レスベラトロールの健康長寿効果について - AgriKnowledge

レスベラトロールの健康長寿効果について
誌名
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan
ISSN
09147314
著者
佐藤, 充克
巻/号
107巻10号
掲載ページ
p. 740-749
発行年月
2012年10月
農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波事務所
Tsukuba Office, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat
レスベラトロールの健康長寿効果について
最近の話題
赤ワインの機能性については
f
フレンチパラドクス Jに端を発した赤ワインブームの後も,種々の研究
が続けられている。今沼は,赤ワインの活性酸素消去効果を発表した,日本の赤ワインの機能性研究の第一
入者である筆者に,特に注目されている成分であるレスベラトロールについて最新の話題を含めて解説して
いただいた。
佐藤充克
ケイソウは,アルカロイドである殺虫成分を含むが,
はじめに
本物質は有毒成分ではない。本物質はレゾルシノール
9
9
7年,本誌])
ワインの機能性成分については. 1
に詳しく解説した。その中で,
レスベラトロール
(RSV) に強力な抗がん作用があることについて,サ
(
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) 構造を有することから R
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レ
スベラトロール)と命名された。高岡氏は RSVを化
学合成し構造を確認している。
イエンス誌 2)の報告を引用し紹介している。世界の
その後. 4
0年弱主自されることはなかったが,
RSV研究は,この報告から極めて多くなった o RSV
1
9
7
6年に Langcakeとわ yce6)がブドウ主主からファイ
についても. 1
9
9
71:ドに総説 3)を書いているが,約 1
5
トアレキシンとして再発見した。ファイトアレキシン
年を経過し抗がん作用のほかに種々の新しい生理作
とは,植物が外部からの感染やストレスに対応し,生
0
0
6年,米国ハーバー
用が報告されている。特に. 2
合成する抗菌性物費を言う。 RSVには抗カビ性があり,
ド大学医学部の S
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rらが,ネイチャー誌t)に RSV
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) に対抗し,ブドウが植
灰カピ病菌 (
がマウスの寿命を延ばすことを報告した。これは,米
物体内に合成する。 1
9
7
7年には,ブドウから RSVの
国でブームを引き起こした。米関の RSVサプリメン
)された o 1
'
.
ピ
二量体である,かどニフェリンも発見 i
0億円に達するという。
トの売り上げは,現在では約 3
ニフェリンはブドウに比較的多量に存在し稜々の活
0
1
1年 6月 1
2B
. テレビ番組 INHKス
日本では. 2
性の高いことが知られている。
ペシヤル」で. I
あなたの寿命は延ばせる
発見!長
第 l図に RSV単 長 体 の 構 造 乞 第 2図に RSVの 2
寿遺伝子 ~J を放咲し更に,視稿者の 1) クエストで
から 4量イ本の構造を示す。 RSV類はその基本構造か
繰り返し向番組が放映されたことで,一種のブームを
らステイルベン化合物と称される。
呈している O ここでは. RSVについて,これまで報
された内容を概説すると共に,米国 NIHグループ
による作用機構に関する最新の話題も含め総介したい。
発見の歴史
RSVは,北海道帝国大学理学部化学教室の高同道
夫氏 5
)により 1
9
3
9年,有毒植物パイケイソウ(梅窓
Veratrumg
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) から発見された。パイ
9
8
8年で¥Creasy
ブドウ来実から発見されたのは 1
ら 8)は果皮から RSVを発克した o 1
9
9
2年にはワイン
から RSVが検出
9
)され.
1
9
9
1年に CBSテレビで放映
されたフレンチ・パラドックス
による赤ワイン・
1
0
)
Tわれた。
ブームに乗って,機能性研究が積極的に 1
RSVの分析とブドウにおける分布
9
9
1~ 1
9
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2年,カリフォルニア大学デーピ
筆者は 1
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レスベラトロール類単量体の構造
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第 2国
(
+)
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OH
レスベラトロール重合体の構造
ス校で研究しており,フレンチ・パラドックスを特集
が必要であった。我々は,北海道から九州まで国内産
1
9
9
1年の C
B
Sテ レ ビ 番 組 f60m
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J に遭遇
のワインを集め,含まれる RSVの定量を行った O そ
した
した。帰国後,赤ワインの活性酸素捕捉活性の研究
1
1
)
の結果 1
2
) 白ワインには平均約 0
.
