2003年発売の30本の新鋭レンズ。 頂点に立つ'03ベストオブレンズの栄光を手にするのは!! 2003-2004 CAPAレンズ大賞 19 第 回 発表 ポートレート撮影において独自 の路線とセンスを持つ。クラブ CAPAでの撮影会も毎回好評 各メーカーのボディ・レンズを 用途に応じ自由自在に使いこな す、テクニシャン的カメラマン CAPA編集長。読者と同じ アマチュアの視点から今年 のレンズを一刀両断! 日本の自然風景から夜景・花 火まで幅広い分野で活躍。デ ジカメの執筆にも定評がある 一眼レフのみならず、コンパク トデジカメまでをも巧みに使 いこなす “旅情派カメラマン” 本誌「交換レンズ完全ガイ ド」でもお馴染み。レンズ 評論はこの人に聞け! 馬場信幸 桃井一至 加藤俊樹 工藤智道 吉森信哉 西平英生 115 選考委員 選考委員 選考委員 選考委員 選考委員 選考委員 ががそ本 飛審し誌 び査てで 交に C 活 うあ A 躍 のた P 中 だる A の ろ。を 5 う今代 か年表人 ⋮もしの ⋮厳加カ 。し藤メ ラ い編マ 評集ン 価長 。 選 考 委 員 紹 介 !! タムロンSP AF28∼ 75ミリF2.8XR Di デジタル一眼レフ向けの超広角ズームレンズたちが目立つ中、 CAPAレンズ大賞に輝いたのは! 決定 大口径標準ズームにしてこの低価格・コンパ クト・高いスペックを実現 CAPAレンズ大賞選考対象レンズ一覧 (2003年1月∼12月に発売されたAF一眼レフ用交換レンズ主要30本を対象として選考) レンズ名 キヤノンEF17∼40ミリF4L USM キヤノンEF55∼200ミリF4-5.6 ★キヤノンEF‐S18∼55ミリF3.5∼5.6USM シグマAFアポ300∼800ミリF5.6EX HSM 価格 120,000円 40,000円 フード 付属 別売・1,200円 EOSKissデジタルとキット販売 別売・1,700円 790,000円 付属 シグマAF24∼135ミリF2.8-4.5 59,000円 付属 シグマAF28∼300ミリF3.5-6.3 45,000円 付属 シグマAF12∼24ミリF4.5-5.6EX DG HSM 99,000円 固定式 20,000円 付属 ★シグマAF18∼50ミリF3.5‐5.6DC ★シグマAF55∼200ミリF4-5.6DC 25,000円 付属 シグマAF17∼35ミリF2.8‐4EX DG HSM 70,000円 付属 シグマAFアポ80∼400ミリF4.5-5.6EX OS 195,000円 付属 タムロンSP AF28∼75ミリF2.8XR Di 55,000円 付属 タムロンSP AF180ミリマクロF3.5Di 98,000円 付属 タムロンSP AF17∼35ミリF2.8-4Di 60,000円 付属 トキナーAT-X80∼200ミリF2.8NEW 128,000円 付属 AF-VRニッコールED70∼200ミリF2.8G 270,000円 付属 162,000円 付属 AF-SVRニッコールED24∼120ミリF3.5‐5.6G 94,000円 付属 AFニッコールED28∼200ミリF3.5-5.6G 62,000円 付属 ★ AFDXフィッシュアイニッコールED10.5ミリF2.8G 98,000円 固定式 ペンタックスFAJ28∼80ミリF3.5-5.6AL 22,000円 別売・1,500円 ペンタックスFAJ75∼300ミリF4.5-5.8AL 33,000円 別売・2,500円 ★ AF-SDXニッコールED12∼24ミリF4G 各社の大口径標準ズーム。タムロン28∼75ミリF2.8XR Di (左から3本目) の小さ さが際立つ。 