我が国の目指す方向 ~約束草案の概要 - 関東経済産業局

資料2-2
平成27年11月13日(金)
関東地域エネルギー・温暖化対策推進会議
我が国の目指す方向
~約束草案の概要~
環境省 地球環境局
低炭素社会推進室
1.地球温暖化の科学的知見
IPCC第5次評価報告書統合報告書(2014年11月発表)の主なポイント
統合報告書のキーメッセージ
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の概要
国連環境計画(UNEP)・世界気象機関(WMO) により1988年設置された政府間組織。
世界の政策決定者等に対し、正確でバランスの取れた科学的知見を提供し、気候変動枠組条約の活動を支援。
気候変動に関する国際交渉の節目に統合報告書を公表。2014年11月に第5次評価報告書統合報告書を公表。
観測された変化及びその原因
 気候システムの温暖化には疑う余地がない。
 人為起源の温室効果ガスの排出が、20世紀半ば以降の観測された温暖化の支配的な原因。
将来の気候変動、リスク及び影響
 今世紀末の気温上昇は、現状を上回る追加的な温暖化対策をとらなかった場合は2.6~4.8℃。
 2℃目標の緩和経路は複数ある。
図.1986年~2005年平均気温からの気温上昇
(産業革命前と比較する際は0.61℃を加える。)
どの経路においても以下を要する。
(℃)
(IPCC AR5 SYR SPM 図SPM.6(a) より編集)
①2050年までに40~70%削減( 2010年比)
②21世紀末までに排出をほぼゼロ
適応と緩和
 適応と緩和は相互補完的な戦略。
 効果的な適応と緩和の実施は、他の社会的目標
(健康、食料安全保障、地域の環境の質等)とリンクさせた
統合的対応でより効果的になる。
現状を上回る
温暖化対策を
とらなかった場合、
2.6〜4.8℃上昇
厳しい温暖化対策をとった場合、
0.3〜1.7℃上昇
2
我が国において既に起こりつつある気候変動の影響
米・果樹
異常気象・災害
米が白濁するなど
品質の低下が頻発。
日降水量200ミリ以上の大雨の発生日数が増加傾向
図: 洪水被害の事例
(写真提供:国土交通省中部地方整備局)
図: 水稲の白未熟粒(写真提供:農林水産省)
・水稲の登熟期(出穂・開花から収穫までの期間)の
日平均気温が27℃を上回ると玄米の全部又は一部
が乳白化したり、粒が細くなる「白未熟粒」が多発。
・特に、登熟期の平均気温が上昇傾向にある九州地方
等で深刻化。
(出典:気候変動監視レポート2013(気象庁))
デング熱の媒介生物
であるヒトスジシマカ
の分布北上
熱中症・
感染症
2013年夏、 20都市・地区計で15,189人の
熱中症患者が救急車で病院に運ばれた。
(国立環境研究所 熱中症患者速報より)
図 ヒトスジシマカ
(写真提供:国立感染症研究所
昆虫医科学部)
図: みかんの浮皮症
(写真提供:農林水産省)
成熟後の高温・多雨により、果皮と果肉が
分離する。(品質・貯蔵性の低下)
サンゴの白化・ニホンジカの生息域拡大
農林産物や高山植物等の食害が発生
農山村の過疎化や狩猟人口の減少等に加え、
積雪の減少も一因と考えられる。
生態系
図 サンゴの白化(写真提供:環境省)
(写真提供:中静透)
3
我が国の温室効果ガス排出量の推移
○ 2013年度の総排出量は14億800万トン(CO2換算)で、1990年度比10.8%増、2005年度比0.8%
増、前年度比1.2%増となっている。
○ このうち、二酸化炭素(CO2)排出量は13億1,100万トンで、全体の93.1%を占める。
2013年度総排出量14億800万トン(CO2換算)
(2005年度比+0.8%)[前年度比+1.2%]
【前年度比+1,730万トン】
(単位 百万トン(CO2換算))
1,400
1,300
NF3
SF6
PFCs
1,200
HFCs
N2O
CH4
1,100
CO2
~~
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1,000
(年度)
(注)上記の排出量は、改訂された2006年IPCCガイドラインに沿って計算したものである。
<出典>
温室効果ガス排出・吸収目録(2015)
4
CO2 の部門別排出量(電気・熱配分後)の推移
部門別CO2排出量の推移(電熱配分後)
503
500
産業部門(工場等)
457
(2005年度比)
429 百万トン (-6.0%)
300
運輸部門(自動車等)
(商業・サービス・事業所等)
200
家庭部門
180
エネルギー転換部門(発電所等)
131
101 百万トン (-2.9%)
104
工業プロセス及び製品の使用 54
廃棄物(焼却等)
30
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2004
1
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
その他
47 百万トン (-13.7%)
28 百万トン (-6.6%)
1 百万トン (-6.9%)
2006
64
22
1
2005
92
0
225 百万トン (-6.3%)
201 百万トン (+11.9%)
239
134
100
279 百万トン (+16.7%)
240
業務その他部門
206
1990
(単位 百万トンCO2)
400
(年度)
5
2.国際的な取組について
~2020年以降の新たな国際枠組みの構築に向けて~
世界のエネルギー起源CO2排出量の推移
米中2カ国で世界の40%以上を排出。
今後の排出量は、先進国は微増に対し途上国は急増する見込み。
1990年
その他
27.5%
2012年(現状)
中国, 10.9%
その他
30.3%
その他
ロシア
10.4% インド
EU27ヵ国, 19.3%
2.8%
210億トン
ブラジル
1.4%
日本
3.9%
その他
33.6%
中国, 中国 26.0%
米国
23.2%
ブラジル
0.9%
日本
5.1%
2030年(予測)
米国
EU27ヵ国
11.0%
EU27か国
ロシア
5.2% インド
6.2%
317億トン
米国, 16.0%
中国, 28.1%
米国, 12.4%
ブラジル
1.7%
日本
2.5% ロシア