1mg/
し赤ワインに
に取り組み. RSVの研究も行った。ワインには多くて
は 1~ 数 mg/L 含まれていることが判明した。赤ワイ
p
mしか含まれていないので,成分の選択的濃縮
も数 p
ンでは,どノ・ノワールに多いことも分かり,世界の
第 1
0
7巻 第 1
0号
7
4
1
報告とも…致した。ピノ・ノワールはブドウの果皮が
RSVは果粒より,葉や茎に多く,
しかもカどに汚染
薄く,カピ汚染から来粒を守るため,果皮に抗カど活
されると多くなることが分かる。市販の RSV製剤は,
性のある RSVを比較的多量に蓄積する。赤ワインに
ブドウの新梢や若葉が原料になることが多いが,領け
は多量のポリフェノールと共に, RSVも含まれ,夜接,
る結果である。
活性酸素・ラジカルを捕捉J!)することが分かつた。
RSVの配糖体,パイシード(第 1図)は,イタド
RSVはファイトアレキシンであり,ブドウに紫外
リ根である漢方薬
線 (
U
V
) を照射すると,その生成最は増加する。山
f
虎杖根(コジョウコン )
J の主成
分である O イタドリ根は食薬区分では,
r
専ら医薬」
梨大学・ワイン科学研究センターの久本准教授らは,
収穫後,ブドウ果皮に UVを 照 射 し HPLCにて蛍光
第 1表
検出を行い,多くのステイルベン化合物を検出した。
ブドウの部位別レスベラトロールとパイシ
ード含有量
第 3障に HPLCプロファイルを示す。天然の RSV製
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s
-レスベラトロ
j
レ
剤には,多くのステイルベン化合物が含まれる。ブド
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s
-ノfイシード
ウには RSVの他に 2愛体のかピニフエリンが比較的
ぶどう部{立
多く含まれる O
来校
0
.
2
2
.
3
.
9
0
.
6・2
来粒(カピ汚染)
0
.
7
1
2
.
1
1
.5
6
.
3
葉
ぺ0
.
3
2
.
5
業(カど汚染)
3
.
7
2
0
.
9
立Jゑ急生
1
8
.
5
6
0
.
9
RSVはワインに含まれるが,その存在量は,ブド
ウの葉や茎に多いことが知られていた。最近, B
a
l
i
k
ら 13)はブドウ部位別の存在量を報告している。チエ
コのシャルドネや赤品種, S
.
tLaur
巴n
tの果粒.葉,茎,
表い茎(新梢)の存在量を第 l表に示す。第 1表から
茎
盟主岩部品
1
2
.
6
9
9
.
7
新梢
一O
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円
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一語﹄百一﹀も
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ntime(
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)
第 3図
UV照射したブドウ巣皮のステイルベン化合物の HPLCプロファイル
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I
@ODS-SP,蛍光検出 (
E
x
.3
1
0nm,Em.4
0
3nm)
カラム:I
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6即 時 加 叩 ∞ 目 加 印 お 印
第 4図
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,-'TTT""]'_-_]"""'"""TT ";H""""_"'T,T"_"T"'-'_"""""---'Tr" ヤー
30 叫担回目印加さS 印
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2関 付 加
G叫
~ll
00
コジョウコン抽出物の UPLC/DAD/TOF-MSパターン
J
c
システム (
UPLCは ACQUITYUPLC
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),カラムは ACQUITYUPLCHSST3(1
.
8μm,
2
.
