ドイツ連邦食料・農業省プレス公告 Bundesministerium für Ernährung

ドイツ連邦食料・農業省プレス公告
Bundesministerium für Ernährung und Landwirtschaft
NO 24
NO24
2014・6・14
1 連邦議会が新しい直接支払いシステム法を可決
農業経営のための直接支払い実施のための法が、今週金曜日に連邦議会を通
過した。同時に、既に決定されているヨーロッパ共通農業政策(GAP)改革の
2013 年の中心点が実施され、そして EU ー農業直接支払いのための新しいシ
ステムの基礎が、創り出された。今可決されたこの規則は、2015 年の奨励年
から発効する。”この法は、農業ー環境の関心事に係る成果である。新しい直
接支払システムでもって我々の農業者は、将来展望を切り開き、そして同時に
明らかにより多くの環境上の成果を伴なった農地での持続的な管理に配慮して
いる”と、連邦農業大臣クリスチン シュミットが述べた。
直接支払いは、2020 年までの新しい財政期間もまた、農業者のために不可欠
である。これは、農業者の収入確保とリスクへの配慮のために、重要な貢献を
意味する。その上、農村地域の強化または、人工の自然景観の保持といったよ
うな社会的貢献のための補償を生み出す。これは、市場での農産物価格以上の
有効性をもたらす。新しい法でもって、直接支払いのシステムは、現在の社会
的要請と将来的な挑戦といった目標に、正確に合致させることができる。
”今後我々は、とりわけ小ー中規模経営を、奨励すべきである。その上この
法でもって、ドイツの農業におけるより多くの持続性のための礎石をおく”と、
シュミットが述べた。新しいシステムは、共通農業政策(GAP)の改革の基本
的な部分である。EU ー理事会とヨーロッパ議会は、2013 年 12 月にこの改革
の基本的な法手続きを、可決している。この法でもって、2015 年からドイツ
における国内実施のための重要な決定が、有効となった。そのための基礎は、
2013 年 11 月 4 日の連邦・州農業大臣会議で合意した決定である。
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この法の概要:
2015 年から 2019 年までについて、農村発展の奨励(ELER)からの補完財
源として、直接支払いのために毎年国内上限 4.5%が準備される。この再配分
の毎年の財源は、2 億 2 900 万ユーロ(約 320 億 6 000 万円)弱である。各州
は、全体的に持続的な農業政策のために、補完的に 11 億ユーロ(約 1 540 億
円)を活用できる。各州は、この財源を自らの農業に即して活用できる(特に
草地の現状保持、粗飼料を給餌する家畜、農地に関連した農業環境ー気象保護
対策、特別に家畜に適した飼育法と家畜の幸福)。
この財源は、さらに有機農法の強化と自然的な条件不利地域への補償にも、
投入できる。この再配分によって、FLER 財源の削減約 9%強(EU レベルでの
全般的な財政節減の決定に基づいて)の補償にも充当され得る。農村発展政策
の来たるべき奨励期間において、これまでよりも 4%多い奨励財源を利用でき
る。同時にこの分野において、奨励の可能性が実質的に改善される。4.5%の
再配分の限度を考慮して、農業者は新しい直接支払いの分野において、さらに
適切な収入支援を得られる。勿論この再配分の割合は、2016/2017 年に検証さ
れる。
直接支払いに際してまだ残っている地域的な差は、2019 年までに解消され
る。新しい基礎補償規則の領域において、2017 年から 2019 年まで 3 年間の歩
みの中で、連邦レベルにおける ha 当たりの統一金額となる。新たに導入され
た直接支払いは、始めから連邦全体で統一した額を認可する。直接支払いの財
源の 30%が、気象と環境保護を奨励する土地管理、いわゆるグリーン化に充
当される。さらに農業者は、補完的に環境活動を実施しなければならない。グ
リーン化は、草地と牧場のような永年緑地の維持、畑作物の栽培に際して広範
な多彩さ、そしていわゆる畑地での生態系の優先を含んでいる。
EU ー法によるグリーン化に際しての裁量の余地は、永年草地の効果的な保
