コンプライアンスへの取り組み、内部監査体制、社会貢献活動

UFJ グループのリスク管理について
リスクに対する考え方
UFJ グループは、総合金融グループとして多様な金融サービスを
を、一貫した考え方に基づいて、適切に認識し、その大きさを測
提供し、企業価値の極大化をめざしていく過程で、信用リスク、
り、管理することが必要です。UFJ グループではこのような考え
市場リスク、資金流動性リスクといったさまざまなリスクをかか
に基づいて、リスク管理に関する基本的な規程や方針をグループ
えています。UFJ グループは、リスクはすべて一律に抑えるべき
として定めるとともに、独立したリスク管理ユニットを設置して、
ものではなく、むしろ能動的にコントロールするべきものである
継続的にリスクの測定とモニタリングを行っています。また、予
という考え方に立ち、業務を通じて発生するこうしたリスクを適
想最大損失額(VAR =バリュー・アット・リスク)やリスク資本管
切にコントロールして、経営の健全性と効率性を同時に高めてい
理の枠組みといったような先進的なリスク管理手法の導入にも
くことをもってリスクに対する考え方としています。
積極的に取り組み、リスク管理のグローバルスタンダード構築に
そのためには、グループとしてかかえているさまざまなリスク
貢献することをめざしています。
リスクの定義
UFJ グループでは、
「リスク」を「業務に不測の損失を生ぜしめ、グループの資本を毀損する可能性を有する要因」と定義しています。
その中で UFJ グループがかかえている主要なリスクを、その性格によって次のように分類・定義をしています。
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リスクの分類
リスクの定義
信用リスク
信用リスクとは、取引相手先の信用状態の悪化などにより、与信取引の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスクおよ
びこれに類するリスク(予定されたタイミングで取引相手先から資金ないし対象資産を受け取れないことにより損失を被
るリスク(決済リスク)を含みます)を指します。
市場リスク
市場リスクとは、金融市場の動きにより、保有ないし執行する金融資産負債ポジションの価値が変動し損失を被るリスク
およびこれに類するリスクを指します。
資金流動性リスク
資金流動性リスクとは、負債に対する資産の流動性が確保できないことにより支払不能に陥る、あるいは負債の調達コス
トが著しく上昇することにより損失を被るリスクおよびこれに類するリスク(予定されたタイミングで取引相手先から
資金ないし対象資産を受け取れないことにより損失を被るリスク(決済リスク)を含みます)を指します。
オペレーショナルリスク
オペレーショナルリスクとは、不適切な内部手続き、人的要因、システムあるいは外部要因から、直接的または間接的に
損失が生じるリスクを指し、その異なる性格から次のように細かく分類・定義しています。
事務リスク
事務リスクとは、役職員およびその他の組織構成員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正などを起こすことにより
経済面・信用面の損失を被るリスクおよびこれに類するリスクを指します。
システムリスク
システムリスクとは、コンピュータシステムのダウンまたは誤作動などシステムの不備などに伴い、損失を被るリスク、
さらにコンピュータが不正に使用されることにより損失を被るリスクおよびこれに類するリスク(災害や社会インフラの
事故などによるものも含みます)を指します。
人的リスク
人的リスクとは、人材の流出・喪失などや士気の低下などにより損失を被るリスクおよびこれに類するリスクを指し
ます。
有形資産リスク
有形資産リスクとは、災害や資産管理の瑕疵などの結果、不動産・動産(設備什器など)
・備品などの資産の毀損や執務
環境などの質の低下などにより、損失を被るリスクおよびこれに類するリスクを指します。
規制・制度変更リスク
規制・制度変更リスクとは、国内の税制・会計制度などの各種制度変更により損失を被るリスクおよびこれに類するリス
クを指します。
レピュテーショナルリスク
レピュテーショナルリスクとは、顧客やマーケットなどにおいて事実と異なる風説・風評で評判が悪化することにより
損失を被るリスクおよびこれに類するリスクを指します。
リスク管理体制
UFJ ホールディングスでは、グループのリスク管理活動を適切に
● リスク管理ユニット
実施するために、以下のような中核となる組織と機能を設置し、
