オランダの農業環境政策

オランダの農業環境政策
−2004−
活力ある農村地域のための改革
将来展望計画−変革のチャンスを生かす
この冊子は、2005年10月にオランダ農業省を訪問
した際に入手したドイツ語版「オランダの農業環境政策」
を訳したものです。これは、オランダが今進めている全
農地200万haの1/3にあたる70万haを買い上
げて自然保護区域や国民の保養の場に供していく政策
の基本となる構想です。これには農業省のみならず、
環境省、財政省さらに防衛省まで参画しており、オラン
ダ国挙げての取り組みになっています。オランダにおけ
るこれからの農業・農村のあり方、方向性が伺えます。
オランダ自然・高品質食料・農業省
-1-
−
目
次
−
はじめに
第1章
4
国内管理の新しい役割
6
1・1 皆んな共に実践
6
1・2 様々な官庁間の共同活動
7
第2章
全てを面倒みる国から効率性を奨励する方向に
8
支
8
援
農村地域に対するヨ−ロッパ委員会の影響
10
農村地域のEU−政策における新しいアクセント 10
2・1 ヨ−ロッパの将来展望における農村地域政策
10
2・2 共同農業政策:自由化と拡大
12
農業発展の見通し
13
2・3 ヨ−ロッパの自然−環境−水政策
13
第3章 農村地域の多様性
15
3・1 農村地域の機能
15
居
住
15
労
働
15
保
養
16
3・2 農村地域資源の持続性
17
第4章 広範な基盤のもとでの農村経済のために
19
4・1 農村地域の変化
19
4・2 企業的活動の広範な多様性のための可能性
19
4・3 活力ある持続的な農業のために
20
より多くの科学的知識の発展とこれの活用
22
農村空間政策
22
集中化
23
結合そして管理
乳牛飼育の粗放化
23
条件不利地域
24
緑のサ−ビス業務
25
-2-
第5章 高い生活水準を有する農村地域
27
5・1 生活の質的向上
27
5・2 住民の共同
29
第6章 国民のための自然と景観
31
6・1 近郊レクリエ−ションと観光のための農村空間
31
6・2 高い質をもった景観とその発展
33
国内の景観
33
質的向上に向けた発展
34
農村地域における農業者
35
6・3 ナチュ−ラ2000 全オランダ ビオト−プ連結
システム(EHS)
36
ビオト−プ連結システムの自然保護の質的向上
38
第7章 農村地域の大事な活用
40
7・1 資源の節約
40
7・2 環境の質的向上:政策の実施
40
農業環境政策
41
自然のための環境の質的改善
42
農村地域の生活の質的向上
42
7・3 水システムの改善
43
水の保持には土壌を必要とする:農業−自然池
7・4 健康な土壌
43
45
2006・7
中川
訳
一徹
自然・高品質食料・農業省(LNV))住居制度・地域開発計画・環境省(VROM)
交通・水利経済・公共職業省(V&W)経済省(EZ)
健康・公共福祉・スポ−ツ省(VWS)
財政省
はじめに
-3-
王国内務省(BZK)
防衛省
オランダの農村の特徴、機能そして概観は、大きく変貌している。農村社会
は、すでにずっと以前から、農業が優勢な社会ではなくなっている(注:オラ
ンダの村々と小さな町を含めた非都会的な部分が、農村地域として該当する)。
農業が今なお、強く農地利用と結びつき、農村風景が圧倒的であったとして
も、多くの地域においてもはや、経済上の重要な担い手ではなくなっている。
農村地域は、常に工業、小売業、輸送、レジャ−産業、商業−非商業的なサ
−ビス業会社にとって、魅力的である。しばしば、今ある建造物が新しい可能
性を提供する。新しい刺激との緊密な結びつきと、今ある景観、そして文化史
的な価値が、活力があり魅力的な農村地域への貢献を果たす。一部では、農村
と都市との伝統的な分離線が、急速なテンポで消えていくにも拘わらず、農村
地域はいまもなお独自のキャラクタ−を有している。
この特性は、新たに見つけ出され、新たに評価されるものである。その特性
の多くは、オランダの景観とオランダ人のアイデンテイテイと密接に結びつい
ている。しかし、一方では農村地域において、本格的な変化が目立ってきてい
る。食料生産の現場から、消費に利用される空間へと。その際、確かなよりど
ころ、自然のままであること、そして生活の質的な高さのような価値が、中心
的な役割を演ずる。将来の農村地域は、農業者と農村住民の活動からのみ、特
徴付けられるものでなく、全てのオランダ人の要求と活動から、生み出される
のである。
多くの人々が休養しそして一息つくことのできる農村地域は、楽しみの地域
である。町の人々は、そこでしばしば緑の中の故郷に、自らの願いを実現する
ための良き可能性を見いだす。しかし、多くの地域で農村への移住よりも、農
村からの流出が、より多くなっている。このため、しばしばインフラ構造が悪
化している。住民構成の変化によって、農村地域における社会組織もまた、変
化している。
将来、気象変動と地盤沈下防止、並びに生態系上良好な水質を目指す対策が、
農村地域の利用とその調整に関して、大きな効果をもっている。公的機関はこ
の課題を前にして、農村地域における急速な進展に対して、創造的にそして柔
軟に反応しなければならない。農村地域は、国の政策上の気にかかっていると
ころである。農村は、国土面積の約80%をカバ−し、そして国民の40%強
がそこに住んでいる。政府の政策目標は、持続的そして生命力ある農業分野と、
質的に高い生活を伴った農村地域である。
-4-
政府は現在の経済状況において、国土の中のビオト−プ連結システムづくり
と水資源保護のため、家畜の飼育密度の高い新規制地域に、約7億ユ−ロ(約
980億円)投資する。しかし、我々は活力ある農村地域のために、さらに十
分な財政投入を必要としている。
地域の活力のために決定的なことは、繁栄する経済、良好な居住状況、活動
的な社会生活そして国民の強い一体性、健康で機能的な生態系システムと、魅
力的な自然景観である。まさにこの要素は、生命力ある農村地域に関してまと
められた戦略文書として描かれた改革の要素でもある。その際、特に留意すべ
きことは、自然、環境そして水の領域におけるEU−政策の国内置き換えであ
る(農村地域に関するヨ−ロッパ政策と共同農業政策の改革も)。
この改革は、活力ある農村地域に向けての数年間のプログラムと、将来展望
の計画から成り立っている。この改革はまた、農村地域における社会的変化が
必要とする、政策の中に導入されている。この文書は、同時に土地整備のため
の戦略文書を伴って、第2選任期議会に送付される。活力ある農村地域のため
の改革は、生態系上の、経済上のそして社会構造上の視点から、論じられなけ
ばならない(農村地域政策が、国土利用計画の戦略文書に位置づけられている
間に)。その際、政府は発展性のある構想について、強く意識している。
この改革実現のために、多くの専門家が寄与している。この改革に対しての
共同作業と、そして共に考えることについて、彼らの参加は、実践に際しての
良き共同活動を保証する。この共同プロセスは、国内の行政レベルで好んで実
行される。この構想文書の最初の3つの章は、関連する政策領域における最近
の4つの課題で、必要な転換を書いている。最初の章では、農村地域政策に対
して、どのような専門家が参画しているか、そしてその際国内の行政機関レベ
ルで、どのような課題があるかを記述している。
第2章には、農村地域とオランダの共同農業政策に関する、一連のヨ−ロッ
パ政策の概略が述べられている。第3章には、農村地域の全社会的な機能と、
自然、土壌、水そして環境のこれら機能の相互関係が、説明されている。第4
章には、農村地域経済の多様化と、この領域における農業、保養、観光の意義
を取り上げている。第5章では、農村地域の社会的変化をまとめている。第6
章には、自然保護地域と価値多い景観保護のための政策を書いている。最後の
第7章では、農村地域の優しい活用と水−環境政策について取り上げている。
-5-
第1章
1・1
国内管理の新しい役割
皆んなが共に実践を
国民と国の機関との間の関係は、昨年集中的に議論された。この議論におい
て常に再現される要因は、国の機関の職務遂行に際して国民の多数が占めるグ
ル−プにおける不満足であり、これがまた重要である。官庁機構と規則にもと
づく公的機関は、なかなか国民への良好なサ−ビスに結びつかない。国民と企
業家は、国内法上の規定を少なくとも柔軟性がなさ過ぎるか、または不安なも
のとして、しばしば意識している。事業推進結果の透明性がなく、そしてオ−
ダ−メイドの構想(官庁主導での)に対して、それを感じている。
多くの国民の感情によれば、解決部分よりも問題部分としてそれは存在する。
そのことは、変らねばならない。我々は、国民と公的機関との間の新しい
会契約
社
を必要としている。そしてそれは、公的な関心事(国民の要求)の実
現を保証できる、公的機関と自己責任を伴った、成熟しそしてそれに関与する
国民が、現実的な概念をもって政策を活用することである。
農村地域の政策は、新しいイニシアチブでの裁量の余地を提供している。農
村地域において、新しい活動を始めたいとする人々は、それを感知しなければ
ならない。公的機関は、企業家的なパ−トナ−として、規則に窒息するのでな
く、ダイナミックに展開されなばならない。そのため、規則は大枠の条件をつ
くり、そして全般的なコントロ−ルを制限し、必要以外はもはや規制しないこ
とである。同時に実行の質的な面を、改善しなければならない。これは、公的
機関における国民の新しい信頼の基礎を作り出す。
政策上重要なのは、特に国民である(農村地域の政策であっても)。 共に実
行 することは、政府プログラムの中心的な要素である:労働市場での連盟内、
学校内そして隣人、社会において一緒に行動する人々。これは、政府が政策を
実行しようとするとき、市民社会の中で社会的、文化的にしっかりと定着し、
国民のために裁量の余地を作り出すことで、共に実行が可能となる。勿論、公
的手段は、たった1つの決まった要素ではない。経済的活動のために、雇い主
と労働者が配慮される。
-6-
住む喜びは、住居と居住環境に関係する。むらの社会的構造について決める
のは、社会団体、物資供給のインフラそして住民の寄り合いである。農村地域
の活力は、様々な人々と住民の行動に関連してくる。公共団体の管轄は、特に
ル−ルの決定に属している(国内レベルでは市町村、そして水利−土壌連盟)。
これらの機関は、今後さらに関心をもった住民の革新的な行動を進めるために、
時には支援することができる。しかし、最終的には各自が農村地域の良き将来
を保証するために、共同で活動しなければならない。
1・2
様々な官庁間の共同活動
最初の管轄機関は地方である
農村地域は、非常に多様である。MÜnsterland の境界にある Achterhoek は、
西オランダの工業密集地域の緑の中心部と全く異なっている(ブラバンド地方
の湿地−古代湿原景観の Depeel)。オランダは、多様な人間、異なった自然条
件と多くの種類の農産物を持った、多様な地域から成り立っている。それ故に
独自のチャンスと問題も有している。この多様な地域の将来のために、最も良
