インフルエンザウイルス研究センター 22.インフルエンザウイルス研究センター センター長 田 代 眞 人 概 要 クチン株の開発、国産ワクチン株の選定、ワクチン接種方針 当センターは、インフルエンザに関する研究・開発業務 の策定、臨床試験、国家検定に参画・従事した。一方、ワク 及び国の新型インフルエンザ事前準備と緊急対応体制を強化 チン緊急輸入に関して、承認前試験、安全性・有効性の検証、 する目的で、平成 21 年 4 月 1 日に、6 室構成、定員 27 名で 評価、審査に参画、生物学的製剤規準の策定、国家検定等を 村山支所に新設された。業務はインフルエンザの病原・病因・ 行った。 予防・診断・治療法等に関する研究、レファランス業務、細 また、流行動向調査(サーベイランス)事業等を地衛研、 胞培養ワクチン及び経鼻接種方法の開発、ワクチン製剤の品 感染症情報センターと協力して進め、流行ウイルスの抗原・ 質管理及び国際協力である。第 1 室(ウイルスサーベイランス)、 遺伝子解析、流行予測、薬剤耐性モニターを継続し、厚労省 第 2 室(診断検査、国内外研修)、第 3 室(ワクチン製剤品質管 の依頼に応じて季節性ワクチン製造株を選定した。また、必 理、 GMP 管理)、 第 4 室(季節性・新型ワクチン製造株の開発)、 要な抗原解析及びワクチン品質管理用の各種標準品を製造・ 第 5 室(細胞培養ワクチン開発)、第 6 室(経鼻接種ワクチン開 配布及び技術支援を行った。 発)が業務を分担・協力しながら実施している。 ワクチン品質管理業務では、国家検定(季節性、新型及び 平成 21 年 4 月 1 日付で 14 名がウイルス第 3 部からインフ 緊急輸入ワクチン) 、各標準品に関するレファランス業務を担 ルエンザウイルス研究センターへ配置転換された:田代眞人 当し、生物学的製剤 GMP にも協力した。またワクチン国家 (センター長) 、小田切孝人(第 1 室長)、影山努(第 2 室長昇任)、 検定 SOP 改定、標準品の開発整備、GMP 中心の国際的品質 板村繁之(第3室長)、信澤枝里(第 4 室長昇任)、小渕正次、徐 管理体制の確立に努め、ワクチン製剤の安全性と有効性の確 紅、氏家誠の各主任研究官;岸田典子(第 1 室)、佐藤佳代子(第 保という NCL の責任を果たした。 3 室)、高橋仁(第 3、5 室併任)、原田勇一(第 3、5 室併任)、有 国際協力では、WHO 監視網(GISN)の基幹である WHO 田知子(第 4 室)、白倉雅之(第 4 室)の各研究員。また長谷川秀 インフルエンザ協力センターとして、国際サーベイランス活 樹が感染病理部から配置転換された(第 6 室長) 。さらに平成 動及びパンデミック緊急対応への助言・提言を行った。世界 21 年 4 月 1 日付で山本典生(第 5 室長) 、浅沼秀樹(主任研 各国の分離株・臨床検体の解析、流行予測及び候補ワクチン 究官) 、相内章(第 6 室研究員、感染病理部併任) 、平成 21 の効果予測から、WHO ワクチン推奨株を選定した。また 年 5 月 1 日付で高下恵美(主任研究官)、中内美名(第 2 室研究 WHO 世界インフルエンザ計画(GIP)に参画して WHO 及び 員)、嶋崎典子(第 3 室研究員)、平成 21 年 11 月 1 日付で中村 我が国のパンデミック緊急対応及びインフルエンザ計画を推 一哉(主任研究官) 、平成 21 年 12 月 1 日付で浜本いつき(第 進した。WHO、JICA 等の依頼に応じて、周辺諸国への技術 5 室研究員)が採用された。 指導、研修を行った。WHO H5N1 指定研究室として、世界 センター設立直後に始まった(H1N1)2009 パンデミックに 各地の高病原性インフルエンザウイルスの診断、分離、性状 対して、緊急に遺伝子診断系を開発し、全地衛研と検疫所に 解析、 技術支援を実施した。 また、 WHO Essential Regulatory 配布して国内診断体制を確立、また全所各部室の協力により、 Laboratory として、ワクチン製造候補株及び参照品の作製、 全国からの検体について 24 時間体制で確認検査診断を行っ 国際標準化、分与及び周辺諸国への技術研修と精度管理試験 た。また速やかにウイルス性状を解析し、遺伝子解析、交叉 等を実施した。 免疫の解析、抗ウイルス剤感受性などから、ウイルスは弱毒 国の新型インフルエンザ計画として、5 年後に、半年以内 型で健康被害は軽度とのリスク評価を行った。WHO 新型ワ により有効なワクチンを国民全員に供給できる体制の確立を インフルエンザウイルス研究センター 目標に、細胞培養ワクチン及び経鼻接種方式の実用化に関す 用いたリアルタイム RT-PCR 法により、北米系統の H1 亜型の る開発研究を、WHO 及び国内外ワクチンメーカーと協力し ブタインフルエンザウイルスおよび A/H1N1pdm ウイルスの HA て推進し、細胞株の選択、ウイルス分離・継代における安定 遺伝子のみを特異的に検出できる高感度遺伝子診断系の構築 性検証などの実績を上げた。 を行った。構築した遺伝子診断系は、A/H1N1(A ソ連型)、 A/H3N2(A 香港型)や他の亜型(A/H5N1 やA/H7N7 など)のA 型イ 業 績 ンフルエンザウイルスや B 型インフルエンザウイルスとは交 調査・研究 差せず、北米系統の H1 亜型ブタインフルエンザウイルスと 1. 新型インフルエンザ発生前のヒト血清抗体と新型インフ A/H1N1pdm ウイルスのみを高感度に検出することが可能であ ルエンザウイルスの交叉反応の評価に関する研究 った。 [影山努、岸田典子、白倉雅之、中内美名、氏家誠、小 国内の 2008 年度季節性インフルエンザワクチン接種者を 渕正次、小田切孝人、田代眞人] 対象とし、高齢者層と成人層のそれぞれ30人から採取した ワクチン接種前後の血清を用いて、新型インフルエンザ 3. パンデミック A/H1N1 2009 インフルエンザウイルス遺伝 A/California/7/2009 (H1N1)pdm(以下 Cal/7/09)に対する 子診断検査の改良 中和抗体の交差反応性を調べた。その結果、75 歳以上の高齢 4 月に構築した A/H1N1pdm ウイルス遺伝子診断検査系で検 者層では、ワクチン接種前から Cal/7/09 に対して 40 倍以上 出できない変異株が出現したため、変異株も検出できる様に および 160 倍以上の抗体保有者はそれぞれ 40%、10%の割合 リアルタイム RT-PCR 法による遺伝子診断検出系の改良を行 で見られた。一方、成人層では Cal/7/09 に対して 40 倍以上 った。また、A/H1N1pdm ウイルスとは交差反応せずに、季節 の抗体保有者は一人(3.3%)のみであった。このことから、 性ヒトインフルエンザウイルス A/H1N1(A ソ連型)、A/H3N2(A 高齢者層の一部は過去に Cal/7/09 と抗原性が類似したウイル 香港型)および B 型インフルエンザウイルスが検出できるリ スに暴露された可能性が示唆された。 [岸田典子、徐紅、高下 アルタイム RT-PCR 法による遺伝子診断検出系を構築し、改良 * * ** 恵美、小渕正次、氏家誠、齋藤玲子 、鈴木宏 、池松秀之 、 した A/H1N1pdm ウイルス遺伝子診断検査マニュアル、陽性コ 小田切孝人、田代眞人:*新潟大学公衆衛生、**原土井病院臨 ントロール RNA(A/H1N1pdm 由来)、プライマーおよびプローブ 床研究部] を全国の地方衛生研究所および検疫所に配布した。 [中内美名、 影山努、小田切孝人、宮村達男、田代眞人] 2. パンデミック A/H1N1 2009 インフルエンザウイルス実験 室診断系の構築および診断 4. RT-LAMP 法を用いたパンデミック A/H1N1 2009 インフルエ 4 月 24 日、WHO はメキシコとアメリカの一部において従来 ンザウイルス診断キットの開発および評価 の季節性インフルエンザウイルス A/H1N1(A ソ連型)とは異な A/H1N1pdm ウイルスは瞬く間に世界中に広がり、日本でも る、ブタインフルエンザウイルス(A/H1N1)を起源とする A 型 秋になって流行のピークを迎えた。このウイルスは、A/H1N1(A インフルエンザ(パンデミック A/H1N1 2009 インフルエンザ: ソ連型)、A/H3N2(A 香港型)の季節性インフルエンザウイルス A/H1N1pdm)ウイルスの出現を発表した。 わが国でも A/H1N1pdm に比べ、ウイルス性肺炎などの重篤な症状を引き起こす場合 ウイルスの日本への侵入あるいは流行状況を把握するために、 があったため、A/H1N1pdm ウイルス感染を迅速かつ簡便に鑑 A/H1N1pdm ウイルスの高感度遺伝子診断系の構築を行った。 別できる A/H1N1pdm ウイルス特異的診断系が必要と考えられ H1 亜型のブタインフルエンザウイルスには、北米およびユー た。 そこで本研究では、 クリニックや病院等での Point of Care ラシアの 2 系統の古典的ブタインフルエンザウイルスが知ら Testing (POCT)による遺伝子診断検査を可能にするため、RNA れており、今回出現した A/H1N1pdm ウイルスは系統樹解析に の 精 製 が 不 要 な Direct Reverse Transcription より、HA 遺伝子は北米系統、NA 遺伝子および M 遺伝子はユー Loop-mediated Isothermal Amplification 法 ラシア系統のブタインフルエンザウイルスに由来している事 RT-LAMP 法)を用いた A/H1N1pdm ウイルスの遺伝子鑑別診断検 が判明していた。そこで RT-PCR 法および TaqMan プローブを 査系の構築および評価を行った。今回構築した検出系は、 (Direct インフルエンザウイルス研究センター A/H1N1(A ソ連型)、A/H3N2(A 香港型)を含む他の亜型の A 型イ RG 法により新型インフルエンザワクチンを作製する際、ウイ ンフルエンザウイルスおよび B 型インフルエンザウイルスと ルスの増殖能に影響する因子の一つとして、ウイルスゲノム は反応せず、A/H1N1pdm のみを高感度に検出できた。本検出 の集合シグナルとして働く非コード領域(NCR)の配列がある。 系により検体採取から約40 分以内でA/H1N1pdm ウイルスを鑑 RG 法によりリアソータントウイルスを作製する場合、バック 別診断する事が可能となった。 [中内美名、影山努、田代眞人] ボーンとなるウイルスの NCR と新型ウイルスの NCR が一致し ない場合、ウイルスの成熟効率が下がる可能性がある。今回 5. サリドマイド・アナログを用いた坑インフルエンザウイル の新型ウイルスでも NCR の配列が一部異なっていたため、バ ス活性の検討 ックボーンウイルスの配列と新型ウイルスの配列とで、ウイ 抗インフルエンザウイルス薬の開発を目的とした研究を行 ルス回収率への影響があるのかを検討した。その結果、少な うために、34 種類のサリドマイド・アナログを合成し、イン くとも今回の新型ウイルスの場合は、 バックボーンとなる PR8 フルエンザウイルス RNA ポリメラーゼに対する酵素活性阻害 株でも Cal7 株でも増殖性に大きな差は見られなかった。[白 効果を検討した。その結果、3 つの化合物が、RNA ポリメラー 倉雅之、浅沼秀樹、有田知子、信澤枝里、田代眞人] ゼ構成成分の一つである PA サブユニットが持つエンドヌク (2) RG ウイルス作製時の transfection を行う細胞として、 レアーゼ活性を阻害し、培養細胞を用いたウイルス感染実験 ワクチン株製造用細胞として承認されている LLCMK2 細胞を に対してもウイルス増殖を抑制することが示された。[高橋仁、 用いている。今回、新型ワクチンン候補株作製時に 293T 細胞 原田勇一、板村繁之、小田切孝人、田代眞人、岩井佑磨*、畠 を使用した場合と比較した結果、LLCMK2 細胞では 山大*、本島和典**、石川稔**、杉田和幸**、橋本祐一**、清 transfection 後の上清中のウイルス量(pfu)が、293T 細胞 悦久*、山口健太郎*、葛原隆*:*徳島文理大学、**東京大学 と比し約 10〜40 倍低かった。今後、細胞培養ワクチン製造へ 分子細胞生物学研究所] の移行も考慮して、細胞及び遺伝子導入の方法の改善を検討 する必要がある。[白倉雅之、浅沼秀樹、信澤枝里、田代眞人] 6. 新型インフルエンザワクチン候補株(H1N1)pdm の開発、 作製 2009 年 4 月以降、世界的大流行を引き起こした新型イン 8. 