基本計画 Ⅲ.活力あるまちづくり(924KB)

近年の農業を取り巻く環境は、農業従事者の高齢化や後継者不足、米価の下落や輸入拡大に
よる農産物の価格低迷による農業所得の減少など、従来の生産構造のままでは農業の継続が難
しい状況になってきています。このような状況下、現在、国の米政策改革のもと、
「売れる米づ
くり」
、「米以外の作物の産地づくり」、「担い手の確保・育成」を柱として、各集落の話し合い
により作成されたビジョンのもと、その取り組みを進めています。
なお、国の「食料・農業・農村基本計画」見直しにより、平成 19 年度以降の農業施策は担い
手に集中的・重点的に実施されることが明確に打ち出されました。
これらのことから、今後の町農業の維持・発展のためには、農業生産基盤の整備促進はもと
より、地域における合意形成を基本としながら、従来の農業生産構造を地域の意欲のある農業
者又は農業生産組織が効率的かつ安定的に農業経営を行うことが可能となる構造へと変革して
いくことが求められています。
一方、消費者の食に対するニーズは、より品質の高いもの、安全性への関心が高まるなど高
度化・多様化がさらに進むものと見込まれ、消費者に信頼される産地確立に向け、都市と農村
の交流、堆肥等有機質資源を活用した土づくりや減農薬・減化学肥料による栽培、栽培履歴管
理の徹底などへの取り組みがより一層必要となっています。
総 数
専 業
第 1 種兼業
第 2 種兼業
自給的農家
昭和 60 年
2,229
236
764
1,027
202
平成 2 年
2,137
239
557
1,137
204
平成 7 年
2,035
214
488
1,134
199
平成 12 年
1,899
184
321
1,176
218
総面積
田
畑
樹園地
昭和 60 年
4,303
3,477
796
30
平成 2 年
4,351
3,448
875
29
平成 7 年
4,324
3,416
882
26
平成 12 年
4,097
3,211
866
20
資料:農林業センサス
農地整備の推進により優良農地を確保し、認定農業者をはじめとする地域の意欲のある農業
者又は農業生産組織が効率的かつ安定的に農業経営を行うことが可能となる農業生産構造への
変革を促進します。また、消費者に信頼される産地確立に向け、「安全・安心・高品質」な農畜
産物の生産と農業理解への醸成を図るため都市と農村の交流を促進します。
農業生産基盤の整備 優良農地の確保
用排水路、ほ場、農道等の整備
農村環境の保全・整備 農業集落排水、集落道等の整備
農地・農業用水等の資源保全
集落ぐるみ農業の促進
農 業 意欲ある担い手の育成 認定農業者の育成
農業生産組織の育成
新規就農者の確保・育成
農業近代化施設・設備の整備
農地利用集積の促進
特色ある産地化の推進 安全・安心な農産物生産の推進
生産性の高い畜産振興
生産物の販売促進
地産地消の推進
農村と都市との交流 「食」と「農」の交流促進
グリーン・ツーリズムの推進
1.農業生産基盤の整備
(1)優良農地の確保
農業振興地域内の農用地を基本に、農地として確保する土地の集団性を損なうことの
ないよう保全に努めます。
(2)用排水路、ほ場、農道等の整備
水田農業を中心とする本町において、水利の確保は最も重要であることから、水源確保や用
排水施設の整備に努めると同時に、
ほ場整備や農道整備等生産基盤の整備を推進します。
2.農村環境の保全・整備
(1)農業集落排水、集落道等の整備
農業集落排水や集落道等の整備を促進し、農村の生活基盤の向上を図ります。
(2)農地・農業用水等の資源保全
農地・農業用水等の資源は、農業者の生産基盤であるとともに、国土保全や資源環境
保全など多面的な機能の発揮に不可欠な社会共通資本であることから、地域が一体と
なって資源や農村環境を保全する活動を推進します。
3.集落ぐるみ農業の促進
集落での話し合いにより、主業型農家、副業型農家、自給的農家がお互いの営農上の利
益を享受できるよう、農地、労働力、機械、施設等の効率的な活用を図るための活動を促
進します。
4.意欲ある担い手の育成
(1)認定農業者の育成
既存の認定農業者の経営能力の向上を支援するとともに、地域で明確化された担い手
を認定農業者へ誘導し、農業経営改善計画の達成に向けて支援します。
(2)農業生産組織の育成
効率性の高い集落営農を推進するため、主業型農家を中心に、地域条件に応じて副業
型農家や自給的農家も役割を分担して参加する生産組織を育成し、その営農状況に応じ
(3)新規就農者の確保・育成
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(4)農業近代化施設・設備の整備
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(5)農地利用集積の促進
5.特色ある産地化の促進
(1)安全・安心な農産物生産の推進
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(2)生産性の高い畜産振興
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(3)生産物の販売促進
(4)地産地消の促進
