メモリハイコーダ LAN接続

メモリハイコーダ LAN接続
ユーザーズガイド
Ethernet
TCP / IP
データ
ファイル転送
リモート制御
メモリハイコーダ
PC
メモリハイコーダのLAN接続機能を充分活用していただけるよう、メ
モリハイコーダとパソコンのLAN接続の設定方法や、LAN接続に関す
る用語をまとめてあります。
ご活用ください。
2000-12
日置電機株式会社
編集 第1研究室
発行 販売企画課
http://www.hioki.co.jp/
HIOKIの会社概要、新製品、および環境方針などはホームページでも
ご覧いただけます。
1
目 次
はじめに
2
1
LAN接続の特徴
2
2
用途
3
-1.
-2.
-3.
-4.
3
3
4
4
3
4
5
離れた場所にあるレコーダの設定&波形をモニターするために
工場の検査・測定データ、研究や実験時のデータ取りに
今までのGP-IBの代わりに
外部プリンタなどの活用
接続ガイド
5
-1. 接続にあたり必要な機器
-2. メモリハイコーダとパソコンを1対1で接続する場合の例
5
7
速度と通信量
11
-1. 速度
-2. 通信量
11
12
用語解説と基礎知識
13
-1.
-2.
-3.
-4.
-5.
-6.
13
13
14
15
16
18
LAN
イーサネット
TCP/IP
IPアドレスについて
接続機器について
チェックプログラムについて
2
ユーザーズガイド
はじめに
9333 LANコミュニケータはPC側で使用するアプリケーションソフトです。LAN接続されたメモリハイコーダ
とPCの間で測定データ等の迅速な受け渡しと、PCからの遠隔操作ができます。PCの画面上では、メモリハ
イコーダの画面をほぼ同時に表示できますので、測定中の確認に便利です。離れた場所での測定と確認がし
やすくなります。LAN接続による高速転送を生かして、PCへの波形データ収集ツールとしても御利用できま
す。メモリハイコーダ本体のLAN接続には9578 10BASE-T LANカードを御使用ください。
本ユーザーズガイドは付属の取扱説明書だけでは分かりにくい、LAN接続の設定方法や、LAN接続に関する
用語について説明しています。8835-01, 8841, 8842, 8826をLAN接続するために、9333 LANコミュニケータ
と9578 10BASE-T LANカードを使用する際のご参考にしてください。
1. LAN接続の特徴
LAN接続についてGP-IB・RS-232Cに比べると、次のようなメリット、デメリットあります。
メリットとして
・ 転送速度が速い。
(本体MOのセーブ速度より速い。
)
・ ケーブル長を長くできる。(10BASE-Tで最大100m)
・ 既に事業所等で敷設されているLAN環境を使用できます。
・ パソコン側ですぐ使えるアプリケーションが用意されています。(9333 LANコミュニケータ)
・ RS-232Cよりエラーに強い。ノイズでデータが乱れても再送信などを実行することができます。
・ パソコン側の設備費用を、GP-IBより安価にすることができます。
・ プログラムを作成時 GP-IB と違い、VC++ や VB の標準のライブラリで組める。
デメリットとして
・ 他の機器と一緒に使うため転送時間などはトラフィック(回線の混み具合)に左右されます。
また、レコー ダ自身もトラフィックに影響を与えます。
・ LANが敷設されていても、管理の都合上レコーダなどは接続できない場合があります。
・ パソコン上のネットワークの設定がRS - 232Cより複雑でOS設定になるため、設定項目が多くなります。
(一度設定してしまえば、2回目からは設定し直す必要はありません。)
・ RS-232C と違い、すべてのパソコンで標準装備になってはいません。
・ 他のパソコンからもコントロールができてしまう。(現在セキュリティなどは考慮していないため、LAN
上のどのパソコンからもアクセスできてしまいます。)
3
2. 用途
メモリハイコーダでLAN接続する用途としては
1. 離れた場所にあるレコーダの設定&波形をモニターするために
2. 工場の検査・測定データ、研究や実験時のデータ取りに
3. 今までの GP-IB の代わりに
4. 外部プリンタなどの活用
等が考えられます。
-1. 離れた場所にあるレコーダの設定&波形をモニターするために
温度試験など、試験室に試験機器と一緒にレコーダを入れて、実験や試験を行うような所では、操作の
ために人が一緒に入るのが大変です。このような場合に9333の遠隔操作を使用すれば、外にいながら、
試験室のメモリハイコーダの設定や波形のモニターを行うことができて大変便利です。
-2. 工場の検査・測定データ、研究や実験時のデータ取りに
工場においては測定・検査データを保存している所はたくさんあります。また研究や開発時には長時間