いコ−スについて、デン・ハ−グ(訳注:オランダ政府の所在地)で決定され
るべきでな。
その地域の住民が地域の状況を最も良く知り、地域の関係機関と共にその土
地に合わせた問題解決を、見い出すことができる。目標の現実的な調整は、地
域レベルで行われる。その際、管轄官庁は農村地域の自己管理する財産を、全
ての関係者の共同責任のもとに適切に活用し、そしてそれを促進するための課
題をもっている。その出発点は、常に可能な限り地方に有り、必要に応じて国
の中心地にある。
県と市町村は、常に大きな役割を演じている。これに対して国レベルの役割
は、実行に際しての決定である。さらに国の政府は、国際管轄機関(特にEU
同盟)の増大する政策的な権限によって、常に立法者よりも調整者の立場に立
っている。そのため、アジェンダの指導指針(農村地域に関する国内政策を慎
重に、そして全体的な実行を制約するところの)は、一定の地域に関する地域
政策をも包括する。農村地域の新しい構想は、様々な管理レベル間の明確な権
限−課題の配分を基礎としている。
国は、県とともに数年間の指導上の取決めを行う。国内の財源は、中央農村
-7-
地域投資基金(ILG)に入り、そしてその利用は特定の目的に結びついてい
る。国内政策上の指導、計画、プログラムの作成は、農村地域整備のための大
枠法(WILG)に規定されている。
全て面倒をみる国から効率性を奨励する方向に
民族国家は、魅力的な農村地域、活力ある自然、繁栄する農村経済といった
ような、公共財産の保証人である。英語でいうピ−ピル(人々 )、計画そして
利益のこの3つ概念の持続的な発展は、同じ地位でそして調和した方法で、集
中的に進展させるべきである。しばしば双方が強化され、支援される。例えば
自然と保養について、優先順位が決定される(農用地での自然発展のための事
例)。かってこの決定に際して、国内管理が透明性との関連で、そして政府の
政策上の指導原則の配慮のもとに、努力がなされた。
− 実践に対する全般的な管理と指導
− 国民、団体との協議と責任の強化
− 競争力の強化
− 管理コストと規則で縛りつけることの緩和
これに応じて重要な国内管理の課題: 定式化した国内目標
オランダ政府は、国内専門委員会において、農村地域に関する多くの重要事
項を処理している(例えば、農業、商業、動物保護、自然、水そして環境とい
ったような)。国は適切な国際責務、例えば自然保護におけるヨ−ロッパ鳥類
保護−FFH指針(植物−動物生息圏指針)を、国内法に置き換えている。さ
らにいくつかの領域において、独自の国内政策を発展させている。なぜならば、
政府は我々の国内関心事において重要性を有し、または地域レベルを超える領
域を、有しているからである。それは、国内管理の課題、いわゆる
国内景観
の拡大である。
支
援
公的機関は、かって政策の発展と実践のための権限を有していた。しかし、
今日は手段の提供と専門知識を通じた地域関係者への支援に、アクセントが移
動しており、それでもって政策がスム−ズに実行される。このことは、創造力
ある多くの人々の意欲に適応し、実践における新しいアイデイアとイニシアチ
ブを引き出す。公的機関はこの人々に良く耳を傾け、そしてその際自らも実践
に学ぶときに、支援がより効果的になる。
-8-
国内管理上の課題について中心となる問題は、常に次のことである:
国内管理でなにを、提供しなければならないか。それでもって設定された目
標が、効果的に実現できるのか? 公的機関は、窮屈なそしてまた制限を課す
法的規定に適応させることを、不必要とするよう準備しなければならない。政
策と手段の良き調和でもって、農村地域施策の実効性が高まる。公的機関の役
割が望まれ、そして政策が一貫しなければならないことは、明らかである。こ
れは、国民の関心事である。
農村地域における変化と不安定性に対応することは、ネットワ−クの活用と
実験的余地を伴った、柔軟な手段を必要とする。政府は、地域政策における
発展を目指した構想
も決定した。しばしば、財政的な刺激を必要とし、そ
れによって発展に向けて始動させる。しかし、それは長期的に補助金を与える
ことではない。この目的は、やりがいのある活動を後押しし、さらに市場性を
配慮させるものである。
政府は、県の権限のもとに導入された地域政策について、農村地域投資基金
からの財源を充当する。このことによって、関係者への効果的な支援が可能と
なる。他方、農村地域での変化に適切に対応するために、そして他の状況にも
適応するために、専門的知識の発展とそれに裏付けられた能力の奨励が不可欠
である。さらに全ての政府管轄の領域は、広範な革新のスタ−トに向けて貢献
している。なぜならば、特に革新は実践において実現されるので、専門知識を
有する人々との話し合いによって、発展させられる。
国内管理に関する新しい役割のために
− 国内レベルでは規制しなければならないものだけに限定する。
市町村と県は大きな役割を担う。
− しばしば地域レベルでの調整と課題の実施がなされる。
− 政策の導入は、その地域の人々の努力を必要とする。
地域住民の自発性を基礎に住民の裁量の余地が拡大されること。
− 国内レベルの管理は目標を文書化し、そして政策導入に際して
の助けとする。
-9-
第2章
農村地域に対するヨ−ロッパ委員会の影響
EU−政策は、共同農業政策(GAP)を通じてずっと依然から、また近年
は自然−環境政策の面でも、農村地域に大きな影響を及ぼしてきた。それに加
えて少し前に、農村地域に関する広範な政策方向の中で新しいコ−スをとった。
2・1 ヨ−ロッパ将来展望における農村地域政策
農村地域のEU−政策における新しいアクセント
農村地域に関するヨ−ロッパ政策は、来年新たな構想が策定される。EU−
委員会は、ザルツブルグにおける、11月12日から14日までの農村発展に
関する第2回ヨ−ロッパ会議後、将来の農村発展政策をどのような原則に基礎
をおくべきか、についての結論を取りまとめる。基本的考え方:生き生きとし
た農村地域無しに農業はない。そして農業無しに生き生きとした農村はあり得
ない。ザルツブルグにおいて、中心目標としてヨ−ロッパにおける農村の多様
性の保持が決定された。生活面で高い質をもった農村地域に不可欠なものは、
生命力のあるそして競争力をもった農業分野である。ヨ−ロッパ委員会は、様
々な農村地域における多様な農業の可能性を配慮した中で、農業分野の競争力
の保持を強く確認した。
持続的な経済成長は、需要に応じた経営の多角化、技術革新とサ−ビス業を
伴った農産物の生産によって拡大する。環境マネ−ジメント、自然保護と景観
保全に関して、農業の重要性が強化されねばならない。さらにEU−委員会は、
農村地域の市町村において、そして広い意味における農村経済への投資に対し
て、農村発展政策をセットすべきことを決定した。政策導入に際して個々の地
域の可能性と、住民自らの要求から出発しなければならない。
ヨ−ロッパにおける農村の多様性の保持と、多機能な農業の多様なサ−ビス
業務の奨励が、EU−委員会の意見によれば常に重要となっている。農村地域
の将来的な政策は、LEADER−構想の内容に合致している。特に注意すべ
きは、地域の自発性と自己責任、パ−トナ−との関係が基礎となる。そして実
験的プロジェクトに関しての可能性がもたらされる。オランダは、この立場に
賛同している。
この手がかりでもって、1つの地域の特別な文化的、自然的な特徴が強化さ
- 10 -
れ、そして新しく総合的に目的に合致した農村発展の構想がつくられる。ザル
ツブルグの結論は、農村地域のオランダ政策に、良く適合している。簡素化の
手がかりも権限政策も、アジェンダに定義化されている。
:個別問題において行政の干渉の減少、成果実現に向けたより多くの指導、
計画づくりと管理構造の簡素化
ヨ−ロッパ委員会は、2004年半ばに2007−2013年の農村発展大
枠規定に関する最初の案を提出する。
財政上の見通し
2004年2月にヨ−ロッパ委員会は、財政上の見通しを伴った提案と、結
束・競争・共同のための新しいパ−トナ−シップ第Ⅲ期報告を提出した。これ
は2007−2013年の期間における、中期の財源配分に関連したものであ
る。委員会が決定した重要なことは、農村地域に関するあらゆる政策の財政基
金を、作り出すことである。委員会が各基金の規定を決定したため、農村発展
に関する今日の大枠規定の政策、構造基金政策とLEADER+が統合された。
前述の第Ⅲ期報告の中で提起されている構造政策は、手がかりを与えている。
例えば
環境とリスク防止
など。その際、委員会は「ナチュ−ラ2000」
計画と結びついたインフラと、政策における自然的、技術的リスクについての
明確な投資をあげている。新しいプログラムは、国境を越えた共同活動(かっ
てのINTERREG)の可能性を提供している。
財政上の展望において、雇用とその拡大の関心事において、競争力に関する
新しい財政領域が予告されている。この分野は、特にリスボン−目標の具体化
を準備し、そして革新と知識の領域における可能性を提供する。この次の期間
において、提案が討議されそして交渉後に決定される。最初に農村地域の政策
に関して、どのような可能性があるのかを明確にする。活力ある農村地域に関
するアジェンダは、国内レベルでの2006年後の期間について、立案された
プログラムの政策領域を提供している。
どのような政策が、どのようなプログラムに組み込まれるかは、EU−レベ
ルで包括されているところの農業政策(2007年からの農村地域と構造改革
に関する政策)に関する討議の結果に係っている。最初に関連する提案は、2
004年9月半ばに見込まれる。
2007−2013年の期間に関する農村地域のEU−政策の発展に際し
- 11 -
て、オランダについての主要な原則:活力ある農業分野の奨励、田舎らしい景
観の持続的な保全、農地利用者と農村経済の活性化に有意義なサ−ビス業務
都会風の圧力のもとで、幾つかの他のヨ−ロッパ地域のように、オランダの
農村地域においても、問題を解決するのでなく、むらの機能性の多様化のため
の農地需要によって、自然と景観の質への脅迫が生まれいる。
そのため、オランダは農村地域のためのEU−政策の領域において、この特
別な問題について、必要に応じて配慮することを支援する。目下、農村地域に
関するEU−政策は、まだ十分な調整がされていない。活力ある農村地域のた
めのアジェンダ(特に複数年にわたるプログラム)は、次の期間に関する農村
発展プログラムのために、国内政策の領域で組み立てられる。
2・2 共同農業政策:自由化と拡大
2003年にEU−同盟の農業大臣は、共同農業政策(GAP)の改革につ
いての合意を成し遂げた。この改革は、国際交渉(WTO)の領域でグロ−バ
ルな政策目標に適応し、持続的なそして市場状況に適応した農業のための基礎
を提供する。改革の主柱は、生産から奨励のさらなる切り離しである。将来的
に農産物の生産はもはや奨励されず、生産者の収入支援にアクセントが置き換
えられる。
義務であるクロス・コンプライアンスの導入と、農村地域政策の強化は、こ
れへの社会的合意形成と用いられる持続的な生産方法への、一層強化された政
