女性医師コーナー - 一般社団法人広島県医師会

2007年(平成19年)1月25日
広島県医師会速報(第1964号)昭和26年8月27日 第3種郵便物認可(61)
女性医師コーナー
「女性医師」を取り上げた講演会
広島県女性医師の会総務 広島県医師会女性医師部会委員 碓 井 美智子
広島県女性医師の会では、毎年1回総会の後講演会が開催されており、平成16年に「女性医師の
生き方を考える」―男女共同参画でより良い医療を実現するために―というタイトルで、講演とパ
ネルディスカッションが行われた。基調講演の講師として熊本大学医学部付属病院の早野恵子先生
をお招きし、
「女性医師のキャリアとQOL」についてお話しいただいた。早野先生は、
「がんばれ女
性医師・医学生」の著者の一人である。先生は、日本や諸外国で活躍しているQOLの高い医師たち
のロールモデルを提示された。QOLを高めるために欠かせないストレスマネジメントについても言
及され、働く喜びを持つことが重要であると話された。
広島県女性医師の会とは別に、広島県医師会に平成17年に発足した女性医師部会でも、平成18年
3月に、大谷美奈子部会長のもと「女性医師が生き生きと働ける社会をめざして」というテーマで
設立総会が開催された。記念講演として、札幌医科大学産婦人科学講座臨床教授の藤井美穂先生が
「女性医師の将来像」について話された。先生は札幌医大の女性医師と女子医学生にアンケート調
査をされ、平成10年度と16年度の調査結果を比べたところ、女性医師のうち男女差を感じる人の割
合は減少し、女性医師であることにメリットを感じる人は増えているという喜ばしいお話であった。
それに対して女子学生は、女性であることが勤務の上でネガティブに働くと考えており、自分の将
来像に対し必要以上に不安を感じているようであった。藤井先生は、女子学生や若い女性医師に対
し多様な女性医師像のモデルを提示することと、医師が性別を超えてワークシェアできる体制を導
入することを提言された。
広島県医師会女性医師部会の第2回総会は、平成18年12月に開催され、特別講演として国立病院
機構大阪医療センターの統括診療部長である山崎麻美先生に、「女性医師勤務環境改善プロジェク
トの取り組み」についてご講演いただいた。女性専用の当直室やロッカールーム、院内売店の充実
などの環境改善、ママさん医師のための復職支援研修コースの設定や医師登録システム、ワークシェ
アなどの就労形態の柔軟化、育児支援などを進めていく必要があると話された。少子化のなかで子
どもを育てることの社会的意義を考えながら、さまざまな問題に対処していかなければいけないと
強調された。
次回は、本年3月14日に広仁会館で、医学生や大学病院の若い医師たち(男女を問わず)を対
象にした講演会を行う予定であるので、ご協力、ご参加よろしくお願いしたい。
「日本医師会女性医師バンク」事前登録開始 P.
41参照
日本医師会長 唐 澤 人
近年、医師国家試験合格者に占める女性医師の割合は3分の1を超え、今後さらに増加すること
が予想される中、勤務医の労働環境の悪化が大きな問題となっております。このような状況におい
て、女性医師が働きやすい勤務環境を整えキャリアを中断せずに働いていける体制等をつくること
は、勤務医全体の勤務環境の改善に繋がるものであり、医師確保対策を図るうえでも急務となって
おります。
日本医師会では、現下の情勢に対応するため、厚生労働省委託事業として平成19年1月末より女
性医師の就業支援を目的に「医師再就業支援事業」を実施することと致しました。事業の内容は、
就業を希望する女性医師に対して医療機関を紹介する「女性医師バンク事業」、並びに職場復帰に
向けた再研修を支援する「再就業講習会事業」の2つから成り立っております。
「日本医師会女性医師バンク」については、1月31日開設されます。
◇担当課:日本医師会 会員情報室(女性医師バンク担当) TEL 0
3‐3942‐6482
(直通) FAX 0
3‐3942‐7293