AMATERAS Media Player ユーザーズガイド

AMATERAS Media Player ver.2.1
ユーザーズガイド
version
2013年8月24日 2.0.0
第2版
i
Copyright© 2013 ORIHALCON Technologies.All Rights Reserved.
1 はじめに
1
AMATERASの特徴
1
フリー版と製品版の違い
3
利用シーン
4
2 チュートリアル
11
使用準備
11
映像の表示
11
表示スタイルの切り替え
12
動画の再生
13
映像ファイルの開き方
13
表示設定の使い方
14
プレイリストの使い方
15
プレゼンテーション
17
平面映像の表示
18
魚眼写真のスライドショー
19
動画ファイルのエンコード
20
映像の書き出し
22
Oculus Riftによるドーム映像試写
23
3 リファレンスマニュアル
25
[ファイル]メニュー
25
[メイン]タブ
26
[PIP]タブ
36
[プレイリスト]タブ
40
[シアター制御]タブ
41
[ウィンドウ]タブ
45
ii
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「ファイルライブラリ」ウィンドウ
51
「プレイリスト」ウィンドウ
52
プレイリストコマンド
54
ショートカットキー
59
コマンドラインオプション
61
4 プレイリストの使い方
63
ファイルライブラリ
63
プレイリスト
64
5 スクリプトの使い方
67
スクリプトを試す
67
スクリプトの使いどころ
68
6 外部機器の利用
69
MIDIコントローラー
69
DMXコントローラー・照明制御
70
OSCコントローラー
72
ウェブブラウザによる遠隔操作
73
プロジェクター
74
TCP通信による制御
75
7 動画ファイルのエンコード
76
エンコーダの使い方
76
8 複数PC環境での使い方
79
環境設定
79
AMATERASの利用
80
9 映像ファイルのまとめ方
82
映像ファイルと音声ファイルをまとめる
82
AMFファイルのフォーマット
82
スライス済み映像の読み込み
83
立体映像の読み込み
83
10 投影補正機能の使い方
85
投影補正に関する用語
85
投影補正の流れ
87
チュートリアル
88
詳細な編集
94
投影補正の実例
100
11 よくある質問と回答
117
PC環境の設定
117
AMATERASの上映設定
119
操作上のTIPS
120
12 スクリプトリファレンス
iii
121
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1 はじめに
1
はじめに
AMATERAS Media Playerは、ドーム映像のために設計された高機能な映像再生ソフトウェアです。高
解像度のドーム映像素材(ドームマスターファイル)をそのままドラッグ&ドロップするだけで再生する
ことができます。これにより、これまで扱いが大変だったドーム映像を非常に簡単に再生することができ
るようになります。また映像の再生のみならず、シアター機器の制御や映像の自動上映などを、すべて映
像制作者が自らソフトウェア上で検討し、準備することができます。AMATERAS Media Playerは、ド
ームシアターという魅力的な映像環境を誰にでもわかりやすく扱えるものにするべく、日々開発が進めら
れています。
AMATERASの特徴

高機能なドーム映像プレビュー
ドーム映像の実際のドームでの見え方を、仮想ドームの内外から多角的に確認できます。連番画像からの
動画再生にも対応しているため、制作初期から活用することができます。

ドームシアター環境の統合制御
ドーム映像の再生はもちろんのこと、ドーム内での平面映像によるプレゼンテーション、音響や調光制御
などを、このソフトウェアひとつで実現できます。

高解像度リアルタイムスライスによるコンテンツ準備時間の短縮
映像素材はオリジナルの高解像度のまま取り扱い、再生時にプロジェクターや画面配置に合わせて必要な
映像補正を行います。そのため、これまで長い準備時間が必要だった事前の補正変換(切り出し・スライ
ス)が必要ありません。
1
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1 はじめに

フレームキャッシュによる安定した再生
高解像度の動画をコマ落ちなく安定して再生するために、表示する映像を常に先読みしながら再生します。

クロスフェード、ブレンディングなどのリアルタイム映像合成
複数の高解像度を同時再生してのクロスフェード、加算合成による字幕映像の付加などが可能です。

多画面出力への対応
1台のPCから複数のプロジェクターや画面への出力に対応しています。複数画面の映像は一切のコマズレ
なく同期再生されます。

ネットワーク同期再生
複数のPCにインストールしたプレーヤーからの同期再生ができます。任意の数の画面出力に対応し、LAN
越しにPC機材をディスプレイのそばに分散配置することができます。

プレイリストによる自動化
視覚的にわかりやすいプレイリストを作成し、映像の連続再生や高度な自動化に対応できます。

フリー版によるオープンな制作環境
製品版のすべての機能をフリー版で試すことができるため、映像制作者もあらかじめ自分の環境で映像の
確認やプレイリストの作成を行うことができます。

スクリプトによる自動化
プレーヤーの全ての機能をJavaScriptにより制御できます。スクリプトにより高度な自動化やシステム構
築を行うことができます。

プラグインによる拡張性
プレーヤーの機能や外部機器への対応、プレイリストの機能などは、プラグインによって将来的に拡張可
能な仕組みになっています。

外部機器との連動
TCP/UDP通信やMIDI、DMX、シリアル通信などに幅広く対応し、スクリプトを使って外部機器との高度
な連携動作を実現することができます。

マルチプラットフォーム、多言語対応
WindowsおよびMacOSX(近日公開予定)の両プラットフォームに対応しています。日本語・英語版の
インターフェースに加え、他言語にも対応可能です。

再生専用の簡単操作画面
あらかじめ用意した映像やプレイリストだけを、大きなアイコンからタッチ画面で操作するようなエンド
ユーザー向けの再生専用画面が用意されています。

ドームシアター環境のシミュレーション
ドームシアターの座席モデルを読み込み、実際のドームに座って映像を見るような感覚でドーム映像を確
認できます。没入間の高いヘッドマウントディスプレイOculus Riftにも対応しています。

ライブ映像入力への対応
ビデオキャプチャ機能により、ウェブカメラや高解像度ビデオキャプチャ(要HWオプション。1080pま
で対応)によるライブ映像入力を、スクリーン上に歪みなく合成表示できます。
2
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1 はじめに

Picture In Picture合成表示
画像や動画、ライブ映像入力などを、ドームスクリーン上の好きな位置・大きさにPicture In Picture合成
して表示できます。

多彩なPIPオプション
PIP合成は、独立フェード、半透明化、加算合成、エッジぼかし、クローン表示などの表示設定が可能です。

PIP映像の仮想プロジェクション機能
ドームの中心以外に、ドームの端などから仮想的に別プロジェクターで投影したようなPIP映像のマッピン
グを行うことで、大画面投影時の歪みを抑えることができます。

バーチャルライト機能
投影像に任意の照明映像を加算合成するバーチャルライト機能で、プロジェクターによる簡易的な場内照
明を行うことができます。

半球、全球、任意形状への投影マッピング
ドームスクリーン以外にも、投影補正データを用意することで平面や3Dプロジェクションマッピングな
ど、任意形状への同期投影システムを構築することができます。

連番からの再生、連番への書き出しと映像変換
映像制作用に、連番画像からの直接再生や、様々な表示モードでの映像書き出しに対応しています。ドー
ムマスター映像から広視野角映像への変換や、映像の切り出し(スライス)などに活用できます。

リアルタイム切り出し表示
映像の一部をリアルタイムに切り抜いて表示することができます。魚眼レンズで撮影した全周魚眼映像を
事前準備なくそのままドームに投影できます。

ファイル管理、同期管理
プレビューアイコン付きのファイルライブラリで映像ファイルを一括管理することができます。複数PC環
境ではファイルの同期コピー機能も利用できます。

ソフトウェアライセンスによる提供
製品版はソフトウェアライセンスのみでの提供も可能です。フリー版で動作検証いただいた独自のPC環境
にてご利用可能です。

レンタルライセンスによる柔軟な運用
短期のイベント期間中のみ多数の画面出力が必要な場合などに、期間に応じたソフトウェアライセンスの
レンタルにも対応いたします。
フリー版と製品版の違い
AMATERAS Media Playerには、誰でもダウンロードして使えるフリー版と、高度な利用に対応した製
品版があります。フリー版では以下の機能が利用できません(映像にロゴが焼きこまれます)
。
 連番画像書き出し機能
 投影補正をかけた表示
 投影補正データの出力
それ以外の機能に制限はありませんので、たとえば「広角表示」スタイルでの簡易ドーム投影に利用する
ような場合、フリー版でも製品版と同じように使用できます。
3
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1 はじめに
製品版を購入検討される際にも、お使いのPCで十分な性能で動作するかどうかフリー版で検証していた
だくことができます。
利用シーン

ドーム映像のプレビュー・共有
ドーム映像制作者は、これまで経験と勘に頼っていたドーム映像の投影の様子を、仮想的なドーム投影で
インタラクティブかつ多角的に確認することができます。ドーム映像ファイルを配布するだけで、誰でも
フリー版のプレーヤーを使って映像を確認し、ドーム環境があれば実際に投影することもできます。
Amaterasによって、これまでになく簡単にドーム映像をプレビュー・配布・共有することができるよう
になります。

バーチャルリアリティ技術によるドームシアター体験
広視野でヘッドトラッキング付きのヘッドマウントディスプレイ、Oculus Riftによって、ドームシアター
環境をその場にいるかのように体感することができます。ドームシアターの3Dモデルを読み込んで、その
座席に座ってドーム映像を鑑賞したり、ジョイスティックを使ってドーム内を自由に飛び回りながら映像
を確認したりすることができます。
© KAGAYA STUDIO

装填作業なしのドーム投影
高解像度のドーム映像をそのままリアルタイムに映像補正してドーム投影することができます。これによ
り、これまで必要だったプロジェクターごとの映像の切り出しや歪み補正、ブレンディングなどの装填作
業(スライス作業)が不要になり、非常に手軽にドーム映像の投影が実現できるようになります。
4
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1 はじめに
→

→
フリー版を使ったドームでの簡易投影
プロジェクターに魚眼レンズを取り付けるだけでも、ドームの広範囲を覆った簡易的なドーム投影になり
ます。こうした投影であれば、フリー版の機能だけでも十分にドーム投影が可能です。プロジェクターと
魚眼レンズ、ノートPCだけを持ち込んでの簡易ドーム投影を自力で行うことができます。

魚眼写真の簡易スライドショー
魚眼レンズをつけたカメラで風景写真や観光写真を撮影したら、それをドラッグ&ドロップするだけでド
ーム環境でのスライドショーを実現できます。ドームマスター形式への変換や視野角、正面方向の変更な
どもリアルタイムに行えます。

ドームコンサート
高解像度映像からの同期ずれのない多画面切り出し再生やクロスフェード、プレイリストによる自動化は、
コンサートや展示イベントでの映像投影に便利です。
5
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1 はじめに

ドームでの大画面映像投影
平面映像を投影しても歪んでしまいがちなドームシアターで、平面映像を見やすく補正して表示すること
ができます。ドームシアターを大画面、多画面の映画鑑賞・ライブ観戦シアターとしても活用できます。

プラネタリウム補助投影
デジタルプラネタリウム機能のないプラネタリウムに簡易導入し、星空は光学投影機で、それ以外のすべ
て(全天周映像や説明映像の補助投影、音響制御、調光制御など)をAmaterasでまとめて実現すること
ができます。

ドーム映像の字幕投影
ドーム映像を直接加工せずに、別の動画や静止画スライドでPIPとして字幕を合成表示できます。プレイリ
ストにより字幕を表示するタイミングや位置などを細かく調整することができます。

ライブカメラの合成
ビデオキャプチャ機能を使って、ライブカメラの映像をドーム映像の任意の位置に合成表示できます。講
演者近影や手元実験の拡大投影、赤外撮影で手話解説の合成表示などに活用することができます。
6
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1 はじめに

ライブドーム映像の投影
ビデオキャプチャ機能により、魚眼レンズを付けたライブカメラからの映像をそのままドーム映像として
投影することができます。日食やオーロラなどドーム外からのライブ中継を簡単に実現することができま
す。

複数PCでの同期再生
Amaterasは1台のPCから多画面の出力(8画面以上)ができるとともに、ネットワーク越しに複数のP
Cから同期再生することで必要なだけ画面数を増やすことができます(これまでの実績:48画面)。広い
投影環境で、PCを分散配置して映像信号を伸ばさず環境構築することが可能です。

ドーム映像の加工書き出し
Amaterasのリアルタイム映像補正機能を使って、ドームマスター形式の映像から正面の広い範囲を平面
映像として切り出したり、平面映像をPIP機能でドームマスター形式に埋め込んだりといった映像変換を行
うことができます。
7
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1 はじめに
→

ドーム映像のスライス書き出し
ドーム映像からスライス(プロジェクターごとの切り出し・歪み補正・ブレンディング)し、より高画質
のエンコードのために連番画像として書き出すことができます。
→

多画面へのマッピング
高解像度の映像素材やライブ映像から、自由に映像を切り出して多画面の出力にマッピングすることが可
能です。また画面ごとに歪み補正や輝度調整、部分マスクなども可能です。これにより、モニターを多数
組み合わせた映像展示や大規模コンサートでのプロジェクション/LED表示などに活用できます。

投影設計シミュレーション
製品版のプレーヤーは複雑投影補正を実現するための投影設計機能を備えています。この機能を使って、
どのようなスクリーンに何台のプロジェクターを配置してどのように投影を行うか、投影設計の事前シミ
ュレーションを行うことができます。
8
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1 はじめに

3Dプロジェクションマッピング
任意の3Dモデルを読み込み、これをスクリーンとした3Dプロジェクションマッピングに対応できます。
投影設計画面でモデルとプロジェクターのレイアウトを設計し、歪み補正やブレンディング調整を実際に
映像再生しながら行うことができます。

シアター機器の制御
プロジェクターの電源やシャッター制御、調光制御、音響ミキサーの設定変更や光学投影機との通信など、
ドーム映像とともに様々なシアター機器を連動制御することができます。

外部コントローラーによる制御
AmaterasはTCP/UDPやMIDI、DMXなど様々な通信プロトコルに対応しているため、他のアプリケーシ
ョンやPC、コントローラーなどからの遠隔操作を行うことができます。
9
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1 はじめに