のデータ取りが必要になります。このような用途では9333のデータ収集が便利です。
パソコンで9333のデータ収集を立ち上げておけば、メモリハイコーダの自動保存先をLANにする事によ
り波形データをパソコンへ転送して保存ができます。保存したデータはメモリハイコーダと全く同じフ
ォーマットですので、MOなどを介して再びメモリハイコーダで読み込む事ができます。
付属のウェーブビューワを使用すると簡単にアスキー変換が行えますので、変換後にエクセルなどのア
プリケーションで解析する事も可能です。
また、データ収集は1台のパソコンで1つ立ち上げておけば、複数のメモリハイコーダからの転送も保
存することができます。なおメモリハイコーダごとに別のディレクトリに保存されますので混同するこ
とはありません。
現在MOを使用してる方も多いと思いますが、パソコンの大容量のHDDへ保存できるため遙かに多くの
データを保存できますし、MOへの保存よりもLANの方が速く保存が出来るので便利です。
4
-3. 今までのGP-IBの代わりに
工場の検査ラインでGP-IBを使いシステムを組んでいる場合、研究・開発時の実験用のプログラムをGPIBで組んでいる場合、あるいはこれからプログラムを組もうとしている場合にも9333はお勧めできます。
9333 を使用することにより、より高速にコントロールが出来るようになります。また、GP-IBのプログ
ラムはボードメーカ提供のライブラリを使用する必要があり、ボードメーカが異なるとプログラムを変
更する必要がある場合があります。これが LAN の場合では、VC++ (Visual C ++)であってもVB (Visual
Basic) であっても、標準のライブラリにプログラムを行えますので、より簡単にプログラムの作成がで
きるようになります。
-4. 外部プリンタなどの活用
メモリハイコーダのプリンタは感熱紙のため、長期間に渡る記録紙の保存ができません。保存のためコ
ピーを取り直しすることもあります。さらに本体のプリンタは白黒しか印刷できないため、画面のカラ
ー表示に比べると若干判りずらくなります。
このような場合には 9333 のデータ収集サーバを立ち上げておき、プリント先を LAN にします。
パソコンに接続されているプリンタへ印刷が行えるようになるため、カラーで印刷したり、レーザプリ
ンタで印刷したりするなど効果的に活用ができます。
(ただし連続紙はサポートしていません。また、レコーダ時のプリントなどは行えません)
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2. 接続ガイド
-1. 接続にあたり必要な機器
メモリハイコーダとパソコンを接続するにあたり用意するものは以下の通りです。
(1) メモリハイコーダとパソコンを1対1で接続する場合
- ネットワークが使えるパソコン
1台
- メモリハイコーダ
1台
- 9333 LANコミュニケータ
1台
- 9578 10BASE-T LANカード
1個
- 10BASE-T クロスケーブル
1本 (9642 LANケーブルが使用できます)
(2) メモリハイコーダ複数台とパソコン1台を専用ネットワークを組む場合
- ネットワークが使えるパソコン
1台
- メモリハイコーダ
複数
- 9333 LANコミュニケータ
1台 (パソコン1台で使う場合は1台で良い)
- 9578 10BASE-T LANカード
複数 (メモリハイコーダの台数と同じ)
- ハブ
- 10BASE-T ストレートケーブル
複数 (メモリハイコーダ台数+パソコン台数)
(3) メモリハイコーダを既にあるLANに接続する場合
- ネットワークの9333を使用するパソコン 1台以上
- メモリハイコーダ
- 9333 LANコミュニケータ
1台以上
1台以上 (9333を使用するパソコンと同じ台数)
- 9578 10BASE-T LANカード
1台以上 (メモリハイコーダの台数と同じ)
- 10BASE-T ストレートケーブル
複数 (メモリハイコーダの台数と同じ)
メモリハイコーダに市販のLANカードは使用できませんので、9578はレコーダ1台につき1台必要にな
ります。
9333は使用するパソコン1台につき1つ必要です。
データ収集で複数のレコーダを1台のパソコンで受ける時は、9333は1つで構いません。
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9333 LAN コミュニケータ
9333LANコミュニケータの
波形ビューワ画面
PC画面上の9333LANコミュニケータ画面
9578 10BASE-T LANカード
10BASE-T ストレートケーブル
HUB
クロスケーブルアダプタ