4.6% EU28ヵ国
7.4%
インド
9.5%
363億トン
IEA「CO2 emissions from fuel combustion 2014」「World Energy Outlook (2014 Edition)」に基づいて環境省作成
※2030年はNew Policies Scenarioの値。
7
地球温暖化に関する国際枠組み
1.気候変動枠組条約(1992年採択)
 大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることが究極の目的
 「共通だが差異ある責任」等の原則、先進国・途上国の義務を規定
 具体的な削減目標について規定なし
2.京都議定書(1997年採択)
 先進国全体で1990年比で少なくとも5%の削減を目標
 先進国に対し、法的拘束力のある数値目標を設定
第1約束期間
第2約束期間
期間
2008年~2012年の5年間
2013年~2020年の8年間
基準年
1990年※
1990年※
数値目標
日本-6%、米国(未批准-7%)、
EU-8% 等
EU-20%、豪-0.5%等
(日本、露、NZは参加せず)
※HFC, PFC, SF6は1995年が基準年となる。
 中国を含む途上国には削減義務なし。米国は批准せず。カナダも2012年に離脱。
すべての国が参加する
2020年以降の新たな法的枠組み(ポスト京都議定書)の合意へ
8
2020年以降の枠組み合意に向けた道筋
6月交渉会合
ドイツ・ボン
(6/1~11)
8-9月交渉会合
ドイツ・ボン
(8/31~9/4)
10月交渉会合
ドイツ・ボン
(10/19~10/23)
21
20
2014年12月
(ペルー・リマ)
プレCOP
未定
(11月前半)
COP
COP
2月交渉会合
ジュネーブ
(2/8~13)
各国がCOP21に十分
先立って(準備ができ
る国は2015年3月末ま
でに)約束草案を提出
G7エルマウ・
サミット
ドイツ
(6/7~8)
国連ポスト2015年
開発アジェンダサミット
(9/25~27)
・国連総会
(9/28~29)
新
た
な
枠
組
み
を
採
択
各国の約束草案を総 2015年11/30
計した効果についての
~ 12/11
統合報告書を
(パリ)
11月1日までに作成
⽇本の対応:
平成27年7⽉17⽇、地球温暖化対策推進本部において、「⽇本の約束草案」を決
定し、国連気候変動枠組条約事務局に提出。
本年末に開催されるCOP21での、全ての国が参加する公平かつ実効的な枠組み構
築に向けて、引き続き交渉に積極的に貢献。
COP21における新たな国際枠組みに関する合意の状況を踏まえ、できるだけ
速やかに地球温暖化対策計画を策定。
9
約束草案 主要各国の提出状況(2015年10月01日時点)
●各国はCOP21に十分先立って、2020年以降の約束草案(削減目標案)を提出。<COP19決定>
●148か国・地域(欧州各国含む)が提出(世界のエネルギー起源CO2排出量の9割近く)。
●先進国(附属書Ⅰ国)はほぼ提出済み。非附属書Ⅰ国でも中、韓、南アフリカ、ブラジル等が提出。
先進国(附属書Ⅰ国)
米国
EU
ロシア
日本
カナダ
オーストラリア
スイス
ノルウェー
ニュージーランド
2025年に‐26%~‐28%(2005年比)。28%削減に向けて最大限取り組む。
3月31日提出
2030年に少なくとも‐40%(1990年比)
3月6日提出
2030年に‐25~‐30%(1990年比)が長期目標となり得る
4月1日提出
2030年度に2013年度比‐26.0%(2005年度比‐25.4%)
7月17日提出
2030年に‐30%(2005年比)
5月15日提出
2030年までに‐26~28%(2005年比)
8月11日提出
2030年に‐50%(1990年比)
2月27日提出
2030年に少なくとも‐40%(1990年比)
3月27日提出
2030年に‐30%(2005年比)
7月7日提出
途上国(非附属書Ⅰ国)
中国
2030年までにGDP当たりCO2排出量‐60~‐65%(2005年比) 。2030年前後にCO2排出量のピーク
6月30日提出
インド
2030年までにGDP当たり排出量‐33~‐35%(2005年比)。
10月1日提出
2030年までに‐29%(BAU比)
9月24日提出
・2025年までに‐37%(2005年比) (2030年までに‐43%(2005年比))
9月28日提出
2030年までに‐37%(BAU比)
6月30日提出
・2020年から2025年にピークを迎え、10年程度横ばいの後、減少に向かう排出経路を辿る。
・2025年及び2030年に398~614百万トン(CO2換算)(参考:2010年排出量は487百万トン(IEA推計))
9月25日提出
インドネシア
ブラジル
韓国
南アフリカ
※その他、以下の国が提出済み。メキシコ、ガボン、リヒテンシュタイン、アンドラ、モロッコ、エチオピア、セルビア、アイスランド、シンガポール、マーシャル諸島、ケニア、モナコ、マケド
ニア、トリニダート・トバコ、ジブチ共和国、コンゴ民主共和国、ドミニカ共和国、アルジェリア、コロンビア、チュニジア、コモロ連合、赤道ギニア、モンテネグロ、ガーナ、アルバニア、マダガ
スカル、モンゴル、エリトリア、バングラディシュ、セイシェル、ジョージア、ベラルーシ、モルドバ、キリバツ、セネガル、中央アフリカ共和国、モーリシャス、ミャンマー、ガンビア、モルディブ、
カザフスタン、ペルー、バルバドス、ブルキナファソ、チリ、バヌアツ、マリ、ベナン、アルメニア、ニジェール、コートジボワール、キルギスタン、ベトナム、モーリタニア、バルバドス、ウルグ
アイ、ナミビア、グレナダ、ザンビア、スワジランド、タンザニア、アゼルバイジャン、コンゴ、ドミニカ、カーボベルデ、イスラエル、グアテマラ、サントメプリンシペ、ハイチ、ウクライナ、レバノ
ン、ブルンジ、ヨルダン,ギニアビザウ、ソロモン諸島、トルクメニスタン、ジンバブエ、コスタリカ、ブータン、マラウィ、カンボジア、ルワンダ、レソト、タジキスタン、リベリア、パプアニューギ
ニア、モザンビーク。トーゴ、トルコ、サンマリノ,、スリナム、サモア、カメルーン、フィリピン、ラオス、マラウィ、タイ、ガイアナ、ホンジュラス、シエラレオネ、チャド、ボツワナ、パラグアイ、ア
