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KYOSAN
ENVIRONMENTAL
REPORT 2016
環境報告書
2016
Kyosan Electric Mfg. Co., Ltd.
Contents
報告にあたっての基本的要件、企業理念
P02
経営者の緒言、環境方針
P03
事業概要
P04
報告にあたっての基本的要件
報告対象範囲
環境報告の概要
株式会社京三製作所(本社・工場)
環境マネジメントシステム
環境目標と実績、環境会計
P06
マテリアルバランス
P07
環境配慮製品
P08
グリーン調達、事業活動に伴う環境負荷低減
P10
社会貢献活動
P12
な お 、一 部 の 取り 組 み に つ いて は 、グル ープ 会 社を 含 んで お り
ま す。
報告対象期間
2 015 年度(2 015 年 4月∼2 016 年 3月)を対 象としていますが、
一 部同期間の前 後の取り組みも含んでおります。
報告方針
当報告書は、株式会社京三製作所の環境や社会貢献への取り組みに
関する情報を開示し、ステークホルダーの皆様とのコミュニケーション
特集
を図るため、環境省の「環境報告ガイドライン(2012年版)」から
仙石線 全線復旧に貢献
P14
報告すべき重要な項目を選択して作成しております。
情報化促進貢献により国土交通大臣より表彰
P16
公表媒体
モスクワで実証事業に参加
P18
当報告書は、ホームページに掲載しております。
企業理念
KYOSAN New Vision- 100
安 全と安 心 を 創 造し 、進 化 させ ていく信 頼 の 企 業
“信頼度ナンバーワン KYOSAN”
われわれは、高い志と豊かなビジョンの下で、人と地球を大事にしながら社会の「安全性」ならびに
「快適性」の向上に寄与するとともに「先進の技術」と「高い品質」を通じて安全と安心を創造し、
進化させ、お客様の満足と信頼を揺るぎないものとして着実に成長する企業を目ざします。
……信頼度ナンバーワン・京三製作所
企業の活力は「人 」が 行動し、挑 戦すること
により生み出されます。われ われは「誠 実さと
Code of conduct
Action agenda
高い 倫理 観 」ならびに「 強い責任 感と当事 者
行動規範
行動指針
誠実さと高い倫理観
アイディアとチャレンジ
そして「スピードと継続性」が良質で効果的な
強い責任感と当事者意識
スピードと継続性
行動を生みだすことを念頭に置き、アクティブで
意識」を背景として、「アイディアとチャレンジ」
躾 の良い 企 業 文化 を 形 成 する「しな や かで、
たくましい企 業 」を目ざします。
02
経営者の緒言
「環境報告書 2016」を発行するにあたり、ご挨拶申し上げます。
2015 年は、国際社会が協調して地球温暖化問題に取り組む枠組みとなるパリ協定が採択されたほか、10 年ぶりに環境
マネジメントシステム規格 ISO14001が改定されるなど、環境配慮への取り組みがますます進展しています。
当社を含め、事業者の自主的な環境に配慮した新技術の開発や製品・サービスの提供が不可欠といえます。
当社が提供する製品は、人々が活動する上で不可欠な交通インフラを支えています。列車制御装置や運行管理装置に代表
される鉄道信号システムは、安全で効率のよい列車運行に貢献し、道 路 交通信号システムは、交通渋滞の緩和によって
自動車の燃料消費量やCO 2 排出量の低減に寄与しています。
また、電力変換システムにつきましても、より高効率でロバストな電源を提供することで、半導体製造装置をはじめとした
生産設備の電力消費を抑え、環境に配慮した生産システム構築の一助となっています。
当社は前年度に引き続き、「環境方針」に基づいて事業活動を推進してまいりました。
この報告書を通じて、事業活動により発生する環境負荷の計測、それらの負荷を低 減
するための目標とその達成に向けた取り組み、サプライチェーンにおけるグリーン調達の
推進、そして地域社会への貢献活動などについて報告し、ステークホルダーの皆様に
当社の環境配慮への取り組みをご理解いただければ幸いです。
中期事業計画について
当社は、人と地球に優しい社会の実現に貢献する事業活動を継続・発展
させることのできる逞しい企業であり続けるため、
「グローバル化に対応
するスピードと実行力あるマネジメントへの変革」を基本方針に加えた
中期事業計画(2015-2017年度)を策定し、推進しています。
従前より取り組んでいる「総合技術力の強化」により、当社の強み
