2016年10月改訂(第4版) 日本標準商品分類番号:87449 医薬品インタビューフォーム 日本病院薬剤師会の IF 記載要領(1998年 9 月)に準拠して作成 トロンボキサンA2受容体拮抗剤 −気管支喘息治療剤− セラトロダスト錠・顆粒 剤 形 錠 :素錠 顆 粒:顆粒剤 規 格 ・ 含 量 錠 :1錠中セラトロダスト40mg、80mg含有 顆 粒:1g中セラトロダスト100mg含有 一 般 名 和 名:セラトロダスト( JAN) 洋 名:seratrodast ( JAN) 製 造 販 売 承 認 年 月 日 製 造 販 売 承 認 年 月 日:1995年 9 月29日 薬 価 基 準 収 載 薬 価 基 準 収 載 年 月 日:1995年11月24日 ・ 発 売 年 月 日 発 売 年 月 日:1995年12月 6 日 開 発 ・ 製 造 ・ 販 売:武田薬品工業株式会社 輸入・発売・提携・ 販 売 会 社 名 製造販売元:武田テバ薬品株式会社 担 当 者 の 連 絡 先 ・ 電話番号・FAX番号 本 IF は2016年10月改訂の添付文書の記載に基づき作成した。 IF 利 用 の 手 引 き の 概 要 — 日本病院薬剤師会 — 1 . 医薬品インタビューフォーム作成の経緯 当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者(以下、MR と略す)等にインタビュー し、当該医薬品の評価を行うのに必要な医薬品情報源として使われていたインタビュー フォームを、昭和 63 年日本病院薬剤師会(以下、日病薬と略す)学術第 2 小委員会が 「医薬品インタビューフォーム」(以下、IF と略す)として位置付けを明確化し、その 記載様式を策定した。そして、平成 10 年日病薬学術第 3 小委員会によって新たな位置 付けと IF 記載要領が策定された。 2 . IF とは IF は「医療用医薬品添付文書等の情報を補完し、薬剤師等の医療従事者にとって日常 業務に必要な医薬品の適正使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の裏付けとな る情報等が集約された総合的な医薬品解説書として、日病薬が記載要領を策定し、薬剤 師等のために当該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼している学術資料」と位置付 けられる。 しかし、薬事法の規制や製薬企業の機密等に関わる情報、製薬企業の製剤意図に反した 情報及び薬剤師自らが評価・判断・提供すべき事項等は IF の記載事項とはならない。 3 . IF の様式・作成・発行 規格はA 4 版、横書きとし、原則として 9 ポイント以上の字体で記載し、印刷は一色刷 りとする。表紙の記載項目は統一し、原則として製剤の投与経路別に作成する。 IF は日病薬が策定した「IF 記載要領」に従って記載するが、本 IF 記載要領は、平成 11 年 1 月以降に承認された新医薬品から適用となり、既発売品については「IF 記載要領」 による作成・提供が強制されるものではない。また、再審査及び再評価(臨床試験実施 による)がなされた時点ならびに適応症の拡大等がなされ、記載内容が大きく異なる場 合には IF が改訂・発行される。 4 . IF の利用にあたって IF 策定の原点を踏まえ、MR へのインタビュー、自己調査のデータを加えて IF の内容 を充実させ、IF の利用性を高めておく必要がある。 MR へのインタビューで調査・補足する項目として、開発の経緯、製剤的特徴、薬理作 用、臨床成績、非臨床試験等の項目が挙げられる。また、随時改訂される使用上の注意 等に関する事項に関しては、当該医薬品の製薬企業の協力のもと、医療用医薬品添付文 書、お知らせ文書、緊急安全性情報、Drug Safety Update(医薬品安全対策情報)等に より薬剤師等自らが加筆・整備する。そのための参考として、表紙下段に IF 作成の基 となった添付文書の作成又は改訂年月を記載している。 なお、適正使用や安全性確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での発 売状況」に関する項目等には承認外の用法・用量、効能・効果が記載されている場合が あり、その取扱いには慎重を要する。 目 次 Ⅰ :概要に関する項目 1 .開発の経緯 1 2 .製品の特徴及び有用性 1 Ⅱ:名称に関する項目 1 .販 売 名 1 − 1 和 名 2 1 − 2 洋 名 2 1 − 3 名称の由来 2 2 .一 般 名 2 − 1 和 名(命名法) 2 2 − 2 洋 名(命名法) 2 3 .構造式又は示性式 2 4 .分子式及び分子量 2 5 .化学名(命名法) 3 6 .慣用名、別名、略号、記号番号 3 7 .CAS 登録番号 3 Ⅲ:有効成分に関する項目 1 .有効成分の規制区分 4 2 .物理化学的性質 2 − 1 外観・性状 4 2 − 2 溶 解 性 4 2 − 3 吸 湿 性 5 2 − 4 融点(分解点)、沸点、凝固点 5 2 − 5 酸塩基解離定数 5 2 − 6 分配係数 5 2 − 7 その他の主な示性値 5 3 .有効成分の各種条件下での安定性 6 4 .有効成分の確認試験法 6 5 .有効成分の定量法 6 Ⅳ:製剤に関する項目 1 .剤 形 1 − 1 剤形の区別、規格及び性状 7 1 − 2 製剤の物性 7 1 − 3 識別コード 7 2 .製剤の組成 2 − 1 有効成分(活性成分)の含量 7 2 − 2 添 加 物 7 3 .製剤の各種条件下における安定性 8 4 .混入する可能性のある夾雑物 9 5 .溶出試験 9 6 .製剤中の有効成分の確認試験法 9 7 .製剤中の有効成分の定量法 10 8 .容器の材質 10 9 .そ の 他 10 Ⅴ:治療に関する項目 1 .効能又は効果 11 2 .用法及び用量 2 − 1 用法・用量 11 2 − 2 用法・用量に関連する使用上の注意 11 3 .臨床成績 3 − 1 臨床効果 11 3 − 2 臨床薬理試験:忍容性試験 11 3 − 3 探索的試験:用量反応探索試験 12 3 − 4 検証的試験 12 3 − 5 治療的使用 13 Ⅵ:薬効薬理に関する項目 1 .薬理学的に関連ある化合物又は化合物群 14 2 .薬理作用 2 − 1 作用部位・作用機序 14 2 − 2 薬効を裏付ける試験成績 16 Ⅶ:薬物動態に関する項目 1 .血中濃度の推移・測定法 1 − 1 治療上有効な血中濃度 24 1 − 2 最高血中濃度到達時間 24 1 − 3 通常用量での血中濃度 24 1 − 4 中毒症状を発現する血中濃度 26 2 .薬物速度論的パラメータ 2 − 1 吸収速度定数 26 2 − 2 バイオアベイラビリティ 26 2 − 3 消失速度定数 26 2 − 4 クリアランス 27 2 − 5 分布容積 27 2 − 6 血漿蛋白結合率 27 3 .吸 収 27 4 .分 布 4 − 1 血液—脳関門通過性 28 4 − 2 胎児への移行性 28 4 − 3 乳汁中への移行性 29 4 − 4 髄液への移行性 29 4 − 5 その他の組織への移行性 30 5 .代 謝 5 − 1 代謝部位及び代謝経路 31 5 − 2 代謝に関与する酵素(CYP450 等)の分子種 31 5 − 3 初回通過効果の有無及びその割合 32 5 − 4 代謝物の活性の有無及び比率 32 5 − 5 活性代謝物の速度論的パラメータ 32 6 .排 泄 6 − 1 排泄部位 33 6 − 2 排 泄 率 33 6 − 3 排泄速度 33 7 .透析等による除去率 7 − 1 腹膜透析 34 7 − 2 血液透析 34 7 − 3 直接血液灌流 34 Ⅷ:安全性(使用上の注意等)に関する項目 1 .警告内容とその理由 35 2 .禁忌内容とその理由 35 3 .効能・効果に関連する使用上の注意とその理由 35 4 .用法・用量に関連する使用上の注意とその理由 35 5 .慎重投与とその理由 35 6 .重要な基本的注意とその理由及び処置方法 35 7 .相互作用 7 − 1 併用禁忌とその理由 36 7 − 2 併用注意とその理由 36 8 .副 作 用 8 − 1 副作用の概要 36 8 − 2 項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧 37 8 − 3 基礎疾患、合併症、重症度及び手術の有無等背景別の副作用発現頻度 38 8 − 4 薬物アレルギーに対する注意及び試験法 38 9 .高齢者への投与 38 10 .妊婦、産婦、授乳婦等への投与 39 11 .小児等への投与 39 12 .臨床検査結果に及ぼす影響 39 13 .過量投与 39 14 .適用上及び薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等) 39 15 .その他の注意 39 16 .そ の 他 39 Ⅸ:非臨床試験に関する項目 1 .一般薬理 40 2 .毒 性 2 − 1 単回投与毒性試験 40 2 − 2 反復投与毒性試験 40 2 − 3 生殖発生毒性試験 41 2 − 4 その他の特殊毒性 41 Ⅹ:取扱い上の注意等に関する項目 1 .有効期間又は使用期限 42 2 .貯法・保存条件 42 3 .薬剤取扱い上の注意点 42 4 .承認条件 42 5 .包 装 42 6 .同一成分・同効薬 42 7 .国際誕生年月日 42 8 .製造販売承認年月日及び承認番号 42 9 .薬価基準収載年月日 42 10 .効能・効果追加、用法・用量変更追加等の年月日及びその内容 43 11 .再審査結果、再評価結果公表年月日及びその内容 43 12 .再審査期間 43 13 .長期投与の可否 43 14 .厚生労働省薬価基準収載医薬品コード 43 15 .保険給付上の注意 43 Ⅺ:文 献 1 .引用文献 44 2 .その他の参考文献 45 Ⅻ:参考資料 46 ⅩⅢ:備 考 47 Ⅰ:概要に関する項目 1 .開発の経緯 武田薬品工業株式会社では、トロンボキサン A2 やロイコトリエンなどのアラキドン酸代謝 物の生成・遊離抑制及び受容体拮抗作用を有する薬剤の探索研究を行ってきた。これらの研 究過程において、1984 年に合成された新規ベンゾキノン誘導体であるセラトロダストが強 いトロンボキサン A2 受容体拮抗作用並びに抗喘息作用を有することを見いだし、新規の作 用機序を示す抗喘息薬として開発を進めた。二重盲検比較対照試験を含む各種臨床試験にお いて、気管支喘息に対する有用性が確認され、1995 年 9 月に製造承認を受けた。 その後、製造販売後調査の成績等を基に再審査を受け、有用性が確認された(再審査結果通 知: 2004 年 9 月)。 2016 年 10 月に武田テバ薬品株式会社が武田薬品工業株式会社より製造販売承認を承継し た。 2 .製品の特徴及び有用性 (1)トロンボキサン A2 受容体拮抗作用に基づく、1 日 1 回投与の気管支喘息治療剤である。 (2)気管支喘息患者の肺機能検査値(ピークフロー値)を改善する。 (3)即時型喘息反応(モルモット)、遅延型喘息反応(モルモット)を抑制し、気管支喘息患 者の気道過敏性を改善する。 (4)承認時までの調査では 824 例中 97 例(11.8 %)に、製造販売後の使用成績調査(再審査 終了時点)では 3,267 例中 210 例(6.4 %)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められて いる。 なお、重大な副作用として重篤な肝機能障害、劇症肝炎が上記の調査あるいは自発報告 等で認められている。 −1− Ⅱ:名称に関する項目 1 .