Title 本学女子学生の体脂肪率(第1報) Author(s) 今井, 一 Citation [岐阜

Title
本学女子学生の体脂肪率(第1報)
Author(s)
今井, 一
Citation
[岐阜大学教養部研究報告] no.[33] p.[191]-[201]
Issue Date
1996-02
Rights
Version
岐阜大学教養部保健体育研究室 (The Faculty of General
Education, Gifu University)
URL
http://repository.lib.gifu-u.ac.jp/handle/123456789/3980
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
岐阜大学教養部研究報告第33号 ( 1996)
191
本学女子学生の体脂肪率 ( 第1報)
今井
一 ・ 山本佳代 ・ 玉腰由美 ・杉森弘幸
松岡敏男 ・ 川岸輿志男 ・ 奥田英二 ・ 篠田昭八郎 *
保健体育研究室
(1995年10月11日受理)
Percunt B ody F at M asS of F em ale Students
in Gifu U niversity ( 1 )
Hajime IMAI, Kayo YAMAMOT0 , Yumi TAMAKOSHI, Hiroyuki SUGIMORI,
Toshio M A TSU OK A , Y oshio K A W A GISHI , Eiji OK UD A ,
and Shouhachiro SHIN OD A *
¥
,
I 。 は じ めに
成長がほぼ止まる17歳の身長 と体重の推移は, 身長は少 しずつ伸びているが, それに対応
する体重の増加には不 自然 な と こ ろがあ り, 男子は増え過 ぎ, 女子は相応 に増 え て い な い傾
向がみ られて いる。 こ の要因は, 男子は栄養 をた っ ぷ り摂 り なが らそれを使い切っ て お らず
肥満傾向示 し , 女子は成長期の体形変化で ダイ エ ッ ト を気 に し過 ぎる結果 と も言われてい る。
また, 昨今女子学生の骨塩量の低下が増え, 骨粗耘症の予備軍の増加傾向が指摘 さ れている。
女性が骨粗程症にな りやすいのは, 男性 に比べ骨が細か く 量が少ない こ と , 妊娠 ・ 出産時の
カ ルシ ウム消 費, 更年期 にお ける女性 ホルモ ンの分泌停止等のためで ある。 女性ホルモ ン は
体脂肪 と密接 な関係があ り, 体脂肪 は性ス テ ロ イ ドホルモ ンの代謝に も重要な役割 を 果 た し
てい る。 ア ン ドロゲ ン (男性ホルモ ン) は脂肪 におい てaromatization を受けてエ ス ト ロ
ゲン (卵胞ホ ルモ ン) に転換 さ れる こ と から16) ノ体脂肪量の少 ない者で はこ の転換率が低
く , 高ア ン ド ロゲ ン状態を きた し, 月経異常の原因にな る と考え られている。 女性 の身体 に
おけ る脂肪は正常な性機能の発現お よび維持 において重要で あ り , 性機能 と体脂肪率 の関係
につ い ては, 初経発来には17% 以上, また正常な月経周期の確立には22% 以上の体脂肪率が
* 岐阜大学医療技術短期大学部
192今井
一 一山本佳代 ・ 玉腰由美 ・杉森弘幸 ・松岡敏男 ・川岸輿志男 ・奥田英二 ・篠田昭八郎
必要であ る と報告 さ れて いる 3) 。 こ の よ う に体脂肪率の減少は, 性ス テ ロ イ ドホルモ ンの代
謝等, 内分泌学的に も月経異常発現に重大 な影響 を及ぼ してい る。 一方, 体脂肪率 の過度 の
増加 ( 肥満) はイ ンス リ ン非依存型の糖尿病, 高血圧, 虚血性心疾患, 乳癌等 を引 き起 こ す
