楽しいフィールドワーク新美術館散歩 金沢美の華 風格ある百万国の文化

楽しいフィールドワーク
新美術館散歩
金沢美の華
風格ある加賀百万石の文化
過去から未来に向けて
2007.7.14~16
平成19年8月1日制作
竹本 弘子
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金沢百万石文化の研修
金沢城を中心に
文化施設配置
藩政期の屋敷町
長町武家屋敷跡
金沢
藩政期の町
伝統芸能と
伝統工芸融合
古都金沢
代表する町
主計町界隈
郊外の
文化施設
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金沢城を中心に文化施設配置
兼六園
金沢21世紀美術館
石川門
石川県立美術館
金沢城公園 金沢能楽美術館
成巽閣
石川近代文学館
歴史博物館
テーマの異なる美術関連施設は資源の集積がはかられる。
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兼六園
県立美術館
歴史博物館
金沢城公園
能楽美術館
21世紀美術館
金沢近代文学館
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兼六園
兼六園
日本三名園の一つ。林泉回遊式大庭園。
宏大、幽すい、人力、蒼古、水泉、眺望
の六勝を兼備することから「兼六園」と命名。
1822年12代藩主斉広(なりなが)隠居所
を完成。
金沢市は世界遺産登録を目指す
兼六園のシンボル 徽軫灯籠
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兼六園114,400平方m、
8000本の樹木、池や山
のある起伏に富む四季
折々美しい。海抜53m
にありながら豊富な水量
は卓越した用水技術によ
る。左)唐崎松(近江の
唐崎から種を取り寄せ育
てた)冬の雪吊り風景は
見事。
日本最古の噴水
霞ケ池から水を引いており、高低
差を利用した自然の水圧で吹
き上がる。水の高さは3.5m。
霞ケ池の水量により水の高さが変
わる。
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金沢城公園
1583年(天正11
年)藩祖前田利家が入城
以来,前田家歴代藩士の
居城。約300年繁栄し
た加賀藩の拠点。
前田家は外様大名。3代
藩主は、幕府の警戒を解
き、安泰を図るべく、武
力増強から文化振興へと
施政を転換する。
石川門
菱櫓・五十間長屋
五十間長屋は,橋爪門
続櫓と菱櫓を結ぶ2階
建ての長屋で、武器庫。
木組みには釘を使わな
い伝統技法と巧みの技、
200年前の加賀百万石の
威容を今に忠実に復元。
明治以降の木造城郭建
築としてはわが国最大
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級。
成巽閣
13代藩主・前田斉泰が、母のために建てた邸宅。
一階は書院造で二階は数奇屋造、江戸時代末期の大名屋敷の代表的建築、
国の重要文化財に指定。また付随する庭園「飛鶴庭」も、国の名勝に指定。内部は歴
史博物館として、書画、人形等の展示が季節ごとに行われる。
赤門 兼六園及び御城への通用門
謁見の間
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金沢21世紀美術館
• 2004年10月9日にオープンした新
しい金沢の名所。06.8月250万人突破。
• 現代の多様な表現作品を展示。
• 展示作品には、触れる・遊べるアート
作品もあり、これまで美術館に行った
ことがない人でも楽しめる新感覚
ミュージアムです。
日比野克彦 《「明後日(あさって)朝顔プロジェ
クト21」完成イメージ》 2007年
不思議なプール
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金沢21世紀美術館
ロゴマーク
設計:建築ユニットSANNA
(妹島和世・西沢立衛)
2005年度グットデザイン金賞
2006建築学会賞受賞
ヴェネチア ビエンナーレ金獅子賞
受賞
各展示室は白い壁面の空間(ホワイトキューブ)、直径113mの円形の建物。
個々の展示室はそれぞれ独立した立方体として円形の館内に配置。
入り口は地上に4ヶ所。
展示室を独立させて配置し、天井と円形のガラスの外壁とで覆っている。
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まちに開かれた公園のような美術館
市民参画交流型の美術館・
こどもたちとともに、成長する美術館
古都金沢で「過去」と「未来」が出会う
植子
えど
たも
朝た
顔ち
の
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特別展
我が文明 グレイソン・ペリー展
特別展入り口
何がいやなのか?