販 売 名 1−1 和 名 ブロニカ® 錠 40 ブロニカ® 錠 80 ブロニカ® 顆粒 10 % 1−2 洋 名 BRONICA ® Tablets 40 BRONICA ® Tablets 80 BRONICA ® Granules 10 % 1−3 名称の由来 bronchia(気管支)に由来する。 2 .一 般 名 2−1 和 名(命名法) セラトロダスト(JAN) 2−2 洋 名(命名法) Seratrodast(JAN) 3 .構造式又は示性式 H 3C H 3C O O CH3 CH− (CH2) 5COOH 4 .分子式及び分子量 分子式: C22H26O4 分子量: 354.44 −2− 5 .化 学 名(命名法) (RS )− 7 −(3,5,6 − Trimethyl − 1,4 − benzoquinon − 2 − yl)− 7 − phenylheptanoic acid(IUPAC) 6 .慣用名、別名、略号、記号番号 開発コード: AA − 2414 7 .CAS 登録番号 112665 − 43 − 7 −3− Ⅲ:有効成分に関する項目 1 .有効成分の規制区分 該当しない 2 .物理化学的性質 2−1 外観・性状 本品は黄色〜だいだい黄色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。 2−2 溶 解 性 本品はジエチルエーテル、メタノール、エタノール(99.5)又はアセトニトリルにやや溶 けにくく、水にほとんど溶けない。 ■各種溶媒に対する溶解性(20 ℃) 溶媒名 本品1gを溶かすのに要する溶媒量 (mL) 溶解性の表現 ジエチルエーテル 45∼49 やや溶けにくい メタノール 47∼56 やや溶けにくい エタノール(99.5) 47∼55 やや溶けにくい アセトニトリル 74∼80 やや溶けにくい 水 >10000 ほとんど溶けない 日局・通則による (武田薬品・研究所) ■各種 pH 溶液に対する溶解度(20 ℃) pH 溶解度 (mg/mL) 1.0 1.1×10−4 3.0 1.4×10−4 5.0 3.6×10−4 7.0 2.9×10−2 9.0 1.7 11.0 6.0 13.0 39 pH1.0 : 0.1mol/L 塩酸、pH3.0 〜 11.0 : Britton-Robinson 緩衝液、pH13.0 : 0.1mol/L 水酸化ナト リウム (武田薬品・研究所) −4− 2−3 吸 湿 性 25 ℃・ 93 % RH の条件下に 10 日間保存した結果、水分の増加はなく、吸湿性は認められ なかった。 (武田薬品・研究所) 2−4 融点(分解点)、沸点、凝固点 融点: 127 〜 130 ℃ (武田薬品・研究所) 2−5 酸塩基解離定数 pKa : 4.6 (武田薬品・研究所) 2−6 分配係数 本品は酸性及び中性領域では有機層に分配されやすく、塩基性領域では一部水層に移行した。 ■分配係数(20 ℃) pH 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 オクタノール/水 >1000 >1000 >1000 91 7.9 ジクロロメタン/水 >1800 >1800 >1800 184 4.7 測定系 分配係数:有機層中の濃度/水層中の濃度 (武田薬品・研究所) 2−7 その他の示性値 ◇旋光性 [α] 20D :0[0.1g、エタノール (99.5) 10mL、100mm] ◇吸光度 1% E (267nm) :494∼503[エタノール (95) 溶液 (1→62500) ] 1cm (武田薬品・研究所) −5− 3 .有効成分の各種条件下での安定性 試 験 温度 湿 度 保存形態 暗 所 ポリエチレン袋 40℃ 苛 酷 試 験 温 度 50℃ − 暗 所 60℃ 湿 度 25℃ 75%RH 93%RH 暗 所 無色ガラス瓶 (密栓) 無色ガラス瓶 (開栓) 白色蛍光灯 光 25℃ − シャーレ (1000lx) (ポリ塩化ビニリ キセノンランプ デン製フィルム (80000lx) で覆った) 保存期間 結果 36ヵ月 6ヵ月 3ヵ月 3ヵ月 6ヵ月 2ヵ月 変 化 な し 長期保存試験 25℃ 29∼73%RH 光 18時間 (武田薬品・研究所) 4 .有効成分の確認試験法 (1)過塩素酸鉄(Ⅲ)・エタノール(99.5)試液による呈色反応 (2)紫外可視吸光度測定法 (3)赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法 (武田薬品・研究所) 5 .有効成分の定量法 電位差滴定法 (武田薬品・研究所) −6− Ⅳ:製剤に関する項目 1 .剤 形 1−1 剤形の区別、規格及び性状 ○剤形の区別 錠 40、80 :素錠 顆粒 10 %:顆粒剤 ○規 格 本品は定量するとき、表示量の 95 〜 105 %に対応するセラトロダスト(C22H26O4 : 354.44)を含む。 ○性 状 素錠 割線入りの素錠 黄色∼だいだい黄色 黄色∼だいだい黄色 上面 下面 側面 上面 下面 側面 形 錠剤の色 形 ブロニカ錠 80 状 450 40 451 80 剤 ブロニカ錠 40 直径(mm) 6.5 7.7 厚さ(mm) 2.9 3.1 重さ(mg) 120 160 ブロニカ顆粒 10 %:淡黄色〜だいだい黄色の顆粒剤である。 1−2 製剤の物性 顆粒 10 %:日局・製剤総則・顆粒剤(3)の粒度に適合する。 1−3 識別コード 錠40: 450 錠80: 451 2 .製剤の組成 2−1 有効成分(活性成分)の含量 ブロニカ錠 40、80 はそれぞれ 1 錠中にセラトロダスト 40mg、80mg を含有する。 ブロニカ顆粒 10 %は 1g 中にセラトロダスト 100mg を含有する。 2−2 添 加 物 錠 40、80 :ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコシ デンプン、乳糖水和物 顆粒 10 %:ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、タルク、ポリオ キシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、結晶セルロース、 トウモロコシデンプン、乳糖水和物 −7− 3 .製剤の各種条件下における安定性 (1)長期保存試験(保存条件:室温) 1) 錠40 (保存形態:PTP+内袋+紙箱) 測定項目 外 イニシャル 観 含量(残存率,%) 黄色∼だいだい黄色の素錠 100 12ヵ月 24ヵ月 36ヵ月 変化なし 変化なし 変化なし 100.0 99.6 99.9 2)錠80(保存形態:PTP+内袋+紙箱) 測定項目 外 イニシャル 12ヵ月 24ヵ月 36ヵ月 観 黄色∼だいだい黄色の割線入りの素錠 変化なし 変化なし 変化なし 含量(残存率,%) 100 100.0 100.4 99.9 12ヵ月 24ヵ月 36ヵ月 3)顆粒10%(保存形態:ポリ瓶+紙箱) イニシャル 測定項目 外 観 含量(残存率,%) 淡黄色∼だいだい黄色の顆粒 100 変化なし 変化なし 変化なし 99.8 99.8 99.8 (武田薬品・品質保証部) (2)苛酷試験 1)温度安定性 保存条件: 40 ℃、暗所、保存形態:無色ガラス瓶(密栓) ○錠80 イニシャル 測定項目 外 観 含量(残存率,%) だいだい黄色の素錠 2ヵ月 4ヵ月 6ヵ月 変化なし 変化なし 変化なし 100 99.6 99.1 99.6 イニシャル 2ヵ月 4ヵ月 6ヵ月 ○顆粒10% 測定項目 外 観 含量(残存率,%) 黄色の顆粒剤 100 変化なし 変化なし 変化なし 100.3 100.5 100.3 2)湿度安定性 保存条件: 25 ℃・ RH75 %、暗所、保存形態:無色ガラス瓶(開栓) ○錠80 測定項目 外 イニシャル 観 含量(残存率,%) だいだい黄色の素錠 2ヵ月 4ヵ月 6ヵ月 変化なし 変化なし 変化なし 100 99.4 100.1 100.1 イニシャル 2ヵ月 4ヵ月 6ヵ月 ○顆粒10% 測定項目 外 観 含量(残存率,%) 黄色の顆粒剤 100 −8− 変化なし 変化なし 変化なし 98.3 98.5 99.2 3)光安定性 保存条件: 25 ℃、蛍光灯 1000lx 保存形態:シャーレ(ポリ塩化ビニリデン製フィルムで覆った) ○錠 80 イニシャル 17日間 34日間 50日間 だいだい黄色の素錠 変化なし 変化なし 変化なし 100 99.2 99.6 98.9 イニシャル 17日間 34日間 50日間 黄色の顆粒剤 変化なし 変化なし 変化なし 100 100.0 99.5 98.4 測定項目 外 観 含量(残存率,%) ○顆粒 10 % 測定項目 外 観 含量(残存率,%) (武田薬品・研究所) 4 .混入する可能性のある夾雑物 下記の 2 種類の類縁物質がわずかに混入する可能性がある。 類縁物質Ⅰ 類縁物質Ⅱ O H3C H3C O O CH3 H3C CH (CH2) 5COOH H3C CH3 O H3C CH (CH2) 5COO H3C CH3 OH CH(CH2) 5COOH CH (CH2) 5COOH (武田薬品・研究所) 5 .溶出試験 日局・溶出試験法・パドル法にて、下記の条件により行う。 試 験 液: pH8.0 の 0.05mol/L リン酸塩緩衝液、900mL 回 転 数:毎分 100 回転 規 格: 30 分間の溶出率が 70 %以上のとき適合 (武田薬品・研究所) 6 .製剤中の有効成分の確認試験 (1)過塩素酸鉄(Ⅲ)・エタノール試液による呈色反応 (2)紫外可視吸光度測定法 (武田薬品・研究所) −9− 7 .製剤中の有効成分の定量法 液体クロマトグラフィー (武田薬品・研究所) 8 .容器の材質 PTP :ポリプロピレン、アルミ箔 内袋:ポリエチレン 紙箱 ポリエチレン容器 9 .そ の 他 該当しない − 10 − Ⅴ:治療に関する項目 1 .効能又は効果 気管支喘息 2 .用法及び用量 2−1 用法・用量 通常、成人にはセラトロダストとして 80mg を 1 日 1 回、夕食後に経口投与する。 2−2 用法・用量に関連する使用上の注意 高齢者には低用量(40mg/日)から投与を開始するなど注意すること。 (「高齢者への投与」 の項参照) 3 .臨床成績 3−1 臨床効果 気管支喘息患者を対象に 1 日 1 回セラトロダストとして 80mg を主として 8 週間投与した 一般臨床試験及び二重盲検比較対照試験、並びに高齢の気管支喘息患者を対象として 1 日 1 回セラトロダストとして 40mg から投与を開始し 1 日 80mg まで症状に応じて適宜増量し た一般臨床試験(12 週間投与)における最終全般改善度は下表のとおりである。 対 象 例 数 中等度改善以上 65歳未満 397 203 (51.1) 65歳以上 117 48 (41.0) 合計 514 251 (48.8) 数字は例数、( )内は% なお、気管支喘息患者を対象とした二重盲検比較対照試験の結果、本剤の有用性が認めら れている。 3−2 臨床薬理試験:忍容性試験 健康成人 33 例(年齢: 34 〜 51 歳)を対象に、セラトロダスト 5、10、20mg 単回経口投与 及び 1 回 10mg1 日 2 回 3 日間及び 7 日間反復経口投与して忍容性を検討した。その結果、1 回 10mg1 日 2 回 7 日間反復投与の 6 例中 1 例に軽度の ALT(GPT)上昇が認められたが、 安全性において懸念すべきものではなかった。その他については異常所見、異常変動は認 められず、忍容性は良好であった 1)。 志水正敏, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8) :3 健康成人 102 例(年齢: 20 〜 25 歳)を対象に、セラトロダスト 40、80、120、160mg を単 回経口投与及び 1 日 1 回 20、40、60、80、120mg を 7 日間反復経口投与して忍容性を検討 した。