グループレベルでのリスク管理を実現するためには、グループが
それぞれリスク管理上の役割と責任を明確にしています。
かかえるリスクの内容や程度に応じて、各種リスクの総合的管理
を行う統括機能や、個々のリスクを専門的に管理する機能を整
● リスク管理ユニット担当執行役員
グループがかかえているリスクを、個別および全体として認識、
把握し、適切に管理する責任を持ちます。経営陣に対してリスク
の状況についての報告や必要に応じて提言を行うほか、リスク資
える必要があります。UFJ ホールディングスでは、各種リスク管
理の統括機能・市場リスク/資金流動性リスク管理の統括機能・
オペレーショナルリスク管理の統括機能を総合リスク管理部に
課す一方で、業務の中核を形成する与信取引に専門的に対応す
本管理上の情報についても提供していきます。
るために、信用リスク管理を専門に扱う与信企画部を設置してい
● リスク管理委員会
ます。また、広報活動と密接な関係を持つレピュテーショナルリ
リスク管理担当執行役員の諮問委員会として設置され、グループ
スク管理は、広報部がその任を負っています。
がかかえているさまざまなリスクを認識し、それを適切に管理・
運営する体制を整備するための協議機関としています。
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UFJ ホールディングスのリスク管理体制
取締役会
リスク資本配分決定
リスク管理方針決定
リスク管理方法決定
グループ監査委員会
代表取締役社長
グループ経営委員会
リスク資本配分計画の立案
四半期ごとのアセスメント
再配分計画の立案
リスク管理委員会
リスク管理ユニット
担当執行役員
リスク管理方針・規程の審議
リスクモニタリング
リスク管理ユニット
リスク管理統括
総合リスク管理部
信用リスク
市場リスク
資金流動性リスク
オペレーショナルリスク
レピュテーショナルリスク
与信企画部
総合リスク管理部
総合リスク管理部
総合リスク管理部
広報部
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リスクと収益の統合管理
UFJ グループでは、業務から発生する収益とリスクの適切なバラ
を、損益とリスクを一体的に総合管理する枠組みととらえ、
「リス
ンスとコントロールを保つ目的から、リスク資本管理と資産負債
クリターン運営方針」の立案・決定→定期的なモニタリング→四
総合管理(Asset Liability Management = ALM)の考え方を実践して
半期ごとのアセスメントおよび資源の再配分→業績評価という
います。
プロセスに取り込んで実践しています。
● リスク資本管理
UFJ グループでは、各ビジネスユニットに対するリスク資本を
配賦するプロセスのなかで、さまざまなリスク要因からもたらさ
れる可能性のある予想最大損失額を算出する考え方を取り入れ、
さまざまな経営指標として活用しています。具体的には、この予
想最大損失額を資本金と対比させることによってグループとして
の資本の充実度を確認したり、ビジネスユニットに配賦された
リスク資本の使用状況をモニタリングするなど、先進的なアプ
■「リスクリターン運営方針」
は、リスク管理ユニットが立案し取
締役会が決定する「リスク資本管理規程」
「信用リスク管理規程」
「市場リスク管理規程」
「資金流動性リスク管理規程」などの枠組
みを基に、グループ経営管理ユニットが立案します。
■「リスクリターン運営方針」
で立案された、ビジネスユニットな
どへのリスク資本配賦計画は、包括的な経営計画である「基本計
画」のなかで取締役会が決定します。
■
ローチを経営レベルで実践しています。
リスクリターン運営状況のフォローアップは四半期ごとに行
われますが、日常的なモニタリングをリスク管理ユニットが行う
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● ALM(リスクリターン運営方針)
ことで、機動性を高める仕組みとなっています。
UFJ グループでは、リスク管理の考え方を ALM(資産負債総合管
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理)へ活用する枠組みを整備しています。UFJ グループでは、ALM
信用リスク管理
UFJ グループでは、与信取引を行う上で発生する信用リスクの量
● 組織・体制
を制御し、リスク調整後の収益を極大化するため、適切な信用リ
UFJ グループでは、UFJ ホールディングス与信企画部がグループ