ルジェリア、ベリーズ、エクアドル、モザンビーク、アルゼンチン
10
COP21に向けた主要論点
○差異化:
あらゆる要素(⽬的、緩和、適応、⽀援等)において先進国・途上国への差異
化を求める途上国への対応
○緩和:
EU・⼩島嶼国から各国の⽬標を強固なものとすべきとの主張がある⼀⽅、
約束草案を⾜し合わせても、2℃⽬標とのギャップがある⾒込み
→各国⽬標をCOP21で引き上げることは困難な⾒通しであり、
⽬標を定期的に⾒直し、野⼼を引き上げるための仕組みづくり、
⽬標の義務に関する仕組み(法的拘束⼒、遵守規定)づくりが課題
○適応:途上国の主張(適応グローバルゴール、ロス&ダメージ等)への対応
○⽀援:途上国の主張(2020年以降の先進国による定量的な⽀援等)への対応
(⽇本への期待も⾼い)
○市場メカニズム
市場メカニズム(⽇本が推進する⼆国間クレジット制度(JCM)を含む)を⽬標
達成に活⽤するに際しての仕組みづくり
11
3.我が国の約束草案について
長期目標
○第4次環境基本計画(平成24年4⽉閣議決定)
産業⾰命以前と⽐べ世界平均気温の上昇を2℃以内にとどめるために温室効
果ガス排出量を⼤幅に削減する必要があることを認識し、2050 年までに世
界全体の温室効果ガスの排出量を少なくとも半減するとの⽬標をすべての
国と共有するよう努める。
また、⻑期的な⽬標として2050 年までに80%の温室効果ガスの排出削減
を⽬指す。
地球温暖化対策は、科学的知⾒に基づき、国際的な協調の下で、我が国と
して率先的に取り組んでいく必要がある。同時に、地球温暖化対策の国内
対策は、我が国のエネルギー構造や産業構造、国⺠⽣活の現状や⻑期的な
将来の低炭素社会の姿等を踏まえて組み⽴てていく必要がある。
13
2020年度目標
・カンクン合意履行のため、また、COP19までに25%削減目標をゼロベースで見直すとの総理指示を
踏まえ、2020年削減目標を、2005年度比3.8%減とする。
・この目標は、原子力発電の活用の在り方を含めたエネルギー政策及びエネルギーミックスが検討中
であることを踏まえ、原発による温室効果ガスの削減効果を含めずに設定した現時点での目標。
・今後、エネルギー政策やエネルギーミックスの検討の進展を踏まえて見直し、確定的な目標を設定。
【2020年目標の考え方】
2020年目標は、現政権が掲げる経済成長を遂げつつも、
(1) 世界最高水準のエネルギー効率を更に20%改善
(2) 再エネ導入を含めた電力の排出原単位の改善
(3) 改正フロン法に基づくフロン類対策の強化
(4) 二国間クレジット制度の活用
(5) 森林吸収源の活用
【2020年目標を受けての対応】
・国連気候変動枠組条約事務局に、2020年目標を登録(2013年11月29日)。
・カンクン合意に基づく隔年報告書の提出(2013年12月27日)
・国際レビューにより着実に排出削減を実施。
14
日本の約束草案(2030年度の温室効果ガス削減目標)
◆国内の排出削減・吸収量の確保により、2030年度に2013年度比▲26.0%(2005年度比
▲25.4%)の水準(約10億4,200万t-CO2)にする。
◆エネルギーミックスと整合的なものとなるよう、技術的制約、コスト面の課題などを十分
に考慮した裏付けのある対策・施策や技術の積み上げによる実現可能な削減目標。
2013年度比(2005年度比)
エネルギー起源CO2
▲21.9% (20.9%)
その他温室効果ガス
(非エネルギー起源CO2、メタン、一酸化二窒素、HFC
等4ガス)
吸収源対策
温室効果ガス削減量
▲1.5% (▲1.8%)
▲2.6% (▲2.6%)
▲26.0% (▲25.4%)
※JCM及びその他の国際貢献について
○二国間クレジット制度(JCM)については、削減目標積み上げの基礎とはしないものの、民間ベースの事業に
よる貢献分とは別に、毎年度の予算の範囲内で行う日本政府の事業により、2030年度までの累積で5,000万
から1億t-CO2の国際的な排出削減・吸収量が見込まれる。
○国際貢献として、JCMのほか、産業界による取組を通じた優れた技術の普及等により2030年度に全世界で
少なくとも10億t-CO2の排出削減ポテンシャルが見込まれる。
15
日本の約束草案のポイント(1)
日本の約束草案:2030年度の温室効果ガス排出削減目標
○国内の排出削減・吸収量の確保により、2030年度に2013年度比▲26.0%(2005
年度比▲25.4%)の水準(約10億4,200万t-CO2)にする。
○エネルギーミックスと整合的なものとなるよう、技術的制約、コスト面の課題など
を十分に考慮した裏付けのある対策・施策や技術の積み上げによる実現可能な
削減目標である。
(1)温室効果ガス排出量の削減
○徹底した省エネルギーや再生可能エネルギーの最大限の導入等により、エネル
ギー起源二酸化炭素の排出量を2013年度比▲25.0%(2005年度比▲24.0%)の
水準(約9億2,700万t-CO2 )にする。
○非エネルギー起源二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素及びHFC等4ガスの排出
量を、フロン等対策の強化等により、 2013年度総排出量比でマイナス1.5%
(2005年度比マイナス1.8%)にする。
16
日本の約束草案のポイント(2)
(2)温室効果ガス吸収源
○吸収源活動により約3,700万t-CO2 (2013年度総排出量の▲2.6%相当(2005年度
総排出量の▲2.6%相当)の吸収量を確保する。
○このうち、森林吸収源対策により、約2,780万t-CO2 (2013年度総排出量の▲2.0%
相当(2005年度総排出量の▲2.0%相当))の吸収量を確保する。
(3)JCM及びその他の国際貢献
○二国間クレジット制度(JCM)については、削減目標積み上げの基礎とはしないもの
の、民間ベースの事業による貢献分とは別に、毎年度の予算の範囲内で行う日本
政府の事業により、2030年度までの累積で5,000万から1億t-CO2の国際的な排出
削減・吸収量が見込まれる。
○国際貢献として、JCMのほか、産業界による取組を通じた優れた技術の普及等に
より2030年度に全世界で少なくとも10億t-CO2の排出削減ポテンシャルが見込まれ
