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濁池の現状と課題(PDF:1834KB)

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2.濁池の現状と課題
(1)現状に対しての共通認識
濁池は、尾張旭市の北部地域の豊かな自然の要(かなめ)として、歴史あるため池として、
また水辺のある地域の住環境の象徴として、生態系の保全を図りながら適正な活用と、秩序
ある管理を行っていく必要がある
【自然環境の現状】特徴ある在来植生、在来生物が残っているが、埋立や周辺の市街地化によっ
てその生存領域は限定的であり、放置が続けば減少・消滅する危険性がある。
【た め 池 の 現 状】排水設備の整備によって池の水質は改善したが、農業用水利用の減少等によ
り「池干し」や「池こね(池干し)」等の管理行事が行われなくなり、土砂の堆
積、池岸の植生の変化、ゴミの放置等が進んでいる。
【地 域 と の 関 係】元来ため池であることから、地域住民等が安全に直接池岸に近寄ることがで
きる場所が存在しない。危険な場所として子どもたちの立入も禁止している。
●現状の整理
池の成り立ち:江戸時代の初めには既に築造され、堰堤上は殿様街道が通じた市内有数のため池
→貯水容量 225,000 ㎥、満水時面積 88,600 ㎡、市内で 2 番目に大きい農業ため池
→北部は森林公園まで連なる樹林、吉賀池湿地など、自然環境が残る
→隣接の施設は、北に旭ヶ丘運動広場、テニスコート、キャンプ場、西に特別養護老人ホーム、
南に旭丘小学校がある。池の東西には市街地が広がり、南には農業用水灌漑区域の農地が広が
る
→濁池付近の基盤は第三紀層のシルト質粘土であり、不透水層となっている
流
域:樹林や吉賀池の谷に降った水が流入。通常時には市街地の雨水・下水排水は流入しない
→池の集水面積は 67.0ha。
この内通常時に雨水が流入するのは樹林・吉賀池の谷・池の 36.5 ha。
市街地の 30.5 ha は雨水・下水管にて排水されていて池には流れ込まない
→水路(旧郷倉川)の水は越流堰によって、通常時は池に流入せず洪水時のみ流入する
→池の水が不足する場合には愛知用水からの補給水が得られる
→池の農業用水灌漑区域は昭和 27 年の 51 ha が最大で、現在は 4.5 ha にまで減少している
→池から流れ出た水は、天神川を経て矢田川に合流している
水質・水位:水質は比較的良好。営農・防災の操作により約 2mの年間水変動がある
→周辺の地質の影響からか、江戸時代の文献にも池の水が濁っていることが記されている
→市街地の雨水・家庭汚水の流入が殆ど無く、
市内のため池でも最もきれいな水質を維持している
→但し、下水道整備前に池底に堆積した土砂によるためか、堰堤付近では富栄養化の傾向が見ら
れる
→営農活動に合わせた水位操作のほか、梅雨前など防災的な水位操作が行われている
→かつてはため池の管理のため水を抜く「池干し」や「池こね」の行事が行われていたが、近年行
われていないことも泥の堆積・富栄養化・ヤナギの繁茂など池岸の植生の変化の要因と考えら
れる
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植
生:水位変動に適応し水際から陸域へと連続的に推移する多様な植生が見られる貴重な場所
→水辺には河辺林の「アカメヤナギ林」が広く分布し、池の北側の一部に沼沢林の「ハンノ
キ林」が見られる
→草本植生は「ヨシ群落」が池北東側の一部に見られるほか、干上がった岸辺に出現する水
辺矮性草本植物群落「アオテンツキ群落」「ヤナギタデ群落」が見られ、池の環境に適応し
た貴重な植物群落が形成されている
→後背地には、森林公園から連続する二次林の「コナラ林」、
「アカマツ林」が分布している
→造成跡地等には、先駆低木林の「アカメヤナギ林」や元々はこの地域に自生していなかっ
た「ハリエンジュ林」、「アオモジ林」等が分布している
→この他、定期的に草刈りが行われる池岸の管理通路等には「低茎草本群落」、造成跡地等に
は「ネザサ群落」、「ススキ群落」、「イタドリ群落」等が見られ、「モウソウチク林」、「スギ植
林」
、「植栽樹林群(ソメイヨシノ等)」が一部に見られる