その結果、80mg の 7 日間反復投与で軽度の発疹、120mg の 7 日間反復投与で軽度の ヘモグロビン量低下がそれぞれ 6 例中 1 例に認められたが、安全性において懸念すべきも のではなかった。その他については異常所見、異常変動は認められず、1 日 1 回 120mg の 7 日間反復投与までの忍容性は良好であった 2)。 立野政雄, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8) : 21 注意:本剤の承認用法・用量は「通常、成人にはセラトロダストとして 80mg を 1 日 1 回、夕食後び 経口投与する。」である。 − 11 − 3−3 探索的試験:用量反応探索試験 気管支喘息患者 147 例を対象に 1 日 1 回セラトロダスト 20mg、40mg 及び 80mg を夕食後に 6 週間経口投与して、至適用量を検討した。その結果、最終全般改善度は「中等度改善」 以上で 20mg 投与群 17.0 %、40mg 投与群 33.3 %、80mg 投与群 55.2 %であり、用量に相関 した改善率の増加がみられた。セラトロダストとの因果関係の否定できない副作用は 20mg 投与群 7.5 %、40mg 投与群 8.5 %、80mg 投与群 12.1 %であり、発現率に差は認めら れなかった。以上の結果から至適用量は 40mg 〜 80mg と推定された 3)。 中島重徳, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8) : 77 3−4 検証的試験 (1)無作為化平行用量反応試験 アトピー型又は混合型の気管支喘息患者 245 例を対象に、1 日 1 回セラトロダスト 40mg、80mg 及びプラセボを夕食後に 8 週間経口投与する二重盲検比較対照試験を実 施した。その結果、最終全般改善度は「中等度改善」以上で 80mg 投与群 48.6 %、 40mg 投与群 40.8 %でプラセボ投与群 19.4 %に比べ有意に高かった(80mg 投与群: p ≦ 0.01、40mg 投与群: p ≦ 0.05、Tukey の多重比較検定)。また、喘息点数はプラ セボ投与群に比して 80mg 投与群で 1 〜 2 週以降いずれの週でも有意に点数の減少が みられたが、40mg 投与群では有意の差がみられたのは 5 〜 6 週以降であった。セラト ロダストとの因果関係の否定できない副作用は 80mg 投与群で 13.3 %、40mg 投与群 で 7.2 %、プラセボ投与群で 13.3 %で有意の差は認められなかった。以上の結果から 至適用量は 1 日 80mg が妥当であると考えられた 4)。 中島重徳, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8) : 101 (2)比較試験 新規トロンボキサン A2 受容体拮抗薬 AA − 2414 錠の成人気管支喘息に対する有用性の 検討−塩酸アゼラスチンを対照とする二重盲検比較試験− 5) 中島重徳, 他:医学のあゆみ 1994, 168 : 295 (3)安全性試験 気管支喘息患者 103 例を対象に、1 日 1 回セラトロダスト 80mg を夕食後に 24 〜 48 週 間経口投与する長期投与試験を実施した。その結果、最終全般改善度は「中等度改善」 以上で 48.5 %であり、セラトロダストとの因果関係の否定できない副作用は 9.9 %に 認められた。以上の結果から長期投与し得る薬剤と判断された 6)。 高橋昭三, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8) : 213 − 12 − (4)患者・病態別試験 1)高齢者での検討 高齢の気管支喘息患者 41 例(64 〜 83 歳)を対象に、1 日 1 回夕食後にセラトロダ スト 40mg/日から経口投与を開始し、症状に応じて適宜 80mg/日に増量して 12 週 間投与する試験を実施した。その結果、全期間 40mg/日を投与した症例は 23 例、 40mg/日から 80mg/日へ増量した症例は 18 例であり、最終全般改善度は「中等度 改善」以上で 53.7 %であった。セラトロダストとの因果関係の否定できない副作 用は 14.6 %にみとめられ、40mg/日投与群では 13.0 %、80mg/日増量群では 16.7 %であり、両群の発現率は同程度であった。以上の結果から高齢気管支喘息 患者に対しては 40mg/日から投与を開始して症状に応じて適宜 80mg/日に増量す る用法・用量が適当であると判断された 7)。 信太隆夫, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8) : 185 2)感染型気管支喘息患者での検討 感染型気管支喘息患者 69 例を対象に、1 日 1 回セラトロダスト 80mg を夕食後に 8 週間経口投与する試験を実施した。その結果、最終全般改善度は「中等度改善」以 上で 36.5 %であり、セラトロダストとの因果関係の否定できない副作用は 11.6 % に認められた 8)。 中島重徳, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8) : 165 3−5 治療的使用 (1)使用成績調査・特定使用成績調査(特別調査) ・製造販売後臨床試験(市販後臨床試験) 再審査結果公表年月日: 2004 年 9 月 9 日 内容:薬事法第 14 条第 2 項各号のいずれにも該当しない。 (2)承認条件として実施予定の内容又は実施した試験の概要 該当しない − 13 − Ⅵ:薬効薬理に関する項目 1 .薬理学的に関連ある化合物又は化合物群 トロンボキサン A2 受容体拮抗剤 2 .薬理作用 作用部位・作用機序 セラトロダストは、特異的・非特異的刺激によって肥満細胞、好酸球、好中球等から産生 されるトロンボキサン A2(TXA2)とその受容体との結合を阻害し TXA2 の作用を抑制す ることにより、TXA2 の関与する即時型喘息反応、遅延型喘息反応、気道過敏性亢進を抑 制する。 (1)トロンボキサン A2 拮抗作用(in vitro) セラトロダストは、TXA2 受容体を発現させた細胞において、U − 46619(TXA2 様作 用物質)と TXA2 受容体との結合を競合的に阻害した 9)。 ■ U − 46619 と TXA2 受容体との結合に対する拮抗作用 (%) 100 U−46619 結合阻害 2−1 80 60 40 20 0 10-9 10-8 10-7 10-6 10-5 10-4 セラトロダスト濃度 [試験方法] ヒト血小板由来の TXA2 受容体遺伝子をチャイニーズ・ハムスター卵巣細胞に導入して TXA2 受容体を発現させた。[3H]で標識した U − 46619(1.25 × 10 − 8M)と各種濃度のセラトロダス トを同時に添加し、セラトロダストによる U − 46619 と TXA2 受容体の結合阻害率を求めた。 − 14 − (2)各種化学伝達物質による呼吸器平滑筋収縮抑制作用(in vitro) セラトロダストは、U − 46619(TXA2 様作用物質)、PGD2、9a,11b − PGF2 によるヒ ト気管支筋収縮反応を低濃度で抑制した 10)。また、セラトロダストは、U − 46619、 PGD2、9a,11b − PGF2、PGF2a によるモルモット気管筋収縮反応を低濃度で抑制した が、ロイコトリエン D4(LTD4)、血小板活性化因子(PAF)、ヒスタミンによる収縮 反応は抑制しなかった 11)。 ■プロスタノイドによるヒト気管支筋収縮に対するセラトロダストの抑制作用 作動薬 IC50 (M) U−46619 8.5×10−9 PGD2 2.8×10−8 9α, 11β−PGF2 8.5×10−8 ■各種化学伝達物質によるモルモット気管筋収縮反応に対するセラトロダストの作用 作動薬 例数 pA2 U−46619 5 7.69±0.11 PGD2 6 7.20±0.09 9α, 11β−PGF2 6 7.79±0.29 PGF2α 3 5.71±0.28 Leukotriene D4 3 作用なし PAF 4 作用なし Histamine 5 作用なし 平均値±標準誤差 [試験方法] <ヒト気管支筋収縮反応> ヒトの摘出気管支筋を螺旋状切片とし、95 % O2 ・ 5 % CO2 混合ガスを通気した Tyrode 液中 に懸垂した。その後、セラトロダスト添加もしくは非添加条件下で各収縮物質を添加し、そ の収縮反応を測定した。 <モルモット気管筋収縮反応> モルモットの気管を摘出し、気管筋標本を作製した。標本を 95 % O2 ・ 5 % CO2 混合ガスを 通気した Tyrode 液中に懸垂した。その後、セラトロダスト添加もしくは非添加条件下で各収 縮物質を添加し、その収縮反応を測定した。 − 15 − 2−2 薬効を裏付ける試験成績 (1)抗原吸入誘発による即時型・遅延型喘息反応抑制作用(モルモット) セラトロダストは能動感作モルモットにおいて、抗原吸入誘発による即時型及び遅延 型喘息反応を抑制した 12)13)。 ■能動感作モルモットでの即時型及び遅発型喘息反応に対するセラトロダストの抑制 作用 (%) (%) ● 5mg/kg (n=11) □ 20mg/kg (n=10) ○ 5%アラビアゴム溶液 (n=11) 900 150 * 300 ** ** 50 気道抵抗増加率 気道抵抗増加率 100 600 ** 0 0 pre 1 10 30 (min) 1 2 3 4 抗原誘発後の時間 5 6 (hr) 7 8 平均値±標準誤差、*: p < 0.05、**: p < 0.01、5 %アラビアゴム溶液投与群との比較 (Dunnett 検定) ■能動感作モルモットでの即時型及び遅発型喘息反応に対するセラトロダスト、オザ グレル及びアゼラスチンの抑制率 薬 物 セラトロダスト オ ザ グ レ ル アゼラスチン 用 量 (mg/kg経口) 動物数 喘息反応抑制率 (%) 即時型 遅発型 5 11 30 48* 20 10 57* 60** 30 9 23 14 100 9 54** 69** 30 9 19 −15 *: p < 0.05、**: p < 0.01、アラビアゴム溶液投与群との比較(Dunnett 検定) [試験方法] モルモットに 1 %卵白アルブミン生理食塩液をエアゾル化し吸入させ、7 日後に再度吸入させ て感作した。さらに 1 週間後 2 %卵白アルブミン生理食塩液を吸入させ、気道狭窄反応を誘 発した。セラトロダストは抗原吸入 1 時間前に 5 %アラビアゴム溶液に懸濁し、経口投与した。 − 16 − (2)IgG1 及び IgE が関与する気道狭窄反応抑制作用(モルモット) セラトロダストは能動感作モルモットにおいて、IgG1 及び IgE が関与する気道狭窄反 応を抑制した 11)13)。 ■セラトロダストの IgG1 が関与する気道狭窄反応抑制作用 (%) ○ 5%アラビアゴム溶液 ●セラトロダスト0.313mg/kg ▲セラトロダスト1.25mg/kg ■セラトロダスト5mg/kg 50 40 気道狭窄率 30 20 10 0 0 2 4 6 8 10 15 時 間(min) 平均値±標準誤差、n=10 ■セラトロダスト、オザグレル及びアゼラスチンの IgG1 が関与する気道狭窄反応抑 制率 薬 物 用量 (mg/kg、経口) 動物数 セラトロダスト 0.31 10 71** 1.25 10 85** 5 10 91** 100 5 55 300 7 77* 1 7 24 3 6 58 30 6 79** オ ザ グ レ ル アゼラスチン 抑制率 (%) *: p < 0.05、**: p < 0.01、アラビアゴム溶液投与群との比較(Dunnett 検定) − 17 − ■セラトロダスト及びアゼラスチンの IgE が関与する気道狭窄反応抑制率 薬 物 動物数 抑制率 (%) 0.08 7 36 0.31 7 50* 1.25 7 85** 用量 (mg/kg、経口) メピラミン及びプロプラノロール処理 セラトロダスト メピラミン及びプロプラノロール未処理 20 8 −5 80 8 4 0.03 12 43 0.1 6 73* 0.3 8 84** セラトロダスト アゼラスチン *: p < 0.05、**: p < 0.01、アラビアゴム溶液投与群との比較(Dunnett 検定) [試験方法] < IgG1 が関与する気道狭窄反応> Orange と Moore の方法[J.Immunol. 