東京工業大学 フロンティア創造共同研究センター 平成 18 年度活動報告書 はじめに フロンティア創造共同研究センターは、平成 10 年 4 月の創立以来 9 年を経過しまし た。この間、学内外の支援を得てその組織及び施設の拡充を図ってまいりました。産学 官共同研究プロジェクトのフォーメーション・実施などにより東工大発の技術による新 産業創造に資するという本センター創立の理念は、グローバル化の進展の著しい今日に おいて、ますますその重要性を増しています。また、国立大学が法人化され、共同研究 の実施や研究成果の普及がその業務として明確に位置づけられ、法人化により活動の自 由度が増してきたことともあいまって、その理念を現実のものとするための環境が従来 以上に整ってきたといえましょう。 こうした中で共同研究機能では、生命系、情報系、物質系、環境系の 4 分野において 各プロジェクトが限られた任期の中で成果を挙げるべく、最大限の努力を行っています。 また、既に十分な成果を得て、本センターでの任務を終了し、本来所属していた研究科 に復帰したプロジェクトもあります。 研究・情報交流機能では、本学の産学連携の一元的窓口として位置づけられた産学連 携推進本部の活動に、同機能の教員が積極的に参画するとともに、同機能を中心として これまでに本センターに蓄積された産学連携の経験を同本部の活動に着実に引き継い でいます。 本報告書は、平成 18 年度におけるフロンティア創造共同研究センターの活動概況を とりまとめたものです。ここに、本センターの活動を支えていただきました関係各位に 改めて感謝の意を表すとともに、これまで以上のご支援、ご協力を賜りますようお願い 申し上げます。 平成 19 年 8 月 フロンティア創造共同研究センター センター長 大倉 一郎 目 次 I. II. 平成18年度センター概要 目的・機能・組織・施設 3 運営委員会開催記録 5 委員・職員名簿 6 共同研究機能活動報告 生命系分野 情報系分野 物質系分野 環境系分野 III. 清尾プロジェクト 11 岡畑プロジェクト 19 岩井プロジェクト 31 腰原プロジェクト 41 細野プロジェクト 49 秦 プロジェクト 63 吉田プロジェクト 71 その他の活動 東工大新技術コーナーの企画・運営 83 Ⅰ.平成18年度センター概要 概 要 目 的 文部省(当時)の「キャンパスインキュベーション」構想に沿って、産学官共同研究プロジェ クトのフォーメーション・実施、研究成果の技術移転、ベンチャー企業の育成を通じて、東工大 発の技術による新産業創造に資することを目的とする。 機 能 本センターは、以下の 2 つの機能から形成されている。 【共同研究機能】 生命系・情報系・物質系・環境系の 4 分野に関する新産業創造に資する本格的な産学官の共同 研究プロジェクトを実施する。積極的に外部資金を確保し、本学のエースと目される教員がリー ダーとなって、プロジェクトを推進する。7名の教授(または助教授)、4名の助手は本センタ ーの専任として研究に専念する。 【研究・情報交流機能】 連携協力推進系分野及び起業推進系分野があり、連携協力推進系分野 1 名の専任教授を有し、 東工大産学連携推進本部及び東工大 TLO(財団法人理工学振興会)との密接な協力関係のもとに、 プロジェクト・フォーメーション活動、技術移転活動、ベンチャー支援活動など、産学官連携に 関するさまざまな研究・活動を行う。 組 織 本センターの組織は、図のようになっている。 【運営委員会】 センターの運営に関する基本的な方策、全学的な調整を必要とする事項、及びプロジェクトの 選定等、研究推進に関する具体的な方策等を審議する委員会であり、各部局の教授会に相当する。 センター長、センターの教授(助教授・講師)、各部局長、学長の指名する教員及び事務局長に より構成される。 【外部評価委員会】 センターで実施されるプロジェクトの評価を行う委員会。委員は学外の有識者から選ばれる。 <組織図> 3 施 設 本センター施設は、すずかけ台キャンパスに平成 11 年 12 月に第 I 期棟が竣工、平成 15 年 10 月に 第Ⅱ期棟が竣工して、ほぼ倍に増床された。 【建物概要】 構造規模:鉄筋コンクリート 7 階 【フロアー構成】 延床面積:7,687 ㎡ (平成 19年 3 月末現在) フロンティア創造共同研究センター棟(S2 棟) ■1階 研究業務課事務室 ■2階 センター長室 研究展示室 研究・情報交流機能 情報交流室 財団法人理工学振興会(東工大TLO) 会議室・分科会調整室・ネットワーク機器室 学生支援センターキャリアアドバイザー室 ■3階 秦 プロジェクト 岡畑プロジェクト ■4階 清尾プロジェクト ■5階 細野プロジェクト ■6階 吉田プロジェクト 細野プロジェクト ■7階 岩井プロジェクト VBL棟(大岡山キャンパス) ■ 4 * 本センターは部分的にVBL施設と相互乗り入れしている。 腰原プロジェクト 平成18年度運営委員会開催記録 第1回 平成18年4月21日 1.審議事項 (1)副委員長の選出について (2)研究・情報交流機能連携協力推進系分野教授再 任審査委員会の設置について (3)助手再任審査委員会の設置について ①環境系分野助手 ②生命系分野助手 (4)共同研究機能物質系分野客員教授選考結果につ いて (5)共同研究機能物質系分野助手再任審査結果につ いて (6)分科会の構成員変更について (7)特任教授等のポストについて 2.報告事項 (1)客員研究員の受入等について (2)平成18年度研究生(第1種)の延長について 3.その他 (1)平成18年度運営委員会開催日程について 第2回 平成18年5月26日 1.審議事項 (1)研究・情報交流機能連携協力推進系分野教授再 任審査結果について (2)共同研究機能生命系分野助手再任審査結果につ いて 2.その他 第3回 第5回 平成18年11月24日 1.審議事項 (1)共同研究機能物質系分野助手選考委員会の設置 について 2.報告事項 (1)研究生の退学について 第6回 平成18年12月22日 1.審議事項 (1)部局間の相互の配置換に係る合同教授選考委員 会設置について (2)共同研究機能物質系分野助手選考結果について 第7回 平成19年2月23日 1.審議事項 (1)平成19年度新規プロジェクトの選定について (2)部局間の相互の配置換に係る教員選考について (3)研究・情報交流機能連携協力推進系分野客員教 授又は助教授選考委員会の設置について (4)客員教員の雇用(継続)について 2.報告事項 (1)学校教育法改正に伴う(助教授→准教授,助手 →助教)申し合わせ等の改正について 平成18年6月16日 1.審議事項 (1)研究・情報交流機能連携協力推進系分野教授選 考委員会の設置について (2)共同研究機能環境系分野助手再任審査結果につ いて 2.報告事項 (1)客員研究員の受入等について 第4回 平成18年7月14日 1.審議事項 (1)研究・情報交流機能連携協力推進系分野教授選 考について (2)平成18年度年度計画(案)について 2.報告事項 (1)研究生の入学について 5 平成18年度委員・職員名簿(平成 19年 3 月 31 日現在) 委員名簿 ●運営委員会 *委員長 ●運営委員会分科会 *主査 **副委員長 【プロジェクト・フォーメーション分科会】 フロンティア創造共同研究センター長 * 大倉 一郎 大学院総合理工学研究科 * 大坂 武男 同 教授 岡畑 惠雄 大学院理工学研究科工系 國枝 博昭 同 教授 腰原 伸也 大学院生命理工学研究科 井上 義夫 同 教授 岩井 洋 資源化学研究所 辰巳 敬 同 教授 細野 秀雄 精密工学研究所 小山二三夫 同 教授 吉田 尚弘 応用セラミックス研究所 神谷 利夫 同 教授 国吉 浩 同 助教授 清尾 康志 フロンティア創造共同研究センター長 大倉 一郎 同 助教授 秦 誠一 フロンティア創造共同研究センター 国吉 浩 大学院生命理工学研究科長 広瀬 茂久 大学院総合理工学研究科長 三島 良直 大学院情報理工学研究科長 高橋 幸雄 フロンティア創造共同研究センター 岡畑 惠雄 大学院社会理工学研究科長 牟田 博光 同 腰原 伸也 同 岩井 洋 同 細野 秀雄 同 吉田 尚弘 <オブザーバー> 【研究・情報交流分科会】 大学院イノベーションマネージメント研究科長 圓川 隆夫 大学院理工学研究科理学系長 中澤 清 大学院理工学研究科工学系長 ** 藤井 信生 資源化学研究所長 吉田 賢右 精密工学研究所長 横田 眞一 応用セラミックス研究所長 近藤 建一 原子炉工学研究所長 小川 雅生 大学院理工学研究科教授 宗片比呂夫 大学院総合理工学研究科教授 大坂 武男 【施設整備運営分科会】 事務局長 池田 大祐 附属像情報工学研究施設 研究協力部長 堀江 重雄 すずかけ台地区事務部長 森谷 譓治 <幹事> 6 同 国吉 浩 同 清尾 康志 同 秦 誠一 大倉 一郎 <オブザーバー> フロンティア創造共同研究センター長 フロンティア創造共同研究センター * 宗片比呂夫 国吉 浩 フロンティア創造共同研究センター長 大倉 一郎 総合研究館長 上羽 貞行 <オブザーバー> 職員名簿 (平成 19 年 3 月 31 日現在) センター長 大倉 一郎 【共同研究機能】 生命系 教授 岡畑 惠雄 生命系 客員助教授 篠原 康郎 生命系 助手 岩井 伯隆 生命系 助教授 清尾 康志 情報系 教授 腰原 伸也 情報系 教授 岩井 洋 情報系 客員教授 服部 健雄 情報系 助手 Parhat Ahmet 物質系 教授 細野 秀雄 物質系 客員教授(H18.5.1~) 平野 正浩 物質系 助手(H19.1.16~) 松石 物質系 助教授 秦 誠一 環境系 教授 吉田 尚弘 環境系 助手 稲津 晃司 仲 勇治 聡 <学内兼務> 環境系 教授(資源化学研究所) 生命系 教授(大学院生命理工学研究科) 半田 宏 物質系 教授(大学院総合理工学研究科) 石原 宏 【研究・情報交流機能】 連携協力推進系 教授(H18.8.1~) 国吉 浩 連携協力推進系 客員助教授 西尾 好司 <担当事務体制> 研究協力部研究業務課 <学内協力体制> 研究戦略室 産学連携推進本部 ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー インキュベーションセンター すずかけ台地区事務部 7 8 Ⅱ.共同研究機能 活動報告 生命系分野 清尾プロジェクト <機能性人工核酸の創出のための基盤研究> プロジェクトリーダー 清尾 康志 助教授 研究期間 平成14年度~平成18年度 研究費総額 約5億円 研究資金ソース 民間企業との共同研究、文部科学省科学研究費、 科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業、NEDO ■ 研究内容 近年の目覚ましいゲノムテクノロジーの進展に伴い、その成果を産業化する試みが盛んである。また基 礎科学の分野でも DNA マイクロアレイや DNA チップなどの、高速・大量遺伝子解析技術は生物中の多数 の遺伝子のネットワーク解析や遺伝子情報発現のリアルタイム解析も可能にし、生命科学の新領域を開拓 しつづけている。 ゲノムテクノロジーは生物学、分子生物学、生化学、有機化学、光化学、情報科学、エレクトロニクス 等、幅広い分野の技術から構成される複合テクノロジーである。これらの技術基盤が総合的にレベルアッ プすることがゲノムテクノロジーの一層の進歩に重要である。 本プロジェクトはこれらの技術基盤に有機化学的な視点からアプローチし、新しい発想に基づく人工 DNA、人工 RNA の創製を通して、今後のゲノムテクロノジーの発展に寄与することを目的とする。天然 型 DNA に代わって、高度かつ周到にデザインされた新機能人工核酸を用いることで、これまで不可能で あった様々なゲノムテクノロジーの実現が可能になることが期待される。 Various Approach Toward Genome Technology (ゲノムテクノロジーへの多様なアプローチ) Electronics Biology (生物学) (エレクトロニクス) Molecular Biology (分子生物学) Information Science Biochemistry (情報科学) (生化学) GENOME TECHNOLOGY (ゲノムテクノロジー) This Project’s Approach Organic Chemistry(有機化学) Molecular Design(分子設計) Chemical Synthesis(物質創製) Nucleic Acids Chemistry(核酸化学) 11 本プロジェクトでは DNA の構成構単位であるヌクレオシドまで遡って、その化学構造を原子サイズの レベルでデザインし、超高感度・超高精度ハイブリダイゼーション等の新機能を付与した新機能人工核酸 の創製を目指す。 本プロジェクトの成果は高精度遺伝子解析システム、遺伝子修復技術などのバイオテクノロジー、ゲノ ム医療分野での幅広い応用開発が期待される。 ■ 新産業創造・新分野開拓の可能性 本プロジェクトで創製される新機能人工核酸は遺伝子解析、遺伝子診断、遺伝子修復技術等の新素材と してバイオテクノロジー、ゲノム医療、ゲノム創薬等幅広い産業分野への応用が期待される。 ■ 研究参加者 【学内】 大学院生命理工学研究科 関根 光雄 教授 Possible Chemical Modification and Functionalization of DNA (DNAを化学的手法で機能化する) Terminus: Reporter group; Nuclear transporter B O (末端修飾:核移行性の制御。リポーターグループ) O Backbone (バックボーン) Nucleobase O B O P O (塩基部位) Hybridization stability, specificity, kinetics ハイブリダイゼーション の制御 O -O 強力、高選択的、迅速 O Creation of New Artificial Oligonucleotides Having Useful Functions(機能性人工核酸の創製) 12 ■■■ 平成18年度主要トピックス ■■■ 1. DNAナノ構造体素子の新規合成法の開発 現在、DNA を分子素子として用いる DNA ナノ構造体の研究が盛んに行われており、その高機能素材と しての応用が注目されている。DNA を用いた構造体素子の構築のためには、DNA 鎖を多方向に分岐させ て複雑な高次構造を形成しうる分岐 DNA の合成が必要である。そこで、より効率的な分岐 DNA 合成法の ための新手法を開発した。独自に開発したトリチルチオ基(TrS 基)が DNA 化学合成に標準的に用いられ る DMTr 基の脱保護条件である 3% DCA などの処理には安定であり、かつヨウ素酸化により迅速に脱保護 されることを利用し、下図一般式で表わされる分岐ユニットをデザインした。実際、トリメシン酸を基本 骨格に用いて新規分岐ユニットを合成し、それを用いることで分岐 DNA30 量体の合成を達成した。 OCH3 DMTr H3CO TrS C DNA2 CS DMTrO H+ X O CEO X I2 DNA3 N(i-Pr)2 DNA1 X ・・・・切断 ・・・・安定に存在 OTrS P 2. 3-デアザグアニンを含むRNAをモデルに用いた人工RNAの構造と塩基識別能の解明 人工核酸を用いた核酸医薬や遺伝子検出プローブを開発のためには、その性質や機能を化学構造から予 測するための手法が必要である。そこで、昨年度開発した高精度な人工核酸の a2c3G の基本骨格である 3デアザグアニンを用いて詳細な二重鎖形成能と塩基識別能の評価と理論化学による解析を行った。その結 果、3-デアザグアニンは天然のグアニンに比べて非常に大きな双極子モーメントを持ちそのため二重鎖中 でのスタッキングが不安定化され、二重鎖形成能が低下することが実験、理論計算の両面から示された。 今後はこれらの知見をもとに、理論化学に基づく分子デザインを利用した新規人工核酸の開発が期待され る。 O O N N HO N NH NH2 O HO OCH3 2'-O-methyl-3-deazaguanosine NH N HO O HO NH O CH3 OCH3 2-N-acetyl-2'-O-methyl-3-deazaguanosine Kohji, Seio;Takeshi, Sasami, Takeshi; Ryuya, Tawarada; Mitsuo, Sekine. Nucleic Acid Res. 2006, 34, 4324-4334. 13 3. 新規ピリミドピリミジン骨格を有する蛍光核酸の開発 遺伝子検出や核酸の高次構造解析において蛍光を有す る人工核酸の利用が有用である。このためには、強い蛍光 O HN 特性と大きなストークスシフトをもつ物質の開発が有用であ NH る。そこで新規蛍光核酸の新規骨格を種々デザインし、デ N N HO O HO O オキシシチジンから誘導されるピロロピリミジン骨格 を有する蛍光核酸(dChPP)の開発に成功した。この新規 蛍光核酸は 350 nm 付近に強い蛍光を発し、またその蛍 光強度が相補鎖とのハイブリダイゼーションにより制 御されるため、SNPs 解析や遺伝子検出などの幅広い分 野での応用が期待される。 Kenichi, Miyata; Ryuji, Tamamushi; Akihiro, Ohkubo; Haruhiko, Taguchi; Kohji, Seio; Tomofumi, Santa; Mitsuo, Sekine Org. Lett. 2006, 8, 1545-1548. 14 ■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ ■ 研究業績 (平成 18 年 1 月-12 月) non-hygroscopic oxidizer for the chemical synthesis of oligodeoxyribonucleotides. Tetrahedron Lett. 2006, 47, 8945-8947. 研究論文 1. Itaru, Okamoto; Kohji, Seio; Mitsuo, Sekine. Improved synthesis of oligonucleotides containing 2-thiouridine derivatives by use of diluted iodine solution. Tetrahedron Lett. 2006, 47, 583-585. 2. Kohji, Seio; Takuhei, Miyashita; Kousuke, Sato; Mitsuo, Sekine. Synthesis and properties of new nucleotide analogs possessing squaramide moieties as new phosphate isosters. Eur. J. Org. Chem. 2005, 5163-5170. 3. Itaru, Okamoto; Koh-Ichiroh, Shohda; Kohji, Seio; Mitsuo, Sekine. Incorporation of 2'-O-methyl-2-thiouridine into oligoribonucleotides induced stable A-form structure. Chem. Lett. 2006, 136-137. 4. Kenichi, Miyata; Ryuji, Tamamushi; Akihiro, Ohkubo; Haruhiko, Taguchi; Kohji, Seio; Tomofumi, Santa; Mitsuo, Sekine Synthesis and properties of a new fluorescent bicyclic 4-N-carbamoyl-deoxycytidine derivative. Org. Lett. 2006, 8, 1545-1548. 5. Itaru, Okamoto; Kohji, Seio; Mitsuo, Sekine. Triplex forming ability of oligonucleotides containing 2'-O-methyl-2-thiouridine or 2-thiothymidine. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2006, 16, 3334-3336. 6. 7. 8. 9. Haruhiko, Taguchi; Akihiro, Ohkubo; Mitsuo, Sekine; Kohji, Seio; Hideaki, Kakeya; Hiroyuki, Osada; Takuma, Sasaki. Synthesis and biological properties of new phosmidosine analogs having an N-acylsulfamate linkage. Nucleos. Nucleot. Nucleic Acids 2006, 25, 647-654. Eri, Utagawa; Mitsuo, Sekine; Kohji, Seio cis-Tetrahydrofuran-3,4-diol structure as a key skeleton of new protecting groups removable by self-cyclization under oxidative conditions. J. Org. Chem. 2006, 71, 7668-7677. Kenichi, Miyata; Akio, Kobori; Ryuji, Tamamushi; Akihiro, Ohkubo; Haruhiko, Taguchi; Kohji, Seio; Mitsuo, Sekine. Conformational studies of 4-N-carbamoyldeoxycytidine derivatives and synthesis and hybridization properties of oligodeoxyribonucleotides incorporating these modified bases. Eur. J. Org. Chem. 2006, 3626-3637. Kohji, Seio;Takeshi, Sasami, Takeshi; Ryuya, Tawarada; Mitsuo, Sekine. Synthesis of 2'-O-methyl-RNAs incorporating a 3-deazaguanine, and UV melting and computational studies on its hybridization properties. Nucleic Acid Res. 2006, 34, 4324-4334. 10. Hisao, Saneyoshi; Kenichi, Miyata; Kohji, Seio; Mitsuo, Sekine ,1-Dihydroperoxycyclododecane as a new, crystalline 国際会議 1. Takeshi Sasami, Yoko Odawara, Haruhiko Taguchi, Akihiro Ohkubo, Mitsuo Sekine, Kohji Seio 。 Synthesis and Hybridization Properties of Oligonucleotides Incorporating 2-N-Acylated Guaniines. International Roundtable on Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids XVII 2006, Bern, Seitzerland. 2. Akihiro Ohkubo, Rintaro Kasuya, Kazushi Sakamoto, Haruhiko Taguchi, Kohji Seio, Mitsuo Sekine. Synthesis and Hybridization Properties of Protected Oligonucleotide Probes for SNPs Detection. International Roundtable on Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids XVII 2006, Bern, Seitzerland. 3. Itaru Okamoto, Kohji Seio, Mitsuo Sekine. Studies of the Hybridization and Base discrimination Abilities of 2-Thiouracil Base in Various Duplexes and its Application for Single Base Mismatch Detectyion of Short RNAs. International Roundtable on Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids XVII 2006, Bern, Seitzerland. 4. Masahiro Mizuta, Kenichi Miyata, Kohji Seio, Mitsuo Sekine. Photophysical Characterization of new DNA Base Analogs and the Fluorescent Properties upon Incorporation into DNA. International Roundtable on Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids XVII 2006, Bern, Seitzerland. 5. Eri Utagawa, Miyuki Shiraishi, Akihiro Ohkubo, Haruhiko Taguchi, Mitsuo Sekine, Kohji Seio. Synthtic Strategy of Comb-type Molecules Having Branched Structures of Different OligoDNA Sequences. International Roundtable on Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids XVII 2006, Bern, Seitzerland. 国内会議 1. Ryuya Tawarada, Kohji Seio and, Mitsuo Sekine. Synthesis and properties of artificial base pairs by use of halogen bonds 33rd Symposium on Nucleic Acids Chemistry, Osaka, Japan 2. Hirosuke Tsunoda, Akihiro Ohkubo, Haruhiko Taguchi, Kohji Seio and Mitsuo Sekine. Synthesis and properties of DNA oligomers containing 2'-deoxycytidine-N-oxide 33rd Symposium on Nucleic Acids Chemistry, Osaka, Japan 3. Masahiro Mizuta, Kenichi Miyata1, Kohji Seio, Tomofumi Santa and Mitsuo Sekine. Synthesis of fluorescent cyclic cytosine nucleosides and their fluorescent properties upon incorporation into oligonucleotides 33rd Symposium on Nucleic Acids Chemistry, Osaka, Japan 15 4. 5. Haruhiko Taguchi, Akihiro Ohkubo, Kohji Seio and Mitsuo Sekine. Synthesis of deoxycytidine derivatives and their use for the selective photo crosslinking with 5-methylcytosine. 33rd Symposium on Nucleic Acids Chemistry, Osaka, Japan. 光活性なジアジリニル基を有する DNA オリゴマーを利 用する 5-メチルシトシンの化学的検出 田口 晴彦・大 窪 章寛・清尾 康志・関根 光雄 第 86 日本化学会 春季年会 6. 保護プローブ法を用いた SNPs 検出 大窪 章寛・粕谷 林太郎・坂本 一石・田口 晴彦・清尾 康志・関根 光 雄 第 86 日本化学会春季年会 7. 2-チオウリジン誘導体を含むオリゴヌクレオチドのスラ イドグラス基板上における塩基識別能の評価 岡本 到・清尾 康志・関根 光雄 第 86 日本化学会春季年 会 8. デオキシシチジン N-オキシドを含む DNA オリゴマーの 合成とその性質 角田 浩佑・大窪 章寛・田口 晴 彦・清尾 康志・関根 光雄 第 86 日本化学会春季年 会 9. ピリミドピリミドインドールヌクレオシドの合成とそ の光特性 水田 昌宏・宮田 健一・清尾 康志・関根 光雄 第 86 日本化学会春季年会 10. o-トリメチルシリルベンゾイル基が置換したヌクレオシ ド誘導体の合成とその化学的性質 田口 晴彦・山田 研・大窪 章寛・清尾 康志・関根 光雄 第 86 日本 化学会春季年会 11. アクリル酸エステルを用いた核酸 2'-水酸基の新規修飾 法の開発 實吉 尚郎・山田 剛史・清尾 康志・関根 光雄 第 86 日本化学会春季年会 大窪 章寛・佐々木 健二・田口 晴彦・清尾 康志・ 関根 光雄 第 86 日本化学会春季年会 18. N-I 相互作用を有する人工塩基対の合成と性質 俵田 隆哉・清尾 康志・関根 光雄 第 86 日本化学会春季 年会 19. 三重鎖形成時に Hoogsteen 型 G-C 塩基対を安定化する新 規人工塩基の創成と評価 住野 正憲・清尾 康志・関 根 光雄 第 86 日本化学会春季年会 20. 末端塩基に嵩高い修飾基を有する2'-O-メチルRNA の合成と二本鎖形成能 清尾 康志・高久 悠介・水田 昌宏・関根 光雄 第 86 日本化学会春季年会 21. 4-チオシュードウリジン誘導体の合成と性質 岡本 到・田中 博人・田口 晴彦・大窪 章寛・清尾 康志・ 関根 光雄 第 86 日本化学会春季年会 22. 塩基配列の異なるオリゴ DNA 配列を複数もつ、くし型 DNA の合成法の開発 宇田川 英里・清尾 康志・大窪 章寛・田口 晴彦・関根 光雄 第 86 日本化学会春季 年会 23. 塩基性条件下不安定な修飾塩基を含む DNA オリゴマー の新規合成法 大窪 章寛・青木 克文・田口 晴彦・ 清尾 康志・関根 光雄 第 86 日本化学会春季年会 24. 2'-O-メチル-4-チオシュードイソシチジンの合成と三重 鎖形成能の検討 曹 詩麒・岡本 到・清尾 康志・関 根 光雄 第 86 日本化学会春季年会 25. アデノシン2'位にテトラゾリルエチル骨格を有するヌ クレオシドホスホロアミダイトユニットの合成とその オリゴヌクレオチドの二重鎖形成能 實吉 尚郎・玉木 継吾・清尾 康志・関根 光雄 第 86 日本化学会春季 年会 12. MMTrS 基を 5'水酸基の保護基に用いた DNA 合成ユニ ットの合成検討 白石 幸季・宇田川 英里・清尾 康 志・大窪 章寛・田口 晴彦・関根 光雄 第 86 日本 化学会春季年会 26. トロポロンを塩基に持つ新規人工ヌクレオシドの合成 宮下 拓平・清尾 康志・関根 光雄 第 86 日本化学 会春季年会 13. 塩基部無保護ホスホロアミダイトユニットの簡易合成 大窪 章寛・坂本 一石・田口 晴彦・清尾 康志・関 根 光雄 第 86 日本化学会春季年会 27. 8-チオキソプリン誘導体を用いた新規パラレル型三 重鎖形成核酸の開発 玉虫 隆二・宮田 健一・大窪 章寛・田口 晴彦・清尾 康志・関根 光雄 第 86 日 本化学会春季年会 14. DNA オリゴマーを縮合ブロックに用いた固相合成法の 開発 大窪 章寛・田中 邦彦・田口 晴彦・清尾 康 志・関根 光雄 第 86 日本化学会春季年会 15. 2-N-カルバモイルグアニン誘導体を含むオリゴ DNA の 合成と性質 佐々見 武志・大窪 章寛・清尾 康志・ 関根 光雄 第 86 日本化学会春季年会 16. 2'-O-カルバモイル RNA を含むオリゴヌクレオチドの合 成とその性質 芹澤 昌史・清尾 康志・大窪 章寛・ 関根 光雄 第 86 日本化学会春季年会 17. 非対称ピロリン酸結合を有する DNA オリゴマーの合成 16 28. 新規ビオチニルホスミドシン誘導体の合成 田口 晴 彦・神村 信一郎・大窪 章寛・清尾 康志・関根 光 雄 第 86 日本化学会春季年会 29. 2’-O-ヘテロアリール基置換ウリジン誘導体を含む RNA オリゴマーの合成の検討 田口 晴彦・成田 岳史・大 窪 章寛・清尾 康志・関根 光雄 第 86 日本化学会 春季年会 30. 2-N-カルバモイルグアニンを含むオリゴヌクレオチドの 合成と塩基対識別能の評価 佐々見 武志・小田原 洋 子・清尾 康志・大窪 章寛・田口 晴彦・関根 光雄 第 16 回アンチセンスシンポジウム 京都 31. TMG キャップ誘導体を有する DNA オリゴマーの合成 大窪 章寛・佐々木 健二・田口 晴彦・清尾 康志・ 関根 光雄 第 16 回アンチセンスシンポジウム 京都 32. 高い塩基識別能を有する保護プローブの合成と性質 大窪 章寛・粕谷 林太郎・坂本 一石・田口 晴彦・ 清尾 康志・関根 光雄 第 16 回アンチセンスシンポ ジウム 京都 ■ 研究費の取得状況(平成 18 年度) 「ヌクレオシドホスホロアミダイト化合物」 発明者 関根光雄、清尾康志、岡本 到、尾島晃司郎 出願人 国立大学法人東京工業大学 公開番号 特開 2006-248975 公開日 平成 18 年 9 月 21 日 「トリチル型化合物」 発明者 関根光雄、清尾康志、大窪章寛、粕谷林太郎 出願人 国立大学法人東京工業大学 公開番号 特開 2006-248956 公開日 平成 18 年 9 月 21 日 政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として) <NEDO 産業技術助成事業> small RNA の選択的・網羅的検出を指向した人工 RNA プロー ブの開発 平成 17 年度~19 年度 平成 18 年度 1170 万円 150 万円 奨学寄附金 1件 国立大学法人東京工業大学 公開番号 特開 2006-248931 公開日 平成 18 年 9 月 21 日 出願人 国立大学法人東京工業大学 公開番号 特開 2006-248930 公開日 平成 18 年 9 月 21 日 「リボヌクレオシドの 2’水酸基の脱保護方法」 発明者 関根光雄、実吉尚郎、清尾康志 100 万円 ■ 研究室の在籍者(平成 18 年度中) 学部学生 大学院修士課程在籍者 大学院博士課程在籍者 研究生 受託研究員 民間等共同研究員 その他ポスドク等 出願人 「2’-O-修飾ヌクレオシドの製造方法」 発明者 関根光雄、玉木継吾、実吉尚郎、清尾康志 受託研究(上記を除く) 1件 「置換カルバモイル基を保護基とした核酸の合成法」 関根光雄、宮田健一、玉虫隆二、清尾康志 発明者 2 6 3 0 0 0 1 ■ 特許(平成 18 年度) 出願 出願人 国立大学法人東京工業大学 公開番号 特開 2006-248929 公開日 平成 18 年 9 月 21 日 「RNA合成に有用な水酸基の新規保護基を有する化合物」 発明者 関根光雄、カルボウスキー、ボレスロー、ト ーマス、清尾康志 出願人 国立大学法人東京工業大学 公開番号 特開 2006-77013 公開日 平成 18 年 3 月 23 日 「ヌクレオシド誘導体」 発明者 関根光雄、清尾康志、宮田健一 3件 公開 「ヌクレオシド、ヌクレオシド誘導体、オリゴヌクレオチド、 及びオリゴヌクレオチド会合体」 発明者 関根光雄、俵田隆哉、清尾康志 出願人 国立大学法人東京工業大学 公開番号 特開 2006-248987 公開日 平成 18 年 9 月 21 日 出願人 財団法人理工学振興会 公開番号 特開 2006-52148 公開日 平成 18 年 2 月 23 日 ■ 海外渡航の回数(平成18 年度) 1回 17 18 生命系分野 岡畑プロジェクト <生体分子間相互作用の定量的評価> プロジェクトリーダー 岡畑 惠雄 教授 研究期間 平成15年度~平成19年度 研究費総額 約 4 億円 研究資金ソース 科学技術振興事業団 戦略的基礎研究(CREST) 、 NEDO 産業技術研究助成事業 NEDO 糖鎖エンジニアリングプロジェクト、 文科省科学研究補助金、東京工業大学と民間との共同研究 ■ 研究内容 ヒトゲノムの解析が終わり、ポストゲノム時代にはゲノムから作られる多くのタンパク質の構造と機能 解析が重要な研究ターゲットになっている。