1x1
0
0m m,Waters)を使用。検出はフォトダイオードアレイ装誼(検出波長 2
0
0
6
0
0nm)。
MSは LCTP
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rHI XE(
W
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r
s
)飛行時間型質量分析装置を用いた O
(山梨大学,久本准教授提供)
に分類され,食品としては使用できない。第 4図にイ
たに形成され,古い細胞は一定販問で,若い細胞に霞
タ ド リ 絞 拙 出 物 の UPLC/DAD/TOF-MS (超高速液
J
灸される
体クロマトグラフー飛行時間型質最分析計)分析パタ
結質成分の酸化である。拘禁が般化されると,過酸化
ーンを示す(山梨大学,久本准教授提供)。イタド 1
)
脂賓となる。!況の脂質が酸化されると,皮膚の溜いが
O
また,エイジングの初期に認められるのが,
は,主要生産物が RSVの配糖体,パイシードであり,
なくなり,シワやシミを主主じ,肌のハリも失われる。
ブドウには含まれない,徳性の低いエモジン配糠体お
脂質は光やフリーラジカルにより,酸化され過酸化脂
よびエモジンも多いことがわかる O パ イ シ ー ド は s
-
質ラジカルとなる O 脂質は酸化物が酸化の触媒になり
グルコシダーゼ処理で容易に RSVに変換可能で、'イ
(自動酸化),酸化がどんどん進むので,抗酸化物質で
タドリ;を原料にすれば,比較的安価に RSVが得ーられ
脂質の酸化サイクルを止めることが重要である O 生体
の酸化は,活性酸素やフリーラジカルにより行われ,
るO
以下, RSVの健康長寿効巣について説明するが,
種々の疾病の 8
0
9
6以上の原因となっているとされる九
最近よく話題になる「アンチエイジング効果」をキー
ワードに解説を進める。
レステロールの酸化防止(動脈硬化予防),癌予紡,
アンチヱイジングイ宇用とは
エイジングはワインやウイスキーでは熟成だが,
従って,アンチエイジング作用とは,新陳代謝を活
発にする,脂質成分の酸化を防ぐ(抗酸化),悪玉コ
脳神経の傷害防止,細胞の寿命をのばすことなどが含
ヒ
トでは加齢あるいは老化である。網目包には寿命があり,
まれると考えられる。 RSVには種々のアンチエイジ
ング効果が報告されている O
細胞死は DNAにプログラムされており,その死滅は
r
I
アポトーシスと言われる。細胞は新陳代謝により,事
第 1
0
7巻 第 1
0号
7
4
3
抗酸化活性および血小板凝集臨書活性
その後, RSVの高い抗がん活性の漂白を示す論文却)
カ宝出た。 RSVは,イ本内でチトクローム P450である
アンチエイジングとして,脂質の酸化を防止するこ
CYPIB1により水酸化され, p
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l(
第 1殴)
とは重要である o RSVには, フェノール性の水産主義
に変換される。これが高い抗1
重傷活性を示すというこ
があり,抗酸化l
i
d
生を示す。皮j
議の脂質ではないが,
とである。
動脈硬化の引き金として知られる,悪玉である L
DL-
脳神経保護効果
コレステロールの酸化は,活性酸素やラジカルにより
進行する。 RSVは,これを効率よく組答
する。酸
1
4
)
ボケずに長生きすることも,アンチエイジングとし
化 LDLはマクロファージにより食食され,これが治
ては重要である o RSVの抗がん効果の論文発表と,
状細胞となり,動脈硬化の引き金となる。即ち, LDL
l
まぽ間待期に,ボルド一大学法学部の Orgogozoら 2))
の酸化防止は動脈硬化予妨となる。脂質が殺化すると,
は,赤ワインを 3~4 杯飲んでいると,認知症やアル
「身体が錆びる」と言われ,シミやシワの原因となる
ツハイマー症の発生が 7
0~ 80%減少することを報告
が
, RSVは脂質酸化を防ぐ。また,酸化紡止とは異
した。論文では表になっていたが,第 5図に変換した
なるが, RSVは血栓の原因になる血小板の凝集も問
データを示す。イタリアの B
e
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l
iら詑}は, RSVには,
5
.
1
6
)する。配糖体であるパイシードについても,血
答1
小板凝集阻等活性が報告
されている。筆者らは,
l
i
.
1
8
)
赤ワインの血液サラサラ効果を報告
1
9
)
しているが,
RSVの血小板凝集阻答効果が貢献している。
抗がん活性
寿命をのばすという意味では,抗がん活性も重姿な
アンチエイジング作用である o RSVが一躍注目を集
めたのは,当時イリノイ大学の教授であった John批
この疫学データを裳付ける活性のあることを報告した O
1
9
9
9年正月,殆どの朝刊に「ワインに脳の病防ぐカ J
という記事が掲載された。 B
e
r
t
e
l
l
iらによれば, RSV
は非常に低濃度(1μM) で,記憶:や学習のプロセス
における,シナプスの変化に街与している ERK2の
燐酸化を誘導する O 非常な低濃度で良いので,赤ワイ
ンをグラス1.5杯飲めば充分としている。
3
)が
ワインの認知症予防に関しては,最近も報告 2
ある。 '
6
8~ '
6
9に 38~ 6
0歳であった,スウェーデ
P巴z
z
u
t
oらが,サイエンス誌に強力な抗がん活性を報
ン在住の 1462名について, 34年間に主主り摂取アルコ
告 2)したからである。 RSVは発がんプロセスの主要 3
ールの種類,摂取量,ライフスタイルなどと認知症の
段階(イニシエーション,プロモーション,プログレ
1
.
