JOURNAL OF ENDOUROLOGY – November 2011 筋層非浸潤性膀胱尿路上皮癌の白色光膀胱鏡による経尿道的再切除:系統的レビュー とメタアナリシス To cite this article: Alberto Vianello, Elisabetta Costantini, Michele Del Zingaro, Vittorio Bini, Harry W. Herr, and Massimo Porena. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1703-1712. doi:10.1089/end.2011.0081. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: September 21, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (341.5 KB) • PDF w/ links (240.6 KB) Alberto Vianello, M.D., Ph.D.,1 Elisabetta Costantini, M.D.,1 Michele Del Zingaro, M.D., Ph.D.,1 Vittorio Bini,2 Harry W. Herr, M.D., FACS,3 and Massimo Porena, M.D.1 1 Department of Medical-Surgical Specialties and Public Health, Urology Section, University of Perugia, “Santa Maria della Misericordia” Hospital, Sant'Andrea delle Fratte, Perugia, Italy. 2 Department of Internal Medicine, University of Perugia, “Santa Maria della Misericordia” Hospital, Sant'Andrea delle Fratte, Perugia, Italy. 3 Department of Urology, Memorial Sloan-Kettering Cancer Center, New York, New York. Address correspondence to: Alberto Vianello, M.D., Ph.D. Department of Medical-Surgical Specialties – Urology Section “Santa Maria della Misericordia” Hospital 06156 Sant'Andrea delle Fratte Perugia Italy E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:尿路上皮膀胱癌患者の治療における最初のステップである経尿道的膀胱切除術 (TURB)は、専門性、術者の技術、および偶然によって制約を受ける。ハイリスクの病変が表在性に 認められる場合は、TURB を再施行する。本研究では最近の文献を調査し、筋層非浸潤性膀胱尿路上 皮癌の治療における TURB 再施行の役割についてメタアナリシスを実施した。 方法:1980 年から 2010 年 6 月のPubMed、MEDLINE、ISI Web of Knowledge、EBSCO、 EMBASE、およびBiomed Central databasesの英文文献を検索した。エンドポイントは再施行した TURBにおいて、それぞれT a 腫瘍およびT 1 腫瘍と評価されたすべてのステージとグレードの持続的な 尿路上皮膀胱癌の有病率とした。持続性は再施行したTURBにおいて前回のTURBと同様あるいはより 低いステージの癌が認められることとし、ステージ上昇はより高いステージの癌が存在することとした。 1 結果:原著論文 2,327 報と総説 562 報を検索し、15 報の研究成績を併合して解析した。T 1 の有病率は 15 報すべての論文で報告されており、Taの有病率は 8 報で報告されていた。再施行したTURBにおい て、持続性のT a 腫瘍の有病率は 0.39[95%信頼区間(CI)=0.26~0.54]およびT 1 腫瘍の有病率は 0.47 (95%CI=0.41~0.53)であった。再施行したTURBにおいて認められた持続性の割合は、T a およびT 1 でそれぞれ 19.4%~56%および 15.2%~55%であり、ステージが上昇した割合はそれぞれ 0~14.3%お よび 0~24.4%であった。 結論:持続性とステージ上昇の割合が高率に認められたことから、ハイリスクの筋層非浸潤性膀胱尿路 上皮癌患者では TURB を再施行する必要性が確認された。低リスクおよび中リスクの癌患者における TURB 再施行の必要性を評価するには、リスクを層別したさらなる研究を行うことが必要である。 低侵襲手術における過失の分類と検出 To cite this article: Marie Claire Rassweiler, Charalambos Mamoulakis, Hannes Gotz Kenngott, Jens Rassweiler, Jean de la Rosette, and Maria Pilar Laguna. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1713-1721. doi:10.1089/end.2011.0068. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: August 30, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (194.5 KB) • PDF w/ links (214.8 KB) Marie Claire Rassweiler, M.D.,1 Charalambos Mamoulakis, M.D., FEBU,2 Hannes Gotz Kenngott, M.D.,3 Jens Rassweiler, M.D., Ph.D.,1 Jean de la Rosette, M.D., Ph.D.,2 and Maria Pilar Laguna, M.D., Ph.D., FEBU 1 Department of Urology, SLK Heilbronn, Heilbronn, Germany. 2 Department of Urology, AMC University of Amsterdam, Amsterdam, The Netherlands. 3 Department of Surgery, University of Heidelberg, Heidelberg, Germany. Address correspondence to: M. Pilar Laguna, M.D., Ph.D. Department of Urology AMC University Hospital Meibergdreef 9 1105 AD Amsterdam The Netherlands E-mail: [email protected] 要約 目的:手術時の過失を検出して防止することを目的とし、一般的な対策と過失の分類について包括的な レビューを行った。 2 材料及び方法:キーワードとして、「内視鏡検査」、「手術方法」、「低侵襲」、および「医療過誤」 の組み合わせで、PubMed、Medline およびコクランライブラリーを検索した。関連文献は低侵襲手術 (MIS)に関わる 3 名の論文指導者によって選択した。 結果:過失は、患者に施した医療において、注意不足により引き起こされる故意でない結果のことをい う。手術ミスは一般的にみられるものであり、病院におけるすべての有害事象(AEs)の半数を占めて いる。 泌尿器科は AE が 5 番目に多い領域である。過失は発現部位(co-face または全身性)や転帰 (ニアミス、回復および治療)に従って分類される。 また、MIS における過失の具体的な分類も、そ れらが起こった手術法のステップに基づいて報告されている(Cushieri)。それぞれの分類は明確な目 的にかなっており、またいずれの分類も最終的なものではない。いかなる分類もこれまで泌尿器科には 適用されていない。適切な報告に基づく過失の検出が過失防止の基本である。 結論:手術ミスはすべての医療過誤において重要な割合を占めている。過失の防止を意図した複数の分 類が存在している。過失の発現部位に基づいた分類が医療システムに採用されているが、MIS に適用 する場合は、より精細な分類が提唱される。 上腎杯*への経皮的アプローチのための針を用いた腎臓置換法 To cite this article: Mohammed Lezrek, Khalil Bazine, Abdelghani Ammani, Mohammed Asseban, El Hassan Kassmaoui, Abdelmounim Qarro, Mohammed Alami, and Amoqran Beddouch. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1723-1726. doi:10.1089/end.2010.0721. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: September 9, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (216.6 KB) • PDF w/ links (193.2 KB) Mohammed Lezrek, M.D., Khalil Bazine, M.D., Abdelghani Ammani, M.D., Mohammed Asseban, M.D., El Hassan Kassmaoui, M.D., Abdelmounim Qarro, M.D., Mohammed Alami, M.D., and Amoqran Beddouch, M.D. Department of Urology, Military Hospital Moulay Ismail, Méknes, Morocco. Address correspondence to: Mohammed Lezrek, M.D. Department of Urology Military Hospital Moulay Ismail 5 0020, Méknes Morocco E-mail: [email protected] * A video demonstrating this technique is available at www.liebertonline.com/end 3 要約 本研究では上腎杯穿刺を容易にし、その結果、胸郭内の罹病率を減少させる 18 ゲージ針を用いた新 しい腎置換法を紹介する。まず下腎杯あるいは中腎杯を 18 ゲージ針で穿刺し、次いで針の基部端を頭 の方向に徐々に押す。したがって、腎臓はレバー操縦によって後端方向に押される。なお、このテクニ ックは腎臓の固定、あるいは複雑な回転異常腎を再配向するためにも用いられる。 コンパクトで安価な一体型単一モード光ファイバーシステムを用いたラット前立腺海 綿体神経の連続波レーザー刺激 To cite this article: Serhat Tozburun, Gwen A. Lagoda, Arthur L. Burnett, and Nathaniel M. Fried. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1727-1731. doi:10.1089/end.2011.0172. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: September 1, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (298.9 KB) • PDF w/ links (205.6 KB) Serhat Tozburun, M.S.,1 Gwen A. Lagoda, M.S.,2 Arthur L. Burnett, M.D.,2 and Nathaniel M. Fried, Ph.D.1,2 1 Department of Physics and Optical Science, University of North Carolina at Charlotte, Charlotte, North Carolina. 2 Department of Urology, Johns Hopkins Medical Institutions, Baltimore, Maryland. Address correspondence to: Nathaniel Fried, Ph.D. Department of Physics and Optical Science University of North Carolina at Charlotte 9201 University City Boulevard Charlotte, NC 28223 E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:最近、根治的神経温存前立腺摘出術において用いられる電気刺激による神経マッピン グの代替手段として、ラット海綿体神経(CN)のレーザー刺激が報告されている。その利点は非接触 刺激と空間選択性の改良である。しかしながら、これまでの研究では大きな、および/または、高価な レーザー光源を刺激に用いている。そこで、本研究ではコンパクトで安価な一体型単一モード光ファイ バーシステムを用いて、ラット CN の光刺激が実施可能であることを in vivo で示した。 材料および方法:波長 1,455 nm の赤外ダイオードレーザービームを 10 F 腹腔鏡プローブを通して 9 μm のコア単一モードファイバーと結合し、合計 8 匹のラット CN の in vivo におけるレーザー刺激に 用いた。 4 結果:CN のレーザー刺激は閾値温度が~41°C、海綿体内圧応答時間が 4 秒、ベースラインの 10 mm Hg に比べて最大 50 mm Hg の内圧で観察された。 結論:この新規な一体型単一モードファイバーレーザー神経刺激システムは、(1)低コストのレーザ ー、(2)大量の光学部品の配置や手入れが不要で、より堅牢な光ファイバーデザイン、(3)神経に対 するレーザー光線の配置を単純化した改良ガウス空間ビームプロフィル、などの利点を有している。さ らなるシステムの進歩により、前立腺癌の手術に際するレーザー神経刺激が CN の識別と保護に有用に なると考えられる。 CT 尿路造影による上部尿路画像:血尿が認められるすべての患者に必要か ? To cite this article: Evelyne C.C. Cauberg, C.Y. Nio, Jean M.C.H. de la Rosette, M. Pilar Laguna, and Theo M. de Reijke. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1733-1740. doi:10.1089/end.2011.0225. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: August 18, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (195.4 KB) • PDF w/ links (156.2 KB) Evelyne C.C. Cauberg, M.D.,1 C.Y. Nio, M.D.,2 Jean M.C.H. de la Rosette, M.D., Ph.D.,1 M. Pilar Laguna, M.D., Ph.D.,1 and Theo M. de Reijke, M.D., Ph.D.1 1 Department of Urology, Academic Medical Center, Amsterdam, the Netherlands. 2 Department of Radiology, Academic Medical Center, Amsterdam, the Netherlands. Address correspondence to: E.C.C. Cauberg, M.D. Department of Urology Academic Medical Center P.O. Box 22660 1100 DD Amsterdam the Netherlands E-mail: [email protected] 要約 目的:本研究の目的は、顕微鏡的あるいは肉眼的な血尿が認められるどのような患者に、上部尿路 (UUT)のイメージングモードとしての CT 尿路造影(CTU)が必要であるかを明らかにすることで ある。 対象および方法:我々は 2006 年 1 月から 2010 年 2 月までの間に、最新のプロトコルに参加して血尿 と診断された患者を対象として前向き試験を実施した。すべての患者に標準的な検査(問診、身体検査、 試験紙法による定性的尿検査、泌尿器科医が実施する腎臓および膀胱の超音波検査、膀胱鏡検査、なら 5 びに細胞診)を実施した。また、リスク要因に基づく管理アルゴリズムに従って、UUT 画像[放射線専 門医による超音波検査、あるいは CTU が禁忌の場合は 4 次元 CTU/磁気共鳴(MR)尿路造影 (MRU)]を追加で実施した。腎腫瘤、UUT 腫瘍、および結石を検出するため、超音波検査(泌尿器 科医による)を補うための断面尿路造影(CTU/MRU)の有用性について評価した。断面尿路造影結果 の予測因子に関しては、単変量解析および多変量解析により解析した。 結果:合計 841 例の患者のうち、462 例(54.9%)の患者で血尿の原因と思われる障害を特定できなか ったが、良性疾患および悪性疾患に由来する血尿がそれぞれ 250 例(29.7%)および 124 例(14.7%) の患者で確認された。断面泌尿器造影により、525 例の患者のうち 73 例(13.9%)で問題となる UUT 障害が明らかになった。超音波検査の結果[オッズ比(OR)7.7、95%信頼区間 CI 4.0~14.9、 P<0.001]、および血尿のタイプ(OR 2.6、95%CI 1.3~5.1、P=0.01)のみが断面泌尿器造影の結果を 予測する有意な因子であった。 