東京工業大学 フロンティア研究センター 平成21年度活動報告書 はじめに 本年 4 月 1 日、本学に統合研究院が発足し、フロンティア研究センターは「フロンテ ィア研究機構」と改称してこの組織に位置づけられました。統合研究院は本学の附置研 究所と像情報工学研究所を基幹研究組織とし、フロンティア研究機構はソリューション 研究機構と共に戦略研究組織を構成してその役割を果たすことになりました。 遡ると平成 16 年 4 月の国立大学法人化により共同研究の実施や研究成果の普及が大 学の業務として明確に位置づけられ、平成 19 年 11 月に本学内に併置されていた「フロ ンティア創造共同研究センター」を「総合研究館」、「インキュベーションセンター」、 「ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー」と統合してフロンティア研究センターが設立 されました。 爾来フロンティア研究センターはこれまで産官学の連携に基づく共同研究を大学主 導で計画的に推進し、かつ、高い創造力と起業家精神を有する優れた人材を育成すると いう目的のもと、学内外の支援を得て、組織及び施設の拡充や環境整備を整えつつ共同 研究生命系、情報系、物質系、環境系の 4 分野において多彩な成果を上げてきました。 平成 21 年度の活動について本冊子にてご報告いたしますが、今回の組織改革によりフ ロンティア研究機構と名称変更し、新たに「学術研究の新展開を図ることを目的として、 学内外と広く連携して組織的に取り組むフロンティア研究を推進する」という目的を掲 げてなお一層の努力を致す所存でございます。関係各位におかれましては、引き続きフ ロンティア研究機構の活動にご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 平成 22 年 8 月 フロンティア研究機構 機構長 三島 良直 目 次 はじめに I. II. 平成21年度センター概要 目的・業務・組織・施設 3 運営委員会開催記録 6 委員・職員名簿 8 共同研究部門活動報告 生命系 赤池プロジェクト 13 田川プロジェクト 19 岩井プロジェクト 25 腰原プロジェクト 37 物質系 細野プロジェクト 49 環境系 吉川プロジェクト 63 岩本プロジェクト 75 情報系 III. その他の活動 ■東工大新技術展示コーナーの企画・運営 83 <資料1> 関連イベント概要 86 <資料2> 新聞・HP等掲載記事クリッピング 87 <資料3> 東京工業大学 フロンティア研究センター規則 88 Ⅰ.平成21年度センター概要 2 平成21年度センター概要 フロンティア研究センターは、従来、東京工業大学にあった「フロンティア創造共同研究センター」「総 合研究館」「インキュベーションセンター」「ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー」という4つの研究 組織を核として平成 19 年 11 月に設立された。この研究組織統合の目的は東工大における「知の活用、及 び産学連携」の全学的・戦略的推進を図ることにある。 目 的 業 務 新分野の開拓及び次世代の新産業創出を目標に、 産・官・学の連携に基づく共同の研究を東工大主 導で計画的に推進し、独創的な研究開発を推進す るとともに、高い創造力と起業家精神を有する優 れた人材を育成する。 ・産・官・学の連携に基づく共同研究の実施 ・ベンチャー・ビジネスの萌芽ともなるべき独創 的な研究開発のための施設の提供 ・ベンチャー企業を計画する者、設立後間もない ベンチャー企業のうち、東工大の研究成果又は 人的資源等を活用するものに対する施設の提供 ・大型の外部資金等を獲得した教員への施設の提 供 ・大学院学生の自由な発想・創造性を育成する教 育研究活動 ・その他必要な事業 基本コンセプト フロンティア研究センター Frontier Research Center 「産・学・官の連携に基づく共同研究」 「産・官・学の連携に基づく共同研究」 「高い想像力と企業家精神を有する優れた人材育成」 「高い創造力と起業家精神を有する優れた人材育成」 の拠点として・・・ 研究・ 情報交流部門 (フロンティア創造共同研究センター) 共同研究部門 インキュベーション 部門 (インキュベーションセンター) 統合 ベンチャー・ ビジネス・ラボラトリー 部門 (ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー) 総合研究部門 (総合研究館) 5部門による全学的・戦略的な組織運営 3 組 織 本センターは、5つの部門よりなっている。 【共同研究部門】 各部局からの「流動教員(原則)」を置き、新 分野の開拓及び次世代の新産業創出を目標とした 産学官連携に基づく共同研究体制を本学主導で計 画的に推進する部門 【研究・情報交流部門】 産学連携推進本部との密接な協力関係のもと、 プロジェクト・フォーメーション、技術移転、ベ ンチャー支援などの研究・活動する部門 【ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー部門】 VBL設立の趣旨に沿う研究プロジェクトに対 し研究スペースを提供、若手研究者のVBL推進 研究を実施する部門 【インキュべーション部門】 ベンチャー企業を計画する者又は設立間もない ベンチャー企業にスペースを提供し運営する部門 【総合研究部門】 大型の外部研究資金などを獲得した教員が特別 に必要とする研究スペースを提供し運営する部門 組織図 すずかけ台地区 共同研究部門 副センター長 研究・情報交流部門 総合研究部門 センター長 運営委員会 副センター長 分科会 ※1 ベンチャー・ビジネス・ ラボラトリー部門 インキュベーション部門 大岡山地区 ※1・・・分科会は、 1.共同研究部門、研究・情報交流部門及び総合研究部門分科会 2.ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー部門及びインキュベーション部門分科会 3.情報発信分科会 4.プロジェクト選考分科会 以上、4分科会に分かれ運営。 4 施 設 フロンティア創造共同研究センター棟 総合研究館 【建物概要】 構造規模:鉄筋コンクリート 7 階 延床面積:7,687 ㎡ 【フロアー構成】 (平成 21 年度) ■1階 事務室 研究展示室 ■2階 センター長室 財団法人理工学振興会(東工大TLO) 会議室・分科会調整室 ネットワーク機器室 学生支援センターキャリアアドバイザー室 ■3階 岩本プロジェクト ■4階 赤池プロジェクト 田川プロジェクト ■5階 細野プロジェクト ■6階 吉川プロジェクト 細野プロジェクト ■7階 岩井プロジェクト 【建物概要】 構造規模:鉄筋コンクリート地下1階地上4階 延床面積:6,634.58㎡ (別館) 構造規模:鉄筋コンクリート 2 階 延床面積:440 ㎡ VBL棟(大岡山キャンパス) ■ 腰原プロジェクト(~H21.9.30) ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー棟 【建物概要】 構造規模:鉄筋コンクリート 4 階 延床面積:2,000 ㎡ インキュベーションセンター 【建物概要】 構造規模:鉄筋コンクリート4階 延床面積:998㎡ フロンティア創造共同研究センター棟 ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー棟 (インキュベーション部門内設) 総 合 研 究 館 5 平成21年度運営委員会開催記録 第1回 平成21年5月14日 1.報告事項 (1)特任教授の選考について (2)平成21年度活動計画について (3)VBL研究プロジェクト(平成20年度採択) の継続状況について (4)平成21年度ベンチャービジネス推進研究の公 募について (5)平成21年度予算配分について (6)平成20年度収支決算について 2.審議事項 (1)平成21年度プロジェクトの選定等について 3.その他 (1)各分科会について (2)準客員研究員の受入期間変更(中止)について (3)平成21年度運営委員会の日程について 第2回 平成21年7月9日 1.報告事項 (1)客員研究員の受入について (2)インキュベーションセンター利用者募集につい て 2.審議事項 (1)資源化学研究所建物の耐震工事に伴う総合研究 館空室等の貸与について (2)VBL棟2階203号室入居延長願いについて (3)VBL推進研究審査結果について (4)教員会議に関する申合せの一部改正について 3.その他 (1)フロンティア研究センターの今後について (2)人事異動について 第3回(書面審議)議決日 第4回 平成21年10月8日 1.審議事項 (1)平成21年度総合研究館プロジェクト課題募集 に係る審査結果について (2)共同研究部門情報系分野客員教授選考委員会 選考結果について 2.報告事項 (1)研究生の入学について 3.その他 (1)次回の委員会について 第5回 平成21年11月12日 1.審議事項 (1)平成22年度総合研究館研究プロジェクト課題 の募集について (2)インキュベーションセンター入居者に係る中 間評価について (3)東京工業大学総合研究館の施設使用に関する 申合せ一部改正(案)について 2.報告事項 (1)インキュベーションセンター利用報告書につ いて (2)研究生の退学について (3)客員研究員の受入について (4)準客員研究員の受入期間延長について (5)準客員研究員の受入について (6)第1期中期目標期間の自己点検・評価及び第2 期中期目標・中期計画の作成について (7)フロンティア研究センター改組案について 3.その他 (1)次回の委員会について 平成21年9月11日 1.報告事項 (1)フロンティア研究センターと大学マネジメン トセンターの教授ポストの融通に関する覚書 について (2)客員研究員の受入について (3)研究生の入学について 2.審議事項 (1)インキュベーションセンター利用者募集に係る 審査結果について (2)平成21年度総合研究館プロジェクト課題の募 集について (3)共同研究部門情報系分野客員教授選考委員会 の設置について 3.その他 6 (1)次回の委員会について 第6回 平成22年1月15日 1.報告事項 (1)フロンティア研究センター 第1期中期目標期 間(平成16~21年度)自己点検・評価報告 書(原案)について (2)フロンティア研究センター 第2期中期目標・ 中期計画(原案)について (3)客員研究員の受入について (4)フロンティア研究センター改組案について 2.その他 (1)次回の委員会について 第7回 (書面審議)議決日 平成22年2月18日 1.審議事項 (1)平成22年度総合研究館研究プロジェクト課題 募集に係る審議結果について 2.報告事項 (1)2009年度東京工業大学フロンティア研究センタ ーベンチャー・ビジネス・ラボラトリーシンポ ジウムの開催について (2)研究生の入学について (3)客員研究員の受入について (4)準客員研究員の受入について (5)フロンティア研究機構の英語名称について 3.その他 (1)次回の委員会について 第8回 平成22年3月11日 1.審議事項 (1)ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー棟の世界 文明センター等への貸与延長について (2)インキュベーションセンター204号室の入居期 間延長願いについて (3)平成23年度以降の授業日程について 2.報告事項 (1)マイケル・ノーベル博士講演会について 3.その他 7 平成21年度委員・職員名簿 委員名簿 【情報発信分科会WG】 (平成22年3月31日現在) フロンティア研究センター 副センター長 ●運営委員会 大学院総合理工学研究科 *委員長 フロンティア研究センター長 * 大町 達夫 同 副センター長 國枝 博昭 同 副センター長 小杉 幸夫 細野 秀雄 同 教授 同 教授 吉川 邦夫 大学院総合理工学研究科 教授 馬場 俊秀 大学院総合理工学研究科 教授 岡村 哲至 資源化学研究所 教授 小坂田耕太郎 <幹事> 研究情報部長 真子 博 すずかけ台地区事務部長 山下 利幸 ●運営委員会分科会 *主査 【共同研究部門、研究・情報交流部門及び総合研究 部門分科会】 フロンティア研究センター長 同 副センター長 同 副センター長 大町 達夫 國枝 博昭 * 小杉 幸夫 大学院理工学研究科工学系 教授 日野出洋文 大学院総合理工学研究科 教授 岡村 資源化学研究所 教授 小坂田耕太郎 哲至 【ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー部門及び インキュベーション部門分科会】 * 國枝 博昭 大学院理工学研究科理学系 フロンティア研究センター 副センター長 教授 村井 隆文 大学院理工学研究科工学系 教授 荒木 純道 大学院理工学研究科工学系 教授 鈴村 暁男 大学院生命理工学研究科 教授 三原 久和 大学院情報理工学研究科 教授 亀井 宏行 * 小杉 幸夫 【プロジェクト選考分科会】 フロンティア研究センター 副センター長 資源化学研究所 教授 フロンティア研究センター長 8 小坂田耕太郎 大町 達夫 教授 * 小杉 幸夫 岡村 哲至 産学連携推進本部 コーディネーター 林 産学連携推進本部 特任准教授 坂田 ゆう子 淳一 職員名簿 (平成 21 年度) センター長 大町 達夫 副センター長 國枝 博昭 副センター長 小杉 幸夫 教授 赤池 敏宏 教授(~H21.9.30) 腰原 伸也 【共同研究部門】 教授 岩井 洋 教授 細野 秀雄 教授 吉川 邦夫 教授 岩本 正和 准教授 田川 陽一 助教(~H21.12.31) 松石 聡 客員教授 服部 健雄 客員教授 平野 正浩 客員教授(H21.11.1~) Simon Min Sze 特任教授 名取 研二 特任教授(H21.5.16~) 志賀 昭信 特任准教授(H21.7.2~) Parhat Ahmet 特任准教授 金 聖雄 特任講師 伊勢 裕彦 特任助教 林 文隆 【研究・情報交流部門】 教授(~H21.7.9) 国吉 客員教授 Michael Nobel 浩 客員教授 倉田 健児 【総合研究部門】 【ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー部門】 【インキュベーション部門】 〈担当事務体制〉 研究情報部研究業務課 研究情報部産学連携課 〈学内協力体制〉 産学連携推進本部 すずかけ台地区事務部 9 10 Ⅱ.共同研究部門 活動報告 生命系 赤池プロジェクト < E-カドヘリンキメラタンパク質を接着マトリックスとし ES/iPS 細胞の新しい単細胞培養システムの開発 > プロジェクトリーダー 赤池 敏宏 教授 研究期間 平成21年度~平成24年度 研究費総額 約 170,000,000 円 研究資金ソース 文部科学省 科学技術試験研究委託事業「再生医療の実現化プロジェクト」 ■ 研究内容 臓器移植・人工臓器を超える期待の超学際領域として再生医療が位置づけられているが、これにもその 安全性の確保された ES/iPS 細胞のストレスの少ない大量培養法や効率的な分化誘導などいくつかの越え なければならない高いハードルがある。例えば、ヒト iPS 細胞の樹立に成功したが、ヒト ES 細胞を含め 多くの幹細胞の培養法は未だに最適化されておらず、また分化誘導方法についても胚様体を経た手法が一 般的である。ヒト ES 細胞の培養法は、近年多くの研究者によって無血清培地による培養法が研究されて おり、実際に商品化されている手法もある。 しかしながら、いずれの場合も細胞の接着基質としてマト リゲルを用いているため、完全には“defined condition”とは言い切れないのが現状である。また、iPS 細胞についても、フィーダー細胞上で樹立、フィーダー細胞上もしくはマトリゲル上で維持されており、 より適した培養系の確立が早急に検討すべき課題であると考えられる。そこで、本研究では、(1)ヒト ES 細胞およびヒト iPS 細胞の新しい培養基質の開発、 (2)ヒト ES 細胞およびヒト iPS 細胞の分化誘導が 可能な培養基質の検索と最適化、を目的とする。この目的の達成のための極めて有用なバイオマテリアル として我々は、細胞—細胞間接着分子として知られている E-カドヘリン(E-cad)をベースとした細胞認識型 キメラ抗体(E-cad-Fc)の開発に成功している。ヒト iPS/ES 細胞による再生医療を実現するために、この 細胞接着バイオマテリアルを培養基質としての成功をベースにしたヒト iPS/ES 細胞のストレスフリー、 異種成分フリーの未分化維持培養システムの確立を目指している。 13 ■ 新産業創造・新分野開拓の可能性 本プロジェクトでは、ヒトiPS細胞を用いた再生医療の実現化を目指す事を目的として行われている。こ のiPS細胞を用いた医療を実現する上で、重要なことはこのiPS細胞を安全な状態で大量に供給していくこ とである。我々のプロジェクトは、ヒトiPS細胞を未分化かつ感染性のない安全な状態で大量に供給する技 術をE-cad-Fcを用いた培養基質をもちいて開発する。このE-cad-Fc上で培養されたES細胞は、従来の培養 法とは異なり分散した状態で未分化を維持しながら培養できることが明らかになっている。このことから、 従来の方法と比較して多くの面積を利用して細胞を大量に培養することが可能である。そこで、将来的に はファイバー上にこのE-cad-Fcをコーティングし三次元的にES細胞を培養することで大量培養系の構築を 目指す。 ■ 研究参加者 【学外】 有限会社セラジックス代表取締役社長 後藤光昭 【学内】 フロンティア研究センター特任講師 伊勢裕彦 ■■■ 平成21年度主要トピックス 生命理工学研究科GCOE助教 賀喜白乙 ■■■ 平 成 2 1 年 度 に お い て は 、マ ウ ス E-cad-Fc上 に マ ウ ス iPS細 胞 を 培 養 し 、接 着 実 験 と キ レ - ト 剤 に よ る 脱 着 実 験 を 行 っ た 。 マ ウ ス iPS細 胞 は マ ウ ス ES細 胞 と 同 様 に E-cad-Fc上 に お い て 単 一 細 胞 レ ベ ル で 分 散 し 、 未 分 化 を 維 持 し た 状 態 で 増 殖 す る こ と が 確 認 さ れ た 。 さ ら に E-cad-F c培養系と従来のゼラチン上のコロニー形成型培養系における肝細胞への分化誘導の効率に つ い て 比 較 検 討 を 行 っ た 。そ の 結 果 、E-cad-Fc上 の 単 一 培 養 系 に お い て コ ロ ニ ー 形 成 型 培 養 系 と 比 し て 高 い 分 化 誘 導 効 率 が 観 察 さ れ た 。 ヒ ト E-カ ド ヘ リ ン の 細 胞 外 ド メ イ ン を 有 す る ヒ ト E-cad-Fcの 作 製 を 試 み た 。こ れ ら の 分 子 は 、マ ウ ス E-cad-Fcと 同 様 に ポ リ ス チ レ ン 上 に 安 定 に 固 定 で き 、 ヒ ト E-cad-Fcコ ー ト デ ィ ッ シ ュ に お い て ヒ ト iPS細 胞 を 培 養 す る こ と が 可 能 で あ っ た 。 さ ら に ヒ ト E-cad-Fc上 で は 、 MEF等 の E-カ ド ヘ リ ン を 発 現 し な い 細 胞 は 接 着 す る こ と が で 14 き ず E-カ ド ヘ リ ン を 発 現 す る 未 分 化 ヒ ト iPS細 胞 の み を 選 択 的 に 接 着 す る こ と が 明 ら か に な っ た 。 よ っ て ヒ ト iPS細 胞 未 分 化 維 持 培 養 系 の 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 15 ■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ ■ 研究業績 (平成 21 年 1 月-12 月) 研究論文 1. 2. 3. 4. K.Yamaki, I.Harada, M.Goto, C-S.Cho, T.Akaike Regulation of cellular morphology using temperature-responsive hydrogel for integrin-mediated mechanical force stimulation Biomaterials 30, 1421-142, (2009) S.Kobayashi, H.Ise, M.Takahasi, M.Goto, T.Akaike, U.Ikeda Surface coating of bone marrow cell with N-acetylglucosamine for bone marrow implantation therapy Biomaterials 30,574-582, (2009) Kato R, Maeda T, Akaike T, Tamai I. Characterization of nucleobase transport by mouse Sertoli cell line TM4. Biol Pharm Bull., 32, 450-5 (2009) K. Kutsuzawa, S. Tada, S. Hossain, K. Fukuda, K. Maruyama, Y. Akiyama, T. Akaike, E.H. Chowdhury, Disrupting actin filaments promotes efficient transfection of a leukemia cell line using cell adhesive protein-embedded carbonate apatite particles Anal. Biochem. 388, 164–166, (2009) 5. F. T. Zohra , E. H. Chowdhury , & T. Akaike High performance mRNA transfection through carbonate apatite-cationic liposome conjugates. Biomaterials, 30, 4006-4013, (2009) 6. Jere D, Jiang HL, Arote R, Kim YK, Choi YJ, Cho MH, Akaike T, Cho CS. Degradable polyethylenimines as DNA and small interfering RNA carriers. Expert Opin Drug Deliv. 2009 Aug;6(8):827-34. 著書 1. 東宏治 赤池敏宏 表面固定型キメラタンパク質を用 いた再生医療用マトリックスの革新的展開 化学と工 業 62-5, 543-546, (2009) 2. 長岡正人 村上裕太 赤池敏宏 フィーダーレス培養 系による“defined condition”の実現 再生医療 8(2), 216-222, (2009) 3. 東宏治、長岡正人、萩原祐子、玉井俊行、竹村啓子、岳 暁珊 細胞認識型キメラタンパク質の設計と新しい再 生医療用マトリックスとしての応用 ますます重要に なる細胞周辺環境(細胞ニッチ)の最新科学技術 -細 胞の生存、増殖、機能のコントロールから創薬研究、再 生医療まで- 遺伝子医学 MOOK 別冊、メディカル ドゥ 301-307、(2009) 4. 干場隆、陳国平、赤池敏宏 再生医療のための細胞外マ トリックス材料の設計・開発 THE LUNG perspective 17(4), 72-75、(2009) 国際会議 1. Biomaterials Design for Artificial Liver and Regenerative Medicine. Toshihiro Akaike, 5th International Symposium on Hepatic Failure and Artificial Organ, 2009/3/20 China 2. New Fontier of Nanobiomaterials for Regenerative Medicine. Toshihiro Akaike,1ST International Graduate Symposium on Biotechnology, Bioengineering and Biomedical Science (IGS3BS-1). 2009/3/22, Beijing China 3. New Frontier of Nanobiomaterials Engineering in Tokyo Institute of Technology. Toshihiro Akaike, 清華大/ソウル国 立大/東工大合同シンポジウム, 2009/3/27, Seoul, Korea 4. Design of cell-specific glycopolymers and chimeric proteins for regenerative medicine. Biomaterials Asia 2009, Hong Kong Reagal Airport Hotel 2009/4/7 5. Biomaterials Design for ES/iPS Cells Engineering in Regenerative Medicine. Toshihiro Akaike, JSOPMB Joint Conference(国際細胞移植会議), 2009/4/21, Okayama 6. Biomaterials Design for ES/iPS Cells Engineering in Regenerative Medicine. Toshihiro Akaike, FBPS 2009 (8th International Symposium on Frontiers in Biomedical Polymers) 2009/5/23, Mishima 7. The Frontier of Bionano-fibers for the Innovation of Regenerative Medicine. Toshihiro Akaike, 国際ナノファイ バーシンポジウム2009, 2009/6/19, 東京工業大学デ ジタル多目的ホール 8. Cell Recogonizable Bionanomaterials for ES/iPS Cells Engineering in Regenerative Medicine. Toshihiro Akaike, NIMS WEEK 2009 Nanobio-materials and technologies for breakthrough in future medicine, 2009/7/23, Tsukuba 9. New frontier of nanobiomaterials design for stem cell technology and regenerative medicine. Toshihiro Akaike, The 2nd Annual Congress of Regenerative Medicine & Stem Cell, Dalian,China, 2009/8/8, Dalian China 10. Development of Novel Single Cell Culture System for ES/iPS Cells Using Artificial Extracellular Matrix with E-cadherin Chimeric Proteins. Toshihiro Akaike, 2nd TERMIS World Congress in conjunction with 2009 Seoul Stem Cell Symposium, 2009/9/3, Seoul Korea 11. Design of Cell-recognition Biomaterials for Regenerative medicine and Cell-Targeting Medicine. Toshihiro Akaike, 2009 International Symposium on Crystal Engineering & Drug Delivery System, 2009/9/6, Tianjin, China 12. Control of ES-iPS on Cell Recognizable Nanobiomaterials. Toshihiro Akaike, 2009 Asia Conference for Biomaterials & Stem Cell Techniques, 2009/9/21, Taipei 16 平成 17 年度~21 年度 13. Design of Biomimetic Glycopolymers and Chimeric Proteins for Regenerative Medicine. Toshihiro Akaike, The 1st FAPS Polymer Congres, 2009/10/22, Nagoya 14. Cell Recogonizable Bionanomaterials for ES/iPS Cells Engineering in Regenerative Medicine. Toshihiro Akaike, (AEARU) 10th Workshop on Molecular Biology and Biotechnology organized for Association of East Asian Research Universities, 2009/11/12, Taipei 平成 21 年度 1,924,000 円 共同研究(上記を除く) 2件 ■ 研究室の在籍者(平成 21 年度中) 学部学生 大学院修士課程在籍者 大学院博士課程在籍者 研究生 受託研究員 民間等共同研究員 その他ポスドク等 15. 細胞間接着分子のモデルタンパク質 E–cad–Fc による ES/iPS 細胞の新しい培養システムの開発, JSPS A3 Foresight Program 8th Seminar in Naha, 沖縄ポートホテル 2009/12/21 国内会議 1. バイオマテリアルと組織工学―細胞認識型マトリック ス工学の応用―.赤池敏宏, 第 8 回日本再生医療学会総会 2009/3/05, 東京国際フォーラム 2. 再生医療の現状と今後の課題.七夕循環器セミナー,赤池 敏宏 , 2009/8/2 ロイトン札幌 3. 再生医療・組織工学と標的治療への応用をめざす細胞認 識型マトリックス工学の新展開 Bionanotechnology of Cell-Matrix Engineering for Regenerative medicine and Cell-targeting. 赤池 敏宏, バイオ JAPAN アカデミッ クシーズ発表会, 2009/10/9, パシフィコ横浜 4. 細胞間接着分子のモデルタンパク質 E–cad–Fc による ES/iPS 細胞の新しい培養システムの開発. 赤池 敏宏, 第 31 回日本バイオマテリアル学会大会. 2009/11/17 京都 府民総合交流プラザ 京都テルサ 1,507,000 円 ■ 6 7(3) 10(5) 1(1) 0 3 1 (内留学生人数) 特許(平成 21 年度) 出願 1件 ■ 海外渡航の回数(平成 21 年度) 10 回 ■ 学会役員(平成 21 年度) ・日本バイオマテリアル学会 理事 ・日本人工臓器学会 評議員 ■ 研究費の取得状況 (平成 21 年度) 科学研究費補助金 (主な研究資金として) <基礎研究 A> 細胞認識性キメラタンパク被覆型アパタイトナノキャリアを用いた幹細胞遺 伝子発現制御 平成 19 年度~21 年度 平成 21 年度 11,440,000 円(うち直接経費 8,800,000 円) ・日本薬学会 評議委員 ・日本結合組織学会 評議員 ・日本糖質学会 評議員 ・日本炎症再生医学会 評議員・編集委員 ・日本組織培養学会 評議員 ・日本 DDS 学会 評議員 政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として) ・日本再生医療学会 理事 編集委員長 <再生医療実現化プロジェクト 個別研究事業> E-カドヘリンキメラタンパク質を接着マトリックスとした ES/iPS 細胞の新し ・日本再生歯科医学会 理事 い単細胞培養システムの開発 平成 20 年度~24 年度 ・日本細胞生物学会 評議員 ・日本動物細胞工学会 評議員 平成 21 年度 41,600,000 円 (うち直接経費 32,000,000 円) <保険医療分野における基礎研究推進事業 医薬基盤研究所> ヒトおよびサル胚性幹細胞培養のための接着基質の開発に 関する研究 ■ 政府、自治体その他公的団体の委員等(平成 21 年度) ・日本学術振興会科学研究費委員会 専門委員 ~H21.11 ・日本学術振興会特別研究員等専門委員会 専門委員 H20.8 17 ~H21.7 ・理研バイオリソース検討委員会 委員 H21 年度 ・NEDO 研究評価委員会 NEDO 技術委員 H21 年度 ・医療機器開発推進研究事業医工連携研究推進基盤研究事前 評価委員会 委員 H20~H21 ・東京医科歯科大学倫理審査委員会委員 ~22 年度 ・大手前高校スーパーサイエンスハイスクール運営指導委員 会 委員 H20~23 年度 ■ 記事(平成 21 年度) 1. 東工大 iPS 細胞高効率培養 2009/6/11 日刊工業新聞 2. 幹細胞東工大、大量培養に道 2009/9/9 化学工業日報 3. iPS 細胞、臨床化へ安全追及 2010/3/25 日刊工業新聞 ■ 21 世紀 COE プログラムへの参加状況(平成 21 年度) 事業推進担当者 バイオ医療応用・国際連携担当 18 生命系 田川プロジェクト <ES 細胞由来肝組織による高性能肝臓モデルの開発と 薬物代謝計測システムへの応用> プロジェクトリーダー 田川 陽一 准教授 研究期間 平成19年度~平成21年度 研究費総額 約 55,000,000 円(直接経費のみ) 研究資金ソース 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 さきがけ研究、科学研究費 基盤研究(B) ■ 研究内容 人工肝臓装置の研究開発は既に90年以上の歴史がある。しかし、いまだに実用化のめどは立ってい ない。これまでに人工肝臓が成功しない理由は、肝臓の特異的機能を持っている肝実質細胞のみを培養 することにある。肝実質細胞単独では増殖や肝機能の維持が不可能であるからである。In vitro におけ る肝実質細胞の生存や機能維持には、非実質細胞(内皮細胞やクッパー細胞など)の存在と秩序ある組 織構築が重要であると考えている。 そこで、本プロジェクトでは、以下のことを目標とする。 ① 【肝初代培養肝組織チップ】島津製作所とセラジックスとの共同研究により、肝組織培養による薬 物代謝試験が可能となる‘マルチ流路マイクロ培養装置’を開発する。 ② 【マウス ES 細胞由来肝組織チップ】①による肝組織チップを応用して、マウス胚性幹(ES)細 胞由来肝組織を培養し、動物実験代替システムとしての薬物代謝システムを開発する。分化に対し て万能性であるES細胞は、肝実質細胞のみならず内皮細胞・星細胞といった非実質細胞も同時に 分化できる能力を有している。さらに、肝臓の発生学(肝オルガノジェネシス)的知見に着目し、 ES細胞からそれぞれの細胞種(肝実質細胞と内皮細胞などの非実質細胞)へ分化させ、肝組織を 再構築することも可能であると考えた。我々は、マウスES細胞を用いて肝実質細胞のみではなく、 類洞内皮細胞などの非実質細胞を有する‘肝組織’を創製し、しかも、in vivo の肝臓に近い機能 を持った分化誘導系の開発に成功しているので、その技術と①の技術を合わせて、動物実験の代替 システムとしてマウスES細胞由来肝組織チップの開発を目指す。 ③ 【ヒト ES 細胞由来肝組織チップ】 我々が確立したマウスES細胞を用いたアプローチを応用して、 ヒトES細胞から肝実質細胞だけでなく類洞内皮細胞や星細胞などの非実質細胞を有する‘in vitro ヒト肝組織’の分化誘導系を開発する。さらに、マルチ流路マイクロ培養装置を応用して、 ヒトES細胞由来 in vitro 肝組織を利用した‘マルチ流路肝組織マイクロ培養装置’を開発し、 個体(試験管レベルではなくて、個体の肝臓に近い)レベルの薬物代謝試験の測定システムの開発 を目指す。特に、日本人のES細胞を用いて、日本人の肝臓に対応するヒト肝組織マイクロ培養装 置による日本人のための薬物動態試験が期待される。 19 ■ 新産業創造・新分野開拓の可能性 創薬には欠かせない薬物動態試験も動物実験とヒト肝ミクロゾームによる試験のみで大きな進歩がない。 近年、創薬の迅速化や臨床試験に近い薬物動態試験の必要性が高まり、in vitroヒト肝組織培養システム の開発が望まれている。また、ヨーロッパを中心に動物実験代替システムへの移行は急がれている。よっ て、我々のプロジェクトの成果は薬物スクリーニングのための動物実験代替システムや前臨床試験として 応用できる。 20 ■ 研究参加者 【学外】 (株)島津製作所 民生品部 開発課 課長 藤山陽一 (有)セラジックス 代表取締役 後藤光昭 信州大学医学部外科学講座 教授 宮川眞一 北里大学大学院医療系研究科 教授 安達栄治郎 【学内】 大学院生命理工学研究科 大学院生 三田村圭祐、玉井美保、豊田優、張本乾一、山下亜莉紗、 相川博明、奥山久嗣、リュウ ジェヨン、アン ソンホ、斉藤ゆかり 生命理工学部 卒論生 守矢恒司、加藤一希、アデリン スタント、 ファカリア イトマイ ナティー ■■■ 平成21年度主要トピックス ■■■ ヒトES細胞およびヒトiPS細胞研究がスタート: 本プロジェクトの目標であるヒト前臨床試験として期待されるヒト肝組織チップのためには、ヒトES 細胞やヒトiPS細胞からin vitro肝組織を誘導することが必要不可欠である。 ヒトES細胞専用の培 養室を設置し、学内倫理審査および文部科学省における審査で承認を受け、ヒトES細胞の培養を開始し、 安定に増殖している(図1)。その一方で、ヒトES細胞と分化能力的に同レベルであると報告されてい るヒトiPS細胞も培養・増殖(図2)させ、肝組織分化誘導に成功した(図3)。 図1 ヒトES細胞のコロニー 図2 ヒトiPS細胞のコロニー 赤:胚体内胚葉細胞 緑:臍帯静脈内皮細胞 青:DAPI(細胞核) 図3 ヒトiPS細胞由来肝組織 21 ■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ ■ 研究業績 Kawase : New Role of Feeder Cells to Embryonic Stem Cells –Metal Analysis of Embryonic Stem Cells by ICP-MS-, 2nd World Congress of the Tissue Engineering and Regenerative Medicine International Society (TERMIS) in conjunction with 2009 Seoul Stem Cell Symposium, 2009/08, Seoul (Poster) (平成 21 年 1 月-12 月) 研究論文 1. 