1976, 116 : 392]に従い、モルモットに OA 生理食塩液 とフロイント完全アジュバンドからなる懸濁液を腹腔内投与し感作した。3 週間後モルモッ トをウレタン麻酔下でガラミン処理後、OA 生理食塩液を静脈内投与し、抗原抗体反応に基づ く気道狭窄反応を Konzett − Rossler 法で測定した。薬物は 5 %アラビアゴム溶液に懸濁し、 抗原投与 1 時間前に経口投与した。 < IgE が関与する気道狭窄反応> Levine らの方法[J.Immunol. 1971, 29 : 106]に従い、モルモットに OA 生理食塩液と水酸化 アルミニウムゲルからなる懸濁液を 2 週間毎に 4 回腹腔内投与し感作した。最終感作 1 週間後 のモルモットをガラミン処理し、メピラミン(1mg/kg)及びプロプラノール(1mg/kg)静脈内 投与による処理あるいは未処理後、OA 生理食塩液を静脈内投与し、抗原抗体反応に基づく気 道狭窄反応を Konzett − Rossler 法で測定した。薬物は 5 %アラビアゴム溶液に懸濁し、抗原 投与 1 時間前に経口投与した。 − 18 − (3)各種化学伝達物質により惹起される気道狭窄反応抑制作用(モルモット) セラトロダストはトロンボキサン A2(TXA2)、ロイコトリエン D4(LTD4)、血小板 活性化因子(PAF)により惹起される気道狭窄反応を抑制した 11)13)。 ■セラトロダストの U − 46619(TXA2 様作用物質)惹起気道狭窄抑制作用 (%) 100 ○ 5%アラビアゴム溶液 ●セラトロダスト0.08mg/kg ▲セラトロダスト0.313mg/kg ■セラトロダスト1.25mg/kg 80 気道狭窄率 60 40 20 0 0 2 4 6 8 時 間(min) 平均値±標準誤差、n=8 − 19 − 10 15 ■セラトロダスト及びオザグレルの LTD4 惹起気道狭窄反応抑制作用 薬 物 用量 (mg/kg、経口) 動物数 抑制率 (%) セラトロダスト 0.08 8 34 0.31 15 65** 1.25 15 61** 5 7 91** 30 7 21 100 7 39* 300 7 54** オ ザ グ レ ル *: p < 0.05、**: p < 0.01、アラビアゴム溶液投与群との比較(Dunnett 検定) ■セラトロダスト及びオザグレルの PAF 惹起気道狭窄反応抑制作用 薬 物 用量 (mg/kg、経口) 動物数 セラトロダスト 0.31 8 66** 1.25 8 94** 5 8 85** 30 7 14 100 7 35* 300 8 56** オ ザ グ レ ル 抑制率 (%) *: p < 0.05、**: p < 0.01、アラビアゴム溶液投与群との比較(Dunnett 検定) [試験方法] モルモットに U − 46619(10mg/kg)、LTD4(10mg/kg)、PAF(10mg/kg)を静脈内投与して 惹起される気道狭窄反応を Konzett − Rossler 法で測定した。薬物は 5 %アラビアゴム溶液に 懸濁し、各化学伝達物質の投与 1 時間前に経口投与した。 − 20 − (4)気道過敏性の亢進抑制作用(イヌ) セラトロダストは、回虫自然感作雑犬において抗原吸入誘発後のアセチルコリンに対 する気道反応性の亢進を抑制し(静脈内投与)14)、また、オゾン暴露後のメサコリン に対する気道反応性の亢進を抑制した(経口投与)15)。 ■回虫自然感作雑犬における抗原吸入後の ■オゾン暴露後のメサコリンに対する気道 アセチルコリンに対する気道反応性亢進 反応性亢進に対するに対する抑制作用 に対する抑制作用 log D min (log U) 1.5 p<0.01 n. s. 1.0 0.5 0.0 −0.5 誘発前 誘発後4hr 誘発前 対照群 誘発後4hr セラトロダスト群 メサコリンに対する気道反応閾値 アセチルコリンに対する気道反応閾値 log (PC200−Ach) 1 p<0.01 n. s. 0 −1 暴露前 オゾン暴露後 暴露前 対照群 オゾン暴露後 セラトロダスト群 paired t − test [試験方法] <回虫自然感作雑犬における抗原吸入誘発による気道反応性の亢進> 回虫自然感作雑犬をペントバルビタール麻酔下、アセチルコリン吸入試験を行い抗原吸入前 の気道反応閾値を測定し、1 時間後回虫抽出液を吸入させ即時型喘息反応を誘発した。4 時間 後に再度アセチルコリン吸入試験を行い、気道反応閾値を測定した。2 週間後に同一個体を 用いてクロスオーバーで同様の試験を繰り返したが、その際セラトロダスト 5mg/kg を抗原吸 入 2 分前に静脈内投与した。 <オゾン暴露後の気道反応性の亢進> ビーグル犬をペントバルビタール麻酔下、メサコリンに対する気道反応性を測定した。2 週 間後オゾン暴露を行い 1 時間後にメサコリンに対する気道反応性を測定し、更に 4 〜 6 週間後 気道反応性が回復しているのを確認した。次いで 2 週間後、セラトロダスト 30mg/kg を経口 投与し、20 分後にオゾン暴露を行いメサコリンに対する気道反応性を測定した。 − 21 − (5)気道過敏性に及ぼす影響 気管支喘息患者を対象に、セラトロダストの気道過敏性に及ぼす影響をメサコリン吸 入誘発抑制効果を指標に検討した。 PG20 値はセラトロダスト 40mg/日を 4 日間投与した群で有意に上昇し、気道過敏性が 改善された 16)。 ■セラトロダストの気道過敏性に及ぼす影響 NS (mg/mL) P<0.01 10 メサコリンの濃度 1 0.1 Before After Before After 20mg/day of 40mg/day of セラトロダスト 幾何平均±幾何標準誤差、Student’ s paired t − test [試験方法] 対象患者:吸入試験標準法の被験者の項を満たす 15 名の気管支喘息患者(平均年齢: 51.4 歳、 28 〜 72 歳) 薬剤投与:セラトロダスト 20mg/日又は 40mg/日を 1 日 1 回夕食後に 4 日間経口投与 測定方法:気管支拡張剤、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤などの薬剤は原則として前日の就 寝前より中止し、吸入試験標準法に従って実施 評価方法:セラトロダスト投与前後の PC20 値(FEV1.0 が 20 %低下したときのメサコリン濃 度)を求め、前後の変動により評価する。 − 22 − (6)肺機能(ピークフロー値)に及ぼす影響 セラトロダスト 80mg/日の経口投与により、気管支喘息患者のピークフロー値は有意 に改善した 6)。 ■気管支喘息患者のピークフロー値の変動率の推移 (%) ピークフロー値の変動率 40 朝 夕 30 ** * ** ** * 20 ** ** 10 ** ** * * 0 −10 朝 夕 対照観察期 (84) (84) 8週後 (83) (83) 16週後 (80) (80) 24週後 (74) (74) 32週後 (68) (68) 40週後 (55) (55) 48週後 (35) (33) 平均値±標準誤差、( )は症例数 * : p ≦ 0.05、**: p ≦ 0.01、対照観察期との比較(1 標本 Wilcoxon 検定) [試験方法] 対象患者:気管支喘息患者 99 例(平均年齢: 50.3 歳、16 〜 78 歳) 薬剤投与:セラトロダスト 80mg/日を 1 日 1 回夕食後に投与 測定方法:対照観察期及び薬剤投与期の毎日朝、夕に 2 回以上測定し、その最高値の 1 週間 平均値を測定した。 評価方法:対照観察期からの変動率で評価した。 − 23 − Ⅶ:薬物動態に関する項目 1 .血中濃度の推移、測定法 1−1 治療上有効な血中濃度 該当資料なし 1−2 最高血中濃度到達時間 Ⅶ—1−3の項参照 1−3 通常用量での血中濃度 (1)単回投与での検討 1)健康成人での検討 健康成人男子 8 例(年齢: 20 〜 26 歳)を対象に、セラトロダスト 80mg を朝食後 単回投与した時の未変化体 (非抱合体) の血中濃度の推移は下図のとおりであった 17)。 ■血中濃度の推移 (µg/mL) 10.0 血 中 濃 度 8.0 6.0 4.0 2.0 0 0 2 4 6 8 10 24 時 間(hr) 48 平均値±標準偏差、n=8 ■薬物動態パラメータ Tmax (h) Cmax (µg/mL) t1/2 (h) AUC0−∞ (µg・h/mL) 2.75±0.97 7.40±1.26 25.03±2.26 111.08±21.36 平均値±標準偏差、n=8 − 24 − 72 2)高齢者での検討 重篤な合併症を有しない高齢の慢性呼吸器疾患患者 14 例(年齢: 73 〜 95 歳)を 対象に、セラトロダスト 40mg 及び 80mg を朝食後単回投与した時の未変化体(非 抱合体)の血中濃度の推移は下図のとおりであり、健康成人に比して AUC 及び t1/2 は 1.5 〜 2 倍に増加あるいは延長した 17)。 ■血中濃度の推移 (µg/mL) ○40mg ●80mg 10.0 血 中 濃 度 8.0 6.0 4.0 2.0 0 0 2 4 6 8 10 24 時 間(hr) 48 72 平均値±標準偏差、n=7 ■薬物動態パラメータ Tmax (h) Cmax (µg/mL) t1/2 (h) AUC0−∞ (µg・h/mL) 40mg投与群 3.14±1.46 4.54±1.27 41.95±15.49 102.13±47.08 80mg投与群 5.14±2.10 6.32±1.17 37.56± 2.50 167.51±57.96 平均値±標準偏差、n=7 − 25 − (2)反復投与での検討 健康成人男子 6 例(年齢: 20 〜 25 歳)を対象に、セラトロダスト 80mg を 1 日 1 回朝 食後に 7 日間経口投与した時の未変化体(非抱合体)の血中濃度の推移は下図のとお りであり、投与後 4 〜 5 日でほぼ定常状態に達した 2)。 ■血中濃度の推移 (µg/mL) ブロニカ投与時点 1 2 3 4 5 6 7 15.0 血 清 濃 度 10.0 5.0 0 0 5 10 第1日目 02 第2日目 02 第3日目 02 第4日目 02 第5日目 02 第6日目 0 5 10 第7日目 24 第8日目 48 168(時間) 平均値±標準偏差、n=6 1−4 中毒症状を発現する血中濃度 該当資料なし 2 .薬物速度論的パラメータ 2−1 吸収速度定数 該当資料なし 2−2 バイオアベイラビリティ (参考)〔ラット、モルモット、イヌ、サル〕 14C セラトロダストをラット、モルモット、イヌ及びサルに経口投与と静脈投与して、 未変化体の AUC からみたバイオアベイラビリティは、それぞれ 35、75、48 及び 89 % であった 18)。 