技術である
“Safety+Eco-Initiative”
と
“Availability”に、技術を
グローバルに広げる”Transferability(技術移転力)”を加え、
「人と地球社会に優しい」製品の開発・提供を通じて世界の
人々のお役に立てるよう、事業活動を進めてまいります。
代表取締役
COO
社長執行役員
戸子台 努
◆ 環境 方 針
基本 理念
株式会社京三製作所は、社会の快適性向上に寄与し、鉄道信号保安装置、道路交通信号装置、電力変換装置など顧客の要望する製品
の開発、製造およびサービスを通じて、社会の繁栄と発展の基盤となる地球環境を健全に次世代へ引き継ぐことの重要性を認識し、
環境への調和および環境保全に配慮した事業活動を推進します。
基本方針
(1)環境保全への取り組みを経営の最重要課題の一つと位置づけます。
(2)環境に関する法令、規制、協定および当社が同意するその他の要求事項を順守します。
(3)環境保全に関する目的・目標を技術的・経済的に可能な範囲で設定し、定期的な見直しを行います。
(4)当社が環境に与える影響を的確に把握し、環境保全に対する継続的改善および汚染の予防に努めます。
(5)事業活動を通じて、省資源、省エネルギー、廃棄物の削減、再利用・リサイクルを推進し、生物多様性を含む環境保全に努めます。
(6)この環境方針は、当社で働くすべての人々へ周知徹底し、取引先に対して理解と協力を要請すると共に、一般の人々にも公開します。
ENVIRONMENTAL REPORT 2016
03
事業概要
進化する「モノづくり」。技術の挑戦はエンドレス。
私たちはいつも“その先”を見つめています。
鉄道信号システム
新幹線
案内表示器
列車運行管理装置
当社の鉄道信号技術は、
“ 安全・高速・大量・快適”に進化する次世代交通システムの一翼を担い、高 度化する未来の
鉄道に向け、安全・安定輸送に貢献してまいりま す。また、プラットホームにおける安全を実現するためのホームドアに
代表されるホーム安全設備の更なる普及に貢献していきます。
04
交通管理システム
事故や渋滞のない安全で快適な交通
社会を目ざして、交通管制システムを
はじめ、交通信号端末機器、各種情報
表 示 装置など、交 通管 理システムを
総合的に開発・提供し、社会に貢献
しています。今日では「人に優しい」、
「環境に優しい」をキーワードに、
新しい交通環境を創るべく、新たな
課題にも取り組んでいます。
交通管制センター
信号灯器
電力変換システム
当 社 が 提 供 する電 源 装 置 は 安 定
した電 気 の 供 給 が 要 求 され る 鉄 道
信 号 シ ス テム 、交 通 管 理 シス テム 、
産 業 用電 源システムなど幅 広く活用
されています。中でもプラズマ発生用
で大きなシェアを誇るR F(高周波)
電源は液晶パネルやブルーレイディスク
などの 成 膜 装 置 に 数 多く採 用 され 、
生産効率を支えるキーパーツとなって
います。
産業用・通信用電源装置
海外事業
私 たちの「モノづくり」技 術は 、
グローバ ルマー ケットに お いても
実 証されています。世界の最先端に
ある日本の交通システム。その中心
で安全と信頼を支えている私たちの
信号技術や製品は、国際的にも高く
評価され、世界各国で不可欠なもの
となっています。
Sengkang-Punggol LRT (シンガポール)
ハルビン地下鉄1号線
環境エネルギー製品
当社は、環境負荷低 減を目ざした環境エネルギー製品の開発にも力を注いでいます。水素を
用いた燃料電池応用製品や、電力変換効率の高い電源装置などを開発、提供しております。
事業概要
水素燃料電池式非常用電源
ENVIRONMENTAL REPORT 2016
05
環境報告の概要
環境マネジメントシステム
環境マネジメントシステム(EMS)体制図
環境マネジメントシステム(EMS)の状 況
当社は、製品、サービスおよびすべての事業活動において、環境負荷を
低減し、環境保全を推進するための体制を整えています。環境マネジメント
システムの維持・管理を推進する中心的な組織として、社長が任命した環境
管理責任者を委員長とする全社ISO14001推進委員会があります。
全社 ISO14001 推進委員会
環境対策委員会
ISO14001
全社ワーキング
ISO14001の認証取得状 況
信号事業部
ISO14001
推進委員会
当社は、環境保全活動およびその継続的改善を推進しており、2002年