2. Hu, T., Takamoto, M., Hida S., Tagawa, Y., and Sugane, K. IFN-gamma deficiency worsen Pneumocystis pneumonia with Th17 development in nude mice. Immunol Lett. 2009 Dec 2 ; 127(1) : 55-9. Motoyama, H., Ogawa, S., Kubo, A., Miwa, S., Nakayama, J., Tagawa, Y., and Miyagawa, S. In vitro reprogramming of adult hepatocytes into insulin-producing cells without viral vectors. Biochem Biophys Res Commun. 2009 Jul 17 ; 385(1) : 123-8. 6. Hiroshi Sakai, Yoh-ichi Tagawa, Hiroaki Motoyama, Shinichiro Ogawa, Shinichi Miyagawa : Hepatic Portal Branch Ligation- Stimulated Appearance of Bipotent Hepatic Progenitor Cells in Mice, 2009 Meeting of the International Society for Stem Cell Research (ISSCR) 2009/07, Barcelona (Poster) 7. Miho TAMAI, Satoshi HOSOYA, Toshihiro AKAIKE, Eijiro ADACHI, Yoh-ichi Tagawa, : Establishment of the High Density Culturing System Using Primary Culture of Hepatocyte, 2nd World Congress of the Tissue Engineering and Regenerative Medicine International Society (TERMIS) in conjunction with 2009 Seoul Stem Cell Symposium, 2009/08 , Seoul (Poster) 著書 1. 田川陽一、小川真一郎、玉井美保、小林俊介: 高性能・ 多機能肝臓モデルの作製を目指して 「幹細胞の分化誘 導とその応用」ブッカーズ pp.318-326. 2009 2. 後藤光昭、田川陽一、赤池敏弘: 新規バイオマテリア ルを中心とした幹細胞の培養・文化誘導技術と誘導され た肝細胞による薬物毒性評価用チップの可能性「幹細胞 の分化誘導とその応用」ブッカーズ pp. 367-378. 2009 8. Yoh-ichi Tagawa, Developmental Analysis using Multi-Color Fluorescent Embryonic Stem Cell Lines. 2009 Asia Conference for Biomaterials & Stem Cell Techniques Taipei, Taiwan 2009/09/20 3. 田川陽一:胚性幹(ES)細胞のバイオロジーとその応用 と期待 「医療・診断をめざす先端バイオテクノロジー」 (29名:関根光雄編)pp.68-78 2009 9. Yoh-ichi Tagawa, Developmental Engineering and Development of Novel Artificial Liver System. 2009 Asia Conference for Biomaterials & Stem cell Techniques in Dong Hwa University Hualien, Taiwan 2009/09/22 国際会議 1. Yoh-ichi Tagawa, Super-functional Liver Model based on Developmental Engineering and Biomaterials. 2009 China-Japan Regenerative Medical Techniques Forum Shanghai, China 2009/03/18(招待講演) 2. Yoh-ichi Tagawa, Developmental Engineering and Regenerative Medicine. SNU-TIT-TU-UT Joint Bioengineering Symposium, Seoul, Korea, 2009/03/27 (口頭 発表、シンポジウム) 3. 4. 5. 22 M. Tamai, S. Hosoya, T. Akaike, E. Adachi, Yoh-ichi Tagawa, Construction of Artificial Liver System Containing Multiple Cell Sorts and Biomaterials. SNU-TIT-TU-UT Joint Bioengineering Symposium, Seoul, Korea, 2009/03/28 (poster) Satoshi Hosoya, Miho Tamai, Hironobu Iwashiro, Shiro Kikuchi, Masaki Ueno, Toshihiro Akaike, Yoh-ichi Tagawa, Masahiko Watanabe, Eijiro Adachi: Characterization of HepG2 cells accumulated on collagen gels populated with fibroblasts as hepatic tissue substitutes. 2009/07 New London, New Hampshire, Gordon Research Conference on collagen Hiroaki Aikawa, Tadashi Saito, Yuko Fujiwara, Yuki Mizobuchi, Toshihiro Akaike, Yoh-ichi Tagawa, Masaya 10. Yoh-ichi Tagawa, Developmental Engineering and Development of Novel Artificial Liver System. Seminar at National Cheng Kung University Tainan, Taiwan 2009/12/04 国内会議 1. 柳 濟榮 、Siswanto Antony、三田村圭祐、赤池敏宏、 神吉昭子、田川陽一:Green-Red 蛍光システムを用いた幹 細胞移植実験 日本再生医療学会総会 2009/03/06 (口頭発表) 2. 細谷智、岩城啓修、菊池史郎、上野正樹、玉井美保、田 川陽一、渡辺昌彦、安達栄次郎:高密度培養法を用いた複 合型人工肝臓の再構成 日本再生医療学会総会 2009/03/06 (口頭発表) 3. 酒井浩司、田川陽一、本山博章、宮川眞一:マウス門脈結 紮モデルより分離した肝前駆細胞の解析と分化誘導。 日本再生医療学会総会 2009/03/05 (ポスター発表) 4. 玉井美保・細谷智・赤池敏宏・安達栄次郎・田川陽一・ 初代培養肝細胞を用いた再構成コラーゲンゲル内培養 の検討・第 16 回肝細胞研究会・2009/06 山形 5. 安 成晧、玉井 美保、豊田 優、奥山 久嗣、赤池 敏 宏、新藤 隆行、藤山 陽一、小関 英一、田川 陽一: ES細胞等を用いた肝組織チップの開発,第22回 日本動物実験代替法学会総会・学術大会,2009/11, 大阪 6. 7. 玉井美保、細谷智、赤池敏宏、安達栄次郎、田川陽 一・再構成コラーゲンゲルの構築による初代培養肝 細胞の3次元組織化・第 31 回日本バイオマテリア ル学会大会・2009/11・京都 豊田 優、玉井 美保、奥山 久嗣、小林 俊介、新藤 隆行、安達 栄治郎、藤山 陽一、小関 英一、田川 陽 一:肝様組織チップを用いた ex vivo 肝毒性評価系 の構築,第32回日本分子生物学会年会,2009/12, 東京 ■ 海外渡航の回数(平成 21 年度) 7回 ■ 学会役員(平成 21 年度) ・日本インターフェロン・サイトカイン学会 2008-2010 ・日本バイオマテリアル学会 ■ 評議員 2008-2010 政府、自治体その他公的団体の委員など(平成 21 年度) ・東京財団生命倫理の土台づくり ■ 研究費の取得状況(平成 21 年度) 科学研究費補助金 (主な研究資金として) 幹事 委員 平成 21 年度 ・文部科学省特別教育研究費「次世代型バイオリソース の開発」 実行委員 2009~2011 <基盤研究 B> ES 細胞や iPS 細胞、組織幹細胞を用いた肝臓モデル構 築と薬物試験への実用化 平成 21 年度~21 年度 平成 21 年度 897 万円 政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として) <日本科学技術振興機構 さきがけ> ES 細胞由来肝組織装置による薬物動態計測システム 平成 18 年度~21 年度 平成 21 年度 920 万円 共同研究(上記を除く) 1件 100 万円 奨学寄附金 1件 50 万円 ■ 研究室の在籍者(平成 21 年度中) 学部学生 大学院修士課程在籍者 大学院博士課程在籍者 研究生 受託研究員 民間等共同研究員 その他ポスドク等 ■ 3(1) 5(1) 5(1) 1(1) 0 2 0 (内留学生人数) 受賞、褒賞(平成 21 年度) ・日本実験動物代替法学会 優秀演題賞受賞 安 成晧、 玉井 美保、豊田 優、奥山 久嗣、赤池 敏宏、新藤 隆行、 藤山 陽一、小関 英一、田川 陽一 平成 21 年 11 月 23 24 情報系 岩井プロジェクト <グリーンナノエレクトロニクスデバイス創製の研究> プロジェクトリーダー 岩井 洋 教授 研究期間 平成20年5月1日~平成25年4月30日 研究資金ソース 経済産業省:戦略的技術開発事業 ナノエレクトロニクス半導体新材料・新構造開発 NEDO:エネルギー革新技術開発事業、科研:特定領域研究、科研:基盤研究(A)、民間等との共同研究 JST;国際科学技術協力基盤整備事業民間等との共同研究、JSPS:二国間交流事業 等 ■ 研究内容 21 世紀の現在では人類の活動のその殆ど全てがナノ CMOS などのナノ電子デバイスを用いた半導体集 積回路の制御・補助なくしては成り立たない世の中になっており、その継続的な発展はハイテク基幹産業 技術の発展という見地からだけでなく、人類の福祉という観点からも重要である。例えばポスト京都議定 書構想の「美しい星 50(クールアース 50)」では、2050 年までに温室効果ガス排出量を現状から半減す ることが盛り込まれているが、このためには一次エネルギーから動力・熱・光・電気などへの二次エネル ギー変換効率を高めるとともに、集積回路を用いた精密な制御によって、製造、交通・運輸、情報・通信、 家庭、オフィスなどのあらゆるシステムの動作効率を高めていく必要がある。またデータセンタやオフィ ス用途に多用される集積回路自身の超低消費電力化も大変重要である。即ちグリーン IT という言葉に代表 されるように、集積回路の高性能・超低電力技術は今や CO2 削減の大きな切り札の一つとなっている。集 積回路の高性能化・超低消費電力化は CMOS トランジスタなどの微細化によって為されてきたが、現在の 技術の延長のままではまもなく微細化限界に到達することが確実である。この微細化限界サイズを出来る だけ先にシフトさせ、その後更に集積回路をクールアースの為に発展させていくためには、新材料・新 構造・新プロセスを積極的導入したナノ電子デバイス技術の創製が重要となる。本 PJ ではこの中で今後 20~30 年先までのデバイス技術として着手しなければならないものとして Si-Nanowire FET、III-V, Ge FET、 0.5nm 以下の High-k ゲート絶縁膜技術、磁性体薄膜を用いた超低電圧電源変換回路、低抵抗シリサイド ソース・ドレインなどの研究を行い、 この分野での研究拠点として世界のリーダシップを取ることを目指す。 ■ 新産業創造・新分野開拓の可能性 本プロジェクトにより、省エネを主体として新たな巨大市場への道が拓ける。また新たな高誘電率金属 酸化薄膜などの新材料やナノデバイスなどの新構造素子など今までには無い新研究分野が開拓される。こ れらを差別化技術として用いれば、日本の技術開発優位性を保ち、日本の産業の空洞化を抑制できる。 ■ 研究参加者 【学外】UJT Lab、東芝、日立、アルバック・ファイ、筑波大、早稲田大、台湾交通大、南洋工科大など 【学内】フロンティア研究センター 服部健雄客員教授、名取研二特任教授、Parhat AHMET特任准教授 大学院総合理工学研究科 杉井信之連携教授、西山彰連携教授、筒井一生教授、角嶋邦之助教 25 平成21年度主要トピックス ■■■ ■■■ 1.Si ナノワイヤ FET 研究の大きな進展 現行プレーナ型の SiFET を置換える究極の素子として Si ナノワイヤ FET に着目して理論と実験の両面から その潜在的な性能を見極めるための研究を行っている。 1.1 高性能微細 Si ナノワイヤ FET の実証 既存の半導体プロセスと互換性のある作製方法を用いて、断面が 12×19nm2 でゲート長 65mn、絶縁膜 3nm の微細ナノワイヤ FET の作製に成功した。オン/オフ比 106 を維持しながら、オン電流は 60μA 以上、周囲 長で規格化すると 1600μA/μm と現状の最先端プレーナ FET を凌駕する高い性能を示すことができた。高 いオン電流は、低い直列抵抗に加え、高い移動度と電子密度の増加による効果であると考えている。今後 更なるゲート長、絶縁膜の微細化を行うことで更に高い性能が得られることが期待できる結果となった。 (f) (e) Lg=65nm wire: 12x19nm2 図1 (a)~(d)作製した Si ナノワイヤトランジスタとそのトランジスタ特性(e)(f) 1.2 準バリスティック Si ナノワイヤ FET モデルの構築 現実的な Si ナノワイヤ FET の特性を記述するため、これまで開発してきたバリスティック伝導モデルを改 良して現実的に起こりうるキャリア散乱としてエネルギー緩和と弾性散乱を考慮した準バリスティック伝 導のコンパクトモデルの構築を行った。その結果オン電流は理想的な場合と比較して 7 割程度となり、ゲ ート長が 5nm まで微細化したとしてもバリシティシティは 0.7 程度に留まることがわかった。 45 1 (a) 40 Ballistic 35 Current [uA] Quasi-Ballistic 25 20 Vg-Vth=0.7 15 10 Vg-Vth=0.4 5 Vg-Vth=0.1 0 0 図2 26 0.1 0.2 0.3 0.4 Drain Bias [V] 0.5 0.6 Ballisticity Vg-Vth=1.0 30 (b) 0.9 VG-Vt=0.1V VG-Vt=0.4V 0.8 VG-Vt=0.7V 0.7 VG-Vt=1.0V 0.6 0.5 0.4 0.3 0 10 20 30 40 50 Channel Length [nm] 散乱を考慮した準バリスティックモデルのトランジスタ特性とゲート長によるバリシティシティ。 60 1.3 Si ナノワイヤにおける Ni シリサイド形成とその制御に関する検討 デバイスの高性能化には寄生抵抗の低減が必要な技術である。Ni シリサイドは低抵抗化に効果的な技術で あるが、Si ナノワイヤ FET に対して過剰に反応する実験結果を得てきた。図に SiO2 に囲まれた Si ナノワ イヤへの Ni シリサイド形成の様子を示す。SiO2 に囲まれた Si ナノワイヤ中に Ni シリサイドが形成され ている様子がうかがえ、分析の結果 Ni リッチのシリサイド相が形成されていることがわかった。この過剰 (a) SEM image (b) Plan-TEM image (c) Si Nanowire with SiO2 shell O Ni Si (oxidized) Si (un-oxidized) 70 60 50 40 Ni Silicide SiO2 30 Ni silicide Length of Ni Silicide 200nm Ni 20 Si 図3 Atomic concentration (%) な反応抑制する手法を提案・実証しており、今後そのメカニズムを明らかにしていく予定である。 Si (metal) 10 0 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 Distance (um) 60nm Annealing condition : 600oC, 30sec (a)(b)Si ナノワイヤへの Ni シリサイド形成の様子。(c)Ni リッチのシリサイド相が形成されている。 2.高誘電率ゲート絶縁膜の特性改善 2.1 低 EOT、低リーク電流を実現する high-k/Si 直接接合ゲートスタック 高性能で且つ低消費電力デバイスを実現するためには良好な界面を有する high-k/Si の直接接合を実現す る必要がある。我々は希土類酸化物の反応に関する性質に着目し良好な直接接合界面を実現することを目 指している。現在まで、CeO2 と La2O3 膜を 1:3 の組成で混合することにより、800 度の高温熱処理後でも EOT=0.64nm で 0.51A/cm2 という世界最高レベルの低リーク電流が得られることを示すことができている。 2nm metal 800oC 2sec EOT=0.58nm kav=17.4 LaCe-silicate Direct high-k/Si interface (b) 104 Jg @ Vg=1V (A/cm2) (a) ITRS requirements 103 102 La2O3 (3.0nm) 101 100 La2O3 (2.7nm) 10-1 10-2 0.5 La2O3 (2.4nm) 0.55 0.6 La2O3 (2.1nm) increase in La2O3 thickness 0.65 0.7 EOT (nm) 0.75 0.8 図4(a)作製した直接接合の断面電子顕微鏡像と(b)リーク電流特性 2.2 high-k/InGaAs ゲートスタックの界面特性改善 Si に変わる超高速デバイスが期待できる III-V 基板を用いた MOSFET の実現に向けて良好な絶縁膜の材料 とプロセス探索の研究を行っている。La2O3 と PrOx、CeOx の三種類の絶縁膜を選択し、In0.53Ga0.47As 基板を 用いて MOS キャパシタを作製した。その結果、PrOx 膜で周波数分散が抑制された特性を得ることができ、 1012cm-2/eV 前半の界面準位密度を得た。 27 Capacitance (uF/cm2) La2O3 (12nm) 0.4 0.4 10kHz 100kHz 1MHz 0.3 0.3 0.2 CeOx (12nm) 10kHz 100kHz 1MHz 0.8 0.6 0.2 0.1 0 -1.0 0 1.0 2.0 0 -1.0 10kHz 100kHz 1MHz 0.4 0.1 図5 28 PrOx (12nm) 0.2 0 1.0 Gate Voltage (V) 2.0 0 -1.0 希土類酸化物を用いた InGaAs キャパシタの容量特性 0 1.0 2.0 ■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ ■ 研究業績 研究論文 1. H.Iwai “Roadmap for 22nm and beyond”, Microelectronic Engineering, vol. 86, pp.1520-1528, Jul-Sep 2009 2. J. Song, K. Kakushima, P.Ahmet, K. Tsutsui, N. Sugii, T. Hattori, H. Iwai “Post metallization annealing study in La2O3/Ge MOS structure”, Microelectronic Engineering, vol. 86, pp.1638-1641, Jul-Sep 2009 3. University, Mini-Colloquium, Mar. 13, 2009, Daegu, Korea (平成 21 年 1 月-12 月) T. Kawanago, J. Song, K. Kakushima, P. Ahmet, K. Tsutsui, N. Sugii, T. Hattori, H. Iwai “Experimental Study for High Efffective Mobility with directly deposited HfO2/La2O3 MOSFET”, Microelectronic Engineering, vol. 86, pp.1629-1631, Jul-Sep 2009 3. H. Fujisawa, A. Srivastava, K. Kakushima, P. Ahmet, K. Tsutsui, N. Sugii, T. Hattori1, C. K. Sarkar, H. Iwai,“Electrical Characterization of W/HfO2 MOSFETs with La2O3 Incorporation”, ISTC /CSTIC2009, pp.53, Mar. 19,2009, Shanghai, China 4. H. Kamimura,H. Arai,S. Sato,K. Kakushima, P. Ahmet, K. Tsutsui, N. Sugii, T. Hattori, H. Iwai, “Evaluation of Lateral Ni Diffusion in Si Nanowire Schottky Contact”, ISTC /CSTIC2009, pp.58, Mar. 19,2009, Shanghai, China 5. Distinguished Lecture: H. Iwai, “Roadmap for 22 nm and Beyond” University College Dublin, EDS Mini-Colloquium on Advanced Electron Devices modeling and Technology, May 1, 2009, Dublin, Ireland 6. Distinguished Lecture: H. Iwai, “Technology Roadmap for 22nm and Beyond” University of Manchester, May 5, 2009, Manchester, UK 7. K.Tachi, T. Ernst, C. Dupre, A. Hubert, S. Becu, H. Iwai, S. Cristoloveanu, O. Faynot “Transport Optimization with Width Dependence of 3D-stacked GAA Silicon Nanowire FET with High-k/Metal Gate Stack”, 2009 Silicon Nanoelectronics Workshop, June 13, 2009, Kyoto, Japan 4. B. Sen, H.Wong, B. L. Yang, P. K. Chu, K. Kakushima and H. Iwai, “Effects of nitrogen incorporation into lanthana film by plasma immersion ion implantation”, Solid-State Electronics, vol.53, pp.355-358, Mar. 2009. 5. S.-L. Siu, H. Wong, W.-S. Tam, K. Kakusima, H. Iwai, “Subthreshold parameters of radio-frequency multi-finger nanometer MOS transistors”, Microelectronics Reliability, vol.49, pp.387391, Apr. 2009. 6. T. Koyanagi, K. Tachi, K. Okamoto, K. Kakushima, P. Ahmet, K. Tsutsui, N. Sugii, T. Hattori, H. Iwai, “Electrical Characterization of La2O3-Gated Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor with Mg Incorporation” Japanese Journal of Applied Physics 48, May 2009 8. M.Kouda, N.Umezawa, K.Kakushima, P.Ahmet, K.Shiraishi, T.Chikyow, K.Yamada, H.Iwai, “Charged defects reduction in gate insulator with multivalent materials”, 2009 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers, pp.200-201, June 17, 2009, Kyoto, Japan 7. H. Wong, C. K. Wong, J. Liu, and H. Iwai, "Growth of Dielectric-Embedded Silicon Nanocrystallites for Light-Emitting Device Application" Journal of Nanoscience and Nanotechnology, 2009. 9. Invited Talk: H. Iwai, “Technology Roadmap for 22nm and Beyond”, IEEE/2nd IEEE International Workshop On Electron Devices And Semiconductor Technology, June 1, 2009, Indian Institute of Technology Bombay, Mumbai, India 8. K. Kakushima, K. Tachi K, J. Song, S. Sato, H. Nohira, E. Ikenaga, P. Ahmet, K.Tsutsui, N. Sugii, T.Hattori, H. Iwai , “Comprehensive x-ray photoelectron spectroscopy study on compositional gradient lanthanum silicate film”, JOURNAL OF APPLIED PHYSICS, Vol.106, Dec. 2009 10. H.Iwai, “Past and Future of Integrated Circuits Technology”, International Conference on Frontiers of Physics(ICFP 2009), pp.60, June 2-5,2009, Kathmandu, Nepal Hei Wong, Kenji Shiraishi, Kuniyuki Kakushima and Hiroshi Iwai, “High-K Gate Dielectrics” Electronic Device Architectures for the Nano-CMOS Era, pp.105-140, 2009 12. Poster Presentation: P.Ahmet, T. Nagata, K.Kakushima, K.Tsutsui, T. Chikyow, H. Iwai, “On the thermal stability of nicket silicides” Future Trends in Microelectronics(FTM-2009) Workshop, June 16, Sardinia, Italy 著書 1. 国際会議 1. H.Iwai, “Downsizing of transistors towards its Limit”NIT Calicut, Jan. 5, 2009, Calicut, India 2. Distinguished Lecture: H.Iwai, “Technology Scaling and Roadmap for 22nm and beyond”, Kyungpook National 11. Poster Presentation: H. Iwai, “Nano-CMOS technology after reaching its scaling limit” Future Trends in Microelectronics (FTM-2009) Workshop, June 16, Sardinia, Italy 13. Plenary Invited Talk: H.Iwai “Roadmap for 22nm and beyond, INFOS2009, Microelectronic Engineering, vol. 86, pp.1520-1528, June 28-July 1, 2009, Cambridege University, UK 29 14. J. Song, K. Kakushima, P.Ahmet, K. Tsutsui, N. Sugii, T. Hattori, H. Iwai “Post metallization annealing study in La2O3/Ge MOS structure” INFOS2009, Microelectronic Engineering, vol. 86, pp.1638-1641, June 28-July 1, 2009, Cambridege University, UK 15. T. Kawanago, J. Song, K. Kakushima, P. Ahmet, K. Tsutsui, N. Sugii, T. Hattori, H. Iwai “Experimental Study for High Efffective Mobility with directly deposited HfO2/La2O3 MOSFET” INFOS2009, Microelectronic Engineering, vol. 86, pp.1629-1631, June 28-July 1, 2009, Cambridege University, UK 16. H.Iwai, “Si Nanowire FET technology”, TIT-UCAM workshop, July 3, 2009, Cambridege University, UK 17. K.Kakushima, H.Iwai, “High-k expariment below 0.4 nm EOT”, TIT-UCAM workshop, July 3, 2009, Cambridege University, UK 18. Keynote Speech: H.Iwai “Logic LSI Technology Roadmap for 22nm and Beyond” IPFA2009, July 8, Suzhou, China 19. H.Iwai, “Future nanoelectronic device technologies –high-k, nanowire and alternative channel-”, NSC-JST Nano Device Workshop, July 23, 2009, National Nano Device Laboratories, Hsinchu, Taiwan 20. S. Sato, H. Kamimura, H. Arai, K. Kakushima, P. Ahmet, K. Ohmori, K. Yamada, H. Iwai “High-Performance Si Nanowire FET with a Semi Gate-Around Structure Suitable for Integration”, ESSDERC 2009, 39th European Solid-State Device Research Conference, pp.249, September 14-18, 2009, Athens, Greece. 21. K. Kakushima, K. Okamoto, T. Koyanagi, K. Tachi, M. Kouda, T. Kawanago, J. Song, P. Ahmet, K. Tsutsui, N. Sugii, T. Hattori, H. Iwai “Selection of Rare Earth Silicate with SrO Capping for EOT Scaling below o.5 nm”, ESSDERC 2009, 39th European Solid-State Device Research Conference, pp.403, September 14-18, 2009, Athens, Greece. 