外部PCやiPod/iPad/iPhone/Android端末などから再生制御
ファイルライブラリの内容や再生制御画面をウェブインターフェースとして書き出し、Amaterasをウェ
ブサーバとして他のPCや無線LANで接続した遠隔端末から再制御を行うことができます。
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2 チュートリアル
2
チュートリアル
初めてAMATERAS Media Player(以降、Amaterasと呼びます)を使われる方のために、基本的な使
い方を順番に説明していきます。
使用準備
Amaterasを新たにダウンロードし、その使い方を見ていきましょう。
http://www.orihalcon.co.jp/amaterasplayer/
こちらのウェブサイトから最新版のファイルダウンロードし、好きな場所に解凍します。練習用なので、
わかりやすくデスクトップに置くのもよいでしょう。
解 凍 さ れ た フ ォ ル ダ の 中 の 、 ”Amateras Player” と い う 名 前 の ア イ コ ン を ダ ブ ル ク リ ッ ク し て 、
AMATERAS Media Playerを起動します。
映像の表示
実際にドーム映像を表示しながら使い方を見ていきます。画面の
右側に表示されているのが「ファイルライブラリ」エリアです。
この「ファイルライブラリ」では、表示する映像素材を簡単に選
べるように、その内容が小さなアイコンで表示されていま
す。”Mille Fiore”という名前のフォルダアイコンをダブルクリッ
クすると、このフォルダの中の映像素材が表示されます。このよ
うに、
「ファイルライブラリ」は映像素材を整理して置いておく場
所になっています。右上の
ボタンをクリックすると、映像素
材の情報を列挙したリスト表示と、アイコンだけの一覧性の良い表示に切り替えることができます。
ここで、映像素材のひとつを表示してみましょう。「ファイルライブラリ」の中に"auroraNight.jpg"とい
う名前のアイコンがあるので、これをダブルクリックしてください。左側の「メイン」ウィンドウ内に、
選択した映像が表示されます。
ファイルライブラリでアイコンをダブルクリック:
選択した映像を「メイン」ウィンドウで再生
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2 チュートリアル
表示スタイルの切り替え
Amaterasでは、ドーム映像を様々なスタイルで表示することができます。ウィ
ンドウ上部のリボンで[メイン]タブが選択されていることを確認して、この中央
にある[表示]グループの[スタイル]をクリックすると、「表示スタイル」を変更す
ることができます。表示スタイルは、このプルダウンメニューかショートカット
キーから、いつでも変更することができます。
ドームマスター表示
[ドームマスター表示]では、
「ドームマスター形式」の画像や動画をそのまま表示します。それ以外の形式
の映像については、正方形に縦横比が変更された状態で表示されます。この[ドームマスター表示]は、ド
ーム映像全体を確認するのに便利です。
[D]キー:[ドームマスター表示]に切り替え
広角表示
[広角表示]では、ドーム中心から広い視野でドーム映像を見渡すことができます。マウスの左ボタンを押
しながらドラッグして、周囲を見まわすことができます。マウスのホイールを回転させると、視野の広さ
を変更することができます。マウスの中ボタンを押しながら上下にドラッグすると、視点の高さを調整で
きます。[広角表示]はドームで実際に見たような感覚でドーム映像を確認することができます。また、魚
眼レンズを付けたプロジェクター1台による投影では、この[広角表示]で簡単な投影補正を行うことができ
ます。詳しくは後の章で説明します。
左ドラッグ:見まわし
ホイール回転:視野の広さ
中ドラッグ:視点の高さ
[W]キー: [広角表示]に切り替え
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2 チュートリアル
俯瞰表示
[俯瞰表示]では、ドーム投影の様子をドームの外側から俯瞰することができます。マウスの左ボタンを押
しながらドラッグして視点の回転、マウスの右ボタンを押しながら上下にドラッグすると、視点中心から
の距離を変更できます。マウスのホイールを回転させると視野角の変更、マウスの中ボタンを押しながら
ドラッグすると視点中心の平行移動を行うことができます。[俯瞰表示]はドーム投影全体の様子を確認す
るのに便利です。
左ドラッグ:視点の回転
右ドラッグ:視点中心からの距離
ホイール回転:視野の広さ
中ドラッグ:視点中心の平行移動
[O]キー: [俯瞰表示]に切り替え
この他にもいくつも表示スタイルがありますが、それらについてはリファレンスマニュアルで説明してい
ます。どの表示スタイルでも[スタイル]の横の
をクリックするか、[R]キーを押すことで視点位置をリセ
ットすることができます。
[R]キー:視点位置をリセット
動画の再生
次に、動画を表示させてみましょう。ファイルライブラリの中の”feedback.mp4”という名前のアイコン
をダブルクリックしてください。左の「メイン」ウィンドウで動画が再生されます。表示スタイルを切り
替えながら、映像の様子を確認してみてください。
画面下部の「再生バー」では、再生位置が確認できます。通常のムービープレーヤーと同様に、
をクリックして再生、再生中に
ボタンをクリックすることで一時停止、
ボタン
ボタンをクリックすることで
再生停止、その横の再生位置マーカーをドラッグすることで早送りや巻き戻しができます。右端の
ボタ
ンをクリックすることで、動画を繰り返し再生させることができます。
[スペース]キー:ドーム映像の再生と一時停止
[Home]キー:ドーム映像の巻き戻し
[ [ ]/[ ] ]キー:1 コマ巻き戻し・早送り
[ { ]/[ ] ]キー:1 秒巻き戻し・早送り
映像ファイルの開き方
ここまでの説明では、再生する映像素材は「ファイルライブラリ」から選択しました。Amaterasでは、
それ以外にも簡単に映像を再生する方法があります。
画像ファイルや動画ファイルがあれば、エクスプローラから直接Amateras上にドラッグ&ドロップする
ことで、
「ファイルライブラリ」外からでも直接その映像素材を読み込むことができます。
13
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2 チュートリアル
ウィンドウ上部のリボンで[ファイル]タブをクリックし、ここから[ファイルを開く…]を選択して映像ファ
イルを開くこともできます。
また、Amaterasを起動してすぐに映像ファイルを開くこともできます。起動時にダブルクリックした
Amateras Playerのアイコン上に映像ファイルをドロップすると、起動後に映像が再生されます。
表示設定の使い方
ウィンドウ上部のリボンにある[メイン]タブには、ドームスクリーン全面に広がるドーム映像の表示設定
や再生操作のための機能が集められています。これまでに、このタブからの映像ファイルの開き方、表示
スタイルの切り替え方などを見てきました。
[情報]グループの[情報表示]にチェックが入っていると、「メイン」ウィンドウの左上に現在表示している
映像のファイル名、再生位置や動画の長さなどが表示されます。[Cache]は動画で先読みされているフレ
ーム数で、この数が多ければ動画の読み込みが十分な速度で行われていることを意味します。[FPS]は1
秒間に何回表示更新できているかを表しており、通常30前後の数値になります。30を大きく下回ってい
るようだと、PCのグラフィックス性能が不足しています。[FPS]については、後述の「オプション設定」
ダイアログで調整できます。
[ I ]キー:情報表示の切り替え
[グリッド]グループでは、ドーム映像に重ねて表示されるスクリーングリッドや座
標線などの表示設定を行います。[スクリーン]にチェックを入れると、ドームスク
リーンの水平と垂直方向の10度ごとのグリッド線が表示されます。[水平面]と[方
向ラベル]では、[俯瞰表示]([O]キーで切り替え)などでの水平面グリッドと方向
ラベルの表示を切り替えることができます。[セーフエリア]では、ドームスクリー
ン上の指定した範囲を示す枠を表示します。実際のドームスクリーンで投影される映像範囲と見比べる時
などに便利です。[PIPエリア]は、後で説明するピクチャインピクチャ(PIP)映像の投影範囲を表示しま
す。これらのグリッドの細かさや色、セーフエリアの位置などは、[グリッド]グループ右下の
アイコン
をクリックして開く「グリッド設定」ダイアログで詳細設定を行うことができます。
[S]キー:スクリーングリッド表示の切り替え
[H]キー:水平面グリッド表示の切り替え
[L]キー:方向ラベル表示の切り替え
[A]キー:セーフエリア表示の切り替え
[P]キー:PIP エリア表示の切り替え
[E]キー:環境モデル表示の切り替え
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2 チュートリアル
[フェーダー]グループにある[フェード]ボタンをクリックすると、ドーム映像を黒
くフェードアウトすることができます。映像がフェードアウトされている状態では
この[フェード]ボタンが黄色く光っており、再びクリックすることでフェードイン
させることができます。横のスライダーをドラッグするか、または下の数値を入力
することで、フェーダーの濃さを手動で調節できます。これは手軽に映像の輝度を
落とすためにも利用できます。[音量もフェード]にチェックが入っていると、映像に合わせて音もフェー
ドすることができます。
プレイリストの使い方
これまでは映像素材をひとつずつ選択して表示していましたが、複数の映像を順番に再生していくには「プ
レイリスト」を作成します。プレイリストでは、映像を順番に再生するだけではなく、映像を部分的に再
生したり、映像から次の映像への切り替え方を指定したり、キッカケを待って再生したりといった高度な
再生制御を行うことができます。
ウィンドウ上部のリボンで[プレイリスト]タブをクリックします。このタブの中で、左側の[プレイリスト
を制御]グループの[ウィンドウ]をクリックしてオンにしてください。ウィンドウの右側に「プレイリスト」
エリアが表示されます。タブ内の[ファイルライブラリ]にある[ウィンドウ]もオンになっている(黄色く光
っている)ので、画面右側には「プレイリスト」と「ファイルライブラリ」の2つが縦に並んで表示され
ているはずです。この2つの表示エリアの大きさは、その間の区切りをドラッグすることで調節すること
ができます。
表示したい映像素材を「ファイルライブラリ」から「プレイリスト」に追加してみましょう。
「ファイルラ
イブラリ」でアイコンをクリックすると、その映像素材が選択されて白くハイライト表示されます。複数
の素材を選択するには、[Ctrl]キーを押しながらアイコンをクリックしていきます。並んでいる映像素材を
まとめて選択するには、選択したい一番上の映像のアイコンをクリックして選択し、続いて一番下の映像
のアイコンを[Shift]キーを押しながらクリックします。
ここでは、
「ファイルライブラリ」の中から好きな数だ
け映像を選択してください。
ファイルライブラリで:
左クリック:映像素材を選択
[Ctrl]+左クリック:映像素材の選択・非選択
[Shift]+左クリック:映像素材の範囲選択
映像素材を選択したら、そのまましばらくマウスの左ボタンを長押しす
ると、マウスカーソルが選択した映像素材をつかみます。これを「プレ
イリスト」エリアに移動してボタンを離すことで、選択した映像素材を
プレイリストに加えることができます。「順次ファイルを開く」ダイア
ログが表示され、選択した映像を順次表示していく時にどのように再生
を行うかをまとめて設定できます。ここでは何も変更せずに、そのまま
[OK]をクリックします。
15
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2 チュートリアル
これで「プレイリスト」に選択した映像素材が並び、順番に再生できるようになりました。ここでは再生
を始める前に、再生の順番を変更してみましょう。
作業しやすいように、「ファイルライブラリ」の右上の[X]をクリックして「ファイルライブラリ」エリア
を非表示にします。これはいつでも[プレイリスト]タブの[ファイルライブラリ]/[ウィンドウ]から再び表
示できます。
「プレイリスト」エリアの右上の
ボタンがオンになっている(黄色く光っている)ことを
確認してください。これは、プレイリストが編集可能な状態になっていることを表しています。このボタ
ンをクリックすることで、プレイリストを再生もしくは編集可能な状態に切り替えることができます。
「プレイリスト」の項目には、左上に再生される順番が表示されています。再生順番を変えたい項目のアイ
コンをマウスの左ボタンでクリックし、そのまま長押しします。やがてアイコンの位置が少し右にずれて、
並べ替えができるようになります。このままマウスの左ボタンを押したままで上下に移動し、希望する準
場になったら、マウスのボタンを離して並べ替えを終了します。このように、項目をひとつひとつ好きな
順番に並べ替えていきます。項目が多くある場合には、
「プレイリスト右上の
ボタンをクリックすると、
リスト表示と、一覧性の良いアイコンだけの表示に切り替えることができます。ここでもアイコンをマウ
スの左ボタンで長押ししてドラッグすることで並べ替えができます。
それでは、作成したプレイリストを再生してみましょう。
「プレイリスト」エリアの右上の
ボタンをク
リックしてオフにします。
「プレイリスト」エリアの下端に再生制御のためのアイコンが並びます。
再生制御バー
再生制御バー(再生中)
左端の
ボタンをクリックすると、選択されている項目からプレイリストが再生されます。再生中に
ボタンをクリックすることでプレイリストの再生を停止します。ただし、現在再生中の映像が停止するわ
けではないので、これは最後まで再生され続けます。
「プレイリスト」エリアの
ボタンをクリックして
オンにすると、プレイリストの再生の最後で先頭に戻り、繰り返し再生されます。
または
ボタンをクリックすることで、プレイリストの現在の前後の項目を選んで再生することができます。
プレイリストの再生を始めるには、[Enter]キーを押すのが便利です。このショートカットキーで、プレイ
リストが再生されていなければ再生を開始し、再生中であれば次の項目に再生が進みます。プレイリスト
の再生がキュー待ち(一時停止)状態であれば、これを解除して再生が開始されます。[Enter]キーを押し
ていくことで、プレイリストを再生して次々と先送りしていくことができるのです。
[Enter]キー:プレイリストの再生・次に進める
「ファイルライブラリ」に無いファイルでも、エクスプローラから映像ファイルを「プレイリスト」にドラ
ッグ&ドロップで直接追加できます。この時、映像ファイルはまず「ファイルライブラリ」にコピーされ
てから「プレイリスト」に追加されます。
16
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2 チュートリアル
最後に、プレイリストを保存しておきましょう。
「プレイリスト」の左上の
ボタンをクリックし、表示
されるメニューで[名前を付けてプレイリストを保存]を選択します。ファイルを保存する場所を聞かれる
ので、拡張子「.lst」を付けて好きな場所に保存してください。
プレゼンテーション
プロジェクターやディスプレイを使って、Amaterasでプレゼンテーションをしてみましょう。
Amaterasで手軽にプレゼンテーションを行うには、操作画面と投影画面(プロジェクターでの投影、も
しくはモニターでの表示画面)の2画面を利用します。ノートPCであれば映像出力端子にプロジェクタ
ーやモニターをつなぎ、手元の液晶画面を操作画面にすると良いでしょう。デスクトップPCでは、2画
面出力ができるグラフィックカードなどのハードウェアが必要です。
Windowsの「画面の解像度」の設定(デスクトップで右クリックのメニューから)、もしくは「プロジェ
クターへの接続」([Windows]+[P]キー)で[拡張]を選び、ウィンドウが2画面に渡って表示できるよう
にします。
ウィンドウ上部のリボンで[ウィンドウ]タブを選び、[追加]グループ内の[投影画面]をクリックします。
新しく「投影画面」ウィンドウが表示されるので、このウィンドウの[表示]メニューからプレゼンテーシ
ョンで表示したい表示スタイルを選択します。
この「投影画面」ウィンドウをプロジェクターやディスプレイなど投影画面の方に移動し、[Alt]+[Enter]
キーを押して全画面表示にします。これでAmaterasの操作画面で映像の表示やプレイリストの再生を行
えば、投影画面では映像だけが画面いっぱいに表示されます。[広角表示]であれば、マウス操作で見まわ
しや注目点の拡大などもインタラクティブに行えます。
17
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2 チュートリアル
もし、実際のドーム環境で、プロジェクター1台と魚眼レンズ(ワイドコンバージョンレンズ)を使った
簡易投影を行いたい場合には、この投影画面を[広角表示]にして、スクリーングリッドを表示([S]キー)
しながら実際に投影しながら調整を行ってみてください。見まわし、視野角と視野の高さの調整だけで、
おおよその投影補正が数分のうちにできることがわかるはずです。
平面映像の表示
ドーム環境でスクリーン全体を覆うドーム映像を表示するには「ドームマスター形式」で映像を用意する
必要がありますが、一方で通常の平面映像をドームに歪みなく表示したいということもよくあります。
通常、ドーム環境で平面映像を投影するには、別にプロジェクターを用意して、ドームの中央もしくは投
影面と反対側のドーム端からスクリーンに向けて映像を投影します。Amaterasでは、
「ピクチャインピク
チャ」機能(以降、PIP機能と呼びます)を使って、この別プロジェクターによる平面映像の投影をソフト
ウェア上で実現することができます。このPIP機能によって、追加のプロジェクター機材が不要となり、投
影位置や画角、輝度などが自由に設定できます。また、プレイリストを使って再生を自動化したり、ドー
ム映像と組み合わせて様々な演出を行ったりすることもできます。
PIP機能で平面映像を表示するには、ウィンドウ上部のリボンで[PIP]タブをクリックして開きます。
ここで[ファイル]グループの[開く]→[ファイルを開く…]から、平面画像(例えば”ピクチャ/サンプルピク
チャ”内の画像)を開いてみてください。ドーム前面に開いた変面画像がPIP映像として表示されます。[O]
キーを押して[俯瞰表示]に切り替え、[P]キーを押してPIPエリアを表示すると、PIP映像が投影されている
様子がわかります。
ここで「メイン」ウィンドウをクリックで選択して、[Ctrl]キーを押しながらカーソルキーを押すと、PIP
映像の位置を動かすことができます。[Ctrl]+[PageUp]/[PageDown]キーで画角を変更することもでき
ます。より正確にPIP映像の位置を調節するには、[PIP]タブの[レイアウト]グループの右下の
アイコン
をクリックして「PIPレイアウト設定」ダイアログを開きます。
[Ctrl]+カーソルキー:PIP 映像の移動
[Ctrl]+[PageUp]:PIP 映像の拡大
[Ctrl]+[PageDown]:PIP 映像の縮小
[Ctrl]+[スペース]キー:PIP 映像の再生と一時停止
[Ctrl]+[Home]キー:PIP 映像の巻き戻し
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2 チュートリアル
この中で、[距離]の値を設定するとPIP映像をドーム中心から離れた位置から投影することができます。ド
ーム環境で平面映像を大きく表示する場合は、ドーム端から反対のスクリーンに向けて投影する方が自然
に見える場合があります。また [複製数]を増やすと、同じPIP映像を複数枚表示することができます。こ
れは円周席配置の水平ドームで投影する場合などに便利です。
PIP映像の再生制御は[PIP]タブから行うことができますが、PIP映像とともに開いた「PIP」ウィンドウか
ら、映像の表示と制御を直接行うこともできます。このウィンドウは[PIP]タブの[再生]グループにある[ウ
ィンドウ]をクリックすることで表示・非表示の切り替えができます。
PIP映像は、エクスプローラからこの「PIP」ウィンドウに映像ファイルをドラッグ&ドロップすることで
も表示ができます。また「メイン」ウィンドウしかない状態であれば、[Ctrl]キーを押しながら「メイン」
ウィンドウに映像ファイルをドラッグ&ドロップすることでもPIP映像として表示することができます。
「ファイルライブラリ」からは、映像素材を選択し、ダブルクリックではなく右クリックから[PIPで再生]
を選択することでPIP映像として表示できます。
PIP機能を使えば、ドーム環境で好きなだけ大きなサイズで平面映像を上映することができます。
魚眼写真のスライドショー
実写のドーム映像を簡単に制作するには、円周魚眼レンズを付けたデジタルカメラで上を向いて風景を撮
影します。正しくドーム投影すれば、撮影した風景がそのままドーム空間に広がります。
円周魚眼レンズで撮影すると、写真の中央に円形の風景が写ります。この円周部分を切り抜いて正方形の
画像にしたものが、ほぼそのままドームマスター形式の映像素材として使えます。Amaterasでは、撮影
した写真画像をそのまま開き、指定した中心部分をその場で切り抜いてドーム表示することができます。
これにより、魚眼撮影してきた風景写真を手軽に確認したり、ドーム環境で簡単にスライドショーのよう
に上映会を行ったりすることができます。
ダウンロードしたAmaterasの”contents”フォルダ内に”Aurora 3D”フォルダがあります。その中にあ
る”source”フォルダをエクスプローラで開くと、この中に撮影された複数枚のオーロラの魚眼写真が入っ
ているのがわかります。ただし、これは撮影したままの写真(ロゴ入りで縮小化されていますが)なの
で、”Aurora 3D”フォルダのようにドームマスター形式にはなっていません。この中の1枚を選んで、
Amaterasの「メイン」ウィンドウにドラッグ&ドロップして開いてください。
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2 チュートリアル
ここから必要な部分だけを切り出します。ウィンドウ上部のリボンで[メイン]タブをクリックし、[入力映
像]グループの右下の
アイコンをクリックして「入力映像の切り抜き」ウィンドウを開きます。
「入力映像の切り抜き」ウィンドウの左側には、現在読み込まれているドーム映像が表示されます。この上
に描かれている赤い楕円形の範囲が、ドーム表示の際に切り抜かれる範囲になります。表示されている映
像の上で、切り出し範囲の左上にあたる場所をマウスで左クリックし、そのまま右下までドラッグして範
囲を指定してください。この時、[Shift]キーを押しながらドラッグすると楕円ではなく円で範囲が指定で
きます。正しく範囲が指定できたら、ウィンドウの右下の[切り抜き]ボタンをクリックしてオンにします。
ウィンドウを閉じてAmaterasの「メイン」ウィンドウに戻ってみると、先ほど指定した範囲で映像が切
り抜かれて正しいドーム映像になったことがわかります。
同じカメラを使って同条件で撮影されている限り、この切り抜き範囲は写真によって大きく違ってくるこ
とはありません。そのため、”source”フォルダの他の写真を「メイン」ウィンドウにドラッグ&ドロップ
してみると、同様に正しくドーム表示されることがわかります。また、これらの写真を「プレイリスト」
エリアにドラッグ&ドロップで追加すれば、簡単にオーロラ風景のスライドショーを実現できます。
現在のドーム映像がこのように切り抜かれているかどうかは、[メイン]タブの[入力映像]グループで、[切
り抜き]がオンになっている(黄色く光っている)かどうかで確認できます。これをクリックすれば、切り
抜きの有効化・無効化をいつでも切り替えることができます。
動画ファイルのエンコード
Amaterasは様々なファイル形式の動画ファイルを再生することができます。しかし、2K(2048x2048
ピクセル)や3K(3072x3072ピクセル)のような高解像度の動画を安定して再生するためには、
Amaterasで再生しやすい動画形式に事前に変換することをお勧めします。この動画の変換作業を「エン
コード」と呼びます。
エンコードのためには、ダウンロードしたAmaterasのフォルダの中にある”Amateras Encoder”という
名前のアイコンをダブルクリックして「AMATERAS Media Encoder」を起動します。
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2 チュートリアル
次に、エンコードしたい動画ファイルをエクスプローラからこの「AMATERAS Movie Encoder」ウィ
ンドウ上にドラッグ&ドロップします。動画にしたい連番ファイル名の画像ファイルがあれば、その連番
画像ファイルが入ったフォルダをドロップします。適当な素材が無ければ、”サンプル ビデオ”フォルダ内
の”野生動物.wmv”ファイルで試してみても良いでしょう。
映像ファイルをドロップすると、
「エンコード作業設定」ダイアログが開きます。[入力フォーマット]の欄
で正しくファイルが読み込まれていることを確認してください。
[出力ファイル]には、エンコードで書き出される動画ファイルのファイルパスが表示されています。必要
があれば書き出し先やファイル名を変更してください。
変換する映像がドーム映像の場合は、[プロファイル]で[2Kドームマスター 高品質]や[3Kドームマスター
高品質]などを選びます。これらのドームマスター用プロファイルでは、元の映像ファイルの解像度に関わ
らず2Kまたは3K解像度にリサイズしながらエンコードを行います。このようなリサイズが不要な場合、
またはドームマスター形式ではない平面映像の場合は[リサイズなし 高品質]のプロファイルを選択して
ください。
これらの設定が終わったら、ダイアログの右下の[OK]ボタンをクリックしてダイアログを閉じます。設定
内容に従って「AMATERAS Movie Encoder」ウィンドウに作業が追加されます。
エンコードしたい作業を登録したら、ウィンドウ右下の[すべて開始]ボタンをクリックしてエンコード作
業を開始します。[順次エンコードを開始]ボタンをクリックすると上から順番に、1度にひとつずつエンコ
ード作業を行います。数個のエンコード作業であれば[すべて開始]で一度に変換しても問題ありません。
すべて変換が終わると、出力先として指定した場所にエンコードされた動画ファイルが保存されています。
Amaterasでは、音付きの動画を再生したい場合でも、動画ファイルと音声ファイルは別に用意する必要
があります。動画と一緒に音声を再生したい場合は、動画ファイル名と同名で、拡張子を”.wav”や”.mp3”
に変えた音声ファイルを動画ファイルと同じフォルダに置きます。
「AMATERAS Movie Encoder」で音
付きの動画ファイルをエンコードした場合、動画ファイルと音声ファイルが出力先のフォルダに書き出さ
れます。手動でこの動画ファイルを移動する際には、音声ファイルも一緒にコピーするのを忘れないでく
ださい。
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2 チュートリアル
映像の書き出し
Amaterasでは、
「メイン」ウィンドウで表示しているドーム映像をそのまま任意の解像度で静止画や連番
画像(製品版のみ)に書き出すことができます。これにより、ドームマスター形式の映像の正面部分を[広
角表示]で見やすく切り出して高解像度で書き出したり、連番画像で書き出して動画にしたりすることがで
きます。また、PIP機能で読み込んだ平面動画をドーム映像の適当な位置に貼り付けて、歪みを補正したド
ームマスター形式の動画に変換することもできます。
映像を書き出すには、書き出したい映像を読み込みんで表示スタイルを選択します。現在の「メイン」ウ
ィンドウでの表示状態のまま書き出されるので、ドームマスター形式で書き出したい場合は[ドームマスタ
ー表示]に、正面を切り出したい場合は[広角表示]で視野を調整します。
[Ctrl]+[S]:画像ファイルとして保存
[Ctrl]+[Shift]+[S]:連番画像ファイルとして保存
静止画として書き出すには、ウィンドウ上部のリボンで[ファイル]タブをクリックし、[画像ファイルとし
て保存…]を選択します。書き出し先のファイル名を聞かれるので、これを指定します(画像フォーマット
は拡張子から判断されます)
。続いて「画像として保存」ダイアログが表示されるので、書き出す解像度を
指定します。書き出し可能な最大の解像度は使用しているPCのグラフィック性能に依存します。繰り返
し同じ条件で画像を書き出すには[設定を保存]にチェックを入れます。[OK]ボタンをクリックしてダイア
ログを閉じると、指定した場所に静止画ファイルが書き出されます。
動画を連番画像として書き出すには、[ファイル]タブをクリックし、[連番画像ファイルとして保存…]を選
択します。同じく書き出し先のファイル名を聞かれるので、これを指定します。続いて「連番画像として
保存」ダイアログが開きます。ドーム映像とPIP映像を両方読み込んでいる場合には、どちらを再生して書
き出すかを[再生対象]で選択します。また、動画の書き出し範囲と解像度もここで設定します。[OK]ボタ
ンをクリックしてダイアログを閉じると、指定した場所に連番画像ファイルが書き出されていきます。
Amaterasのフリー版では、連番画像書き出しの結果にロゴが焼きこまれます。
映像をより高品質に書き出すためには、ウィンドウ上部のリボンで[ウィンドウ]タブを開き、[オプション]
グループの[設定]ボタンをクリックして「オプション設定」ダイアログを開きます。この中の[動作速度と
画質]内の設定を変更することで、リアルタイムでの再生性能を犠牲にして画質を向上させることができま
す。
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2 チュートリアル
Oculus Riftによるドーム映像試写
Oculus Riftは広視野かつヘッドトラッキング付きのヘッドマウントディスプレイです。
http://www.oculusvr.com/
Amaterasでは仮想ドームシアターにドーム映像を投影した様子を、このOculus Riftによってまるでその
場にいるように体感することができます。これにより、実際のドームに映像を持ち込むことなくドーム映
像の試写を行い、ドーム内の各座席からドーム映像がどのように見えるか、映像の視野に占める大きさ、
物体の動く速度などを確認することができます。
Oculus Riftの利用には、立体表示と振り向きによる視野変化にも機敏に対応できるグラフィック性能の高
いPCが必要です。また、通常のディスプレイ以外にもうひとつ、Oculus Riftを接続するための映像出力
が必要になります。
Oculus Riftに電源ケーブルをつなぎ、USBケーブルをPCに、映像入力にDVIかHDMIの映像ケーブルで
PCの空いている映像出力を接続します。Oculus Riftの電源を入れると青いLEDランプが点灯します。
PCの[解像度の設定]でOculus Riftへの出力を有効化すると、1280x800ピクセルの解像度のディスプ
レイとして認識されます。
Amaterasを起動します。試写したい映像を「ファイルライブラリ」などから再生します。ウィンドウ上
部のリボンで[メイン]タブをクリックし、[グリッド]グループの[環境モデル]にチェックを入れ、その右下
の
アイコンをクリックして「グリッド設定」ダイアログを開きます。この中で[環境モデル]の[プリセッ
ト名]で[日立シビックセンター]を選択します。これで、[俯瞰教示] や[カメラ視点表示]においてドーム映
像とともにドームシアター環境も表示されるようになります。これを確認したら、
「メイン」画面では、表
示スタイルを[ドームマスター表示]にしておきましょう。
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2 チュートリアル
ウィンドウ上部のリボンで[ウィンドウ]タブをクリックし、[追加]グループの[投影画面]をクリックして
「投影画面」ウィンドウを表示します。このタブの[レイアウト]グループにある[リセット]をクリックし、
開いた「投影画面」ウィンドウを画面内に移動します。「投影画面」ウィンドウのメニューから[表示]→
[Oculus Rift]を選択すると、Oculus Riftで表示するための立体映像がウィンドウ内に表示されます。
この「投影画面」ウィンドウをOculus Riftの画面内に移動し、[Alt]+[Enter]キーで全画面表示にします。
この投影画面内でマウスをクリックしてアクティブにし、Oculus Riftを正面方向に向けて[R]キーを押す
と、正面方向が正しく補正されます。Oculus Riftを装着してみましょう。
初期状態ではドームシアターの中心に視点があります。見まわしてドームシアター環境とスクリーンに投
影された映像を確認してみましょう。カーソルキーで視点を前後左右に平行移動、また [PageUp]/
[PageDonwn]キーで上下に移動できます。ドームシアター内の座席位置によって、ドーム映像がどのよ
うに見えるかを確認してみましょう。
Oculus Riftを装着しての操作はジョイスティックの利用が便利です。Amaterasではジョイスティックと
してLogicool社製のWireless Gamepad F710を推奨しています。これを接続し、[Mode]ボタンを押し
てLEDを消灯した状態で赤ボタンなどを押し、ジョイスティックを有効化します。左のアナログスティッ
クで前後左右に平行移動、左右のトリガで上下に移動します。右のアナログスティックで正面方向を修正
できます。赤ボタンでドーム映像の再生と一時停止の切り替え、緑ボタンで最初に巻き戻します。青ボタ
ンで情報表示、黄色ボタンでスクリーングリッドの表示・非表示を切り替えます。
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3 リファレンスマニュアル
3
リファレンスマニュアル
[ファイル]メニュー
アプリケーションウィンドウ左上の[ファイル]をクリックすると、[フ
ァイル]メニューが表示されます。ここからドーム映像の読み込みや、
「メイン」ウィンドウの映像の書き出しを行います。アプリケーション
の終了もここから行います。

[ファイルを開く…]
ドーム映像として、画像ファイル、または動画ファイルを選択して開
きます。開かれたファイルは直ちに再生されます。

[連番画像ファイルを開く…]
ドーム映像として、連番画像の入ったフォルダを選択して開きます。開かれたフォルダは直ちに再生され
ます。指定したフォルダの中にある、ファイル名の末尾が連続した数字で終わる画像ファイルが自動的に
連番画像ファイルとして認識されます。連番画像ファイルの再生は動画ファイルに比べて負荷が高いため、
頻繁にコマ落ちが発生します。映像制作時のプレビュー目的などで使用してください。

[キャプチャ映像を開く…]
ドーム映像として、ウェブカメラやビデオキャプチャカードからの映像を表示
します。「キャプチャ映像を選択」ダイアログが表示されるので、接続されて
いるキャプチャ機器と解像度を選択して[OK]をクリックします。

[画像ファイルとして保存…]
現在の「メイン」ウィンドウの映像を静止画像ファイルとして保存します。フ
ァイルの保存先を聞かれるので、保存先の場所とファイル名を指定します。画
像ファイルのフォーマットは指定したファイル名の拡張子から自動的に決定さ
れます。続いて「画像として保存」ダイアログが表示されるので、保存する画
像の設定を行います。[幅]と[高さ]には、保存する画像の解像度をピクセル単
位で指定します。保存できる画像の最大解像度は使用しているPC環境のグラフィックス性能に依存しま
す。[背景の透明度を保存]にチェックを入れると、PNG形式など透明度情報を持ったフォーマットでの保
存時に背景が透明な状態で保存されます。[設定を保存]にチェックを入れると、今回の設定が次回保存時
のデフォルト値となります。設定を終えたら[OK]をクリックし、画像の保存を行います。

[連番画像ファイルとして保存…]
ドーム映像やPIP映像に動画が読み込まれている時、現在の「メイン」ウィン
ドウの映像を連番画像ファイルとして保存します。ファイルの保存先を聞か
れるので、保存先の場所とファイル名を指定します。画像ファイルのフォー
マットは指定したファイル名の拡張子から自動的に決定されます。この場所
に大量の画像ファイルが書き出されるので、新しく作成したフォルダを指定
すると良いでしょう。続いて「連番画像として保存」ダイアログが表示され
るので、保存する連番画像の設定を行います。書き出し時に再生する動画が、ドーム映像として読み込ま
れている場合は[再生対象]で[メイン]を、PIP映像として読み込まれている場合は[ピクチャインピクチャ
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3 リファレンスマニュアル
(PIP)]を選択します。[開始]と[終了]には、動画を再生する範囲を秒単位で指定します。[幅]と[高さ]に
は、保存する画像の解像度をピクセル単位で指定します。保存できる画像の最大解像度は使用しているP
C環境のグラフィックス性能に依存します。[背景の透明度を保存]にチェックを入れると、PNG形式など
透明度情報を持った画像フォーマットでの保存時に背景が透明な状態で保存されます。[設定を保存]にチ
ェックを入れると、今回の設定が次回保存時のデフォルト値となります。設定を終えたら[OK]をクリック
し、連番画像の保存を開始します。Amaterasのフリー版では、連番画像書き出しの結果にロゴが焼きこ
まれます。

[ファイルを閉じる]
ドーム映像として開かれていた映像ファイルやキャプチャ映像を直ちに閉じます。フェードアウトなどの
切り替え効果は適用されません。不要な映像ファイルを閉じることで使用メモリを節約できます。