2
ッション),全てにおいて抗がん活性を示した。郎ち,
発がん物紫を解毒する第 2相薬剤代謝酵素を活性化す
崎1
ゲナーゼはプロスタグランジン,ビドロペルオキシ夕、、
0
.
2
ーゼは活性酸素の生成を触媒し,両者はがんのプロモ
o
ーション活性を示す。吏には,骨髄性白血病細胞(分
ドZ
杯1
I
ヨ 3-4事1
1
ヨ 5杯以上/
1
ヨ
(0-125mL)(125ω250mL)(375 500mL)(詰 625mL)
0
1事I
l
緩
化能を失った血液細胞が増殖を続ける,血液のがんの
状態)の分化を誘導し正常細胞に戻したことから,
抗プログレッション活性も示された。また,マウスの
習がんモデルにおいて, 0
.
2~ 5
.
7m gの塗布で,皮
皮j
OOFOd
ドロペルオキシダーゼ活性を陸答した。シクロオキシ
nunvnv
のプロモーションに関わるシクロオキシゲナーゼやヒ
h
m
パコ該寝
ることで,がんのイニシエーションを阻等し発がん
州
ワイン欽議室鐙
第 5鐙
ワイン摂取と認知疲,アルツハイマー症の
関係
ジロンド, ドルドーニュ在住の 65歳以上の 3777名に
膚がんを 68~ 98%減少した。報告された雑誌が超一
つき, 3年間にわたり調査した。著者の一人, ]
.
M
.
流のサイエンス誌だ、ったことと, RSVがワインに含
Orgogozoよりデータ入手,改変。 R
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.(
P
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-
まれるということから,位界中から注目され, RSV
8
5
1
9
2(
19
9
7
)
. でo
~ 1杯/週と比べ,
I
s
)
:153(3),1
の研究に火がついた。
.
0
5以下で統計的に有意。
危険率 0
744
穣 協 (
2
0
1
2
)
関係を調べたところ. 2
0
0
2年までに 1
6
4例が認知症
性が高まって,強く結びつくことで遺伝子の発現が抑
と診断された O ワイン摂取群は認知症のリスク(ハザ
制される。サーチュイン遺伝子は,抗老化遺伝子とも
.
J
照群の発症率を lとしたときの
ードレシオ. HR:j
呼ばれ,通常,飢餓やカロリー制限で活性化される O
発症率)が低く,ワイン摂取最と認知症発症は逆相関
カロリー制限をすると,サーチュインが活性化されて
し. HR= 0
.
6であった。この相関は女性では吏に高
DNAの転写が抑制され,結来的に DNAの損傷防止,
く,認知症の HR= 0
.
3であり,発症率は 70%も低か
更には長寿につながることが明らかにされている O と
った。喫煙墜を考慮に入れると,喫煙者では相関は一
ころが,カロリー制限をしなくても RSVを摂取する
段と高かった。一方,スピリッツ(蒸留酒)摂取群の
ことで,サーチュインが活性化されることが番組で紹
.5
)
. ワインと反対の結
認知症リスクは高く (HR= 1
介され. RSVがブームとも言える注目を浴びている。
果となった。他のアルコール飲料についても,認知症
RSVのサーチュインに関する作用としては,最初
のリスク低下は認められないことから,ワインのアル
に2
0
0
3年に酵母の寿命をのばすという報告別)があり,
コール以外の成分,例えばポリフェノールや RSVが
0
0
4年 に は 多 綿 胞 動 物 25)
学会の注目を集めた。 2
認知症発疲低ドに有効に作用していると考えられる O
2
0
0
5年には線虫 C
.elegani6). 2
0
0
6年初期には短命
の脊椎動物(小魚) 27). 2
0
0
6年後期にはマウス りから
ι
寿命延長効果
報告があった。
マウスの報告は,最近の TV放映のベースになっ
2
0
1
1年. NHKが長寿遺伝子サーチュインの番組を
放映した。サーチュイン (
S
i
r
t
u
i
n
) とは. NAD+依存
ている。マウスに高脂紡餌を投与すると,肥満になり,
性のヒストン脱アセチル化酵素 (EC3
.5.1)である O
寿命が短縮するが,同時に RSVを投与すると,サー
染色体の DNAは,塩基性タンパク質のヒストンに巻
チュインが活性化され,肥満にはなったが,寿命は短
きついたクロマチン構造を取っている。ヒストンがア
0 RSVと高
縮せず,標準餌と向様になった(第 6関)
セチル化されると,塩恭性が弱まり,クロマチン構造
脂肪餌併用投与群は,活発に動き,寿命も短縮しなか
が緩み. DNAが転写されやすくなる O 逆に,サーチ
った。このマウスでは,インスリン感受性が上昇し,
ュインが活性化すると,ヒストンが脱アセチル化され,
種々のがん細胞で充進する,インスリン様増殖悶子 1
ヒストンの塩恭性が強くなり,酸性の DNAとの親和
C
I
G
F
I)レベルが低下し. AMP活性化タンパクキナ
1
.