因子で あ る。 こ れ らのこ と か ら も適切 な体脂肪率 を保つ こ と は, 健康 に生活す る ため に は重
要な要素の一つであ る と言え よ う 。
そ こで , 今回は本学女子学生の体脂肪率の現状 に関す る基礎資料 を得 る た めに, 平成7年
度入学生 を対象に体脂肪率等の測定, 及び若干の肥満判定指標 を算出 し検討 を行っ た ので 報
告す る。
皿。 研究方法
A . 身体測定
身体測定を2回実施 した。
・ 測定1 : 平成7年4月か ら5月にかけ て行われたス ポーツテス ト期間中に身体測定を行っ た。
平成7年度本学入学女子学生402名を測定 した ( 表1) 。 測定項 目は身長, 体重 と
した。 身長は5月に保健管理セ ン タ ーで実施 さ れた健康診断時の測定値 を 自己申
告 さ せた。
・測定2 : 平成7年6月か ら9月に実施 した。 平成7年度本学入学女子学生163名 を測定 し た
( 表2) 。 測定項 目は身長, 体重, 体脂肪率 と した。 体重, 体脂肪率測定 には体 内
脂肪計 ( T B F - 102 ・ タ ニ タ社製) を使用 した。
表1
測定数 ( 測定 1 )
表2
測定数(人) 在籍数(人) 割 合( % )
学部
210
238
88. 2
教育
医
19
22
86. 4
工
44
58
農
129
計
402
学部
教育
測定数 ( 測定 2 )
測定数( 人) 在籍数(人) 割 合( % )
98
238
41. 2
医
2
22
9. 1
75. 9
工
13
58
22.4
140
92. 1
農
50
140
35. 7
458
87. 8
計
163
458
35. 6
B . そ の他の測定項 目
測定2の実施時に1週間の運動回数の調査 を行 っ た。 調査の内容は表3に示 し た 。 なお , 身
体活動科学演習は運動回数に含めない よ う 指示 し た。
本学女子学生の体脂肪率 ( 第 1報)
表3
193
1週間の運動回数
1。 し て い な い
4。 2回
2. あ ま り し て い ない
5. 3回
3. 1回
6. 4回以上
C。 肥満判定指標等の算出
肥満度 ( % ) , BM I ( Body Mass lndex ) の各算出方法を表4に示 した。 肥満度の標準
体重は日本肥満学会で採用 している22×身長 ( m)2 を用 い た 。
表4
肥満判定指標の算出方法
肥満度( % ) = ¦ (現有体重一標準体重) ÷標準体重 ¦ ×100
標準体重 = 22×身長( m) 2
BM I (Body Masslndex) = 現有体重÷身長( m) 2
D. 肥満 とやせの判定の基準
体脂肪率 について は, 正常な月経周期の確立には22% 以上必要 と い う 報告があ り , また ,
日本人成人女性の平均が25% , そ し て , 30% 以上 を肥満 と し , 30% 以上35% 未満 を軽度, 35
% 以上40% 未満 を中等度, 40% 以上 を重度 の肥満 と 分類 さ れて い る 。 そ こ で , 22% 未満 を
「やせ」, 22% 以上28% 未満 を 「正常」, 28% 以上30% 未満 を 「肥満傾向」, 30% 以上 を 「肥満」
と分類 した。 肥満度 ( % ) , BM I について は, 日本肥満学会の肥満判定基準 ( 表5) を用い
た。
表5
判
標準体重[ ( 身長 m) 2 ×22] に よる肥満度お よび
BM I か らみた肥満の判定 ( 日本肥満学会)
定
やせ (低体重)
肥
満
度 (% )
< - 10
B
M
I
< 20
正常 (普通体重)
≧ - 10< 十10
≧20く 24
肥満傾向 ( 過体重)
≧ 十10く 十20
≧24< 26. 5
肥満 (肥満体重)
≧ 十20
≧26.5
E . 体脂肪率測定について
