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花王ケミカルだより51号

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ISSN 0914-4110
花王ケミカルだより
生きた技 術情報をお届けします
特 集
1
おいしい水はさまざま
産業あれこれ
6
しお(塩)
業界最前線
8
乗り降りの楽な急行エスカレーター
花王プロダクト
10
「アミノーン C -11S」
「カルコール 」シリーズ
「MDJ」
ト レ ン ド
15
高密度フォトンと物質との相互作用
花 王 だより
16
花王ケミカルだより
生きた技 術情報をお届けします
特
集
おいしい 水 はさまざま
1
産 業 あれこれ
しお(塩 )
6
業界最前線
乗り降りの楽 な急行エスカレーター
8
花王プロダクト
「アミノーン C -11S」
( 高性能増泡剤)
10
「カルコール」
シリーズ
(花王の高級アルコール)
12
「 MDJ (
」ジャスミン様合成香料)
14
素材:
「エディフォーム 」でつくった
塵のでにくい靴底の摩耗粉の
走査電子顕微鏡写真例。
ト レ ン ド
高密度フォトンと物質との相互作用
15
徳島大学大学院工学研究科エコシステム工学専攻
教授 三澤弘明
花 王 だより
「優秀先端事業所賞」
を受賞
●
16
表紙:
状況をイメージしながら、上の
写真をデジタル処理して作成
した画像。
「第14回全国合同マイテイ会」
を開催
●
「セミコンジャパン2002」
に出展
●
●
花王の家庭品:
サクセス薬用「フラバサイト」
●
花王の家庭品:
黄ばみを落として、つややかな白い歯 に
「クリアクリーンプラス ホワイトニング」
表紙の写真:
写真の素材として上段に示したようなものを用意し、ついで
上記のようにして得たのが表紙のデザイン画像です。
靴底用ポリウレタン樹脂の開発に際しては、素材の写真に
示した ような 例 を 含 め て、靴 底 が すり減って いく状 況 など
さまざまな角度から観察・研究しながら、靴底に最適なポリウ
レタン樹脂を開発しています。
特 集
おいしい水はさまざま
私たちは日ごろ、水道水や 井戸水を炊事、洗濯、入浴などに使ったり、
湯を 沸 かしてお茶やコーヒー などを 入 れて 飲 ん で います。
最近ではミネラルウォーター や 浄水器などが話題となり、おいしい 水 へ の 意識が高まっています。
前号に引き続き、身近にある飲料水を中心にしてご説明します。
はじめに
が 著しく低 下しました。そこで浄 水 処 理 場 では 、 水 道 水と
私 たちは 毎日、 特 に 何も考えることなく蛇 口をひ ねっ
した。このアンモニア性 窒 素 や 鉄 、マンガンなどを除 去 する
て 水 を 出し 、さまざまな目 的 に 水 道 水 を 使 って います。
処 理工程では、塩素と土壌から溶け出したフミン酸などの
日本は 資 源に乏しい 国といわ れ ていますが 、 降 水 量 の 多
有機物とが反応して、トリハロメタンなどが生成します。
い日本 では 水 は 比 較 的 豊 富な資 源 のひとつ です。もちろ
また、富栄養化により繁茂した藻類が作りだす2 - メチル
ん 、水 の 源 は 森 林 や 山 地 に 降る雨 や 雪などです。それら
イソボルネオール
(カビ臭の原因物質のひとつ)
などのた
は 湖 や 河 川となり海に流 れ 込むか、 大 地に浸 透して地 下
め、
“ 水道水がカビ臭くまずい”という苦情が多くなりま
水となります。 水 道 水として 利 用 できる水 は 、地 下 水 や
した。もちろん、このような水道水でも2∼3分間沸騰
湖 水 、 山 間 部 のダムに貯 められた河 川 水などです。
させれば、ほとんどカビ臭などは飛んでなくなります。
水道水は、地下水をくみ上げて処理場で浄化処理した
水道法では、蛇口を出た水には0.1ppm以上の遊離塩
浄水や、河川あるいは湖などから取水した水を浄水場で
素
(カルキともいう)
が存在することと定められています。
さまざまな浄化設備を用いて浄化・殺菌した浄水です。
浄水場では、処理工程の最後で塩素処理(殺菌処理)を
浄水場で行われている浄化処理工程は、次の通りです。
行うことで、これを満たすよう塩素濃度を管理していま
【1】水源から取水する。
す。しかも、水道法上では塩素濃度の上限値は規定され
【2】沈殿池に貯め、取水した原水中の土砂を沈殿除去する。
ていません。このため、一般的に微生物が繁殖しやすい
【3】ポリ塩化アルミニウムなどの凝集剤を添加・混合し、
夏場は、安全を考慮して塩素濃度は高く管理されてい
熟成した後に沈殿を除去する。
ます。その結果、夏場には“水道水がカビ臭く、カルキ臭
【4】塩素を注入し、アンモニア性窒素や鉄、マンガンなどを
くてまずい”ということになってしまいます。
して の 水 質を確 保 するため 、 塩 素を多く使うようになりま
酸 化 除 去 する。
この問題を解決するため、平成4年12月1日付で
「水道
【5】急速ろ過を行う。
水質に関する基 準のあり方」
について、生活環境審議会の
【6】塩素を注入して殺菌する。
答申が出されました。この新しい水質基準には、
【7】配水池にため、 送水ポンプで給水所に送水する。
【1】健康に関する29項目
(表1-1参照)
水 道 水はこのように浄 水 処 理され 、 各 家 庭に毎日送られて
【2】
水道水が有すべき性状に関する17項目
(表1-2)
います。
の46項目が定められています。
1980年代、東京や大阪などの都市圏の浄水場では、源水
また、水質基準を補完するものとして、おいしい水供給
の急 激な富 栄 養 化が進 行しました。この原 因は、 取 水 場よ
のための目標値として、
りも上流の河川に、周辺地域からの生活排水や水田の水、
【3】快適水質項目
(13項目)
( 表1-3)
ゴルフ場に降った雨 水などが流 入し、 窒 素 やリン分などが
新たな化学物質の汚染状況を把握するため
増 加したためです。このため、 大 都 市 圏 の取 水 場で夏には
【4】監視項目(26項目、平成12年9月現在では35項目)
らん藻 類やアオコなどが著しく繁 茂 するなど、 源 水 の水 質
(表1-4参照)
1
特 集
の 合 計 8 5 項目になっています( 平 成 1 2 年 9 月現 在 では
【3】オゾンを注入し、有機物を酸化作用で分解除去する。
94 項目、平成4年 12 月1日以前の水質基準は 2 6 項目のみ)
。
【4】活性炭で有機物を吸着し、微生物で分解除去する。
このような水質基準をクリアするために、地方自治体では
【5】急速ろ過を行う。
下水道の整備が精力的に行われています。また、東京都など
【6】塩素を注入して殺菌する。
の都市圏の浄水場では、高度浄水処理の導入が検討され、
【7】配水池にため、送水ポンプで給水所に送水する。
例えば、粉末活性炭処理やオゾンによる酸化分解処理など、
高度浄水処理では、自然環境由来の有機物が存在する状
高度浄水処理が積極的に導入されています。ここで、高度浄
況下で塩素処理を行わないため、フミン酸などの有機物と塩
水処理の例を次に説明します。
素との反応生成物であるトリハロメタンなどがほとんど生成し
◆ 高度浄水処理例
ません。また、カビ臭などの原因となる有機物もオゾンで酸化
水道水が「カビ臭くてまずい」のを解決するため、開発、実
分解されます。このようにして、オゾンの強い酸化・殺菌作用
用化されたのが高度浄水処理です。この高度浄水処理は、
によりきれいでおいしい水が得られることになります。なお、高
活性炭吸着処理、オゾン処理、生物処理などがあります。源水
度 浄 水 処 理した 水 道 水 に つ い ても、“ 蛇 口をでた 水 に
の水質状況に応じて、これらの方法を単独あるいは組み合わ
0.1ppm 以上の遊離塩素を含むこと”という水道法の基準か
せることで、おいしい水道水が得られます。
ら、最終工程での塩素注入は省けません。しかし、きれいにな
高度処理の一例を次に示します。
った水に塩素注入するので、水道水のカルキ臭はわずかとな
【1】水源から取水する。
り、おいしさは損なわれません。水道局では、きれいで安全な
【2】沈殿池で取水した河川水(源水)中の土砂を沈殿除去する。
浄水を供給する努力を続けています。
表1-1 水道水の水質基準ー健康に関連する項目
(東京都水道局、29項目)
項 目
基 準 値
一般細菌
100個/mL以下
大腸菌群
検出されないこと
カドミウム
0.01mg/L以下
水銀
項 目
備 考
亜鉛
細菌
0.0005mg/L以下
基 準 値 備 考
1.0mg/L以下
鉄
0.3mg/L以下
銅
1.0mg/L以下
200mg/L以下
味
色
マンガン
0.05mg/L以下
0.01mg/L以下
塩素イオン
200mg/L以下
鉛
0.05mg/L以下
硬度
(カルシウム、
マグネシウムなど) 300mg/L以下
六価クロム
細菌
・
0.01mg/L以下
重金属
0.05mg/L以下
シアン
0.01mg/L以下
フェノール類
硝酸性窒素および亜硝酸性窒素
10mg/L以下
フッ素
0.8mg/L以下
四塩化炭素
1,2-ジクロロエタン
0.02mg/L以下
シス-1,2-ジクロロエチレン
0.04mg/L以下
0.03mg/L以下
ベンゼン
0.01mg/L以下
クロロホルム
0.06mg/L以下
ジブロモクロロメタン
0.1mg/L以下
ブロモジクロロメタン
0.03mg/L以下
ブロモホルム
0.09mg/L以下
1,3 -ジクロロプロペン
シマジン(CAT)
チウラム
項 目
残留塩素(1)
1mg/L程度以下
臭気強度(TON)
3以下
遊離炭素
20mg/L以下
有機物など(過マンガン酸カリウム消費量)
0.02mg/L以下
カルシウム、
マグネシウムなど
(硬度)
チオベンカルブ
(ベンチオカーブ) 0.02mg/L以下
目標値
備考
0.01mg/L以下
色
0.2mg/L以下
0.00002mg/L以下
2 -メチルイソボ 粉末活性炭処理
ルネオール
粒状活性炭等恒久設備 0.00001mg/L以下
におい
0.00002mg/L以下
粉末活性炭処理
ジェオスミン
