静岡県 2012年1月 工業技術 情報 No.80 静岡県工業技術研究所 静岡県工業技術研究所沼津工業技術支援センター 静岡県工業技術研究所富士工業技術支援センター 静岡県工業技術研究所浜松工業技術支援センター テクノフェア富士山麓 2011 が開催されました。 テクノフェア富士山麓2011を開催しました。40近い企業展示や、産学官連携促進セミナーなどを通じて、業種や機関を 超えたネットワーク作りが活発に行われました。富士山麓アカデミック&サイエンスフェアも同時開催され、約600名もの方に 御来場いただき、産学官の交流も深まりました。 目 次 研究成果事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 温かいお茶が口の中を清潔にする? 木質バイオマスの高度利用−県産スギ材の『香り』抽出と特徴香の探索− 入浴用リフトの姿勢保持具 技術解説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 ランダム振動試験 設備紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 走査型電子顕微鏡 変動音解析装置 恒温槽付き万能試験機 試料観察用顕微鏡システム 恒温恒湿器 相談員活動紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 無製版プリントシステム(IJPS)の活用状況の紹介 お知らせ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 静岡県工業技術情報 No.80(2012) 平成20~22年度 県プロジェクト研究 研究成果事例 温かいお茶が口の中を清潔にする? n=8 102 60 40 20 0 20 0 50 60 温度(℃) :生理食塩水, 20 50 60 温度(℃) 101 100 生存率(%) 生存率(%) 40 40 歯周病菌(B.fragilis) 歯周病菌(P.melaninogenica) 100 60 60 0 50 60 温度(℃) 80 80 各細菌の割合(%) 80 虫歯菌(S.mutans) 100 生存率(%) 生存率(%) 口腔常在菌(善玉菌)(S.mitis) 100 80 60 40 20 0 100 50 60 温度(℃) うがい前 うがい14日間 うがい27日間 善玉菌(嫌気性) Fusobacterium Preovtella ▲図2 温かいカフェイン液によるうがいが 健康なヒトの口の中の細菌に及ぼ す影響 :お茶濃度のカフェイン液 ▲図1 温かくしたお茶成分が悪玉菌に及ぼす効果 高齢者で問題となっている誤嚥性肺炎を予防するため、口の中を清潔にでき る食品成分を探しました。その結果、温かくしたお茶の成分は、口の中にいる善 玉菌はあまり殺さず、悪玉菌を多く殺しました。温かいお茶を飲むと口の中を清 潔にできるかもしれません。 高齢者に多い誤嚥性肺炎の予防には、口 の中を清潔に保つことが有効です。そこで、 口の中の善玉菌はあまり殺さず、悪玉菌を多 く殺すような役割をする安全性の高い食品成 分を静岡県産の農産物から見つけ出す試み をしました。 試験管レベルでの実験では、お茶の成分 であるカフェインは、お茶の飲み頃とされる温 度と、お茶に含まれている濃度で、口の中に いる善玉菌はあまり殺さずに、虫歯菌や歯周 共同研究機関 病菌などの悪玉菌をより多く殺す可能性があ ることが分かりました(図1)。 次に、実際に健康な人に温かいカフェイン 液で約1ヶ月間うがいをしてもらいながら、口 の中の細菌を調べたところ、試験管レベルの 実験と同様に、善玉菌の割合を増やし、悪 玉菌の割合を減らしていることが確認できま した(図2)。 温かいお茶を飲むと口の中を清潔にでき るかもしれません。 社会福祉法人聖隷福祉事業団 お問い合わせ先 工業技術研究所 食品科 電話 054-278-3026 - 1 - 静岡県工業技術情報 No.80(2012) 平成22年度 一般共同研究 研究成果事例 木質バイオマスの高度利用 ▲ -県産スギ材の『香り』抽出と特徴香の探索- 図1 スギ材試料 ▼図3 スギ材の3つの特徴香 木材の芳香 木材の芳香 AA II == 1535 1535 cis-Calamene スギ材の芳香 スギ材の芳香 甘い香り 甘い香り AA II == 1732 1732 AA II == 1693 1693 ▲図2 抽出した香り(精油) 林地残材の新たな活用のため、県産木材から地域性のある香り製品を開発し ます。