[設定を保存]
このボタンをオンにしておくと、終了時のすべてのAmaterasの設定が次回起動時にも引き継がれます。
操作によらずAmaterasをいつも同じ設定で起動したい場合には、このボタンをオンにしたまま一度終了
して現在の設定を保存し、次回起動時にこのボタンをオフにして以降の設定変更が上書きされないように
します。

[終了]
Amaterasのアプリケーションを終了します。複数PC環境でAmaterasを使用している場合には、すべ
てのPCのAmaterasが終了します。プレイリストや投影補正に未保存の変更がある場合、その変更を保
存するか破棄するかを聞かれます。
[メイン]タブ
アプリケーションウィンドウ上部の[メイン]をクリックすると、[メイン]タブが表示されます。ここからド
ーム映像の読み込みや、表示設定、再生制御などを行います。
[ファイル]グループ

[開く]→[ファイルを開く…]
ドーム映像として、画像ファイル、または動画ファイルを選択して開きます。
開かれたファイルは直ちに再生されます。ドーム映像の再生は、「メイン」ウ
ィンドウに映像ファイルをドラッグ&ドロップすることでも開始できます。

[開く]→[連番画像ファイルを開く…]
ドーム映像として、連番画像の入ったフォルダを選択して開きます。開かれたフォルダは直ちに再生され
ます。指定したフォルダの中にあるファイル名の末尾が連続した数字で終わる画像ファイルが、自動的に
連番画像ファイルとして認識されます。連番画像ファイルの再生は動画ファイルに比べて負荷が高いため、
頻繁にコマ落ちが発生します。映像制作時のプレビュー目的などで使用します。
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3 リファレンスマニュアル

[開く]→[キャプチャ映像を開く…]
ドーム映像として、ウェブカメラやビデオキャプチャカードからの映像を表示
します。「キャプチャ映像を選択」ダイアログが表示されるので、接続されて
いるキャプチャ機器と解像度を選択して[OK]をクリックします。

[閉じる]
ドーム映像として開かれていた映像ファイルやキャプチャ映像を直ちに閉じます。フェードアウトなどの
切り替え効果は適用されません。不要な映像ファイルを閉じることで使用メモリを節約できます。
[再生]グループ

[停止]
ドーム映像の再生を停止し、最初に巻き戻します。

[再生]
ドーム映像を現在の再生位置から再生します。再度クリックすると一時停止します。

[再生位置]
「再生位置指定」ダイアログを表示し、指定した時刻にドーム映像の再生位置を移動
します。再生位置は秒単位またはフレーム単位で指定できます。

[繰り返し]
チェックを入れておくと、ドーム映像を繰り返し再生します。

[ドロップしてすぐ再生]
チェックを入れておくと、エクスプローラから「メイン」ウィンドウに映像ファイルをドラッグ&ドロッ
プした時、自動的に映像の再生を開始します。

[速度]
ドーム映像の動画再生速度を設定します。動画のファイル形式によっては正しく速度変更ができない場合
があります。
[サウンド]グループ

[音量]
ドーム映像の音声(動画ファイルと同名の音声ファイルが再生されます)の音量を設定し
ます。

[ミュート]
チェックを入れるとドーム映像の音声が無音になります。
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3 リファレンスマニュアル
[表示]グループ

[スタイル]→[非表示]
「メイン」ウィンドウの中央に映像を表示しません。
「投影画面」ウィンドウで映
像を表示する際に、「メイン」ウィンドウの映像を非表示にすることで負荷を軽
減できる場合があります。

[スタイル]→[ドームマスター]
「メイン」ウィンドウの中央に映像をドームマスター形式で表示します。「ドームマスター形式」の画像や
動画はそのまま表示されます。それ以外の形式の映像については、正方形に縦横比が変更された状態で表
示されます。この[ドームマスター]スタイルは、ドーム映像全体を確認するのに便利です。

[スタイル]→[広角表示]
「メイン」ウィンドウにドーム中心から広い視野で見渡したドーム映像を表示します。マウスの左ボタンを
押しながらドラッグして、周囲を見まわすことができます。マウスのホイールを回転すると、視野の広さ
を変更することができます。マウスの中ボタンを押しながら上下にドラッグすると、視点の高さを調整で
きます。カーソルキーで見まわし、[PageUp]/[PageDown]で視野の広さを変更することもできます。
また、ジョイスティックのアナログスティックでも見まわすことができます。[広角表示]スタイルはドー
ムで実際に見たような感覚でドーム映像を確認することができます。また、魚眼レンズを付けたプロジェ
クター1台による投影では、この[広角表示]スタイルで簡単な投影補正を行うことができます。
左ドラッグ:見まわし
ホイール回転:視野の広さ
中ドラッグ:視点の高さ
カーソルキー:見まわし
[PageUp]/[PageDown]:視野の広さ
※ジョイスティックでも振り向けます

[スタイル]→[俯瞰表示]
「メイン」ウィンドウにドーム投影の様子を外側から俯瞰して表示します。マウスの左ボタンを押しながら
ドラッグして視点を回転、マウスの右ボタンを押しながら上下にドラッグすると、視点中心からの距離を
変更することができます。マウスホイールを回転させると視野角の変更、マウスの中ボタンを押しながら
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3 リファレンスマニュアル
ドラッグすると視点中心の平行移動を行うことができます。[俯瞰表示]スタイルはドーム投影全体の様子
を確認するのに便利です。
左ドラッグ:視点の回転
右ドラッグ:視点中心からの距離
ホイール回転:視野の広さ
中ドラッグ:視点中心の平行移動

[スタイル]→[カメラ視点表示]
「メイン」ウィンドウにドーム中心から見たドーム映像を表示します。マウスの左ボタンを押しながらドラ
ッグして、周囲を見まわすことができます。マウスのホイールを回転すると、視野の広さを変更すること
ができます。カーソルキーで前後左右、[PageUp]/[PageDown]で上下に平行移動できます。また、ジ
ョイスティックのアナログスティックでも移動できます。[カメラ視点表示]スタイルでは、カメラの標準
レンズで撮影したように直線が直線のまま表示されますが、広角にしすぎると歪んで見えます。
左ドラッグ:見まわし
ホイール回転:視野の広さ
カーソルキー:前後左右に移動
[PageUp]/[PageDown]:上下に移動
※ジョイスティックでも移動できます

[スタイル]→[Oculus Rift表示]
「メイン」ウィンドウにヘッドマウントディスプレイOculus Riftで表示するためのドーム内から見たドー
ム映像を表示します。Oculus Riftが接続されていないと、何も表示されません。実際にOculus Riftで正
しく表示するには、「メイン」ウィンドウや「投影画面」ウィンドウを[Oculus Rift表示]で全画面表示し
ます。マウスの左ボタンを押しながらドラッグして正面方向を変更することができます。カーソルキーで
前後左右、[PageUp]/[PageDown]で上下に平行移動できます。また、ジョイスティックのアナログス
ティックでも移動できます。
左ドラッグ:正面方向の変更
カーソルキー:前後左右に移動
[PageUp]/[PageDown]:上下に移動
※ジョイスティックでも移動できます
29
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3 リファレンスマニュアル

[スタイル]→[キューブマップ]
「メイン」ウィンドウにキューブマップの各面として映像を表示します。「キューブマップ形式」とはドー
ム映像を立方体で囲った各面に投影した展開図で、どの面も水平垂直とも視野角90度、縦横比1:1の映像
となります。
「キューブマップ形式」は、3DCGで直接ドームマスター形式でのレンダリングができない時
に使われることがあります。この[キューブマップ]スタイルはドーム映像のキューブマップへの書き出し
に便利です。

[スタイル]→[引き伸ばし表示]
「メイン」ウィンドウの全面にドーム映像として読み込まれた映像を表示します。この時、映像の縦横比は
無視されます。[引き伸ばし表示]スタイルは、全画面表示のために用意された映像の表示や、スライス済
みの(投影補正して切り出された)映像を表示するのに便利です。

[スタイル]→[投影補正ソース編集]
「メイン」ウィンドウに、投影補正時の切り出し範囲を定義する編集画面を表示します。この表示スタイル
の使い方については、
「投影補正機能の使い方」の章を参照してください。

[スタイル]→[投影補正3D編集]
「メイン」ウィンドウに、投影補正時の投影設定を行う3D俯瞰画面を表示します。この表示スタイルの使
い方については、
「投影補正機能の使い方」の章を参照してください。

[スタイル]→[投影補正出力編集]
「メイン」ウィンドウに、投影補正時に表示される画面上での補正編集画面を表示します。全画面表示補正
結果を表示する場合にも、この表示スタイルを選択します。この表示スタイルの使い方については、
「投影
補正機能の使い方」の章を参照してください。

[リセット]
[スタイル]の横の
をクリックすると、現在の「メイン」ウィンドウの視点位置をリセットします。
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3 リファレンスマニュアル
[情報]グループ

[情報表示]
「メイン」ウィンドウの左上に、現在表示している映像のファイル名、再生位置や動画の
長さなどを表示します。[Cache]は動画で先読みされているフレーム数で、この数が十
分に多いと動画の読み込みが十分な速度で行われていることを意味します。[FPS]は1
秒間に何回表示更新できているかを表しており、通常30前後の数値になります。30を大きく下回ってい
るようだと、PCのグラフィックス性能が不足しています。
※ 一部のPC環境では、情報表示を非表示にすることで実行速度が向上する場合があります。

[キャッシュ]
「メイン」ウィンドウの下端に、動画の先読みされているフレーム数を赤い棒グラフで表示します。グラフ
が右に長いほど先読み量が多く、再生に余裕があることを示しています。

[パフォーマンス]
「メイン」ウィンドウの下端に、動画再生の安定度を示すグラフを表示します。
[グリッド]グループ

[スクリーン]
ドームスクリーンの水平と垂直方向の等間隔グリッド線を表示します。グリッド
線の分割数や表示色、線の幅などは「グリッド設定」ダイアログで設定できます。

[水平面]
[俯瞰表示]スタイルや[カメラ視点表示]スタイルで水平面を示す平面グリッド線と、XYZ方向の座標軸を
表示します。表示色、線の幅などはスクリーングリッドと共通で、
「グリッド設定」ダイアログで設定でき
ます。

[方向ラベル]
[俯瞰表示]スタイルや[カメラ視点表示]スタイルで、方向ラベルを表示します。

[セーフエリア]
ドームスクリーン上の指定した範囲を示す枠を表示します。実際のドームスクリーンで投影される映像範
囲と見比べる時に便利です。

[PIPエリア]
ピクチャインピクチャ(PIP)映像の投影範囲を表示します。
31
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3 リファレンスマニュアル

[環境モデル]
ドームシアター環境の3Dモデルを表示します。3Dモデルは「グリッド設定」ダイアログで指定します。
「グリッド設定」ダイアログ
アプリケーションウィンドウ上部の[メイン]タブで、[グリッド]グループ
右下の
アイコンをクリックして開きます。この「グリッド設定」ダイ
アログでは、グリッド関連の詳細設定を行います。

[スクリーン]→[水平分割数]・[垂直分割数]
ドーム円周方向と高度方向のグリッド線分割数を設定します。

[スクリーン]→[表示色]・[不透明度]
ドームグリッドの表示色と不透明度(0で完全に透明、1で完全に不透明)
を設定します。

[スクリーン]→[線幅]
ドームグリッドの線幅をピクセル数で設定します。

[水平面グリッド]→[サイズ]
水平面のグリッドサイズを設定します。

[水平面グリッド]→[軸表示]
水平面グリッドにXYZ方向の軸を表示します。
32
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3 リファレンスマニュアル

[セーフエリア]→[方位]・[高度]
セーフエリアの中心の方位角度と高度を度単位で設定します。

[セーフエリア]→[幅]・[高さ]
セーフエリアの幅と高さを度単位で設定します。

[セーフエリア]→[表示色]・[不透明度]
セーフエリアの表示色と不透明度(0で完全に透明、1で完全に不透明)を設定します。

[セーフエリア]→[線幅]
セーフエリアの線幅をピクセル数で設定します。

[PIPエリア]→[表示色]・[不透明度]
PIPエリアの表示色と不透明度(0で完全に透明、1で完全に不透明)を設定します。

[PIPエリア]→[線幅]
PIPエリアの線幅をピクセル数で設定します。

[環境モデル]→[モデルファイル名]
ドームシアター環境の3Dモデルファイルを指定します。読み込めるファイル形式は3ds、obj、lwoなど
です。ドーム中心が原点となるモデルを読み込んでください。

[環境モデル]→[半径]
ドームシアターのスクリーン半径を設定します。

[環境モデル]→[視野角]
ドームスクリーンの中心から見た視野角を度単位で指定します。通常のドームシアターでは180度以下を
指定しますが、例えば全球シアターであれば360度を指定します。

[環境モデル]→[傾斜角]
ドームスクリーンが傾斜している場合に、度単位で角度を指定します。傾斜させない場合0度を指定します。

[環境モデル]→[プリセット名]
あらかじめ作成したプリセットを選択して、環境モデルファイル名、半径、視野角、傾斜角をまとめて切
り替えます。

[環境モデル]→[追加]
現在のシアター環境設定を、名前を付けて保存します。

[環境モデル]→[上書き]
現在選択されているプリセットに、現在のシアター環境設定を上書き保存します。

[環境モデル]→[削除]
現在選択されているプリセットを削除します。

[環境モデル]→[ワイヤーフレーム]
環境モデルの輪郭をワイヤーフレームで表示します。
。
33
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3 リファレンスマニュアル

[環境モデル]→[表示色]・[不透明度]
環境モデルの表示色と不透明度(0で完全に透明、1で完全に不透明)を設定します。

[環境モデル]→[線幅]
環境モデルの線幅をピクセル数で設定します。
[フェーダー]グループ

[フェード]
ドーム映像をフェードイン・フェードアウトします。[フェード]が黄色く光ってい
ると、ドーム映像のフェードがかかっていることを示しています。右側のスライダ
ーか値を入力することで、フェーダーの濃さを手動で調節できます。これは手軽に
映像の輝度を下げるためにも利用できます。[音量もフェード]にチェックが入っていると、映像に合わせ
て音もフェードすることができます。
[画面遷移]グループ

[フェードイン]
新しくドーム映像の再生を開始する時、[遷移時間]の長さをかけて映像をフェードイ
ンしながら再生します。前のドーム映像が[カットアウト]や[フェードアウト]で終わ
っていたら、黒からのフェードインになります。前のドーム映像の最後が[最後で静
止]になっていると、クロスフェードで再生が始まります。

[カットイン]
新しくドーム映像の再生を開始する時、フェードなしで映像を再生します。

[最後で静止]
繰り返しなしでドーム映像を最後まで再生した後、そのまま最後のフレームで映像を止めます。次のドー
ム映像が[フェードイン]で始まっていると、クロスフェードで映像が切り替わります。

[カットアウト]
繰り返しなしでドーム映像を最後まで再生した後、映像が消えて黒い画面になります。

[フェードアウト]
繰り返しなしでドーム映像を最後まで再生する時、最後に[遷移時間]の長さをかけて黒にフェードアウト
します。

[遷移時間]
フェードインやフェードアウト、クロスフェードにかかる時間を秒単位で設定します。
[入力映像]グループ

[視野角]
ドーム映像の表示範囲を度単位で指定します。通常のドームマスター形式の映像で
は180度を指定しますが、例えば全球映像であれば360度を指定します。
34
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3 リファレンスマニュアル

[傾斜角]
ドーム映像を前傾させたい場合に、度単位で角度を指定します。傾斜させない場合0度を指定します。

[方向]
ドーム映像の正面方向を、右方向が正の度単位で指定します。0度を指定するとドームマスター形式の映像
の下が正面になります。

[切り抜き]
オンの時(黄色く光っている時)、「入力映像の切り抜き」ウィンドウで設定した切り抜き範囲に従って、
映像の一部を切り抜いた部分をドームマスター形式とみなして表示します。
「入力映像の切り抜き」ダイアログ
アプリケーションウィンドウ上部の[メイン]タブで、[入力映像]グループ右下の
アイコンをクリックし
て開きます。この「入力映像の切り抜き」ダイアログでは、ドーム映像からの切り抜き範囲の設定を行い
ます。ウィンドウ中央にはドーム映像が表示されており、マウスホイールを回転して表示範囲の拡大・縮
小、マウスの右ボタンを押しながらドラッグして平行移動を行うことができます。この中で、マウスの左
ボタンを押しながらドラッグすることで、赤い円形の切り抜き範囲を指定します。この時、 [Shift]キーを
押しながらドラッグすることで真円の範囲指定ができます。

[ファイル]→[閉じる]
「入力映像の切り抜き」ダイアログを閉じます。

[表示]→[表示範囲の拡大]・[表示範囲の縮小]
調整用画面の表示範囲を拡大・縮小します。切り抜き範囲は変化しません。

[表示]→[表示範囲のリセット]
調整用画面の表示範囲をリセットし、映像全体を表示します。切り抜き範囲は変化しません。

[表示]→[入力映像の更新]
ドーム映像の現在のフレームを調整用画面に取り込みます。

[左端]・[上端]・[幅]・[高さ]
ドーム映像の左端と上端を0、幅と高さを1として、切り抜き範囲を数値で設定します。

[入力映像の更新]
ドーム映像の現在のフレームを調整用画面に取り込みます。
35
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3 リファレンスマニュアル

[リセット]
切り抜き範囲をリセットし、映像の中央部をドームマスター形式の範囲として使用します。

[切り抜き]
映像の切り抜きの有効化・無効化を切り替えます。
[PIP]タブ
アプリケーションウィンドウ上部の[PIP]をクリックすると、[PIP]タブが表示されます。ここからPIP映像
の読み込みや表示設定、再生制御などを行います。
[ファイル]グループ

[開く]→[ファイルを開く…]
PIP映像として、画像ファイル、または動画ファイルを選択して開きます。開
かれたファイルは直ちに再生されます。PIP映像の再生は、
「PIP」ウィンドウ
に映像ファイルをドラッグ&ドロップすることでも開始できます。また、映像
ファイルを[Ctrl]キーを押しながら「メイン」ウィンドウにドラッグ&ドロッ
プすることでも再生できます。

[開く]→[連番画像ファイルを開く…]
PIP映像として、連番画像の入ったフォルダを選択して開きます。開かれたフォルダは直ちに再生されます。
指定したフォルダの中にあるファイル名の末尾が連続した数字で終わる画像ファイルが、自動的に連番画
像ファイルとして認識されます。連番画像ファイルの再生は動画ファイルに比べて負荷が高いため、頻繁
にコマ落ちが発生します。映像制作時のプレビュー目的などで使用します。

[開く]→[キャプチャ映像を開く…]
PIP映像として、ウェブカメラやビデオキャプチャカードからの映像を表示し
ます。「キャプチャ映像を選択」ダイアログが表示されるので、接続されてい
るキャプチャ機器と解像度を選択して[OK]をクリックします。

[閉じる]
PIP映像として開かれていた映像ファイルやキャプチャ映像を直ちに閉じます。フェードアウトなどの切り
替え効果は適用されません。不要な映像ファイルを閉じることで使用メモリを節約できます。
[再生]グループ

[停止]
PIP映像の再生を停止し、最初に巻き戻します。
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3 リファレンスマニュアル

[再生]
クリックしてPIP映像を現在の再生位置から再生します。再度クリックすると一時停止します。

[再生位置]
「再生位置指定」ダイアログを表示し、指定した時刻にPIP映像の再生位置を移動しま
す。再生位置は秒単位またはフレーム単位で指定できます。

[繰り返し]
チェックを入れておくと、PIP映像を繰り返し再生します。

[ドロップしてすぐ再生]
チェックを入れておくと、エクスプローラから「PIP」ウィンドウに映像ファイルをドラッグ&ドロップし
た時、自動的に映像の再生を開始します。

[速度]
PIP映像の動画再生速度を設定します。動画のファイル形式によっては正しく速度変更ができない場合があ
ります。
[サウンド]グループ

[音量]
PIP映像の音声(動画ファイルと同名の音声ファイルが再生されます)の音量を設定しま
す。

[ミュート]
チェックを入れるとPIP映像の音声が無音になります。
[レイアウト]グループ

[プリセット]
「PIPレイアウト設定」ダイアログで作成したPIP映像の表示位置プリセットを選択
して切り替えます。

[ブレンド]
ドーム映像にPIP映像を合成表示する方法を選択します。[通常]では、PIP映像がドーム映像の上に重なっ
て表示されます。映像に透明度情報(アルファチャンネル)があれば、ドーム映像が透けて見えます。PIP
映像をフェードしてもドーム映像が透けて見えてきます。[加算]では、PIP映像とドーム映像の色が加算さ
れて表示されます。両方に色がある部分は発光するように色が飛んで見えますが、PIP映像の黒い部分は完
全に透明になりドーム映像が透けて見えます。透明度情報を付けるのが難しい動画などで合成する場合に
便利です。また、黒地に白文字で字幕やテロップなどをPIP映像として合成表示するにも便利です。[スク
リーン]でもPIP映像とドーム映像の色を混合しますが、[加算]に比べて色が飛びにくくなります。

[周辺のボカシ]
PIP映像の周辺を半透明にしてドーム映像に馴染ませる割合を設定します。
37
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3 リファレンスマニュアル
「PIPレイアウト設定」ダイアログ
アプリケーションウィンドウ上部の[PIP]タブで、[レイアウト]グループ右
下の
アイコンをクリックして開きます。この「PIPレイアウト設定」ダイ
アログでは、PIP映像の配置設定とプリセット管理を行います。

[方位]・[高度]
PIP映像の表示位置を、正面から右方向に正の方位、水平線から上方向に正
の高度で、度単位で設定します。

[サイズ]
PIP映像の大きさを、スクリーン上の視野角度で設定します。PIP映像はこの視野角度の中に縦横比を維持
して表示されます。

[距離]
PIP映像をスクリーンに仮想的に投影する原点を、指定した距離だけドーム中心から後ろに遠ざけます。距
離はドーム半径を1.0とする単位で設定します。

[水平中心]・[垂直中心]
PIP映像の投影位置をスクリーン上で水平・垂直にシフトします。

[複製数]
同じPIP映像を複製して表示します。

[間隔]
複製したPIP映像を並べる間隔を、PIP映像中心間の度単位で設定します。

[プリセット]→[名前]
あらかじめ作成したプリセットを選択して、PIP映像のレイアウトを切り替えます。

[プリセット]→[追加]
現在のPIP映像のレイアウトを、名前を付けて保存します。

[プリセット]→[上書き]
現在選択されているプリセットに、現在のPIP映像のレイアウトを上書き保存します。

[プリセット]→[削除]
現在選択されているプリセットを削除します。
[情報]グループ

[情報表示]
「PIP」ウィンドウの左上に、現在表示している映像のファイル名、再生位置や動画の長
さなどを表示します。[Cache]は動画で先読みされているフレーム数で、この数が十分
に多いと動画の読み込みが十分な速度で行われていることを意味します。[FPS]は1秒
間に何回表示更新できているかを表しており、通常30前後の数値になります。30を大きく下回っている
ようだと、PCのグラフィックス性能が不足しています。
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3 リファレンスマニュアル
※ 一部のPC環境では、情報表示を非表示にすることで実行速度が向上する場合があります。

[キャッシュ]
「PIP」ウィンドウの下端に、動画の先読みされているフレーム数を赤い棒グラフで表示します。グラフが
右に長いほど先読み量が多く、再生に余裕があることを示しています。

[パフォーマンス]
「PIP」ウィンドウの下端に、動画再生の安定度を示すグラフを表示します。
[フェーダー]グループ

[フェード]
ドーム映像をフェードイン・フェードアウトします。[フェード]が黄色く光ってい
ると、ドーム映像のフェードがかかっていることを示しています。右側のスライダ
ーか値を入力することで、フェーダーの濃さを手動で調節できます。これは手軽に
PIP映像の輝度や不透明度を下げるためにも利用できます。[音量もフェード]にチェックが入っていると、
映像に合わせて音もフェードすることができます。
[画面遷移]グループ

[フェードイン]
新しくPIP映像の再生を開始する時、[遷移時間]の長さをかけて映像をフェードイン
しながら再生します。前のPIP映像が[カットアウト]や[フェードアウト]で終わってい
たら、黒からのフェードインになります。前のPIP映像の最後が[最後で静止]になっ
ていると、クロスフェードで再生が始まります。