る。
17
部門別のエネルギー起源CO2削減目標
 エネルギー起源CO2のうち、環境省が中心となって対策を進める業務その他部門、
家庭部門においては、2013年度比約40%減と大幅に削減することが必要。
600
(単位 百万トンCO2)
500
400
業務その他部門
300
40%減
▲6.5%
産業部門
▲27.4%
運輸部門
業務その他部門 ▲39.7%
▲39.4%
家庭部門
エネルギー転換部門
▲27.5%
200
家庭部門
100
39%減
0
1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030
18
新たな削減目標で見込んでいる省エネ量の内訳
 徹底した省エネルギー対策により、5,030万kL程度エネルギー需要を削減。
[省エネ量:万kL]

石油危機後並みの大幅なエネルギー効率改善(35%程度)を実現。
5000
燃費改善・次世代自動車の普及
4000
交通流対策(エコドライブ等)
3000
2000
住宅・建築物の断熱化、高効率給湯器
LEDなど高効率照明の導入
エネルギー管理の実施(工場、業務、家庭)
1000
更なる技術開発によるエネルギー効率の
向上に加えて、日本が世界に誇る省エ
ネ・低炭素型の「製品」「サービス」「行動」
の積極的な選択を促す必要がある。
省エネ型の家電・OA機器の普及
産業部門の省エネ等
家庭・業務部門で2013年度比約40%、運輸
部門で約30%のCO2排出量の
大幅削減を達成しなければならない
産業部門で2013年度比6.5%のCO2削減
0
19
新たな削減目標で見込んでいる主な省エネ対策について①
燃費改善・次世代自動車の普及
・2台に1台が次世代自動車(保有ベース)
ハイブリッド自動車:3%(2012)→29%(2030)
電気自動車/プラグイン・ハイブリッド自動車:0%(2012)→16%(2030)
燃料電池自動車:0%(2012)→1%(2030)
クリーンディーゼル自動車:0%(2012)→4%(2030)
交通流対策(エコドライブ等)
・交通流対策の推進
・公共交通機関の利用促進等
・高度道路交通システム(ITS)の推進
・自動運転の推進
・エコドライブの推進
・カーシェアリング
等
住宅/建築物の省エネ化、高効率給湯器の導入
・新築住宅/新築建築物について、2020年までに段階的に省エネルギー基準への適合を義務化
・低炭素建築物の推進、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)/ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の促進
・高効率給湯器の導入
家庭用燃料電池:5.5万台(2012)→530万台(2030)
家庭用ヒートポンプ式給湯器:400万台(2012)→1400万台(2030)
20
新たな削減目標で見込んでいる主な省エネ対策について②
LEDなど高効率照明の導入
・LED、有機EL等の高効率照明を用いた、高輝度な照明技術により省エネ
高効率照明のうち高効率LED・有機ELのシェアはLED照明のトップランナー
基準策定に伴い、目標年度(2017年度)に100%になると想定。
エネルギー管理の実施(工場、業務、家庭)
・製造ラインの見える化を通じたエネルギー効率の改善
・HEMS/BEMSによる見える化・エネルギーマネジメント
HEMSの全世帯への導入
BEMSの約半数の建築物に導入
省エネ型の家電・OA機器の普及
・トップランナー基準等による、様々な製品(エアコン、冷蔵庫、複写機、プリンター 等)
の性能向上
国民運動の推進
・国民運動を通じた国民への情報提供の充実と省エネの行動変革
クールビズ・ウォームビズの実施徹底の促進
機器の買換え促進
等
21
約束草案の達成に必要な再エネの内訳
(2030年度の電源構成)
電源
再生可能エネルギー
構成割合
22 – 24%
種類
太陽光
原子力
石炭
LNG
石油
20 – 22%
26%
27%
3%
割合
7%
風力
1.7%
地熱
1.0 – 1.1%
水力
8.8 – 9.2%
バイオマス
3.7 – 4.6%
22
新たな削減目標で見込んでいる再エネ量の内訳・推進施策
◆総発電電力量(10,650億kWh程度)のうち、再生可能エネルギーは22~24%を占める。
◆足下から、太陽光は7倍、風力・地熱は4倍の発電電力量を見込んでいる。
[単位:億kWh]
風力
洋上風力
陸上風力
再生可能エネルギー導入推進施策
太陽光
非住宅
住宅
バイオマス
地熱
既導入量
中小規模
大規模
・固定価格買取制度の適正な運用
・規制緩和
・低コスト化・高効率化のための技術開発
・大型蓄電池の開発・実証
・送配電網の整備
等
水力
 再生可能エネルギーの導入は、低炭素社会
の実現に不可欠
 まずは今回示された目標を確実に達成し、
中長期的に更なる導入拡大を図る
既導入量
RPS
一般廃棄物等
バイオガス
建設資材廃棄物
未利用間伐材
一般木材・農作物残渣等
中小水力(追加:130~201万KW)
大規模水力(追加)
23
4.約束草案の実現に向けた施策について
民生部門に重点を置いた当面の対策
 2030年度に2013年度比26%減(2005年度比25.4%)、その中でも環境省が重点的に
対策を進める民生分野(業務その他部門及び家庭部門)では4割程度の大幅削減を行う必要
があり、対策を抜本的に拡充する必要がある。
 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告書を踏まえ、我が国でも第一次安倍政権時に
2050年世界半減を提唱。第二次安倍政権時にも2050年半減・先進国80%削減を堅持。
 できるだけ速やかに地球温暖化対策推進法に基づく地球温暖化対策計画を策定(閣議決
定)。制度面での対応(各種規制や税制、対策の誘導的手法)と、エネルギー対策特別会計予
算の活用による財政・金融面での対応を両輪として、総合的かつ計画的に実施していく。
エネ特予算
[環境省]:1,125億円
・主に業務分野、家庭分野
[経産省]:3,207億円
・主に産業分野、エネルギー転換分野
規制・基準
低炭素化促進投資
2030年まで累積約100兆円