22. H.Iwai, “A roadmap for nano-CMOS”, ECS 216th Meeting, Vol.25 No.7 pp.67-76, Oct. 4– Oct.9, 2009, Vienna, Austria 23. K.Kakushima, P.Ahmet, H. Iwai “Overwhelming the o.5 nm EOT Level for CMOS Gate Dielectric”, ECS 216th Meeting, Vol.25 No.7 pp.171-75, Oct. 4– Oct.9, 2009, Vienna, Austria 24. M.Mamatrishat, M.Kouda, K. Kakushima, P. Ahmet, K. Tsutsui, N. Sugii, K. Natori, T. Hattori, H. Iwai “Analysis of Remote Coulomb Scattering Limited Mobility in MOSFETs with CeO2/La2O3 Gate Stacks”, ECS 216th Meeting, Vol.25 No.7 pp.253-257, Oct. 4– Oct.9, 2009, Vienna, Austria 25. H.Arai, H.Kamimura, S.Sato, K.Kakushima, P. Ahmet, K.Tsutsui, N.Sugii, K.Natori, T.Hattori, H.Iwai “Annealing Reaction for Ni Silicidation of Si Nanowire”, ECS 216th Meeting, Vol.25 No.7 pp.447-454, Oct. 4– Oct.9, 2009, Vienna, 30 Austria 26. T.Koyanagi, K.Okamoto, K.Kakushima, P.Ahmet, K.Tsutsui, A. Nishiyama, N.Sugii, K.Natori, T.Hattori, H.Iwai “Impact of Alkali Earth Elements Incorporation on Electrical Characteristics of La2O3 Gated MOS Device”, ECS 216th Meeting, Vol.25 No.6 pp.17-22, Oct. 4– Oct.9, 2009, Vienna, Austria 27. M.K.Bera, J.Song, K.Kakushima, P.Ahmet, K.Tsutsui, N.Sugii, T.Hattori, H.Iwai “Electrical Properties of Lanthanum-scandate Gate Dielectric Directly Deposited on Ge”, ECS 216th Meeting, Vol.25 No.6 pp.67-77, Oct. 4– Oct.9, 2009, Vienna, Austria 28. K.Funamizu, Y.C.Lin, K.Kakushima, P.Ahmet, K.Tsutsui, N.Sugii, E.Y.Chang, T.Hattori, H.Iwai “Electrical Characteristics of HfO2 and La2O3 Gate Dielectrics for In0.53Ga0.47As MOS Structure” ECS 216th Meeting, Vol.25 No.6 pp.265-270, Oct. 4– Oct.9, 2009, Vienna, Austria 29. H.Nohira, Y.Kon, K.Kitamura, M.Kouda, K.Kakushima, H.Iwai “Annealing-temperature Dependence of Compositional Depth Profiles and Chemical Bonding States of CeOx / LaOx/Si and LaOx/CeOx /Si Structure”, ECS 216th Meeting, Vol.25 No.6 pp.321-326, Oct. 4– Oct.9, 2009, Vienna, Austria 30. H.Nakayama, K.Kakushima, P.Ahmet, E.Ikenaga, K.Tsutsui, N.Sugii, T.Hattori, H.Iwai “Crystallographic Orientation Dependent Electrical Characteristics of La2O3 MOS Capacitors”, ECS 216th Meeting, Vol.25 No.6 pp.339-345, Oct. 4– Oct.9, 2009, Vienna, Austria 31. Y. Lee, K. Kakushima, K. Shiraishi, K. Natori, and H. Iwai, “Systematic Study on Size Dependences of Transport Parameters for Ballistic Nanowire-FET with Effective Mass Approximation”, 2009 International Conference on Solid Sate Devices and Materials, E-7-5, October 2009, Sendai Kokusai hotel, Miyagi, Japan 32. H. Iwai “Miniaturization and future prospects of Si devices”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 33. Poster Presentation: M. K. Bera, J. Song, P. Ahmet, K. Kakushima, K. Tsutsui, A. Nishiyama, N. Sugii, T. Hattori, H. Iwai: “Rare-earth based mixed oxide as high-k gate dielectrics for Ge MOSFET”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 34. Poster Presentation: J. Song, K. Kakushima, P. Ahmet, K. Tsutsui, N. Sugii, T. Hattori and H. Iwai: “Effect of Ultrathin Si Passivation Layer for La2O3/Ge MOS structure”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 35. Poster Presentation: T. Kawanago, K. Kakushima, P.Ahmet, K.Tsutsui, A. Nishiyama, N. Sugii, K. Natori, T. Hattori, H. Iwai: “Experimental Investigation of VFB shift and Effective Mobility in La2O3 MOS Devices”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 36. Poster Presentation: Soshi Sato, Hideaki Arai, Kuniyuki Kakushima, Parhat Ahmet and Hiroshi Iwai: “Evaluation of Channel Potential Profile of Si Nanowire Field Effect Transistor”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 37. Poster Presentation: M. Mamatrishat, M. Kouda, K. Kakushima, P. Ahmet, K. Tsutsui, N. Sugii, K. Natori, T. Hattori, H. Iwai: “Study on Remote Coulomb Scattering Limited Mobility in MOSFETs with CeO2/ La2O3 Gate Stacks”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 38. Poster Presentation: A. Abudukelimu, K. Kakushima, P. Ahmet, K. Tsutsui, A. Nishiyama, N. Sugii, K. Natori, T. Hattori, H. Iwai: “Current-Voltage Characteristics of Ballistic Nanowire MOSFET by Numerical Analysis”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 39. Poster Presentation: M. Kouda, N. Umezawa, K. Kakushima, H. Nohira, P. Ahmet, K. Shiraishi, T. Chikyow, K. Yamada, H. Iwai: “Charged defects reduction in gate insulator with multivalent materials”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 40. Poster Presentation: Yeonghun Lee, Kuniyuki Kakushima, Kenji Shiraishi, Kenji Natori and Hiroshi Iwai: “Size-Dependent Transport Characteristics of Ballistic Silicon Nanowire FETs”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 41. Poster Presentation: H. Nakayama, K. Kakushima, P. Ahmet, E. Ikenaga,K. Tsutsui, N. Sugii, T. Hattori and H. Iwai: “Crystallographic Orientation Dependent Electrical Characteristics of La2O3 MOS Capacitors”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 42. Poster Presentation: H. Arai, H. Kamimura, S. Sato, K. Kakushima, P. Ahmet, A. Nishiyama,K. Tsutsui, N. Sugii, K. Natori, T. Hattori and H. Iwai: “Annealing Reaction for Ni Silicidation of Si Nanowire”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 43. Poster Presentation: K. Funamizu, T. Kanda, Y.C. Lin, K. Kakushima, P. Ahmet, K. Tsutsui, A. Nishiyama, N. Sugii, E.Y. Chang, K. Natori, T. Hattori and H. Iwai: “Electrical Characteristics of HfO2 and La2O3 Gate Dielectrics for In0.53Ga0.47As MOS Structure”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 44. Poster Presentation: W.Hosoda, K.Ozawa, K.Kakushima, P.Ahmet, K.Tsutsui, A.Nishiyama, N.Sugii, K.Natori, T.Hattori, and H.Iwai: “A Study of Schottky Barrier Height Modulation of NiSi by Interlayer Insertion and Its Application to SOI SB-MOSFETs”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 45. Poster Presentation: K. Matano, K. Kakushima, P. Ahmet, N. Sugii, K. Tsutsui, T. Hattori, and H. Iwai: “Threshold Voltage Control in p-MOSFET with High-k Gate dielectric”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 46. Poster Presentation: T. Koyanagi, K. Kakushima, P. Ahmet, K. Tsutsui,A. Nishiyama, N. Sugii, K. Natori, T. Hattori, and H. Iwai: “Influence of Alkali Earth Elements Capping on Electrical Characteristics of La2O3 Gated MOS Device”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 47. Poster Presentation: Y. Kobayashi, K. Kakushima, P. Ahmet, V. Ramgopal Rao, K. Tsutsui and H. Iwai: “Short-channel effects on FinFETs induced by inappropriate fin widths”, G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices, October 13-14, 2009, Tokyo Institute of Technology, Japan 48. Distinguished Lecture: H. Iwai “Past and future of Micro /Nano-electronics” IIT Madras, November 3, 2009, Chennai, India 49. Keynote Speech: H. Iwai “Past and future of Micro /Nano-electronics”, Novemver 4,2009, IEEE EDS & SKP Workshop 2009, SKP Engineering College,Tiruvannamalai, India 50. Distinguished Lecture: H. Iwai“Past and future of Micro /Nano-electronics” IEEE EDS Mini Colloquia, November 9, 2009, Government Engineering College, Port Blair, India 51. K. Tachi, M. Casse, D. Jang, C. Dupre, A. Hubert, N. Vulliet, C. Maffini-Alvaro, C. Vizioz, C. Carabasse, V. Delaye, J.M.Hartmann, G. Ghibaudo, H. Iwai, S. Cristoloveanu, O. Faynot, and Ernst “Relationship between mobility and high-k interface properties in advanced Si and SiGe nanowires”, IEDM 2009, December 8, 2009, Baltimore, USA 31 52. H. Iwai “Si MOSFET Roadmap for 22nm and beyond”, December 14, 2009, CODEC 2009, Hyatt Regency, Kolkata, India 53. H. Iwai “Past and Future of Silicon Electronic Devices”, December 15, 2009, National Symposium on“Science and Technology and the Young (Career, Creativity and Excitement)” Organized by National Academy of Science, Calcutta University, Kolkata, India 6. 細田 亘、野口浩平、角嶋邦之、パールハット アヘメ ト、筒井一生、杉井信之、服部健雄、岩井 洋“異種金 属界面挿入による Ni シリサイドのショットキー障壁変 調と SB-MOSFET への応用” 第 56 回応用物理学関係連 合講演会 No.2 pp.868(2009 年 3 月 30~4 月 2 日 筑波大 学) 7. 幸田みゆき、角嶋邦之、パールハット アヘメト、筒井 一生、杉井信之、服部健雄、岩井 洋“CeO2 /La2O3 積層 ゲート絶縁膜のリーク電流特性の膜厚依存性” 第 56 回 応用物理学関係連合講演会 No.2 pp.854(2009 年 3 月 30~ 4 月 2 日 筑波大学) 8. 船水清永、Yueh-Chin Lin、角嶋邦之、パールハット アヘ メト、筒井一生、杉井信之、Edward Yi Chang,服部健雄、 岩井 洋“High-k ゲート絶縁膜を用いた InxGa1-xAs MOS 構造の研究” 第 56 回応用物理学関係連合講演会 No.2 pp.837(2009 年 3 月 30~4 月 2 日 筑波大学) 9. 李 映勲、永田貴弘、角嶋邦之、白石賢二、名取研二、 岩井 洋“引っ張り歪み Si ナノワイヤの電子構造とバリ スティック伝導” 第 56 回応用物理学関係連合講演会 No.2 pp.902(2009 年 3 月 30~4 月 2 日 筑波大学) 54. Distinguished Lecture: H. Iwai “Si MOSFET Roadmap for 22nm and beyond", December 16, 2009, Jadavpur University, Kolkata, India 55. Seminar: H Iwai “Past and Future of Silicon Electronic Devices", December 24, 2009, Seminar, Xian Jiaotong University, Xian, China 56. Seminar: H Iwai “Future nanoelectronic device technologies high-k, nanowire and alternative channel", December 24, 2009, Seminar, Xian Jiaotong University, Xian, China 57. Seminar: H Iwai “Past and Future of Silicon Electronic Devices", December 29, 2009, Seminar, Northwestern Polytechnical University,Xian, China 国内会議 1. 2. 3. 4. 5. 32 幸田みゆき、梅澤直人、角嶋邦之、パールハット・アヘ メト、白石賢二、知京豊裕、山田啓作、服部健雄、岩井 洋“低電子揺動 Ce 酸化物を利用した high-k 膜中の固定 電荷の抑制”応用物理学会 薄膜・表面物理分科会/シリ コンテクノロジー分科会共催特別研究会 ゲートスタ ック研究会-材料・プロセス・評価の物理-(第 14 回研 究会)pp.21 , 2009 年 1 月, 東レ総合研修センター 岩井 洋、山田啓作、大毛利健治、筒井一生、角嶋邦之、 パールハット アヘメト、佐藤創志、上村英之、新井英 朗“トップダウン Si ナノワイヤ FET の作製法とその電 気的特性のサーベイ”第 56 回応用物理学関係連合講演 会 No.0 pp.147(2009 年 3 月 30~4 月 2 日 筑波大学) 岩井 洋、名取研二、白石賢二、山田啓作、大毛利健治、 筒井一生、角嶋邦之、パールハット アヘメト“シリコ ンナノワイヤ FET 研究の現状とロードマップ作成の考 え方” 第 56 回応用物理学関係連合講演会 No.0 pp.155(2009 年 3 月 30~4 月 2 日 筑波大学) 野平博司、今陽一郎、北村幸司、幸田みゆき、角嶋邦之、 岩井 洋“CeO2 /La2O3/Si(100)構造の熱安定性(2)” 第 56 回応用物理学関係連合講演会 No.2 pp.853(2009 年 3 月 30 ~4 月 2 日 筑波大学) 宋 在烈、舘 喜一、角嶋邦之、パールハット アヘメ ト、筒井一生、杉井信之、服部健雄、岩井 洋“極薄 Si 界面層を挿入した La2O3/Ge MIS 構造における界面準位 密度低減に関する検討” 第 56 回応用物理学関係連合講 演会 No.2 pp.840(2009 年 3 月 30~4 月 2 日 筑波大学) 10. 佐藤創志、上村英之、新井英朗、角嶋邦之、パールハッ ト アヘメト、大毛利健治、筒井一生、杉井信之、服部 健雄、山田啓作、岩井 洋“四端子測定 TEG を用いた Si ナノワイヤトランジスタのチャネル内電位の測定”第 56 回応用物理学関係連合講演会 No.2 pp.901(2009 年 3 月 30~4 月 2 日 筑波大学) 11. 新井英朗、上村英之、佐藤創志、角嶋邦之、パールハッ ト アヘメト、筒井一生、杉井信之、服部健雄、岩井 洋 “Si ナノワイヤへの Ni シリサイド形成の評価” 第 56 回応用物理学関係連合講演会 No.2 pp.901(2009 年 3 月 30 ~4 月 2 日 筑波大学) 12. 横田知之、酒井一憲、パールハット アヘメト、角嶋邦 之、筒井一生、岩井 洋“反復剥離法による 3 次元 Fin 構造中ドーピングプロファイル測定の提案” 第 56 回応 用物理学関係連合講演会 No.2 pp.873(2009 年 3 月 30~4 月 2 日 筑波大学) 13. 又野克哉、川那子高暢、角嶋邦之、パールハット アヘ メト、筒井一生、杉井信之、服部健雄、岩井 洋“Ge 層挿入による La2O3-MOS キャパシタの VFB 制御” 第 56 回応用物理学関係連合講演会 No.2 pp.854(2009 年 3 月 30 ~4 月 2 日 筑波大学) 14. 中山寛人、日野雅文、永田晃基、小瀬村大亮、角嶋邦之、 パールハット アヘメト、筒井一生、杉井信之、小椋厚 志、服部健雄、岩井 洋“As 注入と SiN 応力膜による poly-Si への歪記憶の検討” 第 56 回応用物理学関係連合 講演会 No.2 pp.869(2009 年 3 月 30~4 月 2 日 筑波大学) 15. 星野憲文、中川恭成、野平博司、室隆桂之、加藤有香子、 甲斐隆行、金成国、パールハット アヘメト、角嶋邦之、 水野文二、木下豊彦、筒井一生、服部健雄、岩井 洋“光 電子分光による Si 中 As の化学結合状態評価” 第 56 回 応用物理学関係連合講演会 No.2 pp.883(2009 年 3 月 30~ 4 月 2 日 筑波大学) 16. 小林勇介、角嶋邦之、パールハット アヘメト、V.R.Rao、 筒井一生、岩井 洋“FinFET の構造ばらつきによるオン 電流のばらつきの検討” 第 56 回応用物理学関係連合講 演会 No.2 pp.898(2009 年 3 月 30~4 月 2 日 筑波大学) 17. 小柳友常、岡本晃一、角嶋邦之、パールハット アヘメ ト、杉井信之、筒井一生、服部健雄、岩井 洋“La2O3MOS デバイスへの SrO 導入による電気特性の変化” 第 56 回 応用物理学関係連合講演会 No.2 pp.854(2009 年 3 月 30~ 4 月 2 日 筑波大学) 18. 向井弘樹、中山寛人、角嶋邦之、パールハット アヘメ ト、筒井一生、西山彰、杉井信之、名取研二、服部健雄、 岩井 洋“Si 基板面方位の違いによる La2O3/Si MOS キ ャパシタの電気特性”第 70 回応用物理学会学術講演会 No.2pp.733(2009 年 9 月 富山大学) 19. 小柳友常、角嶋邦之、パールハット アヘメト、筒井一 生、西山彰、杉井信之、名取研二、服部健雄、岩井 洋 “La2O3 MOS デバイスへの BaO キャップによる電気特 性の変化” 第 70 回応用物理学会学術講演会 No.2pp.733 (2009 年 9 月 富山大学) 20. 野平博司、今陽一郎、幸田みゆき、角嶋邦之、岩井 洋 “SrO/ La2O3/CeO2/Si(100)構造の熱安定性”第 70 回応用 物理学会学術講演会 No.2pp.733(2009 年 9 月 富山大学) 21. ダリューシュ ザデ、A.Srivastava、角嶋邦之、パールハ ット アヘメト、筒井一生、杉井信之、服部健雄、岩井 洋“High-k ゲート絶縁膜を用いた MOSFET の低周波ノ イズ解析”第 70 回応用物理学会学術講演会 No.2pp.740 (2009 年 9 月 富山大学) 22. 神田高志、船永清永、Yueh Chin Lin、角嶋邦之、パール ハット アヘメト、筒井一生、西山彰、杉井信之、Edward Yi Chang,名取研二、服部健雄、岩井 洋“La2O3, HfO2 を用いた In0.53Gao.47As MOS キャパシタの電気特性” 第 70 回応用物理学会学術講演会No.2pp.748 (2009 年9月 富 山大学) 23. H.サウッディン、岡下勝己、佐々木雄一朗、水野文二、 中山一郎、パールハット アヘメト、角嶋邦之、筒井一 生、岩井 洋“ボロン固体ソースを用いたプラズマドー ピング法” 第 70 回応用物理学会学術講演会 No.2pp.768 (2009 年 9 月 富山大学) 24. 横田知之、筒井一生、田中正興、角嶋邦之、パールハッ ト アヘメト、岩井 洋“反復剥離法による3次元 Fin 構造中ドーピングプロファイルの測定” 第 70 回応用物 理学会学術講演会 No.2pp.775(2009 年 9 月 富山大学) 25. 星野憲文、筒井一生、野平博司、田中彰博、鈴木峰晴、 パールハット アヘメト、角嶋邦之、服部健雄、岩井 洋 “光電子分光により検出した Si 中の Sb の化学結合状態 の評価” 第 70 回応用物理学会学術講演会 No.2pp.776 (2009 年 9 月 富山大学) 26. 小澤健児、細田亘、角嶋邦之、パールハット アヘメト、 筒井一生、西山彰、杉井信之、服部健雄、名取研二、岩 井 洋“異種金属界面挿入による Ni シリサイドのショ ットキー障壁変調と SB-MOSFET への応用Ⅱ” 第 70 回 応用物理学会学術講演会 No.2pp.780(2009 年 9 月 富山 大学) 27. 茂森直登、新井英朗、佐藤創志、角嶋邦之、パ-ルハッ ト アヘメト、西山彰、筒井一生、杉井信之、服部健雄、 岩井 洋“2step アニールを用いた酸化膜中の Si ナノワ イヤへの Ni シリサイド化” 第 70 回応用物理学会学術 講演会 No.2pp.798(2009 年 9 月 富山大学) 28. A.Abudukelimu、角嶋邦之、パールハット アヘメト、筒 井一生、西山彰、杉井信之、名取研二、服部健雄、岩井 洋“Current-Voltage Characteristics of Ballistic Nanowire FETs by Numerical Simulation” 第 70 回応用物理学会学術講演 会 No.2pp.800(2009 年 9 月 富山大学) 29. マイマイティ マイマイティレャアティ、幸田みゆき、 角嶋邦之、パールハット アヘメト、筒井一生、西山彰、 杉井信之、名取研二、服部健雄、岩井 洋“CeO2/ La2O3 MOSFET におけるリモートクーロン錯乱の移動度に及 ぼす影響” 第 70 回応用物理学会学術講演会 No.2pp.734 (2009 年 9 月 富山大学) 30. 来山大祐、小柳友常、角嶋邦之、パールハット アヘメ ト、筒井一生、西山彰、杉井信之、名取研二、服部健雄、 岩井 洋“La2O3 を用いた MOS キャパシタの高温熱処理 の検討” 第 70 回応用物理学会学術講演会 No.2pp.732 (2009 年 9 月 富山大学) 31. 澤田剛伸、小柳友常、角嶋邦之、パールハット アヘメ ト、筒井一生、西山彰、杉井信之、名取研二、服部健雄、 岩井 洋“La2O3MOS キャパシタの初期膜厚の違いによ る界面 La シリケート膜の形成” 第 70 回応用物理学会 学術講演会 No.2pp.732(2009 年 9 月 富山大学) 32. 岩井 洋 “Si Nanoelectronic Device Technology” Tokyo-Tech Technical Workshop for Open Innovation -Green ICE at Tokyo Tech-, (2009 年 11 月 30 日 東京工業大学統合研究院) ■ 研究費の取得状況(平成 21 年度) 科学研究費補助金 (主な研究資金として) <特定領域研究> 3次元構造 MOSFET のロバストネス 平成 18 年度~21 年度 平成 21 年度 10,400,000 円(直接経費) <基盤研究 A> 絶縁膜と半導体における界面ダイポールの定量的把握とモ デル化に関する研究 33 ・ECS Meeting, Sympo. on High Dielectric Constant Materials and Gate Stacks Organizer 2002-2009 平成 21 年度~23 年度 平成 21 年度 17,300,000 円(直接経費) ・ECS Electronics Division 2001-present 受託研究(上記を除く) 2件 202,999,000 円(獲得金額) ・IEEE EDS 共同研究(上記を除く) 3件 8,630,000 円(獲得金額) ■ 奨学寄附金 1件 1994-present 政府、自治体その他公的団体の委員等(平成 21 年度) ・応用物理学会 シリコンテクノロジー分科会 2008.4~2011.3 ■ 研究室の在籍者(平成 21 年度中) ■ Distinguished Lecturer ・電気学会 シリコンナノデバイス集積化技術調査委員会 委員 2009.6~2012.5 400,000 円 学部学生 大学院修士課程在籍者 大学院博士課程在籍者 研究生 受託研究員 民間等共同研究員 その他ポスドク等 Executive Committee member 1 15(4) 11(4) 1(1) 0 2 1(1) (内留学生人数) 諮問委員 ・More Moore More than Moore における化合物半導体電子デ バイス調査専門委員会 委員 2007.10~2009.9 ・NEDO エネルギー使用合理化技術戦略的開発先導研究民生 系 A 技術委員会 技術委員 2007.8~2011.3 ・東北大学大学院工学研究科 開発拠点 諮問委員 マイクロシステム融合研究 2007.7~2010.3 ・ (社)電子情報技術産業協会 半導体技術ロードマップ諮問 委員会 諮問委員 2006.4~2010.3 受賞、褒賞(平成 21 年度) ・文部科学大臣表彰科学技術分野科学技術賞 岩井 洋 平成 21 年 4 月 ・電子情報通信学会フェロー授与 平成 21 年 9 月 開発部門 岩井 洋 ・電子情報通信学会 IEICE Electronics Express 編集委員会 編集委員 2003.9~2010.5 ■ 記事(平成 21 年度) 1. トランジスタ欠陥1/10 に, 日経産業新聞(2009 年7 月7 日) ■ 海外渡航の回数(平成 21 年度) ■ 23 回 ■ 「超低消費電力・超高速情報通信用ナノデバイス集積 回路の研究」のリーダーを務めている 学会役員(平成 21 年度) ・ECS Individual Membership Committee member 2009-2011 ・IEEE Divisison 1 Delegate-Elect/Director-Elect ・IEEE Frederik Philips Award Committee ・IEEE EDS Senior Past President ・IEEE EDS Award Committee member ・IEEE EDS Fellow Committee Chair ・IEEE TAB Member 2009 2008-2009 2008-2009 2008-2009 Member 2002-present ・2003 IMFEDK (The 2003 International Meeting for Future of Electron Devices, Kansai ) International Committee Chair 2003-present 34 ■ 21 世紀 COE プログラムへの参加状況(平成 21 年度) G-COE 国際シンポジウムへの参加(2009 年 10 月 20 日-21 日・大岡山キャンパス) 2009-2010 2004-present ・Andrew Grove Award Committee イノベーション研究推進体への参加状況(平成 21 年度) ■ 関連イベントへの協力・参加状況(平成 21 年度) 1. IWJT 2009 開催日:2009 年 6 月 10 日~12 日 主 催:IEEE 会 場:日本・京都 招待講演者:Vikram Singh,Karuppanan Sekar,品田賢宏, 青山敬幸 他 2. 216th ECS Meeting 開催日:2009 年 10 月 3 日~9 日 主 催:ECS 会 場:Austria, Vienna 招待講演者:J. Lee, C. Yan, Yee-Chia Yeo 他 3. G-COE 国際シンポジウム 開催日:2009 年 10 月 20 日~21 日 主 催:IEEE 会 場:東京工業大学 大岡山キャンパス 招待講演者:S. M. Sze, G. Baccarani, Dim-Lee Kwong, S. Deleonibus, C. Claeys, W.I. Milne, K. Banerjee,D. Williams 4. ISTC 2010 開催日:2010 年 3 月 18 日~19 日 主 催:ECS 会 場:上海、中国 招待講演者:Stuart S.P. PARKIN, Yan Borodovsky T.P. MA 他 35 36 情報系 腰原プロジェクト <非平衡超高速光電デバイス材料の開発と評価> プロジェクトリーダー 腰原 伸也 教授 研究期間 平成17年度~平成20年度 研究費総額 約12億円 研究資金ソース 科学技術振興機構(ERATO プロジェクト等) ■ 研究内容 現代高度情報化技術を支えている電子システムは、電子機能部分には無機半導体材料が、コンデンサー には誘電体が、情報記憶材料には磁性体やガラス材料が、電力流路には超伝導体など、その役割に応じた 種々の電子、光電子機能を有する材料によって構成されている。しかしこれらの既存材料においては、い ずれも均一で静的な構造を舞台とする電子状態(基底状態)により規定される枠組みが、材料の基本性質 を決定している。この既成概念を乗り越えて、高効率、動的かつ超高速に応答する新規な光電的機能材料 の可能性を切り開くためには、固体内の電子状態や磁気的(スピン)状態さらにはその空間的分布が、結 晶のメゾスコピックな動的構造変化(非平衡状態)と協同的に強く結合した材料(非平衡強相関材料)を 開拓することが必要不可欠である。 本研究が指向する非平衡強相関物質は、動的な結晶構造変化を積極的に利用する物である。この研究か らは、光による磁性体、誘電体のスイッチングを、高感度かつ THz 領域の応答速度で達成できる全く新規 な光デバイス材料の創成が期待できる。実際学術的視点で報告してきた、光誘起磁性(光制御型磁石) 、 光誘起強誘電体(コンデンサーの光制御)は、今日のスピントロニクス等の、応用も含めた新分野として 展開しつつある。本プロジェクトでは、この研究を発展させ、従来の材料を大きく凌駕する高感度を有し つつ、フェムト秒(1000 フェムト秒=1ピコ秒は、1THz の振動1周期に対応)領域で誘電関数、スピン 状態等が変化する物質とそのデバイス応用探求を行う。またこの種の材料開発にとって必須の、超高速動 的観測が可能な X 線観測技術の開発も、併せて実施する。 ■ 新産業創造・新分野開拓の可能性 本研究からは、静的半導体構造への電荷ドーピングという従来のデバイスの枠組みとは大きく異なる、 動的構造という新原理に基づくデバイスの登場が期待できる。申請者が本学教官(宗片教授)と共同で実 例を世界で初めて報告してきた、 「半導体光磁石」などはその一例である。また開発中の超高速動的 X 線 観測技術も、現在の構造科学や、X 線並びにその周辺産業の枠組みを大きく変革する可能性を持っている。 ■ 研究参加者 国内:京都大学、大阪市立大学、東京工業大学応セラ研、高エネルギー加速器研究機構、物質・材料研 究機構 国外:レンヌ第一大学(University of Rennes 1) 、ベルサイユ大学(University of Versailles) 、エコール・ ポリテクニーク(Ecole Polytechnique)、ヨーロッパ放射光施設(ESRF: European Synchrotron Radiation Facility) 、オックスフォード大学(Oxford University) 、ローレンスバークレー国立研究 37 所(LBNL: Ernest Orlando Lawrence Berkeley National Laboratory) 、ブラツワフ工科大学(Technical University of Wroclaw, Poland) ■■■ 平成21年度主要トピックス ■■■ イノベーション研究の主題ともなっている、100 ピコ秒(ps)動的構造解析装置が完成し、その本格利 用研究によって多くの成果を得る事ができた。またこの装置への期待を反映し、多くの国際共同研究が進 行中である。 1. 100億分の1秒のX線パルスによる分子磁性と分子構造変化の検出 非接触かつ遠隔伝達可能な理想的エネルギー源である光を用いて、そのエネルギーをより利用しやすい 形態に変換・貯蔵し、有効利用のための高効率システムを構築することは、持続可能な社会の実現に向け た重要な研究課題であり、また本プロジェクトの主題の一つでもある。また光を用いた物質の制御は、次 世代の光通信や光情報処理素子開発のためのキーテクノロジーとして期待されており、特に光により磁性 が変化する物質は、超高速光通信に必要不可欠な光スイッチングデバイスへの応用の観点から注目を集め ている。より良い機能を持った新物質設計を行うためには、その基礎的な情報である光による分子内の高 速な磁性の変化と、それに伴う高速な分子構造の変化に関する情報を得ることが極めて重要である。しか しながら、これまでの最新技術をもってしても高速で変化する分子の磁性を観測することは極めて困難で あり、また分子磁性と分子構造変化を同時に測定することは不可能であった。本プロジェクトでは、新た に開発された時間分解 X 線吸収微細構造(XAFS)法を用いることにより、光によって分子内に100億分 の1秒の間だけ出現する磁性と分子構造の変化を直接観測することに成功した。 本研究の対象としたサンプルは 1 個の鉄原子の周りをフェナントロリンと呼ばれる3個の有機分子が取 り囲んでいる分子集合体である。このような分子集合体を一般に金属錯体と呼び、この分子は、鉄フェナ ントロリン錯体と呼ばれている。この鉄フェナントロリン錯体は水に溶かすと綺麗なワイン色の溶液にな るが、非常に短い時間幅を持つ青色のレーザー光を照射すると、分子の電子状態が変化し、700ピコ秒 (100ピコ秒:100億分の1秒)という非常に短い時間で元の状態に戻るということが知られていた。 この現象は錯体分子の中心にある鉄原子の状態がレーザー光によって過渡的に変化し、元に戻ったことに 対応している。分子の色が変化していることで、分子中の磁性と分子構造が変化していることが予想され るが、実験的にその詳細なメカニズムを調べるためには、磁性と分子構造の変化を一度に測定することが できる XAFS 測定が最も有効な手法である。ただし、一般的なXAFS測定は高速現象の測定には適さな いため、特殊な方法で強力な短パルスのX線を利用する必要がある。このために本研究で構築した、高エ ネルギー加速器研究機構(KEK)の放射光科学研究施設(PF-AR)の時間分解X線ビームライン NW14A を利 用した。このビームラインは高速な物質の状態変化を原子サイズの分解能の動画として観測するために、 特別に設計・建設されたビームラインである。このビームラインでは、レーザーパルスと X 線パルスを交 互に繰り返し入射するポンプ・プローブ測定法によって、周期的に非常に短い間だけ出現する状態を、1 00ピコ秒幅の X 線を用いて捕らえることが可能となっている。 38 我々は、このビームラインを利用して時 間分解XAFS実験を新規に開発するこ とで(図1)、鉄フェナントロリン錯体の 電子状態変化を、分子の磁性および分子構 造の変化として観測することに成功した。 その結果から、光励起後の鉄フェナントロ リン分子中では、700ピコ秒の間だけ、 鉄原子の電子スピンの配置が変化して磁 図1:本プロジェクトで新規開発された時間分解 XAFS システム。パルスレーザー光でサンプルを励起した場 所にパルス X 線を入射させ、出てくるパルス蛍光シグ ナルを検出することで100ピコ秒(100億分の 1 秒)の間に起こる XAFS スペクトルの変化を測定するこ とができる。 性が出現し、その影響で鉄とフェナントロ リンの結合距離が 0.198 ナノメータから 0.215 ナノメータへと約10%伸びて分子 構造が変化し、鉄とフェナントロリンの間 の結合が弱くなっていることが明らかと なった(図2, 3)。この結果は、図4に 示すように、溶液中でランダムに配向した分子が、光によって700ピコ秒という非常に短い間に一瞬だ け分子磁石へと変化し、すぐに元の状態へと戻ってゆく様子を、これまで実現不可能であった空間精度と 時間精度で捕らえることに成功したことを示している。 図2:パルスレーザー励起による XAFS スペクトルの変化。 青線が鉄の XAFS スペクトル、赤四角が パルスレーザー励起後100億分の1 秒後におけるスペクトル変化である。 矢印で示されたスペクトル変化によ り、スピン状態・結合状態・分子構造 がレーザー励起により変化しているこ とがわかる。 本プロジェクト研究で開発された時間分解XAFS法によって、原子スケールにおける、極めて短い時 間(100億分の1秒)の機能(磁性)の変化を、その機能変化と結びついた分子構造の変化と合わせて 同時に直接観測することが可能となった。これは超高速な光磁性現象のメカニズムを知ることができると いう意味で極めて画期的なものである。このように光によって、分子磁性が超高速に変化する現象をその 構造学的起源にまでさかのぼって探究することは、超高速な超微小メモリやスイッチの開発を推進するた めに必要不可欠である。また、時間分解XAFS法は試料形状を選ばないため、固体だけでなく、液体や 気体のように結晶でない試料に対しても適用可能である。したがって分子磁石、磁性触媒、生物磁石、と いった、分子中の磁性を利用した新技術における反応機構解析・物質設計に大いに役立つことが期待でき 39 る。さらには光エネルギーの有効利用に向けて、光電変換新材料や光触媒反応によるCO2 固定化など、 光エネルギー利用技術の高効率化を目指した基礎測定技術としても、今後の発展が期待される。 図3:時間分解 XAFS スペクトルを解析することで求められた磁性と分子構造の変化。レ ーザー励起によって鉄のスピン状態に図に示す変化が起こり分子磁石になる。また、スピ ン状態が変化した影響で鉄と窒素の距離が10%伸びて鉄フェナントロリン分子の形が 膨らむように構造変化する。 