「大きい・重い・高価」といった大口径標準ズームの常識を破った。 発売当初から注目されていただけのことはある。大 口径レンズとしては驚きの大きさ・重さ、そして低 価格を実現。それだけではなく、高いスペックを備 え、高画質、デジタル一眼レフにも配慮するなど、 細かな気配りが行き届いた、まさに'03を代表する 1本である。本命レンズが堂々大賞の座に輝いた。 大賞レンズここがスゴイ!! 受賞理由・その3 ズーム全域で最短撮影距離33 受賞理由・その1 セン チ 最小・最軽量の大口径標準ズーム、 ズーム全域でF2.8の明るさ 近接撮影が可能な最短撮影距離33 セン チ 。またズーム全域とい うことで使い勝手は抜群にいい。気軽にマクロ撮影を楽しみ たい方には、お得感を十分に感じていただけるだろう。 大口径レンズは大きく、重いという概念を覆した。その功績はいちば セン んに称えるべきであろう。重さはなんと500 グラ ム 強、全長約9 チ と、 同社レンズの普及タイプと同等。一見すると見間違うほどにコンパク トにまとめられている。また、ズーム全域でF2.8という明るさも撮 影領域の幅を広げてくれる。 レンズ名にもあ るようにマクロ 的な撮影もでき るレンズ。最短 撮影距離がズー ム全域で33 と 短く、テレ側75 ミリでは1:3.9 という高い撮影 倍率を誇ってい る。花や昆虫な どの小さな被写 体もレンズ交換 なしでパッと撮 影できるのは快 適。ボケも柔ら かく美しい。 キヤノンEOS10D 絞り優先オート 絞りF5.6 中央部重点測光 プラ ス0.3補正 ホワイトバランス:太陽光(撮影/工藤智道) セン チ 受賞理由・その2 輝かしいスペックと高画質の理由はいかに! レンズの正式名は『タムロンSP AF28∼75ミリF2.8 XR Di LD Aspherical[IF]MACRO』。名前のとおり、特殊硝材レンズをふん だんに採用している。通常の光学ガラスでは除去しにくい二次色収差 を除去・低減しシャープでクリアな描写に仕上げる「LD」のほか、 周辺減光やフォーカシングに伴う画質劣化の抑制に効果的な諸機能を 盛込んでいる。高画質を意識した設計であることはいうまでもない。 タムロンSP AF28∼75ミリF2.8XR Di ミ リ ミ ミ リ ペンタックスFAJ18∼35ミリF4-5.6AL ★ペンタックスDA16∼45ミリF4EDAL オープン (実販約25,000円)付属 オープン (実販約50,000円)付属 ミノルタAFアポ70∼200ミリF2.8G (D) SSM 297,500円 付属 ミノルタAFアポ300ミリF2.8G (D) SSM 675,000円 付属 ★オリンパスズイコーデジタル14∼54ミリF2.8-3.5 75,000円 付属 ★オリンパスズイコーデジタルED50∼200ミリF2.8-3.5 125,000円 付属 81,000円 付属 875,000円 付属 ★オリンパスズイコーデジタルED50ミリF2マクロ ★オリンパスズイコーデジタルED300ミリF2.8 ★はデジタル一眼レフ専用レンズ 117 受賞理由・その4 デジタル一眼レフにも 配慮した光学設計 今やフィルム一眼レフのみを視野に入れたレンズは、購入の 際に悩むところだろう。いずれは入手する、またはしたいデジ タル一眼レフ。先を見通して考えるとやはり両方に使えるモ ノを、と考える時代が来ている。 タムロンSP AF28∼75ミリ F2.8XR Diは、デジタル一眼レフの特性にも配慮し、対応で きる光学設計がなされている。息の長いレンズになりそうだ。 た 。 お め で と う ご ざ い ま す 。 R に 続 い て タ ム ロ ン が 連 覇 を 達 成 し だ 。 