護に活用される。永年草地に関して、特に環境的に繊細な”花ー動物ー生息地
域(FFH ー地域)”は、今後広範な転換ー鋤での耕起が禁止される。その他の
永年草地について、個別経営的に権限を付与するシステムが導入された。この
後、将来的に他の利用への永年草地の転換は、他の場所に永年草地をつくる場
合のみ、基本的に可能である。このことを通じて、生態系上価値多い永年草地
の面積全体が、安定する。
-2-
EU ー法は、2015 年から農業経営が基本的に、先ず初めに自らの畑地面積の
5%を、生態系を優先した畑地として提供することを求めている。この農地は、
環境保護のために使用されねばならない(例えば、生垣の維持または川への緩
衝帯として)。一定の条件下で農業用への利用が、認められる。例えば、土壌
に窒素をもたらす蛋白作物の栽培または、間作作物の栽培が挙げられる。生態
系を優先した農地に関して、法でもって農業者に適切な条件の選択の際に、可
能な限り高い尺度で認可される。
生態系を優先した農地の様々な種類で、異なる生態系の重要性が配慮される。
これは EU ー委員会による法手続きで、決定されている。例えば、間作作物
を栽培する農地、つまり生態系を優先していない農地面積を、同等に認可する
ためには、明らかに大きな面積を必要とする。間作作物の農地の重要度ポイン
トは 0.3 の値であるが、これに対して休閑が 1.0、生態系上価値の大きな生垣
は 2.0 となる。生態系を優先した農地として、特定の農地利用の承認のための
さらなる条件が、EU ー法によって決定されている。
これは、農耕上の必要性と環境への活用との間の調和ある妥協を、意味して
いる。間作作物では、化学ー合成農薬を使わず、無機質肥料と沈殿汚泥を用い
ない場合に認められる。これに対して窒素と結びついた蛋白作物のためには、
最低スタート時の施肥と適切な専門的技術の実践による農薬の投入が、認めら
れることを規定している。EU ―法において、大規模経営への支払削減は、ド
イツにおいては適用されない。その代わりにドイツにおいては、既に今年導入
された最初の農地のための再配分奨励金が、継続される。
新しい直接支払いシステムの領域において、小ー中規模経営が強化される。
これらの経営は、最初の 30ha について ha 当たり約 50 ユーロ(約 7 000 円)、
次の 16ha に約 30 ユーロ(約 4 200 円)の奨励金を手にする。若い農業者への
特別奨励もまた、追加的な奨励金が与えられる。この法は、ha 当たり約 44 ユ
ーロ(約 6 160 円)の補助金を、可能とするモデルを決定している。その際、EU
ー法で計画している 90ha の奨励限度を利用できる。小規模経営の経営主は、
1 250 ユーロ(約 175 000 円)の最大奨励金を手にできる。農業改革実施のた
めの技術的規則は、夏に提示される直接支払いー導入規則の中に定められる。
-3-
2 ドイツの農業教育ー 2013/2014 年度における教育訓練生
ドイツの農業教育は、14の”緑の職業”と結びついている。2013/2014 年度
の新たな教育契約(訳注・マイスター及び会社等で実習する際の契約)は、前
年よりも僅かに少なく締結された。だがしかし、耕種農業については 7.1%の
伸びであった。”緑の職業”において、教育年 2013/2014 年に連邦全体で 13 158
人が、新しい教育契約を結んだ。これは、前年よりも 0.8%減っている。旧西
ドイツ地域における新しい教育契約は、10 530 人(前年比ー 0.6%)、旧東ドイ
ツ地域では、2 628 人(同ー 1.4%)であった。
この数は、ドイツ農民連盟(DBV)が職業教育連邦研究所(BiBB)のデータ
を、引き合いに報告した。”緑の職業”の中で耕種農業は、3 979 人の新しい
契約(+7.1%)であった。同じく「農業サービス専門家」の職業が、256 の新
契約(+9.4%)、漁業 95(+16%)と、前向きな進展を示している。僅かに減っ
たのは、園芸でー 6.5%、ワイン醸造がー 4.8%であった。
緑の職業:
農業ー食料分野における多様な、技術的要請の多いそして自然と結びついた職
業の技術者を養成する。
トラクターの操作、GPS(全地球測位システム)ー信号による効率的な耕地管
理を保証する。牛乳、ワイン、蜂蜜または肉のような食料の生産、人、家畜そ