図4:XAFS スペクトル強度の 時間変化。XAFS スペクトル 強度の時間変化はレーザー によって励起された分子の 割合を示す。赤い矢印(磁 性を示す)を持つ鉄フェナ ントロリン錯体は励起され た状態を示す。0ピコ秒で 励起された分子の半分は、 490ピコ秒で元の状態 (基底状態)に戻ることが 分かる。 40 2.X線を用いた強誘電体格子の電場応答の観測 ABO3 型ペロブスカイト構造を有する酸化物は物性の多様性及び構造の単純さのため、多くの研究の対象 となっている。特に多くのペロブスカイト構造酸化物強誘電体は、その強誘電性が主に B サイトイオンの 変移によってドライブされると考えられている(図5)。我々は、動的構造観測技術の活用として、典型 図5:BaTiO3 結晶の構造と、 外部電場による結晶歪(ピエ ゾ効果)発現のミクロメカニ ズムの推定図 図6:外部電場による格子歪の測 定装置概念図と測定例 図7:電場と平行方向の格子歪 図8:電場と垂直方向の格子歪 41 的な強誘電体 BaTiO3 単一ドメイン結晶における外部電場と格子歪の関係の直接的観測を目的とした実験 を行った(図6)。その結果、外部電場と平行な結晶軸方向への結晶の伸長(図7)と、それと垂直方向 の縮み(図8) 、並びにそれらの結晶変位量と外部電場の間の関係を初めて直接観測することに成功した。 これは圧電材料開発に欠くことのできない、電場応答ミクロメカニズムの知見を明らかにするものとして、 今後のメカトロニク材料開拓の重要な知見を提供するものである。 3. タンパク質分子内にある疎水性キャビティーの協働的変形と分子輸送機能 一般に可溶性のタンパク質分子は内側に疎水性アミノ酸、外側に親水性アミノ酸を向けた状態で折り畳 まれた構造をとる。その理由は、疎水性アミノ酸を外側に露出させるより、内側にパックしたほうが熱力 学的に安定なためである。しかし、タンパク質の内側が疎水性アミノ酸でぎっちり詰まっているかという と必ずしもそういうわけではない。タンパク質の結晶構造をよくみると、その内部の所々に疎水性アミノ 酸に取り囲まれてはいるものの、きっちりパックされていない「穴」が開いている。ここではこのような 「穴」を疎水性キャビティーと呼ぶ。この疎水性キャビティーは折り畳まれた分子の熱力学的安定性とい う意味では不利なはずであるが、長い進化の歴史を生き延びているからには、それなりの存在意義がある。 本研究の対象であるミオグロビンは、最も初期に結晶構造が解析されたタンパク質であるが、やはり内 部にいくつかの「穴」が開いている。その中で最も大きい疎水性キャビティーは鉄-ポルフィリン錯体(ヘ ムと呼ぶ)を収めるためのキャビティーであり、その鉄に酸素や一酸化炭素などが可逆的に結合すること はよく知られている(図9) 。しかしこの鉄を取り巻く疎水キャビティーには外界へとつながる通路がど こにもなく、いわば外界から隔絶されている。鉄に可逆的に結合する酸素はどのような経路を通って移動 するのか、この問題はミオグロビン研究者の長年にわたる謎だった。我々は昨年度より引き続いて時間分 図9:ミオグロビンの説明図。 ミオグロビンは153個のア ミノ酸が1本の鎖として繋が り、折り畳まれた構造を持つ。 たんぱく質の中に、ヘムと呼 ばれる鉄-ポルフィリン錯体 が取り込まれており、その鉄 に酸素や一酸化炭素などガス 分子が可逆的に結合する。 解 X 線結晶構造解析法により、鉄に結合した一酸化炭素分子(酸素分子のモデル)が、タンパク質分子内 の疎水性キャビティーの間を飛び移る様子の研究を集中的に実施した。そしてこの分子内ガス分子の移動 に際して、疎水性キャビティーの構造自体が、たんぱく分子内部から外部に向かって協働的に順序良く歪 むことによって、次のキャビティーへの通路を開けている様子を捕らえることに初めて成功した(図10、 図11) 。これによって時間分解 X 線結晶構造解析によって明らかとなった、タンパク質内部の疎水性キ 42 ャビティーのダイナミックな役割について明らかにすることができた。 図10:ミオグロビン分 子内の一酸化炭素分子が 移動する過程の分子。レ ーザー励起後に、一酸化 炭素分子がたんぱく質分 子内の「穴」の間を飛び 移り、あたかもたんぱく 質分子が協働的な“深呼 吸”をするように、一連 の穴の形状が時々刻々、 次々と変形する姿が捕え られた。 図11:一酸化炭素分子の移動 に伴う、 たんぱく質内部の空洞 形状の変化(測定温度-13 0℃) 。点線で囲った部分が ミオグロビン分子内の「穴」 である。レーザー照射前とレ ーザー照射開始後750分 の構造を比較した。時間の経 過とともに空洞が拡大し、空 洞と空洞の間が徐々につな がってゆく様子が見て取れ る。 43 ■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ ■ 研究業績 (平成 21 年 1 月-12 月) 研究論文 1. Nakano, H. Yamochi, G. Saito and S. Koshihara “Anomalous photo-induced response by double-pulse excitation in the organic conductor (EDO-TTF)2PF6” J. Phys. Conf. Ser. (2009) 148, 012002 X.Peng, Y.Okimoto, M.Endo, K.Sato, T.Aizawa, K.Onda, T.Ishikawa, S.Koshihara and T.Arima “Femtosecond time-resolved reflection spectroscopy in Pr1-xCaxMnO3(x=0.37) ” Physica Status Solidi ( c ), Vol.6, No.1, 252-255(2009) 10. Ryoko Tazaki, Desheng Fu, Mitsuru Itoh, Masahiro Daimon, and Shin-ya Koshihara “Lattice Distortion under an Electric Field in BaTiO3 Piezoelectric Single Crystal” J. Phys. Cond. Mat. 21 (2009) 215903 2. A.Tomita, S.Koshihara, S. Adachi, J.Itatani, K.Onda, S.Ogihara, Y.Nakano, and H.Yamochi “The Future of photo-induced phase transition (PIPT) -How fast and slow it can be changed?-” Journal of Physics.: Conference Seried 148, 012066-012071(2009) 11. M.Lorenc, J.Hebert, N.Moisan, E.Trzop, M.Servol, M.Buron, H.Cailleau, M.L.Boillot, M.Wulff, S.Koshihara and E.Collet “Successive Dynamical Steps of Photoinduced Switching of a Molecular Fe(III) Spin-Crossover Material by Time-Resolved X-Ray Diffraction” Phys. Rev. Lett. 103, 028301 (2009) 3. N.Fukazawa, T.Ishikawa, R.Nakajima, Y.Matsubara, M.Kitayama, S.Koshihara, Y.Okimoto, K.Onda, M.Lorenc, E.Collet, M.Tamura and R.Kato “Probing the photoinduced phase transition in (C2H5)2(CH3)2Sb[Pd(dmit)2]2” J. Phys. Conf. Ser. (2009) 148, 012003 12. T.Ishikawa, N.Fukazawa, Y.Matsubara, R.Nakajima, K.Onda, Y.Okimoto, S.Koshihara, M.Tamura, R.Kato, M.Lorenc and E.Collet “The photo-induced phase transition in Et2Me2Sb[Pd(dmit)2]2” Physica Status Solidi ( c ), Vol.6, No.1, 112-115(2009) 4. Yoichi Okimoto, Xianzhou Peng, Mieko Tamura, Takaaki Morita, Ken Onda, Tadahiko Ishikawa, Shin-ya Koshihara, Naoyuki Todoroki, Toru Kyomen, and Mitsuru Itoh “Photoinduced insulator-metal transition in Pr0.5Ca0.5CoO3 as studied by femtosecond spectroscopy” J. Phys. Conf. Ser. (2009) 148, 012019 13. K.Ichiyanagi, T.Sato, S.Nozawa, K.H.Kim, J.H.Lee, J.Choi, A.Tomita, H.Ichikawa, S.Adachi, H.Ihee and S.Koshihara “100-picosecond time-resolved solution scattering utilizing wide-bandwidth Xray beam from multilayer optics” J. Syn. Rad. (2009) 16, 391-394 5. Tokushi Sato, Shunsuke Nozawa, Kouhei Ichiyanagi, Ayana Tomita, Hirohiko Ichikawa, Matthieu Chollet, Hiroshi Fujii, Shin-ichi, Adachi, Shin-ya Koshihara “100-picosecond Time-resolved X-ray Absorption Fine Structure of FeII(1,10-phenanthroline)3” J. Phys. Conf. Ser. (2009) 148, 012035 6. Hirohiko Ichikawa, Shunsuke Nozawa, Tokushi Sato, Ayana Tomita, Kouhei Ichiyanagi, Matthieu Chollet, Laurent Guerin, Shin-ichi Adachi, Kenjiro Miyano and Shin-ya Koshihara “100ps time-resolved X-ray diffraction study on Nd0.5Sr0.5MnO3 thin film” J. Phys. Conf. Ser. (2009) 148, 012020 7. 8. 9. 44 M. Lorenc, N. Moissan, M. Servol, H. Caillearu, S. Koshihara, M. Maesato, X. Shao, Y. Nakano, H. Yamochi, G. Saito, E. Collet “Multi-phonon dynamics of the ultra-fast photoinduced transition of (EDO-TTF)2SbF” J. Phys. Conf. Ser. (2009) 148, 012001 S. Ogihara, K. Onda, M. Shimizu, T. Ishikawa, Y. Okimoto, X.F. Shao, Y. Nakano, H. Yamochi, G. Saito and S. Koshihara “Excitation photon energy dependence of photo-induced phase transition in (EDO-TTF)2PF6” J. Phys. Conf. Ser. (2009) 148, 012008 K. Onda, S. Ogihara, T. Ishikawa, Y. Okimoto, X.F. Shao, Y. 14. Shao Xiangfeng, Yoshida Yukihiro, Nakano Yoshiaki, Yamochi Hideki, Sakata Masafumi, Maesato Mitsuhiko, Otsuka Akihiro, Saito Gunzi and Koshihara Shinya “Prediction of the Electronic Structure via Molecular Stacking Mode of Radical Cation Salts Based on Asymmetric Donor Molecule MeEDO-TTF” Chem. Mater., 2009, 21 (6), pp 1085–1095 15. Tokushi Sato, Shunsuke Nozawa, Kohei Ichiyanagi, Ayana Tomita, Matthieu Chollet, Hirohiko Ichikawa, Hiroshi Fujii, Shin-ichi Adachi and Shin-ya Koshihara “Capturing molecular structural dynamics by 100-picosecond time-resolved X-ray absorption spectroscopy” J. Syn. Rad. (2009) 16, 110-115 16. S.Nozawa, T.Sato, C.Matthieu, K.Ichiyanagi, A.Tomita, H.Fujii, S.Adachi and S.Koshihara “Direct probing of spin state dynamics coupled with electronic and structural modifications by picosecond time-resolved XAFS” J. Am. Chem. Soc., 2010, 132 (1), pp 61–63 17. Desheng Fu, Mitsuru Itoh and Shin-ya Koshihara “Invariant lattice strain and polarization in BaTiO3-CaTiO3 ferroelectric alloys”, J.Phys.: Condens. Matter 22 (2010) 052204 18. Desheng Fu, M.Itoh, and S.Koshihara “Dielectric, ferroelectric and piezoelectric behaviors of AgNbO3-KNbO3 solid solution”, J. Appl. Phys. 106, 1(2009) 19. Desheng Fu, H.Taniguchi, M.Itoh, S.Koshihara, N.Yamamoto, and S.Mori “Relaxor Pb(Mg1/3Nb2/3)O3 : A Ferroelectric Joint Workshop on Emergent Phenomena of Correlated Materials, March 4-7, 2009 Okinawa, Japan with Multiple Inhomogeneities”, Phys. Rev. Lett., 103, 207601 (2009) 20. Yoichi Okimoto, Xianzhou Peng, Mieko Tamura, Takaaki Morita, Ken Onda, Tadahiko Ishikawa, Shin-ya Koshihara, Naoyuki Todoroki, Toru Kyomen, and Mitsuru Itoh “Ultrasonic Propagation of a Metallic Domain in Pr0.5Ca0.5CoO3 Undergoing a Photoinduced Insulator-Metal Transition”, Phys. Rev. Lett. 103, 027402 (2009) 21. T. Ishikawa, N. Fukazawa, Y.Matsubara, R. Nakajima, K.Onda, Y.Okimoto, S.Koshihara, M.Lorenc, E. Collet, M.Tamura and R. Kato “Large and ultrafast photoinduced reflectivity change in the charge separated phase of Et2Me2Sb[Pd(1,3-dithiol-2-thione-4,5-dithiolate)2]2”, Phys. Rev. B 80, 115108(2009) 22. Ayana Tomita, Tokushi Sato, Kouhei Ichiyanagi, Shunsuke Nozawa, Hirohiko Ichikawa, Matthieu Chollet, Fumihiro Kawai, Sam-Yong Park, Takayuki Tsuduki, Takahisa Yamamoto, Shin-ya Koshihara, and Shin-ichi Adachi “Visualizing breathing motion of internal cavities in concert with ligand migration in myoglobin”, PNAS 2009 106, 2612 (2009) 23. A.Tomita, T.Sato, S.Nozawa, S.Koshihara, and S. Adachi “Tracking ligand migration pathways in carbonmonoxy myoglobin”, Acta Crystalography A66, 220 (2010) 4. Dynamics of cooperative lattice-charge(spin) coupled phenomena under far equilibrium condition induced by fs laser light irradiation,Shin-ya Koshihara, 3rd Conference Statistical Physics: Modern Trends and Applications, June 23-25, 2009 Lviv, Ukraine 5. "In-situ probing of laser-induced shock compression of single crystal by time-resolved single shot Laue diffraction", 一柳光 平、佐藤篤志、富田文菜、中村一隆、足立伸一、腰原伸 也, International Conference on High Pressure Science and Technology, 東京お台場, 2009 年 7 月 26 日~7 月 31 日 6. Development of 100ps time-resolved XAFS set-up in PF-AR NW14A and observation of spin crossover dynamics in the solution, T.Sato, S.Nozawa, K.Ichiyanagi, A.Tomita, M.Chollet, H.Ichikawa, H.Fujii, S.Adachi and S.Koshihara, 18th International Symposium on the Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds(18th ISPPCC), 札幌,2009 年 7 月 4 日(土) ~ 7 月 9 日(木) 7. "Structural, dielectric,ferroelectric, and piezoelectric properties of AgNbO3-KNbO3 solid solution”, D. Fu, M. Itoh, and S. Koshihara,, IMF-ISAF-2009, 中国西安,August 23 to 27, 2009 8. Protein lungs: Gas filled internal cavities and breathing motions in myoglobin,"A. Tomita, T. Sato, K. Ichiyanagi, S. Nozawa, F. Kawai, S.-Y. Park, T. Tsuduki, T. Yamato, S. Koshihara, and S. Adachi","2nd International Congress of Respiratory Science (ICRS), August 9-13, 2009, Bonn, Germany 9. "Investigation of the dynamic behavior in Prussian blue analogs by picosecond time-resolved XAFS", S. Nozawa, T. Sato, K. Ichiyanagi, A. Tomita, H. Tokoro, S. Ohkoshi, S. Adachi, S. Koshihara","SRI09(国際放射光学会, Sep 27-Oct 02,2009, Australian Synchrotron in Australia" 24. 動的構造観測技術のもたらす光誘起協同現象研究の発 展,腰原伸也、足立伸一、野澤俊介、一柳光平、佐藤篤志、 富田文菜、市川広彦、田崎遼子、M.Chollet、L.Guerin、 河田洋、大門正博,"固体物理 Vol.44, No.519, p13-25" 25. 光で強誘電相転移を操る,腰原伸也,"化学と工業、Vol.62,8, August 2009" 26. タンパク質分子内にある疎水性キャビティーの『深呼 吸』を観る ~時間分解 X 線構造解析法によるタンパク 質のダイナミクス研究~,富田文菜、足立伸一、腰原伸也, 蛋白質 核酸 酵素、9 月号、2009 年,解説記事 国際会議 1. “Dynamics of cooperative lattice-charge (spin) coupled phenomena”, Shinya Koshihara,"PDSTM2010(Photo-induced Dynamics of Spin Transition Materials), Feb.6-8,2010, 筑波 大学 10. Consecutive Steps of Photoinduced Switching Dynamics of a Spin-Crossover Material Probed by Optical and X-ray Diffraction Pump-Probe Experiments, Eric Collet, Maciej Lorenc, Marina Servol, Marylise Buron, Herve Cailleau, Marie-Laure Boillot, Shin-ya Koshihara and Michael Wulff, ISCOM2009, September12-17,2009, Hokkaido, Japan 2. Breathing Motion of Internal Cavities in Concert with Ligand Migration in Myoglobin,"Shin-ya Koshihara, Ayana Tomita and Shin-ichi Adachi", The 2nd International G-COE Chem6 Symposium for Emergence of New Molecular Chemistry, 2009 年 2 月 19 日、丸の内 MYPLAZA ホール" 11. Dynamics of cooperative lattice-charge(spin) coupled phenomena induced by fs laser light irradiation studied by 100 ps time-resolved X-ray diffraction , S.Koshihara, H.Ichikawa, S.Nozawa, T.Sato, A.Tomita, K.Ichiyanagi, M.Chollet, L.Guerin S.Adachi and K.Miyano, "Ultrafast x-ray methods for studying transient electronic structure and unclear dynamics”, Sep.28-Oct.1,2009, Bonn in Germany" 3. Photo-induced structural changes in manganite thin film studied by 100 ps time-resolved X-ray diffraction,"S.Koshihara, H.Ichikawa, S.Nozawa, T.Sato, A.Tomita, K.Ichiyanagi, M.Chollet, L.Guerin S.Adachi and K.Miyano", AIST-RIKEN 12. Strategy for the materials design of the photo-induced phase transition system, Shin-ya Koshihara, 3rd International Advanced School:Molecular Switching and Functional 45 Materials & 5th International Symposium on Molecular Materials:Electronics, Photonics and Spintronics, Oct.25-28 & Oct.28-31,2009, Rennes, France 13. "Ultrafast spectral weight transfer in RBaCo2O6-δ(R=Sm, Gd, and Tb) as studied by Femtosecond Spectroscopy", Y.Okimoto, M.S.Endo, T.Miyata, M.Kurashima, K.Onda, T.Ishikawa, S.Koshihara, M.Lorenc, E.Collet, H.Cailleau, and T.Arima, 3rd International Advanced School:Molecular Switching and Functional Materials & 5th International Symposium on Molecular Materials:Electronics, Photonics and Spintronics, Oct.25-28 & Oct.28-31,2009, Rennes, France 14. The Photoinduced state and its relaxation dynamics in the charge separated phase of Et2Me2Sb[Pd(dmit)2]2, T.Ishikawa, N.Fukazawa, Y.Matsubara, R.Nakajima, K.Onda, Y.Okimoto, S.Koshihara, M.Lorenc, E.Collet, M.Tamura and R.Kato, 3rd International Advanced School:Molecular Switching and Functional Materials & 5th International Symposium on Molecular Materials:Electronics, Photonics and Spintronics, Oct.25-28 & Oct.28-31,2009, Rennes, France 15. 20-femtosecond dynamics of the photoinduced phase transition(PIPT) in (EDO-TTF)2PF6, S.Ogihara, T.Ishikawa, Y.Okimoto, S.Koshihara, X.F.Shao, Y.Nakano, H.Yamochi, G.Saito, J.Itatani and K.Onda, 3rd International Advanced School:Molecular Switching and Functional Materials & 5th International Symposium on Molecular Materials:Electronics, Photonics and Spintronics, Oct.25-28 & Oct.28-31,2009, Rennes, France 16. Femtosecond time-resolved transmission spectroscopy in a thin film of tetrathiafulvalene-p-chloranil, Y.Matsubara, T.Yoshida, T.Ishikawa, K.Onda, Y.Okimoto and S.Koshihara, 3rd International Advanced School:Molecular Switching and Functional Materials & 5th International Symposium on Molecular Materials:Electronics, Photonics and Spintronics, Oct.25-28 & Oct.28-31,2009, Rennes, France Cooperative Systems” 28th Feb.-5th March, 2010, Galveston, USA 国内会議 1. フェトム秒分光で探る強相関物質(EDO-TTF)2PF6 の 超高速光誘起相転移,"J. Itatani, M. Rini1, A. Cavalleri, K. Onda, T. Ishikawa, S. Ogihara, S. Koshihara, X. Shao, Y. Nakano, H. Yamochi, G. Saito, R. W. Schoenlein","レーザー 学会 2009,1月 徳島" 2. 放射光X線パルスを用いたレーザー衝撃波圧縮下の時 間分解ラウエ回折,一柳光平、佐藤篤志、野澤俊介、富田 文菜、弘中陽一郎、中村一隆、足立伸一、腰原伸也,"レ ーザー学会 2009,1月 徳島" 3. 時間分解XAFS測定を用いたプルシアンブルー類似 体における光誘起相転移ダイナミクスの研究,野澤俊介、 佐藤篤志、一柳光平、富田文菜、所裕子、大越慎一、足 立伸一、腰原伸也,日本物理学会第64回年次大会、2009 年 3 月 27 日-30 日、立教学院池袋キャンパス,口頭, 4. 7,2009,3,RBaCo2O6-δ結晶のフェトム秒時間分解反射測 定3,宮田透、沖本洋一、遠藤匡人、田中俊輔、倉島昌史、 恩田健、石川忠彦、腰原伸也、有馬孝尚,日本物理学会第 64回年次大会、2009 年 3 月 27 日-30 日、立教学院池袋 キャンパス 5. 格子変形によるBaTiO3 結晶単一分域の圧電効果の 解明,符徳勝、田崎遼子、大門正博、伊藤満、腰原伸也, 日本物理学会第64回年次大会、 2009 年 3 月 27 日-30 日、 立教学院池袋キャンパス 6. BaTi2O5 のガラス及び準安定相構造,余野建定、 荒井 康智、小原真司、高田昌樹、増野敦信、黒岩芳弘、伊藤 恵司、福永俊晴、野澤俊介、腰原伸也,日本物理学会第6 4回年次大会、2009 年 3 月 27 日-30 日、立教学院池袋キ ャンパス 7. 非平衡強相関材料開拓に向けたサブナノ秒分解X線回折 ビームラインの建設と利用,腰原伸也,第25回PFシン ポジウム,2009年 3 月 18 日 17. Dynamics of cooperative lattice-charge (spin) coupled phenomena under far equilibrium condition induced by fs laser light irradiation studied by 100ps time-resolved x-ray technique,Shin-ya Koshihara, International Symposium on the Physics of Excitation-assisted Nano-processes, Nov.20-21, 2009, Wakayama, Japan 8. "PF/PF-AR ビームライン・測定装置の開発状況と整備計 画(ERATO プロジェクト) 9. 18. “Dynamics of cooperative lattice-charge (spin) coupled phenomena induced by fs laser light irradiation studied by time-resolved X-ray diffraction”, S.Koshihara, H.Ichikawa, S.Nozawa, T.Sato, A.Tomita, K.Ichiyanagi, M.Chollet, L.Guerin, N.Dean,T.Arima, H.Sawa, S.Adachi and K.Miyano, The Banff Meeting on Structural Dynamics, 25th-28th February, 2010, Banff, Canada ~新物質開拓を加速する 100ps時間分解動的構造解析 2009 年 3 装置~",腰原 伸也,第26回 PF シンポジウム、 月 24 日ー25 日、つくば国際会議場エポカル 10. ミオグロビン分子内の一酸化炭素輸送過程の直接観測,富田 文菜、佐藤篤志、一柳光平、野澤俊介、河合文啓、朴三 用、都築峰幸、倭剛久、腰原伸也、足立伸一,第36回生 体分子科学討論会、2009 年 6 月 19-20 日、北海道大学学 術交流会館 19. "Probing the Structure of a Photo-Induced Phase in Manganite Thin Films that is Inaccessible under Equilibrium Conditions", Gordon Research Conference “Ultrafast Phenomena In 11. Exploration of Photoinduced phase transition in Strongly correlated spin-crossover oxides,"Yoichi Okimoto, Xianzhou Peng, Mieko Tamura, Ken Onda, Tadahiko Ishikawa, 46 Shin-ya Koshihara, Toru Kyomen, and Mitsuru Itoh",新学術 領域研究「半導体における動的相関電子系の光科学」第 二回シンポジウム、2009 年 8 月 20 日-21 日、京都大学物 質-細胞統合システム拠点 iCeMS コンプレックス1 22. 強相関電子系の光励起が引き出す隠れた秩序,腰原伸也, 「相関電子系における光誘起現象」研究会、2009 年 12 月 10-11 日、京都大学基礎物理学研究所(湯川記念館パ ナソニック国際交流ホール) 12. ピコ秒時間分解 SFG 法による酸化物単結晶表面上の反応 ダイナミクス,恩田健、清水実、池之内俊,第 3 回分子科学討論 会、2009 年 9 月 21 日-24 日、名古屋大学東山キャンパス 23. 100 ピコ秒時間分解 XAFS,佐藤篤志、野澤俊介、富田文 菜、星野学、腰原伸也、藤井浩、足立伸一,第 23 回放射 光学会年次会、2010 年 1 月 6-9 日、イーグレひめじ 13. ピコ秒時間分解 XAFS を用いた Fe(ll)スピンクロスオーバー錯体に おける光誘起スピン転移・構造変化ダイナミクスの研究,清水実、 佐藤篤志、一柳光平、Chollet Matthieu、富田文菜、藤井 浩、足立伸一、腰原伸也,第 3 回分子科学討論会、2009 年 9 月 21 日-24 日、名古屋大学東山キャンパス 24. 強相関スピンクロスオーバーコバルト酸化物の光励起 相転移の研究,沖本洋一,新学術領域研究「半導体における 動的相関電子系の光科学」 第3回DYCEシンポジウム、 2010 年 1 月 6、7 日、京都大学 14. 電荷移動錯体 TTF-CA 結晶のテラヘルツ時間領域分光, 相沢岳、山口雄大、沖本洋一、松原圭孝、吉田樹史、石 川忠彦、恩田健、腰原伸也,第 3 回分子科学討論会、2009 年 9 月 21 日-24 日、名古屋大学東山キャンパス 15. 光励起下の SrTiO3 の電子状態,藤原幸宏、山下直飛人、 溝川貴司、石川忠彦、腰原伸也、武貞正樹、伊藤満,日本 物理学会 2009 年秋季大会、2009 年 9 月 25 日-28 日、熊 本大学黒髪キャンパス 16. 電荷移動錯体 TTF-CA 薄膜結晶におけるフェムト秒時間分解 透過分光,松原圭孝、吉田樹史、石川忠彦、恩田健、沖本 洋一、腰原伸也,日本物理学会 2009 年秋季大会、2009 年 9 月 25 日-28 日、熊本大学黒髪キャンパス 17. ピコ秒時間分解振動分光による(EDO-TTF)2PF6 光誘起相 転移過程の観測,清水実、石川忠彦、沖本洋一、腰原伸也、 邵向鋒、中野義明、矢持秀起、斎藤軍治、恩田健,日本物 理学会 2009 年秋季大会、2009 年 9 月 25 日-28 日、熊本 大学黒髪キャンパス 18. NdMnO3 結晶におけるフェムト秒時間分解反射分光,田中俊 輔、宮田透、沖本洋一、石川忠彦、恩田健、腰原伸也、 赤木暢、赤星大介、桑原英樹,日本物理学会 2009 年秋季 大会、2009 年 9 月 25 日-28 日、熊本大学黒髪キャンパス 25. Pump-Probe 単結晶 X 線構造解析による 9-メシチル-10メチルアクリジニウムカチオンの光励起電子移動状態の 直接観察,星野学、佐藤篤志、富田文菜、野澤俊介、大久 保敬、小谷弘明、福住俊一、植草秀裕、足立伸一、腰原 伸也,日本化学会第90春季年会、2010 年 3 月 26 日-29 日、近畿大学本部キャンパス(大阪府) 26. 「Ru(bpy)<SUB>3</SUB>] <SUP>2+</SUP>の100ピコ秒 時間分解 XAFS,佐藤篤志、野澤俊介、富田文菜、星野学、 腰原伸也、藤井浩、足立伸一,日本化学会第90春季年会、 2010 年 3 月 26 日-29 日、近畿大学本部キャンパス(大阪 府) 27. 