スク管理ならびに必要な体制整備を行っています。
全体の信用リスク管理を担当し、信用リスクのモニタリングを
● 信用リスク管理ルール
UFJ グループでは、UFJ ホールディングスにおいて信用リスク管
理の枠組みである「信用リスク管理規程」を定め、これに基づき
各傘下銀行において信用格付、カントリー格付、信用リスク計量
化、自己査定など信用リスク管理のための各種規程、基準、細則
などを定めています。
行っています。モニタリングの結果は、取締役会、グループ経営
委員会、リスク管理ユニット担当執行役員、リスク管理委員会に
対して、定期的に報告されています。
また、各傘下銀行においても同様のモニタリング体制のもと、信
用リスク管理を行っています。
● 与信運営
UFJ グループでは、ポートフォリオ管理を行うに当たり、特定の
取引相手先や業種、地域など、同種の与信が過度に集中するリス
クを排除するために、
「与信上限額」
「与信制限業種」
「国別与信枠」
を定め、信用リスクの分散化を図っています。
UFJ グループの信用リスク管理体制
UFJホールディングス
取締役会
信用リスク管理に関する事項の決定
グループ経営委員会
与信運営方針決裁
【各ビジネスユニット(BU)】
リスク管理ユニット担当執行役員
牽制
リスク管理委員会
BU長
モニタリング結果の報告
モニタリング
与信企画部
銀行
BU統括部署
銀行
銀行
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市場リスク管理
UFJ グループでは、総合金融サービスを提供するグループを構築
が毀損するリスクに対し、経営に向けて警告を発するため、傘下
する方針のもと、市場リスクを網羅的に把握し、整合性・一貫性
銀行ごとに政策目的保有株式などのパフォーマンスに警戒ライ
あるリスク管理体制の確立・運営をめざしています。
ン(マネジメント・アラート・リミット)を設定し、日次でモニタリ
ングを行っています。
● VAR(バリュー・アット・リスク)による管理
グループにおける市場リスクの共通尺度としては、保有期間1 日、
● 報告体制
片側信頼区間 99% にて算出される予想最大損失額(VAR)を用い
リスク量、パフォーマンス状況などのモニタリング結果は、組織
ています。また、VAR 手法を補完するための金利感応度分析、
上独立したリスク管理部署から、UFJ ホールディングスのリスク
市場急変時を想定したストレステスト、ALM についての期間損益
管理ユニット担当執行役員宛てに日次での報告が行われていま
*
シミュレーション・EAR(アーニング・アット・リスク) 計測など、
す。また、UFJ ホールディングスのリスク管理委員会においても、
多面的なリスク分析を実施しています。
市場リスク運営に関する審議を行うと同時に、UFJ グループとし
● 限度額設定とモニタリング
UFJ グループでは、市場業務から生じる市場リスクと発生しうる
不測の損失を、配分されたリスク資本の範囲内に制限するため
に、市場リスク量と損失額に限度額を設定し、管理を行っていま
す。また、翌期以降の業務運営に支障をきたす水準まで資本総額
ての対応策の展開・具体化を行うなど、プロアクティブなリスク
管理を実践しています。
* EAR(アーニング・アット・リスク)
一定の確率のもとで算出される、市場金利変動による期間損益の予想最大変
動幅のことです。
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資金流動性リスク管理
UFJ グループでは、適切な資金流動性管理を行うことがグループ
4段階のリスクフェーズに分類し、グループ傘下銀行は危機時対応
全体の健全経営の根幹と認識しており、決済リスク関連の資金流
を含めたリスクフェーズごとの管理方法を明確に定めています。
動性リスクも含めた、円貨・外貨の資金流動性リスクを総合的に
管理する体制を構築しています。
● 安定的な資金繰り運営
また、翌営業日の必要調達予定額などに定量的な限度額を設定す
● リスクフェーズごとの管理
ることにより、短期の資金調達への過度の依存を回避する一方で、
グループ共通のリスク管理枠組みとして、調達環境の状況をリスク
緊急時の資金調達手段として換金性の高い国債・米国債などを保
顕在化の蓋然性に応じて、
「平常時」
「懸念時」
「逼迫時」
「危機時」の
有するなど、資金繰りの円滑化と流動性の確保を図っています。
オペレーショナルリスク管理
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オペレーショナルリスクとは、