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6.農村と都市との交流
(1)「食」と「農」の交流促進
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(2)グリーン・ツーリズムの推進
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適切な森林管理の推進 間伐等の促進
林道の適切な管理と整備
松くい虫の駆除
林 業 安全な生活環境の確保 治山・治水事業の促進
安らぎの場としての森林活用 千貫石森林公園の利用促進
特用林産物等の生産拡大 しいたけ等生産の推進
茅生産の拡大・産地形成
1.適切な森林管理の促進
(1)間伐等の促進
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(2)林道の適切な管理と整備
(3)松くい虫の駆除
2.安全な生活環境の確保
(1)治山・治水事業の促進
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3.安らぎの場としての森林活用
(1)千貫石森林公園の利用促進
4.特用林産物等の生産拡大
(1)しいたけ等生産の推進
(2)茅生産の拡大・産地形成
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規起業促進、基盤強化を図っていく必要があります。 資料:企画振興課調べ(各年4月1日現在)
資料:工業統計調査 各年12月末現在
自動車産業の立地効果を引き出し、地域経済の活性化につなげるため、地元企業の参入を含
めた関連企業が飛躍的に集積できるよう、国・県・近隣市を含めて広域的な支援体制の構築に
努めます。また、道路や上下水道等のインフラ整備はもちろん、定住化促進のための優遇制度
の継続、商業施設のさらなる誘致促進等により居住機能を向上させ、従業員の町内居住を促進
します。さらには、中小企業振興資金利子補給補助制度のPRに努めながら、中小企業の投資
や新規起業促進、基盤強化を図ります。
工業基盤の整備 地域内支援体制の確立
自動車関連産業等の集積
工 業 従業員の町内居住促進
物流・インフラの強化
企業誘致の促進 中小企業対策の推進
1.工業基盤の整備
(1)地域内支援体制の確立
国・県・近隣市との連携により各種施策の展開や情報の共有を通じて地域内支援体制
の確立に努めます。
(2)自動車関連産業等の集積
工業団地に立地している企業等と地元中小企業との連携推進及び自動車関連企業誘致
による地域内自動車産業の集積に努めます。
(3)従業員の町内居住促進
インフラ整備や定住促進施策の推進により、従業員とその家族の町内居住の促進に努
めます。
(4)物流・インフラ強化
高速交通の利便性を高めるため、ソフト・ハード両面にわたって近接する2つのイン
ターチェンジから工業団地へのアクセスを向上させるとともに、関連工場が立地する近
隣市の工業団地とのアクセス向上に努めます。
2.企業誘致の促進
雇用の場の拡大、さらには町民の所得向上のため、岩手中部(金ケ崎)工業団地の未利
用地の利用促進と併せ森合工業団地へ環境に配慮した企業の誘致に努めます。
3.中小企業対策の推進
中小企業振興資金利子補給補助金制度のPRに努めながら、中小企業の投資を促進し、
経営基盤の強化を支援します。
懸案となっていた荒巻商業団地整備については、平成16年9月、その構想地区に待望の大型
ショッピングセンターが出店したことを契機として、飲食店や遊戯施設が相次いで立地したた
め、町内における日常生活用品の買回り等がより一層充実し、便利になったところです。
一方、金ケ崎駅東側に位置する既存の商店街にあっては、城内諏訪小路重要伝統的建造物群
保存地区への来訪者の増加や金ケ崎駅舎の改築及び東西自由通路等の完成をいかに商業振興に
結びつけるかが課題となっています。
また、商業振興のための情報通信ネットワーク等の発達も著しく、自宅に居ながらショッピ
ングが可能になっている反面、消費者と販売者間のトラブルの発生も懸念されるところであり、
消費生活対策も欠かせないところです。
物流に関しては、交通の利便性に優れた物流拠点地区として構想を描き、その整備に努めて
いる北上金ケ崎インターチェンジの周辺地区には北部地区流通業務団地があり、当町の産業振
興を図るうえから、当該団地への企業誘致をさらに進める必要があります。
資料:金ケ崎町商工会(各年4月1日現在)
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商業基盤の整備 既存商店街の活性化
新たな商業施設の集積
商業 経営安定対策 商工会の組織強化と自立支援
物流拠点の整備と企業誘致
消費者生活相談対策の推進
1.商業基盤の整備
(1)既存商店街の活性化
町商工会と連携しながら、地元商業者や住民自らがこれからの商店街活性化について
考え、行動する機運醸成に努めます。また、金ケ崎駅停車場線を軸とした土地利用と既
存商店街の活性化について引き続き検討を重ね、具体化に努めます。
(2)新たな商業等施設の集積
旧(株)ウエスト工場跡地等を候補地として新たな商業等施設の集積に努めます。
2.経営安定対策