超音波検査で異常が認められなかった患者 456 例のうち、44 例 (9.6%)が CTU/MRU により偽陰性であることが判明したが、これら患者で見落とされていた障害の ほとんどは結石であった。CTU/MRU で UUT に全く障害が認められなかったのは、顕微鏡的血尿が認 められた患者 216 例においては 199 例(92.1%)であったが、肉眼的な血尿が存在した 309 例の患者 では 253 例(81.9%)であった。 結論:顕微鏡的な血尿が認められた患者では、重大な UUT 疾患を検出するためには超音波検査で十分 である。肉眼的血尿が存在する患者では、UUT 疾患を検出する可能性はより高く、CTU が第一選択の 検査法として適切であると思われる。 腎杯憩室結石に対する経皮的腎結石砕石術: 単一施設における経験 To cite this article: Carlos E. Méndez-Probst, Andrew Fuller, Linda Nott, John D. Denstedt, and Hassan Razvi. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1741-1745. doi:10.1089/end.2011.0046. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: August 18, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (116.4 KB) • PDF w/ links (108.6 KB) Carlos E. Méndez-Probst, M.D., Andrew Fuller, MBBS, Linda Nott, R.N., John D. Denstedt, M.D., FRCSC, FACS, and Hassan Razvi, M.D., FRCSC Division of Urology, Department of Surgery, The University of Western Ontario, London, Ontario, Canada. Address correspondence to: Dr. Hassan Razvi Division of Urology St. Joseph's Hospital 268 Grosvenor Street London, Ontario, N6A 4V2 6 Canada E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:腎杯憩室は人口の約 0.6%に存在するまれな腎奇形であり、その 50%は結石を伴って いる。治療法の選択肢としていくつかの低侵襲技術がある。本研究では、我々が経皮的なアプローチに より治療した患者の転帰と合併症をレトロスペクティイブに調査した結果について報告する。 対象および方法:我々の施設では、経皮的腎結石砕石術(PCNL)に関する転帰のデータベースを 1992 年以来保存している。本研究では、1992 年から 2009 年までの 17 年間に PCNL を受けた腎杯憩 室結石を有するすべての患者のデータをレトロスペクティイブに調査した。腎杯憩室結石の患者に対す る我々の優先的な選択肢である PCNL は、憩室に直接穿刺し、漏斗形の頸状部を介してガイドワイヤ ーを進める方法である。 腎杯の頸状部に挿管することができない場合は、救済処置として新たな漏斗 を作製する憩室貫通法によりアプローチした。本研究では、これら 2 種類の方法に関する無結石率と早 期の術後合併症について評価した。 結果:対象は平均年齢 43 歳(17~72 歳)および平均結石領域 583 mm2の 76 例の患者であり、手術方 法は直接穿刺法が 47 例、憩室貫通法が 20 例、逆行性腎瘻造設法が 8 例、および不明が 1 例であった。 患者 8 例には高周波凝固法を実施した。平均手術時間は 75 分(23~169 分)であり、平均入院期間は 4.7 日であった。合併症は合計 23 件発現し、そのうち 11 件が追加処置を必要とした。直接穿刺法と憩 室貫通法による総無結石率は、それぞれ 77%および 89%であった。 結論:腎杯憩室結石に対する経皮的治療法により高い有効性が得られ、また低い罹病率が達成できる。 上部尿路結石の内視鏡的摘出の周術期における患者の放射線被曝 To cite this article: Joseph E. Jamal, Noel A. Armenakas, R. Ernest Sosa, and John A. Fracchia. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1747-1751. doi:10.1089/end.2010.0695. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: October 19, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (106.4 KB) • PDF w/ links (115.3 KB) Joseph E. Jamal, M.D., Noel A. Armenakas, M.D., R. Ernest Sosa, M.D., and John A. Fracchia, M.D. Department of Urology, Lenox Hill Hospital, New York, New York. Address correspondence to: Joseph E. Jamal, M.D. Lenox Hill Hospital 7 Department of Urology 100 East 77th Street New York, NY 10021 E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:上部尿路結石治療におけるコンピュータ断層撮影法(CT)の有効性は十分確立して いる。職業上の年間放射線被爆量に関する世界的な許容上限は 50 ミリシーベルト(mSv)であるが、医 療被爆の年間許容線量の推奨限度は確立されていない。本研究の目的は、上部尿路結石の内視鏡的摘出 を行った患者の周術期における CT および蛍光透視法による放射線被曝量を明らかにすることである。 対象および方法:2005 年から 2009 年の間に上部尿路結石の内視鏡的摘出を行ったすべての患者を特 定した。我々が、治療処置の前後 90 日間と定義した周術期におけるすべての電離放射線像を用いて累 積被曝量を算出した。 結果:上部尿路治療を受けた患者合計 233 例の結石処置方法は、尿管鏡検査法(URS)が 127 例で、 経皮的腎結石砕石術(PCNL)が 106 例であった。CTs は患者 1 例あたり平均 1.58 回施行された。患 者 90 例(38.6%)は周術期に 2 回以上 CTs を受け、その平均回数は 2.49 回/患者であり、その結果約 49.8 mSv の放射線被曝を受けた。URS を受けた患者は、PCNL を受けた患者よりも有意に多数回の CTs を受けた(P=0.003)。蛍光透視法による被爆線量の中央値は、PCNL を受けた患者では 43.3 mGy、URS を受けた患者では 27.6 mGy であった。 結論:上部尿路結石の内視鏡的摘出を行った患者の周術期における CT 放射線被曝量は無視できない量 であり、さらに蛍光透視法による放射線被曝が加わることになる。泌尿器科の術者は、患者が多重源か ら被爆する電離放射線の累積量について留意することが必要である。 早期ステージの癌の内視鏡後腹膜リンパ節郭清術: ワシントン大学での最新情報 To cite this article: Michael W. Gardner, Timur M. Roytman, Cathy Chen, Steven B. Brandes, Adam S. Kibel, Robert L. Grubb III, Sam B. Bhayani, and Robert S. Figenshau. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1753-1757. doi:10.1089/end.2010.0596. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: September 21, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (100.6 KB) • PDF w/ links (110.9 KB) Michael W. Gardner, Timur M. Roytman, M.D., Cathy Chen, Steven B. Brandes, M.D., Adam S. Kibel, M.D., Robert L. Grubb III, M.D., 8 Sam B. Bhayani, M.D., and Robert S. Figenshau, M.D. Washington University School of Medicine, Saint Louis, Missouri. Address correspondence to: Robert S. Figenshau, M.D. Division of Urologic Surgery Washington University in St. Louis School of Medicine 4960 Children's Place St. Louis, MO 63110 E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:症例数が多い施設における早期ステージの精巣癌患者の外科的治療法としては、開腹 による後腹膜リンパ節郭清術(RPLND)が現在においても優先的な方法として用いられている。