粒状活性炭等恒久設備 0.00001mg/L以下
0.1mg/L以下
0.006mg/L以下
味
表1- 3 水道水の水質基準ー 快適水質に関連する項目
(東京都水道局、13項目)
アルミニウム
農薬
10mg/L以下
5.8 ∼ 8.6
2 度以下
マンガン
0.003mg/L以下
におい
異常でないこと 基礎的
性状
5 度以下
濁度
消毒
副生成物
0.3mg/L以下
異常でないこと
味
0.006mg/L以下
トリクロロエチレン
総トリハロメタン
pH値
一般
0.01mg/L以下 有機物
0.2mg/L以下 発泡
0.005mg/L以下
有機物など
(過マンガン酸カリウム消費量)
0.004mg/L以下
0.02mg/L以下
1,1,2-トリクロロエタン
1,1,1-トリクロロエタン
色度
味
500mg/L以下
陰イオン界面活性剤
臭気
1,1-ジクロロエチレン
テトラクロロエチレン
蒸発残留物
0.002mg/L以下
ジクロロメタン
色
ナトリウム
セレン
ヒ素
2
表1- 2 水道水の水質基準ー水道水が有すべき性状に
関連する項目 (東京都水道局、17項目)
3mg/L以下
10∼100 mg/L
味
蒸発残留物
30∼200mg/L以下
濁度
給水栓で1度以下 濁り
表1- 4 水道水の水質基準ー監視項目
(東京都水道局、35項目)
項 目
指 針 値
トランス-1,2-ジクロロエチレン
0.04mg/L以下
トルエン
0.6mg/L以下
キシレン
0.4mg/L以下
p-ジクロロベンゼン
0.3mg/L以下
1,2-ジクロロプロパン
0.06mg/L以下(2)
フタル酸ジエチルヘキシル
0.06mg/L以下
ニッケル
0.01mg/L以下(2)
アンチモン
0.002mg/L以下(2)
ホウ素
1mg/L以下
モリブデン
0.07mg/L以下
ウラン
0.002mg/L以下(2)
亜硝酸性窒素
0.05mg/L以下(2)
二酸化塩素
0.6mg/L以下
亜塩素酸イオン
0.6mg/L以下
ホルムアルデヒド
0.08mg/L以下(2)
ジクロロ酢酸
0.02mg/L以下(2)
トリクロロ酢酸
0.3mg/L以下(2)
ジクロロアセトニトリル
0.08mg/L以下(2)
抱水クロラール
0.03mg/L以下
イソキサチオン
0.008mg/L以下
ダイアジノン
0.005mg/L以下
フェニトロチオン
(MEP)
0.003mg/L以下
イソプロチオラン
0.04mg/L以下
クロロタロニル
(TPN)
0.05mg/L以下
プロピザミド
0.05mg/L以下
ジクロルボス
(DDVP)
0.008mg/L以下
フェノブカルブ
(BPMC)
0.03mg/L以下
クロルニトロフェン
(CNP)
0.0001mg/L以下(1)
イプロベンホス
(IBP)
0.008mg/L以下
EPN
0.006mg/L以下
ベンタゾン
0.2mg/L以下
カルボフラン
0.005mg/L以下
2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D) 0.03mg/L以下
0.006mg/L以下
トリクロピル
1pg-TEQ/L以下(2)
ダイオキシン
備 考
一般
有機物
無機物
・
重金属
酸化剤及び
その分解生成物
消毒
副生成物
農薬
非意図的生成物
注:
(1)暫定水質管理指針値(2)
暫定指針値(毒性評価が当面の
腐食
もの)● 平成12年9月11日に、
監視項目について一部 改 正があ
pH値
7.5程度
り、新たに二酸化炭素と亜塩素酸イオンが追加されました。
注:
(1)水道法により塩素消毒が義務づけられており、蛇口における 東京都水道局では、
これらの項目については、浄水処理工程で
遊離残留塩素を0.1mg/L以上保持することが定められています。 使用していないため、実施していない。
ランゲリア指数(腐食性)
-1 程度以上
おいしい 水 はさまざま
するときに必要なだけ処理することが、安全な使用方法とな
ります。また、 活 性 炭の吸 着 能力には限 界があり、 定 期 的に
浄 水 器の一 部を交 換する必 要があります。なお、ミネラル分
に富んだ清水が得られるように、 鉱物層を充填した清水器も
市販されています。
最近では、中空糸膜フィルターの代わりに海水の淡水化や
超純水の製造などに用いられる逆浸透膜 (RO 膜)を使用
したものもあります。この膜は中空糸膜フィルターに比べ 、膜を
全部の水が透過するのでなく、一部は膜を透過せずに残るた
め、目詰まりしにくい特長を持っています。ところが、水と気体
夫婦石浄水場(福岡)
などの小さな分子だけを通し、水に溶けているカルシウムやマ
グネシウムなどのミネラル分までも除かれてしまいます。この欠
家庭における水道水の処理器具
点を改善するため、逆浸透膜で処理した後、ミネラル分を補給
するために、充填した鉱物層を通す浄水器もあります。
ところで、今消費者の間で、ミネラルウォーターなどの安全で
◆ 電気分解処理 - アルカリイオン水
おいしい水が歓迎されています。このおいしい水の条件には、
水に一対の電極を入れ、その間に、イオン性物質は通すが
次の 5 項目があげられます。
液体の水自体の自由な往来を阻害する隔壁を設けます。水
遊 離 塩 素を含まない。
道水などは電気をほとんど通さないため、電流が流れやすく
ミネラルをバランスよく含む。
するために、少量の乳酸カルシウムやグリセロリン酸カルシウ
●
酸 素や二 酸 化 炭 素などのガスが溶け込んでいる。
ムなどを溶かします。この装置の各々の電極間に直流電圧を
●
硬 度が高くなく、 軟 水である。
かけると、陽極には乳酸イオンなどの陰イオンが引きつけられ、
●
弱アルカリ性である。
陰極にはカルシウムイオンなどの陽イオンが引きつけられます。
●
●
一般家庭において、水道水を手軽においしく変える手段とし
ここで、電極間におよそ 4 Vあるいはそれ以上の電圧をかけ
て浄水器があります。浄水器にはさまざまな形状のものがあり、
ると、いわゆる水の電気分解反応が起こります。陽極では酸
素ガスの発生と H+イオンの放出が、陰極では水素ガスの発
たとえば、
簡易型浄水器
生と OH -イオンの放出が起こります。
アルカリイオン整水器
このとき、電極表面で起こる反応は次のように表されます。
●
●
●
磁気処理器
その他の処理器
●
などがあります。
ここで、これらのおいしい水をつくる処理器について、その
機構を簡単に説明します。
陽極側 陰極側
2H 2 O
4H 2 O + 4e-
4H+ + O 2 + 4e4OH- + 2H 2
全 体 6H 2 O 4H+ + 4OH- + O 2 + 2H 2
◆簡易型浄水器
水道水の蛇口に付けて使用する簡易型や据え置き型など
電気分解反応により、陽極側では陰イオンの増加した酸性
があります。安価で手軽なことを特長とし、主に活性炭による
水が得られ、陰極側ではカルシウム、ナトリウムなどの陽イオン
吸着処理と中空糸フィルターによるろ過処理などを組み合わ
が増加したアルカリイオン水が得られます。ここで得られるアル
せたものです。
カリイオン水の pH は、電気分解に使用された電流の量が多
その一般的な構成は、フィルター+活性炭+中空糸膜フィ
いほど高くなり、8.5 から 10.0 以上の値を示します。また、アル
ルターで成り立っています。水の構造変化やミネラル分の増
カリイオン水は水に溶けにくい水酸化カルシウムの微結晶など、
加などの効果は期待できませんが、活性炭で塩素(カルキ)
ミネラル分を含んでいます。
やカビ臭などの微量有機物を吸着除去し、中空糸膜フィルタ
アルカリイオン水をつくる整水器はさまざまなメーカーから
ーで鉄さびなどの微粒子や細菌などを除去しています。きれ
市 販され 、中には薬 事 法に基 づく
「 医 療 用 物 質 生 成 器 」と
いで清浄な水が得られますが、殺菌成分の有効塩素を含ま
して認められているものもあります。また、電気分解槽だけで
ないため、時間とともに雑菌が繁殖するおそれがあります。こ
なく、 前 処 理として浄 水 機 能を持 つアルカリイオン整 水 器
のため、処理後長い時間の貯蔵はできません。従って、使用
などもあります 。
3
特 集
◆ 電気分解処理 - 強酸性水
表 れることになります。また、 磁 場 により水が変 化したと
最 近 、 食 品 工 場や 病 院などで、 除 菌 洗 浄や 衛 生 管 理に
しても、磁 場から離れ てしまえばその影 響はなくなり、もと
強酸性水が使われています。強酸性水とは、次亜塩素酸を
の状 態に戻ってしまうものと思われます 。
有効成分とする安全性の高い除菌洗浄水で、水に塩化ナト
ところで、水に溶けているイオン分子は、 磁場を通るとき
リウムなどを加え電気分解すると、陽極側で得られます。アルカリ
に影 響を受けると考えられます。イオン分 子が水とともに動
イオン水で説明したように、電気分解処理によって陽極側に
けば、電 流 が 流 れ たことと同じになり、磁 場と電 流との相
酸性水がつくられますが、塩化ナトリウムを使うと塩素イオン
互作用により、イオン分子に対して力が働きます。また、イオ
が酸化され 塩素ガスとなり、さらに水と反応して次亜塩素酸
ン分子の流れによる電 流だけでなく、磁 場が変 化すれ ば渦
(HC lO、下記の反応式を参照)
を生成します。強酸性水に含
電 流も発 生します。この微 弱な電 流の効 果についてははっ
まれる次亜塩素酸は、強力な酸化・殺菌作用を持っており、
きりしておらず、水に対して効 果を持 つ のかもしれません。
このため食品工場や病院での除菌洗浄に使われるのです。
◆その他の処理器
ミネラルウォーターがおいしい 水 の代 表とされ ていること
陽極側 2Cl
-
Cl 2 + 2e-
Cl 2 + H 2 O H + + Cl - + HClO
陰極側 2Na + + 2H 2 O 2NaOH + 2H +
から、 自 然 界 のあらゆる状 況を模 倣して、 おいしい 水を
つくる処 理 器が 考 案され ています 。しかも、 ひとつ の 手
段だけでなく組み合わ せることで、より高い効 果が期 待で
きるとする処 理 器もあります 。 例えば、セラミックやトルマリ
ン石 (電気石)を利用した処理器などがそれにあたります 。