前回の報告5) において, 体脂肪率の算出で は皮下脂肪厚 ( 上腕背部 ・ 肩甲骨下部) を測定
し, そ の合計値 を長峰 らの 日本人用身体密度推定式 14) にあて はめ, さ ら にブ ロ ゼ ッ ク の式4)
から体脂肪率を推定 した。 しか し, 皮脂厚の測定において①測定場所を正確に決定す る こ と
が難 しい②皮膚の引っ張 り方や測定方法等, 測定者によ り微妙に異なる③いろいろな種類の
194今井
一 ・ 山本佳代 ・ 玉腰由美 ・ 杉森弘幸 ・松 岡敏男 ・ 川岸輿志男 ・ 奥田英二 ・ 篠田昭八郎
皮脂厚計があ り, その種類によ り測定値が変わる④皮脂厚の測定は皮膚の厚さ を無視 してい
る⑤皮下脂肪 と筋肉の間の境界が不明瞭である こ と も多 く , 皮下脂肪組織だけを正確 に引っ
張る こ と は事実上不可能⑥皮膚及び皮下組織の堅さ は個人差が大 きい⑦著 しい肥満では皮下
脂肪全体 をつ まみ上げる こ と は事実上不可能等 によ り, 測定誤差が生 じやすい。 そ こ で , 今
回 は体 脂 肪 率 測 定 法 と し て 生 体 電 気 イ ン ピ ー ダ ン ス 法 ( bioelectrical impedance
analysis;BIA) を用いた。 イ ンピーダンス法 と は生体に微弱な交流電流 ( 50kHz ・ 800μA)
を通 じて体内の電気イ ン ピーダンス (抵抗) を測定 し√体水分量から L BM ( 除脂肪体重 ) ,
ついで体脂肪率 を推定す る方法で ある。 測定は非常 に簡単で , 被験者は何の異常 も感 じ ず ,
安全, 迅速 ( 1分以内) , 便利である。 機器は多少重いが, 持ち運びはで き る。 しか し , 同一
機種 によ る体脂肪率測定で は体密度法に比 し遜色がない と い う 報告20) もあるが, 運動, 脱水,
飲食によっ てばらつ きがでた り1), やせの体脂肪率を多めに, 肥満の体脂肪率 を少 なめに算
定する傾向がある 9) 。 しか し なが ら, 第3回米国健康栄養調査 ( N H A N E S
Ⅲ) で は体
組成の測定に生体電気 イ ン ピーダ ンス法が用い られてお り 2), 皮脂厚法 よ り , よ り正確 な体
脂肪率推定法 と言え よ う 。
m。 結果 と考察
A 。 測定1
1. 身長, 体重
( 図1)
‥
身長の平均値は, 158.4 ±5.25cm, 体重の平均値は, 50.8 ±5.78kgであ り , 全 国大学
生 [18歳] ( 身長
158.6 ±5.15cm・体重51.7 ±6.24kg) と の比較 で は体重 に5% 水
準 で有意な差がみ られた。 また, 身長 と体重には1% 水準でかな り な正の相関(r= 0.56
9) が認められた。
(kg) 100
QV
0
Q︰
y
0
体 70
重 60
﹂
Q
0
9
0
140
150
身
図1
160
長
身長 と 体重 の分布
170
(n= 402)
180
(cm)
本学女子学生の体脂肪率 ( 第 1報)
2。 肥満度 ( % )
195
( 図2)
肥満度 ( % ) の平均値は-8.0±9.02% であっ た。 肥満 とやせの判定では, やせ ( 低体
重) 44.0% ( 177例) , 正常 ( 普通体重) 52.5% ( 211例) , 肥満傾向 ( 過体重 ) 2.7% ( 11
例) , 肥満 (肥満体重)
0.7% (3例) であっ た。 平均値 は正常 ( 普通体重) の範囲内
にある ものの約半数は正常 ( 普通体重) の範囲外に分布 し, 特にやせ (低体重) の分布
が大 きな割合 を 占めていた。
0
10
20
30
40
50
60
(% )
やせ
(低体重)
正常
(普通体重)
肥満傾向
(過体重)
肥満
(肥満体重)
(n= 402)
図2
3.
