イントロダクション全ページ一括ダウンロード

Introduction
JXグループについてご理解いただくための基礎情報
2014 年 3 月期
JXグループが関わる石油、金属ビジネスについて
理解を深めたい方は、本冊子を事前にご覧ください。
Contents
P01
P02
P04
P06
P08
P14
P16
P19
P22
JXグループの事業領域
JXグループのビジネスモデル
JXグループのプレゼンス
石油・天然ガスの基礎情報
石油ビジネスについて
総合エネルギー産業化について
石油・天然ガス開発について
銅の基礎情報
銅ビジネスについて
JXグループは、2010 年、ともに 100 年以上の歴史を持つ新日本石油と新日鉱ホールディングス
の経営統合により誕生しました。持株会社であるJXホールディングスの下、エネルギー、石油・
天然ガス開発、金属の 3 つの中核事業を併せ持つ企業グループとして、世界有数の「総合エネ
ルギー・資源・素材企業グループ」への飛躍を目指しています。
JXグループスローガン
JXコーポレートブランドマーク
JXグループ理念
JXグループは、エネルギー・資源・素材における創造と革新を通じて、
持続可能な経済・社会の発展に貢献します。
「JX」はJXグループ経営理念を象徴しています。
「J」は、日本を代表する世界有数の「総合エネルギー・資源・素材
企業グループ」を、
「X」は未知への挑戦、未来への成長・発展、創造性・革新性などを、それぞれ表しています。
JXグループ行動指針
わたしたちは、グループ理念を実現するために、EARTH―5 つの価値観に基づいて行動します。
Ethics
高い倫理観
Advanced ideas
新しい発想
Relationship with society
社会との共生
Trustworthy products/services
信頼の商品・サービス
Harmony with the environment
地球環境との調和
代表取締役会長 木村 康
代表取締役社長 松下 功夫
エネルギー
石油・天然ガス開発
上場子会社
金属
NIPPO
東邦チタニウム*
代表取締役会長 木村 康
代表取締役社長 杉森 務
代表取締役社長 三宅 俊作
代表取締役社長 大井 滋
共通機能会社
個別事業会社
* 東邦チタニウムの損益は、金属事業に分類
JXグループの事業領域
エネルギー事業
事業内容
■
石油製品(ガソリン・灯油・潤滑油など)の精製および販売
■
石油化学製品の製造および販売
■
ガス(LP ガス・LNG)
・石炭の輸入および販売
■
電気の供給、燃料電池・太陽電池・蓄電装置などの販売
主な製品
国内製造拠点
石油製品
ガソリン、灯油、軽油、A重油、C重油、ナフサ、潤滑油、アスファルトなど
基礎化学品
パラキシレン、ベンゼン、プロピレンなど
機能化学品
その他製品
ENB、機能性フィルム、細胞培養培地、液晶ポリマーなど
液化天然ガス(LNG)、石炭、電力、燃料電池など
国内製油所
仙台、鹿島、根岸、大阪、水島、麻里布、大分
国内製造所
室蘭、川崎、横浜、知多
石油・天然ガス開発事業
事業内容
■
石油、天然ガスその他の鉱物資源の探鉱および開発
■
天然ガスその他の鉱物資源およびそれらの副産物の採取、加工、貯蔵、売買および輸送
主な製品
原油、天然ガス
活動エリア
米国メキシコ湾、カナダ、英国北海、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、インドネシア、タイ、
東ティモール、パプアニューギニア、オーストラリア、UAE、カタール、日本
金属事業
事業内容
■
非鉄金属資源の開発・採掘、非鉄金属製品(銅・金・銀など)および電材加工製品の製造・販売
■
非鉄金属リサイクルおよび産業廃棄物処理
主な製品
資源開発
銅精鉱、モリブデン精鉱
銅製錬
銅地金、貴金属、レアメタル、硫酸
電材加工
電解銅箔、圧延銅箔、精密圧延品、精密加工品、薄膜材料、リチウムイオン
電池用正極材
環境リサイクル
貴金属、レアメタル
チタン
スポンジチタン、チタンインゴット
資源開発
カセロネス銅鉱山、ロス・ペランブレス銅鉱山、コジャワシ銅鉱山、
エスコンディーダ銅鉱山
銅製錬
パンパシフィック・カッパー
(株)
(佐賀関製錬所、日立精銅工場、
日比共同製錬
(株)
玉野製錬所)、LS-ニッコー・カッパー社(韓国)
電材加工
磯原工場、日立事業所銅箔製造部、倉見工場、
JX金属プレシジョン
テクノロジー(株)掛川工場、
JX金属商事(株)高槻工場ほか
環境リサイクル
日立事業所HMC製造部、
JX金属環境(株)ほか
チタン
東邦チタニウム(株)茅ケ崎工場、若松工場ほか
主要事業拠点
JXホールディングス株式会社
01
JXグループのビジネスモデル
JXグループは、エネルギーと非鉄金属を両輪に、上流から下流まで展開するビジネスモデルを構築してい
ます。バリューチェーンの各ステージで大きなプレゼンスを有しており、多面的にキャッシュを生み出す
事業基盤となっています。
石油事業
資源開発
精製販売
詳細は
P08
エネルギー変換
詳細は
P14
化学品
詳細は
詳細は
P16
P12
■ 市場環境とJXグループのビジネスモデル
単一事業モデルの場合
JXグループの場合
資源価格変動の影響を受けやすい。
資源価格の上昇(下落)は、自家使用燃料代など、中・下
流事業を悪化(良化)させる要因となる一方、上流事業
の利益を増加(減少)させるトレードオフの関係にあり、
安定的に利益を創出できます。
利益
利益
市況変動に左右され、
業績ボラティリティが高い
グループ利益
上流事業のみ
上流事業
中・下流事業のみ
資源価格
02
JXホールディングス株式会社
中・下流事業
資源価格
金属事業
資源開発
詳細は