生体内での反応を分子レベルで理解するためには、DNA 鎖へ の塩基配列特異的なタンパク質(転写因子)や酵素の結合、タンパク質-タンパク質間相互作用、細胞膜 表面レセプター(糖鎖やペプチド鎖)へのたんぱく質やシグナル分子の結合などの生体分子間相互作用を 精密に定量的に測定できる装置の開発は必須である。 これらの相互作用は、これまでゲル電気泳動法、放射性元素標識法、蛍光ラベル化法、などの古典的で 定性的な手法に頼ってきた。我々は生体分子間相互作用を高感度で定量的に検出する方法として水晶発振 子マイクロバランス法を用いて、水中や緩衝溶液中で振動数の経時的変化から微量な生体分子の結合量や その結合過程がナノグラムレベルで定量できる装置を開発した。 本プロジェクトでは、生体内で起こる種々の分子間相互作用を解明、制御し、新分野を構築することを 目的に、水晶発振子マイクロバランス法を高機能化、マルチ化、ミクロ化し、プロテオームやガン化機構 の解明にむけて実用化する。 ■ 新産業創造・新分野開拓の可能性 本プロジェクトで開発される多機能マルチ型水晶発振子バイオセンサは、DNA-タンパク質、タンパク質タンパク質間、レセプター薬物間などの種々の相互作用を高感度に定量的に効率よく検出できるので、遺 伝子診断、創薬、ゲノム医療などの幅広い産業分野で利用でき、バイオテクノロジーの新分野を開拓する 事が期待される。 ■ 研究参加者 【学外】 篠原康郎 客員助教授(北海道大学大学院理学研究科助教授)、愛媛大学工学部、東京大学薬学研 究科、東京大学新領域研究科、愛知医科大学、秋田県立大学、生化学工業㈱、㈱京セラ、㈱)SMC、 ㈱アルバック、㈱イニシアム 【学内】 大学院生命理工学研究科 森俊明助教授、川崎剛美助手、古澤宏幸助手、吉嶺浩司研究員 など 19 ■■■ 平成18年度主要トピックス ■■■ 1. 糖鎖上での酵素反応の解析: 点変異イソマルトデキストラナーゼの反応解析 <目的> 糖加水分解酵素の活性の定量的評価法として,古くから Michaelis-Menten 速度論が用いられ、反応生成 物を定量することで,Km と kcat 値を算出している。近年,アミノ酸残基の役割についてより詳細な知見を 得るために変異型酵素を作製し,その活性評価や X 線結晶構造解析などが盛んに検討されるようになって きているが,その際に酵素活性が消失してしまった場合には、生成物が得られないので Michaelis-Menten 法では解析が出来ない。そのために変異導入の影響についても議論できないことが多い。しかし、QCM 法 を用いれば、酵素・基質複合体の生成量を振動数変化として追跡できるので、酵素への点変異が基質結合 過程か触媒過程に働いているのか、あるいは両者に有効なのかが解析できると考えられる。 <結果と考察> イソマルトデキストラナーゼの X 線結晶構造解析はまだ行われていない ので、基質の結合や触媒作用に関与する残基をガラクトース加水分解酵素 (GH)ファミリー27 に属する酵素のアミノ酸配列,結晶構造などをもとに 分子モデリングを参考にして、活性中心近傍に存在すると推測される酸性ア ミノ酸残基 Asp198,266 および 313 に注目し,これらの残基をアスパラギ ンに変換した変異型酵素をそれぞれ作製した。変異型酵素は,各種カラムク ロマトを順次行なうことにより,電気泳動的に均一になるまで精製した。 水晶発振子基板上にデキストランを固定化し、イソマルトデキストラナー ゼのワイルドタイプ(WT)、D313N, D198N, D266N を加えたときの振動数 変化を図1に示した。Wild Type の時は酵素の添加と共に振動数が上昇(重量が減少)し、基質が分解して いることがわかる。一方、変異を入れたいずれの酵素も振動数が減少(重量が増加)し、酵素が基質に結 合するが加水分解反応が起こっていないことがわかる。振動数変化をカーブフィッティングして動力学解 析したときの結果を表1にまとめた。 図1 デキストラン固定化水晶発振子に Wild Type あるいは点変異イソマルトデキ ストラナーゼを添加したときの典型的な振動数変化 20 触媒活性(kcat 値)についてはいずれ 表1 のアスパラギン酸(D)も重要な役 点変異イソマルトデキストラナーゼによるデキ ストラン加水分解反応の動力学定数 割をしていることがわかった。D198 および D313 に関しては,アスパラ ギン(N)に変換することで,結合 活性が低下していることが振動数変 化や Kd からわかる。特に D313N で は親和力の低下が顕著であり,本残 基は触媒よりむしろ基質との結合に 関与していることが推察される。 反応速度パラメータと、詳細な研究がなされているファミリー13 の Taka-アミラーゼの反応メカニズム をもとに,これら残基の役割を推察すると,D198 は基質との結合とオキソカルベニウムカチオン中間体の 安定化に、D266 は一般酸塩基触媒に,D313 は基質との結合・固定にそれぞれ寄与しているものと推察さ れる。このように QCM による反応速度解析と部位特異的変異導入法を組み合わせることにより,アミノ 酸残基の役割,さらには触媒反応メカニズムの解明につながるものと考えられ、QCM は酵素の点変異解析 に有効な武器になることが期待される。 2.タンパク質の加水分解反応の解析 <目的> DNA や糖鎖と異なり、タンパク質は3次元構造があり基質としては酵素反応の制約を受けると考えら れる。ここでは、タンパク質基質としてミオグ ロビン(17 kDa)を選んだ。ミオグロビンは分 子内に SS 結合がなく8本のαヘリックスのみ からなる構造の単純なタンパク質であり、プロ テアーゼによる加水分解には適した基質であ る。プロテアーゼとしては、C 末側からアミノ 酸を1つずつ加水分解できる Exo 型のカルボキ シペプチダーゼ P(CPP)を選んだ。Endo 型の プロテアーゼではタンパク質のどこを切断し たのかが不明であり、水晶発振子上での重量減 少から反応を追跡するには解析が困難である という理由で Exo 型酵素を選んだ。 <実験方法> ミオグロビンをビオチン化してアビジンで 被覆した QCM 基板上に固定化し、カルボキシ ペプチダーゼを添加したときの振動数変化を 追跡した。 図2 ミオグロビン固定化水晶発振子にカルボ キシペプチダーゼ P(CPP)を添加したとき の振動数変化(CPP の活性中心を阻害した 酵素では基質への結合のみが見られた) 21 <結果と考察> ミオグロビンを固定化した水晶発振子に、カルボキシペプチダーゼ P(CPP)を添加したときの振動数 変化を図2に示した。CPP を添加すると基質への酵素の結合による振動数減少(重量増加)と、それに引 き続いておこる振動数増加(重量減少)が見られた(赤線) 。一方、CPP の活性中心の Ser-OH 基を共有結 合型阻害剤でつぶした酵素では、基質への結合だけが見られ、加水分解反応は見られなかった(青線)。 CPP による加水分解では固定化したミオグロビンの約40%が加水分解された。 これまでの酵素反応と同様に振動数変化のカーブフィッティングから、CPP の基質への結合速度定数 (kon)、解離速度定数(koff)、加水分解速度定数(kcat)を求めた。タンパク質基質の場合は基質の3次元構 造が加水分解速度に大きな影響を与えると考え、加水分解速度の pH 依存性についても調べた。各 pH にお けるそれぞれの動力学パラメーターを図 22 右にまとめた。図3左には同条件での Z-PHe-Try ジペプチド基 質の加水分解反応をニンヒドリン反応で追跡し、Michaelis-Menten 式で解析し、Km 値と kcat 値を求めてその pH 依存性を示した。 ジペプチドの CPP による加水分解においては、Km 値、kcat 値ともにほとんど pH 依存性はなかった。一 方、QCM 法では基質への結合速度では koff はほとんど pH 依存性を示さなかったが、kon は pH 3.7 付近で 最大値を示した。また kcat は pH の低下と共に増大した。図3右下の青線に示したように基質であるミオ グロビンのαヘリックス含量は pH の低下と共に減少する。すなわち、CPP 酵素の kcat にはほとんど pH 依 存性はないが、pH が低下してミオグロビンの構造がランダムコイルになって行くに従い、見かけ上 kcat 値 が増加するように見える。CPP の kcat に pH 依存性がないことは図3左のジペプチドの kcat の pH 依存性か らもわかる。すなわちこの酵素の pH 依存性は酵素の基質への結合速度 kcat に表れている。QCM 法では kon、koff、Kd=koff/kon、kcat のすべての動力学パラメーターが個別に求められる特徴がある。 図3(右)ミオグロビンの水晶発振子上での加水分解速度の pH 依存性、 (左)Z-Phe-Try ジペプチドの水溶液中での加水分解速度の pH 依存性 22 Michaelis-Menten 式から求められる Km 値は[(kcat + koff)/kon]で表され、kon、koff、kcat 値から逆算して図3右の 黒線の pH 依存性で示した。ジペプチドの Km 値の pH 依存性がないのに対して、ミオグロビンの場合は低 pH になるに従って Km 値が増加するのは、基質のコンフォメーションが崩れるに従って kcat 値が増加する ためである。結局、タンパク質の加水分解では、基質の3次元構造が加水分解速度に大きく影響すること がわかった。 これまで水溶液中での Michaelis-Menten 式を用いての加水分解反応では、基質のコンフォメーションの 影響が複雑に加水分解速度にからんでくることから、主としてジペプチドなどを基質に用いて行われてき た。しかし、QCM 法を用いることにより、基質の結合過程の速度パラメーターである kon、koff、Kd=koff/kon 値と加水分解速度のパラメーターkcat 値を分けて求められるので、タンパク質加水分解における基質のコン フォメーションの影響が詳細に議論できる特徴がある。 3. 膜タンパク質の固定化とシグナル分子の結合 生体内のタンパク質の 40%は生体膜上にあると言われ、様々な認識や反応が行われている。膜タンパク 質上でおこる認識や反応を解析するためには基板上に脂質膜内に固定化された膜タンパク質を構築するこ とが必要である。そのためには水晶発振子の金基板上を利用する方法が適している。 膜タンパク質としては、細菌 Streptomyces lividans 由来のK+イオンチャネルタンパク質である KcsA を 選んだ。KcsA は図4に示すように、158 個のアミノ酸からなる2 本の膜貫通型αヘリックスの4量体から構成され、内部にカリウ ムイオンが通る穴が存在する。KcsA は細菌由来であるので、164 番目のリジンをアスパラギン酸に変えた R64D にはサソリ毒由来 の Agitoxin2 ペプチドがチャネルブロッカーとして結合することが 知られている。 <膜タンパク質の基板上への固定化> 膜タンパクを基板上に固定化する方法としてリボソームに再構成 して基板上に吸着させる方法が知られているが、この方法では、膜 タンパクの固定化量が少ない、膜タンパクの配向が制御できない、 などの欠点がある。本研究では図5に示すように、KcsA のC末端側 図4 膜タンパク質としての KcsA イオンチャネルと R64D 変 異体へのチャネルブロッ カーAgitoxin2 の結合の 模式図 に遺伝子操作によりシステインを導入し、大腸菌で発現した。界面活性剤で可溶化した KcsA の C 末端の SH 基をビオチン化試薬(PEO-Iodoacetyl Biotin)でビオチン化し、アビジンを固定化した QCM 基板上に固 定化した。これを基板上で混合ミセル法を用いてリン脂質膜(DOPE と DOPC)と置換した。これらの操作 を QCM 法で重さの変化として追跡し、KcsA の固定化量と脂質膜で置換されたかどうかを確認した。ほか 図5 QCM 基板上への膜タンパク質 KcsA の固定化と脂質膜置換による膜タンパク質の再構成の模式図 23 にも、ビオチン化脂質を一部導入したときには脂質膜の表面がアビジンで1層覆われること、蛍光脂質を 導入したときには基盤全体が蛍光で光ることから、KcsA の周りが脂質膜で置き換わったことを確認した。 <KcsA への Agitoxin2 ペプチドの結合過程の解析> QCM 基板上に脂質二分子膜と共に固定化した Agitoxin2 チャネルブロッカーペプチドの結合は KcsA タ ンパク質に対してペプチドの分子量が小さいこともあって、これまで使っていた装置(AFFINIX Q4, ノイ ズレベル±1 Hz、ドリフト±10 Hz/h)では精度良く測定出来なかった。そのために、後述するように、外部 からのノイズを避けるためにフローセル化し、温度を± 0.001 ℃、ノイズレベルを±0.05 Hz、ドリフトを 0.5 Hz/h に低下した装置を作製した(図6)。 図6 高感度フローセル型 QCM 装置の模式図 測定結果を図7に示した。Wild type (WT)の細菌由来の KcsA にはサソリ毒の Agitoxin2 はほとんど結合 しないが、変異を入れた R64D 体を脂質膜に可溶化した系では Agitoxin2 は KcsA に対して1:1で結合し た。一方、R64D を界面活性剤で可溶化しただけの系では Agitoxin2 は過剰に結合した。これは界面活性剤 で可溶化しただけでは KcsA は変性しやすく、Agitoxin2 が非特異吸着してしまうためである。振動数変化 のカーブフィッティングから 求めた結合のパラメーターは kon = 2.7 x 104 M-1 s-1、koff = 5.7 x 10-4 s-1、Ka= 4.4 x 106 M-1 であっ た。類似の測定値がないので得 られた値を直接比較すること は出来ないが、Ka= 106 M-1 とい う結合定数はチャネルブロッ カーの結合定数としては妥当 な値である。 図7 QCM 上に固定化した WT の KcsA、脂質膜に固定化した R64D の KcsA、界面活性剤に可溶化した R64D-KcsA への Agitoxin2 の 結合挙動(50 mM Tris-HCl pH 8.0, 50 µM EDTA, 100 mM NaCl, 50 mM KCl, 0.1% DDM, 25 ℃, Flow Rate 25 mL/min) 24 4.リボソームでの翻訳過程の定量化(古澤グループ) <目的> mRNA の遺伝情報に基づきタンパク質に翻訳される過程は、近年リボソームの X 線結晶解析がなされた ことにより急速に進み、無細胞翻訳系などに実用化されつつある。しかし、分子レベルでのメカニズムな どまだまだ解明しなければならない課題は多い。例えば、翻訳が開始されるためには開始複合体が形成さ れなければならないが、その過程すら不明な点が多い。図8に示すように、教科書的には 70S リボソーム は開始因子 IF3 の作用により 30S リボソームと 50S リボソームに解離し、SD 配列を認識できる 30S が最 初に mRNA に結合し、ついで 50S リボソームや fMet-tRNAi が結合して開始複合体が作製されると提唱さ れている。リボソームは RNA とタンパク質の巨大な複合体であり、質量も大きく QCM 法で測定するには 適したターゲットである。 図8 mRNA にリボソームが開始因子(IF1, IF2, IF3)や fMet-tRNA と共に結合して開始複合 体が形成される過程の予想図 <実験方法> リボソームが特異的に結合する Shine-Dalgalno (SD)配列 と tRNAi が結合する AUG 開始コドンを持つmRNA を cDAN から逆転写により作製した。3‘末端にビオチンを 導入し、アビジン固定化 QCM 上に固定化した。70S、50S、 30S リボソームを添加した時の振動数変化を測定した。 <結果と考察> 図9にmRNA 固定化 QCM へのリボソームの結合挙動 を示した。SD 配列を認識できる 30S リボソームは mRNA に結合するが、50S リボソームにはほとんど結合しない。 しかしこれまで結合しないと考えられていた 70S リボ ソームが予想外にも mRNA に解離することなく結合する ことがわかった。結合過程の振動数変化から結合速度定数 (kon)、解離速度定数(koff)、結合定数(ka)を求めて表2 にまとめた。 50S リボソームは mRNA にほとんど結合しないが、70S は 30S と同じような結合定数と結合・解離速度定数で結合 することがわかった(表2の Run 1-3)。また 70S は SD や AUG 開始コドンを持たない mRNA や、SD 配列を anti-SD の DAN でブロックしたmRNA にもほとんど結合しない ので SD 配列に特異的な結合であることがわかる(Run 4 と 5)。mRNA の 5‘末端を anti-UTR でブロックした mRNA 図9 (A)mRNA 固定化 QCM への(a)70S、 (b)30S、(c)50S リボソームの結合挙 動と(B)(a)70S、(b)30S リボソー ムの飽和結合挙動(10 mM HEPES-KOH, pH 7.3, 100 mM NH4Cl, 5 mM MgCl2, 0.5 mM CaCl2, 25 °C) 25 表2 種々の mRNA へのリボソームの結合パラメーターa には 70S が結合できないことから、70 リボソームは 5’末端から滑りながら mRNA に結合するのではなく、 横方向から結合すると考えられる。AUG 開始コドンを認識する fMet-tRNAi 共存下では 70S リボソームの 結合定数(Ka)は2倍ほど上昇したが、AUG を UUG に置き換えた mRNA への Ka は 1/3 に低下した(Run 7 と 8)。 リボソームの片方を架橋して解離しないようにした 70S は SD 配列を持つ mRNA には結合できなかった (Run 9)。しかし、AUG 開始コドンを 5‘末端に持つ mRNA には結合速度は遅くなるが、結合することが わかった(Run 10)。 これらの結果は、70S リボソームは解離することなく mRNA の SD 配列に横から結合して、開始複合体 を形成できることを示している。これまで、70S は一度 30S と 50S に解離してから mRNA に結合すると考 えられていたが、こういう通常の経路のほかにも解離しないでそのまま mRNA に結合する経路もあり得る のではないかと言うことがわかった(図4参照)。 26 ■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ ■ 研究業績 (平成 18 年 1 月-12 月) 研究論文 1. 2. 3. Nonfibrous β-structured aggregation of an A β model peptide (Ad-2α) on GM1/DPPC mixed monolayer surfaces, T. Kawasaki, K. Asaoka, K. Mihara, and Y. Okahata, J. Colloid Inter. Sci., 294, 295-303 (2006). Effect of Ultrasound on DNA Polymerase Reactions: Monitoring on a 27-MHz Quartz Crystal Microbalance, Y. Hoshino, T. Kawasaki, and Y. Okahata, Biomacromolecules, 7, 682-685 (2006). Polymerizations of Tetrafluoroethylene in Homogeneous Supercritical Fluoroform and in Detergent-free Heterogeneous Emulsion of Supercritical Fluoroform/Water, T. Mori, Y. Tsuchiya, and Y. Okahata, Macromolecules, 39, 604-608 (2006). 4. Evaluation of RNA Structures by using a Probe-immobilized 27 MHz Quartz Crystal Microbalance, T. Ozeki, H. Furusawa, and Y. Okahata, Chem. Lett., 35, 46-47 (2006). 5. Fabrication, characterization, and biological assessment of multilayered DNA-coatings for biomaterial purposes, J. J. J. P. van den Beucken, M. R. J. Vos, P. C. Thune, T. Hayakawa, T. Fukushima, Y. Okahata, X. F. Walboomers, N. A.J. M. Sommerdijk, R. J. M. Nolte, and J. A. Jansen, Biomaterials, 27, 691-701 (2006). 6. Buffer Solution Can Control the Porosity of DNA-Chitosan Complexes, T. Fukushima, T. Hayakawa, K. Okamura, S. Takeda, Y. Inoue, K. Miyazaki, and Y. Okahata, J. Biome. Mater. Res., Part B, Applied Biomater., 76B, 121-139 (2006). 7. Antifungalactivity of DNA–lipidcomplexesand DNA–lipid films against candida species , Y. Inoue, T. Fukushima, T. Hayakawa, R. Ogura, H. Kaminishi, K. Miyazaki, and Y. Okahata, J. Biomed. Mater. Res., Part A, 76A, 126-132 (2006). 8. 9. Functionalization of multilayered DNA-coatings with bone morphogenetic protein 2, J. J. J. P. van den Beucken, X. F. Walboomers, O. C. Boerman, M. R. J. Vos, N. A. J. M. Sommerdijk, T. Hayakawa, T Fukushima, Y. Okahata, R. J. M. Nolte, J. A. Jansen , J. Controlled Release, 113, 63 – 72 (2006). The effect of natural extracellular matrix deposited on synthetic polymers on cultured primary hepatocytes, T Hoshiba, C. S. Cho., A. Murakawa, Y. Okahata, and T. Akaike, Biomaterials, 27, 4519-4528 (2006). 10. Characterization of protamine as transfection accelerator, Y. Tsuchiya, T. Ishii, Y. Okahata, and T. Sato, J. Bioactive Compat.ible Polymer, 21, 519-537 (2006). 11. Kinetic analysis of ribosome binding process onto mRNA using a quartz-crystal microbalance, S. Takahashi, R. Akita, H. Furusawa, Y. Shimizu, T. Ueda, and Y. Okahata, Nucleic Acids Res. Sympo., No. 50, 49-50 (2006). 12. Observation of DNA conformation changes by energy dissipation measurements on a quartz-crystal oscillator, H. Furusawa, T. Ozeki, and Y. Okahata, Nucleic Acids Res. Sympo., No. 50, 321-322 (2006). 13. サケ由来 DNA からつくる EL 素子, 岡畑 恵雄、川崎 剛 美, 高分子, 55 (7), 486-487 (2006). 14. DNA から作る EL 素子, 岡畑 恵雄, 学術月報, 59, No. 11, 840-844 (2006). 著書 1. DNA配向化フィルムの有機半導体への応用, 岡畑 恵 雄、川崎 剛美, 進化する有機半導体、p157-167, エヌ・ ティ・エス (2006). 国際会議 1. H. Furusawa, M. Komatsu, T. Oseki, and Y. Okahata, In situ Monitoring of Conformation Changes of Calmodulin by Using a FS-QCM System based on Admittance Analysis, 第 20 回国 際生化学・分子生物学会議, 京都国際会議場, 2006 年 6 月 19-23 日. 2. H. Takano, H. Furusawa, and Y. Okahata, Kinetic Analyses of Enzymatic Protein Hydrolyses Catalyzed by Carboxypeptidase P on a Quartz-Crystal Microbalance (QCM), 第 20 回国際生 化学・分子生物学会議, 京都国際会議場, 2006 年 6 月 19-23 日. 3. S. Takahashi, R. Akita, H. Furusawa, Y. Shimizu, T. Ueda. and Y. Okahata, Evaluation of the initial complex formation in E.coli translation by using a quartz crystal microbalance (QCM), 第 20 回国際生化学・分子生物学会議, 京都国際 会議場, 2006 年 6 月 19-23 日. 4. Murakawa, N. Itano, K. Kimata, R.Kannagi, T. Mori. and Y. Okahata, Effect of Phospholipid for Stabilization of Hyaluronan Synthase 2 Expressed by Baculovirus-Infected Insect Cells, 第 20 回国際生化学・分子生物学会議, 京都 国際会議場, 2006 年 6 月 19-23 日. 5. H. Mitomo, Y. Ishizu, H. Furusawa, T. Tsukasaki, H. Mori, K. Ito, and Y. Okahata, Preparation of supported lipid membrane for analyses of membrane proteins on a quartz-crystal microbalance (QCM), 第 20 回国際生化学・分子生物学会 議, 京都国際会議場, 2006 年 6 月 19-23 日. 6. Yoshio Okahata, Molecular Recognitions and Enzyme 27 7. 8. 9. Reactions on a Quartz-Crystal Microbalance, International Symposium on Bio- and Nano-Electronics in Sendai, Sendai, 2006 年 3 月 2-3 日. 8. 岡畑 恵雄, バイオセンサー:生体分子間相互作用を重さ で測る, 第4回 センサの五感産業研究会, 大阪科学技 術センター, 2006 年 6 月 26 日. T. Mori, A. Fujishima, N. Sugiura, K. Kimata, and Y. Okahata, Direct Monitoring of carbohydrate elongations by Chondroitin Polymerase on a 27-MHz Quartz-Crystal Microbalance, International Symposium on Extracellular Glycomatrix in Health and Disease, 淡路夢舞台国際会議場, 2006 年 6 月 15-17 日. 9. 岡畑 恵雄, 生体内反応を重さで測る(生体分子の水和と 柔らかさを測る) , 第67回応用物理学会シンポジウム 「バ イオセンシングの新しい潮流」, 立命館大学びわこ・く さつキャンパス, 2006 年 8 月 30 日. Murakawa, N. Itano, K. Kimata, R. Kannagi, T. Mori, and Y. Okahata, Preperation of Hyaluronan Synthase 2 by Baculovirus-Infected Insect Cells Expression System, International Symposium on Extracellular Glycomatrix in Health and Disease, 淡路夢舞台国際会議場, 2006 年 6 月 15-17 日. Yoshio Okahata, Biomolecular Interactions on a 27 MHz Quartz-Crystal Microbalance (QCM), The 1st joint Biotechnology Research Sympojium between Thailand and Japan, 東工大すずかけホール, 2006 年 7 月 3 日. 10. Yoshio Okahata, Biomolecular Interactions on a 27 MHz Quartz-Crystal Microbalance (QCM), Tsinghua-Tokyo Tech & Shizuoka Cancer Center Triangle Symposium On Cancer Biology & Bioengineering, 静岡がんセンター, 2006 年 10 月 27 日. 国内会議(招待講演) 10. 岡畑 恵雄, 水晶発振子バイオセンサーの開発とその活 用範囲, バイオセンシング活用セミナー, 北九州テクノ センタービル, 2006 年 8 月 31 日 11. 岡畑 恵雄, 生体分子の機能評価(水晶発振子マイクロバ ランス法を用いて生体分子間相互作用を重さで測る。生 体分子の表面での構造変化を測る。 ), 第27回表面科学 セミナー「生体系機能表面の基礎から応用まで」, 東京 理科大学 森戸記念館, 2006 年 10 月 26 日 12. Y. Okahata, Biomolecular Interactions on a 27 MHz Quartz-Crystal Microbalance (QCM), The 1st Joint Biotechnology Research Symposium between Thailand and Tokyo Tech, 東工大, 2006 年 7 月 3 日 13. 岡畑 恵雄, 超微量天秤を用いて生体内反応を重さで測 る, 東京医科歯科大学 COE21 拠点講演会, 東京医科歯科 大学, 2006 年 7 月 14 日 14. Y. Okahata, Biomolecular Interactions on a 27 MHz Quartz-Crystal Microbalance (QCM), Tsinghua-Tokyo Tech & Shizuoka Cancer Center Triangle Symposium On Cancer Biology & Bioengineering, 静岡がんセンター, 2006 年 10 月 27 日 1. 岡畑 恵雄, 分子認識や酵素反応を重さで測る, 第 55 回 高分子学会年次大会, 名古屋国際会議場, 2006 年 5 月 24-26 日. 2. 岡畑 恵雄, DNA 配向化フィルムの作成と光電変換素子 への展開, 第1回超階層制御若手講演会, 四条畷アイア イランド, 2006 年 1 月 14 日. 科学研究費補助金 (主な研究資金として) 3. 岡畑 恵雄, DNA の配向フィルム化と電子材料への応用, DNA オプトエレクトロニクス材料の開発, 千歳アルカ ディアプラザ, 2006 年 2 月 25 日. <基盤A> 光電変換機能を持つ DNA フィルム 平成 18 年度~平成 20 年度 平成 18 年度 1,670 万円 4. 岡畑 恵雄, AffinixQ4 で蛋白質の何がどこまで測れる か?, 蛋白質科学会 (株) イニシアムランチョンセミナー, 京都国際会議場,2006 年 4 月 25 日. 5. 岡畑 恵雄, 酵素反応を重さで測る, 蛋白質科学会ワーク ショップ 6 蛋白質でセンサーを作るー蛋白質が開く新しい微量計 測法, 京都国際会議場, 2006 年 4 月 25 日. 6. 7. 28 水晶発振子マ 岡畑 恵雄, 生体内反応を重さで測る イクロバランス AffinxQ4 の開発, 第5回国際バイオ EXPO, 東京ビッグサイト, 2006 年 5 月 18 日. 岡畑 恵雄, 水晶発振子バイオセンサの開発と生体内反 応解析への応用, 5月 TRC セミナー, つくば研究コン ソーシアム, 2006 年 5 月 30 日. ■ 研究費の取得状況(平成 18 年度) <萌芽> 生体高分子の振動工学による酵素活性制御 平成 18 年度~平成 19 年度 平成 18 年度 250 万円 政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として) <科技団戦略的基礎> 生体分子間相互作用を連続的に検出するための多機能型水晶 発振子マルチセンサの設計と開発 平成 13 年度~平成 18 年度 平成 18 年度 2,250 万円 受託研究(上記を除く) 1件 250 万円 <科技団戦略的基礎> 生体分子間相互作用を検出するための水晶発振子マルチセン サの開発 平成 13 年度~平成 18 年度 平成 18 年度 250 万円 奨学寄附金 2件 360 万円 ■ 研究室の在籍者(平成 18 年度中) 学部学生 大学院修士課程在籍者 大学院博士課程在籍者 研究生 受託研究員 民間等共同研究員 その他ポスドク等 6 8 7 1 2 1 2 ■ 海外渡航の回数(平成 18 年度) 3回 ■ 学会役員(平成 18 年度) ・ 日本化学会 生体機能関連化学部会 部会長 ■ 記事(平成 18 年度) 1. 