BM I
肥満度 ( % ) に よ る肥満 と ヤセ の判定
( 図3)
∧
BM I の平均値は20.2±1.98であ っ た。 肥満 とやせの判定で は, やせ ( 低体重) 48.3
% ( 194例) , 正常 ( 普通体重) 48.0% ( 193例) , 肥満傾向 ( 過体重) 3.0%
( 12例) , 肥
満 ( 肥満体重) 0.7% (3例) であっ た。 肥満度 ( % ) と 同様, BM I の平均値 は正常
の範囲に入っ ている ものの, やせ ( 低体重) に分類 さ れた者が約5割存在する こ と は注
目すべ き点 と言 え よ う 。
0
10
20
30
40
50
60
(% )
やせ
(低体重)
正常
(普通体重)
肥満傾向
(過体重)
肥満
(肥満体重)
図3
B M I に よ る肥満 と やせ の判定
(n= 402)
196今井
一 ・ 山本佳代 ・ 玉腰由美 ・杉森弘幸 ・松岡敏男 ・川岸輿志男 ・奥田英二 ・篠田昭八郎
B . 測定2
1. 身長, 体重
身長の平均値は, 158.6 ±5.09cm, 体重の平均値は, 51.2±6.10kgで あ り , 両者 に1
% 水準でかな りな正の相関 (r = 0.473) が認められた。 測定 し た時期が測定1実施か
ら2~ 4ヵ 月経過 し ていたが, 身長, 体重共に有意な差はなかっ た。 また, 全国大学生 と
の比較 にお い て も有意な差 はなかっ た。
2. 肥満度 ( % )
( 図4)
肥満度 ( % ) の平均値は-7.5±9.78% であっ た。 肥満 とやせの判定で は, やせ ( 低体
重) 41. 1% ( 67例) , 正常 ( 普通体重) 52.8% ( 86例) , 肥満傾向 ( 過体重)
例) , 肥満 ( 肥満体重)
0
5.5%
(9
0.6% ( 1例) であっ た。
10
20
30
40
50
60
(% )
やせ
(低体重)
正常
( 普通体重)
肥満傾向
( 過体重)
肥満
( 肥満体重)
(n= 163)
図4
3.
BM I
肥満度 ( % ) に よ る 肥満 と やせ の判定
( 図 5)
BM I の平均値は20.3士2.15, 肥満 とやせの判定で は, やせ ( 低体重) 44.2% ( 72例) ,
正常 ( 普通体重) 48.5% ( 79例) , 肥満傾向 ( 過体重)
6.7% ( 11例) , 肥満 (肥満体重)
0.6% ( 1例) であっ た。
0
10
20
30
40
50
60
(% )
やせ
(低体重)
正常
( 普通体重)
肥満傾向
( 過体重)
肥満
( 肥満体重)
図5
B M I に よ る肥満 と やせの判定
(n= 163)
本学女子学生の体脂肪率 ( 第 1報)
4. 体脂肪率
197
( 図6 ・ 7)
体脂肪率の平均値は23.4±4.18% で あっ た。 肥満 とやせの判定で は, やせ ( 低体重)
35.0% (57例) , 正常 ( 普通体重) 52.1% (85例) , 肥満傾向 ( 過体重)
肥満 (肥満体重)
4.3%
( 7例) ,
8.6% ( 14例) であっ た。 肥満度 ( % ) , B M I での判定 と比較す る