昨 年 の 大 賞 レ ン ズ 28 ∼ 300 ミ リ X ﹁ タ ム ロ ン 28 ∼ 75 ミ リ F 2.8 X R D i ﹂ を 覆 し て 登 場 し た 大 口 径 標 準 ズ ー ム 本 と な る ﹁ 標 準 ズ ー ム ﹂ 。 数 々 の 常 識 を 獲 得 し た の は 、 カ メ ラ ラ イ フ の 基 そ し て 今 回 、 C A P A レ ン ズ 大 賞 せ る 結 果 と な っ た 。 集 ま り 、 ま さ に ﹁ 過 渡 期 ﹂ を 感 じ さ ジ タ ル で も 楽 し め る レ ン ズ に 注 目 が リ F 3.5 ︲ 5.6 G な ど 、 フ ィ ル ム で も デ ︲ 5.6 E X G D 、 ニ コ ン V R 24 ∼ 120 ミ 2.8 X R D i 、 シ グ マ 12 ∼ 24 ミ リ F 4.5 用 レ ン ズ だ 。 タ ム ロ ン 28 ∼ 75 ミ リ F ﹁ フ ィ ル ム & デ ジ タ ル ﹂ で 楽 し め る 両 カ メ ラ フ ァ ン の 多 く が 注 目 し た の は 市 場 の 方 向 性 は ﹁ デ ジ タ ル ﹂ だ が 、 大 口 径 標 準 ズ ー ム レ ン ズ 2 0 0 3 年 C A P A の 選 択 は メー トル レンズ構成/14群16枚 フィルター径/67 最短撮影距離/0.33 (ズーム全域) 最大撮影倍 率/1:3.9(F=75ミリ、最短撮影距離) フード形式/花形バヨネット式 絞り羽根枚数/7枚 全長/92 (最大伸長:75ミリ時125 ) 重さ/510 価格/55,000円 発売/2003年4月 の 活 発 さ が 際 立 っ て い る 。 種 別 バ ラ ン ス は 多 彩 だ が 、 超 広 角 系 本 、 そ の 他 5 本 ︵ デ ジ タ ル 専 用 3 ︶ 。 ︵ デ ジ タ ル 専 用 2 ︶ 、 超 望 遠 ズ ー ム 2 高 倍 率 ズ ー ム 2 本 、 望 遠 ズ ー ム 7 本 グラ ム リ ︵ デ ジ タ ル 専 用 5 ︶ 、 標 準 ズ ー ム 4 本 、 種 別 と し て は 、 超 広 角 ズ ー ム 10 本 し た 1 年 だ っ た と 感 じ さ せ て く れ る 。 換 レ ン ズ も 本 格 的 な 対 応 が ス タ ー ト デ ジ タ ル 一 眼 レ フ 時 代 に 向 け て 、 交 用 レ ン ズ も 多 数 発 売 さ れ 、 ま さ に 、 対 応 を う た う フ ィ ル ム ・ デ ジ タ ル 両 イ ン ナ ッ プ だ 。 さ ら に は 、 デ ジ タ ル は デ ジ タ ル 一 眼 専 用 レ ン ズ と い う ラ 本 、 魚 眼 1 本 ︶ 。 そ の う ち 半 数 の 6 本 離 を 持 つ 超 広 角 系 レ ン ズ ︵ ズ ー ム 10 実 に 11 本 が 18 ミ リ よ り も 広 い 焦 点 距 今 回 ノ ミ ネ ー ト さ れ た 30 本 の う ち 、 製 品 が 続 々 と 登 場 し た 。 た 。 交 換 レ ン ズ も そ の 潮 流 に 乗 っ た ル 一 眼 レ フ 元 年 ﹂ と い え る 1 年 だ っ 昨 2 0 0 3 年 は ﹁ 本 格 的 な デ ジ タ 30 本 が 発 売 さ れ た 2 0 0 3 年 本 格 的 デ ジ タ ル 一 眼 レ フ 元 年 116 選考委員全員一致で『タムロンSP A F28∼75ミリF2.8XR Di』に決定!! 2位には超広角12ミリかつズーム全域で最短撮影距離28 セン 『シグマAF12∼24ミリF4.5-5.6EX DG HSM』 、 3位は『ペンタックスDA16∼45ミリF4ED AL』 と上位3本のレンズは各選考委員がそれぞれに推薦する僅差となった。 