細胞培養、生存率高く 東工大、再生医療向けに, , 日経 産業新聞、平成 18 年 5 月 18 日 (2006). 2. DNA で有機EL 素子 東工大が試作 ディスプレ安価で 簡単に, , 日本経済新聞、平成 2006 年 5 月 22 日 (2006). 3. DNA で有機EL 素子を低コストに 真空技術を使わず発 光層を形成, , 日経マイクロデバイス、p.7、7月号 (2006). ■ 21 世紀COEプログラムへの参加状況(平成 18 年度) 生命系フロンティア 29 30 情報系分野 岩井プロジェクト < Si ナノデバイス集積化技術の研究> プロジェクトリーダー 岩井 洋 教授 研究期間 平成14年度~平成19年度 研究資金ソース 科学技術振興調整費 先導的研究等の推進「Nano-CMOS 超低消費電力デバイス技術」 、 民間等との共同研究、受託研究 等 ■ 研究内容 シリコンデバイスは高度な計算を行い動作や情報を制御する中枢部品としてあらゆる機器に用いられる ようになっているが、今後の超高齢化社会で予想される若年労働人口不足、老人介護人手不足などの状況 のもとでは、シリコンデバイスの発展によって人間の知性、感性の機能を代行する機器が出現することが 大いに期待されている。これを実現する為には桁違いに高性能な機器の実現が必要であると考えられてお り、先ずはハードとしてのシリコンデバイスの発展が今後も継続していくことが重要である。 本プロジェクトではこのような状況に鑑みて、来るべきナノ時代を前提とした超高性能・超低消費電力 シリコンナノデバイス研究を世界に先駆けて行い、今後 5-10 年後に予想される超低消費電力・超高速情 報通信時代の基盤技術において世界の主導権を取ることを目標とする。10 nm 以下の領域に入ると現状の 延長のデバイスでは動作限界に近づくことも予想され、現状技術を究極まで追究すると共に、新構造・新 材料・新動作など今までとは違う独創的なコンセプトで研究を行うことが重要となる。本プロジェクトは その目的達成に最も重要と考えられる各要素技術の研究開発を行う独立した産学連携を中心としたいくつ かのサブプロジェクトから形成される。そのサブプロジェクトの期間やメンバーの変更、さらには新設・ 終了まで極めてフレキシブルに行って、状況の推移に迅速に対応することを原則とする。また途中からの 学内外からのメンバーやサブプロジェクトの新規参入も大いに歓迎する。 ■ 新産業創造・新分野開拓の可能性 本プロジェクトにより、今までとは桁違いの超高性能や超低消費電力のデバイスやそれを用いたウエア ラブル端末などの新たな巨大市場への道が拓ける。また高誘電率金属酸化薄膜などの新材料やナノデバイ スなどの新構造素子など今までには無い新研究分野が開拓される。これらを差別化技術として用いれば、 日本の技術開発優位性を保ち、産業の空洞化を抑制できる。 ■ 研究参加者 【学外】半導体理工学センター、松下電器産業㈱、㈱東芝 等 【学内】大学院総合理工学研究科 石原宏教授、青柳克信教授、前島英雄教授、浅田雅洋教授、 筒井一生助教授、大見俊一郎助教授 精密工学研究所 益一哉教授 31 ■■■ 平成18年度主要トピックス ■■■ 1.希土類酸化物薄膜の次世代ゲート絶縁膜への応用 Hf 系酸化物の次の世代のゲート絶縁膜として La 系酸化物に注目し、堆積条件、熱処理温度、ガス雰囲 気などのプロセスの最適化を行った。その結果、窒素雰囲気中で 300 ℃の 10 分間程度の熱処理が最適で あることが明らかになり、実効移動度が 300 cm2/Vs を超える nMOSFET が実現できることが明らかになっ た。また、界面準位密度が 1010 cm-2eV-2 と SiO2 と同等であることがわかり、La2O3 膜がリーク電流低減の みならず、高移動度も実現できる材料であることを実験によって示した。 Al/La2O3/p-Si(100)/Al 400 SiO2(11nm) 312 cm2/Vs 263 cm2/Vs 2 Ueff (cm /Vs) 300 200 PDA300 PDA400 PDA500 PDA600 240 cm2/Vs 155 cm2/Vs 100 Lg = 10um Wg = 54um 0 0 0.25 0.5 0.75 1 Eeff (MV/cm) 1.25 1.5 図 1 La2O3 ゲート絶縁膜を用いた MOSFET の実効移動度と実効電界の関係。 300cm2/Vs 以上の移動度が達成可能であり、低い界面準位密度が実現できる。 2.次世代極浅拡散層形成用プラズマドーピング技術とそのメカニズム解明 次世代極浅拡散層形成用をプラズマドーピング技術を用いて形成した p+層の深さ方向の活性化に関し て調査を行った。オゾンによる表面の酸化とフッ化水素酸によるエッチングを反復して行い、その度ごと にホール測定を行う手法を確立した。その結果、表面においてキャリア濃度や移動度が減少する様子が見 2.5 2.5 (×1014) プロセス進行 2.0 2.0 1.5 1.5 1.0 1.0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617 Initial SiO2 Si SiO2 Si SiO2 Si SiO2 Si SiO2 Si SiO2 Si SiO2 Si SiO2 Sheet concentration, cm-2 られず、またシートキャリア濃度は固溶限よりも一桁小さいことが分かった。 サンプル表面状態 Ion Implantation + Spike RTA(1075℃) :dose 6E+14[cm-2] PD + Spike RTA(1075℃) :dose 6E+14[cm-2] Xj 35.6[nm] PD + Spike RTA(1000℃) :dose 1.9E+14[cm-2] Xj 27.2[nm] PD + Spike RTA(950℃) :dose 2.3E+15[cm-2] Xj 21[nm] 図 2 PD によって形成した p+層の深さ方向のシートキャリア密度分布。 32 3.高耐熱性シリサイド技術の研究 次世代のナノ CMOS で寄生抵抗を下げる目的に必要不可欠である NiSi の研究を行い、高耐熱性を持た せるための条件を探索している。抵抗率と温度の関係を詳細に検討していったところ、NiSi から NiSi2 に 移行する際に 700℃付近で一度抵抗が上昇する現象を観測した。TEM, ラマン, オージェ電子顕微鏡などを 使い、この現象の詳細な検討を行った。 sheet resistance(Ω/sq) 30 Ni(12nm)Si 25 2nd agglomeration 20 1st agglomeration 15 10 5 低抵抗前の 低抵抗温度領域 高抵抗温度領域 0 温度領域 200 300 400 500 600 700 800 900 annealing temperature(℃) 図 3 熱処理による抵抗値の変化。700 ℃付近で抵抗が一度高くなる現象が観測された。 4.RF 応用のためのトランジスタの RF 測定とモデリング トランジスタの高周波特性評価として反射(S パラメータ)や雑音指数(NF)、入出力パワー特性を測 定し、ゲート絶縁膜の異なる MOSFET の比較を行った。特にゲート抵抗を等価回路を用いて抽出し、静特 性でのリーク電流と移動度が高周波では重要であることが明らかになった。 SiON 12 HfSiON 30 10 25 8 20 6 15 4 10 2 5 0 0 -2 PAE[%] Gain (dB) 2.4 GHz -5 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10 Pin (dBm) PAE = (Pout – Pin) / PDC 図 4 SiON, HfSiON 膜を用いた MOFSET の入出力パワー特性の比較。 SiON 膜 MOSFET のほうが高い電力付加効率を得ることができる。 33 ■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ ■ 研究業績 (平成 18 年 1 月-12 月) 5. Kazuo Tsutsui, Yuichiro Sasaki、Cheng-Guo Jin, Hideki Tamura, Katsumi Okashita, Hiroyuki Ito, Bunji Mizuno, Hendriansyah Sauddin, Kenta Majima, Takahisa Satoh, Yotaro Fukagawa, Kuniyuki Kakushima, Hiroshi Iwai “Formation of Ultra-shallow Junctions by Plasma Doping” ISTC-2006, Mar. 21-22, 2006, Shanghai, China, vol. 1 pp232-241 6. Akira Fukuyama, Kuniyuki Kakuashima, Parhat ahmet,A.N.Chandorkar, Kazuo Tsutsui, Nobuyuki Sugii, Takeo Hattori, Hiroshi Iwai “ Analysis of Voltage Coefficient and Leakage Current of La2O3 Mim Capacitor” ISTC-2006, vol.1 pp225-231, Mar. 21-22, 2006, Shanghai, China 7. Ruifei Xiang, Koji Nagahiro, Takashi Shiozawa, Parhat Ahmet, Kazuo Tsusui, Yasutoshi Okuno, Michikazu Matsumoto, Masafumi Kubota, Kuniyuki Kakushima and Hiroshi Iwai “ Irregular Increase in Sheet Resistance of Ni Silicides at Transition Temperature Range from NiSi to NiSi2 Depending on Annealing Time” ISTC-2006, Mar. 21-22, 2006, Shanghai, China 8. Parhat Ahmet, Takehiro Nagata, Dmitry Anatolyevich Kukuruznyak, Kenji Ohmori, Kuniyuki Kakushima, Kazuo Tsutsui, Toyohiro Chikyou, Hiroshi Iwai “Combinatorial Fabrication and Phase Diagramming of Ternary Composition Spreads” ISTC-2006, vol.1 pp215-224, Mar. 21-22, 2006, Shanghai, China 9. Invited Talk: H.Iwai “CMOS Scaling and Future Manufacturing” 2006-IWNE, pp3-47, Apr.21, 2006, Tainan, Taiwan 研究論文 1. J.A.Ng, Nobuyuki Sugii, Kuniyuki Kakushima, Parhat Ahmet, Kazuo Tsutsui, Takeo Hattori, and Hiroshi Iwai “Effective Mobility and Interface-state Density of La2O3 nMisFETs after post deposition annealing” IEICE Electronics Express Vol.3, No.13, pp316-321 2. Hei Wong and H. Iwai “On the scaling issues and high-k replacement of ultrathin gate dielectrics for nanoscale MOS transistors ” Microelectronic Engineering 83(2006)1867-1904 3. Kuniyuki Kakushima,Hei Wong and H. Iwai “Challenges for Future Semiconductor Manufacturing” International Journal of High Speed Electronics and Systems Vol.16,No.1(2006)43-81 4. Yusuke Kuroki, J.A.Ng, Kuniyuki Kakushima, Nobuyuki Sugii, Kazuo Tsutsui, and Hiroshi Iwai “Al/La2O3Analysis of Post Metallization Annealed MISFETs by XPS” The Electrochemical Society Vol.1, No.5, pp239-247 5. J.Molina, Kuniyuki Kakushima, Parhat Ahmet, Nobuyuki Sugii, Kazuo Tsutsui, and Hiroshi Iwai “Breakdown and Reliability of Metal Gate- La2O3 Thin Films After Post-Deposition Annealing In N2” The Electrochemical Society Vol.1, No.5, pp757-765 6. Kuniyuki Kakushima, Kazuo Tsutsui, Sun-Ichiro Ohmi, Parhat Ahmet and Hiroshi Iwai “Rare Earth Oxides in Microelectronics” Rare Earth Oxide Thin Films, Topics in Applied Physics 106, pp345-365 著書 1. 木村忠正編「電子材料ハンドブッック」朝倉書店 2006 年 11 月、岩井洋、「IC・LSI関連材料の種類と特徴」 pp.285-295 国際会議 1. Invited Talk: H. Iwai “Future CMOS Technology and Manufacturing” EPMDS-2006, Jan.4-6, 2006, Kolkata, India, vol.1-1 2. Distinguished Lecture: “Future of CMOS and Its Manufacturing” IEEE LEOS Chapter& EDS Chapter, Jan.3, 2006, Kolkata, India, vol.1-1 p1 3. H. Iwai, “Recent Status an Nano CMOS and Future Direction” IWNC, Jan. 30-31, 2006, Mishima, Japan, p2 4. 34 Issui Aiba, Cheng-Guo Jinm, Yuichiro Sasaki, Kazuo Tsutsui, Hideki Tamura, Katsumi Okashita, Hiroyuki Kkushima、 Hiroshi Iwai “Photo Resist Removal Process UIsing Wet Treatment After Plasma Doping” ISTC-2006, Mar. 21-22,2006, Shanghai, China, vol.1 pp295-296 10. Keynote Speech:H.Iwai “Semiconductor Manufacturing Technology in the 21st Century” 2006VLSI-TSA, pp1-17, Apr.24-26, 2006, Hsinchu, Taiwan 11. K.Shiraishi, T.Nakayama, Y.Akasaka, S.Miyazaki, T.Nakaoka, K.Ohmori, P.Ahmet, K.Torii, H.Watanabe, T.Chikyow, Y.Nara, H.Iwai, K.Yamada “New Theory of Effective Work Functions at Metal/High-k Dielectric Interfaces-Application to Metal/High-k HfO2 And La2O3 Dielectric Interfaces-” 2006ECS, vol. 2 pp25-40, May 7-12, 2006, Denver, U.S.A 12. P.Ahmet, T.Nagata, D.A.Kukuruznyak, K.Ohmori, K.Kakushima, K.Tsutsui, T.Chikyow and H.Iwai “Combinatorial Fabrication and Characterization of Oxide and Metal Thin Film Composition Spreads” 2006ECS, vol. 2 pp79-90, May 7-12,Denver, U.S.A 13. K.Kakushima, P.Ahmet, N.Sugii, K.Tsutsui, T.Hattori and H.Iwai “Lanthanum Oxides for Gate Insulator Application” 2006ECS, vol.2 pp115-127, May 7-12, 2006, Denver, U.S.A 14. T.Hattori, K.Kakushima, K.Nakajima, H.Nohira, K.Kimura and H.Iwai “Angle-Resolved Photoelectron Spectroscopy Study on Gate Insulators” 2006ECS, vol. 2 pp275-286, May 7-12, 2006, Denver, U.S.A 15. J.A.Ng, N.Sugii, K.Kakushima, P.Ahmet, T.Hattori, K.Tsutsui and H.Iwai “Mobility Degradation Analysis for La2O3 nMOSFET” 2006ECS, vol. 2 pp329-338, May 7-12,2006, Denver, U.S.A 16. K.Tsutusi, R.Xiang, K.Nagahiro, T.Shiozawa, P.Ahmet, Y.Okuno, M.Matsumoto, M.Kubota, K.Kakushima and H.Iwai “Irregular Increase in sheet Resistance of Ni Sikicides at Temperature Range of Transition from NiSi to NiSi2” IWJT-2006, pp188-191, May 15-16, 2006, Shanghai, China 17. Invited Talk: H. Iwai, “La2O3 Gate Oxide Technology for MOSFETs” The-E-MRS 2006 Spring Meeting,May 29, 2006, Nice, France 18. J.Song, A.Fukuyama, K.Kakushima, P.Ahmet, K.Tsutsui, T.Hattori and H.Iwai “Characteristics of La2O3/Ge MIS Capacitors on Annealing Condition” The-E-MRS 2006 Spring Meeting,May 29, 2006, Nice, France, vol. 1-1 19. Distinguished Lecture: H.Iwai, “Future CMOS Scaling and Its Manufacturing” AdCom &ExCom Meeting Mini-Colloquia, June 1, 2006, Napoli, Italy 20. K.Kakushima, P.Ahmet, J.A.Ng J.Molina, H.Sauddin, Y.Kuroki, K.Nakagawa, A.Fukuyama, K.Tachi, Y.Shiino, J.Song, K.Tsutsui, N.Sugii, T.Hattori and H.Iwai “Study of La2O3 Gate Dielectric Suitability for Future MIM and MOSFETs” 2006 IEEE Si Nanoelectronics Workshop, pp.113, June 12, 2006, Honolulu Hawaii 21. Poster Presentation: H.Iwai, “Future of nano CMOS and its manufacturing” FTM, pp.47, June 27, 2006, Heraklion, Crete 22. Distinguished Lecture: H.Iwai, “High Dielectric Constant Gate Insulator Technology” WIMNACT Mini-Colloquium, July 4, 2006, Singapore 23. Keynote Speech: H.Iwai, “Future of Nano-CMOS Technology and Its Production” IPFA2006, pp.1-17 ,July 5, 2006, Singapore 24. E.Miranda and H.Iwai “Modeling of the Leakage Current in Ultrathin La2O3 Films Using a Eneralized Power Law Equation” IPFA2006, pp.306-310 , July 7, 2006, Singapore 25. Distinguished Lecture:H.Iwai, “Nano-CMOS and Its Manufacturing” EDS Tsinghua Student Chapter Opening Ceremony, July 10, 2006, Beijing, China 26. Invited Talk: H. Iwai, “Histrical Trends and Future Perspectives of Silicon Technology Scaling” SINANO Summer School 2006, Bologna, Italy 27. Kuriyama, O. Faynot, L. Brevard, A. Tozzo, L.Clerc, J.Mitard, V. Vidal, S. Deleonibus, S.Cristoloveanu nad H. Iwai “Precise Extraction of Metal Gate Work Function from Bevel Structures’Solid State Devices and Materials Yokohama 2006, pp.210-211, September 13-15, 2006, Japan 28. K. Ohmori, P.Ahmet, K. Shiraishi, K. Yamabe, H. Watanabe, Y. Akasaka, N. Umezawa, K. Nakjima, M.Yoshitake, T. Nakayama, K.-S. Chang, K. Kakushima, Y. Nara, M.L. Green, H.Iwai, K. Yamada, T. Chikyow “Wide Controllability of Flatband Voltage in La2O3 Gate Structures-Remarkable Advantages of La2O3 over HfO 2-’Solid State Devices and Materials Yokohama 2006, pp.432-433, September 13-15, 2006, Japan 29. Keynote Talk: H. Iwai, “Academia-Industry collaborations in Japan in the field of Nanoelectronics” ENIAC-MEDEA+ Workshop, ESSDERK/ESSCIRC 2006, September 22, 2006, Montreux, Switzerland 30. Invited Talk: H. Iwai, "CMOS for next 15 years as the mainstream of nano device technology: problems, solutions and beyond that", SINANO Workshop, ESSDERK/ESSCIRC 2006, September 22, 2006, Montreux, Switzerland 31. M. Nakagawa, J. Song, Y. Nara, M. Yasuhira, F. Ohtsuka, T. Akikado, K. Nakamura, K.Kakushima, P.Ahmet, K.Tsutsui, and H. Iwai, “High Frequency Model of Sub-100nm High-k RF CMOS” Satellite workshop to ESSDERK/ESSCIRC 2006, September 22,2006, Montreux, Switzerland 32. Kuriyama, O. Faynot, L. Brevard, A. Tozzo, L.Clerc, S. Deleonibus, J. Mitard, V. Vidal, S. Cristoloveanu and H.Iwai “Work Function Investigation in Advanced Metal Gate-HfO2-SiO2 Systems with Bevel Structures” ESSDERK 2006, pp.109-112,September 19, 2006, Montreux, Switzerland 33. K. Tsutsui, Y. Sasaki, C-G. Jin, H. Sauddin, K. Majima. Y. Fukagawa, I. Aiba, H. Ito, B. Mizuno, K. Kakushima, P. Ahmet, H. Iwai “Ultra-Shallow Junction Formation By Plasma Doping And Flash Lamp Annealing” RTP-2006, Oct.11, 2006, Kyoto, Japan 34. A.N.Chandorkar,Ch.Ragunandan, P. Agashe, D. Sharma, H. Iwai “Impact of Process variations on Leakage Power in CMOS Circuits in Nano Era” ICSICT-2006, Vo.2 pp.1248-1251, Oct.23-26, 2006, Shanghai, China 35. K.Shiraishi, H. Takeuchi, Y. Akasaka, T. Nakayama, S. Miyazaki, T. Nakaoka, A. Ohta, H. Watanabe, N. Umezawa, K. Ohmori, P. Ahmet, K. Toii, T. Chikyow, Y. Nara, T-J. King Liu, H. Iwai, and K. Yamada “Physics of Interfaces between gate electrodes and high-k dielectrics” ICSICT-2006, pp.384-387, Oct.23-26, 2006, Shanghai, China 36. P. Ahmet, K. Kakushima, K. Tsutsui, N. Sugii, T.Hattori, H. Iwai “La-based oxides for High-k Gate Dielectric Application” ICSICT-2006, pp.408-411, Oct.23-26, Shanghai, China 37. K. Nagahiro, K. Tsutsui, T. Shiozawa, R. Xiang, P. Ahmet, K. Kakushima,Y. Okuno, M. Matsumoto, M. Kubota, H. Iwai 35 “Thermal Stability of NiSi Controlled by Post Silicidation Metal Doping Method” ICSICT-2006, pp.466-469, Oct.23-26, 2006, Shanghai, China 38. H.Sauddin, Y.Sasaki, H. Ito, B. Mizuno, P. Ahmet, K. Kakushima, N. Sugii, K. Tsutsui, and H. Iwai “ Leakage Current Characteristics of Ultra-Shallow Junctions Formed by B2H6 Plasma Doping” ECS 210th Meeting, Vol.3 No.2 pp.57-65, Oct 29 – Nov.3, 2006, Cancun, Mexico 39. H. Nohira, T.Matsuda, K.Tachi, Y.Shiino, J.Song, Y.Kuroki, Ng Jin Aun, P.Ahmet, K.Kakushima, K.Tsutsui, E.Ikenaga, K.Kobayashi, H.Iwai, T.Hattori “ Effect of Deposition Temperature on Chemical Structure of Lanthanum Oxide/Si Interface Structure” ECS 210th Meeting, Vol.3 No.2 pp.169-173, Oct 29 – Nov.3, 2006, Cancun, Mexico 40. T. Nakayama, K. Shiraishi, S. Miyazaki, Y. Akasaka, T. Nakaoka, K. Torii, A. Ohta, P. Ahmet, K. Ohmori, N.Umezawa, H.Watanabe, T.Chikyow, Y.Nara, H.Iwai, K.Yamada “ Physics of Metal/High-k Interfaces” ECS 210th Meeting, Vol.3 No.3 pp.129-140, Oct 29 – Nov.3, 2006, Cancun, Mexico and Devices for Communication (CODEC)2006, pp.5, Dec.18-20 2006, Kolkata, India 48. Keynote Speech: Hiroshi Iwai, “Nano CMOS Technology and Manufacturing”, The 4th International Conference on Electrical & Computer Engineering, pp.20, Dec. 19-21 2006, Dhaka, Bangladesh 49. Distinguished Lecture: Hiroshi Iwai, “Electron Devices for Human Society” Inaugural Ceremony of IEEE Electron Devices Society Bangladesh Chapter, Dec 19, 2006, Dhaka, Bangladesh 50. Distinguished Lecture: Hiroshi iwai, "Future of CMOS scaling and manufacturing” Heritage College of Technology, Dec. 30 2006, Kollkata, India 国内会議 1. 野平博司、松田徹、舘喜一、椎野泰洋、宋在烈、黒木裕 介、ン・ジンアン、パールハット・アヘメト、角嶋邦之、 筒井一生、池永英司、小林啓介、岩井洋、服部健雄 “LaOx/Si界面組成遷移層の熱安定性” 第 53 回応用物理 学会 No.2 pp.833(2006 年 3 月)武蔵工業大学 41. K.Ohmori, P.Ahmet, K.Shiraishi, K.Yamabe, H.Watanabe, Y.Akasaka, N.Umezawa, K.Nakajima, M.Yoshitake, T.Nakayama, K.-S. Chang, K.Kakushima, Y.Nara, M.L.Green. H.Iwai, K.Yamada, T.chikyow “ Wide Controllability of Flatband Voltage in La2O3 Gate Stack Structures – Remarkable Advantages of La2O3 over HfO2-” ECS 210th Meeting, Vol.3 No.3 pp.351-363, Oct 29 – Nov.3, 2006, Cancun, Mexico 2. 椎野泰洋、中川健太郎、角嶋邦之、パールハット・アヘ メト、杉 井信 之、服部 健雄 、筒井一 生、 岩 井洋 “La2O3/Sc2O3積層構造ゲート絶縁膜による耐熱性向上に 関する検討” 第 53 回応用物理学会 No.2 pp.834(2006 年 3 月)武蔵工業大学 3. 42. K.Tachi, K.Kakushima, P.Ahmet, K.Tsutsui, N.Sugii, T.Hattori, H.Iwai “ Effect of Oxygen for Ultra-Thin La2O3 Film Deposition” ECS 210th Meeting, Vol.3 No.3 pp.425-434, Oct 29 – Nov.3, 2006, Cancun, Mexico 中嶋薫、木村健二、舘喜一、角嶋邦之、岩井洋 “高分解 能ERD法を用いたLa2O3/Si(001)中の水素分析” 第53 回 応用物理学会 No.2 pp.834 (2006 年 3 月) 武蔵工業 大学 4. 43. Y.Shiino, K.Kakushima, P.Ahmet, K.Tsutsui, N.Sugii, T.Hattori, H.Iwai “ La2O3 Gate Dielectric Thin Film with Sc2O3 Buffer Layer for High Temperature Annealing” ECS 210th Meeting, Oct 29 – Nov.3, Vol.3 No.3 pp.511-519, 2006, Cancun, Mexico 舘喜一、黒木裕介、黄仁安、角嶋邦之、パールハット・ アヘメト、筒井一生、杉井信之、服部健雄、岩井洋 “La2O3-nMISFET電気特性の金属微量添加による効果” 第 53 回応用物理学会 No.2 pp.835(2006 年 3 月)武蔵 工業大学 5. 