3月に環境マネジメントシステム規格であるISO14001の認証を取得しま
した。2015年は、12月に認証機関によるサーベイランス監査(定期監査)
を
受け、不適合なしで認証を継続しています。
ISO14001:2015改定対応
事業部ワーキング
2015年9月15日にISO14001が改定されましたが、当社では、2016年
10月から改定版での運用を開始する計画で進めています。2017年12月に
認証機関による移行監査を受け、改定版での認証を取得する予定です。
環境コンプライアンス
当社は、
「環境法令順守状況チェックリスト」を作成して環境法令の順守
状況を定期的に確認しています。
2015年度において問題はありませんでした。危険物や特別管理産業廃棄物
などは、社内規定を制定し適正に保管しています。
交通機器事業部
ISO14001
推進委員会
半導体機器事業部
ISO14001
推進委員会
事業部ワーキング
事業部ワーキング
サ イ ト
本社・工場
認証機関
テュフラインランドジャパ ン(株)
登録番号
01104000568
登 録 日
2002年3月
環境目標と実績
環 境目標の一 例と実績(2015年度)
目 標
省エネルギーのため
省資源のため
実績と自己評価
電力使用量削減
前年度比1%以上削減
3.1%削減
⃝
電力使用量ピーク設定
1時間当たり2,500kWを超えない
最大2,410kW
⃝
モーダルシフトおよび効率輸送を推進
CO2を41.58t以上削減
43.24t削減
⃝
木材使用量の削減
対象梱包用等木材使用量138t未満
使用量119.8t
○
汚染防止のため
大気中へのクロロホルム排出量の削減
試験1回当たり10%以上削減
排出量54%削減
⃝
環境負荷低減のため
音響式視覚障害者用付加装置の軽量化
30%以上の軽量化
70%の軽量化
⃝
環境会計
環 境保 全コスト
環境保全コストの分類
事業エリア内コスト
投資額
費用額
主な取り組みの内容
公害防止コスト
ー
84
地球環境保全コスト
8
0
資源循環コスト
ー
0
産業廃棄物処理費用
社有車の環境対応車両化
屋上緑化システム
管理活動コスト
ー
11
ISO14001関係の管理活動費用
研究開発コスト
ー
16
環境エネルギー分野に対応する研究開発費用
社会活動コスト
ー
ー
環境損傷対応コスト
計
ー
ー
8
112
環 境保 全 効果(2015年度)
費用削 減 効果
省エネルギーによる費用削減
廃棄物処理の費用削減
06
(単位:百万円)
30
1
物質削減 効果
CO2排出量
水使用量
335(t)
3,190(㎥)
マテリアルバランス
当社グループの事業活動では多岐にわたる資源が投入され、環境負荷として排出されています。
これらのデータを投入量(INPUT)と排出量(OUTPUT)に分けて表示し、収支を表したものがマテリアルバランスです。
本社・工場(関係会社含む)において、2015年度に投入されたエネルギー、水資源、廃棄物は次のとおりです。
木材使用量( t )
水使用量(㎥)
300
60,000
50,000
40,000
電気
7,667 千kWh
ガス
150, 850 m
3
(前年比 3.1%減) (前年比 3.5%減)
ガソリン・灯油
170ℓ
(前年比 8.1%減)
INPUT
44,771
39,225
267
262
219
200
36,035
30,000
100
20,000
10,000
0
2013 年
2014 年
0
2015 年
496
477
2014 年
2015 年
段ボール使用量( t )
緩衝材(発泡スチロール等)使用量(㎥)
500
2013 年
150
459
400
100
300
200
資源化率
91
92
89
2013 年
2014 年
2015 年
50
100
0
(リサイクル率)
94.9%
2013 年 2014 年
0
2015 年
本社・工場のエネルギー使用量
(CO2 排出量換算)
5,000
4,000
3,000
OUTPUT
2,000
一般・産業廃棄物
430t
(前年比16.3%減)
1,000
CO2
0
4, 216 t
2013年 2014年 2015年
電気 CO2 排出量
(t)
ガス CO2 排出量
(t)
ガソリン、灯油の合計 CO2 排出量
(t)
(前年比7.4%減)
2013 年 2014 年 2015 年
電気 CO2 排出量
(t)
4,000
4,193
3,871
ガス CO2 排出量
(t)
569
355
343
0
4,571
0
4,550
0
4,216
(t)