0
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~ O.S
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hcalon
関 繍 縦
0
.
2
号令
高カロリー鰐 (HC)
F邸 内 r
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高カロリ一館十レスベラトロール
(HC+RSV)
60
70
80
90
T
l
m
e胸 部k
s
)
第 6密
レスベラトロールのマウス寿命延長効果
マウス高脂肪餌投与群は寿命が短縮するが,同時にレスベラトロー
a
u
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.
ルを投与すると,標準餌とほぼ同様の生存率を示す。].A.B
D.
A
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2
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)
第 1
0
7巻 第 1
0号
7
4
5
ーゼ (AMPK) およびペロキシソーム増殖因子活性
オ ー バ ー に で 投 与 し た 。 薬 剤 投 与 l符 跨 後 , 血 紫
化受容体ァ活性化補助因子 lα(PGC-1α) 活性が上昇
RSVレベルおよび FMDをi
R
I
J定した。男性 1
4名,女
G
C
1
α は,筋細胞において,糖総送体 GLUT4
した。 P
性 5名が試験を完遂した。 RSV投与には用量依存的
発現を増加させ,
p<0
.
0
0
1
) と FMD (
p<
効 果 が あ り , 血 淡 RSV (
ミトコンドリアを活性化しエネル
ギー消費を高める。また,
ミトコンドリアの数も増加
0
.
0
1
) が有意に上昇した。 RSV2
7
0l11g投与で. FMD
し,運動機能も改善した。即ち, RSVは,肥満に伴
はプラセボの 4
.
1土 0.8%から 7
.
7:
t1
.5%に上昇した。
う2型糖尿病など,稜々の疾病を軽減し老化による
即ち, RSVは 血 管 内 皮 細 胞 機 能 を 改 善 し 動 脈 硬 化
を減少することにより,寿命を延長すると考えら
を抑制することが示された。
れる o RSVにはサーチュインの活性化により, DNA
吸校と代語
損傷を防ぎ,生体全体の DNAの活動を抑 i
llJする作用
がある一方で, P
G
C
1
α を活性化し筋細胞のミトコ
ンドリアを活性化,エネルギー滋賀を増大するという,
一見,矛盾した現象が認められる。
なお, 2008主!三の報告 281によれば,老化や肥満によ
1.口腔粘膜からの吸収 311
1l11gの RSV (
5
0l11L,50%エタノール溶液)は吸
収され,飲み込む前 1分間の接触で, 2分後には 37
ng/l11Lの遊離体が血紫から検出された。錠剤でこの
る隊答予防に RSVは有用だが,健常人の寿命は伸ば
血紫濃度を得るためには, 2
5
0l11gを経口摂取する必
さないことが示されている。ただ,老化によるアルブ
婆がある。口腔粘膜投与は, RSVの水溶性が低いので¥
ミン尿症,血管内皮の炎症やアポトーシスの減少,大
現実的ではない。
R
の柔軟性の向上,運動性の改善,白内 i
僚の減少
動!D
骨管皮の維持など稜々の健康効果が示された。
ヒトにおける介入試験
2
. 経口投与
錠予測で投与した RSVの約 70%は吸収される。ただ,
経口投与すると,消化管と肝臓で,急速にグルクロン
2011年,肥満男性 (
1
1名)と健常人 (
1
1名)によ
酸および硫酸抱合体となり, RSVのバイオアベイラ
るランダム,ニ重~検研究鈎}が行われた o RSV (
r
e
s
-
5l11gの錠剤を投
ピリティーは非常に低い。ヒトに 2
nl
Vida )
与 321しでも,血中には 5ng/l11L以下しか検出されな
1
5
0l11g/dを 30日間クロスオーバーにで経
口投与した。即ち,最初,被験者にランダムに RSV
または疑似薬(ブラセボ)投与をおこない,一定のウ
い。殆どは抱合体である。
ヒトやラットでは,経口投与 RSVの 5%以下しか
オッシュアウト期間を設け,次に,投与物を互いに代