[カットイン]
新しくPIP映像の再生を開始する時、フェードなしで映像を再生します。

[最後で静止]
繰り返しなしでPIP映像を最後まで再生したとき後、そのまま最後のフレームで映像を止めます。次のPIP
映像が[フェードイン]で始まっていると、クロスフェードで映像が切り替わります。

[カットアウト]
繰り返しなしでPIP映像を最後まで再生した後、映像が消えて黒い映像になります。

[フェードアウト]
繰り返しなしでPIP映像を最後まで再生する時、最後に[遷移時間]の長さをかけて黒にフェードアウトしま
す。

[遷移時間]
PIP映像のフェードインやフェードアウト、クロスフェードにかかる時間を秒単位で設定します。
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3 リファレンスマニュアル
[プレイリスト]タブ
アプリケーションウィンドウ上部の[プレイリスト]をクリックすると、[プレイリスト]タブが表示されます。
ここから「プレイリスト」や「ファイルライブラリ」の操作を行います。
「ファイルライブラリ」や「プレ
イリスト」の詳細については、「プレイリストの使い方」の章を参照してください。
[プレイリスト再生]グループ

[開く]
プレイリストファイルを選択して「プレイリスト」ウィンドウに
読み込みます。

[閉じる]
「プレイリスト」ウィンドウに読み込まれたプレイリストファイルを閉じます。

[ウィンドウ]
「プレイリスト」ウィンドウを表示します。

[再生]
クリックしてプレイリストを現在の選択項目から再生します。再度クリックするとプレイリストの再生を
停止します。停止するとプレイリストが次に進まなくなりますが、現在再生されている映像は再生され続
けます。

[前へ]
プレイリストでひとつ前の項目を再生します。

[次へ]
プレイリストで次の項目を再生します。プレイリストが停止している場合は再生を開始し、プレイリスト
が「キュー待ち」の場合は待ちを解除します。

[繰り返し]
チェックを入れると、プレイリストを最後まで再生した後で最初の項目に戻り、プレイリストを繰り返し
再生します。
[プレイリスト編集] グループ

[保存]
現在のプレイリストをファイルに上書き保存します。初めて保存する際には
ファイル名を指定します。
40
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3 リファレンスマニュアル

[挿入]
プレイリストの現在選択されている項目の下に、新しい項目を追加します。

[項目を編集]
プレイリストで現在選択されている項目の設定内容を編集します。

[項目を削除]
プレイリストで現在選択されている項目を削除します。
[ファイルライブラリ] グループ

[ウィンドウ]
「ファイルライブラリ」ウィンドウを表示します。

[再生]
「ファイルライブラリ」ウィンドウで現在選択されている映像ファイルを再生します。

[挿入]
「ファイルライブラリ」ウィンドウに映像ファイルや音声ファイルを追加します。追加されたファイルはフ
ァイル名の順番に並べ替えられます。エクスプローラからファイルを「ファイルライブラリ」にドロップ
することでもファイルを追加できます。

[削除]
「ファイルライブラリ」ウィンドウで現在選択されているファイルを削除します。ファイル自体が削除され
るので注意してください。

[プレイリストに追加]
「ファイルライブラリ」ウィンドウで現在選択されているファイルをプレイリストに追加します。映像ファ
イルの「プレイリスト」への追加は、
「ファイルライブラリ」でマウス左ボタンからの長押しで「プレイリ
スト」にドロップすることでも行えます。詳しくは「プレイリストの使い方」の章を参照してください。
[シアター制御]タブ
アプリケーションウィンドウ上部の[シアター制御]をクリックすると、[シアター制御]タブが表示されます。
ここから照明やプロジェクター、音響機器や外部入出力機器の操作を行います。
[照明]グループ

[点灯]
クリックしてバーチャルライトを点灯します。再度クリックすると消灯
します。バーチャルライトは右の[赤][緑][青][白]のスライダー値を混合
した色で、[遷移時間]だけ時間をかけて点灯します。
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3 リファレンスマニュアル

[プリセット]
「照明設定」ダイアログで作成した照明設定プリセットを選択してバーチャルライトを切り替えます。現在
の照明設定から[遷移時間]だけ時間をかけて選択した照明設定に切り替わります。

[遷移時間]
バーチャルライトを点灯・消灯したり、プリセットで切り替えたりする際にアニメーションさせる時間の
長さを秒単位で設定します。
「照明設定」ダイアログ
アプリケーションウィンドウ上部の[シアター制御]タブで、[照明]グループ
右下の
アイコンをクリックして開きます。この「照明設定」ダイアログ
では、バーチャルライトの制御とプリセット管理を行います。

[赤]・[緑]・[青]・[白]
バーチャルライトの色合いと明るさを0から1の範囲で設定します。

[ファイル名]
バーチャルライトの形を画像ファイル名で設定します。画像ファイルを指定
しないか画像ファイルが存在しない場合、ドームスクリーン全体が照らされます。

[プリセット]→[名前]
あらかじめ作成したプリセットを選択して、バーチャルライトの設定を切り替えます。

[プリセット]→[追加]
現在のバーチャルライトの設定を、名前を付けて保存します。

[プリセット]→[上書き]
現在選択されているプリセットに、現在のバーチャルライトの設定を上書き保存します。

[プリセット]→[削除]
現在選択されているプリセットを削除します。
[プロジェクター]グループ

[制御]
「プロジェクター管理」ウィンドウを開きます。

[すべて点灯]
接続されているすべてのプロジェクターを点灯します。

[すべて消灯]
接続されているすべてのプロジェクターを消灯します。

[シャッター]
接続されているすべてのプロジェクターのシャッター開閉を切り替えます。
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3 リファレンスマニュアル

[投影補正]
投影補正モードを開始します。投影補正の方法については「投影補正の使い方」の章を参照してください。
「プロジェクター管理」ウィンドウ
アプリケーションウィンドウ上部の[シアター制御]タブで、[プ
ロジェクター]グループ右下の
アイコンをクリックして開き
ます。この「プロジェクター管理」ウィンドウでは、プロジェ
クターの管理を行います。

[ファイル]→[設定を保存]
「プロジェクター管理」ウィンドウの設定を保存します。

[ファイル]→[エミュレート]
チェックを入れておくと、プロジェクターを操作しても実際に制御信号を送りません。

[ファイル]→[閉じる]
「プロジェクター管理」ウィンドウを閉じます。

[編集]→[編集]
チェックを入れておくとプロジェクターリストを編集できます。

[編集]→[追加]
プロジェクターリストにプロジェクターを追加します。

[編集]→[削除]
プロジェクターリストでチェックされたプロジェクターを削除します。

[編集]→[すべて削除]
プロジェクターリストのプロジェクターをすべて削除します。

[電源]→[オン]・[オフ]
プロジェクターリストでチェックされたプロジェクターを点灯・消灯します。

[シャッター]→[閉じる]・[開く]
プロジェクターリストでチェックされたプロジェクターのシャッターを開閉します。

[ブランク]→[オン]・[オフ]
プロジェクターリストでチェックされたプロジェクターのブランク機能を切り替えます。

[立体視]→[オン]・[オフ]
プロジェクターリストでチェックされたプロジェクターの立体視機能を切り替えます。
[BGM]グループ

[制御]
「BGM再生制御」ウィンドウを表示します。
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3 リファレンスマニュアル

[再生]
クリックして読み込まれているBGMファイルを再生します。再度クリックすると一時停止します。

[停止]
BGMファイルの再生を停止し、最初に巻き戻します。

[繰り返し]
チェックを入れておくと、BGMファイルを繰り返し再生します。
「BGM再生制御」ウィンドウ
アプリケーションウィンドウ上部の[シアター制御]タブで、[BGM]グループから[制御]をクリックして開
きます。この「BGM再生制御」ウィンドウでは、BGMファイルの読み込みと再生制御を行います。BGM
の再生は、
「メイン」ウィンドウに音声ファイルをドラッグ&ドロップすることでも開始できます。

[ファイル名]
再生するBGMファイルのパスを設定します。

[クロスフェード]
チェックを入れておくと、新しく再生するBGMファイルにクロスフェードします。

[音量]
BGMファイルを再生する音量を設定します。

[ミュート]
チェックを入れるとBGMファイルの音声が無音になります。

[繰り返し]
チェックを入れておくと、BGMファイルを繰り返し再生します。
[入出力機器]グループ

[制御]
プルダウンメニューから選択した外部入出力機器の制御画面を表示します。

[入力を接続]
外部入出力機器からの入力値の変更で実行するスクリプトを編集する「入出力機器管理」ウィンドウを表
示します。外部入出力機器との連携については、
「スクリプトの使い方」の章を参照してください。
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3 リファレンスマニュアル
[ウィンドウ]タブ
アプリケーションウィンドウ上部の[ウィンドウ]をクリックすると、[ウィンドウ]タブが表示されます。こ
こから「投影画面」ウィンドウやスクリプト関連ウィンドウ、
「サブ」ウィンドウの管理などを行います。
[レイアウト]グループ

[全画面表示]
「メイン」ウィンドウを全画面表示します。全画面表示された「メイン」ウィ
ンドウは[Escape]キーまたは[Atl]+[Enter]キーで通常表示に戻ります。

[重ね表示]
アプリケーションウィンドウ内の「メイン」ウィンドウや「PIP」ウィンドウ、「サブ」ウィンドウなどを
整理するため、同じ大きさで重ねて表示します。

[並べ表示]
アプリケーションウィンドウ内の「メイン」ウィンドウや「PIP」ウィンドウ、「サブ」ウィンドウなどを
整理するため、すべてを敷き詰めるように並べて表示します。
45
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3 リファレンスマニュアル

[リセット]
アプリケーションのすべてのウィンドウの位置や大きさを初期状態に戻します。
[追加]グループ

[投影画面]
プロジェクターやディスプレイで映像だけを全画面表示するための「投影画面」ウィン
ドウを表示します。

[サブ画面]
ドーム映像の様子を複数視点で多角的に確認するための、「サブ」ウィンドウを追加します。「サブ」ウィ
ンドウは複数追加することができます。
「投影画面」ウィンドウ
アプリケーションウィンドウ上部の[ウィンドウ]タブで、[追加]グループから[投影画面]をクリックして開
きます。
「投影画面」ウィンドウは、プロジェクターやディスプレイで映像だけを全画面表示するために使
用します。

[ファイル]→[閉じる]
「投影画面」ウィンドウを閉じます。

[表示]→[表示スタイル]
「投影画面」ウィンドウ内での表示スタイルを切り替えます。

[表示]→[カメラ視点のリセット]
「投影画面」ウィンドウ内での視点位置をリセットします。

[表示]→[全画面表示]
「投影画面」ウィンドウを全画面表示します。通常は現在ウィンドウが表示されている画面で全画面表示す
るので、複数画面のある環境では先に全画面表示したい画面にウィンドウを移動してから全画面表示にし
てください。全画面表示状態での表示範囲を指定したい場合は、
「投影補正設定」ウィンドウで「デフォル
トステージ」を選択し、下部の[表示範囲を指定]にチェックを入れて表示範囲を指定します。「投影表示」
ウィンドウの全画面表示は、[Escape]キーまたは[Alt]+[Enter]キーで通常表示に戻ります。
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3 リファレンスマニュアル
「サブ」ウィンドウ
アプリケーションウィンドウ上部の[ウィンドウ]タブで、[追加]グループから[サブ画面]をクリックして開
きます。「サブ」ウィンドウでは、「メイン」ウィンドウに加えてドーム映像を別の視点や表示スタイルで
表示することができます。

[ファイル]→[閉じる]
「サブ」ウィンドウを閉じます。

[表示]→表示スタイル
「サブ」ウィンドウ内での表示スタイルを切り替えます。

[表示]→[カメラ視点のリセット]
「投影画面」ウィンドウ内での視点位置をリセットします。
[スクリプト]グループ

[編集]
Amaterasを制御するための長文スクリプトを作成・編集する「スクリプト編集」ウィン
ドウを表示します。

[出力]
Amaterasの短文スクリプトによる制御やスクリプトエラーを表示する「スクリプト出力」ウィンドウを
表示します。
「スクリプト編集」ウィンドウ
アプリケーションウィンドウ上部の[ウィンドウ]タブで、[スクリプト]グループから[編集]をクリックして
開きます。
「スクリプト編集」ウィンドウでは、Amaterasを制御する長文のスクリプトを記述し、実行し
てみることができます。起動時には、初期化スクリプト”bin/scripts/init.js”が読み込まれています。
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3 リファレンスマニュアル

[ファイル]→[新規作成]
新しくスクリプトを作成します。

[ファイル]→[スクリプトを開く…]
スクリプトファイルを読み込みます。

[ファイル]→[スクリプトを保存]
編集中のスクリプトを上書き保存します。

[ファイル]→[名前を付けてスクリプトを保存…]
編集中のスクリプトを指定したファイル名で保存します。

[ファイル]→[閉じる]
「スクリプト編集」ウィンドウを閉じます。

[編集]→[元に戻す]
最後に編集した操作を取り消します。

[編集]→[やり直し]
取り消した操作を再度実行します。

[編集]→[切り取り]
選択された文字列をクリップボードに切り取ります。

[編集]→[コピー]
選択された文字列をクリップボードにコピーします。

[編集]→[貼り付け]
選択された文字列をクリップボードに貼り付けます。

[編集]→[削除]
選択された文字列を削除します。

[編集]→[すべて選択]
スクリプト全体を選択します。

[ツール]→[実行]
編集中のスクリプトを最初から実行します。
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3 リファレンスマニュアル
「スクリプト出力」ウィンドウ
アプリケーションウィンドウ上部の[ウィンドウ]タブで、[スクリプト]グループから[出力]をクリックして
開きます。
「スクリプト編集」ウィンドウでは、Amaterasで内部的に実行されるスクリプトのログの確認
や、短いスクリプトの実行を行うことができます。また、スクリプトの実行結果やエラーもここに表示さ
れます。

[ファイル]→[閉じる]
「スクリプト実行」ウィンドウを閉じます。

[ログ]→[クリア]
上部のログ表示エリアを空にします。

[ログ]→[記録]
Amaterasが内部的に実行したスクリプトを上部のログ表示エリアに記録します。
[オプション]グループ

[設定]
Amaterasの各種詳細設定を行う「オプション設定」ダイアログを表示します。
「オプション設定」ダイアログ
アプリケーションウィンドウ上部の[ウィンドウ]タブで、[オプショ
ン]グループから[設定]をクリックして開きます。Amaterasの各種詳
細設定を行います。

[背景]→[表示色]・[不透明度]
映像背景の表示色と不透明度(0で完全に透明、1で完全に不透明)
を設定します。

[ファイルライブラリ]→[コンテンツフォルダ]
コンテンツフォルダのパスを設定します。ファイルライブラリとプレ
イリストに登録された映像素材ファイルは、すべてこのフォルダ以下
に保存されます。絶対パス、またはbinフォルダからの相対パスで指
定します。
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3 リファレンスマニュアル

[ファイルライブラリ]→[リモートフォルダ]
複数PC環境で操作用PCのファイルライブラリから表示用PCにコピーされる時の、リモートPC上の
ルートフォルダをネットワークパスで指定します。ここに”shared/”を指定した、ネットワークでのフォ
ルダが”//192.168.0.1/shared/”のようにアクセスされます。

[動作速度と画質]→[内部描画解像度]
スクリーングリッドやPIP映像を描画する内部解像度を設定します。高解像度にするほど画質が上がります
が、負荷が高くなります。

[動作速度と画質]→[PIP分割解像度]
PIP映像をドーム曲面に貼り付ける映像補正の滑らかさを設定します。値を大きくするほど画質が上がりま
すが、負荷が高くなります。

[遠隔操作]
LAN内の別のPCや、無線LAN越しのiPadやiPhoneなどの無線端末からの遠隔操作を可能にします。

[遠隔操作]→[アドレス]
LAN越しにウェブブラウザでアクセスするアドレスが表示されています。ポートを指定することもできま
す。

[遠隔操作]→[内容を更新]
ファイルライブラリ内のファイル構造をもとに、遠隔操作用のウェブページを生成します。ファイルライ
ブラリの内容を変更したら、遠隔操作する前にここから更新してください。

[画像デフォルト表示時間]
画像ファイルを表示した時の、デフォルトの再生時間を設定します。

[サムネイル表示解像度]
「ファイルライブラリ」ウィンドウや「プレイリスト」ウィンドウでのアイコンの最大サイズをピクセル数
で設定します。

[開始前にキャッシュするフレーム数]
動画ファイルを読み込んだ後、ここで指定したフレーム数まで先読みを開始してから再生を開始します。

[フレームレートの最大値]
映像のコマ落ちを軽減するための設定です。動画再生では、毎秒30回(30fps)または60回(60fps)の描画
回数に固定することで映像が安定します。[適応して調整(可能な場合)]を選択すると、再生に余裕があ
る時は60fpsで固定し、余裕がなくなると描画回数を下げて動作します(対応するグラフィックカードが
必要です)
。[制限なし(ティアリングあり)]では、描画回数を固定せず常に最速で描画を行います。コマ
落ちは発生しにくくなりますが、映像中に切れ目(ティアリング)が発生することがあります。[60]では
毎秒60回の描画を行います。[30]では毎秒30回の描画を行います。30fpsの動画再生を行う場合、動作
に余裕がある限りこの設定が最良です。[20]では毎秒20回の描画を行います。どうしても再生に余裕が
無い場合に選択します。

[パフォーマンスを最大化]
チェックを入れると、Amaterasで優先的にCPUを使用します。再生に余裕が出る可能性がありますが、
そのぶんCPU負荷が上がり、他の操作などが重くなります。
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3 リファレンスマニュアル
「ファイルライブラリ」ウィンドウ
アプリケーションウィンドウ上部の[プレイリスト]タブで、[ファイルライブラリ]グループから[ウィンド
ウ]をクリックして開きます。ファイルライブラリ内のファイルとフォルダの管理を行います。
ひとつ上の階層のフォルダに移動します。
「リスト表示」と「アイコン表示」を切り替えます。
[フォルダを追加]では、現在のフォルダに新しいサブフォルダを追加し
ます。[ファイルを追加]では、現在のフォルダに新しいファイルを追加
します。[このフォルダを開く]では、現在表示されているフォルダをエ
クスプローラで表示します。
現在選択されているファイルを削除します。
複数PC環境で、現在表示されているフォルダ以下を投影側PCに同期します。
現在選択されているファイルをドーム映像として再生します。
コンテキストメニュー
「ファイルライブラリ」ウィンドウで右クリックすると「コンテキストメニュー」が
表示されます。

[ドーム映像として再生]
現在選択されているファイルをドーム映像として再生します。

[PIP映像として再生]
現在選択されているファイルをPIP映像として再生します。

[プレイリストに追加]
現在選択されているファイルをプレイリストに追加します。

[フォルダを追加]
現在のフォルダに新しいサブフォルダを追加します。
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3 リファレンスマニュアル

[ファイルを追加…]
現在のフォルダに新しいファイルを追加します。

[切り取り]
現在選択されているファイルをクリップボードに切り取ります。

[コピー]
現在選択されているファイルをクリップボードにコピーします。

[貼り付け]
現在のフォルダにクリップボードからファイルを貼り付けます。

[削除]
現在選択されているファイルを削除します。

[名前の変更]
現在選択されているファイルの名前を変更します。

[このフォルダを開く…]
現在表示されているフォルダをエクスプローラで表示します。
「プレイリスト」ウィンドウ
アプリケーションウィンドウ上部の[プレイリスト]タブで、[プレイリス
ト再生]グループから[ウィンドウ]をクリックして開きます。プレイリス
トの編集と再生制御を行います。
[新規プレイリスト]では、プレイリストを空にして新しいプレイリスト
の編集を始めます。[プレイリストを開く…]では、プレイリストファイ
ル(拡張子”.lst”)を読み込みます。名前を付けて[プレイリストを保存]
では、現在のプレイリストの内容をプレイリストファイルに上書き保存
します。初めて保存する時にはプレイリストのファイル名(拡張子”.lst”)
を指定します。
「リスト表示」と「アイコン表示」を切り替えます。
「再生モード」と「編集モード」を切り替えます。
(再生モード)
プレイリストで現在選択されている項目から、プレイリストの再生を開始します。再度クリックするとプ
レイリストの再生を停止します。プレイリストの再生を停止しても、現在再生中の映像はそのまま再生さ
れ続けます。
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3 リファレンスマニュアル
(再生モード)
クリックしてオンにすると(黄色く光ります)
、プレイリスト再生時に繰り返し再生されます。
または
(再生モード)
プレイリストで現在選択されている一つ前の項目からプレイリストを再生します。
または
(再生モード)
プレイリストで現在選択されている次の項目からプレイリストを再生します。
「キュー待ち」状態の時は待
ちを解除して次の項目を再生します。
(編集モード)
プルダウンメニューで選択したプレイリストコマンドを、プレイリストで現在選択されている項目の下に
挿入します。
(編集モード)
プレイリストで現在選択されている項目の設定を編集します。
(編集モード)
プレイリストで現在選択されている項目を削除します。
コンテキストメニュー(再生モード時)
「プレイリスト」ウィンドウで右クリックすると「コンテキストメニュー」が表示さ
れます。

[ここから再生]
プレイリストで現在選択されている項目から、プレイリストの再生を開始します。

[プレイリストを編集]
「編集モード」に切り替えます。
コンテキストメニュー(編集モード時)
「プレイリスト」ウィンドウで右クリックすると「コンテキストメニュー」が表示
されます。

[項目を編集…]
プレイリストで現在選択されている項目の設定を編集します。

[項目を削除]
プレイリストで現在選択されている項目を削除します。

[ここから再生]
プレイリストで現在選択されている項目から、プレイリストの再生を開始します。
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3 リファレンスマニュアル
プレイリストコマンド
「プレイリスト」ウィンドウの「編集モード」で、左下の
ボタンをクリックするか、右クリックしてコ
ンテキストメニューからプレイリストコマンドを挿入します。

[映像制御を挿入]→[ファイルを開く…]
ドーム映像として、指定した画像ファイルや動画ファイルを再生
します。[再生対象]では、ドーム映像またはPIP映像のどちらとし
て再生するかを選択します。[ファイル名]には再生するファイル
名を、絶対パスまたはコンテンツフォルダからの相対パスで指定
します。[開始位置]と[長さ]には、再生開始時点とその時点から
の再生する長さを秒単位で指定します。[長さ]に-1を指定すると、最後まで再生されます。画像ファイル
の場合、「詳細設定」ダイアログで設定された[画像表示時間]だけ表示されます。[自動再生]にチェックを
入れておくと、プレイリストの前の項目に続いて自動的に再生が始まります。チェックを外しておくと、
映像ファイルを読み込んだ状態で再生が一時停止状態となり、「プレイリスト」ウィンドウの[次へ]か
[Enter]キーを押すことで再生が始まります。[再生終了を待つ]にチェックを入れておくと、映像を最後ま
で再生してからプレイリストの次の項目が実行されます。チェックを外しておくと、映像の再生を開始し
たら直ちにプレイリストの次の項目が実行されます。これは映像の再生中に別の操作を行いたい場合に使
用します。[繰り返し]にチェックを入れると、この映像が繰り返し再生されます。[音量]では、映像の音量
を設定します。[画面遷移]では、[メイン]タブの[画面遷移]グループと同じように、この映像の再生開始時
と終了時の画面遷移を設定します。

[映像制御を挿入]→[キャプチャ映像を開く…]
ドーム映像として、機器名と解像度を指定してキャプチャ映像を
表示します。[開始位置]と[長さ]の設定が無いだけで、[映像制御
を挿入]→[ファイルを開く…]と同様に設定します。

[映像制御を挿入]→[閉じる]
ドーム映像として開かれていた映像ファイルやキャプチャ映像を
直ちに閉じます。フェードアウトなどの切り替え効果は適用されません。不要な映像ファイルを閉じるこ
とで使用メモリを節約できます。

[映像制御を挿入]→[再生]
ドーム映像を現在の再生位置から再生します。

[映像制御を挿入]→[一時停止]
ドーム映像を現在の再生位置で一時停止します。

[映像制御を挿入]→[再生位置…]
ドーム映像の再生位置を[再生位置]で指定した位置に移動します。

[映像制御を挿入]→[フェード…]
ドーム映像を指定した[フェード]濃度に[変化時間]だけ時間をかけて変更しま
す。[音量もフェード]にチェックを入れると、フェードアウトにあわせて音量
もフェードアウトします。[変化終了を待つ]にチェックを入れておくと、フェ
ード変化を終えてからプレイリストの次の項目が実行されます。チェックを外
しておくと、フェード変化を開始したら直ちにプレイリストの次の項目が実行
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3 リファレンスマニュアル
されます。これはフェード変化中に別の操作を行わせたい場合に使用します。