光励起下の SrTiO3 の電子状態,藤原幸宏、山下直飛人、 溝川貴司、石川忠彦、腰原伸也、武貞正樹、伊藤満,日本 物理学会第 65 回年次大会、2010 年 3 月 20-23 日、岡山 大学津島キャンパス 28. ピコ秒時間分解XAFS を用いたプルシアンブルー類似体 における光誘起構造転移ダイナミクスの観測,野澤俊介、 佐藤篤志、富田文菜、星野学、所裕子、大越慎一、足立 伸一、腰原伸也,日本物理学会第 65 回年次大会、2010 年 3 月 20-23 日、岡山大学津島キャンパス 29. PMN リラクサーにおける多重スケール不均一性,符徳勝、 谷口博基、伊藤満、腰原伸也、山本直紀、森成生,日本物 理学会第 65 回年次大会、2010 年 3 月 20-23 日、岡山大 学津島キャンパス 19. 光学スペクトルからみた(DMEDO-TTF)2PF6 の相転移による 電子構造変化,石川忠彦、北山眞、松原圭孝、恩田健、沖 本洋一、腰原伸也、白旗崇、川本正、森健彦,日本物理学 会 2009 年秋季大会、2009 年 9 月 25 日-28 日、熊本大学 黒髪キャンパス 30. AgNbO3-KNbO3 固溶体の相図,符徳勝、伊藤満、腰原伸 也,日本物理学会第 65 回年次大会、 2010 年 3 月 20-23 日、 岡山大学津島キャンパス (EDO-TTF)2PF6 における光誘起相転移のサブ20 フェムト秒 ダイナミクス,荻原將、石川忠彦、沖本洋一、腰原伸也、邵向 鋒、中野義明、矢持秀起、斎藤軍治、板谷治郎、恩田健, 日本物理学会 2009 年秋季大会、 2009 年 9 月 25 日-28 日、 熊本大学黒髪キャンパス 31. "β""-(BEDT-TTF)(TCNQ)の電荷秩序状態における超高 速光誘起現象",深澤直人、石川忠彦、沖本洋一、腰原伸 也、恩田健、山本浩史、加藤礼三,日本物理学会第 65 回 年次大会、2010 年 3 月 20-23 日、岡山大学津島キャンパ ス 21. ナノ秒時間分解シングルショットラウエ回折を用いたレーザー誘起衝撃 カンラン石のその場観察,三河内岳、大隈一政、一柳光平、足 立伸一、野澤俊介、腰原伸也、ゾレンスキー・マイケル,日本鉱物 科学会 2009 年年会、2009 年 9 月 8 日-10 日、北海道大学 学術交流会館 32. 電荷移動錯体 TTF-CA 結晶のテラヘルツ時間領域分光, 相澤岳、山口雄大、沖本洋一、松原圭孝、吉田樹史、石 川忠彦、恩田健、腰原伸也,日本物理学会第 65 回年次大 会、2010 年 3 月 20-23 日、岡山大学津島キャンパス 20. 33. 次世代光源が物質科学に果たす役割, 腰原伸也, 物性 47 物理学・一般物理学分野の大型計画等に関するシンポジ ウム、2010 年 1 月 27 日、日本学術会議講堂 ■ 研究費の取得状況 (平成 21 年度) 科学研究費補助金 (主な研究資金として) <学術創成研究費> 動的相スイッチ機構を内在する有機電子材料の開拓と非平 ■ 記事(平成 21 年度) 1. 「光を吸収し一瞬磁石 有機分子を観測」日経産業新聞 2009 年 12 月 25 日 2. 「原子を探る ~分子をつくる原子:10min.ボックス理科 3」NHKエデュケーショナル 2010 年 1 月 4 日 ■ 衡物性科学への展開 イノベーション研究推進体への参加状況(平成 21 年度) 動的構造解析法による非平衡ナノダイナミクスの研 平成 18 年度~22 年度 究 領域代表者 平成 21 年度 1100 万円 政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として) 光技術が先導する臨界的非平衡物質科学 平成 21 年度~26 年度 平成 21 年度 2610 万円 ■ 研究室の在籍者(平成 21 年度中) 2 9 2 0 0 0 1 ■ 政府、自治体その他公的団体の委員等(平成 21 年度) ・日本学術振興会 研究開発専門委員会委員 平成 20 年 4 月 1 日~平成 23 年 3 月 31 日 ・国際高等研究所 「ナノ物質量子相の科学」研究プロジェクトメン バー 平成 20 年 5 月 14 日~平成 23 年 3 月 31 日 ・高エネルギー加速器研究機構 客員教授 ~平成 22 年 3 月 31 日 平成 21 年 6 月 1 日 ・文部科学省研究振興局学術研究助成課 科学研究費補助金 審査委員 平成 21 年 4 月 1 日~評価終了まで ・文部科学省 X 線自由電子レーザー利用推進協議会 委員 平成 21 年 7 月 1 日~平成 22 年 3 月 31 日 ・神奈川科学技術アカデミー 研究課題評価委員 平成 21 年 11 月 1 日~平成 23 年 3 月 31 日 ・高エネルギー加速器研究機構 ERL計画推進委員会委員 平成 20 年 8 月 11 日~平成 22 年 3 月 31 日 48 21 世紀 COE プログラムへの参加状況(平成 21 年度) 化学系グローバル COE「新たな分子化学創発を目指す <独立行政法人科学技術振興機構> 学部学生 大学院修士課程在籍者 大学院博士課程在籍者 研究生 受託研究員 民間等共同研究員 その他ポスドク等 ■ 教育研究拠点」事業推進担当者 物質系 細野プロジェクト <革新的エネルギー・環境材料> プロジェクトリーダー 細野 秀雄 教授 研究期間 平成21年度~平成26年度 研究費総額 約32億円 研究資金ソース JSPS 世界最先端研究開発支援プロジェクト(2010.3~) 、科学技術振興機構戦略的創造研 究推進事業継続研究(ERATO-SORST.2010.3 まで) 、文部科学省「元素戦略プロジェクト」 、 東京工業大学と民間との共同研究など ■ 研究内容 本プロジェクトでは、当該グループが見出した新超電導物質や透明酸化物機能材料をベースに、さらに 新たな超電導物質と関連機能の探索や超電導線材やデバイスなどの応用展開、ならびにありふれた元素を 用いて新しい機能の発現を目指す「ユビキタス元素戦略」を実施する。 また、これまでに取得した約 150 の基本的な特許(出願中を含む。海外出願 50)を背景に、実用化に意 欲をもつ内外の企業群を強力に巻き込みプロジェクトを推進する。 ■ 新産業創造・新分野開拓の可能性 本プロジェクトがこれまでに見出した以下の3つの材料は、学術の新分野や大きな産業応用に繋がると期 待されている。 (1) 透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)とその薄膜トランジスタのディスプレイ応用 TAOSは水素化アモルファスシリコンよりも一桁高い移動度を有し、スパッターリングで容易に可能 な半導体でこれまでの常識を破る新しい範疇のアモルファス半導体である。これをチャネル層に用い るTFTは、次世代FPDの駆動用バックプレーンとして注目され、内外のディスプレイ企業群により、 実用化が目前に迫っている。 (2) セメント鉱物12CaO・7Al2O3(C12A7)の透明半導体、金属、そして超伝導化 ありふれた酸化物を使って、新規な機能の実現を狙う「材料ユビキタス元素戦略」の典型例。仕事関数 がアルカリ金属並みに小さく、しかも化学的に安定というユニークな特性を生かした応用展開が想定 される。 (3) 鉄系超電導物質の発見 磁性元素である鉄は超電導の発現には最悪という常識を覆し、20年ぶりに超電導フィーバを巻き起こ した。この系の物質は、磁場に対して安定で異方性も少ないので、超電導線材などへの応用が期待さ れている。 ■ 研究参加者 【学外】国際超電導技術センター(ISTEC)、物質・材料研究機構、京都大学、広島大学、ロンドン大学、 ラトビア大学、九州工業大学、名古屋大学、+民間企業 49 ■■■ 平成21年度主要トピックス ■■■ 1. 鉄系超伝導体の進展 当研究グループが見出した鉄ニクタイド超電導体は、 発見から 2 年というわずかな期間に、2000 報もの論文が 報告されるフィーバ状態になっている。2009 年 9 月に開 催された当該分野で最大の国際会議である International Conference on Materials and Mechanism of Superconductivity(M2S、4 年ごとの開催) では、講演件数 で銅酸化物を凌ぎ、メイントピックスとなった。細野は、 超伝導の新物質の分野で最もインパクトのある成果を 挙げた研究者に授与される Bernd T.Matthias Prize を受賞 図1.APS 年会での講演 した。 また、3 月に開催された米国物理学会年会では、鉄ニクタイド超電導に関するシンポジウムが 5 日間に 亘って 5 会場をパラレルに開催され、会場は超満員となった。 2009 年度は Tc=56K の更新はなく、物質のバラエティとエピタキシャル薄膜について進展がみられた。 特に後者では、undoped SrFe2As2 薄膜を空気中に放置すると、超伝導体に転化する現象を発見した。この現 象は、水分が関係することを突き止めた。この発見は、関心を集め、Nature 誌の編集顧問 Philip Ball は “Superconducting when wet” と題する記事 を Nature 誌に載せた。また、鉄系超伝導体 のエピ薄膜を世界で最初に作製したという 論文は、2008 年 9 月に APEX に掲載され、 同誌上で最多にダウンロードされ、2009 年 度の JJAP 優秀論文賞を授与された。 鉄系超伝導の発見とインパクトに関し、 Scientific American が 8 月号で 10 ページの特 集を組み一般向けに解説した。また、USA Today 誌は 2009 年の話題のトップ 10 の中に 選定した。 なお、昨年 5 月に公募された最先端研究開 発支援プログラム(FIRST)に、細野が中心 研究者として応募した「新超伝導および関連 図2.Philip Ball 氏の紹介記事 【Nature Materials Vol.8, No.5,370 (2009)】 機能物質の探索と産業用超電導線材への応 用」が採択され、この 3 月よりプロジェクトを開始した。期間は 2014.3 までの正味 4 年間、総予算は間接 経費込で 32.4 億円。 50 2. 透明アモルファス酸化物半導体薄膜トランジスタ(TAOS-TFTs)のディスプレイ応用の進展 TAOS は細野が 1995 年に提案し た新しい範疇のアモルファス半導 体で、2004 年に TAOS をチャネル として用いた TFT を試作し、室温 製膜で移動度 10cm2(Vs)-1 を容易に 示すことを Nature 誌に掲載し、大 きな話題となった。それ以降、内外 のディスプレイ企業が有機 EL や LCD、e-paper を駆動するバックプ レーンとして応用する研究が立ち 上がった。当初の反応は、酸化物な んか話にならない、数年前でも酸化 図3. TAOS 2010 での講演 物 TFT はマニアの仕事などとも言 われていた。しかし、2008 年の SID 大会でサムソンが TAOS-TFT で駆動する LCD,有機 EL パネルを発表してから、状況は一変した。昨今では TAOS-TFT が全てのディスプレイに対応できるマスターとして有望だという技術解説が出るに至ってい る。今年 1 月に開催した International Conference on Transparent Amorphous Oxide Semiconductors and Their Applications (TAOS 2010)では、サムソン,LG,AUO, Canon, HITACHI, NEC など 11 社から発表の他、内外 の代表的研究者 12 名の合計 23 件の総合講演会となった。 全参加者は~400 名で、 企業からの参加者が75% を占め、海外からも約 50 名の参加 者を得た。当日は、サムスン電子の Souk 副社長から「TAOS-TFT の 実用化に向けてさらに邁進したい」 との講演に代表されるように、熱心 な討論が繰り広げられた。また、台 湾の AUO は 37 インチの LCD を試 作し発表し話題となった。併設され TAOS-TFTとそのFPDのバックプレーンへの応用 アモルファス酸化物半導体(TAOS) a-In-Ga-Zn-O(a-IGZO) 電界効果移動度 ~10cm2(Vs)-1 s値 ~0.1V/decade ・室温大面積製膜 ・高電子移動度 >15cm2(Vs)-1 ・低サブギャップ欠陥準位(伝導帯) 高性能フレキシブルTFT実現 カラー電子ぺーパー (凸版印刷、2008) 4インチ”, 100ppi フレキシブル AMOLED (LG電子,2007) 3.5インチ”, 176×220 QCIF* (Nature,2004) AMLCD (サムソン,2009) 17インチ”, 1280×1024 AMOLED (サムソン,2009) 19インチ”, 960×540 た展示では、第 8 世代用のスパッ ターターゲットが出展され、大きな 注目を集めた。また、第 8 世代への 応用の検討が産業レベルで行われ ていることが明らかになった。 具体的な進歩としては、SnO が PN 制御可能な双極性となるうるこ 第8世代用 ターゲット(3m) 最近のトピックス: ・作製温度 ~ 400-450oC 無機塗布TFTデバイス ・電界効果移動度 ~0.2cm2(Vs)-1 安価・大面積 ・s値 ~ 2V/decade 図4. TAOS-TFT の応用の進展 とを示し、ホモ PN ダイオードを試 51 作した。この成果は 2010 年春の応用物理学会の 4000 件の一般講演から 5 件選ばれるとトピックス講演と なった。 なお、細野は 2009 年度の国際情報ディスプレイ学会から TAOS-TFT の開発に関する業績で、特別功績 賞を受賞した。 3. 材料ユビキタス元素戦略の推進 ありふれた元素を使って、ナノ構造などの要素を上手く 利用することで、有用な機能の発現を目指す「ユビキタス 元素協同戦略」は、2004 年に本研究 G が提案し、セメント 成分 C12A7 を舞台として研究が推進されている。2009 年 度までは、科学研究費補助金学術創成研究費の支援を受け 研究を展開してきたが、2009 年に文部省「元素戦略」プロ ジェクトに採択されたことにより、応用セラミックス研究 所セキュアマテリアル研究センターの若手メンバーと一緒 に 研 究 を 推 進 し て い る 。 2009 年 度 3 rd International 図5.STAC3 におけるユビキタス元素 Conference on Science and Technology of Advanced Ceramics 戦略セッション (STAC3)の中で、Symposium on Ubiquitous Element Strategy を開催した。 4. 世界最先端研究開発支援(FIRST)プロジェクトに採択される 550 件の応募の中から、30 件の提案が採択され、その一つに本 PJ リーダが中心研究者とするものが選ば れた。本学では唯一の採択となった。 「新超電導および関連機能の探索と産業用超電導線材の応用」という テーマで、京大、広島大、NIMS および ISTEC が分担機関として参画。 最先端研究開発支援プログラムの経緯 52 ■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ ■ 研究業績 (平成 21 年 1 月-12 月) 研究論文 1. 2. R. Mittal, S. Rols, M. Zbiri, Y. Su, H. Schober, S. L.Chaplot, M. Johnson, M. Tegel, T. Chatterji, S. Matsuishi, H. Hosono, D. Johrendt, and Th. Brueckel : Phonon spectra in CaFe2As2 and Ca0.6Na0.4Fe2As2 : Measurement of the pressure and temperature dependence and comparison with ab initio and shell model calculations; Phys. Rev. B, 79, 144516, (2009). R. Mittal, M. Zbiri, S. Rols, Y. Su, Y. Xiao, H. Schober, S. L. Chaplot, M. Johnson, T. Chatterji, S. Matsuishi, H. Hosono, and Th. Brueckel: Effects of magnetic doping and temperature dependence of phonon dynamics in CaFe1 - xCoxAsF compounds (x=0 , 0.06, and 0.12) ; Phys. Rev. B, 79, 214514, (2009). 3. Toshio Kamiya, Kenji Nomura, and Hideo Hosono: Electronic Structures Above Mobility Edges in Crystalline and Amorphous In-Ga-Zn-O: Percolation Conduction Examined by Analytical Model; J. Display Technol., 5, (2009). 4. K. Ishida, Y. Nakai, S. Kitagawa, Y. Kamihara, M. Hirano, H. Hosono:75As and 139La NMR studies on LaFeAs (O1-xFx);Physica B: Condensed Matter, 404,3089-3094 (2009) 5. Hideo Hosono: Two Families of New Superconductors Discovered in our Materials Reseach on Transparent Oxide Semiconductors; Max Plank Institute at Dresden (Dec 2, 2009), (2009). 6. 7. 8. 9. K. Matsuda, Y. Konaka, Y. Maniwa, S. Matsuishi, and H. Hosono: Electronic state and cage distortion in the room-temperature stable electride [Ca24Al28O64]4+(O2-)2-x(e-)2x as probed by 27Al NMR; PHYSICAL REVIEW B, 80, 245103, (2009). Takateru KAWAKAMI, Takanori KAMATANI, Hironari OKADA, Hiroki TAKAHASHI, Saburo NASU, Yoichi KAMIHARA, Masahiro HIRANO, and Hideo HOSONO ; 57 High-Pressure Fe Mo¨ssbauer Spectroscopy of LaFeAsO;J.Phys.Soc.Jpn. 78,123703-06(2009) Ayumu Sato, Mikio Shimada, Katsumi Abe, Ryo Hayashi, Hideya Kumomi, Kenji Nomura, oshio Kamiya, Masahiro Hirano, Hideo Hosono, Amorphous In-Ga-Zn-O thin-film transistor with coplanar homojunction structure;Thin Solid Films 518 ,1309-1313(2009) M.Yasukawa, T.Kono, H.Yanagi, and H.Hosono : High-Temperature Thermoelectric properties of La-doped Ba1-xSrxSnO3 Ceramics;J.Jpn.Soc.Power Power Metallurgy, 56,555-560,(2009) 10. K. Nose, N. Fujita, T. Omata, S. Matsuo, W. Kato, M. Uehara, H.Nakamura, H. Maeda, H. Kamioka, and H. Hosono: Photoluninescence of CuInS2-based Semiconductor quantum dots; Its origin and the effect of Zns coating; J. Phys: Conf., 165, 012028-012031, (2009). 11. H. Oyanagi, C. J. Zhang, Z. H. Sun, Y. Kamihara, and H. Hosono: Local lattice response in LaFeAsO0.93F0.07 probed by x-ray absorption spectroscopy: Evidence for carrier-induced lattice distortion; J. Phys. Conf., 190, 012094-012097, (2009). 12. Y. Nakai, S. Kitagawa, K. Ishida, Y. Kamihara, M. Hirano,and H. Hosono: 75As and 139La NMR/NQR investigations of iron-based superconductor LaFeAs(O0.89F0.11); J. Phys. Conf., 150, 052179-052182, (2009). 13. K Igawa, K Arii, Y Takahashi, H Okada, H Takahashi,Y Kamihara, M Hirano, H Hiramatsu, T Watanabe, H Yanagi,T Kamiya, H Hosono, K Matsubayashi, Y. Uwatoko: Pressure effects on Tc of Iron-based Layered Superconductor LaTMPO (TM = Fe, Ni); J. Phys. Conf., 150, 052075-052078, (2009) 14. H Takahashi, K Igawa, Y Takahashi, K Arii, H Okada, Y Kamihara, M Hirano, H Hosono, K Matsubayashi, Y Uwatoko, S Nakano, T Kikegawa: Pressure enhancement of superconductivity in an iron-based layered compound LaFeAsO1-xFx; J. Phys. Conf., 150, 052257-052260, (2009). 15. Hitoshi Sugawara, Kenji Ishida, Yusuke Nakai, Hiroshi Yanagi, Toshio Kamiya, Yoichi Kamihara, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Two-Dimensional Spin Dynamics in the Itinerant Ferromagnet LaCoPO Revealed by Magnetization and 31P-NMR Measurements; Journal of the Physical Society of Japan, 78, 113705-113708, (2009). 16. Y. Kamihara, T. Watanabe, T. Nomura, S. W. Kim, T. Kamiya, M. Hirano, and H. Hosono: Electromagnetic properties of undoped LaFePnO (Pn = P, As); J. Phys. Conf., 150, 052090, (2009). 17. Tetsuya Tohei, Teruyasu Mizoguchi, Hidenori Hiramatsu, Yoichi Kamihara, Hideo Hosono, and Yuichi Ikuhara: Direct imaging of doped fluorine in LaFeAsO1-xFx superconductor by atomic scale spectroscopy; Appl. Phys. Lett., 95, 193107-1 - 3, (2009). 18. Kosuke Matsuzaki, Kenji Nomura, Hiroshi Yanagi, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Effects of post-annealing on (110) Cu2O epitaxial lms and origin oflow mobility in Cu2O thin-film transistor; phys. stat. sol. (a), 206, 2192-2197, (2009). 19. Yoichi Ogo, Hidenori Hiramatsu, Kenji Nomura, Hiroshi Yanagi, Toshio Kamiya, Mutsumi Kimura, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Tin monoxide as an s-orbital-based p-type 53 oxide semiconductor: Electronic structures and TFT application; Phys. Status Solidi A, 206, 2187-2191, (2009). 20. B Maiorov, S A Baily, Y Kohama, H Hiramatsu, L Civale,M. Hirano,and H.Hosono:Angular and field properties of the critical current and melting line of Co-doped SrFe2As2 epitaxial films; Supercond.SCi.Technol.22,125011-12(2009). 21. Takayoshi Katase, Hidenori Hiramatsu, Hiroshi Yanagi, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, Hideo Hosono: Atomically-flat, chemically-stable, superconducting epitaxial thin film of iron-based superconductor, cobalt-doped BaFe2As2; Solid State Commun., 149, 2121-2124, (2009). 22. Hiroshi Yanagi, Ki-Beom Kim, Ikue Koizumi, Maiko Kikuchi, Hidenori Hiramatsu, Masashi Miyakawa, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono :Low Threshold Voltage and Carrier Injection Properties of Inverted Organic Light-Emitting Diodes with [Ca24Al28O64]4+(4e-)Cathode and Cu2-xSe Anode; J.Phys.Chem.C, 113,18379-18384 (2009) 23. H. Kamioka, M. Hirano, and H. Hosono: Photo-induced chrage state conversion of Eu2+ in Ca2ZnSi2O7; J. Appl. Phys., 106, 053105-1 - 7, (2009). 24. Sung Wng Kim, Ryuichi Tarumi, Hiromichi Ohta, Masashiro Hirano, and Hideo Hosono:Thermal conductivity and Seebeck coefficient of 12CaO・7Al2O3 electride with a cage structure; Phys. Rev. 80,075201(2009) 25. Hiromichi Ohta, Yumi Masuoka, Ryoji Asahi, Takeharu Kato, Yuichi Ikuhara, Kenji Nomura, and Hideo Hosono: Field-modulated thermopower in SrTiO3-based field-effect transistors with amorphous 12CaO ・ 7Al2O3 glass gate insulator; Applied Physics Letters 95, 113505 (2009). 30. Yoichi Ogo, Hidenori Hiramatsu,Kenji Nomura, Hiroshi Yanagi, Toshio Kamiya, Mutsumi Kimura, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono:Tin monoxide as an s-orbital-based p-type semiconductor:Electronic structures and TFT application;Physics Status Solidi A, 1-5(2009) 31. Hidenori Hiramatsu, Takayoshi Katase, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Water-induced superconductivity in SrFe2As2; Phys. Rev. B, 80, 052501-1 - 4, (2009). 32. H.Takahashi, H.Okada, K.Ikawa, Y.Kamihara, M.Hirano, H.Hosono, K.Matsubayashi, and Y.Uwadoko: High Presuure Studies on Superconductivitity in LaFeAsO1-xFx and SmFeAsO1-xFx; J. Supercond. Magn., 22, 595-598, (2009). 33. Kenji Nomura, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Origins of threshold voltage shifts in room-temperature deposited and annealed a-In–Ga–Zn–O thin-film transistors; Appl. Phys. Lett., 95, 013502-1 - 3, (2009). 34. S.Takeshita, R.Kadono, M.Miyazaki, A.Koda, S.Matsuishi, and H.Hosono: Insular Superconducitivity in a Co-Doped Iron Pnictide CaFe1-xCoxAsF; PHYSICAL REVIEW LETTERS ,103,027002 (2009) 35. Toshio Kamiya, Kenji Nomura, and Hideo Hosono: Electronic structure of the amorphous oxide semiconductor a-InGaZnO4–x: Tauc–Lorentz optical model and origins of subgap states; Phys. Status Solidi A, 206, 860-867, (2009). 36. K.Ishida, Y.Nakai, and H.Hosono: To Waht Extet Iron-pnictide New Superconductors Have Been Clarified: A Progress Report; J.Phys.Soc.Jpn. 78[6]062001-1-20(2009). 26. Tomofumi Suzaki, Sho Kumada, Takayoshi Katase,Kosuke Matsuzaki, Masashi Miyakawa, and Hideo Hosono:Fabrication of Flat Mgo(111) Films on Al2O3(0001) Substrates by Pulsed Laser Deposition;Applied Physics Express,2,0914031-3,(2009) 37. Y. Nakai, S. Kitagawa, K. Ishida, Y. Kamihara, M. Hirano, and H. 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Koichi Kajihara, Taisuke Miura, Hayato Kamioka, Masahiro Hirano, Linards Skuja, and Hideo Hosono: Isotope Effect on the Infrared Photoluminescence Decay of Interstitial Oxygen Molecules in Amorphous SiO2; Applied Physics Express, 2, 056502-1 - 3, (2009). 51. Hiromasa Tawarayama, Hiroshi Kawazoe, and Hideo Hosono: Hydrogen permeation of tungsten phosphate glass thin films; Solid State Ionics, 180, 556-559, (2009). and Kunihito Koumoto: Structural Transformation of Ca-Arrangements and Carrier Transport Properties in Ca0:33CoO2 Epitaxial Films; Applied Physics Express, 2, 035503, (2009). 54. Kenji Sugiura, Hiromichi Ohta,Shin-ichi Nakagawa, Rong Huang, Yuichi Ikuhara, Kenji Nomura, Hideo Hosono, and Kunihito Koumoto: Anisotropic carrier transport properties in layered cobaltate epitaxial films grown by reactive solid-phase epitaxy; Appl. Phys. Lett., 94, 152105-1 - 3, (2009). 55. Takatoshi Nomura, Yasunori Inoue, Satoru Matsuishi, Masahiro Hirano, Jung Eun Kim, KenichiKato, Masaki Takata and Hideo Hosono: Comparison of crystal structures and the effects of Co substitution in a new member of the Fe-1111 superconductor family AeFeAsF (Ae = Ca and Sr): a possible candidate for a higher-Tc superconductor, Supercond. Sci. Technol. 22,055016 . (2009) 56. Kentaro Kayanuma, Hidenori Hiramatsu, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Epitaxial film growth and optoelectrical properties of layered semiconductors, LaMnXO (X = P, As, and Sb); J. Appl. Phys., 105, 073903, (2009) 57. S.A.Baily, Y.Kohama, H.Hiramatsu, B.Maiorov, F.F.Balakirev, M.Hirano, and H.Hosono: Pseudoisotropic Upper Critical Field in Cobalt-Doped SrFe2As2 Epitaxial Films; Phys.Rev.lett. 102, 117004 (2009) 58. Ayumu Sato, Katsumi Abe, Ryo Hayashi, Hideya Kumomi, Kenji Nomura, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Amorphous In–Ga–Zn–O coplanar homojunction thin-film transistor; Appl. Phys. Lett., 94, 133502-1 - 3, (2009) 59. K.Igawa, H.Okada, H.Takahashi, S. Matsuishi, Y. Kamihara, M. Hirano, H.Hosono, K. Matsubayashi, and Y.Uwatoko: Pressure-Induced Superconductivity in Iron Pnictide Compound SrFe2As2; THE PHYSICAL SOCIETY OF JAPAN, 78, 025001, (2009) 60. Motoyuki Ishikado, Ryoichi Kajimoto, Shin-ichi Shamoto, Masatoshi Arai, Akira Iyo, Kiichi Miyazawa, Parasharam M.Shirage, Hijiri Kito, Hiroshi Eisaki, Sung Wng Kim, Hideo Hosono, Tatiana Guidi, Robert Bewley, and M.Bennington: Two-Dimensional Spin Densoty Wave State in LaFeAsO ;Journal of the Physical Society of Japan 78 , 043705 (2009) 52. Hideo Hosono, Katsuro Hayashi, Koichi Kajihara, Peter V. Sushko, and Alexander L. Shluger: Oxygen ion conduction in 12CaO·7Al2O3: O2- conduction mechanism and possibility of O- fast conduction; Solid State Ionics, 180, 550-555, (2009). 