チ という 評価マークの内容 ◎=本命(お薦め) ○=対抗 (準お薦め) △=穴(注目) 馬場信幸選考委員 桃井一至選考委員 加藤俊樹選考委員 工藤智道選考委員 吉森信哉選考委員 西平英生選考委員 ◎ タムロン SP AF28∼75ミリ F2.8XR Di タムロン SP AF28∼75ミリ F2.8XR Di タムロン SP AF28∼75ミリ F2.8XR Di タムロン SP AF28∼75ミリ F2.8XR Di タムロン SP AF28∼75ミリ F2.8XR Di タムロン SP AF28∼75ミリ F2.8XR Di ◎ ○ ペンタックス DA16∼45ミリ F4ED AL シグマ AF12∼24ミリ F4.5-5.6EX DG HSM ペンタックス DA16∼45ミリ F4ED AL シグマ AF12∼24ミリ F4.5-5.6EX DG HSM シグマ AF12∼24ミリ F4.5-5.6EX DG HSM なし ○ △ シグマ AF12∼24ミリ F4.5-5.6EX DG HSM AF-SVRニッコール ED24∼120ミリ F3.5-5.6G シグマ AF12∼24ミリ F4.5-5.6EX DG HSM シグマAF18∼50ミリ F3.5-5.6DC シグマAF55∼200ミリ F4-5.6DC ペンタックス DA16∼45ミリ F4ED AL シグマ AF12∼24ミリ F4.5-5.6EX DG HSM △ フィルム一眼とデジタル一眼、 2台のボディで活躍できるのも楽しい 重量・サイズ・画質・値段、大満足の1本 マニュアルフォーカスの操作性も高い 大賞レンズは高画質で低価格、まさに アマチュアカメラマンの強い味方である ボケ味がキレイで積極的に使え、最短撮影 チ と近接撮影できるのも嬉しい 距離33 セン ごく自然に“大口径ズームの世界”を体験 できる、ぜひとも使ってほしいレンズだ これまでの大口径標準ズームの 大きさ重さは何だったのだ! 仕事柄、F2.8クラスのズームレンズは多用するが 「広角、標準、望遠」の大口径3本セットを持ち歩くの は重労働。今や多くの大口径ズームは肥大化しすぎて 中判カメラのレンズのようで辟易していた。そんなと ころに登場したタムロン28∼75ミリF2.8は、まさし く求めていたレンズ (!) で、即購入 (もちろん自腹) 。 重量をはじめ、画質も値段も大満足の1本だ。マニュ アルフォーカスがしやすいのも個人的にはポイント高 し。絞り羽根のモーター音 (キヤノン用) がやや耳障り なぐらいで、欠点らしい欠点がほとんど見あたらず文 句なしの二重丸だ。続くシグマも例年驚くようなスペ ックで楽しませてくれるが、今年の12∼24ミリ (フル サイズ対応) ズームには正直たまげた。APSサイズの 撮像素子がポピュラーになりつつある今、なにもフル サイズ対応でなくても、と思うところもあるが、そこ をあえて挑戦したシグマの開発陣に敬意を表したい気 分だ。 タムロンSP AF28∼75ミリF2.8XR Diは、今まで 当然とされてきた「高画質な大口径ズームは高価格で 大きく重い」という常識を、みごと覆してくれました。 もちろん、超音波モーターや重厚な外装を備えた他 の高級レンズも魅力的ですが、それらに負けない画質 を低価格で多くの写真愛好家に提供したという点 に、 大きな価値を感じます。実際使ってみても「この値段 でこの画質か!」と大感動。まさにアマチュアカメラ マンの強い味方といえるでしょう。また、このような レンズを世に出すためには、技術力のみならず大胆で 高度なマーケティング力が必要であったと推測されま す。