ガソリン、灯油の合計CO2 排出量
合 計
ENVIRONMENTAL REPORT 2016
環境報告の概要・マテリアルバランス
OUTPUT
07
環境配慮製品
仙台市地下鉄東西線 開業
仙台市地下鉄東西線は、宮城県仙台市の八木山動物公園駅∼荒井駅を
結ぶ全13駅13.9kmの地下鉄 路 線です。東日本大震災で工事が中断され
たものの、事業認可から13年(工事着工から8年)を経た2015年12月に
開業を果たしました。震災復興のシンボル的存在でもある同線の開業は、
道路 の 交 通 渋 滞 緩 和 や中 心 部 へのアクセス向上と、排気 ガスや C O 2 の
削 減に寄与しています。当社は電子連動装置・ATC装置・ATO装置・運行
管理装置・旅客案内装置・ホームドア等を納入し、貢献しています。
担当者からのコメント
仙台市に新たな地下鉄を建設するという大きなプロジェクトに携われたことを誇りに
思います。現場での各所の調整に苦労しましたが、無事に開業を迎え、仙台市内の道路
交通渋滞緩和と、旅客の安全に貢献することができました。今後も環境に優しい製品開発を
進めていきたいと考えています。
信号事業部 第3技術部 神永幹生
省電力化した
歩行者用交通信号灯器
経過時間表示付き歩行者用交通信号灯器は、歩行者の赤信号待ちのイライラ防止や、青信号
終わり間際での無理な横断の防止を図るため、赤信号と青信号の経過時間を目盛りで表示させる
信号灯器です。
他社の一般的な同様の製品は消費電力20W以下ですが、この製品は消費電力9Wを実現しま
した。より一層の低消費電力化を図るため、従来のLEDと同等の電力で約1.9倍の光度となる
超高輝度LEDを採用して、少ない電力で十分な明るさを持つLEDユニットを開発しました。
担当者からのコメント
LEDユニットと経過時間制御ユニット合わせて消費電力を10W以下にするという目標で
開発を行いました。光学特性を落とすことがないように注意しながら回路や構成部品を見直し、
目標を上回る低消費電力化を実現しました。
交通機器事業部 技術部 栗島佑典
08
電力変換効率を向上させた
新型RFジェネレータ
産業機器用電源装置の次世代ラインアップである、480V 13.56MHz3.5kW
RFジェネレータは、新型D級RFアンプを搭載し、電力変換効率90%以上を
達成しています。さらに、ファンレス化することで、エネルギー消費量および
CO 2 排出量を低減し、地 球 環境保護に配慮した製品を実現しました。また、
従 来 製品よりプリント基 板およびハーネスを削 減し、環 境 資 源保 護に貢 献
しています。
担当者からのコメント
この製品の開発にあたり、部品構成および 冷却方式を従 来よりもシンプルにすることで
低コスト化と小型化を実現することができました。また、フルデジタル制御に加え、出力補償
機能を搭載することにより、より安定した RF 電力の供給を実現しています。
今後も更なる環境負荷低減を目指し、お客様環境下でのご要望に応える製品を開発して
まいります。
半導体機器事業部 開発技術部 横山聡一
交通信号機用
水素燃料電池式電源付加装置
停電時に交差点の信号機を継続して稼働させる水素燃料電池式バックアップ電源を開発
しました。2015年11月より富山県警察本部殿のご協力をいただき、交差点でのフィールド
試験を実施しています。
水素燃料電池式バックアップ電源は、燃料として搭載している水素と大気中の酸素に
よって発電します。発電時に排出されるのは水だけであり、環境負荷が非常に少ない装置です。
担当者からのコメント
環境配慮製品
限られたスペースに、発電で生じる水がスムーズに流れるように部品と配管をレイアウト
するのに苦労しました。
今後も環境に優しい燃料電池を魅力ある製品にするために、開発を進めていきたいと考え
ています。
開発センター チーフ 堺 将人
ENVIRONMENTAL REPORT 2016
09
グリーン調達
当社では、環境保全における継続的な改善と汚染予防のため、電気・電子部品など市販品
および 仕 様を指 定した 資機 材 などについて、環 境 負荷 の 少ない原材 料や 部 品を調 達 する
“グリーン調達”を実施しています。
近年の取り組みとして「グリーン調達ガイドライン」にサプライヤーの環境への取り組みも
評価することを記載し、サプライヤーの環境マネジメントシステム取得を推進しています。
具体的には、サプライヤーに対してグリーン調達の実施状況などの調査を行って実態を把握
するとともに、ISO14001、エコアクション21、エコステージなど、それぞれのサプライヤー