61. S. Higashitaniguchi, M.Seto, S. Kitao, Y.Kobayashi, M.Saito, M.Kurokuzu, T. 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Kazumi Igawa, Hironari Okada, Kazunobu ARII, Hiroki Takahashi, Youichi Kamihara, Masahiro Hirano, Hideo Hosono, Satoshi Nakano, and Takumi Kikegawa : Pressure Study of Superconducting Oxypnictide LaFePO; Journal of the Physical Society of Japan ,78,023701,(2009) 66. Y.Xiao, Y.Su, R.Mittal, T.Chatterji, T.Hansen, C.M.Kumar, S.Matsuishi, H.Hosono, and Th.Brueckel: Magnetic order in the CsFe1-xCoxAsF (0.00,0.06,0.12) superconducting compounds; Physical Review B 79,060504(R),(2009) 67. Y. Ishida, T. Shimojima, K. Ishizaka, T. Kiss, M. Okawa, T. Togashi, S. Watanabe, X.-Y. Wang, C.-T. Chen, Y. Kamihara, M. Hirano, H. Hosono, and S. Shin: Temperature-dependent pseudogap in the oxypnictides LaFeAsO1-xFx and LaFePO1.xFx seen via angle-integrated photoemission,; Physical Review B, 79, 060503, (2009) 68. Jiang Li, Katsuro Hayashi, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Sustainable Thermionic O. Emission from Stoichiometric 12CaO ・7Al2O3 with Nanoporous Crystal Structure; Journal of The Electrochemical Society, 156, G1-G5, (2009) 69. Hidenori Hiramatsu, Yoichi Kamihara, Hiroshi Yanagi, Kazushige Ueda, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Layered mixed-anion compounds: Epitaxial growth, active function exploration, and device application; J. Europ. Ceram. Soc., 29, 245-253, (2009) 70. SungWng Kim, and Hideo Hosono: Metal-insulator and superconducting transitions of 12CaO·7Al2O3 electride with a nano-cage structure; Ext. Abstract of the 26th Int. Japan-Korea Seminar on Ceramics (2009/11/24-26, Tsukuba, Japan), 2D-01, (2009). 71. Toshio Kamiya, Kenji Nomura, and Hideo Hosono: Impact of Subgap States on Peculiar Characteristics of Amorphous Oxide Thin-Film Transistor; Proc. IDW'09 (Dec. 9-11, 2009, Miyazaki, Japan), 1673, (2009). 72. Toshio KAMIYA, Hidenori HIRAMTSU, Hiroshi YANAGI and Hideo HOSONO: Electronic structures of defects and 56 74. Toshio Kamiya, Kenji Nomura, and Amorphous oxide semiconductor: Factors performance and stability; Proc. 9th Int. Display (IMID2009) (Oct. 12-16, 2009, Korea), 26-2, (2009). Hideo Hosono: determining TFT Meeting on Inf. KINTEX, Seoul, 75. Koichi Kajihara, Taisuke Miura, Hyato Kamioka, Masahiro Hirano, Linards Skuja, and Hideo Hosono:Photoluminescence study of difuusion and reactions of 18O-labeled interstitial oxygen molecules in amorphous SiO2;ECS TRansactions, 25(9),277-285(2009). 76. H. Hosono: Adventures in Material Exploration since the 1st Otto-Schott Research Award:A Small Research History; Proc. 10th Presentation of the Otto-Schott Research Award (EDited by K.Bange, Verlag der Deutche GLastechnichschen Gesellschaft, Germany), 97-105, (2009). 77. Toshio Kamiya, Kenji Nomura, Hideo Hosono: What have been clarified for amorphous oxide semiconductors?; Int'l Display Manufacturing Conference (IDMC) / 3D Systems and Applications (3DSA) / Asia Display 2009 (IDMC·3DSA·Asia Display'09 (2009/4/27-30, Taipei Int'l Convention Center, Taiwan), Thu-S22-03, (2009). 78. Hidenori Hiramatsu, Yoichi Kamihara, Hiroshi Yanagi, Kazushige Ueda, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Layered mixed-anion compounds: Epitaxial growth, active function exploration, and device application; J. Euro. Ceram. Soc., 29, 245-253, (2009) 79. Toshio Kamiya, Kenji Nomura, and Hideo Hosono: Origins of High Mobility and Low Operation Voltage of Amorphous Oxide TFTs: Electronic Structure, Electron Transport, Defects and Doping; JOURNAL OF DISPLAY TECHNOLOGY, 5, 273, (2009). 報告 1. 細野秀雄, 松石聡, 野村尚利, 平松秀典: 鉄系超電導物 質; 日本物理学会誌, 64, 807-817, (2009). 2. 細野秀雄:鉄ニクタイド超伝導体:発見と現状;Materials Matters,4(2)4-7(2009) 181 3. 神谷利夫、野村研二、細野秀雄: アモルファス酸化物半 導体の物性とデバイス開発の現状; 固体物理, 44, 621-633, (2009) 4. 細野秀雄、平野正浩: 鉄の高温超伝導; 科学, 79, 1096-1101, (2009). 5. H.Hosono, Iron Pnicide Superconductors:Discovery and Current Status; Material Matters 4(2)32-35 (2009) 6. 上村大輔、中村栄一、細野秀雄: 化学の枠を超える新し い化学; 現代化学、460、16-23(2009) 7. 野村研二、細野秀雄: 透明回路、映像情報メディア学会 誌、63(5).66-68(2009). 8. 細野秀雄: 酸化物半導体と TFT:総論; 月刊ディスプレ イ, 15, 17-25, (2009). 9. 細野秀雄: 鉄系の高温超伝導体の発見ー機能探索のセレ ンディピティー; 化学, 64, 30-35, (2009). 細野秀雄: 酸化物半導体とTFT: 総論; 月刊ディスプレイ(平成21年 4 月1 日発行), 17-25, (2009). 細野秀雄 鉄系高 温超伝導体の発見と進展、未来材料、9,(2)14-23(2009) 10. 細野秀雄 材料ユビキタス元素戦略:材料科学の挑 戦、 学術の動向、2009 年 3 月号pp.54-59.(2009) International Symposium on Superconductivity 2009 (ISS2009), (Ibaraki, Japan, Nov.2–4), SPL-1-INV, (2009). 4. Hideo Hosono: Two Families of New Superconductors Discovered in our Materials Reseach on Transparent Oxide Semiconductors; Max Plank Institute at Dresden (Dec 2, 2009), (2009). 5. Toshio Kamiya, Kenji Nomura, and Hideo Hosono: Impact of Subgap States on Peculiar Characteristics of Amorphous Oxide Thin-Film Transistor; The 16th Int. Display Workshop (Dec. 9-11, 2009, World Convention Center Summit, Phoenix Seagaia Resort, Miyazaki, Japan), AMD7-1, (2009). 6. Toshio KAMIYA, Kenji NOMURA and Hideo HOSONO: Defects and doping in amorphous oxide semiconductor studied by first-principles calculations; The 26th Int. Japan-Korea Seminar on Ceramics (2009/11/24-26, Tsukuba Int. Congress Center "Epochal Tsukuba", Tsukuba, Ibaraki, Japan), 2B-I_1, (2009). 7. H. Hiramatsu, T. Kamiya, M. Hirano, H. Hosono: HETEROEPITAXIAL THIN FILM GROWTH OF IRON-BASED PNICTIDE SUPERCONDUCTORS; The 22nd International Symposium on Superconductivity 2009 (ISS2009), (Ibaraki, Japan, Nov.2–4), FD-11-INV, (2009). 8. Hideo Hosono: Discovery and Progress in Iron Pnictide Superrconductors; The 5th Japan-Korea Workshop on Metallic Glass (Oct. 17, 2009, Naha, Japan), (2009). 9. Hideo Hosono: Two type new superconductors discovered in our material research; 5th Japan-Korea Joint Seminor on Metallic Glass (Oct.11, 2009, Ryoukyuu, Japan), (2009). 11. 細野秀雄 鉄系の高温超電導体の発見! 化学、 64(4)30-35(2009) 12. 細野秀雄、新系統(鉄イオンを含む層状化合物)の高温 超伝導質の発見、応用物理、78, 31-36(2009). 13. 細野秀雄, 鉄系高温超伝導体の発見とその後の進展, JST 中国科学技術月報、28 号(2009). 著書 1. 細野秀雄: 12CaO·7Al2O3 エレクトライドおよび LaOTMP; 超伝導ハンドブック, 福山秀敏, 秋光純編, 113-112, (2009). 2. 細野秀雄 鉄の高温超伝導、鉄137億年の宇宙 誌,pp15-19, 宮本、橘編、東大総合研究博物館(2009) 3. 細野秀雄 透明アモルファス酸化物半導体とそのデ ィスプレイへの展開、Beyond Innovation, pp.200-209 前 田正史編 (丸善) 4. 梶原浩一・細野秀雄 第 7 章 光ファイバー、 ガラ スの加工技術と製品応用、pp.345-347(情報機構,2009) 国際会議(招待講演のみ) 1. Hideo Hosono: Amorphous and Nanoporous Oxide Semiconductors: recent advance; The 23rd International Conference on Amorphous and Crystalline Semiconductors (Plenary Talk) (Utrecht, August 28), (2009). 2. Hideo Hosono: Can TOS-TFT replace a-Si:H TFTs ?; Samsung Electronics Seminar (July 6, Korea), (2009). 3. H. Hosono: IRON-BASED SUPERCONDUCTORS: CURRENT STATUS (Special Plenary Lecture); The 22nd 10. Toshio Kamiya, and Hideo Hosono: Transparenet Amorpous Oxide Semiconductors (TAOS); Semiconductor Technology for Ultra Large Scale Integrated Circuits and Thin Film Transistors II (5 July – 10 July 2009, Xi'an Garden Hotel, Xi'an, China), (2009). 11. Toshio Kamiya, Kenji Nomura, and Hideo Hosono: Amorphous oxide semiconductor: Factors determining TFT performance and stability; 9th Int. Meeting on Inf. Display (IMID2009) (Oct. 12-16, 2009, KINTEX, Seoul, Korea), 32-2, (2009). 12. Hideo HOSONO: Amazing Materials Research:from functional transparent oxides to iron-based superconductors; The 4th Oxide TFT Wortkshop (Sep.25, Degue, Korea), 48-50, (2009). 13. Hideo HOSONO: Exciting Material Research: A small research history; University of Waterloo, Nanotechnology Center, Distinguished Lecture Series (III) (Sep. 21, Waterloo, Canada), 48-50, (2009). 14. H. Hosono: New Frontier of Materials Reserach: frpm functional transparent oxides to high Tc superconductors; 57 Waterloo Institute for Nanotechnology Distinguished Lecture Series III (Waterloo Univ. Canada, Sep. 21, 2009), (2009). 15. H. Hosono: Iron-based superconductors: overview (Plenary Talk); 9th European Confderence on Applied Superconductivity (Sep.16, Dresden Germany), (2009). 16. H. Hosono: Iron-based Superconductors: Progress in bulk materials and thin film fabrications (Plenary Talk); 9th International Conference on Materials and Mechanism for Superconductivity (M2S) (Sep. 8, 2009, Tokyo), (2009). 17. Hideo Hosono: Doping in Crystalline and Amorphous Oxides; (Plenary Talk) 3rd International Symposium on Science and Technology of Advanced Ceramics(STAC-3) (June 16-18, Yokohama), 16aFjI02, (2009). 18. Hideo Hosono: Transparent Amorphous Oxide Semiconductors; material design and TFT application; 8th Japan-Frence Workshop on Nanomaterials (June 15, Tsukuba), (2009). 19. Hideo Hosono: P-type Transparent Semiconductors: Materials design and application; SPRING COURSE NANOTRONICS 2009 (Duisburg, Germany, May 28&29), (2009). 20. Hideo Hosono: Two familes of superconductors discovered in our materials research: iron-oxypnictide and electride; Japan-US workshop on exploration for new superconductors (Shonan Village, May13-15), 469, 314-325, (2009). 21. Toshio Kamiya, Kenji Nomura, Hideo Hosono: What have been clarified for amorphous oxide semiconductors?; Int'l Display Manufacturing Conference (IDMC) / 3D Systems and Applications (3DSA) / Asia Display 2009 (IDMC·3DSA·Asia Display'09 (2009/4/27-30, Taipei Int'l Convention Center, Taiwan), Thu-S22-03, (2009). 22. Hideo Hosono: Transparent TFTs with mobility higher by an order of magnitude than a-Si:H; Glabal FPD Partoner Conference 2009 (Tokyo, April 9), (2009). 23. H. Hosono: Iron-based superconductors: discovery and progress; ECI Conference on Nonstoichimetric Compounds (Jeju Island, Korea, March 10, 2009), (2009). 24. H. Hosono: Iron-pnicrtide suoerconductors: discovery and recent advance; APS March Meeting (Pittbergh, USA, March 16, 2009), (2009). Lecture, ソウル, 2 月 19 日), (2009). 国内会議(基調・招待講演のみ) 1. 細野秀雄: 「目からうろこ」の物質・機能を探索し、世 の中を変える材料を創る; 国家戦略室先端技術展示会 (総理官邸, 2009/12/30), (2009). 2. 細野秀雄: 中性子散乱の期待すること:これまでの経験 から; 第 9 回日本中性子科学会 (東海, 12 月 8 日), (2009). 3. 細野秀雄: 多成分系物質薄膜; 新無機膜研究会 20 周年記 念講演会 (神戸, 11 月 26 日), (2009). 4. 細野秀雄: 鉄系超伝導体の進展; Nano Materials for the Future 講演会 (大岡山, 11 月 24 日), (2009). 5. 細野秀雄: 材料探求の醍醐味; NTT 基礎研サイエンスプ ラザ 2009 (厚木, 11 月 27 日), (2009). 6. 細野秀雄: 物質・材料研究の醍醐味; JST 理数大好きシン ポジウム (兵庫, 甲南大学), (2009). 7. 細野秀雄: 透明酸化物の研究から開けつつある新領域と 応用; 泉財団創立 20 周年記念講演会 (大阪), (2009). 8. 神谷利夫: 酸化物半導体 TFT 最新事情 IMID2009 から; FPD International F-32 酸化物半導体 (2009/10/30, パシフ ィコ横浜), (2009). 9. 細野秀雄: 革新的無機材料を創る:材料科学の挑戦; 国 立大学附置研・センター長会議シンポジウム (10 月 22 日, 札幌), (2009). 10. 細野秀雄: 鉄系超伝導体のエピ薄膜成長:論文発表に至 るまで ~なぜ、 APEX を選んだか~; APEX/JJAP フレ ンドシップミーティング, 2009 年秋季 第 70 回応用物理 学会学術講演会 (9 月 10 日, 富山大学), (2009). 11. 神谷利夫,細野秀雄: 酸化物の特異構造による機能創出; シンポジウム「社会の持続的発展を目指す酸化物研究開 発の現状と未来」2009 年秋季 第70 回 応用物理学会 学 術講演会 (富山大学, 2009/9/8~11), 10a-H-5, (2009). 12. 細野秀雄: 鉄系新超伝導体の進展; シンポジウム「金属 酸化物系材料の新展開-メカニズムの解明からデバイス 応用まで-」 2009 年秋季 第 70 回 応用物理学会 学術講 演会 (富山大学, 2009/9/8~11), 10p-G-4, (2009). 13. 細野秀雄: ユビキタス元素とナノ構造を利用した機能開 拓; 触媒サマーセミナー (8 月 19 日, 箱根), (2009). 25. Hideo HOSONO: Iron-based suoerconductors:comparison with cuprates; International Symposium on Nanoscience and Quantum Physics nanoPHYS'09 (Tokyo, Feb24), (2009). 14. 細野秀雄: 材料ユビキタス元素協同戦略; ガラス若手セ ミナー (8 月 5 日, 信貴山), (2009). 26. Hideo HOSONO: Iron-based suoerconductors; APS March Meeting (ピッツバーグ, 3 月 16 日), (2009). 15. 細野秀雄: 研究の醍醐味:目から鱗が落ちる感動を求め て; スーパーサイエンススクール平成 19 年度生徒発表 会 (8 月 6 日, パシフィコ横浜), (2009). 27. Hideo HOSONO: Discovery and Advance in Fe-nictide syperconductor; Korean Superconductivity Workshop(Plenary 58 16. 細野秀雄: 鉄系超伝導体の発見と現状; 第 28 回 電子材 料シンポジウム (琵琶湖ラフォーレ, 7 月 9 日), (2009). 17. 細野秀雄: 透明酸化物の研究から実現した 2 つの超伝導 物質:鉄オキシニクタイドとエレクトライド; 2009 年度 JFCC 成果発表会 (7 月 8 日, 名古屋), (2009). 18. 細野秀雄: 鉄系超電導物質の発見とその後の進展; 東工 大窯業同窓会 (6 月 20 日), (2009). 19. 細野秀雄: ワクワクする材料研究; 東大物理系 G-COE 第2回自主研究会 (7/1, 河口湖), (2009). 20. 細野秀雄: フレキシブル応用に向けた酸化物 TFT 材料: 現状と課題; 応用物理学会 応用電子物性分科会研究例 会 (5/22, 東京), (2009). 21. 細野秀雄: ユビキタス元素を用いた高機能材料の実現; 東北大物理 物理科学の最前線 (6 月 5 日, 仙台), (2009). 22. 細野秀雄: 鉄系超電導とセメント超電導; 高エネルギー 研究所理論系セミナー (6 月 11 日, 筑波), (2009). 23. 細野秀雄: 鉄オキシニクタイド超伝導物質の発見の経緯 とその後の展開; 第 35 回シンポジウム/第13回超伝導 科学技術賞授賞式 (4 月 15 日, 東京), (2009). 24. 細野秀雄: 鉄系超伝導体に至る道と今後の展開; 第 35 回 超電導科学技術研究会 (東京、4 月 15 日), (2009). 25. 細野秀雄: 透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)とそ の TFT 応用; 応用物理学会 (3 月 30 日, 筑波), (2009). 26. 細野秀雄: 意外な透明酸化物の特徴:アモルファスとナ ノ構造の利用; 応用物理学会 (3 月 30 日, 筑波), (2009). 27. 細野秀雄: 高温超電導体の新大陸:鉄系層状物質; 日本 化学会年会 (3 月 28 日、千葉), (2009). 28. 細野秀雄: 透明酸化物の研究から生まれつつある新領域 と応用; 日本化学会年会 (基調講演、3 月 27 日、千葉), (2009). 29. 細野秀雄: 元素戦略の目指すもの; 第 3 回元素戦略シン ポジウム (東大, 1 月 26 日), (2009). 30. 細野秀雄: 新しい超電導物質:鉄系高温超電導および超 電導エレクトライド; 第 7 回ナノテク総合シンポジウム (東京ビックサイト、2 月 18 日), (2009). 31. 細野秀雄: 酸化物半導体:総論 川, 2 月 23 日), (2009). ; 日経 BP 講演会 (品 ; 川崎市民ア 32. 細野秀雄: セメントを金属に変える カデミー 科学講座 (1 月 22 日, 川崎), (2009). 33. 細野秀雄: 鉄系高温超伝導物質:元素戦略からみた魅力; 第 47 回セラミックス基礎科学討論会 (グランキューブ 大阪, 1 月 8 日), (2009). ■ 研究費の取得状況(平成 21 年度) 科学研究費補助金 (主な研究資金として) <基盤研究(S)> 無機エレクトライドの領域開拓:物質探索、機能設計、応用 展開 平成 21 年度~25 年度 平成 21 年度 36,700,000 円 政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として) <文部科学省> 材料ユビキタス元素協同戦略 平成 20 年 4 月 1 日~25 年 3 月 平成 21 年度 29,000,000 円 <文部科学省> 透明酸化物光学材料(光アライアンス) 平成 21 年 4 月~ 平成 21 年度 10,000,000 円 <独立行政法人科学技術振興機構> 透明酸化物のナノ構造を活用した機能開拓の応用展開 平成 16 年 10 月~22 年 3 月 31 日 平成 21 年度 144,000,000 円 <文部科学省 科学技術振興調整費> 統合研究院 次世代ディスプレイプロジェクト 平成 21 年度 43,000,000 円 受託研究(上記を除く) 1件 8,696,000 円 共同研究(上記を除く) 4件 27,076,262 円 奨学寄附金 5件 4,400,000 円 ■ 研究室の在籍者(平成 21 年度中) 学部学生 大学院修士課程在籍者 大学院博士課程在籍者 研究生 受託研究員 民間等共同研究員 その他ポスドク等 0 12(1) 5(2) 0 1 4 1 (内留学生人数) 59 ■ 出願人 登録番号 登録日 特許(平成 21 年度) 出願 東工大 旭硝子 米国特許 7,670,585 平成 22 年 3 月 2 日 8件 ■ 登録 「自然超格子ホモロガス単結晶薄膜とその製造方法、該単結 晶薄膜を用いたデバイス」 発明者 細野秀雄(40)植田和茂(10)折田政 寛(10)太田裕道(30)平野正浩(10) 出願人 JST(80) 太田裕道(15)折田政寛(5) 登録番号 特許第 4298194 号 登録日 平成 21 年 4 月 24 日 「水素含有電気伝導性無機化合物」 発明者 出願人 登録番号 登録日 細野秀雄(50)林克郎(30)平野正浩(20) JST(100) 特許第 7662357 号 平成 22 年 2 月 16 日 「導電性マイナエイト型化合物の製造方法」 発明者 出願人 登録番号 登録日 細野秀雄(20) 林克郎(5)平野正浩 (5)金聖雄(10)伊藤節郎(25) 鳴 島暁(25)宮川仁(10) JST(50) 旭硝子株式会社(50) ヨーロッパ特許 1717217 号 平成 21 年 7 月 22 日 「非晶質酸化物, 及び電界効果型トランジスタ」 発明者 佐野政史 中川克巳 細野秀雄 神谷利 夫 野村研二 出願人 東工大 キヤノン 登録番号(登録日) オーストラリア特許 2005302962(09/08/20) 、 韓国特許 10-0939998(10/1/29) 、 ロシア特許 2369940(09/10/10) 「電界効果型トランジスタ」 発明者 出願人 登録番号 登録日 細野秀雄 神谷利夫 野村研二 佐野政 史 中川克己 東工大 キヤノン 韓国特許 10-0911698 平成 21 年 8 月 4 日 「センサ及び非平面撮像装置」 発明者 出願人 登録番号 登録日 斎藤恵志 細野秀雄 神谷利夫 野村研二 東工大 キヤノン 米国特許 7,663,116 平成 22 年 2 月 16 日 「導電性マイエナイト型化合物の製造方法」 発明者 60 細野秀雄 林克郎 平野正浩 金聖雄 鳴島暁 伊藤節郎 受賞、褒賞(平成 21 年度) ・第13 回 超電導科学技術賞 未踏科学技術協会 細野秀雄, 神原陽一、平野正浩 2009 年 4 月 ・第 50 回藤原賞 (財)藤原科学財団 細野秀雄 2009 年 6 月 ・第 31 回(2009 年度)応用物理学会 論文賞 (社)日本 応用物理学会 平松秀典、片瀬貴義、神谷利夫、平野正浩 細野秀雄 2009 年9月 ・Berdn T.Matthias Prize ・紫綬褒章 細野秀雄 2009 年 9 月 内閣府 細野秀雄 2009 年 11 月 ・Distinguished Lecturer Award Nanotech Center WaterlooUniv. (Canada) 細野秀雄 2009 年 9 月 ・Outstanding Poster Paper Award, IDW'09 World Convention Center Summit, Miyazaki, Japan 細野秀雄、神谷利夫、野 村研二 2009 年 12 月 ■ 海外渡航の回数(平成 21 年度) 8回 ■ 政府、自治体その他公的団体の委員など(平成 21 年度) ・(財)国際高等研究所 研究プロジェクト「ナノ物質量子相の 科学」委員 2009/04/01~2011/03/31 ・(財)国際科学技術財団 研究助成選考委員 2009/08/01~ 2009/12/31 ・(独)科学技術振興機構 ERATO-SORST 研究総括 2005/04/01 ~2010/03/31 ・(独)科学技術振興機構 CREST 領域アドバイザ-<ナノ界 面領域> 2008 年 4 月 1 日~2010 年 3 月 31 日 ・(独)科学技術振興機構 TKIP(鉄系超電導)領域アドバイザ2008 年 8 月 15 日~ 2013 年 3 月 31 日 ・物質・材料研究機構 アドバイザリーボード 委員 2008 年 11 月~ ・東北大多元物質研究所 運営協議会 委員 平成 20 年 10 月 1 日~平成 22 年 3 月 31 日 ・(独)日本学術振興会 世界トップレベル研究拠点プログラム委員会 作業部会委員 平成 20 年 8 月 1 日~平成 25 年 3 月 31 日 ・日本学術会議 連携会員 2008 年 10 月 1 日~2014 年 9 月 30 日 ・日本学術振興会 透明酸化物光・電子材料第 166 委員会 幹事・運営委員 1998 年~ 14. 細野秀雄: 材料科学者 細野秀雄; 匠の肖像 (TV-東京, 2 月 13 日, 22.54-23:00), (2009). ・日本学術振興会 アモルファス・ナノ材料 147 委員会委員 15. 細野秀雄: 材料科学の醍醐味; 久米宏のラジオなんです けど (TBS, 1 月 24 日 14:00-14:30), (2009). ・NEDO 技術委員 2007 年 7 月 2 日~2009 年 3 月 31 日 ・JSPS 科研費特別推進研究書面評価委員 2009 年~ ・総合科学技術会議 ナノテク・材料分野 PT メンバー 2006 年~2011 年 3 月 31 日 ・日本セラミックス協会 研究委員会 委員 2008 年~ ・理化学研究所 磁性研究室評価委員 2009 年~ 16. 細野秀雄: 新材料 世界が驚嘆する高温超電導物質を発 見; ザ リバティー, 168, 19-21, (2009). 17. 細野秀雄:急成長・中国と「連携の時」-東アジア一体 で欧米と競争― 読売新聞<朝刊> (2009 年5 月10 日) 18. 細野秀雄:プロフェッショナル 材料科学者 NHKTV (2009 年 5 月 26 日) ・文部科学省研究振興局 元素戦略検討会に係わる外部専門 家 2008 年 2 月 25 日~2009 年 3 月 31 日 19. 細野秀雄:Iron-based Superconductor : Iron has a key to high Tc Scientific American8 月号 Vol.301(2)pp。62-69 (2009) ■ 記事(平成 21 年度) 1. 鉄化合物の高温超電導物質の発見; 第 3 期科学技術政策 の代表的成果集 飛躍知 事例 No.1 (文科省科学技術政策 研究所編), (2009). 20. 細野秀雄:サイエンストーク 材料科学の世界(1)(2) TBS ラジオ (2009 年 12 月 6 日&13 日) 21. 細野秀雄:フロンティアーズ 明日への挑戦 FM 東京 (2009 年 11 月 7 日) 2. 細野秀雄: 先端人; 経産業新聞 (11月12日, 12面), (2009). 3. 細野秀雄: 組織づくりのタブーに挑め; Convergence (No.3, Oct, 2009), 2-3, (2009). 22. 細野秀雄: 鉄 NHKTV サイエンスゼロ (2009 年 12 月 2 日) 4. G.P. コリンズ, 細野秀雄監訳: 高温超伝導:鉄が握る解 明のカギ; 日経サイエンス(2009 年11 月号), 48-50, (2009). 5. TIT Researchers Say Water Vapor Can Induce Superconductivity; Superconductor Week, May 18, 2306, (2009). 6. 拓く人 細野秀雄さん 身近な材料「新素材」に一変; 日 経新聞 (5 月 22 日 夕刊), (2009). 7. 細野秀雄: (インタビュー) 材料科学の“新大陸”を発見; 産 学官連携ジャーナル, 5, 6-11, (2009). 8. 3 大学の材料研究所連携 ハイブリッド化で新機能; 日経 産業新聞 (2009 年 5 月 14 日), (2009). 9. Philip Ball: Superconducting when wet; Nature Mater., 8, 370, (2009). 10. 常識を覆す新材料 細野・神谷研究室; LANDFALL, 66, 9-13, (2009). 11. 科学論文引用 1 位 東工大神原氏ら 昨年 249 回「超電 導物質」; 毎日新聞 3 月 25 日朝刊, (2009). 12. 東工大論文 引用数トップ; 朝日新聞 3 月 27 日朝刊, (2009). 13. 