P20
銅製錬
詳細は
環境
リサイクル
詳細は
P24
チタン
P21
電材加工
詳細は
P23
■ JXグループが目指すビジネスモデル
既存事業のキャッシュ・フローを成長分野へ優先的に配分し、そこから得られた利益をさらに再投資して全体の規模を
拡大していきます。
経常利益のバランス
■ エネルギー
2012 年度
■ 金属
■ その他
投資
投資
投資
2009 年度
■ 石油・天然ガス開発
2015 年度
2020 年度
JXホールディングス株式会社
03
JXグループのプレゼンス
JXグループは、エネルギー・資源・素材の分野において国内外で指折りのプレゼンスを有しています。
また、規模だけでなく、世界の優良パートナーとの連携や、磨き上げた技術力によって、競争力の高い
商品とサービスをお客様に提供しています。
■ エネルギー事業
原油処理能力
パラキシレン供給能力
国内
121
312
1位
万バーレル/日
* 2014 年 4 月末時点、輸出型製油所の大阪製油所および鹿島・水島製油所のコンデン
アジア
1位
万トン/年
* 2014 年 6 月末時点
セートスプリッターを除く
全国 7 カ所に製油所を展開しており、効率的、安定的に供給する
世界で需要が高まるポリエステルの原料となるパラキシレンにお
体制を整えています。
いて、JXグループはアジアで No.1 の供給能力を有しています。
国内燃料油販売
71
百万 KL /年
シェア
* 2013 年度、石油統計ベース
国内サービスステーション(SS)数
国内
37
11,000
1位
%
約
カ所
シェア
* 2014 年 3 月末時点
32
国内
1位
%
日々の事業活動や人々の生活に欠かせないエネルギーを安定的
ENEOS ブランドで展開するJXグループのサービスステーション
に供給する役割を担っています。
は全国約 11,000 カ所。国内では圧倒的なシェアを誇っています。
JXグループのエネルギー変換企業としての取り組み
自然界に存在する一次エネルギーをお客様にとって最適なエネルギーに変換する取り組みを進めています。
一次エネルギー
LPガス
原油
石炭
天然ガス
太陽光・風力・
バイオマス
エネルギー変換企業
変換
ガソリン
LPガス
灯油
水素
電気
都市ガス
最終エネルギー
お客様
電気:発電能力
131
約
万 kW
* 2014 年 7 月末時点
04
JXホールディングス株式会社
国内天然ガス・LNG 販売量
石炭供給量
約
約
47
* 2013 年度
万トン
1,080
* 2013 年度
万トン
■ 石油・天然ガス開発事業
活動エリア
14
世界
原油・天然ガス生産量
12
カ国
確認・推定埋蔵量
万バーレル/日
(原油換算)
* 2014 年 3 月末時点
808
百万バーレル
(原油換算)
* 2013 年度
* 2013 年 12 月末時点
原油 ・天然ガス開発の活動エリア
英国北海 *1
カナダ
日本
カタール *2
UAE*
米国メキシコ湾
2
タイ
ミャンマー *2
*1. コア事業国
*2. コア候補国
ベトナム *1
マレーシア *1
インドネシア
パプアニューギニア
東ティモール
オーストラリア *2
■ 金属事業
銅鉱山権益生産量(銅量)
13
電材加工
1
世界シェア第
万トン/年
* 2013 年度実績
位の製品群
技術力を活かし、IT、自動車関連事業にさまざまな製品を供給
しています。
銅地金生産能力
金回収量
117
6
万トン/年
トン/年
* 2013 年度実績
資源開発
銅製錬
上流
電材加工
中流
環境リサイクル
下流
JXホールディングス株式会社
05
石油・天然ガスの基礎情報
世界の石油需要は、人口増加に比例して、年々増え続けています。国内石油需要も構造的問題から減退
傾向にありますが、依然として大きな市場規模を有しています。また、天然ガスの需要増加や、シェール革
命に伴う需給構造の変化などの影響も見逃せません。
■ 世界の石油需要の見通し
世界の今後の石油需要はアジア太平洋地域が牽引
(百万バーレル/日)
120
100
7%
3%
5%
80
9%
9%
4%
7%
4%
7%
5%
7%
22%
21%
20%
18%
24%
24%
24%
24%
8%
8%
4%
6%
21%
60
23%
40
+5.6%
+6.2%
+7.6%
+16.2%
20
0
5%
うち日本
2012
(暦年)
アジア太平洋
欧州・中東
北米
38%
36%
34%
32%
27%
4%
3%
3%
3%
2020(見通し)
2025(見通し)
2030(見通し)
2035(見通し)
中南米
アフリカ
出典:IEA「World Energy Outlook 2013」
(世界エネルギー見通し)
その他
■ 国内石油製品需要の見通し
人口減少、次世代自動車の普及などによるエネルギー効率の改善を背景に、国内石油需要は漸減傾向
アジア圏で見ればまだ日本は石油の大量消費国
(万バーレル/日)
500
(百万キロリットル)
250
400
200
300
150
200
100
100
50
0
(暦年)
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
(見通し)
原油処理能力
06
石油需要量
JXホールディングス株式会社
2015
2016
2017
(見通し) (見通し) (見通し)
出典:経済産業省・資源エネルギー庁
■ 世界の原油処理能力推移
需要の伸びを背景に、アジア・オセアニア地域での原油処理能力が拡大
(百万バーレル/日)
100
80
60
40
20
0
2004
(暦年)
北米
中南米
2005
2006
ヨーロッパ・ユーラシア
2007
中東
2008
アフリカ
2009
2010