2H
++
2e-
H2
しかし、い ずれ の処 理 器にもそれなりの効 果があるかもし
れませんが、 科 学 的には明 確に証 明され てはいません 。
なお、家 庭で使われ ている衣 料 用 塩 素 系 漂 白 剤(次亜
ちなみに、 活 性 炭を使った微 量な有 機 物 の吸 着 除 去や、
塩素酸ナトリウム水溶液、NaClO)
は、
この酸化・ 漂白作用を
中 空 糸フィルターによる微 粒 子 物 質 の除 去 、 電 気 分 解 処
利用したものであり、併 せて殺菌効果も持っています。これ
理は科 学 的に説 明できる現 象といえます 。
は 微 量 存 在 する次 亜 塩 素 酸が効 果を発 揮 するためで す。
ミネラルウォーター
ちなみに、次 亜 塩 素 酸 塩 の安 定 性を高めるため、塩 素 系
漂白剤では pH 値が非常に高くなっています。しかも、高い
日本 酒 の醸 造には、宮水といわれるおいしい水が使われ
p H 領 域 では 細 菌 は 活 動 で きませ ん。このため、塩 素 系
ています。この宮水とは、地 下 深くからくみ 上げた 地 下 水で
漂白剤は次亜塩素酸の作用と高いpHで、強力な殺菌効果
す。 雨や雪などが山間部の森林に降り、地中にしみ込んで
を発揮するので す。
数 十 年をかけて地中をゆっくりと流れているので、地中のミ
◆ 磁気処理
ネラル分を多く含んでいます。ミネラル分は多けれ ばよいと
一 組 の磁 石が つくる強い 磁 場 の中を水が流れると、 磁
いったものでなく、例えば、マグネシウム分が多すぎるといわ
気の影 響により水の持 つ 性 質、 例えば水 素 結 合で結 合し
ゆる硬 水と呼 ばれる水となり、飲むと下痢などを起こし水に
たクラスターにおける水 分 子の数が小さくなるなどの変 化を
あたることになってしまいます 。おいしい水とは、ミネラル分
起こすといわれています。この磁 気 処 理は、地 球が 大きな
をバランスよく含む水です。
磁石であることとわき水や 地下水がマイルドでおいしいこと
表2 ミネラルウォーターの分類
などから、着想されたものでしょう。
水と磁場との作用は、 旧ソビエト連邦の科学者により熱
心に研究されていました。本来、水分子は弱い反発を示す
反磁性であり、強力な磁石を近 づけると幾分反発しますが、
その力は非 常に弱いものです。したがって、磁 石を近 づけ
分類
品名
ナチュラル
ウォーター ナチュラル
ミネラル
ウォーター
ることで水の構造が大きく変化することはありません。水が
磁 場で大きな影 響を受けるとす れ ば、最 新 の医 療 診 断 装
置として医療現場で使われている磁気共鳴診断装置
(MRI)
は、人体へ の影響から使えなくなってしまいます。
しかも、こ
の 診 断 装 置 には 通 常 の 磁 石よりもはるかに 強 力な 超 伝
導 電 磁 石が 使 わ れ ているのです から、影 響 はより大きく
4
原水
処理方法
ナチュラル 特定水源より
ウォーター 採水された地下水。
特定水源より採水された ろ過、沈殿および加熱殺菌
地下水のうち、地下にあ に限る。
る間に無機塩(ミネラル)
類が溶解したもの。
鉱水、鉱泉水など。
ろ過、沈殿、加熱殺菌以外に、
ミネラル
複数の原水の混合、
ミネラル
ミネラル ナチュラルミネラル
ウォーター ウォーター ウォーターの原水と同じ。 分の調整、ばっ気、オゾン殺菌、
紫外線殺菌などを行ったもの。
ボトルド
ボトルド
ウォーター
または
ウォーター
飲用水
飲用に適した水。
純水、蒸留水、
河川などの表流水、
水道水など。
処理法の制限なし。
おいしい 水 はさまざま
ところで、ミネラルウォーターに関する農林水産省のガイド
層)があり、表層部と深海の水を隔てる障壁になっている
ラインでは、ナチュラルウォーターとナチュラルミネラルウォー
からです。
ター、ミネラルウォーター、ボトルウォーターの 4 種類に分類さ
また、太 陽 光は水そのものや浮 遊している物 質( 植 物や
れます( 表2 参照)
。
動物プランクトンなど)に吸収・散乱されて、深海まで届きま
この 分 類 によれ ば 、ミネラル 分を 特 別 多く含 ん でい
せん。海岸近くでは、水深 30 メートル以内で 1%以下に減
なくとも、ろ過 、沈 殿 および 加 熱 処 理 以 外 の 処 理をして
衰してしまいます 。水のきれいな外洋でも、100 ∼ 150 メー
いない 水 はミネラルウォーターに 該 当します。つまり、ミネ
トルの深さには、海面の 1%以下の光しか届きません。この
ラル 分をほとんど含 んでいなくとも、ミネラルウォーターと
ような太陽光のきわめて少ない環境では、植物プランクトンと
なってしまいます 。極 端 ではあります が 、水 道 水をボト
いえども光合成を行えず、細菌などの微生物も繁殖できません。
ル に 詰 め れ ば 、ミネラルウォーター( ボトルドウォーター )
つまり、深海では植物プランクトンなどにより海水中の養分や
として 販 売 できる訳 です 。
ミネラルなどが消費されず、滋養に富んだ状態で存在し続け
もちろん、 市 販され ているほとんどのミネラルウォーター
るという訳です。
は 、ここでいうナチュラルミネラルウォーターのことです 。
地球は、大きな海の中にユーラシア大陸やアフリカ大陸、
ミネラル 分 の 含 有 量 は 規 定され ていない ので、 決まった
南 ・ 北アメリカ大 陸 、南 極 大 陸などの 陸 地が 存 在 する惑
場 所 でくみ 上 げられた地 下 水 は 、そのほとんどがナチュ
星です 。グリーンランド近海で、 塩分の濃度差や海水温の
ラルミネラルウォーターに該当します。また、市 販 のミネラル
差から海 底 近くまで沈 み 込む 流 れ が 生じ、それ が 地 球 の
ウォーターには 国 産 品と輸 入 品があります 。一 般 的には 、
自転や 海 底 の地 形などの影 響で、ゆっくりとした流れとな
ミネラル 分が 少ない 国 産 品に比 べ 、
ヨーロッパからの 輸 入
ります 。 この大 西 洋からインド洋 、太 平 洋 へと移 動 する深
品 はミネラル 分 の 多 い 硬 水 に 近 いもの が 多くあります。
層 海 流が、 海 洋 深 層 水の始まりのひとつです 。最 近、オ
ナチュラルミネラルウォーターは、数 十 年 の長い 年月をか
ホーツク海から北太平洋地域を流れる深層海流も見 つかり
け、清 浄な自然がはぐくんだきれいな水であり、多くの人に
ましたが、深 海にはまだ見 つかっていない 深 層 海 流がある
好まれ ています 。もちろん、豊かな自然が 残された地 域 で
と考えられます 。
採 取された地 下 水が好ましいといえます。地 下 水とは別に
深 層 海 流 は 千メートルを越 す 深 海を流 れ ています が 、
して、長 い 年月にわたり他 の 水と混じり合うことなく存 在
海洋の島や海底の地形の変化により、 所々で水温躍層を
してきた古い 時 代 の水は、きれいな水といえるのでしょう。
突き抜けて、海面近くまで湧き出すところがあります(湧昇)。
海洋深層水
わが国で海洋深層水を採水している地域は数カ所あります
が、このような湧 昇が見られるところで採 水され ています 。
最 近では、南 極 大 陸や 北 極 海に存 在 する氷 山など、人
海 洋 深 層 水はプランクトンや細 菌のいない、
ミネラル分を豊
がほとんど住んでいない環境に降る雪や氷からも、ごくわず
富に含 む 水 です 。とはいっても、およそ 3 %も塩 分( 主に
かな量の塩素系農薬などの環境汚染物質が見 つかってい
塩 化ナトリウム)を含んでおり、このままでは飲 料 水に適し
ます。このように、大 気の大きな循 環により、大 気中の環 境
ません。 海 洋 深 層 水から塩 分を除き、適 度なミネラル分を
汚染物質は南極や北極などにも拡散しています。現在のよ
含む水として、飲用や食品工業用に使われています 。
うな環境汚染のない時代に地中や深海中に移動した水は、
きれいな水といえます 。
水は、 私たちの身近に豊富にあるごくありふれた物質で
最 近 話 題となっている海 洋 深 層 水は、日本 近 海で採 取
すが、生き物が生きていく上になくてはならない大切なもの
されているものは、深海を流れるようになってから数千年を
です 。 水道水は離島をのぞけば、いつでもどこでも利用で
経ていると見なされています。
きる浄 水として、 私たちの身 近にあります 。 生 活が豊かに
大西洋やインド洋、太平洋などの海表面の水は、昼間太
なり、健康や体によいおいしい水を得るために、ミネラルウ
陽光で暖められ 、夜には冷やされて水温が下がり、密度が
ォーターやさまざまな整水器が市販されています 。ここでは、
高くなって沈んでいきます 。しかし、沈んでいくといっても、
その 一 部についてご説 明しました。 各 地 の自治 体 では、
千メートルを越す深い海の底まで達するわけではありません。
水道水がおいしく、 安心して使えるよう、 下水道の整備や
海面から数十メートルまでは、海水温の差と風や波などで撹
浄水場における高度処理など、改善策が取られています 。
拌され混じり合いますが、深海の水と表面近くの海水はほと
私たちも、日常生活の中で環境へ の負荷を少なくする努力
んど混じり合うことはありません。これは、水深が数十メート
が必要とされています 。 □
ルの付近に、まわりの海水よりもきわめて冷たい層(水温跳
5
産業
あれこ れ
しお(塩)
海からの大切な贈り物。
日本は海に囲まれた島 国ですが、塩
平 安 時 代 には 、 海 水を 濃 縮 するた
膜 に よ る 濃 縮 法 が 実 用 化され 、 塩 は
田 で 海 水を濃 縮して 塩を つくるには 、
めに塩田が利用されるようになりました。
建家の中で製造されるようになりました。
雨 が 多く湿 度 が 高 いなど気 象 条 件 が
これは、海水をくみ上げて砂の上にまき、
ちな み に 、 塩 田 で 濃 縮され た か ん
適しているとはいえませ ん 。海 水を原
天日や 風などで水 分を飛 ば すというも
水 を 釜 で 炊 い て 水 をとば す 工 程 を 、
料として塩をつくるには、海 水中に溶け
