CT センサーをダイレクト接続できる 2.

CT センサーをダイレクト接続できるアナログ入力
モジュール750−477
NO. 0306
1.CT センサーをダイレクト接続できる
750−477(AC/DC 0∼10V)入力モジュールは CT センサを直接入力できるモジュールです。ここでは UR_D
社の CT シリーズに接続する場合の注意および精度の計算方法について簡単に説明します。
CT センサは貫通電流(被測定電流)の誘
導電流をピックアップするものですが、
抵抗
を並列に接続することによってこれを電圧
に変換して 750-477 に入力します。
750-477 は内部に整流・実効値積分回路お
よび A/D 変換素子を装備していますので、
バ
スカプラから読める値は 0∼10V の電圧値に
なり、
これをそのまま演算すると被測定電流
がリアルタイム(A/D 変換速度 200ms)で測
定できます。
交流電源ラインの負荷電流のモニタリン
グなど幅広い分野でご利用いただけます。
2.センサー接続の留意点
UR_D 社の CT センサを接続する場合、測定したい電流 I0 の範囲によってセンサーを選択しなければなりません
が、一番注意しなければならないのは、リニアリティです。例えば CTL-10-CLS の場合、測定範囲は 10mA∼80A ま
でとなっていますが、1つの CT センサでこの範囲をすべてカバーできるわけではありません。 このセンサの場
合、無歪最大出力電圧が4Vrms になっていますので、測定したい範囲における電圧出力が、無歪最大出力電圧を
超えないように RL(シャント抵抗)を選択する必要があります。
例えば 0.1∼30A 位の範囲をでを測定したい場合
には RL=100Ωくらいが適切ですが、1∼100A 位の範
囲を測定したい場合は RL=10Ωくらいを選択しなけ
ればなりません。
すなわち右のグラフで直線性(リニアリティ)が
保証されている部分で使用しないと正確なデータ測
定ができなくなりますので、シャント抵抗はこの点を考
慮して選択してください。
(「U_RD 電流センサ応用機器」より引用)
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また、微小負荷電流を計測するために 10kΩ以
上の抵抗値を接続する場合は、
結合係数 K の値が電
流値によって変動しますのでこの点も注意しなけ
ればなりません。
(
「U_RD 電流センサ応用機器」より引用)
3.測定精度について
①発生電圧のばらつき
クランプセンサーは、貫通電流の誘導電流をコイルにて検出しており、シャント抵抗を並列に挿入した場合の
出力電圧は以下の式で与えられます。
(
「U_RD 電流センサ応用機器」より引用)
E0=K×RL/n×I0
E0:誘導電圧(V 実行値)
K:結合係数(理想は k=1)
I0:被測定電流(A 実行値)
RL:シャント抵抗値(Ω)
n :巻き数(ターン)
但し、750-477 の内部抵抗は約 120kΩあるため、正確には以下の計算式で合計の抵抗値が算出されますが実
際には RL=100Ω程度であれば内部抵抗は無視できます。
120k×RL
120k+RL
URD のセンサーの場合励磁電流、漏洩磁束、陶磁率、材質のばらつきにより±1%の誤差が発生します。
すなわち上の式において K の値が±1%の範囲で変動するということになります。
②抵抗の精度
抵抗 RL は精密なものを要求するときりがありませんが、仮に抵抗の精度を±1%の誤差のとした場合、RL/n の
値も±1%の範囲で変動するということになります。
③ワゴ I/O モジュール 750-477 の測定精度
ワゴ I/O モジュールの精度は FS(0∼10V)に対して±0.1%となり、これを電圧値に直すと約 10mV になります。例
えば CTL-10-CLS の場合、RL=100Ωで 10A 時に約 300mV の出力になるので、被測定電流 I0(貫通電流値)に換算
すると、
10A×10mV/300mV=330mA
となり、10A に対して計算すると約±0.3%となります。
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結果としてすべてを計算すると最大で
1.01×1.01×1.003=±2.31%
とりますが、これはすべてを
最大誤差で計算し、しかも同じ方向(正負)で誤差が発生すると仮定しているので、現実的にはこのような
誤差が発生するのは極稀と推測されます。
測定誤差をさらに少なくするためには、RL を半固定抵抗にして、貫通電流 I0 の値を測定しながらシス
テム上でデータを観測して個々に調整する必要があります。
3.設定例
UR_D 社の 電流データ収集用の CTL-10-CLS を用いて 0∼30A の貫通電流を測定したい場合、
RL は200Ωを接続してください。この場合のパラメータについては以下のとおりです。
①
750-477 から取得される 16 ビットデータを使用する場合
取得した16進数を10進数に直して「0.015254」を乗算します。
例えば
2710(H)=10000(DEC)、
10000× 0.015254=152.54 (A)
注)実際に測定できるのは0∼30A の範囲ですが、
②
wago_io_dllを使用して、実電圧値に「15.254」を乗算してください。
取得したデータ×15.254
(A)
以上
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