Arduino を用いた MP3 プレイヤーの製作に関する実験研究 113044 秦 聖恵 摂南大学 理工学部 電気電子工学科 電子光機器研究室 Trial of MP3 Player Production using an Arduino Shin Kie Electronic and Optical Systems Lab., Dept. of Electrical and Electronic Engineering, Setsunan Univ. 1.概要 3.2 システム構成 スピーカーを用いて音楽を再生しているとき、周囲の音 マイク入力と音量の制御:マイクから入力される音は (車の音や人の話し声など)によって、再生している音が Arduino 上で 0~5.0V で読み込まれ、シリアルモニタから 聞こえづらくなることがある。そのとき、スイッチなどを用い 値を確認できる。。この値を基にして再生音量を調節する。 ずに自動で音量を調節する機能を、音楽再生機器に付 けることによって、人が操作する手間がなくなると考えられ 4.実験 る。例えば、英語の授業のリスニングを行うときにこの機 音センサをと騒音計に対して 8 段階の音を出し、8 秒間 能があれば、ある生徒が私語をしても他の生徒はちゃん 測定した。図1に 8 秒間の平均の値を示す。マイクから入 と聞き取ることができるのではないかと推察される。本研 力された値は 0.2 秒毎にシリアルモニタに表示される。そ 究では Arduino を使用して自動で音量を制御する機能 の結果はスライドで発表する。このままでは値の幅が広い を付けた MP3 プレイヤーの製作を試みた。 ため、移動平均を用いて収束させた。移動平均を 3 回繰 り返し、その値をプログラムに用いる。 2.MP3 プレイヤー 2.1 Arduino とシールド Arduino とは開発環境のひとつであり、回路からソフト ウェアのすべてが公開されているオープンソース・ハード ウェアである。Arduino にはシールドと呼ばれる拡張基板 読み出して再生する MP3 シールドを使用する。 2.2 音センサ [ があり、本研究ではマイクロ SD カードから MP3 データを 90 80 70 60 50 d 40 B 30 騒 音 レ ベ ル ] 製作する MP3 プレイヤーにはコンデンサマイクを音セ 0 200 400 600 800 1000 マイク入力[mA] ンサとして使用する。このマイクから音の大きさを Arduino へ送り、その大きさに応じて再生音量を調節するプログラ ムを作る。 図1 騒音レベル 3.製作したシステムの構成 3.1ハードウェア構成 MP3 シールドに差し込まれた SD カードから音楽データ 5.まとめ 今回の回路では Arduino、マイクアンプそれぞれに電 を抜き出し、デコーダー(VS1053)を通してスピーカーか 源が必要だったため、これらの電源を一つにまとめたほう ら音楽を再生する。マイクから Arduino へ周囲の音の大 が回路実験上良かった。 きさが入力され、その音の大きさに合わせて再生する音 実験結果を元に自動で音量調節を行うプログラムの完 量を変更する。 成が今後の課題である。 マイコンボード シールド コンデンサマイク マイクアンプ 騒音計 表1.使用器具 ArduinoUNO MP3 Player Shield XCM-6035P PU-2103 LM-8102 Atmel sparkfun SPL イーケイジャパン 佐藤商事 文 献 ―――――――――――――――――――――――――― (1)MP3 プレーヤーシールド(2015.2.11 現在) https://www.switch-science.com/catalog/617/ (2)騒音(2015.2.11 現在) http://www.toho-seiki.com/info04_e.htm
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