2−3 消失速度定数 該当資料なし − 26 − 2−4 クリアランス 〔外国人データ〕 健康成人男性 6 例(年齢 27.8 ± 6.2 歳)及び健康成人女性 6 例(年齢 22.5 ± 7.7 歳)を対 象として空腹時にセラトロダスト 160mg を単回経口投与したときのクリアランス (CL/F)はそれぞれ 0.87 ± 0.24L/h、0.92 ± 0.36L/h であった(mean ± SD)19) 2−5 分布容積 〔外国人データ〕 健康成人男性 6 例(年齢 27.8 ± 6.2 歳)及び健康成人女性 6 例(年齢 22.5 ± 7.7 歳)を対 象として空腹時にセラトロダスト 160mg を単回経口投与したときの分布容積(V/F)は それぞれ 23.4 ± 8.3L、24.1 ± 4.0L であった(mean ± SD)19) 2−6 血漿蛋白結合率 (参考)〔in vitro〕 ヒト血清に 14C セラトロダスト 0.1 〜 100mg/mL を in vitro で添加したときの、血漿蛋 白結合率は 99.1 〜 99.4 %であった。 また、ヒト血清に 14C セラトロダスト 10mg/mL を in vitro で添加し、その後、アスピリ ン 300mg/mL を添加したとき、非結合型セラトロダスト濃度は 62.0 ± 1.7ng/mL から、 78.3 ± 2.4ng/mL へ 26 %増加した(mean ± SD)18)。 3 .吸 収 ◇吸収部位 (参考)〔ラット〕 14C セラトロダストを幽門結紮ラットの胃内又は十二指腸内に投与して、吸収部位を 測定した。その結果、14C セラトロダストは主に小腸から吸収された 18)。 ◇吸収経路 (参考)〔ラット〕 14C セラトロダストを空腸ループ形成ラットのループ内に投与すると、2 時間で投与 放射能の 57 %が門脈経由で吸収され、残りは腸管と空腸ループ内容物から吸収され た。門脈血中では 14C の大部分(90 %以上)が未変化体であった。一方、胸管ろう形 成ラットに経口投与すると、胸管リンパ液からの 14C の回収率は 24 時間で投与量の 0.5 %にすぎなかった。したがって、ラットに経口投与したセラトロダストは未変化 体のまま小腸から門脈を介して吸収されることが明らかになった 18)。 ◇吸 収 率 (参考)〔ラット、モルモット、イヌ、サル〕 14C セラトロダストをラット、モルモット、イヌ及びサルに経口投与と静脈投与して、 AUC からみた吸収率は、それぞれ 37、74、59 及び 92 %であった 18)。 − 27 − 4 .分 布 4−1 血液—脳関門通過性 (参考)〔ラット〕 ラットでは通過しにくい 18)。濃度はⅦ−4−5の項参照 4−2 胎児への移行性 (参考)〔ラット〕 14C セラトロダストを妊娠 13、20 日目のラットに経口投与すると、妊娠 13 日目のラッ トでは、胎児組織中に 14C が検出されたが、その濃度は母体血漿中濃度の 1/4 と低かっ た。妊娠 20 日目の場合は、投与 2 時間以降は胎児血漿及び組織中の 14C 濃度は母体血漿 より高かった。胎児血漿及び組織中の 14C の主成分は未変化体であり、胎児へは主とし て未変化体が移行した。妊娠 13、20 日目ともに投与後 2 時間までの 14C 濃度は胎盤中が 羊水中よりも高く、胎児へは主に胎盤を介して移行すると考えられた 18)。 ■胎児への移行 妊娠 期間 試 料 化合物 総14C 13日 濃度 (µg/mLまたはµg/g) 15分 2時間 8時間 24時間 1.48±0.33 1.36±0.71 0.40±0.03 0.05±0.00 母体血漿 未変化体 1.14±0.28 1.02±0.56 0.29±0.03 0.02±0.00 0.34±0.06 0.34±0.15 0.11±0.00 0.03±0.00 代謝物 胎 盤 総14C 注) 0.16±0.03 0.26±0.12 0.09±0.01 0.01 (0.01、0.01) 羊 水 総14C 0.03±0.01 0.22±0.05 0.12±0.02 胎児組織 総14C 注) (0.02、0.02) 0.09±0.03 0.34±0.08 0.16±0.02 0.02 総14C 2.19±0.70 1.04±0.16 0.70±0.12 0.21±0.06 母胎血漿 未変化体 1.77±0.53 0.80±0.13 0.49±0.09 0.12±0.04 代謝物 0.42±0.17 0.24±0.04 0.21±0.06 0.10±0.02 総14C 0.43±0.11 0.67±0.03 0.52±0.11 0.26±0.09 胎 盤 未変化体 0.33±0.09 0.55±0.02 0.41±0.09 0.16±0.07 代謝物 0.10±0.02 0.12±0.01 0.11±0.02 0.10±0.02 総14C 0.02±0.01 0.29±0.08 0.63±0.04 0.52±0.13 − 0.22±0.03 0.49±0.11 0.34±0.12 − 0.07±0.05 0.14±0.07 0.18±0.02 1.22±0.31 3.06±0.45 2.68±0.25 1.30±0.49 胎児血漿 未変化体 1.16±0.30 2.73±0.40 2.16±0.24 0.79±0.39 代謝物 0.06±0.02 0.33±0.05 0.52±0.02 0.52±0.10 総14C 0.27±0.09 1.17±0.19 1.08±0.07 0.76±0.20 胎児組織 未変化体 0.24±0.08 1.03±0.16 0.81±0.05 0.34±0.14 0.04±0.01 0.15±0.03 0.27±0.03 0.42±0.07 20日 羊 水 未変化体 代謝物 総14C 代謝物 投与量: 5mg/kg、平均値±標準偏差、n=3、−:測定せず、 注) : 2 例の平均値、 ( )内は個別データ − 28 − 0.02±0.01 4−3 乳汁中への移行性 (参考)〔ラット〕 14C セラトロダストを出産後 14 日目のラットに経口投与した時の乳汁及び乳腺中の 14C は大部分が未変化体であった。また、 14C の乳腺中濃度は血漿中濃度とほぼ同程 度であったが、乳汁中濃度は極めて低かった 18)。 ■乳汁中への移行 濃度 (µg/mLまたはµg/g) 試料 時間 総14C 未変化体 M−Ⅰ M−Ⅱ M−Ⅲ その他 0.25 0.85±0.28 0.67±0.22 0.02±0.00 0.01±0.00 0.03±0.01 0.14±0.05 血漿 乳汁 2 0.61±0.10 0.45±0.10 0.01±0.00 0.01±0.01 0.04±0.01 0.09±0.03 8 0.35±0.04 0.23±0.04 0.01±0.00 0.01±0.00 0.03±0.00 0.07±0.01 24 0.04±0.01 0.01±0.00 <0.01 <0.01 <0.01 0.02±0.00 0.25 0.09±0.05 0.06±0.04 <0.01 <0.01 <0.01 0.02±0.01 <0.01 <0.01 0.01±0.00 0.08±0.01 <0.01 0.01±0.00 0.06±0.00 2 0.14±0.01 0.04±0.01 8 0.10±0.01 0.03±0.01 0.01±0.00 24 0.01±0.00 <0.01注) <0.01注) <0.01注) <0.01注) 0.01注) 0.25 0.57±0.10 0.46±0.08 0.03±0.01 0.01±0.00 0.03±0.00 0.04±0.01 乳腺 2 0.54±0.16 0.35±0.14 0.06±0.02 0.01±0.01 0.05±0.02 0.07±0.00 8 0.42±0.02 0.20±0.04 0.14±0.04 0.01±0.00 0.03±0.01 0.05±0.00 24 0.14±0.03 0.01±0.00 0.10±0.03 <0.01 <0.01 0.02±0.01 投与量: 5mg/kg、平均値±標準偏差、n=3、注) :プールした試料についての測定値 代謝物M−Ⅰ、M−Ⅱ、M−ⅢについてはⅦ−5の項参照 4−4 髄液への移行性 該当資料なし − 29 − 4−5 その他組織への移行性 (参考)〔ラット〕 14C セラトロダストをラットに経口投与し、5、15 分、2、8、24、72 時間後に組織内 14C 濃度を測定した。その結果、投与後5分で 14C はすでに各組織に移行し、各組織内 濃度は血漿中濃度とほぼ同様に推移した。それらの濃度は 2 時間でピークとなり、この 時点における濃度は小腸で最も高く、次いで、肝臓、胃、腎臓、血漿の順であり、脳、 脊髄、眼球が最も低かった。その後、各組織中の 14C は 24 時間から排泄のほぼ完了する 72 時間にかけて極めて低い濃度にまで低下した 18)。 ■各組織内濃度 組 織 血 濃度 (µg/mLまたはµg/g) 5分 15分 2時間 8時間 24時間 72時間 漿 0.03±0.02 0.32±0.11 0.83±0.08 0.20±0.08 0.02±0.01 0.01±0.00 脳 <0.01 0.02±0.01 0.05±0.00 0.01±0.01 <0.01 <0.01 <0.01 0.01±0.01 0.05±0.01 0.01±0.01 <0.01 <0.01 下 垂 体 0.02±0.00 0.10±0.03 0.26±0.03 0.07±0.03 <0.01 0.02±0.01 眼 <0.01 <0.01 脊 髄 球 <0.01 0.01±0.00 0.05±0.01 0.02±0.01 ハーダー腺 0.01±0.00 0.12±0.03 0.49±0.05 0.12±0.06 0.01±0.01 0.01±0.00 顎 下 腺 0.01±0.01 0.11±0.03 0.25±0.01 0.06±0.03 0.01±0.00 <0.01 甲 状 腺 0.02±0.01 0.05±0.04 0.24±0.02 0.08±0.03 0.02±0.01 0.02±0.00 胸 腺 心 臓 0.01±0.01 0.14±0.05 0.33±0.03 0.08±0.04 0.01±0.01 <0.01 0.01±0.01 0.10±0.03 0.27±0.02 0.07±0.03 0.01±0.00 <0.01 肺 <0.01 0.03±0.01 0.11±0.01 0.03±0.01 <0.01 <0.01 肝 臓 0.18±0.14 1.22±0.56 5.32±0.31 1.92±0.37 0.34±0.08 0.13±0.01 脾 臓 0.01±0.01 0.08±0.03 0.18±0.02 0.05±0.02 0.01±0.00 <0.01 膵 臓 0.01±0.01 0.13±0.05 0.30±0.08 0.10±0.03 0.01±0.01 <0.01 副 腎 0.02±0.01 0.15±0.05 0.29±0.01 0.07±0.04 0.01±0.00 <0.01 腎 臓 0.02±0.02 0.35±0.12 1.58±0.06 0.51±0.13 0.08±0.03 0.02±0.00 精 巣 <0.01 0.01±0.00 0.12±0.02 0.06±0.03 精巣上体 <0.01 0.03±0.01 0.18±0.02 0.06±0.04 0.01±0.00 <0.01 <0.01 <0.01 腹 大 動 脈 0.01±0.00 0.06±0.02 0.11±0.01 0.04±0.02 0.01±0.01 0.01±0.01 下 大 静 脈 0.01±0.00 0.06±0.01 0.33±0.04 0.05±0.01 0.01±0.01 0.01±0.01 骨 格 筋 <0.01 0.03±0.01 0.09±0.01 0.03±0.01 脂 <0.01 0.02±0.01 0.14±0.10 0.05±0.02 0.02±0.01 0.01±0.00 肪 <0.01 <0.01 褐 色 脂 肪 0.01±0.00 0.21±0.09 0.49±0.19 0.21±0.07 0.09±0.05 0.03±0.01 皮 膚 0.04±0.01 0.20±0.02 0.06±0.03 0.01±0.01 <0.01 骨 髄 0.01±0.01 0.08±0.02 0.19±0.02 0.05±0.02 0.01±0.00 <0.01 2.91±0.95 2.42±1.13 2.05±0.24 1.58±1.02 0.03±0.01 <0.01 大 腸 0.23±0.14 0.59±0.41 6.70±2.29 3.66±2.10 0.14±0.08 <0.01 小 腸 0.07±0.06 0.94±1.25 0.47±0.23 4.68±1.02 0.68±0.27 0.01±0.00 胃 <0.01 投与量: 5mg/kg、平均値±標準偏差、n=3 − 30 − 5 .