データ編

KAO INFORMATION
2011クールビズ実態とウォームビズ実施意向
手間やお金もかけず、ラクさ優先クールビズ
調査結果詳細
2011年12月
花王株式会社 生活者研究センター
弦巻 和・多邊田 美香
環境省は2005年より、地球温暖化対策の一環として「クールビズ」を推進してきました。定着した
感のあるクールビズですが、
2011年は、
東日本大震災の影響による電力不足から、
実施期間を5月1日
∼10月31日と長く設定し、
さらに6月からは、
「スーパークールビズ」と称して、一層の軽装や暑さをし
のぐ工夫が啓発されました。
生活者研究センターでは、
クールビズ元年の2005年より、
クールビズの実施状況やお手入れ実態
を調査してきました。今年度は、
スーパークールビズの受け入れ実態や女性社員からみたクールビ
ズスタイルについてなどを従来の調査に加え、開始月
(5月)
と終了月
(10月)の2回、
スーツスタイルで
通勤している20∼50代の未・既婚男性を中心にインターネット調査を実施しました。
■調査概 要
5月
10月
調査期間
2011.05.27∼2011.05.30
調査期間
2011.10.17∼2011.10.19
調査方法
インターネット調査
調査方法
インターネット調査
対象
男性(スーツスタイルで通勤)
女性(夫がスーツスタイルで通勤)
対象
男性(スーツスタイルで通勤)
女性(夫がスーツスタイルで通勤)
未婚女性(スーツスタイルの会社勤務)
首都圏
関西圏
首都圏
(東京、千葉、神奈川、埼玉)(大阪、京都、兵庫、奈良)
既婚
男性
未婚
男性
既婚
女性
既婚
男性
未婚
男性
20代
100
50
50
100
50
30代
100
50
50
100
50
40代
100
50
100
50代
100
50
100
-1-
関西圏
(東京、千葉、神奈川、埼玉)(大阪、京都、兵庫、奈良)
既婚 未婚 既婚 未婚
男性 男性 女性 女性
既婚
男性
未婚
男性
20代
100
50
50
100
100
50
30代
100
50
50
100
100
50
40代
100
50
100
50代
100
50
100
KAO INFORMATION
■首都圏で93 %が 実 施 、半年間続いたク ールビズスタイル!
年々実施率が上がっているクールビズですが、今年は首都圏で93%と05年と比べ30ポイン
トも上昇しました。開始時期は、環境省提唱の5月上旬が最も多く、6月より前スタートが74%で、
10月中旬も42%が継続しており、1年の半分がクールビズスタイルだったことがわかります。
東西比較では関西圏のクールビズ実施率は84%、開始時期は6月前スタートが68%、38%
が10月中旬も継続中で、多くの項目が首都圏と比べ低めでした。
●ク ールビズ実 施( 東 西 比 較 )
●ク ールビズ実 施 率 推 移
<首都圏>
0
( %)
( %)
20
40
2005年
(N=421)
60
80
63
0
100
20
40
80
100
37
首都圏
(N=500)
2007年
(N=445)
60
71
93
7
29
2011年
(N=500)
関西圏
(N=500)
7
93
実施した
16
84
実施しない
実施した
実施しない
●ク ールビズ実 施 時 期( 東 西 比 較 )
今 年 のクー ルビズ開 始 時 期
今 年 のクー ルビズ終 了 時 期
( %)
40
( %)
60
36
26
22
42
26
25
40
31 28
19
20
1112
2 2 2 2 2 1 1 1
0
4
月
中
か
ら
5
月
上
旬
か
ら
5
月
中
旬
か
ら
5
月
下
旬
か
ら
6
月
上
旬
か
ら
6
月
中
旬
か
ら
6
月
下
旬
か
ら
7
月
以
降
0
わ
か
ら
な
い
25
19
20
5 5
38
0 0
8
月
下
旬
1 2
9
月
上
旬
3 5
9
月
中
旬
9
月
下
旬
10
月
上
旬
現 10
在月
継中
続旬
中
前倒しスタート 首都圏 74%
関西圏 67%
クー ルビズ実施男性
首都圏( N= 423)
クー ルビズ実施男性
関西圏( N= 423)
首都圏( N= 465)
-2-
関西圏( N= 422)
KAO INFORMATION
■ク ールビズスタイル 、今 年もノーネクタイ・ノー上 着 のシャツスタイル が 主 流
今年もノーネクタイ・ノー上着のシャツスタイルが主流で、
スーパークールビズの目玉である、
ポ
ロシャツ・アロハ・チノパンは少数派でした。涼感肌着が人気ですが、関西圏の方が、麻混素材
