等を行う合同会社)
は、売主Y(被控訴人・
個人)
がA(訴外・賃借人)
に対し賃貸中である、築40年超
との関係を処理するものとする。
ただし、賃貸人の地
位の移転前に起因して生じた売主又は賃借人の債
務不履行については、売主の責任と費用負担によ
(本件特約)
が付された。
り解決する。」
本件建物引渡し後、Xは「エアコンの室外機の故障
(本件建物)
につき、下記経緯等のもと、 及び本体の頻繁な不作動、
の中古マンション
トイレの流水ボタンからの水
仲介業者を介して本件売買契約を締結し、本件建物の
漏れ、洗面台の蛇口からの水漏れ、
シャワーからの水漏
引渡しを受け、Aへの賃貸人の地位を承継した。
れ、浴室の壁、
その入り口の床及び扉の腐食、洋室の
(経緯等)
・Xは、Aが居住中で本件建物の内覧ができなかった
具合)が本件建物にあったとして、
Yに対し
「①瑕疵担保
ため、
「 過去に本件部屋のリフォームがされたか否
責任、②告知義務違反、③本件特約による修繕義務違
か、本件部屋の設備の修繕がされたか否か」
を問い
反」
を理由として、修繕費用相当額等83万円余を求める
合わせたが、仲介業者より
「本件建物の中は見てい
本件訴訟を提起した。
ないので把握していない」
旨の回答がなされた。
原審は、Xの請求を棄却したため、Xはこれを不服とし
・仲介業者はXに対し、重要事項説明において、
「本
8
(本件不
電気スイッチプレートの破損、
コンセントの故障」
て控訴した。
よりも後であれば買主であるXが、
それぞれ賃借人に対
2. 判決の要旨
する責任を負うべきことを定めたものと解するのが相当
であり、本件売買契約締結時よりも前に生じた不具合の
修繕又はこれに係る費用を、Yに全て負担させる趣旨と
した。
までは解されない。
(1)
「隠れた瑕疵」
とは、通常人の普通の注意によっ
以上によれば、Xの請求には理由がない。
ても発見できない瑕疵をいうところ、本件建物は建築さ
れてから既に40年以上が経過し、相応の老朽化をして
3. まとめ
いることが懸念されること、重要事項説明書においても
本件居室には経年変化及び使用に伴う性能低下・キ
本件においては、内覧ができなかった賃貸中の中古
ズ・汚れ等があることが明示されていたことを併せ考え
マンションの売買において、建物の経年、当該売買契約
れば、本件建物の購入を希望するXとしては、
その付帯
締結の経緯、仲介業者の重要事項説明の内容等から、
設備等に本件不具合が存在することは容易に想定する
買主主張の瑕疵は、買主において想定された不具合で
ことができたと考えられる。
あり、当該不具合がある可能性を承知の上、本件売買
また、Xは内覧の方法を採らなくとも、本件建物に居住
契約を締結したものと判断されたことから、その主張が
するAに尋ねれば付帯設備等の状況を容易に確認する
棄却されたものと思われる。
ことができたのであり、Y又は仲介業者からは本件部屋
本件とは反対に買主の瑕疵担保請求が認められた
の状況について明確な回答が得られなかったのであれ
裁判例として、
「 賃貸中の不動産の売買引渡し後に判
ば、
なおさらそのような追加調査を行うのが通常と解され
明した漏水等につき、売主の瑕疵担保責任が認められ
るところ、Xはこれを行わなかったのであるから、
「隠れた
(RETIO98-120)があるので、
併せて参考として
た事例」
瑕疵」
があるとするXの主張には理由がない。
いただきたい。
従って、Xの瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求は
内覧が不可能な賃貸中の物件の仲介において、媒
理由がなく、
また、本件不具合は通常人の普通の注意に
介業者は、想定される不具合につき、売主・買主どちら
よって発見することができたものである以上、YがXに対
の負担になるのかの合意を、売買契約前に十分に詰め
してそのような瑕疵の存在を告げる義務は生じないか
ることになるが、万一、後日その取引に疑義が生じた場
宅 建こ う ち
裁判所は、次のとおり判示し、原審同様Xの請求を棄却
ら、告知義務違反に基づく損害賠償請求も理由がない。 合において、売買契約書、重要事項説明書、媒介業者
(2)Xは、本件特約において
「賃貸人の地位の移転
の営業記録は、売主・買主の売買契約締結の経緯・合
前に生じた債務不履行は、Yの責任と費用負担により解
意条件等を明らかにするものとして、重要となるものであ
決する」
としていることから、本件不具合についてYは修
り、媒介業者においては、その内容等をこれらに詳細に
繕義務を負うと主張する。
記載しておく必要があることに留意されたい
しかし本件特約は、賃借人が居住中である本件建物
(調査研究部調査役)
を対象とする本件売買契約において、X及びYにおいて
本件建物内部の客観的状況の直接確認が困難である
ことを踏まえ、実際に不具合が生じた時点を問わず、賃
借人からの申出等により本件建物の付帯設備等に修理
や交換等の必要が生じた時点が本件売買契約締結時