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-2. メモリハイコーダとパソコンを1対1で接続する場合の例
メモリハイコーダとパソコン(Windows 98)を1対1で直接接続して使用する場合について、設定方法を
説明します。
(1) メモリハイコーダとパソコンを1対1で接続する場合に用意する機器
- ネットワークが使えるパソコン
1台 (LAN付きでない場合はLANカードも必要)
- メモリハイコーダ
1台
- 9333 LANコミュニケータ
1台
- 9578 10BASE-T LANカード
1個
- 10BASE-T クロスケーブル
1本 (9642 LANケーブルが使用できます)
(2)パソコンの設定
まずパソコンにはネットワークがインストールされている必要があります。ネットワークの設定を変
更します。(再起動が必要になるため他のアプリは終了させておきます)
ネットワークコンピュータを
右クリックします。すると、
メニューが表示されますので
プロパティーを選びます。
するとネットワークの設定が開きます。
現在のネットワークコンポーネン
トの中から、TCP/IPを選びます。
(LANカードが2枚以上設定され
ている場合はメモリハイコーダと
接続するカードを選びます。)
先にプロパティを押して、
TCP/IPの設定をします。
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IPアドレスを設定します。今回は1対1での接続例ですので、IPアドレスは 192.168.0.1 を使用しま
す。これは現在設定済みのアドレスを使用しても構いませんが、その場合はメモリハイコーダ側の設
定もそれに準じて設定する必要があります。
(アドレスを変更する場合は前の値をメモしておくことをお勧めます)
なお、閉じた環境でネットワークを組む場合は一般的に 192.168.0.X 等を使用する事が推奨されてい
ます。また、下図の設定でIPアドレス以外の WINS・DNS・ゲートウェイなどは、1対1の場合は利
用しませんので、何も設定をする必要はありません。
IPアドレスを選びます。
IPアドレスを 192.168.0.1 に設定しま
す。この時、デモや接続実験が終わっ
たら設定を元に戻す必要があるため前
の設定はメモを必ず取っておいてくだ
さい。
サブネットマスクを 255.255.255.0 に
設定します。前の設定はメモに必ず取
っておいてください。
設定が終わりましたら [OK] を押します。
さらにネットワーク設定のウインドウも [OK] を押して終了してください。
するとWindows を再起動すると言ってきますので再起動をしてください。
IPアドレスを変更して実験などを行った後に、元に戻す場合はメモに取っておいた元の値に戻すのを
忘れないようにして下さい。
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(3) メモリハイコーダの設定
次に本体側の設定をあわせます。
設定を始める前に9578 10BASE-T LANカードを本体PCカードスロットに挿入してください。
ただし、パソコンとケーブルの接続は、まだしないでください。
IPアドレスを 192.168.0.2 にします。
サブネットマスクを 255.255.255.0 にします。
ホスト名は適当に付けてください。データ収
集をした時にパソコンはこの名前のフォルダ
(ディレクトリ)にデータを保存します。
パソコンのIPアドレスを 192.168.0.1 に指定
します。
その他はデフォルト(初期設定)のままでか
まいません。
・ゲートウェイ:OFF
・ポート:880X
・デリミタとヘッダはGP-IBコマンドの時に
必要ですが、9333では使用しません。
設定は、これでOKです。
この後、パソコンにLANケーブルの接続をしてください。
なお、メモリハイコーダのバージョンは8826 (Ver.2.30以上)、8835-01* (Ver.1.10以上)、8841,8842
(Ver.2.30以上)、8720 (Ver.2.00以上)が必要になります。それぞれのバージョン以前のメモリハイコ
ーダをお使いのお客様は、9333にバージョンアップファイルが添付されていますので、お客様にてバ
ージョンアップができます。バージョンアップ作業にはPCが必要になります。
*8835-01高機能版(9540-01)をお持ちのお客様はバージョンアップファイルが別途必要になります。御
購入時に弊社営業所に御確認ください。
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メモリハイコーダの設定の補足
・データ収集はメモリハイコーダの自動保存の時に転送されます。メモリハイコーダの自動保存先を