鎮静作用など心理・生理的効用が期待できるスギ材の香りについて、効率 的な抽出技術の検討と、素材感を与える「特徴香」の探索を行いました。 地域の未利用バイオマスから、有用な香り 製造技術を確立し、香り市場に向けて、入浴 剤などの化成品や、芳香(消臭)剤、医療施設 や公共空間でのエアサプリメント素材への展 開を目指します。 これまでの研究で、スギ材特有の芳香精油 や、スギ材の香りを構成する個々の香り成分 研究協力機関 の分取に成功しました。スギ材の芳香の元と なる数種の香り成分のうち、cis-Calamenene は、ヒノキ材の香りと共通し、県産木材を代表 する芳香成分であることが分かりました(図3)。 更に、得られた芳香成分の人への効用を確 認し、製品開発に展開する予定です。 県農林技術研究所、(独)森林総合研究所 - 2 - お問い合わせ先 工業技術研究所 環境科 電話 054-278-3024 静岡県工業技術情報 No.80(2012) 平成22年度 一般共同研究 研究成果事例 入浴用リフトの姿勢保持具 サイドサポート バックサポート アームレスト カバー ▲写真2 開発中の3種類の姿勢保持具 ▲ ▲写真1 入浴リフトの例 写真3 42℃のお湯から出して3分後の熱画像 (左が開発品、右2つが従来品のサンプル) 介護者の身体的負担が大きい作業の一つに「入浴介護」があります。この負担 を軽減する機器として入浴用リフトが実用化されていますが、体型や障がいの程 度によって、身体にフィットしない利用者が多いという現状があります。利用者の 安心感を高めるための入浴用リフトの姿勢保持具を開発しています。 お風呂で使う姿勢保持具であるため、以下 のような要求項目があります。 ① 浴槽内で浮き上がらない ② 水切れが良く乾きやすい ③ 肌触りが良く痛くない ④ 冷たくない ⑤ 取り付け、取り外しが簡単 共同研究機関 協力機関 施設の介護者等の意見を参考にして、3種 類の姿勢保持具の形状を決定しました(写真 2)。また、素材として、ゲルを利用することで、 柔らかさと冷めにくさを両立しました(写真3)。 商品化に向けて、耐久性の向上を目指し ています。 ソフトプレン工業㈱、㈱アマノ 厚寿苑、マインド お問い合わせ先 工業技術研究所 ユニバーサルデザイン科 電話 054-278-3024 - 3 - 静岡県工業技術情報 No.80(2012) 技術解説 10 1 0.1 0.01 1 10 100 1000 周波数 Hz この振動数範囲の加速度実効値は 5.8m/s2 である。 供試品の一姿勢当たりの推奨最低試験時間は 30min とする。 ▲図1 加速度パワースペクトル密度 な加速度が発生する確率は非常に低く (0.3%)なります。通常はこの値を超える信号 が出ないように制限して試験を実施します。 例えば、図1の加速度実効値 5.8m/s2 のラン ダム振動試験では、振動台の加速度の最大 瞬時値は 17.4 m/s2 となります(図2)。 20 3σ 15 2σ 10 rms値 5 加速度 m/s2 1 概要 例えば、包装貨物を輸送している走行中 のトラックのタイヤには路面の凹凸が振動とし て伝わり、その振動がサスペンションを経由し て荷台に伝わります。したがって、荷台の振 動は典型的なランダム振動になります。つま り、ランダム振動試験は、実際の輸送振動環 境を適確に再現する方法です。ランダム波は 正弦波のように同じ波形が繰り返されること がありません。ランダム振動は確率的性質を 持っているので、統計的平均に基づいて表 現する必要があります。ランダム振動試験で は、振動数は加速度パワースペクトル密度で、 振幅は振幅確率密度で表現します。 2 加速度パワースペクトル密度 振動数に関して加速度がどのように分布し ているかを表すために加速度パワースペクト ル密度関数を用います。振動試験は加速度 パワースペクトル密度及び試験時間で条件を 規定します。