[映像制御を挿入]→[音量…]
ドーム映像の音量を指定した[音量]に[変化時間]だけ時間をかけて変更します。
[変化終了を待つ]にチェックを入れておくと、音量変化を終えてからプレイリ
ストの次の項目が実行されます。チェックを外しておくと、音量変化を開始し
たら直ちにプレイリストの次の項目が実行されます。これは音量変化中に別の
操作を行わせたい場合に使用します。

[映像制御を挿入]→[スクリーン調整…]
[メイン]タブの[入力映像]グループの設定と同様に、ドームスクリーンの視野
角、傾斜角、方向を変更します。

[映像制御を挿入]→[入力映像の切り抜き…]
[メイン]タブの[入力映像]グループにある[切り抜き]と同様に、ドーム映像の一
部を切り抜いて表示するかどうかを切り替えます。

[PIP映像制御を挿入]→[ファイルを開く…]
PIP映像として、指定した画像ファイルや動画ファイルを再生しま
す。[再生対象]では、ドーム映像またはPIP映像のどちらとして再
生するかを選択します。[ファイル名]には再生するファイル名を
指定します。[開始位置]と[長さ]には、再生開始時点とその時点か
らの再生する長さを秒単位で指定します。[長さ]に-1を指定する
と、最後まで再生されます。画像ファイルの場合、
「詳細設定」ダ
イアログで設定された[画像表示時間]だけ表示されます。[自動再生]にチェックを入れておくと、プレイリ
ストの前の項目に続いて自動的に再生が始まります。チェックを外しておくと、映像ファイルを読み込ん
だ状態で再生が一時停止状態となり、
「プレイリスト」ウィンドウの[次へ]か[Enter]キーを押すことで再
生が始まります。[再生終了を待つ]にチェックを入れておくと、映像を最後まで再生してからプレイリス
トの次の項目が実行されます。チェックを外しておくと、映像の再生を開始したら直ちにプレイリストの
次の項目が実行されます。これは映像の再生中に別の操作を行わせたい場合に使用します。[繰り返し]に
チェックを入れると、この映像が繰り返し再生されます。[音量]では、映像の音量を設定します。[画面遷
移]では、[メイン]タブの[画面遷移]グループと同じように、この映像の再生開始時と終了時の画面遷移を
設定します。

[PIP映像制御を挿入]→[キャプチャ映像を開く…]
PIP映像として、機器名と解像度を指定してキャプチャ映像を表示
します。[開始位置]と[長さ]の設定が無いだけで、[PIP映像制御を
挿入]→[ファイルを開く…]と同様に設定します。

[PIP映像制御を挿入]→[閉じる]
PIP映像として開かれていた映像ファイルやキャプチャ映像を直ちに閉じます。フェードアウトなどの切り
替え効果は適用されません。不要な映像ファイルを閉じることで使用メモリを節約できます。

[PIP映像制御を挿入]→[再生]
PIP映像を現在の再生位置から再生します。

[PIP映像制御を挿入]→[一時停止]
PIP映像を現在の再生位置で一時停止します。
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3 リファレンスマニュアル

[PIP映像制御を挿入]→[再生位置…]
PIP映像の再生位置を[再生位置]で指定した位置に移動します。

[PIP映像制御を挿入]→[フェード…]
PIP映像を指定した[フェード]濃度に[変化時間]だけ時間をかけて変更します。
[音量もフェード]にチェックを入れると、フェードアウトにあわせて音量もフ
ェードアウトします。[変化終了を待つ]にチェックを入れておくと、フェード
変化を終えてからプレイリストの次の項目が実行されます。チェックを外して
おくと、フェード変化を開始したら直ちにプレイリストの次の項目が実行され
ます。これはフェード変化中に別の操作を行わせたい場合に使用します。

[PIP映像制御を挿入]→[音量…]
PIP映像の音量を指定した[音量]に[変化時間]だけ時間をかけて変更します。
[変化終了を待つ]にチェックを入れておくと、音量変化を終えてからプレイリ
ストの次の項目が実行されます。チェックを外しておくと、音量変化を開始し
たら直ちにプレイリストの次の項目が実行されます。これは音量変化中に別の
操作を行わせたい場合に使用します。

[PIP映像制御を挿入]→[プリセット…]
[PIP]タブの[レイアウト]グループにある[プリセット]と同様に、PIP映像を表
示する位置や大きさなどをプリセットで切り替えます。

[BGM制御を挿入]→[ファイルを開く…]
指定した音声ファイルをBGMとして再生します。[ファイル名]
には再生するファイル名を指定します。[開始位置]と[長さ]には、
再生開始時点とその時点からの再生する長さを秒単位で指定しま
す。[長さ]に-1を指定すると、最後まで再生されます。[自動再生]
にチェックを入れておくと、プレイリストの前の項目に続いて自
動的に再生が始まります。チェックを外しておくと、音声ファイ
ルを読み込んだ状態で再生が一時停止状態となり、「プレイリスト」ウィンドウの[次へ]か[Enter]キーを
押すことで再生が始まります。[再生終了を待つ]にチェックを入れておくと、BGMを最後まで再生してか
らプレイリストの次の項目が実行されます。チェックを外しておくと、BGMの再生を開始したら直ちにプ
レイリストの次の項目が実行されます。これはBGMの再生中に別の操作を行わせたい場合に使用します。
[繰り返し]にチェックを入れると、このBGMが繰り返し再生されます。[クロスフェード]にチェックを入
れておくと、指定した時間をかけて前のBGMからクロスフェードしながら再生を始めます。

[BGM制御を挿入]→[閉じる]
BGMとして開かれていた音声ファイルを直ちに閉じます。不要な音声ファイルを閉じることで使用メモリ
を節約できます。

[BGM制御を挿入]→[再生]
BGMを現在の再生位置から再生します。

[BGM制御を挿入]→[一時停止]
BGMを現在の再生位置で一時停止します。

[BGM制御を挿入]→[再生位置…]
BGMの再生位置を[再生位置]で指定した位置に移動します。
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3 リファレンスマニュアル

[BGM制御を挿入]→[音量…]
BGMの音量を指定した[音量]に[変化時間]だけ時間をかけて変更します。[変
化終了を待つ]にチェックを入れておくと、音量変化を終えてからプレイリス
トの次の項目が実行されます。チェックを外しておくと、音量変化を開始した
ら直ちにプレイリストの次の項目が実行されます。これは音量変化中に別の操
作を行わせたい場合に使用します。

[照明制御を挿入]→[オン/オフ…]
照明を[遷移時間]だけ時間をかけてオンまたはオフに変更します。[終了を待
つ]にチェックを入れておくと、オン/オフの切り替えを終えてからプレイリス
トの次の項目が実行されます。チェックを外しておくと、切り替えを開始した
ら直ちにプレイリストの次の項目が実行されます。これは切り替え中に別の操
作を行わせたい場合に使用します。

[照明制御を挿入]→[色…]
照明の色を[遷移時間]だけ時間をかけて変更します。[赤][緑][青][白]
はそれぞれ、0で消灯、1で最大輝度になります。[終了を待つ]にチェ
ックを入れておくと、色の変更を終えてからプレイリストの次の項目
が実行されます。チェックを外しておくと、色の変更を開始したら直
ちにプレイリストの次の項目が実行されます。これは色の変更中に別の操作を行わせたい場合に使用しま
す。

[照明制御を挿入]→[プリセット…]
照明の設定を[遷移時間]だけ時間をかけて指定した[プリセット]に変更します。
[終了を待つ]にチェックを入れておくと、プリセットの変更を終えてからプレ
イリストの次の項目が実行されます。チェックを外しておくと、プリセットの
変更を開始したら直ちにプレイリストの次の項目が実行されます。これはプリ
セットの変更中に別の操作を行わせたい場合に使用します。

[プロジェクター制御を挿入]→[電源…]
指定したプロジェクターの電源をオンまたはオフに変更します。[対象]で[選択]
を選択した場合、下の入力欄で「プロジェクター管理」ダイアログで付けたプ
ロジェクター名をカンマ(,)で区切って記述することで、指定したプロジェク
ターだけを制御できます。

[プロジェクター制御を挿入]→[シャッター…]
指定したプロジェクターのシャッターを開閉します。[対象]で[選択]を選択
した場合、下の入力欄で「プロジェクター管理」ダイアログで付けたプロジ
ェクター名をカンマ(,)で区切って記述することで、指定したプロジェクタ
ーだけを制御できます。

[コマンドを挿入]→[プレイリスト内でジャンプ…]
プレイリスト内で指定した項目に実行位置を移動します。

[コマンドを挿入]→[スクリプトを実行…]
指定したスクリプトを実行してから、プレイリストを次に進めます。

[コマンドを挿入]→[アプリケーションを実行…]
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3 リファレンスマニュアル
指定した外部アプリケーションを実行します。[コマンド]には実行するア
プリケーションの絶対ファイルパスとコマンドラインオプションを、[実行
フォルダ]にはアプリケーションを実行する際のフォルダを指定します。
[終了を待つ]にチェックを入れておくと、アプリケーションが終了される
までプレイリストの再生を一時停止します。チェックを外しておくと、ア
プリケーションを実行して直ちにプレイリストを次に進めます。