その多大な努力に「一票」です。 ペンタックス16∼45ミリはデジタル一眼に最適か つ、他社にない焦点域をもち、リーズナブルな価格を 実現していることに対して、またシグマ 12∼24ミリ はフィルム一眼用としてかつてない広角域のズームで ありながら、デジタル一眼用としても高い性能を誇る ことに対して推薦しました。 F2.8の大口径レンズは高級レンズともいえるほど 価格が高く、一般的なレンズとはいいにくかった。し かし、タムロン28∼75ミリF2.8は価格破壊ともいえ るほどの低価格で登場し、大いに評価できる。 価格が安いからといって写りが悪いのでは? とい う不安もおこるが、実際に撮影してみるとキレがよく コントラストもあって、今までの高価な大口径標準ズ ームと比べても遜色のない画質を実現している。絞り 開放でも安心して撮影でき、またボケがキレイで積極 的に使える。そして、コーティングなどに凝りデジタ ル一眼レフにも対応している点もすばらしい。最短撮 影距離も33 と被写体に寄れるのも評価できる。 やや誉めすぎのようだが、AF時にピントリングが 回転する点だけが残念。しかし、使いにくい部分も価 格とスペックを考えると納得でき、十分に満足して使 えるレンズだ。発売されてすぐに購入し、デジタル一 眼レフ、フィルム一眼レフともに今現在活用している レンズの1本でもある。 すべての選者が同じ答えを出したことをみても、本 レンズが“多くの人が求める進化”を達成したことが わかる。 言うまでもなく、現在の交換レンズの主役はズーム である。だが、近年のズームレンズは、どれも類型的 すぎた。高倍率なモノか、コンパクトで安価なモノか、 大きさや価格を考慮しない大口径タイプか、その3パ ターンだ。つまり、明るくて高性能なズームが欲しか ったら、大きさや重さ、それに価格の高さには目をつ むるしかなかった。 ところが、タムロンSP AF28∼75ミリF2.8XR Di は、そんな常識を打ち破ってくれた。いろんな意味で 負担の大きい従来の大口径ズームに踏み切れなかった 人も、ごく自然に“大口径ズームの世界”が体験でき る。この意味はとても大きい。デジタル一眼レフも考 慮した「Di仕様」もウレシイ。 安価なコンパクトズームや、高倍率ズームしか使っ たことのない人に、ぜひとも使ってほしい製品である。 F2.8の明るさと描写性能に優れた大口径標準ズー ムは、大口径望遠ズームと共に、多くの一眼レフユー ザーがその存在を無視できないでいる。あの大きさ重 さでは……、あの価格では……といいながらも気にな ってしまうレンズが大口径標準ズームだ。 これまでの大口径標準ズームは、大きく重く高価で、 そのボリューム感は最も一般的な常用タイプ標準ズー ムである28∼105ミリF3.5-4.5クラスの2∼3倍、価 格は4∼5倍にもなる。しかし、タムロンから新発売 さ れ た 大 口 径 標 準 ズ ー ム 「 SP AF28∼ 75ミ リ F2.8XR Di」は、28∼105ミリF3.5-4.5クラス並みの 大きさ重さと、価格を実現していた。 使ってみて思った。これまでの大口径標準ズームの 大きさ重さは、なんだったのだ。大口径標準ズームが 普通に買えて、普通に使える標準ズームになった。多 くのユーザーにもたらすメリットは大きく、CAPAレ ンズ大賞に相応しい。 デジタル対応に明け暮れた昨2003年 要求の高まるレンズに今年も期待 よい意味での「レンズ戦国時代」に 入った感あり! APS-Cサイズの撮像素子を持つデジタル一眼で 使えるワイドレンズ・ズームがやはり目立つ 使ってワクワクさせるような、 独創的で魅力的なレンズを待ち望む デジタル専用レンズも登場して 久し振りに活況呈す交換レンズ 昨年はデジタル一眼レフの普及に伴い、デジタル対 応レンズ一色の年だったような気がする。