(問1)アルジェリアに赴任してからのアルジェリアの印象如何 (答)良い

(問1)アルジェリアに赴任してからのアルジェリアの印象如何
(答)良い印象を受けている。気候も良い上に、国民も暖かいと感じる。日アルジェリア
の経済関係も非常に興味深いものである。アルジェリアには多くの潜在力があり、将来、
両国関係は必ず著しく進展するだろう。私の仕事の1つは両国の経済関係を強化すること
だと考える。以前には多くの日本企業がアルジェリアに参入し、炭化水素分野をはじめ多
くの開発計画に携わっていた。現在では20程度の日本企業が在留している。炭化水素分
野をはじめ、現在では電気通信や海上運送分野にも携わっている。また、我々は漁業分野
におけるノウハウに長けているが、アルジェリアの潜在力を考えると、本分野における計
画を今後共に打ち立てることができるかもしれない。
(問2)どのような開発方針をもって日本は働いているのか。新たな計画は展望されてい
るのか。
(答)本年からアルジェリア政府とともにインフラ分野における多数の開発計画の実現可
能性について検討を開始した。これはアルジェリアをはじめとするアフリカ諸国への支援
を目指す日本の政策の1つの足取りだといえる。道路及び鉄道分野のみならず再生可能エ
ネルギーの分野においても多くの可能性が秘められている。また、今年からABEイニシ
アティブと呼ばれる人材育成分野の協力も開始した。今年はアルジェリアから4名の若者
を日本に送り出し、2年間日本語を学んでもらい、その後に1年間日本企業でインターン
シップを行ってもらう。
(問3)企業間あるいは国家間の協力は手続きによる面もあるが、この規制に係る側面に
ついての考え如何。
(答)重要なことは、日本企業が今後もアルジェリアに投資し続けることであると考える。
我々はより活発な関係を望んでいる。日本による投資は少ないが、アルジェリア政府が海
外からの投資を受け入れやすくするための措置を取っており、状況は改善されていくもの
と考える。我々が特に望むことはアルジェリア政府がより活発に、日本企業の対アルジェ
リア投資を後押しすることである。例えば、トヨタやニッサンなどの日本車が数多くアル
ジェリアで見受けられる。このような傾向が続けば、フランスと同様にアルジェリアで自
動車を製造するために当地に参入し始めることも不可能ではない。しかし、日本企業がよ
り関心を示すためには多くの努力が必要となる。医療機器、家庭用電化製品などの分野も
同様である。いずれにしろ、現在の両国の大きさと比べると貿易はまだ少ないといえる。
時期が来れば、両国の交流は何倍にも増大できるであろう。
(問4)どのような努力が必要なのか。51/49%の外資規制は障害になっているとお
考えか。
(答)個人的にこの規制は大きな障害だと考えていない。アルジェリアでは種々の国々と
の間で会社が設立されてきたが、上手く機能している。しかしながら、官僚体制や透明性
の欠如が日本企業の参入の障害となっていると見る向きもある。もっとも、この問題は改
善されるだろうし、日本企業も必ずアルジェリアへの投資を真剣に考えるときが来ると考
える。
(問5)サヘル地域における治安やテロ対策の分野において日本はどのようにアルジェリ
アに貢献していく考えなのか。
(答)数年前からアルジェリアとの間で政治的関係を強化してきた。サヘル地域の諸国の
情勢に関する情報を共有している。2年前に起きたイナメナス事件の後、治安・テロ対策
対話を開始し、国連とともにいくつかのプロジェクトを実施してきた。また、アルジェリ
アの若者の雇用創出のために職業訓練計画に資金協力を行ってきた。まず若者に生じてい
る問題を解決することが大事であり、失業の問題は特にテロに結びつきかねない要因とな
っている。
(問6)世界で第3位の経済大国である日本の経済的経験からアルジェリアは何を学べる
のか。
(答)アルジェリアの面積は日本の6倍ある。日本は自由主義経済であり、民間企業が日
本経済を支えているといえる。国営企業も存在するが、時とともに民営化し、国家による
統制は弱まっている。国家が取引をするものではない。日本では中東からの輸入が全体の
40%を占めている。また、日本は時折にアルジェリアからも天然ガスや石油を購入して
いる。東日本大震災後から原子力発電所を中断することになり、電力供給において多くの
天然ガスが必要である。他方で、アルジェリアの方々にも多くの日本製品を購入してほし
い。高性能の電化製品だけでなく、医療機器においても優れている。日本人の多くはアル
ジェリアについて必ずしも良く知っている訳ではなく、イナメナス事件によってやや悪い
印象を持っているといえる。その中で私は常に美しく、多くの潜在力を有するアルジェリ
アの本当のイメージを伝えられるよう努力している。