策に向けられている。決定された改革は、幾つかの点における具体化を国内政
策に委ねている。オランダの自然・高品質食料・農業大臣は、第Ⅱ期国会の4
月23日における決定を受け取った。その決定は、以前の規制のもとに組み立
てられた立場等を配慮して、持続的、そして展望のある農業と活力ある農村地
域のために貢献する。
2006年から発効する、生産からの奨励金除外が決定された。将来的に持
続的な農業に関する収入支援の一部に、この奨励を用いる可能性を、断念しな
ければならない。その際、割り増し金の削減可能性と、牛乳補償金の国内割増
金が問題となる。この理由は、この双方の手段の効果範囲が、非常に限定され
ていることである。なぜならば、この手段の適用が限定されているので、農村
地域発展プランの中に、公式化された農村発展政策として含まれないからであ
る。
政府は、農村発展のための補完的な財源(調整財源)を、農業分野の競争力
- 12 -
強化のためにも、そして現地で危機に晒されている農業を保持するという、広
い目標についても投入される。2000−2006農村地域の発展プラン(P
OP)は、適切に適用される。
農業発展の見通し
改革の決定は、より多くの結果をもたらした。農業研究所(LEI)は、農
業に関するこの結果を検証している。生産からの切り離した直接的な収入支援
は、農業者の柔軟な経営運営を可能にする。なぜならば、農業者は奨励可能な
産物を栽培または奨励対象となる家畜飼育を、もはや強制されない。それは、
一定の作物と家畜飼育の範囲となる。
農業研究所(LEI)の予測によると、2012年までの期間内において、
奨励金の生産からの切り離しは、多分オランダの穀物栽培の約8%に導入され
る(草地と飼料用トウモロコシで増加するのに対して )。この決定の効果測定
は、収入が酪農業を除いて、多分増加することを示している。これに対して乳
牛飼育者は、収入減少となるだろう。収入支援が収入の重要な部分となる経営
について、平均40%、さらに乳牛飼育においては50%以上となっている。
2・3
ヨ−ロッパの自然−環境−水政策
ヨ−ロッパの自然−環境−水政策は、農村地域の将来をより強く規定してい
る。水、自然、土壌と大気の質に関する目標は、ヨ−ロッパ同盟と他の国際組
織の方針との合意によって、大部分が決定づけられる。例えば、窒素指針(肥
料)、水に関する大枠条件、鳥類保護と植物−動物相生育圏指針(絶滅の危機
に瀕している種と自然保護地域 )、そして世界的な生物の多様性−気象条約で
ある。それの効果は、農村空間の全ての利用者のために感じとれること、そし
てそのために必要な改革が実践されるべきである。
オランダにおいては、農業に関して特別に有効である。適切な政策課題は、
4章と7章にまとめられている。ヨ−ロッパそして世界規模での規則の実践は、
農村空間の質的強化に貢献する。なぜならば、十分に清潔な水、清潔な土壌、
清潔な大気そして相応な生物多様性は、農業、自然、住民生活の質の向上、保
養そして漁業にとって重要である。この規則は農業にとって、もちろん短期的
な制限をもたらすことになる。
- 13 -
農村地域へのヨ−ロッパの影響
− 農村地域に対して将来に結びつくEU−政策領域において、オランダ
は重要な農業分野、つまり農村らしい自然景観、農村経済の活性化、
土地所有者の活動を通じた社会全体の目標実現のため奨励している。
− EU共同農業政策−改革(GAP)の実施は、持続的な農業と持続的
な農村地域のためにも貢献する。
− 硝酸塩指針、鳥類保護−植物−動物相生息圏指針並びに水資源大枠指
針のような指針の具体化は、農村地域の活用と整備のために大きな成
果をもたらす。
- 14 -
第3章
3・1
農村地域の多様性
農村地域の機能
農村地域は、国民の居住、労働、保養のために、しかしまた自然、種の多様
性のためにも存在する。政府は、活力ある農村地域のために、アジェンダ(改
革)でもって農村地域の機能を保持し、これを国内の関心事として、また個々
の国民のためにも強化する。そのため、目標の公式化は以下のとおりである:
持続的、競争力をもった農業との集中的な結びつき、生命力ある自然、故郷と
しての農村空間そして持続的な水管理を含めた居住、労働そして余暇に関連し
ている。
様々な機能は、それらとの関連で取り扱われ、そして実現されねばならない。
我々は、生態系上の、経済上のそして社会的な関心事について、バランスの
とれた配慮を必要とする。農村地域に関して成功する政策は、各部分の寄せ集
めよりも全体性をもった方が、より確実である。
居
住
多くの人々は、農村地域の家を好んでいる。その理由は、広さと静けさそし
て魅力的な景観、さらに社会的な居住環境である。農村地域において、騒々し
さが少ないこと、社会福祉上の関連がしばしば、生活にとって大きなものとな
る。年金生活に入っている高齢者が、美しい環境に中で暮らしたいと、希望し
ている。その理由から農村に都市住民が引越ししてくる。他方、農村地域の変
化もまた生じている。特に若い人々が、町に出て行く。例えば勉学のために。
新しい住民は、この地域で社会的、金融的な刺激を与え、そして物資供給イン
フラの建設のための基礎を強化する。市町村は、住民の増加を獲得するために、
地域計画に関する戦略政策によって、今ある建造物の使用変更と新築の、より
多い可能性を手にする。
労
働
働くために多くの人々が、農村から町へ移動しているが、しかし、農村地域
においても、多くの働く場所が存在している。多くの中−小規模経営が、むら
の中に定着している。重要な経済活動は、商業、輸送 、(軽)工業そしてサ−
ビス業である。
- 15 -
一部では経営が、農村地域の特別な条件と結びついている(例えば農業と保
養の分野において)。農村地域では、少ない投資−営業経費、そして魅力的な
環境のため、定住を決定する多くの経営もまた存在する。農業は、農村地域に
おいて個々の地域や分野の間で大きな違いがあるものの、依然として経済の重
要な担い手である。一部では、農業分野が常に町とのネットワ−クに、係わっ
ている。これは、例えば効率の良い港や空港、アウトバ−ンに繋がることが重
要な集約的な一次産品と、下請け−加工経営である。しかし、農場での介護と
いった、社会福祉上重要な活動も存在している。
農業分野の発展を考慮して、農村地域における他の経営の担い手が、重要性
を増してくると見込まれる。国内、地域レベルの管轄機関は、この変化に適切
に反応するための挑戦の前に立っている。一方、農村地域の多様性に関して新
しい経済活動と、そのために必要なインフラが、十分な場所を得ることが重要
である。他方、景観を損ない、アイデンテテイの喪失を防ぐことも大切である。
保
養
農村地域は、静かさと開かれた緑の景観、同時に町の慌ただしさと雑踏の代
わりを提供する。緑の空間と景観は、心的、社会的健全さを促進する。週末に
沢山の人々が、自転車または車で緑の中に走って行く(例えば、森の中へのハ
イキングまたはフリ−ス湖での水上スポ−ツ )。広大な風景と多様な景観は、
旅の質を高める。1つの町から他の町へのドライブでもまた、開かれた景観が
旅人のために、1つの価値を与えてくれる。
農村空間に、今日的な機能と将来的発展を提供する専門的知識は、すでに価
値を有している。さらに特色ある景観、文化そして文化遺産、例えば歴史的な
建造物と考古学上の価値をもった、遺産が加わってくる。さらに例をあげると、
オランダの農村地域の文化的多様性とともに、オランダ社会は地域的な特殊性、
地域言語、地域文化、民族性そして典型的な風景上の特徴をもっている。農村
地域の特徴的な概観の形成には、とりわけ農業が係わっている。
- 16 -
3・2 農村地域資源の持続性
農村地域は、社会全体のためにより多くの観点で、大きな価値を有している。
それは、同時に居住地、経済活動の場そして保養空間として、既に言われてい
る機能をさらに満たすとき、適切に保持しなければならない重要な資源である。
この資源保存のためには、生態系システムと種の保存についての国際協定が
適切である。しかし、自然は常に圧迫のもとにある。いまもなお、オランダに
おける種の多様性が減少している。
それは、オランダの内外における環境−水資源の不十分な質と、高価値な自
然空間の少ないことに責任がある。その際、健康な生態系システムには、自然
だけでなく持続的な農業や飲料水の供給もまた、重要な意義を有する。農村資
源の活用に当たって、これらの質の低下を招いてはならない。そのため、人間
の活動は、地下水や土壌との関連で、自然的な資源により良く適応すべきであ
る。言い換えれば:必要なことは、持続的な発展である。
さらに加えてオランダは、国内、地域での水システムの管理と施設に関して、
多くの気象変動と地表陥落に直面している。EU−水資源大枠指針に規定して
いるように、水の管理において農地の適正な利用が必要である。考慮すべきこ
とは、水の豊富な地域での居住と保養に対する要求の高まりである。資源の持
続的な利用は、土壌に対する人間活動の丁寧なつき合いを意味する。
考古学上の遺物の保存は、文化史的大きな意義をもっている。これら遺物と
の関連で、土壌への干渉がある場合は、出来るだけ丁寧に扱うべきである。著
しい経済成長は、新たな営業地と居住用地の増大をもたらし、場合によっては
自然、環境、水そして景観の質に対して、否定的な影響を伴った社会的変動を
引き起こす。今日の農業もまた、土壌、水、自然そして景観の質に対しての要
請に、対応しなければならない。
農村地域における様々な機能が、かち合うこともある。それはまた、地域の
機能を組合わせるチャンス(例えば水の保持と自然の豊かさの増進または保養
と農業)と、機能間の良好なバランスを見いだすことである。特に配慮すべき
ことは、湿地帯における利用とそこの負担能力との間の調和が必要である。つ
まり、重要な湿地帯と家畜の飼育密度の高い砂土地帯(新たな規制地域)。
- 17 -
農村地域は、生活の質的向上のための新たな活動を、必要としている。しか
し、今もっている価値を他の関心事と、交代させられない。望ましいことは、
質の向上を伴った発展
である。この政策は、次の章に登場する。
農村地域の多様性
− 農村地域は農村の住民と町の人々にとって、重要な機能をもっている。
それは居住地、経済活動の地域そして保養空間として。
− この機能は、農村地域の資源の高い品質の基に、バランスある活用
と持続的な調和のもとでのみ役割を発揮する。
− 公的機関は、様々な機能の発展に際して資源の丁寧な利用と、それ
を保証するための権限を有する。そのことが、高い品質を伴った発
展の可能性を提供する。
- 18 -
第4章
4・1
広範な基盤のもとでの農村経済のために
農村地域の変化
農村の経済は工業、商業、私的そして営業上のサ−ビス業(ICT,輸送と
販売、介護、子供の世話など)と、電気関連業分野の経営体の移転によって多
様化する。観光−余暇分野は、将来的な成長の可能性をもった重要な経営部門
である。幾つかの農村地域においては、収入と就業のために重要な分野に、保
養と観光を位置づけている 。 農業においても、経済的な観点が常に多種多様