の で す 。この 作 業を繰り返し 行 い 、 塩
せ んごう工 程 と呼 びます 。 塩 の 主 な
ているおよそ3% の 塩 化ナトリウムを取
の つ い た 砂を 集 め 、 海 水 で 抽 出し 濃
成 分 である 塩 化 ナトリウム の 水 に 対
りださなけれ ばなりませ ん 。そのため 、
縮され たか ん 水( 塩 水 )を大きな 釜 で
する溶 解 度 は 、 温 度を上 げ てもあまり
いかに効 率よく海 水から大 量 の水 分を
煮 つ め て 塩を つくって いました 。この
変 化しな い た め 、 水 溶 液 から結 晶 を
蒸 発させるかが 重 要 になります 。塩を
方 法は 、 人 手により海 水を汲 み 上げて
取りだ す には 、 できるだけ 多くの 水 分
つくるには、たいへんな労力とエネルギ
塩 田 の 砂 の 上 にまくことから、 揚 浜 式
をとば す 必 要 があります 。 そ の た め 、
ーを必 要とします 。とはいっても、人 類
と呼ばれています 。海水を汲む作業は、
せ んごう工 程 でか ん 水を 煮 つ める際
にとって塩はなくてはならない 大 切なも
たい へ んな重 労 働でした。
には、 大きな釜がもちいられ てきました。
のです 。ここでは、わが国における製 塩
室 町 時 代 末 期になると、 潮 の満ち引
せ んごう工 程 で 使 わ れ た 釜 は 、 土
方法の移り変わりを簡単に説明します 。
きを利 用して 、 海 水を塩 田 に引き込 む
器 から石 釜 、 鉄 釜 へ と変 遷しました 。
入 浜 式が 行わ れるようになりました。そ
加 熱 に は 、 薪 などの 燃 料 を 燃 やし て
の後 、 1 9 5 5 年( 昭 和 3 0 年 )には海 水を
直 接 加 熱していましたが 、その 後 、 焦
製塩の歴史
わ が 国 の 製 塩 の 歴 史 は 古く、 古 代
ポンプで汲 み 上 げ 、 砂 の 上に流して 天
げ にくい 蒸 気 加 熱 に 変 わり、 昭 和 の
から土 器で海 水を煮 つめて つくった塩
日で濃 縮 後 、竹 笹などで つくった枝 条
初 め に は 減 圧し て 水 を 早くとば す 、
や 、 海 水 が 乾 燥して 塩 分 の つ い た 海
架という風 の 力を 利 用した 濃 縮 装 置
より効 率 のよい 真 空 多 重 効 用 缶 へと
草 や 藻を材 料にして つくった藻 塩など
で 濃 縮 す る 流 下 式 へ と 変 遷 しまし
変 わっていきました 。
が利 用され ていました。
た。 1 9 7 2 年( 昭 和 4 7 年 )にイオン交 換
揚浜式塩田の海水まき(石川県)
6
図1 塩の製造工程例
海
水
採
取
ろ
過
イ
透オ
析ン
膜
真
空
蒸
発
か
ん
水
濃 縮 採かん工 程
工
程
の
変
遷
乾
燥
包
装
濃縮せんごう工程
藻焼き
揚浜式塩田→入浜式塩田→流下式塩田
イオン膜透析
ろ 過:ゴミを取り除きます。
イオン膜透析:直流電気を流し、
イオンを濃縮室に集めて海水を
濃縮します(かん水)
。
真 空 蒸 発:4段に分けて真空度を上げ、水分を除きます
(塩液)
。
脱 水:遠心分離器で水分と塩の結晶とを分離します
(並塩)
。
乾 燥:熱風で乾燥する
(食塩)
包 装:ポリ袋や瓶に入れて製品となります。
塩の種類
塩
液
︵
遠
心脱
分水
離
︶
土 器
塩 釜:土窯、あじろ釜、石釜、鉄釜、蒸気加熱式塩釜
蒸発缶:加圧式、真空式
塩の種類(製造法別)
岩塩
地中から掘り出した塩
天日塩
塩田で海水を蒸発させてつくった塩
膜濃縮せんごう塩
イオン膜透析で濃縮後、釜で炊いてつくった塩
せんごう塩 天日塩再製せんごう塩 天日塩を溶かした後、釜で炊き直した塩
岩塩を溶かした後、釜で炊き直した塩
溶解採鉱せんごう塩
日本の製塩方法
塩分20%のかん水が得られます。すると、
濃 縮 室 の 両 側 には 塩 分 の 少 なくなっ
このようにして つくられる塩 ですが 、
日本 では 、 塩 は 1 9 0 5 年 から1 9 9 7 年
た 室 が できます 。 次 に せ んごう工 程 に
世 界 では 、 大きく分けて岩 塩 、 天日塩 、
まで専売制のもとで販売されてきました。
移り、 かん 水を4つ 以 上 の 蒸 発 缶に入
せんごう塩の三種類があります。岩塩は、
この 専 売 制 のもとでは 、 品 質 の良い 塩
れ 、 内 部を撹 拌しながら減 圧 下 で加 熱
むかし地 殻 変 動によって海が陸 地に取
を多くつくることを第 一としてきました。
して 水 分をとば すと、 塩 化ナトリウムの
り込まれ 、その 海 水 の 水 分 がとび 、 結
このため 、 塩 は 種 類 が 少 なく、生 活レ
結 晶が析 出してきます 。ちなみに、 塩 化
晶 化した塩が 地 層に取り込まれたもの
ベ ル の 向 上 による消 費 者 からのさまざ
ナトリウムの水に対 する飽 和 濃 度は、 温
です 。 岩 塩は、 結 晶 化 の過 程で海 水に
まな 要 求 に 応えられませ ん でした 。 そ
度にほとんど影 響され ずおよそ2 6%で
含まれ ていたにがり
( 塩 化マグネシウム
のため、 次 第に専 売 制 度 の ルートを通
す 。そのため 、 水 分をとば すことで、 溶
など)成 分が、 水 分と一 緒に地中にしみ
さない 塩 の 販 売 量が 増えていき、 専 売
けきれ ない 塩 化 ナトリウムが 結 晶 化 す
込 んでしまっているため 、 塩 化 ナトリウ
制 度が 形がい 化して廃 止され 、 新たな
るわ けです 。 減 圧 下 で水 分をとばした
ム純 度の高いものとなっています 。 天日
塩事業法が施行されることとなりました。
塩 液から、 結 晶 化した塩 化ナトリウムを
塩は、 海 水を広 大な土 地に引き込んで
日本では、 今では多くの塩がイオン交
遠 心 分 離 器により水 溶 液から分 離した
天日で水 分をとばして つくった塩 、そし
換 膜を使って濃 縮(イオン膜 透 析 )
され
ものが並 塩です 。さらに、 熱 風で乾 燥 す
て せ んごう塩は 、 海 水 や 濃 縮した海 水
ています( 図1参 照 )。イオン交 換 膜 濃
るとさらさらな食 塩が得られます 。
を釜で炊いてつくった塩のことです 。
縮装置は、水槽に2,000∼3,000対のナ
“しお ”は 人 類にとりなくてはならな
岩塩の採掘法はおもに2種類あります。
トリウムイオンなどしか 通さない 陽イオン
いもの です 。ミネラルを バランス良く含
ひとつは、地中の岩 塩 層まで穴を掘り、
交 換 膜と、 塩 素イオンなどしか通さない
む“しお”
を、 場 面と用 途に応じて 摂 取
水を流しこんで岩塩を溶かし、その水溶
陰イオン交 換 膜とを交 互に並 べ たもの
していくことが、 現 代 の日常 生 活ではと
液をくみ上げる方法です。得られた水溶
です。水槽に海水を入れ 電気を流すと、
ても大 切になります 。 □
液を釜で炊いて塩をつくります。もうひと
濃 縮 室に海 水 の6∼7倍に濃 縮された
つ の方 法は、 露 点 掘りで掘り出 す 方 法
です 。 露 天 掘りした岩 塩も土やごみなど
が混ざっており、そのまま粉砕したのでは
製 品にはなりません。 一 度 水に溶かし、
ゴミや土を取り除いた後 、 釜で炊いてよ
うやく製品となります 。また、岩塩は塩化
ナトリウムの純 度が高いため、 成 分を調
料理と塩のおいしさはさじ加減がたいせつ
塩( 塩 化 ナトリウム )とに がりは 海 水 中 の 塩 分 を 分 離 した も の で す 。に がりは、
マ グネ シウ ム や カ ル シウ ム など を 主 成 分 とし、豆 腐 の 凝 固 剤 として 使 わ れ ます 。
に がりも 適 量 含まれ て い るの であ れ ば、体 に よい お い しい 塩 とい えます 。に がり
は い わ ゆ るミネラル 分 です が、多くとりすぎ て は 体 をこわ してしまいます 。海 水 の
組 成 そ の ままの 塩 で は、に がりが 多 すぎ て 体 に よ い 塩 と は なりませ ん 。ミネラル
分 の バランスの よい 塩 が おい しい 塩とい え るの でしょう。
昔 から“ 手 塩 に か け る”や“ 塩 の 道 ”など、塩 に ま つ わ ることわ ざ は た くさ ん
整するため微量成分を加えることもありま
あります 。こ の こと は、い か に 塩 が 生 活 の 中 で 大 切 な も の とさ れ てき た かを 示 す
す。例えば、ヨーロッパのある国ではヨード
も の で す 。また、塩 の 種 類 の 豊 富 さを 見 て も、そ の ことが よく分 かります 。生 の
不足による甲状腺障害を防止するため、
ヨードを加えるように義務づけられています。
魚 に 塩 を 振り、身 を 引 き 締 め る 塩 じ め や、塩 に 漬 け 込 ん だ 塩 蔵 魚 の 塩 分 を 抜 く
の に 使 う 呼 び 塩 など、料 理 に 使 う 塩 だ け で も 実 に さまざま な 種 類 が あります 。
7
業界最前線
乗り降りの楽な
急行エスカレーター
エスカレーターは上下階への移動に便利で手軽な手段となっています。
いつも動いていて、待つことなく乗りたいときに乗れる便利で安全な乗り物です。
地下鉄の駅やデパートの売り場などで、上下階へ の移動
ゆっくりと階 段を昇るほどの速 度で動いていますが、 朝 の
に利用されているエスカレーター。踏板部分に乗れ ば、階段
通 勤で急ぐサラリーマンには少し遅すぎるようです。しかし、
を上り下りするよりゆっくりとした動きで移動できます。乗ると
単 純にエスカレーターの速 度を速くしたのでは、 乗るときに
きや降りるときには安全で楽な速度ですが、乗ってしまうと、
バランスを崩して 怪 我をする人 が 出 てきそうです。これを
急いでいるときや長いエスカレーターではいらいらさせられます。
解 決 するには、 乗り降りのときはゆっくり動き、 途 中は 速く
エスカレーターと同じように、上下階の移動に使うエレベー
動く、そんな移 動速 度の異なる変 速 エスカレーターがあれ