新型インフルエンザウイルス 2009(H1N1)pdm 株の増殖性 関連因子の解析 フルエンザウイルス 2009(H1N1)に対するワクチン候補株の開 (1) 鶏 卵 も し く は マ ウ ス に 馴 化 し た 発をリバースジェネティクス(RG)法を用いて、9 号棟 GMP 準 A/Narita/1/2009(H1N1pdm)株の性状解析 拠施設において行った。候補株として、新型インフルエンザ A/Narita/1/2009(H1N1pdm)株を発育鶏卵で継代した結果、 ウイルス A/California/7/2009(Cal7)(鶏卵分離株)と 10 代目に高い HA 価(512)を示し、50%卵感染価も顕著に上 A/PR/8/34(PR8)間の 8 種類のリアソータントウイルス 。一方、同株をマウスで継代し 昇した(105.2→109.3EID50/mL) (NIIDRG)を作製し、鶏卵での高増殖能を獲得する HA の配列、 た結果、馴化前には致死性がほとんど認められなかったが、 蛋白収量を上げる分節遺伝子の組み合わせを検討した。その 馴化株では高い致死性が認められた。鶏卵およびマウスで馴 結果、PR8 株をバックボーンとし HA 遺伝子のみが Cal7 に由 化した株それぞれについて遺伝子解析を行った結果、ともに 来する NIIDRG-7 は高増殖能および抗原的安定性を示した。そ 部分的な遺伝子変異が認められた。またマウス血清を用いた の蛋白収量は現行の新型ワクチン株に比し、約 1.3 倍高いが、 抗原性解析では、抗原性の変異は検出できなかったが、フェ 従来の季節性インフルエンザワクチンの約 30%~50%程度にと レット血清を用いた場合には、馴化株に部分的な抗原変異が どまる。今後、更なる改良が必須である。[白倉雅之、浅沼秀 認められた。[浅沼秀樹、信澤枝里、白倉雅之、長谷川秀樹、 樹、有田知子、信澤枝里、田代眞人] 相内章、田代眞人] 7. RG 法によるウイルス回収率の改善の検討 9. 市中分離株の鶏卵及び MDCK 細胞での増殖 (1) 非コード領域(NCR)の配列のウイルス増殖への影響 発育鶏卵および MDCK 細胞を用い、臨床検体からのウイルス インフルエンザウイルス研究センター 分離ならびに高増殖株の性状解析を行っている。検査キット 究契約を締結し、臨床検体からのウイルス分離効率、分離ウ で A 型陽性の検体 21 例について MDCK 細胞で分離を行った結 イルスの増殖性、遺伝的安定性、抗原的安定性を調査し、候 果、20 例に HA 価が認められた(HA 価:2~128) 。一方、同検 補細胞としての適性を評価した。その結果、候補細胞株の中 体を発育鶏卵(E1)で分離した結果、2 例にのみ HA 価が認め には有用性が高いと考えられるものが存在することが明らか られ、他の検体の HA 価は検出限界以下であった。しかし、HA となると共に、研究開始時には予期しなかった問題点等も発 価が認められなかった 8 例の漿尿液を鶏卵で継代(E2)した 見することができた。[原田勇一、高橋 仁、中村一哉、浜本 ところ、5 例に HA 価(HA 価:2~128)が認められ、E4 まで いつき、山本典生、田代眞人] 継代した結果、高い HA 価(512)を示した株を獲得した。現 在、256 以上の HA 価を示す鶏卵分離株が 3 株得られている。 13. 細胞培養ワクチン実用化に際して考慮すべき事項(Points [浅沼秀樹、信澤枝里、白倉雅之、中内美名、小田切孝人、許 to consider)の抽出と検討 斐奈美*、田代眞人:*日大・医 ] 細胞培養ワクチン実用化に際して考慮すべき事項について、 既存のガイドライン等を精査し抽出したところ、少なくとも 10. アジュバント併用経鼻接種インフルエンザワクチン開発 以下の点が挙げられた。 に関する研究 (1)ウイルス増殖に使用する細胞株の腫瘍原性とがん原性につ マウスにインフルエンザ抗原とともに、flt-3 リガンドプ いて(2)細胞溶解物(ライセート・DNA)の安全性について(3) ラスミドと CpG-ODN をアジュバントとして経鼻接種した後、 ウイルス増殖に使用する細胞のウイルスの遺伝学的・抗原的 ウイルスを感染させて防御効果ならびに免疫応答を検討した。 変化への影響の検討方法と認められる変化の許容範囲につい その結果、アジュバントを用いない場合には、防御効果およ て(4)ウイルス増殖用細胞株の内因性感染性因子(内在性レト び免疫応答の誘導がほとんど認められなかったが、アジュバ ロウイルス等)の試験について(5)試薬を作製する過程で混入 ントを併用した場合には、高い防御効果と免疫応答が認めら する可能性のある病原体の試験について(6)HA 量を定量する れた。さらにこの効果は若齢マウスだけではなく、老齢マウ ための方法について(7)効力を確認するための試験について スにおいても同様の効果が認められた。[浅沼秀樹、佐多徹太 これらの点について考察を行い、それらを Points to consider 郎、関根伸一*、藤橋浩太郎**:*大阪大学、**アラバマ大学] としてまとめた。この成果は厚生労働科学研究費補助金「細 胞培養系を用いた新型インフルエンザワクチンの開発研究」 11. KSHV ワクチン開発に関する研究 カポジ肉腫関連ウイルス(KSHV)抗原をアジュバント(poly に活用された。[山本典生、中村一哉、原田勇一、高橋仁、浜 本いつき、田代眞人] IC)とともに経鼻もしくは腹腔内接種し、特異抗体応答およ び感染阻止能について検討した。その結果、腹腔接種した群 14. 迷入ウイルス検出系の確立と細胞培養系からの迷入ウイ では血中に特異的 IgG が、経鼻接種した群では血中に特異的 ルス排除の評価 IgG だけでなく、 気道洗浄液に特異的 IgA が誘導されていた。 RT-PCR 法を測定原理とし、インフルエンザウイルスを含む またここで誘導された特異抗体は、ウイルスが培養細胞に吸 19 種類の経気道感染ウイルスを検出できるキットを用いて 着・感染することを阻止することができた。[浅沼秀樹、坂本 シードウイルス分離用候補細胞が臨床検体中のインフルエン 康太*、佐多徹太郎**、片野晴隆**:*東海大学、**感染病理 ザウイルス以外の迷入ウイルスをその継代過程で排除できる 部] か評価した。その結果、用いた候補細胞はいずれも継代の早 い時期に全ての迷入ウイルスを排除できることが明らかとな 12. シードウイルス分離用候補細胞株の評価 った。また、経気道感染ウイルス以外のより広範囲の迷入ウ 感染研の所有する細胞株と、国内外のワクチンメーカーが イルス検出系確立のため、対象ウイルスの選定と PCR の標的 持つ細胞株のうち、シードウイルス分離用候補細胞株評価の 配列の検討を行なった。[中村一哉、原田勇一、高橋 仁、浜 応募に応じたものについて、当該ワクチンメーカーと共同研 本いつき、山本典生、田代眞人] インフルエンザウイルス研究センター 15. 経鼻粘膜投与型インフルエンザワクチンの開発 はβ-Glucan を多量に含有すると同時にTLR2 のリガンドとし インフルエンザウイルスの感染防御には感染の場である粘 ても知られており、樹状細胞における Dectin-1、TLR2 および 膜における分泌型 IgA 抗体に代表される粘膜免疫が重要な働 TLR3 を介した共刺激により、粘膜アジュバント活性が亢進し きをする。ワクチン接種により粘膜を誘導するには粘膜投与 たと考えた。[相内 章、長谷川秀樹、田村慎一*、佐多徹太郎 型の経鼻ワクチンが有効である。本研究では高病原性鳥イン * 、田代眞人: *感染病理部] フルエンザ(H5N1)の経鼻ワクチンの効果とアジュバント量や 付着性等の剤形との関連を検討した。ホルマリン不活化全粒 子 H5N1 ワ ク チ ン と 合 成 二 重 鎖 RNA 、 Ampligen 17. インフルエンザワクチンの臨床評価に関する研究 ワクチン接種により得られるヒト血清抗体に対する流行株 ® (polyI:polyC12U)を用い剤形の違いによる抗体誘導効果およ の交叉反応性を調べることは、インフルエンザワクチンの有 びその効果の持続をヒトと同様に広い鼻腔を持つカニクイザ 効性やワクチン株の変更の必要性を検討するうえで重要であ ルで検討した。H5N1 ワクチンのアジュバント併用経鼻ワクチ る。インフルエンザウイルス研究センター第一室では成人層 ン群では全てのカニクイザルで血中の特異的な IgG 抗体及び および老人層の各群 24 名からワクチン接種前後のペア血清 IgA 抗体が誘導された。粘膜への付着性を増した剤形を用い 検体を収集し、流行株に対する交叉反応性を評価した。英国 た場合付着性の低い剤形と比較し IgG 量には差がみられなか およびオーストラリアから入手したヒト血清についても同様 ったが IgA 量が有意に高かった。ヒトと同様に広い鼻腔を持 の評価を行った。その成績は WHO インフルエンザ協力セン つカニクイザルにおいて高病原性鳥インフルエンザワクチン ター間で交換され、2 月と 9 月に開催されたWHOインフル (H5N1)のアジュバント併用経鼻接種でアジュバント量および エンザワクチン推奨株選定会議で議論され、ワクチン株選定 粘膜付着性が抗体応答に与える影響を調べワクチンのアジュ の資料として活用された。 [高下恵美、岸田典子、徐紅、伊東 バントの増量及び付着性が粘膜免疫応答を増強する事が明ら 玲子、土井輝子、菅原裕美、齋藤玲子*、鈴木宏*、池松秀之 かとなった。[長谷川秀樹、相内 章、永田典代*、岩田奈緒子 **、小田切孝人、田代眞人:*新潟大学医学部公衆衛生学、** * 原土井病院臨床研究部] * * * 、田村慎一 、佐多徹太郎 、田代眞人: 感染病理部] 16. 新規粘膜アジュバントの開発 18. インフルエンザワクチン候補株の増殖 インフルエンザウイルスの感染防御には、気道粘膜上に分 新型インフルエンザワクチン候補株及び季節性ワクチン候 泌されるウイルス特異的な IgA 抗体が有効である。ワクチン 補株を輸入し、GMP 準拠施設内で増殖させ、メーカーへの交 によりこの粘膜上での免疫を誘導する為には、ワクチンの粘 付に供した。[浅沼秀樹、白倉雅之、有田知子、信澤枝里] 膜への投与とアジュバントの添加が必要である。自然免疫細 胞における外来抗原認識レセプターが数多く見出され、それ レファレンス業務 らは互いに作用しあい免疫系の活性化を促すことが明らかに 1. 我が国に飛来する野生水禽における A 型鳥インフルエン なった。本研究では新規粘膜アジュバントの開発を目的とし ザウイルスの生態調査 て、Poly(I:C)によるアジュバント活性の増強を期待し、C 型 2003 年末から東アジアの家禽で発生した A/H5N1 高病原性 レクチンDectin-1 のリガンドであるβ-Glucan を多量に含む 鳥インフルエンザの大流行が、中近東、ヨーロッパ、アフリ 酵母細胞壁成分 Zymosan の添加による効果を検討した。粘膜 カへと拡大している。この感染拡大経路は渡り鳥の飛行ルー アジュバントとして Zymosan と Poly(I:C)を併用すること トとも相関していることから、渡り鳥によって高病原性鳥イ で、鼻腔洗浄液中 IgA 量、血清中 IgG 量の著しい増加が観察 ンフルエンザウイルスが我が国に持ち込まれる可能性がある。 され、 ウイルスの感染を完全に抑えることができた。 HI 価は、 そこで、高病原性鳥インフルエンザウイルスの国内侵入を監 Poly(I:C)単独使用時の 16 倍の増強が見られた。In vitro 視する目的で、地方衛生研究所の協力のもと、渡り鳥におけ において、BMDC の活性化は、Zymosan と Poly(I:C)を組み る鳥インフルエンザウイルスの生態調査を行ったが、いずれ 合わせることにより著しく亢進することが示された。Zymosan の地方衛生研究所からも分離報告はなかった。本年度は、2009 インフルエンザウイルス研究センター 年2 月に愛知県のウズラ農場のウズラから分離されたH7N6 亜 2009 年 4 月 1 日から 2010 年 3 月 31 日までの間に、季節性 型の鳥インフルエンザウイルスの不活化抗原と抗血清を作製 A/H1N1 は 163 株、新型 A/H1N1pdm は 645 株、A/H3N2 は 116 し、これらはその後の血清疫学調査に役立てられた。[影山 株、B は 90 株について抗原性解析および HA 遺伝子解析を行 努、白倉雅之、岸田典子、田代眞人、小田切孝人] った。 新型A/H1N1pdm分離株のほとんどはA/California/7/2009 類似株であった。季節性 A/H1N1 分離株のほとんどが 2008/09 2. 