代 謝 5−1 代謝部位及び代謝経路 ○代謝部位 (参考)〔in vitro〕 主に肝臓で代謝される 20)。 ○代謝経路 (参考)〔ラット、モルモット、イヌ、サル〕 体内に吸収されたセラトロダストは、主に肝臓で側鎖の heptanoic acid の b −酸化、側 鎖の phenyl 基の水酸化、methyl 基の水酸化によりそれぞれ代謝物M−Ⅰ、M−Ⅱ、 M−Ⅲに代謝、また、benzoquinone 環が hydroquinone に還元された後、主に 4 位の水 酸基がグルクロン酸あるいは硫酸抱合を受けて代謝されると考えられる 20)。 ■推定代謝経路 H3C H3C O O CH3 H3C CH (CH2) 5COOH H3C OH O H3C H3C O H3C CH (CH2) 3COOH H3C M−Ⅰ H3C OH H3C CH (CH2) 5COOH H3C 2H−セラトロダスト−4G 5−2 O Glu CH (CH2) 5COOH HOH2C CH3 H3 C O O Sul CH3 OH CH (CH2) 5COOH M−Ⅲ OH CH3 CH (CH2) 5COOH M−Ⅱ−4’ G セラトロダスト O Glu H3C O O CH3 O CH3 M−Ⅱ O CH3 O CH (CH2) 5COOH 2H−セラトロダスト H3C CH3 H3C CH (CH2) 5COOH OH 2H−セラトロダスト−4S 代謝に関与する酵素(CYP450 等)の分子種 (参考)〔in vitro〕 セラトロダストの代謝には、CYP2C8、9、19 及び CYP3A4 が代謝物M−Ⅱ、M−Ⅲの生 成に関与し、代謝物M−Ⅰの生成は CYP450 非依存的と考えられた 21)。 − 31 − 5−3 初回通過効果の有無及びその割合 (参考)〔ラット、モルモット、イヌ、サル〕 ラット、モルモット、イヌ及びサルにおいてセラトロダストはほとんど初回通過効果を 受けない 18)。 5−4 代謝物の活性の有無及び比率 (参考)〔in vitro〕 セラトロダストのヒト血中代謝物(M−Ⅰ、M−Ⅱ、M−Ⅲ)は、U − 46619(TXA2 様作用 物質)によるモルモット気管筋収縮反応を濃度依存的に抑制し、セラトロダスト、M− Ⅰ、M−Ⅱ、M−Ⅲの 50 %抑制濃度はそれぞれ 0.01、0.38、0.04 及び 0.89mM であった。 また、モルモットにおける U − 46619 惹起気道狭窄抑制作用を検討すると、その最小有 効量はそれぞれ 0.02、0.31、0.08 及び 1.25mg/kg(静脈内)であった。 (承認時資料: 1995 年 9 月) また、健康成人男子 8 例にセラトロダスト 80mg を朝食後に単回経口投与したときの非 抱合体の薬物動態パラメータは下表のとおりであった 17)。 ■薬物動態パラメータ t1/2 (hr) AUC0−∞ (µg・hr/mL) 7.40±1.26 25.03±2.26 111.08±21.36 Tmax (hr) Cmax (µg/mL) セラトロダスト 2.75±0.97 代謝物M−Ⅰ 4.14±0.99 0.011±0.006 10.01±4.90 0.12±0.07 代謝物M−Ⅱ 4.38±1.49 0.036±0.009 46.50±24.46 1.71±0.93 代謝物M−Ⅲ 3.00±0.87 0.293±0.079 29.79±18.35 7.20±1.64 平均値±標準偏差 5−5 活性代謝物の速度論的パラメータ 該当資料なし − 32 − 6 .排 泄 6−1 排泄部位 主に胆汁より排泄されると推測された 17)。 6−2 排 泄 率 (参考)〔ラット、モルモット、イヌ、サル〕 14C セラトロダストをラット、モルモット、イヌ、サルに経口投与したとき、ラットで は投与後 72 時間で排泄はほぼ終了し、投与量の 1 %が尿に 97 %が糞に排泄された。こ の時の呼気への排泄率は投与量の 0.1 %以下であった。モルモットの場合は 96 時間で排 泄はほぼ終了し、尿、糞中への排泄率はそれぞれ投与量の 60、38 %であった。イヌに おける排泄は 72 時間でほぼ終了し、投与量の 7 %が尿に、90 %が糞に排泄された。サ ルにおける排泄は他の動物に比べて遅く、168 時間までの尿、糞への排泄率はそれぞれ 投与量の 48、39 %であった 18)。 6−3 排泄速度 Ⅶ−6−2の項参照 健康成人男子 8 例にセラトロダスト 80mg、高齢者各々 7 例に 40mg、80mg を朝食後に単回 経口投与した時の 72 時間後までの尿中排泄率は下表のとおりであった 17)。 ■セラトロダスト及び代謝物の尿中排泄率(非抱合体+抱合体) 対象 投与量 高 齢 者 40mg注) (n=6) 80mg (n=7) 健康 80mg 成人 (n=8) 時 間 尿中排泄率(投与量に対する%) 未変化体 代謝物M−Ⅰ 代謝物M−Ⅱ 代謝物M−Ⅲ 合 計 0∼24hr 3.88±1.67 0.97±0.78 0.66±0.34 1.29±0.59 6.79±3.25 0∼48hr 5.11±1.88 1.42±0.92 1.15±0.43 2.04±0.70 9.72±3.72 0∼72hr 5.91±2.14 1.70±1.01 1.50±0.50 2.51±0.79 11.63±4.19 0∼24hr 3.49±2.56 0.84±0.50 0.52±0.36 1.03±0.74 5.88±4.09 0∼48hr 4.64±2.80 1.21±0.60 0.85±0.50 1.77±1.04 8.46±4.79 0∼72hr 5.87±2.99 1.47±0.53 1.04±0.55 2.27±1.24 10.65±5.07 0∼24hr 6.20±0.89 1.88±0.43 1.10±0.22 2.61±0.68 11.78±2.04 0∼48hr 7.11±1.05 2.15±0.54 1.39±0.30 3.49±0.90 14.14±2.61 0∼72hr 7.75±1.34 2.30±0.53 1.59±0.40 3.93±0.89 15.56±2.93 平均値±標準偏差、注) :妨害物質があり尿中濃度測定が不能であった 1 例を除外 − 33 − 7 .透析等による除去率 7−1 腹膜透析 該当資料なし 7−2 血液透析 (参考)〔in vitro〕 14C セラトロダストを 10mg/mL 及び 100mg/mL の濃度でヒト血清に添加し、透析チュー ブに分注し、リン酸緩衝化生理食塩液中で 4、8、24 時間透析し、透析外液の放射能を測 定した結果は下表のとおりであった。 ■セラトロダストの透析率 添加濃度 (µg/mL) 4時間 8時間 24時間 10 3.8±0.8 7.1±0.5 14.7±0.9 100 5.2±0.5 9.0±0.4 21.8±0.5 平均値±標準偏差、n=3 (承認時資料: 1995 年 9 月) 7−3 直接血液灌流 該当資料なし − 34 − Ⅷ:安全性(使用上の注意等)に関する項目 1 .警告内容とその理由 該当しない 2 .禁忌内容とその理由 該当しない 3 .効能・効果に関連する使用上の注意とその理由 該当しない 4 .用法・用量に関連する使用上の注意とその理由 高齢者には低用量(40mg/日)から投与を開始するなど注意すること。 (「高齢者への投与」 の項参照) 5 .慎重投与とその理由 (1)高齢者(「高齢者への投与」の項参照) (2)肝障害がある患者[本剤は黄疸、肝機能異常を起こすことがある。また、まれに劇 症肝炎が報告されている。] 6 .重要な基本的注意とその理由及び処置方法 (1)本剤は気管支拡張剤、ステロイド剤等と異なり、すでに起こっている発作や症状を 速やかに軽減する薬剤ではないので、このことは患者に十分説明しておくこと。 (2)本剤を季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開 始し、好発季節終了時まで続けること。 (3)気管支喘息患者に本剤を投与中、大発作をみた場合は、気管支拡張剤あるいはステ ロイド剤を投与すること。 (4)長期ステロイド療法を受けている患者で、本剤投与によりステロイドの減量をはか る場合は、十分な管理下で徐々に行うこと。 (5)本剤の使用によりステロイド維持量を減量し得た患者で、本剤の投与を中止する場 合は、原疾患悪化のおそれがあるので注意すること。 − 35 − 7 .相互作用 7−1 併用禁忌とその理由 該当しない 7−2 併用注意とその理由 薬剤名等 臨床症状・措置方法・機序等 溶血性貧血が報告さ ラット、イヌ及びサルの亜急性、慢性毒性試験において、高用量 れている薬剤 (ラットでは100mg/kg/日以上、イヌ及びサルでは300mg/kg/日) で溶 フェナセチン等の 24∼28) 血性貧血がみられている。 解熱消炎鎮痛剤、 溶血性貧血を起こす薬剤と併用すると溶血性貧血の危険性が高まる セフェム系抗生物 可能性があるので、併用する場合には観察を十分に行い、異常が認 質製剤 等 められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 アスピリン ヒト血清蛋白結合に対する相互作用の検討 (in vitro) において、アス ピリンの添加により本剤の非結合型濃度が26%上昇することがある 8 .副 作 用 8−1 副作用の概要 承認時までの調査では 824 例中 97 例(11.8 %)に、製造販売後の使用成績調査(再審査終 了時点)では 3,267 例 210 例(6.4 %)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。 以下の副作用は上記の調査あるいは自発報告等で認められたものである。 (1)重大な副作用 黄疸、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う重篤な肝機能障害(0.2 %)があら われることがあり、また、劇症肝炎(0.1 %未満)が報告されている。定期的(1 ヵ月 に 1 回)に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投 与を中止し、適切な処置を行うこと。 (2)その他の副作用 0.1%未満 0.1∼5%未満 1)過敏症注1) 2)肝 臓注2) 3)消化器 発疹、 痒 AST (GOT) 、ALT (GPT) 、AL−P、LDH、 γ−GTPの上昇 悪心、食欲不振、胃部不快感、腹痛、 下痢、便秘、口渇、味覚異常 嘔吐 血小板減少、鼻出血、皮下 4)血 液 貧血、好酸球増多 5)精神神経系 眠気、頭痛、めまい、ふらつき 不眠、振戦、しびれ 6)その他 倦 卷 動悸、 怠感 ほてり、浮腫 出血等の出血傾向 注 1)このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 注 2)定期的(1 ヵ月に 1 回)に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた 場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 − 36 − 8−2 項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧 承認時までの調査では 824 例中 97 例(11.8 %)に、製造販売後の使用成績調査(再審査終了 時点)では 3,267 例中 210 例(6.4 %)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。 