ワイシャツ、涼感肌着、
ステテコなど肌に直接触れるものへのこだわりがありました。クールビズ
活用グッズには年代差があり、20代は「制汗シートや制汗剤」、50代は「扇子」というのが特徴
でした。
●クールビズスタイル実施内容 推移(MA)
<首 都 圏>
( %)
100
81
80
63 6764
60
40
20
32
2117
16
25
25
1716
21
1414
9 111110
0
0
ノ上
ー下
ネス
クー
タツ
イで
ノス
ーー
ネツ
ク上
タ着
イな
し
ネス
クー
タツ
イの
あ上
り着
な
し
ジカノ
ャジー
ケュネ
ッアク
トルタ
イ
で
カノノ
ジーー
ュジネ
アャク
ルケタ
スッイ
タト、
イ
ル
●クールビズ着用アイテム 東西比較(MA)
20
40
半袖のワイシャツ
33
13
15
18
15
15
12
13
14
14
12
綿パン・チノパン
デザイン柄に特徴の
あるシャツ
洗えるスーツ
ポロシャツ
涼しい素材、形状のネクタイ
2011年( N= 465)
*2005年は既 婚 者 の みで参 考 値
首都圏20代 VS 首都圏50代
0
20
47
32
27
21
11
19
15
18
9
18
冷却ジェルシート
44
10
14
9
8
携帯用扇風機、
ミニ扇風機
衣類に吹付ける
冷感スプレー
2
2
1
60
2828
32
31
扇子、団扇
帽子
( %)
40
制汗シート、
汗拭きシート
制汗剤(スプレー、
ウォーターなど)
ハンドタオル、
タオルハンカチ
衣類の消臭スプレー
14
アロハシャツ、 2
2
かりゆしウェア
あてはまるのは
ひとつもない
2007年( N= 316)
オーデコロン、香水
7
5
カジュアルジャケット
2006年( N= 395)
水筒
9
機能性アンダーパンツ・
ステテコ
ジーンズ、カラージーンズ
60
52
51
28
27
29
涼しい素材のスーツや
涼感スーツ
涼感、
ドライなどの
機能性肌着
麻混など涼しい素材の
ワイシャツ
*2005年( N= 264)
●クールビズ活用グッズ(MA)
( %)
0
クー ルビズ実施者男性
6
5
5
2
4
保冷剤
5
冷感持続スカーフ、 2
ネッククーラー
7
5
あてはまるのは
ひとつもない
15
17
13
23
首都圏男性( N= 500)
首都圏既婚男性 20代( N= 100)
関西圏男性( N= 500)
首都圏既婚男性 50代( N= 100)
-3-
KAO INFORMATION
■手間もお金もか けず 、
「 楽で快 適 」だったク ールビズ!
・クールビズのよい点は、
『 涼しく快適』79%、
『リラックスできる』61%と生理的な快適さと精神的
なリラックス感が好評で、
『 節電のため』は44%でした。困る点は、
『 仕事の場面によってはこの
服でよいか迷う』
『だらしなく見える』
『汗やニオイ
・汚れが気になる』などでした。
また、
実施者の
妻はよい点は、
『 節電に協力できること』58%、
『 手入れが簡単・ラク』44%、
『 環境のためになる』
38%、
『 すぐに洗って着用できる』33%などをあげ、
節電や環境意識と手入れに関する項目が男
性よりも高かったのが特徴でした。困る点は、
『 仕事の場面により迷う』36%、
『だらしなく見える
感じ』27%、
『おしゃれな人とそうでない人が目立つ』22%などが、男性よりも高く、着ている本人
よりも他人の目を意識した項目が高いことがわかりました。
・クールビズにかけた費用は、
1万円以下が多く、
首都圏33%、
関西圏42%が『全くかけなかった』
という結果でした。
・クールビズウエアの手入れに関しては、実施者の妻の半数は、
『 特別な手入れはしていない』
と
答え、
『 家庭洗濯が増えた』
と実感のある人は28%でした。
●クールビズのよい点(MA)
●クールビズのよい点 推移
( %)
<首都圏>
0
20
40
60
80
100
79
83
涼しくて快適なこと
61
リラックスできること
45
44
節電に協力できること
58
34
34 44
28
38
手入れが簡単・楽なこと
環境のためになること
18
すぐに洗って着用
できること
クリーニングに出さなくな
るので出費が減ること
33
18
19
11 19
8
お洒落が楽しめること
( %)
<首都圏>
0
10
20
2005年
N=264
涼しくて快適なこと
79
66
67
リラックスできること
61
42
62
節電に協力できること
44
ー
ー
手入れが簡単・楽なこと
34
22
24
環境のために貢献できる
28
17