宋在烈、福山享、角嶋邦之、パールハット・アヘメト、 筒井一生、杉井信之、服部健雄、岩井洋 “熱処理におけ るLa2O3/n-Ge(100)界面のXPS分析” 第 53 回応用物理学 会 No.2 pp.837(2006 年 3 月)武蔵工業大学 6. 塩澤崇史、項端飛、永廣候治、パールハット・アヘメト、 角嶋邦之、筒井一生、岩井洋、奥野泰利、松元道一、久 保田正文 “NiSiからNiSi2への相転移温度領域における シート抵抗増加特性の評価” 第 53 回応用物理学会 No.2 pp.911(2006 年 3 月)武蔵工業大学 7. 永廣候治、項端飛、塩澤崇史、パールハット・アヘメト、 角嶋邦之、筒井一生、岩井洋、奥野泰利、松元道一、久 保田正文 “Ni シリサイド形成における異種金属積層添 加効果の検討” 第 53 回応用物理学会 No.2 pp.911 (2006 年 3 月)武蔵工業大学 44. Invited Talk: Hiroshi Iwai , Hei Wong “Nano-CMOS Technology for Next Fifteeen Years”, The IEEE TENCON Nanoscale CMOS Technology, pp.9,Nov.14-17, Hong Kong 45. Distinguished Lecture: Hiroshi Iwai, “Miniaturization of Semiconductor Devices for Integrated Circuits”, University of Chile, UTFSM., University of Bio Bio, Nov. 20-24 , Chile 46. Invited Plenary Talk: Hiroshi Iwai,“Nano CMOS: technology trend and its manufacturing ” , The Conference on Optoelectronic and Microelectronic Materials and Devices, Dec.6-8 2006, Perth, Western Australia 47. Invited Plenary Talk: Hiroshi Iwai, “ Nano CMOS Manufacturing”, The International Conference on Computers 36 8. 中川昌幸、吉崎智史、宋在烈、張偉弦、奈良安雄、安平 光雄、大塚文雄、有門経敏、中村邦雄、角嶋邦之、パー ルハット・アヘメト、筒井一生、 青木均、岩井洋 “Sub-100 nm High-k MOSFET の高周波歪み特性” 第 53 回応用物 理学会 No.2 pp.934 (2006 年 3 月)武蔵工業大学 9. 小林勇介、V.Hariharan、角嶋邦之、筒井一生、岩井洋、 R.Rao “FinFET のゲート-ソース/ドレイン間寄生効果の 素子形状依存性” 第 53 回応用物理学会 No.2 pp.934 (2006 年 3 月)武蔵工業大学 10. 角嶋邦之、パールハット・アヘメト、筒井一生、岩井洋 “La2O3の次世代ゲート絶縁膜への応用” 第 67 回応用物 理学会 No.0 pp.73 (2006 年 8 月)立命館大学 11. 川那子高暢、椎野康洋、アンシャー・サウッディン、角 嶋邦之、パールハット・アヘメト、筒井一生、杉井信之、 服部健雄、岩井洋 “Sc2O3ゲート絶縁膜を用いたMISFET の作製と特性評価” 第 67 回応用物理学会 No.0 pp.718 (2006 年 8 月)立命館大学 12. 佐藤創志、舘喜一、角嶋邦之、パールハット・アヘメト、 筒井一生、杉井信之、服部健雄、岩井洋 “電子ビーム蒸 着時の酸素供給によるLa2O3 膜の熱安定性向上効果” 第 67 回応用物理学会 No.0 pp.718(2006 年 8 月)立命 館大学 13. 大石善久、永廣侯治、塩澤崇史、パールハット・アヘメ ト、角嶋邦之、筒井一生、岩井洋 “AI層界面挿入によ るN+-Si基板上Niシリサイドの耐熱性向上” 第 67 回応 用物理学会 No.0 pp.773(2006 年 8 月)立命館大学 14. 足立学、永廣侯治、塩澤崇史、パールハット・アヘメト、 角嶋邦之、筒井一生、岩井洋 “異種金属の PSMD(モノ シリサイド形成後金属添加)法による NiSi の耐熱性向 上” 第 67 回応用物理学会 No.0 pp.774(2006 年 8 月) 立命館大学 15. 小林勇介、 V.Hariharan、 角嶋邦之、 R.Rao、 岩井洋 “FinFET の寄生効果低減の為のゲート-ソース/ドレイン間素子形 状の最適化” 第 67 回応用物理学会 No.0 pp.800(2006 年 8 月)立命館大学 16. 岡本晃一、宋在烈、福山亨、角嶋邦之、パールハット・ アヘメト、筒井一生、杉井信之、服部健雄、岩井洋 “La2O3 MIMキャパシタ電気特性の熱処理依存症” 第67 回応用 物理学会 No.0 pp.719(2006 年 8 月)立命館大学 17. 松田徹、野平博司、池永英司、小林勇介、金成国、岡下 勝巳、佐々木雄一朗、伊藤裕之、角嶋邦之、筒井一生、 水野文二、服部健雄、岩井洋 “プラズマドープしたボロ ンの化学結合形態とその深さ方向分布の Spike RTA によ る変化” 第 67 回応用物理学会 No.0 pp.770(2006 年 8 月)立命館大学 18. 岩井洋 “NanoCMOS の今後の15 年の展望” シンポジウ ム「NanoCMOS の今後の 15 年の展望とその技術課題」 pp.2-11(2006 年 9 月)早稲田大学小野記念講堂 19. 白石賢二、武内英樹、赤坂泰志、中山隆志、宮崎誠一、 中岡高志、太田晃生、渡部平司、梅澤直人、パールハッ ト・アヘメト、鳥居和功、知京豊裕、奈良安雄、Tsu-Jae King Liu、 山田啓作、 岩井洋 “High-k/metal ゲートでのフェ ルミレベルピニングのメカニズム解明とその解決法” シンポジウム「NanoCMOS の今後の 15 年の展望とその 技術課題」 pp.28-37(2006 年 9 月)早稲田大学小野記念 講堂 20. 筒井一生、佐々木雄一朗、眞嶋健太、深川洋太郎、相庭 一穂、桧垣良太、金成国、ヘンドリーアンシャー・サウッ ディン、伊藤裕之、水野文二、角嶋邦之、パールハット・ アヘメト、岩井洋 “10nm ソース・ドレイン接合深さを 実現するプラズマドーピング技術” シンポジウム 「NanoCMOS の今後の 15 年の展望とその技術課題」 pp.62-69(2006 年 9 月)早稲田大学小野記念講堂 21. 水野文二、佐々木雄一朗、金成国、岡下勝巳、伊藤裕之、 筒井一生、ヘンドリーンアンシャー・サウッディン、筒 井一生、岩井洋 “プラズマドープされた不純物層の測定 手法” シンポジウム「NanoCMOS の今後の 15 年の展望 とその技術課題」pp.70-75(2006 年 9 月)早稲田大学小 野記念講堂 22. パールハット・アヘメト、角嶋邦之、筒井一生、岩井洋 “Sub-1nm EOTを実現するLa2O3 high-k ゲート絶縁膜技 術” シンポジウム「NanoCMOSの今後の 15 年の展望と その技術課題」pp.76-83(2006 年 9 月)早稲田大学小野 記念講堂 23. 角嶋邦之、中川昌幸、筒井一生、岩井洋 “40GHzRF 測定 による 50nm ゲート長 High-kCMOS の誘電分散の評価” シンポジウム「NanoCMOS の今後の 15 年の展望とその 技術課題」pp.134-138(2006 年 9 月)早稲田大学小野記 念講堂 ■ 研究費の取得状況(平成 18 年度) 科学研究費補助金 (主な研究資金として) <特定領域> 3次元構造 MOSFET のロバストネス 平成 18 年度~21 年度 平成 18 年度 1,140 万円 政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として) <独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 平 成 18 年度受託事業> 次世代半導体材料・プロセス基板(MIRAI)プロジェクトに おける先導研究 平成 18 年度~19 年度 平成 18 年度 直接経費 1,740 万円 間接経費 260 万円 共同研究(上記を除く) 3件 直接経費 1,496.7 万円 間接経費 430.8 万円 37 奨学寄附金 4件 Processes, and Equipment, Canada, 2005, Co-organizer ・ 7th International Conference on Solid-State and Integrated Circuits Technology, Beijing, China, General Co-Chairs 440 万円 ・ Dielectrics for Nanosystems:Materials Science, Processing, Reliability, and Manufacturing, Proceedings of the First International Symposium, ECS, 2004, Co-organizer ■ 研究室の在籍者(平成 18 年度中) 学部学生 大学院修士課程在籍者 大学院博士課程在籍者 研究生 受託研究員 民間等共同研究員 その他ポスドク等 1( 0) 11( 1) 6( 2) 0( 0) 0( 0) 5( 1) 0( 0) (内留学生人数) ・ IEEE EDS, President (2004.1~2005.12) ・ IEEE EDS, Junior Past President (2006.1~2006.12) ・ IEEE TAB, Member ・ Andrew Grove Award Committee, Member ・ IMFEDK, International Committee Chair ■ 特許(平成 18 年度) ・ ECS Electronics Division, Executive Committee member 出願 ・ IJHSES(International Journal of High Speed Electronics and Systems), Coeditor-in-chief 1件 ・ ECS Symp on ULSI Process Integration, Committee Member ■ 海外渡航の回数(平成 18 年度) ・ Microelectronics Reliability, Regional Editor 26 回 ・ IEEE EDS Region Chapter Committee, Member ■ 学会役員(平成 18 年度) ・ IEEE MIEL, Program Vice Chair 国内学会 ・ 電気学会 高度ワイヤレスユビキタス社会を支える超高 速デバイス・回路技術調査専門委員会 委員 継続中 ・ Investigation Committee, the Institute of Electrical Engineers, Member ・ IEEE EDS, Distinguished Lecturer 海外委員会 ・ 2006 International Workshop on Nano CMOS (IWNC), Genral Chair ,Mishima ,in Japan ・ 2005 The 9th Workshop and IEEE EDS Mini-colloquia an NAnometer CMOS Technology Nanoelectronics Workshop in Japan, General Chair ・ 2005 The 5th International Technology:2005, General Chair Workshop on Junction ・ 2005 Semiconductor Technology (ISTC 2005)Assistant Editors ■ 政府、自治体その他公的団体の委員等(平成 18 年度) ・社団法人 電子情報技術産業協会 半導体技術ロード マップ諮問委員会 諮問委員 2005 年 1 月~2007 年 3 月 ・社団法人 電子情報技術産業協会 編集顧問会 顧問 2002 年 5 月~2006 年 5 月 ・科学技術振興機構 領域アドバイザー 継続中 ・文部科学省科学技術政策研究所 科学技術動向研究セン ター 専門調査委員 継続中 ・ 2005 The 2005Semi-ECS-ISTC Executive Committee, Shanghai, China, March 15-17, 2005 ・社団法人 電子情報通信学会 編集顧問会 編集顧問 ・ ECS 10th International Symposium on Silicon Materials Science and Technology, USA, 2006, Co-chair ・社団法人 電子情報通信学会 ・ ECS 208th Meeting, Third International Symposium on High Dielectric Constant Gate Stacks, USA, 2005, Co-organizer, ・社団法人 電子情報通信学会 Electronics Express 編集委員 ・ IWJT 2005, General Chair, ・ ECS 207th Meeting, Advanced Gate Stack, Source/Drain, and Channel Engineering for Si-Based CMOS: New Materials, 38 2003 年 5 月~2006 年 5 月 英文論文誌 C 編集委員 会 アドバイザリィ 継続中 会 編集委員 継続中 ・社団法人 電子情報通信学会 論文賞委員会 投票委員 継続中 ・IEICE Electronics Express 編集委員会 編集委員 継続 ■ 関連イベントへの協力・参加状況(平成 18 年度) 中 1. シンポジウム「Nano CMOS 今後 15 年の展望とその技術 ■ 記事(平成 18 年度) 1. 巻末座談会 志村幸雄、岩井洋、江刺正喜“マイクロ/ ナノ技術の向こう側 半導体と MEMS/NEMS の展望” エンジニアズ カラーズ 3 号(2006 年 5 月)pp.4-9 ■ イノベーション研究推進体への参加状況(平成 18 年度) 超低消費電力・超高速情報通信用ナノデバイス集積回路の 研究 -ナノデバイスの限界追求と新たな応用の研究- 研究領域 (Ⅱ)情報通信 (Ⅳ)ナノテクノロジー・材 料 研究代表者 ■ 21 世紀COEプログラムへの参加状況(平成 18 年度) 1. 拠点のプログラム名称:フォトニクスナノデバイス集積 工学 用 務 地:中国 北京 用 務 先:清華大学 出張日程:平成 18 年 7 月 9 日―11 日 2. 拠点のプログラム名称:フォトニクスナノデバイス集積 工学 用 務 地:フランス グルノーブル、スイス モント ルー 用 務 先:LETI(Laboratoire d’electronique et de technologie de l’information,Grenoble, France) I N P G(Institute National Polytechnique Grenoble, France) ESSDERC/ESSCIRC(会議名) 出張日程:平成 18 年 9 月 14 日―24 日 3. 拠点のプログラム名称:フォトニクスナノデバイス集積 工学 用 務 地:香港 用 務 先:香港城市大学、香港中文大学、香港科伎大 学、マイクロファブリケーションセンター、 香港大学 TENCON(会議名) 出張日程:平成 18 年 11 月 11 日―15 日 4. 拠点のプログラム名称:フォトニクスナノデバイス集積 工学 用 務 地:インド、カルカッタ バングラデシュ、ダッ カ 用 務 先:インド、カルカッタ大学、バングラディシュ、 バングラデシュ工科大学 出張日程:平成 18 年 12 月 16 日―24 日 課題」 2006 年 9 月 11 日 主催:IEEE EDS Japan Chapter 会場:早稲田大学小野記念講堂 講演:・ 岩井洋 “NanoCMOS の今後の 15 年の展望 ・ 白石賢二 “High-k/metal ゲートでのフェルミレ ベルピニングのメカニズム解明とその解決法” ・ 筒井一生 “10nm ソース・ドレイン接合深さを 実現するプラズマドーピング技術” ・ 水野文二 “プラズマドープされた不純物層の 測定手法” ・ パールハット・アヘメト“Sub-1nm EOTを実現 するLa2O3 high-k ゲート絶縁膜技術” ・ 角嶋邦之 “40GHzRF 測定による 50nm ゲート 長 High-kCMOS の誘電分散の評価” 39 40 情報系分野 腰原プロジェクト <非平衡超高速光電デバイス材料の開発と評価> プロジェクトリーダー 腰原 伸也教授 研究期間 平成17年度~平成20年度 研究費総額 約12億円 研究資金ソース 科学技術振興機構(ERATO プロジェクト等) ■ 研究内容 現代高度情報化技術を支えている電子システムは、電子機能部分には無機半導体材料が、コンデンサー には誘電体が、情報記憶材料には磁性体やガラス材料が、電力流路には超伝導体など、その役割に応じた 種々の電子、光電子機能を有する材料によって構成されている。しかしこれらの既存材料においては、い ずれも均一で静的な構造を舞台とする電子状態(基底状態)により規定される枠組みが、材料の基本性質 を決定している。この既成概念を乗り越えて、高効率、動的かつ超高速に応答する新規な光電的機能材料 の可能性を切り開くためには、固体内の電子状態や磁気的(スピン)状態さらにはその空間的分布が、結 晶のメゾスコピックな動的構造変化(非平衡状態)と協同的に強く結合した材料(非平衡強相関材料)を 開拓することが必要不可欠である。 本研究が指向する非平衡強相関物質は、動的な結晶構造変化を積極的に利用する物である。この研究か らは、光による磁性体、誘電体のスイッチングを、高感度かつ THz 領域の応答速度で達成できる全く新規 な光デバイス材料の創成が期待できる。実際学術的視点で報告してきた、光誘起磁性(光制御型磁石) 、 光誘起強誘電体(コンデンサーの光制御)は、今日のスピントロニクス等の、応用も含めた新分野として 展開しつつある。本プロジェクトでは、この研究を発展させ、従来の材料を大きく凌駕する高感度を有し つつ、フェムト秒(1000 フェムト秒=1ピコ秒は、1THz の振動1周期に対応)領域で誘電関数、スピン 状態等が変化する物質とそのデバイス応用探求を行う。またこの種の材料開発にとって必須の、超高速動 的観測が可能な X 線観測技術の開発も、併せて実施する。 ■ 新産業創造・新分野開拓の可能性 本研究からは、静的半導体構造への電荷ドーピングという従来のデバイスの枠組みとは大きく異なる、 動的構造という新原理に基づくデバイスの登場が期待できる。申請者が本学教官(宗片教授)と共同で実 例を世界で初めて報告してきた、 「半導体光磁石」などはその一例である。また開発中の超高速動的 X 線 観測技術も、現在の構造科学や、X 線並びにその周辺産業の枠組みを大きく変革する可能性を持っている。 ■ 研究参加者 国内:京都大学、大阪市立大学、東京工業大学応セラ研、高エネルギー・加速器研究機構、物質材料研 究機構 国外:レンヌ第一大学(University of Rennes 1)、ベルサイユ大学(University of Versailles)、エコール・ポリ 41 テクニーク(Ecole Polytechnique)、ヨーロッパ放射光施設(ESRF: European Synchrotron Radiation Facility)、オックスフォード大学(Oxford University)、ローレンスバークレー国立研究所(LBNL: Ernest Orlando Lawrence Berkeley National Laboratory)、ブラツワフ工科大学(Technical University of Wroclaw, Poland) ■■■ 平成18年度主要トピックス ■■■ 1.新しい電荷秩序型有機結晶における、THz 域超高速、超高感度の光応答の発見 (C2H5)2(CH3)2Sb[Pd(dmit)2]2は、Pd(dmit)2分子が強く二量体化し、二量体当たり一個の不対電子を持つ整 数フィリング系である。この為、室温付近では強相関絶縁体であるが、0 価の二量体の安定性が非常に高 い為、温度低下により 70K付近で相転移し、0 価と 2 価の二量体に分離した電荷分離絶縁体相が発現する。 我々は、この系において 100fs(10THzに相当)を上回る速さで発生する光誘起相転移を実現できる事を確認 した。またこの相転移に伴い、通信波長帯域での反射率が 20-30%以上変化する巨大応答を示す事も確認 した。高速光通信技術において、ネットワーク中を伝送されてきた光の切り替え、分配を行うためには、 光を一旦電気信号に変換する必要があった。しかし、より高速大容量の次世代光通信を実現するためには、 光によって光を直接制御する「光スイッチ」が必要不可欠であると考えられている。この成果は「光スイ ッチ」の実現に向けた新しい材料開発の指針となると思われる。なお本研究は、理化学研究所田村雅史博 士、加藤礼三博士との共同研究である。 2.非平衡強相関材料開拓に向けたサブナノ秒分解 X 線回折ビームラインの完成 現在利用されている半導体、絶縁体等の材料においては、その基本的構造・機能は時間的に不変で、安 定したものであることが求められてきた。もし、光や電場等の外場刺激により、絶縁体から金属相へ巨視 的・基本的機能が動的に変化してしまう、といった動的に変化・応答する材料(非平衡物質)が実現され れば、現代のエレクトロニクス技術の大きな方向転換を生み出すこととなろう。本プロジェクトでは、こ のような構造と材料特性が強く、動的に結合した新材料の開発を進めるために、結晶構造変化をミリ秒か らピコ秒領域に亘る幅広い領域で観測し、動的機能の発現機構をナノメートル以下の空間領域で解明する ための装置を開発した。その全体図を図1に示す。本装置を利用して、放射光とフェムト秒レーザ光を同 期させる装置の一層の技術開発を推進するとともに、生命科学を含む広範囲な分野にとって今後必要不可 欠となる動的構造(分子動画)観測技術の確立を目指している。 平成 18 年度は、高エネルギー加速器研究機構 PF-AR 放射光施設に、新規ビームライン(NW-14)を完 成させた。昨年度に引き続き、夏期シャットダウンを利用して、光学ハッチ内の光学コンポーネントの設 置・調整、XAS 等にも使える広波長域に対応した新たな X 線発生用アンジュレータの増設開発、実験用回 折計の設置・調整などを行い、2006 年 10 月、無事に2台のアンジュレータからのビームを得ることがで き(各々のアンジュレータから得られた X 線スペクトルを図2に示す)。現在パルスレーザーと組み合わ せたピコ秒時間分解 XAS 実験も含めた新たな観測手法開発実験を試行中である。 42 図1:時間分解構造解析用ビームラインの配置図(KEK, PF-AR:NW14) 図2:NW14 ビームラインに組み込まれた2台のアンジュレーター から得られた X 線光のスペクトル 43 ■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ ■ 研究業績 (平成 18 年 1 月-12 月) が生み出した「瓢箪から駒」-”固体物理 Vol.41、No.3、 171、 2006 研究論文 1. Shin-ya KOSHIHARA, Shin-ichi ADACHI, “Photo-induced Phase Transition in Electron-lattice Correlated System - Future role of time-resolved X-ray measurement for materials science-, “Journal of the physical Society of Japan. Vol. 75, No1. January, 2006, 011005 2. M.Sugita, N.Ishikawa, T.Ishikawa, S.Koshihara and Y.Kaizu, ”Static Magnetic-Field-Induced phase Lag in the Magnetization Response of Tris(dipicolinate)lanthanides”, Inorganic Chemistry Vol.45, No.3, 2006, pp.1299-1304 3. Pance Naumov, Kenji Sakurai, Toru Asakura, Alexei A. Belik, Shin-ichi Adachi, Junichi Takahasi and Shin-ya Koshihara, ”Photoinduced phase transition of coordinationally unsaturated d9 metal centers within the thermal hysteresis of the spin exchange interaction”, Chem. Commum., 2006,1491-1493 4. H. Seo、Jaime Merino、H. Yoshioka, M. Ogata, ”Theoretical Aspects of Charge Ordering in Molecular Conductors”, J. Phys. Soc. J. vol.75 051009(2006). 5. Hideki Yamochi, Gunzi Saito, Shin-ya Koshihara, ”Ultra-fast and Highly Efficient Photo induiced Phase Transition in (EDO-TTF)2PF6”, Mol. Cryst. Liq. Cryst. Vol. 455,103-120(2006) 6. Takahashi Jun-ichi, Mano Keisuke and Yagi Toshirou, ”Raman lasing and cascaded coherent anti-Stokes Raman scattering of a two-phonon Raman band”, OPTICS LETTERS Vol. 31 1501(2006) 7. P. Naumov, K. Sakurai, T. Asaka, A.A. Belik, S. Adachi, J. Takahashi, S. Koshihara , “Structural basis for the phase switching of bisaminecopper(II) cations at the thermal limits of lattice stability”, Inorganic Chemistry 45, 5027-5033 (2006). 8. 9. Hiroki Taniguchi, Jianding Yu, Yasutomo. Arai, Toshirou Yagi, Desheng Fu and Mitsuru Itoh “In Situ Raman Scattering Study on Successive Crystallization of Bulk BaTi2O5 Glass”, Ferroelectrics in press Desheng Fu, Yosuke Arima, Hiroki Taniguchi, Tomoyasu Taniyama, Mitsuru Itoh, Jianding Yu, and Shin-ya Koshihara, ”Conductive boundary layer in CaCu3Ti4O12 with giant-dielectric-response”, Ferroelectrics in press 著書・解説記事 1. 44 腰原伸也, 石川忠彦, Matthieu Chollet, Laurent Guerin, 恩 田健, 足立伸一, 田崎遼子, Xianfeng Shao, 矢持秀起, 斉 藤軍治、 “A2Bタイプ電荷移動錯体における超高速絶縁体 -金属光誘起相転移 -光と 1/4 フィルドと電荷秩序 2. 余野建定・石川毅彦・伊藤 満・符 徳勝、 “酸素欠損六 方晶BaTiO3の巨大誘電応答” 、固体物理 Vol.41、No.3、 187、 2006 3. 足立伸一、腰原伸也、 “時間分解X線回折法による光誘 起相転移現象の研究” 、レーザー研究、34 538(2006) 4. “分子結晶における金属―絶縁体 腰原伸也、矢持秀起、 相転移系の超高速・高効率光制御” 、学術月報 Vol.59、 No.11、p14-19、Nov.2006 国際会議 1. S. Koshihara, “Photo-induced insulator-to-metal Phase Transition in Molecular Charge Ordered System”, Ultrafast Phenomena in Cooperative Systems, Gordon research Conference 2006, February 5-10, Santa Barbara, UA 2. Ken Onda、"Ultrafast Photo-induced Insulator-to-Metal Phase Transition in (EDO-TTF)2PF6"46th IUVSTA Workshop & 5th International Symposium on Ultrafast Surface Dynamics, May Abashiri, Hokkaid 3. Ken Onda, "Nature of Photo-induced Metallic Phase in (EDO-TTF)2PF6 Studied by Ultrafast IR Spectroscopy". International Conference on Science and Technology of Synthetic Metals (ICSM) 2006, July, Trinity College, Dublin, Ireland. 4. S. Koshihara,” PHOTO-INDUCED INSULATOR-TO-METAL PHASE TRANSITION IN MOLECULAR CHARGE ORDERED SYSTEM”, France-Japan Symposium on Molecular Materials: Electronics, Photonics and Spintronics Rennes France March 16-19, 2006, Rennes, France, Invited. 5. S. Koshihara,” Role of Molecular Charge Orderd System in Ultrafast Photonic Science”, First France-Japan Advanced School on Chemistry and Physics of Molecular Materials, Rennes France 2006 March 19-23 6. M. Chollet, L. Guerin, T. Ishikawa, S. Koshihara, K. Matsuda, A. Ota, H. Yamochi and G. Saito, ” Ultrafast and Sensitive Photo-induced Phase Switching in 1/4 Filled A2B Salt (EDO-TTF)2PF6” First France-Japan Advanced School on Chemistry and Physics of Molecular Materials、2006 March 7. T. Sato, S. Nozawa, A. Tomita, M. Kitaya, J. Takahashi, S. Adachi, E. Hanamura, S. Koshihara, “Determination of Valence and Site of Mn and Ti ion in Mn-doped or Ti-doped MgAl2O4 Crystal Utilizing X-ray Absorption Measurement”, First France-Japan Advanced School on Chemistry and Physics of Molecular Materials、2006 March 8. 9. A.Tomita, T. Sato, M. Chollet, S. Nozawa, R. Tazaki, J. Takahashi, L. Guerin, E. Collet, M. Daimon, H. Sawa, H. Kawata, S. Adachi, S. Koshihara,” Electron Density Analysis of TTF-CA in Neutral and Ionic Phases Utilizing Synchrotron Radiation” First France-Japan Advanced School on Chemistry and Physics of Molecular Materials、2006 March Ken Onda, Tadahiko Ishikawa, Matthieu Chollet, Xiangfeng Shao, Hideki Yamochi, Gunzi Saito, Shin-ya Koshihara, “Ultrafast Photo-induced Insulator-to-Metal Phase Transition in (EDO-TTF)2PF6”, XXIst IUPAC Symposium on Photochemistry, Kyoto 2006 April 2-7, 10. H. Yamochi, X. Shao, A. Nakano,G. Saito, K. Onda, T. Ishikawa, R. Tazaki, S. Adachi, and S. Koshihara. “Experimental Results of the Thermally- and Photo-Induced Phase Transitions in (EDO-TTF)2PF6” Satellite Symposium of Ⅶth International Congress of Material-oriented Quantum Chemistry (MOQC),May 27 - 29, 2006, Senri Life Science Center (5F SCIENCE HALL), Osaka, Japan. 