頭蓋内腫瘍摘出手術 人と同様に、犬および猫にも脳腫瘍は多く発生します。脳原発の腫瘍では、脳や脊髄の 周りを覆う髄膜の腫瘍である「髄膜腫」が犬や猫で最も多く認められます。この髄膜腫は 表面から脳を圧迫することで、痙攣などの神経症状を中心とした多様な症状をもたらしま す。 脳腫瘍の診断は MRI や CT での画像検査が中心となりますが、確定診断には腫瘍組織を 取り除き病理検査をすることが必要です。それらの検査結果を基に治療法を決定していき ます。主な脳腫瘍の治療法としては、緩和ケア、外科手術、放射線療法、抗癌剤などがあ げられます。 髄膜腫における外科療法が適応する症例においては以下のような手術を施します 開頭術 頭蓋骨の一部を取り除き、腫瘍化した組織を取り除きます。主に、病理検査のための組 織生検や腫瘍組織の減容積を目的とした部分摘出を行います。 頭部の皮膚を切開し、頭蓋骨を露出させます。特殊なドリルを用いて、CT などの画像 検査を基に綿密に計画した切除ラインの四方角に穴をあけ、各々の穴を結びつけるように 溝を掘ります。 骨を取り除き、髄膜を切開し脳を露出させ(写真左)、腫瘍組織を取り除きます(写真 右) 。 切り開いた皮下組織と皮膚を縫合して終了です。
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