「不適切な内部手続き、人的要因、
● 計量化への取り組み
システムあるいは災害・犯罪などの外的要因から直接的または間
UFJ グループでは、事務リスク、システムリスクについて、過去
接的な損失が生じるリスク」をいいます。
に発生した事務上のミス、事故やシステム障害のデータに加え、
近年取り扱い業務・商品の多様化やシステム・ネットワーク化の
個々の事務、システムの特性、管理状況の評価結果に基づき想定
拡大などに伴い、金融機関におけるオペレーショナルリスク管理
した「シナリオ」を基に計量化を行う手法を構築中です。この手
の重要性が増し、2001 年 1 月に公表された新たな BIS 自己資本
法では、現状評価により認識された脆弱な部分を改善すること
規制*案では、オペレーショナルリスクをこの対象とする方向性
で、リスクが未然に削減されると同時に、その対応策の効果を定
が示されています。
量的な形で判断することが可能となります。また計量化結果に
* BIS 規制:国際決済銀行
(BIS=Bank
for International Settlements)のバーゼル
基づき、各業務部門への資源配分を効率よく実施することがで
銀行監督委員会が公表する、国際的に活動を行う銀行に適用される自己資本
きるようになります。
規制の指針のことです。
● オペレーショナルリスクの範囲
● グループ各社へのリスクモニタリング
UFJ グループでは、このオペレーショナルリスクを事務リスク、
主要なグループ各社における事務事故およびシステム障害の発
システムリスク、レピュテーショナルリスクのほか、有能な人材
生状況については、四半期ごとに UFJ ホールディングスの取締役
の流出や職員のモラールの低下を主な要因とする「人的リスク」、
会およびリスク管理委員会に報告を行っています。また、グルー
災害などを主な要因とする「有形資産リスク」、法律や制度の変更
プ各社における業務内容、および事務、システムの管理状況など
を主な要因とする「規制・制度変更リスク」という新たなリスクカ
を共通の尺度に基づき把握する作業を進めています。この調査、
テゴリーとして認識し、総合リスク管理部が中心となり、これら
分析結果を基に、UFJ グループ全体でより一貫性あるリスク管理
リスクを適切に管理・コントロールしていくための規程をはじめ、
体制構築をめざしていきます。
組織・体制の整備・高度化に向けた取り組みを推進しています。
レピュテーショナルリスク管理
UFJ ホールディングスおよび各傘下銀行において、
「レピュテーシ
ュアルなどを活用したグループ内の各組織への周知徹底策を実
ョナルリスク管理規程」を制定し、グループのレピュテーショナ
施し、情報を UFJ ホールディングス広報部で一括管理する体制を
ルリスク管理のルールとしています。レピュテーショナルリスク
構築しています。
に関する情報の早期発見・早期修復を徹底するために、広報マニ
UFJ グループのコンプライアンスへの取り組み
● コンプライアンスに対する考え方
● コンプライアンス実現のために
UFJ グループの経営ビジョン「社会の信頼に応え、お客さまとと
UFJ グループ各社では、どういう体制でどのようにコンプライア
もに成長する、革新的な金融グループでありたい」を実現してい
ンスの徹底を図るかなどの、コンプライアンスを実現するため
くためには、まず、金融機関のもつ公共性の高さを十分認識し、
の具体的な行動計画を示した「コンプライアンス・プログラム」
その社会的責任を果たすことが必要です。
を策定しています。プログラムの進捗状況・実施状況は、取締役
UFJ グループでは、
「コンプライアンス」を、法令のみならず社内
会でフォローアップ・評価しています。
ルールや社会規範をも含めた「社会的規範の遵守」ととらえ、そ
また、UFJ グループとしてコンプライアンスを実現していくため
の徹底に取り組むことで、社会の信頼に応えていくとともに、
「公
の基本的な手引書として、グループ全員が知っておくべき共通ル
正で透明性の高い金融グループである」という評価を得ていきた
ールを記載した「コンプライアンス・マニュアル<共通編>」を
いと考えています。
制定しています。
● コンプライアンス基本方針
●「法務リスク」の管理
UFJ グループでは次のようなコンプライアンス基本方針を定め
UFJ グループでは、法律的な検討が不十分なために発生する損害
ています。
や利益の逸失の可能性を極小化するために、文書検討制度や法
務相談などの予防法務や、訴訟・和解などの治療法務を通して、