に適した外部認証機関を紹介する活動や、相談窓口を設置して認証取得に関する問い合わせ
に対応するなど、サプライヤーによる環境配慮の取り組みを支援しています。
事業活動に伴う環境負荷低減
1. 地球環境に優しい輸送
当社は、地球環境に優しい鉄道貨物輸送を利用して製品出荷を進める取り組みを行っています。鉄道貨物による輸送は、CO2排出
量がトラック輸送の1/8となる環境に優しい輸送方法です。
当社のMCG-ME8F-B形踏切しゃ断機は、エコレールマーク商品の認定を受けています。これは、一定量を鉄道貨物輸送で出荷
したことが、環境負荷低減に貢献しているとして認められたものです。2012年に認定を取得し、2016年に2回目の更新(2年毎)を
迎えました。
この取り組みが評価され、2015年6月18日に公益社団法人鉄道貨物協会東京支部殿より、支部発展功労者として感謝状を
いただきました。
コンテナに 積み込まれた 踏 切しゃ断 機
また、2015年12月に開催された「エコプロダクツ2015」
にて、エコレールマーク認定商品としてMCG-ME8F-B形踏切
しゃ断機がパネル展示されました。
10
表彰式
2. 環境に配慮した梱包
1) リユース木枠
再利用できるリユース梱包 材で転てつ機、踏 切しゃ断機を梱包しています。梱包が容易で、現場での開梱も容易に行えます。
現在お客様のご協力により、踏切しゃ断機85%、転てつ機40%のリユース率を保っています。
2) 通い箱化
ユニット製品等の多量に何度も出荷される製品輸送においては、納入後にお客様のご協力を得て梱包材を回収し、再利用して
います。梱包材は、JIS規格等を考慮しながら最小限の緩衝材で衝撃を吸収させる最適な梱包を研究しています。
グリーン調達・事業活動に伴う環境負荷低減
3) リサイクルの取り組み
製品を保護する緩衝材を段ボールに接着すると、リサイクルできなくなります。
当社は、梱包方法を研究し接着剤を使用せずに組立式とすることで、廃棄時に
解体してリサイクル材として再利用できるようにしています。
ENVIRONMENTAL REPORT 2016
11
社会貢献活動
地域清掃への参加
「鶴見クリーンキャンペーン2015」
「千代田区一斉清掃の日」
「仙台中央地区秋のポイ捨て防止キャンペーン」
「大阪マラソン“クリーンUP”作戦」への参加
本社や支社支店等の各拠点にて、清掃活動を行いました。
辺
2 015 年6月8日 東 京 事 務 所 周
2 01 5 年6月3
0 日 /11月 17 日
本社工場周辺
2 015 年9月1 4 日 仙 台 駅 周 辺
2 015 年10月 21日 大 阪 支 社 周 辺
クールビズ、ウォームビズの実施
省エネル ギー 化を図るため、夏季 、冬 季 期 間中に お いてクールビズ、ウォームビズを実 施しました。期 間中は
冷 暖 房 の設 定 温 度を控 えめにし、当社に来社されるお 客 様にもご 理 解をいただきながら、社 員は温 度に合った
服装 で 業 務 に従 事しています。
使用済み切手の回収、寄贈
当社や、当社関係会社宛の郵送物に貼付されていた使用済み切手を回収し、福祉団体などへ寄贈する取り組みを
2010年から行っており、2016年3月までに財団法 人緑の地 球防 衛基金へ約18.7㎏(苗木224.4本分)を寄 贈
しました。
12
「打ち水プロジェクト2015」への参加
2015年8月7日(金)、東京サンケイビルで行われた「大手町・
丸の内・有楽町打ち水プロジェクト2015」に参加しました。今回で
4回目の参加となります。このプロジェクトは、近 年地 球温暖 化
問 題 の 大きな要 因となってい るヒートアイランド 現 象 の 対 策と
して、7∼8月に事業者や来街者に呼びかけて打ち水を行うイベント
です。
ベルマークの寄贈
ベ ルマーク収 集 活 動を2 013 年1月から行っています。
2015年10月16日(金)には、集まったベルマークを本社
工場近隣の小学 校に寄贈しました(2013年、2014年に
続き3回目)。寄 贈したベ ルマークは 、小 学 校 の 竹馬 や
一輪車などの購入に役立てられています。
「横浜マラソン2016」ボランティア活動
2016年3月13日(日)に「横浜マラソン2016」が開催されました。横浜
マラソンは「スポーツ振 興や 健 康増 進に寄 与し、経 済波 及 効 果やシティ
セールス効果が期待できる、
『する、観る、支える』すべての人が楽しめ る
大 会 」を 趣旨として 開 催され 、当 社 も ボラン ティア活 動 に参 加しました。