日本のブタにおける新型インフルエンザウイルスの発生 シーズンのワクチン株 A/Brisbane/59/2007 と類似していた。 の監視 A/H3 分離株の大半はワクチン株 A/Uruguay/716/2007 とは抗 新型インフルエンザ出現の中間宿主として考えられている 原性が大きく異なり、遺伝的にも異なる A/Perth/16/2009 グ ブタにおけるインフルエンザウイルスの流行および新型イン ループに属した。B 型ウイルスでは Victoria 系統株が 9 割以上 フルエンザウイルス(ヒトやブタの間でこれまでに流行して を占めた。Victoria 系統分離株は抗原的にも遺伝系統的にもワ いない新たな亜型のインフルエンザウイルス)発生の監視を クチン株の B/Brisbane/60/2008 と類似の株が大勢を占めた。 目的として、15 地区の地方衛生研究所に依頼し、ブタからの [岸田典子、徐紅、高下恵美、小渕正次、氏家誠、伊東玲子、 ウイルス分離調査を行った。ブタの鼻腔あるいは気管から採 土井輝子、安楽茜、江島美穂、菅原裕美、松浦純子、小田切 取した拭い液を MDCK 細胞に接種したところ、1 検体からイン 孝人、田代眞人] フルエンザウイルスが分離された。遺伝子解析の結果、本年 度ヒトで流行した A/H1N1pdm ウイルスである事が判明した。 2. 2009/10 シーズンのヒトインフルエンザウイルス流行株の ウイルスが分離されたのは 2010 年の冬であったため、このウ 遺伝子解析 イルスがもともとブタに常在していたのではなく、A/H1N1pdm インフルエンザウイルスの HA 及び NA 遺伝子解析は、次 ウイルスに感染したヒトから持ち込まれたと考えられた。 シーズンのインフルエンザ流行予測とワクチン株選定にとっ [中内美名、影山 努、田代眞人] て重要な役割を占めている。特に、2009/10 シーズンより新た に出現したブタ由来の新型インフルエンザウイルス 3. インフルエンザ HA ワクチン及び A 型インフルエンザ HA (A/H1N1pdm)は世界的大流行となり、A/H1N1pdm の遺 ワクチン(H1N1 株)の国家検定のための標準抗原・参照抗血 伝的変化や遺伝的な安定性に関する情報は公衆衛生上きわめ 清の作製 て重要である。これらの背景から、全国の地方衛生研究所、 平成21 年度のインフルエンザHA ワクチンに使用するワク 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)及び感染研ゲノ チ ン 株 で あ る A/Brisbane/59/2007 (IVR-148) (H1N1) 、 ム解析センターとの協力のもとに、2009/10 シーズンのヒトイ A/Uruguay/716/2007 (X-175C) (H3N2)、B/Brisbane/60/2008 の 3 ンフルエンザウイルス流行株の HA 及び NA 遺伝子について 株、及び、A 型インフルエンザ HA ワクチン(H1N1 株)の 系統樹解析を行った。A/H1N1pdm 亜型の HA 遺伝子の多くは ワクチン株である A/California/7/2009 (X-179A) (H1N1v) 株に S203T のアミノ酸置換を持ち、抗原変異を伴う変異(K153E、 ついて国家検定の力価試験に使用する参照抗インフルエンザ K154R、G155E、N156D、S157T)も散見されたものの、すべ HA 抗血清と標準インフルエンザ HA 抗原 (一元放射免疫拡散 ての分離株が A/California/7/2009pdm に代表される一連のクレ 試験用)を作製した。標準インフルエンザ HA 抗原に含有さ ードに属した。 H3N2亜型のHA遺伝子はE62K、 N144K、 K158、 れる HA 抗原の含有量の設定を、英国、豪州、米国の生物製 N189K のアミノ酸置換を持つクレード(A/Perth/16 clade)ま 剤に関する国立試験研究機関である NIBSC、TGA、CBER と たは、K158N、N189K、T212A のアミノ酸置換を持つクレー 共同で実施した。 [嶋崎典子、河野直子、佐藤佳代子、原田勇 ド(A/Victoria/208 clade)のいずれかに属した。B 型の解析数 一、高橋仁、板村繁之、田代眞人] は限定的だが、山形系統は、G229D のアミノ酸置換を持つ一 群(サブクレード 3)に属した。一方、ビクトリア系統では サーベイランス業務 B/Brisbane/60/2008 に代表される N75K、N146I、N165K、S172P 1. 2009/10 シーズン国内株サーベイランス のアミノ酸置換を持つ一群、または B/FujianGulou/1272/2008 インフルエンザウイルス研究センター に代表される一群に属した。 NA 遺伝子の系統樹も HA 遺伝子 イルス診断検査体制を構築するため、診断マニュアル、陽性 の系統樹と同様であった。 [氏家誠、安楽茜、小渕正次、佐藤 コントロール RNA(ブタインフルエンザ由来)、プライマー、 裕徳*、本村和嗣*、横山勝*、小口晃央**、加藤裕美子**、 プローブおよび反応試薬を緊急に開発・製造して、各所に緊 藤田信之**、小田切孝人、田代眞人: *病原体ゲノム解析セ 急配布し、全国規模で A/H1N1pdm ウイルスの高感度遺伝子診 ンター、**独立行政法人製品評価技術基盤機構] 断を行う体制を築いた。 [影山努、岸田典子、白倉雅之、中内 美名、氏家誠、小渕正次、小田切孝人、田代眞人] 3. 2009/10 シーズンにおける H275Y 耐性マーカーを持つ A/H1N1pdm インフルエンザオセルタミビル耐性株サーベイ 5. 検疫所および地方衛生研究所より送付されたパンデミッ ランス ク A/H1N1 2009 インフルエンザウイルス感染疑い患者検体の 2009/10 シーズンより新たに出現したブタ由来の新型イン フルエンザウイルス(A/H1N1pdm)は、M2 阻害薬のアマン 確認検査 全国の検疫所および地方衛生研究所における検査で、 タジンに耐性であることから、新型インフルエンザの予防お A/H1N1pdm ウイルス感染疑いとなった患者検体の確認検査を、 よび治療には NA 阻害薬であるオセルタミビルおよびザナミ 5 月1日より 24 時間体制で行った。5 月 8 日まではインフル ビルが使用されている。一方、NA に特徴的なアミノ酸置換 エンザウイルス研究センターの職員が検査を行い、5 月 9 日 (H275Y)をもつオセルタミビル耐性株が、各国で散発的に からは他部他センター他室職員の協力を仰ぎ全所対応で検査 検出されており、これらの耐性株の多くは NA 阻害薬の薬剤 を行った。5 月 8 日には成田空港検疫所において A/H1N1pdm 選択圧により発生していた。日本は世界最大のオセルタミビ ウイルス感染疑いとなった患者検体が感染研に搬入され、確 ル使用国であることから、耐性株の発生する危険性が高くま 認検査により A/H1N1pdm ウイルス感染であることが判明した たオセルタミビル耐性株が流行の主流になれば医療機関にお (国内の輸入感染初発例となったケース)。また、5 月 15 日に ける治療方針の見直しが必要となる。これらの背景から、地 は神戸市環境保健研究所において A/H1N1pdm ウイルス感染疑 方衛生研究所と協力して国内におけるA/H1N1pdm耐性株サ いとなった海外旅行歴のない患者検体が感染研に搬入され、 ーベイラインスを行った。この結果、総解析数 6,089 株中 69 確認試験を行ったところ A/H1N1pdm ウイルス感染である事が 株(出現頻度 1.13%)のオセルタミビル耐性株が検出され、 判明した(国内感染初発例となったケース)。なお、5 月 18 日 耐性株の流行は見られなかった。国内で分離された には厚労省健康局結核感染症課事務連絡「新型インフルエン A/H1N1pdm 耐性株について薬剤感受性試験、抗原解析を行 ザ患者の確定診断について」が発出され、地方衛生研究所お った結果、これらの耐性株は、ザナミビルに対しては感受性 よび検疫所での検査結果をもって A/H1N1pdm 患者を確定する を保持しており、また抗原的には 2009/010 ワクチン株の こととし、感染研での検査はこれら機関で検査結果の判定が A/California/7/2009pdm に類似していることから、これら耐性 困難な場合等に確認検査を実施する事となった。この通達に 株に対してワクチンが有効であると考えられた。これらの調 より、24 時間の全所検査対応は 5 月 19 日に凍結され、以降 査結果は IASR を通して月ごとに情報提供し、関係者が各地 の検査はインフルエンザウイルス研究センターの職員が対応 における耐性株の流行状況を迅速に把握できるように努めた。 した。[ウイルス第一部、ウイルス第二部、ウイルス第三部、 [氏家誠、江島美穂、安楽茜、高下恵美、小渕正次、岸田典 細菌第一部、細菌第二部、寄生動物部、感染病理部、免疫部、 子、徐紅、伊東玲子、土井輝子、菅原裕美、松浦純子、小口 生物活性物質部、細胞化学部、昆虫医科学部、獣医科学部、 * * * 晃央 、加藤裕美子 、藤田信之 、小田切孝人、田代眞人: * 独立行政法人製品評価技術基盤機構] 血液・安全性研究部、バイオセーフティ管理室、放射能管理 室、動物管理室、感染症情報センター、エイズ研究センター、 病原体ゲノム解析研究センター、インフルエンザウイルス研 4. 全国の地方衛生研究所および検疫所におけるパンデミッ ク A/H1N1 2009 インフルエンザウイルス診断検査体制の構築 全国の地方衛生研究所および検疫所におけるA/H1N1pdm ウ 究センター、ハンセン病研究センター、総務部の職員] インフルエンザウイルス研究センター 品質管理に関する業務 散試験法が実施できない場合を想定して、SDS-PAGE 法によ 1. インフルエンザ HA ワクチンの力価試験の精度管理及 る HA 含有率とたん白質含量からワクチンの有効成分である び規格確認 HA 含量を算出することが力価試験法として規定されている。 インフルエンザ HA ワクチンは毎年ワクチン株が見直しさ しかしながら、SDS-PAGE 法による HA 含有率の測定は、ラ れるため、ワクチンの国家検定の力価試験として実施されて ボ間誤差、測定機器間誤差がある。そこで参照品を設定し、 いる一元放射免疫拡散試験の測定精度が一定の範囲内にある この参照品及び検体を用いて、感染研を含めて各所社の手順 ように毎年確認して調整する必要がある。また、マウス白血 で4回測定し、ラボ間誤差等の是正が可能か検討した。参照 球数減少試験や蛋白質含量試験において生物製剤基準の許容 品による補正はラボ間誤差の是正にはならず、測定機器の統 範囲の上限に近いために、毎年のワクチンが規格に適合して 一などを含めて標準化を検討する必要があることがわかった。 いるのか確認する必要がある。そこで、本年も各ワクチン製 [佐藤佳代子、原田勇一、河野直子、板村繁之、田代眞人、細 造所で試作されたワクチンについて測定を実施して規格に適 菌製剤協会パンデミックインフルエンザワクチン専門委員 合していることを確認するとともに、各製造所の測定値との 会] 乖離について検討した。さらに参照インフルエンザ HA ワク チンを使用して各試験の測定精度についての検討を実施した。 4. 新型インフルエンザワクチン株製造のための9号棟施設の [嶋崎典子、河野直子、佐藤佳代子、板村繁之、矢野茂生*、 GMP 準拠運用 蒲地一成**、田代眞人:*血液安全性研究部、**細菌第 2 部] 平成 21 年 4 月に発生したパンデミックをうけて、新型イン フルエンザ(H1N1)のワクチン株開発を行う必要が生じたため、 2. 乳濁細胞培養 A 型インフルエンザ HA ワクチン (H1N1 株) 村山庁舎9号棟のワクチン株製造施設の稼働を開始した。 に対する一元放射免疫拡散試験(SRD 試験)の改良法の確立 GMP の管理手法を取り入れた運用を実施するために、設備の 特例承認で輸入されることになった乳濁細胞培養 A 型イン 運用方法、入退出手順、衛生管理方法について検討し、基準 フルエンザ HA ワクチンは、oil-in-water アジュバント添加型 書、標準手順書などの文書整備をした。より充実した品質管 の HA ワクチンであり、 HA 含量が国内ワクチンの半分しかな 理を行うために必要な文書整備や設備管理について引き続き いことやアジュバントの影響で、従来の SRD 試験では抗原抗 検討を行っている。 [佐藤佳代子、佐々木祐子*、嶋崎典子、 体複合物の沈降輪形成が弱く、 HA 含量の計測が困難な状況が 白倉雅之、浅沼秀樹、有田知子、原田勇一、高橋仁、篠原克 発生した。そこで、本ワクチン製剤に対する SRD 試験の改良 明**、網 康至***、信澤枝里、板村繁之、田代眞人:*細菌 法として、抗原抗体複合物の沈降を促進させるために PEG 添 第2部、**バイオセーフティ管理室、***動物管理室] 加アガロースゲルを用いること、及び、製剤検体からアジュ バントを分離させるために超遠心処理を行う方法を検討した 5. GMP 管理区域内における新型インフルエンザワクチン候補 ところ、本ワクチン製剤においても従来と同様に力価測定が 株作製のための文書整備 できたこと、また、適切な超遠心条件によりワクチン検体中 平成 21 年 4 月より、村山庁舎 9 号棟の GMP 準拠施設の稼働 のアジュバントが再現性良く除去できたことが HPLC で確認 が開始し、新型インフルエンザワクチン株の製造およびその されたので、改良法として検定時の測定方法に採用した。 品質管理、安全性試験が可能になった。そのため新型ワクチ [嶋崎典子、板村繁之、田中明子*、田代眞人:*血液安全性 ン株の製造工程、品質管理方法、安全性試験に関する検討を 研究部] 行い、それに基づいて手順書及び指図記録書の作成を行った。 新型インフルエンザワクチン候補株 2009 の作製の際は、この 3. ワクチンの力価試験法の代替法としての HA 含量試験法の 文書に従い、9 号棟2階 BSL3 の GMP 準拠施設で行った。 標準化の検討 [浅沼秀樹、白倉雅之、有田知子、信澤枝里、田代眞人] パンデミックワクチンを緊急に製造する際に、標準抗原等 の準備が間に合わず従来の力価試験法である一元放射免疫拡 インフルエンザウイルス研究センター 国際協力業務 継続が困難となり、2009 年 5 月からドイツのマックス・プラ 1. アジア地域で分離されたインフルエンザウイルス株の解 ンク研究所によって継続・維持されることとなった。新たに 析及び国際協力 構築された GISAID の実用稼動にあたり、2009 年 10 月にド WHO インフルエンザ協力センターとして、東南アジア諸 イツのザールブリュッケンにて GISAID ワークショップが開 国および近隣諸国から 317 株(中国 95 株、台湾 50 株、モン 催され、WHO インフルエンザ協力センター(WHOCC)の ゴル 35 株、ラオス 69 株、ミャンマー54 株、韓国 7 株、シリ 日本代表としてワークショップに参加した。WHOCC、国際 ア 7 株)のインフルエンザ分離株を入手し、遺伝子解析およ 連合食糧農業機関(FAO) 、中国 CDC 等の代表者 12 名が参 び抗原性解析を行なった。当該国での流行の主流はわが国と 集し、データベースに対する意見交換、情報収集、問題点・ 同様、A/H1N1pdm ウイルスであり、遺伝的にも抗原的にも 改善点の抽出を行った。上記参加者を中心に GISAID 運営ワ ほぼ均一で、ワクチン株 A/California/07/2009 類似株であっ ーキンググループが結成され、定期的に GISAID システムの た。ラオスと中国で少数分離された季節 A/H1N1 ウイルスは 検証と改善を行っている。[氏家誠] A/Brisbane/59/2007 類似であった。A/H3N2 ウイルスの流行 株は前シーズンから抗原性が大きく変わった 3. WHO、ASEAN Plus Three および台湾への検査マニュアル開 A/Perth/16/2009 類似株であった。 B 型ウイルスについては、 示 世界の他の国々と同様、Victoria 系統が流行の主流であり、 RT-PCR 法およびリアルタイム RT-PCR 法によるパンデミッ Yamagata 系統のウイルス株は B/Bangladesh/3333/2007 類 ク A/H1N1 2009 インフルエンザウイルス検出マニュアルを作 似株であった。これら解析結果はウイルス提供国へ還元され、 成し、WHO、ASEAN 諸国の National Influenza Center および さらに、WHO インフルエンザワクチン推奨株選定会議の資 台湾 CDC に速やかに開示した。[影山 努、田代眞人] 料として活用された。 一 方 、 WHO - GISN(Global Influenza Surveillance Network)メンバーの Cambridge 大学グループにより、ウイ 4. ベトナム国立衛生疫学研究所(NIHE)における高危険度病 原体の実験室診断能力強化への技術支援 ルス抗原性変化を2次元的に分析するCartography 法が開発 ベトナム国立衛生疫学研究所(NIHE)において国際協力機構 され、ワクチン株選定プロセスに導入された。このため、感 (JICA)が実施している BSL3 実験室の供与と技術移転のプロ 染研で解析した流行株 1356 株の HI、シーケンスデータを ジェクトに 3 回に渡り参加し、病原体の管理に関する技術指 Cambridge 大学へ送り、Cartography での解析に供した。こ 導および高病原性鳥インフルエンザウイルスの実験室診断を れらの成績も WHO ワクチン株選定会議で議論され、近隣諸 安全に且つ信頼性の高いレベルで実施するための技術支援を 国の株サーベイランスへの貢献および WHO-GISN への貢 行った。[影山 努] 献を果たした。 [徐紅、岸田典子、高下恵美、氏家誠、小渕正 次、伊東玲子、土井輝子、菅原裕美、江島美穂、安楽茜、松 浦純子、小田切孝人、田代眞人] 5. 新興・再興感染症研究事業の企画及び評価に関する研究 パンデミック A/H1N1 2009 インフルエンザウイルスに関す るアジア地域を中心とした研究面での課題、今後の研究の必 2. 国際インフルエンザウイルスデーターベース(GISAID)ワ 要性についての情報収集を行うため、ベトナムにおける検査 ーキンググループへの参画とデータベース改良への貢献 診断の中心的な役割を担うベトナム国立衛生疫学研究所 インフルエンザウイルスの国際データベース(Global (NIHE)を訪問した。同所での A/H1N1pdm 発生時の対応およ Initiative on Sharing Avian Influenza Data: GISAID)は、各 び A/H1N1pdm ウイルスの検査診断体制と、流行状況把握のた 国の研究者が無償でヒト及びトリインフルエンザウイルスに めのサーベイランス体制についての調査を実施した。 ついての情報を収集できることを目的に 2006 年 8 月に構 [影山 努] 築・公開されたデータベースである。当初 GISAID はスイス 連邦政府の援助金によって開発されたが、財源の問題により インフルエンザウイルス研究センター 6. パンデミック A/H1N1 2009 インフルエンザウイルスの実 告した。[信澤枝里、浅沼秀樹、白倉雅之、田代眞人] 験室内診断と国際協力 モンゴル、ミャンマーなどの東アジアおよび東南アジア諸 研修業務 国からの A/H1N1pdm ウイルス感染疑い患者検体を受け入れ、 1. WHO ノイラミニダーゼ阻害剤耐性株検出技術研修への専 リアルタイム RT-PCR 法による亜型同定などの病原学的診断 門家派遣研修 を行った。 [中内美名、小田切孝人、田代眞人、影山 努] WHO-GISN からの要請を受けて、平成 21 年 11 月に WHO メルボルンセンターで開催されたノイラミニダーゼ阻 7. 高病原性 H5N1 鳥インフルエンザウイルスの実験室内診断 害剤耐性株検出技術研修会に WHO 東京センターから講師と と国際協力 して参加した。本研修会へは WHO 西太平洋地域から9ヵ国 WHO-H5 レファレンス診断ラボとしてベトナム、ラオス、ミ が参加し、化学発光系と蛍光発光系それぞれを用いた薬剤感 ャンマーなどの東南アジア諸国からの H5 ウイルス感染疑い 受性試験法の習得、問題点の協議および耐性株サーベイラン 患者検体を受け入れ、培養細胞および発育鶏卵を使ったウイ ス体制の構築および参加国間での相互協力と連携等について ルス分離、リアルタイム RT-PCR 法によるウイルス遺伝子検出 討議、研修が行われた。[小田切孝人] などの病原学的診断を行っている。これら診断結果は検体送 付国と WHO に報告され、当該国での対策に役立てられる。臨 2. 検疫所へのパンデミック A/H1N1 2009 インフルエンザウ 床検体から分離された高病原性鳥インフルエンザウイルスに イルス実験室診断技術研修 ついては、当研究室で詳細な抗原解析と遺伝子解析を行った。 [影山努、中内美名、小田切孝人、田代眞人] 国内における新型インフルエンザ対策の一環として、主要 検疫所 13 ヶ所の検査担当職員を感染研に招聘し、リアルタイ ムRT-PCR 検査を中心としたA/H1N1pdm ウイルス実験室診断技 8. 新型インフルエンザ(H1N1)ウイルスに対する抗体価測定 術研修を行った。研修後はそれぞれの検疫所からの検査対応 の標準化に使用する標準抗体選定のための国際共同研究への 相談にも個別に対応し、研修成果が現場で反映されるように 参加 連携の強化が図られた。 [影山 努、中内美名] ワクチン効果の評価のためにワクチン接種により得られる 抗体価を HI 試験や中和試験によって測定されている。しかし 3. ASEAN 諸国への新型インフルエンザウイルス実験室診断技術研 ながら、これらの試験はラボ内、ラボ間での測定値のバラツ 修 キが大きいことが知られている。そこでラボ間での抗体価測 東南アジアにおける新型インフルエンザ対策の一環として、 定の成績が相互比較できるように WHO の国際共同研究とし ASEAN 諸国(インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、 て、A/H1N1pdm ウイルスに対する標準抗体を作成して抗体価 マレーシア、ブルネイ、ベトナム、ラオス、カンボジアが参 測定値を標準化できるのか評価する国際共同研究が組織され 加、ミャンマーは欠席)の National Influenza Center の職員 た。我々はこの国際共同研究に参画し、得られた結果を共同 を感染研に招聘し、リアルタイム RT-PCR 検査を中心としたパ 研究機関内で共有してその評価に資した。[高橋仁、原田勇一、 ンデミック A/H1N1 2009 インフルエンザウイルス実験室診断 板村繁之、田代眞人] 技術研修を行った。[影山 努、中内美名、相内 章、田代眞人、 渡邉治雄] 9. JICA ベトナム国立衛生疫学研究所(NIHE)能力強化計画 プロジェクト国別研修「鳥インフルエンザ/動物実験」 4. 平成 21 年度希少感染症診断技術研修会においてパンデミ [長谷川秀樹] ック A/H1N1 2009 インフルエンザウイルスの診断法に関する 講義を行った。 [影山努] 10. 新型インフルエンザワクチン候補株 2009(H1N1)pdm(NIIDRG-5)を WHO 推奨候補株の一つとして報 インフルエンザウイルス研究センター その他 2. 将来計画:ワクチン株の増殖媒体が、(1) 孵化鶏卵 (2) 1. 全所協力体制による新型インフルエンザ検査対応と検査 培養細胞の各場合において、高増殖能を示し、蛋白収量が高 業務行動計画の策定 いワクチン株を作製できるシステムを構築する。 新型インフルエンザが国内外で発生すると、感染研 は地方衛生研究所や検疫所から多数の確定診断検査依 発 表 業 績 一 覧 頼を受けることになる。このことから、感染研ではこ I. 誌 上 発 表 のような緊急事態になった場合には、各部・センター 1. 欧文発表 一丸となって協力して検査対応することが合意されて 1) いる。この全所体制による検査業務を統括し混乱なく Wada, T., Morishima, T., Okumura, A., Tashiro,M., Hosoya, M., Shiomi, M., Okuno, Y.: Differences in 実施できるように、戸山庁舎、村山庁舎、ハンセン研 clinical manifestations of influenza-associated の各部・センターから代表 1 名が参加した検査対応ワ ーキンググループ(WG)が結成された。本 WG では、 encephalopathy by age. Microbiol. Immunol. 53: 高病原性 H5N1 鳥インフルエンザウイルスによる大流 83-88, 2009 行を前提とした PCR 検査計画およびそれに沿った事 2) 前準備と行動計画を策定し、2009 年 4 月の部長会で承 Thongratsaku, S., Songserm, T., Poolkhet, C., Kondo, S., Yagi, H. Hiramatsu, H., Tashiro, M., Okada, H., 認された。 