よりも前であれば売主であるYが、本件売買契約締結時
9
高知
県立
3F
高知城歴史博物館 2017年3月
有料エリア
3F Floor MAP
高知城下から土佐の歴史と文化を
みる・まなぶ
一展示と眺望一
■展示部門
展示室、および展示に関わる準備や保管を行う諸室のほか、
高知城展望ロビーを備えます。
武家の粋をかたどる兜
兎耳形兜
うさぎみみなりのかぶと
4代藩主山内豊昌所用、17 世紀
兎を模した変わり児。
武士にとって欠かせない武器・武具類は
家ごとに由緒やデザインに特徴あるも
のが多いが、山内家は奇抜なデザイン
の兜が際立ちます。
2F
無料エリア
2F Floor MAP
のこす・つたえる 一収蔵と修理・閲覧一
お城を見上げる博物館
■収蔵部門
資料を安全かつ適切な環境で保管する諸室を備えます。
■調査・研究部門
収蔵資料の基礎調査を進めると共に、修理・保存対策や
研究利用を推進するための諸室を備えます。
3F展望ロビーから眺める南海の名城「高知城」は県外からの観光客はもちろん、お城を見
慣れている高知県民にも新鮮に映るはずです。
1F
無料エリア
1F Floor MAP
しらべる・つながる 一情報とつどい一
■教育普及部門
生涯学習や学校教育に関わる講座や催しを開催するための
諸室を備えます。
■交流部門
高知城をはじめとする周辺地域や県内の文化施設、催し物に関する
情報提供など、観光の活性化に寄与するコーナーを備えます。
当事者が語る、
リアルな歴史
坂本龍馬書状
さかもとりょうましょじよう
溝淵広之丞宛、
慶応2 年(1866)
迫田家資料
幕末のヒーロー、坂本龍馬が旧交の士にあて書いた手紙。
脱藩後、故郷を思いつつも土佐藩の人たちと距離を置いてき
た真意を綴る。
くずし字が読めなくとも、実物を目にすれば筆遣いなどから龍
馬の人柄や思いが感じられるはずです。
4日㈯ 一般公開はじまる。
を 発信する期待の新施設です。
歴史を守るために生きる技と工夫そして、未来ヘ
今も昔も大きな建築物には大勢の人の手が必要です。
高知城歴史博物館は貴重な歴史財産を守り、それを未来に伝える重要な役割を担っています。
そのために建築には多くの人の手とこだわりや工夫が込められているのです。
◆ 土佐漆喰の壁と土佐打刃物の意匠
◆ 和室天井・落水紙
◆ 県産材をつかった壁面
高知城歴史博物館
マスコットキャラクター
◆ ホール
やまぴょん
愛 称:やまぴょん
名 前:山内 兎之進(うさのしん)
誕生日:4月3日(卯月 みみの日)
特 技:剣術
苦 手:算術(和算)
好きな食べ物:おもち
(特に好きなのは柏もち)
苦手な食べ物:にんじん
◆ 実習室
◆庭
◆ 和室
◆ エントランス
土佐から日本が、見えてくる。みる・まなぶの展示フロア
歴史が動いた貴重な資料 山内容堂が将軍徳川慶喜に提出した建白書の写し。
き
◆ 展示室2~土佐の幕末維新~
土佐の幕末維新について、様々な
切り口から紹介します。
「 志国高知
幕末維新博」の期間中(平成29年
3月4日~平成31年3月31日※予
◆ 展示室1~土佐藩の歴史~
定)は、幕末維新に特化した連続
戦国から江戸時代を中心とした高知の歴史を紹介します。 特集展示を開催します。
◆ 特別展示室
季節やテーマにあわせて山内家伝来
の美術工芸品を中心とした企画展を
開催する他、大政奉還150年記念展
や明治維新150年記念展など、注目
の企画展や特別展も開催します。
一般公開セミナー 開催案内
2月15日㈬ 13:30~(受付13:00~)
■ 会 場 高知県立県民文化ホール グリーン(高知市本町4丁目3-30)
■日
時 平成29年
■講
師
「くらしに活かす土地と建物」
「明日を素敵に生きるには」
中城 康彦 氏
安藤 和津 氏
明海大学不動産学部
学部長・教授
エッセイスト
* 入場無料 *
◆講師に不動産学の専門家として本会セミナーでも貴重なご講演をいただいている中城康彦氏、女性の生き方・教育
問題・自身の介護体験などをテーマとした講演会や多数の番組でもご活躍されている安藤和津氏をお迎えします。多
数のご来場をお待ちしております。
◆詳細は本会HPにて随時公開します。
公益社団法人高知県宅地建物取引業協会HP http://www.823-2001.com/
空き家・空き土地の無料相談を開催します
~空き家・空き土地の有効活用を考えてみませんか?~
長い間放置した古い建物がある、相続した空き地がある、県外に住んでいて管理のできない土地や建物
がある、古い空き家があって地震のときが心配、周囲の人に迷惑をかけたくない・・・など、空き家・空き土地
をお持ちの方を対象とした、空き家・空き土地の有効利用及び適正な管理などについての無料相談を実施
します。
空き家・空き土地等でお悩みの方はこの機会に是非ご相談下さい。
● 日 時
● 会 場
● 相談料
3月25日㈯ 午前10時~午後4時
高知市中央公園北側
帯パラ広場
無料
N
リッチモンド
ホテル
アーケード
相談会場
帯パラ広場
アーケード
つるや
ファミリー
マート
トイレ
交番
中央公園