である。農業経営は、農業以外の2番目の軸足を探求すべきである。
例えば、自然保護または自然の手入れ、ないしは他の食品業界の分野を加え
るなど。さらに例を挙げれば、農場でのチ−ズ製造または農場直売店など。
特に町周辺における農村経済は、常に農業の経済活動が少ない。将来、自然、
水そして住居新築のための土地需要の増大が生じてくる。この土地需要と環境、
水のやりくりのための関心事からの要請によって、農業が圧力のもとに置かれ
るだろう。だが、オランダにおいて農業は、経済の重要な担い手であり続ける。
4・2 企業的活動の広範な多様さのための可能性
活力ある農村地域は、オランダ経済全体のために重要であり、そして農村地
域の生活の質を高めるために不可欠である。農業と観光−余暇産業の経済的寄
与は、特に経営者の利益となる。公的機関の出発点は、あらゆる関係者、農業
者、余暇企業体、昔の領主の財産保有者、サ−ビス業を営む女性が、ふさわし
い条件に適うとき、活力ある農村空間に貢献を果たすことである。法的規定の
草案づくりと奨励に際して、専門知識と革新との関連が配慮される。特に配慮
すべきことは、依然として女性の企業家的活動に対する刺激である。
地域開発計画と多様な手法は、経営者にとって新しい活動をスタ−トさせる
ためにしばしば難しい。法的規制は、常に農村空間における特別な条件に合う
ように策定されていない。これは例えば、託児所を設置する要望にも通用する。
経営者に裁量の余地を提供する政策は、自らの経営において幾つかの責任を
担うべきことを意味する。法的規制が不必要な妨げの影響を及ぼす場合、様々
な管轄機関が規制の中止ないし変更のために、共同で配慮するという課題をも
っている。
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例えば、休日の保養にかんする規制を廃止し、環境政策に関する法を計画す
るなど。多くの場合、規則の厳しい適用をチェックすることで十分である。し
ばしば法の精神に則った処置が問題解決をもたらし、規則への自らの順応は全
く必要ない。市町村と県は、農村の企業体の望む可能性を提供するために、創
造的な問題解決を見出し、そして活用することを促す。より少ない政策とより
少ない規則は、企業者のための管理経費削減のための基礎である。
農村地域の特別な特性保護のための法的規制は、依然として必要である。そ
のような規則無しでは、農村地域の質が低下しそして魅力を減らすことになる
(例えば保養を求める人のための)。出発点は、地域の質的向上に対する新た
な経済活動の認可と結びついた、将来的発展を指向した戦略である。この出発
点は、今日既に幾つかの県で創造的な方法で実践されている。Gelderland 県で
は、農村の質基準に対する新しい活動と景観プランを試行している。 Limburg
県では、企業者に関する全体的な発展を指向した一括方策を策定した。地域開
発計画に関する基本戦略計画書による政策を通じて、農村地域における経済的
な多様化と、住居建設のためのより多くの可能性を生み出す。
4・3 活力ある持続的な農業のために
活力ある農村地域は、活力ある農業を必要とする。農業は、経済において重
要な貢献をし、そして景観の保護者として決定的な役割を果たす。そのため、
政策はオランダにおいて活力ある、そして持続的な農業分野を維持する。農業
が経営的に健全な分野として見なされることの出発点は、国際的な競争力をも
つことである。公的機関は、特に持続的な農業への転換を奨励し、そしてその
実行に際しての裁量の余地を、作り出している。
農業者は、1つの大きな課題に直面している。ヨ−ロッパと国内の環境−水
政策の社会的要請は、将来に向けて農業者に大きな努力を求めている。さらに
生産方法に対して、国民の厳しい目が向けられている。特に集約的な家畜飼育
は、家畜飼育、食糧の品質、環境そして一連の家畜伝染病(口蹄疫、BSE,
豚コレラ、鳥ペスト)の関連において砲火を浴びている。農業者は、同時に国
際的な競争が強まり、そしてEUの農業支援が弱まる中で、これらの社会的な
要請を配慮しなければならない。
- 20 -
特に減少する収入と増大する社会的要請の間で、畑作と酪農のような土地と
結びついた分野で、この緊張が大きい。全ての農業者が、このことに係わって
いるのではない。多くは自らの経営を適応させるか、または停止するかどうか
の重い決定の前に立っている。政策は、この決定プロセスにおいて必要あれば、
適切な対策によって負担の軽減を図る。この変革は、自らの農場の経営の継続
を希望するとき、かなりの柔軟性と変革に向けた準備を必要とする。
集約的な家畜飼育の将来についての議論において、高品質産物の生産、サ−
ビスそして北西ヨ−ロッパの新鮮−簡便(コンビニエンス)市場での頭脳的な
販売を指向するときに、この分野は良好な将来的なチャンスを約束する。農業
者は、コスト低減または直売などの活動の集約化のもとに、自らの就業の可能
性拡大のために、多くの可能性をもっている。他方、農業生産部門では介護、
保養、教育そしてエネルギ−生産のような、農業以外の分野における新しい軸
足を通じた、経営活動の拡大に問題解決を見出すべきである。
家族収入の大きな部分は自分の経営外にあり、それどころかしばしば農業分
野以外に就業している。2番目の軸足を構築する際、1つの問題は法的規制が、
これらの可能性を封じ込めることである。公的機関は、経営者に裁量の余地を
与えるべきである。これは、可能な限り規制を少なくし、そして簡便化するこ
とによって、実行され得る。そのことによって、管轄官庁の出費も削減される。
持続的な農業を目標とする企業精神の奨励に当たっての公的機関の役割は、
特に科学の発展と知識の活用、農村空間政策、景観保持のために貢献する条件
不利地域の農業の維持、そして緑のサ−ビス業務の発展である。
全てこの観点でさらに次へと進んでいく。将来的に公的機関は、農村地域の
良好で機能的な土地整備の創出を奨励することである。そして経営者が今ある
補助金受給の可能性を、容易に活用できるためのプログラムが2007年に発
効する。農村地域に関する共同農業政策の仕上げとEU−加盟国でのこれの活
用を通じて、将来的に持続的な農業への転換が奨励される。
- 21 -
より多くの科学知識の発展とそれの活用
オランダの農業分野における革新的な取り組みは、常に偉大なものだった。
来るべき将来においても、それは消費者の要望により良く適応した特産物を、
生産するためのチャンスを与えてくれる。将来的に非食料分野への参入(例え
ば持続的な原料の生産)のチャンスが、つくられるだろう。1つの優れた科学
知識体系は、農業者が持続的な農業への転換する際に、自らの現状を新しい発
展に適切に対応させるために必要である。
その際、農業の専門−単科大学と Wageningen 総合大学−研究所を含めた、広
範囲な研究制度が貢献している。国内の科学−知識政策の目的は、専門的知識
の発展だけでなく、知識の普及と革新的なアイデアもまた包括している。州レ
ベルでの革新的な重要性があり、そして国内全体の目的に合致する場合、国内
財政支援(但し期限付き)が可能となる。望ましいのは複数の省庁に跨る、持
続的な農業への転換のために準備されている経済奨励プログラムと、学識構造
プログラム( ICES/KIS-Programm)からの財源の一部を活用することである。
農村空間政策
農業発展の可能性は、自然条件(土壌の種類、地下水の現況など)、他の経営
との距離、インフラ構造の現状が決定づける。生態系上のそして水に関する学
問上の条件もまた、地域の様々な発展の可能性のために、配慮されるべきであ
る。これら全てのことが、関係する管轄省庁の農村空間政策の中に、考慮され
ている。農村空間の戦略文書において、国内レベルの幾つかの資本集中された、
そして土地と結びつかない分野での発展地域が提示されている。つまり球根栽
培(海岸の砂土で)、ガラス温室または鉢−コンテナ栽培など。
このような地域の拡大は、経済上でも景観上でも有利性をもっている特定の
農業分野で、地域的な集中を配慮する。多くの同種の経営集中を通じて、近辺
に下請け−発注企業の移住に対しての厳しい規制が生ずる。これは、農村にお
けるより良いル−ルをも引き出す。オランダの国際競争力強化が、大きな意義
有するために、ガラス温室と球根栽培に関する6つの地域での開発計画戦略を、
緑の港 として特徴付けている。この分野において農業的な機能が維持され、
そして経済上の様々な長所と、業務上の効率性が生み出されることによって、
農業の機能が拡大される。経済活動の集中は、全般的な農業政策の1つの柱で
ある。そのため、公的機関は奨励の役割を有する。この政策は、3つの中心項
目から成り立っている。
- 22 -
:集中化、結合そして管理
目的は、集中化された地域での適切な施設と輸送と物資の流れの結合を基
礎に、業務のネットワ−ク実現である。これを実際に実現するために、農
業関連業務についてのプロジェクトチ−ムで、経済界と公的機関が共同で
作業する。このチ−ムから提案されたパイロットプランは、幾つかの産業
界に刺激を与え、そして引き続きプランの仕上げを行なっている。
このチ−ムは、このような農業関連の営業集積地域の創出のため、法的障
害などを調査する。畑作や酪農など土地と結びついた分野に関して、地域
開発計画の領域における特別な地域政策の発展はない。どのような地域で
畑作などの活動が維持されるか、または拡大されるかについては、他の管
轄機関が調整する。この環境分野において決定的な意義をもつところの、
集約的な家畜飼育についての特別な構想が有効となる。
:家畜の集約度の高い地域の新規則
この新しい規則は、農業経営に関する発展の可能性の他に、他の目的に
も役立つ。
:乳牛飼育の粗放化
環境−水質の改善、そして湿地の減少に対する総合的な政策構想、国内ビ
オト−プ連結システム内において危機に晒されている大規模な自然空間
と、それに隣接する地域への窒素、リン酸の負荷の軽減に役立つ。州レベ
ルでのビオト−プ連結システムの実現と保養の普及可能性もまた、この領
域において注意を向けるテ−マである。
この新しい規則の構想は、農村地域に関する全体的な政策の例である(今日
オランダ政府が望ましいと評価しているように )。それ故に、ビオト−プ連結
システム及び新しい規則にも、補完的な財源が準備されている。新しい規則に
ついての監督権は、県におかれている。可能な限り農場破壊を、少なくするこ
とに努力すべきである。経済活動は、可能な限り現在の環境に良く結びつくべ
きである。現在進展している新しい規則での計画は、ダイナミックな特色をも
っている。これは、共同農業政策の改革と水資源大枠指針の組み替えのように、
新しい発展に対応している。
- 23 -
集約的な家畜飼育の将来に関する議論のきっかけから、地域的に土地と結び
ついたプロジェクト(敏感な砂土/新規則地域の他に)に関する可能性も探求
される。家畜密度の高い新規則地域に関する構想の一部は、家畜伝染病拡大を
事前に予防するために、豚のいないゾ−ンの実現であった。EUは、豚コレラ
の発生に際してのワクチン接種を、可能な限り行なうことを期待している。