ターは、設置されている台数が一台だけの場合、ボタンを押し
ば良いのではないでしょうか。
てもすぐには来ません。また、屋 上にゲージを動かすための
連 続したものを異なる速 度で動かすのは、ちょっと不 可
機械室を設置しなければエレベーターを取り付けることがで
能なことに思えます。ところが 、 乗り降りのときはゆっくりと
きません。しかし、 垂 直に上下に移 動できます ので、設 置 場
動き、 途中の傾 斜 時には速く動くエスカレーターの開 発が、
所を取りません。また、 車い すなどに乗った人でも、比 較 的
三 菱 電 機 株 式 会 社で検 討され 、 基 礎 的な技 術を確 立した
速く、安全に移動できます。複数台のエレベーターがあれば、
と、新 聞 で報 道されました。この 変 速 エスカレーターは 、 二
コンピュータ制 御により待ち時 間が短くなるよう、効 率 的な
つ の踏 板をつなぐ薄 板 金 具を工 夫 することで達 成され て
運用も可 能となります 。
います。 各 踏 板を直 線で固 定していたものを、 水 平 時には
エスカレーターは直 線 的に動くものがほとんどです。 吹き
Y字 の形で、 傾 斜 時にはカタカナの
“イ”
字 のように変 形させ
抜けの広い空間に設置された長いエスカレーターでは、乗っ
ることで、傾斜時の移動距離を大きくしたのです
(図①参 照)
。
ている人に心 理 的な圧 迫 感を与えることもあり、 中 間に踊
動かしているのは 、 一 個 のモーターで駆 動しているチェー
り場 のような水 平な部 分を設け、 安 心して乗 れるように配
ンですから、基 本 的な移 動 速 度は一 定です 。
慮されたものもあります。また、 水 平に動くだけの 動く歩 道
誰もが 利 用 するエスカレーターは、安 全 であることが 第
もあります。これには、ベ ルトコンベアーのように連 続した合
一です。 乗り込み 口での安 全 性 の確 保と移 動 時 間 の短 縮
成 樹 脂 製ベルトが動くものと、 踏 板が水 平に動くエスカレー
を可 能にした効 率 のよい 移 動 手 段として、 変 速エスカレー
ターのようなものがあります。 エスカレーターはい つでも乗
ターが実 現 する日も近いでしょう。 □
れて、手 軽で便 利な移 動 手 段だといえます。
図① 変速エスカレーターの構造
まっすぐ上り下りするエスカレーターがほとんどですが、
螺 旋 状に上り下りするちょっとしゃれたものもあります。 加
工 技 術が 著しく向 上したことで、 各ステップを扇 形にして
スパイラル 状に動かすことができるようになったからです。
スパイラル状に動くこのユニークなエスカレーターは、まさに、
従
来
型
エ
ス
カ
レ
ー
タ
ー
技 術 革 新 の賜 物といえます。
最近、地下鉄の駅などが地下深い所にできるようになり、
エスカレーターも5 0 mを超えるような 長 いものが 使 わ れる
ようになりました。よく朝 の通 勤ラッシュでエスカレーターを
駆 け上 がっていくサラリーマンの 姿を見 かけます。 現 在 の
エスカレーターは、 誰にとっても安 全な乗り物とするために、
8
a
a
水平移動時
変
速
エ
ス
カ
レ
ー
タ
ー
傾斜移動時
a
1.5a
9
花 王 プ ロダクト
アミノーン C−11S
(高性能増泡剤)
泡立ちの増強や増粘、可溶化などの効果を発揮します。
シャンプーや台所用洗剤などに配合し
香粧品の分野で
アミノーン C -11Sの特長
香 粧 品 の 分 野 で、新しい 製 品を
東 出:従来、
シャンプーや台所用液
泡 立 ち に つ い て は、アルキル エーテル
上市するなど、積極的な事業活動を展開
体洗剤などには、アルキルアルカノール
硫 酸塩
(A E Sと略す)
との混合系におけ
しておられますね。
アミド型 の非イオン性 界面活性剤(脂肪
る増泡性を図②に示しました。比較とし
東 出:ええ。昨年春に、東京と大阪
酸ジエタノールアミドや脂肪酸モノエタ
て 示した 脂 肪 酸ジエ タノールアミドや
でユーザーの方々にお集まりいただき、
ノールアミドなど)
が増泡剤として用い
脂 肪 酸 モノエタノー ル アミド よ り も、
「第1回新製品発表会」
を開催しました。
られていました。これらのエタノールア
泡立ちの増強性にすぐれているのが
この新製品発表会では新しい界面活性
ミド型 非 イオン性 界面活性剤は、室温
おわかりいただけると思います。また、
剤製品、ヘアコンディショニング用基剤
において固体のものがほとんどです。
泡安定性については、直後の泡立ち
(増
「 コータミンE - 8 0 K 」と、 高 性 能 増 泡 剤
これに対し、「アミノーンC - 11 S」は図①
泡 性)
とともに、5分後と15 分後における
「アミノーンC - 11S」について、そのすぐ
に示した化学構造式をもち、室温にお
泡量も多く、泡安定性にすぐれていると
れた特長などをご紹介しました。
いて液体の非イオン性界面活性剤です。
おわかりになると思います
(図③参照)
。
山 田:ご紹介した新製品のうち、 「コ
なお、「アミノーンC - 11S」は表示名をコ
なるほど。
「アミノーンC - 1 1S」は
ータミンE - 8 0K」はアルキル基にエーテ
カミドメチルMEA、
また、化学名をヤシ
すぐれた増泡性と泡安定性を有する製
ル結合を有する、モノアルキルタイプの
油脂 肪 酸 N -メチルモノエタノールアミド
品といえますね。
新しい陽イオン性界面活性剤であり、
といいます。化学名からおわかりのよう
東 出: ええ。増 泡 性 と泡 の 安 定 性
すぐれた特長を有する高性能ヘアコン
に、「アミノーンC - 11S」は脂肪酸モノエ
の どちらにもすぐれ た 高 性 能 増 泡 剤
ディショニング基剤です。この製品は、
タノールアミドの誘 導 体となります。
といえます。なお、シャンプーや台所洗
油剤として使われる高級アルコールの
山 田:ここで、高性能増泡剤「アミ
剤 で は、使 うときにすぐ 泡 立 つことが
セチルアルコール/ステアリルアルコー
ノーンC - 11 S」の特長をまとめますと、
重要な性能となります。この点でも、「ア
ルを溶剤とするペレット状の製品です。
次のようになります。
ミノーンC - 11S」
は泡の立ちやすさ
(速泡
ヘアコンディショナーに用いますと、
●
すぐれた使用感と髪への塗布やすす
ン性 界面活性剤 であり、ハンドリング性
参照)
。
ぎやすさ、特に、乾燥後の髪はまとまり
にすぐれています。
山 田: ところで、 液 状 の家 庭 用 製
や すく、すぐれた風合いが得られます。
●
脂 肪 酸 ジエタノールアミドと 同 等 の
品では使用時に出しやすくしかも出し
なるほど。すぐれた特長をもつ
高い増泡性と増粘性を有しています。
すぎず、使いたい量だけ出るよう、 適度
製品といえますね。ところで、もう一つ
●
低温での析出や高温での着色が抑え
な粘度を持つことが求められます。「ア
の高 性 能 増 泡 剤「アミノーンC - 1 1 S 」は
られ、
配合品の安定性にすぐれています。
ミノーンC - 11S」
は、A E Sを主成分とする
どのような製品なのですか。
東 出:実際に、「アミノーンC-11S」を
配合系で脂肪酸ジエタノールアミドより
た 場 合 の性 能 についてご 説明します。
凝固点−8.7℃を有する液体の非イオ
図①「アミノーン C -11S」の化学構造式
性)
にすぐれた性 能を示しました
( 図④
表① 増泡剤の凝固点
製 品 名
RCON ( CH 3 ) CH 2 CH 2 OH (R:ヤシ脂肪酸残基)
ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド
表示名:コカミドメチルMEA
10
凝 固 点( ℃)
アミノーン C - 11 S
8.7
脂 肪 酸 ジ エタノールアミド
15
脂 肪 酸 モノエタノールアミド
60
お問い合わせ先
ひがしで かつひさ
東出 勝寿(
03ー5630ー7644)
や ま だ こうい ち
山田 光一(
06ー6533ー7440)
左から順に、山田、東出
もすぐれた増粘性を有しています
(図⑤
体 の「レオドール」シリー ズ、陽 イオン性
製品発表会を 開 催し、新製品をご紹介
参照)
。
界 面 活 性 剤 の第 四 級 アンモ ニウム塩
させてい ただく予 定 で す。今 後とも、 新
また、シャンプーに配合した場合には、
「コータミン」シリーズ、両 性 界 面 活 性 剤
し い 製 品 群 をご 提 供させ て い ただき
豊かでクリーミーな泡が得られます
(写真
の「アンヒトール」シリーズなどといった
ます ので、香 粧 品 分 野で 製 品を新しく
①参照)
。
製品を取り扱っています。
上 市されるときには、ぜ ひ、花 王の香粧
なるほど、
すばらしい 性能を有す
東 出: 花 王 の界 面 活 性 剤 製 品は、
品 原 料 をご 利 用 い た だきますよう、よ
る製品ですね。
このほかにもさまざまな
再 生 可 能 な 天 然 油 脂 を 主 な 原 料 とし
ろしくお願 いします。 □
製品があると思いますが、香 粧品分野
ており、環 境への負荷も低 減 でき、生分
ではどのような製品郡を取り扱ってお
解性にもすぐれています。
られますか。
また、
界面活性剤製 品以外にも、精 製
山 田: 花 王 は 界 面 活 性 剤 製 品 を中
脂 肪 酸をはじめとして高 級アルコール、
心 に、
さまざまな 香 粧 品 用 原 料/ 洗剤
グリセリンなどの多価アルコール、脂肪 酸
原料を取り扱っております。界面活性剤
から誘 導されるエステル 油、天 然 油 脂
製品では、シャンプー やヘアリンス、コ
誘導体のグリセリン脂 肪 酸エステルなど
ンディショナー、ボディシャンプーなど
も取り扱っています。
の原 料として、陰イオン性界 面 活 性 剤
なるほど。
さまざまな製 品を取り
製品 の「エマール」シリーズや 非イオン
扱われておられるので すね。
性 界 面 活 性 剤として、ソルビタン誘 導
山 田:今 年の春も、東京と大阪で新
写真①「アミノーン C-11S」の泡質