なお、重大な副作用として、重篤な肝機能障害、劇症肝炎が上記の調査あるいは自発報告 等で認められている。 ■副作用の発現状況 調査施設数 調査症例数 副作用発現症例数 副作用発現件数 副作用発現症例率 (%) 承認時までの調査 121 824 97 166 11.8 製造販売後の調査 1,063 3,267 210 410 6.4 合 計 1,163 4,091 307 576 7.5 ■副作用の種類別発現頻度 承認時ま 製造販売 承認時ま 製造販売 合 計 合 計 副作用の種類 での調査 後の調査 での調査 後の調査 0 (0.21) 9 [感染症及び寄生虫症] (0.22) 1(0.03) 1(0.02)[心臓障害] 2 (0.24) 7 0 1 (0.03) 1 肝炎 (0.02) 1(0.03) 1(0.02) 心肺停止 0 (0.18) 8 [血液及びリンパ系障害] 18(2.18) 10(0.31) 28(0.68) 動悸 (0.20) 2 (0.24) 6 0 2 ( 0.06) 貧血 [血管障害] 2 (0.05) 6(0.18) 6(0.15) 0 2(0.24) 0 2 (0.06) 2 血小板血症 (0.05) 0 2(0.05) ほてり 1(0.12) 0 (0.24) 9 網状赤血球増加 (0.22) (0.12) 8 1(0.02)[呼吸器、胸郭及び縦隔障害] 1 1(0.12) 0 2 (0.06) 2 好塩基球増加症 (0.05) 0 1(0.02) 喘息 7(0.85) 5(0.15) 12(0.29) 咳嗽 (0.06) 3 好酸球増加症 (0.07) 1 (0.12) 2 1(0.12) 0 1 ( 0.03) く し ゃみ 白血球減少症 1 (0.02) 0 1(0.02) 2(0.24) 0 1 (0.03) 1 白血球増加症 (0.02) 0 2(0.05) 喀痰粘性増加 1(0.12) 0 1 (0.03) 1 リンパ球減少症 (0.02) 0 1(0.02) 鼻出血 3(0.36) 0 1 (0.03) 1 単球増加症 (0.02) 0 3(0.07) 喘鳴 2(0.24) 0 (1.04)50 好中球減少症 (1.22) 16 (1.94)34 2(0.05)[胃腸障害] 1(0.12) 0 1 (0.03) 1 好中球増加症 (0.02) 0 1(0.02) 急性膵炎 2 ( 0.24) 1 ( 0.03) [代謝及び栄養障害] 1 (0.02) 10(0.31) 12(0.29) 胃腸障害 0 2(0.24) 7(0.21) 9(0.22) 便秘 (0.03) 2 食欲不振 (0.05) 1 (0.12) 1 0 (0.03) 4 食欲減退 (0.10) 3(0.09) 3(0.07) 下痢 3 (0.36) 1 0 3 (0.09) 3 [精神障害] (0.07) 2(0.06) 2(0.05) 腹部膨満 0 0 (0.03) 5 不眠症 (0.12) 2(0.06) 2(0.05) 腹痛 4 (0.49) 1 10(1.21) 15(0.46) 25(0.61) 上腹部痛 7 ( 0.21) [神経系障害] 9 (0.22) 2 (0.24) 3(0.36) 5(0.15) 8(0.20) 腸雑音異常 頭痛 1 (0.02) 1 (0.12) 0 1(0.12) 0 (0.18) 7 片麻痺 (0.17) 1 (0.12) 6 1(0.02) 消化不良 0 振戦 1 (0.02) 1(0.03) 1(0.02) 消化器不調 1 (0.12) 0 (0.15)14 0 浮動性めまい (0.34) 4(0.12) 4(0.10) 嘔気 9 (1.09) 5 7 (0.21) 7 1(0.12) 0 味覚異常 (0.17) 0 1(0.02) 悪心 (0.03) 2 0 感覚減退 (0.05) 1(0.03) 1(0.02) 胃不快感 1 (0.12) 1 1 (0.03) 1 0 舌の感覚鈍麻 (0.02) 1(0.03) 1(0.02) 嘔吐 0 1 (0.03) 1 0 錯感覚 (0.02) 1(0.03) 1(0.02) 口内炎 0 1 (0.03) 1 5(0.61) 3(0.09) 8(0.20) 口唇感覚鈍麻 傾眠 (0.02) 0 1 (0.03) 1 0 [眼障害] (0.02) 1(0.03) 1(0.02) 歯肉痛 0 2 ( 0.06) 0 黄視症 2 (0.05) 1(0.03) 1(0.02)[肝胆道系障害] 0 1 (0.03) 1 [耳及び迷路障害] 0 (0.02) 1(0.03) 1(0.02) 肝機能異常 0 1 (0.03) 1 0 耳鳴 (0.02) 1(0.03) 1(0.02) 黄疸 0 副作用の種類 − 37 − 承認時ま 製造販売 合 計 副作用の種類 での調査 後の調査 [皮膚及び皮下組織障害] 7(0.85) 31(0.95) 38(0.93) 口渇 顔面浮腫 0 2(0.06) 2(0.05) 脱力 蕁麻疹 1(0.12) 2(0.06) 3(0.07) 原因不明の突然死 薬疹 0 5(0.15) 5(0.12)[臨床検査] 湿疹 1(0.12) 1(0.03) 2(0.05) 血中ALP増加 発疹 0 2(0.06) 2(0.05) 血中CK(CPK)増加 痒症 2(0.24) 8(0.24) 10(0.24) 血中LDH増加 紅斑性皮疹 0 1(0.03) 1(0.02) 活性化部分トロンボ 全身性皮疹 0 1(0.03) 1(0.02) プラスチン時間延長 皮疹 2(0.24) 8(0.24) 10(0.24) ヘマトクリット減少 痒性皮疹 0 1(0.03) 1(0.02) ヘモグロビン減少 全身性 痒症 0 1(0.03) 1(0.02) プロトロンビン時間延長 脱毛症 1(0.12) 0 1(0.02) 赤血球数減少 (GPT) 増加 脱毛 0 1(0.03) 1(0.02) ALT (GOT) 増加 多汗 0 2(0.06) 2(0.05) AST [筋骨格系及び結合組織障害] 0 1(0.03) 1(0.02) 抱合ビリルビン増加 四肢痛 0 1(0.03) 1(0.02) 血中ビリルビン増加 [腎及び尿路障害] 4(0.49) 2(0.06) 6(0.15) γ−GTP増加 排尿困難 0 1(0.03) 1(0.02) LAP上昇 血尿 4(0.49) 0 4(0.10) 血中コレステロール増加 夜間頻尿 0 1(0.03) 1(0.02) 体重減少 [全身障害及び投与局所様態] 5(0.61) 20(0.61) 25(0.61) 血清総蛋白減少 発熱 1(0.12) 0 1(0.02) 血中クレアチニン増加 胸痛 0 2(0.06) 2(0.05) BUN増加 不快感 0 1(0.03) 1(0.02) 尿中ブドウ糖陽性 倦 卷 怠感 2(0.24) 13(0.40) 15(0.37) 尿中蛋白陽性 下肢浮腫 0 1(0.03) 1(0.02) 胸部X線異常 浮腫 0 1(0.03) 1(0.02) 血中カリウム減少 副作用の種類 承認時ま 製造販売 合 計 での調査 後の調査 2(0.24) 1(0.03) 3(0.07) 1(0.03) 1(0.02) 0 1(0.03) 1(0.02) 0 51(6.19)105(3.21)156(3.81) 6(0.73) 6(0.18) 12(0.29) 2(0.24) 1(0.03) 3(0.07) 11(1.33) 31(0.95) 42(1.03) 1(0.12) 0 1(0.02) 3(0.36) 3(0.09) 6(0.15) 4(0.49) 5(0.15) 9(0.22) 2(0.05) 2(0.24) 0 4(0.49) 5(0.15) 9(0.22) 23(2.79) 82(2.51)105(2.57) 18(2.18) 75(2.30) 93(2.27) 2(0.06) 2(0.05) 0 10 (0.31) 10(0.24) 0 7(0.85) 24(0.73) 31(0.76) 1(0.03) 1(0.02) 0 3(0.07) 3(0.36) 0 1(0.03) 1(0.02) 0 1(0.02) 1(0.12) 0 1(0.03) 1(0.02) 0 3(0.09) 3(0.07) 0 3(0.07) 3(0.36) 0 3(0.07) 3(0.36) 0 1(0.03) 1(0.02) 0 1(0.03) 1(0.02) 0 副作用名は MedDRA(Ver.4.0)により PT にて記載している。 承認時までの調査集計: 1995 年 9 月 製造販売後の調査集計: 2004 年 9 月 8−3 基礎疾患、合併症、重症度及び手術の有無等背景別の副作用発現頻度 該当資料なし 8−4 薬物アレルギーに対する注意及び試験法 その他の副作用 発疹、 痒があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 9 .高齢者への投与 高齢者には低用量(40mg/日)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に 投与すること。 [高齢者での薬物動態試験で血中濃度半減期が長くなり血中濃度時間曲線下面積が大き くなる傾向が認められる。] − 38 − 10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 (1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると 判断される場合にのみ投与すること。 [ラットの器官形成期投与試験において、母動物の貧血により二次的に誘発される と考えられる胎児の心室中隔欠損が対照に比較して有意に多く認められている(経 口、300mg/kg/日)。] (2)授乳中の婦人に投与する場合には授乳を避けさせること。 [動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。] 11.小児等への投与 低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児に対する安全性は確立していない(使用経験 がない)。 12.臨床検査結果に及ぼす影響 該当資料なし 13.過量投与 該当資料なし 14.適用上及び薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等) 薬剤交付時: PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること。 [PTP シートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔 をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。] 本剤は気管支拡張剤、ステロイド剤等と異なり、すでに起こっている発作や症状を速やか に軽減する薬剤ではないので、このことは患者に十分説明しておくこと。 15.その他の注意 該当しない 16.そ の 他 該当しない − 39 − Ⅸ:非臨床試験に関する項目 1 .一般薬理 マウス、ラット、ネコ、イヌ、モルモット及びウサギを用いて、中枢神経系及び体性神経 系、循環器系、自律神経系、腎機能、消化器及び摘出平滑筋に対するセラトロダストの一 般薬理作用を検討した。 