[コマンドを挿入]→[プレイリストを実行…]
指定したプレイリストファイルを読み込み、再生します。このため、以降のプレイリストは実行されませ
ん。

[コマンドを挿入]→[ウィンドウを制御…]
「投影画面」ウィンドウや表示用PCの画面を[表示]または[非表示]にします。

[コマンドを挿入]→[アプリケーションを終了]
Amaterasアプリケーションを終了します。このため、以降のプレイリストは実行されません。

[待ちを挿入]→[指定時間待つ…]
プレイリストの再生を、指定した時間待ってから次に進めます。

[待ちを挿入]→[再生時間を待つ…]
プレイリストの再生を、映像やBGMの再生位置が指定した時間を過ぎ
るのを待ってから次に進めます。

[待ちを挿入]→[再生終了を待つ…]
プレイリストの再生を、映像やBGMの再生が終了するのを待ってから
次に進めます。

[待ちを挿入]→[キューを待つ]
プレイリストの再生を一時停止します。「プレイリスト」ウィンドウの[次へ]か、[Enter]キーを押すこと
で次の項目に進めます

[待ちを挿入]→[メッセージを表示…]
指定した文章を表示するメッセージダイアログを表示します。表示さ
れたメッセージダイアログを閉じると、プレイリストを次に進めます。
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3 リファレンスマニュアル
ショートカットキー
「メイン」ウィンドウ内
[Ctrl]+[O]
ドーム映像として映像ファイルを開く
[Shift]+[Ctrl]+[O]
ドーム映像として連番画像ファイルを開く
[Shift]+[Ctrl]+[C]
ドーム映像としてキャプチャ映像を開く
[Ctrl]+[Q]
アプリケーションを終了する
[Ctrl]+[F1]
リボンバーの表示・非表示
[D]
「ドーム映像」表示に切り替え
[W]
「広角表示」に切り替え
[O]
「俯瞰視点」表示に切り替え
[C]
「カメラ視点」表示に切り替え
[G]
「投影補正」表示に気鋭買え
[R]
カメラ視点のリセット
[I]
ドーム映像の情報表示の表示・非表示
[B]
ドーム映像のキャッシュバーの表示・非表示
[Shift]+[B]
ドーム映像のパフォーマンス情報の表示・非表示
[S]
スクリーングリッドの表示・非表示
[H]
水平面グリッドの表示・非表示
[L]
方向ラベルの表示・非表示
[A]
セーフエリアの表示・非表示
[P]
PIPエリアの表示・非表示
[F]
ドーム映像のフェードイン・フェードアウト
[Home]
ドーム映像を先頭で停止
[スペース]
ドーム映像の再生・一時停止
[T]
ドーム映像の再生位置の設定
[[]
ドーム映像の再生中に1コマ戻す(遅くする)
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3 リファレンスマニュアル
[]]
ドーム映像の再生中に1コマもどす進める(早める)
[{]
ドーム映像を1秒巻き戻す
[}]
ドーム映像を1秒早送りする
[Ctrl]+[I]
PIP映像の情報表示の表示・非表示
[Ctrl]+[B]
PIP映像のキャッシュバーの表示・非表示
[Shift]+[Ctrl]+[B]
PIP映像のパフォーマンス情報の表示・非表示
[Ctrl]+[F]
PIP映像のフェードイン・フェードアウト
[Ctrl]+カーソルキー
PIP映像の表示位置を移動
[Ctrl]+[PageUp]
PIP映像の表示サイズを拡大
[Ctrl]+[PageDown]
PIP映像の表示サイズを縮小
[Ctrl]+[,]
PIP映像の投影原点をスクリーンに近づける
[Ctrl]+[.]
PIP映像の投影原点をスクリーンに遠ざける
[Ctrl]+[R]
PIP映像のレイアウトをリセットする
[Ctrl]+[Home]
PIP映像を先頭で停止
[Ctrl]+[スペース]
PIP映像の再生・一時停止
[Ctrl]+[T]
PIP映像の再生位置の設定
[Ctrl]+[[]
PIP映像の再生中に1コマ戻す(遅くする)
[Ctrl]+[]]
PIP映像の再生中に1コマもどす進める(早める)
[Ctrl]+[{]
PIP映像を1秒巻き戻す
[Ctrl]+[}]
PIP映像を1秒早送りする
[Alt]+[Enter]
全画面表示に切り替え([Escape]または[Alt]+[Enter]で戻る)
[Enter]
プレイリストで現在選択されている項目から再生、再生中であれば次に進める
ファイルライブラリ内
[F2]
ファイル名を変更する
[Delete]
選択した映像素材を削除する(ファイル自体が削除される)
[Enter]
選択した映像素材をドーム映像として再生する
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3 リファレンスマニュアル
プレイリスト内
[Delete]
選択した映像素材を削除する(ファイル自体は削除されない)
[Enter]
現在選択されている項目から再生開始、再生中であれば次に進める
[0]-[9]
番号で指定された項目(アイコンの左上の数字)から再生を開始
投影画面ウィンドウ内
[Alt]+[Enter]
全画面表示に切り替え([Escape]または[Alt]+[Enter]で戻る)
コマンドラインオプション
-ini ファイルパス
状態設定ファイルの場所
(最後に) ファイルパス
ドーム映像またはプレイリストとしてファイルを再生
-o ファイルパス
ドーム映像またはプレイリストとしてファイルを再生
-pip ファイルパス
PIP映像としてファイルを再生
-m
複数アプリケーションの同時起動を許可
-exec スクリプト
起動時にスクリプトを実行
-execfile ファイルパス
起動時にスクリプトファイルを読み込んで再生
-plugins フォルダパス
プラグインフォルダを指定
-noverdate
タイトルバーのバージョン表示にビルド日時を表示しない
-topmost
アプリケーションを常に最前面に表示する
-nc
アプリケーション上でマウスカーソルを非表示
-soundaddress IPアドレス
サウンドを再生する表示用PCを指定(デフォルトでは操作PCのみ)
-soundoutput 出力タイプ
“asio”または”winmm”でサウンド出力形式を指定
-sounddriver 番号
出力するサウンドデバイスを指定
-soundchannels 出力数
出力するサウンドチャンネルの最大数を指定
-address IPアドレス
操作用PCのTCP/IPアドレスを指定
-port ポート番号
通信に使用するTCP/IPポート番号を指定
-s
操作用PCとして起動
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3 リファレンスマニュアル
-c
表示用PCとして起動
-numclients PC数
表示用PCが指定数起動してから初期ファイルを開く
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4 プレイリストの使い方
4
プレイリストの使い方
Amaterasは、画像ファイルや動画ファイルなどの映像素材をエクスプローラからドラッグ&ドロップす
るだけで再生できます。このように直接映像素材を開く場合、ファイルはPC上のどこに置かれていても
かまいません。ただし複数PC環境で映像を同期再生する場合には、すべてのPC上で同じファイルパス
に同じ名前のファイルが置かれている必要があります。
ファイルライブラリ
映像素材が増えてくると、PC上で映像ファイルを置く場所を一箇所にまとめておきたくなります。この
ファイル置き場(
「コンテンツフォルダ」と呼びます)を、エクスプローラよりも効率的に閲覧できるよう
にしたのが「ファイルライブラリ」ウィンドウです。
「ファイルライブラリ」ウィンドウは、コンテンツフ
ォルダ内の映像ファイルをリストまたはアイコン表示で一覧表示します。映像ファイルは自動的にサムネ
イルが作成され、解像度や動画の長さといった付加情報も一緒に表示されます。複数PC環境では、この
操作用PCのコンテンツフォルダの内容を1クリックで他のPCに同期する機能もあります。
「ファイルライブラリ」ウィンドウは、アプリケーションウィンド
ウ上部の[プレイリスト]タブで、[ファイルライブラリ]グループ
から[ウィンドウ]をクリックして表示します。
「ファイルライブラ
リ」ウィンドウの大きさは外枠をドラッグすることで変更でき、
またタイトルバーをドラッグして表示位置を変更することもでき
ます。
「ファイルライブラリ」ウィンドウの右上にある
ボタンをクリ
ックすると、映像ファイルのアイコンと付加情報が一列に並んで
表示される「リスト表示」と、アイコンとファイル名だけが並ん
で表示される「アイコン表示」を切り替えることができます。い
ずれの表示でも、映像ファイルはファイル名順に並んで表示され
ています。
映像ファイルのアイコンをマウスの左ボタンでクリックすると、
その映像ファイルを選択できます。選択された映像ファイルは水
色にハイライト表示されます。映像ファイルの選択は、カーソル
キーで上下(アイコン表示では左右にも)に次々と選択していく
ことができます。選択した映像ファイルは、[Enter]キーを押すか
マウスでダブルクリックすることで直ちにドーム映像として再生
されます。
「ファイルライブラリ」ウィンドウの右下にある
ボ
タンをクリックしても同様です。映像ファイルを右クリックして
表示されるメニューから [PIP映像として表示]を選択することで、
映像素材をPIP映像用の平面映像として表示することもできます。
ファイルライブラリでは、エクスプローラのように「フォルダ」
を作ってその中に映像ファイルを分けて整理することができます。
「ファイルライブラリ」ウィンドウの左下にある
ボタンをクリ
ックして、メニューから[フォルダを挿入]を選択すると、ファイルライブラリで現在表示しているフォル
ダの中に新しくフォルダを追加できます。フォルダは、選択して[Enter]キーを押すかダブルクリックする
ことでその中に移動できます。元のフォルダに戻るには「ファイルライブラリ」ウィンドウ左上の
63
ボ
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4 プレイリストの使い方
タンをクリックします。
「ファイルライブラリ」ウィンドウの上部には、ルートフォルダ以外では現在のフ
ォルダ名が表示されています。
ファイルライブラリ内の映像ファイルやフォルダは、右クリックして表示されるメニ
ューから[名前の変更]を選択して名前を変更することができます。名前が変更された
映像ファイルやフォルダは、すぐに名前順に並べ替えられます。
ファイルライブラリの現在のフォルダに映像ファイルを追加するには、「ファイルラ
イブラリ」ウィンドウの左下にある
ボタンをクリックして、メニューから[ファイ
ルを挿入]を選択します。ここで選択した映像ファイルは、コンテンツフォルダ内に実
際にコピーされます。エクスプローラから「ファイルライブラリ」ウィンドウに映像
ファイルをドラッグ&ドロップすることでも同様に追加が可能です。
「ファイルライブラリ」ウィンドウでは、[Ctrl]キーを押しながら映像ファイルやフォ
ルダを左クリックしていくことで、複数の項目を選択できます。[Ctrl]キーを押しながら再度クリックすれ
ば、選択の解除もできます。また、[Shift]キーを押しながら左クリックすると、連続した複数の項目をま
とめて選択もできます。
選択された映像ファイルやフォルダは、
「ファイルライブラリ」ウィンドウ左下の
ボタンをクリックし
てまとめて削除できます。このとき、コンテンツフォルダから実際にファイルやフォルダが削除されます。
削除は、右クリックして表示されるメニューから[削除]を選択しても実行できます。[F2]キーを押すか、
右クリックして表示されるメニューから[名前の変更]を選択して、ファイルの名前を変更することもでき
ます。また、このメニューから[切り取り][コピー]や[貼り付け]を選択することで、エクスプローラと同様
に映像ファイルやフォルダの移動やコピーを行うこともできます。
これまで「ファイルライブラリ」ウィンドウでの映像ファイルやフォルダの扱いを見てきましたが、エク
スプローラで直接これらの整理を行うこともできます。
「ファイルライブラリ」ウィンドウの左下の
ボ
タンをクリックして、メニューから[このフォルダを開く…]を選択します。現在表示されているフォルダ
がエクスプローラで開きますので、ここで普段どおりファイルの整理を行ってください。Amaterasに戻
ると、このフォルダの内容が更新されているのがわかります。
複数PC環境では、
「ファイルライブラリ」ウィンドウの左下に「ファイル同期」機能のための
ボタン
が表示されます。このボタンをクリックすると、現在表示されているフォルダ以下の内容が表示用PCす
べてに同期されます。すなわち操作用PCで削除された映像ファイルやフォルダが削除され、追加や変更
を行った映像ファイルがコピーされます。
プレイリスト
Amaterasで映像素材を順番に再生していくには、
「プレイリスト」
機能を使用します。プレイリストは映像素材を再生する順番に並
べただけのものですが、細かく編集することで様々な再生制御を
行うことができます。例えばドーム映像とPIP映像を組み合わせて
表示したり、映像の一部のみを再生したり、また照明やBGM再生
などのシアター制御も合わせて行うことができます。
プレイリストの編集と再生は「プレイリスト」ウィンドウで行い
ます。
「プレイリスト」ウィンドウは、アプリケーションウィンド
ウ上部の[プレイリスト]タブで[プレイリスト再生]グループから
[ウィンドウ]をクリックして表示します。
「プレイリスト」ウィン
ドウの大きさは外枠をドラッグすることで変更でき、またタイト
ルバーをドラッグして表示位置を変更することもできます。
プレイリストに映像ファイルを追加するには、
「ファイルライブラリ」ウィンドウを利用します。ファイル
ライブラリの中から映像ファイルをマウスの左クリックで選択し([Ctrl]を押しながらクリックで複数選択
もできます)、そのままマウスボタンを押し続けます。マウスカーソルが選択した映像素材をつかむので、
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4 プレイリストの使い方
そのまま「プレイリスト」ウィンドウ内の挿入したい位置までドラッグしてボタンを離します。これらの
ファイルをどのように再生するかを設定するダイアログが表示されますが、そのまま順番に表示するだけ
なら[OK]をクリックします。この再生方法は後からでも設定変更できます。
プレイリストへの映像ファイルの追加は、エクスプローラから
「プレイリスト」ウィンドウに直接映像ファイルをドラッグ&ド
ロップしても行えます。この際、まず現在の「ファイルライブラ
リ」のフォルダに映像ファイルがコピーされてからプレイリスト
に追加されます。あとから映像ファイルの場所を動かすとプレイ
リストから再生できなくなってしまうので、あらかじめ映像ファ
イルを置きたい場所をファイルライブラリで選んでおくことを
お勧めします。
プレイリストにエクスプローラから映像ファイルを追加すると、
「プレイリスト」ウィンドウで選択されて水色にハイライト表示
されている項目のすぐ下に挿入されます。再生したい順番があら
かじめ決まっている場合は、再生したい順番に映像ファイルを追
加していくか、追加される位置を確認しながら操作を行ってくだ
さい。
プレイリストに映像ファイルが追加されると、
「プレイリスト」ウィンドウに並んで表示されます。これら
の表示方法は、
「ファイルライブラリ」ウィンドウと同様に右上の
ボタンをクリックして「リスト表示」
と「アイコン表示」に切り替えることができます。映像ファイルのアイコンの左上には、再生される順番
が数字で表示されています。
「プレイリスト」ウィンドウの右上にある
ボタンから、「再生モード」と「編集モード」を切り替える
ことができます。オンの時(黄色く光っている時)は「編集モード」で、再生順番の並べ替えや項目の追
加、設定変更などを行うことができます。クリックしてオフにすると「再生モード」になり、
「プレイリス
ト」ウィンドウ下部の操作ボタンも切り替わります。
「再生モード」ではプレイリストの並べ替えや変更が
できなくなるため、完成したプレイリストを誤って変更してしまう心配がなくなります。
プレイリストで映像ファイルを再生する順番を変えてみましょう。まず「プレイリスト」ウィンドウを「編
集モード」にし(右上の
ボタンをクリックしてオンに切り替え)
、順番を変えたい映像ファイルを左ク
リックしてそのままボタンを長押しします。選択した項目が並べ替え用に動くので、このままドラッグし
て順番を変更します。マウスボタンを離すと順番が確定し、並べ替えが終了します。
プレイリストから映像ファイルを削除するには、「編集モード」で映像ファイルを右クリックして[項目を
削除]を選択します。[Delete]キーを押すか、
「プレイリスト」ウィンドウ左下の
ボタンをクリックし
ても同様に削除できます。
「ファイルライブラリ」と異なり、プレイリストから削除しても実際のファイル
は削除されず、ファイルライブラリにもそのまま残っています。
プレイリストに追加できる項目は映像ファイルだけではありません。音声ファイ
ルを追加して映像と独立したBGMとして再生もできますし、シアター制御のコ
マンドなども追加できます。プレイリストに項目を追加するには、
「編集モード」
で左下の
ボタンをクリックするか、右クリックで表示されるメニューから追
加したい項目を選択します。選択された項目は、現在選択されている項目のすぐ
下に挿入されます。プレイリストに追加できる項目とその機能については、
「リ
ファレンスマニュアル」の章を参照してください。項目を追加する際に、その動
作設定を行うダイアログが表示されることがあります。これは、後でその項目を
右クリックして[項目を編集]を選択することで、再度設定を行うことができます。
プレイリストの編集を終えたら、プレイリストの保存を行いましょう。プレイリストは拡張子”.lst”の付い
たプレイリストファイルとして保存されます。どこに保存しても構いませんが、コンテンツフォルダ内で、
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4 プレイリストの使い方
使用する映像ファイルと同じフォルダにまとめておくのも良いでしょう。
「プレイリスト」ウィンドウの左
上にある
ボタンをクリックし、メニューから[名前を付けてプレイリストを保存]を選択してプレイリ
ストを保存します。プレイリストを初期化するにはここから[新規プレイリスト]を、プレイリストファイ
ルを読み込むには[プレイリストを開く…]を選択してファイルを選択します。
プレイリストを再生するには、
「プレイリスト」ウィンドウで再生を開始したい項目をダブルクリックしま
す。「再生モード」に切り替えて左下の
下に
ボタンをクリックしても再生できます。「再生モード」では左
ボタンがあり、これをオンにしておくとプレイリストが繰り返し再生されます。「プレイリスト」
ウィンドウ右下の
ボタンでは、プレイリストの再生を一つ戻したり、次の項目に進めたりするこ
とができます。また、[1]~[9]キーを押してプレイリストの最初の9項目を指定して再生を開始すること
ができます。
プレイリストの再生操作で一番簡単なのは、[Enter]キーを押すことです。プレイリストが停止していれば
現在選択されている項目から再生を開始し、再生中であれば次の項目に移動して再生します。プレイリス
トでは、キッカケ(キュー)を待って映像を再生したり、連続再生を一時停止したりすることもできます。
[Enter]キーでは、これらの操作待ちも解除してプレイリストを進めていくことができます。
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5 スクリプトの使い方
5
スクリプトの使い方
Amaterasでは、GUIやショートカットキーなどによる操作をすべて、内部的な「スクリプト」によって
実行しています。複数PC環境ですべてのPCが連動して動くのも、操作用PCが表示用PCに送って実
行させているからです。このようにスクリプトからAmaterasのすべての機能が実行できるようになって
いるため、これを使ってAmaterasの操作を自動化したり、外部機器からAmaterasを操作したりするこ
とができます。
スクリプトを試す
スクリプトの仕組みを理解するには、実際に試してみるのが一番の近道です。
アプリケーションウィンドウ上部の[ウィンドウ]タブで[スクリプト]
グループの[出力]をクリックすると、
「スクリプト出力」ウィンドウが
表示されます。この下部にある入力欄で、スクリプトを入力して実行
してみることができます。
スクリプトを試すために、まず「メイン」ウィンドウに適当な画像フ
ァイルまたは動画ファイルをドラッグ&ドロップして表示させてくだ
さい。ここで、
「スクリプト出力」ウィンドウ下部の入力欄から
Player.fadeOut()
と入力して[Enter]キーを押すと、映像がフェードアウトします。このスクリプトを実行すると、[メイン]
タブで[フェード]をクリックしてフェードアウトさせるのと同じ効果になります。また、実行したスクリ
プトは後で参照できるように、入力欄の上のログ表示エリアに表示されます。
Player.fadeIn()
を実行すると、映像がフェードインして表示されます。
Player.pause()
を実行すると映像の再生が停止して巻き戻り、
Player.play()
を実行すると映像が再び再生されます。
このように、Amaterasの操作それぞれに対応したスクリプトが用意されており、GUIで操作する代わり
にスクリプトを使ってもAmaterasを操作することができます。また、スクリプトを使ってAmaterasの
状態を調べることもできます。
Player.getTime()
を実行すると、ドーム映像の現在の再生位置が秒単位で上のログ表示エリアに表示されます。高度なスク
リプトでは、Amaterasの状態によって違うスクリプトを実行させることもできます。Amaterasでどん
なスクリプトが使えるのかは、「スクリプトリファレンス」の章を参照してください。
しかし、もっと簡単に目的のスクリプトを調べる方法もあります。
「スクリプト出力」ウィンドウのメニュ
ーから[ログ]→[記録]にチェックを入れると、以後GUIなどで操作した内容がスクリプトとして「スクリプ
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5 スクリプトの使い方
ト出力」ウィンドウのログ表示エリアに表示されていきます。これを使えば、GUI操作に対応したスクリ
プトがすぐにわかります。
スクリプトの使いどころ
スクリプトを活用する方法はいくつかあります。
まず、プレイリストの中に「スクリプトの実行」で任意のスクリプトを実行させることができます。これ
により、プレイリストコマンドとして用意されていない操作や条件判断などをプレイリストで実現するこ
とができるようになります。
Amaterasの起動時に、初期設定などいつも実行させたいスクリプトがある場合は、
「スクリプト編集」ウ
ィンドウを開いて「初期化スクリプト」を編集します。この初期化スクリプトは”bin/scripts/init.js”の場
所に置かれたスクリプトファイルで、Amaterasの起動直後に読み込まれて実行されます。
Amaterasの起動時に実行したいスクリプトを、コマンドラインから指定する方法もあります。Amateras
のショートカットで[リンク先]の中に、実行パスの後に空白を挟んで
-exec スクリプト
または
-execfile スクリプトファイル
を追記することで、指定したスクリプトやスクリプトファイルを実行することができます。これらは初期
化スクリプトの後に実行されます。
また、「入出力機器管理」ウィンドウでは、TCP/IPやシリアル通信などの外部機器からの入力を受けて、
任意のスクリプトを実行させることができます。詳しくは「外部機器の利用」の章を参照してください。
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6 外部機器の利用
6
外部機器の利用
Amaterasは、スクリプトを通して様々な外部機器と通信を行うことができます。これにより、ボタンや
スライダーを備えた操作卓でプレイリストや映像の再生を行ったり、照明やプロジェクターなどの機器を
制御したりすることができます。ここでは具体例を挙げながらAmaterasと外部機器との連携方法を説明
します。
MIDIコントローラー
ボタンやスライダー、ボリュームなどを備えた様々な種類の「MIDIコントローラー」を、比較的安価に入
手することができます。Amaterasでは、これらのMIDIコントローラーから「ノート」
「コントロールチェ
ンジ」
「ピッチベンド」の入力値(0~127)の変化を読み取り、これをもとにスクリプトで再生制御や音
量調整などを実行することができます。またMIDIコントローラーによっては、Amaterasからこれらの値
を出力することで、ボタンやLEDなどの発光状態をコントロールすることができるものもあります。
ここでは、Steinberg社の「CMC-TP」を例に挙げて使い方を説明します。
CMC-TP
付属のドライバをインストールし、CMC-TPをPCに接続します。CMC-TPが正しく認識されたのを確
認してから、Amaterasを起動します。ウィンドウ上部のリボンにある[シアター制御]タブから[入出力機
器]グループの[制御]をクリックし、[MIDI]を選択します。表示される「MIDI制御」ダイアログで、メニュ
ーから [ファイル]→[有効化]を選択してチェックを入れます。続いてメニューから [ファイル]→[デバイ
スを選択…]を選択して「MIDI設定」ダイアログを表示します。[入力デバイス]と[出力デバイス]のプルダ
ウンメニューを確認すると、正しく認識されていればCMC-TPが選択できるはずです。これらを選択して
[OK]をクリックしてダイアログを閉じます。
これでAmaterasからCMC-TPが認識されました。
「MIDI制御」ダイアログのメニューから[ログ]→[記録]
を選択してチェックを入れます。この状態でCMC-TPのボタンを操作すると、それぞれのボタンに対応し
た「チャンネル」の値が変化する様子が確認できます。ボタンからAmaterasを操作するには、このチャ
ンネルの値が変化した時にスクリプトを実行します。
Amaterasの「メイン」ウィンドウで、[シアター制御]タブの[入出力機器]グループにある[接続]をクリッ
クします。「入出力機器管理」ウィンドウが表示されるので、そのメニューから[編集]→[追加]→[MIDI]を
選択します。
「チャンネルを選択」ダイアログが表示されるので、
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6 外部機器の利用
[ノート]の[86]を選択し、[OK]をクリックします。
「入出力機器管理」ウィンドウに1行追加されるので、
そのスクリプト欄に
If (value>0) Player.toggleLoop()
と入力します。CMC-TPで左下の「繰り返し」ボタンを押すとチャンネル「ノート86」の値が127に変
化し、ボタンを離すと0に戻ります。また、この値が変化するたびにこの「入力機器管理」ダイアログで定
義したスクリプトが実行されます。そのため、この値が入った変数 valueが正の値になった時に、
Player.toggle()で映像の繰り返し再生設定を切り替えています。
同様にボタンに対応するスクリプトを書き足したのが下図です。
これで、CMC-TPの下部のボタンで映像の繰り返し、再生、停止と、プレイリストの実行を行えるように
なります。また[<<]および[>>]ボタンでプレイリストの実行場所を前後に進めることができます。
http://japan.steinberg.net/jp/support/downloads/cmc.html からダウンロードできる「CMCシリ
ーズオペレーションマニュアル」から、CMC-TPの各ボタンの仕様を確認することができます(「MIDIコ
マンドマップ」内)
。例えば[Start]ボタンの [PC→CMC]を参考に、
「スクリプト出力」ウィンドウから
MIDI.setNote(0x5E,127)
を実行すれば、[Start]ボタンが点灯します。
「スクリプトリファレンス」の章を参照して各ボタンにスクリプトを割り当てていくことで、MIDIコントロ
ーラーをAmateras用の多機能な操作卓として活用することができます。
DMXコントローラー・照明制御
DMXは512チャンネルの値(0~255)を入出力する信号規格で、照明制御などで広く使われています。
PCからDMX信号の入出力を行うには、USB接続のDMXインターフェースボックスを利用します。
Amaterasでは、代表的なDaslight社 DVC3(入出力)
、クワテック社 DoctorMX(入出力)
、ENTTEC
社 DMX-USB Pro(出力のみ)に対応しています。DMXインターフェースボックスにDMXコントロー
ラーを接続してAmaterasの操作卓として使用したり、照明機器を接続してAmaterasから照明制御を行
ったりすることができます。
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6 外部機器の利用
DMXコントローラーとDMXインターフェースボックス
DMXを使用するには、まずDMXインターフェースボックスのドライバをインストールして接続します。
その後Amaterasを起動し、ウィンドウ上部のリボンにある[シアター制御]タブから[入出力機器]グループ
の[制御]をクリックし、[DMX]を選択します。表示される「DMX制御」ウィンドウのメニューから、[フ
ァイル]→[有効化]を選択してチェックを入れます。
これでAmaterasがDMX機器と通信できるようになりました。
「DMX制御」ダイアログのメニューから[ロ
グ]→[記録]を選択してチェックを入れます。この状態でDMXコントローラーを操作すると、それぞれのフ
ェーダー対応した「チャンネル」の値が変化する様子が確認できます。DMXコントローラーからAmateras
を操作するには、このチャンネルの値が変化した時にスクリプトを実行します。
Amaterasの「メイン」ウィンドウで、[シアター制御]タブの[入出力機器]グループにある[接続]をクリッ
クします。
「入出力機器管理」ウィンドウが表示されるので、そのメニューから[編集]→[追加]→[DMX]を
選択します。
「チャンネルを選択」ダイアログが表示されるので、[チャンネル]の[1]を選択し、[OK]をク
リックします。
「入出力機器管理」ウィンドウに1行追加されるので、そのスクリプト欄に
Player.setFade(value/255)
と入力します。DMXコントローラーでチャンネル1に対応するフェーダーを操作すると、変数valueにフ
ェーダー値が代入されてこのスクリプトが実行され、フェード状態が変化します。
「DMX制御」ウィンドウのメニューから[チャンネル]→[チャンネルを編集]を選択してチェックを入れます。
[チャンネル]→[チャンネルを表示…]からチャンネル[1]を選択し、再び[チャンネル]→[チャンネルを編
集]を選択してチェックを外します。これで、DMXコントローラーからチャンネル1のフェーダーを操作す
ると「DMX制御」ウィンドウに値が反映されます。また、このウィンドウ内のフェーダーを使ってもチャ
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6 外部機器の利用
ンネル1を操作することができます。DMXインターフェースボックスに照明装置を接続してチャンネル1
を割り当てれば、その輝度をDMXコントローラーやAmaterasのスクリプトを通して制御できます。
OSCコントローラー
Open Sound Control(OSC)は、MIDIの後継規格となるべく策定された通信規格です。OSC規格に対
応したコントローラーの他、iOS(iPhone/iPod/iPad)やAndroidなどのモバイルデバイス上のアプリか
らも通信を行うことができます。
ここでは、iPhone上のアプリ「TouchOSC」を使ってAmaterasを操作する方法を例に挙げて説明しま
す。
Amaterasを実行しているPCと同じLANにiOSデバイスをWifiで接続します。TouchOSCをApp Store
から購入し、iOSデバイスにインストールして起動します。[Connections]の[OSC]内で、[Enabled]を
有効に、[Host]にAmaterasを実行しているPCのIPアドレスを入力します。
[Layout]で[Mix 16]を選択し、[Done]でTouchOSCの操作画面に切り替えます。
Amaterasの「メイン」ウィンドウ上部のリボンにある[シアター制御]タブから[入出力機器]グループの[制
御]をクリックし、[OSC]を選択します。表示される「OSC設定」ウィンドウの中で[有効]にチェックを入
れます。
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6 外部機器の利用
続いてAmaterasの「メイン」ウィンドウで、[シアター制御]タブの[入出力機器]グループにある[接続]を
クリックします。「入出力機器管理」ウィンドウが表示されるので、そのメニューから[編集]→[追加]→
[OSC]を選択します。
「チャンネルを選択」ダイアログが表示されるので、
[パス]に”/1/fader1”を設定して[OK]をクリックします。
「入出力機器管理」ウィンドウに1行追加される
ので、そのスクリプト欄に
Player.setFade(value)
と入力します。TouchOSCの操作画面で黄色いフェーダーを操作すると、変数valueにフェーダー値が代
入されてこのスクリプトが実行され、フェード状態が変化します。
操作画面の各インターフェースのチャンネル名は、http://hexler.net/software/touchosc のウェブサ
イトでTouchOSC Editorとtouchosc-default-layouts.zipをダウンロードし、このTouchOSC Editor
でMix 16.touchoscを開くと確認できます。また、このTouchOSC Editorを使って操作画面を自由にレ
イアウトすることができます。
ウェブブラウザによる遠隔操作
LANや無線LAN越しに、実行中のAmaterasをウェブブラウザから操作することができます。これにより、
iPhoneやiPad、Androidなどの端末からAmaterasを遠隔操作できます。
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6 外部機器の利用
Amaterasの「メイン」ウィンドウで、[ウィンドウ]タブの[オプション]グループにある[設定]をクリック
します。
表示される「オプション設定」ダイアログの[遠隔操作]にチェックを入れて、その中の[内容を更新]ボタン
をクリックします。これにより、現在のファイルライブラリの内容が遠隔操作用に書き出されます。続い
て、ここに表示されるアドレスを、LAN内の他のPCや端末のウェブブラウザで開きます。
iOS端末であれば、下端のボタンから[ホーム画面に追加]を選択することで、ホーム画面から1ボタンでこ
のAmateras操作画面を呼び出すことができるようになります。
プロジェクター
Amaterasから対応するプロジェクターを制御することができます。Amaterasの「メイン」ウィンドウ
で、[シアター制御]タブの[プロジェクター]グループにある[制御]をクリックします。表示された「プロジ
ェクター管理」ウィンドウのメニューで、[編集]→[編集]を選択してチェックを入れます。[編集]→[追加]
で接続したいプロジェクターを選択し、[名前]と通信方法を設定します。[名前]はプロジェクターを個別に
制御する時に使うので、わかりやすい名前を付けます。
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6 外部機器の利用
正しくプロジェクターに接続設定できれば、この「プロジェクター管理」ウィンドウから電源やシャッタ
ー、立体視の有効化などを制御できます。プロジェクターが対応していない機能の操作は無視されます。
プロジェクターは複数登録することができ、リストでチェックを入れたものをまとめて制御できます。
プロジェクターの制御は、プレイリストからも可能になっています。演出にあわせてシャッターを開閉し
たり、自動上映の最後でプロジェクターの電源を切ったりと活用することができます。
※ プロジェクターのうち、
「PJLINK」では「PJLINK規格」に対応したプロジェクターの電源やシャッタ
ー(シャッターが無ければブランク)をLAN越しに制御できます。これを利用する場合、プロジェクター
側でPJLINKのパスワードを無効化してから使用してください。
TCP通信による制御
AmaterasではTCPやUDP、RS-232Cなどの一般的な通信プロトコルで文字列やバイナリデータを送受
信できます。これを利用して、自作ソフトウェアや様々な外部機器と連係動作させることが可能です。こ
こではTCPを例に、その使い方について説明します。
Amaterasの「メイン」ウィンドウで、[シアター制御]タブの[入出力機器]グループにある[接続]をクリッ
クします。「入出力機器管理」ウィンドウが表示されるので、そのメニューから[編集]→[追加]→[TCP]を
選択します。
「チャンネルを選択」ダイアログが表示されるので、[ポート番号]を設定して [OK]をクリッ
クします。
「入出力機器管理」ウィンドウに1行追加されるので、そのスクリプト欄に
eval(value)
と入力します。TCP/IPでこの4000番ポートに接続すると、受信した文字列が変数valueに代入され、そ
のままスクリプトとして実行されます。これにより、別のPCやソフトウェアから自由にAmaterasを制
御することができるようになります。
「スクリプト出力」ウィンドウから、
TCP.send(“192.168.0.102:4001”, “Playing ”+Player.getFileName())
TCP.sendBinary(“192.168.0.102:4002”, “12, 13, 0”)
などのように記述して、文字列やバイナリデータを他の機器に送信することができます。
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7 動画ファイルのエンコード
7
動画ファイルのエンコード
Amaterasは幅広い動画形式(コーデック)の動画再生に対応しています。一般に、解像度を高く画質を
上げるほど再生時の負荷が高くなり、十分な性能のPCでないとカクつきや映像の乱れが発生する原因に
なります。動画編集ソフトウェアや動画変換ツールで、実際に使用するPCで再生できる十分な画質の動
画となるよう設定を調整してみるとわかりやすいでしょう。
動画形式には同じファイル拡張子の中にもさまざまな種類や使用 するツールに起因する癖があり、
Amaterasできちんと再生できるかどうか、必ず実際に再生を試してみる必要があります。また、そもそ
もほとんどの動画形式は3Kドームマスター(3072x3072)のような高解像度で縦横比も一般的でない
動画には最適化されていません。そこでAmaterasでは、
・Amateras動作推奨環境を満たすPCであれば実機確認なしでも再生が保証される
・プロジェクターで投影するレベルであればほぼ十分な
・Amaterasのキャッシュ付き動画再生の機構を考慮した
画質の動画形式として、
「Amateras動画形式(AMATERAS Movie Format)
」を定義しました。この実
態は、時間軸方向にもビットレート許容幅を持たせたMPEG4コーデックの動画形式です。また、動画変
換するツールに起因する不具合を避けるため、既存の動画や連番画像をAmateras動画形式のファイルに
変換するためのフリーのツール「AMATERAS Media Encoder」をAMATERAS Media Playerと一緒
に配布しています。利用者は再生したい動画をこのツールで動画変換(エンコード)することで、他のPC
や他の施設でもその動画が安定して再生できることが保証されます。Amaterasのドームマスター形式か
らのリアルタイム映像補正(リアルタイムスライス)機能によって、一度動画をエンコードすればどこで
もそのまま上映できる動画素材になります。
エンコーダの使い方
AMATERAS Movie Encoder は 、 Amateras を ダ ウ ン ロ ー ド ・ 解 凍 し た フ ォ ル ダ 内 の Amateras
Encoder.exeをダブルクリックして起動します。
Amateras動画形式にエンコードしたい動画ファイルや連番画像ファイルがあれば、それをエクスプロー
ラからこのウィンドウ内にドラッグ&ドロップします。連番画像ファイルとは、動画の内容を同じフォー
マット・解像度で1コマ一枚の画像ファイルに分けたもので、一つのフォルダ内に順番に0から始まる連続
番号を末尾に付けたファイル名で格納します。例えば
Sunset000000.png
Sunset000001.png
Sunset000002.png
Sunset000003.png
…
等のようなファイルを一つのフォルダに格納します。途中でファイル名の桁数が変わらないように注意し
てください。連番画像ファイルの場合、このフォルダか、ファイルのうちのひとつをエクスプローラから
ウィンドウにドラッグ&ドロップします。
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7 動画ファイルのエンコード
「エンコード作業設定」ダイアログが表示されるので、ここで正しく映像が認識されているか、特に[範囲]
の欄で正しい長さが表示されているかを確認します。連番画像ファイルでは、途中でファイルが抜けてい
るとそこまでの範囲として表示されます(ファイルの存在だけで、それぞれの画像ファイルが壊れていな
いかまでは確認していません)。問題なければ、[出力ファイル]の欄で出力先を指定します。Amateras動
画形式では拡張子を”.mp4”に設定します。
[プロファイル]の欄では、あらかじめ用意された画質や解像度のプリセットの中から出力に使う設定を選
択します。[2Kドームマスター 高品質]と[2Kドームマスター 中品質]は、入力ファイルを2048x2048
ピクセルの解像度にリサイズして、Amateras動画形式のファイルにエンコードします。通常は[高品質]
の設定で構いませんが、Amaterasを実行するPCの性能が低い場合や、極端に複雑な(ランダムに細か
い粒子が飛び交うような)映像の場合には[中品質]の方が安定した再生になる場合があります。[3Kドー
ムマスター 高品質]と[3Kドームマスター 中品質]は、3072x3072ピクセルにリサイズしながら同様に
Amateras動画形式のファイルにエンコードします。[リサイズなし 高品質]と[リサイズなし 中品質]では、
リサイズをかけずにそのままの解像度でAmateras動画形式のファイルにエンコードします。もともと2K
解像度や3K解像度の映像素材でリサイズの必要がない場合や、ドームマスター形式ではない平面映像の場
合には、このプロファイルを選択します。3K以上の解像度の映像もエンコードすることはできますが、そ
の動画が安定再生できるかどうかはAmaterasの実行環境に依存します。
[視野角]はドーム映像について表示の際に設定すべき視野角を付帯情報として設定します。通常は180の
ままで構いません。[範囲]には入力ファイルのどこからどこまでの範囲をエンコードするのか、フレーム
数で指定します。入力ファイルが動画ファイルの場合、一部の動画形式では正しい範囲をエンコードでき
ない場合があるので、エンコードされた出力ファイルを確認してください。[後処理]には、エンコード後
に別の場所に出力ファイルをコピーする、などの処理を実行させることができます。%OUTPUTFILE%
と記述した部分は出力ファイル名に置き換えられるので、例えば
copy %OUTPUTFILE% c:¥archives¥movies¥
と記述することで、”c:\archives\movies\”フォルダに出力ファイルがコピーされます。
設定が終わったら[OK]ボタンをクリックして「エンコード作業設定」ダイアログを閉じます。AMATERAS
Movie Encoderの「メイン」ウィンドウに、新しい作業が1行追加されます。音声付きの動画ファイルを
エンコードする場合、自動的に同名のサウンドファイルを書き出す作業も追加されます。 これは、
Amaterasでは動画ファイルと音声ファイルを同名の別ファイルとして用意する必要があるためです。
エンコード作業がいくつもある場合は、上記の作業を繰り返して作業リストを追加していきます。不要な
作業を削除するには、マウスでその行をクリックして選択し、メニューから[作業]→[エンコード作業を削
除]を選択してください。
エンコードを開始するには、AMATERAS Movie Encoderの右下にある[順次エンコードを開始]ボタン
をクリックします。リストの上から順に、チェックマークの入ったエンコード作業が開始されます。作業
の数が少ない場合は[すべて開始]をクリックすることで、チェックマークの入ったすべてのエンコード作
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7 動画ファイルのエンコード
業を同時に実行することもできます。エンコードを行うPCやディスクの性能にもよりますが、2、3個
の作業程度であれば同時にエンコードする方が早いでしょう。
もし何らかの理由でエンコード作業を中止する場合は、[すべて中止]ボタンをクリックします。特定のエ
ンコード作業のみを開始または中止したい場合は、その作業をリストからクリックして選択し、[編集]メ
ニューから開始や中止を実行します。中止したエンコード作業を再び行いたい場合は、リストの中で名前
の横のチェックマークをクリックして外し、再びチェックを入れてください。
登録したエンコード作業のリストは、
「作業リスト」として[ファイル]メニューから保存しておくことがで
きます。エンコードしたファイルの保存先や使用するプロファイルがいつも決まっている場合は、[デフォ
ルト]メニューからこれらの初期値を指定しておくことができます。
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8 複数PC環境での使い方
8
複数PC環境での使い方
Amaterasは、複数のPC上で同時に実行し、LANで互いに同期制御しながら動作することができます。
これにより、1台のPCからの出力画面数に制限されることなく表示画面数を拡張することができます。ま
た、制御用PCから映像信号線を伸ばすことが困難なほどモニターやプロジェクターが分散配置されてい
る環境で、表示側の近くに表示用PCを分散し、制御用PCから同期通信用のLANケーブルだけを伸ばし
てシステムを構築することもできます。
環境設定
操作画面を表示するPC(1台)を「制御用PC」
、ディスプレイやプロジェクターを接続して映像表示の
みを行うPC(複数台も可)を「表示用PC]と呼びます。ひとつのシステム内では、できるだけ同等の
PC性能のものを揃えるようにします。それぞれの表示用PCが担当する表示画面数などもできるだけ均
等にしてください。また、以下のネットワーク設定にはPCの管理者権限が必要です。
すべてのPCについて、ネットワーク設定を確認します。
「コントロールパネル」から「ネットワークと共
有センター」を選択します。この中で、
「アクティブなネットワークの表示」の右側の[接続]に表示されて
いるリンクをクリックし、表示されるダイアログの[プロパティ]をクリック、さらに表示されるダイアロ
グから[インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)]を選択して[プロパティ]をクリックしま
す。
ここで表示される「インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)のプロパティ」ダイアログで、
[IP アドレスを自動的に取得する]が選択されている場合、[次の IP アドレスを使う]を選択します。前者
のDHCP(IPアドレスの自動取得)でも動作させることはできますが、再起動後なども安定した接続を確立す
るためにIPアドレスの明示的な設定を推奨します。利用可能なIPアドレスはネットワーク管理者に問い合
わせてください。すべてのPCについて他と異なる[IP アドレス]、同一の[サブネット マスク]を設定し、
特に制御用PCはIPアドレスをメモしておいてください。
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8 複数PC環境での使い方
ファイヤーウォールの設定については、Amaterasのネットワーク利用を許可し、TCP/IPポート”6666”
および”6667”を開いてください。設定方法がわからない場合、または通信に問題がある場合には、ファイ
ヤーウォールを無効化してください。
すべてのPC上に、Amaterasとコンテンツフォルダ(デフォルトではAmaterasフォルダ内の”contents”
フォルダ)をコピーします。この時、これらのフォルダはすべてのPCで同じファイルパスに置くように
します。ファイルパスには日本語などを含めないようにします。
(例:c:/shared/apps/amateras2/Amateras Player.exe)
続いて、
「ファイル同期」機能のためにすべてのPCのコンテンツフォルダを共有フォルダにします。エク
スプローラでコンテンツフォルダ(デフォルトではAmaterasフォルダ内の”contents”フォルダ)を右ク
リックし、メニューから[共有]→[特定のユーザー…]を選択します。表示されるダイアログで、共有するユ
ーザー名を選択するか、そのまま[共有]ボタンをクリックします。すべてのPCで同様にフォルダを共有
化したら、制御用PCのエクスプローラの「ネットワーク」から、すべてのPCのコンテンツフォルダが
同名のフォルダ(”contents”など)として読み書きできることを確認します。
ファイル同期機能を利用するため、
「FreeFileSync」を下記よりダウンロードしてインストールします。
http://freefilesync.sourceforge.net/
インストール後、”C:\Program Files\FreeFileSync\FreeFileSync.exe”が利用可能であることを確認し
てください。
すべてのPCにおいて、エクスプローラでAmaterasフォルダ内の”bin”フォルダにある実行ファイ
ル”AmaterasPlayer.exe”を右クリックし、[ショートカットの作成]でショートカットを作成します。作成
したショートカットは、デスクトップなど使いやすい場所に移動しておきます。このショートカットを右
クリックし、メニューから[プロパティ]を選択します。
ここで、[リンク先]に記述されている実行パスの後に、空白を挟んで
-address 操作用PCのIPアドレス
と追記します。このショートカットの作成と編集を、すべてのPCで行います。このショートカットから
Amaterasを起動すると、制御用PCではAmaterasの制御画面が、それ以外のPCでは表示画面のみが
表示されるようになります。
AMATERASの利用
Amaterasを利用する時には、すべてのPCにおいて作成したショートカットからAmaterasを起動しま
す。起動の順番は操作用PCが先でも、表示用PCが先でも構いません。すべてのPCのAmaterasが起
動したら、コンテンツの再生などで正しく同期制御が行われているかどうかを確認してください。同期制
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8 複数PC環境での使い方
御中は、制御用PCのAmaterasの情報表示に”Sync Beats.”として接続している表示用PCからの定期的
な状態更新表示が確認できます。
複数PC環境では、AmaterasのGUIは制御用PCにのみ表示され、これを終了するとすべてのPCで
Amaterasが終了します。もし何らかの理由で特定の表示側のPCのAmaterasのみを終了したい場合は、
そのPCでAmaterasの画面をクリックしてアクティブにしてから[Escape]キーを押すことで終了するこ
とができます。
Amaterasでは、すべてのPC上で同じファイルパスの場所に映像素
材ファイルが置かれている必要があります。操作用PCのファイルラ
イブラリ内に映像素材ファイルを準備したら、「ファイル同期」機能
によって表示用PCのファイルライブラリにそのファイルをコピー
することができます。Amaterasのアプリケーションウィンドウ上部
の[ウィンドウ]タブで、[オプション]グループから[設定]をクリック
して「オプション設定」ダイアログを開きます。この中で、[コンテン
ツフォルダ]にコンテンツフォルダ(絶対パスかbinフォルダからの相
対パス)、[リモートフォルダ]に表示用PCのコンテンツフォルダ
(”\\表示用PCのIPアドレス\リモートフォルダ”でアクセスできる
場所)が正しく設定されていることを確認してください。「ファイル
ライブラリ」に変更を加えたら、左下の
ボタンをクリックすることで選択されたフォルダ以下のファ
イル同期を行います。
PCの起動とともにAmaterasで特定の映像ファイルやプレイリストファイルを再生したい場合は、表示
用PCで作成したショートカットを「スタートアップ」に登録し、制御用PCでは下記のようにショート
カットの[リンク先]の実行パスの後に追記してスタートアップに登録します。
–address 操作用PCのIPアドレス –numclients 表示用PCの数 ファイル名
ここで、-numclientsと表示用PCの数を指定することで、指定した数だけ外部からの接続を待ってプレ
イリストの再生を始めるようになります。
もしお使いの環境にオリハルコンテクノロジーズ社のユーティリティ「リモートランチャ」があれば、こ
れを利用することで複数PCでのAmaterasの起動や終了を簡単に行うことができます。
※ 一部の環境において、表示用PCでAmaterasを起動した後にキー操作の挙動がおかしくなる問題が報
告されています。その場合にはキーボードで右の[Alt]キーを押すことで正常に戻ります。
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9 映像ファイルのまとめ方
9
映像ファイルのまとめ方
Amaterasでは、音声付き動画は映像ファイルと音声ファイルに分けて用意する必要があります。このフ
ァイルの扱いを簡便にするため、関連するファイルを「ファイルライブラリ」の中でひとつのファイルに
見えるようにまとめることができます。これを応用して、複数PCに格納したスライス済みのファイルを
ひとつのファイル名から読み分けることもできます。
映像ファイルと音声ファイルをまとめる
映像ファイル sample.mp4 と 音声ファイル sample.wav がある場合、
sample.amf/
sample.amf/sample.mp4
sample.amf/sample.wav
のように、”名前.amf”というのフォルダを作成し、その中に同名で映像ファイルと音声ファイルを入れま
す。Amaterasの「ファイルライブラリ」では、このような構造のフォルダをひとつのファイルとして認
識し、通常の映像ファイルと同様に再生や整理を行うことができます。
音声付きの動画ファイルがあり、これをAmateras用にエンコードする場合には、「AMATERAS Movie
Encoder」にこれをドロップすると2つのエンコード作業が生成され、同じ場所に同名の映像ファイル(拡
張子.mp4)と音声ファイル(拡張子.wav)が書き出されます。この映像ファイルをAmaterasの「ファ
イルライブラリ」にドロップすると、自動的に音声ファイルと合わせてAMFファイル(拡張子.amfのフォ
ルダ)にまとめられ、
「ファイルライブラリ」内でひとつの音声付動画ファイルとなります。
AMFファイルのフォーマット
AMFファイルとは拡張子”.amf”を付けたフォルダのことで、このなかに映像ファイルや音声ファイル、あ
るいは複数PC環境で読み替える複数の映像ファイルをまとめておくことができます。フォルダのなかに、
このフォルダと同名の拡張子”.amf”のxmlファイルを用意し、この読み替えについて定義しておくことがで
きます。
例:sample.amfファイル
フォルダ構造:
sample.amf/
sample.amf/sample.amf
sample.amf/sample_pc1.mp4
sample.amf/sample_pc2.mp4
sample.amf/sample.wav
sample.amf/sample.amfの内容
<amffile>
<file path=”sample_pc1.mp4” sound=”sample.wav” target=”PC1”/>
<file path=”sample_pc2.mp4” target=”PC2”/>
</amffile >
<file>の中のpathには、AMFフォルダ内の相対パスで映像ファイルへのパスを記述します。一緒に再生す
る音声ファイルがあれば、soundに同様の相対パスで記述します。Targetには、この<file>で指定したフ
ァイルを読み込むPCのネットワーク名を指定します。複数のPCで同様の設定の場合には、ネットワー
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9 映像ファイルのまとめ方
ク名を”,”で区切って並べます。どの<file>ノードにもtargetとして記述されていないPCでは、最初の<file>
で指定されたファイルがデフォルトとして読み込まれます。
スライス済み映像の読み込み
複数環境PC環境において、スライス済みの映像をひとつのAMFファイルにまとめておくことができます。
例:sample.amfファイル
フォルダ構造:
sample.amf/
sample.amf/sample.amf
sample.amf/sample@sliced_pc1.mp4
sample.amf/sample@sliced_pc2.mp4
sample.amf/sample@sliced_pc3.mp4
sample.amf/sample.wav
sample.amf/sample.amfの内容
<amffile>
<file path=”sample@sliced_pc1.mp4” sound=”sample.wav” target=”PC1”/>
<file path=”sample@sliced _pc2.mp4” target=”PC2”/>
<file path=”sample@sliced _pc3.mp4” target=”PC3”/>
</amffile >
ひとつのAMFファイルにすべてのPCのスライス済み動画ファイルもまとめておくことで、すべてのファ
イルを「ファイルライブラリ」でひとつの映像ファイルのように取り扱うことができます(ただしそのぶ
ん同期に時間はかかります)
。スライス済み(歪み補正とブレンディングを反映した)映像ファイルは、フ
ァイル名に”@sliced”のキーワードを含めておくことで、表示する際に投影補正を適用せずそのまま全画面
表示されるようになります。
立体映像の読み込み
立体ドームシアター環境で、右眼映像用PCと左眼映像用PCが別にある場合に、PCごとに右眼用と左
眼用の映像をひとつのAMFファイルにまとめることで、
「ファイルライブラリ」で手軽に扱うことができ
るようになります。
例:sample.amfファイル
フォルダ構造:
sample.amf/
sample.amf/sample.amf
sample.amf/sample@sliced_left.mp4
sample.amf/sample@sliced_right.mp4
sample.amf/sample.wav
sample.amf/sample.amfの内容
<amffile>
<file path=”sample@sliced_left.mp4” sound=”sample.wav” target=”PC-left”/>
<file path=”sample@sliced _right.mp4” target=” PC-right”/>
</amffile >
また、右眼映像用PCと左眼映像用PCを環境変数で外部定義しておくこともできます。Windowsの[ス
タートメニュー]で[コンピューター]を右クリックし、[プロパティ]を選択します。この中の[システムの詳
細設定]で[詳細設定]タブの[環境変数…]ボタンをクリックし、表示される「環境変数」ダイアログの[シス
テム環境変数]の[新規(W)…]ボタンをクリックします。ここで、変数名に”stereo”、変数値に左眼映像用
PCなら”L”、右眼用映像PCなら”R”を指定して[OK]をクリックします。
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9 映像ファイルのまとめ方
このようにそれぞれのPCについて環境変数を定義した後、下記のようにAMFファイルを用意します。
例:sample.amfファイル
フォルダ構造:
sample.amf/
sample.amf/sample.amf
sample.amf/[email protected]
sample.amf/[email protected]
sample.amf/sample.wav
sample.amf/sample.amfの内容
<amffile>
<file path=”[email protected]” sound=”sample.wav” />
</amffile >
この場合、映像ファイル名に”@leye”(左眼用)または”@reye”(右眼用)とキーワードを含めておくこと
で、pathで指定されたファイルが環境変数の定義に従って対応するファイルに読み換えられます。この方
法であればAMFファイル内にPCのネットワーク名を記述する必要がないため、環境に依らない立体映像
用のAMFファイルを作成することができます。
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10 投影補正機能の使い方
10 投影補正機能の使い方
この章では、Amaterasを使った投影補正機能について説明します。Amaterasの投影補正機能は、ドー
ム映像として読み込んだ高解像度映像にリアルタイムで変形や輝度の補正を行いながら複数画面に出力す
るというものです。これにより、
・平面やドームスクリーンへのマルチプロジェクション
・建物や車体などへのプロジェクションマッピング
・無理な投影方向からのプロジェクションの補正
・異なる位置からのプロジェクションのスタッキング
・複数のディスプレイやLEDパネルへの映像の切り出し
・液晶モニターを多数並べた高解像度ディスプレイの実現とベゼル補正
などに幅広く対応することができます。
投影補正に関する用語
具体的に投影補正の方法について説明をしていく前に、ここでAmaterasの投影補正に関する用語をまと
めておきます。