11. Shunsuke Nozawa, Tokushi Sato, Ayana Tomita, Kotaro Ishiji, Toshiaki Iwazumi, and Shin-ya Koshihara,” The Photo-Induced Structural Effect in Quantum Paraelectric SrTiO3 Probed by X-ray Spectroscopic Method”, 8th Russia/CIS/Baltic/Japan Symposium on Ferroelectricity (RCBJSF-8), 2006 May 15-19, Tukuba 12. Jianding Yu, Yasutomo Arai, Mitsuru Itoh, and Desheng Fu,” Dielectric Properties of Oxygen Deficient-Hexagonal BaTiO3 Single Crystal Grown by FZ Method”, 8th Russia/CIS/Baltic/Japan Symposium on Ferroelectricity (RCBJSF-8), 2006 May 15-19, Tukuba 13. Desheng Fu, Yosuke Arima, Hiroki Taniguchi, Tomoyasu Taniyama, Mitsru Itoh, Jianding Yu, and Shin-ya Koshihara,” Conductive Boundary Layer in CaCu3Ti4O12 with Giant-Dielectric-Response”, 8th Russia/CIS/Baltic/Japan Symposium on Ferroelectricity (RCBJSF-8), 2006 May 15-19, Tukuba 14. S. Adachi,” Time-resolved experiments in daily single bunch mode: Current status of beamline NW14A at the Photon Factory Advanced Ring”, Workshop on Time-resolved and Laue X-ray Crystallography May 6-8, BioCars/APS Argonne, Illinois USA 15. S. Adachi,” Picosecond-Resolved X-ray Diffraction and XAFS Experiments Feasible at the Beamline NW14A, Photon Factory Advanced Ring”, Ninthinte International Conference on Synchrotron Radiation Instrumentation, May 28-June 2, 2006, DAEGU EXICO Korea 16. S. Nozawa,” Performance of a New Time-Resolved Diffraction/XAFS Beamline NW14A at the Photon Factory Advanced Ring”, Ninthinte International Conference on Synchrotron Radiation Instrumentation, May 28-June 2, 2006, DAEGU EXICO Korea. 17. Desheng Fu, Hiroki Taniguchi, Tomoyasu Taniyama, Mitsuru Itoh, Jianding Yu, and Shin-ya Koshihara.” Giant dielectric response in a-, c-axis hexagonal-BaTiO3 single crystals”, The 5th Asian meeting on ferroelectricis、2006 September, Noda, 18. S.Koshihara, “Ultrafast Photonic Switching Based on Molecular Crystals”, Japan-India Meeting on Molecular and Supramolecular Materials, Feb.16-18, 2006, Tokyo, Japan 19. 恩田健、荻原将、石川忠彦、M.Chollet、X.Shao、矢持秀 起、斉藤軍治、腰原伸也、”有機伝導体(EDO-TTF)2PF6 の超高速・高効率光誘起相転移とコヒーレント制御”, 18th Symposium on Chemical Kinetics and Dynamics, June19-21, 2006, Niigata, Japan 20. K.Onda, S.Ogihara, T.Ishikawa, M.Chollet, X.Shao, H.Yamochi, G.Saito, and S.Koshihara, “Ultrafast Photo-induced Insulator-to-Metal Phase Transition in (EDO-TTF)2PF6”, 46th IUVSTA Workshop & 5th International Symposium on Ultrafast Surfase Dynamics, May21-25, 2006, Hokkaido, Japan 21. S.Koshihara, T.Ishikawa, Y.Okimoto, S.Adachi, M.Takesada, H.Cailleau, E.Collet, H.Yamochi, G.Saito, Desheng Fu and M.Itoh, “Gigantic Ultrafast Photo-Response in Dielectric Materials with Exotic Charge and Structural Fluctuations”, The 5th Asian Meeting on Ferroelectric, Sep.3-7, 2006, Chiba, Japan 22. J.Itatani, M.Rini, A.Cavalleri, R.W.Schoenline, K.Onda, S.Koshihara, T.Ishikawa, X.Shao, H.Yamochi and G.Saito, “Ultrafast Gigantic Photo-Response in (EDO-TTF)2PF6 Initiated by 10-fs Laser Pulses”, Ultrafast Phenomena 2006 (Pacific Grove, CA), Aug.1-8, 2006, 国内会議 1. 恩田 健、 “有機超伝導体の超高速光誘起相転移とコヒ ーレント制御の可能性” 、電子情報通信学会超高速光エ レクトロニクス研究会、2006、3月 17 日、上智大学 http://www.ieice.org/~femto/jpn/ 2. “有機超伝導体の超高速光誘起相転移とコヒ 恩田 健、 ーレント制御の可能性” 、分子科学研究所研究会「凝縮 系のコヒーレント制御」 、2006、3月2日 http://www.ims.ac.jp/events/2005/060302.html 3. 恩田 健、”干渉2光子相関法を用いた固体表面のsub- 10 フェムト秒ダイナミクス” 、PFシンポジウム、2006、 3月 24 日、http://pfwww.kek.jp/pf-sympo/23/index.html 4. 恩田健,荻原将,石川忠彦,Matthieu Chollet,Xiangfeng Shao,矢持秀起,斉藤軍治,腰原伸也、 (EDO-TTF)2PF6 45 5. 6. の超高速光誘起相転移における中赤外領域の反射率変 ームライン KEK PF-AR NW14A での時間分解 X 線吸収 化” 、日本物理学会第 61 回年次大会、2006 3月 松山 測定” 、日本物理学会 2006 年秋季大会 千葉 石川忠彦,関敬司,栗田雅章,腰原伸也,武貞正樹,伊 15. 中島良平,三井主成,石川忠彦,恩田健,沖本洋一,腰 藤満“、量子常誘電体 SrTiO3 における相制御に伴う光伝 原伸也,田村雅史,加藤礼三、 “Pd(dmit)2 塩の電荷分離 導変化 II” 、日本物理学会第 61 回年次大会、2006 3月 相における光誘起相転移の探索” 、日本物理学会 松山 2006 年秋季大会 千葉 野澤俊介,佐藤篤志,富田文菜,石地耕太朗,岩住俊明, 16. 飯田敬,孫珍永,田久保耕,溝川貴司,石川忠彦,腰原 腰原伸也、 “X線吸収分光法を用いた量子常誘電体SrTiO3 伸也,武貞正樹,伊藤満、 “紫外光励起下の SrTiO3 の光 の光誘起効果” 、日本物理学会第61 回年次大会、2006 3月 電子分光” 、日本物理学会 2006 年秋季大会 千葉 松山 7. 8. 符徳勝,伊藤満,腰原伸也、“六方晶 BaTiO3 の低温相 一柳光平,野澤俊介,大門正博,河田洋,澤博,L.Guerin, 転移及び Ca 置換効果” 、 日本物理学会第 61 回年次大会、 E.Collet,P.Rabiller,腰原伸也、 “放射光を用いた単結晶 2006 3月 松山 TTF-CA の精密構造解析と電子密度解析” 、日本物理学会 妹尾仁嗣,加藤岳生,求幸年、 “擬 1 次元分子性導体の 有限温度物性の数値的研究” 、日本物理学会第 61 回年次 大会、2006 3月 松山 9. 17. 富田文菜,佐藤篤志,M.Chollet,田崎遼子,足立伸一, 吉岡英生,土射津昌久,妹尾仁嗣、 “充填率 1/4 擬一次元 分子性導体の電荷秩序に対する鎖間平均場を用いたア 2006 年秋季大会 千葉 “Sub-10 fs surface dynamics by time-resolved 18. Ken Onda、 two-photon photoemission spectroscopy” 、日本物理学会 2006 年秋季大会 千葉、招待 19. 恩田健,荻原将,石川忠彦,沖本洋一,Shao Xiangfeng, プローチ” 、日本物理学会第 61 回年次大会、2006 3月 矢持秀起,斉藤軍治,腰原伸也、 “時間分解赤外分光法 松山 による電荷移動型錯体の超高速光誘起相転移の研究”、 10. 米山逸平,符徳勝,谷口博基,谷山智康,伊藤満、 “リ ラクサーPb(Sc1/2Ta1/2)O3 の高圧物性に及ぼす B サイト 秩序度の影響” 、 日本物理学会第 61 回年次大会、 2006 3 月 松山 11. 谷口博基,余野建定, 荒井康智、八木駿朗、符徳勝、伊藤 満、“BaTi2O5 ガラスの結晶化過程” 、日本物理学会第 61 回年次大会、2006 3月 松山 12. 腰原伸也、足立伸一、野澤俊介、田崎遼子、L. Geurin、 佐藤篤志、富田文菜、一柳光平、M. Chollet、河田 洋、 澤 博、大門正博、 “パルス X 線とフェムト秒レーザー による動的構造解析” 、第 19 回 配位化合物の光化学討 論会 2006 8 月 2 日、文部科学省研究交流センター(つ くば) 13. 一柳光平、足立伸一、佐藤篤志、野澤俊介, 腰原伸也、 “放 射光(NW14A, KEK PF-AR)を用いたレーザー誘起衝撃 圧縮下のピコ秒時間分解ラウエ X 線回折測定” 、日本物 理学会秋季大会、2006 9月 千葉 分子構造総合討論会 2006、9月20日-23日、グランシップ静 岡 20. 恩田健、 “(EDO-TTF)2PF6 超高速光誘起相転移の励起バ ンド依存性” 、 「ナノ光制御による巨視的秩序形成と物性 発現に関する研究」平成18年度 第2回研究会、名古 屋 12 月 15 日-16 日 ■ 研究費の取得状況(平成 18 年度) 科学研究費補助金 (主な研究資金として) <萌芽研究> 強電子–格子結合系における光誘起力学特性変化の探索 平成 18 年度~20 年度 平成 18 年度 130 万円 政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として) <戦略的創造研究推進事業(総括実施型)ERATO> 腰原非平衡ダイナミクスプロジェクト 平成 15 年度~20 年度 平成 18 年度 30000 万円 14. 佐藤篤志、野澤俊介、富田文菜、一柳光平、Laurent Guerin、 大門正博、田崎遼子、足立伸一、腰原伸也、 “新しいビ 46 主 催:JST、NEDO 会 場:東京フォーラム 講 演:腰原伸也「超高速オプトエレクトロニクス有機 新材料の開拓」 受託研究(上記を除く) 1件 1500 万円 ■ 研究室の在籍者(平成 18 年度中) 学部学生 大学院修士課程在籍者 大学院博士課程在籍者 研究生 受託研究員 民間等共同研究員 その他ポスドク等 3 ( ) 4 ( 1) 4 ( 2) 0 ( ) 2 ( 1) 0 ( ) 1 ( 1) (内留学生人数) ■ 特許(平成 18 年度) 出願 1件 ■ 海外渡航の回数(平成 18 年度) 1回 ■ 政府、自治体その他公的団体の委員等(平成 18 年度) ・文部科学省 X 線自由電子レーザー利用推進協議会 委員 2006 年 3 月-2007 年 3 月 ・文部科学省科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会専 門委員 2005 年 6 月-2007 年 1 月 ・日本学術振興会科学研究費委員会 専門委員 2006 年 1 月 -2006 年12 月 ・高エネルギー加速器研究機構 客員教授 2006 年 5 月- 2007 年 3 月 ・化学技術戦略推進機構研究推進委員会 委員 2004 年 4 月 -2007 年 6 月 ■ イノベーション研究推進体への参加状況(平成 18 年度) 「動的構造解析法による非平衡ナノダイナミクスの研究」領 域代表者 ■ 21 世紀COEプログラムへの参加状況(平成 18 年度) 化学 COE「分子多様性の創出と機能開拓」事業推進担当者 ■ 関連イベントへの協力・参加状況(平成 18 年度) 1. イノベーションジャパン 開催日:2006 年 9 月 13 日 47 48 物質系分野 細野プロジェクト <透明酸化物の機能開拓と応用展開> プロジェクトリーダー 細野 秀雄 教授 研究期間 平成16年度~平成21年度 研究費総額 約15億円 研究資金ソース 科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業継続研究(ERATO-SORST)、文部科学省科学 研究費、文部科学省 21 世紀 COE プログラム、東京工業大学と民間との共同研究 ■ 研究内容 透明酸化物は資源的に豊富で、かつ、環境調和性に優れている。しかしながら、これまで電子が主役を 演じるアクティブな機能は、殆ど知られていなかった。JST-ERATO「細野透明電子活性プロジェクト」で は、透明性を活かした光・電子・化学機能の探索をおこなってきた。その結果、教科書類に典型的な絶縁 体と記載されている物質の電子伝導体化、20 年来の課題であった室温・空気中で安定なエレクトライド(電 子が陰イオンとして働くイオン結晶)、多結晶シリコン並みの性能をもつ透明トランジスタ、最高の電気伝 導率を持つ透明 p 型半導体などを実現することができた。そして、これらの成果はいずれも結晶構造中に 内包されたナノ構造に起因することを明らかにした。 そこで、本プロジェクトでは、化合物半導体にはみられない酸化物の特徴である、多様な結晶構造やア モルファス構造中に内包されるサブナノ空間や層状構造などの低次元構造を、量子ドットや多重量子井戸 などの量子構造や不安定化学種を安定化させる反応容器などとして積極的に活用することで、透明酸化物 を舞台としたユニークな機能の探索および冷電子放出や高性能透明トランジスタなどの光・電子デバイス や触媒など応用を睨んだ展開をおこなう。これまでに取得した約 60 の基本的な特許(出願中を含む。海外 出願 15)を背景に、実用化に意欲をもつ民間企業を強力に巻き込みプロジェクトを推進する。 ■ 新産業創造・新分野開拓の可能性 透明酸化物という資源的に無尽蔵で、かつ環境調和性に優れている伝統的物質を使って、透明半導体な どの機能材料を実現していくことは、資源・環境という厳しい制約が課されるこれからの材料研究の方向 だと考える。ユビキタス元素を使って新機能を実現するには新しい視点と手法が不可欠であり、基礎的探 索研究と応用展開を一体として推進することで、セラミックスの新しいフロンティアを開拓する。 ■ 研究参加者 【学外】ロンドン大学、ラトビア大学、九州工業大学、名古屋大学、山梨大学+民間企業 49 ■■■ 平成18年度主要トピックス ■■■ 1. 透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)薄膜トランジスタの研究が世界的に立ち上がる! 細野が 1995 年に提唱した TAOS とそれを活性層に用いることで実現した「曲がる透明高性能薄膜トラ ンジスタ」(2004 年 Nature)の研究が世界中で急速に立ち上がった。 5 月には Euro-MRS で Transparent Electronics Symposium が開催され、180 編の論文発表がなされた。その 最後の招待講演で Samsung の Kang 博士は、低温形成可能はいろいろな候補半導体を使って TFT を試作し、 電流ストレス下でのデバイスの疲労(閾値電圧シフト)のデータを発表し、TAOS-TFT が際立って優れた 安定性と高い性能を有することを発表し、有機 EL-TV などのバックプレーンとして極めて有望であると報 告した。この報告は国際的に大きなインパクトを呼び、12 月の IDW では LG と ETRI の合同チームによっ て、TAOS-TFT で駆動する 3.5 インチの有機 EL ディスプレイが発表され、大きな話題となった。また、凸 版印刷は TAOS-TFT アレイをバックブレーンとしたカラー電子パーパを発表した。 東工大とキヤノンは、TAOS-TFT を組み合わせるリング発振器を試作し、実デバイスでキーとなる動的 特性を検討し、結晶も含めて酸化物半導体をつかった最速の値が得られることを示した。また、応用に向 けた TAOS-TFT への急速な関心に応えるために、フロンティアセンターの主催(JST、MEXT 共催)のよ り、11 月に TAOS 2007 という国際シンポジウムを開催したところ、内外から 280 名の参加者が集まり盛 会であった。ここで発表された HP などの TAOS-TFT の液相プロセスに関する発表は、幾つかのマスメ ディアで報道され、この研究テーマに関する関心の高さを窺がわせた。 “Front Drive” Structure for Color E Ink Display Front Drive Structure (Array on CF) Color Filter Array Transparent TFT Array E Ink Imaging Film PET Display can be viewed through transparent TFT array. 図1 50 凸版印刷が IDW’06 で発表した TAOS-TFT を駆使したフロント駆動型カラー電子ペー パー(IDW’06 で最も優れた論文として評価された) 2.新しい構造の酸化物超伝導化合物を発見! 鉄イオンを含んだ新たな層状構造の酸化物 LaOFeP が超伝導体になることを見出した(J.Am.Chem.Soc. Communincation)。これは、従来の銅イオンを含む層状ペロブスカイト構造をとる酸化物高温超伝導体と は異なる結晶構造を持つ、新しい超伝導体です。これまで発見された液体窒素温度を超える高温超伝導体 は全て、銅イオンを含む特定の形状(層状ペブロスカイト化合物)をした化合物でした。遷移金属イオン の電子状態が転位温度に大きな影響を及ぼすことから、銅と異なる遷移金属イオンを含む新しい化合物の 探索が、超伝導への転移温度を向上させる有力な手段のひとつと考えられています。今回、発見した鉄イ オンを含む超伝導化合物は、これまで見出された酸化物超伝導化合物とは異なる結晶構造を有し、一般式 Ln OM Pn(Ln: 希土類イオン、M: 遷移金属イオン、Pn: P,As, Sb など)で表される化合物群の一つです。 LaOFeP 自身の超伝導転移温度は、まだ4K程度と低温ですが、Ln, M 及び Pn イオンの組み合わせを最 適化することにより、電気的・磁気的特性を大きく変化させることが可能なため、超伝導転移温度を飛躍 的に向上できる可能 性があります。また、 銅以外の遷移金属イ オンを含む新しい超 伝導体の発見は、酸 化物における超伝導 出現機構の解明にも 役立つものと期待さ れます。 3.フェムト秒パル ス干渉露光による周 期構造書き込み装置 が市販に! ERATO「細野透明電子活性プロジェクト」で考案した「フェムト秒シングルパルス干渉法」に関する特 許を使って、東京インスツルメント社が透明硬質物質に周期構造を形成させるレーザー加工機として製品 化しました。 右図は、この装置を使ってシリカガラス表面に形成した微 小回折格子のアレイ。 たった一発のレーザーパルスで一つ の回折格子が書き込めます。また、表面だけでなく内部にも 書き込むことも可能です。 51 ■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ ■ 研究業績 (平成 18 年 1 月-12 月) 研究論文 1. 2. 3. 4. 5. Y. OGO, K. NOMURA, H. YANAGI, H. OHTA, T. KAMIYA, M. HIRANO, H. HOSONO: Growth and structure of heteroepitaxial thin films of homologous compounds RAO3(MO)m by reactive solid-phase epitaxy: Applicability to a variety of materials and epitaxial template layers; Thin Solid Films, 496, 64 - 69 (2006) K. MATSUZAKI, H. HIRAMATSU, K. NOMURA, H. YANAGI, T. KAMIYA, M. IRANO, H. HOSONO: Growth, structure and carrier transport properties of Ga2O3 epitaxial film examined for transparent field-effect transistor; Thin Solid Films, 496, 37-41 (2006) K. UEDA, H. HIRAMATSU, M. HIRANO, T. KAMIYA, H. HOSONO: Wide-gap layered oxychalcogenide semiconductors: Materials, electronic structures and optoelectronic properties; Thin Solid Films, 496, 8 -15 (2006) Peter V. SUSHKO, Alexander L. SHLUGER, K. HAYASHI, M. HIRANO and H. HOSONO: Mechanisms of oxygen ion diffusion in a nanoporous complex oxide 12CaO·7Al2O3; PHYSICAL REVIEW B, 73, 014101 (2006) Peter V. SUSHKO, Alexander L. SHLUGER, K. HAYASHI, M. HIRANO and H. HOSONO: Role of hydrogen atoms in the photoinduced formation of stable electron centers in H-doped 12CaO · 7Al2O3; PHYSICAL REVIEW B, 73, 045120 (2006) 6. K. SUGIURA, H. OHTA, K. NOMURA, H. YANAGI, M. HIRANO, H. HOSONO, and K. KOUMOTO: Epitaxial Film Growth and Superconducting Behavior of Sodium-Cobalt Oxyhydrate, NaxCoO2‚ yH2O (x~ 0.3, y~ 1.3); Inorg. Chem., 45, 1894-1896(2006) 7. K. MATSUZAKI, H. YANAGI, T. KAMIYA, H, HIRAMATSU, K, NOMURA, M. HIRANO, and H. HOSONO: Field-induced current modulation in epitaxial film of deep-ultraviolet transparent oxide semiconductor Ga2O3; Appl. Phys. Lett., 88, 092106, (2006). 8. 9. 52 S. W. KIM, Y. TODA, K. HAYASHI, M. HIRANO, and H. HOSONO: Synthesis of a Room Temperature Stable 12CaO・7Al2O3 Electride from the Melt and Its Application as an Electron Field Emitter; Chem. Mater., 18, 1938-1944, (2006). Y. KOHAMA, T. TOJO, H. KAWAJI, T. ATAKE, S. MATSUISHI, and H. HOSONO: Disorder of O2- ion and incorporation of O- and O2- radicals in nanoporous crystal 12CaO·7Al2O3 studied by low-temperature heat capacity measurements; Chem. Phys. Lett., 421, 558-561(2006). 10. K. KAJIHARA, M. HIRANO, L. SKUJA, and H. HOSONO: Role of Interstitial Voids in Oxides on Formation and Stabilization of Reactive Radicals: Interstitial HO2 Radicals in F2-Laser-Irradiated Amorphous SiO2; J. Am. Chem. Soc., 128, 5371-5374, (2006). 11. A. SAITOH, S. MATSUISHI, C.Se-Weon, J. NISHII, M. OTO, M. HIRANO, and H. HOSONO: Elucidation of Codoping Effects on the Solubility Enhancement of Er3+ in SiO2 Glass: Striking Difference between Al and P Codoping; J. Phys. Chem. B. (Letter), 110, 7617-7620, (2006). 12. M. MIYAKAWA, H. KAMIOKA, M. HIRANO, T. KAMIYA, P. V. SUSHKO, A. L. SHLUGER, N. MATSUMAMI, and H. HOSONO: Photoluminescence from Au ion-implanted nanoporous single-crystal 12CaO·7Al2O3; Phys. Rev. B, 73, 205108, (2006). 13. K. KAJIHARA, M. HIRANO, L. SKUJA, and H. 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KAMIOKA, M. HIRANO, T. KAMIYA, and H. HOSONO: Photoluminescence of Au- formed in 12CaO·7Al2O3 single crystal by Au+-implantation; Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 250, 368-371 (2006) 33. H. HIRAMATSU, H. KAMIOKA, K. UEDA, H. OHTA, T. KAMIHARA, M. HIRANO, and H. HOSONO: Opto-electronic properties and light-emitting device application of widegap layered oxychalcogenides: LaCuOCh (Ch = chalcogen) and La2CdO2Se2; Phys. Stat. Sol. (a), 203, 2800-2811(2006) 34. H. YABUTA, M. SANO, K. ABE, T. AIBA, T. DEN, H. KUMOMI, K. NOMURA, T. KAMIYA, and H. HOAONO: High-mobility thin-film transistor with amorphous InGaZnO4 channel fabricated by room temperature rf-magnetron sputtering; Appl. Phys. Lett., 89, 112123(2006) 35. K. KAJIHARA, L. SKUJA, M. HIRANO, and H. HOSONO: In situ observation of the formation, diffusion, and reactions of hydrogenous species in F2-laser-irradiated SiO2 glass using a pump-and-probe technique; Phys. Rev. B, 74, 094202 (2006). 36. S-Wng KIM, K. 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HOSONO: Femtosecond-laser-encoded distributed-feedback color center laser in lithium fluoride single crystal,; Proc. SPIE, 6400, 640007-1-9, (2006). 応性固相エピタキシャル成長法; リガクジャーナル, 37, 3-10, (2006) 4. 戸田善丈、細野秀雄: 電子放出源としてのC12A7エレク トライド; 月刊ディスプレイ、12[6], 18-22(2006) 5. 細野秀雄: 透明半導体:最近の進歩から; マテリアル イ ンテグレーション, 19[6], 49-57(2006) 6. 梶原浩一、細野秀雄: 固体酸化物での酸素の拡散; 化学, 61, 66-67(2006) 7. 細野秀雄: インジウムフリー 透明導電性酸化物; 日本 金属学会関東支部セミナー「材料開発の戦略」テキスト, 1-7(2006) 8. 細野秀雄: a-Siの10倍の移動度と低コストを実現する透 明TFT向け無機半導体技術; FPD 2007, 214-226, (2006). 著書 1. H. HOSONO, D. GINLEY, Y. SHIGESATO, and T. 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HIRANO: Function Cultivation of Transparent Oxides Utilizing Built-in Nanostructure; Bulletin of Chemical Society of Japan, 79, 1-24, (2006). 9. 2. 細野秀雄、谷垣勝巳: 講演会報告「配列ナノ空間を利 用した機能開拓とその応用」 ; 応用物理, 75, 118, (2006). 3. 太田裕道、野村研二、平松秀典、平野正浩、細野秀雄: 反 10. 梶原浩一, 細野秀雄: 7.1 代表的酸化物と光との相互作 用:SiO2 を例として; セラミックス基礎工学講座シリーズ 7「セラミックスの電磁気的・光学的性質」 (セラミッ クス編集委員会 基礎工学講座小委員会編, 2006), 54 124-130, (2006). 幾原雄一,柳博,平野正浩,細野秀雄,河本邦仁: 反応 性固相エピタキシャル成長法を利用した層状コバルト 酸化物エピタキシャル薄膜の作製と熱電特性; 講演奨励 賞受賞記念講演 応用物理学会 2006 年秋季 第67 回応用 物理学会学術講演会(立命館大学びわこ・くさつキャン パス (滋賀県草津市) , 2006年8月29日~9 月1日) , (2006). 11. 細野秀雄, 平野正浩 監修: 透明酸化物機能材料とその 応用; シーエムシー出版, (2006). 12. 神谷利夫: p 型アモルファス酸化物半導体と室温で形成 した pn 接合ダイオード; 「透明酸化物機能材料とその応 用」(シーエムシー出版, 2006/11/24), (2006). 13. 神谷利夫、野村研二、細野秀雄: 酸化物薄膜トランジス タ: 透明結晶TFT からフレキシブルアモルファスTFT ま で; 「システムオンパネルをめざした低温ポリシリコン 薄膜トランジスタの開発( 仮) 」( シーエムシー出 版,2007/2/24), 114-123, (2006). 14. 神谷利夫: 透明酸化物の電子構造概論; 「透明酸化物機 能材料とその応用」(シーエムシー出版, 2006/11/24), 11-32, (2006). 15. 細野秀雄、神谷利夫: 透明金属が拓く脅威の世界 不可 能に挑むナノテクノロジーの錬金術; ソフトバンク ク リエイティブ株式会社 (2006/11/24), (2006). 16. 細野秀雄,神谷利夫: 2.2 電子状態の理解はセラミックス の研究にどう役立つか ~酸化物半導体のバンドライン アップを例として~; セラミックス基礎工学講座シリー ズ7 「セラミックスの電磁気的・光学的性質」 (セラミッ クス編集委員会 基礎工学講座小委員会編,社団法人 日 本セラミックス協会発行, 2006/8/31) 11-17, (2006). 17. 細野秀雄, 神谷利夫: 第 4 章 透明導電膜の新しい展開; 透明導電膜の技術 改訂第 2 版 (日本学術振興会 透明酸 化物光・電子材料第 166 委員会編、オーム社, 2006/12/20), (2006). 18. 細野秀雄, 植田和茂: 第 3 章 透明導電膜の基礎的な性質 は何か; 透明導電膜の技術 改訂第 2 版 (日本学術振興会 透明酸化物光・電子材料第 166 委員会編、オーム社, 2006/12/20), (2006). 19. 松石聡、細野秀雄: 単純な酸化物から生まれた新素材:無 機エレクトライド; エコマテリアルハンドブック(丸善), 457-458, (2006). 招待講演 1. 2. 3. Kenji Nomura, Hiromichi Ohta, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano and Hosono Hosono: Growth of Single-Crystalline Thin Films of homologous Series Oxide Semiconductors by Reactive Solid-Phase Epitaxy; The Korean Association of Crystal Growth (KACG) Fall Meeting, (2006). Toshio Kamiya, Kenji Nomura, Hideo Hosono: Recent progress in amorphous oxide semiconductor: From structure, carrier transport to TFT performance; The 7th International Conference on Nano-Molecular Electronics (ICNME 2004) (2006/12/13-15, Kobe, Japan), SI-2I, (2006). 