条件不利地域
他の多くのヨ−ロッパ諸国との比較において、オランダでは一定の作物と栽
培に関する自然的生産条件が際立って良好である。しかし、我々の国土におい
ても農地の区画、地下水の水位または土地の高低は、決して最適ではない。こ
れらの条件不利地域における農業生産は、他の地域よりも遙かに貴重である。
いくつかの条件不利地域における農業の存続は、非常に望ましいものである。
例えば、地域での人間生活の質の保持と特徴ある景観のために。
次のことは、公的な関心事として提起される。
農業経営の継続は、価値多い景観の保護と切り離せなく結びついていること。
EUと国内財政(一部)でもって、価値多い人工景観の保持のために、農業
者のコストを国レベルで補償すること、そしてそれは一定の枠内で行なわれる
ことは、自明のことである。このような公的支援は、できるだけ期限付きにす
るべきである。このことは、農業者が競争力を高めるか、または緑のサ−ビス
業務を提供するためのチャンスを、得ることが可能な場合である。
このような転換を具体化させるために、国は西部での湿地の牧草地における
実験で、研究を行なっている。緑のサ−ビス業務の発展に対しては、国の補助
が長期間継続される。これとの関連で私的資金であっても、公的な資産への関
心事に充当されることも、無条件で認可されるよう審査されるべきである。こ
のことを通じて、町−州との強固な関連が実現される:町の機能は、価値多い
自然と景観保持のために重要な貢献を果たす。
2004年10月1日前に、新しい条件不利地域の境界線引きに関する案の
提出を、県と合意した。それについて、農業自然保護契約に関する補助金規則
が結ばれている。この規則は、EUから規定されている該当する加盟国の農地
の最大限度10%と、国の財政枠とに連結している。
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緑のサ−ビス業務
他の農業関連企業者でもある農業者は、食料を供給する以外の会社で、他の
業務を行なうことができる。その中には、原則的に商業上の可能性も含まれる
:セラピ−農場、農場での子供の世話、キャンプまたは教育など
これらのサ−ビス業務は、公的な手段での補助金が無い。しかし、そのため
の良好な大枠の条件をつくること、例えば法的規制の緩和によって。
他のサ−ビス業務に関しても、まだ市場が形成されていないが、社会的目的
実現のために非常に貢献する場合、通常企業家の期待する業務が生じてくる:
それには、自然保護、景観保全(文化遺産に関連も )、保養を求める人のため
に土地の提供、水資源の管理。このような業務は、個人的にまたは集団に対し
て求められる。数年来、自然保護、景観保全的な農業者の仕事に関して、新し
い補助金プログラムが提供されている。
草地で卵を抱える野鳥は、遅い草刈りで小鳥を孵すチャンスを得る。土手の
植え込みの保持は、鳥に巣をかける場所の確保を保証する。このように、農業
地帯の自然的価値を高める多くの対策が生まれる。近い将来において、緑のサ
−ビス業務規則に関するプログラムが改正される。権限を有する国内管轄省庁
の他に、このサ−ビス業務の財政に対して他の管轄機関の関係者が、参画出来
るかどうかの研究も必要である。
2007年以降有効となる農村地域の政策に関して、活用できるEU−財源
が、新たに加盟国に配分される。緑のサ−ビス業務のための、この財源活用に
関しての範囲と条件は、まだ十分に提示されていない。この緑のサ−ビス業務
に対する国の財源は、特に国内では優先して充当される。例えば、国内景観保
持と国内ビオト−プ連結システムに関して。
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広い基盤の上に農村経済を
− 公的機関は、農村地域の企業のために裁量の余地をもっている。法的
規制の緩和、科学知識の普及、企業家のためのプログラム、農村地域
への投資財源と空間政策上の対策などを通じて。
− 生命力ある農村地域は、生命力溢れる農業を必要とする。農業者は、
減少する収入と増大する社会的要請(環境、空間−景観上の質的向
上など)、持続的な農業管理を発展させるための課題に直面している。
− 条件不利地域の農業現況(価値多い景観を維持するために重要とな
る農業)保持のため、農業者は公的支援(期限付き)が認められる。
− 緑のサ−ビス業務は、農村企業家の一部に新しい発展への展望を与
えることができる。
・
- 26 -
第5章
高い生活水準を有する農村地域
5・1 生活の質的向上
質の高い生活を有する農村地域は、居住地域と経済活動地域として魅力的で
ある。そのための前提条件は、健全で経済的、そして社会的基盤と、農村住民
の必要性に対応した適切な物資供給インフラの存在である。なぜならば、生命
力ある経済と生命力ある社会は、どちらも欠けることが考えられないからであ
る。農村での居住は、要望してもなかなか手にできないものである。
農村地域の新しい住民は、全部がそこで働いているわけでない。人々は、社
会的に移動の必要性に応じて、居住地と就業地の間で選択している。幾つかの
農村地域において、若者が勉学のため、または物資のより良い供給構造のため、
都会への道を目指している。家族、会社、教会そして学校を通じた、かっての
人間的結びつきの少なくなってきたのは、自明のことである。
しかし、社会的なネットワ−クや地域活動への参加による共同は、依然とし
て良き生活のための必須条件である。狭い地域での社会的なコンタクトと共同
活動の維持は、まず第一に住民自らの責任である。図書館、市町村民センタ−
または公民館、そしてスポ−ツ、音楽団体などの活動する社会的、文化的施設
は、地方の市町村の社会的結合に役立つ。図書館は、村の共同社会において文
化的、情報提供機能と並んで多くの場合、社会的機能ももっている。
しかし、多くの地域でこの施設の存続が危機に瀕している。この図書館制度
の改革において、このサ−ビス業務の維持と強化のためのプログラムが進行し
ている。それは学校、社会的活動の施設のような他の組織との共同活動を通じ
て。その土地の社会的組織強化のために、スポ−ツも良き貢献を果たすことが
できる。若者の問題克服のために、障害をもつ同胞の結集のために、価値−規
範意識強化のために。
地方自治体のプログラム支援のために、近隣、居住地周辺とスポ−ツにおけ
る奨励規則(BOS−規則)が、目下策定されている。拡大する社会的な移動
行動は、農村における物資供給インフラにも影響を及ぼしている。消費者は、
もはや村の店でなく大規模なス−パ−マ−ケットにもアウトバ−ンを通って買
い物に行く。
- 27 -
銀行や郵便局のような営業店と施設が、村から消えてゆく。商業ベ−スでの
サ−ビス業務においても、住民がまず第一に自ら行ない、必要によっては地方
の官庁が代理する。どのような解決が考えられるか。企業体経営と共同研究も
必要である。1つの村において最後のバス路線が廃止されるか、または最後の
店が閉店される場合、その地域での生活の質が損なわれる。
しかし、施設の無くなることによって、全てが同じ程度で生活の質に影響を
与えるものでない。特に問題は、高齢者やあまり動けない人に降りかかる。な
ぜなら、必要な公共のそして商業上の施設に、行きつけないからである。例え
ば、近くに託児所が無くなった場合も、幼児をもった両親は職業と家族を結び
つけることが、困難となる。
テインエ−ジャ−もまた、微妙なグル−プで有る。 戸外での活動をしたいと
いう要求があっても、運転する人に余暇がないと、計画の実行が出来ない。劣
悪なまたは不足している物資供給のインフラ構造の結果、特に女性が労働によ
って収入を得る機会が無くなる。特定の施設は、農村地域の生活の質に関して、
重要な意義を有している。かかりつけの医者、病院そして基礎学校(小学校)
は、スム−ズに通えることでなければならない。
共同で必要なこのような施設の維持についても、公的支援が該当されるべき
である。多くの配慮すべきことは、救急車での搬送で病院に行けること(特に
子供)に関して、最近隘路が存在することである。決定的なことは、教育−介
護研究所と管轄機関といったような、様々な管理レベルでの多くの関係者で、
頻繁に展開する良好な共同活動である。例えば、1つの地域における学校の地
理的に良好な配置は、幾つかの管轄機関が共同で責任を果たす課題である。
社会活動と社会福祉事業について、市町村が住民の立場に立った管理機関と
して責任をもって実行する(特別な病気に係る経費について、全般的な法の近
代化のための領域における政府構想−AWBZ )。これからもたらされる直接
的な責任から全体的な政策が決定され、そして居住、介護、社会構造的なサ−
ビス業務について、効果的な取り組みがなされる。これは、農村地域において
も特別に地理的、または人口に関する現状を、より良く配慮できることを意味
している。小さい村には、共同活動に関して多くの選択肢が存在している。
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特に配慮すべきことは、公共の交通システムである。なぜならば、人々に社
会的なコンタクトを保証すること、就業の場に行けること、そして施設の利用
を可能にするためである。地域や地方の管轄機関は、交通事業者と客の利用状
況、ル−トなどについて協議すべきである。重要なことは、生活上の安全性の
分野における発展も、追求することである。危険性の問題については、農村地
域が常に都市部よりも少ない。しかし、最近は農村と幾分都会化された市町村
への犯罪行為の移転が、目立ってきている。
5・2 住民の共同
公的機関は、人々のために農村地域の多様な意義を認識している。発展が奨
励または抑制されるべきかどうかは、地域の文化的多様性と社会構造の現況に
応じて、決定されるべきである。農業政策と農村政策における社会的観点は、
はっきり認められる価値を有している(持続的発展の社会的次元で)。農村地
域に住んで働く人々は、今特に自らの居住地内で生活の質を高める責任を負っ
ている。
活力ある農村地域とは、高齢者と若い人々、以前からそこに住んでいる人と
外国人の同胞、健康な人と障害者が共同で変化に対応し、発展を創り出すいう
多様性をもった地域である。政府は、責任をもって国民、団体との対話を強化
し、そして国民と管理行為との間の溝を克服する対策の導入に努めるべきであ
る。農村地域に関する政策の実行に当たって、地域の住民は自らの意見を明確
に主張する。住民、土地所有者そして投資家のアイデアは、計画の質的向上に
貢献している。例えば、家畜の飼育密度の高い地域での新しい規定についてな
ど。
社会活動グル−プと住民の直接的な参加は、政策の具体化のために良いこと
である。個々の地域に合わせて策定された政策構想は、発展のチャンスを与え
てくれる。重要なことは、住民が決定事項に対して参画することの尊重である
(グル−プに関しても )。このことが、農村地域再生のために、重要な役割を
果たすのであり、かつ自明のことである。さらにまた、農村地域政策の遂行に
際して、社会的、文化的視点を配慮することも重要である。