図② 増泡性の比較
図④ 速 泡 性 の比較
(ロス・マイルス法、
有効分0.2%、直後、
AES*/増泡剤:17/3)
(毛髪回転法、AES/増泡剤:17/3)
アミノーン C -11S
アミノーン C -11S
脂肪酸ジエタノールアミド
脂肪酸ジエタノールアミド
脂肪酸モノエタノールアミド
脂肪酸モノエタノールアミド
市販品
市販品
200
210
220
起泡力
0.8
230
大
図 ③ 泡安定性の比較
0.9
1.0
1.1
速泡力
1.2
1.3
1.4
速い
図⑤ 増粘性の比較
(ロス・マイルス法、
有効分0.2%、直後、5、
15分後、
AES/増泡剤:17/3)
直後
アミノーン C -11S
(B型粘度計、25℃、AES/CAPB*/増粘剤:15/2/3)総界面活性剤量:18%
アミノーン C -11S
5分後
15分後
脂肪酸ジエタノールアミド
脂肪酸ジエタノールアミド
脂肪酸モノエタノールアミド
脂肪酸モノエタノールアミド
市販品
市販品
100
170
190
210
泡安定性
230
良
*)AES:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム
1000
増粘性
10000
大
*)CAPB:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン
11
花 王 プ ロダクト
カルコール シリーズ
(高級アルコール)
高品質でさまざまな用途に使えます。
天然油脂を原料に各種産業用製品を生産
東 南アジアにおける油 脂 事 業が
紙・パ ル プ や 金 属 、プラスチック・ゴ
高 級アルコール「カルコール 」シリーズ
ム、土 木 ・建 築 、ア グロ ケミカ ル、潤
を生産しております。
滑 油 、エレクトロニクス、環 境 、繊 維 、
高級アルコール設備を増設
新しい展 開を向かえているそうですね 。 香 粧 品 、化 粧 品 、食 品 、医 薬 品 、香
河 南 :ええ。花 王 では、
“ すぐれ た
料 な ど の あら ゆ る 分 野 で 使 わ れ る
マレーシア でア ル コー ル プラ
製 品は、
す ぐれ た 原 料 から”という考
産 業 用 製 品 が つくられ て おります。
ントが 増 設され たとのことで す ね 。
え方 のもとに 、天 然 油 脂 などを原 料 に
花 王 は、事 業 活 動 にお い て 環 境 へ
河 南 :ええ 。マレーシア の ペ ナン
して 、さまざまな 産 業 用 製 品を手 が け
の 負 荷をできるだけ 少 なくすることを
州 にあるファッティケミカル マレーシア
ています。その 中 で、天 然 油 脂を原 料
企 業 理 念に揚げ、このために、
( F C M ) では 、アブラヤシのタネ( パー
に製 造される油 脂 製 品には、脂 肪 酸を
①リデュース( 削 減 )
ム の 核 )から 得られ る パ ーム 核 油 を
はじめとして、高 級アルコール( 脂 肪 族
②リユ ース( 再 利 用・再 使 用 )
原 料 に 、1 9 9 0 年 から 高 級 ア ル コー
アルコール)
、脂 肪アミン、脂 肪エステル、 ③リサイクル( 再 資 源 化 )
ル の 生 産 を 行 っ て い ま す。2 0 0 2 年
グリセリン、それ に食 油などがあります。 を 基 本 原 則 にして 、さまざまな 活 動を
に は、年 間 5 万トン の 生 産 能 力 を 持
つ 新しい 高 級 ア ルコー ル 製 造 プラン
また、これらを原 料 に各 種 の 界 面 活 性
行っています 。
剤が 生 産され ています。この 界 面 活 性
河 南:油 脂 製 品 の原 料として利 用
トを 増 設しました( 写 真 ③ 参 照 )。
剤 には 、高 級アルコールを原 料とする してるヤシ油 や パーム核 油などの 天 然
篠 原 :なお、2 0 0 1 年にはフィリピン
油 脂 は 、再 生 産 可 能 な 地 球 に やさし
にあるピリピナス花 王でも、
高 級アルコー
アルキル 硫 酸 エステル 塩などの 陰イオ
。 ル 製 造 プラントが 最 新 の 固 定 床 還 元
ン性 界 面 活 性 剤 や 陽イオン性 、両 性 、 い 原 料といえます( 写 真 ① 、② 参 照 )
非イオン性 界 面 活 性 剤があります 。
花 王 グ ループ では 、世 界 第 一 位 の
設備に更新され、高純度で高品質の「カ
篠 原: これらの 界 面 活 性 剤 を 原
ヤシ 生 産 国 であるフィリピン のミンダ
ルコール」シリーズを生 産しております。
料とし て、洗 剤 や シャンプ ー 、リンス、 ナオ 島 北 部 ハ サーンにあるピリピナス
F C M の生 産 設 備 能力は、今 回 の増
花 王 で、
ヤシ 油を 原 料 に 1 9 7 9 年 から
設で16万5千トンとなり、天然アルコール
食 器 用 洗 浄 剤 などの 家 庭 用 製 品 と
写真① ヤシの樹とヤシの実(25∼30cmほどの大きさです)
12
写真② パームの樹とパームの実(4∼5cmほどの大きさです)
お問い合わせ先
かわなみ
ひ ろし
河南 洋史 (
しのはら
03ー5630ー7633)
りゅうた ろう
篠原 龍太郎(
06ー6533ー7444)
左から順に、篠原、河南
にお ける単 一 の 生 産 工 場として は 世
られます。得られ た 高 級ア ルコールを
もの が プラスチックの 成 形 加 工 を 容
界 最 大となりました。また、花 王グルー
精 密 蒸 留 することで、特 定 の 組 成をも
易 にし、柔 軟 性 を 付 与 す る 可 塑 剤
プ にお ける天 然 ア ルコール 供 給 能 力
つ「カルコール 」が つくられます。
などに、C 1 2 ∼ C 1 6 が 界 面 活 性 剤 の
は 、およそ 年 間 2 0 万トンとなり、世 界
な お 、高 級 ア ル コー ル は そ の 化 学
原 料 などに、C 1 6 以 上 が プラスチック
で 有 数 の 供 給 メーカーとなりました 。 式 を R O H(C H 3 C H 2 …… C H 2 O H の
の 成 形 加 工 工 程 で、加 工 性 を 向 上
河 南 :これらの工 場で生 産され た
ように 炭 化 水 素 の 鎖とO H 基 が 結 ば
す るた め に 使 用 され る 滑 剤 や 化 粧
「カルコール 」は 、日本 や 東 南アジア、 れ た 構 造をもつ )と表されます。花 王
品 用 基 剤 、クリーム 基 剤 、軟 膏 基 剤
ヨーロッパ 、アメリカなどの 多くの ユー
の「カルコール 」シリーズには 、アルキ
などに、それ ぞ れ 使 わ れ ています( 表
ザーに販 売され ています 。また、
「カル
ル 基( R で 表 す )が 炭 素 数8
( C 8 )の
① 参 照 )。
コール 」を 原 料として つくられる界 面
オクチ ルアルコールをメインとする「カ
また、常 温 で 固 体 となるも の に つ
活 性 剤 は 、シャンプーや 洗 顔 料 、家 庭
ルコール 0 8 9 8 」から炭 素 数 1 8( C 1 8 ) い て は 粒 状 に す るなど、製 品 の ハン
用 液 体 洗 浄 剤などの 家 庭 用 製 品に利
のステアリルアルコールをメインとする ドリング性 にも考 慮をはらっています 。
用されるだけでなく、幅 広 い 産 業 分 野 「カ ルコー ル 8 0 9 8 」などの 単 一 組 成
でさまざまな用 途 で使わ れ ています。
な る ほ ど。
「 カ ル コ ー ル 」シ
を有 する製 品 群と、炭 素 数8から1 8ま リ ー ズ は 幅 広 い 分 野 で さまざ ま な
で のア ル キ ル 基をもつ 混 合 ア ルコー
用 途 に 使 わ れ て いるの で す ね 。
ル 製 品 群などがあります。また、この ほ
篠 原 :ええ。花 王 では 、
「カルコー
高級アルコール「カルコール」シリー
かにも炭 素 数 2 2 の ベ ヘ ニ ルアルコー
ル 」シリーズ に お い て はさまざまなア
ズは、
どのような特長をもつ製品ですか。
ルをメインとする製 品 があります 。
ル キ ル 分 布をもつ 製 品 にもお 応えで
篠 原 : 高 級アルコール は 、ヤシ油
河 南 :また 、最 新 の 生 産 設 備 で
きます の で 、どのような 分 布をもつ 製
や パーム 核 油 から得られ た 脂 肪 酸 メ
生 産される「カルコール 」シリーズは 、 品 に つ きまし ても 、ご 相 談 を お 寄 せ
チ ル エ ステ ル を 固 定 床 還 元 設 備 で
高 い 品 質を持ち、さまざまな 用 途 に 使
高 圧 水 素 により還 元されることで つく
わ れ て い ま す。たとえ ば、C 8 ∼ C 1 2 の
「カルコール」シリーズの特長と用途
写真③ FCMにおける新しい高級アルコール製造プラント
い ただきたいと思 います 。 □
表①「カルコール」シリーズの用途例
用 途
区 分
プラスチック用 滑 剤・乳 化 重 合 用 助 剤
単 体として
合 成 皮 革 用 柔 軟 剤、金 属 圧 延 油
軟 膏 基 剤・クリーム基 剤
泡 沫 安 定 剤・抑 泡 剤
洗 剤、シャンプー、歯みがき
硫 酸エステル
乳化重合用乳化剤
繊維用精練洗浄剤
リン酸エステル
合 成 原 料として
帯 電 防 止 剤、繊 維 油 剤
全身シャンプー、洗 顔 料
エトキシレート
洗 剤、シャンプー、繊 維 油剤
フタレート
各 種プラスチック用 可 塑 剤
ポリアクリレート 潤 滑 油 添 加 剤
各 種エステル
化 粧 品 基 剤など
リンス基剤・均 染 剤・繊 維 処理剤
三 級アミン
などの中 間 体として
両性界面活性剤などの中間体として
13
花 王 プ ロダクト
MDJ
左から順に、平井、戸井
お問い合わせ先
(合成香料)
と い なお
戸井 直(
03ー5630ー9591)
ひらい きくみ
平井 菊美(
ジャスミン様の香気を持つ香料です。
03ー5630ー9593)
では、香料素材のラインアップの充実
戸 井:花王では、生産拠点として日