とやせ (低体重) の割合が減少 し, 肥満 ( 肥満体重) の割合 が増加 し た。 体脂肪の分
布で は, 22% 以上24% 未満が, 28.2% と最 も多かっ た。 体脂肪率が低 く , やせ (低体重)
と判定 さ れたのが35.0% も存在 して い る こ と は健康の面 にお いて重大な問題で あ ろ う 。
つ ま り, 女性の体脂肪は, 女性 ら しい丸みを帯びた体 型 を作 り だ し て い る ばか り で な
く , 正常な性機能の発現, 維持 におい て重要で あ り , 体脂肪 の減少は, 性ス テ ロ イ ド ホ
ルモ ンの代謝に影響 を及ぼ し月経異常の発現の原因 と な っ て いる。 こ れ は結果 的に低
エス ト ロゲ ン状態 を招来す る こ と と な り, 骨粗程症の発症 と も関連す る こ ど に な る 。
また, 体脂肪の分布 は男女で大 き く 異 な り , 一般に成人男性 で は腹部に, 成人女性で は
脊部大腿部に脂肪がつ く 傾向がある。 やせ ( 低体重) の割合 が多い原因 と し て は, ス
タ イ ルを気 に し て肥満で ないのにダイ エ ッ ト を行 っ た結果 と も考え られる。
0
10
20
30
40
50
60
(% )
やせ
(低体重)
正常
(普通体重)
肥満傾向
(過体重)
肥満
(肥満体重)
(n= 163)
図6
0
5
体脂肪 率 に よ る 肥満 と やせの判定
10
15
20
25
30
35
(% )
16% 未満
16% 以上18% 未満
18% 以上20% 未満
20% 以上22% 未満
22% 以上24% 未満
24% 以上26% 未満
26% 以上28% 未満
28% 以上30% 未満
30% 以上32% 未満
32% 以上34% 未満
34% 以上36% 未満
36% 以上
図7
体脂肪率 の分布
(n= 163)
198今井
一 ・ 山本佳代 ・ 王腰 由美 ・ 杉森弘幸 ・ 松 岡敏男 ・ 川岸輿志男 ・ 奥田英二 ・ 篠田昭八郎
5。 肥満度 ( % ) と体脂肪率
( 図8)
肥満度 ( % ) で, やせ (低体重) と判定さ れ, 体脂肪率で は正常 ( 普通体重) と判
定 されたケース は26.9% ( 18例) であっ た。 肥満度 ( % ) で , 正常 ( 普通体重) と判
定 され, 体脂肪率で はやせ (低体重) と判定さ れたケースは 9.3%
(8例 ) , 肥満傾向
(過体重) と判定 さ れたケース は 7.0% ( 6例) , 肥満 (肥満体重) と判定 さ れたケース
は5.8% (5例) あ り, 肥満度 ( % ) で, 正常 ( 普通体重) と判定さ れ, 体脂肪率で はそ
れ以外に判定さ れた合計は22.1% ( 19例) であっ た。 肥満度 ( % ) で肥満傾向 ( 過体
重) と判定さ れ, 体脂肪率で は肥満 (肥満体重) と判定さ れたケ ース は100%
(9例)
帽
ぐ 40
で あ っ たレ
35
o
﹂
Q o
体脂肪率
﹂
a
O 一
1
30
- 20
- 10
0
20
10
30
図8
6. B M I と体脂肪率
40.