・排出抑制指針
・年1%省エネ推進義務
・住宅建築物断熱化義務
・自動車燃費規制
・家電等トップランナー基準 等
再生可能エネルギー
税 制
その他の予算
[国土交通省]:道路、住宅、港湾、鉄道、下
水道等
[環境省]:廃棄物
[農水省]:農林水産業の省エネ
[文科省]:技術開発
FIT制度
2015年:約1兆円、
設備認定案件が全て実現:約3兆円/年
・エコカー減税
・グリーン投資減税
・省エネ住宅減税
・モーダルシフト減税
・省エネ住宅向け贈与税特例
25
民生・需要分野への対策(業務・家庭部門を含む地域まるごと再エネ・省エネの推進 等)
※以下の各柱の取組において、再掲事業を含むため合計額は一致しない。
平成27年度予算 581億円 ⇒ 平成28年度要求 1,024億円
(対前年度比 176% )
①地域内の再生可能エネルギー由来の電気・熱や未利用熱の最大限の
活用
H27予算 225億円 ⇒ H28要求 415億円 (対前年度比 184%)
(主な取組)
 FITに依存しない自立的な再生可能エネルギー電気・熱の導入促進。
 区域内において再エネ等を活用し電気や熱を融通するマイクログリッド
を構築するなど、地域単位でのCO2削減対策を支援。
 廃棄物焼却炉から恒常的に排出される余熱や発電を地域の需要施設
へ供給。
 地域における低炭素投資促進ファンド及びサブファンドの本格的な展
開。
②省エネによる地域内の大幅なCO2削減
H27予算 297億円 ⇒ H28要求 518億円 (対前年度比 175%)
(主な取組)
 地方公共団体実行計画に基づく省エネ設備導入支援。
 住宅及び業務用ビル等における省CO2の促進。
 省CO2診断による効果的なCO2削減対策として、L2-Tech(先導的低
炭素技術)の本格的な導入拡大。
 福祉施設など公共性の高い施設・社会基盤整備等の低炭素化促進を
支援。
 冷凍冷蔵倉庫や小売店舗(ショーケース)等を省CO2型自然冷媒に転
換させ、温室効果ガスを削減。
③公共交通・物流システムの再エネ・省エネ導入促進
H27予算 56億円 ⇒ H28要求 91億円 (対前年度比約163%)
(主な取組)
 鉄道、港湾等の物流分野におけるCO2削減対策の促進。
 先進環境対応トラック・バスの導入の加速化。
①再生可能エネルギー由来の電気・熱や未利用熱の最大限の活用
(事業例)
 (新)再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業(経済産業省連
携事業) 70億円
 (新)公共施設等先進的CO2排出削減対策モデル事業 26億円
 (新)上水道システムにおける省CO2促進モデル事業(厚生労働省連
携事業) 26億円
 (新)木質バイオマス資源の持続的活用による再生可能エネルギー導
入計画策定事業(経済産業省連携事業) 4億円
 (新)廃棄物焼却施設の余熱等を利用した地域低炭素化モデル事業
2億円
 地域低炭素投資促進ファンド事業 98億円(46)
②省エネによる地域内の大幅なCO2削減
(事業例)
 (新)地方公共団体カーボン・マネジメント強化事業 95億円
 (新)業務用ビル等における省CO2促進事業 70億円
 (新)賃貸住宅における省CO2促進モデル事業 25億円
 (新)地域におけるLED照明導入促進事業 16億円
 (新)L2-Tech(先導的低炭素技術)導入拡大推進事業 40億円
 (新)省CO2型社会の構築に向けた社会ストック対策支援事業 51億円
 先進技術を利用した省エネ型自然冷媒機器普及促進事業 85億円
(64)
③公共交通・物流システムの再エネ・省エネ導入促進
(事業例)
 (新)物流分野におけるCO2削減対策促進事業(国土交通省連携事業)
41億円
 中小トラック運送業者向け環境対応型ディーゼルトラック補助事業(国
土交通省連携事業) 30億円(30)
 (新)先進環境対応トラック・バス導入加速事業(国土交通省、経済産業
省連携事業)10億円
26
省エネルギーの徹底と再生可能エネルギーの最大限の導入のための技術の革新と実証・実用化
H27予算 230億円 ⇒ H28要求 380億円 (対前年度比 166%)
(主な取組)
 再エネ由来の水素を活用した水素ステーションの導入など水素社会の
実現を本格的に推進。
 木材等を原料とし軽量で強度の高いセルロースナノファイバー(CNF)等
の次世代素材の活用を展開。
 電気機器(照明、空調、パソコン等)に不可欠なデバイス(電気制御半
導体)に品質の高いGaN(窒化ガリウム)基板を用いて高効率化し、徹
底したエネルギー消費の削減に貢献する技術開発及び実証。
 CCSの本格的導入に向けた調査・実証。
(事業例)
 再エネ等を活用した水素社会推進事業(一部経済産業省連携事業)65億
円(27)
 (新)セルロースナノファイバー(CNF)等の次世代素材活用推進事業(経
済産業省、農林水産省連携事業) 38億円
 未来のあるべき社会・ライフスタイルを創造する技術イノベーション事業
19億円(15)
 CCSによるカーボンマイナス社会推進事業(一部経済産業省連携事業)
91億円(25)
 (新)低炭素型浮体式洋上風力発電低コスト・普及促進事業 20億円
社会システムから大きく変革する環境金融や国民運動等
H27予算 190億円 ⇒ H28要求 236億円 (対前年度比 124%)
(主な取組)
 地域における低炭素投資促進ファンド及びサブファンドの本格的な展
開。
 環境金融の拡大と地球温暖化対策の促進に向けた利子補給。
 中小企業等がリースにより低炭素機器を導入する場合における助成。
 国民の意識改革・行動喚起を促す国民運動。
 地域資源を活かした持続的かつ主体的な低炭素地域づくりを推進する
人材育成のモデルを確立。
(事業例)
 地域低炭素投資促進ファンド事業 98億円(46)
 環境金融の拡大に向けた利子補給事業 22億円(22)
 エコリース促進事業 18億円(18)
 低炭素社会の構築に向けた国民運動事業 17億円(15)
 持続的な地域創生を推進する人材育成拠点形成モデル事業 1.7億円
(2)
我が国の優れた低炭素技術の海外展開を通じた世界全体の排出削減への貢献
H27予算 166億円 ⇒ H28要求 287億円 (対前年度比 173%)
(主な取組)