Kato,K., Suzuki, Y. :Determination of N-linked 2009 年 4 月にブタ由来の H1N1pdm ウイルスによ sialyl-sugar chains in the lungs of domestic cats and るパンデミックが発生した際には、WG 行動計画、マ dogs in Thailand susceptible to the highly pathogenic ニュアルを H1N1pdm ウイルス用に修正して、インフ ルエンザウイルス研究センター、次いで全所体制とい avian influenza virus (H5N1). Open Glycoscience , 2:28-36, う順で PCR 検査業務を実施した。また、地衛研、検疫 2009. 所へは、PCR プライマー・試薬および検査マニュアル 3) Tashiro, M., McKimm-Breschkin, J., Saito, T., を緊急配布し、1 週間で全国規模での検査体制の構築に Klimov,A., Macken, C., Zambon, M., Hayden, 成功した。 F.:Surveillance for neuraminidase inhibitor-resistant 感染研初の試みとなった全所横断的協力体制での検 influenza viruses in Japan, 1996-2007.Antiviral 査対応については、H22 年 3 月に総括会議を開催し、 Therapy 14: 751-761, 2009 WHO/OIE/FAO H5N1 問題点の抽出、今後への提言がまとめられ、それらは Evolution 次年度に予定されている所内の新型インフルエンザ行 動計画の改訂へ反映される。[小田切孝人、小渕正次、 4) Working Group; Brown, I. H., Capua, I., Cattoli, G., 氏家誠、徐紅、高下恵美、岸田典子、中内美名、原田 Chen, H., Cox, N., Davis, T., Donis, R. O., Fouchier, 勇一、高橋仁、佐藤佳代子、嶋崎典子、浅沼秀樹、白 R. A. M. Garten, R., Guan, Y., Kawaoka, Y., Mackenzie, J., 倉雅之、有田知子、相内章、影山努、板村繁之、信澤 McCauley, J., Mumford, E., Olsen, C., Perdue, M., Russell, C. 枝里、山本典生、長谷川秀樹、田代眞人、森川茂、西 A., Smith, C., Smith, D., Smith,G. J. D., Shu, Y., Tashiro, M., 條政幸(ウイルス 1 部)、清水博之(ウイルス 2 部)、大西 Vijaykrishna, D., 真(細菌第 1 部)、柴山恵吾(細菌第 2 部)、岡田義明(血液・ Webster, R. :Continuing progress towards a unified 安全性部)、木村博一、藤本嗣人(感染症情報センター)、 本村和嗣(病原体ゲノム解析センター)、梁明秀(エイズ nomenclature for the highly pathogenic H5N1 avian influenza 研究センター)、高橋宜聖(免疫部)、金子幸弘(生物活性 viruses: divergence of clade 2.2 viruses. J. Influenza. Resp. 物質部)、高木弘隆、篠原克明(バイオセーフティー管理 Viral Infect. 3: 59-62, 2009. 室)、前濱朝彦(細胞化学部)、澤辺京子(昆虫医科学部)、 棚林清(獣医科学部)、藤本浩文(放射能管理室)、平井明 香(動物管理室)、中永和枝、中田 登(ハンセン病研究 センター)] 5) Sriwilaijaroen, N., Wilairat, P., Hiramatsu, H., Takahashi, T., Suzuki, T., Ito, M., Ito, Y., Tashiro, M., Suzuki, Y.:Mechanisms of the action of povidone-iodine against human and avian influenza インフルエンザウイルス研究センター 6) 7) A viruses: its effects on hemagglutination and requires antibodies against both hemagglutinin and sialidase activities. Virology Journal. 6:124, 2009 neuraminidase in mice. J Infect Dis. 199(11):1629-37, 2009 . Bertozzi, S., Kelso, A., Tashiro, M., Savy, V., Farrar, Odagiri T, Iwata M, Toyozawa T, Tashiro M. Isolation of flu: from front lines. Nature 461; 20-21, 2009 oseltamivir-resistant influenza A/H1N1 virus of different origins Matsuzaki Y, Takashita E, Okamoto M, Mizuta K, Itagaki T, in Yokohama City, Japan, during the 2007-2008 influenza season. Katsushima F, Katsushima Y, Nagai Y, and Nishimura H. Jpn J Infect Dis. 62(1):83-6, 2009 10) 15) Ichinohe T, Ainai A, Nakamura T, Akiyama Y, Maeyama JI, immunochromatography for detection of human Odagiri T, Tashiro M, Takahashi H, Sawa H, Tamura SI, Chiba J, metapneumovirus in comparison with real-time PCR assay. J Kurata T, Sata T, Hasegawa H. Clin Microbiol. 47, 2981-2984 (2009) immunity against influenza A virus H5N1 by an intranasal Okamoto M, Sugawara K, Takashita E, Muraki Y, Hongo S, vaccine with extracts of mushroom mycelia. J Med Virol. 2010 Mizuta K, Itagaki T, Nishimura H, and Matsuzaki Y. Jan;82(1):128-37. Development and evaluation of a whole virus-based 9) Kawakami C, Obuchi M, Saikusa M, Noguchi Y, Ujike M, J., Osterholm, M., Jameel, S., Muller, C.P. :Pandemic Evaluation of a new rapid antigen test using 8) 14) 16) Induction of cross-protective Barr IG, McCauley J, Cox N, Daniels R, Engelhardt OG, Fukuda enzyme-linked immunosorbent assay for the detection of human K, Grohmann G, Hay A, Kelso A, Klimov A, Odagiri T, Smith D, metapneumovirus antibodies in human sera. J Virol Methods. Russell C, Tashiro M, Webby R, Wood J, Ye Z, Zhang W; 164, 24-29 (2010) Writing Committee of the World Health Organization Muraki Y, Furukawa T, Kohno Y, Matsuzaki Y, Takashita E, Consultation on Northern Hemisphere Influenza Vaccine Sugawara K, and Hongo S. Influenza C virus NS1 protein Composition for 2009-2010. up-regulates the splicing of viral mRNAs. J Virol. 84, 1957-1966 genetic characteristics of seasonal influenza A(H1N1), A(H3N2) (2010) and B influenza viruses: basis for the WHO recommendation on Matsuzaki Y, Mizuta K, Aoki Y, Suto A, Abiko C, Sanjoh K, the composition of influenza vaccines for use in the 2009-2010 Sugawara K, Takashita E, Itagaki T, Katsushima Y, Ujike M, Northern Hemisphere season. Obuchi M, Odagiri T, and Tashiro M. A two-year survey of the 3;28(5):1156-67. Epub 2009 Dec 9. oseltamivir-resistant influenza A(H1N1) virus in Yamagata, 17) Epidemiological, antigenic and Vaccine. 2010 Feb Ikeno D, Kimachi K, Kino Y, Harada S, Yoshida K, Tochihara S, Japan and the clinical effectiveness of oseltamivir and zanamivir. Itamura S, Odagiri T, Tashiro M, Okada K, Miyazaki C, Ueda K. Virol J. 7, 53 (2010) Immunogenicity of an inactivated adjuvanted whole-virion 11) Ujike M, Shimabukuro K, Mochizuki K, Obuchi M, Kageyama influenza A (H5N1, NIBRG-14) vaccine administered by T, Shirakura M, Kishida N, Yamashita K, Horikawa H, Kato Y, intramuscular or subcutaneous injection. Microbiol Immunol. Fujita N, Tashiro M, Odagiri T; Working Group for Influenza 2010 Feb;54(2):81-8. Virus Surveillance in Japan. Oseltamivir-resistant influenza 18) Takahashi H, Kitagawa Y, Maeda-Satoh M, Hasegawa H, Sawa viruses A (H1N1) during 2007-2009 influenza seasons, Japan. H, Sata T. Monoclonal Antibody and siRNAs for Topoisomerase Emerg Infect Dis. 16:926-935(2010) ISuppress Telomerase Activity. Hybridoma (Larchmt). 