4. Hideo Hosono: Novel Transparent Oxide Semiconductors and Devices Applications; 1st International Symposium on Transparent Conductive Oxide; Crete, Greece, October 23-25(2006). 5. 細野秀雄: 透明酸化物とレーザーとの相互作用; レーザ 学会東京支部 第 8 回先進レーザー応用セミナー (日吉、 11 月 10 日), (2006). 6. 細野秀雄: 透明電子活性材料; 第 7 回神奈川県産学共同 連携推進戦略フォーラム(9 月 14 日, 横浜), (2006). 7. 細野秀雄: 材料ユビキタス元素戦略; NIMS 元素戦略研究 会 (9 月 13 日つくば), (2006). 8. 細野秀雄: 「透明酸化物半導体の最近の進歩」~曲がる 高性能トランジスタと室温で安定なエレクトライド~; 未踏科学技術協会 特別講演会 材料イノベーション シリーズ第2回、11 月 21 日(火)東京, (2006). 9. Hideo Hosono: Function Cultivation in Trnasparent Oxide Utilizing Built-in and Atrifitial Nanostructure; 16th Iketani Conference on Elerctrochemistry and Thermodynamics of Materials Processing for Sustinable Production (Masuko Symposium) (Pleanary Talk)( Nov.12-15, Tokyo), (2006). 10. Hideo Hosono: Room Temperature Stable Electride: synthesis, properties, and device application; International Conference on Solid State Chemistry on Transition Metal Oxides (Kyoto, Japan, Nov 14-17), (2006). 11. 細野秀雄: 材料ユビキタス元素戦略:ナノ構造と界面を 利用した機能開拓を例に; 第 4 回 NIMS エコマテリアル 研究会(つくば,9 月 13 日), (2006). 12. 細野秀雄、梶原浩一:アモルファス SiO2 の光誘起構造 変化; 応用物理学会「励起ナノプロセス」新領域研究グ ループ 第2回研究会(琵琶湖、8 月 27 日), (2006). 13. 細野秀雄:インジウムフリー透明導電性酸化物; 日本金 属学会関東支部講習会(東京理科大学,森戸記念館,8月 23 日), (2006). 14. 細野秀雄:透明電子活性プロジェクトから生まれたイノ ベーションシーズ; ERATO-25 シンポジウム(東京国際 フォーラム, 6月 30 日), (2006). 15. 細野秀雄: 現代の錬金術と産業化を目指すセラミックス 研究; 東工大窯業同窓会講演会 (6 月 17 日, 東京) , (2006). 16. Koichi Kajihara, Taisuke Miura, Hayato Kamioka, Motoko Uramoto, Yukihiro Morimoto, Masahiro Hirano, Linards Skuja 杉浦健二,太田裕道,水谷篤史,野村研二,齋藤智浩, 55 and Hideo Hosono: Diffusion and reactions of oxygen species in amorphous SiO2; 11th International conference on the physics of non-crystalline solid (Greece), (2006). 29. 細野秀雄: 「現代の錬金術」を目指すセラミックス研究; 第 20 回最新科学機器展/第 8 回軽量計測総合展歳々記念 講演会(名古屋, 4 月 20 日), (2006). 17. Kumomi, Hideo Hosono: Amorphous-Oxide Channel TFTs; Euro Mater. Res. Soc. (2006/5/29-6/2, Acropolis Congress Center, Nice, France), (2006). 30. Hideo Hosono: Transparent Oxide Semiconductors; Euro Mater. Res. Soc. (E-MRS, Symposium on Chalcogenide Phtovoltaics) (May 30-June 2, 2006, Strausburg), (2006). 18. Toshio Kamiya and Hideo Hosono: FORMATION, STRUCTURE AND ELECTRONIC PROPERTIES OF OXIDE / METAL / ORGANIC HETEROINTERFACES; The Second International Conference on the Characterization and Control of Interfaces for High Quality Advanced Materias, and Joing Technology for New Metalic Glass and Inorganic Materials (ICCCI2006) (Kurashiki, Japan, September 6-9, 2006), (2006). 31. Hideo Hosono: Recent Progress in Oxide Semiconductors; International Conference on Optical and Optoelectronic Properties of Materials and Applications ICOOPMA (July 15-22, 2006, Darwin, Australia), (2006). 19. Toshio Kamiya, Kenji Nomura, and Hideo Hosono: Recent progress in amorphous oxide semiconductors and thin film transistors; Electrochemical Society (ECS) 8th Thin Film Transistor Technology (TFTT VIII) symposium (Cancun, Mexico, October 29 - Nov 3, 2006), (2006). 20. 細野秀雄: ありふれた元素で新機能を創る; JST ワーク ショップ「元素戦略」(JST 研究戦略センター、5 月 20 日), (2006). 21. 細野秀雄: 透明電子活性材料のフロンティア開拓; 本多 フロンティア賞受賞講演(学士会館、5 月 12 日), (2006). 22. Hideo Hosono: Frontier Cultivation of Electro-Active Function in Transparent Oxides Utilizing Bulit-in Nanostructures; Special Lecture, Samsung Electrics (April 21, Korea), (2006). 23. Hideo Hosono: Frontier of Transparent Oxide Semiconductors: novel material concept and device applications; Korean Ceramic Society Annual Meeting (April 22, Korea), (2006). 24. Hideo Hosono: Mechanism for solubility enhancement of rare-earth ions in doped SiO2 glass; International Conference on the 11th Physics of Non-Crystalline Solids (Rhodes-Greece, 29 October-2 November), (2006). 32. Hideo Hosono: Fabrication of RT stable electride via melt; 8th International Symposium on Crystallization in Glasses and Liquids (Sep. 24-28, 2006, Wyuming, US), (2006). 33. Hideo Hosono: Novel Oxide Semiconductor Utilizing Built-in Nanostructures; 15th International Conference on Ternary and Multinary Compound (March 6-10, 2006, Kyoto), (2006). 34. Hideo Hosono: Oxide Thin Films for Transparent Electronics; International Conference on Metallurgical Coatings and Thin Films (ICMCTF) (May 1-5, 2006, San Diego), (2006). 35. 細野秀雄: 石灰とアルミナと水で光・電子機能材料を創 る:ナノ構造の威力; 日本金属学会 2006 年度春期大会(3 月 21 日、早稲田大学), (2006). 36. 細野秀雄: 透明酸化物半導体:新物質、薄膜作成、デバ イス応用; 第 10 回ガラス表面研究討論会(2 月 3 日、日 本セラミックス協会), (2006). 37. 細野秀雄: 石灰とアルミナと水から創る電子活性機能材 料; 科学研究費特定領域研究 配位空間の化学、第 2 回 公開講演会(1 月 27 日、京大ローム記念館), (2006). 国際会議 1. Yoshitake Toda, Masashi Miyakawa, Hiroshi Yanagi, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano and Hideo Hosono, Eiji Ikenaga, Jung Jin Kim, Masaaki Kobata, Shigenori Ueda and Keisuke Kobayashi: Photoelectron spectroscopy of anionic electron in inorganic electride C12A7:e-; The 2nd International Workshop on Hard X-ray Photoelectron Spectroscopy (HAXPES2006, Sep. 19-20, 2006, Hyogo), (2006). 2. Ki-Beom Kim, Maiko Kikuchi, Masashi Miyakawa, Hiroshi Yanagi, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Interface formation between tris-(8-hydroxyquinoline) aluminum and room temperature stable electride: C12A7:e-; The 6th International Meeting on Information Display & The International Display Manufacturing Conference (IMID/IDMC 2006, Daegu, Korea), (2006). 3. Kenji Nomura, Toshio Kamiya, Hiromichi Ohta, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Universal relation observed in carrier transport properties in amorphous oxide semiconductors with different chemical compositions; Euro Mater. Res. Soc. 25. 細野秀雄: 透明酸化物:最近の話題; 日本学術振興会第 166 委員会 第34 回研究会 (青学会館、 4 月 14 日) , (2006). 26. 桑原円佳、伊藤節郎、細野秀雄: C12A7 エレクトライド の電子物性とその応用; 日本学術振興会第 158 委員会 (真空ナノエレクトロニクス)平成 18 年度研究会(筑 波大東京キャンパス, 4 月 24 日), (2006). 27. Hideo Hosono: Novel Type Oxide Semiconductors; International Conference on Optical and Optoelectronic Properties of Materials and Applications 2006 (Springer Plenary Lecture I) (July 15-17, Darwin, Australia), (2006). 28. 細野秀雄: 新材料探索の魅力; 第 4 回未来材料開発プロ ジェクト研究会(広島大学、2006 年 3 月 3 日), (2006). 56 (2006/5/29-6/2, Acropolis Congress Center, Nice, France), (2006). 4. M. Miyakawa, M. Hirano, T. Kamiya, and H. Hosono: Formation of high conductive 12CaO·7Al2O3 electride thin films by physical or chemical process: ion implantation or chemical reduction; Euro Mater. Res. Soc. (2006/5/29-6/2, Acropolis Congress Center, Nice, France), (2006). 5. Ki-Beom Kim, Maiko Kikuchi, Masashi Miyakawa, Hiroshi Yanagi, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: PHOTOELECTRON SPECTROSCOPIC STUDY OF ENERGY LEVEL ALIGNMENT AT C12A7:e- / Alq3 INTERFACES; The Second International Conference on the Characterization and Control of Interfaces for High Quality Advanced Materias, and Joing Technology for New Metalic Glass and Inorganic Materials (ICCCI2006) (Kurashiki, Japan, September 6-9, 2006) (2006), (2006). 6. 7. Kosuke Matsuzaki, Kenji Nomura, Hiroshi Yanagi, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Side-gated nanowire field-effect transistor using amorphous oxide semiconductor channel; XIII International Workshop on Oxide Electronics (WOE13) (October 8-11, 2006, Jolly Hotel, Ischia, Italy ) (2006), (2006). T. Kamiya, H. Yanagi, R. Kawamura, K. Kayanuma, Y. Kamihara, M. Hirano, and H. Hosono: Electronic structures of mixed-anion layered semiconductors EuCuFCh (Ch = S, Se) and LaTMOP (TM = Mn, Co): Comparison with LaCuOCh; XIII International Workshop on Oxide Electronics (WOE13) (October 8-11, 2006, Jolly Hotel, Ischia, Italy ), (2006). 8. T. Kamiya, K. Nomura, H. Ohta, T. Uruga, M. Hirano, and H. Hosono: Atomic and electronic structure of amorphous oxide semiconductor InGaZnO4 studied by ab-initio calculations; XIII International Workshop on Oxide Electronics (WOE13) (October 8-11, 2006, Jolly Hotel, Ischia, Italy ), (2006). 9. Tatsuya Iwasaki, Naho Itagaki, Tohru Den, Hideya Kumomi, Kenji Nomura, Toshio Kamiya, and Hideo Hosono: Combinatorial Study on In-Ga-Zn-O Semiconductor Films as Active-channel Layers for Thin-film Transistor; Mater. Res. Soc. Symp. Spring Meeting (San Francisco, April 17-21, 2006), (2006). 10. Hiroshi Yanagi, Ki-Beom Kim, Maiko Kikuchi, Masashi Miyakawa, Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Electric structure of 12CaO·7Al2O3 electride / 8-hydroxyquinoline aluminum interfaces studied by photoemission spectroscopy; IS TCOs (2006), (2006). 11. Katsuro Hayashi, Yoshitake Toda Toshio Kamiya, Masahiro Hirano, and Hideo Hosono: Direct writing of transparent conductive patterns: Electron-beam-induced insulator-conductor conversion in H--doped 12CaO·Al2O3; IS TCOs (2006), (2006). 12. Masato Ofuji, Katsumi Abe, Nobuyuki Kaji, Ryo Hayashi, Masafumi Sano, Hideya Kumomi, Kenji Nomura, Toshio Kamiya, and Hideo Hosono: Integrated circuits based on amorphous indium-gallium-zinc-oxide-channel thin-film transistors; ElectroChemical Society (ECS) 8th Thin Film Transistor Technology (TFTT VIII) symposium; Cancun, Mexico, October 29 - Nov 3, (2006) 13. M. Ono, S. Narushima, S. Ito, and H. Hosono: Highly efficient field emission from a spin-coated electride powder; SID '06 (San Francisco,US) June 4 - 9, (2006). 14. Hideya Kumomi, Nobuyuki Kaji, Hisato Yabuta, Masafumi Sano, Katsumi Abe, Tohru Den, Kenji Nomura, Toshio Kamiya, and Hideo Hosono: Amorphous Oxide Channel TFTs Fabricated with RF Sputtering Method; International TFT Conference 2006 (Jan. Fukuoka, Japan), (2006). 15. Olga Trofymluk, Yoshitake Toda, Katsuro Hayashi, Hideo Hosono, and Alexandra Navrotsky: Energetics of Formation and Oxidation of Nanoporous Semiconductor 12CaO·7AlO2O3; Nanoscience with Nanocrytstal (January 7-10, Grenoble, France), (2006). 16. Ki-Beom Kim, Maiko Kikuchi, Masashi Miyakawa, Toshio Kamiya Masahiro Hirano, Hideo Hosono: Photoelectron spectroscopy study of C12A7:e-/Alq3 interface and formation of low electron injection barrier; XIII International Workshop on Oxide Electronics (WOE13) (October 8-11, 2006, Jolly Hotel, Ischia, Italy ) (2006), (2006). 国内会議 1. 太田裕道,金聖雄,野村研二,太田慎吾,野村隆史,平 野正浩,細野秀雄,河本邦仁: TiO2/SrTiO3 ヘテロ界面に おける高濃度二次元電子ガスの巨大熱電応答; 第 53 回 応用物理学関係連合講演会(2006/3/22-26, 武蔵工大, 東 京), (2006). 2. 加地信幸,大藤将人,張建六,雲見日出也,野村研二, 神谷利夫,細野秀雄: アモルファス酸化物半導体 TFT を 用いたリングオシレータの作製; 応用物理学会 2006 年 秋季 第 67 回応用物理学会学術講演会(立命館大学びわ こ・くさつキャンパス(滋賀県草津市), 2006 年 8 月 29 日~9 月 1 日), (2006). 3. 平松 秀典,柳 博,植田 和茂,神谷 利夫,平野 正浩, 細野 秀雄: 層状オキシカルコゲナイド BiCuOCh (Ch=S, Se, Te)の光電子物性と電子構造; 応用物理学会 2006 年 秋季 第 67 回応用物理学会学術講演会(立命館大学びわ こ・くさつキャンパス(滋賀県草津市), 2006 年 8 月 29 日~9 月 1 日), (2006). 4. 梶原 浩一, 滝本 康幸, 平野 正浩, Linards Skuja, 細野 秀雄: アモルファス SiO2 中の格子間 N2 分子; 応用物理 学会 2006 年秋季 第 67 回応用物理学会学術講演会(立 命館大学びわこ・くさつキャンパス (滋賀県草津市) , 2006 年 8 月 29 日~9 月 1 日), (2006). 57 5. 萱沼健太郎,平松秀典,本光英治,柳博,神谷利夫,平 野正浩,細野秀雄: 新規室温両極性強磁性半導体 LaMnOPn(Pn:プニコゲン)のヘテロエピタキシャル成 長; 第 53 回応用物理学関係連合講演会(2006/3/22-26, 武 蔵工大, 東京), (2006). 6. 柳博,福間勝俊,本光英治,神谷利夫,平野正浩,細野 秀雄: MnOP の合成と電気・磁気特性の評価; 第 53 回応 用物理学関係連合講演会(2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 7. 久保田陽介,戸田喜丈,細野秀雄,平山博之: STM によ る[Ca24Al28O64]4+(4e-)エレクトライドの表面構造と電子状 態 の 観 察 ; 第 53 回 応 用 物 理 学 関 係 連 合 講 演 会 (2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 8. 杉浦健二,太田裕道,野村研二,平野正浩,細野秀雄, 河本邦仁: 12CaO·7Al2O3 結晶の金属化; 第 53 回応用物理 学関係連合講演会(2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 9. 杉浦健二,太田裕道,野村研二,平野正浩,細野秀雄, 河本邦仁: 反応性固相エピタキシャル成長法による高品 質 Ca3Co4O9 エピタキシャル薄膜の作製; 第 53 回応用物 理学関係連合講演会(2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 10. 梶原浩一、平野正浩、Linards Skuja、細野秀雄: シリカガ ラス中に形成されたHO2 およびOH ラジカル; 第47 回ガ ラスおよびフォトニクス材料討論会(11 月 21-22 日、千 葉・野田), (2006). 11. 平松秀典、柳博、植田和茂、太田裕道、神谷利夫、平野 正浩、細野秀雄: p 型透明酸化物半導体の伝導性と仕事関 数; 薄膜材料デバイス研究会 第3回研究集会 (2006/11/10-11、奈良明日なら会館), 154, (2006). 12. 松崎功祐、野村研二、柳博、神谷利夫、平野正浩、細野 秀雄: アモルファス酸化物半導体ナノヤイヤ FET の作 製; 薄膜材料デバイス研究会 第3回研究集会 (2006/11/10-11、奈良明日なら会館), 158, (2006). 13. 西尾幸真、宮川仁、野村研二、林克郎、柳博、神谷利夫、 平野正浩、細野秀雄: 12CaO·7Al2O3 エレクトライド導電 性ナノワイヤーの作製; 薄膜材料デバイス研究会 第3 回研究集会(2006/11/10-11、奈良明日なら会館), 160, (2006). 14. 片瀬貴義、野村研二、柳博、太田裕道、神谷利夫、平野 正浩、細野秀雄: 反応性固相エピタキシャル成長法にお けるホモロガス InGaO3(ZnO)m 薄膜成長の Bi フラックス 効果; 薄膜材料デバイス研究会 第3回研究集会 (2006/11/10-11、奈良明日なら会館), 162, (2006). 15. 小郷洋一、野村研二、柳博、神谷利夫、平野正浩、細野 秀雄: 新規層状酸化物 In3FeTi2O10 の光・電機物性; 薄膜 材料デバイス研究会 第3回研究集会(2006/11/10-11、奈 良明日なら会館), 164, (2006). 58 16. 野村研二、神谷利夫、太田裕道、宇留賀朋哉、平野正浩、 細野秀雄: アモルファス酸化物半導体 In-Ga-Zn-O の局所 構造および電子構造; 薄膜材料デバイス研究会 第3回 研究集会(2006/11/10-11、奈良明日なら会館), 156, (2006). 17. Linards Skuja,梶原浩一,平野正浩,細野秀雄: 原子状水素に よる SiO2 ガラスの損傷:OH 基を含む E'中心の同定; 第 53 回応用物理学関係連合講演会(006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 18. 松崎功佑,野村研二,柳博,神谷利夫,平野正浩,細野 秀雄: アモルファス酸化物半導体ナノワイヤ電界効果型 トランジスタの動作特性; 応用物理学会 2006 年秋季 第 67 回応用物理学会学術講演会(立命館大学びわこ・くさ つキャンパス(滋賀県草津市), 2006 年 8 月 29 日~9 月 1 日), (2006). 19. 戸田喜丈,柳博,神谷利夫,平野正浩,細野秀雄,池永 英二, 金正鎮, 小畠雅明, 小林啓介: 低仕事関数をもち空 気中でも安定な電子注入材料 C12A7:e-の電子構造; 応用 物理学会 2006 年秋季 第 67 回応用物理学会学術講演会 (立命館大学びわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市), 2006 年 8 月 29 日~9 月 1 日), (2006). 20. 柳博,戸田喜丈,平松秀典,神原陽一,萱沼健太郎,神 谷利夫,平野正浩,細野秀雄: 透明酸化物半導体ならび に関連物質のバンドラインナップ; 応用物理学会 2006 年秋季 第 67 回応用物理学会学術講演会(立命館大学び わこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市), 2006 年 8 月 29 日~9 月 1 日), (2006). 21. 小郷洋一, 野村研二, 柳博, 神谷利夫, 平野正浩, 細野秀 雄: In3FeTi2O10 エピタキシャル薄膜の作製と光・電気特 性; 応用物理学会 2006 年秋季 第 67 回応用物理学会学 術講演会(立命館大学びわこ・くさつキャンパス(滋賀県 草津市), 2006 年 8 月 29 日~9 月 1 日), (2006). 22. 金起範,菊池麻依子, 宮川仁, 柳博, 神谷利夫, 平野正浩, 細野 秀雄: 光電子分光法による C12A7:e-/Alq3 界面の 解析と低い電子住入障壁の形成; 応用物理学会 2006 年 秋季 第 67 回応用物理学会学術講演会(立命館大学びわ こ・くさつキャンパス(滋賀県草津市), 2006 年 8 月 29 日 ~9 月 1 日), (2006). 23. 神谷利夫, 野村研二, 太田裕道, 平野正浩, 細野秀雄: 分 子動力学および第一原理法によるアモルファス酸化物 半導体 In-Ga-Zn-O の局所構造と電子構造の解析; 応用 物理学会 2006 年秋季 第 67 回応用物理学会学術講演会 (立命館大学びわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市), 2006 年 8 月 29 日~9 月 1 日), (2006). 24. 平松秀典, 柳博, 植田和茂, 神谷利夫, 平野正浩, 細野秀 雄: 層状オキシカルコゲナイドBiCuOCh (Ch=S, Se, Te)の 光電子物性と電子構造; 応用物理学会 2006 年秋季 第 67 回応用物理学会学術講演会(立命館大学びわこ・くさ つキャンパス(滋賀県草津市), 2006 年 8 月 29 日~9 月 1 日), (2006). 25. 野村尚利, 林克郎, 久保田佳基, 高田昌樹, 神谷利夫, 細 野秀雄: MEM/Rietveld 法によるナノポーラス結晶 12CaO·7Al2O3(C12A7)のケージ内陰イオンの可視化; 日 本セラミックス協会 2006 年年会(2006/3/14-16, 東京大 学駒場キャンパス), (2006). 26. 松村大樹, 林克郎, 松石聡, 神谷利夫, 細野秀雄: 陰イオ ン包接12CaO·7Al2O3 系結晶の湿度感受伝導性; 日本セラ ミックス協会 2006 年年会(2006/3/14-16, 東京大学駒場 キャンパス), (2006). 27. 安 藤 尚 人 , 林 克 郎 , 神 谷 利 夫 , 細 野 秀 雄 : 12CaO·7Al2O3(C12A7)から電場放出される O-負イオンの 発生源; 日本セラミックス協会2006 年年会 (2006/3/14-16, 東京大学駒場キャンパス), (2006). 28. 酒井崇, 松石聡, 斉藤全, 三田村哲理, 神谷利夫, 細野秀 雄: オキシアパタイト Ca8La2(MO4)6O2 (M=P,V)中の O-ラ ジカルのCW とパルスESR による研究; 日本セラミック ス協会 2006 年年会(2006/3/14-16, 東京大学駒場キャン パス), (2006). 29. 松石聡,金聖雄,林克郎,神谷利夫,平野正浩,細野秀 雄: 12CaO·7Al2O3 結晶の金属化; 第 53 回応用物理学関係 連合講演会(2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 30. 神谷利夫、柳博、植田和茂、平松秀典、平野正浩、細野 秀雄: 層状構造を持つ混合アニオン化合物半導体の電子 構造; 日本セラミックス協会 2006 年年会(2006/3/14-16, 東京大学駒場キャンパス), (2006). 31. 神谷利夫、野村研二、平野正浩、細野秀雄: アモルファ ス酸化物半導体の材料設計指針とフレキシブルトラン ジスタの特性; 日本セラミックス協会 2006 年年会 (2006/3/14-16, 東京大学駒場キャンパス), (2006). 32. 梶原浩一, 平野正浩, Linards Skuja, 細野秀雄: ガンマ線 を照射したシリカガラスでの欠陥形成; 2006 年日本化学 会年会(日大、習志野), (2006). 33. 梶原浩一, 平野正浩, 生田順亮, 大登正敬, Linards Skuja, 細野秀雄 : 深紫外-真空紫外レーザー用シリカガラス; 日本金属学会 2006 年度春期大会(3 月 21 日、早稲田大 学), (2006). 34. 梶原浩一, 平野正浩, Linards Skuja, 細野秀雄: アモル ファス SiO2 中の活性酸素ラジカル; 日本セラミックス 協会 2006 年年会(2006/3/14-16, 東京大学駒場キャンパ ス), (2006). 35. 柳博, Janet Tate, 神谷利夫, 平野正浩, 細野秀雄: ワイド ギャップ P 型半導体 BaCuChF(Ch = S, Se)の電子状態; 日 本セラミックス協会基礎科学部会 第 44 回セラミックス 基礎科学討論会(2006/1/19-20, 高知市文化プラザかる ぽーと), (2006). 36. 細野秀雄, 斎藤全, 松石聡: シリカガラスへの希土類イ オンの溶解に及ぼす共ドーピング効果の解明; 日本セラ ミックス協会 2006 年年会(2006/3/14-16, 東京大学駒場 キャンパス), (2006). 37. 久保田陽介, 戸田喜丈, 細野秀雄, 平山博之: STMによ る[Ca24Al28O64]4+(4e-)エレクトライドの表面構造と電子状 態 の 観 察 ; 第 53 回 応 用 物 理 学 関 係 連 合 講 演 会 (2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 38. 本光英治、平野正浩、柳博、神谷利夫、細野秀雄: 両極 性伝導を示す磁性半導体 LaMnOPn (Pn: P, As)の材料設計 と電気・磁気特性; 日本セラミックス協会 2006 年年会 (2006/3/14-16, 東京大学駒場キャンパス), (2006). 39. 川村竜登、本光英治、柳博、神谷利夫、平野正浩、細野 秀雄: 層状オキシリン化物 LaCoOP の合成と電気・磁気 特性; 日本セラミックス協会 2006 年年会(2006/3/14-16, 東京大学駒場キャンパス), (2006). 40. 