アーティストのガウン
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グレイソン・ペリー展
巨大な壺に描かれたブランド・ロゴ。
社会問題や暴力の場面。
女装癖を有するペリー自身の姿も作品に登場。
陶、彫刻、写真、版画、映像からキルトや
ドレスのデザインまで、ジャンルを超えた活動と
その強烈な表現内容。
国際的な注目を集めるイギリス人作家の日本初
の個展。
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石川県立美術館
常設展示場では加賀藩・前田家に
代々伝わった所蔵品や石川県ゆ
かりの作家の作品が展示。
石川県の伝統的な芸術的個性を生か
した地方色豊かな美術館とし、美術
文化活動の中枢的役割を果たし、生
涯学習、県民の憩いの場とする。
右 国宝
色絵雉香炉
野々村仁清
江戸 17C
左 重要文化財
色絵雌雉香炉
野々村仁清
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江戸 17C
江戸時代以前の古美術品を展示。
古九谷・再興九谷・加賀蒔絵・
加賀象嵌などの加賀の工芸やお
茶道具、能面、能装束、絵画な
ど、幅広く作品を展示。
古九谷焼
石川県文化財 色絵鳳凰図平鉢 古九谷 17C
青手樹木図平鉢 古九谷 江戸17C
色絵鶴かるた文平鉢 古九谷 江戸17C
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お茶道具
加賀藩前田家に伝わる名品や貴
重な美術品は数多い。
湯茶は当時の大名たちにとって
高い文化性の象徴であり、前田
家も湯茶に精通していた。
飴釉赤茶碗 初代大樋長左衛門 17C
千家茶道を取り入れる。楽家より伝わる。
色絵梅花図平水差 野々村仁清 17C
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色絵雲錦手杯台 尾形乾山 18C
明治から現在までの、石川県にゆかりのある
作家の工芸作品
輪花「花器」
友禅訪問着
「あじさい」
十代大樋長左衛門
木村雨山
釉裏金彩泰山木文飾鉢
九谷焼 人間国宝 吉田美統
蓬莱の棚
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漆芸界の巨匠 人間国宝 松田権六
金沢能楽美術館
能の基礎知識や加賀宝生の歴史の説明
金沢能楽堂復元模型の説明
加賀宝生子ども塾
向こうに金沢21世紀美術館
金沢素囃子子ども塾
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能装束や能面、
楽器に触れな
がら、能楽を
体験する。
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藩政期の屋敷町
長町武家屋敷跡
小路に薄茶色の土塀を巡
らせた光景は城下町風景
が漂い、今尚、藩政期
の面影を色濃く残す。
この界隈は,かつて高禄
の武士たちが住まいを構
えた。
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長町武家
屋敷跡
大野庄用水
大野庄用水は、天正
年間に造られ、金沢
城築城の際、建材の
運搬にも使用された。
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おみやげ処
長町にある鏑木商舗
門構えの屋敷内では
九谷焼を販売している。
お食事どころもある。
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由 来 - 創始者、宮崎友禅斎の名前より
特 徴 - 模様の輪郭をなす防染のための糸目糊に
より、染上り後に現れる白い繊細な線
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古都金沢を代表する町
主計町、尾張町
泉鏡花記念館
金沢蓄音機館
菓子文化会館
大樋美術館
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泉鏡花記念館
鏡花が幼少時代の生家跡に建つ。
滝の白糸像
展示風景
泉鏡花の出世作「義血
侠血」のヒロイン・滝
の白糸の姿をかたどっ
た像が浅野川中程の河
畔にひっそりとたたず
んでいます。
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泉鏡花
徳田秋声・室生犀星と共に金沢三文豪
明治半ばから創作活動を
始め、大正、昭和にかけ
て、多くの作品を生み出
した。天才とも謳われる
ようになった。
「高野聖」「婦系図」
「歌行燈」
「日本橋」「天守物語」
「義血侠血」
など舞台や映画でも愛さ
れている。
鏡花をとりまく女性たち
1873年(明治6年)
0歳 鏡花は泉家長男として生まれる。父は彫金師、
母は江戸下谷生まれ、大鼓師の娘。
1882年(明治15年) 9歳 母死去。享年28歳。
1890年(明治23年)17歳 尾崎紅葉の作品を読み、小説家を志し、上京。
1939年(昭和14年)66歳 死去。
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1.蓄音機から広がる音楽やイベントに集う
2.蓄音機の音を楽しむ
3.蓄音機の世界に誘う
建物の入り口
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蓄音機コレクションを展示。
エジソンが発明したラッパ型蓄
音機をはじめ540台収蔵。
SP・LPレコード3万枚所有。
解説を聞きながら音楽を
聴かせてもらう。
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石川の菓子文化
石川県菓子文化会館・
愛菓
長生殿は日本三銘菓の一
つ。徳島の和三盆と餅米から
森八本店
できた清粉を使った落雁。上
品な甘さで口に含んだ瞬間に
ふわりと溶ける。
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菓子文化ミュージアム 愛菓
石川県菓子工業組合 菓子文化会館
工芸菓子
諸江屋
姉妹都市ナンシーの作品
四季の菓子(夏)
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嘉永2年(1849)創業の老舗落
町並み 尾張町/橋場町
市内で一番情緒のある町
大樋美術館
十代・大樋長左衛門の
自宅。
尾張町の薬屋
尾張町の町屋で見られる明かりとりの窓
百万石通り
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藩政期の町
伝統芸能・ひがし茶屋町
伝統工芸融合