2011
2012
2013
出典:BP統計
アジア・オセアニア
■ 世界の天然ガス需要見通し
温室効果ガスの排出量が少ない天然ガスは、クリーンエネルギーとして需要拡大が継続
(百万トン)
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
2000
(暦年)
2005
2010
2015(見通し)
2020(見通し)
2025(見通し)
2030(見通し)
2035(見通し)
出典:BP統計
■ 世界の天然ガス資源量
シェールガスに代表される非在来型資源の登場により、天然ガスの埋蔵量は増加
在来型・非在来型の推定埋蔵量(2011 年)
ガス確認埋蔵量の推移
(兆m3)
非在来型ガス
331 兆 m3
確認埋蔵量
208 兆 m3
250
アジア・
太平洋
200
シェールガス
208 兆 m3
アフリカ
150
752 兆 m3
(230 年分相当 )
中東
100
コールベッドメタン
47 兆 m3
欧州・
ユーラシア
50
タイトガス
76 兆 m3
在来型ガス
421 兆 m3
出典:日本ガス協会HPより
中南米
北米
0
(暦年)
1991
*1991年はロシア単独の数値なし
2001
2011
出典:日本ガス協会
JXホールディングス株式会社
07
石油ビジネスについて
石油製品の多くは、製造者ごとの差異化が困難であり、また、連産品という特徴があります。また、石油
産業は装置産業であり、コスト削減には製油所の稼働率の向上が必要です。国内石油製品需要は減少
傾向にあり、それに対応するため、原油処理能力の削減が進みました。
■ 石油精製プロセス
精製過程のイメージ
比重
ナフサ留分
ナフサ
ガソリン
調合装置
改質装置
ガソリン
灯油留分
灯油・
ジェット燃料
軽油留分
軽油
常圧蒸留
装置
(トッパー)
原油
軽
A 重油
分解
ガソリン
減圧蒸留
装置
減圧
軽油
分解
装置
重油
調合装置
分解
軽油
C 重油
常圧残油
減圧
軽油
潤滑油製造工程
潤滑油
アスファルト
重
減圧残油
国内石油製品需要の推移
(百万キロリットル)
250
200
150
100
50
0
(年度)
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
(見通し)(見通し)(見通し)(見通し)
重油
08
軽油
灯油
JXホールディングス株式会社
ジェット/ナフサ
ガソリン
出典:経済産業省・資源エネルギー庁
■ 国内製油所と原油処理能力
千バーレル/日
2008年12月末
会社名
2014年4月末
1,792
836
640
707
635
225
4,835
JXグループ
東燃ゼネラルグループ *2
出光興産(株)
昭和シェル石油グループ *3
コスモ石油(株)
その他 *4
日本合計
差
1,212 *1
708
555
588
452
218
3,733
–580
–128
–85
–119
–183
–7
–1,102
*1. 大阪国際石油精製(株)および、水島製油所、鹿島製油所の
単位:
(千バーレル
バーレル/日)
)
コンデンセートスプリッターを除く
JX日鉱日石エネルギー(株)
・
室蘭製油所
180 → 0
*2. 東燃ゼネラルグループは極東石油工業(同)を含む
*3. 昭和シェル石油グループは富士石油(株)を含む
*4. その他は南西石油(株)、太陽石油(株)、
出光興産(株)
・北海道製油所
140 → 160
帝石トッピング・プラント(株)
・
頸城製油所
5→0
帝石トッピング・プラント(株)
日本海石油(株)
・富山製油所
60 → 0
JX日鉱日石エネルギー(株)
・
仙台製油所
コスモ石油(株)
・
・堺製油所
80 → 100
東燃ゼネラル石油
石油(株)
・堺工場
JX日鉱日石エネルギー(株)
・
水島製油所
455 → 345
145
156
鹿島石油(株)
・鹿島製油所
210 → 189
大阪国際石油精製
石油精製(株)
・
大阪製油所
出光興産
興産(株)
・
徳山製油所
120 → 0
コスモ石油(株)
・千葉製油所
(115)
240
極東石油工業(同)
・千葉製油所
175 → 152
出光興産(株)
・千葉製油所
西部石油
石油(株)
・
山口製油所
220
120
富士石油(株)
・袖ヶ浦製油所
192 → 143
出光興産(株)
・
愛知製油所
160 → 175
コスモ石油(株)
・四日市製油所
175 → 112
昭和四日市石油(株)
・
四日市製油所
210 → 255
JX日鉱日石エネルギー(株)
・
大分製油所
160 → 136
東亜石油(株)
・京浜製油所
185 → 70
東燃ゼネラル石油(株)
・川崎工場
335 → 268
JX日鉱日石エネルギー(株)
・
根岸製油所
340 → 270
東燃ゼネラル石油
石油(株)
・和歌山工場
170 → 132
南西石油
石油(株)
・
西原製油所
コスモ石油(株)
・坂出製油所
140 → 0
100
太陽石油
石油(株)
・四国事業所
120 → 118
出典:経済産業省・資源エネルギー庁資料より当社加工
JX日鉱日石エネルギー(株)
・
麻里布製油所
127
CHECK
エネルギー供給構造高度化法への対応
2009 年 7 月
エネルギー供給構造
高度化法成立
エネルギー供給事業者(電気、
石油、ガス)による
①非化石エネルギー源の利用
②化石エネルギー原料の有効
な利用
を促進する
石油に関して
• 国内重質油分解装置の装備率 *(2010 年 10%)
を 2014 年 3 月までに 13% まで引き上げる
• 石油精製各社は、現状の装備率に応じた、
3 段階の改善率の達成が義務付けられた
* 重質油分解装置の装備率=重質油分解装置の能力/常圧蒸留