セラトロダストは、100 〜 300mg/kg(経口投与)の用量でマウスにおいて鎮静症状を示 し、自発運動、協調運動及び酢酸 writhing を軽度抑制した。更にマウス及びラットのペ ントバルビタール睡眠時間を延長した。しかし、他の中枢神経系の試験では全く作用を 示さなかった。一方、セラトロダストは循環器系、自律神経系、腎機能及び消化器系に 対して作用を示さなかった。摘出平滑筋標本に対しては、10 − 6M で気管筋の K +収縮を抑 制し、10 − 5 及び 10 − 4M の濃度で、胃条片、回腸及び子宮筋の自発運動を軽度抑制した。 また、ラットにおいて 100mg/kg で出血時間の延長が認められた 22)。 2 .毒 性 2−1 単回投与毒性試験 23) LD50 (mg/kg) 動物種 投与経路 経 口 2−2 マ ウ ス ラ ッ ト ♂ ♀ ♂ ♀ 1,620 1,520 3,750∼5,000 約5,000 反復投与毒性試験 動物種 ラット 投与期間 投与経路 13週間24) 経 口 4,20,100,500 20 52週間25) 経 口 3,10,30,100 10 13週間 経 口 500 (回復性試験) 13週間26) 経 口 10,30,100,300 100 52週間27) 経 口 30,100,300 30 4週間28) 経 口 30,100,300 100 経 口 10,30,100,300 30 * イ ヌ サ ル * 52週間 投与量 (mg/kg/日) 無毒性量 (mg/kg/日) 回復又は回復傾向 ラット: 13 週間投与試験の 100mg/kg/日以上及び 52 週間投与試験の 100mg/kg/日の投与 群で溶血性貧血並びにそれに関連した変化である肝重量の増加並びに肝細胞の肥 大が認められた。52 週間投与試験の 30mg/kg/日以上の投与群で腎尿細管上皮の 硝子滴沈着及び再生尿細管の増加が認められ、13 週間投与試験の 500mg/kg/日 投与群で精巣に対する影響(精上皮の減少)が認められたが、100mg/kg/日以下 の投与群では変化は認められなかった。また、イヌとサルでは精巣に異常は認め られず、ラットに特異的な変化と考えられた。 500mg/kg/日を 13 週間経口投与後、4 及び 13 週間休薬した回復性試験の結果か ら、これらの所見は回復性のある変化であると考えられた。 − 40 − イ ヌ: 13 週間投与試験及び 52 週間投与試験の 300mg/kg/日投与群で溶血性貧血並びに それに関連した変化が認められている。 サ ル: 4 週間投与試験及び 52 週間投与試験の 300mg/kg/日投与群で溶血性貧血並びに それに関連した変化が認められ、52 週間投与試験の 100mg/kg/日以上の投与群 では脾臓に色素沈着が認められた。 (*承認時資料: 1995 年 9 月) 2−3 生殖発生毒性試験 投 与 量 無影響量 (mg/kg/日) 動物種 投与経路 ラット 経 口 10,30,100 30 >100 ラット 経 口 30,100,300 30 100 ウサギ 経 口 10,30,100 30 >100 周産期及び授乳期投与試験31) ラット 経 口 10,30,100 30 >100 繁殖試験29) 器官形成期投与試験 * 器官形成期投与試験30) (mg/kg/日) 親動物 胎児、出生児 ラットの器官形成期投与試験(妊娠 6 日目から 17 日目まで投与)において、母動物に溶血 性貧血のみられる 300mg/kg/日の投与群で胎児の心室中隔欠損がみられたが、同投与量を 妊娠 6 〜 8、9 〜 11、12 〜 14、15 〜 17 日のいずれか 3 日間に分割投与した場合には母体 の溶血性貧血と胎児の心室中隔欠損は発現しないことから、溶血性貧血に起因した母動物 の低酸素が原因と考えられた。親動物、胎児、出生児とも各試験のいずれにおいても上記 以外に特記すべき変化は認められていない。 (*承認時資料: 1995 年 9 月) 2−4 その他の特殊毒性 (1)抗原性試験 モルモット及びマウスの抗原性試験では異常は認められていない 32)。 (2)変異原性試験 細菌による復帰突然変異試験 33)、培養細胞による遺伝子突然変異試験*、ラット染色 体異常試験*及びマウス小核試験 34)において異常は認められていない。培養細胞を用 いた染色体異常試験において培養可能な最大濃度の 1.25mM で染色体異常が認められ たが、高濃度の薬剤添加による細胞毒性が原因と考えられた。 (*承認時資料: 1995 年 9 月) (1)がん原性試験 マウスに 30、100、300mg/kg/日を 24 ヵ月間、ラットに 10、30、100mg/kg/日を 24 ヵ月間経口投与した試験では直接的な腫瘍原性はみられていない。雄ラットの腎臓 において 30mg/kg/日以上の投与群で尿細管上皮の過形成増加が、100mg/kg/日の投与 群で 1/50 例に尿細管上皮の腺腫がみられたが、いわゆる a2U −グロブリン腎症による 雄ラット特有の変化と考えられ、本剤の直接作用によるものではないと考えられる。 (承認時資料: 1995 年 9 月) − 41 − Ⅹ:取扱い上の注意等に関する項目 1 .有効期間又は使用期限 3 年(使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。) 2 .貯法・保存条件 室温保存。 ブロニカ顆粒 10 %は開封後も光を遮り保存すること。 3 .薬剤取扱い上の注意点 該当しない 4 .承認条件 該当しない 5 .包 装 ブロニカ錠 40 : 100 錠(10 錠× 10) ブロニカ錠 80 : 100 錠(10 錠× 10) ブロニカ顆粒 10 %: 100g 6 .同一成分・同効薬 同一成分薬:なし 同 効 薬:オザグレル塩酸塩水和物、プランルカスト水和物、モンテルカストナトリウム、 ザフィルルカスト等 7 .国際誕生年月日 1995 年 9 月 29 日 8 .製造販売承認年月日及び承認番号 製造販売承認年月日: 1995 年 9 月 29 日 承 認 番 号:ブ ロ ニ カ 錠 40 :(7AM)687 ブ ロ ニ カ 錠 80 :(7AM)688 ブロニカ顆粒 10 %:(7AM)689 9 .薬価基準収載年月日 1995 年 11 月 24 日 − 42 − 10.効能・効果追加、用法・用量変更追加等の年月日及びその内容 該当しない 11.再審査結果、再評価結果公表年月日及びその内容 再審査結果公表年月日: 2004 年 9 月 9 日 内容:薬事法第 14 条第 2 項各号のいずれにも該当しない。 12.再審査期間 6 年(2001 年 9 月 28 日満了) 13.長期投与の可否 該当しない 14.厚生労働省薬価基準収載医薬品コード ブ ロ ニ カ 錠 40 : 4490018F1023 ブ ロ ニ カ 錠 80 : 4490018F2020 ブロニカ顆粒 10 %: 4490018D1022 15.保険給付上の注意 該当しない − 43 − Ⅺ:文 献 1 .引用文献 1)志水正敏, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8):3 2)立野政雄, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8):21 3)中島重徳, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8):77 4)中島重徳, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8):101 5)中島重徳, 他:医学のあゆみ 1994, 168:295 6)高橋昭三, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8):213 7)信太隆夫, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8):185 8)中島重徳, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8):165 9)Kurokawa T.,et al.:薬理と治療 1993, 21:4539 10)伊藤康, 他:アレルギー 1993, 42:1670 11)Ashida Y.,et al.: Prostaglandins 1989, 38:91 12)Matsumoto T.,et al.: J.Pharmacol.Exp.Ther. 1994, 269:1236 13)蘆田康子, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1867 14)Matsumoto T.,et al.: Prostaglandins 1993, 46:301 15)今井俊道, 他:アレルギー 1991, 40:28 16)Fujimura M.,et al.: J.Allergy Clin.Immunol. 1991, 87:23 17)内田英二, 他:臨床医薬 1993, 9(Suppl.8):57 18)三輪清, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1823 19)Samara E.E.,et al.: Clin.Drug Invest. 1997, 14:494 20)近藤孝浩, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1851 21)朝日知, 他:呼吸 2000, 19:S241 22)鬼頭剛, 他:薬理と治療 1993, 21:2547 23)千葉祐広, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1627 24)鈴木剛, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1635 25)野々山孝, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1723 26)鈴木剛, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1655 27)堀内顕二, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1739 28)鈴木剛, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1689 29)杉谷順康, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1765 30)中津武, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1781 31)杉谷順康, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1789 32)中井洋一, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1807 33)坂本豊, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1813 34)一ツ町晋也, 他:薬理と治療 1993, 21(Suppl.7):S1819 − 44 − 2 .その他の参考文献 該当しない − 45 − Ⅻ:参考資料 主な外国での発売状況 外国では発売していない。 − 46 − Ⅹ Ⅲ:備 考 その他の関連資料 該当しない − 47 − − 48 − − 49 −
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