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ひがし茶屋街
卯辰山周辺
藩政時代後期の文政3年(1820)、加賀藩は点在するお茶屋を城下の西と東に集め
て茶屋街を形成。現在も粋な紳士の社交場として、また、伝統芸継承の場として芸妓
の格式と伝統を誇る街である。細くこまかい縦格子窓が続く古風な街。ベンガラ格子
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に赤い色が残る。中からは表通りがよく見える。
「芸どころ金沢」
遊びといっても、琴、三弦、舞、謡曲、茶の湯
から、和歌、俳諧に及ぶものであり、巾広く高い
技能と教養が要求され「芸どころ金沢」の礎と
なった。
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ひがし茶屋街「伝統的建造物群保存地区」
遊興の贅沢空間
茶屋建築の粋
お茶屋さんは一見さんはお断りだが、見学できる家もある。
芸を披露する控えの間付きの座敷や漆塗りの建具など、町家
とは違う遊興主体の贅沢で独特の造りは興味深い。
「志摩」(国の指定重要文化財)
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金沢
ステンドグラ
ス
美術館
礼拝堂には、19世紀に制作されたステンドグラスが展示されている。
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芸術と自然との融合
ウイリアム・モリス
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教会の礼拝堂
•金沢モリス教会に併設の美術館。教会の礼拝堂などに施された19世紀
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のイギリス、ドイツ等のステンドグラスが鑑賞できる。日光がステンド
グラスを透して差し込み、独特の美しい光が広がる幻想的な空間。
夕日を浴びて輝くステンドグラス
ウイリアム・モリス
アーツ・アンド・ク
ラフト運動の創始者
アーツ&クラフト運動の創始者として知られる
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ウィリアム・モリスがデザインしたステンドグラス
金沢市立安江金箔工芸館
奈良正倉院の校倉づくりを模した本館
正面
貝合わせ「花によせて」
金箔打ち立て師であった故安江孝明氏が
「金箔職人の誇りとその証」を
後世に残したいと、私財を投じて工芸館を
建設。同氏が生涯をかけて収集した美術工
芸品や金箔製造道具を一般に公開展示
した。
九重箔雲模様屏風
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金沢箔
• 全国の金箔生産量の98%以上は
金沢で生産。
• その金箔の製造工程の説明や、
金箔を使用した美術工芸品展示
金箔入りのお茶を戴く
10円硬貨大の金は畳一枚に延ばされる
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郊外の
文化施設
哲学する町
かほく市
西田幾多郎記念哲学館
安藤忠雄設計
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哲
学
の
は
じ
ま
り
見
る
。
行
う
。
考
え
る
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西田幾多郎記念哲学館
ここは“心のオアシス”
哲学を身近に、わかりやすく学べ
展示室1哲学へのいざない
展示室2西田幾多郎の世界
展示室3西田幾多郎の書
空の庭(思索の空間)44
『善の研究』の初版本
西田博士の書斎(寸心園)
ふるさと偉人絵本館
西田幾多郎
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金沢の伝統文化・芸能の融合
~伝統工芸~
九谷焼き・大樋焼
金沢箔
加賀友禅
加賀象嵌
金沢漆器
加賀刺繍
加賀毛針
~伝統芸能~
加賀宝生
狂言
金沢素囃子
茶道
加賀万歳
加賀とびはしご登り
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総合芸術 茶の湯
茶の湯釜
お菓子
大樋焼茶碗(大樋一平 造)
大樋焼き、中村長阿弥の作
茶ぶくさ
鳳尾竹香合(要)
茶花
二俣和紙
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生活に溶け込む九谷焼
ジャパンクタニ
九谷焼 錦山窯
極上間取山水大花瓶
置物九谷焼白盛獅子
九谷焼金箔彩茶器
紺地さくらマグカップ
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講座の研修で味わった金沢の食
長屋武家屋敷街の喫茶店(抹茶)
船員厚生食堂の海鮮丼
近江町市場
創作懐石
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石川の風土が生む金沢の食文化
加賀料理の由来
日本屈指の自然が豊富な食材の宝庫
厳しい寒さが旨い食材を育む
雪国ならではの生活の知恵が個性的な珍味を作る
御膳と庭
「およばれ」にはじまる饗応の精神
食事を楽しむための空間を作る庭
百万石と器
輪島塗・九谷焼
山中漆器
海からの文化
北陸にニシンや昆布をもたらした北前船
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「北前船の里資料館」より
感想
加賀藩では多くの伝統工芸・芸能が育成され発展し、現代まで継
承され、未来へと繋ぐ努力をしている。
百万石を彩る伝統工芸・芸能
文化(人材)の発掘・移入→練成→ 発展→ 継承
例 茶道具(京都楽焼→ 大樋焼→ 新製品の開発)
九谷焼→ 金箔の模様入九谷焼(吉田美統) → 鑑賞用・日常雑器
金春流→ 加賀宝生流(美術工芸家に小道具制作依頼)
神事能→ 勧進能→ 武家能→ 町人能→ 金沢能楽会の月並能
海外公演・中学生観能教室・子供謡・狂言教室・薪能
活気のある街、老若男女に愛される街、古さの中に新しさを
無理なく組合せた街作りのプランニングが上手い。
。
金沢滞在中に中越沖地震が発生、
非常に印象深い研修旅行でした
「芸術」と「自然」について
廣渡教授の座学
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おわり
ご覧下さいまして
有難うございました
鏑木商舗 玄関
曲 蒼風
上妻宏光
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