して作物に係わる仕事、実験技術上のノウハウ、農産物生産の高品質性を確保
するために、または我々の森林の保護ー緑の職業は多様で、そして多くの展望
を提供している。2012 年末に緑の職業の分野で 34 500 人以上の若い人々が、
職業教育を受けいている。その内訳は 8 500 人が耕種農業、約 1 800 人が林業、
約 1 000 人が畜産、約 14 200 人が園芸、約 880 人がワイン醸造に学んでいる。
まさに農村地域の人口変革に直面して、全体的に14の緑の職業教育に,常に
専門家が求められている。
-4-
14の職業分野:
1
蒸留酒製造
2
農業サービス
3
漁
業
4
林
業
5
園
芸
6
家
政
7
耕種農業
8
作物科学技術
9
酪
農
10 馬飼育
11
酪農実験助手
12
猟区狩人
13
14
家畜飼育
ぶどう栽培・ワイン醸造
特に連邦政府は職業ー継続教育に参画し、そして特に農業分野における現在
の14の職業における職業教育のための規定である,職業教育法を公布した。
特に継続教育における試験(マイスターと農業専門家)に関して、農業分野に
おける職業訓練生と指導者(マイスター等)との専門的な合意が、この規則の
中に定められている。
14の緑の職業の概要
1 蒸留酒製造
繊細な感覚、伝統そして近代的な技術は、蒸留酒製造の職業を際立たせてい
る。醸造者は、バレイショ、果物または穀物から、様々な加工処理の中で高価
値で、飲用可能なアルコールを製造する。その際、酵母、砂糖または水のよう
な添加物もまた、適切に適量を計測し、そして長年にわたる処置法を順守し、
または精密化する。最新の技術は、醸造者を支援する。
-5-
2 農業サービス
新鮮な空気に接して近代的な技術をもった仕事ーこれが農業サービス専門家
の職業像を、明確に示している。農業経営において常に求められる:播種、植
え付け、施肥、収穫に際して。作物栽培のサービス提供者として、又は作物栽
培経営で仕事をしているこのスペシャチストは、農業技術の取り扱いにおいて,
特別な専門知識を身につけ、駆使する。機械の手入れとメンテナンスもまた、
この課題の中に挙げられる。
3 漁
業
カニ類、魚そして貝は、漁師の毎日の仕事である。彼は、河川、海洋または
沿岸海域の傷つきやすいエコシステムに、精通している。魚の捕獲から養殖、
解体、冷凍、販売までの対応を、漁師は求められる。海への適性、自然との結
びつき、良好な体調、経営経済的な巧みさは、漁師の職業を際立たせている。
4 林
業
マツ、トウヒ、カシワ、シラカバ、アカゲラ、キツネー森は林業者にとって、
感銘を与える仕事場である。彼は、森林を維持し守り、そして手入れする。ま
た、彼は樹木を切り倒し、植林し害虫を駆除する。また、苗床で若木を育成す
る。自動草刈機とチエンソーは、毎日使用する道具であり、木材は彼の専門領
域である。
5 園
芸
多くの園芸家は、自らの趣味(自然と環境)を、職業で実施している。これ
は、多面的な緑の職業の1つである。なぜならば、園芸家は7つの専門領域で
活動できる。これには、園芸ー造園、苗木育成、野菜栽培または観賞用植物の
栽培が挙げられる。園芸家の課題は広範である。果実と野菜を収穫、果樹の品
種改良、観賞用植物の販売または公的な課題と私有庭園の造成と管理など。
6 家
政
多くの農業経営において、畑や畜舎での手助けを求めている。例えば、収穫
時に家政において仕事が残っている。ここで家政の仕事が始まる。彼女は、家
政のマネージャーである。買い物の世話、食事、掃除ー清潔、日常的に子供と
高齢者の世話をする。この専門家は、農業経営の多角化のためにも、益々責任
を有している。彼女は、農産物の直売、農業観光の提供を支援する。
-6-
7 耕種農業
耕種農業経営者は畜舎のみでなく、畑でも仕事をしている。農場事務所もま
た、彼の仕事場に属している。近代的な技術の支援でもって食料を生産し、そ
のためにも家畜を飼育し、土壌を管理する。その際常に環境に適応し、資源を
節約して仕事をすること、家畜の種に適した飼育方法を用いること、食料ー産
物の高品質性に配慮すること、並びに自らの産物を販売することが重要である。
この分野の経営者は、責任意識、経済的な考え方そして家畜と作物に対する
関心でもって、抜きんでている。
8 作物技術