ソース映像
投影補正される前の映像のことを「ソース映像」と呼びます。ドーム投影であれば「ドームマスター形式」
の映像がこれにあたります。ここから任意の範囲を切り出して、変形や輝度の補正をしたうえで最終的に
表示します。Amaterasは高解像度の映像再生に対応しているため、ひとつの高解像度なソース映像から
多数の画面を切り出すことで、同期ズレのない多画面再生を行うことができます。

表示画面
投影補正をした結果のことを「表示画面」と呼びます(「投影補正出力」とも呼ばれます)。最終的にモニ
ターやプロジェクターで表示されるのはこの映像になります。ソース映像から正しい表示画面を作り出す
ための映像処理が「投影補正」ということになります。

メッシュ
ソース映像から切り出された映像の一部分を「メッシュ」と呼びます。メッシュは「ソース映像のどの範
囲から切り取られたものか」と「表示画面のどの部分に表示するか」の関係を表しています。投影補正を
行う前の初期状態ではメッシュが1つだけ用意されており、ソース映像の全体を、表示画面の全体にその
まま表示しています。
しかし、このメッシュを編集して、下図のように「ソース映像の左上1/4の範囲を表示画面の右半分に表
示する」
、というった設定を行うことで、ソース映像の一部を表示画面に自由にレイアウトすることができ
ます。またメッシュを自由な形に変形することもできるため、曲面に映像を投影した場合の歪みの補正な
どもメッシュの形状を変形することで対応できます。
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10 投影補正機能の使い方

メッシュステージ
表示画面には複数のメッシュを配置することができます。ソース映像の複数の部分をレイヤーのように合
成することも可能です。このようにメッシュを配置する場所を「メッシュステージ」と呼びます。メッシ
ュステージの大きさは自由に設定できますが、1台のPCにつきひとつだけしか使用できないので、通常
はそのPCから出力される画面範囲すべてを内包する大きさのメッシュステージを用意します。PCから
の映像出力が1画面であれば、その画面がそのままメッシュステージだと考えることができます。2つの
画面出力を持つPCであれば、その2画面を渡ったひと続きの領域がメッシュステージになります。

形状編集
メッシュ上に「制御点」と呼ばれる点を格子状に定義し、これを変形する
ことで「形状編集(ベジエ変形)
」を行うことができます。ベジエ変形は少
ない制御点を動かすだけで簡単に形状変形を実現でき、特に曲面スクリー
ンに投影するような緩やかに曲がった形状などをうまく作り出すことがで
きます。制御点の数は自由に増やすことができますが、数が多すぎると編
集も大変になるため、適切な数で作業することが重要です。

ポイント編集
それぞれのメッシュは、形状変形されるためにさらに細かい多角形(ポリ
ゴン)で構成されています。この多角形の頂点を直接編集することで、さ
らに細かい変形を行うことができます。これを「ポイント編集」と呼びま
す。ポイント編集では形状の完全なコントロールが可能ですが、ベジエ変
形のような滑らかな形状編集を行うのは難しいので多用しないようにしま
す。またポイント編集では頂点ごとに輝度を編集することができ、部分的
な濃淡を作るのに活用できます。

エッジブレンディング
複数のプロジェクターで投影像の端が重なるように投影を行うと、重なっ
た部分の輝度が2重になって明るく表示されてしまいます。このような輝
度のムラを均一化するため、映像の端の輝度をグラデーションで落として
いく処理を「エッジブレンディング」と呼びます。Amaterasではメッシ
ュの4辺に「エッジブレンディング」による輝度のグラデーションをかけ
ることができ、このグラデーションの範囲と強さを調整することで投影の
重なる部分の輝度を均一化できます。

マスク
映像をプロジェクターで投影する際、スクリーンの端やステージなどに投
影像がかかるのを避けるため、映像の一部を非表示にしたり、輝度を落と
したりすることができます。これを「マスク」と呼びます。マスクの形状
はソース映像上(ソースマスク)と表示画面上(メッシュステージマスク)
のどちらにも定義することができます。前者ではドームの端など映像の不
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10 投影補正機能の使い方
要な部分を非表示するために、後者では特定のプロジェクターからの光のみを遮るために利用します。