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そして農業者(その家族も)の社会的な対応についても、気をつかうことが
大切である。例えば、これには口蹄疫と鶏ペストのような伝染病進行の危機に
際して、心的インパクトに対する配慮、または経営停止についての適切な支援
が該当する。また、農村地域の文化的多様性も、配慮されるべきである。例え
ば、図書館や文化遺産を守る組織と演劇−音楽団体が、政策具体化及びその発
展への参画することである。
新しい種類の管理協定(BANS)のパイロット地域において、奨励規定の
実験に当たって、幾つかの差し迫った問題が、明確になってきている。農村地
域に生じている要求としての、高齢者の介護と子供の世話のための施設は、常
に満たされていない。幸いなことに、常により多くの様々なサ−ビス業務(看
護、社会文化的なそして商業上の)が、新しい取り組みの中で生まれている。
それは、地方でも訪れることができ、かつ利用できる状況にある。
この新しい管理協定は、今ある規則と関連づけながら、社会的インフラ構造
に関する期限付きの奨励プログラムを導入できる。住民のイニシアチブを支援
し、そして新しい組織−融資の形を発展させるために。社会福祉の分野に関す
る複数の省庁の財政を結びつけられるかどうか検討されている。長期的に農村
地域に関する投資基金の中に、この財政の組み入れを可能な限り導入する。国
内の管轄機関は、農村社会政策においてまず第一に奨励の役割を有する。社会
文化のプラン事務所(SCP)は、農村地域における社会的状況について、2
年間の研究を行なっている。将来、農村地域のための今日的政策の効果につい
ての調査が、様々な社会グル−プによって実施されるだろう。
生活上の高い質をもった農村地域
− 農村地域の活力は、社会的、文化的インフラ構造に影響される。
例えば、施設の消滅によって。その点については、施設を管轄す
る公的機関が、農村地域独自の特質を配慮すべきである。
− 県、市町村そして国民も自ら新しい社会的連携を、創り出すため
の責任をもつ。国の管轄省庁は特に奨励の役割をもつ。
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第6章
国民のための自然と景観
6・1 近郊レクリエ−ションと観光のための農村空間
サイクリング、ハイキングそして水上スポ−ツは、オランダにおいて常に愛
好されている。それはマウンテンバイクとGPS−旅行のような、自然の中で
の集中的な余暇活動に関しても言えることである。静けさ、広さを体験するこ
との可能性は、都会での労働と居住の中で特に重要である。そのため、自然と
景観はその固有の価値のみならず、人間生活上の質の価値でもある。
農村空間は、緑の土地、特色ある景観そして記念建造物を伴って、多くの行
楽客と観光客のための魅力的な使命を果たしている。勿論、社会の高齢化の進
展や外国からの同胞の人口割合の増加などによるところの、余暇活動に対する
ニ−ズの変化にも対応しながら。観光−余暇の分野は、今日農村地域における
経済の重要な担い手であり、そして成長の潜在力をもっている。さらに保養と
観光は、社会的にも大きな意義をもっている。
しかし、近郊レクリエ−ションの可能性は、少なすぎる。それは今ある施設
が、今日都市住民のニ−ズと要望、そして多様な保養を求める人々に、適応し
きれてないからである。また水上スポ−ツのための水の適性についても、望む
べき値に改善されねばならない。オランダ人と外国からの訪問者のための、保
養のチャンスが得やすく、親しめ易くなければならない。公的機関の課題は、
余暇にとって重要なインフラを配慮すること(他も関係者または市場が準備す
るのでなく)。例えば、人々が休息と保養を見出し、そしてそれを実現できる
魅力的な景観である。町に近い緑の草地、河川そして公的空間の十分な提供の
ための配慮もまた、公的な課題である。その際、国レベルの管轄機関は生活の
質的向上と、それを実現する手法を文書にまとめる。
緑の計画に関連して県と市町村が、町の中とその周辺にも十分な保養−余暇
の可能性の創出に責任をもっている。緑の草地での施設の新築(融資)は、新
しい草地の造成と結びつかねばならない。重要なことは、町の密集地域の中に、
十分な緑地と他の近郊保養の可能性をつくりだすことである。
- 31 -
国レベルでは、町の周辺地において既に決定している緑の計画の実施が、こ
の役割を果たしている。 これには町の密集地域の中に、 緑の肺
と近郊保養
地域として機能するところの、緑の関連施設が該当する。県は、戦略文書の中
で提起されている枠内での地域開発計画において、近郊保養に関するより多く
の可能性を、発展させるよう要請されている。保養にとって重要な緑の配置を
改善するための、国の財政資金使用に際して、今日余暇の可能性に対して大き
な不足を生じている地域が、高い優先順位を有している。
公的機関は、 新たな保養にとって重要な緑の草地造成に関して、無条件でな
いが土地の買い上げ、そして新たに整備することを必要としている。このこと
は、自然保護地域と農業を営んでいる自然保護地域における、私的土地所有者
への政策を通じて具体化される。近郊レクリエ−ションの可能性実現と財政投
資のための手段は、例えば居住敷地に関する補償計画、優先法の主張する私−
公的共同活動の構築、緑の業務の組み入れと地域土地銀行である。
それに加えて農村地域における余暇の可能性を発展させるために、強化され
たヨ−ロッパ基金を活用できる。この規定は、農村地域を体験するための可能
性を拡大する。自然保護地域に近づきやすくするため、より良く調整すること。
しかし、農民的な人工景観についての近づきやすさには、まだ改善の余地が残
されている。県と市町村は、農業者、私的土地所有者、水−土壌連盟とで、ハ
イカ−に関する歩行法の協定を結んでいる。
ハイキング−サイクリングル−トへの需要は、地域別に適切に決定される。
州レベルでのこのル−トネットワ−クの実現について、国内の管轄機関が支
援している課題である。水上スポ−ツのために、広範な水ネットワ−クがつく
られている(地域開発計画の戦略文書におけるメニュ−の1つ )。将来、湖水
岸辺の保養への活用規則が、計画されている(国レベルの管轄 )。他方、障害
となる法的規定の廃止は、観光−余暇活動に関する裁量の余地を拡大すること
である。
特に配慮すべきことは、以前として観光−余暇活動の持続性である。企業者
自らも期待しているのは、周辺環境の質的向上を重視し、自らの経営プランを
策定することである。中でも観光−余暇分野が、自然と魅力的な景観から利益
を得ている。観光政策の目的は、質の高い景観と自然を損なうことなしに、国
民の要望に対応し、そして競争力を保つために、企業家に裁量の余地を与える。
- 32 -
これの具体化は、地域開発計画の中の戦略文書で策定されている(例えば、
企業家の可能性を拡大し、同時に自然の高い質をさらに強化するための補償原
則)。観光と余暇のもつ大きな意義から知識と研究は、余暇企業家の専門知識
の不足な部分に、配慮すべきである。例えば、オランダにおける観光と余暇発
展のために、気象変動の結果との関連で。
6・2 高い質をもった景観とその発展
オランダは、文化史上の高い質をもった、古い時代の領主の財産が豊富であ
る。また今ある自然は、素朴であるがその美しさは価値が高い。農村地域にお
いて、静けさ、広さ、生物の多様性と個性のような今もっている価値は、経済
活動によって侵害されやすい。他方、この活動は景観の変化について、重要な
モ−タ−の役割となっている。今ある価値の保持と居住、社会的変動性と経済
に関する機能的な要請との間で、引き合いになっている。
健康と環境に関する国立研究所(RIVM)の自然評価は、自然の概観を損
ねる地形の分断や平坦化を防ぐための支援でもって、景観の発展を説明してい
る。地域開発の決定について、景観はあまり配慮されていない。このことは、
部分的に農村地域における建築に対して、土地への需要が増大していることに
起因している。
国内の景観
景観政策の目的は、オランダの景観の多様性と質の高さの向上である。その
際、国内レベルでは全オランダの空間構造について、本質的な部分を明らかに
する。国際的にまれな、そして国内的に価値の高い農民らしい景観に関しても。
景観、自然または文化遺産のために、国全体または国際的意義をもつ、価値多
い地域と構造を保持し、発展させるためにいわゆる「国内景観」を指定する。
この「国内景観」は、観光と近郊保養のためにも、大きな意義をもっている。
例えば、2003年12月に政府から提起された、いわゆるオランダの新し
い指針、歴史的強化指針に関する施設構想に対応している。この政策は、来る
べき年の政策に関する出発点である。このシステムの保持と発展のため、人々
は公的−私的共同活動の可能性についても、意識的に追求している。地域開発
計画のための戦略文書において、それぞれの「国内景観」の空間的発展のため
の価値と質の向上が挙げられている。
- 33 -
権限を有する国内管轄機関は、手法との関連も建造物との関連についても、
県の政策との一致を審査する。建造物の景観に関する目的に沿った改善は、種
の保護政策実施のための「国内景観」に役立つ。そして確かに国内ビオト−プ
連結システムの実現とも、関連している。国内の財源(例えば緑のサ−ビス業
務のために準備されている)が、この地域に優先的に充当される。
EU−法で規定されている「国内景観」の拡大は、湿地草地の景観を保つこ
とにつながる(EU−共同出資によって、条件不利地域としての拡大)。 国際
的にも素晴らしいこの景観の保持は、特別な課題である。なぜならば、それは
重要な文化史的、生態系上でもそして余暇にとっても、大事な価値に係わって
おり、水管理政策と共同農業政策と併行して、実施されねばならないからであ
る。
質的向上に向けた発展
公的機関は、特別な価値をもった対象物と特定の地域に関する特別な責任の
他に、変化する手法でもっての景観の質的向上を図る、全般的な責任も有する。
農村地域の発展は、高い質をもった景観をベ−スに、生態系、経済、そして
美観との間の良きバランスの上に成り立つべきである。国内レベルで県と市町
村に、次のことが要請される。地域の保護と施設についての条件をつくり、そ
して景観の質の改善を伴った発展へと進めること、その際、以下の中核となる
質的向上を配慮し、計画をつくりあげることである。
オランダの全地域における景観の質的発展のために中核となる質的向上:
−自然的な質の向上:土壌、水、土地の起伏、動物−植物相の特性など
−文化的な質の向上:文化遺産、文化的な再興と建築様式など
−活用上の質の向上:活用しやすいこと(保養を求める人にとって)そこに
到達しやすくかつ多様な機能を備えることなど
−体験上の質の向上:景観の多様性、情報価値、町との対照、緑の特徴、静
けさ、広さ、休息そして森の暗闇など
この中核となる質の向上は、特徴的なつながりの中で景観と景観上の一体性
を、発展させることができる。高い品質を伴った発展のための管轄権限は、県