科学論文への引用回数 細野・東工大教授ら世界一; 読売 新聞 3 月 29 日朝刊, (2009). ■ イノベーション研究推進体への参加状況(平成 21 年度) ナノ構造制御による量子機能材料の創製と酸化物エレク トロニクスへの展開:伊藤満、細野秀雄、川路均、神谷利 夫、松本祐司、谷山智康 ■ 21 世紀 COE プログラムへの参加状況(平成 21 年度) 材料系 G-COE 事業推進メンバー 材料イノベーションのための教育研究拠点 ■ 関連イベントへの協力・参加状況(平成 21 年度) 1. スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会 開催日:2009 年 8 月 6 日 主 催:文部科学省・JST 会 場:パシフィコ横浜 特別講演:細野秀雄「研究の醍醐味:目から鱗が落ちる 感動を求めて」 2. SSH 三重県立津西高校 開催日:2009 年 8 月 28 日 主 催:津西高校 会 場:三重県文化会館 特別講演:細野秀雄 「わくわくする材料研究」 61 3. 三重四日市高校 110 周年 開催日:2009 年 12 月 5 日 主 催:四日市高校 会 場:四日市高校体育館 特別講演:細野秀雄 4. JST「理科大好き」 開催日:2009 年 11 月 14 日 主 催:JST 会 場:兵庫県 甲南大学 特別講演:細野秀雄 「物質・材料研究の醍醐味」 62 環境系 吉川プロジェクト <廃棄物・バイオマスの革新的エネルギー資源化技術の総合的開発> プロジェクトリーダー 吉川 邦夫 教授 研究期間 平成19年度~平成23年度 研究費総額 約12億円~20億円 研究資金ソース 科学研究費補助金、民間企業との共同研究、NEDO バイオマスフィールド実証事業、 資源エネルギー庁補助事業など ■ 研究内容 これまで、バイオマスを含む廃棄物のエネルギー資源としての利用は、焼却に伴う熱利用及び焼却熱で 生成される蒸気による発電が主であった。本プロジェクトは、プロジェクトリーダーがこれまで多数の企 業と共同で開発してきた様々な技術を組み合わせて、廃棄物やバイオマス等の未利用資源を付加価値の高 いエネルギー資源(固体燃料、ガス燃料、液体燃料、水素、電力)に転換する総合的な技術開発を行い、 その成果を国内外のフィールドに展開していくことを目的とする。研究開発を行う技術の具体的な内容は 以下の通りであり、大学内で実施する基礎研究と学外のフィールドで実施する実証研究によって構成され る。 ・固体燃料製造技術:未利用資源は形状や発熱量、含水率が様々であり、それらを水蒸気加熱処理技術に よって、石炭に相当する発熱量を有する乾燥された均一な粉末状固体燃料に変換する。この燃料はセメ ントキルン等で直接燃料として利用したり、後述するガス燃料製造の原料として利用する。 ・ガス燃料製造技術:固体燃料の熱分解・改質ガス化技術を用いて、発熱量が天然ガスの 1/10~1/3 程度 の中・低カロリーの燃料ガスを製造する。 ・液体燃料製造技術:廃プラスチックについては油化還元技術、廃食油や植物油については乾式アルカリ 触媒バイオディーゼル製造技術を用いてガソリン及び軽油相当の燃料油を製造する。また、こうして生 成された燃料油や通常の石油系燃料に微粒子化された水を混ぜて燃焼させるエマルジョン燃料を工業 用ボイラ燃料として利用して、低環境負荷と省エネルギーを実証する。 ・水素製造技術:触媒水蒸気改質技術を用いた廃プラスチックからの水素製造及び、高温水蒸気ガス化技 術を用いたバイオマス・廃プラスチックからの水素製造を行う。 ・発電技術:ガス燃料製造技術によって生成される中・低カロリーの燃料ガスで駆動可能な内燃エンジン (混焼ディーゼルエンジン、ガスエンジン、ロータリーエンジン) 、外燃エンジン(スターリングエン ジン)ならびに燃料電池の総合的な技術実証を行う。 ■ 新産業創造・新分野開拓の可能性 本プロジェクトは、産官学が一体となって、5年間で革新的で経済性のある未利用資源のエネルギー資 源化技術の研究開発及び実証を進めることによって、従来の廃棄物処理産業とは異なる、新たな環境産業 を創出することをめざす。その特長は、これまで費用負担を要する負の事業であった廃棄物処理を、利益 を生む廃棄物からのエネルギー生産事業に切り替えることで、民間資金を主体として、地球温暖化防止お 63 よび循環型社会構築を効果的に推進できることにある。 ■ 研究参加者 【学外】 (株)東電通、 (株)新興プランテック、東洋システム(株) 、中国電力(株) 、太平洋セメント(株) 、 (株) 資源循環技術研究所、 (株)奥村組、 (株)ヴォルテックス、北斗興業(株) 、 (株)ケミカルオート、クリー ンメカニカル(株)、ケアサイクル(株)、Shenzhen Eco-Solution Technology Corporation(中国)、青 、韓国機械研究院(韓国) 、 (株)CDM コンサルティング、King Monkut’s 島荏原環境設備有限公司(中国) Institute of Technology North Bangkok(タイ) 【学内】 吉川 邦夫(教授) 、波岡 知昭(講師) 、赤坂 太司(社会人博士5年) 、Ganchimeg Jambaldorj(博士5年、 私費留学生、モンゴル) 、梅木 健太郎(博士3年、学振特別研究員) 、Phuphuakrat Thana(博士3年、国費留 学生、タイ) 、Marisamy Muthuraman(博士3年、国費留学生、インド) 、Pandji Prawisudha(博士2年、国費 、孟大為(社会人博士2年、中国) 、蒋自力(社会人博士2年、中国) 、Bayu Indrawan 留学生、インドネシア) Safril(博士1年、国費留学生、インドネシア)、張 尚中(博士1年、私費留学生、中国)、金 大起(博士1 年、私費留学生、韓国) 、澈楽木格(博士1年、私費留学生、中国) 、黒岩 伸太郎(修士2年) 、成瀬 太一(修 士2年) 、米川 紘輔(修士2年) 、齋藤 敦史(修士2年) 、Paweetida Sungwornpatansakul(修士2年、国費留学 生、タイ) 、井上 幸治(修士1年) 、芦野 大地(修士1年) 、弘井 純子(修士1年) 、永井 悠葵(修士1年)、 山室 陽太郎(修士1年) 、Prabowo Bayu(修士1年、国費留学生、インドネシア) 、呂 梁(修士1年、私費留 学生、中国) 、陳 鴻芳(修士1年、私費留学生、中国) 、郭 尭(修士1年、私費留学生、中国) 、郭 慶明(研 究生、私費留学生、中国) 、最上 要(民間等共同研究員) ■■■ 平成 21 年度主要トピックス ■■■ 1. 水蒸気加熱処理による混合廃棄物のセメントキルン用燃料転換に関する研究 温度 200~230℃、圧力 2~3MPa の飽和水蒸気により加水 分解反応させると、都市ごみや農業残渣のような混合廃棄 物は粉砕された固体物質に変化する(水蒸気加熱処理) 。太 平洋セメント(株)と(株)北斗興業との共同研究として、 (株)北斗興業が保有する、医療廃棄物処理用の水蒸気加 熱処理プラント(図1)を用いて、北海道の自治体から提 供された都市ごみから、セメントキルン用石炭代替燃料を 製造する実験を行った。セメントキルン用燃料として重要 な要件は、塩素含有量が 3000ppm 程度以下に抑えられてい 図1 水蒸気加熱商用プラント(北斗興業) ることである。 平成 20 年度の研究により、処理前の都市ごみ中の有機塩素(塩化ビニル由来の水に溶けない塩素)は、 都市ごみ中のアルカリ成分と反応して、その多くが無機塩素(水に溶ける塩素)に転換されることが明ら かとなった。また、転換割合は、水蒸気の温度・圧力が高いほど、また、水蒸気との反応時間が長いほど 64 高くなることもわかった。 そこで、平成 21 年度は、無機化した塩素を最終的に水洗処理によって生成燃料から除去することを試みた。 図2 生成燃料に対する水洗水量を変化させた 場合の水洗前後の生成燃料中の無機塩素 含有量 図3 生成燃料に対する水洗水量を変化させ、水 洗水を複数回利用する場合の生成燃料中 の無機塩素含有量の変化 その結果、以下のことがわかった。 ・図2に示されるように、2.6MPa および 2.4MPa のどちらの圧力で水蒸気加熱処理して得られた生成燃料 についても、生成燃料に対する水洗水の量を増やすほど、水洗処理で除去可能な無機塩素量は増加する が、4 倍量程度以上加えてもあまり大きな洗浄効果はない。 ・水洗水の使用量を最小限に抑えるために、一度水洗に使った水を再度水洗に使用する試みを行ったとこ ろ、図3に示されるように生成燃料と等量の水で2回洗うことで、無機塩素量を 1/10 以下に低減できる。 これまで、都市ごみの燃料化にあたって、最も大きな課題の一つが塩素分の除去であり、大部分の塩素 が塩化ビニル由来の有機塩素であるため、除去は不可能とされてきた。本研究の成果によって、水蒸気加 熱処理によって有機塩素を一旦無機塩素に転換し、それを水洗除去することが可能であることが示され、 塩素含有量の少ない微粉炭状の燃料が都市ごみから生成できる目途がつくことになる。これは、世界中の 都市ごみ処理に大きなインパクトを与える研究成果である。本共同研究の成果は、特許として、太平洋セ メント(株)および(株)北斗興業と共同出願した。 2. エマルジョン燃焼ボイラの実用化に関する研究 A 重油に 10~20%の水をエマルジョン化して加え て、ボイラ燃料として利用する技術の実用化をめざ して、クリーンメカニカル(株)と青島荏原環境設 備有限公司との共同研究を行ってきた結果、1)エマ ルジョン燃料は、窒素酸化物及び煤塵の排出抑制に 効果がある、2) エマルジョン燃料には、燃料節約効 果があり、その効果は、各ボイラごとに空燃比及び 燃料中の含水率を最適化することによって最大化す ることができる、3) 乳化剤を用いなくても安定した エマルジョン燃料の燃焼が可能である、などを明ら かにした。 図4 温泉設備用ボイラに導入されたエマ ルジョン燃料製造装置 65 以上の研究成果に基づいて、クリーンメカニカル(株)は、北海道の温泉施設用ボイラに本技術を適用 し、2年以上の長期にわたる24時間無人連続運転を行っている(図4) 。その結果、図5に示すように、 単位量の温水を製造するために必要な燃料がほぼ 10%節約されていることが示された。 図5 長期間運転での省エネルギー効果の実証 エマルジョン燃料の使用によって、燃焼排ガス中の煤塵濃度が減少し、その結果として、ボイラ内の清 浄度が維持される効果及び、煤塵の発生を抑制しながら空燃比を落とせる効果によって、ボイラにおける 大きな燃料削減が達成可能となることがわかった。 3. 触媒改質を用いた廃プラスチックからの小規模な水素製造の実証研究 小規模な設備で水素リッチな燃料ガスを製造することを目的 とし、図6に示すような連続試料供給式熱分解-触媒水蒸気改 質 2 段ガス化実験装置、及び 5 wt% Ru/Al2O3 触媒を用いて廃 プラスチックからの水素生成プロセス設計に必要な熱分解・水 蒸気改質反応特性に及ぼす運転パラメータの影響について実 験的に検討を行っている。 平成 21 年度は、廃プラスチック模擬物質としてポリスチレンを 用い、小規模水素製造用プロセスとして最適な操作条件の検討 を行った。さらに、前年度得られたポリプロピレンを用いた実 験結果と比較を行うことによって、燃料の芳香族性が熱分解及 び水蒸気改質反応特性に及ぼす影響について考察した。さらに、 図6 廃プラスチック水蒸気改質実験装 スチレンの水蒸気改質反応モデルを作成した。主要な研究成果 として、以下のことが明らかとなった。 ・ ポリスチレンの熱分解反応速度は 400℃でも十分迅速であった。また、同温度条件のとき、熱分解炉内 の副生成物(炭化物)収率が最小であった。以上の結果より、2 段ガス化プロセスの前段の熱分解の最 適操作条件は 400℃であることがわかった。熱分解温度の違いが後段のプロセスの運転特性に及ぼす影 響はさほど大きくなかった。 66 ・ ポリスチレン熱分解生成物の水蒸気改質反応速度の最適運転条件は 630℃、WHSV:0.1 g-sample g-cat-1 h-1 であった。Ru 触媒を用いることにより、実用化されている Ni 触媒を用いた天然ガスやナフサを原 料とする水素製造プロセスの水蒸気改質反応温度に比べ 200℃近い低減が達成できることがわかった。 水蒸気改質温度の低温化により、熱効率の向上だけでなく、触媒の熱的劣化速度の緩和が期待できる。 また、この条件は、前年度行われたポリプロピレンの結果と同一であった。このことから、Ru 触媒を 用いることにより、比較的低温にも関わらず廃プラスチック中の化学組成変動の影響を受けにくいロ バスト性の高い水蒸気改質プロセスを構築可能であることがわかった。 ・ ポリスチレンの熱分解油の模擬物質としてスチレンを用いて、水蒸気改質反応速度解析を行った。見 かけの反応速度モデル式として、以下の経験式が得られた。 5 r = 7.90 × 109 e −1.72 ×10 / RT −0.23 pC0.96 H pH O 8 8 2 4. 小型バイオマス発電設備におけるガス化ガス中のタール低減 本研究は、タイの King Monkut’s Institute of Technology North Bangkok 大学との共同研究として、同大学が保有 する乾燥下水汚泥ガス化発電プラントにおいて実施し た。 図7に同発電プラントのシステム図を示すが、ガス化 炉の下流にスクラバ(水洗塔)およびおが屑吸着層3 基を設けて、生成ガス中からのタール分の除去を試み ているが、これまで、定量的なタール測定がなされて 図7 ダウンドラフト型ガス化発電プラント おらず、どの程度までタール濃度が低減できているの か不明であった。本共同研究では、博士課程の学生を 現地に派遣して、当研究室が保有するタール計測技術 の適用を試みたもので、その結果を図8に示す。各ター ル成分が、スクラバおよび各おが屑吸着層で低減して いる様子が定量的に把握できた。 図8 ガス化発電プラント内での生成ガス中 のタール濃度の変化 67 ■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ ■ 研究業績 (平成 21 年 1 月-12 月) 4. Yukiharu Inoue, Tomoaki Namioka and Kunio Yoshikawa, “Kinetics and Simulation of Steam Reforming of n-nonane over Ru/Al2O3”, 5th KIMM-TITech Joint Workshop, Seoul, Korea, November 2009 5. Atsushi Saito, Yukiharu Inoue, Tomoaki Namioka and Kunio Yoshikawa, “Research on Steam Reforming of Polystyrene with Ru Catalyst”, 5th KIMM-TITech Joint Workshop, Seoul, Korea, November 2009 6. Shintaro Kuroiwa, Thana Phuphuakrat, Daichi Ashino, Tomoaki Namioka and Kunio Yoshikawa, “Selection of Absorbents for Tar Removal with a Solvent Scrubber”, 5th KIMM-TITech Joint Workshop, Seoul, Korea, November 2009 7. Chelemuge and Kunio Yoshikawa, “Advantage of Using Water/oil Emulsified Fuel on Industrial Boilers”, 5th KIMM-TITech Joint Workshop, Seoul, Korea, November 2009 8. Junko Hiroi, Paweetida Sungwornpatansakul and Kunio Yoshikawa, “Basic Research on Transesterification Reaction of Corn Oil for Biodiesel Fuel (BDF) Production”, 5th KIMM-TITech Joint Workshop, Seoul, Korea, November 2009 9. Marisamy Muthuraman, Tomoaki Namioka and Kunio Yoshikawa, “Conversion of Municipal Solid Waste into Fuel by Hydrothermal Treatment and Co-firing with Coal”, International Workshop on Environment & Engineering, Yokohama, Japan, November 2009 研究論文 1. Tomoaki Namioka, Young-il Son, Masayuki Sato and Kunio Yoshikawa, “Practical Method of Gravimetric Tar Analysis That Takes into Account a Thermal Cracking Reaction Scheme”, Energy and fuels, Vol. 23, No. 12, pp. 6156-6162, 2009 2. Yin Wang, Tomoaki Namioka and Kunio Yoshikawa, “Effects of the Reforming Reagents and Fuel Species on Tar Reforming Reaction”, Bioresource Technology, Vol.100, No.24, pp.6610-6614, 2009 3. Jiang Zili, Dawei Meng, Hongyan Mu and Kunio Yoshikawa “Study on the Hydrothermal Drying Technology of Sewage Sludge”, Science in China Series E: Technological Sciences, Vol.52, No.4, pp. 922-927, 2009 4. 5. 6. Kentarou Umeki, Son Young-il, Tomoaki Namioka and Kunio Yoshikawa, “Basic Study on Hydrogen-Rich Gas Production by High Temperature Steam Gasification of Solid Wastes”, Journal of Environment and Engineering, Vol. 4, No. 1, pp. 211-221, 2009 Tomoaki Namioka, Yoshiaki Morohashi, Ryosuke Yamane and Kunio Yoshikawa, “Hydrothermal Treatment of Dewatered Sewage Sludge Cake for Solid Fuel Production”, Journal of Environment and Engineering, Vol. 4, No. 1, pp. 211-221, 2009 Young-il Son, Masayuki Sato, Tomoaki Namioka and Kunio Yoshikawa “A Study on Measurement of Light Tar Content in the Fuel Gas Produced in Small-Scale Gasification and Power Generation Systems for Solid Wastes”, Journal of Environment and Engineering, Vol. 4, No. 1, pp. 12-23, 2009 国際会議 1. Kentaro Umeki, Amit Topu Biswas, Weihong Yang and Kunio Yoshikawa, “Pyrolysis of Large Wood Particle by High Temperature Steam Stream”, 6th International Conference on Fluid and Thermal Energy Conversions, Tongyeong, Korea, December 2009 2. Kosuke Yonekawa, Pandji Prawisudha, Tomoaki Namioka and Kunio Yoshikawa, “Reseach on Production of Animal Feed from Food Residue by Hydrothermal Treatment”, 5th KIMM-TITech Joint Workshop, Seoul, Korea, November 2009 3. 68 Taichi Naruse, Yuki Nagai, Tomoaki Namioka, Kunio Yoshikawa and Keiko Waki, “Influence of Biomass Gasified Gas Trace Tar in Power Generation and Carbon Deposition on Ni/ScSZ Cermet Anode in SOFC”, 5th KIMM-TITech Joint Workshop, Seoul, Korea, November 2009 10. Marisamy Muthuraman, Tomoaki Namioka and Kunio Yoshikawa, “Effects of Municipal Solid Waste Blending on Coal Combustion Characteristics by TGA Analysis”, Proc. International Conference on Power Engineering 2009, pp. 2-123-127, Kobe, Japan, November 2009 11. Pandji Prawisudha, Kunio Yoshikawa, Hiroyuki Takano, Yasuyuki Ishida and Hidenori Isoda, “Chlorine Removal from Plastic-impregnated MSW for Producing Solid Fuel Using Innovative Low Temperature Hydrothermal Treatment Technology”, Proc. International Conference on Power Engineering 2009, pp. 3-55-60, Kobe, Japan, November 2009 12. Kunio Yoshikawa, “Production of Useful Fuels and Electricity from Biomass and Waste Resources”, VII International Conference "FUEL FROM WASTE 2009", Szczyrk, Poland, October 2009(基調講演) 13. Tomoaki Namioka, Taichi Naruse, Ryosuke Yamane, Kunio Yoshikawa and Keiko Waki, “Influences of Trace Tar in Biomass Gasified Gas on Power Generation and Carbon Deposition on Ni/ScSZ Cermet Anode in SOFC”, International Symposium on Low Carbon Technology, Bejing, China, による都市ごみからの塩素除去に関する研究」 、第 18 回 日本エネルギー学会大会講演要旨集、pp. 398-399、札幌、 2009 年 7 月 September 2009 14. Kentaro Umeki, Seon-ah Roh, Woo-hyun Kim, Tomoaki Namioka and Kunio Yoshikawa, “Apparent Reaction Rate of Large Wood Biomass Char Gasification with Steam”, International Symposium on Low Carbon Technology, Bejing, China, September 2009 15. Chelemuge, Kunio Yoshikawa, Masanori Takeshita and Kouichi Fujiwara, “Experimental Demonstration of Energy Saving and Emission Suppression in Oil-fired Boilers by Employing Water/oil Emulsified Fuel”, International Symposium on Low Carbon Technology, Bejing, China, September 2009 16. Marisamy Muthuraman, Tomoaki Namioka and Kunio Yoshikawa, “A Thermogravimetric Analysis on Effects of Municipal Solid Waste Blending on Combustion Characteristics of Different Rank Coal”, The 34th International Technical Conference on Clean Coal & Fuel Systems, The Clear Water Coal Conference, Florida, U.S.A, June 2009 17. Thana Phuphuakrat, Nimit Nipattummakul, Tomoaki Namioka, Somrat Kerdsuwan and Kunio Yoshikawa, “Analysis of Tar Formation from a Downdraft Gasifier of Industrial Wastewater Sludge”, The 3rd International Conference on Sustainable Energy and Environment, Bangkok, Thailand, May 2009 18. Pandji Prawisudha, Tomoaki Namioka and Kunio Yoshikawa, “Solid Fuel Production from MSW Using Innovative Hydrothermal Treatment”, The 28th International Conference on Thermal Treatment Technologies (IT3) & Hazardous Waste Combustors (HWC), Cincinnati, OH, U.S.A, May 2009 19. Marisamy Muthuraman, Tomoaki Namioka and Kunio Yoshikawa, “Study on Co-combustion Performance of Hydrothermally Treated Municipal Solid Waste with Coal: A Thermogravimetric Analysis”, The 28th International Conference on Thermal Treatment Technologies (IT3) & Hazardous Waste Combustors (HWC), Cincinnati, OH, U.S.A, May 2009 20. Kunio Yoshikawa, “Production of Useful Fuels and Electricity from Biomass and Waste Resources”, Proc. 1st ASEAN University Network/Southeast Asia Engineering Education Development Network Regional Workshop on New and Renewable Energy, pp. 23-30, Bandung, Indonesia, March 2009 (基調講演) 国内会議 1. 2. 吉川邦夫、 「新技術が創る循環型社会-廃棄物・バイオマ スのエネルギー資源化技術の開発-」 、日本機械学会「熱 工学コンファレンス 2009」プレコンファレンス・セミナ ー「次世代の省資源・省エネルギー技術を支える熱工学」 、 山口、2009 年 11 月(招待講演) 米川紘輔、Pandji Prawisudha、Dian Marya Novita、波岡知 昭、 吉川邦夫、石田泰之、高野博幸、 「水蒸気加熱処理 3. 梅木健太郎、波岡知昭、吉川邦夫、Seon-ah Rho、Woo-hyun Kim、 「バイオマスチャー大粒子の水蒸気ガス化速度」 、 第 18 回日本エネルギー学会大会講演要旨集、pp. 174-175、 札幌、2009 年 7 月 4. 齋藤敦史、朴英秀、波岡知昭、吉川邦夫、 「Ru/Al2O3 触 媒を用いたポリスチレン熱分解油の水蒸気改質反応特 性と運転条件の最適化」 、第 18 回日本エネルギー学会大 会講演要旨集、pp. 408-409、札幌、2009 年 7 月 5. 吉川邦夫、チルムグ、竹下昌徳、藤原浩一、 「水エマル ジョン燃料を用いたボイラにおける省エネルギー」 、第 19 回環境工学総合シンポジウム 2009 講演論文集、pp. 384-387、那覇、2009 年 7 月 6. Pandji Prawisudha、波岡知昭、吉川邦夫、 「Conversion of Municipal Solid Waste into Fuel for Co-firing Application with Coal by Hydrothermal Treatment (Part I: Chlorine Removal)」 、 第 19 回環境工学総合シンポジウム 2009 講演論文集、pp. 166-169、那覇、2009 年 7 月 7. Marisamy Muthuraman、波岡知昭、吉川邦夫、 「Conversion of Municipal Solid Waste into Fuel for Co-firing Application with Coal by Hydrothermal Treatment (Part II: Co-firing Performance with Coal)」 、第 19 回環境工学総合シンポジ ウム 2009 講演論文集、pp. 170-173、那覇、2009 年 7 月 8. チルムグ、吉川邦夫、竹下昌徳、藤原浩一、 「水エマル ジョン燃料のボイラへの利用に関する研究」 、第 46 回日 本伝熱シンポジウム講演論文集 Vol.II+III、pp.439-440、 京都、2009 年 5 月 ■ 研究費の取得状況(平成 21 年度) 政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として) <日本学術振興会「二国間交流事業共同研究/セミナー」 韓国との共同研究> 廃棄物・バイオマスからの高効率燃料ガス製造に関する研究 平成 20 年度~22 年度 平成 21 年度 1,100 千円 共同研究(上記を除く) 4件 7,551,400 円(間接経費含む) 奨学寄附金 1件 500,000 円 ■ 研究室の在籍者(平成 21 年度中) 学部学生 大学院修士課程在籍者 0 15 (5) 69 大学院博士課程在籍者 研究生 受託研究員 民間等共同研究員 その他ポスドク等 ■ 12(10) 1 (1) 0 1 0 (内留学生人数) 特許(平成 21 年度) 登録 「固体燃料ガス化システム」 発明者 出願人 登録番号 登録日 「水性ガス生成装置及び水性ガス生成方法」 発明者 出願人 登録番号 登録日 出願 1件 公開 「高含水廃棄物処理装置及び高含水廃棄物処理方法」 発明者 出願人 公開番号 公開日 吉川邦夫、古木惣一郎、鈴木徳彦、 野村博 国立大学法人東京工業大学、 株式会社資源循環技術研究所 特開 2009-120746 平成 21 年 6 月 4 日 「乳化剤を含まないエマルジョン燃料の製造装置 及び燃焼装置」 発明者 丹誠一、吉川邦夫 出願人 クリーンメカニカル株式会社、 国立大学法人東京工業大学 公開番号 特開 2009‐192205 公開日 平成 21 年 8 月 27 日 「固体燃料ガス化装置」 発明者 出願人 公開番号 公開日 吉川邦夫、清水敬二郎 国立大学法人東京工業大学 中国電力株式会社 特開 2009-197073 平成 21 年 9 月 3 日 「乳化剤を含まないエマルジョン燃料の製造装置 およびその運転方法」 発明者 丹誠一、吉川邦夫 出願人 クリーンメカニカル株式会社、 国立大学法人東京工業大学 公開番号 特開 2009-203323 公開日 平成 21 年 9 月 10 日 「混合廃棄物の処理方法」 発明者 出願人 公開番号 公開日 70 吉川邦夫、高野博幸、鏡田誠 国立大学法人東京工業大学 太平洋セメント株式会社 特開 2010-37536 平成 22 年 2 月 18 日 吉川邦夫 独立行政法人 科学技術振興機構 特許第 4255279 号 平成 21 年 2 月 6 日 ■ 保田力、吉川邦夫 日本ファーネス株式会社 特許第 4315292 号 平成 21 年 8 月 19 日 受賞、褒賞(平成 21 年度) ・“Best Paper Award at the International Conference on Fluid and Thermal Energy Conversion 2009” Kentaro Umeki, Amit Topu Biswas, Weihong Yang and Kunio Yoshikawa 2009 年 12 月 ■ 海外渡航の回数(平成 21 年度) 15 回 ■ 学会役員(平成 21 年度) ・日本機械学会環境工学部門 21-22 年度 第二技術委員会委員長 平成 ・Applied Energy 誌(Elsevier) Associate Editor 度より 平成 21 年 ■ 記事(平成 21 年度) 1. NTT ホームページ(廃棄携帯電話リサイクル技術の紹介) 資料参照 ■ 参照資料 【資料出所:NTT グループ情報誌 365°第 23 号】 イラストルポ 「日鉱敦賀リサイクル」のケータイリサイクル工場を直撃! 新しいコミュニケーション文化を創造するツールと して、普段の生活にすっかり定着したケータイ。新モ デルが続々と登場する中、機種変更を経験した人はき っと多いはず。そんな時、あなたは古くなったケータ イをどうしているだろう? 紙やプラスチックなど、資源の再利用が見直される昨 今、ケータイだって例外ではない。環境保護や循環型 社会システムへの転換が強く求められる中、ドコモで は 1998 年より使用済みケータイの回収を開始し、 2001 年からは、ケータイ・PHS 事業者、メーカー各 社による自主活動組織「モバイル・リサイクル・ネッ トワーク」に参加。事業者やメーカーを問わずに回 収・リサイクルを行い、これまでにドコモだけで累計 6534 万台(1998~2007 年度)、2007 年度は 340 万台 を回収した。 では、回収されたケータイはどのように処理されるの だろう? 今回、ドコモからの委託でケータイのリサイクルに取 り組む企業のひとつ、福井県敦賀市にある日鉱敦賀リ サイクル株式会社を直撃。そのリサイクル工程をリポ ートする。 ケータイをリサイクルするために重要なのが回収作 業だ。使用済みのケータイは全国のドコモショップを はじめ、一部の家電量販店やスーパーなどに設置され たリサイクル回収BOXにより集められる。 回収されたケータイは全体でどれくらいの量になる のか、社団法人電気通信事業者協会のホームページに よると、2007年度のケータイ・PHSの回収台数は644 万台。一見すると相当な量のように思えるが、実はピ ーク時だった2000年度の1362万台に比べると半数以 下となっている。なぜこのような現象が起こっている のだろう? カンの良い方ならおわかりかも知れないが、第3世代 と呼ばれるモデルの登場以降、ケータイの多機能化が 加速し、電話として使わなくてもデジカメとして使い たい、また、メモ帳や音楽プレーヤー機能だけを使い たいと、ケータイを手元に保管するユーザーが増えた ことが原因と考えられている。しかし、ケータイリサ イクルは限りある資源の有効利用という環境保護に つながる取り組み。ドコモや日鉱敦賀リサイクルでは、 ケータイの回収に関する周知活動を積極的に続けて きた。 71 回収先で破壊されたケータイは、本体、バッテリー、 充電器などに分別され、日鉱敦賀リサイクルへ搬送さ れる。そして、荷台から降ろされたケータイを1台の 紛失もないように送付リストと照合し、数量をチェッ クする。さらに、リサイクルしやすいように手作業で 5000台ほどにまとめて袋詰めしていく。 こうして分別されたケータイは、油化処理設備へ運ば れ、加熱炉の中で、高温で熱分解処理される。そして、 ケータイに使用されているプラスチック部分は加熱 炉の中で気化し、冷却後、油として生まれ変わり、基 盤などは、金属を含んだ燃えカス(金属残滓)へ姿を 変えるのだ。 日鉱敦賀リサイクルへ運ばれるケータイの総重量は 月に約20~30トン、およそ25万台がひと月に処理され る。この油化処理では月にドラム缶約40本分もの油が ケータイから生成されており、そのすべてが産廃焼却 炉の補助燃料として有効活用されている。 一方、油化処理で残った燃えカス(金属残滓)は、冷 却後にさらに細かく粉砕され、粉じんの飛散防止のた めに水がかけられた後、泥のような姿になる。実はこ の燃えカスの中に、ケータイリサイクルの軸ともいえ る金、銀、銅やパラジウムなどの希少金属が含まれて いるのだ。 日鉱金属株式会社を親会社とする日鉱金属グループ では、この燃えカスから各種貴金属を製錬して いる。このようにケータイはそのほとんどが無駄なく リサイクルされているのだ。 ケータイの燃えカスは金属資源の塊。たとえば、ひと 月で処理される約20~30トンのケータイか らは金ならおよそ7.5キログラムを採取することがで きる。さらに、前述の銀、銅、パラジウムな どの貴金属も採取できるという。このことからケータ イを「都市鉱山」とたとえることもあるほど だ。日本は資源を国外に依存して成長している国。だ からこそ、貴重な資源であるケータイをリサイク ルすることは欠かせないのだ。 72 ドコモショップで回収された使用済みケータイのリ サイクルで生じた収益の一部は、フィリピンの 通信事業者と移動体通信事業者と協働して、植林活動 などに利用されている。植林活動を通じての 二酸化炭素の削減、生物多様性の維持などの環境保全 活動にも使用済みのケータイは役立っている というわけだ。 今回の取材を通じ、ケータイのリサイクルは企業だけ で行われるのではなく、ユーザーの協力なく しては成り立たないと改めて認識させられた。