 JCMの本格的な運用のための制度構築、JCMプロジェクトの大規模展
開により世界全体のCO2削減を削減。
 温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」( GOSAT)後継機を用いたデー
タの算定・報告・検証の精度向上により効果的なJCMの推進に貢献。
 日本の優れた低炭素技術の海外展開など環境外交の更なる展開。
(事業例)
 二国間クレジット制度(JCM)資金支援事業 174億円(72)
 二国間クレジット制度(JCM)推進のためのMRV等関連する技術高度化
事業 43億円(34)
 二国間クレジット制度(JCM)基盤整備事業 38億円(27)
 途上国向け低炭素技術イノベーション創出事業 14億円(15)
27
環境省の再生可能エネルギーに関する取組
○再⽣可能エネルギーの⼤幅な導⼊により、⾃⽴・分散型の低炭素なエネルギー社会を構築し、地球温暖
化対策を強⼒に推進するとともに、地域活性化や災害に強い地域づくりを推進。
⾃⽴・分散型エネルギーシステムの技術実証及び導⼊促進
システム実証
 ⾃⽴・分散型低炭素エネルギー社会構築の推進
⾃⽴・分散型低炭素エネルギー社会を⽀える再⽣可能エネルギー導⼊拡⼤
⾵⼒
地熱
バイオマス
⽔⼒
海洋エネ
 浮体式洋上⾵⼒発電の実証
 ⾵⼒発電等に係る環境アセスメント基礎情報の整備
 地熱・地中熱等の利⽤事業化・設備導⼊の⽀援
 ⾵⼒発電等に係る環境アセスメント基礎情報の整備
 ⽊質バイオマスエネルギーを活⽤したモデル地域づくりの推進
 地域循環型バイオガスシステムの構築
 廃棄物エネルギー導⼊・低炭素化の促進
 上⽔道における⼩⽔⼒発電設備の導⼊の推進
 潮流発電技術実⽤化の推進
地産地消の再エネ資源を
最⼤限活⽤
⾃⽴・分散型低炭素エネルギー社会を⽀える基盤づくり
地域主導
 再⽣可能エネルギー等導⼊推進
 地域主導による再⽣可能エネルギー等導⼊事業化の⽀援
技術開発
 CO2排出削減技術の開発・実証
資⾦⽀援
 環境⾦融による資⾦⽀援
28
環境省の再エネ施策~水素~
 水素は、燃料電池等により効率的な利用が可能。また、再生可能エネルギー等のエネルギー
貯蔵にも活用できることから、CO2排出削減に大きく寄与する可能性を持つ。
 一方、水素の製造、貯蔵、輸送の各段階でエネルギー投入が必要であるため、地球温暖化対
策の観点からは、CO2削減効果をチェックするとともに、低炭素化の技術の確立が必要。
 水素利活用の統合的システム(サプライチェーン)の確立が急務。
製造
輸送・貯蔵
H2
再生可能エネルギー
未利用エネルギー
気体圧縮貯蔵
液化貯蔵
化学貯蔵
利用
H2
全長170m
東京タワー
の半分
ビル60階建
FCV
FCバス
風力発電
廃棄物発電
燃料電池
 サプライチェーン全体でのCO2削減効果評価手法を確立
 地方自治体と連携し、先進的かつ低炭素な水素技術を実証し、地域の特性を
活かした低炭素な水素サプライチェーンを確立
29
省エネルギーの推進
省エネルギー対策推進の必要性
• エネルギー基本計画(平成26年4月)においては、部門ごとの省エネルギーの取組を一層加速
化すべく、目標となりうる指標を速やかに策定することとしている。
• 最終エネルギー消費量は、90年度比で3.3%の増加、またCO2 排出量は11.5%増加(2012年度確
定値)。特に家庭部門・業務その他部門では約6割増加しており、対策が急務。
省エネルギー対策に関するイニシアティブ
• 平成25年1月に「低炭素社会創出ファイナンス・イニシアティブ」を発表し、建築物の低炭素リ
ニューアルとして、環境不動産支援のためのファンド、グリーンビルディング普及促進に向けた
評価事業を実施。
• 平成26年3月に「L²‐Tech・JAPANイニシアティブ」を発表。先導的な低炭素技術(leading &low carbon Technology)を「L²‐Tech」と位置付けてリスト化し、それを活用しつつ、先導的な低炭素技
術の開発・導入・普及を推進。
省エネルギー対策の取り組み
• 業務部門においては、オフィスビル等のCO2 排出量を効率的に削減する先進的な対策技術へ
の投資に対して、補助及び運用改善を促す事業を実施。
• 家庭部門においては、住宅・建築物の低炭素化を経済産業省、国土交通省と3省で促進。※都市
の低炭素化の促進に関する法律(平成24年9月5日法律第84号) また、省CO2・省エネア ドバイスを行う家庭
向けエコ診断を実施。
• 業務・産業部門を対象に、工場やビル等における既存設備の導入・運用状況等を無料で計測・
診断し、経済性の高いCO2削減対策技術等の情報を提供する「CO2削減ポテンシャル診断」を全
30
国的に実施。
環境省の省エネ施策① ~CO2削減ポテンシャル診断~
事業概要
⼯場やビル等の設備の導⼊や運⽤の状況を計測・診断し、CO2削減策を提案。
年間排出量50t-CO2以上の事業所(⼯場、事業場)
対象事業所
期待される成果
・事業所における効率的なCO2削減・節電対策の調査・特定
・診断結果を踏まえた温暖化対策施策への活⽤
事業者のメリット
○有効なCO2削減・節電対策の特定
○エネルギー使⽤状況把握
○費⽤負担ゼロ
○対外PR効果
-設備導⼊⼜は運⽤改善による効果的な省
CO2対策を提案
-受診事業所の診断費⽤負担なし
-事業所におけるエネルギー使⽤状況の
把握(「計測あり」コースのみ)
-CSR等にも活⽤可能
-環境省ウェブサイトにも事例集を掲載
31
環境省の省エネ施策② ~家庭エコ診断~
家庭エコ診断制度の実施体制
環境省「低炭素ライフスタイル構築に向けた診断促進事業」
連携
補助事業事務局
申請
うちエコ診断
実施機関
資格試験運営事務局
交付
決定
※補助⾦について
は、補助対象経費
の最⼤1/2を予算
の範囲内において
交付。
制度運営事務局
認定
申請
資格試験
または
更新研修
受験
または
受講
認定
登録
うちエコ診断⼠
独⾃の家庭エコ
診断実施機関
申込
申込
受診者
診断
うちエコ診断
申請
うちエコ診断
実施機関
診断
依頼
診断の⼿法・
体制の認定
診断
32 32
独⾃の家庭向けエコ診断
電力部門CO2排出量の推移
 電力部門からのCO2排出量は、エネルギー起源CO2排出量の約4割を占める。