に努めているわけですが、 このほど
本とスペイン、 また、 世界の香りの中
さまざまな香料製品を取り扱
「MDJ」という製品を新たに上市しま
心地、フランスのパリにも研究所を設
っておられますね。
した
(図①、表① 参照)
。
けて、独自の香りを世界にお届けする
戸 井 : え え 。私 た ち の 生 活 の 中 で
それは、どのような製品でしょ
よう、取り組んでおります。これからも、
使用している石けんやシャンプー、
うか。
新しい合成香料と調合香料の開発
リンス、化粧品などには製品にふさ
平 井:「MDJ」は化学名をメチルジ
を続けていきますので、よろしくお願
わしいさまざまな香りが賦香されて
ヒドロジャスモネートという合成香料
いしたいと思います。 □
い ま す 。ま た 、 香 水 な ど の よ う に 香
です。そのにおいはフローラルで、ジャ
りそのものを製品としているものも
スミン様香気を有し、香水をはじめ化
あ り ま す 。こ れ ら の 製 品 は 、 調 合 香
粧品、 石けんやシャンプーなど、 幅広
料といって専門の調香師と呼ばれる
い用途に使用されております。安全性
人たちが、 天然精油や合成香料など
も高く、生分解性など環境にもやさしい、
の香料素材を数十種類組み合わせて
香料素材としても重要な合成香料です。
つくっています。
花王スペインでは、 昨年4月に「MDJ」
平 井:花王では、これらの調合香料
生産設備も完成し、積極的な活動を続
をはじめとして、香料素材としての汎
けています。
特長ある製品を展開
図① MDJ の 科学構造
O
CO 2 CH 3
用合成香料やスペシャリティ合成香料、
天然精油などを製造しています。
家庭品に配合される調合香料
表① 花王 の 代表的な香料素材
区 分
とそれをつくるための原料としての
香料を取り扱っておられるのですね。
平 井:そういうことになります。
製 品 名
アン バーコア
フル テート
スペシャリティ
マグノール
ポアレート
ポレナール 2
スペシャリティ合成香料というのは、
サンダルマイソールコア( S M C )
花王が独自に開発した香料素材ですが、
ア ル デヒドC - 6 ∼ C - 1 2
これだけで家庭品の賦香など、さまざ
ア ル デヒドC - 1 1 1 L E N
まな用途に使用する調合香料には対応
ア ル デヒドC - 1 2 M N A
できません。さまざまな用途の調合香
A C A( アミルシンナミックア ル デヒド )
料に対応するためには、数百種類にの
アニシル アセトン
ぼる汎用香料や天然精油などの香料素
汎用合成香料
材も欠かせないのです。
H C A( ヘ キシルシンナミックア ル デヒド )
O T C H A( o - t -ブチルシクロヘ キシル アセテート)
P T C H A( p - t -ブチルシクロヘ キシル アセテート)
γ−ラクトン( C - 9 、C - 1 0 、C - 1 1 )
「 MDJ」の特長
ヒヤシンスP P
MDJ
つまり、香料素材として数百種
フェニル ヘ キサノール
類の香料素材をそろえる必要があると
いうわけですね。
戸 井:その通りです。このため花王
14
エレミレジノイド5 0 D P G
ナチュラルオイル
(天然精油)
ラブダコア
ラブダキュア
高密度フォトンと
物質との相互作用
み さ わ 千兆分の一秒(フェムト秒)という短時間に
レーザーを照射するフェムト秒パルスレーザー加工は、
ナノ秒パルスレーザーでは不可能であった
超微細 ・ 精密加工が可能になります。
ひろあき
三澤 弘明
徳島大学大学院工学研究科
エコシステム工学専攻 教授
理学博士
専門:光化学・レーザープロセス
ほんの10年前までは、フェムト
せん。時間の長さである1fsと1秒
を起こすためです。図①は、市販の
視部に吸収帯を持たない材料内
パルスレーザー発振
秒
(10-15s= fs)
との比を長さの比で表せば、ウイ
マッチを集光したフェムト秒パ
部に、近赤外フェムト秒パルスレー
器は非常に大きく、
また安定性も低
ルスの大きさと地球7回り半の
ルスレーザーにより、発火させる
ザーを集光照射すると、材料内部
いものでした。最近では、フェムト
距離との比になります。フェムト
ことなく切断した例です。これか
だけを3次元的に加工できます。
秒パルスレーザー技術の飛躍的
秒という時間がいかに短いか、
お
らも、いかに熱的影響が少ない加
これは、電子ビームやイオンビー
な進展により小型化が進み、
今日
わかりいただけましたでしょうか。
工であるかを理解いただけます。
ムを用いたビーム加工でも実現
ではレーザーを専門としない研究
このようなフェムト秒パルスレー
他方、これと同様な切 断をナノ秒
できなかった全く新しい加工技
者でも安定したフェムト秒パルス
ザーを用いた加工が、従来のレー
パルスレーザーでも試みましたが、
術であり、我々はこれを
「フェムト
レーザーを簡便に利用できるよう
ザー加工と大きく異なる点は、
どのような条件で試してみても、
秒超加工」
と呼んでいます。図②は、
になりました。このような状況の
次の2点に集約できます。
必ず発火してしまいました。
紫外線硬化樹脂に400nmのフェ
変化が、高密度フォトンと物質との
①加工部位に熱的な損傷をほと
②に関しては、以下のメカニズ
ムト秒レーザーを集光照射して
相互作用に関する研究を発展させ、
んど与えることなく、 微細な加工
ムによるものです。 通常のレーザー
照射部位を棒状に固化させ、これ
さらにフェムト秒パルスレーザー
が可能である。
加工においては、照射するレーザー
をあたかもキャンプファイアーの
による加工への応用を加速させ
②回折限界を超える加工分解能
の光子によって物質内の電子が
薪のように3次元的に積み上げ
ています。以下、筆者らが進める最
(照射波長以下のサイズでの加
高いエネルギー状態に励起され
て作製したフォトニック結晶の
近のフェムト秒パルスレーザー加
工)
で、透明材料表面を損傷させ
ます。他方、集光フェムト秒レーザー
電子顕微鏡写真です。一本のロッ
工に関する研究を紹介します。
ることなく、材料内部のみを3
は材料に吸収されないエネルギー
ドの直径は約800nmであり、ロッ
一口にフェムト秒パルスと言っ
次元的な加工が可能である。
の低い光子でも、時間的・空間
ドの中心間距離は1.3μmです。
ても、どれぐらい短いパルスな
① に関しては、フェムト秒パル
的に光子密度の極めて高い状態
フェムト秒超加工は、従来のレー
のかにわかには理解しがたいも
スレーザーはパルス幅が極めて
を創りだせます。これを物質と
ザー加工における加工分解能や
のです。それを実感していただ
パルスレー
短いため、ナノ秒
(10-9s)
相互作用させると、それらが複数
加工次元を大きく高める潜在能
くため、具 体的な例を挙げて説
ザーとは比べものにならない巨
個、同時に電子と相互作用し、電
力を有しています。今後、フェム
明しますと、光は1秒間に地球を
大なピーク出力を持っています。
子を高いエネルギー状態に励起
ト秒超加工を産業分野へ応用展
7回り半に相当する距離
(およそ
このようなピーク出力の高いパ
する
「多光子吸収」が起き、材料を
開するには、よりエネルギー効率
30万km)
を進みます。この世の中
ルスレーザーを、空間的にも絞り
加工できるのです。多光子吸収は、
が高く、かつ安価なフェムト秒パ
には光より速いものは存在しま
込んで材料に照射すると、熱的な
集光フェムト秒パルスレーザーの
ルスレーザー発振器の開発が極
せんが、このように高速な光であっ
損傷を抑制できます。これは、レー
照射スポットの中でも、最も光強
めて重要となります。 この10年
て も 、 1 フェムト 秒 で はわ ず か
ザーの光エネルギーが材料の熱
度の高い中央部分で起きます。照
間のフェムト秒パルスレーザー
300 nm、つまり髪毛の太さのお
エネルギー
(格子振動)
に変換さ
射エネルギーが物質変化のしき
の目覚ましい発展を見ますと、 こ
よそ1/300の距離を進むにすぎま
れる前に、照射部位が物質変化
い値をわずかに越えるようなパ
のようなレーザー発振器が出現
ルス強度を設定すれば、ビーム
するのも遠い将来の話ではない
スポットより狭い、回折限界を超
ことが容易に予想され、この分野
える微小領域を精密に加工する
における今後のより大きな発展
ことが可能になるのです。さらに、
が期待できます。 □
図① 集光フェムト秒レーザーによるマッチの切断。
ガラスや紫外線硬化樹脂など可
図②
集光フェムト秒レーザーに
よ る 3 次 元 フォト ニ ッ ク
結晶の電子顕微鏡像。
レーザー照射条件は、波長:795 nm、パルス幅:150 fs、
パワー:270 mW、繰り返し周波数:1kHz。
右端のスケールの最小単位は1 mm。
15
花 王 だより
「優秀先端事業所賞」
を受賞
花王の和歌山事業場は、昨年11月に日本
いますが、今回はこれに続き3度目の受賞
しながら洗浄力を強化し、溶解性を向上
経済新聞社主催の「第20回優秀先端事
となります。
したことと、 製造 方法の改良により、 時
業所賞」を受賞しました。
受賞の理由としては、「生産・研究の連
間生産効率を1.5倍に改善できたこと。
この賞は、 産 業 社会の健 全な発 展に
携」
「原料から最終製品までの一貫生産
②コ・ジェネレーション設 備 導 入による省
貢献した、 国内外の先端的な工場などを
システム」
「各過程における継続的な工夫
エネルギー活 動 。
表 彰 するもので す。 記 者 の推 薦により と改善等を生かした“ 環 境に配慮したよ
③PR T R(化学物質管理促進)法対象物
厳選された60 事業所の中から、 国内1 3、
きモノづくり”を実践する活 動」が評 価さ
質に対する積極的な取り組み。
海外 2 の計15事業所が表彰されました。
れたものです。代 表的な実施例としては、
など、花王の地域社会への共生を目指した
今までに、 花 王では1983年に九州工場
① 衣 料用洗剤「アタックマイクロ粒 子」へ
環境配慮型事業場としての事 業活 動が、
(当時)
が、 1989年に川崎工場が受賞して
の改良において、 界 面 活 性 剤を削 減
社会的に認められたものです。