期中には現れない:3
:
1
1。 殆 ど は 抱 合 体 で あ る かo
n
s
-
え(クロスオーバー),投与 試験を f
子った。 RSV投与
RSV3
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ぷ SV
ふs
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民,休止代謝率を減少した。一方,筋肉で
は有意に 1邸l
る
。 RSVの効果は,抱合体の活性による可能性が考
は
, AMPKを活性化し, SIRTlおよび P
G
C
1
α タン
えられるが,まだ,活性は務べられていない。ケルセ
A
パクレベルを上昇した。また, RSVは炎症マーカー
チンの場合,抱合体そのものに弱いが抗駿化活性が認
血糖値を低下し,カロリー制限と類
肝臓脂質,血圧, J
められている。また,炎症部位には,グルクロニダー
似の効果を示した。これはマウスでの試験iIと同様の
ゼが発現し炎症部位で、脱抱合が起きていることが示
結果である O
されており ω ,RSVでも同様の可能性が考えられる。
よ腕動脈の流量依存性拡張 (FMD) は,心臓や卵
管内皮綿胞機能のバイオマーカーである。 Wongら却)
3
. 毒性
は RSVの FMD改善効巣を調べた。境界域高血圧(収
ヒトに 5g を経口投与した試験お)があり,特段の
3
0~ 1
6
0,拡張期 i
血圧 85~ 1
0
0l11l11Hg)
総期lIIl庄 1
'
出土極めて低いようであ
異常は認められなかった。主き1
で¥肥満度を示す BMIが 2
5~ 3
5kg/l112の 1
9名の
る。しかし RSVには弱いがエストロゲン様活性が
r
e
s
肥満男性と閉経女性に 30,90,270l11gの RSV (
あり,また,胎児では無毒化酵素経路が確立していな
nl
) またはブラセボを二重富検,ランダム投与
Vida
い可能性もあるので,妊婦は摂取しないほうが良いと
試験を行い.更にウオッシュアウト期間の後,クロス
の文献却もある。
746
醸 協 (
2
0
1
2
)
止し, ミトコンドリア機能を向上,ブドウ糖耐性を改
RSVの 新 作 用 機 構 と テ 口 メ ア の 関 保
善した。今後は, PDE4阻害剤が寿命延長物質として
RSVは~接サーチュイン (SIRTl)を活性化する
と言われてきたが,米国 NIHのグループは, RSVに
注目される可能性がある。
Epacl38)は最近発見された cAMP受容体タンパクで
T1活性化には,必ず MAPKなるタンパク
よる SIR
ある。 cAMP総胞シグナル研究で重要で、あり, cAMP
が必要であり,他のメカニズムがあると考えた。
依存性タンパクキナーゼ (PKA) は Epacl依存性で
Parkら 37)は
, RSVの作用機構を細脆の代謝活性機構
ある。新しい cAMPレセプターの発見は cAMPの多
から競べたところ,サイクリック AMP (cAMP) を
様な機能角平明に貢献すると思われる。
分解するフォスフォジエステラーゼ (PDE) 4を直接
寿命を語るには,テロメアに触れない訳にはいかな
阻害することを突き止めた。作用機構を第 7闘に示す。
い。テロメアは高等動物の染色体の末端に存在する繰
RSVが PDE4に結合し,活性を搭抗阻害すると,
り返し配列で,染色体 DNAを保護している。細胞分
cAMPレベルが上昇する。 cAMPの上昇にて活性化
裂にはテロメアが必要で,分裂のたびに短縮しなく
c
i
+レベルを上昇し,フ
なると,アポトーシス(細胞死)を起こす。がん細胞
された Epacl3S)は,細胞内
2
遊
ォスフォリバーゼ Cおよびリアノジン受容体 Ca+
はテロメアを伸ばす酵素,テロメラーゼを持っており,
離チャネルにて, CamKKs-AMPK経路を活性化し,
不死細胞となっている。
i
rt1活性を上昇させた。
その結果, NAD+を 増 加 し S
COPD (慢性閉塞性肺疾患)治療薬であるロリプラム
遺伝子である p53遺伝子は,異常 DNAの
がん抑制j
修復や,細胞増殖サイクルの停止,細胞のアポトーシ
は
, PDE4 阻害総である。ロリプラムで PDE4 を~J3.害
ス誘導を行い,細胞のがん化を防いでいる。しかし
しても, RSVのほとんどの効果を再現した。郎ち,