一方、 低侵襲的な術式は美容上の改善と短い回復時間などの利点を有しているにもかかわらず、これら術式に よる切除の質と腫瘍の制御に関して懸念が残っている。本研究の目的は、内視鏡 RPLND(LRPLND)の安全性および腫瘍に対する中期的な有効性を厳しく評価することである。 対象および方法:2003 年と 2009 年の間に L-RPLND を受けたすべての患者の診療録をレトロスペク ティブに評価した。患者の診療録は電話による問診によりアップデートした。 結果:試験期間中に合計 59 例の患者が L-RPLND を受け、そのうちの 13 例が過去に化学療法を受け ていた。L-RPLND 施行時の平均年齢は 32 歳、 平均手術時間および概算出血量はそれぞれ 291 分 (176~620 分)および 184 mL(範囲 0~1,800 mL)であった。リンパ節の平均個数は 21.6 個(範囲 5~48 個)で、 平均入院期間は 2 日(範囲 1~4 日)であった。術中合併症のため、3 例は開腹手術に 変更した。輸血が 1 例の患者で必要であった。術後合併症が 5 例に 6 件(8.5%)発現し、その内訳は リンパ嚢腫が 3 件、乳び性腹水が 2 件、および深部静脈血栓症/肺塞栓症が 1 件であった。病理学的に リンパ節転移が陽性であったのは 18 例であったが、そのうちの 13 例には補助化学療法を行い、5 例は 監視を行った。平均 21.3 ヵ月の追跡調査期間中に監視を行ったすべての患者で後腹膜腔の再発は認め られなかった。既化療の RPLND 患者 1 例(1.7%)で後腹膜腔の再発が認められた。 結論:L-RPLND は早期ステージの精巣癌患者の診断と治療法の一つであり、良好な腫瘍の制御と許容 できる周術期の罹病率が得られる術式である。 中期的な成績では、L-RPLND が開腹手術の代替法と して利用できることが示唆された。慎重に選択された患者は既化療において L-RPLND の候補である と思われる。 根治的前立腺全摘除術後の排泄抑制能力回復に及ぼす簡易尿道固定術の成績 To cite this article: Carlos Nuñez-Mora, Jose Maria García-Mediero, Pedro M. Cabrera-Castillo, Manuel Pérez-Utrilla, and Javier Angulo-Cuesta. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1759-1762. doi:10.1089/end.2011.0056. 9 Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: September 16, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (202.4 KB) • PDF w/ links (132.7 KB) Carlos Nuñez-Mora, M.D.,1,2 Jose Maria García-Mediero, Ph.D.,1,2 Pedro M. Cabrera-Castillo, M.D.,1,2 Manuel Pérez-Utrilla, M.D.,1 and Javier Angulo-Cuesta, Ph.D.2 1 Hospital Oncológico MD Anderson Internacional España, Madrid, Spain. 2 Hospital Universitario de Getafe, Madrid, Spain. Address correspondence to: Carlos Núñez-Mora, M.D. Servicio de Urología Hospital Oncológico MD Anderson C/ Arturo Soria 270 28033 Madrid Spain E-mail: [email protected] 要約 目的:根治的前立腺全摘除術後の尿失禁に対する簡易尿道固定術の有効性を解析した。 対象および方法:簡易尿道固定術の有効性を評価するため、2007 年 1 月から 2008 年 12 月の間に 104 例の患者が無作為化試験に登録された。簡易尿道固定術は、連続縫合による尿道膀胱吻合の終了後に実 施し、また縫合材料を切断する前に恥骨結節を通した針と同じ材料を用いて縫合し、Hem-o-lok により しっかり締めた。簡易尿道固定術群(グループ 1)に割付けられた患者は 51 例、および尿道固定術を 行わない対照群(グループ 2)に割付けられた患者は 51 例であった。 排尿抑制能力は日常生活におい て尿失禁防護の必要性がないことと定義し、抑制能力の程度を術後 3、6 および 12 ヵ月後に比較した。 結果:手術時間はグループ 1 が 141 分およびグループ 2 が 139 分であり、有意差は認められなかった (NS)。尿閉、恥骨骨炎あるいは膀胱穿孔などの二次的合併症は全く認められなかった。各グループ の 47.1%の患者が、3 ヵ月後に排尿抑制能力を有していると申告した(NS)。また、6 ヵ月後ではグル ープ 1 の 72.6%の患者およびグループ 2 の 66.7%の患者が排尿抑制能力を有しており(P<0.05)、12 ヵ月後ではグループ 1 の 92.2%の患者とグループ 2 の 84.3%の患者が抑制能力があると申告した。 結論:我々の経験では、簡易尿道固定術は簡単で短時間に実施できる方法である。本法により、排尿抑 制能力は 6 ヵ月後および 12 ヵ月後において臨床的な改善を示したが、フィッシャー検定では両グルー プ間に有意差は認められなかった。本試験成績を確認するためには、より多数の患者を対象とした試験 を実施する必要があると考える。 10 一人の術者によって実施した腎盂・尿管癌の膀胱カフ切除を伴う単孔式腹腔鏡下腎尿 管全摘除術に関する最初の経験 To cite this article: Joo Yong Lee, Sang Jin Kim, Hong Sang Moon, Yong Tae Kim, Tchun Yong Lee, and Sung Yul Park. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1763-1768. doi:10.1089/end.2010.0729. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: August 24, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (347.5 KB) • PDF w/ links (188.2 KB) Joo Yong Lee, M.D., Sang Jin Kim, M.D., Hong Sang Moon, M.D., Ph.D., Yong Tae Kim, M.D., Ph.D., Tchun Yong Lee, M.D., Ph.D., and Sung Yul Park, M.D. Department of Urology, Hanyang University College of Medicine, Seoul, Korea. Address correspondence to: Sung Yul Park Dept. of Urology Hanyang University College of Medicine 17 Haengdang-dong, Seongdong-gu Seoul (133-792) Korea E-mail: [email protected] 要約 目的:腎盂・尿管癌の膀胱カフ切除を伴う単孔式腹腔鏡下腎尿管全摘除術(LESSNU)を施行した最 初の 10 症例に関する我々の経験を報告する。 対象および方法:一人の術者により、10 例の患者(男性 6 例および女性 4 例、腎盂癌 6 例および尿管 癌 4 例)にLESSNUを施行した。我々は自家製の単孔式装置を用いて、臍部を 4 cm皮膚切開した。単 孔式装置は手術用手袋とAlexisⓇ開創器で作製した。LESSNUは通常の腹腔鏡下腎尿管全摘除術と同様 の方法で行った。 結果:患者の平均年齢は 62.79±7.93 歳であり、総手術時間の平均は 225.63±65.87 分、腎摘出のための 時間は 80.00±29.03 分、および膀胱カフ切除のための時間は 145.63±42.63 分であった。また、概算出 血量の平均は 187.50±83.45 mLであった。病理検査の結果、pT 1 N 0 の患者が 4 例、pT 2 N 0 の患者が 4 例、pT 3 N 0 の患者が 1 例、およびpT 3 N 2 の患者が 1 例であった。pT 3 N 2 の患者 1 例は外科的切除縁陽 性例であった。