2009 12) .Ikeno D., Kimachi K., Kudo Y., Goto S., Itamura S., Odagiri T., Tashiro M., Kino Y. A prime-boost vaccination of mice with Feb;28(1):63-5. 19) Hasegawa H*, Ichinohe T, Ainai A, Tamura S, Kurata T. Development of an inactivated mucosal vaccine for H5N1 heterologous H5N1 strains. Vaccine 27, 3121-3125 (2009) 13) Takahashi Y, Hasegawa H, Hara Y, Ato M, Ninomiya A, Takagi influenza virus. Therapeutic and Clinical Risk Management 2009 Feb;5(1):125-32. H, Odagiri T, Sata T, Tashiro M, Kobayashi K Protective immunity afforded by inactivated H5N1 (NIBRG-14) vaccine 20) Ishii K, Hasegawa H, Nagata N, Ami Y, Fukushi S, Taguchi F, インフルエンザウイルス研究センター Tsunetsugu-Yokota Y. Neutralizing antibody against severe 21) Sawa H, Ishikawa T, Takamizawa A, Takasaki T, Hasegawa H, effective for the protection of mice in the murine SARS model. Sata T, Hall WW, Kurata T, Kojima A. Effects of the number of Microbiol Immunol. 2009 Feb;53(2):75-82. amino acid residues in the signal segment upstream or Kataoka M, Yamamoto A, Ochiai M, Harashima A, Nagata N, downstream of the NS2B-3 cleavage site on production and Hasegawa H, Kurata T, Horiuchi Y Comparison of acellular secretion of prM/M-E virus-like particles of West Nile virus. pertussis-based combination vaccines by Japanese control tests Microbes Infect. 2009 Nov;11(13):1019-28. Epub 2009 Aug 7. 28) A, Sata T, Okamoto T, Hall W.W, Sawa H, Hasegawa H Iizuka I, Saijo M, Shiota T, Ami Y, Suzaki Y, Nagata N, Inhibition of the SDF-1α-CXCR4 axis by the CXCR4 antagonist Hasegawa H, Sakai K, Fukushi S, Mizutani T, Ogata M, AMD3100 suppresses the migration of cultured cells from ATL Nakauchi M, Kurane I, Mizuguchi M, Morikawa patients and murine lymphoblastoid cells from HTLV-I Tax S.Loop-mediated isothermal amplification-based diagnostic transgenic mice. Blood 2009 Oct 1;114(14):2961-8. Epub 2009 assay for monkeypox virus infections. J Med Virol. 2009 Aug 5. 29) 23) Hayasaka D, Nagata N, Fujii Y, Hasegawa H, Sata T, Suzuki R, Ichinohe T, Ainai A, Tashiro M, Sata T, Hasegawa H. PolyI:polyC12U adjuvant-combined intranasal vaccine protects Gould A E, Takashima I, Koike A Mortality following peripheral mice against highly pathogenic H5N1 influenza virus variants. infection with Tick-borne encephalitis virus results from a Vaccine. 2009 Oct 23;27(45):6276-9. combination of central nervous system pathology, systemic 30) Kitagawa Y, Maeda-Sato M, Tanaka K, Tobiume M, Sawa H, inflammatory and stress response Virology 2009 Jul Hasegawa H, Kojima A, Hall WW, Kurata T, Sata T, Takahashi 20;390(1):139-50. Epub 2009 May 24. H. Covalent bonded Gag multimers in human immunodeficiency Saijo M, Ami Y, Suzaki Y, Nagata N, Iwata N, Hasegawa H, virus type-1 particles. Microbiol Immunol. 2009 Iizuka I, Shiota T, Sakai K, Ogata M, Fukushi S, Mizutani T, Sata Nov;53(11):609-20. T, Kurata T, Kurane I, Morikawa S. Virulence and 25) Kawaguchi A, Orba Y, Kimura T, Iha H, Ogata M, Tsuji T, Ainai 2009 27,1881-1888 Jun;81(6):1102-8. 24) Takahashi H, Ohtaki N, Maeda-Sato M, Tanaka M, Tanaka K, acute respiratory syndrome (SARS)-coronavirus spike is highly for toxicities and laboratory models for local reaction Vaccine 22) 27) 31) Hayasaka D, Nagata N, Hasegawa H, Sata T, Takashima I, Koike pathophysiology of the Congo Basin and West African strains of S. Early Mortality Following Intracerebral Infection with monkeypox virus in nonhuman primates J Gen Virol 2009 Tick-Borne Encephalitis Virus Oshima Strain in a Mouse Model. Sep;90(Pt 9):2266-71. Epub 2009 May 27. J Vet Med Sci. 2009 Dec 9. Yamazaki J, Mizukami T, Takizawa K, Kuramitsu M, Momose 32) Ichinohe T, Ainai A, Nakamura T, Akiyama Y, Maeyama J, H, Masumi A, Ami Y, Hasegawa H, Hall W. W, Tsujimoto H, Odagiri T, Tashiro M, Takahashi H, Sawa H, Tamura S, Chiba J, Hamaguchi I, Yamaguchi K Identification of Cancer Stem Cells Kurata T, Sata T, Hasegawa H. Induction of cross-protective in a Tax-transgenic (Tax-Tg) Mouse Model of Adult T- Cell immunity against influenza A virus H5N1 by an intranasal Leukemia / lymphoma (ATL). Blood 2009 Sep vaccine with extracts of mushroom mycelia. J Med Virol. 2010 24;114(13):2709-20. Epub 2009 Jul 7. Jan;82(1):128-37. 26) Tobiume M, Sato Y, Katano H, Nakajima N, Tanaka K, Noguchi A, Inoue S, Hasegawa H, Iwasa Y, Tanaka J, Hayashi H, Yoshida 国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターが S, Kurane I, Sata T. Rabies virus dissemination in neural tissues 作成に関与した WHO 文書 of autopsy cases due to rabies imported into Japan from the 1) Philippines: immunohistochemistry. Pathol Int. 2009 Aug;59(8):555-66. Seventh meeting of the IHR Emergency Committee 23 February 2010 2) Recommended viruses for influenza vaccines for use in the インフルエンザウイルス研究センター 2010-2011 northern hemisphere influenza season 11 February 2010 3) 19) confirmed human and animal specimens and virus isolates of haemagglutinin of pandemic influenza A (H1N1) 2009 viruses pandemic (H1N1) 2009 20 May 2009 20) Laboratory biorisk management for laboratories handling human specimens suspected or confirmed to contain influenza 21) November 2009 22) Sequencing primers and protocol 12 May 2009 Sixth meeting of the IHR Emergency Committee26 23) Status of candidate vaccine virus development for the current WHO information for laboratory diagnosis of pandemic Influenza A(H1N1) virus 9 May 2009 24) (H1N1) 2009 virus in humans - revised 23 November 2009 7) 8) Summary of available potency testing reagents for Pandemic 26) human–animal interface aspects of the current influenza A use in the 2010 southern hemisphere influenza season 23 (H1N1) situation 4 May 2009 27) Instructions for transport of virus cultures (i.e. virus isolates) of 28) for influenza 28 April 2009 29) Fourth meeting of the IHR Emergency Committee 11 June Third meeting of the IHR Emergency Committee 5 June 2009 15) Consultation on potential risks of pandemic (H1N1) 2009 30) 31) Pandemic influenza preparedness and response 25 April 2009 32) First meeting of the IHR Emergency Committee 25 April 2009 Update of WHO biosafety risk assessment and guidelines for the production and quality control of human influenza 2. 