装置の能力
装備率向上に向けて
• 重質油装置の新設・増設、または常圧蒸留装置
(トッパー)の削減
• 設備効率の改善、および技術開発
JXの精製能力削減の成果
ステップ 1
2010 年 10 月
△ 40.0 万バーレル/日
ステップ 2
2014 年 3 月
△ 18.0 万バーレル/日
JXホールディングス株式会社
09
石油ビジネスについて
■ 石油製品の収益構造
石油製品の収益は、以下の要素によって変動します。中でも、白油(ガソリン・灯油・軽油・A重油)は販売数量が大きく、
そのマージンが収益に大きな影響を与えます。
石油精製販売事業の収益変動要因
① 数量・製品構成
④ 固定費増減
② 原油価格・製品価格・為替レート
⑤ その他
製油所で使用する燃料コスト
白油マージン
③ 需給バランス
輸出品マージン
潤滑油などのマージン
フォーミュラ品タイムラグ
在庫影響
卸売価格体系とマーケットの関係
石油製品の卸売価格は、原油価格やアジアの石油製品市況、国内の需給バランスなど、さまざまな要素を勘案して決定され
ます。
WTI
世界経済情勢
ブレント
世界需給バランス
投資マネー
アジア需給バランス
世界の燃料油需給
(新興国が牽引)
シンガポール
石油製品市況
海外
ドバイ、オマーン
石化品市場
輸出入動向(燃料油、石油化学品)
国内
小売価格
製油所稼働率
製品在庫水準
元売仕切
国内需給バランス
(内需減少)
国内石油製品(ガソリン・灯油・軽油・A 重油)マージン
(¥/リットル)
国内石油製品マージンは、原油処理能力
15
の削減が本格化した 2010 年度に大きく
2010年度
12
改善しましたが、その後、需要の構造的
平均
減少などにより、2013 年度には 2009 年
2011年度
9
平均
2009年度
2012年度
度と同水準まで落ち込みました。
平均
2013年度
平均
平均
6
3
0
2009年4月
10
JXホールディングス株式会社
2010年4月
2011年4月
2012年4月
2013年4月
2014年4月
■ 在庫影響
石油精製販売事業は、備蓄義務によりほかの産業と比べて棚卸資産の保有量が多く、また近年は原油価格・為替
レートの変動が大きいため、棚卸資産の評価によって会計上の利益が大きく変動します。
棚卸資産の評価によって発生する会計上の利益または損失を「在庫影響」と呼びます。石油精製販売事業が採用し
ている総平均法による在庫影響に、棚卸資産の簿価切り下げによる影響を加味した額を「在庫影響」としています。
総平均法・簿価切り下げによる在庫影響
・総平均法による在庫影響について
棚卸資産の評価方法の一つであり、
「期初の棚卸資産の評価額」と「期中に仕入れた棚卸資産の取得額」を平均して、
期末の棚卸資産を算定します。
期初在庫
原油価格が上昇する局面
期中仕入
売上原価
在庫影響
期中の受入単価と期初の
「割安な」在庫単価を平均
110$
売上原価を「押し下げ」
(在庫評価益)
108$
100$
70 日分
365 日分
総平均
原油価格が下落する局面
期初在庫
期中の受入単価と期初の
「割高な」在庫単価を平均
期中仕入
売上原価
110$
売上原価を「押し上げ」
(在庫評価損)
在庫影響
100$
70 日分
102$
365 日分
総平均
・簿価切り下げによる在庫影響について
(参考)JXグループの在庫影響
棚卸資産の期末時点における時価(正味売却価額)
が帳簿価額を「下回って」いる場合、評価損(在庫
(億円)
1,200
1,000
影響)が発生
800
600
400
200
0
(年度)
CHECK
2010
2011
2012
2013
各国の備蓄義務の違い
日本
義務(目標)
国家備蓄
5,000 万 kl
協会備蓄
̶
民間備蓄
70 日分
量
アメリカ
義務(目標)
4,776 万 kl*1
10 億バーレル *4
(108 日分)
̶
3,635 万 kl*1
(82 日分)
*1. 2013 年 12 月末 *2. 2011 年度 *3. 2012 年度 *4. 目標
量
フランス
義務(目標)
量
̶
̶
̶
̶
̶ 2,033 万トン *2
義務なし
̶
消費量の
28.5%
̶
1,775 万トン *2
ドイツ
義務(目標)
̶
量
̶
̶ 2,366 万トン *3
輸入量の
2,348 万トン *3
90 日分
出典:石油連盟
JXホールディングス株式会社
11
石油ビジネスについて
■ 石油化学品の製造プロセス
石油精製
石油化学
輸入ナフサ
エチレン
生産ナフサ
接触改質
ナフサ留分
石油化学用
ナフサ
分解
プロピレン
B-B 留分
ガソリン
LPG
重質 NGL
粗製軽油等
灯油
分解油
肥料用等
オフガス・
分解重油
改質生成油
軽油
残渣油
接触分解
抽出・蒸留
副生ガス
重油
芳香族
精留
■ 石油化学品の収益構造
石油化学品は、種類によって価格決定方法が異なります。JXグループが主力とするパラキシレンやベンゼンは大手
需要家との交渉によって決まります。
ナフサ
東アジア市況に影響される
ベンゼン
パラキシレン
ACP*(Asia Contract Price)
一般の
精製会社
付加価値
パラキシレン
毎月の先決方式
キシレン
パラキシレン
マージン
トルエン
エチレン
プロピレン
ナフサ市況、東アジア市況に
影響される
ナフサ
原油
* 大手メーカー ( 当社含む )、大手ユーザー間の価格交渉(個別 ・相対。
アジア需給を反映し、指標価格を決定。)
12
JXホールディングス株式会社
JXグループは原油処理からスタートしてパラキシレン
を生産しているため、パラキシレン原料供給のみの
一般の精製会社や、ナフサやキシレンを処理する一般
の化学会社と比べると、より大きな付加価値を得るこ
