(独立行政法人国際協力機構 総務部・国際協力人材部 作成資料より) JICA 関係者の短期業務渡航における一般旅券の使用について 1. 経緯 (1)JICA が海外に派遣する役職員等、専門家、ボランティア、調査団及び同伴家族(以下 「JICA 関係者」という。)には、「国の用務のために外国に渡航する者(旅券法第2条第 1号)」に準じるとの考え方に基づき、国の用務が円滑に遂行されその目的が実現され ることを確保するため、原則として公用旅券が発給されてきた。 (2)公用旅券には、出入国手続や携行機材の通関がスムーズにできる、公用査証が無料 で取得できる等のメリットがある反面、利用上の制約(例えば一次旅券の場合、渡航先 が限定されており柔軟・機動的な日程が組めない場合がある等)、公用旅券発給事務 や紛失等のトラブルシューティングに調整コストが生じる等のデメリットがある。 (3)JICA は、業務合理化の観点から、業務遂行上、公用旅券の保持が不可欠ではないと 判断されたJICA関係者について、一般旅券による業務渡航を段階的に導入してきた。 現在、無査証で渡航が可能となる国への短期間の業務渡航については、国家公務員、 各府省庁を通し旅券を請求する独立行政法人職員等を除き、全てのJICA関係者に対 して一般旅券による渡航が導入されている。 平成 3 年 10 月 業務実施契約に基づき派遣される調査団員について、一般旅券渡航を 試行導入対象:ASEAN5 カ国 1 ) 平成 11 年 6 月 業務実施契約に基づき派遣される調査団員の渡航を原則一般旅券化 平成 13 年 1 月 役職員、専門家、調査団について、最長 3 ヶ月の滞在で、一般旅券での 渡航に業務上支障が生じず、かつ査証取得の必要がない国への渡航を 一般旅券化(35 カ国 2 ) (4)これまでの一般旅券による短期業務渡航に特段の支障が生じていないことを踏ま え、一層の業務効率化及び合理化の観点から、一般旅券の使用のさらなる拡大を 検討した結果、JICA 関係者の短期間の業務渡航については原則一般旅券によるこ ととし、外務省の了解を得た。 1 インドネシア、フィリピン、タイ、マレイシア及びシンガポール マレイシア、シンガポール、ネパール、フィリピン、中国、ベトナム、キルギス、アルゼンチン、 エクアドル、コスタリカ、コロンビア、チリ、ドミニカ共和国、パラグアイ、ホンジュラス、ニカラ グア、メキシコ、グアテマラ、エルサルバドル、オーストリア、ハンガリー、フランス、英国、ポー ランド、ブルガリア、ミクロネシア、フィジー、パラオ、サモア、バヌアツ、モロッコ、チュニジア、 ボツワナ、セネガル、ジンバブエ 2 1 2. 一般旅券化の対象 (1) 対象者 JICA 役職員等(国際協力専門員、ジュニア専門員、専門調査員、特別嘱託、常勤嘱 託等を含む。)、短期専門家、短期ボランティア及び調査団で、JICA が派遣手続を行 うもの。 (2) 対象となる渡航 日本出発日から帰国日までが「90 日間以内」の業務渡航 ※一部の国においては、「90 日間以内」以外の設定もある。 (3) 対象国 全ての国と地域。ただし、(4)に記載する国を除く。 (4) 例外国 以下の国については、引き続き公用旅券で渡航する。 (イ) 先方政府の法令規則等により、一般旅券では JICA 業務の遂行が困難な国 (一般旅券では業務査証を取得できない、先方政府から特権・免除等に公用旅 券が前提として求められている等。):アルジェリア、アンゴラ、イラン、エジプト、 カメルーン、コートジボワール、コンゴ民主共和国、サウジアラビア、チャド、トー ゴ、ブラジル、ブルキナファソ、ベリーズ、ルワンダ (ロ) 治安情勢に鑑み、滞在中のトラブルを回避するために、公用在留資格が必要 な国:アフガニスタン、イラク、エリトリア、コソボ、コンゴ共和国、シリア、ソマリア、 リベリア (ハ) 一般旅券に入国記録が残ることにより、以後同旅券による海外渡航に制限 が生じるため、公用旅券渡航とする国:イスラエル(パレスチナ) (5)対象国の見直し 先方政府の制度変更等により入国手続又は特権・免除等に関する問題が生じる 等、一般旅券による用務の遂行が困難であると認められた国については、個別に 検討の上、公用旅券を発給すべく適時見直しを行う。また、前項(イ)~(ハ) に記載した国に関して、先方政府の制度変更等により、一般旅券による渡航が可 能であると認められた場合についても、同様に見直しを行う。 3. 一般旅券化による変更点 (1)派遣国が一般旅券渡航国・公用旅券渡航国のいずれに該当するかを、JICA派遣支援 センター(短期専門家の場合)又はJICA指定の旅行代理店(調査団の場合)が渡航者に連 絡する。 (2)渡航先が一般旅券渡航国の場合、渡航者は、各自手持ちの一般旅券を使って渡航す る。一般旅券を持っていない場合、各自で都道府県に一般旅券の新規発給を請求し 3 、発 給申請手数料はJICAが負担する。