LANにして行ってください。
・メモリハイコーダのIPアドレスの設定を行う時に次の順で行ってください。
(a) メモリハイコーダにカードを挿入する (パソコンとのケーブル接続はまだしない)
(b) LANの設定する
(c) パソコンにケーブル接続をする
これは2つの理由によります。
一つは接続した時点で今の設定のIP情報が流れてしまい、これが誤ったIP情報ですとネットワーク
上の他の機器を混乱させてしまう可能性があります。
(デフォルトのIPアドレス 0.0.0.0 の状態ではネットワークにIP情報が送られませんが、念の為、設
定後に接続するようにお願いします。)
もう一つは、一度アドレスを設定するとパソコン側で、メモリハイコーダはこのIPアドレスだとい
う対応表を内部に持ってしまうため、設定し直したIPアドレスではメモリハイコーダを探せなくな
る場合があります。これは一定時間待つか、パソコンの電源を入れ直す等の対処をすれば問題あり
ません。しかし、上のような手順で設定した方が混乱が少ないのは確かです。
11
4. 速度と通信量
-1. 速度
8841のデータを転送する時の速度の例を紹介します。
(9333 V1.00, IBM Thinkpad600(P2-266) Win98 にて1対1接続で測定)
なお、実測値であり保証値ではありません。
(1) 9333遠隔操作で波形データを転送する場合
CH数
記録長 (DIV数)
サイズ
秒数
8 ch
10000 DIV
16,008,720 byte (16MB)
84 秒
8 ch
1000 DIV
1,608,720 byte (1.6MB)
8秒
8 ch
100 DIV
168,720 byte (160KB)
2秒
(2) 9333データ収集 (100 µ s /DIV 時の測定時間も含む)
CH数
記録長 (DIV数)
サイズ
秒数
8 ch
10000 DIV
16,008,720 byte (16MB)
88 秒
8 ch
1000 DIV
1,608,720 byte (1.6MB)
10 秒
8 ch
100 DIV
168,720 byte (160KB)
2秒
(3) GP-IBコマンドで転送の場合
8841でGP-IBコマンドのBDATAを使用して、転送を行なった場合の処理時間の例です。
転送パターン
記録長 (ポイント数)
サイズ
秒数
125個づつ 800回
100,000 ポイント
200 KB
8秒
200個づつ 500回
100,000 ポイント
200 KB
5秒
200個づつ 5000回
1,000,000 ポイント
2 MB
42 秒
8826でGP-IBコマンドのBDATAを使用して、転送を行なった場合の処理時間の例です。
転送パターン
125個づつ 800回
記録長 (ポイント数)
サイズ
秒数
100,000 ポイント
200 KB
13 秒
(3) 通信速度まとめ
・9333を使用したデータ転送は約177KB/秒です。
・GP-IBコマンドを使用してのデータ転送は約46KB/秒です(200個づつ)
・GP-IBが遅いのは1度の読みとり量が少ないことと、コマンド処理のオーバヘッドのためです。
・GP-IBコマンドの効率は、将来改善する予定です。
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-2. 通信量
(1)通信量について
遠隔操作の時に転送する画面データの量は、圧縮されているため画面により異なりますが、普通の設
定画面で 20KB弱、簡単な波形画面で 50KB弱です。
大抵の場合は 100KB程度には収まります。
(最悪は 260KB)
この画面データがキーを押した時の応答、または1秒(初期値)インターバル、または測定終了時に転
送されます。
先のデータ転送と併せて1秒間に転送量はおおよそ次の通りです。
・波形データ転送時 177KB/秒
・設定をしている時 20∼ 50KB/秒 (秒に1∼2回設定を変えるとして)
・波形をモニタしている時 100KB/秒 (波形によって変わります)
また波形のモニタ中は測定への影響を押さえるため、画面の転送速度を落としています。
画面データの最悪値時は、より時間がかかります。
以上の結果より、メモリハイコーダがネットワークへ与える負荷は、余裕を見て多くとも200KB/秒未
満であると考えられます。
さらにこれは常時ではありませんので、ネットワークを占有してしまうような事はありません。
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5. 用語解説と基礎知識
-1. LAN(Local Area Network)
1つの建物の中やキャンパスの敷地内など比較的狭い地域でのネットワークの事を言います。