作物技術は、品種改良において多様な仕事上の処置に関与する。この分野の
技術者は、畑地での試験と調査を計画、実施そしてその結果を資料化する。彼
は、作物を栽培・管理し、収穫する。そして新しい品種の普及に際して、作物
育種者を支援する。この技術者は実験室において、作物の化学的内容物または
特定にの遺伝子について調査・分析する。彼は主に作物育種または農業研究組
織の分野で働く。また、公的な研究所や官庁、民間会社でも就業できる。
9 牛乳技術
牛乳からチーズ、凝乳またはヨーグルトについて、この技術者は最も良く知
っている。彼は牛乳を様々な乳製品に加工し、その際産物の安全性と高品質性
を確保する。彼は、製造のプロセスをコントロールし、そして衛生規則、食本
規則への適応と環境保護に最も通じている。
10 酪農実験助手
牛乳、チーズ、凝乳、ヨーグルトは、重要な食品に挙げられている。酪農実
験助手は、これら産物の高品質性を確保する。この助手は、検査を行い様々な
分野における乳製品を、分析する。その際、PH ー値、脂肪ー蛋白含量を測定
する。また、乳製品を管理しそして食品の安全ー高品質との関連で、多くの規
則遵守に配慮する。
11 馬飼育
馬飼育における責任の重い課題実行には、多くの忍耐、動物への愛情、責任
と身体的に良好なコンデションを必要とする。なぜならば、教育と馬の世話と
並んで、この課題領域には馬で遠乗りできることと、畜舎での仕事(週末でも)
があるからである。
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馬の飼育委託者と、余暇に乗馬する人への世話、取扱いもまた、この仕事の
基本的な構成部分をなしている。馬飼育者は、全体的に5つの専門分野におい
て専門化している。馬の飼育、乗馬教育、競馬、特別な乗馬法、馬の品種改良
12 狩猟区狩人
狩猟区狩人は、野生動物を守る。多くの時間を自然の中で過ごし、狩りに行
く。彼は、野生動物の生息空間をつくり、自然保護に配慮し、狩りと自然に関
して社会に情報を提供する。この分野の課題は、多面的である。野生動物を仕
留めるだけでなく、専門的に判断しまたは野生動物の肉を販売するだけでなく、
生態系に配慮し、同時に持続的な自然保護を保証する。
13 家畜飼育
牛、豚、羊、鶏または蜜蜂のような有用動物の健康と元気は、家畜飼育者の
最も高位の掟である。彼は家畜を飼育し、世話し同時に畜産物の品質を確保す
る。例えば、蜂蜜、牛乳、肉、羊毛または卵。その上、家畜の状況を管理し、
畜産物を販売する。まさに羊飼育と養蜂の分野で、自然ー景観保護の重要な課
題を実践している。
14ワイン醸造
良い味ー嗅覚は、醸造者に際立っている。彼は、ワイン製造に、始めから関
わっている。ぶどうの栽培管理から房の収穫を経て、ワイン貯蔵地下室とワイ
ン熟成完了まで。ワインとぶどうからの産物のプレゼンテーションと販売もま
た、今日ワイン醸造者の課題に、数えられている。伝統的な知識と最新の技術
のお蔭で、この職は伝統と現代を結びつけている。
3 今週の数字:ドイツにおいて約500万人の人々が、その地域の果物や野
菜生産のために、そして余暇を過ごすために、ないしは保養
の場として市民農園を活用している。
ドイツでは、余暇に利用されている市民農園が、全体で 100 万カ所存在して
いる。昨年は、さらにこの数字が増加している。連邦全体で市民農園は、46 000ha
に達している。その際、ベルリンはドイツのシュレーバー菜園(訳注・都市
住民が郊外に借地する家庭菜園、ドイツ人医師シュレーバーが、1830 年代に
提唱)首都とされている。
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私的に利用されている庭園 73 000 カ所以上が、大都市中心地に 925 の庭園
施設の中に存在している。ドイツにおける市民農園は、1 世紀の古さと伝統を
有する。この市民農園は、都市地域で可能な保養と並んで、生態系の多様さの
保持と奨励のための重要な要素である。法的な大枠条件は、1983 年以来連邦
市民農園法で規定されている。それによって市民農園は、野菜等の自家需要と
保養のために、園芸栽培に利用されている。個々の市民農園は、400 ㎡までの
大きさに制限されている。
2014・6・15
青森中央学院大学
中川 一徹
-9-
訳