とができます。
一般の
化学会社
CHECK
芳香族の主な用途とJXグループのプレゼンス
パラキシレン誘導品の主な用途
ベンゼン誘導品の主な用途
パラキシレン
ベンゼン
高純度テレフタル酸
スチレンモノマー
シクロヘキサン
アルキルベンゼン
ポリスチレン
ナイロン繊維
(パンティストッキング)
合成洗剤
TV の枠
ペットボトル
フェノール
カップ麺の
容器
ポリエステル繊維
JXグループは芳香族を主力製品に据えており、うち
パラキシレンの供給能力は年間 312 万トンを誇りま
アジア地域のパラキシレン需要
(百万トン)
す。ポリエステルやペットボトルの原料となるパラキ
40
シレンは、経済成長を背景に、アジア地域で需要拡大
30
が見込まれています。
20
+6% /年
10
0
(暦年)
2010
2011
2012
2013
2014
2015
出典:当社推定
最終製品であるポリエステル需要の拡大を背景に、パラキシレンマージンは高水準で推移してきましたが、足元
では、最大需要地である中国の景気動向への不安や、アジア域内でパラキシレン製造装置の新増設が予定されてい
ることなどから、一時的に軟調に推移しています。
(単位:$/トン)
2004 年度
2005 年度
2006 年度
2007 年度
2008 年度
2009 年度
2010 年度
2011 年度
2012 年度
2013 年度
Asian Contract Price
829
903
1,103
1,119
1,020
999
1,162
1,555
1,510
1,401
対原油マージン
563
514
660
556
425
493
550
754
732
639
対ナフサマージン
416
389
511
351
309
369
388
585
583
486
平均価格
* ACP 未決の月についてはスポット価格の平均値を採用
($/トン)
2,000
1,500
パラキシレン
(ACP)
1,000
対原油
PXマージン
対ナフサ
PXマージン
500
0
(年度)
2010年4月
2011年4月
2012年4月
2013年4月
2014年4月
JXホールディングス株式会社
13
総合エネルギー産業化について
日本の石油産業のコア事業は、燃料油、潤滑油、基礎化学品の生産、卸売、小売です。国内石油製品需要
が減退していく中、元売各社は、コア事業を起点に、石油のみならず、消費者が求める多様なエネルギー
を供給する総合エネルギー産業化を目指すことが求められています。
■ 国内石油産業の方向性
政府によって検討されている石油産業の将来像においては、石油産業は、コア事業を強化しつつ、成長に向けた投資
を実施することが求められています。石油産業は、自社の経営資源を把握した上で、選択と集中を図るのか、事業多角化
を図るのかを判断することになります。
判断
垂直統合か、
選択と集中か
石油・
天然ガス開発
(上流)
石油・石油化学事業
精製
(中流)
コア事業:
キャッシュ・フロー確保の
ためにコア事業を強化
販売
(下流)
石油製品
潤滑油
石油化学
判断
石油事業への
集中か、多角化か
金属鉱物
鉱物開発
判断
石炭
勝負する
製品群、市場
石油会社の
事業体系
卸売
その他事業
ガス事業
小売
石油火力
判断
ガス火力
参入分野
発電
石炭火力
電力事業
卸売
再生可能
エネルギー
小売
出典:経済産業省・資源エネルギー庁
14
JXホールディングス株式会社
■ JXグループのエネルギー変換企業としての取り組み
JX日鉱日石エネルギーでは、自然界に存在する一次エネルギーをお客様にとって最適なエネルギーに変換する取り
組みを進めています。
一次エネルギー
原油
LPガス
太陽光・風力・バイオマス
石炭
天然ガス
変換
エネルギー変換企業
最終エネルギー
LPガス
都市ガス
• 年間約530万トン*1を販売
• 国内で年間約47万トン*1
ガソリン・灯油・軽油・A重油
• 年間 約4,500万キロリットル*1を販売
の天然ガス・LNGを販売
電気
水素
• 太陽光・燃料電池(エネファーム)
「Dr.おうちのエネルギー」サービスと組
み合わせて、家庭向け太陽光発電・燃料
電池システムを販売
• 水素(燃料電池車の普及対応)
ガソリンスタンドにおける水素充填
装置の実証試験中
• 現有発電能力*2
メガソーラー 0.6万
(仙台・下松・かすみがうら・いわき)
風力発電 0.5万
(秋田・鹿島・川崎)
電力小売り(新電力)
55.5万
(川崎天然ガス
発電所など)
約131万kW
電力卸売(IPP)
74.0万
(製油所・製造所)
お客様
*1. 販売数量は 2013 年度実績 *2. 2014 年 7 月末現在
JXホールディングス株式会社
15
石油・天然ガス開発について
探鉱から廃山までは長い年月を要します。また、試掘井の掘削や生産設備の建設などにかかる総開発費
は数百億円から数千億円に及びます。
■ 石油・天然ガス開発の流れ
6 年∼ 20 年
鉱区権益取得
通常 10 ∼ 20 年
開発移行
廃山
生産開始
探鉱段階
開発段階
生産段階
維持・追加投資
探鉱費
開発費
資産買収費
営業キャッシュ・フロー
配当
■ 産油国政府と事業者間の契約について
石油・天然ガス開発を行おうとする事業者は、最
契約関係図
初のステップとして、産油国政府から鉱区権益を取
産油国政府
得します。その際、産油国政府・事業者間で鉱区権
益に係る諸条件を取り決めた契約を締結します(利
利権契約または生産物分与契約
(産油国政府と事業者 A・B・C の
全員で締結)
権契約・生産物分与契約)。
また、石油・天然ガス開発事業は、多額の資金を
要する一方、期待した量の資源が発見されないなど
の多様なリスクがあるため、複数の事業者が共同で