正常細胞で p53が過剰に発現すると,細胞の寿命を
RSVは直接 S
i
rt1を活性化するのではなく, PDE4を
短縮する。細胞のテロメアが銭縮したり,損傷を受け
i
rt1を活性化することが判明した。
限害する結果, S
ると, p53のレベルが上昇し細胞の増殖サイクルを
その結果 RSVは,マウスでは,食事誘導性肥満を防
止め,アポトーシスが誘導される。過剰の p
53は
PGC-1aを低下させ, ミトコンドリアの数と機能を低
R昏事:ve
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轟t
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悪P
DE
器
!
:
下させる。ミトコンドリアの機能が低下すると,活t
酸素種が過剰に生成され,この活性酸素が更にミトコ
ンドリアの機能湾害を引き起こす。テロメアとミトコ
ンドリアの関係を調べた論文 39)があり,分かりやす
く説明している(第 8図
)
。
サーチュインは NAD+依存性のヒストン脱アセチ
ル化酵素である。間接的ではあるが, RSVはサーチ
際協象事務
ュインを活性化し,サーチュインは過剰に存在する
ERISR
p53も脱アセチル化し,活性を下げる。同時に,サー
C鯛 KK
>
i
チュインはヒストンを脱アセチル化することで,
A長
.
4PK
DNAと ヒ ス ト ン の 結 合 を 高 め , 染 色 体 DNAを保
PGC
ぺα+Sirt1
護・安定化する。 RSVはテロメアの損傷で活性が下
ム
G
C
1
α の活性を回復し,
がる P
十Mi初 出ond縦
食S
おc
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第 7図 RSVの新作用機構
RSVはフォスフォジエステラーゼ (PDE)4を阻害し,
結果として, PGC1
日および S
i
rt1を活性化する。 S,
]
.
Parkら:C
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,148,
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1
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2
)
同
第 1
0
7巻 第 1
0号
ミトコンドリアの数と
活性を上げると考えられる。
おわりに
RSVについて,発見の歴史,構造,種々の健康効
果,更には最近のサーチュインに対する作用機構につ
いて述べた。残念ながら, 日本では化学合成物やコジ
7
4
7
第 8図
テロメア損傷とミトコンドリアの機能の関係
E
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.
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e,470,359365(2011)
伺
ョウコンから抽出したものは,サプリメントとして言E
可されていない。抗癌効果や寿命延長効果を期待する
には,かなり大量の RSVを摂取する必要があるが,
脳神経保護効果を期待するのであれば,赤ワインをグ
,2杯飲めば充分であるように忠われる。お
ラスで 1
溜が飲めるヒトには,日常的に赤ワインを愉しむこと
をお勧めする。市場には,ブドウの紫や新梢から抽出
去を摂取する
した RSV製品もあるので,ある穏度の f
のであれば,こちらを試すのも良いと思われる。ただ
し活性物震を大量に摂取すると,思わぬ副作用も考
えられるので,適度の蚤を守ることが重要である。ア
ンチエイジングには, RSVのみならず,ポリフェノ
vが脂質過酸化防止など,種々の効果を持つので,
ー)
適量の赤ワインを美味しい食事と共に楽しめば,潤い
のある生活をしながら,老化防止になると思われる O
本論文は, RSVの分析,構造式の作成,校関など,
山梨大学・ワイン科学研究センター・久本雅嗣准教授
のご協力を得ました。ここに深謝致します。
〈山梨大学・ワイン人材生涯養成拠点
非常勤コ…ディネーター〉
参考文献
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