 1990年から電力全体で2億トン(石炭は約1.7億トン、LNGは約0.9億トン)増加している。
 同じ発電量当たりのCO2排出量は、石炭は0.71~0.87㎏、LNGは0.32~0.42㎏
2030年は、長期エネ
ルギー需給見通しに
おける想定
出所) エネルギー起源CO2排出量(1990年度~2013年度): 日本国温室効果ガスインベントリ報告書 2015年4月版
エネルギー起源CO2排出量(2030年度):長期エネルギー需給見通し 関連資料(資源エネルギー庁)
発電に伴うCO2排出量(1990年度~2013年度):総合エネルギー統計(資源エネルギー庁)より作成 (事業用発電及び自家発電を対象)
発電に伴うCO2排出量(2030年度): 長期エネルギー需給見通し 関連資料(資源エネルギー庁)より作成 (※)
(※)燃料種別発電電力量に、各電源の排出係数を乗じて算出したCO2排出量を、長期需給見通し関連資料における電力由来エネルギー起源CO2排出量にもとづき按分して算出。なお、排出係数は、
石炭及び天然ガスは平成27年度環境白書、石油は電力中央研究所「日本の発電技術のライフサイクルCO2排出量評価(2010年7月)」等より設定。
33
石炭火力の立地計画の現状
2013年度の一般電気事業者(他社受電分含む)に
よる石炭火力発電所の発電電力量は、
⇒ 約2,850億kWh
総発電電力量:10,650億kWh程度
(設備容量:約4,000万kW、設備利用率:80.2%)
(FEPC infobase 2014(電気事業連合会)をもとに作成)
再エネ22~24%
程度
一方で、
原子力22~20%
程度
2030年度の電源構成のうち、石炭火力で確保を
見込む発電電力量は、
⇒ 約2,810億kWh程度(自家発電等を含む)
LNG27%程度
さらに、
石炭26%程度
石油3%程度
【出典】
平成27年4月28日長期エネルギー需給見通し
小委員会(第8回会合)資料
現時点で計画されている石炭火力による新増設分の設備
量は約1,700万kW(※)。
これらが全て建設されると、設備容量は2013年度に比べ、
約4割増(約4,000万kW+約1,700万kW)となる。
※ 4,000万kWは一般電気事業者のみの数字。
※ 環境省試算。各社の供給計画やプレスリリース等から積み上げたも。
34
7月17日に公表された電力業界の枠組の概要
○10電力・電源開発㈱・日本原子力発電㈱・新電力有志23社が参加(枠組公表時点)。
○目標として、政府が示すエネルギーミックスから算出した、2030年における温室効果ガスの排
出係数0.37kg‐CO2/kWh程度を目指す。
【注】「低炭素社会実行計画」において、火力発電所の新設等におけるBAT活用等により、最大
で約1,100万t‐CO2/年の排出削減を見込む旨の記述あり。
○実施状況を毎年フォローアップし、結果等を翌年度以降の取組に反映(PDCAサイクルの推
進)。
○目標達成に向けた実効的な仕組みを充実できるよう、参加者間で更に協議。
<枠組参加事業者一覧>
一般電気事業者・卸電気事業者
北海道電力(株)
東北電力(株)
東京電力(株)
中部電力(株)
北陸電力(株)
関西電力(株)
中国電力(株)
四国電力(株)
九州電力(株)
沖縄電力(株)
電源開発(株)
日本原子力発電(株)
特定規模電気事業者(新電力有志)
イーレックス(株)
出光グリーンパワー(株)
エネサーブ(株)
大阪ガス(株)
(株)関電エネルギーソリューション
JX日鉱日石エネルギー(株)
新日鉄住金エンジニアリング(株)
テス・エンジニアリング(株)
東京ガス(株)
日本ロジテック協同組合
丸紅(株)
ミツウロコグリーンエナジー㈱
伊藤忠エネクス
F-Power(株)
エネット(株)
オリックス(株)
サミットエナジー
昭和シェル石油(株)
ダイヤモンドパワー(株)
テプコカスタマーサービス(株)
日本テクノ(株)
プレミアムグリーンパワー(株)
三井物産(株)
35
電気事業分野の地球温暖化対策に関する環境大臣発言
平成27年8⽉14⽇閣議後記者会⾒ 環境⼤⾂発⾔
○ 国のCO2削減⽬標とエネルギーミックスを確実に達成するためには、⼀昨年の関係⼤⾂会合で決まって
いるように、電⼒業界の実効ある温暖化対策の枠組が構築される必要があります。
○
先⽉17⽇に、関係各位のご努⼒の結果、電気事業者35社から2030年度のCO2削減⽬標を設定する
との発表がありました。ここで掲げられた⽬標は、国のCO2削減⽬標に整合する数値になっており、
電気事業者の皆様のご努⼒によるものと評価しております。
○
その上で、肝⼼なことは、掲げられた⽬標を、『如何にして確実に達成していただけるのか』です。
このため、発表された「⾃主的枠組み」が、盛り込まれた⽬標を実現するために実効的な内容となって
いるか、確認してまいりました。
○
その結果、現時点で公表されている内容については、例えば、
① ⽬標を達成するために、⽯炭⽕⼒のCO2排出量をどのようにして削減するのか。
② 進捗管理(PDCA)をするなかで、全体のCO2排出が⽬標通りにおさまらない場合にどのよう
に対応するのか
など、詰めるべき課題があると考えております。
○
このため、本⽇発出した武豊⽕⼒発電所に対する環境⼤⾂意⾒は、⾃主的枠組みに詰めるべき課題が
ある状況に鑑みれば、「国の⽬標・計画との整合性を判断できず、現段階において、是認することは
できないため、早急に具体的な仕組みやルールづくり等が必要不可⽋である」としています。
○
環境省として、国際的に約束したCO2の削減⽬標とエネルギーミックスの確実な達成に向け、経済
産業省と連携して電⼒業界の検討に最⼤限協⼒してまいりますが、電⼒業界においては、これらの課題
をきちんと詰めるようにお願いしたいと考えています。事務⽅には、責任を持って、しっかりとその
動きを注視し、政策的な対応についても検討するよう指⽰したところです。
○
電⼒部⾨は、我が国の排出量の4割を占める⼤変重要な部⾨であり、CO2排出の多い⽯炭⽕⼒発電所
の⽴地計画が相次いでいる中ですので、引き続き、しっかりと対策に取り組んでまいります。
36
フロン排出抑制法によるフロン類対策の着実な実施
(本年4月1日施行)
37
Fun to Share 低炭素アクション
〇みんなで節電アクション!