「第14 回 全国合同マイテイ会」を開催
花王の産業資材事業部・建材営業部は、
ジアのコンクリート事情視察ツアー”
として
今回訪問した4工場は、インフラの整備
昨年11月4∼10日にコンクリート用高性能
開催しました。 この視 察 ツアーではシン
が進められ、 環境整備もますます進展す
減 水剤「マイテイ」ユーザーである「マイテ
ガポール、マレーシア、 およびタイのコンク
るにつれて、コンクリートの使用量が 増加
イ会」会員の方々を対象に「第14 回全国
リート用高性能減水剤「マイテイ」ユーザ
すると見られる国々にあります。 訪問した
合同マイテイ会」を開催しました。 今回の
ーであるコンクリート二 次 製 品 工 場 4 社
いずれの工場も活気があり、 参加された
「マイテイ会」
は、コンクリート二次製品メー
と花王インダストリアル(タイ)社を視察し
皆さまも過密なスケジュールにもかかわ
ました。
らず、 大変お喜びになりました。
カー22社の方々に参加いただき、“ 東南ア
「セミコンジャパン 2002」
に出展
花王の産業資材事業部は、昨年12月4∼
6日に千葉 の幕張メッセで開催された「セミ
コンジャパン2002」
に、 高性能半導体関連
薬剤「クリンスルーKS」
シリーズを出展しまし
た。同展示 会は、 半導体に関連した材料
と装置に関わる国際展 示 会で、わが国に
おけるこの種の展 示 会の中で 最 大 規模
のものです。今回は出展 社数14 2 7、 来場
者数10万人を超える展 示 会であり、たい
へ ん盛り上がったものとなりました。
花王のブースでは、 昨年に続いて商談
コーナーを設け、ご来場のお客さまと具体
的なテーマでの議論が行われました。また、
パネルを用い、高性能半導体関連薬剤「ク
リンスルーKS」
シリーズの中でも、剥離剤を
中心にすぐれた製品特長など、さまざまな
説明を行いました。今回の展示会では、韓
国や台湾などの海外から来られたお客さま
を含めて、関連業界から多くの方々が来場
され、たいへん盛況でした。
16
花王ブースにて
サクセス薬用「フラバサイト」
毛髪成長のしくみについて
を経て、次に生えてくる髪に押し上げら
自然界にある2 0 0 0 種にも及ぶ 動 植 物エ
日本人における毛 髪 総 量は、およそ10
れるように脱 毛する。
キスを調べ 、西 洋 オトギリ草 に 含まれる
万本であり、一日に 50∼10 0 本の毛 髪が
薄毛が 進行しているときには、成長期
成 分アスチルビンが 高い育毛 効 果 示す
抜けることは、自然な生 理 現 象といわれ
でも毛根は深く伸びず、毛球は頭皮の浅
ことを発見しました。さらにすぐれた 効 果
ています。毛 髪が成 長するのは、毛根にあ
い 位 置にとどまっています。4∼ 7 年ある
を得るために研 究を重ね、1 9 9 4 年に高
る毛球というふくらんだ部分の中にある毛
べき成長期の期間が 数ヶ月∼1年と短くな
い 育 毛 効 果を示 す 物 質 t -フラバノンを
母細 胞が分 裂を繰り返すことで、毛 髪を
り、髪は細く短いまま抜け落ちていきます。 開 発しました。この新 規 有効 成分 t -フラ
形成することによります。成長を続ける毛
サクセス薬用フラバ サイトの 特長
球 の内部には 毛 乳 頭という組 織 があり、 花王では、19 8 9 年以来育毛効果の高
毛髪を成 長させる栄 養分が 毛細血管か
バノンを配 合した育毛 剤「サクセス薬用
フラバサイト」
( 医薬部外品)
を新しく発 売
い成分を研 究してきました。その過程で、 しました。
ら送りこまれます。つまり、毛髪の成長には
毛 乳 頭 細 胞の 活 性と毛 母 細 胞 の 増 殖
が、重要な役 割を担っています。
毛 髪には、成長期と退行期、休止期の
“ヘアサイクル”がありますが、健康な毛髪
におけるヘアサイクルは 次の通りです。
●
成 長 期:4∼7年で、発毛した髪が成長を
続ける( 髪 全体の85∼ 90%を占める)
。
●
退 行 期:2∼3 週間で、毛 球 が 縮小して
成長 が止まり、毛 乳 頭と毛 母 が 離れ、
毛 根が頭 皮の浅いところに移 動する。
●
休 止 期:2∼3ヶ月で、成 長が 休 止 状 態
特長
*
① 新規有効成分
〈t-フラバノン〉
が毛 球
(髪の球根)
にある細 胞の増 殖を促進し、髪をより太く長く、
抜けにくく育てます。
② 頭 皮をすっきり・爽快にし、ベタつきません。
③ ふけ、かゆみを防ぎます。
④ 香りの気にならない無香料タイプ。
⑤ 頭皮に心地よい刺 激を与える新 開 発 のパルス
ジェットスプレー。
注)*:t -フラバノン:
トランス− 3 , 4' −ジメチル − 3 −ヒドロキシフラバノン
黄ばみを落として、つややかな白い歯に「クリアクリーン
歯の黄 ば みと歯みがき
プラス ホワイトニング」
たい”
と望んでおられ、
「歯の美白」意識
プラス ホワイトニング」
を新しく発売しました。
最近、毎日歯みがきしていても歯が黄
が再 び 高まってきています。
このハミガキは、
着色汚れと金属イオンの結
色っぽくなるなどと、歯の黄ばみを気にす
「クリアクリーンR プラス ホワイトニング」の特長
合をゆるめて、黄ばみを浮き上がらせ落ちや
る人が 増えています。この黄ばみは、
タバ
2つのフッ素
(MFP/NaF)
により初期むし
すくしますので、毎日歯みがきすることで本来
コを喫 煙 することによる汚 れや、お 茶 や
歯の再石灰化を促進し、口中のカルシウム
のつややかな白い歯にする効果があります。
コーヒー、紅 茶などの飲 食 物による着 色
などを取り込み、むし歯の発生と進行を防
「クリアクリーンR プラス ホワイトニング」
汚 れなどが、毎日の 歯 みがきで落としき
に続いて、
第2弾と
ぐ
「クリアクリーンR プラス」
は、歯の美白に関心のある方にお勧めし
れ ずに 歯に沈 着 するためで す。
して歯の黄ばみに注目した「クリアクリーンR
たいハミガキです。
お茶などによる黄ばみは、お茶 やコー
ヒー、紅茶などに含まれている着 色 物 質
が、カルシウムや 鉄などの 金 属イオンと結
び つき、歯 の表 面に 沈 着して生じます。
こうした沈 着 物 は 歯 垢よりも落としにく
く、
この黄ばみを落とすケアをしないと「黄
ばみ 」
となってしまいます。
この歯の黄ばみを落として白い歯にし
たいという消 費者の歯の黄ばみに対する
悩みは、むし歯と歯周 病に次ぐ 3 番目の
悩みです。消 費者の7 割以上の方々がハ
ミガキに歯を白くする効 果を期 待し、
“黄
特長
①リンゴ酸(1)が、歯の表面やすき間までいきわたり、
黄ばみ(3)を浮き上がらせて、落としやすくします。
② 砕ける顆粒( 2 )が、浮き上がった黄ばみや、隠れた
歯垢もスッキリ落とします。
●タバコのヤニを落とします。
● 歯質を強化し、むし歯を予防するフッ素配合。
●ほのかに甘酸っぱい、
さわやかアップルミントの
香味です。
注)(1)
リンゴ酸:清掃助剤
(2)顆 粒:清掃剤
(3)黄 ば み:お茶やコーヒー・紅茶などの飲食物による着色
汚れが、落としきれずに歯に沈 着したもの。
ばみをなくしたい”
、
“歯 本来の白さに戻り
17
花王の新しい高性能コンディショニング基剤
花
王
ケ
ミ
カ
ル
だ
よ
り
K
A
O
C
H
E
M
I
C
L
「コータミンE - 8 0 K」は、塩 化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムと
溶 媒として高級アルコールを含 有 するヘアコンディショニング用基 剤で す。
ヘアコンディショナーなど への配 合により、すぐ れた使用感を実現し、
髪 への塗 布やすすぎ 時には、良好 な柔軟性と指 通り性を付与できます。
特に、乾 燥した後の髪のまとまりを良くし、
すぐれ た 風 合いを与えます。
特長
●すぐれた乳化力・可溶化力を有し、
他の添加剤との相溶性が良好です。
●軽い仕上がりからリッチ感のある仕上がりまで、
幅広いコンディショナーが得られます。
● 溶媒として、コンディショナーに用いられる
高級アルコールを使用しています。
-
●常温で個体の非危険物であり、
ハンドリング性にすぐれています。
組成
8501
東
京
都
墨
田
区
文
花
二
-
一
-
お問い合わせとサンプルのご請求は、
(香粧品事業部)
●塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム
(表示名:ステアロキシプロピルトリモニウム)
三
東 京 T e l.03 - 5630 -76 44
Fax.03 - 5630 -9350
●セチルアルコール/ステアリルアルコール
大 阪 Te l.06 - 6533 -7430
Fax.06 - 6533-7967
用途
●ヘアコンデショナー
〒103-8210 東京都中央区日本橋茅場町 1‐14‐10 Tel : 03‐3660‐7111
東 京 化 学 品 〒131-8501 東京都墨田区文花2- 1 -3
大 阪 化 学 品 〒550-0012 大阪市西区立売堀1-4- 1 和歌山化学品 〒640-8580 和歌山市湊1334 研 究 所 和歌山・東京・栃木・鹿島・豊橋
工 場 和歌山・東京・川崎・酒田・栃木・鹿島・豊橋
F
O
R
U
M
第
五
十
一
号
平
成
15
年
3
月
1
日
発
行
・
発
行
所
花
王
株
式
会
社
化
学
品
事
業
本
部
業
務
推
進
部
〒
131
Tel:0 3 - 5 6 3 0 - 7 6 4 1
Tel:0 6 - 6 5 3 3 - 7 4 4 1
Tel:0 73 - 4 3 3 - 2 7 1 1
この印刷物は、花王の脱墨剤を使った再生紙を使用しております。
企画:花王株式会社 化学品事業本部
制作:花王 情報作成センター 花王クエーカー株式会社 〒131-8501 東京都墨田区文花 2‐1‐3 Tel : 03‐5630‐7842
E-m a i l =chemical@ kao.co. jp
U R L =h t t p : //chemical.kao.co. jp/
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