(% )
肥 満 度 (% )
肥満度 ( % ) と 体脂肪 率の分布
( 図9)
BM I で, やせ (低体重) と判定 さ れ, 体脂肪率では正常 ( 普通体重 ) と判定 さ れ
たケース は31.5% ( 23例) であっ た。 BM I で, 正常 ( 普通体重) と判定さ れ, 体脂肪
率で はやせ (低体重) と判定さ れたケース は8.9% ( 7例) , 肥満傾向 ( 過体重 ) と判定
さ れたケース は7.6% ( 6例) , 肥満 ( 肥満体重) と判定さ れたケース は3.8%
(3例) で
あ り, BM I で, 正常 ( 普通体重) と判定さ れ, 体脂肪率ではそれ以外 に判定された合
計は20.3% ( 16例) であっ た6 BM I で, 肥満傾向 ( 過体重) と判定さ れ, 体脂肪率で
は肥満 ( 肥満体重) と判定さ れたケース は90.9% ( 10例) , 正常 ( 普通体重 ) と判定 さ
れたケース は9.1%
( 1例) であっ た。
=
本学女子学生の体脂肪率 ( 第 1報)
199
j
垢0
04
5
3
0
3
25
体 脂肪率
CSj
O
﹂
Q
10
14
16
18
20
22
24
26
28
30
B M I
図9
B M I と 体脂肪率
7。 肥満判定指標 [肥満度 ( % ) ・ BM I ] と体脂肪率
肥満判定指標 団巴満度 ( % ) ・ BM I ] から と体脂肪率からの肥満 と やせの判定で
は肥満判定指標ではやせ (低体重) と判定さ れたが, 体脂肪率で は正常 ( 普通体重)
であっ たケース, 肥満判定指標では正常 ( 普通体重) と判定 さ れたが, 体脂肪率で は
やせ (低体重) あるいは肥満傾向 ( 過体重) や肥満 (肥満体重) で あ っ たケ ース等,
種々の違っ た判定が出現 した。 病気 にかか り に く い とか死亡率が低い と い う , い わゆ
る理想体重を求め, その理想体重に対 して個人の体重が どの程度多いのか少 ないのか
と い う 視点か ら肥満 を判定 して い こ う とす る方法は, 古 く か ら確 立 さ れて き た も ので
あ り, 確かに有用で あ る。 しか し本来, 体脂肪率 を反映す る も ので はな い 。 確 か に肥
満度 ( % ) ・ BM I と体脂肪率には強い正の相関 ( r= 0.922) が見 ら れたが, お よそ
人体 を体重 と身長の簡単な式で表す こ と 自体が無理な こ とで あ り , 正 し い肥満 と やせ
の判定 には体脂肪率の推定 に よ り行 う こ とが適切で あ る こ と が今 回の測定か ら も理解
さ れた と 思 われ る 。
8. 運動回数
‥
( 図10)
1週間の運動回数は, していない (29. 1% ) , あま り し て い ない (24.1% ) を合計す
る と53.2% とな り, 運動習慣のない者が多いこ とが示唆 さ れた。 こ のこ と は骨粗耘症
と の関連 において , い く ら カ ルシ ウム を摂取 し て も適度 な運動が行 われ な い と カ ルシ
ウムは体内に吸収 さ れず, また, 重力 に抗 した体重, 運動, 筋 肉活動 に よ る 応力が非
常 に低い時には骨の代謝は働かず骨塩量は増加 し ない こ と か ら , 今後 は適切 な運動習
慣 をつ ける よ う にラ イ フ ス タ イ ルを改善す る必要があ ろ う 。
200今井
一 ・ 山本佳代 ・ 玉腰由美 ・ 杉森弘幸 ・松 岡敏男 ・ 川岸輿志男 ・ 奥田英二 ・ 篠田昭八郎
4回以上
11. 3%
して い ない
29. 1%
(n= 163)
図10
1週 間の運動 回数
Ⅳ。 結
論
平成7年度入学女子学生を対象に, 体脂肪率等の測定, 肥満度 ( % )
・ B M I を算 出 し検
討を行 っ た と こ ろ , 次の結論 を得た。
1. 肥満度 ( % ) ・ BM I による肥満 とやせの判定で は, 体脂肪率 に よ る も の と 比べ , あ ま
り的確 に判定で きなかっ た。
2. 体脂肪率の平均値は, 23.4±4. 18% で あ っ た。
3レ 体脂肪率に よ る肥満 と やせの判定で は, 肥満8.6% , 肥満傾 向4.3% , 正常52.1% , やせ
35.0% で あ っ た。
4. 1週間の運動回数は, していない ( 29.1% ) , あ ま り し て い な い ( 24.1% ) を合計 す る と
53.2% と な り, 運動習慣のない者が多い こ とが示唆さ れた。
体脂肪率の減少及び運動不足 は, 骨塩量の減少 に密接 に関係す る こ と か ら , 本学 女子学
生に対 し て , 現状 を認識 させ, 運動 と栄養の量的バ ラ ンス調整が適切 にで き る よ う に指導
する必要性があ る と思われる。
本学女子学生の体脂肪率 ( 第 1報)
参
考
文
201
献
1) Brodie D A: Techniques of measurement of body composition, Part II . Sport Med 5:
74-98, 1988
/
2) Elia M :The bioimpedance
3)
Frish
RE:Food
Nervosa( ed.Vigersky
(jraze
. Eur J Clin Nutr 47:825-827, 1993
intake,fatness, and
reproductive
ability.Anoreχia
RA) ,Raven Press, New Y ork, 149, 1977
4) Haffner SM ,Stern M , P, Hazuda HP, Pugh J, Patterson JK : Do upper-body and central
ized adiposity
D iabetes ,
m easure differentaspects
of
regionaレ body-fat
di stribution?