動
物:池と後背地の森林が連続していることから、多様な動物が生息する環境を形成している
→魚類はコイ、フナ、モツゴ、ウキゴリ、トウヨシノボリなどの在来種のほか、ブラックバス、
ブルーギル、ライギョ等の外来種も生息
→貝類は愛知県準絶滅危惧種のドブガイの生息痕跡が確認された
→両生類はアマガエル、トノサマガエルが生息、爬虫類はトカゲ、カナヘビ、シマヘビが生息す
るほか、要注意外来生物のアカミミガメが多く生息している
→昆虫類はトンボ類やチョウ類が目立つ。貴重種としては愛知県の準絶滅危惧種に指定されてい
るミドリシジミ、ヒメタイコウチの生息が確認された
→鳥類は 10 目 23 科 40 種が確認された。以前は渡り鳥の宝庫とされたが近年では 2~4 種、
数十羽に留まっている
→哺乳類はモグラ、タヌキの生息が確認されたほか、特定外来生物のアライグマも生息している
景
観:濁池の周囲に樹林と住宅地が広がる景観が特徴であるが、池を見渡せる場所は限られる
→年間周期の水位変動と、水辺および後背地の植生が豊かであることから、四季の変化(春
の新緑、夏の緑葉、秋の紅葉、冬の落葉)が感じられる地域景観を形成している
→濁池の周囲は樹林および住宅地が隣接していて、日常的に地域の人々が濁池の景観を見渡せる
場所は、南側の堰堤上など、概ね 5 箇所程度に限られている
地域との関わり:濁池周辺は地域の人々の活動が多様に展開されている区域といえる
→濁池の周辺は、池の北側に旭ヶ丘運動広場と山辺の散歩道、東西側に住宅地(山の手自治
会、旭ヶ丘自治会)、南側に道路と旭丘小学校が立地していて、条件が整えば、地域の人々
が日常生活において池に接する機会の多い区域といえる
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(2)濁池がもたらす恵み
濁池がもたらしている有形無形の恵みを以下に整理します。これは日頃池周辺で生活してい
る住民としての実感や、自然環境調査の結果などを基に、ワークショップ参加者から寄せられ
た情報・意見を取りまとめたものです。
※ 濁池がもたらす恵み:
・濁池の存在によって人が享受するプラスの要素を「恵み」として表現している
・ため池機能等の直接的な要素のほか、景色や季節感といった間接的な要素についても
プラスの要素としてカウントしている。
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(3)課題事項の整理
濁池の現状について、各種の調査やワークショップを通じて明らかになった課題事項を以
下に整理します。自然の保全・保護対策への課題、池のあり方についての課題、地域に親しま
れる場所となるための課題、環境の体験・学習の場となるための課題、が明らかになりました。
●自然の保全・保護対策への課題
課題項目
池の動植物の保全・保護
池周辺の環境保全
内
容
①濁池に生育する植生の保全・保護
・水辺矮性草本植物~低茎草本群落~河辺林~沼沢林
(絶滅危惧種:マメナシ、サイコクヌカボ、ウキシバ、ミズマツバ等)
②濁池に生息する動物の保全・保護
・魚類、甲殻類、貝類(愛知県準絶滅危惧種:ドブガイ等)
・両生類、爬虫類
・昆虫類(愛知県準絶滅危惧種:ミドリシジミ、ヒメタイコウチ等)
・鳥類(愛知県準絶滅危惧種:イカルチドリ等)
・哺乳類
③外来動植物の対策
・木本植生(ハリエンジュ林、アオモジ林等)
・動物(ブラックバス、ブルーギル、ライギョ、アカミミガメ、アライグマ等)
④民地の樹林保全
・民有地の緑地、住宅地の緑の保全
・開発の抑制
●池のあり方についての課題
課題項目
内
容
①堆積土砂の除去(防災機能の向上)
ため池機能の維持
②アカメヤナギの除去
③漂着ゴミの除去
ゴミの対策
④池岸の不法投棄ゴミの除去・投棄抑制
●地域に親しまれる場所となるための課題
課題項目
安全な立ち寄り
濁池らしさを育てる
内
容
①遊歩道の設置
②自然豊かな濁池の環境と景観の存続
③濁池環境保全を地域全体の取組みに
● 環境の体験・学習の場となるための課題
課題項目
内
容
子どもが自然に触れ合える
①子どもが安全に近づくことのできる場所の確保
場の形成
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