商工会が取り組む町内商工業者の65%以上加入促進活動を支援し、その組織強化に努
めます。
3.物流拠点の整備と企業誘致
北上金ケ崎インターチェンジ周辺の交通アクセスにおける好立地条件を活かし、物流を
中心とした土地利用の促進に努め、また、整備済みの北部地区流通業務団地への企業誘致
に努めます。
4.消費生活相談対策の推進
消費者自らが責任ある消費生活を営めるよう、情報提供や相談活動を行う消費生活相談
員の配置と消費者救済資金の貸付の実施により消費生活相談対策を推進します。
当町の観光拠点であった金ケ崎温泉は日帰り入浴と介護福祉施設に、ウエルサンピア岩手金
ケ崎は民間資本による新たな経営へと歩み始めたところです。
当町の観光資源の一つである駒ケ岳については、登山道案内看板を整備したことも功を奏し
て、登山客の増加と下山後の温泉利用客の増加が見られ、新たな観光地としての期待が高まっ
ています。その外の観光資源としては鳥海の柵や伝統的建造物群、城跡、藩境塚、ミズバショ
ウ群生地、広大な草原地帯などがありますが、個々に優れた素材であるにもかかわらず、全体
として強力に観光客を引き付けるまでには至っていないのが現状であり、魅力的な観光地整備
が課題となっています。併せて観光客に喜ばれるみやげ品としての特産品についても、商工会
と連携しながら開発していく必要があります。さらに既存の観光イベントの盛り上げを図る手
立ても検討しなければならないところです。
資料:町企画振興課調べ
商工会内に設置された観光案内所を活用し、主要な観光地や、宿泊施設、特産品情報などを
集積しながら、来町観光客への情報提供に努めるとともに、町内観光資源の掘り起こし、特産
品の開発・PRに努めます。
観光地の整備 既存観光地の整備
観光資源の掘起し
観光客の誘致 観光案内所の情報蓄積とサービス向上
観光 観光情報の発信
土産品の開発 特産品(土産品)の開発・PR
魅力ある祭りの創造 既存行事の見直しと新しい祭りの創造
1.観光地の整備
(1)既存観光地の整備
観光地の除草や駐車場整備、案内看板の修理・増設等、観光地環境を整備しながら既
存観光地の魅力向上に努めます。
(2)観光資源の掘り起こし
観光地となりうる町内観光資源の掘り起こしに努めます。
2.観光客の誘致
(1)観光案内所の情報蓄積とサービス向上
商工会内に設置された観光案内所に観光客の求める情報を集積し、機能向上とサービ
ス向上に努めます。
(2)観光情報の発信と広域観光ルートの開拓
町内外の主要施設への観光パンフレットの配置に努めるとともに、各種情報誌への掲
載に積極的に応じながら、町観光地のPRに努めます。また、県や近隣市との連携を図
りながら、広域観光ルートの開拓に努めます。
3.土産品の開発
既存の特産品のレベルアップを図りながら、町の顔となる土産品の開発に努めます。
4.魅力ある祭りの創造
当町の最大の観光イベントとして位置づけしている夏祭りについて、なお一層の魅力あ
る祭りとして創りあげるため、夏祭り音頭、場所及び内容等について、関係団体と連携し
ながら再検討に努めます。
岩手中部(金ケ崎)工業団地に立地した自動車工場における新ライン増設や大型ショッピン
グセンターの出店によって、雇用の拡大はあったものの、雇用形態は期間雇用やパート雇用が
多く、長期雇用の拡大が望まれているところです。また、就労者の増加を好機と捉え、町外か
らの通勤者の町内居住の促進を図る必要があります。
少子高齢化による労働力の減少が懸念されているところあり、その確保対策が必要となって
います。さらに、障害者や女性等の社会進出を可能とするための就労の場の確保も求められて
いるところです。
資料:水沢公共職業安定所
今後、自動車関連産業を中心に企業の集積が進むことが予想されるため、魅力ある就労の場
の拡大を図るため、企業への常用雇用の拡大の働きかけに努めます。また、生活基盤の整備を
推進しながら町外からの就労者の町内居住拡大に努めます。
さらには、関係機関との連携を図りながら、障害者や女性等が安心して働ける雇用の場の拡
大に努めるとともに、最低賃金制度の堅守や公正な労働契約の締結等、啓発・啓蒙にも努めます
雇用の場の拡大 雇用・労働 町内居住の推進 生活基盤の整備
就労環境の整備 法規制の遵守徹底
労働制度の啓発・啓蒙
雇用対策の推進 雇用の確保
人材の育成
1.雇用の場の拡大
企業誘致や新規起業支援等により、雇用の場の拡大に努めます。また、関係機関との連
携により障害者や女性等も安心して働ける就労の場の創出等に努めます。
2.町内居住の推進 就労者が居住しやすいよう生活基盤の整備に努め、町内居住を促進します。
3.就労環境の整備
(1)法規制の遵守徹底
関係機関との連携を密にしながら最低賃金制度の周知や公正な労働契約の締結等、法
規制の遵守の徹底に努めます。
(2)労働制度等の啓発・啓蒙
関係機関と連携しながら、労働制度の啓発・啓蒙に努めます。また、就労者の福利厚
生のための情報提供等、その支援に努めます。
4.雇用対策の推進
(1)雇用の確保
人口減少社会における課題として、労働力人口の減少と高齢化があげられるところで
あり、関係機関との連携を図りながら、その対応に努めます。
(2)人材の育成
職業訓練協会等への支援を通じ、就労者の職業能力訓練、職業能力開発などを行い、
人材の育成に努めます。