コンプライアンス基本方針
「法務リスク」を管理しています。
UFJ グループの経営ビジョンを実現していくために、このコ
具体的には、UFJ グループ内各社の業務に関して発生する法律上
ンプライアンス基本方針を遵守し、常に“Open & Fair”
(公
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の問題については、各社の法務担当部署が適切な解決を図る
明正大)の精神に基づいた行動をします。
一方、コーポレート・ガバナンスやグループ経営全体に係わる法
1. 金融機関のもつ社会的責任と公共的使命の重みを常に
認識し、健全かつ適切な業務運営を通じて、揺るぎない
社会からの信頼の確立を図ります。
2. 正確な経営情報の積極的かつ公正な開示をはじめとして、
広く社会とのコミュニケーションを図り、社会に評価さ
れる透明な経営に徹します。
3. あらゆる法令やルールを厳格に遵守し、社会規範にもと
ることのない、誠実かつ公正な企業活動を遂行します。
4. 国際社会に通用する高い倫理観を備えた良き企業市民と
しての使命感をもち、内外の経済・社会の発展に貢献し
ます。
5. 市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力へは
断固とした姿勢で対応し、決して妥協しません。
コンプライアンス実践のための共通理念
“Open & Fair”
(公明正大)
務リスクをもたらす可能性のある問題については、UFJ ホールデ
ィングスコンプライアンス統括部法務室が弁護士などの専門家
と密接に連携しながら、紛争の予防やグループ各社へのアドバイ
スを行っています。また、法令の改廃などの情報について法務室
で収集、分析を行い、UFJ グループ全体で常に法令に遵った適切
な業務運営が行われるよう努めています。
さらに、法務室は、持株会社自体に係わる「法務リスク」管理に
ついても、文書検討制度や法務相談業務を通じて適法性および
所期の法律効果確保のための助言を行い、また必要に応じて専
門家の意見を聴取するなどしてリスクの低減を図っています。
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の
取
り
組
み
UFJ グループ内部監査体制
● 内部監査の目的
UFJ グループでは、「内部監査」はリスク管理体制も含めた「内部管理体制」の適切性・有効性等を
検証・評価し、経営(ガバナンス・マネジメント双方)に報告・提言していく機能であり、マネジ
メントにおける最重要事項のひとつと位置付けています。
グループ内部監査基本規程を制定し、その中で「・・・内部監査部門が独立した立場で検証・評価
するプロセスを通じて、UFJ グループの経営の健全性・公正性の確保に寄与し、もって顧客及び
市場からの信認を高め、企業価値の極大化に資することを目的とする。」と銘記し、グループ内
で明示、徹底しています。
● グループ内部監査体制の確立
持株会社である UFJ ホールディングスの設立に伴い、グループ全体の内部監査機能を統括するた
めに内部監査部を設置しました。また、取締役会の下部委員会として、リスク管理を含めた内部
管理およびコンプライアンスの状況を監視するために、持株会社に「グループ監査委員会」、
各傘下銀行に「業務監視委員会」を設置・整備しました。これにより、内部監査結果のうち重要
な事項等については、マネジメントに加えて各委員会へも報告するなど、ガバナンス機能の充実
を含めたグループ内部監査体制が強化されています。
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また、海外拠点においても実行性のある内部監査体制を確保する観点から、ロンドン、シンガ
ポール、香港およびニューヨークの各拠点に、傘下銀行の内部監査部門直轄の組織を設置して
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査
体
制
います。
● 内部監査業務の高度化推進
現在、内部監査部門では、適切なリスク評価に基づいた内部監査の実施、つまり、被監査部門が
かかえるリスクの種類・程度に応じて、頻度および深度等に配慮した効率的かつ実効性のある
内部監査の実施に努めるなど、内部監査業務の高度化に取り組んでいます。
また、市場取引、情報技術等の専門的かつ高度な監査ノウハウや知識が要求される分野において
内部監査を確実に実施するために、各傘下銀行の内部監査部門には専門チームを設置してい
ます。
株主総会
弁護士等
UFJホールディングス