そんななか、 求められていたスペックを満たしたレンズが上位に選 ばれた。小型軽量化、デジタル対応、画質、質感など など、年々レンズに対する要求は増すばかり。今年は さらにどんな魅力的な製品が投入されるのかが楽しみ だ。 2003年は数多くのデジタル対応・専用レンズが登 場しました。その結果、35ミリ一眼レフ用で熟成さ れ尽くしていた「売れ筋スペック」の殻を破る、ユニ ークなレンズ が数多く登場してきたという印象です。 よい意味での「レンズ戦国時代」に入ったのではない でしょうか? これからも楽しみです。 2003年に登場したレンズは30本と豊作の年のよう に思えるが、各社から発売されたレンズはデジタル一 眼レフの登場に伴うリニューアル製品やデジタル専用 レンズが多い年となった。このため、目新しい焦点域 のレンズもあるがAPS-Cサイズの撮像素子を持つデ ジタル一眼で使えるワイドレンズ、ズームが目立つ。 現状ではAPS-Cサイズのデジタル一眼で活用できる レンズが多くなるのはうれしいが、撮像素子のサイズ に合わせてレンズを作るよりも、フルサイズのデジタ ル一眼を低価格で提供できる努力をメーカーにもして ほしい……。 デジタル一眼レフの普及が進む現状を反映して、広 角系のズームレンズが目立つ1年であった。APS-Cサ イズのデジタル一眼で、どこまで広角になるか、どこ まで接近して撮れるか……。各社とも、そういう点に 力を入れてきた。 そんな流れのなか、大口径標準ズームを驚異的にコ ンパクト化&低価格化したタムロンの姿勢が爽快だっ た。 今後は、単焦点レンズにおいても、使ってワクワク させるような、独創的で魅力的な製品を出してほしい ものだ。 2003年に発売された交換レンズの多くが、デジタ ル一眼レフでの使用を考慮したレンズで、デジタル専 用レンズも5社から10本が発売されている。この傾向 は今後ますます増進し、交換レンズもデジタル時代を 迎えようとしている。各社の対応が見ものだ。 選 考 コ メ ン ト 総 評 1位はタムロン28∼75ミリF2.8。F3.5‐4.5の標準 ズームを使っていると、いつかは欲しくなるF2.8ズ ーム。それがこの大きさと価格でというのが、何とも うれしい。しかも標準ズームが備えていてほしい近接 能力も十分。デジタル一眼レフに使うとネイチャーや ポートレートにちょうどいい画角になる。フィルムと デジタルの2台のボディで活躍できるのも楽しい。 2位はペンタックスの16∼45ミリF4。開放から全 画面シャープで、さらに夜景では輝度の高い点光源か らのコマフレアがほとんど現れず、ディストーション もよく抑えられている。操作性もよく、実売価格から は信じられない写りで、CPの高さは抜群。 3位はシグマの12∼24ミリF4.5‐5.6。デジタルで 18ミリ相当までいけば、もうこれ以上は要らない。 そして35ミリ判では想像を絶する超広角。企画、設 計、生産そして価格。すべてにシグマの良心を感じる。 最近のニューレンズは 外観デザインが非常にスッキリ 「デジタル一眼レフに使える」というだけでなく、撮 影サイズの違いをプラスに生かし、デジタルと35ミ リでそれぞれの性格が発揮できるレンズがおもしろ い。そういう見方ができるようになった。そして最近 のニューレンズはその外観デザインが非常にスッキリ してきた。デザインで遊んでいないからで、特にシグ マのレンズは高級感も漂っており、とてもいい。これ に比べたら、一眼レフボディの遊びの過ぎた稚拙なデ ザインが、情けない。 119 セン チ 選 考 コ メ ン ト 総 評 118
© Copyright 2024 Paperzz