行うのが一般的です。そのため、事業者間の権利義
事業者 A
事業者 B
事業者 C
務を取り決めるための契約を締結します(共同操業
契約)。
共同操業契約
(事業者 A・B・C 間のみで締結)
16
JXホールディングス株式会社
■ 鉱区契約の種類
産油国政府が事業者に鉱区権益を付与する形態は、国によって異なりますが、大別すると、①利権契約(Concession
Agreement)、②生産物分与契約(PSC:Production Sharing Contract)の 2 つに分かれます。
1 利権契約(Concession
Agreement)
JXグループの例では、英国、UAE など
売上の配分のイメージ
税引き後
利益
探鉱・開発コスト、操業費用
ロイヤルティ
所得税
事業者分
産油国政府分
この形態を採用している産油国の政府は、事業者に対して、
産油国
特定の鉱区において石油・天然ガスの探鉱・開発作業を行う
• 鉱業権(利権:Concession、Lease)を石油会社に付与
• ロイヤルティ、法人税、石油収入税、特別石油税等によ
権利を付与します。一方、事業者は、産油国政府に対して提出
る収入の確保
した計画に基づき作業を行う義務を負います。
生産された石油・天然ガスの所有権は事業者が有し、事業
石油会社
者は、石油・天然ガスを販売することにより利益を得ます。
• 鉱業権者としての位置づけ
• 生産物の所有者として、その販売収入から投資コストを
一方、事業者は、産油国政府に対して、ロイヤルティ・税金な
回収し、収益を上げる
どの形態で利益の一部を納めます。
2 生産物分与契約(PSC:Production
Sharing Contract)
JXグループの例では、マレーシア、ベトナムなど
生産物の配分のイメージ
コスト回収相当分
探鉱・開発コスト、操業費用
利益相当分
税引き後
利益
産油国政府取り分
事業者分
産油国政府分
この形態を採用している産油国においては、事業主体は国
産油国
家であり、事業者は、国家からの作業請負人として、石油・天
•「国有の財産」である資源への直接支配権を留保
• 事業成功段階における事業参加権を留保
然ガスの探鉱・開発作業を行います。
事業者が作業請負人と位置づけられることから、一般的に、
石油会社
事業運営に対する産油国政府の関与度合いが利権契約の形態
• 作業請負人(コントラクター)としての位置づけ
• 投資・技術等のリスク負担
• 投資・操業コストを生産物(コストオイル)で優先回収
• リスク報酬である生産物(プロフィットオイル)を一定の
を採用する国に比べて高くなります。
また、生産された石油・天然ガスがコスト回収相当分と利益
相当分に区分され、前者については事業者に配分され、後者に
利益配分率で獲得
ついては契約に定められた割合で事業者と産油国政府との間
で配分されます。
JXホールディングス株式会社
17
石油・天然ガス開発について
■ 収支構造イメージ
石油開発事業における主な収益変動要因は、主に生産(販売)数量、原油・天然ガス価格、コスト、為替レートです。
利益とコスト
(参考)
JXグループの原油・天然ガス販売量
(プロジェクト会社ベース)
141,341,000
売上高
(原油換算バーレル/日)
114,600
(原油換算バーレル/日)
連結利益
中東他 11,300
オセアニア 7,500
探鉱費
管理費
東南アジア 74,200
その他
人件費
減価償却費
英国北海 4,700
カナダ 13,300
操業費
米国 3,600
JXグループ販売量
(2013 年)
世界原油・
天然ガス生産量
CHECK
石油系資源の可採資源量と生産コスト
出典:石油連盟「今日の石油産業 2014」
近年の開発技術の発達・普及と原油・ガス価格の上昇によって、これまでコスト的に見合わなかった地層での開発
が急速に進んでいます。シェールガス・オイルが含まれる頁岩層や、水深 300 メートル以上の大水深にある海底
油田などに注目が集まっています。
生産コスト
120
(ドル/バーレル)
通常の増進石油回収
80
超重質油・
アスファルト
60
中東・北アフリカ
の石油
40
20
石炭液化燃料(CTL)
タイトオイル
(シェールオイル)
100
1兆バーレル
超深海底油田
他の地域の石油
北極海域油田
生産済み石油
0
油母頁岩
(オイルシェール)
ガス液化燃料
(GTL)
CO2による増進石油回収
2兆バーレル
3兆バーレル
4兆バーレル
5兆バーレル
6兆バーレル
7兆バーレル
8兆バーレル
技術的に回収可能な残存石油資源量
(試算)2013年生産量に
対する残存資源年数
18
JXホールディングス株式会社
100年
4.4兆
200年
7.6兆
銅の基礎情報
銅は、
「電気をよく通す」
「熱をよく伝える」などの特性から、電力ケーブル、モーター、配電盤、リード
フレーム、エアコンの熱交換器など、多くの製品に使われています。
■ 銅の特性
• 電導性に優れる(銀に次ぐ)
• 加工性に優れる(柔らかく延展性に富む)
• 多様な合金の存在
• 耐蝕性に優れる
• 美しい固有の光沢
• 抗菌性に優れる
• 比較的多量に存在し、貴金属に比べて安価
アルミ、鉛、亜鉛などと並び「ベースメタル」として我々の生活の隅々にまで使用されています。
■ 銅の主な用途
世界ではスクラップの直接利用も含めて約 2,600 万トンの銅が消費されます。
板状の銅
(ケーク)
消費財
電気・電子製品
9%
13%
35%
輸送機器
13%
円柱の銅
(ビレット)
13%
世界の銅
一次消費
世界の銅
最終消費
(2012 年)
産業機械
(2012 年)
13%
電線(ワイヤロッド)
74%
建設
30%
出典:Wood Mackenzie Ltd.