切除されたリンパ節の数は平均 2.5 個(範囲 0~9 個)であった。開腹術により腎門リ ンパ節を完全に切除するため、1 例の患者で切開創を拡大した(pT 3 N 2 患者)。また、下部尿管周囲が 高度に癒着しているため、1 例の患者でGibson 皮切による開腹術に変更した(pT 3 N 0 患者)。一過性 の腸閉塞症が 1 例および保存療法により改善した発熱が 1 例に認められた。 平均入院期間は 4.75±3.37 日であった。LESSNUに成功した 8 例の患者がこの術式に満足していた。 11 結論:腎盂・尿管癌に対する LESSNU は実施可能で、かつ安全な術式であると考えられるが、難症例 においては未だ難しい方法である。 腹腔鏡下腎臓手術および副腎手術における人間工学的操作を改良するための標準化さ れた線形ポート構成: 1264 症例に関する経験 To cite this article: Jonathan D. Harper, John T. Leppert, Alberto Breda, and Peter G. Schulam. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1769-1773. doi:10.1089/end.2011.0127. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: August 24, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (454.4 KB) • PDF w/ links (276.6 KB) Jonathan D. Harper, M.D., John T. Leppert, M.D., Alberto Breda, M.D., and Peter G. Schulam, M.D., Ph.D. Department of Urology, University of California, Los Angeles Medical Center, Los Angeles, California. Address correspondence to: Jonathan Harper, M.D. Department of Urology University of Washington 1959 Pacific St, Box 356510 Seattle, WA 98195 E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:上部尿路手術を行う場合の伝統的な腹腔鏡検査では、様々な位置のカメラのいずれの 側にも配置した臍部のポートを介してカメラをアクセスするようにポートを配置している。このような ダイヤモンド構成では、術者とカメラ操作者が交差する必要があり、人間工学的に適切ではない。我々 の施設では、ほとんどすべての経腹膜泌尿器手術において標準化された線形ポート構成を用いている。 本研究では、この簡便な方法とその利点について我々の経験を紹介する。 対象および方法:2000 年から 2009 年 6 月までの間に、一人の術者によって施行されたすべての腹腔 鏡手術症例をレトロスペクティブに調査した。線形ポート構成は、肋骨縁の 1 指下の最も上部のポート と同側の直腸傍線に沿って配置された 3 つのポート、および臍の位置の下部ポートからなっている。最 も上部のポートを介して 5 mm のカメラを使用し、必要な場合は下部の横向きの抽出部位を一般的に用 いる。 結果:線形ポート構成を用いて実施した腹腔鏡下手術は 1,264 例であった。これらのうち、1,038 例は 提供腎摘出術/根治的腎摘出術/単純腎摘出術、60 例は部分腎摘出術、35 例は腎尿管切除術、49 例は副 12 腎摘出術、50 例は腎盂形成術、20 例は腎臓の冷凍切除術、および 12 例は種々雑多な腎臓手術であっ た。また 1,264 例のうち、98.2%の症例はこのポート構成で手術が成功し、3 例は追加ポートが必要で あった。術中合併症の発現率は 0.9%で、概算出血量の平均は 60 mL であった。開腹手術に変更した症 例は 20 例(1.6%)であり、そのうち 16 例は待機的な開腹、4 例は合併症による二次的な開腹であっ た。 結論:右腎および左腎手術ならびに副腎手術のための線形構成による簡便なポート配置は、実施可能で 修得が容易であり、術前の戦略計画が簡単に立てられ、かつ優れた視覚が得られる。 また、上部のポ ートを介したカメラアクセスにより直接可視化が可能となり、カメラ所持者と術者の動作における相互 作用を最小化できる。 液体フィブリンシーラントと組み合わせて用いるシートタイプ止血剤の粘着作用に関 する in vitro での基礎的実験 To cite this article: Keiichi Ishii, Hideki Kawashima, Takuma Hayama, Sumika Mayabashira, Shiro Oka, and Toshikado Sugimoto. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1775-1779. doi:10.1089/end.2011.0040. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: August 23, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (204.2 KB) • PDF w/ links (145.6 KB) Keiichi Ishii, M.D., Ph.D.,1 Hideki Kawashima, M.D., Ph.D.,1 Takuma Hayama, M.D., Ph.D.,2 Sumika Mayabashira, B.S.,3 Shiro Oka, B.S.,3 and Toshikado Sugimoto, M.D., Ph.D.2 1 Osaka City University, Graduate School of Medicine, Osaka, Japan. 2 Department of Urology, Osaka City General Hospital, Osaka, Japan. 3 The Chemo-Sero-Therapeutic Research Institute, Kumamoto, Japan. Address correspondence to: Dr. Keiichi Ishii Department of Urology Osaka City General Hospital 2-13-22 Miyakojima-Hondori Miyakojima-ku Osaka, 534-0021 Japan E-mail: [email protected] 要約 13 背景および目的:止血のために種々の止血剤が極めて効果的に使用されているが、止血剤は同様に腹腔 鏡下腎部分切除術において粘着性を与えるためにも用いられている。本研究では、液体フィブリンシー ラントと組み合わせて使用したシートタイプ止血剤の腎組織に対する粘着性について検討した。 材料および方法:実験 A では、ブタ腎スライス上に輪状に置いた凧糸の上にフィブリン糊(液体フィ ブリンシーラント)の成分溶液を滴下した。次に、シートタイプ止血剤の 1 種(すなわち、コラーゲン、 ゼラチン、またはセルロース止血剤)を腎スライスの上に置き、腎スライスから垂直に凧糸を離すのに 必要な力を測定した。各群それぞれ 12 個の腎スライスを用い、データを統計学的に解析した。 それぞ れのシートタイプ止血剤に付着した組織はホルマリン固定し、組織切片をヘマトキシリンエオシン染色 した後に光学顕微鏡により観察した。実験 B では、最初に溶液をスライス上に置いたシートタイプ止 血剤に滴下し、スライスから止血シートを引き離すのに必要な力を同様に測定した。 結果:実験 A においては、フィブリン糊とコラーゲン止血剤の組み合わせが明らかに優れていたが、 実験 B では止血剤と腎組織は容易に引き離すことができることが示された。これらの結果から、フィ ブリン糊は他の止血剤と組み合わせて使用するか、あるいは直接腎組織に適用しない限り、期待される ような粘着効果を発現しないと思われた。 結論:さらなる止血剤の比較データを収集し、術式を考慮した適切な止血剤を選択することが重要であ る。 ヘリコバクターピロリに対する抗生物質の経口治療はオキサロバクター ・ホルミゲ ネスの腸管定着率を持続的に低下させる To cite this article: Viktoria Kharlamb, Jennifer Schelker, Fritz Francois, Juquan Jiang, Ross P. Holmes, and David S. Goldfarb. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1781-1785. doi:10.1089/end.2011.0243. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: October 21, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (164.4 KB) • PDF w/ links (143.6 KB) Viktoria Kharlamb, Pharm. D.,1 Jennifer Schelker, M.D.,2 Fritz Francois, M.D.,3 Juquan Jiang, Ph.D.,4 Ross P. Holmes, Ph.D.,5 and David S. Goldfarb, M.D.6 1 Pharmacy Benefits Management, Veterans Integrated Service Network 3, New York Harbor Veterans Affairs Medical Center, New York, New York. 2 Division of General Internal Medicine, Bellevue Hospital and New York University School of Medicine, New York, New York. 14 3 Gastroenterology Section, New York Harbor Veterans Affairs Medical Center and Division of Gastroenterology, New York University School of Medicine, New York, New York. 4 Department of Microbiology and Biotechnology, Northeast Agricultural University, Harbin, China. 5 Department of Urology, Wake Forest University School of Medicine, Winston-Salem, North Carolina. 6 Nephrology Section, New York Harbor Veterans Affairs Medical Center, and Nephrology Division, New York University Langone Medical Center and New York University School of Medicine, New York, New York. Address correspondence to: David S. Goldfarb, M.D. Nephrology Section/111G New York VA Medical Center 423 E. 23 Street New York, N.Y. 10010 E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:オキサロバクター ・ホルミゲネス(OF)はシュウ酸カルシウム結石を予防する役割 を有していると考えられている。本研究は、OF の定着に対する抗生物質の作用を評価した最初の前向 き試験である。 OF の腸管定着は尿中シュウ酸排泄の減少に関連しており、 抗生物質の曝露は定着率 を決定する重要な要素であると考えられる。 材料および方法:OF 定着に対する抗生物質の影響を、 ヘリコバクターピロリ(HP)による胃感染症 に対して抗生物質治療を受けた群と、抗生物質治療を受けなかった HP に感染していない群の 2 群で比 較した。ベースライン、1 ヵ月後および 6 ヵ月後の便の OF 定着をシュウ酸分解により検出した。 結果:ベースラインにおける OF の腸管定着率は、検査したすべての患者で 43.1%であった。OF が陽 性で抗生物質を服用していなかった 12 例の患者のうち、11 例(92%)は 1 ヵ月後と 6 ヵ月後に便検査 で OF が検出された。OF が陽性で、HP に対する抗生物質を服用していた 19 例の患者では、1 ヵ月後 と 6 ヵ月後の便検査において OF の定着が継続していたのは 7 例(36.8%)のみであった(P=0.003、 フィッシャーの正確確率検定)。アモキシシリンとクラリスロマイシンの投与によって 62.5%の患者が 1 ヵ月後に OF が陰性となり、6 ヵ月においても 56.2%の患者が OF 陰性を維持していた。 結論:HP 感染に対する抗生物質の投与は OF の定着を効果的に減少させ、その効果は投与 1 ヵ月後お よび 6 ヵ月後においても認められた。 OF の永久除去は高シュウ酸尿を伴い、再発性の腎臓結石の要因 になると考えられる。 家兎常温下腎動脈単純遮断モデルにおけるクランプ法の比較 To cite this article: Cipriano C. Formiga, Anuar I. Mitre, Lísias N. Castilho, Carlos Alberto Buchpiguel, Fabio L. N. Marques, Adriano Radin, and Miguel Srougi. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1787-1791. doi:10.1089/end.2010.0738. 15 Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: September 16, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (314.2 KB) • PDF w/ links (217.9 KB) Cipriano C. Formiga, M.D.,1 Anuar I. Mitre, M.D.,1 Lísias N. Castilho, M.D.,2 Carlos Alberto Buchpiguel, M.D.,3 Fabio L. N. Marques, Ph.D.,3 Adriano Radin, M.Sc.,3 and Miguel Srougi, M.D.1 1 Department of Urology, University of São Paulo School of Medicine, São Paulo, Brazil. 2 Department of Urology, Catholic University of Campinas, Campinas, Brazil. 3 Nuclear Medicine Division, Department of Radiology, University of São Paulo School of Medicine, São Paulo, Brazil. Address correspondence to: Cipriano C. Formiga, M.D. Department of Urology University of São Paulo School of Medicine Av. Dr. Enéas de Carvalho Aguiar # 255, 7° floor, room 7215 São Paulo (SP), 05403-000 Brazil E-mail: [email protected] 要約 目的:本研究の目的は、実験的家兎 2 腎臓モデルの長期温阻血(WI)状態において、異なる腎血管ク ランプ法による腎機能回復のパターンを検討することである。 材料および方法:28 羽の家兎を 4 グループに無作為化し、開腹して異なるタイプの腎茎クランプを施 した。すなわち、グループ 1 の家兎(n=4)には偽手術を施し、グループ 2 の家兎(n=8)には 80 分 間のWI下で 動脈のみをクランプした。また、グループ 3 の家兎(n=8)には 80 分間の動静脈クランプ を行い、グループ 4 の家兎(n=8)には 20 分毎に 10 秒間のクランプ解除を伴う 80 分間の動静脈クラ ンプを実施した。クレアチニンの血清レベル(SCr)は術前と術後(PODs)1、3 および 7 日目に測定 し、 腎機能は99mTc‐メルカプトアセチルトリグリシンを用いた腎シンチグラフィーによって評価した。 その後、動物を安楽死させ、腎臓を採取して顕微鏡的に評価した。 結果:腎機能は動脈のみをクランプしたグループと動静脈を間欠クランプしたグループの POD7 で完 全に回復し、これら両方法は動静脈クランプよりも優れていた(P<0.001)。SCr はすべてのグループ で同様の変動を示し、各グループ間に統計学的な有意差は認められなかった。病理組織学的変化は各虚 血グループで同様であった。 結論:本実験モデルにおいて、より有害でないクランプ法は動脈のみのクランプ法と間欠クランプ法で あることが示された。 16 内視鏡検査室でのジェルマットフットパッドに関する前向き無作為化評価 To cite this article: Joseph A. Graversen, Ruslan Korets, Adam C. Mues, Hiroshi K. Katsumi, Ketan K. Badani, Jaime Landman, and Mantu Gupta. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1793-1796. doi:10.1089/end.2011.0155. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: October 3, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (116.8 KB) • PDF w/ links (107.3 KB) Joseph A. Graversen, M.D.,1 Ruslan Korets, M.D.,1 Adam C. Mues, M.D.,1 Hiroshi K. Katsumi, M.D.,1 Ketan K. Badani, M.D.,1 Jaime Landman, M.D.,2 and Mantu Gupta, M.D.1 1 Department of Urology, Columbia University Medical Center, New York, New York. 2 Department of Urology, University of California in Irvine, Orange, California. Address correspondence to: Joseph A. Graversen, M.D. Department of Urology Columbia University Medical Center 161 Fort Washington Ave, 11th floor New York, NY 10032 E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:開腹法と腹腔鏡法を比較したいくつかの研究において、開腹手術に比べて低侵襲手術 を施行する外科医に筋骨格痛が顕著に発現することが示されている。本研究の目的は、内視鏡を設置す る際にジェルマットを使用することにより、どのような人間工学的な利点を術者に与えるかを示すこと である。 材料および方法:外科医 11 名による内視鏡手術 100 例を試験群(ジェルマット使用)と対照群に無作 為に割付けた。 手術は経皮的腎砕石術と尿管鏡検査法のいずれも含んでおり、手術のタイプや予想さ れる手術時間の長さに関係なく無作為化した。すべての術者に対して、手術前、手術中、手術直後、お よび手術後 24 時間にアンケートを行った。また、手術中に術者が不快感によりストレッチと体位変換 を行った回数を、独立した観察者が記録した。 結果:ジェルマット群と非ジェルマット群の術前の測定基準平均値は同様であったが、手術時間 60 分 以下の群では全体的な不快感がジェルマット群で最初から大きかった(1.7 対 1.3、P=0.0273)。ジェ ルマットの使用は手術時間 60 分以下の群で術後の不快感を有意に減少させ(P=0.0435)、術後の活動 性を改善した(P=0.0411)。また、手術時間 60 分以上の群において、ジェルマットはストレッチと体 位変換の回数を減少させると共に、術後の不快感と活動性も改善した。 17 結論:内視鏡を設置する際にジェルマットを使用することにより、すべての場合で術後の不快感と活動 性を総合的に改善した。また、手術時間が 60 分以上にわたる場合は、ジェルマットの使用が不快感に よる術者のストレッチと体位変換の回数を減少させた。ジェルマットのこれら有益な効果のいくつかが、 より効率的な手術と良好な患者の転帰をもたらすと思われる。 最近卒業した泌尿器科医の低侵襲手術訓練パターン To cite this article: David A. Duchene, Felipe Rosso, Ralph Clayman, Elspeth M. McDougall, and Howard N. Winfield. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1797-1804. doi:10.1089/end.2011.0092. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: August 30, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (352.4 KB) • PDF w/ links (359.3 KB) David A. Duchene, M.D.,1 Felipe Rosso, M.D.,1 Ralph Clayman, M.D.,2 Elspeth M. McDougall, M.D.,2 and Howard N. Winfield, M.D.3 1 Department of Urology, University of Kansas Medical Center, Kansas City, Kansas. 2 Department of Urology, University of California, Irvine, Irvine, California. 3 West Alabama Urology Associates, Tuscaloosa, Alabama. Address correspondence to: David A. Duchene, M.D. Department of Urology University of Kansas Medical Center 3901 Rainbow Blvd., MS 3016 Kansas City, KS 66205 E-mail: [email protected] 要約 目的:最近卒業した泌尿器科医の腹腔鏡手術およびロボット手術の訓練パターンについて検討した。 材料および方法:米国泌尿器科学会 (American Urological Association) に登録されている泌尿器科の研 修医 9,095 名の E メールアドレスに電子アンケートを送付した。 結果:泌尿器科医 864 名(9.5%)から回答があり、そのうちの 84%の泌尿器科医が腹腔鏡手術または ロボット支援下手術を行っていると回答した。経験が浅い腹腔鏡医が最も高頻度受けたトレーニングは、 フェローシップ(31%)、レジデンシ―(23%)、あるいは 2、3 日のコース(22%)であった。研修 医の 86%が腹腔鏡下腎摘出術の実効性について回答し、71%がこの術式が標準治療であると考えてい る。また、研修医の 66%が少なくとも 1 回はロボットユニットにアクセスしており、9%が 1 年以内に 購入することを計画している。ロボット手術に対する意識は好ましいものであり、80%の研修医が今後 18 ロボット手術の頻度が増加し、発展性のある手術法であると考えている。研修医の 31%はロボット支 援下前立腺摘除術が標準治療であると回答しており、50%が将来有望な方法であると確信している。回 答者は低侵襲手術法に関する最適なトレーニングはフェローシップ(23%)、ミニフェローシップ (23%)、あるいは実地訓練(23%)であると考えている。また、回答者の 29%はレジデンシ―で腹腔 鏡手術とロボット支援下手術の訓練を十分受けることができたと考えており、62%はレジデンシ―を完 了した研修医はほとんどの腹腔鏡手術を実施可能であるべきと考えている。 結論:前回の評価以来、腹腔鏡手術およびロボット支援下手術の施行と利用度は増加している。これら の手術法に関する意見は好ましいものであり、また楽観的なものである。 泌尿器科の領域において、 低侵襲的な手術法を求める気運が高まっているので、卒後泌尿器科医と研修医のトレーニングは不可欠 な課題である。 アメリカの泌尿器科研修医トレーニングにおける腹腔鏡カリキュラムの評価 To cite this article: Behfar Ehdaie, Chad Tracy, Chris Reynolds, Bic Cung, Kenneth Thomas, Tom Floyd, and Noah Schenkman. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1805-1810. doi:10.1089/end.2011.0213. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: October 21, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (580 KB) • PDF w/ links (305.3 KB) Behfar Ehdaie, M.D.,1 Chad Tracy, M.D.,2 Chris Reynolds, M.D.,3 Bic Cung, M.D.,3 Kenneth Thomas, M.D.,1 Tom Floyd, M.D.,1 and Noah Schenkman, M.D.1 1 Department of Urology, University of Virginia, Charlottesville, Virginia. 2 Department of Urology, University of Iowa Hospital and Clinics, Iowa City, Iowa. 3 University of Virginia, School of Medicine, Charlottesville, Virginia. Address correspondence to: Behfar Ehdaie, M.D. Department of Urology, Box 800422 University of Virginia Health Sciences Center Charlottesville, VA 22908 E-mail: [email protected] 要約 目的:本研究の目標は、泌尿器科の研修医トレーニングにおける腹腔鏡カリキュラムの役割とシミュレ ーション技術を、2 年以上にわたる研修医の見解から評価することである。 