和文発表 pandemic vaccines 28 May 2009 1) 氏家 誠、小田切孝人 抗インフルエンザ薬耐性の出現 Characteristics of the emergent influenza A (H1N1) viruses と対応 細胞 The cell (ニュー・サイエンス社)巻 and recommendations for vaccine development 26 May 41:号 14:項 15-18 (2009) 2009 18) Second meeting of the IHR Emergency Committee 27 April 2009 influenza virus at the human-animal interface 3 June 2009 17) Global surveillance during an influenza pandemic 28 April 2009 Human infection with pandemic (H1N1) 2009 virus: updated 14) Instructions for shipments of pandemic (H1N1) 2009 specimens and virus isolates to WHO Collaborating Centres WHO recommendations on pandemic (H1N1) 2009 vaccines interim WHO guidance on global surveillance 10 July 2009 WHO ad hoc scientific teleconference on the current influenza A(H1N1) situation 4 May 2009 27 July 2009 2009 16) Joint WHO-OFFLU technical teleconference to discuss Recommended composition of influenza virus vaccines for 13 July 2009 13) WHO Technical Consultation on the Severity of Disease May 2009 2009 virus 12) 25) Fifth meeting of the IHR Emergency Committee 23 candidate reassortant vaccine viruses of pandemic (H1N1) 11) (H1N1) virus infection in humans 7 May 2009 Caused by the new influenza A (H1N1) virus infections 6 September 2009 10) Countries able to perform PCR to diagnose influenza A (H1N1) 2009 virus vaccines 20 November 2009 September 2009 9) Protocol for antiviral susceptibility testing by pyrosequencing 13 May 2009 November 2009 6) Recommendations of the Strategic Advisory Group of Experts (SAGE) on Influenza A (H1N1) vaccines 19 May 2009 A (H1N1) causing the current international epidemics 30 5) Instructions for storage and transport of suspected or Preliminary review of D222G amino acid substitution in the 28 December 2009 4) A (H1N1) 22 May 2009 Summary report of a High-Level Consultation: new influenza 2) 氏家 誠、小田切孝人 オセルタミビル(タミフル)耐性 インフルエンザウイルス 感染・炎症・免疫 (医薬の門 インフルエンザウイルス研究センター 社/羊土社)巻 39:号 3: 頁 267-269 (2009) 3) 影山 努,板村繁之. 最近注目される微生物―その臨床 的意義と検査法(Part 2 ウイルス)新型インフルエン 4) WHO Neuraminidase Inhibitor Susceptibility Workshop, Melbourne, Australia, 9-13 November., 2009. 4) ザウイルス. 臨床と微生物 36(3):193-198(2009) Systems for 2009 Pandemic H1N1 Influenza in Japan. The 緒方剛、山崎良直、岡部信彦、中村好一、田代眞人、永 Sixth JapanTaiwan Symposium on 2009 Influenza Pandemic 田紀子、板村繁之、安井良則、中島一敏、土井幹雄、泉 and Enteric Virus Infection and New Development for Rapid 陽子、藤枝隆、大和慎一、川田諭一、 一般住民のイン Diagnosis. September 10, 2009, Tokyo, Japan. フルエンザ予防接種歴と H5N2 鳥インフルエンザウイル 5) ス中和抗体 厚生の指標 56: 33-38 (2009) 5) 7) 8) 9) 10) 板村繁之:インフルエンザワクチンの現状と課題. 診断 Immunology (ICMI 2009)、2009 July、Boston (USA) 6) Hasegawa H: Therapeutic effect of novel NF-kappa B inhibitor, 原田勇一、田代眞人:インフルエンザ感染の疫学とワク Bay65-1942, in mouse ATLL model 14th International チンの現状 細胞工学 29 (3):274-280.2010 信澤枝里:ウイルス系統樹の考え方 インフルエンザ 10(3):23−29.2009. 信澤枝里、板村繁之:新型インフルエンザに対するワク チン開発 呼吸器内科 17(1)51−57. Conference of Human Retrovirology: HTLV and related retroviruses 7) 山本典生,田代眞人:インフルエンザ — 基礎から臨床 長谷川秀樹 H5N1 高病原性鳥インフルエンザウイルス に対する経鼻粘膜投与型ワクチンの開発 日本医師会 雑誌 第 137 巻・第 10 号 2081-2085 2009 長谷川秀樹、中島典子、佐藤由子、佐多徹太郎 社会問 題となった疾患と病理学「インフルエンザ」病理と臨床 臨時増刊号 vol27 2009 Ⅱ. 学 会 発 表 1. 国際学会 1) Takato Odagiri Immune response to pandemic A/H1N1 virus SDF-1α-CXCR4 axis by the CXCR4 antagonist AMD3100 suppresses the migration of human ATLL cells and murine lymphoblastoid cells from HTLV-I Tax transgenic mice 14th International Conference of Human Retrovirology: HTLV and related retroviruses Jul., 2009, Salvador, Brazil 2. 1) 分離との比較 第 83 回日本感染症学会学術講演会、東京、 2009 年 4 月 2) 第 23 回インフルエンザ研究者交流の会シンポジウム、東 in 2008/09 season in Northern Hemisphere. Third Meeting of the 京、2009 年 7 月 National Influenza Centers in the Western Pacific and South-East 3) Takato Odagiri Antiviral resistant influenza viruses in Japan and oseltamivir-related psychological disorders found in teenagers. 村木靖、高下恵美、松嵜葉子、菅原勘悦、本郷誠治:C 型 インフルエンザウイルスの粒子形成機構に関する一考察 Takato Odagiri Update on influenza virus surveillance findings Asia Region. August 18-20, 2009. 松嵜葉子、高下恵美、岡本道子、水田克巳、板垣勉、永井 メタニューモウイルス迅速診断キットの評価とウイルス Symposium on Influenza A (H1N1) pandemic response and preparedness, China, 21-23 August, 2009. 国内学会 幸夫、西村秀一:イムノクロマトグラフィー法によるヒト by seasonal influenza vaccination. International Scientific 2) Kawaguchi A, Orba Y, Kimura T, Iha H, Ogata M, Tsuji T, Sata T, 浜本いつき、山本直樹:HIV/AIDS の基礎研究の進歩 HIV 本臨床 第 68 巻 第 3 号 383-388.2010 13) Jul., 2009, Salvador, Brazil Okamoto T, Hall W.W., Sawa H, Hasegawa H. Inhibition of the の細胞への侵入:インフルエンザウイルスとの比較 日 12) Tsuji T, Kanbe M, Ainai A, Okamoto T, Sata T, Hall W.W, と治療 97: 2073-2077 (2009) まで — 細胞, 41(14): 2-3, 2009 11) Normaiza Zamri, H.Asanuma, S. Sekine, T.Kurata, T. Sata, S. Tamura, and K.Fujihashi. 14th International Congress of Mucosal 板村繁之:インフルエンザワクチン. 