法科大院修了生向け就活セミナー 法科大院修了生向け就活セミナー

法科大院修了生向け就活セミナー
ジュリナビ運営事務局
2012年
Copyright ⓒ 2012 Juristix Co.,Ltd. All Rights Reserved.
はじめに
 法科大学院生の就職支援サイト「ジュリナビ」は、2008年文部科学省からの助
成を受け立上げた機関です。全国70校の法科大学院が参加しています。
 ジュリナビは2012年5月のリニューアル後、採用情報ならびに就活お役立ち情
報等のコンテンツを充実させました。
法科大学院生向けの採用情報は約3,000件、過去3年間で採用実績のあった
,
法律事務所、修了生の採用実績のある一般企業、官公庁、現在様々な求人媒
体で法務関連の仕事で募集を掛けている案件等、すべてを網羅いたしました。
 本日は司法試験終了後から
本日は司法試験終了後から、徐々に就職活動がスタートいたしますので、その
徐々に就職活動がスタ トいたしますので その
就活について、お役に立てる情報を提供したいと考え、セミナーを実施させて頂
きました。
本日のプログラム
1. 法科大学院修了生を取り巻く環境
2. 法科大学院修了生の就職活動概要
3. 自己分析の方法
4 受かる志望動機
4.
5. 応募の方法
6. 受かる面接のコツ
7. ジュリナビの使い方
8. 質疑応答
1. 法科大学院修了生を取り巻く環境①
[就職難の問題]
司法試験合格者の推移*
(人)
司法試験合格者
(新旧合計)
新司法試験合格者
旧司法試験合格者
 年間2,000人規模の司法試験合
格者が出ることで、この10年で弁
護士の数は2 2万人から3 5万人
護士の数は2.2万人から3.5万人
と1.7倍に増加している。
 訴訟件数は急激な伸びをしていな
いことから 1人当たりの業務は
いことから、1人当たりの業務は
減っていることが想定され、弁護士
の平均年収も減少傾向と言われる。
 「弁護
「弁護士は供給過多で、就職難が
供給 多
就職難が
発生している」(日弁連)
*:法務省「司法試験の結果について」
 年々2,000人規模の司法試験合格者が排出されることで、司法試験合格者の就職難は
社会問題になってきている。リーマンショック後の景気低迷も求人数に影響している。
1. 法科大学院修了生を取り巻く環境②
[就職先の広がり]
一般企業(インハウスロイヤー)*
法律事務所
最近の採用傾向
大手法律事務所
減少傾向
外資系法律事務所
大幅に減少
中規模法律事務所
横ばい傾向
小規模法律事務所
横ばい傾向
(人)
企業内弁護士数
(任期付公務員数)
法律事務所全体の採用数は、ここ数年で
1,500~1,600人程度と横ばい傾向。
企業内で働く弁護士の数は約2%。
米国ではロースクール修了後の就職先は
企業が15%、政府や公的機関が19%もある。
*:日本組織内弁護士協会調べ(2011年)
 司法試験合格者の進路は、法律事務所だけに限られず、一般企業の法務職や官公庁・
公的機関に広がりを見せている。
 法曹資格を必要としない一般企業・官公庁等への就職も増えている。
2. 法科大学院修了生の就職活動概要~スケジュール
5月
6月
7月
8月
司法試験
9月
10月
結果発表
11月
12月
司法修習
大手渉外・外資系法律事務所の説明会・面接
法律事務所
準大手法律事務所の説明会・面接
中小法律事務所・地方の法律事務所の説明会・面接
東京三弁護士会・法テラスの説明会
地方の弁護士会の説明会
一般企業
夏採用・秋採用(総合職)
有資格者の就職活動ピーク
官公庁
日銀説明会
地方公務員採用試験
中央省合同庁説明会
国家公務員採用 総合職試験(法務区分)
※詳細はジュリナビ「就活カレンダー」
3. 自己分析の方法~方向性を考える~
 自己分析の際にどのようなキャリアを進むか、自分なりに決めておくべきである。
法曹資格を
取得した場合
法曹資格を
取得しなかった場合
法律事務所に入所し、
弁護士になる
企業に入社し、
インハウスロイヤーになる
官公庁等に入庁し、
公務員になる
• 教授や先輩に事務所
の仕事について相談
する。
• 弁護士ドットコムで質
問をする。(みんなの
就職相談を確認する)
• 雑誌や書籍で法務部
という働き方を知る。
• 紹介会社に相談し、
法務部の仕事の特徴
を聞く。
