癌治療のための新しい放射線技術

図 1:癌治療のための放射線技術を開発している米国の ViewRay 社
© 2012 ViewRay
癌治療のための新しい放射線技術
アメリカの医療企業が癌治療のための新しい放射線技術を開発しました。この放射線療法ではガンマ線
を調節するために複数の機器を用いますが、それらの機器は相互に接続されている制御装置によって正
確に制御されます。そしてその高精度な動作には、マクソンのモータ、ギアヘッドおよびコントローラ
が役立っています。
当時、オークウッドビレッジ(米国オハイオ州)にある ViewRay 社では、マルチリーフコリメータ (MLC)
の製造という課題に直面していました。エンジニアたちの目標は、現在市場に出回っている他のどの装
置より精密な動作をする製品を開発することでした。そこで、モータ、エンコーダ、ギアヘッド、モー
タ制御モジュールといった基本的な構成部品に関して、maxon Precision Motors と連携することになり
ました。医療技術専門の民間企業である ViewRay 社は、癌治療のための進歩的な放射線技術の開発を
行っています。ViewRay 社の装置を使用すると、MRT による放射線治療中に軟部組織を画面上で連続
的に観察することができます。医者は放射線量がどの部分の細胞に照射されているのかを正確に把握で
きるため、各患者の身体構造に合った調整が可能になります。ViewRay 社の放射線装置は 5 つのサブシ
ステムから構成されており、最適な治療を行えるようにそれぞれシームレスに統合されています。その
うち最も重要なサブシステムは、リアルタイム MRT、治療計画、放射線量の事前計算および最適化、
軟部組織のリアルタイム画像表示、遠隔アクセスによる評価および操作です。治療は磁気共鳴断層画像
装置内で行われます。この装置には回転可能なガントリーが装備されており、3 台のマルチリーフコリ
メータを持つシールドされたコバルト 60 線源 3 個がそれによって位置決めされます。
この装置を用いない放射線治療の場合、治療の前後に画像を撮影することはできますが、照射中の画像
は得ることができません。これでは放射線を動的に調節できないため、放射線治療が最大限に活かされ
ません。
デボラ・セッタース © 2012 maxon precision motors
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アプリケーション事例 医療技術分野:マルチリーフコリメータ
2013 年 5 月 15 日
治療中に軟部組織が移動すると腫瘍の位置もずれてしま
い、軟部組織全体が損傷するという結果をまぬがれません
でした。ViewRay 社は MRT と放射線療法の技術を組み合
わせることでその問題を解決しました。放射線照射中に軟
部組織の連続的な画像検知が可能な ViewRay 社の装置を
使用すると、治療中に放射線の向きや線量をリアルタイム
で調整することができます。
製造チームのスタッフは次のように説明します。「MLC の
モータ制御は、装置全体における重要なポイントのひとつ
です。モータの取付位置が MRT 磁石の近くであること、
そして構造上モータの取付スペースが制限されているこ
とから、モータ制御の開発が困難であることは当初から分
かっていました。」この装置では、シールドされた 3 つの
ヘッドにそれぞれガンマ線源が取り付けられています。画
像周辺部がより鮮鋭に映し出され、従来の加速器のような
半影が生じるよう、ViewRay 社はダブルフォーカス MLC
を設計しています。そのため、医者が患者を治療する際 図 2:VewRay 社の MRT 制御式の放射線治療
装置には 180 個のモータ、ギアヘッドおよび
に、より高い安全性が確保されます。
コントローラが装備されており、ガンマ線の正
デジタル位置制御ユニット EPOS2
確な位置決めが可能 © 2012 ViewRay
ViewRay 社のエンジニアチームは、マクソンのデジタル
位置制御ユニット EPOS2 Module 36/2 の採用を決定しました。その理由は、小型サイズのこの位置制
御ユニットを利用することにより、各コリメータの動作制御を行うための 60 のチャンネルをコンパク
トにまとめることができたからです。放射線治療装置のマザーボードには 1 枚に付き 30 個の EPOS モ
ジュールを搭載することが可能で、各コリメータにはマザーボードが 2 枚使用されます。コリメータは
装置の 3 つのヘッドに 1 つずつ、つまり 3 台必要です。フレキシブルで高効率の出力段が装備された
EPOS モジュールは、デジタルエンコーダによって DC モータを制御します。このモータは CANopen
ネットワークでスレーブノードとして使用するために、特別に設計されたものです。最大出力は 2 アン
ペアで、11–36 V 電源装置によって電源供給されます。ViewRay 社の開発チームはコントローラとの接
続に EPOS2 ファームウェアを採用しました。コントローラにはスムーズに実行できる複数の運転モー
ドと監視機能があり、コントローラに必要とされる要件を満たしています。
モータ、ギアヘッドおよびエンコーダから成る 180 個のコンポーネント
各コリメータには 60 枚のリーフがあり、向き合った 2 枚のリーフのペア 30 組という形で配置されてい
ます。この装置には 3 台のコリメータが装備されているため、EPOS コントローラ、モータ、エンコー
ダおよびギアヘッドから成る 180 個のコンポーネントが使用されていることになります。
MLC は、対象点の位置に合わせて 3 つのガンマ線源の視準を行えるようにガントリーに取り付けられて
います。ガントリーが目的位置に移動する一方で、コリメータの各リーフが治療計画に従って位置決め
されます。そのためのコマンドは CANopen バスから対応するノードに転送されます。ノードはモータ、
エンコーダ、ギアヘッドおよびコントローラから構成されます。このようにして、患者の治療計画のデ
ータに合った正確な形状が得られます。
文章:デボラ・セッタース © 2012 maxon precision motors
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アプリケーション事例 医療技術分野:マルチリーフコリメータ
2013 年 5 月 15 日
この装置に使用されている 180 個のモータは 4.5 W のブラシ付き DC モータ RE 16 で、最大回転数はそ
れぞれ 11,000 rpm です。
このモータには構造上磁気コギングトルクがなく、このことは従来のモータに比べると特に低速運転時
に大きなメリットとなります。磁気式エンコーダ MENC 13 は正確なモータ制御を行い、その一方で GP
16 A プラネタリギアヘッドは 1 cm/s の位置決め速度に対し適切なトルクを発生させます。
文章:デボラ・セッタース (maxon precision motors)
実用例報告:2689 文字、図版 4 点
図 3:EPOS2-DC 位置制御ユニットには
複数のメインインターフェースを用意。
簡単な設置や操作に加え、コンパクトで
省スペース。© 2012 maxon motor
図 4:コリメータの片方に突出したモー
タを示す CAD 図 © 2012 ViewRay
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