当日は10kmフィニッシュエリアにて給水活動を行いました。
横浜サイエンスフロンティア高等学校文化祭への参加
横 浜 サイエンスフロン ティア 高 等 学 校 文化 祭「第7回 蒼 煌 祭 」に 、交 通 信 号 機・制 御 機 およ び 踏 切しゃ断 機 の
実 機、転てつ 機 模 型の展 示を行 い、大 勢 の 来場 者に当 社 社 員 が 製 品の説 明を行 いました。
ユニフォームリサイクル
社員が着用している作業着等のリサイクル活動を2014年3月から行っています。リサイクルされた作業着等は、作業用
資材として再利用されます。リサイクル活動を行うことにより、廃棄物の削減、資源の節約などに貢献しています。
自然災害被災者に対する救援金寄付
ENVIRONMENTAL REPORT 2016
社会貢献活動
台湾南部にて発生し甚大な被害をもたらした震災による被災者を支援するため、台南市政府に義援金寄付を行いました。
「平成28年熊本 地震」に対しては、当社グループ役職員により募った寄付と合わせて日本赤十字社を通じて義援金を
寄付しました。また、食料や水をはじめとする支援物資を現地にお届けしました。
13
特集1
仙石線 全線復旧に貢献
陸前山下
石巻あゆみ野
蛇田
東矢本
陸前赤井
野蒜
陸前大塚
東名
陸前富山
手樽
高城町
東塩釜
塩釜
国府多賀城
陸前山王
岩切
本塩釜
西塩釜
下馬
多賀城
陸前高砂
福田町
小鶴新田
苦竹
陸前原ノ町
宮城野原
榴ヶ岡
中野栄
東仙台
仙台
あおば通
松島海岸
陸前浜田
仙石東北ライン
仙石線
矢本
鹿妻
陸前小野
東北
本線
東北新幹線
石巻
2015年5月30日、東日本大震災により不通となっていた仙石線の
高城町駅∼陸前小野駅間が 運転再開となり、約4年ぶりに全線 復旧
しました。あわせて同日、仙石線高城町駅と東北本線塩釜駅間を接続
する「仙石東北ライン」が開業しました。仙石線では従 来より当社の
運行管理システム(CTC・PRC装置)が使用されていましたが、当社は
復旧と大規模改修に貢献しました。
式典の様子 ( 出典:国土交通省ホームページ
http://www.mlit.go.jp/index.html )
のびる
高台に移動した野蒜駅
仙石線は、震災の津波により陸前大塚駅∼陸前小野駅間が流出しました。全線復旧に向け、流出した駅舎は
リニューアルされ、特に被害が大きかった一部区間は走行ルートを変更して高台へ移転されました。
仙石東北ラインは、高城町駅から塩釜駅をつなぐ接続線を通り、仙石線と東北本線を相互に乗り入れ
(仙台∼塩釜∼高城町∼石巻)できるようになり、アクセス面の改善につながりました。また、仙台∼石巻間は
最短52分で結ばれ、震災前より約10分短縮されました。
14
担当者からのコメント
仙石線の当社製 運行管理システムは、導入してから長い年月が経 過しており、現場機器
の状 態が思わしくなく苦労する面もありましたが、決められた工程の中で仕様打ち合わせ
や 機 能 確 認の社内・現 地 試 験を重ねました。とにかく開業 直 前までできる限りの準備を
行い、「安 全 性確 保」と「利便性の高い輸送サービス」の実現に向けて取り組んでまいり
ました。
開業当日には各駅で開業式典が行われ、関係者や地域住民に見送られながら列車が駅を
無事出発しました。多くの方が仙石線全線復旧と仙石東北ライン開業を待ち望んでいたこと
を改めて実感するとともに、この復興工事に携われたことを大変光栄に思います。
東北地区では被災後、いまだ復旧していない線区が存在し、各種工事が計画されており、
引き続き貢献していきたいと思います。
仙台支店 平野航大
宮城県は祖父母の出生地ということもあり、幼少期から幾度となく訪れた土地です。東日本
大震災の際には、宮城県在住の親族のことを心配した記憶があります。その縁のある土地で、
災害復旧の工事に携われたことを誇りに感じております。仙石線 CTC・PRC 装置は、私が
入社したてのころに一部設計したシステムであり、このような形でもう一度関わることができる
とは思いもよりませんでした。大 規 模な改修でしたが、無事使 用開始され、今は胸をなで
おろしています。今回だけでなく、今後も何らかの形で震災復興に貢献できればと考えて
おります。
信号事業部 第 2 技術部 課長 宮﨑信行
仙石線 CTC・PRC 装置は、使用開始から長い年月が経過しており、新しいシステムでは
ありません。また、改修内容が大規模なものであったため、今まで経験のないマシンのメモリー
