「軽い尿もれ」と吸水ケア用品に関する調査

2012 年 10 月 26 日
女性の「軽い尿もれ」と吸水ケア用品に関する調査
吸水ケア用品を使用で「長時間外出の悩み」が改善74.8%
約半数が「もっと早く使っていればよかった」と実感
~尿もれは程度に合ったケアで、明るく前向きに!関口由紀先生~
・対処法に高い意識も、骨盤底筋トレーニングや体操はまだ浸透していない現状
・女性の大敵は、「冬」! 吸水ケア用品愛用者はトレーニング上手!?
ユニ・チャーム株式会社では、女性の尿もれと吸水ケア用品に対する意識と実態を明らかにするために、全国の 30~
50 代の尿もれを自覚している女性(吸水ケア用品使用者と代替品使用者)を対象に調査を行いました。
本調査結果では、尿もれに対応した吸水ケア用品を使用した人の7割以上が、長時間外出など物理的な悩みの改善
を実感しており、「尿もれに対するイメージが軽くなった」と精神的な悩みの軽減も見られました。また吸水ケア用品使用
者の 96.6%が「使い続けたい」とリピーターになっている実態も明らかになりました。
しかし 2010 年に弊社が行った調査では、吸水ケア用品を使用している人はわずか 14.2%という結果も出ており、まだ
尿もれに悩む人には吸水ケア用品の使用は浸透していないと言えます。そこで、今回の調査結果で吸水ケア用品に関
する知識を深め、「尿もれはごく普通におこる現象である」と前向きにとらえて頂ければと思います。
今回の調査にあたり、日々第一線で患者さんを診ておられる医療法人LEADING GIRLS 女性医療クリニック LUNA グ
ループ理事長、泌尿器科医・関口由紀先生より監修コメントを頂きましたので、調査結果と合わせてご報告致します。
<調査結果>
① 「尿もれ」が気になるシーン「長時間の外出」57.6%、「トイレの場所が分からない」56.9%
・・・・・・P3
・外出先でのふとした尿もれが気がかりに
② 対処法に高い意識も、骨盤底筋トレーニングや体操はまだ浸透していない現状
・・・・・・P3
・尿もれに対し抵抗感はあるものの、対処法に高い意識
③ 吸水ケア用品を使用で「長時間外出の悩みが改善」74.8%
約半数が「もっと早く使っていればよかった」
・・・・・・P4
・「尿もれに対するイメージが軽くなった」と、精神的な悩みの軽減も
④ 吸水ケア用品を使用しない理由「代替品で間に合っている」82.8%
しかし吸水ケア用品使用者の 96.6%がリピーターに
・・・・・・P5
・ 一度使用してみると、快適さを実感
◆Column
『女性の尿もれ「冬」が大敵!』 『吸水ケア用品愛用者はトレーニング上手?!』
<コメント:医療法人 LEADING GIRLS 女性医療クリニック LUNA グループ理事長 関口由紀先生>
『尿もれは程度に合ったケアで、明るく前向きに!』
<吸水ケア用品の市場、吸水ケア用品と代替品の構造の違い>
<<本件に関するお問い合わせ先>>
一般メディアの方は、
ユニ・チャーム(株)メディア G(商品広報)石黒・別所
流通業界紙・誌の方は、 ユニ・チャーム(株)営業企画部
TEL:03-6722-1067
TEL:03-6722-1007
1
<調査概要>
■調査趣旨
尿もれは、40 代以上の女性の 3 人に 1 人が経験していると言われながら、人に相談することができず女性の間
でも話題になりにくいようです。そのため、尿もれの改善方法についてもなかなか広まらないのが実状です。
そのため、尿もれに対応したケア用品(吸水ケア用品)の存在を知らない人や、知っていても手に取るのに抵
抗感があり、生理用ナプキンやおりもの専用シートなどの代替品で対処する人も多くいます。しかし、吸水に特化
していない代替品だと、水分の後戻りによる肌のかぶれなどが起きやすく、悪化してからクリニックに相談に訪れ
る人も多いようです。
本調査では、吸水ケア用品の使用者の声から、その効果や感想を明らかにしました。そうすることで少しでも多
くの方々に実践していただき、尿もれに対する悩みが改善することで、本来の自分らしさ、女性らしさを取り戻して
いただけることを願っております。
■表 題
■調査主体
■調査方法
■調査期間
■調査回答者
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女性の「軽い尿もれ」と吸水ケア用品に関する調査
ユニ・チャーム株式会社
インターネットによるアンケート調査
2012 年 9 月 28 日(金)~29 日(土)
全国の 30 歳~59 歳の、軽い尿もれの自覚がある女性 415 名
①尿もれ吸水ケア用品使用者 208 名
30~39 歳 52 名
40~49 歳 104 名
50~59 歳 52 名
②代替品(生理用ナプキン、おりもの専用シートなど)使用者 207 名
30~39 歳 52 名
40~49 歳 103 名
50~59 歳 52 名
※ 各図の中の(SA)、(MA)、(n)はそれぞれ以下を表しています。
(SA):選択肢から1つを選択する回答形式