36, 43-51 , 1987
5) 今井 一 ・杉森弘幸 ・ 山本佳代 他 : 皮脂厚法による本学女子学生の体脂肪率, 岐阜大学教養部
研
究報告, 31, 309-322 , 1994
6) 木田和幸 ・ 西沢義子 ・孫 光 他 : B I A 法 による小学生の体脂肪率一従来法 と の比較検討 - ,
学
校保健研究, 36, 417-422 , 1994
7) 松岡敏男 ・杉森弘幸 ・今井 一 他 : 大学生の生活 と健康に関す る研究, 岐阜大学教養部研究報
告,
29, 217-238 , 1993
8) 目崎 登 : 女性のためのスポーツ医学, 金原出版, 1992
9) Miles D S,Stevens AG: Body composition measured by bioelectrical impedance and
hydorostatic w eighing. M ed Sci Sports E xerc 17: 272-273, 1985.
10) 文部省体育局 : 平成5年度体力, 運動能力調査報告書, 1994
11) 森田信行 : 肥満は何時つ く られるか, 日本医事新報, 3396, 45-49 , 1989
12) 向坊 隆 : 東京大学公開講座 25 健康 と生活, 東京大学出版会, 1990
13) 村田光範 : やせ と肥満 ( 定義 と分 類) , 小児医学, 20, 666-679 , 1987
14) 長峰晋吉 : 皮下脂肪厚からの肥満の判定, 日本医師会雑誌, 68, 919-924 , 1972
15) 長峰晋吉 : スポーツ とエ ネルギー ・ 栄養, 現代のスポーツ科学2, 大修館書店, 1979
16) Richardson GE: Hormonal physiology of the ovary.Gynecologic Endocrinology, 2nd
Ed. (ed. Gold JJ) ,Haper & Row,New York, Evanston,San Francisco and London,55.
77,
1975
17) 下方浩史 : 体脂肪分布一腹部型肥満の基礎 と臨床- , 杏林書院, 1993
18) Shimokata H, Tobin JD,Muller DC, Elahi D, Coon PJ,Andres R. : Studies in the dis
tribution of body fat. 工 . E ffects of age, sex, and obesity. J G eronto1, 44 66-73,
1989
19) 篠田昭八郎 ・ 川岸輿志男 ・松岡敏男 他 : 岐阜大学1年生の肥満 ・ やせの意識調査, 岐阜大学教養
部研 究報告, 29, 191-200 , 1993
20) 塚本 宏 ・ 田村 誠 : 死亡率か らみた 日本人の体格, 明治生命 ・標準体重表, 厚生の指標 , 33( 2)
, 3, 14, 1986
21) Wilmore KM, et a1:Comparison of bioelectric impedance and near-i㎡rared
interactance for body com position assessm ent in a population of self-perceived over
w eight adults. lnt J Obes 18: 375-381, 1994