柳博、本光英治、渡辺匠、神谷利夫、平野正浩、細野秀 雄: 層状オキシリン化物 LaMnOP の電子状態; 日本セラ ミックス協会 2006 年年会(2006/3/14-16, 東京大学駒場 キャンパス), (2006). 41. 柳博,本光英治, 萱沼健太郎, 神原陽一, 魚住孝幸, 萱沼 洋輔, 竹田幸治, 寺井恒太, 藤森伸一, 斎藤祐児, 小林啓 介, 神谷利夫, 平野正浩, 細野秀雄: 光電子分光と軟X線 吸収分光による LaMnOP の電子状態; 第 53 回応用物理 学関係連合講演会(2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 42. 柳博,福間勝俊,本光英治,神谷利夫,平野正浩, 細 野秀雄: LnMnOP の合成と電気・磁気特性の評価; 第 53 回応用物理学関係連合講演会(2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 43. 本光英治,柳博,平野正浩,神谷利夫,細野秀雄: 両極 性伝導を示す室温強磁性半導体 LaMnOPn (Pn: P, As); 第 53 回応用物理学関係連合講演会 (2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 44. 川村竜登、本光英治、柳博、神谷利夫、平野正浩、細野 秀雄: 層状化合物 LaCoOP の電子輸送と磁気特性; 第 53 回応用物理学関係連合講演会(2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 45. 神谷利夫、柳博、本光英治、平野正浩、細野秀雄: LDA+U 法による LaMnOPn(Pn=P,As,Sb)のバンド構造計算; 第 53 回応用物理学関係連合講演会 (2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 46. 神谷利夫、戸田喜丈、金聖雄、林克郎、平野正浩、細野 秀雄、安田洋、原口岳士: 無機エレクトライドからの熱 電界電子放射特性; 第 53 回応用物理学関係連合講演会 (2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 47. 小出俊介, 松石聡, 斎藤全, 神谷利夫, 平野正浩, 細野秀 雄: 電子ドープ 12CaO·7Al2O3 結晶の電子伝導とスピン 格 子 緩 和 ; 第 53 回 応 用 物 理 学 関 係 連 合 講 演 会 (2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 59 48. 戸田喜丈,柳博,神谷利夫,平野正浩,細野秀雄: 正逆 光電子分光法による無機エレクトライドC12A7:e-の電子 構 造 観 察 ; 第 53 回 応 用 物 理 学 関 係 連 合 講 演 会 (2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 49. 金起範,菊池麻依子, 柳博, 神谷利夫,平野正浩, 細野秀 雄: 光電子分光法による C12A7 エレクトライドと Alq3 界面の電子構造解析; 第 53 回応用物理学関係連合講演 会(2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 50. 萱沼健太郎,平松秀典,本光英治, 柳博, 神谷利夫,平野 正浩, 細野秀雄: 新規室温両極性強磁性半導体 LaMnOPn(Pn:プニコゲン)のヘテロエピタキシャル Heteroepitaxial growth of novel room-temperature ferromagnetic bipolar semiconductors LaMnOPn (Pn=Pnicogen); 第53回応 用物理学関係連合講演会(2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 51. 板垣奈穂, 岩崎達哉, 田透, 雲見日出也, 野村研二, 神谷 利夫, 細野秀雄: In-Ga-Zn-O 系薄膜を用いた電界効果ト ランジスタとその組成依存性; 第 53 回応用物理学関係 連合講演会(2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 52. 張建六,佐野政史,真島正男,雲見日出也, 野村研二, 神谷利夫,細野秀雄: プラスチック基板上でのアモル ファス酸化物チャネル TFT の作製; 第 53 回応用物理学 関係連合講演会(2006/3/22-26, 武蔵工大, 東京), (2006). 奨学寄附金 10 件 801 万円 ■ 研究室の在籍者 (平成 18 年度中) 1 13 6 0 0 10 4 学部学生 大学院修士課程在籍者 大学院博士課程在籍者 研究生 受託研究員 民間等共同研究員 その他ポスドク等 ■ 特許(平成 18 年度) 出願 10 件 ■ 受賞、褒賞(平成 18 年度) ・ 第 76 回服部報公賞 細野秀雄 2006 年 10 月 6 日 ・ 本多フロンティア賞(2006) 細野秀雄 2006 年 5 月 12 日 ■ 海外渡航の回数(平成 18 年度) ■研究費の取得状況 (平成 18 年度) 8回 科学研究費補助金 (主な研究資金として) <文部科学省科学研究費補助金 学術創成研究費> ナノ構造と活性アニオンを活用した透明酸化物の機能開拓 平成 16 年度~20 年度 平成 18 年度 8720 万円 ■ 学会役員(平成 18 年度) ・日本学術振興会 166 委員会 幹事・運営委員 平成 9 年~ ・NEDO 技術委員 平成 17 年~ ・日本セラミックス協会 技術委員 セラミックス誌講座 政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として) <文部科学省 21 世紀 COE> 産業化を目指したナノ材料開拓と人材育成 平成 14 年度~18 年度 平成 18 年度 13,374.9 万円 小委員会委員 平成 15 年~ ・Journal of Non-Crystalline Soid アジア代表エディター 平成 11 年~ ・International committee member of Radiation Effects in Insulator 国際委員 平成 6 年~ ・光協会 多元光技術融合研究会 幹事 平成 17 年~ <科学技術振興機構 戦略的創造研究継続研究 ERATO-SORST 細野透明電子活性プロジェクト> ナノ構造を利用した透明酸化物機能開拓と応用展開 平成 16 年 10 月~21 年 9 月 ・科学技術振興機構戦略的創造研究継続研究「透明電子活性 プロジェクト」 総括責任者 平成 16 年 10 月~ ・科学技術振興機構 ERATO 選考委員 平成 17 年~ 平成 18 年度 3,022 万円 ■ 政府、自治体その他公的団体の委員等(平成 18 年度) 共同研究(上記を除く) 4件 60 662.1 万円 ・文部科学省科学技術政策研究所 専門調査員 平成 13 年度~ ・内閣府総合科学技術会議 ナノテクノロジー・材料プロ ジェクトチーム メンバー 平成 17 年 12 月~ ・内閣府総合科学技術会議 ナノ材料分野別推進戦略 ワー キングクループ 機能材料分野リーダー 平成 17 年度 12 月~ ■ 記事(平成 18 年度) 1. 東工大細野研究室 有機 EL のカソードに C12A7:e-を 提案; EExpress (2006 年 10 月 1 日号), 46-47, (2006). 2. パネル開発 プロセスを低温化:材料の構造や製法を見 直す; 日経マイクロデバイス(2006 年 10 月号), 46-48, (2006). 3. 凸版、酸化物半導体 TFT で駆動; 日経ナノビジネス " 特集 電子ペーパー" (No.40), 40, 5, (2006). 4. 細野秀雄: 今がチャンスの材料研究; 創造(未踏科学技 術協会、2006 年 8 月号), 420, (2006). 5. 細野秀雄: 東京工業大学 細野研究室 常識を覆す脅威の エレクトライドセラミックスを FPD 用途に 仕事関数が 0.6eV と極めて低くエミッタやポスト MgO にも; E Express (2006 年 8 月 15 日号), 36, (2006). 6. 編集部 大内悟史: 21 世紀COE道場 -最先端研究を歩く 東京工業大学; 論座(朝日新聞社、2006/8/1 発行号), 174, (2006). 7. 希少金属の代用品研究 文科省方針 供給の安定化狙う; 読売新聞(2006/6/18), (2006). 8. 希少金属の代替開発; 日刊工業新聞(2006/6/5), (2006). 9. Hideo HOSONO: Mysterious nano-sized cages —Converting transparent oxides to conductors—; JAPAN NANONET BULLETIN (71st Issue - May 25, 2006), 71, (2006). 17. 東京工業大学フロンティア創造共同研究センター 私た ちの使命は新産業創造への貢献です。; 化学と工業 広 告欄, 学術案内 7, (2006). 18. 印刷・室温プロセスで大画面 FPD を安く作る; 日経マイ クロデバイス(2006 年 2 月号), 67, (2006). ■ 21 世紀COEプログラムへの参加状況(平成 18 年度) 産業化を目指したナノ材料開拓と人材育成 (平成 14 年~19 年) 10. 事業化リスクの低減で進み始めた産学官連携; JST ニュース(2006 年 5 月号), 3, 7, (2006). 11. 凸版印刷 a-InGaZnO-TFT で電子ペーパーを駆動 チャネ ル長 50μmでモビリティ 5cm2/Vs・sec をマーク 将来は 電極をスクリーン印刷してプリンタブル TFT に; EExpress (2006 年 4 月 15 日号), 68-69, (2006). 12. 進み始めた産学官連携; JST NEWS, 2, 4-7, (2006). 13. 凸版印刷 PEN 基板に TFT 東工大の技術利用 電子ペー パー駆動; 化学工業日報 (2006/3/31, 9 面), (2006). 14. 凸版印刷 曲がる電子ペーパー; 日経産業新聞(1 面、 2006/3/31), (2006). 15. 曲がる電子ペーパーの駆動に凸版印刷が成功 アモル ファス TFT で; 日刊工業新聞(2006/3/31), (2006). 16. 細野秀雄: 研究・開発の原点「透明酸化物をみつめる」; インターラボ 2006 年 4 月号, 53-56, (2006). 61 62 物質系分野 秦プロジェクト <新しい薄膜金属ガラスのコンビナトリアル創成と産業応用展開> プロジェクトリーダー 秦 誠一 助教授 研究期間 平成17年度~平成20年度 研究費総額 約1億円 研究資金ソース NEDO 大学発事業創出実用化研究開発事業、NEDO 産業技術研究助成事業、 文科省科学研究補助金、東京工業大学と民間との共同研究 ■ 研究内容 目的に応じた新材料と、その加工方法を迅速に見出すことは、21 世紀の日本の国際産業競争力を維持、 向上させるために重要である。本プロジェクトは、薄膜金属ガラスという新材料の組成探索、用途別の組 成最適化から、その加工方法、産業応用展開までを一貫して高速、並列に行うことを目的とする。薄膜金 属ガラスは、過冷却液体域と呼ばれる温度領域において、水飴状に軟化する新しいアモルファス合金であ る。我々は、薄膜金属ガラスを用いた立体的な MEMS の製作に世界で始めて成功し、その過冷却液体域 を利用した微細成形法の基礎的な特許を取得している。 この薄膜金属ガラスを、より使いやすい材料とするために、用途に応じた組成最適化や、新規組成の探 索を迅速に進める必要がある。そこで、組み合わせによる多数のサンプル群の一括生成と、その高速評価 を特徴とするコンビナトリアル手法を利用する。新しいコンビナトリアル成膜法として、コンビナトリア ルアークプラズマ蒸着(CAPD)を開発した。さらに、薄膜ライブラリに対応した評価法や、加工プロセ ス条件の探索にもコンビナトリアル手法を適用する。 具体的には、マイクロプローブ等に適用可能な低電気抵抗薄膜金属ガラス、各種マイクロアクチュエー タ用の高弾性・高強度薄膜金属ガラス、ガラスレンズ成形金型に適用可能な耐熱・耐蝕性薄膜金属ガラス などの探索とその微細加工法を開発する。 ■ 新産業創造・新分野開拓の可能性 本プロジェクトにより、薄膜金属ガラスを用いた立体的な MEMS や、回折格子を有するガラスレンズ 成形金型など従来の材料、加工法では実現困難な部品や製品を実用化することができる。さらに、コンビ ナトリアル成膜装置、高スループット評価装置など、新しいコンビナトリアル産業の創出が期待できる。 ■ 研究参加者 【学外】 (株)アドバンテスト、(株)アルバック、オリンパス(株)、コニカミノルタオプト(株)、 松下電工(株)、日本信号(株)、(株)富士通研究所 【学内】 精密工学研究所下河邉明教授、益一哉教授、吉田和弘助教授、進士忠彦助教授、小池康晴助教授、 桜井淳平助手、総合理工学研究科佐藤海二助教授、応用セラミックス研究所松本祐司講師 63 ■■■ 平成18年度主要トピックス ■■■ 1.高機能光学素子金型用の新しい薄膜金属ガラスの創成と実用化 (ファンド:NEDO 大学発事業創出実用化研究開発事業、共同研究費) (背景)各種情報機器において、小型で高機能な光学素子として、回折格子付きの非球面レンズが必要 とされている。プラスチックレンズでは、射出成形により、このような高機能レンズが実現されているが、 屈折率など光学特性に優れるガラスレンズでは、超硬合金など従来の金型材料が、いずれも難加工材であ り、シングルポイントダイヤモンド切削加工(Single-point diamond machining: SPDM)による超精密切削加 工が不可能であるために、未だ実用には至っていない。 そこで、本研究では、結晶粒が存在しないために、本質的に超精密切削加工が可能であるアモルファス 合金を、金型材料として適用することを検討した。回折格子付の非球面ガラスレンズなどの成形用金型(以 下、高機能光学素子金型)に適用可能なアモルファス合金への要求としては、①金型ブランク材上に 50 μm 以上の膜厚で成膜可能、②大気中でガラス成形(成形温度約 723 K 以上)を行っても結晶化、酸化やガラ スとの融着を生じない、③SPDM による超精密加工(表面粗さ 30 nm Rmax 以下)が可能、④少なくとも 引張強度がステンレスと同等(0.6 GPa)以上、などを挙げることができる。 (成果)本研究グループでは、上記条件を満足する材料を探索する手法として、組成の異なる材料サン プル群を一度に大量に製作・評価するコンビナトリアル探索を適用した。金属材料、特にアモルファス合 金のコンビナトリアル探索用に開発した、コンビナトリアルアークプラズマ蒸着(Combinatorial Arc Plasma Deposition: CAPD)を使用し、今年度は Pt 系薄膜アモルファス合金を中心に探索を行った。製作したサン プルの組成および相の分布を図1に示す。 ○:Amorphous ●:Amorphous+Crystalline ●:Crystalline 図1 製作した薄膜ライブラリの組成、相分布 その結果、背景で述べた①~④の条件を満たす Pt 基のアモルファス合金として、Pt-Hf-Zr-Ni アモルファ ス合金(特許未公開のため組成は省略)を発見した。発見された Pt-Hf-Zr-Ni アモルファス合金は、結晶化 開始温度 973 K 以上であり、大気中で 723 K に加熱しても酸化、結晶化することなく、引張強度 0.87 GPa 64 を示した(図2、図3)。 このアモルファス合金は、スパッタ法で 50 μm 以上成膜可能であり、実際のガラス成形機に装着可能な 超硬合金製の金型ブランク材に、本アモルファス合金をスパッタにて成膜し、SPDM による超精密加工に より、高機能光学素子成形金型の製作をした(図4)。さらに、この金型を用いてガラスレンズの成形に 成功した。今後は、金型としての耐久性を実機にて実証すると共に、引張強度、切削性のさらなる改善を 目指し、より優れた特性を示す合金の探索を、CAPD を用いて行う。 20 973 K (1 min.) 873 K (1 min.) As-sputtered 30 40 2θ (deg.) 50 60 図2 Pt-Hf-Zr-Ni 薄膜アモルファス合金の 1.0 Applied stress (GPa) Intensity (arb. unit) 1,073 K (1 min.) 0.8 εf=1.60 % σf=0.87 GPa E=54.5 GPa X 0.6 0.4 0.2 0.0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 Strain (%) 図3 引張試験結果 結晶化 φ5mm 成膜面 図4 Pt-Hf-Zr-Ni 薄膜アモルファス合金を使用した高機能光学素子成形金型 65 2.新しいコンビナトリアル探索法とその応用 (ファンド:共同研究費、受託研究費) (背景)多数の合金系で発見されている金属ガラスは、組成の選択幅が広く、アモルファス合金である ため、通常の多結晶合金のように結晶粒の成長や析出などを制御する必要が無い。従って本質的に、物性 の選択性が高い。しかし、要求に適した物性を有する組成を従来の手法で探査するのは、膨大な時間、費 用が必要となってしまう。そこで、近年提案されているコンビナトリアル手法(組み合わせによる多数の サンプル群を用いた材料探索)を取り入れることで、新しい薄膜金属ガラスや薄膜アモルファス合金の効 率的探索を試みている。 (成果)新しいコンビナトリアル探索法とその応用として、①本研究グループが開発し、特許申請を行 った、蒸着源としてアークプラズマガン( APG )を採用したコンビナトリアルアークプラズマ蒸着 (Combinatorial arc plasma deposition: CAPD)とその改良、②CAPD を使用して成膜した組成傾斜膜を、格 子状に分割してサンプル群化した薄膜ライブラリと、そのサンプルの各種物性値を測定するコンビナトリ アル評価法の開発、③新しい機能、物性を持つ薄膜金属ガラス、薄膜アモルファス合金の開発を行ってい る。 CAPD の改良として、合金カソードを利用した単一カソードによる組成傾斜膜の成膜を試みた。検討の 結果、合金カソードで組成傾斜膜が成膜できることが明らかとなり、構成元素の原子量が大きな元素ほど、 APG から放出後、ローレンツ力で曲がりながら、カソードからより離れた基板上に到達することが判明し、 原子量の差によって組成傾斜が生じることが明らかになった。図5に単一カソードを用いた PdSi 合金の組 成傾斜膜の組成分布を示す。 図5 単一合金カソードで成膜下 Pd-Si 組成傾斜薄膜の組成分布 また、薄膜ライブラリのサンプルの各種物性値を評価するコンビナトリアル評価法として、サンプルの 縦弾性係数と線膨張係数を同時に評価する方法を開発している。さらに、新しい機能、物性を持つ薄膜金 属ガラス、薄膜アモルファス合金として、従来の材料より高感度、広測定範囲の水素センサ材料、従来の 薄膜金属ガラスの電気抵抗率に比べ半分以下の電気抵抗率(約 30μΩ・cm)を示す Cu 基薄膜金属ガラス などを探索している。 66 ■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ ■ 研究業績 (平成 18 年 1 月-12 月) 3. Rikiya Tanabe, Seiichi Hata and Akira Shimokohbe, A MEMS homoglobin and volume measurement sensor, Proc. of 23nd Sensor Symposium on Sensors, Micromachines, and Applied Systems pp.131-134 (2006. 10, Takamatu, Japan) 研究論文 1. 2. 3. Takashi Fukushige, Takehiko Hayashi, Seiichi Hata and Akira Shimokohbe, Built-in Capacitive Displacement Sensor with Long Full-Scale Range for Electrostatic Microactuators, IEEJ Transactions on Sensors and Micromachines. 126, [9] 522-527 (2006) Rikiya Tanabe, Seiichi Hata and Akira Shimokohbe, A MEMS complete blood count sensor with vanes for reduction in influence of electrolysis gas, IEEJ Transactions on Sensors and Micromachines, 126, [7] 297-301 (2006) 国内会議 秦 誠一,桜井淳平,下河邉明:高機能光学素子金型用 1. アモルファス合金のコンビナトリアル探索,第14 回機械材 料・材料加工技術講演会講演論文集,107-108(2006.11.25-26, 千葉) 吉田和弘,堀井宣孝,秦 誠一,横田眞一,下河辺 明: 2. 薄膜金属ガラスを応用した集積形ERマイクロアクチ Ryusuke YAMAUCHI, Seiichi HATA, Junpei SAKURAI and Akira SHIMOKOHBE, Combinatorial Search for Low Resistivity PdCuSi Thin Film Metallic Glass, Jpn. J. Appl. Phys., 45, [7] 5911-5919 (2006) ュエータの開発,平成 18 年度秋季フィールドパワーシ ステム講演会講演論文集,49-51(2006.11.9-10 静岡市) 秦 誠一,赤松宏明,福重孝志,下河辺 明:回転型マ 3. 4. Seiichi HATA, Ryusuke YAMAUCHI, Junpei SAKURAI and Akira SHIMOKOHBE, Combinatorial Arc Plasma Deposition of Thin Films, Jpn. J. Appl. Phys., 45, [4A] 2708-2713 (2006) イクロアクチュエータ ―形状,駆動方法の検討―,2006 年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集, 927-928(2006) 5. Rikiya Tanabe, Seiichi Hata, Akira Shimokohbe, MEMS complete blood count sensors designed to reduce noises from electolysis gas, Microelectronic Engineering, 83, [4-9] (2006) 林 健彦,福重孝志,秦 誠一,下河辺 明:ビルトイ 4. ンセンサによる静電マイクロアクチュエータの変位制 御,2006 年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集, 報告 1. 秦誠一,高機能光学素子金型用の新しい薄膜金属ガラス の創成と実用化,新エネルギー・産業技術総合開発機構 平成16年度大学発事業創出実用化研究開発事業報告 書 2. 秦 誠一:新しいアモルファス合金薄膜のコンビナトリ アル創成,イノベーションジャパン新技術説明会 2006. 9. 13 3. 秦 誠一:薄膜金属ガラスとそのマイクロマシンへの応 用,キヤノン基盤技術フォーラム 2006.6.21 国際会議 1. 2. Junpei Sakurai, Seiichi Hata, Ryusuke Yamauchi and Akira Shimokohbe: Searching for Ru-based Amorphous Thin Film and Thin Film Metallic Glass with Combinatorial Arc Plasma Deposition, Book of Abstracts in 4th International Workshop on Combinatorial Materials Science & Technology, pp. 41 (2006. 12. 3-6, San Juan, Puerto Rico) Seiichi Hata, Ryusuke Yamauchi, Junpei Sakurai and Akira Shimokohbe: The Search for Novel Amorphous Thin Films using Combinatorial Arc Plasma Deposition, Book of Abstracts in 4th International Workshop on Combinatorial Materials Science & Technology, pp. 63 (2006. 12. 3-6, San Juan, Puerto Rico) 925-926(2006) ■ 研究費の取得状況(平成 18 年度) 政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として) <新エネルギー・産業技術総合開発機構平成 16 年度大学発事 業創出実用化研究開発事業> 高機能光学素子金型用の新しい薄膜金属ガラスの創成と実用 化 平成 16 年度~平成 18 年度 平成 18 年度 3,000 万円 <文部科学省 全国共同利用附置研究所連携事業> 金属ガラス・無機材料接合技術開発拠点 平成 17 年度~平成 22 年度 平成 18 年度 500 万円 受託研究(上記を除く) 2 件 350 万円 共同研究(上記を除く) 2 件 865.38 万円 67 奨学寄附金 2 件 350 万円 ■ 研究室の在籍者(平成 18 年度中) 学部学生 1( ) 大学院修士課程在籍者 2( ) 大学院博士課程在籍者 2( 1) 研究生 0( ) 受託研究員 0( ) 民間等共同研究員 0( ) その他ポスドク等 1( 1) (内留学生人数) ■ 特許(平成 18 年度) 出願 登録番号 特許第 3862799 号 登録日 平成 18 年 10 月 6 日(2006.10.6) ■ 受賞、褒賞(平成 18 年度) ・平成18年度東工大挑戦的研究賞 秦誠一 2006 年 12 月 ■ 海外渡航の回数(平成 18 年度) 1回 ■ 学会役員(平成 18 年度) ・日本塑性加工学会 マイクロ加工研究委員 2001 年 8 月~ ・精密工学会 MEMS 商業化技術専門委員会委員 2003 年 3 月~ 2件 ・日本塑性加工学会 企画委員会委員 2004 年 4 月 1 日~ 公開 「コンビナトリアルマテリアル用評価基板」 発明者 秦誠一,山内隆介,桜井淳平,下河邉明 出願人 国立大学法人東京工業大学 公開番号 特開 2006-308443 公開日 平成 18 年 11 月 9 日(2006.11.9) 「ガラス転移温度測定装置、及びガラス転移温度測定方法」 発明者 秦誠一,桜井淳平,下河邉明 出願人 財団法人理工学振興会 公開番号 特開 2006-329954 公開日 平成 18 年 12 月 7 日(2006.12.7) 2007 年 3 月 31 日 ・電気学会 論文委員会(E グループ)幹事 2005 年 4 月 1 日~ ・日本塑性加工学会 平成 18 年度塑性加工学会春季講演会 実行委員 2005 年 8 月 1 日~2006 年 3 月 31 日 ・日本機械学会 第 84 期 M&P 部門 運営委員 2006 年 4 月 1 日~2007 年 3 月 31 日 ■ イノベーション研究推進体への参加状況(平成 18 年度) ・コンビナトリアル科学研究推進体 代表者:高橋孝志(理 工学研究科) ■ 関連イベントへの協力・参加状況(平成 18 年度) 「熱特性測定装置、及び熱特性測定方法」 発明者 秦誠一,桜井淳平,山内隆介,下河邉明 出願人 財団法人理工学振興会 2005年12月6日(水)~12月8日(金) 公開番号 特開 2006-329955 主催:SEMI (Semiconductor Equipment and Materials 公開日 平成 18 年 12 月 7 日(2006.12.7) International) 1. セミコン・ジャパン2006 会場:幕張メッセ 「Mo系耐熱アモルファス合金」 発明者 桜井淳平,秦誠一,下河邉明 出願人 財団法人理工学振興会 公開番号 特開 2006-348333 公開日 平成 18 年 12 月 28 日(2006.12.28) 登録 「複合部材の製造方法及び複合部材」 「ビルトインセンサによる静電マイクロアクチュエータ の変位制御」(ブース展示) 2. 第17回マイクロマシン展 2006年11月7日(水)~11月9日(金) 主催: (財)マイクロマシンセンター 会場:東京国際フォーラム 発明者 高橋誠也,秦誠一 「ビルトインセンサによる静電マイクロアクチュエータ 出願人 オリンパス株式会社,井上明久 の変位制御」(ブース展示) 68 3. ひらめき☆ときめき サイエンス~ようこそ大学の研究 室へ~KAKENHI 2006年9月30日(土) 主催:文部科学省 会場:東京工業大学 「世界一の機械をめざして-機械の極限への挑戦-」 (講 演,実演) 4. イノベーションジャパン2006 2006年9月13日(水)~9月15日(金) 主催:科学技術振興機構,NEDO 会場:東京国際フォーラム, 「新しいアモルファス合金薄膜のコンビナトリアル創成」 (ブース展示,講演) 69 70 環境系分野 吉田プロジェクト <アイソトポマーの計測・解析法開発> プロジェクトリーダー 吉田 尚弘 教授 研究期間 平成14年度~平成18年度 研究費総額 約4億円 研究資金ソース 科学技術振興機構 基礎的研究発展推進事業 など ■ 研究内容 本研究は、主に安定同位体の組み合わせで一分子種に多種存在するアイソトポマー(同位体分子種)の 自然存在比を、分子種ごとに元素・分子内位置を識別して、精密に計測し、その物質の本来もつ豊富な質 的情報を定量化する新しい方法論の創出を目指している。平成 8 年度から 13 年度の 5 年間、科学技術振興 事業団の戦略的基礎研究を行い、新しい質量分析法と、赤外レーザー分光計測法を開発した。本研究は継 続展開する同事業団の基礎的発展研究をコアとするプロジェクトである。 分析法の更なる発展展開を行うとともに、開発した分子レベルのアイソトポマー解析評価法を地球温暖 化ガスなどの環境物質に適用し、その物質のサイクルを正確に記述する。国内外のネットワーク共同研究 機関とともに地球規模での観測を継続し、自然起源、工業・農業起源を分類し、それらの寄与を定量的に 解析し、現象解明を行う。人為起源アイソトポマーが自然起源と大きく異なり、排出削減の技術革新によ るアイソトポマー組成の変化が予想されるので、現象解明の高精度化には人為起源のデータアーカイブが 必要である。産業界の方々に試料提供など今後もさらにご参加いただく過程で、国内産業活動の進んだ環 境低負荷技術の確認とともに、国外との冷静な比較が可能になると期待される。 京都議定書の客観的評価に有効な指標を与え、具体的な排出削減目標の策定提言を行える程度に高精度 な評価法として国際的に認識されるよう情報発信し、適正な外部評価を受ける。 これらの活動を通じて、アイソトポマーが、地球温暖化ガスなどの環境物質の履歴解明に役立つ新指標 となる一方で、普遍的な分子レベルでの物質解析法であるので、食品分析や診断薬応用などを含む広い分 野への応用展開が期待される。 URL http://nylab.chemenv.titech.ac.jp/ ■ 新産業構造・新分野開拓の可能性 本研究で提案しているのはアイソトポマー(同位体分 子種)の解析という、新しいコンセプトの分子レベル物 質解析法である。この方法論の展開で新たな計測技術と 解析技術が開発され、新技術分野となることが予想され る。開発された計測・解析法を駆使することで、環境計 測・解析の新指標となる一方で、分子レベル解析法であ るため、食品分析や診断薬応用など、広い分野への応用 展開が期待される。 71 ■ 研究参加者 【学外】 慶應義塾大学、京都大学、名古屋大学、東北大 学、東京大学、東京農工大学、北海道大学、東 京都立大学、国立極地研究所、国立環境研究所、 総合地球環境学研究所、宇宙科学研究所、農業 環境技術研究所、地球環境産業技術研究機構、 海洋科学技術センター、日本自動車研究所、電 力中央研究所、日立製作所・アンリツ・東京ガ ス・その他の企業、および国際原子力機関、欧 州連合共同研究センター、英国草地環境研究所、 ゲッチンゲン大学、米国大気海洋局、ハワイ大 学、ミシガン州立大学、ペンシルバニア州立大 学、カリフォルニア大学、その他の国内外ネッ トワーク共同研究機関 【学内】大学院総合理工学研究科 環境理工学創造専攻 化学環境学専攻 大学院理工学研究科 地球惑星科学専攻 化学専攻 物質科学専攻 大学院生命理工学研究科 生体システム専攻 生物プロセス専攻 ■■■ z 平成18 年度主要トピックス ■■■ 2003 年イタリアで開催した国際アイソトポマー会議に引き続き、約 1 年ほどの準備期間で集中して、 2007 年8月に米国 UCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)で第3回国際アイソトポマー会議を 開催した。今回は JST に加えて、IAEA(国際原子力機関)、EC(ヨーロッパ連合) 、東工大 21 世紀 COE、UCSD の共催で 100 名ほどの出席を得て、会期を延長して行った。 z 国立環境研の協力を得て沖縄・波照間島における月一回のモニタリングを継続するとともに、新たに シベリア上空にて毎月採取された試料の分析を開始し、対流圏大気中 N2O アイソトポマー比の経年変 化や森林・湿地からのフラックスの推定に有効な基礎データを取得した。 z 72 岩手県三陸上空において宇宙航空研究開発機構、東北大学などと協力して大気球を用いて成層圏大気 試料の採取実験を行い、成功させた。N2O のアイソトポマー比を測定し過去 10 年にわたる解析結果 と比較したところ、高度 25~35km の中部成層圏では同じ時期(5-6 月)に行った過去の結果よりもア イソトポマー比が相対的に高い傾向が見られ、春季の中部成層圏大気の運動状態の違いを反映してい るものと考えられた。 z 多摩川の河口から上流 60km までの 9 測点において 2-3 ヶ月間隔で 6 回採取した河川水中の N2O 濃度・ アイソトポマー比の測定結果を解析した。都市河川においては下水処理場由来の N2O の寄与が大きい ことが示唆された。成果を国際会議 ISI2006 にて発表した。 z 東京都下水道局の協力を得て、多摩川流域の下水処理場において処理工程ごとに水、ガス試料の採取 を行い、N2O の濃度およびアイソトポマー比を測定した。2 種類の処理方法を比較すると、最近開発 された嫌気-無酸素-好気法(A2O 法)の方が N2O 濃度が低く、環境への放出量が低いことが分か った。 z 農業環境技術研究所の協力を得て、施肥された土壌から放出される気体の試料採取と N2O のアイソト ポマー比の測定を行った。過去に行った実験と異なる種類の土壌で実験を行ったところ、N2O アイソ トポマー比の特徴が大きく異なることが明らかになった。測定と解析を進めている。 z 大気中水蒸気、降水試料を採取し水の安定同位体比質量分析計で分析した。試料量が限られている水 蒸気試料を分析するために、分析に必要な試料量を従来法の10分の1程度に改良した。 z 大気中水蒸気の測定結果は、大気の混合を無視した計算値よりも低い値を示した。