また、LANと言った場合にはネットワークの形式には捕らわれませんが、すでにイーサネットが広く使
われているため、普通の方が単にLANと言った場合はイーサネットの事を指す場合が多いです。(正確な
使い方ではありません)
* 9333・9578 の場合
上のようにLANとは使われ方で、ネットワークは何でもかまいません。そのため9333・
9578もLAN対応と言っていますが、LANなら何でもつながると言うわけではありません。
イーサネット 10BASE-T につながります。
-2. イーサネット(Ethernet)
米国のXeroxとDEC社が考案したLANのメディア(ケーブル)およびプロトコルの方式です。(ハードとソ
フト両方の仕様です)
後にIEEE802.3にて規格化もされましたが両者にはプロトコルのフォーマットに違いがあります。普通は
前者のものが使用されています。
(普通は確認するまでもないです。またIEEE802.3と書いてあっても、実は大抵前者を意味します。)
イーサネットはケーブルや通信速度ごとに、下記のような種類に分かれます。
種類
最大長
ノード数
10BASE2
185m
30
同軸
10BASE5
500m
100
同軸
10BASE-T
100m
--
ツイストペアケーブル (UTPカテゴリ3∼5)
10BASE-F
1000m
2
光ファイバ (MMF)
100BASE-TX
100m
--
ツイストペアケーブル (UTPカテゴリ5/STP)
100BASE-FX
412m
--
光ファイバ (MMF)
100BASE-T4
100m
--
ツイストペアケーブル (UTPカテゴリ3∼5)
2
光ファイバ (MMF)
2
光ファイバ (MMF/SMF)
100BASE-SX
185 - 550m
100BASE-LX 440-550m / 3000m
UTP (Unshielded Twisted Pair Cable)
STP (Shielded Twisted Pair Cable)
MMF(Multi Mode Fiber)
SMF(Single Mode Fiber)
ケーブルの種類
シールドなしツイストペアケーブル
シールドされたツイストペアケーブル
マルチモードファイバー
シングルモードファイバー
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多く使われているのは10BASE-Tと10BASE2と100BASE-TXです。
先頭の数字の "10", "100", "1000" は伝送速度で10BASE-Tは10Mbps(bit per sec)を意味します。ここでのM
は M=1,000,000で、1024系列ではありません。
なお一般的にはこの伝送速度は通信の速さと言うよりバスの広さを表しています。つまり、この速度が
速くなると言うことはデータの転送が速くなるというより、より多人数(機器)にて滞ることなく使用
できるようになるということです。
* 9333・9578 の場合
プロトコルは普通の方(IEEEの方ではない)を使用しています。
ケーブルは 10BASE-T です。他の形式のものと接続するときは変換機能のあるハブを使用
します。
なお 10BASE-T のLANケーブルには「クロスケーブル」というものがあります。これはパ
ソコンとレコーダを1対1に直接接続する場合に使用します。
ハブに接続する場合には「ストレートケーブル」を使用します。
(LANケーブルは、現在パソコン関係を扱う販売店なら、ほとんどの販売店で取り扱って
います。)
なお、クロスケーブルの代わりに、ストレートケーブルとクロス変換コネクタを使用して
も良いでしょう。この組み合わせで持っていた方が融通が利くかもしれません。
-3. TCP/IP (Trasmission Control Protocol / Internet Protocol)
・TCP/IP
TCP/IP はインターネット環境の通信を実現するためのプロトコルで最も広く使われているプロトコルで
す。イーサネットなどのプロトコルより上位のプロトコルです。
なお、TCP/IP と言う言葉は TCP と IP と言うプロトコルだけを表すものではなく、そのプロトコルを用
いてファイル転送を行うFTPやホームページなどに使われるHTTP等の多くのプロトコル群の総称として
使われます。
・FTP
FTPはファイルを転送するプロトコルで、機器間でのファイル転送で広く使われています。
(Windowsの共有機能とは別機能です)
* 9333・9578 の対応
9333・9578 においては TCP というプロトコルを使用していますが、現在、FTP や HTTP
などはサポートしていません。このため狭い意味での TCP/IP 対応となります。
FTPはサーバー側を現在対応へ向けて検討中です。ただし、将来的にFTP(サーバー側)に
