地歴公民(世界史)

地歴公民(世界史)
早稲田大学 社会科学部 1/1
<全体分析>
試験時間 60 分
解答形式
マーク式
分量・難易(前年比較) 分量(減少・変化なし・増加) 難易(易化・変化なし・難化)
大問4題、総問題数 40 で昨年度と同様であった。
出題の特徴
問題数40 問で、すべてがマーク式で出題される形式は変化なし。正誤判定問題の数は昨年度の 27 問から減少して
25 問になった。完答する必要があると思われる,複数の選択肢を解答させる問題は4問出題された。従来,本学部の
問題は5つの選択肢から正解を選ばせる形式であったが,本年度は選択肢が4つに減少し,取り組みやすくなった。
受験生が苦手としがちな戦後史の出題がほとんどなかったことと合わせて,難易度は昨年度よりも易化した。 また年
代整序が頻出である上に,正誤判定文に年号が含まれている問題が多いため,豊富な年号知識が求められる。
その他トピックス
本年度は,第二次世界大戦後の内容は1問しか出題されなかった。また中国史は,小問で近現代史が問われたのみ
で,前近代史の大問は出題されず,欧米史を重視する本学部の傾向は踏襲されている。また戦後史と中国史の出題
が少ないという特徴は,一昨年度の問題と共通している。
<大問分析>
番号
出題形式
Ⅰ
選択
Ⅱ
選択
Ⅲ
選択
Ⅳ
選択
出題分野・テーマ
コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど)
難易度
古代地中海世界の移 おおむね標準的な難易度。問8では,古代インドを掘り下げて
標準
民
学習しているかが問われる。
問2で,b.「ポワティエの戦い」とd.「クレシーの戦い」を区別す
るには年号の知識が求められる。問4 b.は「英文共通祈祷書」
が,エドワード6世時代の「一般祈祷書」を指していることを判断
近世ヨーロッパ史
する必要があり難。また c.で,ヘンリ 8 世がウェールズを併合し やや難
た史実を判断させるのは難。問5は難解な正文があるものの,誤
りを見つけるのは平易。問8 c.新教派の諸侯や帝国都市が結
んだ同盟は、シュマルカルデン同盟で 1530 年のこと。
本学部で頻出のアメリカ史。問8 b.クー=クラックス=クランがテ
ネシー州で結成されたことは,本学部志望者ならば押さえてお
アメリカ合衆国史(独
きたい。c.リベリア共和国の建国は 1847 年で,南北戦争(1861 標準
立前~19 世紀)
~65)よりも前の出来事。問9 c.の「CLO」は「CIO」の誤記と
思われる。問 10 b.中国人移民禁止法の制定は 1882 年。
問1 c.建国当初のユーゴスラヴィアは王政であった。問3 c.
ムスタファ=ケマルは 1922 年にスルタン制を廃止した翌年に大
第一次世界大戦後の 統領に就任している。問5でc.サイモン委員会に関わる内容を
標準
アジア・アフリカ
選ばせるのは,今までにない切り口。問9と問 10 は正誤判定文
に年号が含まれているため,判断に苦戦した受験生が多かった
のではないだろうか。
※ 難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断
しています。
<学習対策>
単なる歴史的用語の誤りではなく,因果関係・時代の前後関係を誤りの根拠として正誤を判断させる特徴が,ここ数年
で定着してきたといえる。かなり詳細な知識が求められる本学部であるが,知識の蓄積だけではなく歴史的な理解を意
識した学習を心掛けること。本学部では年代整序が頻出であり,正誤判定文に年号が含まれていることが多いため,年
号への意識も高めておきたい。本年度は出題されなかったものの,次年度はポスト冷戦の世界・グローバル化など新課
程を意識した出題が十分考えられるので,早い時期から世界史学習に取り組んで,これらのテーマへの対策を怠らな
いようにしよう。
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