と市町村がもっている。国レベルでは、現行の計画で詳細に保証するのでなく、
地域開発の決定プロセスの領域における審査でもって保証される。
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県と市町村からは、いわゆる4つの中核となる質の向上を基礎に、地域での
現在−将来の質の書き換えが期待されている。この質の向上は、新しい規則に
よって配慮され、景観の質的向上のための地域開発計画の決定が役立つ。この
発展を目指した景観戦略について国の管轄レベルは、特に奨励と支援の役割を
もっている。これは、質的向上を伴った景観の発展に対する他の関係者を、活
気づけている(部分的には、今日既に実施されている )。このことは、4つの
中核的な質の向上の策定に基づく
品質アジェンダ
において、専門知識と市
町村管轄機関の知識の奨励、デザイナ−事務所の貢献、外部エキスパ−トによ
る助言と、景観発展計画からの補助金交付をもたらす。
国レベルの管轄機関の財政上の、そしてこれを促進する役割は、幾つかの省庁
間に跨る空間と文化のための行動計画を、作成することにある。同時に
ンダのデザイン
オラ
のタイトルを冠した、オランダの戦略文書に基づく行動が継
続される。将来、国内の景観関連建築の助言者が任用される(国の建築士との
共同活動において)。それによって、新しい景観の適切な施設と大きなプロジ
ェクトとの結びつきについて、公的機関が助言される。
農村地域における農業者
重要な挑戦は、必要な居住空間について(しかしセメントの荒野をつくるの
ではなく)、その地域の特徴をもった生活の質について、配慮することである。
地域開発の戦略文書は、県と市町村に農村地域において、適切な建築政策(住
居と営業関連の建造物)に関して、裁量の余地を与えている。県と市町村は、
例えば空家となっている農業用の建物に、居住機能を付加すること、または新
たに家の建築を承認することができる。
畜舎を取り壊して新しい住居を、建設することも可能である(地域開発計画
の補償計画の領域において )。県には、地域開発計画のための戦略文書におい
て、大枠プランに農村地域における自然、景観そして水資源の政策と結びつい
た住居の建築と営農関連施設の取り上げが、農業者から要請されている。その
ことが自然と景観の質を、総合的に向上させることになる。国レベルでは、そ
の質が、十分に確保されているかどうかをチェックする。国は、公的−私的共
同活動に関して、専門知識と手法を伴った具体的なプロジェクトの導入に際し
て、県と市町村を支援する。
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6・3 ナチュ−ラ2000ト全オランダ ビオト−プ
連結システム(EHS)
EU−レベルでナチュ−ラ2000に対する合意は、EU−加盟国において、
保護すべき自然地域の関連ネットワ−クを対象とする。オランダは、79の鳥
類保護地域と141のFFH−地域(EUの植物−動物相−生息圏指針)を、
殆ど完全に管理するという貢献を果たしている。この地域は、1/3が陸地に
あり、後の2/3は大きな河川と人造湖にある。国際ネットワ−クは、国内ビ
オト−プ連結システムと組み合わさっている。この中には、重要な地域との間
のしっかりとした回廊(鳥類の飛ぶ通路)を含んでいる。
このシステムの実現は、依然としてオランダ政府の重点政策である。そのた
め、次年度に土地の購入、施設と私的な土地の政府管理を一層強化する。ビオ
ト−プ連結システム実現のテンポを早め、そしてこのプロジェクトを2018
年に完了出来るように政策を推進する。そのため、政党間協定によって準備さ
れている財政が、自然保護政策に集中的に投入される。勿論、現在政府は自然
保護政策の幾つかの点に、他のアクセントを組み入れている。その際、例えば
政策導入の柔軟性と行政手続きの簡素化を、取り入れている(自然保護契約に
関する新しいプログラム)。
国民と社会的な関係者もまた、自然に対するより多くの共同責任を、求めら
れている。なぜならば、自然保護地域の担い手以外に、農業者と幾つかの私有
の土地利用者も、自然保護とそれの発展により強く参画しているからである。
公的機関による土地購入への転換は、水も含めた自然保護政策に関する、社会
的な受け入れを保証し、それを拡大するための決定的な意義を深める。そのこ
とを通じて、将来より多くの国民との共同活動を拡大する。
ビオト−プ連結システムの一部は国立公園である。今後優先されるのは、生
態系上のそして余暇との関連での、自然の質的向上と手入れについて国民、土
地所有者と保護する人々との間の、目標とする共同活動である。ビオト−プ連
結システムにおける自然保持のために、EU−鳥類保護地域とFFH−地域、
そして自然保護法に基づいて保護する地域を、政府が適切な環境−水政策と地
域開発計画の中に、位置づけしている。
- 36 -
特に環境変化に敏感な自然保護地域での、土壌湿潤性の低下に対する政策が
重要である。国内ビオト−プ連結システムに関しては、その質的な高さとの関
連性が、面積の広さよりも相当に重要である。そのため、政府はビオト−プ連
結システムと周辺地域における生態系上の、そして水質改善のための補完政策
の追加財源を準備している。
自然保護のための環境−水政策の効果的な実践に関する管轄権限は、法的領
域の中で地域の管轄団体・機関(水−土壌連盟と県)にあるが、大規模な河川
はもちろん国レベルにおかれている。ビオト−プ連結システムとの空間的な関
連は、きたるべき年に2本のレ−ルが強化される。
大規模な自然保護地域と近くの小規模自然保護地域を結び、インフラシステ
ムなどの障害を除去した丈夫な回廊が必要である。この丈夫な回廊は、ビオト
−プ連結システムを結ぶ重要な部分である。そしてこの回廊は、気象変動から
予測される結果に対して、生物的多様性と抵抗力保持のために、決定的な意義
をもたらす。他方、ビオト−プ連結システムとの関連で、新しい境界の形成を
促進することになる。
県による今日の境界設定に際しては、自然保護地域の空間的関連性でみると、
ところどころ不十分である。政府は、ビオト−プ連結システムの持続性と強さ
に高い価値を置いている。そのため、環境−自然保護計画事務所は、この関連
での最善策について、専門家としての意見を提起している。それは、新しい境
界設定の評価について、気象変動の結果と水システムの限界を、配慮すべきで
あるとしている。この専門家の意見は、今日新たに設定された境界に対応する
ための政策について、県と政府の協議の基礎となる。
大規模河川については、洪水防止対策とともに、自然の回廊強化政策でも対
象になっている。水領域指針と鳥類保護−FFH指針は、自然的な淡水−境界
の再構築のためのオランダの努力の結果である。このことによって、各河川は
領域について、淡水と海水との間でより良い機能が生まれる。実際このことは、
まず第一に Haringvliet で生じている。さらに Haringvliet の水門が簡単に開け
られる。このことは、国と県の管理上の取決めに基づいて行なわれる。
- 37 -
余暇サ−ビス企業と他の経営による自然保護地域の活用は、地域開発計画の
戦略文書に提起されている、新しい可能性に該当する。かって該当する企業の
評価に国のレベルで係わっていたが、今後は地域レベルでの評価を基礎に、認
可が与えられる(調整モデル)。この構想の出発点は、自然の質的向上を全体
的に強化し、そして他の機能のより多くの可能性を引き出すことである。
EU−鳥類保護地域またはFFH−地域としても申請される、国内ビオト−プ
連結システムの部分について、管轄機関はどのような条件のもとに、そこでの
問題解決が可能かということを、ヨ−ロッパ委員会と取決めをする。
ビオト−プ連結システム外の自然保護の質的向上
自然は、保護地域のみにあるのではない。土手の茂み、草地、畑の縁、川岸
の藪、町のグリ−ンゾ−ンなどもまた、価値多い野生動物の生息や野生植物の
生育空間である。畑は、自然のための多種多様な関連(生物の多様性、生物の
回廊、持続的な農業)において、大きな意義をもっている。そこにある種は、
自然保護法と植物−動物相法を基礎に、保護すべき対象の一部である。このこ
とは、例えば群れをなしている鵞鳥、ヒドリガモ、抱卵中の鳥、コウモリそし
て都市部にいる種についても有効となる。このことは、ビオト−プ連結システ
ムと国内の自然においても、ばしば著しく絶滅の危機に瀕している種の保護の
ためにも重要である。
著しく危機に瀕している種は、補完的に当面施行されている対策でもって保
護される(種の保護計画)。種の保護政策の実行は、農村地域において他の機
能を伴って、期待を呼び起こす。保護すべき種の存在に関して、法的な規制に
ついての審議と科学的知見の充実を、追求すべきである。そのためこの規制は、
パンフレット、通達そしてマニュアルで解説される。種の保護・拡大に関する
デ−タの入手と活用も又、強化されるべきである。
自然は、動物や植物のためにのみ意義有るのでなく、農村地域に住み、働き、
保養を求める人々にとっても有意義である。そのため、農村地域の自然保護と
その強化は、国で管理する課題だけではない。それは、法的規制で強制するも
のでない。今後の課題は、居住、水管理、労働そして保養に関する政策と、自
然−景観保護を組合わせることである。そのための可能性は、特に地域−また
はプロジェクトレベルでの、財政的な結びつきによって効果が生まれる(例え
ば総合的な移住−緑化計画によって)。
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国民のための農村地域
− 公的な政策は農村地域における住民が、休息、広さそして緑の景観
を享受できることを奨励する。
その際、都市近郊での十分なレクリエ−ションの可能性、観光−余
暇分野の企業の営業の余地と、親しみやすい農村地域の存在が重要
となる。
− 国の管理は、県、市町村の要請と国内の景観保護・発展を通じて、
景観の多様性と質的向上を支援する。そしてそれは、居住−経済機
能と景観の質的向上に沿った発展を考慮する。
− 国内ビオト−プ連結システムの強靱性と持続性に対して、社会的に
高い要請がみられる。このシステムの内外でも、他の機能との良好
な関連が様々な専門家との合意において、自然の強化が具体化され
ねばならない。
- 39 -
7章
7・1
農村地域の大事な活用
資源の節約
農村地域の多様な機能に関して、良好な基礎が必要となる。それは、土壌と
水が清潔であることである。そして自然は、景観が魅力的であり、そして多様
な機能をもっていること。人間は、得てして粗雑な利用でもってこれらを基礎
とした景観の質を損なう。オランダにおいて、例えば農地への過剰な肥料の散
布が行なわれている。そのことによって、土壌と地下水、表面水に、栄養素(窒
素、リン酸)が濃く集積している。自然の利用資源と農村の文化遺産とは、優
しいつき合いをしなければならない。
そのことが後世代に良き自然界を維持・引き継ぐことになる。水、自然、土
壌(考古学上の遺物含む)と大気に対する高い質の要請は、国際的な協定とE