(MA):選択肢から複数の選択を可能にする回答形式
(n):質問への回答者数
※ 数値については、小数点第 1 位までの掲載としています。
※ 本調査では調査対象を、軽い尿もれ向け吸水ケア用品(吸収量 70cc 未満)の使用者に限定しています。
■調査監修
関口由紀先生
医療法人LEADING GIRLS 女性医療クリニックLUNAグループ理事長
1989年山形大学医学部卒業、横浜市立市民総合医療センター、横浜市立大学医学部付属病院
女性泌尿器科外来などを経て、2005年『横浜元町女性医療クリニック・LUNA』を開設。2009年骨
盤底トレーニングセンターを併設(2012年、LUNA骨盤底トータルサポートクリニックと改称)。
世界標準の女性医療を目指す、新しい日本の女性医療の拠点作りを行っている。
■補足
・吸水ケア用品とは :尿もれに対して、吸水に特化したライナーやナプキン
・代替品とは
:生理用ナプキン、おりもの専用シート、パンティライナーなど
2
<調査結果①>
「尿もれ」が気になるシーン
「長時間の外出」57.6%、「トイレの場所が分からない」56.9%
外出先でのふとした尿もれが気がかりに
尿もれが与える影響について明らかにするために、
尿もれが気になることが多いシーンについて尋ねたところ、
「長時間の外出のとき」が 57.6%と最も多く挙がりました(図 1)
。また「外出先でトイレの場所がわからないと
き」も 56.9%と続いており、外出先での不安が高い実態が浮かび上がってきました。
図 1 尿もれが気になることが多いシーンについて(SA,n=415)
<調査結果②>
尿もれのイメージ、抵抗感はあるものの、対処法に高い意識
しかし、トレーニングや体操の浸透にはさらなる啓発が必要
尿もれに対するイメージを尋ねたところ、
「ライナーやパッドで上手にケアしたほうがよい」という前向きなイ
メージが 62.2%と最も多い結果になりました。しかし「尿もれしていることが恥ずかしい」といったネガティブ
なイメージも約3割の人が回答しており、抵抗感はあるものの、対処法に対しては意識が高い実態が読み取れま
す。一方で、一番の対策法である骨盤底筋のトレーニングで改善するイメージは 37.6%と3人に1人しか挙がら
ず、浸透にはさらなる啓発が必要だと思われます。
図 2 尿もれのイメージについて(MA,n=415)
3
<調査結果③>
吸水ケア用品を使用で「長時間外出の悩みが改善」74.8%
約半数が「もっと早く使っていればよかった」
「尿もれに対するイメージが軽くなった」と、精神的な悩みの軽減も
日常生活で尿もれを自覚している人に対し、吸水ケア用品を使用して改善された悩みに関して尋ねたところ、
「長時間の外出のとき」が 74.8%で最も多い結果となりました。続いて「外出先でトイレの場所が分からないと
き」63.1%が挙がってきており、まさに調査結果①で明らかになった、外出先での悩みが解消されていることが
分かります。
図 3 吸水ケア用品の使用によって改善した悩みについて(SA)
n=159
n=152
n=143
n=138
n=133
n=137
n=142
n=131
n=140
n=140
n=137
n=118
n=86
吸水ケア用品を使用した感想を尋ねたところ、約半数が「もっと早く使っていればよかった」と回答しました。
特に、尿もれ現象があらわれて1年以上経過してから吸水ケア用品を使用した人に限ると、80.8%と非常に高い
結果となりました。また「尿もれに対するイメージが少し軽くなった」も 42.8%の人が回答しており、吸水ケア
用品の使用によって物理的だけでなく精神的な悩みも軽減されている様子がうかがえます。
図 4 吸水ケア用品を使用した感想(MA,n=208)
精神的な
悩みの軽減も
4
<調査結果④>
代替品使用者の 95.7%、「専用品(吸水ケア用品)があることを知っている」
専用品(吸水ケア用品)を購入しない理由、「代替品で間に合っている」82.8%
しかし、吸水ケア用品使用者の 96.6%がリピーターに
一方で、生理用ナプキンやおりもの専用シートなどの代替品使用者に、吸水ケア用品の存在を知っているか尋
ねたところ 95.7%とほとんどの人が認識しているという結果になりました。
図 5 吸水ケア用品の認知率(SA,n=207)
そして吸水ケア用品を購入しない理由について尋ねたところ、
「代替品(生理用ナプキンなど)で間に合ってい
る」が 82.8%と最も多く挙がりました。しかし、吸水ケア用品の使用者にこれからも使いたいか尋ねたところ、
96.6%が「使い続ける」という結果になりました。代替品に対する大きな不満はないものの、一度専用品である
吸水ケア用品を使用すると、その快適さを実感しリピーターになるという実態が推察されます。
図 7 吸水ケア用品を今後も使っていきたいと
図 6 吸水ケア用品を購入しない理由について(MA,n=198)
思っている人の割合(SA,n=208)
5
◆女性の大敵は「冬」!