19 材料および方法:2008 年と 2009 年の米国泌尿器科学会 (American Urological Association) のベーシッ クサイエンスコースに参加した泌尿器科の研修医を対象として、匿名での調査を行った。我々はカリキ ュラムの中で用いられた腹腔鏡下手術シミュレータと、カリキュラム外で用いられたシミュレータを評 価した。シミュレータの表面的妥当性と内容的妥当性を 5 段階のリッカート尺度により解析した。回答 は対応のない Student t 検定とカイ二乗検定を用いて比較し、有意水準は P<0.05 とした。 結果:2008 年に 114 件の調査(81.4%の回答率)を、また 2009 年には 76 件の調査(43%の回答率) を行って評価した。手術シミュレータへのアクセスは 74.6%から 78%まで増加した。腹腔鏡カリキュ ラムを含む伴うプログラムの割合は 16.9%から 44%に増加した。2009 年の結果では、カリキュラムを 含むプログラムに参加した研修医の方がカリキュラムを含まないプログラムに参加した研修医に比べて より高頻度にシミュレータを使用していた(P=0.03)。2008 年は研修医の 48%が、また 2009 年は 72% の研修医が「1 年間にシミュレータを全く使用しない」、「1 回使用する、あるいは 2 回使用す る」と回答した。研修医の 93%が、泌尿器科プログラムには腹腔鏡カリキュラムを含めるべきである と回答し、82%はシミュレータをカリキュラムに含めるべきであると考えている。研修医の 1/3 が技能 修得にシミュレータが有用であると考えており、80%が現在の腹腔鏡カリキュラムは不十分であると回 答している。 結論:シミュレータが含まれた泌尿器科プログラムの数は拡大を続けている。腹腔鏡シミュレータへア クセスしているにもかかわらず、研修医はめったにシミュレータを使用しない。腹腔鏡カリキュラムを 含むプログラムに参加した研修医は、カリキュラムを含まないプログラムに参加した研修医よりも手術 シミュレータをより高頻度使用していると回答している。腹腔鏡カリキュラムは重要であり、シミュレ ータを組み入れることが手術教育を向上させる。 泌尿器内視鏡学会監視委員会の臨床支援室 To cite this article: Glenn M. Preminger, Peter Alken, Tomonori Habuchi, Hessel Wijkstra, Andreas Skolarikos, and ChanJun Yin. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1811-1813. doi:10.1089/end.2011.0402. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: October 19, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (63.3 KB) • PDF w/ links (65.3 KB) Glenn M. Preminger, M.D.,1 Peter Alken, M.D.,2 Tomonori Habuchi, M.D.,3 Hessel Wijkstra, Ph.D.,4 Andreas Skolarikos, M.D.,5 and Chan-Jun Yin, M.D.6 1 Division of Urologic Surgery, Duke University Medical Center, Durham, North Carolina. 2 Department of Urology, Mannheim University Hospital, Mannheim, Germany. 3 Department of Urology, Akita University Graduate School of Medicine, Akita, Japan. 4 Department of Urology, AMC University Hospital, Amsterdam, The Netherlands. 20 5 Second Department of Urology, University of Athens, Athens, Greece. Department of Urology, The First Affiliated Hospital of Nanjing Medical University, Nanjing, China. Address correspondence to: Glenn M. Preminger, M.D. Department of Urology Duke University Medical Center DUMC 1331 Durham, NC 27710 E-mail: [email protected] 6 要約 泌尿器内視鏡の分野における大規模な国際的多施設合同臨床試験は、泌尿器内視鏡学会の臨床支援室 (CROES)により実施される。これらの試験が提起する主な課題の 1 つは、極めて短時間のうちに遠 隔地からオンラインで収集したデータが有効かつ信頼できることを保証することである。CROES は監 視委員会によるデータの公式な監査過程について述べており、呈示された監査過程の多くは自動採点法 に基づくものである。また、監査過程はデータと参加施設の質を決定するいくつかのパラメータについ て考慮している。この監査過程は実質的で機能的なものであり、患者データと試験施設の両者について 実際にモニターすることを提案している。 慢性かつ再発性の精嚢腺炎治療に関する新しい方法 To cite this article: Bin Xu, Pengchao Li, Xiaobing Niu, Xiangxiang Zhang, Zengjun Wang, Chao Qin, Jie Li, Yuejun Jia, Hongfei Wu, and Wei Zhang. Journal of Endourology. November 2011, 25(11): 1815-1818. doi:10.1089/end.2010.0456. Published in Volume: 25 Issue 11: November 8, 2011 Online Ahead of Print: August 26, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (192.4 KB) • PDF w/ links (126 KB) Bin Xu, M.D., Ph.D.,* * These authors contributed equally to this work. Pengchao Li, M.S.,* Xiaobing Niu, M.S.,* Xiangxiang Zhang, B.S.,* Zengjun Wang, M.D., Ph.D., Chao Qin, M.S., Jie Li, M.S., Yuejun Jia, M.S., Hongfei Wu, M.D., Ph.D., and Wei Zhang, M.D., Ph.D. 21 State Key Laboratory of Reproductive Medicine, Department of Urology, the First Affiliated Hospital of Nanjing Medical University, Nanjing, and Jiangsu Shengze Hospital, Wujiang, China. Address correspondence to: Zengjun Wang, M.D., Ph.D. Department of Urology First Affiliated Hospital of Nanjing Medical University 300 Guangzhou Road Nanjing, 210029 China E-mail: [email protected] 要約 目的:慢性かつ再発性の精嚢腺炎患者に対する新しい治療法、および F9 精嚢スコープにより射精管を 拡張し精嚢を洗浄する手順に及ぼす本治療法の影響を検討した。 対象および方法:本試験は、臨床徴候、臨床検査、直腸指診、および経直腸的超音波断層法に基づいて 精嚢腺炎と診断された 26 例の患者を対象とした。F9 精嚢内視鏡で射精管を拡張し精嚢を洗浄する手術 を受けたこれらすべての患者を術後 3 ヵ月から 1 年間追跡調査した。 結果:症状、臨床徴候、顕微鏡検査における白血球数および赤血球数、精嚢サイズ、経直腸的超音波断 層法での内壁エコーの改善、および精液培養陽性率は有意に減少した。さらに、すべての患者で改善が みられた。 結論:本研究では、慢性精嚢腺炎患者の治療のために解剖学的に正常な管を介する精嚢スコープを用い た新しい経尿道精管内視鏡の技術を紹介した。この方法は簡単に実施でき、合併症の発現を最小化する ことができる。本研究結果を確認するためにはさらなる検討が必要である。 22
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