取締役会
︻
マ
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ン
ト
︼
監査役会
社長
グループ監査委員会
報告
執行役員
執行役員
執行役員
執行役員
各部
コンプライアンス統括部
内部監査部
各部
取締役兼務者
を含む
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部
監
査
体
制
非執行取締役として派遣
株主総会
弁護士等
傘下銀行(基本型)
取締役会
監査役会
頭取・社長
︻
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
︼
業務監視委員会
報告
執行役員
執行役員
執行役員
執行役員
各部
コンプライアンス担当部
内部監査担当部
各部
取締役兼務者
を含む
社会貢献活動について
UFJ グループでは、
「社会の信頼に応え、お客さまとともに成長する、革新的な金融グループでありたい」を経営ビジョン
に掲げ、傘下の三和銀行、東海銀行、東洋信託銀行を通して、次のような社会貢献活動を行っています。
三和銀行
サンワみどり基金
みどりを増やし、明るい街づくりを進めている「(財)サンワみどり基金」は 1971 年の設立以来、
学校、公園、老人ホームなど約 13,400 ヵ所に 85 万本を超える植樹を行ってきました。近年では、
河川流域の緑化、里山保全、学校ビオトープづくりにも力を入れています。また、
「みどりの絵」
児童画コンクールの主催や、大学向け寄付講座「環境概論」の開設など、積極的な環境教育事業
を行っています。このほか、1997 年に基金創立 25 周年記念事業として着手したサンワみどり
基金「水源の森」事業では、水源の涵養を図るとともに、市民や児童を対象に自然ふれあい学習
の場を提供し、自然環境の保全、森林文化思想の普及・実践に努めています。今後も「地球規模
で考え、足元から行動」をモットーに、緑ゆたかな生活環境づくりをめざして、地道な活動を続け
ていきます。
三和ベンチャー育成基金
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社
会
貢
献
活
動
「(財)三和ベンチャー育成基金」は、技術指向型の中小企業(ベンチャー企業)の総合的育成を通
じわが国経済の一層の発展に寄与することを目的に、1983 年 12 月に設立されました。以来、新
技術・新製品などの研究開発に対する助成金の交付(累計 159 件/ 5 億 4000 万円)、事業化資金
の借入れに対する債務保証(累計 216 件/ 66 億 7,900 万円)を中心に、コンサルティング、講演
会、セミナーの開催などのさまざまな支援活動を行っています。ベンチャー企業や新規事業育成
支援の重要性がクローズアップされている今日、より一層の社会貢献を進めていきます。
三和国際基金
1983 年 12 月に設立された「(財)三和国際基金」は、教育や文化活動を通じ、諸外国との交流を促
進する事業に従事しています。
「育英奨学金の支給」
「研究助成」
「国際交流助成」の 3 分野で助成事
業を行い、特にアジアの人材育成を支援する「奨学金事業」では、アジア諸国向け奨学金制度の
パイオニア的役割を果たしてきました。過去 17 年間の奨学生総数は、4,743 名に上ります。ま
た、
「研究助成事業」では、日本関係の専門家の育成を支援し、これまで助成した欧米豪などの 134
名の若手研究者は、日本関係のスペシャリストとして学界や政財界で活躍中です。今後とも海外
での人材育成事業を支援していきます。
ロン=ティボー国際音楽コンクール ガラ・コンサート
世界 4 大コンクールのひとつに数えられるロン=ティボー国際音楽コンクールの優勝者・入賞者
を招き讃える「三和銀行スペシャル ロン=ティボー国際音楽コンクール ガラ・コンサート」は、今
年で 12 回目を迎えました。当行は「若き音楽家たちを世界の舞台に送り出す」というロン=ティ
ボー国際音楽コンクールの趣旨に賛同し、国際交流・文化活動の一環としてコンサート開催当初
より参画し支援を続けています。
東海銀行
UNHCR 活動への支援
東海銀行は、お客さまからお預かりした普通預金の利息の一部を自動的に UNHCR *に寄付でき
る「国際 愛の口座」や直接寄付できる「国際 愛の送金サービス」の取り扱いを行っています。
1991 年 6 月にスタートしてから、19 回におよぶ寄付金総額は約 1 億 8,600 万円**にのぼり、世界
の難民救済に役立てられています。
*