JXホールディングス株式会社
19
銅の基礎情報
■ 世界の主な銅鉱山
銅鉱山は主に南米に集中しており、生産量ではチリの鉱山が上位を占めています。
⑨
⑥
④
⑩
⑦
②
①
⑤
⑧
③
鉱山生産量トップ 10(2013 年)
順位 鉱山名
所在国
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
チリ
チリ
チリ
インドネシア
チリ
米国
チリ
チリ
ロシア
ペルー
Escondida
Chuquicamata
Collahuasi
PT Freeport Indonesia
Los Bronces
Morenci
El Teniente
Los Pelambres
Norilsk
Antamina
生産量(千トン)
1,170
490
479
450
434
429
422
404
342
340
JX出資比率
3.0%
3.6%
15.0%
* SX-EW 生産量を含む
出典:Wood Mackenzie Ltd.
■ 世界の銅地金消費量
世界の銅地金消費量は、中国を中心としたアジア地域で伸び続けています。
銅地金消費量
(千トン)
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
(暦年)
世界全体
20
2003
2004
うちアジア
JXホールディングス株式会社
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
出典:WBMS
■ 世界の主な製錬所
製錬所は、歴史的に見ると銅鉱山に隣接して建設されたものが多いですが、近年では需要地である中国など、アジア地域
で製錬能力が拡大されています。
Norilsk
Ronnskar (Boliden)
Harjavalta(Boliden)
Hamburg (Aurubis)
Glogow(KGHM)
Horne (Xstrata)
Dzhezkazgan
Balkhash
Pirdop
金川
Huelva (Freeport)
大冶
Dahej (Birla)
山東祥光
温山(LSN)
Garfield (Rio Tinto)
金隆(銅陵・住鉱)
La Caridad (G- Mexico)
貴渓(江西銅業)
雲南
Tuticorin (Sterlite)
Nchanga
Gresik ( 三菱マテリアル、Freeport、JX)
Mufulira
Ilo (G-Mexico)
Caraiba
Chuquicamata (Codelco)
Altonorte (Xstrata)
Mt Isa (Xstrata)
Olympic Dam (BHP)
Caletones (Codeldo)
世界の銅地金生産者ランキング(2013 年)
順位
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
国
Codelco
Aurubis
Freeport McMoRan Copper & Gold
Glencore Xstrata
Jiangxi Copper Company
JX日鉱日石金属 & PPC *
Tongling
Southern Copper
チリ
ドイツ
米国
スイス
中国
日本
中国
米国
日本
ポーランド
住友金属鉱山
KGHM Polska Miedz
生産量(千トン)
1,634
1,185
1,172
1,133
1,050
822
776
728
600
585
* 当社集計値
出典:Wood Mackenzie Ltd.
■ 国内の製錬所
日本国内製錬所の銅地金生産能力は約170万トン。国内消費(約100万トン)の他、主にアジア向けに輸出されています。
小坂製錬(株)2.5 万トン
(DOWA メタルマイン(株))
日比共同製錬(株)
玉野製錬所 26 万トン
(パンパシフィック・カッパー(株)
(PPC)63.51%
日鉄鉱業(株)20.27%
古河メタルリソース(株)16.22%)
佐賀関製錬所 23 万トン
(PPC)
小名浜製錬(株)26 万トン
(三菱マテリアル(株)55.714%
DOWA メタルマイン(株)31.621%
古河メタルリソース(株)12.665%、他)
日立精銅工場 22 万トン
(PPC)
直島製錬所 24.5 万トン
東予工場 45 万トン (三菱マテリアル(株))
(住友金属鉱山(株))
出典:Wood Mackenzie Ltd.