(詳細は別紙手続FAX参照) 3 手持ちの一般旅券の査証欄に空きがない場合は、査証欄増補申請ができる。(申請手数料は JICA が負担) 2 一般旅券渡航手続FAQ Q1 一般旅券を作成する際の費用負担および手続きは? A. 一般旅券の作成経費は、以下の場合には JICA から旅行雑費として実費が支給されます。 ただし、申請書類の作成や代理申請を旅行代理店に依頼したことに伴い支払った手数料、または、 本人が申請に行く際に負担した交通費等、一般旅券の作成にかかる実費以外の経費は本人負担 となります。 1. 対象となる旅券及び支給費用 専門家、調査団員等が派遣前 3 ヶ月以内(出発日から換算した旅券の発行年月日に基づく)に、 JICA の業務遂行のために新たに旅券を取得あるいは査証欄の「増補」を行った場合、有効期間 5 年間の一般旅券発給手数料(ICチップ付き 11,000 円)あるいは、査証欄の「増補」手数料(2,500 円)を上限として支給されます。 2. 手続き 旅券手数料立替払いを請求してください。必要な書類は以下(1)、提出先は以下(2)、費用精算手続 きは以下(3)のとおりです。 (1) 必要な書類 1) 立替払い請求書 立替払い請求書には、手数料(収入印紙)領収書を添付してください。 2) 旅券のコピー(写真の頁) (2) 提出先 1) 専門家(コンサルタント専門家を除く):国際協力機構・派遣支援センター(担当者) 2) 調査団員(コンサルタント団員を除く):国際協力機構・原課(担当部担当者) (3) 費用精算手続き 1) 専門家(コンサルタント専門家を除く) 上記(2)、1)の書類提出をもとに、派遣支援センターが専門家の銀行口座に実費額を振り込 む。 2) 調査団員(コンサルタント団員除く) 担当部が、立替払い請求書等必要書類を準備し又は団員から取り付け、派遣支援センター に支給依頼を行う。派遣支援センターが書類を確認の上、調査団員の銀行口座に実費額を 振り込む。 Q2 一般旅券で渡航する場合、新規作成ではなくても出発日の 3 ヶ月前以降に 発行されているという条件を満たしていれば、取得経費は支給されます か? A. 原則支給されません。JICA の業務のために新規に作成した場合に限り、支給されます。 3 Q3 渡航者が希望した場合、5 年旅券ではなく、10 年旅券を取得しても良いで すか? A. JICA では、発給手数料の支給はあくまで当該業務遂行のため必要な新規旅券取得に対する 実費支給であり、5 年旅券で必要を十分満たすことが可能と判断しています。このことを理解した上 で、10 年旅券を申請することは個人の判断です。10 年旅券を取得した場合でも、JICA が支給する 手数料は 5 年旅券の手数料額を上限とします。 Q4 一般旅券は持っていますが、入国・滞在に査証取得が必要です。手続きは どのようにすれば良いですか? A. 査証取得手続きは、以下の2通りあります。 1. 出発前に日本国で取得する場合 (1) 代理申請が可能な場合 JICA の派遣支援センター担当者を通じて、担当旅行代理店に依頼します。派遣支援センター担当 者までご相談ください。 (2) 代理申請が不可の場合 渡航者本人による手続きが必要となります。査証取得に必要な書類等の情報については、各国に よって異なりますので、派遣支援センター担当者までご相談ください。 2. 出発後、現地にて取得する場合 現地(経由地を含む)で渡航者本人が取得します。 【留意事項】 ※1.業務渡航ですので、「観光査証」での渡航は認められません。 ※2.査証料金の精算は、実費精算となります。精算手続きには、領収書及び査証ページのコピー が必要ですので、必ず保管するようお願いします。いずれの書類がなくても精算はできませんので ご注意ください。 ※3.各国渡航に必要な査証情報(査証の種類(取得場所含む)、取得所要期間、必要経費等)に ついては、渡航先が決まった時点で、国際協力機構原課(担当部)担当者に確認してください。 ※4.代理申請の場合、査証取得手続のため担当旅行代理店がお持ちの一般旅券を一時的に預 かる場合があります。この期間中は、学会参加等を含め、一切海外に渡航することができません のでご注意ください。 Q5 公用旅券渡航対象国に該当しない国への渡航についても、従前のとおり公 用旅券の発給を請求することができますか? A.一般旅券を使用した渡航でも特段の支障はないと考えられることから、可能な範囲で一 般旅券使用にご協力いただきたいと考えておりますが、文部科学省としては、個別の事案等により、 各法人が特に必要と判断する場合には従前のとおり公用旅券の発給を請求いただいても差し支え ありません。 4
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