試験時間及び振動台の加速度 パワースペクトル密度は再現すべき輸送デー タがある場合にはそのデータを使用します。 可能な限り特定の輸送車両の測定データか ら得た加速度パワースペクトル密度で試験す ることが望ましいです。しかし、振動数範囲と 加速度パワースペクトルとの関係の利用でき るデータがない場合には、JIS Z 0232:2004 の付属書 A に規定する一般的な輸送(主とし て道路)環境を模擬するために使用できる加 速度パワースペクトル密度を用います(図 1)。 3 振幅確率密度 ランダム振動試験で用いる加速度の瞬時 値の分布は正規分布(ガウス分布とも呼びま す)に従います。実効値の3倍を超える大き 加速度パワースペクトル密度 (m/s2 )2 /Hz ランダム振動試験 σ 確率 0 時間 -5 σ -10 2σ -15 3σ -20 ▲図2 ランダム振動加速度信号と 振幅確率密度分布 沼津工業技術支援センターにはランダム 振動試験が可能な水平/垂直切替式複合 環境振動試験装置(エミック株式会社製 F-1500BD/LA16AP)を設置しています。お 気軽にお問い合わせ頂き、是非、御利用くだ さい。 お問い合わせ先 沼津工業技術支援センター 機械電子科 電話 055-925-1104 - 4 - 静岡県工業技術情報 No.80(2012) 平成22年度 技術研究所施設備品等整備事業 設備紹介 走査型電子顕微鏡 ▲写真 走査型電子顕微鏡 走査型電子顕微鏡は、電子線を試料に照射することで、光学顕微鏡より高い 倍率の観察を可能とします。金属材料の結晶構造や欠陥のほか、有機物である 紙の繊維などもそのまま観察できます。また、エネルギー分散型 X 線分析ユニッ ト(EDX)を搭載しており、非破壊で組成分析することも可能です。 <構成および用途> この走査型電子顕微鏡 S-3400 は、可視 光より短い波長の電子線を利用し、30万倍 の高倍率で試料観察ができます。また、従来 の電子顕微鏡は、有機物などの絶縁体の観 察には導電膜を付ける必要がありましたが、 本装置には絶縁体をそのまま観察する機能 があります。さらに、観察部分からの蛍光X線 を検出し組成分析を行うEDXが搭載されて おり、膜断面構造の組成分析などに威力を 発揮します。観察可能な試料サイズは最大 200mmφ×80mm で、大きな試料も切断せ ずに観察できます。 MS-Windows ベースの操作系が利用さ れており、画面指示に従って操作すれば、初 心者でも安心して利用することができます。 <主な仕様> ■走査型電子顕微鏡 機種名:S-3400 メーカー:株式会社日立ハイテクノロジーズ 倍率:×5~×300,000 最大試料サイズ:200mmφ×80mm 検出方法:二次電子、反射電子 その他:ターボ分子ポンプ搭載 低真空観察モード ■エネルギー分散型 X 線分析ユニット 機種名:EMAX X-act メーカー:株式会社堀場製作所 ペルチェ冷却式シリコンドリフト検出器 元素分析範囲:B~U お問い合わせ先 富士工業技術支援センター 機械電子科 電話 0545-35-5190 - 5 - 静岡県工業技術情報 No.80(2012) 平成23年度 機械工業育成機器整備事業(JKA) 設備紹介 変動音解析装置 ▲図1 音質評価システム Oscope 2 (㈱小野測器)による 機械装置騒音の変動周波数解析 ▲図2 サウンドデザインシステム LEA (GENESIS)による 機械装置騒音の加工 近年、自動車の車室内の静粛性や生活家電の運転音の大きさは、商品の購入 を決める主要な条件の一つになっています。工業製品の研究開発・品質管理の ために「騒音を調べる」ことが必要とされています。騒音の分析にご利用ください。 本装置の導入に当たり、財団法人JKAによるオートレースの補助金を受けています。 <概要> 工業技術研究所では、FFTアナライザに より音の高・低を解析することで企業が開発 する様々な製品の騒音対策を支援してきま した。 今回、詳細な騒音解析に対応するために、 従来のFFTアナライザでは実現できなかった 低周波の変動成分の特定・抽出・加工が可 能な装置を導入しました。変動成分について、 音の高・低(音色)とゆっくりとした変動周波数 を同時に解析することによって、製品音の不 快原因の究明や異音検出に役立てることが できます。 <用途> ガタツキ音やビビリ音の様な時間的変動が 顕著な音は、騒音レベルが比較的小さい場 共同研究機関 合でも耳障りに感じます。工業製品の動作音 を快適にする研究開発をする場合等に、是 非、ご相談ください。 <仕様> 変動周波数解析範囲:0.5~200Hz 変動周波数バンド幅:0.5~100Hz (0.5Hz 間隔) 信号処理:FIR フィルター、パラメトリックイコ ライザ、グラフィックイコライザ 波形解析:時間周波数解析、1/N オクタ ーブ解析(N=1,3,6,12,24)、音 質(ラウドネス・シャープネス・ラ フネス・変動強度・トーナリティ) 解析、言語明瞭度解析 騒音源の電子ファイル:WAVE 形式 県内企業 お問い合わせ先 工業技術研究所 電子科 電話 054-278-3027 - 6 - 静岡県工業技術情報 No.80(2012) 平成23年度 機械工業育成機器整備事業(JKA) 設備紹介 恒温槽付き万能試験機 ▲図2 -40℃での引っ張り試験 ▲図1 恒温槽付き万能試験機 AG-50kNXDplus+TCR1WF (㈱島津製作所) 万能試験機は、圧縮・引っ張り・曲げなどの試験により、様々な素材の強度を 計測する試験機です。恒温槽が付属したことにより、常温での各強度試験に加え、 -40~250℃での引っ張り試験が可能となりました。なお、本装置の導入に当たり、 財団法人 JKA によるオートレースの補助金を受けています。 <概要> 万能試験機は様々な素材の強度を計測 する装置です。静岡県工業技術研究所本所 では、昭和57年に万能試験機、昭和59年 に万能試験機用恒温槽を導入し、常温での 各種強度試験および、低温や高温での引っ 張り試験に対応してきました。その後、県内 事業者の需要に応じ、常温用の試験機は、 増設・更新してきましたが、今回、主に自動 車関連産業や建材メーカーからの要望に対 応するため、より精度が高く(JIS B 7721 0.5 級)、-40~250℃の環境下での引っ張り試 験が可能な試験機に更新しました。 操作、データ処理は、一括してパソコンで 制御するタイプになっており、企業の皆様にも 使いやすい装置です。是非、ご相談ください。 <仕様> 精度:JIS B 7721 0.5 級 (表示試験力の±0.5%以内) ロードセル:5kN、50kN(交換式) 校正回路、定格識別機能搭載 レンジレス 試験速度:0.005~1000mm/min 有効試験巾:500mm OS:Windows 7 制御ソフト:TRAPEZIUM X サンプリング速度:0.2msec~ 恒温槽:-40~250℃ お問い合わせ先 工業技術研究所 工芸科 電話 054-278-3024 - 7 - 静岡県工業技術情報 No.80(2012) 平成22年度 JST地域産学官共同研究拠点整備事業 設備紹介 試料観察用顕微鏡システム ▼写真2 ピコ秒レーザーで加工した ▼写真3 ファイバーレーザーによる ステンレス基板の表面 ステンレス材の溶け込み 断面の寸法計測 ▲写真1 試料観察用顕微鏡システム 断面の高さ プロファイルと測定値 微細な周期構造 ▲写真4 デジタルズームによる観察 ▲写真5 表面の三次元解析 レーザー等を用いて微細加工した試料の観察用ツールの一つとして、試料観 察用顕微鏡システムを導入しました。デジタルマイクロスコープとしては高倍率 な光学 1,000 倍での観察や、高精度な深度合成画像、立体的な三次元画像等 による観察が可能です。 <概要> 独立行政法人科学技術振興機構の平成 21年度地域産学官共同研究拠点整備事 業に、「はままつ次世代光・健康医療産業創 出拠点」が採択されました。浜松地域の産業 活動に「医療・医学」のシーズ・ニーズを加え て、産学官で「健康・医療関連産業」の創出・ 確立を目指しています。 当事業の目的の一つである、ものづくり産 業の創出としては、レーザー加工をコア技術 として医療用及び医学研究用機材の製作、 金属等の三次元造形技術の開発が進めら れています。導入した顕微鏡システムは、レ ーザーを用いた微細加工試料の観察に適し た高倍率での観察や、三次元立体画像の表 示、距離・深さのリアルタイム計測、ハレーシ ョン除去など、高い基本性能と実用性に加え、 高度なデジタル処理機能も備わっており、ス ピーディーで鮮明な観察が可能です。