JXホールディングス株式会社
21
銅ビジネスについて
■ 採鉱から銅製錬までのプロセス
採鉱された銅鉱石を種類(硫化銅鉱、酸化銅鉱)によって、異なる方法で処理します。
乾式法(硫化銅鉱)
銅鉱山
硫化鉱
採鉱
Cu2S、CuFeS2
Cu:1.0% 前後
銅製錬所
破砕
銅精鉱
溶錬(自溶炉 65%)
磨鉱
Cu :30 %
S :30 %
Fe :30 %
精銅(転炉 99.0%)
選鉱
銅地金
電解
精製(精製炉 99.3%)
( 電気銅)
Cu:99.99%
スクラップ類
湿式法(SX・EW* 法)
(酸化銅鉱)
* Solvent Extraction-Electrowinning
銅鉱山
酸化鉱
採鉱
CuO,Cu2O
破砕
リーチング
溶媒抽出
(硫酸による浸出)
(銅イオンの抽出)
銅地金
( 電気銅)
電解
Cu:99.99%
■ 銅製錬の収支構造
製錬会社が鉱山会社に支払う銅精鉱価格は、LME 銅地金価格から製錬マージン(TC/RC)を差し引いた金額となり
ます。長期契約の TC/RC は通常年 1 回の交渉によって決定されます。また、製錬会社の銅地金販売価格は、LME 価格
に販売プレミアム(輸入経費、品質などを考慮して決定)を付加した金額となります。
TC/RC の推移
製錬会社の収入
LME
銅地金価格
銅精鉱
購入価格
銅地金
販売価格
販売プレミアム
(ドル建)
TC /RC
(ドル建)
(TC/RC)
100/10
製錬会社
収入
90/9
80/8
*
70/7
60/6
50/5
40/4
銅精鉱代
(ドル建)
鉱山会社
収入
30/3
20/2
10/1
TC:銅精鉱(乾鉱量)1トン当たり$
RC:銅精鉱中の含有銅量 1 ポンド当たり¢
0
(暦年)
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
* 2010 年末は、契約相手、契約期間などにより製錬マージンに複数の合意が形成された
22
JXホールディングス株式会社
■ 電材加工における主な製品と用途
銅を加工して作られる電材加工製品は、スマートフォンやタブレット端末、パソコンなど最先端の電子機器に欠かせな
い製品です。技術革新や新興国の経済発展に伴い、世界的に需要は伸びています。JXグループは、半導体やフラット
パネルディスプレイなどに使われる「薄膜形成材料」
(スパッタリングターゲット)や、フレキシブル基板用の圧延銅箔、
主にコネクター材として使用される「精密圧延品」などの世界トップベンダーとして、長年培ってきた加工技術をベース
に、革新的な技術開発に取り組んでいます。
スマートフォンにおける電材加工製品の使用例
オートフォーカス
カメラモジュール
マイクロ SIM /
SD カードコネクター
フレキシブルプリント基板
Li イオンバッテリー
バッテリー端子
イヤフォンジャック
グランドコンタクト
基板対基板コネクター
JXグループの電材加工製品
主な電材加工製品
圧延銅箔
ターゲット材
一次用途
パソコン
(No. 1)
フレキシブル
回路基板
○
◎
◎
◎
○
◎
◎
○
◎
◎
○
◎
○
○
○
◎
○
○
○
○
◎
○
70%
半導体用
ターゲット
60%
CPU、メモリー
(No. 1)
チップなど
液晶用(ITO)
ターゲット
(No. 1)
磁性材
ターゲット
(No. 1)
りん青銅
精密圧延品
最終用途
携帯電話・
スマート
フォン
JXグループの
世界シェア
(2012 年現在)
コルソン合金
(C7025)
チタン銅
インジウムリン化合物半導体
30%
50%
20%
(No. 1)
45%
(No. 1)
70%
(No. 1)
50%
(No. 1)
透明導電膜
ハードディスク
など
コネクター、
電子部品用
ばね
リードフレーム、
コネクター
高級コネクター
など
デジタル
家電・AV
光通信デバイス、
超高速 IC
○
通信
インフラ
自動車
○
○
◎
○
○
IT 関連
JXホールディングス株式会社
23
銅ビジネスについて
■ 環境リサイクルについて
世界的な資源獲得競争の激化や環境負荷低減の観点から、金属資源リサイクルの重要性はますます高まっています。
しかし近年、電子部品加工事業者の海外シフトや省金属化を背景に、国内リサイクル原料発生量が減少傾向にあり
ます。そのため、海外からの集荷強化や、産業廃棄物の無害化処理を含めた事業の差異化が急務となっています。
環境リサイクルフロー
排出者
集荷
リサイクル原料
金属含有量の低下
集荷競争の激化
産業廃棄物
集荷
受入
前処理
分析
金属回収
受入
無害化処理
金属地金
スラグ
主なリサイクル原料
電子部品屑
(コネクター)
CHECK
電子部品屑
(半導体パッケージ)
打ち抜き屑
(金メッキ伸銅品)
廃携帯電話
廃プリント基板
廃棄物の無害化処理
電気絶縁性に優れ、主にトランスやコンデンサの絶縁油に使われた PCB(ポリ塩化ビフェニル)ですが、有害性があ
ることから、現在は新たな製造および輸入が禁止されています。PCB を直接含む絶縁油などだけでなく、この油が
使われた筐体まで無害化処理できるのは、当社グループを含め、全国で 7 カ所しかなく、廃棄物量に対して処理が
追いついていない状況です。JXグループはこうした無害化処理事業の拡大を図り、差異化を推進していきます。
低濃度 PCB 廃棄物 完全無害化処理フロー
低濃度 PCB を含む廃棄物
(絶縁油など)
バグフィルタ
ロータリーキルン式焼却炉
電気集塵機
無害化
された気体
固定床炉
二次焼却炉 急冷塔
低濃度 PCB を含む廃棄物
(トランスなどの筐体)
24
JXホールディングス株式会社
筐体は解体後、製錬所等で
銅・鉄・アルミなどにリサイクル
洗浄塔
煙突
その他情報ツールのご紹介
JXグループでは、幅広いステークホルダーの皆様に当社グループへの理解を深めていただけるよう、各種情報
ツールの充実に努めています。
JXホールディングス ホームページ
http://www.hd.jx-group.co.jp/
■ 株主・投資家情報
http://www.hd.jx-group.co.jp/ir/
アニュアルレポートや最新 IR 資料などがご覧いただけます。
JXグループの具体的な戦略などに
ついてはアニュアルレポートをぜひ
ご覧ください。
アニュアルレポート 2014
■ CSR 活動
http://www.hd.jx-group.co.jp/csr/
CSR レポートなどがご覧いただけます。
当冊子の内容に関するお問い合わせは下記までご連絡ください。
JXホールディングス株式会社 財務 IR 部 IR グループ
〒100–8161 東京都千代田区大手町二丁目 6 番 3 号
TEL:03-6275-5009 FAX:03-3276-1245 E-mail:[email protected]
Printed in Japan