容量を気にしながらのプログラム改修となりました。なんとか容量内にプログラムを収める
ことができ、ベテランのマシン達にも感謝しています。
こうして仙石線全線復旧の工事に携われたことを光栄に思います。これからも震災復興に
貢献していきたいです。
信号事業部 第 4 技術部 課長 菊地正人
特 集
ENVIRONMENTAL REPORT 2016
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特集2
情報化促進貢献により国土交通大臣より表彰
2015年10月27日、「情報化促 進貢献個人等表彰
(企業部門)」におきまして、国土交通大臣より名古屋
ガイドウェイバス株式会社殿とともに表彰されました。
2013年 3月に当社が製品化した「GPSと無線を利用
した運行監視システム」が情報化促進に貢献したとして
受賞しました。本表彰は、高度な情報処理技術の開発・
運用などにより、情報処理の効率性の向上に先導的な
役割を果たした企業・団体へ贈られる賞です。
名古屋ガイドウェイバスが運営するガイドウェイバス志段味線は「ゆとりーとライン」の愛称で知られ、
名古屋市東区の大曽根駅∼小幡緑地駅間の6.5km区間を専用軌道区間として高架上を走行し、それ以降は
春日井市の高蔵寺駅までの一般公道区間を走行するバス路線です。2パターンの走行区間を併せ持つバス
路線で、主な特長は、JR線や地下鉄との乗換駅を有し、通勤・通学利用はもとより、ナゴヤドームや病院等も
路線に隣接されていることから、地域にとっては必要不可欠な路線となっています。
JR 東海道本線
高蔵寺
竜泉寺 上島
(西)
金山
川宮
金屋
高蔵寺
本社前
小幡 MIC※ 待機所
白沢 緑地
川村 渓谷
ゆとりーとライン
中志段味
大曽根
JR東海道
新幹線
名古屋
JR 中央本線
公園北口
大森車庫
守山
大曽根
大曽根
待機所
ナゴヤ
ドーム前
矢田
砂田橋
監視対象区間
高架専用軌道区間:大曽根∼MIC
一般バス停区間
〔上島(西)、
竜泉寺、
公園北口〕
※Mode Interchange
本案件は、GPS・車速検知・特定小電力無線機を利用することで、以下のメリットが得られるシステムと
なり、
「ゆとりーとライン」への納入が実現しました。
16
地上設備の削減
GPSを利用することで、これまで必要であった駅間の地上設備を撤廃
運用コストの低減
自社開発品の特定小電力無線を採用することで、通信料ゼロを実現
利 便 性 の 向 上
バス利用者に対するきめ細かな案内表示情報を提供
安 定 性 の 向 上
正確な在車位置情報に基づいたダイヤ管理により安定運行を実現
路上アンテナ
路上アンテナ
路上アンテナ
B駅
位置検知
A駅
通信機
位置検知
位置検知
位置検知
システム
更新
GPS衛星
ブロック情報+GPS情報=
車両検知機能による車両位置の特定
特定した車両位置を
車両から受信
上り用
下り用
無線機
無線機
GPS
情報
GPS
情報
B駅
B駅ブロック
下り用
上り用
無線機
無線機
A駅
B駅接近ブロック
A駅出発ブロック
A駅ブロック
ブロック情報
担当者からのコメント
開発より製品化、そして運行監視システムの運用開始となるまでの間、設計打合せや現地調整などで大曽根駅を訪れる度、
朝昼夜といつでも旅客で賑わっている光景を見て、「地域の皆様にとって不可欠な路線である」ということを強く実感し、
システム設計構築にあたり、常に身を引き締め、良い緊張感を抱きながら対応したことを覚えて
います。
日本で唯一のガイドウェイ機構にて運用走行をする名古屋ガイドウェイバス株式会社殿と
二人 三 脚で進めてきた本システムの開発 製品化で、地 域の発展に貢 献できたことを誠に
光栄に思います。
末筆となりましたが、今回のシステム試験開発より運用調整および製品化に際して多大な
ご協力を賜りました名古屋ガイドウェイバス株式会社殿と関係者の皆様へ、改めて厚く御礼
申し上げます。
信号事業部 統括技術部 課長 中島克宜
特 集
ENVIRONMENTAL REPORT 2016
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特集3
モスクワで実証事業に参加
このたび、ロシア連邦モスクワ市において、交通渋滞解消のための高度交通信号システムの実証事業に
参加いたします。日本で交通渋滞解消実績のあるARTEMIS(※)信号制御システムを導入することで、渋滞
解消効果と燃料消費およびCO 2排出量の削減効果を検証することになりました。