国連難民高等弁務官事務所(The Office of the United Nations High Commissioner for Refugees [UNHCR])
スイス・ジュネーブに本部を置く国連機関。人道的かつ非政治的な活動を基本に、難民の命を守るため、各国政府や
民間援助団体と協力して難民が自活の道を進むための保護と援助を行っています。第 8 代国連難民高等弁務官には
緒方貞子さんが就任されていました。
Photo: UNHCR/T.Bolstad
**
寄付金総額には、お客さまからの寄付金と東海銀行自身の寄付金を含みます。
東海銀行シンフォニア
音楽を通して地域文化の発展に貢献したいと考え、1984 年 9 月からオリジナルクラッシックコ
ンサート「東海銀行シンフォニア」を開催しています。地域の皆さまに、より身近にクラッシック
音楽を鑑賞していただこうという目的で始まった本コンサートも、17 年、通算 50 公演を数え多
くの方々にお楽しみいただいています。
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東海銀行貨幣資料館
1961 年に開館した東海銀行貨幣資料館は、世界各国の珍しい貨幣約 1 万点を関係資料とともに
体系的に展示し、民間では随一のコレクションと高い評価を受けています。なかでも豊臣秀吉が
作らせた現存 3 枚の「天正沢瀉(おもだか)大判」や、世界最古の中国の貝貨、古代ギリシャ・ロー
マの金銀貨などは、「お金の歴史」を伝える貴重な資料として来館者の注目を集めています。また
「東海」の行名にちなみ、歌川廣重「東海道53 次」の浮世絵類を所蔵・展示しています。
東海財団
開館時間 :平日 9:00 ∼ 16:00
休 館 日 :銀行休業日
1975 年 5 月に設立された「(財)東海財団」は、快適で健全な自然・生活・文化環境の整備・
入 館 料 :無料
向上を目的として幅広い活動を行っています。主な事業実績としては、名古屋市東山植物園「東海
所 在 地 :〒 460-8660 愛知県名古屋市
の森」の建設・寄贈、
「東海自然歩道」の案内板・道標板の設置など、地域に根ざした施設・設備の
中区錦 3-20-27
(東海銀行本店北側)
電 話 :052-211-1111(代)
整備支援活動のほか、
「東海の自然史」
「中部の山々」といった各種ガイドブックの発行・寄贈を
通した自然保護啓蒙事業があげられます。
東海銀行国際財団
1983 年 9 月に設立された「(財)東海銀行国際財団」では、国際交流に貢献するための諸事業を
実施しています。当財団では、日本研究に関心を持つ留学生の受け入れ、
「各国の子供の描いた
絵」絵画展の開催、日本の国際化についての講演会やシンポジウムの開催・助成といった活動を
通して、日本と海外の文化交流促進に努めています。
社
会
貢
献
活
動
東洋信託銀行
公益信託
公益信託は、奨学金の給付、学術研究者の研究費助成、文化活動や福祉事業の援助などの公益目
的のために、法人や個人の篤志家が財産を信託し、受託者である信託銀行が助成事業を遂行す
る制度です。
東洋信託銀行は、公益信託の制度発足のコンサルテーションから、主務官庁への設定認可申請、
財産の運用・管理、公益目的に沿った助成活動の執行まで、一貫して事業運営を行います。
特定贈与信託
特別障害者(重度心身障害者)の生活安定に資する目的で、親族や篤志家など個人の方々が信託
した財産を東洋信託銀行が運用・管理して、特別障害者の生活費や医療費に充てる資金を定期的
にお支払いする制度です。
特定贈与信託を利用すると、特別障害者が取得する信託受益権の価額のうち 6,000 万円までの金
額に相当する部分については、贈与税が非課税となります。
特別障害者
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社
会
貢
献
活
動
定期的
金銭の交付
金銭・有価証券等の信託
(特別障害者扶養信託契約)
東洋信託銀行
贈与者
特別障害者の親族、
篤志家などの個人
他益信託引受調書
信託に関する計算書
納税地所轄
税務署長
障害者非課税
信託申告書
東洋信託文化財団
1989 年 11 月、東洋信託銀行は創業 30 周年を記念して、地域における音楽、演劇、伝統芸能、
美術展等の芸術活動の支援・助成を目的とする「(財)東洋信託文化財団」を設立しました。
東洋信託銀行は、この財団を通じて、わが国の地域文化の振興のために少しでもお役に立ちたい
と念願しています。設立以来の助成実績の累計は、550 団体、3 億 5,200 万円となりました。