U−レベルでの合意事項において、高い基準でもって決定されている。そのた
めの例は、窒素基準、水の大枠指針、鳥類保護指針とEUのFFH−指針(植
物−動物生息圏指針)、生物の多様性保護のための協定、考古学上の遺産保護
のためのマルタ協定などがある。これらの中で決定されている基準は、国内の
環境政策の中に置き換えられる。来年には、この環境政策の導入にアクセント
が置かれる。
7・2
環境の質的向上:政策の実施
土壌、水そして大気などの環境上の質向上を図る地域で、既に多くの対策が
決められ、そして実行されている。
重要なテ−マ:
− 酸性化
− 騒音、光そして臭いの被害
− 過剰施肥
− 水−土壌汚染の減少と改善対策
− 農薬
− 気象変動
− 水質
− 生物の多様性の保持と発展
−自然保護地域の土壌湿性の減少
−文化遺産の保護と発展
- 40 -
現在の環境政策は、縮小されることなく有効である。今、優先するのはこの
政策の迅速な実行である。その際、施策の活用と経費そして国際的な背景に、
十分目を向けるべきである。
農業環境政策
近年、農業による環境への負担が減っているけれども、ヨ−ロッパと国内に
おける環境目標は、この分野において常に大きな努力を、必要としている。E
U−窒素指針のオランダ国内への置き換えに関するヨ−ロッパ裁判所の判決
は、来年以降農家の経営レベルでの糞尿使用について、オランダのさらなる規
制強化を求めた。
持続的な農業への転換は、農業者自らこの分野に向かうべきである。アンモ
ニアについてのNEC−基準と水の大枠基準、窒素基準のため、土地との結び
つきのある経営、あるいは無い経営に拘らず、窒素成分の循環を経営内に閉じ
こめること、そして農薬の使用とアンモニアの大気への放出を、減少させねば
ならない。政府は、少し前の第Ⅱ期国会委員会に提出された文書で、家畜飼育
に関する新しいアンモニア規定を公告した。
損傷に敏感な自然保護地域の中、あるいは周辺部において、集約的な家畜飼
育のさらなる拡大が制限され、そして酪農の粗放化が促進される。農業者は、
経済と生態系の間の関係でもって、理性的な方法で転換しなければならない。
GAP(共同農業政策)−改革による収入への圧力強化を通じて、農業者の効
果的−持続的営農が一層重要となる。そのため、オランダは持続的農業に関す
る重要な要素として、適切な生態系管理を奨励している。その際の出発点は、
農業の競争力ある体制の改善と、ヨ−ロッパの目標の実現(高い品質との関連
で)である。
農業における生物的多様性の適切な利用は、新たなそして持続的な管理シス
テム発展のために、貢献することができる。病原体と害虫の調整の自然的なシ
ステム、自然的な土壌の肥沃性のより良い利用によって、生態系に被害を及ぼ
す補助物質(化学合成肥料や農薬のような)の使用を減少させる。
- 41 -
自然のための環境の質的改善
自然保護地域の買い取り、調整、保護は、この地域において必要な生態系上
の、そして水の循環に関する条件が作られない場合、骨折り損となる。該当す
る地域に関して、そこの土壌−水システムの特徴と、その地域及び周辺におけ
る他の機能の種類と、公式化すべき自然保護地域の目標を決定する。県、市町
村そして水−土壌連盟は、特定の地域における自然、環境そして水の国際的、
国内的な大枠規定に沿った目標について相互に合意する。
国内の財源は、国内ビオト−プ連結システムの中核地域と、EU−鳥類保護
地域そしてFFH−地域に充当される。2015年に環境−水の品質は、ビオ
ト−プ連結システムの全地域で目標値に、合致しなければならない。勿論、6
年までの2回の延期申請が、可能である(2021年ないし2027年まで)。
そのような延期を正当と認めるかどうかの決定権は、EUがもっている。
国内の環境−水政策は、目標に達することが間に合わない地域を、調査しな
ければならない。そしてそれに対して、地域的に特別な補完対策の必要性を、
把握すること。このことは、それぞれの地域で自然保護の目的への適応または、
新しい地域区分に対する補完的な環境−水政策上の対策を、十分吟味すること
を意味する。
農村地域の生活の質的向上
人々は、景観の多様性、休息と静けさ、新鮮な空気と自然的な暗闇(森の中
などの)のために、農村地域を評価している。農村地域の新しい利用は、これ
らの価値を脅かしている。これら価値の効果は、特にその地域レベルで役割を
果たしている。そのため、居住地の望むべき価値をもった生活の質的向上の決
定のため、県と市町村に管轄権限が置かれている。国内の管理レベルでは、こ
こでの支援する内容について決定する。
- 42 -
7・3
水システムの改善
水についてのオランダの問題:
不潔過ぎること、水が多すぎることまたは少なすぎること。多くの水システ
ムは、寸断されそして不自然なことも問題に挙げられる。このことは、近い将
来において改善されるべきである。最も重要な目標は、自然に作動する水シス
テムにおいて、質的に良好な水である。21世紀のためのEU−水資源大枠指
針(WRR)と、新しい国内水資源政策構想の実行は、農村地域の質的向上と
機能に関する大きな成果である。最も重要な課題は、次の領域である:
− 適正な洪水防止と水害の回避
− 水資源の改善
− 自然保護地域における少ない土壌湿度(過乾燥)に対する対策
− 乾燥期における十分な水
− 湿地及び乾燥した地域と淡水−塩水間の水の移行の回復
水のための新たな種類の管理協定(NBW)において、他の管轄官庁との合
意でもって、国内の主務官庁は、水システムの再自然化について決定した。こ
の合意実行のための根拠は、国内レベルでの大きな河川について、県、市町村
そして水−土壌連盟の地域的な水管理システムについても及ぶ。管理協定にお
いて、洪水防止と水害の回避にアクセントをおいている。この目標は、地域政
策(例えば新しい規則プラン)の領域における一部、そして国内ビオト−プ連
結システムにおける土地の買い取りと調整によって具体化される。
水の保持には土地を必要とする:農業−自然池
水を保持する土地の将来的な処分によって、傷つく経営者と土地所有者のた
めに、土壌−水連盟の上部団体がモデル規定を決定した。むしろ組織上の水管
理対策よりも、農業者によって
緑の活動システム
が、作り上げられる。そ
の構想は、自然保護と水管理を結びつけるチャンスを、はっきりさせることで
発展させられる。自然、農業そして休閑についての関心の中で、水の質はさら
に改善されねばならない。その際、自然に関して窒素、リン酸そして農薬によ
る被害の減少、農業に関して極端な降雨の際の糞尿など汚水流出の減少、土壌
水分改善のための休閑が必要である。
- 43 -
農地の塩分増加に関するものは、問題の範囲と種類について、ソンデを用い
た調査が導入される(ボウリング)。EU−水の大枠指針に準拠して、202
7年まで殆ど全ての河川について、生態系上良好な状況(または良好になる可
能性)に達しなければならない。オランダについて、そのことは地下水の水質
改善が、まだ著しく改善されねばならないことを、意味している。そのことは、
自然、休養、漁業について、前向きな成果となる。もちろん、それは自然・環
境研究所、 Alterra 農業経済研究所から提出されている最近の研究に示されて
いる。
そしてそれは、水の大枠指針から提起されている要請事項を満たすには、、原
則的にオランダにおける農業の可能性が、半分しかないことを導き出している。
このことが実際にくるかどうか、まだ不確実である。なぜならば、具体的な
基準がなお決定されねばならないからである。そのため、政府はオランダの水
の大枠指針の結論について、可能な限り早く透明性をもってつくりだすことを
必要としている。
この結果とこの指針の具体化に関する国内目標について、特別な政府文書を
作成する。この文書は、多分2004年の夏前の第2期国会部会に提出される
だろう。この領域における農村地域に関する政策目標は、潜在性も含めオラン
ダの全ての河川について、良好な生態系の状況をつくりだすことである。この
ことを実践するために、きめ細かな行動計画が必要となる。同時に、オランダ
における自然を質的に改善し、そして農業が信頼できる展望を得ることになる。
自然のために必要とする水紋学(訳注:地球上の河川、湖など水資源に関す
る研究)と生態系上の条件実現のための、一連の政策の不可欠な要素は、オラ
ンダにおける自然地域の再湿地化である。湿潤性が失われることとの闘いは、
国内のビオト−プ連結システムの実現と、家畜密集地域の新しい規制、自然保
護法の導入と水の大枠指針の実施でもって行われる。
- 44 -
7・4
健康な土壌
健康な土壌は、活力ある農村地域のために、最も重要な基礎である。オラン
ダは、新たに策定された土壌政策でもって、目下推進されているヨ−ロッパ土
壌戦略に置き換えている。土壌政策における土壌の利用は、将来中心的な価値
をもつだろう。県と市町村は、今ある土の質をベ−スに地域で期待すべき利用
と、そのため必要な土壌の保護作業を実施し、望ましい土壌の質を確認する。
そのことによって、実態に即した問題の解決をもたらし、そして農業や自然の
もつ敏感な機能のために、国内レベルでの大枠の条件を設定する。
もうひとつ他の大きな課題は、依然として土壌の損傷と汚染による被害の除
去とそれの減少である。土壌の利用は、持続的でなければならない。そのため
の一次的な責任は、利用に際しての土壌対策にある。これは、土壌の使用権利
の他に、土壌への関心事における第三者の土壌との、きめ細かな関わり合いと
いう責任も存在する。その際、政策の出発点はいわゆる現状維持の原則である。
他の言葉で言い換えれば:土壌の質のさらなる劣化を食い止めること。地域
開発計画においても、土壌の特性を配慮しなければならない。
さらに国内管轄機関は、他の機関とともに持続的な土壌利用のための指導を、
総合的に組み立てる。法の適用は、他の分野(環境など)の土壌対策との適切
な合意のために、配慮しなければならない。持続的な土壌利用のために必要な
ことは、知識と情報交換である。それは、土壌生命の多様性について、より多
くの知識などを発展させることである。国内レベルで可能な限り、地域開発上
の隘路と問題解決の手がかりを探求する。
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農村空間の優しい利用
− 持続的な農業への転換は、農業者自らがこの分野に対応しなければ
ならない。公的機関の役割は、持続的農業の方向に発展する際の支
援策を提供することである。
− 国内政策の目的は、2027年目処に環境−水の大枠指針に適応し
た水の質的向上である。その際、優先するのはEU−鳥類保護地域
とFFH−地域の中心地域である。地方レベルでのこの政策の導入
については、県と市町村が管轄する。
− 国内機関は、県、市町村、水−土壌連盟と共同で水システムを、到
達すべき水準にもっていくこと。そして農村地域の施設に適合させ
ることである。
− 新しい土壌政策においては、土壌の適切な利用が中心的な価値となる。
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