家庭やオフィスでの具体的対策など、節電に
役立つ情報をまとめ、節電を呼び掛け
〇クールビズ& スーパー
クールビズ
冷房時の室温28℃でも快適に過
ごせるライフスタイルの提案
〇グリーンカーテンプロジェクト
ポスター
〇ウォームビズ
暖房時の室温20℃でも快適に過ご
せるライフスタイルの提案
〇朝チャレ!
ポスター
〇スマートムーブ ~「移動」を「エコ」に~
CO2削減・夏の節電対策のとして、ゴーヤやア
サガオなどの植物を育てて作る「グリーンカー
テン」を推進
「朝から、気持ちよく始める、エコ。」「夜には、ゆっくり休んで、エ
コ。」をテーマに、朝は早く起きて、夜は早く寝ることで、夜遅くま
で使用していたエアコン、テレビ、照明などの電力消費を抑える
とともに、健全で充実したライフスタイルを推奨。
・「移動・交通」に伴うCO2排出量を削減するため、CO2排出
の少ない移動へのチャレンジを提案
〇エコドライバープロジェクト
・CO2削減をはじめとして様々な効果があるエコドライブを提
案
〇ライトダウンキャンペーン
・ライトアップ施設や家庭の消灯を呼びかけ
・夏至の日と七夕(クールアース・デー)を特別実施日
として、全国の参加施設の削減電力を集計
〇省エネ製品買換ナビゲーション
きゅうさん
しん
テレビやエアコン等の電化製品を買い換える
際、使用中の製品と購入予定の製品とを比較
できるシステム
○あかり未来計画
・電球型蛍光ランプやLED等の高効率
照明製品への早期切替えを推進する
キャンペーン
・経済産業省と連携して施策を推進
38
新国民運動 COOL CHOICEの立ち上げ
39
二国間クレジット制度(JCM※)について
※Joint Crediting Mechanism
 途上国への優れた低炭素技術等の普及を通じ、地球規模での温暖化対策に貢献するとともに、
日本からの温室効果ガス排出削減等への貢献を適切に評価し、我が国の削減目標の達成に活
用する。
 国連気候サミット(平成26年9月)において、安倍総理が『JCMを着実に実施すること』を表明する
等、政府全体としてJCMを推進。
 現在、インドネシア、ベトナム等の15か国と署名済み。 その他の国とも署名に向けた協議を行っ
ており、署名国の増加に向けて取組中。
 JCMを推進するため、JCMプロジェクトの組成に係る支援(設備補助事業・JICA等連携事業・ADB
拠出金・NEDO実証事業によるプロジェクト支援、実現可能性調査等)及びJCMの手続に係る支援
を実施。
日本
日本の削減目標
達成に活用
優れた低炭素技術等の普及や
緩和活動の実施
両国代表者からなる
合同委員会で管理・運営
クレジット
ホスト国
JCMプロジェクト
計測・報告・検証
温室効果ガスの排出
削減・吸収量
40
二国間文書に署名済みの国
日本は、2011年から開発途上国とJCMに関する協議を行ってきており、モンゴル、バングラデ
シュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カン
ボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマーとJCMを構築。
【モンゴル】
2013年1月8日
(ウランバートル)
【ラオス】
2013年8月7日
(ビエンチャン)
【サウジアラビア】
2015年5月13日
【バングラデシュ】
2013年3月19日
(ダッカ)
【インドネシア】
2013年8月26日
(ジャカルタ)
【チリ】
2015年5月26日
(サンティアゴ)
【エチオピア】
2013年5月27日
(アジスアベバ)
【ケニア】
2013年6月12日
(ナイロビ)
【モルディブ】
2013年6月29日
(沖縄)
【ベトナム】
2013年7月2日
(ハノイ)
【コスタリカ】
2013年12月9日
(東京)
【パラオ】
2014年1月13日
(ゲルルムド)
【カンボジア】
2014年4月11日
(プノンペン)
【メキシコ】
2014年7月25日
(メキシコシティ)
【ミャンマー】
2015年9月16日
(ネピドー)
 日本・インドネシア間で3件、日本・パラオ間で
1件、日本・モンゴル間で2件、日本・ベトナム
間で1件のJCMプロジェクトを登録済み。
41
気候変動の影響への適応計画(案)について
○IPCC第5次評価報告書によれば、温室効果ガスの削減を進めても世界の平均気温が上昇すると予測
○気候変動の影響に対処するためには、「適応」を進めることが必要
○平成27年3月に中央環境審議会は気候変動影響評価報告書を取りまとめ(意見具申)
○我が国の気候 【現状】
年平均気温は100年あたり1.14℃上昇、日降水量100mm以上の日数が増加傾向
【将来予測】 厳しい温暖化対策をとった場合
:平均1.1℃(0.5~1.7℃)上昇
温室効果ガスの排出量が非常に多い場合 :平均4.4℃(3.4~5.4℃)上昇
※20世紀末と21世紀末を比較
<基本的考え方(第1部)>
■目指すべき社会の姿
○気候変動の影響への適応策の推進により、当該影響による国民の生命、財産及び生活、経済、
自然環境等への被害を最小化あるいは回避し、迅速に回復できる、安全・安心で持続可能な社会
の構築
■基本戦略
■対象期間
(1)政府施策への適応の組み込み
○21世紀末までの長期的な展望を意識しつつ、
(2)科学的知見の充実
今後おおむね10年間における基本的方向を示す
(3)気候リスク情報等の共有と提供を通じた ■基本的な進め方
理解と協力の促進
○不確実性がある中、社会環境の変化を踏まえて意思
(4)地域での適応の推進
決定を行うため、反復的なリスクマネジメントを行う
(5)国際協力・貢献の推進
<分野別施策(第2部)>
■農業、森林・林業、水産業 ■健康
■産業・経済活動
■水環境・水資源
■国民生活・都市生活
■自然生態系
■自然災害・沿岸域
<基盤的・国際的施策(第3部)>
■観測・監視、調査・研究
■気候リスク情報等の共有と提供
■地域での適応の推進
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■国際的施策
ご静聴ありがとうございました