ARTEMISは、信号機を制御する制御機と、車両を検出する感知器およびこれらを結びつける通信ネット
ワークから構成されており、交差点上流に設置された感知器と信号機間で交換する情報から、交差点に
流入する交通量を予測して「信号待ち時間が最小」になるように信号秒数を最適化するものです。この技術に
より、各交差点での信号待ち時間を減少させて、省エネおよび温室効果ガス排出削減を図ります。
ARTEMISのシステムイメージ
IP Network
モスクワ市
交通管制センター
(TsODD)
交通
交通
交通
交通
流予
流予
流予
流予
測
測
測
ARTEMIS信号制御
測
到着交通流
予測
凡例
青信号
時間算出
情報
交換
感知器
制御機
交通量計測
信号制御
これまで、ARTEMISは宮崎県と静岡県のモデル事業で、ボトルネック交差点の信号待ち時間が減少する
などの効果を出し、モデル事業終了後も滋賀県や神奈川県など各地で導入されています。また、昨年度は
宮崎県のARTEMIS導入エリアが拡大され、着実に運用実績を重ねてきました。
今回の実証実験は、モスクワの中心部にほど近い一般道約2kmの区間の全5交差点で実施することに
なりました。ここは、郊外からモスクワ中心部に入るための抜け道となっているため、モスクワ方面が恒常
的に渋滞している区間です。
※
18
ARTEMIS:Autonomous and Real-Time signal control based on Estimation traffic demand for MInimization of Signal waiting timeの略。
N
ムイチシチ
ヒムキ
クラスノ
ゴルスク
モスクワ
レウトフ
クレムリン
リュベルツィ
<実証実験実施場所>
所 在 地
ルミャン
ツェヴォ
主道路名称
路 線 長
交差点数
ロシア連邦モスクワ市
オニェジスカヤ( Онежская
)
ジェルジン
2km
スキー
5
現地の様子
実証実験は約1年間の予定で進められますが、これまで日本で培ってきたノウハウを総動員し、期待
される効果が得られるよう取り組んでまいります。
担当者の声
モスクワ市の渋滞状況は世界的にみても深刻です。私は本事業で主に施工管理を
担当しています。言葉や考え方、習慣の違いに戸惑うこともあり、想定以上に時間を
要することも多々ありますが、そこは粘り強く現地パートナー会社と協力し、最大の
成果が得られるよう努力したいと考えます。当社の ARTEMISが安全で円滑な交通流
を生み、渋滞発生頻度が抑制されることで、CO 2 排出量の削減に繋がり、ロシアを
はじめ地球環境保護に貢献できるよう取り組みを継続してまいります。
交通機器事業部 営業部 サブマネジャー 本間靖彦
担当者の声
2015 年 3 月に初めてモスクワに行ったとき、日本とは比較にならない程の激しい
交通渋滞を目の当たりにし、カルチャーショックを受けたことをよく覚えています。
その後、1 年かけて実証前調査を実施してきました。ロシアと日本の信号制御の
考え方の違いが多く、何かと困難を極めたこともありましたが、関係 者の皆様の
ご協力のもと、なんとか実証実験までたどり着くことができました。
今後 1 年間は実証実験ということで、今まで以上に大変なこともあるかと思います
が、ARTEMIS の効果を出せるよう、取り組んでいきたいと考えております。
交通機器事業部 技術部 エキスパート 野滝涼太
特 集
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会 社 概 要
商
号
設
立
1917年(大正6年)9月3日
金
62億7,030万円
社
〒230-0031
横浜市鶴見区平安町2-29-1
主 要な事 業 所
本 社 ・工 場
横浜市鶴見区
東京事務所
東京都千代田区
末吉事業所
横浜市鶴見区
支 社 ・支 店
大阪支社・札幌支店・仙台支店・名古屋支店・広島支店・
資
本
本
Kyosan Electric Manufacturing Co.,Ltd.
四国支店・九州支店・台湾支店
発行部署およびお問い合わせ先
株式会社京三製作所 IR・広報部
TEL:03-3214-8112 FAX:03-3211-2450
ホームページ: www.kyosan.co.jp
この印刷物には環境にやさしい植物油インクを使用し、水なし印刷を行っています。
●記載内容は予告なく変更することがありますのでご了承ください。
●本誌の記載内容は2016年6月現在のものです。
KYOSAN ENVIRONMENTAL Report 2016 2016.6.500