対応した場合でも、FTPには色々と癖があるようですから、相性の問題が出る可能性は否
定できません。対応できない場合が出てくる可能性があります。
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-4. IPアドレスについて
・IPアドレス
IPアドレスと言うのは、そのマシンの住所のようなものです。郵便が指定された住所に届き、反対に住
所が指定されていないと届かないのと同様に、IPアドレスが定まっていないと通信時に相手を特定する
ことができません。
また同じ住所が複数ないのと同様に、IPアドレスも全世界で重ならないようにしないといけません。特
に外部と接続する機器の場合は、注意しないと世界的な迷惑となります。
(日本でのIPアドレスはJPNICという機関で管理されています。[2000年11月現在])
・IPv6
現在IPアドレスは 32bit(例えば 127.0.0.1)の IPv4 ですが、世界的に急速にネットワーク環境が広まっ
てきたため、アドレスが足りなくなってきました。そのため 128bit にした IPv6 が考えられています。将
来 IPv6 に移行すると考えられますが、しばらくは IPv4 のまま使われ続けると思われます。
・ホスト名
IPアドレスは例えば 127.0.0.1 のように数字の羅列のため人間が覚えやすくありません。そのため名前を
使い、通信する時は相手を名前で指定する方法が広く使用されています。この時に名前指定となっても
内部ではIPアドレスへの変換が行なわれています。
名前からIPに変換する方法はパソコンでは、
- パソコンの中にHosts ファイルと言うファイルを作り、ここに対応表を持つ。
- ネットワーク上のどこかにDNSサーバがあり、そこに名前とIPアドレスの対応表を持ち、
各機器はこのサーバに尋ねて解決する。
- WINS を使用する(Windows専用のDNSみたいなもの)
- netbios で解決する
があります。なお WINS と netbios による名前解決は Windows独自のため、Windows以外の機器では、
普通は使用できません。
・DHCP
IPアドレスを節約するために起動している機器だけでIPアドレスを使い回したり、管理のためにIPアド
レスを固定していない場合があります。この場合は自分自身のIPアドレスも不明です。この場合はまず
DHCP というプロトコルを使用して、DHCPサーバと通信をして自分のIPアドレスを取得します。
なお他と通信するときは DNS や WINS などを使用して名前を解決します。
* 9333・9578 の対応
・IPv6 の対応は、現時点ではできません。将来的にも対応は未定です。ネットワーク技術
の動向により対応する可能性はあります。
・WINS や netbios 対応はできません。
・DNSは対応していません。対応を検討中です。
・DHCPは対応していません。対応を検討中です。
なお、 DHCP 時の名前解決は DNS の使用が前提となります。
また、将来的にDNS、DHCPに対応した場合でも、DNSサーバやDHCPサーバには色々と
癖があるのもあるようですから、相性の問題が出る可能性は否定できません。対応でき
ないサーバが出て来る可能性があります。
16
* IPアドレスの扱い
IPアドレスはハッキング攻撃の対象となりうる情報です。
IPアドレスの扱いには十分に注意をしてください。
-5. 接続機器について
・リピータ
ケーブル上を流れてきた電気信号を、増幅や整形を行い別の側へ送る装置です。
ネットワークを長く延長させる時などに使用します。ただし波形がどうしても乱れます。そのため段数
に制限がある場合があります。
・ブリッジ
上のリピータが電気信号レベルで延長を行ったのに対して、ブリッジはデータを理解して隣のネットワ
ークへ転送します。
データをいったん蓄積して転送するため、伝送速度の異なる媒体間の接続を可能とします。現在の大抵
のブリッジはラーニングブリッジと呼ばれて転送先を判断して不要な場合は転送をしない仕組みがあり
ます。
・ルータ
ネットワークとネットワークを接続する場合に使用します。
イーサネットと他のネットワークと接続などを行います。また、宛先のルートを決定して転送を行いま
す。
・ゲートウェイ
プロトコル変換を行いデータを中継します。例えばインターネットのメールとパソコン通信のメールを
変換と転送する機器を指します。
ただし、ゲートウェイの場合は用語としての使われ方は必ずしも一定していません。多くの場合はルー
タの事をゲートウェイと呼びます。例えばWindowsのネットワーク設定で「デフォルトゲートウェイ設
定」がありますが、これはルータの事を意味します。また、メモリハイコーダの設定画面におけるゲー