ー
すぐに洗って着用できる
18
14
16
クリーニングに出さなく
なり出費が減る
18
10
14
お洒落が楽しめること
11
8
10
30
40
<首都圏男性>
36
22
21
20
汗が気になる
だらしなく見える
感じがする
お洒落な人とそうでない
人の差が目立つ
コーディネートを考える
のが大変
薄着になるので体型が
気になる
27
15
22
12
9
10
12
10
13
9
12
体臭が気になる
新しく衣類などを購入
するためお金がかかる
( %)
2011年 2007年 2005年
N=465 N=316 N=264
25
仕事の場面によりクール
ビズでよいか迷う
場面によりクールビズで
よいか迷う
25
15
29
汗が気になる
22
ー
ー
だらしなく見える
感じがする
20
10
20
お洒落な人とそうでない
人の差が目立つ
15
ー
ー
コーディネートを
考えるのが大変
12
9
13
薄着になるので体型が
気になる
10
ー
ー
7
8
6
9
体臭が気になる
10
9
ー
新しく衣類などを購入
するためお金がかかる
9
9
12
衣類のニオイが気になる
7
4
ー
6
衣類の汚れが気になる
6
3
ー
ネクタイがないと
落ち着かない
4
5
6
衣類のしわが気になる
3
9
ー
手入れが大変になる
2
1
0
特になし
35
52
45
衣類のニオイが気になる
衣類の汚れが気になる
手入れが大変になる
2007年
N=316
●クールビズの困る点 推移
●クールビズの困る点(MA)
4
3
衣類のしわが気になる
2011年
N=465
夫がクールビズ実施の女性(N=156)
クールビズ実施男性(N=465)
ネクタイがないと
落ち着かない
( %)
<首都圏男性>
8
2
1
特になし
クールビズ実施男性(N=465)
35
27
夫がクールビズ実施の女性(N=156)
-4-
KAO INFORMATION
●ク ールビズウエアの 手 入れ(MA)
( %)
<首都圏>
0
20
40
28
28
自宅で洗う洗濯物の量や回数が増えた
16
クリーニングに出す回数(頻度)が減った
20
8
アイロンがけが増えた
11
7
衣料用消臭スプレーを使用することが
増えた
10
6
夜間に洗濯することが増えた
4
4
クリーニングに出す回数(頻度)が増えた
2
4
アイロンがけが減った
6
おしゃれ着コースや
デリケートコースで洗濯することが増えた
2
6
2
洗濯の方法や使用する洗剤や漂白剤、
仕上げ剤などを追加したり変更
衣料用しわ取りスプレーの使用が増えた
8
1
4
33
あてはまることはひとつもない
家族任せなので分からない
60
45
20
0
クー ルビズ実施男性( N= 465)
夫がクー ルビズ実施 の 女性( N= 156)
●ク ールビズにか けた費 用( 東 西 比 較 )
( %)
0
首都圏男性
関西圏男性
20
13
19
14
10
40
20
60
10
20
80
7 5
100
31
9 43
37
∼ 3千円
∼ 5千円
∼ 1万円
∼ 2万円
∼ 3万円
∼ 3万円以上
お金はかけなかった
クー ルビズ実施男性
首都圏( N= 465) 関西圏( N= 422)
※ 四 捨 五 入 の 関 係であわせて100にならないことがあります。
-5-
KAO INFORMATION
■ 来 年 度 の 実 施 意 向 、ク ールビズは首 都 圏で9 7 % 、ス ーパ ーク ールビズは64 %
クールビズの実施意向は、東西・男女で意識のレベルに差はあるものの非常に高いことが
わかりました。それに比べ、
スーパークールビズの実施意向は低く、理由は男女とも
『ビジネス
シーンにふさわしくない』などの声が多くあげられました。
●ク ールビズ実 施 意 向
( %)
0
20
40
60
80
100
自由 回 答まとめ
83
首都圏
男性
(N=500)
関西圏
男性
(N=500)
14
72
20
31
44
実施してほしい理由
実施してほしくない理由
・着ていて楽だから
・だらしない
・涼しい
・効果があるのか疑問
・環境のためによい
・気を使いたくない
・そもそもネクタイは不要 ・汗のにおいが気になる
首都圏
未婚女性
(N=200)
9 1
37
53
・すでに定着している
・仕事の効率があがる
ぜひ実 施してほしい
やや 実施してほしい
あまり実施してほしくない
実施してほしくない
※ 四 捨 五 入 の 関 係であわせて 100にならないことがあります。
●来年ス ーパ ーク ールビズ実 施 意向
( %)
0
20
首都圏
男性