さらに解析を進め て大気水蒸気の生成消滅過程と輸送過程に重要な知見を得た。 z これまで測定が困難であったメタンの水素同位体比について、大気濃度レベル(およそ 2ppm)試料 を 100cc 用いて、±3‰の精度での計測を可能とした。これらを都市大気に適用し、メタンアイソトポ マー比の日変動を見出すとともに、それらの変動を、発生源として考えられる、埋立地、移動発生源、 固定発生源の寄与率の変化として解釈することが出来た。 z シベリア上空の大気メタンのアイソトポマー比を計測した。その結果、メタンアイソトポマー比の全 球平均値を推定することが出来た。さらに、シベリア域では、これまで石油起源および湿地起源のメ タンが重要であると考えられてきたが、未知の発生源があることを示唆するデータが得られた。 z 人為発生源として重要なバイオマス燃焼について、模擬実験を行い、アイソトポマー比を計測した。 模擬実験の結果から、燃焼効率および基質情報とアイソトポマー比を関連付けることができた。さら に、地域的・全球的バイオマス燃焼の燃焼効率に関する情報を用いることで、バイオマス燃焼によっ て放出されるメタンのアイソトポマー比を推定することが出来た。 z 水田から発生するメタンのアイソトポマー比計測を行った。水田から放出されるメタンのアイソトポ マー比が季節によって大きく変動することが明らかとなった。またその変動は、基質および酸化され る割合によって説明することが出来た。 z 熱帯雨林を模したバイオスフェア II 実験で得られた大気について、メタンのアイソトポマー計測を行 った。熱帯雨林から多量のメタンが放出されていることが明らかになった。これまで森林がメタン吸 収源あるいは発生源ではないと考えられてきたことに対して、重要な示唆を与えた。 73 z 水中にミリモル量で存在するエタノールのアイソトポマー比(水素・炭素・酸素同位体比)の計測法 を開発した。 z アセトアルデヒドの分子内炭素同位体比分布の計測法を開発した。 z モデルの作成、および全地球的収支評価へと研究を進め、成果を順次公表した。 z 最終年度である 18 年度は研究推進し、研究成果をまとめた。 74 3rd International Symposium on Isotopomers (ISI) 75 ■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ DATA■ ■ 研究業績 (平成 18 年 1 月-12 月) Rapid Communications in Mass Spectrometry, 20, 3503-3508, 2006. 研究論文 1. 2. T. Osono, S. Hobara, K. Koba, K. Kameda, Immobilization of avian excreta-derived nutrients and reduced lignin decomposition in needle and twig litter in a temperate coniferous forest, Soil Biology and Biochemistry, 38, 517-525, 2006. K. Osaka, N. Ohte, K. Koba, M. Katsuyama and T. Nakajima, Hydrologic controls on nitrous oxide production and consumption in a forested a headwater catchment in central Japan, J. Geophys. Res.-Biogeosciences, 111, G01013, doi:10.1029/2005JG000026, 2006. 3. K. Kameda, K. Koba, S. Hobara, T. Osono, and M. Terai, Mechanism of long-term effects of cormorant-derived nitrogen in a lakeside forest, Hydrobiologia, 567, 69-86, 2006. 4. T. Osono, S. Hobara, K. Koba and K. Kameda, Reduction of fungal growth and lignin decomposition in needle litter by avian excreta, Soil Biology & BiochemistryI, 38, 1623-1630, 2006. 5. S. Hobara, C. McCalley, K. Koba, A.E. Giblin, M.S. Weiss, G. M. Gettel and G. R. Shaver, Nitrogen fixation in an arctic tundra watershed: A key atmospheric N source, Arctic, Antarctic, and Alpine Research, 38(3), 267-372, 2006. 6. 7. 8. 9. V.V.S.S. Sarma, O. Abe, A. Hinuma, and T. Saino, Short-term variation of triple oxygen isotopes and gross oxygen production in the Sagami Bay, central Japan, Limnology and Oceanography, 51, 3, 2006. K. Anzai, X. Gao, H. Sasada, and N. Yoshida, Narrow Lamb-Dip of the 3.4-μm Band Transition of Methane with Diffence Frequency Generation and Enhaucement Cavity, Jpn. J. of Appl. Phys., 45, 2771-2775, 2006 K. Yamada, Y. Ozaki, F. Nakagawa, S. Sudo, H. Tsuruta, N. Yoshida, Hydrogen and carbon isotopic measurements of methane from agricultural combustion: implications for isotopic signatures of global biomass burning sources, Journal of Geophysical Research, 111, D16306, doi:10.1029/2005JD006750, 2006. Y. Ueno, K. Yamada, N. Yoshida, S. Maruyama, and Y. Isozaki, Biosignatures and abiotic constraints on Early life, reply. Nature 444, E18-E19, doi:10.1038/nature05500, 2006. 10. VVSS. Sarma, O. Abe, T. Saino, N. Yoshida, Continuous shipboard sampling system for determination of triple oxygen isotopes and O2/Ar ratio by dual-inlet mass spectrometry., 76 11. M. B. Westley, H. Yamagishi, B. N. Popp, N. Yoshida, Nitrous oxide cycling in the Black Sea inferred from stable isotope and isotopomer distributions, Deep Sea Research, 53, 1802-1816, 2006. 12. Ueno, Y., K. Yamada, N. Yoshida, S. Maruyama, and Y. Isozaki, Evidence from fluid inclusions for microbial methanogenesis in the early Archaean era, Nature, 440, 516-519, 2006. 13. H. Nara, F. Nakagawa and N. Yoshida, Development of two-dimensional gas chromatography/isotope ratio mass spectrometry for the stable carbon isotopic analysis of C2-C5 non-methane hydrocarbons emitted from biomass burning, Rapid Commun. Mass Spectrom., 20, DOI: 10.1002/rcm.2302, 2006. 14. K. Tsuji, S. Fujikawa, K. Yamada, N. Yoshida, K. Yamamoto, T. Kikugawa, Precise Measurement of the 13CH4/12CH4 Ratio of Diluted Methane Using a Near-Infrared Laser Absorption Spectrometer, Sensors and Actuators B: Chemical, 114, 326-333, 2006. 報告 1. N. Yoshida, Biological and photochemical processes simulated in the field and laboratory to help understand the global change in the Earth’s history, Annual Report of the Research Center for the Evolving Earth and Planets 2005, 9- 12, 2006. 2. N. Yoshida, Isotopomers of methane from Archean to present and nitrous oxide from the deep ocean to the stratosphere indicate their bacterial and anthropogenic origins, Annual Report of the Research Center for the Evolving Earth and Planets 2005, 90- 93, 2006. 3. K. Koba, Nitrogen compounds and its isotope/isotopomer signatures as indicators for oxic/anoxic environments, Annual Report of the Research Center for the Evolving Earth and Planets 2005, 102- 105, 2006. 4. Y. Ueno, 33S and 36S analysis of early Archean barite and pyrite: new instights into ancient sulfate reduction, Annual Report of the Research Center for the Evolving Earth and Planets 2005, 106- 109, 2006. 5. N. Suzuki, A measurement of methane flux and its isotope ratio to determine methane dynamics in wetland, Annual Report of the Research Center for the Evolving Earth and Planets 2005, 110, 2006. 6. S. Danielache, Photodissociation of SO2 a theoretical exploration, Annual Report of the Research Center for the Evolving Earth and Planets 2005, 111, 2006. 7. Y. Tobari, Nitrogen dynamics in various forest ecosystems, using stable isotope ratios (δ15N and δ18O of nitrate), Annual Report of the Research Center for the Evolving Earth and Planets 2005, 112, 2006. 8. A. Fujii, Isotopomers studies of nitrous oxide in the eastern subtropical north North Pacific, Annual Report of the Research Center for the Evolving Earth and Planets 2005, 113, 2006. 国際会議 1. 2. 3. O. Yoshida, N. Boontanon, A. Fujii, K. Yamada, S. Watanabe, and N. Yoshida, Methane production, consumption, and sea-air flux in the central North, Pacific based on stable isotopic distribution of methane, Proceedings of Third International Symposium on Isotopomers, 2006 O. Yoshida, K. Sasaki, K. Yamada, S.Watanabe, and N. Yoshida, Methane concentration and stable isotopic distribution as indicators of methane and ocean dynamics in the Antarctic Ocean. Proceedings of Third International Symposium on Isotopomers, 2006 K. Koba, K. Osaka, Y. Tobari, S. Toyoda, N. Ohte, M. Katsuyama, N. Suzuki, M. Itoh, H. Yamagishi, M. Kawasaki, S. Kim, N. Yoshida and T. Nakajima, Characterization of N2O in a temperate forested ecosystem, Third International Symposium on Isotopomers, University of California, California, USA. 2006.8.31. 4. Sorai, M., and N. Yoshida, Geochemical simulation of global nitrous oxide cycle, Third International Symposium on Isotopomers, San Diego, USA, 2006.8.27-31 5. H. Nara, S. Toyoda, N. Yoshida, Latitudinal d13C distributions of atmospheric ethane and propane over the western North Pacific and eastern Indian Ocean: a useful indicator of the atmospheric transport process, Abstracts of the third International Symposium on Isotopomers, USA, 2006 6. 7. 8. 9. K. Koba, K. Osaka, Y. Tobari. Toyoda, N. Ohte, M. Katsuyama, N. Suzuki, M. Itoh, H. Yamagishi, M. Kawasaki, S. Kim, N. Yoshida and T. Nakajima, Characterization of N2O in a temperate forested ecosystem by natural abundances of stable isotopes, The 4th Okazaki Biology Conference on 'Terra Microbiology II' , Okazaki, Japan, 2006.9.12, 10. R. Uemura, H. Motoyama, S. Morimoto, O. Watanabe, N. Yoshida, J. Jouzel, F. Vimeux, V. Masson-Delmotte, B. Stenni, A late-glacial millennial-scale fluctuation recorded in the deuterium excess record from the Dome Fuji ice core, ESF-JSPS Frontier Science Meeting for Young Researchers, "Climate Change", Nynäshamn, Sweden, 2006.6.24~29. 11. Toyoda, S., H. Iwai, K. Koba, and N. Yoshida, Isotopomeric analysis of N2O dissolved in a river in Tokyo metropolitan area, in Third International Symposium on Isotopomers, La Jolla, California, USA, 2006.8. 12. K. Yamada and N. Yoshida, Measurement of D/H, 13C/12C and 18 16 O/ O ratios of ethanol in water at submillimole levels by a SPME-GC/TC, C/IRMS, in Third International Symposium on Isotopomers, La Jolla, California, USA, 2006. 13. R. Uemura, Y. Matsui, H. Motoyama, N. Yoshida, Deuterium excess of water vapor and ocean surface conditions, American Geophysical Union Fall Meeting, San Francisco, CA, USA, 2006.12.11~15. 14. K. Koba, A. Makabe, C. Yoshimizu, N. Ogawa, I. Tayasu, C. Kim, N. Ohkouchi, S. Toyoda, Y. Tobari, N. Yoshida, T. Nagata, Nitrate isotopic composition at sediment in Lake Biwa, American Geophysical Union, Fall Meeting 2006, abstract #H13C-1411, 2006 国内会議 1. N. Abe, K. Koba, K. Kawasaki, Y. Matsui, N. Yoshida, 沿岸 域重金属汚染の改善に対するアマモの有効性の定量的 評価(Exploitation of Zostera marina for Remediation of Heavy Metal Pollution in Coastal Area)、第 40 回日本水環 境学会年会要旨集、615、2006 年 2. N. Suzuki, K. Koba, M. Itoh, K. Osaka, N. Ohte, Y. Tobari, M. Katsuyama, K. Yamada, S. Toyoda, T. Nagata and N. Yoshida, A measurement of methane flux and its isotope ratio to determine methane dynamics in wetland, 3rd International Symposium on Isotopomers, 70-71, 2006.8.27-31. 菅原敏、青木周司、中澤高清、石戸谷重之、弦間康二、 町田敏暢、橋田元、森本真司、豊田栄、本田秀之、並木 道義、飯嶋一征、井筒直樹、山上隆正、クライオ実験に よって得られた日本上空成層圏大気中の微量期待の長 期変動、大気球シンポジウム要旨集、104-107、相模原、 2006 年 1 月 3. A. Makabe, K. Koba, C. Yoshimizu, N. O. Ogawa, I. Tayasu, C. Kim, N. Ohkouchi, S. Toyoda, Y. Tobari, N. Yoshida, T. Nagata, Nitrogen dynamics in Lake Biwa using stable isotopes, ISI2006 Third International Symposium on Isotopomers, USA, 2006 町田敏暢、青木周司、中澤高清、菅原敏、石戸谷重之、 橋田元、森本真司、豊田栄、巻出義紘、本田秀之、並木 道義、飯嶋一征、山上隆正、三陸上空と昭和基地上空の 成層圏で観測された水素濃度の鉛直分布,大気球シンポ ジウム要旨集, 108-110, 相模原、2006 年 1 月 4. 森田亮介、山岸洋明、豊田栄、吉田尚弘、アイソトポマー 比を用いた太平洋赤道域における海水中N2Oの生成消滅 H. Sasada, M. Sato, M. Abe, K. Tsuji, and N. Yoshida, Difference-frequency source with a periodically poled lithium niobate waveguide for spectroscopic measurement of isotopomer around 3μm, Third International Symposium on Isotopomer, San Diego, USA, 2006.8.27-31 77 過程の解析、2006 年度日本海洋学会春季大会、146、2006 年 5. 6. 豊田 栄、Sebastian Danielache、上野雄一郎、吉田尚弘, フラグメンテーションを利用した 安定同位体比質量分 析法: 微量気体成分への適用、日本地球化学会第 53 回 年会講演要旨集、90、東京、2006 年 9 月 眞壁明子、木庭啓介、由水千景、陀安一郎、C.Kim、小 川奈々子、大河内直彦、豊田栄、戸張賀史、吉田尚弘、 永田俊、安定同位体を用いた琵琶湖における亜酸化窒素 生成・消費メカニズムの解明、第 53 回日本生態学会大 会講演要旨集、275、2006 年 7. 藤村栄貴、山田桂大、木庭啓介、吉田尚弘、嫌気的土壌 中酢酸の安定同位体比測、第 53 回日本生態学会大会要 旨集、270、2006 年 8. 徂徠正夫、吉田尚弘、感度解析によるN2O濃度規定因子 の評価、2006 年度日本地球化学会年会第 53 回年会、東 京、2006 年 9 月 9. 奈良英樹、吉田尚弘、炭素安定同位体比から推定された 外洋域大気中における海洋起源非メタン炭化水素の寄 与、第 53 回日本地球化学会年会講演要旨集、226、2006 年 10. 藤原 彬充、豊田 栄、奈良 英樹、木庭 啓介、吉田 尚 弘、下水処理工程で発生するN2Oのアイソトポマー組成、 日本地球化学会第 53 回年会講演要旨集、146、東京、2006 年9月 11. 深澤真、豊田栄、白石誠、長田隆、木庭啓介、吉田尚弘、 家畜排泄物の堆肥化過程で発生する一酸化二窒素の安 定同位体比測定、第 53 回日本地球化学会第 53 回年会講 演要旨集、日本大学文理学部、2006 年 9 月 14 日 12. 眞壁明子、安定同位体からみた河川生態系における窒素 循環、日本地球惑星科学連合 2006 年大会、2006 13. 阿部真志、佐藤真弓、佐々田博之、吉田尚弘, 導波路型 PPLN を用いた波長 3.4μm 帯の分子分光、日本物理学会 秋季大会講演概要集第2分冊、p. 110, 2006 14. 植村立、水安定同位体比の気温指標としての妥当性-氷床 コアに降雪をもたらした水蒸気に注目して-、2006 年度 日本雪氷学会全国大会, 雪氷化学分科会、秋田市民交流 プラザアルヴェ(秋田県) 、2006 年 11 月 16 日(招待講演) 15. 田中ゆかり、須藤重人、Lim Sze Fook、吉田尚弘、マレー シア大気中非メタン炭化水素の濃度測定、平成 17 年度 第 16 回大気化学シンポジウム研究集会講演集、116-119、 2006 年 1 月 16. 小森大輔、須藤重人、八木一行、西村誠一、秋山博子、 林健太郎、豊田栄、山田桂大、木庭啓介、吉田尚弘, 日 本の水田におけるハロゲン化メチルの発生, 平成17年度 第 16 回大気化学シンポジウム研究集会講演集, 102-105, 2006 年 1 月 78 17. 水野香、豊田栄、吉田尚弘、山岸洋明、木庭啓介、ナリ ン・ブンタノン、丹治保典、微生物のN2O還元のアイソ トポマーによる解析、第 16 回大気化学シンポジウム、 2006 年 1 月 18. 鈴木希実、木庭啓介、伊藤雅之、尾坂兼一、大手信人、 戸張賀史、勝山正則、山田桂大、豊田栄、永田俊、吉田 尚弘、炭素・水素安定同位体比を用いたメタン生成・消 失機構の解明、日本生態学会大会講演要旨集、J238-P012, 2006、2006 年 5 月 14 日 19. 植村立, 松井洋平, 本山秀明, 吉田尚弘、南大洋における 水蒸気の安定同位体比観測、第 29 回極域気水圏シンポ ジウム、国立極地研究所(東京都) 、2006 年 11 月 20 日 ~22 日 ■ 研究費の取得状況(平成 18 年度) 政府系競争的資金による助成 (主な研究資金として) <科学技術振興機構 戦略的創造研究発展研 CREST-SORST> アイソトポマーによる温暖化気体ソース・シンクの定量的 評価 平成 13 年度~18 年度 平成 18 年度 6174 万円 受託研究(上記を除く) 2件 1078 万円 奨学寄附金 2件 200 万円 ■ 研究室の在籍者(平成 18 年度中) 学部学生 大学院修士課程在籍者 大学院博士課程在籍者 研究生 受託研究員 民間等共同研究員 その他ポスドク等 1 9 5( 1) 1( 1) 1 0 1 (内留学生人数) ■ 海外渡航の回数(平成 18 年度) 4回 ■ 学会役員(平成 18 年度) ・American Geophysical Union Editor of Geophysical Research Letters 2004 年 12 月-2008 年 1 月 ・European Geosciences Union Editor of Atmospheric Chemistry and Physics 2001 年 10 月より継続中 Narin BOONTANON and Naohiro YOSHIDA, Stable Isotope Studies during SORST Project (2002-2005) ■ 政府、自治体その他公的団体の委員等(平成 18 年度) 奈良英樹・吉田尚弘、炭素安定同位体による大気中非メ ・日本学術会議 連携会員 タン炭化水素の輸送プロセスの解析 ・独立行政法人 日本学術振興会 学術システム研究セン ター 専門研究員 Sebastian Danielache, Naohiro Yoshida, Yuichiro Ueno, High ・独立行政法人 地球環境産業技術研究機構 技術評価分科 会 委員 Sulfide Isotopomers ・文部科学省 科学技術政策研究所 科学技術動向委員 Precision Absorption Cross Section Measurements of Carbonyl 藤井彩子、ナリン ブンタノン、吉田磨、吉田尚弘、海 洋での温室効果ガス一酸化二窒素の生成経路の推定と ・国立極地研究所 氷床コア研究委員会 委員 ・京都大学生存圏研究所 運営委員会 委員 ・独立行政法人 海洋研究開発機構 地球シミュレータ評価 委員会 委員 ・独立行政法人 科学技術振興機構 国際科学技術協力推進 委員 生成量の定量化 戸張賀史、鈴木希実、豊田栄、吉田尚弘、硝酸安定同位 体比を用いた森林生態系内物質循環機構の評価 鈴木希実,木庭啓介,松井洋平, 保原達, Shaver R. Gaius, Giblin Anne, 山田桂大,吉田尚弘、生態系の変化が及ぼ す北極圏土壌からのメタン放出への影響 ■ 21 世紀COEプログラムへの参加状況(平成 18 年度) 「地球 人の住む惑星ができるまで」 環境解析グループリーダー ■ 関連イベントへの協力・参加状況(平成 18 年度) 眞壁明子・木庭啓介・由水千景・陀安一郎・金喆九・小 川奈々子・大河内直彦・豊田栄・戸張賀史・吉田尚弘・ 永田俊、安定同位体からみた琵琶湖における一酸化二窒 素生成・消滅機構 1. 戦略的創造研究推進事業発展研究 SORST ジョイントシ ンポジューム ―超微量物質の同定/認識の化学― 開催日:2007 年 1 月 30 日~31 日 主 催:独立行政法人 化学技術振興機構 会 場:コクヨホール 吉田尚弘、アイソトポマー計測による分子履歴情報の解 読:地球温暖化から初期生命までの物質循環解析例 阿部真志、辻潔、佐藤真弓、佐々田博之、吉田尚弘、導 波路型 PPLN 結晶を用いた波長 3 μm 帯差周波光源によ るメタン同位体の分光的計測 阿部 理・藤田耕史・吉田尚弘、降水試料中の17O excess の季節変化 木庭啓介, 尾坂兼一, 戸張賀史, 豊田栄, 大手信人, 勝山 正則, 鈴木希実, 伊藤雅之, 山岸弘明, 川崎雅俊, 金秀珍, 吉田尚弘, 中島拓男、アイソトポマー比を用いた、森林 生態系におけるN2Oのキャラクタリゼーション 豊田栄、吉田尚弘、木庭啓介、アイソトポマーによる一 酸化二窒素(N2O)ソース・シンクの定量的評価 山田桂大・吉田尚弘・中川書子・須藤重人、大気メタン 収支推定の制約としてのメタン炭素・水素同位体比 79 80 Ⅲ.その他の活動 ■ 東工大新技術展示コーナーの企画・運営 東工大から生まれ社会に役立てられている数々の技術の中から、特に最近の技術及びそれらの技術移 転例や研究成果を広く一般に紹介するために「東工大新技術」コーナーを常設し、平成 15 年 10 月から公 開している。このコーナーは、学内の産学連携関連組織(産学連携推進本部、ベンチャー・ビジネス・ラ ボラトリー、インキュベーションセンター)及び財団法人理工学振興会と協力して運営されており、平成 18 年度は、1 テーマの展示を新しくスタートし、全 18 ブース・18 パネルを展示した。更に、展示室来訪 者に東工大新技術をわかりやすく解説する目的で、日本語・英語での音声ガイドを作成し、活用している。 また、オープンキャンパス、すずかけ祭、学術・研究公開等のイベントに積極的に参加するとともに、各 種団体見学の受入などを行った。なお、テーマ一覧は表のとおり。当センターホームページでも展示内容 を公開している。 URL http://www.fcrc.titech.ac.jp/tenji.htm 平成18年度の主な見学者・受入団体 <>は関連の見学先 千葉県立成東高等学校PTA「大学見学」<すずかけ台キャンパス内> サレジオ学院中学校3年生 校外授業「職場訪問」<精密工学研究所 香川・川嶋研究室> 経団連視察 NSTDAフォーラム すずかけ台見学 83 東工大新技術コーナー ● ブース展示テーマ一覧 分類 エネルギー・ 環境 バ イ オ 材 情 料 報 開館時間 フロンティア創造共同研究センター (2006年10月27日現在) 展示タイトル 研究室 クリーンエネルギーシステム(燃料電池) 東工大クリーンエネルギー 開発グループ 超高層免震建築物の高密度地震観測 都市地震工学センター 大気圧プラズマによる廃棄物処理 総合理工学研究科 渡辺研究室 局在表面プラズモンを利用した光ファイババイオセンサ 総合理工学研究科 梶川研究室 再生医療における細胞マトリックス工学 生命理工学研究科 赤池研究室 脳波解析による感性解析と脳機能計測 東工大発ベンチャー (株)脳機能研究所 透明電子活性セラミック材料:現代の錬金術 フロンティア創造共同研究センター 細野研究室 ナノクラスターポリ酸 - 多様な構造とその応用- 資源化学研究所 山瀬研究室 高加工性ダイヤモンド状炭素膜コーティング 理工学研究科 大竹研究室 “ガラス細工のできる金属”の三次元微細加工 フロンティア創造共同研究センター 秦研究室 分子機能材料の設計と開発 資源化学研究所 彌田・中川研究室 ヒューマンインタフェースとバーチャルリアリティ 精密工学研究所 佐藤研究室 筋電信号を用いたヒューマンインタフェース 精密工学研究所 小池研究室 文化財を守る考古探査技術 情報理工学研究科 亀井研究室 補助人工心臓用コンパクト磁気軸受 精密工学研究所 精機デバイス部門 気体の等温化技術と流体計測制御 精密工学研究所 香川・川嶋研究室 極限作業ロボット 理工学研究科 広瀬・米田研究室 機能機械 ロボットの両眼運動制御 - 眼球運動神経系に基づいた高適応性視覚システム- 84 平日 10:00-17:00 精密工学研究所 張研究室 東工大新技術コーナー ● パネル展示テーマ一覧 分類 (2006年10月27日現在) 展示タイトル 3D-CAD対応型屋外熱環境シミュレーションツール エネルギー・ 環境 力率を改善することで拓く新しい電力制御の世界 小型廃棄物ガス化発電システム 無水Na2Snの新合成法 -省燃費タイヤへの応用- 水晶発振子マイクロバランス法 バ イ オ 感圧塗料(光学酵素センサー) 新しい微生物を活用した環境浄化 窒化アルミニウムの表面改質技術 材 料 高効率アンモニア合成用ルテニウム触媒 フェライトめっき法 指紋照合モジュール 平面アンテナ技術 情 報 次世代CAD/CAE 境界要素法による腐食解析システム マイクロスケール熱移動の新しい評価法 コンビナトリアルナノ薄膜形成技術 機能機械 剛体特性同定技術 迅速X線結晶構造解析装置の開発 研究室 総合理工学研究科 梅干野・村上研究室 原子炉工学研究所 嶋田研究室 総合理工学研究科 吉川研究室 理工学研究科 高田研究室 フロンティア創造共同研究センター 岡畑研究室 生命理工学研究科 大倉・蒲池研究室 資源化学研究所 正田研究室 理工学研究科 福山研究室 総合理工学研究科 秋鹿研究室 理工学研究科 阿部研究室 理工学研究科 國枝研究室 理工学研究科 安藤研究室 理工学研究科 萩原研究室 情報理工学研究科 天谷研究室 理工学研究科 橋本研究室 東工大-物材機構プロジェクト (鯉沼研・松本研) 理工学研究科 大熊研究室 理工学研究科 大橋・植草研究室 85 東京工業大学フロンティア創造共同研究センター 平成18年度活動報告書 平成19年8月 編集・発行 東京工業大学フロンティア創造共同研究センター 〒226-8503 TEL 神奈川県横浜市緑区長津田町4259番地 045-924-5991 FAX 045-924-5973 URL http://www.fcrc.titech.ac.jp (研究業務課 学術・研究振興係)
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