トウェイもパソコンに習いルータの事を意味します。
もし、メモリハイコーダのゲートウェイの設定が判らない場合は、同じネットワークにつながっている
パソコンと同じ設定をすれば良いです。
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・ハブ
分配機みたいな機能を持つ機器です。1つの接続を複数のポートに分配します。
(ポートは接続口の事、5ポートなら5つ接続できると言うことを意味します。)
普通のハブはそれぞれのポートがリピータと言えます。他にスイッチングハブと言うものもあり、こち
らはブリッジと言えます。前者が信号レベルで分配して、後者はデータレベルで分配します。
現在、スイッチングハブは8ポートでも1万円程度で買うことが出来ますので、スイッチングハブがお
勧めです。2つの機器で通信する場合に、普通のハブは他の機器にも信号が出てしまい、トラフィック
上の問題となりますが、スイッチングハブを使用すれば通信を行う機器同士のみにしかデータが送られ
ないため、トラフィックを大幅に削減できます。
例えばメモリハイコーダとパソコンを同じスイッチングハブに接続できれば、他の機器へのトラフィッ
クの影響は最小限に押さえることができます。
また、メモリハイコーダは 10BASE-T ですが、100BASE へ接続する場合も 10/100 変換機能付きのスイッ
チングハブを使用する必要があります。
・無線LAN
無線LANは、IEEE 802.11b で規格化された、 2.4GHz帯を使用した無線システムです。
2000年中頃以降、色々な製品が入手可能になりました。
速度は 11Mbps です。(通信条件により速度は変化します。)
伝送距離は屋内 25m 、屋外 50m です。(周囲条件により変化します。)
* メモリハイコーダとの接続
・10BASE-T の仕様のものであれば、ほぼ問題なく使用できます。
・10BASE-Tのパソコンが接続できれば、メモリハイコーダも接続できると考えられます。
ただし、100%の接続保証はできません。
・無線LANは対応を検討中です。2000年12月現在、具体的な対応予定はありません。
18
-6. チェックプログラムについて
Windows で使用する事ができる、プログラムを紹介します。
なおいずれも、DOS窓からタイプし、実行してください。
・ping
ネットワークにて接続を確認する時によく ping を使用します。WindowsでもDOS窓で ping が使用でき
ます。メモリハイコーダも ping に対応していますので
ping 127.0.0.1
(メモリハイコーダのアドレスを指定すること)
とすると
>Reply from 127.0.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=128
>Reply from 127.0.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=128
のように接続されていると応答時間付きで表示されます。
・nslookup
(Windows NTのみで使用可能)
使用するパソコンのホスト名は判るが、IPアドレスが判らない場合に使用します。
nslookup ホスト名
で IPア ド レ ス が 判 り ま す 。 な お "ping
ホ ス ト 名 " で も IPア ド レ ス が 表 示 さ れ る よ う な の で ,
pingでも判るかもしれません。
ただし "127.0.0.1" と出た場合は違います。127.0.0.1 は自分自身を表すアドレスです。
・telnet
telnetはいわゆる端末ソフトですが、TCP/IPの任意のポートに接続する事で、そのポートとデータの送
受信を行えます。
* メモリハイコーダでのtelnetの利用方法
・メモリハイコーダのGP-IBコマンドは、デフォルトで8802ポートに割り当てられています
ので、
telnet 127.0.0.1
8802
(アドレスはレコーダを指定)
タイプとすると、メモリハイコーダのGP-IBコマンド用のポートと接続できます。
この状態でGP-IBコマンド、例えば":start"と打ち、リターンをするとメモリハイコーダ
がスタートします。これにより簡単な確認を行えます。なおtelnetの設定でローカル
エコーをONにしておかないとキー入力した文字が表示されないので、設定をして
おくと良いでしょう。
・8802ポートから8800ポートとすると遠隔操作用のポートと接続できます。
コマンドを知っていればキーボードから遠隔操作の通信ができます。ただしデータ収集は
telnetでは接続できません。
以 上
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