今回の調査で、尿もれが気になる、困ることが多い季節を聞いたところ、「トイレが近くなる冬」が 38.1%で1位に。「風邪を
ひきやすい冬場」も3位にランクイン。2位の夏場の理由は「ニオイが気になる」でした。
また、尿もれが起きるシーンとしては、圧倒的に「せきやくしゃみをしたとき」が挙がっており、そういう観点からも、冬は尿も
れに直結する季節と言えそうです。
図 8 尿もれが気になる・困ることが多い時期について(MA,n=415)
◆吸水ケア用品愛用者は、トレーニング上手!?
また、骨盤底筋トレーニングを行ったことがある、吸水ケア用品の使用者と代替品使用者に対して、トレーニングによる尿も
れの改善効果を尋ねたところ、吸水ケア用品の使用者は約4割(39.3%)が改善したと回答したのに対し、代替品使用者は
25.4%にとどまりました。
吸水ケア用品の愛用者は尿もれケアに対する意識が高く、骨盤底筋トレーニングでもしっかりと効果を出している様子が推
察されます。
図 9 骨盤底筋トレーニングで感じた尿もれ改善効果について (SA,n=120)
(n=61)
(n=59)
6
【コメント】 医療法人 LEADING GIRLS 女性医療クリニック LUNA グループ理事長 関口由紀先生
●「尿もれ」は程度に合ったケアで、明るく前向きに対処しましょう!
尿もれは女性にとって誰にでも起こりうる現象ですが、「老化現象」や、「恥ずかしいもの」と捉えられ、一人で悩む方が多い
のが現状です。そういった抵抗感から、吸水ケア用品の存在を知っていても手に取ることに抵抗感があり、生理用ナプキンな
どで代用する人が多いのです。クリニックに来院する患者さんの中には、そういった代替品を使用し、肌がかぶれてしまって相
談に来る人も多くいます。代替品は水分の吸収に特化していないため肌に触れる部分がジメジメし、かぶれてしまうのです。そ
ういう患者さんに尿もれに特化した吸水ケア用品を紹介すると皆さんその快適さに驚き、かぶれなどの症状も急激に改善しま
す。抵抗感がある方も、まず一度使ってみる事をお勧めします。最近はインターネットで購入する事もできるようですよ。
また、尿もれはその度合いにより、適切なケア方法も変わってきます。尿もれが週~月に1回以下であれば、骨盤底筋トレー
ニングを行い、気になるときには軽い人用の吸水ケア用品を使用してみるのもいいでしょう。また、週に数回以上でたまに洋服
まで濡れる事がある方は、骨盤底筋トレーニングの回数を増やし、吸水ケア用品も少し量が多いものを使用するといいでしょう。
さらに尿もれが多い方や、たとえ少なくても外出を控えがちなど日常生活に支障をきたしてしまっている方は、一度泌尿器科へ
行ってみましょう。
骨盤底筋トレーニングや吸水ケア用品で対処すれば、尿もれを気にすることなく日常生活を送ることができます。一人で悩ま
ず、前向きに対処しましょう。
関口由紀先生
医療法人LEADING GIRLS 女性医療クリニックLUNAグループ理事長
1989年山形大学医学部卒業、横浜市立市民総合医療センター、横浜市立大学医学部付属病院女性泌尿器科外
来などを経て、2005年『横浜元町女性医療クリニック・LUNA』を開設。2009年骨盤底トレーニングセンターを併設
(2012年、LUNA骨盤底トータルサポートクリニックと改称)。
世界標準の女性医療を目指す、新しい日本の女性医療の拠点作りを行っている。
●参考情報
吸水ケア用品市場の伸び
吸水ケア用品の市場は、年々大きく伸びています。下記グラフのように、2012 年は 2008 年と比べ、1.6 倍の伸びが見込まれ
ています。その最も大きな要因は、40 代以下の代替品からの転換です。尿もれの啓発活動に力を入れたことで、抵抗感が減
少したこと、さらに各社の広告展開により、吸水ケア用品の認知が向上したことが大きく影響していると考えられます。吸水ケア
用品の市場は今後も成長が見込まれており、衛生用品の中でも非常に注目されているカテゴリーです。
億円
図 10 吸水ケア用品市場規模
4 年で
1.6 倍の伸び
出典:ユニ・チャーム
吸水ケア用品の構造・特徴
吸水ケア用品は吸水ポリマーを入れることで、水分の素早い吸収が可能です。しかし生理用ナプキンのような代替品は、吸
収するべきもの(経血やおりもの)が違うため構造が異なっており、尿のような水分を吸収した場合、後戻りなどの現象が起こる
ことが想定されます。
吸水ケア用品の構造
吸水ポリマーイメージ図
吸水ポリマー
水分を吸って
生理用ナプキンの構造
水分を固める
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