是非、 ご利用下さい。 <仕様> 型式:VHX-1000(キーエンス社製) 撮像素子:1/1.8 型 211 万画素 CCD 有効画素数:1628(H) × 1236(V) モニタサイズ:カラー液晶 17 型 レンズユニット(3種類):~200 倍/ 50~200 倍/100~1,000 倍(光学) お問い合わせ先 浜松工業技術支援センター 光科 電話 053-428-4157 - 8 - 静岡県工業技術情報 No.80(2012) 平成23年度 機械工業育成機器整備事業(JKA) 設備紹介 ▲ 恒温恒湿器 写真2 恒温恒湿器内部 ▼図1 温湿度制御可能範囲 ▲写真1 恒温恒湿器外観 電気・電子部品や車載部品、モバイル製品などの信頼性評価試験に使用する 恒温恒湿器を財団法人JKAによるオートレースの補助金で導入しました。冷却 能力の向上と温湿度の制御範囲の拡大で効率的な試験が実施できます。 <概要> 本年度、浜松工業技術支援センターに電 子機器や自動車の車載部品、樹脂製品など の温湿度サイクルによる信頼性評価試験に 使用する恒温恒湿器を導入しました。 装置は、大きな製品や複数個の試料に対 応可能な大型試験槽タイプで、冷凍システ ムの能力向上により冷却速度が向上し、試 験時間の短縮化が図られるだけでなく、比較 的大きな発熱が予想される試料でも安定し た試験条件で対応できるようになりました。温 度・湿度の制御範囲も拡大しており、高温高 湿度域(95℃/98%rh)の試験も安定して制 御できることから加速試験も実施できます。 また、試料に温度測定用センサ(1点)を取 り付けることで試験品の温度をモニタリングし た機器制御ができるようになりました。 使い勝手の向上した恒温恒湿器を信頼性 評価試験にご利用下さい。 <仕様> 機種:ARS-1100-J エスペック株式会社 容量:1100ℓ(1100×1000×1000 ㎜) 温度制御範囲:-75~+180℃ 温度上昇速度:4.7℃/分* 温度下降速度:4.1℃/分* *(周囲温度 20℃、試料なしの場合) 許容発熱負荷:4,500W(槽内温度 20℃時) (温湿度試験時:最大 500W) 温湿度制御範囲: +10~+95℃/10~98%rh(図1) お問い合わせ先 浜松工業技術支援センター 繊維高分子材料科 電話 053-428-4154 - 9 - 静岡県工業技術情報 No.80(2012) 専門技術相談員事業 相談員活動紹介 無製版プリントシステム(IJPS)の活用状況の紹介 IJPSによる新製品開発について紹介します。 浜松工業技術支援センターでは、平成22 年に顔料プリントと抜染及び反応染料プリント ができる無製版プリントシステム(IJPS)を導 入して、県内の繊維関連業界への技術支援 を行っています。顔料プリントは、前処理が不 要な上、数時間で試作品ができることから企 業などの利用が多くなっています。この装置 を活用した技術指導の事例を紹介します。 イルデザイン展(平成23年10月12~17日) のワンピースやスカート(24点)のデザインプリ ントをIJPSを使用して協力しました。(写真1) ※着抜:有色の生地に脱色剤と染料を同時 に処理し、抜染(脱色)と染色を一度に行 って目的の色に再染色する技術。染色資 材の使用量が少なく、後加工が可能だが、 色調が変化しやすい。 ○ゆかた展示会での展示 浜松産業展示館で平成23年7月2~3日 に開催された「注染・ゆかた・和装展」で着抜 → ※ 浴衣縫製品やIJPSによる見本帳・紹介ポ スター、新作浴衣生地、研究紹介などを展 示して、繊維技術の普及や開発支援を行い ました。 着抜浴衣の試作では、IJPSに適した脱色 しやすい反応染料について技術検討を行い ました。(表1)脱色しやすい染料が殆どでした が、B-19 だけが黄色に脱色されました。また、 抜染の方法は完全に脱色させる方が色調の 変化が少ないことが分かりました。