ケータ イのリサイクルは資源の有効活用、そして地 球温暖化の防止にも役立つのだ。 あなたの家の引き出しにも、眠っているケータイはな いだろうか? 73 74 環境系 岩本プロジェクト <バイオマスエネルギー等高効率転換技術開発> プロジェクトリーダー 岩本 正和 教授 研究期間 平成20年度~平成24年度 研究費総額 約14億円 研究資金ソース NEDO バイオマスエネルギー関連先導技術開発、日本学術振興会科学研究費補助金学 術創成研究費 ■ 研究内容 バイオマス関連の研究は、化石資源の枯渇、地球環境汚染問題の顕在化と相まって人類最大の研究命題 となりつつある。本技術は農学的要素、理工学的要素を包含し、幅広い研究が必要であるが、本プロジェ クト研究では特にバイオエタノールの利用技術に焦点を合わせている。現行のバイオエタノール利活用技 術はほぼ燃料利用に集中しているが、原料農作物等の栽培・糖化・発酵・蒸留等の工程に半年~1年程度 かかることを考えると、せっかく調製したバイオエタノールを燃料として燃やしてしまうのは何とももっ たいない。もちろん燃料としての必要性は否定できないが、他の有効利用法も考える必要がある。 本プロジェクトでは、バイオエタノールを出発物質とするポリマー合成を実現し、二酸化炭素の長期固 定化に道を拓くことを企画している。この目標を達成するため、本研究ではエチレン、プロピレン、ブテ ン等の石油化学基幹品をバイオエタノールから効率的に生成するための触媒研究を実施する。 具体的には、セルロース系粗留エタノール(約 90%濃度)を原料とし、プロピレンを直接製造するプロ セスを開発する。特に重要な技術開発要素はプロピレン選択率が高く活性低下の小さい触媒の開発であり、 メゾ多孔体系触媒およびゼオライト系触媒を中心として検討を進める。触媒開発と同時に分離精製等を含 めたプロセス開発を進め、原料中の触媒被毒成分の除去およびプロピレンの精製技術を確立する。 ■ 新産業創造・新分野開拓の可能性 従来型のバイオマスプロセスは主にバイオエタノールやバイオディーゼルの高効率製造、廃棄物を含む バイオマス資源の高効率エネルギー化等に焦点が合っていたが、本研究ではバイオエタノール出発のバイ オポリマー製造に道を拓くことを目標にしている。本研究は、バイオプラスチック製造の新産業分野の創 造はもちろん、バイオリファイナリー関連の全く新しい研究分野の開拓につながると考えている。 ■ 研究参加者 【学外】出光興産株式会社、住友化学株式会社、トヨタ自動車株式会社、日揮プランテック株式会社、エ プシロン株式会社等 【学内】資源化学研究所有機資源部門、総合理工学研究科化学環境学専攻等 75 平成21年度主要トピックス ■■■ 1.壁イオン交換法の開発 セル-酸素酸イオン構造体の壁を構成している成 分を種々の方法で交換する。例えば、硫酸ジルコニ ウム-水酸基-界面活性剤ミセルからなるメゾ構 造体(ZS、未焼成であることに注意)中の硫酸根 3.0 400 2.5 SBET / m g 調製法を開拓した。この方法の場合、界面活性剤ミ 2 -1 我々は壁イオン交換(WIE)法と名付けた新しい 500 Pore size / nm ■■■ 2.0 300 1.5 200 1.0 100 0.5 あるいは水酸基と水溶液中の種々の酸素酸アニオ 0 0.0 ンを交換する。これまでに ZS 中の壁イオンが規則 性ヘキサゴナルメゾ構造を維持したまま種々の酸 素酸アニオンと容易に交換すること、その際、界面 活性剤ミセルが存在したままでイオン交換が進行 すること、リン酸イオンを交換導入したあと界面活 0.5 1.0 1.5 -1 2.0 Amount of Cr / mmol g 0.0 図1.TS 中への Cr 導入量と得られた多孔体の細孔 径、比表面積の関係 性剤を除去すると 400 m2g-1 以上の高表面積リン酸ジルコニウム多孔体を調製できることを見出している。 この研究におけるブレイクスルーは、界面活性剤ミセルが存在していても壁イオンの交換が容易に交換す る現象の発見である。即ち、粒子内部の壁イオンを交換するのに空洞構造の形成は必須ではないことが明 らかになった。詳細な交換メカニズムの解明は今後の課題であるが、メゾ多孔体合成、吸収剤・イオン交 換体の科学に新しい可能性をもたらすものと期待している。 最近、硫酸チタン-界面活性剤を主成分とするメゾ構造体(TS)で同様の WIE 操作が可能であること を見出した。Cr 交換体では、ヘキサゴナル構造を維持したまま焼成・多孔体化が可能であった。Ti-Cr-O 系メゾ多孔体の細孔径および比表面積と Cr 導入量の関係を図1にまとめている。Cr 導入量 0.5 mmol g-1 以上で直径約 1.5nm の細孔が生じること、 比表面積もこの導入量以上で急激に増加することが明かである。 Ti-Cr-O 系メゾ多孔体の比表面積は 400 m2g-1 に達した。壁の構成成分の比重差を考えると、M-41 に匹敵す る大表面積体が調製できたことになる。 複合酸化物の規則性多孔体の調製には中性界面活性剤法が用いられることが多いが、この方法では壁が 厚くなり、高表面積多孔体を調製することが困難な場合が多い。また、独立細孔が生成しやすく、触媒や 吸着剤には使いづらいことがある。これに対し、WIE 法では壁が薄い高表面積多孔体を調製できる。今後 は新しい壁成分体の調製、それによる新しい触媒特性の発現が期待される。なお、WIE 法ではないが、シ リカ壁中の酸素原子を窒素原子でほぼ完全に置き換え、窒化ケイ素のメゾ多孔体を調製することも出来る。 この多孔体を用いる新しい触媒作用、担体作用の研究をさらに進めたい。 2.テンプレートイオン交換法の開発 デザインされたメゾ空間中に活性中心を構築すれば生体酵素類似の化学的機能を付与した材料を創製 できると期待している。ゼオライト系では、細孔の小ささのため本質的な展開が困難であったが、M41 は 酵素類似機能構築に適した担体の一つと考えられる。その際、細孔内表面の均一性の高さは本質的に重要 76 な役割を果たす可能性がある。 M41 を不均一系触媒として利用するには触媒活性点となる金属イオンの導入が必要である。水熱合成原 料に種々の金属イオンを添加する方法は、導入に伴う細孔構造不安定化のため、金属イオンを適当量導入 するのが困難であることが多い。一方、Al 含有 M41 上への金属イオン交換は、担持量を多くできない、 金属イオンが動きやすい、細孔構造が脆弱等の制約がある。また、通常の含浸法では、金属イオンの担持 状態が大きくばらつくので酵素モデルの構築には適さない。 これに対し我々は、テンプレートイオン交換(TIE)法と名付けた新しい触媒調製法を開発した。これ は、M41 調製直後のメゾ構造体中の界面活性剤を金属イオンで部分的にイオン交換した後、焼成する方法 である。この方法を適用すると、例えば Mn2+担持体(Mn-M41)では細孔構造を保持したまま Si/Mn=20 程度まで Mn2+を導入でき、担持された Mn2+イオンは高分散担持される。この Mn-M41 はエポキシ化に高 活性を示す。 3.Ni-MCM41 上でのプロピレン生成 エチレンの気相接触二量化を Ni-M41 触媒上で検 討中、反応温度が 400℃以上になるとプロピレンが 主生成物となることを見出した。20 種以上の金属 イオン担持体の活性を調べたが、本質的に Ni-M41 のみが活性であった。分圧依存性、接触時間依存性、 エチレン+ブテンでの生成物分布等に基づいて、図 2のように、エチレンの二量化による 1-ブテンの 生成、1-ブテンの 2-ブテンへの異性化、2-ブテンと エチレンのメタセシスによるプロピレンの生成と いう機構を考えている。高温かつ気相で Ni イオン 図2.Ni-M41 上でのエチレンの反応(二量化、異性化、 がメタセシス反応に活性を示すという知見はこれ メタセシスによるプロピレンの生成) まで全く報告されておらず、本研究分野の進展に大 きなインパクトを与えるものと信じている。現在、世界の石油化学の基幹物質はエチレンからプロピレン に移行中であり、エチレンを選択的にプロピレンに変換することは大変重要になっている。私達が見出し た新触媒反応はこの大転換に画期的な機能を提供できると考えている。 次に我々は、エタノールの選択的な脱水反応は酸触媒上で容易に進行するので、上記の触媒系を用いれ ばバイオエタノールから選択的に低級オレフィンを合成できるのではないかと考えた。この反応系を実現 できれば、石油化学の代替としてバイオマスコンビナート(あるいはバイオリファイナリー)を構築でき る可能性があり、将来の原油枯渇や CO2 削減に多大の貢献を果たせる可能性がある。実際、この反応も Ni-M41 上で可能であることを認めている。この反応の場合、意外なことにかなりの量のアセトアルデヒ ドの生成が認められ、その生成量(選択性)は高空間速度で大きくなった。これは、アセトアルデヒドが エチレン、プロピレン、ブテン等の低級オレフィンの反応中間体となっている可能性を示唆している。こ の可能性についてはさらに検討を進めている。 77 ■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ ■ 研究業績 5. M. Iwamoto, Selective Conversions of Bioethanol to Chemicals on Mesoporous Silica Catalysts, "Catalysis to Sustainability", Australian Catalysis Soc., 54-55 (2009). S. Insuhk, S. Hori、M. Tanaka、M. Iwamoto, Preparation of Novel Zr- or Ti-based Porous Mixed Oxides through the Wall Ion Exchange Method, The 12th Japan-Korea Symposium on Catalysis, 2009/10/14. 6. M. Tanaka, A. Itadani, Y. Kuroda, M. Iwamoto, Active Sites for Ethene Dimerization on Nickel Ion-loaded Mesoporous Silica Catalysts, Proc. EuropaCat IX, 128-129 (2009). H. Ishitani, H. Oosawa, M. Iwamoto, Heterogeneous Enantioselective Cyclopropanation on Cu-MCM-41, The 12th Japan-Korea Symposium on Catalysis, 2009/10/15. 7. M. Tanaka, A. Itadani, Y. Kuroda, M. Iwamoto, Remarkable Effect of Pore Size on Catalytic Activity of Ni-MCM-41 for Ethene Dimerization, The 12th Japan-Korea Symposium on Catalysis, 2009/10/15. 研究論文 1. 2. Materials and Devices, 2009/9/5. (平成 21 年 1 月-12 月) 3. 出口 隆、岩本正和、Pd/C 触媒による直接 H2O2 合成に おけるH+およびBr-イオンの作用機構、 触媒、 51、 405-407 (2009). 4. 田中大士、黒田泰重、岩本正和、Ni イオン担持シリカメ ゾ多孔体のエチレン二量化活性と細孔径、Ni 担持量との 関係、触媒、51、469-471 (2009). 1. I. Suh, S. Hori, M. Tanaka、M. Iwamoto, Preparation of Novel Zr- or Ti-based Porous Mixed Oxides through the Wall Ion Exchange Method, Proc. 12th Japan-Korea Symposium on Catalysis, 17-18 (2009). 竹中久実、田中大士、石谷暖郎、岩本正和、シリカメゾ 多孔体中に担持された銅イオンの特性、日本化学会第 89 春季年会、2009/3/27. 2. 徐寅碩、高田仁、岩本正和、壁イオン交換法によるチタ ン系複合酸化物メゾ多孔体の合成、日本化学会第 89 春 季年会、2009/3/27. 5. 国内会議 6. H. Ishitani, H. Oosawa, M. Iwamoto, Heterogeneous Enantioselective Cyclopropanation on Cu-MCM-41. Proc. 12th Japan-Korea Symposium on Catalysis, 92-93 (2009). 3. 逢坂有里子、川村幸、岩本正和、レニウム担持メゾ多孔 体触媒によるエタノールの水蒸気改質反応、日本化学会 第 89 春季年会、2009/3/27. 7. M. Tanaka, A. Itadani, Y. Kuroda, M. Iwamoto, Remarkable Effect of Pore Size on Catalytic Activity of Ni-MCM-41 for Ethene Dimerization, Proc. 12th Japan-Korea Symposium on Catalysis, 94-95 (2009). 4. 出口隆、岩本正和、Pd/C 触媒による H2O2 合成における H+および Br-イオンの作用機構、第 104 回触媒討論会、 2009/9/27. 岩本正和、"ナノ空間材料の将来展望"、 「ナノ空間材料の 創成と応用」 、フロンティア出版、307-314、2009. 5. 8. 田中大士、黒田泰重、岩本正和、Ni イオン担持シリカメ ゾ多孔体のエチレン二量化活性と細孔径,Ni 担持量との 関係、第 104 回触媒討論会、2009/9/28. 9. M. Iwamoto, H. Ishitani, Novel Horizons of Heterogeneous Catalyses Induced by Mesoporous Silica, Proc. Inter. Symp. Chem. Fine Chem., 23-25 (2009). 6. 徐寅碩、堀俊介、田中大士、岩本正和、壁イオン交換法 によるチタン系複合酸化物メゾ多孔体の合成およびキ ャラクタリゼーション、 第 104 回触媒討論会、 2009/9/29. 7. 林文隆、石津賢一、岩本正和、規則性(酸)窒化ケイ素 メゾ多孔体の調製、ポストシリコン物質・デバイス創製 基盤技術アライアンス 2009 年度 G2 分科会、2009/10/9. 8. 田中大士、黒田泰重、岩本正和、Ni-MCM-41 中のエチレ ン二量化活性点の局所構造、第 39 回石油・石油化学討 論会、2009/10/23. 国際会議 1. K. Takenaka, M. Tanaka, H. Ishitani, and M. Iwamoto, Change in the Copper Ion States in Mesoporous Silica with Evacuation Treatment at Elevated Temperature, EuropaCat IX, 2009/9/1. 2. M. Tanaka, A. Itadani, Y. Kuroda, M. Iwamoto, Active Sites for Ethene Dimerization on Nickel Ion-loaded Mesoporous Silica Catalysts, EuropaCat IX, 2009/9/2. 3. Y. Osaka, S. Kawamura, M. Iwamoto, Rhenium-supported mesoporous silica as a highly active catalyst for steam reforming of ethanol at or above 823 K, EuropaCat IX, 2009/9/3. 4. 78 F. Hayashi, K. Ishizu, M. Iwamoto, Preparation of Various MesoporousSilicon Oxynitrides, Inter. Symp. of Post-Silicon ■ 研究費の取得状況(平成 21 年度) 科学研究費補助金 (主な研究資金として) <学術創成研究費> 規則性無機ナノ空間の特性を活かした新しい機能空間化学 の開拓 月 1 日~平成 22 年 3 月 31 日 平成 17 年度~22 年度 平成 21 年度 73,970,000 円 政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として) <NEDO 委託事業> 「新エネルギー技術研究開発/バイオマスエネルギー等高 効率転換技術開発(先導技術開発)/セルロース系バイオエ タノールからプロピレンを製造するプロセス開発」 平成 20 年 7 月 17 日~平成 22 年 3 月 20 日 平成 21 年度 45,563,000 円 900,000 円(直接経費) ■ 1 8 2 1 4 0 2 ・日本私立学校振興・共済事業団 私立大学等経常費補助金 特別補助審査専門委員 平成 20 年 4 月 1 日~平成 22 年 3 月 31 日 特許(平成 21 年度) ・財団法人新技術開発財団 市村学術賞審査員 平成 21 年 7 月 1 日~平成 23 年 6 月 30 日 ・財団法人化学技術戦略推進機構 戦略策定委員会委員平成 21 年 7 月 1 日~平成 23 年 6 月 30 日 2件 受賞、褒章(平成 21 年度) ・第 50 回(平成 21 年度)石油学会学会賞 「規則性ナノ多孔体を用いる新しい固体触媒反応系の 開拓」 岩本 正和 ■ ・環境省中央環境審議会大気環境部会専門委員 平成 18 年 4 月 1 日から平成 23 年 3 月 31 日 ・独立行政法人科学技術振興機構 産学共同シーズイノベー ション化事業アドバイザー 平成 21 年 4 月 1 日~平成 22 年 3 月 31 日 出願 ■ ・文部科学省科学技術政策研究所科学技術動向研究センター 専門調査員 平成 19 年 3 月 29 日~平成 22 年 3 月 31 日 ・独立行政法人科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 「高機能ナノ構造体」領域アドバイザー 平成 20 年 6 月 6 日~平成 22 年 3 月 31 日 ■ 研究室の在籍者(平成 21 年度中) 学部学生 大学院修士課程在籍者 大学院博士課程在籍者 研究生 受託研究員 民間等共同研究員 その他ポスドク等 ・神奈川大学大学院工学研究科非常勤講師、平成 21 年 4 月 1 日から平成 23 年 3 月 31 日 ・独立行政法人科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 「構造制御と機能」領域アドバイザー 平成 21 年 6 月 5 日 ~平成 23 年 6 月 4 日 奨学寄附金 2件 ・北海道大学触媒化学研究センター運営委員 平成 20 年 4 月 1 日から平成 22 年 3 月 31 日 ・財団法人化学技術戦略推進機構 バイオマスコンビナート 専門部会委員 平成 21 年 9 月 1 日~平成 22 年 8 月 31 日 ■ イノベーション研究推進体「ソフトプロセス-環境調和型 海外渡航の回数(平成 21 年度) 高性能マテリアル開発-」に参画 4回 ■ ■ 学会役員(平成 21 年度) ・社団法人石油学会 評議員 平成 18 年 5 月 18 日~平成 22 21 世紀 COE プログラムへの参加状況(平成 21 年度) グローバル COE プログラム「新たな分子化学創発を目指 す教育研究拠点」にクラスターリーダーとして参画 年 5 月 20 日 ・社団法人石油学会 石油化学部会長 イノベーション研究推進体への参加状況(平成 21 年度) 平成 20 年 3 月 1 日 ~平成 22 年 2 月 28 日 ・触媒学会 国際交流委員 平成 21 年 3 月 1 日~平成 22 年 2 月 28 日 ■ 政府、自治体その他公的団体の委員等(平成 21 年度) ・北海道大学環境ナノバイオセンター招聘教員 平成 20 年 4 79 80 Ⅲ.その他の活動 2 ■ 東工大新技術展示コーナーの企画・運営 東工大から生まれ社会に役立てられている数々の技術の中から、特に最近の技術及びそれらの技術移転 例や研究成果を広く一般に紹介するために「東工大新技術」コーナーを常設し、平成 15 年 10 月から公開 している。このコーナーは、学内の産学連携推進本部と協力して運営されており、平成 19 年度には拡張工 事が行われた。平成 21 年度は、8 テーマの展示を新しくスタートし、全 25 ブース・特別展示 1 ブース・ 15 パネルを展示した。更に、展示室来訪者に東工大新技術をわかりやすく解説する目的で、日本語・英語 での音声ガイドを作成し、活用している。また、オープンキャンパス、すずかけ祭等のイベントに積極的 に参加するとともに、各種団体見学の受入などを行った。 平成 21 年 10 月には、本センターS2棟に天皇陛下をお迎えして、この特別展示ブースをご覧いただく とともに、同棟内で行われたタンザニアから寄贈されたシーラカンスの解剖を詳細にご視察いただいた。 なお、テーマ一覧は次頁以降の表のとおり。当センターホームページでも展示内容を公開している。 URL http://www.fcrc.titech.ac.jp/tenji.htm 平成21年度の主な見学者・受入団体 <>は関連の見学先 タイ・カセサート大学訪問団<生命理工学研究科> 女子高校生セミナー 東工大附属科学技術高等学校 文部科学省インターン生 南つくし野「すずかけクラブ」<すずかけ台キャンパス> 大阪府立大手前高等学校<赤池研究室> 栃木県立宇都宮高等学校 町田市立つくし野中学校 横浜市緑区ガイドボランティアの会 町田市立南成瀬中学校 83 東工大新技術コーナー ● ブース展示テーマ一覧 分 類 エネルギー 環境 開館時間 平日 12:00-17:00 (平成21年10月 現在) 展示タイトル 研究室 クリーンエネルギーシステム(燃料電池) 東工大クリーンエネルギー 開発グループ 超高層免震建築物の高密度地震観測 都市地震工学センター 大気圧プラズマによる廃棄物処理 接着の科学と先端技術 総合理工学研究科 渡辺研究室 応用セラミックス研究所 笠井・坂田研究室 理工学研究科 市村・鈴木研究室 フロンティア研究センター 吉川研究室 東工大発ベンチャー (株)脳機能研究所 生命理工学研究科 福居研究室 理工学研究科 高橋・田中研究室 フロンティア研究センター 細野研究室 理工学研究科 田中研究室 理工学研究科 村上研究室 理工学研究科 谷岡研究室 精密工学研究所 佐藤(千)研究室 筋電信号を用いたヒューマンインタフェース 精密工学研究所 小池研究室 ヒューマンインタフェースとバーチャルリアリティ 精密工学研究所 佐藤(誠)研究室 嗅覚ディスプレイ 理工学研究科 中本研究室 両眼像の違いによる空間知覚 総合理工学研究科 金子研究室 ナノエレクトロニクスの最前線 フロンティア研究センター 岩井研究室 補助人工心臓用コンパクト磁気軸受 精密工学研究所 精機デバイス部門 重量がれきのこじ開け機能を有するレスキューロボット 理工学研究科 塚越研究室 ―眼球運動神経系に基づいた高適応性視覚システムー ロボットの両眼運動制御 精密工学研究所 張研究室 共創型歩行介助ロボット~Walk-Mate~ 総合理工学研究科 三宅研究室 高把持力ロボットハンド 総合理工学研究科 小俣研究室 超音波による微小物体や平板の非接触搬送 精密工学研究所 中村研究室 生きた化石 シーラカンス 生命理工学研究科 岡田研究室 地震から戸建住宅を守る制振壁 マイクロリアクターを用いた光反応 廃棄物・バイオマスの革新的エネルギー資源化技術の総合的開発 脳波解析による感性解析と脳機能計測 バイオ 微生物でつくる環境低負荷型プラスチック オリゴ糖鎖群の迅速ワンポット合成を可能にする液相自動合成装置 セメントから透明金属、ガラスから透明トランジスタ、鉄から超電導 本当の軟骨・骨に代わるやさしい材料 材 料 メカニカルクリンチングの高強度化技術 エレクトロスピニングとナノファイバーテクノロジー 情 報 機能機械 特別展示 84 ● パネル展示テーマ一覧 分 類 エネルギー 環境 バイオ 材 料 (平成21年10月 現在) 展示タイトル 研究室 磁気エネルギー回生電流スイッチの応用 嶋田研究室 無水 Na2Sn の新合成法-省燃費タイヤへの応用- 高田研究室 小型廃棄物ガス化発電システム 吉川研究室 水晶発振子マイクロバランス法 岡畑研究室 局在表面プラズモンを利用した光ファイババイオセンサ 梶川研究室 新しい微生物を活用した環境浄化 正田研究室 再生医療における細胞マトリックス工学 赤池研究室 窒化アルミニウムの表面改質技術 福山研究室 ナノクラスターポリ酸-多様な構造とその応用 山瀬研究室 分子機能材料の設計と開発 彌田・中川研究室 高蛍光性ポリイミドの耐熱性発光材料への展開 安藤研究室 明瞭な会話を可能とする補聴器の無線接続による 情 報 機能機械 バリアフリー会話システム 上羽・中村研究室 文化財を守る考古探査技術 亀井研究室 気体の等温化技術と流体計測制御 香川・川嶋研究室 極限作業ロボット 広瀬・米田研究室 85 <資料1> 関連イベント概要 平成 21 年度フロンティア研究センター関連イベント一覧 年 月 日 平成 22 年 3 月 16 日 イベント名 マイケルノーベル博士講演会 ~COP15 とアジアの環境エネルギー~ 主催:フロンティア研究センター 共催:統合研究院 会場:大岡山キャンパス 本館 4F 工学系大会議室 備 ■プログラム 開会挨拶 大町 考 達夫(フロンティア研究センター長) 『COP-15 and the issues of Environment and Energy in Asia (COP-15 とアジアの環境エネルギー問題)』 Michael Nobel (フロンティア研究センター 客員教授) 『アジアの持続可能な社会構築に向けた大学の役割』 鈴木 基之 (東京工業大学 監事) 『持続可能な社会に向けての国際協力』 原科 幸彦 (総合理工学研究科 教授) 『アジア太平洋サンベルト開発構想の提案』 玉浦 裕 (炭素循環エネルギー研究センター 教授) パネルディスカッション 『アジアの環境エネルギー問題に対する大学の役割』 進行:平井 利弘 (統合研究院 研究参事) 閉会挨拶 平成 22 年 3 月 19 日 大倉 一郎(東京工業大学 理事・副学長) 2009 年度東京工業大学フロンティア研究セン ■プログラム ター ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー・ 開会の辞 國枝 博昭(副センター長) シンポジウム VBL 研究プロジェクト発表 主催:フロンティア研究センター 荻原 仁志 (理工学研究科) 後援:財団法人理工学振興会 高橋 孝志 (理工学研究科) 会場:百年記念館 3F フェライト会議室 谷口 泉 (理工学研究科) 沖野 晃俊 (総合理工学研究科) 山下 敬郎 (総合理工学研究科) 福島 E. 文彦 (理工学研究科) Paulo Cesar Debenest(スーパーメカノシステム創造開発センター) 遠藤 玄 (理工学研究科) ベンチャービジネス推進研究発表 姜 聲敏 (理工学研究科) 山本 拓矢 (理工学研究科) 劉 醇一 (原子炉工学研究所) 篠田 豊 (応用セラミックス研究所) 水島 大介 (理工学研究科) 松崎 亮介 (理工学研究科) 濃沼 義典 (理工学研究科) 鈴木 裕之 (理工学研究科) 太田 悠平 (総合理工学研究科) 石黒 光一 (生命理工学研究科) 小川 熟人 (生命理工学研究科) 86 <資料2> 新聞・HP等掲載記事クリッピング 【2009 年 10 月 19 日 東京工業大学 HP より】 「生きた化石」シーラカンスの解剖とレプリカ寄贈記念式典を開催 2009.10.19 生きた化石ともいわれる「シーラカンス」は、ワシントン条約にも記載される非常に貴重な動物種です。平成 16 年度に東京工業大学大学院生命理工学研究科岡田典弘研究室とタンザニア水産学研究所との間でビクトリア湖 に生息するシクリッドに関する共同研究契約が締結されたのをきっかけとして、平成 17 年度にタンザニア水産学 研究所より本学へシーラカンスの凍結標本が初めて寄贈されてから、両国政府の正規の許可を得て成魚 5 体、幼 魚 10 体が本学に寄贈されており、共同研究の発展となっております。 本学では、平成 21 年 10 月 5 日に、魚類学者でもいらっしゃいます天皇陛下をお迎えし、平成 21 年 1 月に寄贈さ れた大型のシーラカンスを用いて、形態学的な知見を集めるために解剖を行いました。 すずかけ台キャンパスのフロンティア創造研究棟にご到着になられた天皇陛下は、伊賀学長による東京工業 大学の概要ご説明をお受けになり、またシーラカンスをめぐる経緯を岡田教授からご聴取になられました。その後、 白衣をご着用になられて解剖室にお入りになってシーラカンスの解剖をご視察されました。日本魚類学会会員とし ても数多くの論文をご発表になっている天皇陛下は、多くの専門的なご質問をされていらっしゃいました。 87 <資料3> 東京工業大学フロンティア研究センター規則 平成 19 年 10 月 12 日 規則第 55 号 改正 平20規8, 平20規64,平成21規35 (趣旨) 第1条 この規則は,東京工業大学学則(平成16年学則第1号。以下「学則」という。) 第10条第2項 の規定に基づき,東京工業大学フロンティア研究センター(以下「センター」という。)の組織及び運 営等に関し必要な事項を定めるものとする。 (目的) 第2条 センターは,新分野の開拓及び次世代の新産業創出を目標に,産学連携に基づく共同の研究を 東京工業大学(以下「本学」という。)主導で計画的に推進し,独創的な研究開発を支援するととも に,高い創造力と起業家精神を有する優れた人材を育成することを目的とする。 (業務) 第3条 センターにおいては,次の各号に掲げる業務を行う。 一 産学連携に基づく共同研究の実施 二 ベンチャー・ビジネスの萌芽ともなるべき独創的な研究開発のための施設の提供 三 ベンチャー企業を計画する者又は設立後間もないベンチャー企業(株式会社にあっては株式公開前 の企業に限る。)のうち,本学の研究成果又は人的資源等を活用するものに対する施設の提供 四 大型の外部研究資金等を獲得した教員であって,特別にスペースを必要とする者に対する施設の提供 五 その他センター長が適当と認める施設の提供 六 大学院学生の自由な発想・創造性を育成する教育研究活動 七 前各号に掲げるもののほか,前条に定める目的を達成するために必要な業務 (部門) 第4条 センターに,次の部門を置く。 一 共同研究部門 二 研究・情報交流部門 三 ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー部門 四 インキュベーション部門 五 総合研究部門 (組織) 第5条 センターに,次の職員を置く。 一 センター長 二 副センター長 88 三 教授,准教授,講師又は助教 2 前項に定めるもののほか,次の職員を置くことができる。 一 教授,准教授,講師又は助教に相当する特定有期雇用教員及び客員講座等講師(以下「特定有期雇 用教員等」という。) 二 研究員 三 教育研究支援員 四 その他必要な職員 (センター長) 第6条 センター長は,本学の専任教授をもって充てる。 2 センター長は,センターの業務を総括する。 (センター長の選考及び任期) 第7条 センター長は,学長が選考する。 2 センター長の選考は,次のいずれかに該当する場合に行う。 一 センター長の任期が満了するとき。 二 センター長が辞任を申し出たとき。 三 センター長が欠員になったとき。 3 センター長の選考は,前項第1号に該当する場合には,任期満了の日の1か月前までに,同項第2号 又は第3号に該当する場合には,速やかにこれを行う。 4 センター長の任期は,2年とし,重任,再任を妨げない。 5 センター長が任期満了前に辞任し,又は欠員となった場合の後任者の任期は,前任者の残任期間とす る。 (副センター長) 第8条 副センター長は2人とし,本学の専任教授をもって充てる。 2 副センター長はセンター長の業務を補佐する。 3 副センター長の担当は,次のとおりとする。 一 副センター長(大岡山地区担当) 二 副センター長(すずかけ台地区担当) (副センター長の選考及び任期) 第9条 副センター長は,センター長の推薦に基づき学長が選考する。 2 副センター長の選考時期等については,第7条第2項から第5項までの規定を準用する。 (教員選考) 第10条 センターの専任教員の選考は,第12条に規定する運営委員会の議に基づき,学長がこれを行う。 2 教員選考の基準等実施上の細目は, 国立大学法人東京工業大学教員選考規則(平成16年規則第25 号)による。 (特定有期雇用教員等の選考) 89 第11条 特定有期雇用教員等の選考等に関しては,国立大学法人東京工業大学特定有期雇用教員等の選 考及び賃金等に関する規則(平成16年規則第28号。以下「選考及び賃金等規則」という。)によるも のとする。ただし,共同研究部門に所属する教員が共同研究又は受託研究(以下「共同研究等」とい う。)の研究代表者である共同研究等において,特定有期雇用教員等のうち,教授,准教授又は講師 に相当する特定有期雇用教員を選考するときは,選考及び賃金等規則第2章の規定にかかわらず,共 同研究等の研究代表者,理事・副学長(研究担当),センター長及び当該研究代表者の所属する地区 担当の副センター長の協議を踏まえ,センター長が行う。 2 特定有期雇用教員等の称号の付与については,国立大学法人東京工業大学特定有期雇用教員等の称号 の付与に関する規則(平成16年規則第30号。以下 「称号付与規則」という。)の定めるところによる。 この場合において,教授,准教授又は講師に相当する特定有期雇用教員の称号の付与に関しては,称号 付与規則第3条中「教授会又はセンター運営委員会等の議」とあるのは,「共同研究等の研究代表者, 理事・副学長(研究担当),センター長及び当該研究代表者の所属する地区担当の副センター長の協 議」と読み替えるものとする。 (運営委員会) 第12条 センターに,学則第15条第2項の規定に基づき運営委員会(以下「委員会」という。)を置く。 2 委員会は,センターの運営に関する基本的な方策その他研究又は教育に関する次に掲げる事項につい て審議する。 一 センターの運営に関する基本的な方策 二 研究教育推進に関する具体的な方策 三 その他委員会が必要と認めた事項 3 前項に掲げる事項のほか,国立大学法人東京工業大学教員の採用及び研修等に関する規則(平成16年 規則第13号)の規定によりその権限に属させられた事項を行う。 (委員会の組織) 第13条 委員会は,次に掲げる者をもって組織する。 一 センター長 二 副センター長 三 企画室企画員のうち企画室長が推薦する者1人 四 教育推進室教育企画員のうち教育推進室長が推薦する者1人 五 研究戦略室研究企画員のうち研究戦略室長が推薦する者1人 六 その他学長の指名する者若干人 2 前項第3号から第6号までに掲げる委員の任期は,2年とし,重任,再任を妨げない。ただし,補欠 による委員の任期は,前任者の残任期間とする。 (委員の運営) 第14条 委員会に,委員長及び副委員長を置く。 2 委員長は,センター長をもって充て,副委員長は,副センター長のうち委員長が指名する者をもって 充てる。 90 3 委員長は,委員会の議長となり,委員会を主宰する。 4 副委員長は,委員長を補佐し,議長に事故があるときは,その職務を代行する。 (意見の聴取) 第15条 委員会は,必要があると認めたときは,委員以外の者の出席を求め,その意見を聴くことができ る。 (定足数) 第16条 委員会は,委員の過半数が出席しなければ,議事を開き,議決をすることができない。 2 出張者及び長期病休者は,前項の委員の数に加えない。 (議決) 第17条 委員会の議事は,出席した委員の過半数をもって決し,可否同数のときは,議長の決するとこ ろによる。 (分科会) 第18条 委員会は,専門的事項を審議するため,分科会を置くことができる。 2 分科会の設置及び組織等については,委員会が定める。 (幹事) 第19条 委員会に幹事を置き,研究情報部長及びすずかけ台地区事務部長をもって充てる。 (事務) 第20条 センターの事務は,研究情報部及び産学連携推進本部の協力を得て,すずかけ台地区事務部に おいて処理する。 (雑則) 第21条 この規則に定めるもののほか,必要な事項は別に定める。 (施設利用料) 第22条 センターの施設利用は,原則として有料とする。 2 施設利用料は,別に定める。 附 則 1 この規則は,平成19年11月1日から施行する。 2 この規則の施行後,最初にセンター長となる者の任期は,第7条第4項の規定にかかわらず,平成21年 3月31日までとする。 3 この規則の施行後,最初に副センター長となる者の任期は,第9条第2項の規定にかかわらず,平成21 年3月31日までとする。 4 この規則の施行の前日において,第6項で廃止されることとなる規則等に基づく職員,予算その他許 可権限は,センターに継承するものとする。 5 この規則に基づき,最初に第13条第1項第6号に掲げる委員となる者の任期は,同条第2項の規定に かかわらず,約半数の委員は平成20年3月31日までとし,残りの委員は平成21年3月31日までとする。 6 この規則施行の際,次に掲げる規則等は,廃止する。 91 一 東京工業大学フロンティア創造共同研究センター規則(平成16年規則第87号) 二 東京工業大学総合研究館規則(平成16年規則第144号) 三 東京工業大学総合研究館運営細則(平成16年細則第36号) 四 東京工業大学総合研究館会議室等使用内規(平成16年4月1日学長裁定) 五 東京工業大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー規則(平成16年規則第149号) 六 東京工業大学インキュベーションセンター規則(平成16年規則第154号) 七 東京工業大学インキュベーションセンター利用細則(平成16年細則第39号) 附 則(平成20.1.25規8) この規則は,平成20年1月25日から施行する。 附 則(平成20.7.18規64) この規則は,平成20年7月18日から施行し,改正後の東京工業大学フロンティア研究センター規則の規 定は,平成20年7月1日から適用する。 附 則(平成21.3.19規35) この規則は,平成21年4月1日から施行する。 92 本報告書掲載の新聞・雑誌記事については、 すべて転載許可を得てあります。 東京工業大学フロンティア研究センター 平成21年度活動報告書 平成22年8月 編集・発行 東京工業大学フロンティア研究機構 〒226-8503 研究企画課 神奈川県横浜市緑区長津田町4259番地 総務・管理グループ(バイオ・フロンティア担当) TEL 045-924-5991 URL FAX 045-924-5973 http://www.fcrc.titech.ac.jp 93
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