(N=500)
39
関西圏
男性
(N=500)
首都圏
未婚女性
(N=200)
40
60
80
100
自由 回 答まとめ
28
25
25
26
9
16
32
実施してほしい理由
実施してほしくない理由
・着ていて楽だから
・だらしない
・涼しい
・ビジネスにふさわしくない
・見た目が暑苦しくない ・リラックスしすぎている
・新しい社風を感じる
33
34
8
26
・似合わない
・頼りなく見える
・このスタイルが好きでない
ぜひ実 施してほしい
やや 実施してほしい
あまり実施してほしくない
実施してほしくない
※ 四 捨 五 入 の 関 係であわせて 100にならないことがあります。
-6-
KAO INFORMATION
■ 女 性 の目から見たク ールビズスタイル 、おおむね 好 評 、
「 だらしなさ」を指 摘も
女性にとってのクールビズは、
『 暑苦しく見えなくていい』
『オフィスが寒すぎない』
とおおむね
好評でした。一方、実施してほしくない理由は、
『 仕事の場なのでそれなりに気をつけて』
との
声が多く、特にスーパークールビズに対しては、
『 すごくだらしない』
『ヨレヨレは見苦しい』など
厳しい指摘もありました。
∼首都圏未婚女性コメント抜粋∼
クールビズに関する意見
●厚着の男性に合わせた空調温度だと、女性は寒すぎるので。
(28歳)
●環境や節電のためには、いいとは思うが、TPOはわきまえてほしい。
(28歳)
●あまりにラフな服装は困るが、暑くてクーラーの温度を下げられるよりはよい。
(35歳)
●節電対策として、仕事がはかどるのであればクールビズをしてもよいと思う。しかし、仕事の場ということをわき
まえた、きちんとした服装は必要。
(39歳)
●環境のためにはなるが、だらしない人のニオイが気になる。
(34歳)
スーパークールビズに関する意見
●(涼しいスタイルなら)身体が楽なのが一番だと思うから。
(28歳)
●凄くだらしがなく着てしまう人が多かったので気になった。
(26歳)
●軽装と言っても色々とあります、一応はビジネスなので、それなりに気をつけて着用してほしい。高価なブランド
と言うのではなく、素材の良質な・・・ヨレヨレだったりは見苦しいです。
(35歳)
●ポロシャツ、チノパン、といっても何でもいいわけではない。それなりの素材をそれなりに仕立ててないと、ただ
の学生か休日のおとっつぁんになってしまう。ピンきりのきりの方は何回か洗っただけでへたってくるし、色もく
すんでくる。カジュアルできちんと感を出そうと思ったら、それなりに気を遣うと思う。できない人はやらない方
がいいし、やって欲しくない。
(35歳)
-7-
KAO INFORMATION
■実施意向低いウォームビズ、見えないところで暖 かく
ウォームビズの実施意向は首都圏・関西圏とも66%で、
昨年の実施率(首都圏22%、
関西圏20
%)
と比べ高いものの、
クールビズに比べると低く、
『 保温性の高い下着を着る』
『ベストやカーディ
ガンを1枚多く着る』など見えないところで暖かくする工夫を考えている程度でした。
●昨年のウォームビズの実施状況(東西比較) ●今年のウォームビズ実施意向(東西比較)
( %)
( %)
0
20
40
60
80
0
100
20
40
60
80
首都圏
男性
(N=500)
22
59
19
首都圏
男性
(N=500)
66
34
関西圏
男性
(N=500)
20
60
20
関西圏
男性
(N=500)
66
34
実施した
実施しなかった
100
ウォームビズ実施予定
わからない
ウォームビズ実施するつもりはない
●今年 ウォームビズにかける予定の金額
●購入(予定も含む)アイテム(MA) (東西比較)
(東西比較)
( %)
( %)
0
80
60
63 61
40
厚手の靴下
10 9
9 12
∼
∼
∼
∼
3
5
1
2
千
円
千
円
首都圏男性( N= 500)
万
円
30
40
7
9
7
8
5
4
保温性の高いスーツ・
5
3
ジャケットなど
4
ダウンジャケット・コート
3
4
カイロ
4
ハイネック、タートル、
3
セーター
4
2
ひざ掛け、ストールなど
1
1
厚手のカジュアルシャツ
1
1
その他
1
0
ブーツ
1
厚手のワイシャツ
8 10
5
4
5
3
0
お
金
は
か
け
な
い
20
20
20
保温性の高い下着
ベスト、カーディガン
20
10
万
円
∼
2
万
円
以
上
関西圏男性( N= 500)
新たに購入する
予定はない
首都圏男性( N= 500)
-8-
32
34
関西圏男性( N= 500)