• ホームページや書籍
等で、各省庁や地方
自治体の働き方を知
る。
一般企業に
就職する
タ
• MSセンターやMoreselectionsのような法
科大学院卒生を専門
とする人材紹介会社
に相談する。
• 第二新卒として就職
活動をする。
来年の試験の
準備をする
• 試験は何度まで受け
るか決めておく。
弁護士業界大研究
伊藤歩著
雇われるという働き方
 どの方向に向かうか、自分なりにじっくり考えて決めるべきです。合格/不合格は結果が
出るまでわかりませんが、結果によってどういう行動をとるか、自分なりに決めておくこと
で、結果判明後、ただちに行動することができます。
4. 受かる志望動機~志望動機の例~
Aさん(法律事務所志望)
Bさん(インハウスロイヤー志望)
Cさん(公務員志望)
 自分は即戦力として活躍できる
 どんな仕事でもやります
 最終的には独立したいと考えている
 弁護士業務に特化して仕事をしたい
 法務職の募集のみ応募している
 自分は即戦力として活躍できる
 ビジネスに興味がなくコツコツと仕事が
したい
 不合格だったため、公務員を受けた
 「即戦力として使える」などと大見得を
切るのではなく、あくまでも座学でしか
勉強していないことを謙虚に伝えるこ
とが重要。
 「なんでもやります」と答えるのは無難
ではあるが、面接官としては興味分野
は知りたい。興味あることを伝えた上
で、興味分野以外のことでも積極的に
努力する旨を伝える。
 一般的には
般的には、将来の方向性を「独立志
将来の方向性を「独立志
向」とするとマイナス評価となる場合が
多い。独立を前提とするのではなく、業
務の中で成長志向があることを見せる
ような受け答えをする。
 弁護士という資格にこだわらず
弁護士という資格にこだわらず、様々
様々
な業務に積極的に取り組む姿勢であ
ることを伝える。
 法務業務のみにだけ興味があるので
はなく、企業活動全体に興味があり、
様々な部署とかかわりながら、組織の
一部として貢献する努力をすることを
伝える。
ただ、最終的には法務人材として、事
業に貢献できるようになりたい旨を伝
える。
 あくまでも座学で法律を勉強してきた
のみであり、法務業務に関しては未熟
者であり、周囲に迷惑をかけないよう
必至で努力するとの謙虚な姿勢で臨
む。
 常に顧客志向であることは重要であり
常に顧客志向であることは重要であり、
公務員の仕事もビジネスと通ずるもの
がある。国のため人々のために働くと
いう意識を持っていることを伝える。
 「消去法で選んだ」という表現ではなく、
「力及ばず不合格となってしまったが、
ばず
法科大学院で専門的に法律の勉強に
打ち込んだ経験を活かして、法律面か
らサポートできるような仕事をしたい」
といった前向きな表現をする。
と
た前向きな表現をする。
 使命感を強く持っていること、国民全
体の利益を考えて行動する気持ちが
あること、プロフェッショナルとしての誇
りをもち責任感を持って仕事することを
等を伝える
等を伝える。
5. 応募の方法~採用情報の集め方~
法律事務所
※個人的なネットワークが中心
 教授や進路担当教授、研修所の教官、先輩弁護士等から事務所を紹介してもらう
教授や進路担当教授 研修所の教官 先輩弁護士等から事務所を紹介してもらう
 法科大学院時代のゼミ同期や友人から情報を入手する
 単位弁護士会主催のイベントに参加する
 弁護士に会える会合、サマークラークやイベント等には積極的に参加し、弁護士に知り
合いを増やす
 Webサイト(事務所、ジュリナビ、ひまわり求人等)で募集情報を探す
 募集していない事務所でも、興味ある事務所には積極的に応募する
一般企業
般企業(法務部採用、総合職採用)
※メディア等の利用が中心
※
ディア等の利用が中心
 Webサイト(ジュリナビ、リクナビNEXT等)で募集情報を探す
 出身法科大学院の大学就職課(キャリアサポート)から情報を得る
 法務募集をしていない企業でも、興味ある企業には積極的に応募する
 ビジネスロージャーナルに掲載されている企業等、積極的にインハウスロイヤーを採用し
ている企業に問い合わせてみる(リーガルに注力している企業が多い)
6. 受かる面接のコツ~面接官の考え方~
法律事務所の面接官の考え方
 司法試験の受け控えをした人はマイナス評価。