化学療法の領域 25: 1453-1458 (2009) 6) Tsutomu Kageyama. Overview of Laboratory Diagnosis 3) 古川孝俊、村木靖、高下恵美、菅原勘悦、野田岳志、松嵜 葉子、本郷誠治:C 型インフルエンザウイルスの増殖にお けるCM2蛋白の役割 第23回インフルエンザ研究者交流 インフルエンザウイルス研究センター 4) の会シンポジウム 東京、2009 年 7 月 切孝人:沈降 H5N1 インフルエンザワクチン接種者の野生 村木靖、古川孝俊、菅原勘悦、高下恵美、松嵜葉子、本郷 型ウイルス株及び弱毒ワクチン株に対する抗体応答の評 誠治:C 型インフルエンザウイルスの CM2 蛋白のアシル 価 第 57 回日本ウイルス学会東京、2009 年 10 月 化の意義 第 57 回日本ウイルス学会学術集会、東京 5) 2009 年 10 月 孝人:弱毒化 H5N1 インフルエンザウイルスに対する沈降 小渕正次、氏家誠、岸田典子、徐紅、高下恵美、伊東玲子、 H5N1 インフルエンザワクチン(clade2.3)のマウスにおけ 松浦純子、菅原裕美、安楽茜、江島美穂、田代眞人、小田 る有効性の検討 第 57 回日本ウイルス学会、東京、2009 切孝人:2008/09 シーズンの季節性インフルエンザウイル 年 10 月 ス流行株と平成21 年度のワクチン株 第57 回日本ウイル 6) 7) 8) 9) 11) 原田勇一、森愛、多田善一、高橋宣聖、田代眞人、小田切 12) 長谷川秀樹、相内章、網康至、永田典子、田村慎一、谷本 ス学会学術集会、東京、2009 年 10 月 武史、真鍋貞夫、石川豊数、宮崎隆氏、小田切孝人、田代 氏家誠、島袋梢、安楽茜、江島美穂、小渕正次、岸田典子、 眞人、倉田毅、佐多徹太郎:経鼻粘膜投与型インフルエン 徐紅、高下恵美、伊東玲子、松浦純子、菅原裕美、田代眞 ザワクチンの剤形と効果検討 第 13 回日本ワクチン学会、 人、堀川博司、加藤裕美子、小口晃央、山崎秀司、藤田信 札幌、2009 年 9 月 之、小田切孝人:2008/09 シーズンにおけるインフルエン 13) 河野直子、板村繁之、小田切孝人、田代眞人:インフルエ ザ(A/H1N1)オセルタミビル耐性株(H275Y*)の国内発 ンザワクチンの力価測定に用いる一元放射免疫拡散(SDR) 生状況 第 57 回日本ウイルス学会学術集会、東京、2009 試験法の精度評価 第 13 回日本ワクチン学会、札幌、2009 年 10 月 年9 月 古川孝俊、村木靖、野田岳志、菅原勘悦、高下恵美、松嵜 14) 池野大介、来海和彦、工藤康宏、後藤修郎、板村繁之、小 葉子、本郷誠治:C 型インフルエンザウイルスの増殖過程 田切孝人、田代眞人、城野洋一郎:マウスを用いた H5N1 におけるCM2蛋白の役割 第57回日本ウイルス学会学術 株インフルエンザワクチンのプライム-ブースト効果の 集会、東京、2009 年 10 月 検討 13 回日本ワクチン学会、札幌、2009 年 9 月 相内章、伊藤良、岸田典子、小渕正次、高下恵美、小田切 15) 原田勇一、河野直子、板村繁之、小田切孝人、城野洋一郎、 孝人、千葉丈、田村愼一、倉田毅、佐多徹太郎、田代眞人、 五反田亨、多田善一、池田富夫、田代眞人: 沈降新型イ 長谷川秀樹:経鼻インフルエンザワクチンの新型インフル ンフルエンザワクチン(H5N1 株)接種者の血清ウイルス中 エンザウイルスに対する交叉防御能の検討 第 57 回日本 和抗体の交叉反応性の検討 13 回日本ワクチン学会、札 ウイルス学会学術集会 東京、2009 年 10 月 幌、2009 年 9 月 岸田典子、小渕正次、高下恵美、徐紅、氏家誠、永田典代、 16) 高橋宣聖、小野寺大志、阿戸学、小田切孝人、田代眞人、 岩田奈織子、相内章、長谷川秀樹、田代眞人、齋藤玲子、 小林和夫:ヒト血清移入マウスを用いたインフルエンザウ 鈴木宏、池松秀之、小田切孝人:季節性インフルエンザワ イルス感染防御能の解析 13 回日本ワクチン学会、 札幌、 クチンにより誘導される中和抗体の新型インフルエンザ 2009 年 9 月 ウイルスに対する交差反応性および新型インフルエンザ 17) 小田切孝人:新型インフルエンザ A/H1N1 ウイルスとワク ウイルスの性状 第 57 回日本ウイルス学会学術集会、東 チン製造、接種の見通し 第 58 回日本感染症学会東日本 京、2009 年 10 月 地方学術集会、東京、2009 年 10 月 10) 原田勇一、高橋仁、佐藤佳代子、信澤枝里、河野直子、板 村繁之、田代眞人、奥野良信、佐々木学、庵原俊昭、小田 18) 高橋仁、原田勇一、佐藤佳代子、河野直子、板村繁之、 田代眞人:インフルエンザワクチンの力価測定に使用す る標準抗原のHA 含量決定に重要なHA 含有率のエンド インフルエンザウイルス研究センター 19) グリコシダーゼを用いた測定法の検討 第 13 回日本ワ 核酸クロマト法による新型インフルエンザ (H1N1)pdm クチン学会学術集会、札幌、2009 年 9 月 簡便診断法の開発 第 57 回日本ウイルス学会学術集会、 板村繁之:シンポジウム「インフルエンザワクチン」パ 東京、2009 年 10 月 ンデミックワクチンの現状と課題 第 13 回日本ワクチ ン学会学術集会、札幌、2009 年 9 月 20) 片野晴隆、坂本康太、浅沼秀樹、中村智之、菅野隆行、 佐多徹太郎:KSHV のワクチン開発に関する基礎研究― KSHV 粘膜ワクチン開発の可能性、第 6 回 EB ウイルス研 究会、東京、2009 年 6 月 21) 坂本康太、浅沼秀樹、中村智之、菅野隆行、佐多徹太郎、 片野晴隆:KSHVのワクチン開発に関する基礎研究―KSHV 粘膜ワクチン開発の可能性、第 57 回日本ウイルス学会 学術集会、東京、2009 年 10 月 22) 白倉雅之、信澤枝里、田代眞人、新型インフルエンザ対 策チーム:リバースジェネティクス(RG)法による新型 インフルエンザワクチン製造株の作製 第 57 回日本ウ イルス学会、東京、2009 年 10 月 23) Shinichi Sekine, Mika Sasaki, Yoshiko Fukuyama, Ryoki Kobayashi, Hideki Asanuma, Kosuke Kataoka, 24) 25) 29) 影山 努:新型インフルエンザウイルスの検出法につい て 平成 21 年度希少感染症診断技術研修会、東京、2010 年2 月 30) 長谷川秀樹:新興感染症と病理の関わり 第 98 回日本 病理学会総会、京都、2009 年 5 月 31) 辻隆裕、佐多徹太郎、長谷川秀樹:ATL マウスモデル を用いた NF-kappaB 阻害薬による新樹治療法の開発 第 98 回日本病理学会総会、京都、2009 年 5 月 32) 永田典代、岩田奈緒子、長谷川秀樹、佐多徹太郎 重症 急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)感染モ デルを用いたSARS に対する治療法の検討 第98 回日 本病理学会総会 京都、2009 年 5 月 33) 相内章、一戸猛志、田村愼一、倉田毅、佐多徹太郎、長 谷川秀樹:経鼻インフルエンザワクチンによおける Zymosan 添加によるアジュバント活性の亢進 第 13 回 日本ワクチン学会学術集会、札幌、2009 年 9 月 Rebekah S Gilbert, Satoshi Shizukuishi, Kohtaro 34) 長谷川秀樹、相内章、網康至、永田典代、田村愼一、谷 Fujihashi.:Antigen Presenting Cell Function of NALT 本武史、真鍋貞夫、石川豊数、宮崎隆、小田切孝人、田 DCs Is Maintained in Aged Mice. 第 39 回日本免疫学 代眞人、倉田毅、佐多徹太郎:経鼻粘膜投与型インフル 会総会、大阪、2009 年 12 月 エンザワクチンの剤形と効果検討 第 13 回日本ワクチ 山本典生:ウイルス性呼吸器感染症に対する治療薬の開 ン学会学術集会、札幌、2009 年 9 月 発を目指して 〜インフルエンザと重症急性呼吸器症 35) 西條政幸、網康至、須崎百合子、永田典代、長谷川秀樹、 候群(SARS)〜 第 147 回日本獣医学会学術集会シンポ 新村靖彦、横手公幸、飯塚愛恵、塩田智之、佐多徹太郎、 ジウム、栃木、2009 年 4 月 倉田毅、倉根一郎、森川茂:痘そうワクチン LC16m8 お 浜本いつき、山口展正、多屋馨子、佐藤弘、藤本嗣人、 よび Lister 株免疫時における IMV および EEV 蛋白に対 岡部信彦:インフルエンザウイルスの検出法ならびに検 する抗体応答とサル痘予防効果 第 13 回日本ワクチン 出部位に関する臨床的検討 第 57 回日本ウイルス学会 学会学術集会、札幌、2009 年 9 月 学術集会、東京、2009 年 10 月 26) 影山 努:新型インフルエンザウイルスの分子遺伝学的 性状と診断 2009 年度 日本臨床検査標準協議会 (JCCLS)学術集会、東京、2009 年 8 月 36) 酒井宏治、永田典代、岩田奈緒子、長谷川秀樹、松井珠 乃、網康至、平井明香、須崎百合子、水谷哲也、福士秀 悦、緒方もも子、西條政幸、藤本嗣人、山田靖子、岡部 信彦、佐多徹太郎、倉根一郎、森川茂:水様性下痢を呈 27) 影山 努、中内美名、田代眞人:新型インフルエンザウ したカニクイザルから分離したアデノウイルスの分子 イルス(H1N1)核酸検出法の構築 第 57 回日本ウイルス 系統額的解析 第 57 回日本ウイルス学会学術集会、東 学会学術集会、東京、2009 年 10 月 京、2009 年 10 月 28) 野島清子、影山 努、中内美名、魚住利樹、藤間昭勝、 37) 原崎一浩、永田典代、岩田奈緒子、長谷川秀樹、佐多徹 岡田清美、和山行正、田代眞人、浜口 功:非対称 PCR- 太郎、山本直樹、高久洋、佐藤人美、山本陽子、平松啓 インフルエンザウイルス研究センター 一、田代眞人、山本典生:免疫抑制剤の SARS コロナウ の免疫効果と副反応について 第 57 回日本ウイルス学 イルス増殖に与える影響についての解析 第 57 回日本 会学術集会、東京、2009 年 10 月 ウイルス学会学術集会、東京、2009 年 10 月 45) 早川大輔、永田典代、長谷川秀樹、佐多徹太郎、高島郁 38) 山本典生、永田典代、岩田奈緒子、長谷川秀樹、佐多徹 夫、小池智:ダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)を脳内接種 太郎、松本武久、高久洋、山本陽子、佐藤人美、平松啓 した際にみられる早い時期の致死性 第 57 回日本ウイ 一、田代眞人、山本直樹:Structure-based drug design ルス学会学術集会、東京、2009 年 10 月 (SBDD)による SARS コロナウイルス増殖抑制薬剤の同定 第 57 回日本ウイルス学会学術集会、東京、2009 年 10 月 39) 永田典代、岩田奈緒子、長谷川秀樹、西條政幸、森川茂、 佐藤由子、佐多徹太郎:SARS-CoV 感染動物における宿 主の Th1/Th2 バランスと重症化の関連 第 57 回日本ウ イルス学会学術集会、2009 年 10 月東京 40) 森川茂、福士秀悦、酒井宏治、永田典代、長谷川秀樹、 松井珠乃、水谷哲也、平井明香、網康至、緒方もも子、 西條政幸、山田靖子、岡部信彦、佐多徹太郎、倉根一郎: カニクイザルの致死的イヌジステンパーウイルス感染 事例の解析 第 57 回日本ウイルス学会学術集会、東京、 2009 年 10 月 41) 西條政幸、網康至、須崎百合子、塩田智之、飯塚愛恵、 永田典代、岩田奈緒子、長谷川秀樹、緒方もも子、福士 秀悦、水谷哲也、倉根一郎、佐多徹太郎、倉田毅、森川 茂:コンゴ盆地型および西アフリカ型サル痘ウイルスの 臓器親和性と病原性 第 57 回日本ウイルス学会学術集 会、東京、2009 年 10 月 42) 長谷川秀樹、相内章、永田典代、岩田奈緒子、網康至、 小渕正次、岸田典子、小田切孝人、佐多徹太郎、田代眞 人:新型インフルエンザ H1N1 のフェレットにおける病 原性の検討 第 57 回日本ウイルス学会学術集会、東京、 2009 年 10 月 43) 川口晶、辻隆裕、大場靖子、木村享史、相内章、伊波英 克、緒方正男、佐多徹太郎、澤洋文、長谷川秀樹:CXCR4 アンタゴニスト(AMD3100)を用いた SCID マウスにおけ る Tax トランスジェニックマウス由来腫瘍細胞の組織 浸潤抑制 第 57 回日本ウイルス学会学術集会、東京、 2009 年 10 月 44) 岩田奈緒子、永田典代、辻隆裕、長谷川秀樹、佐藤由子、 横田恭子、水谷哲也、西條政幸、森川茂、佐多徹太郎: SARS-CoV 感染動物モデルを用いた UV 不活化 SARS-CoV
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