(図1) 不完全脱色(抜染のみ) 異なる色調 → オリジナルと同じ色調 完全脱色(抜染のみ) ▲図1 抜染方法と仕上り色調 表1 抜染されやすい染料 反応染料 濃度 判定 Y-15 2% ○ O-16 2% ○ R-21 2% ○ B-19 2% △ Black-5 2% ○ △:黄色 ▲写真1 デザイン展示会 (田端) ○専門学校への協力 服飾専門学校が行ったワンピーステキスタ お問い合わせ先 浜松工業技術支援センター 繊維高分子材料科 電話 053-428-4154 - 10 - お 知 ら せ イベント開 催 情 報 (詳 細 内 容 はホームページで確 認 できます。) 工業技術研究所 研究発表会 1 日 時 平成 24 年 3 月 16 日(金) 2 会 場 工業技術研究所 (静岡市葵区牧ヶ谷 2078) 3 内 容 4 参加費 工業技術研究所にて平成 23 年 度に実施した研究開発の成果を 発表します。 詳細内容は決定次第ホームペー ジにてお知らせいたします。 http://www.iri.pref.shizuoka.jp/ 無料 5 お問い合わせ先 工業技術研究所 企画調整部 TEL 054-278-3028 E-mail [email protected] ▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼ 「しずおかデザイン情報サービス」をリニューアル 地域の産業界やデザイナーなど中小企業のデザイン開発及び製品PRを支援します。 平成 23 年度より、デザイン情報力強化を目的に、(財)しずおか産業創造機構と工業技術研究所でそれぞれ担当 していたデザイン相談体制を一元化し、デザイナーズバンクの管理・運営、デザインライブラリーの整備・開放を工 業技術研究所が行うことになりました。 Webサイトはこちら → http://www.iri.pref.shizuoka.jp/dis/ 工業技術研究所で、デザイン情報提供・技術相談・研究開発・機器使用について、一体的に中小企業を支援いた します。デザイン開発の際には御活用ください!! ~もっと安全で快適なドライブを~ 静岡県内「御殿場JCT」~「三ケ日JCT」が開通! 新東名高速道路“2012 初夏”静岡県内開通 ・ゆるやかなカーブとなだらかな勾配で、安全で快適、エコなドライブが楽しめます。 ・2つの東名により、交通渋滞の緩和や、災害発生時の緊急輸送路としての機能が期待されます。 ・静岡県内には、11 ヶ所のICが設置され、個性豊かなSAやPAがくつろぎや安らぎを提供します。 詳しくはこちら → http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-210/new-tomei/ 専門員が企業へお伺いし、『ニーズの発掘』・『技術的なアドバイス』・『助成金等の ご紹介』などについて相談をお受けします。 工業技術研究所では、経験豊かな研究員のノウハウを生かすために、専門員として再任用し、技術相談の対応 紙へリサイクル可 や、依頼試験などの支援業務を行っています。 また、現場へお伺いし、研究所及び技術支援センターのPRやご意見・ご要望をお聞きしています。さらに、技術 相談・研究などで関わりのあった企業へのフォローアップを行っています。 専門員による訪問相談をご希望の方は、以下のお問い合わせ先までお気軽にご連絡ください。専門員がお伺い します。 お問い合わせ先 工業技術研究所 企画調整部 電話:054-278-3028 静岡県工業技術情報 No.80 平成 24 年1月発行 編 集 静岡県工業技術研究所 〒421-1298 静岡市葵区牧ヶ谷 2078 TEL 054-278-3028 FAX 054-278-3066 静岡県工業技術研究所 沼津工業技術支援センター 〒410-0022 沼津市大岡 3981-1 TEL 055-925-1100 FAX 055-925-1108 紙へのリサイクル可 静岡県工業技術研究所 富士工業技術支援センター 〒417-8550 富士市大渕 2590-1 TEL 0545-35-5190 FAX 0545-35-5195 静岡県工業技術研究所 浜松工業技術支援センター 〒431-2103 浜松市北区新都田 1-3-3 TEL 053-428-4152 FAX 053-428-4160
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