 2回目、3回目の試験による合格はマイナス評価。
 順位は1000番以下はマイナス評価。1000番以内
ならば特に順位は関係ない。
 面接まで行けば、成績や順位ではなく、人柄が重視
される。
 大手事務所では、上位法科大学院以外は書類で落
とす。小規模事務所では既修法学部を優先的に採用
している。
 面接の時には法律の話も質問し、法律の能力も併せ
てみている。
 今後語学は重視する流れになる。英語の他にもう1
か 語必
か国語必要になってきており、若い人の方が語学習
な
き おり 若 人 方が語学習
得が早いと考えられ優遇される傾向にある。
 入室してからの最初の30秒で、ある程度判断してい
る。
 「どのような分野に興味があるか」が最も聞きたいこと。
「どのような分野に興味があるか が最も聞きたいこと
 弁護士の仕事は、法律問題に詳しければ良いという
わけではなく、例えば子供を亡くした事故の場合、自
宅に上がって線香をあげるという行動を、「思いやり
を持ってきちんとできるか」を重視している
を持ってきちんとできるか」を重視している。
一般企業の面接官の考え方
 人事担当者は法科大学院生ばかりを面接しているわ
けではないので、法科大学院生に特化した質問など
用意されていない。学部卒生と同様の質問をしてくる
ケースが多く、学部卒生は就職活動に対してかなり
準備をして臨んでいる
準備をして臨んでいる。
 面接では必ず「当社で何がやりたいですか?」と聞か
れる。これが答えられないと受からない。
 「当社のサービス使ったことありますか?」「当社のビ
ジネスに興味ありますか?」「なぜ当社を選んだので
すか?」に自分なりの考えを答える必要がある
 法務部は、基本的には実務経験者が欲しいとのニー
ズだが、未経験者でも採用されている事例はたくさん
ある。
 紹介会社も応募者面談の際、「企業に紹介できる人
材か」評価をしている。そのため、例えば紹介会社か
ら依頼された志望動機の提出に、「3日待って下さ
い」と言うことはマイナス評価につながる。志望動機
に3日もかかるということは、ビジネス書類の作成に
はもっと時間がかかると考え、そのような仕事のでき
ない人は紹介したくないと考える。
 「法律業務だけ」を希望することは一般的に企業面接
官には受けが悪い
官には受けが悪い。
7. ジュリナビの使い方
ジュリナビ
https://www.jurinavi.com/
1. 法律事務所や一般企業の採用情報
事務
般
情報
 採用情報は法律事務所、一般企業、官公庁・公
的機関の3つに分けて掲載しております。
 ジュリナビ独自調査による募集情報や、採用実績
ジュリナビ独自調査による募集情報や 採用実績
のある事務所・企業の情報を掲載。また、ひまわ
り求人やハローワーク、リクナビNEXT等の求人
サイトに掲載している情報も全て網羅しておりま
す。
2. 先輩インタビュー
 様々なキャリアを歩んでいる先輩に実施したイン
タビュ を掲載。
タビューを掲載。
 また、採用担当者にも採用に対する考えをインタ
ビューし掲載しています。
※先輩インタビューや業界トピックス、就職支援等のコン
テンツは自分の経験とヒモ付けながら読み進めてくださ
い。
8. 質疑応答
 先日、東京での就活セミナーで質問頂いた内容の抜粋。
Q.1
法科大学院修了生は新卒/中途のどちらで
就職活動をするのか。
Q.6
今から就職活動までに何をしておくべきか。
どんな勉強をすると就職に有利か。
Q.2
法律事務所の面接で「裁判官や検察官にな
りたいか?」と質問された場合、どう答えるべ
きか。
Q.7
紹介会社が職務経歴書を求めてきた場合、
どんなことを書いて提出すればよいか。
Q.3
法律事務所の面接で「他の事務所を受けて
いるか?」と質問された場合、どう答えるべき
か。
Q.8
履歴書は手書きで書くべきか。パソコンで作
成したものは印象は悪くないか。
Q.4
ある法律事務所から内定が出たが、まだそ
の事務所に行くか決めかねている場合、
「行く」と言うべきか。
Q.9
一般企業の場合、内定をもらってから司法
修習に行くことは可能なのか。
Q.5
司法試験の結果が出る前に一般企業を受
ける場合、「試験に受かっていても弊社に来
てくれるか?」という質問にはどう答えるべき
か。
Q.10 企業への就職活動はいつから開始すべき
か。