投影メッシュ
物体の表面をスクリーンとして、これに映像を貼り付けるような特殊な投影
補正を行うことができます。これを一般的には「プロジェクションマッピン
グ」と呼びます。直方体や正対したビルの壁など、簡単な形状への投影であ
れば、メッシュによる映像の切り出しとメッシュの形状変形だけで投影補正
を実現することもできます。しかし車体のような複雑な形状をスクリーンに
する場合には、
「投影メッシュ」と呼ぶ特殊なメッシュを使用します。
投影補正の流れ
代表的な投影補正による映像処理の流れを説明します。
ここでは、2台のプロジェクターを合わせて講演会のステージ背景にひとつの映像を投影することを考えま
す。これを2画面出力の1台のPCから投影補正して表示します。
ソース映像のうち中央の部分には別画面のLEDパネルが配置されているため、その部分の映像をソースマ
スクで非表示にします。
→ ソースマスク →
ソース映像から2台のプロジェクター用の映像範囲をメッシュで定義します。2台のプロジェクターの投
影像は一部重ねるので、ソース映像からの切り出し範囲が一部重なることになります。
→ 切り出し →
ソース映像
メッシュステージ(プロジェクターの投影画面)
投影された映像がスクリーン上で歪みの無いひと続きの映像になるように、それぞれのメッシュの形状編
集で形状を整えます。
投影像が重なっている部分は輝度が2倍になってしまうので、エッジブレンディングで輝度を均一化しま
す。
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10 投影補正機能の使い方
メッシュステージ上では2つのメッシュが並び、それぞれ対応するプロジェクターから投影されます。
片方のプロジェクターからの投影が演台にかかっていたため、メッシュステージマスクで演台にかかる部
分の映像を消します。
このような一連の投影補正を、Amaterasでは投影像を見ながら簡単に行うことができます。投影補正機
能と映像再生機能が一体化しているので、実際の映像を投影しながらいつでも微調整が可能です。また複
数のPCを使った大規模な投影システムでも使い方は同じなので、あらかじめ1台のPC上で準備や調整
練習を行うこともできます。
チュートリアル
シンプルな映像の切り出しを例に、投影補正の基本的な使い方を説明します。
まずAmaterasを起動し、作業しやすいようにプレイリストや「PIP」ウィンドウ、「サブ」ウィンドウな
どがあればすべて閉じて、
「メイン」ウィンドウのみを広く表示します。続いて、ソース映像として何か映
像ファイルを開きます。ここではWindowsに付属の”ピクチャ/サンプルピクチャ/灯台.jpg”を開いていま
す。映像補正中は映像再生をする必要はありませんので、適当なところで一時停止状態にしておきます。
表示画面の様子を見るために、もうひとつウィンドウを追加しておきましょう。アプリケーションウィン
ドウ上部の[ウィンドウ]タブで、[投影画面] ボタンをクリックしてオン(黄色く光る)状態にします。
「投
影画面」ウィンドウが表示されますので、アプリケーションウィンドウと並べて見やすい位置に配置しま
す。
投影補正を始めるには、アプリケーションウィンドウ上部の[シアター制御]タブで、[プロジェクター]グル
ープの[投影補正]ボタンをクリックしてオンにします。アプリケーションウィンドウに「投影補正設定」
ウィンドウが追加されます。
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10 投影補正機能の使い方
投影補正を最初から始めるために、
「投影補正設定」ウィンドウのメニューから[ファイル]→[新規プロジェ
クト]を選択します。もし「現在の投影補正プロジェクトを破棄してよろしいですか?」と聞かれたら、[は
い]をクリックしてください。
「投影補正設定」ウィンドウの中で、
「デフォルトステージ(127.0.0.1)」と、
その中に「四角形メッシュ」が含まれているのがわかります。この「デフォルトステージ」がこのPCの
「メッシュステージ」で、全画面表示した時の表示エリア全体を表しています。いま、そのメッシュステー
ジ上に「四角形メッシュ」という名前のメッシュがひとつだけ配置されています。
この投影補正の様子を確認してみましょう。アプリケーションウィンドウ上部の[メイン]タブで、中央の[ス
タイル]ボタンから[投影補正出力編集] →[デフォルトステージ(127.0.0.1)]を選択します。続いて、「投
影画面」ウィンドウでメニューから[表示]→[投影補正出力編集]→[デフォルトステージ(127.0.0.1)]を選
択します。「メイン」ウィンドウと「投影画面」ウィンドウの両方に、読み込まれた映像が表示されます。
ここでは投影補正後の結果が表示されていますが、投影補正の初期状態ではソース映像をそのまま全画面
に貼り付けるようにメッシュが配置されているので、読み込まれた映像がウィンドウ全体に表示されます。
もしPCが2画面表示できる環境であれば、「投影画面」ウィンドウをもうひとつの画面の方に移動して
[Alt]+[Enter]で全画面表示にしてみてください。実際の大きさで投影補正結果を表示または投影しながら、
編集作業を行えるようになります。
メッシュの編集
「メイン」ウィンドウでマウスのホイールを手前に回転させると、映像全体をズームアウトして見ることが
できます。
「投影補正設定」ウィンドウで「四角形メッシュ」が選択されていれば(マウスで左クリックし
て選択)
、映像の周りにこのメッシュが選択されていることを示すオレンジ色の枠線が表示されているはず
です。マウスのホイールを上に回転させると、映像の一部をズームインして見ることができます。また、
マウスの中ボタンを押しながらドラッグすることでズームしている範囲を移動できます。[R]キーを押すと、
表示範囲をメッシュステージ(表示画面)全体に戻すことができます。
→ ズームアウト →
少しズームアウトしてメッシュの四隅が見えている状態で、マウスの右ボタンを押しながらドラッグする
と白い四角形の選択範囲が表示されます。これでメッシュの四隅の頂点のうちのひとつを囲んでみてくだ
さい。囲まれた頂点が赤く光って選択状態になるのがわかります。この状態で、今度はマウスの左ボタン
を押しながらドラッグすると、選択した頂点を移動してメッシュを変形することができます。この時、選
択した頂点をドラッグする必要はありません。画面上のどこでもドラッグを開始すれば、選択された点が
ドラッグされた方向に移動します。マウスの右ドラッグで複数の頂点を囲んで選択し、まとめて移動する
こともできます。頂点を正確に水平または垂直方向にだけ動かしたい時は、[Alt]キーを押しながらドラッ
グしてみてください。
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10 投影補正機能の使い方
頂点の選択と移動はカーソルキーでも可能です。カーソルキーを押すと、カーソルキーを押した方向の隣
の頂点を選択することができます。[Ctrl]キーを押しながらカーソルキーを押すとこの頂点を移動、[Ctrl]
キーと[Shift]キーを同時に押しながらだとさらに細かく移動することができます。
このように、メッシュの4隅の頂点を移動することでメッシュを変形することができました。ここで操作
していた四隅のオレンジ色の点は「制御点」と呼ばれる変形用のハンドルのようなものです。
「投影補正設
定」ウィンドウで「四辺形メッシュ」が選択され、その下で[形状]タブが開かれているので、ここではこ
の「四辺形メッシュ」の制御点を操作しているのです。
「投影画面」ウィンドウが表示されていると、こち
らにも「メイン」ウィンドウでの投影補正の様子が反映されます。実際のモニターやプロジェクターで映
像を表示しながら、
「メイン」ウィンドウの方でその一部を拡大表示して編集を行うことができます。
[形状]タブにある[移動/リサイズ]ボタンをクリックすると、このメッシュ全体を移動したり、拡大縮小し
たりすることができます。[移動/リサイズ]ボタンをクリックして表示される「メッシュの移動/拡大・縮
小」ダイアログで[右]に0.2と入力して[OK]ボタンを押すと、メッシュがメッシュステージ全体の0.2倍の
距離だけ右に移動します。また「メッシュの移動/拡大・縮小」ダイアログで[幅]に0.5と入力して[OK]
ボタンを押すと、メッシュが幅方向で半分になります。
さらに[形状]タブにある[回転]ボタンをクリックすると、「メッシュの回転」ダイアログが表示されます。
この中で角度を入力すると、メッシュが現在の位置で指定した角度だけ時計回りに回転します。
これまで[投影補正出力]スタイルで投影補正結果のメッシュ形状を直接操作していましたが、ソース映像
から切り出す範囲を変更することもできます。アプリケーションウィンドウ上部の[メイン]タブで、中央
の[スタイル]ボタンから[投影補正ソース編集]を選択します。同様に「メインウィンドウ」内でホイールを
手前に回転させると、やはり「四角形メッシュ」の表示範囲を示すオレンジ色の制御点が見えてきます。
右ドラッグでこの制御点を選択して移動してみると、
「投影画面」ウィンドウの中のメッシュ映像の内容が
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10 投影補正機能の使い方
変化するのが確認できます。これは、ソース映像のうち「四角形メッシュ」で表示する範囲を変更したた
めです。このように、Amaterasの投影補正では、
「ソース映像のどこを切り出してどのような形で表示す
るか」を編集することにより、自由な映像の切り出しや変形を実現していくことになります。これまで見
てきた、[投影補正出力編集]スタイルでの「表示する形」の編集と、[投影補正ソース編集]スタイルでの「表
示する範囲」の編集の関係をよく理解しておいてください。正しく投影補正を行うためには、この対応関
係をふまえて正しい編集を行うことが重要です。
メッシュの自由変形
これまで見てきたメッシュの変形では、制御点がメッシュの四隅にしかなかったため限定的な変形しか行
えませんでした。曲面スクリーンへの投影など、より自由な映像変形を行うためには、変形に使用する制
御点を増やします。
「メイン」ウィンドウの表示を[投影補正出力編集]スタイルに戻し、「投影補正設定」ウィンドウの[形状]
タブで[制御点数]ボタンをクリックしてください。
「制御点数の変更」ダイアログが表示されます。ここで
は[低解像度]ボタンを押して([列]が4、[行]に4に設定されます)
、さらに下の[歪み補正をリセット]にチ
ェックを入れて[OK]ボタンをクリックします。
これで「四辺形」メッシュのオレンジ色の制御点が縦横ともに4つに増えます。増えた中間の制御点を移
動して、より細かな自由変形ができるようになったのを確認してください。このように制御点の数はいつ
でも増やすことができますが、あまり制御点が多いと編集も大変になる(手間が増え、映像に部分的な歪
みを生じやすくなる)ため、必要最低限の制御点の数を用意してから編集を始めることが重要です。
制御点の編集を進めていくうち、最後の編集をやり直したいと思ったら[Ctrl]+[Z]キーで最後の編集を元に
戻す(アンドゥ)ことができます。変更をやり直したい(リドゥ)時は[Shift]+[Ctrl]+[Z]キーを押します。
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10 投影補正機能の使い方
アンドゥやリドゥは「投影補正設定」ウィンドウのメニューから[元に戻す]と[やり直す]を選択しても実行
できます。やり直しできる作業の履歴は、メニューの[表示]→[作業履歴]から表示しておくことができます。
ポイント編集
「投影補正設定」ウィンドウの下部で[ポイント]をクリックすると、メッシュ状に黄色く細かいグリッドが
表示されます。これは、このメッシュを構成しているポリゴンをワイヤーフレームで表しています。制御
点のかわりに、この細かいポリゴンの頂点ひとつひとつを直接編集するのが「ポイント編集」です。
制御点と同様に、マウスの右ドラッグで複数の頂点を選択し、左ドラッグで移動します。編集してみると
わかるように、ポイント編集ではメッシュの形を正確に指定することができますが、滑らかに曲がった形
を作るのは難しくなります。そのため、メッシュの変形は基本的に制御点の編集で行い、最後にどうして
も修正したい部分だけをポイント編集で直すのが良いでしょう。
ポイント編集では、このポリゴンの頂点ごとの輝度を調整することもできます。頂点を選んだ状態で(マ
ウスの右ドラッグで選択)
、
「投影補正調整」ウィンドウの[ポイント]タブ内にある[+]または[-]ボタンをク
リックすると、その頂点の周辺の輝度を増減することができます。また、[□]をクリックすると最大輝度
に、[■]をクリックすると完全に暗くなります。輝度の調整は[+]キーと[-]キーを押すことでも調整できま
す。
メッシュの追加と削除
これまで、
「四角形メッシュ」ひとつについて、その変形方法を説明してきました。ここではさらに複数の
メッシュを追加する方法を説明します。
まず他のメッシュを追加する前に、現在のメッシュにわかりやすい名前を付けてみましょう。
「投影補正設
定」ウィンドウの下部で[名前]の欄に”メッシュ1”と入力して[Enter]キーを押すと、上のツリーで選択さ
れている現在のメッシュの名前が変わります。
新しくメッシュを追加してみましょう。
「投影補正設定」ウィンドウのメニューから。[編集]→[項目を追加
…]→[四角形メッシュを追加…]を選択します。新しいメッシュの初期設定を行う「四角形メッシュの生成」
ウィンドウが表示されます。[変形解像度]では、ここで指定した水平・垂直の分割数でメッシュがポリゴ
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10 投影補正機能の使い方
ンに細分化されます。分割数が多いほど滑らかな曲線で変形させることができますが、編集や再生が重く
なる可能性があります。このメッシュの変形解像度は、後から変更することはできません。[ソース]と[出
力]では、最初にこのメッシュを配置する場所を設定します。いずれもメッシュステージの左上が(0, 0)、
右下が(1, 1)に正規化された座標で指定します。ここではソース映像全体をメッシュステージの右下1/4
の範囲に表示するため、[出力]について[左端]:0.5、[上端]:0.5、[幅]:0.5。[高さ]:0.5に設定します。メッ
シュの初期設定が終わったら、[OK]をクリックするとこのメッシュがメッシュステージに追加されます。
メッシュの変形は一度にひとつしか行えないため、複数のメッシュがあると現在選択されているメッシュ
にのみ制御点やポイントが表示されます。編集するメッシュの切り替えは、
「投影補正設定」ウィンドウの
ツリーでメッシュ名をクリックして行います。
「メイン」ウィンドウなどで編集中であれば、[M]キーを押
すことで切り替えることもできます。下部の[名前]に、現在編集中のメッシュの名前と、ソース映像内と
出力画面(メッシュステージ)内のどちらを編集しているのかを意識して編集を行ってください。
メッシュはいくつでもメッシュステージに追加することができます。不要なメッシュを削除する場合は、
メッシュを選択してメニューから[編集]→[項目を削除]を選択します。一般的なアプリケーションと同じよ
うに、選択したメッシュを[編集]メニューから[項目をコピー]と[項目を貼り付け]で複製することもできま
す。
プロジェクトの保存と確認
投影補正の編集が進んできたら、編集内容を保存しておきましょう。
「投影補正設定」ウィンドウのメニュ
ーから[ファイル]→[プロジェクトを保存]を選択し、投影補正プロジェクトファイルとして保存します。フ
ァイルはAmaterasの”bin/correction”フォルダ内に拡張子”.mmp”を付けて保存します。
投影補正の最終結果を確認するには、いったん投影補正の編集モードを解除します。
アプリケーションウィンドウ上部の[シアター制御]タブで、[プロジェクター]グループの[投影補正]ボタン
をクリックしてオフにします。編集画面でのズームや表示範囲がリセットされ、制御点やポイントなどの
編集用ツールが非表示になります。
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10 投影補正機能の使い方
詳細な編集
メッシュステージの設定
メッシュステージは、1台のPCから表示する全画面をつなげた領域になっています。PCに1台のモニ
ターやプロジェクターが接続されているだけなら自動的にその画面全部を占めますが、2画面接続したい
場合にはその両方を含む大きさに変更する必要があります。
画面の解像度を調べるには、デスクトップをマウスで右クリックして[画面の解像度]を選択します。複数
の画面が認識されている場合、下記のようにその2つの画面の大きさと位置関係が表示されます。それぞ
れの画面をクリックすると、下の[解像度]にその大きさがピクセル単位で表示されます。また、少し画面
をドラッグしてみると、その画面の左上の座標位置がピクセル単位で表示されます。複数の画面のうちひ
とつにスタートメニューやアイコンなどが表示されており、この画面の左上が(0, 0)になります。これは「メ
インディスプレイ」と呼ばれ、他の画面を選んで[これをメイン ディスプレイにする]にチェックを入れる
ことで変更できます。この画面の位置とサイズから、これらの画面を含むメッシュステージの範囲を決定
します。
「投影補正設定」ウィンドウで「デフォルトステージ」をマウスの左クリックで選択し、下部の[表示範囲
を指定]にチェックを入れます。この中で[左端]と[上端]に左上の座標値、[幅]と[高さ]に表示範囲全体の大
きさを、それぞれピクセル単位で入力します。設定が正しければ、 [Alt]+[Enter]キーで全画面表示した
時に複数の画面にわたって映像が表示されるはずです。
エッジブレンディング
メッシュステージを2画面に渡る大きさに広げ、画面ごとにプロジェクターをつないで投影するとします。
それぞれの画面を占めるように一枚ずつメッシュを配置し、ソース映像からの切り出し範囲を正しく設定
することで、2台のプロジェクターを使ってひと続きの映像として投影することができます。この時、プ
ロジェクターで映像の重なる部分は明るさが2倍になってしまうため、メッシュのこの部分にグラデーシ
ョンをかけて輝度を均一化する必要があります。これをエッジブレンディングと呼びます。
エッジブレンディングを調整するには、まず「投影画面」ウィンドウで[投影補正出力編集]スタイルで映
像を投影しておきます。調整用に適当な映像か、メニューから[ファイル]→[テストパターンを選択]→[全
白]を選択して白い映像を表示しておきます。
「投影補正設定」ウィンドウでメッシュを選択し、下部のタブで[エッジ]を選択します。[エッジブレンディ
ング]内の[エッジ]で、エッジブレンディングをかけたい(輝度を落としたい)側を選択して[有効化]をチ
ェックします。選択した側の輝度が暗くなり、赤い線でグラデーション範囲が表示されます。マウスの左
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10 投影補正機能の使い方
ボタンを押しながらドラッグすると範囲が変更できるので、プロジェクターで映像が重なり合っている部
分に合わせます。[Alt]キーを押しながら左ボタンをドラッグすると、完全に輝度を落とした部分を広げる
こともできます。もう一方のメッシュを選択し、同様に重なっている部分の端にエッジブレンディングを
かけ、範囲を指定します。
投影結果を見て、エッジブレンディングをかけた部分がまだ明るすぎたり、暗くなったりしている場合は、
グラデーションの微調整を行います。メッシュを選択し、[エッジ]タブを選んだ状態でマウスの右ボタン
を押しながら画面上で上下にドラッグすると、グラデーションの濃淡カーブを変更できます。両方の濃淡
カーブを調整しながら、輝度が均一になる設定を探してください。
エッジブレンディングは、複数台のプロジェクターの輝度や色合いが揃っていることを前提にしています。
全白の映像などでプロジェクターの色モード設定、色温度設定、輝度やコントラストなどをすべて調整し
てからエッジブレンディングの調整を行うようにしてください。
オーバーレイ画像の使用
任意の画像を「オーバーレイ画像」として読み込んで、メッシュやメッシュステージを覆うように貼り付
けることができます。これを使って映像にロゴや透かしを描き加えたり、別に用意したブレンディング画
像(白黒の濃淡画像)を貼り付けてブレンディングを行ったりという応用が可能になります。
「投影補正設定」ウィンドウでメッシュを選択し、下部のタブで[オーバーレイ]を選択します。[オーバーレ
イ画像]の中の[ファイル名]の右にある[…]ボタンをクリックすると、オーバーレイ画像ファイルを選択し
て開くことができます。ここで例えばAmaterasフォルダの中の”bin/correction/samples/logo.png”フ
ァイルを選択します。続いて下の[ブレンドモード]で[通常]を選ぶと、オーバーレイ画像ファイル
の”logo.png”がメッシュの上に描画されます。この”logo.png”ファイルはアルファチャンネル(透明度情
報)付きなので、背景が透けてロゴだけがメッシュ上に描画されます。このようにアルファチャンネルが
無い画像(”ピクチャ/サンプルピクチャ”内の画像のような)でも、[ブレンドモード]で[加算]や[スクリー
ン]を選択することで、黒い部分を抜いて合成することができます。
また、オーバーレイ画像ファイルとして”bin/correction/samples/blending.png”ファイルを開き、[ブ
レンドモード]で[マスク]を選択してみてください。ここで読み込んだ画像の白黒の濃淡に従って、メッシ
ュの表示輝度が変化します。他のツールや後述するプロジェクトの書き出しで生成されたブレンディング
用の画像ファイルがある場合は、このようにメッシュやメッシュステージにオーバーレイ画像として読み
込んでブレンディングを実現できます。
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10 投影補正機能の使い方
メッシュステージのマスク
映像をプロジェクターで投影する際、スクリーンの端やステージなどに投影像がかかるのを避けるため、
映像の一部を非表示にしたい場合があります。これを「マスク」と呼びます。Amaterasでは実際に映像
を投影しながら、ペンで塗りつぶすようにマスクの編集を行うことができます。
投影している画面、もしくは手元の「メイン」ウィンドウなどで[投影補正出力編集]スタイルを選択し、
マスクを描きたい画面を表示します。ここで「投影補正設定」ウィンドウからこの画面のメッシュステー
ジを選択し、下部のタブで[マスク]を選択します。[マスク]にチェックを入れるとマスクの描画が可能にな
るので、まずは[連続点]を選択し、[ペンサイズ]や[ペン型]を選んでから編集画面上でマウスの左ドラッグ
でマスクを描いてみてください。映像を投影していてどこを描いているかわかりにくい場合は、メニュー
から[表示]→[カーソル]を選択してカーソルを表示すると良いでしょう。マスクの描画では、[ペン透過度]
で黒く塗るほど映像が暗くなり、白く塗るほど明るく元の輝度で表示されるようになります。マスクの描
画は[Ctrl]+[Z]で元に戻せる(アンドゥ)ので、何度でも書き直すことができます。直線を描きたい場合は
[連続線]を選択すると、マウスで左クリックするたびに連続した折れ線を描画できます。マウスの右クリ
ックでひとつ前の折れ線描画のやり直し、ダブルクリックで連続線の描画を終了します。同様に、[多角形]
を選択すると、描いた連続線で囲まれる領域を塗りつぶしながら描画することができます。
投影メッシュによる補正
平面や単純な曲面の投影補正ではなく、建物や車体などの複雑な形状をスクリーンとして投影を行う、い
わゆる「プロジェクションマッピング」を実現するためには、
「投影メッシュ」を使った投影補正を行いま
す。
投影メッシュによる投影補正を行う場合には、まずスクリーンとなる物体を3Dモデルファイルとして用
意します。また、ソース映像をこの3Dモデルにテクスチャマッピングできるよう3Dモデルにテクスチ
ャ座標(UV座標)を定義し、ソース映像はこのモデルに貼り付けるテクスチャ画像(または動画)として
用意します。映像はテクスチャマップとして展開された形で直接描くか、特定の視点から見た風景をこの
テクスチャ座標に焼きこむことになります。この3Dモデルを、
「投影補正設定」ウィンドウの[シーン]→
[モデルファイル]→[モデルファイルを開く…]で読み込みます。Amaterasでは、テクスチャ座標付きの3
Dモデルを一般的なOBJ形式や3DS形式の3Dモデルファイルから読み込むことができます。読み込んだ
3Dモデルの様子は[投影補正3D編集]スタイルで確認できます。3Dモデルの位置や向き、大きさなど
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10 投影補正機能の使い方
を調整したい場合は、[シーン]→[モデルファイル]→[シーンの編集]で「シーン設定」ダイアログから調整
します。
下図では”bin/correction/car.3ds”ファイルを読み込んで[投影補正3D編集]スタイルで表示しています。
次に、表示スタイルを[投影補正出力編集]スタイルに切り替え、メッシュステージからすべてのメッシュ
を削除します。続いて、メニューから[編集]→[項目の追加…]→[投影メッシュを追加…]を選択します。四
角形メッシュと同様に「投影メッシュの生成」ダイアログが表示されるので、そのまま[OK]をクリックし
ます。メッシュステージに先ほどの[投影補正3D編集]スタイルのような自動車の3Dモデルとグリッド
が表示されます。これは、仮想的なプロジェクターの位置からこの3Dモデルを見た様子をシミュレーシ
ョンしています。
「投影補正設定」ウィンドウの下部で[投影]タブを選択すると、この仮想的なプロジェク
ターの位置や方向が表示されます。
ここからの作業目標は、実際に自動車の模型にプロジェクターから映像を投影している状況を、この3D
モデルと仮想的なプロジェクターを使って正確に再現することです。正確に自動車の模型とプロジェクタ
ーの状況が再現されていれば、投影された3Dモデルの緑色のワイヤーフレームが実際の自動車の模型に
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10 投影補正機能の使い方
重なるはずです。もちろん最初から完璧に一致はしないので、少しずつ設定値を探っていくことになりま
す。
まずプロジェクターで投影している画面の縦横比を調べて、[プロジェクター設定]の[アスペクト比]に入力
します。例えば1024x768ピクセルの解像度のプロジェクターであれば、1024/768=1.3333…なの
で、[アスペクト比]には”1.3333”を入力します。[垂直視野角]はプロジェクターの垂直方向の画角を度数
で入力します。正確な数値がわかればそれを入力しますが、わからなければ「メイン」ウィンドウでマウ
スのホイールを回転させることでインタラクティブに画角を変更できます。実際に映像を投影しながら、
投影状況に近い画角を探します。[位置]と[方向]は、図面などから正確な値がわかれば理想的ですが、通常
はインタラクティブに値を探っていくことになります。ここでは「どちらの方向から3Dモデルにプロジ
ェクターが投影しているか」を、3Dモデルを中心に「仮想プロジェクターを動かしながら見回す」こと
で探します。[Alt]キーを押しながらマウスの左ボタンでドラッグすると、3Dモデルを中心に仮想プロジ
ェクターが回転します。実際のプロジェクターの投影範囲と見比べながら、投影している状況に近い位置
と方向を探します。[Alt]キーを押さずに左ボタンでドラッグすると現在の位置で仮想プロジェクターの向
きを変え、中ボタンでドラッグすると仮想プロジェクターを平行移動します。右ボタンを押しながら上下
にドラッグすると、仮想プロジェクターを前後に移動します、これらを組み合わせて、実際の投影像を見
ながら適切な投影位置を探していきます。
「サブ」ウィンドウを追加して [投影補正3D編集] スタイルに
切り替えると、現在この仮想プロジェクターがどのように投影を行っているかを俯瞰で同時に確認するこ
とができます。
投影像が正確に模型の表面に投影されたら、「投影補正設定」ウィンドウを閉じて投影補正を終了し、
Amaterasでファイルライブラリから”Projection/car.mp4”を再生して結果を確認します。
投影メッシュによる3Dプロジェクションマッピングについて、さらに詳しくは「3Dモデルへのマッピ
ング(投影メッシュ)
」の章を参照してください。
複数PCでの投影補正
Amaterasの投影補正機能は、複数のPCを使った環境でも同様に利用することができます。複数のPC
でAmaterasを連係動作させる方法については「複数PC環境での使い方」の章を参照してください。
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10 投影補正機能の使い方
複数のPCを使った環境では、PCごとに別々のメッシュステージを用意します。操作用PCのAmateras
で、「投影補正設定」ウィンドウのメニューから[編集]→[項目を追加]→[メッシュステージを追加]を選択
すると、ツリーに新しい「メッシュステージ」が追加されます。この新しいメッシュステージを選択した
状態で下部の[基本]タブを選択し、[遠隔制御設定]で[IPアドレス]に対応するPCのIPアドレスを入力しま
す。すでに実際にこのPCと接続されている場合は、このPCのIPアドレスをプルダウンから選択できる
はずです。表示用PCに画面がひとつしかなければAmaterasが全画面表示されるはずですが、特定の範
囲のみに表示したい場合や、複数画面に渡って表示を行いたい場合には、このメッシュステージの[表示範
囲を指定]にチェックを入れて表示範囲を指定します。
複数PC環境でも、操作用PC上でこれまでと同様、
「メイン」ウィンドウの表示スタイルを編集したいP
Cの[投影補正出力編集]スタイルに切り替えて編集を行います。ソース映像や複数のPCの画面を見比べ
ながら作業したい場合は、アプリケーションウィンドウ上部の[ウィンドウ]タブで [追加]グループの[サブ
画面]をクリックして、画面を増やすとよいでしょう。
Amaterasの投影補正は、実際の複数PC環境が無くてもあらかじめ用意しておくことができます。その
場合は必要な数のメッシュステージを作成し、わかる限りのメッシュの準備しておきます。まだ他のPC
のIPアドレスが決まらない場合は、あとから設定しても構いません。IPアドレスを設定した段階で、その
PCにメッシュステージの内容が表示されます。
複数PC環境での注意点として、投影補正プロジェクトファイル(.mmpファイルおよび_mask.pngなど
の関連ファイル)は、すべてのPCで同じファイルパスに同じファイルを置いて読み込むようにしてくだ
さい。
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10 投影補正機能の使い方
プロジェクトの書き出しと読み込み
製品版のAmaterasでは、投影補正の結果を歪み補正用の形状ファイルとブレンディング・マスク用の画
像ファイルに書き出すことができます。他の映像補正ツールで利用したり、書き出したファイルを他のツ
ールで編集し、再びAmaterasで読み込んで利用したりすることができます。
「投影補正設定」ウィンドウのメニューから[ファイル]→[プロジェクトを書き出し…]を選択すると、メッ
シュステージごとに順番に歪み補正ファイルとブレンディングファイルの保存場所を聞かれます。一度書
き出し先を指定すれば、次回からは書き出し先を聞かれることはありません。書き出し先を変更したい場
合は「投影補正設定」ウィンドウでメッシュステージを選択し、下部の[基本]タブの中で[書き出し]の欄を
変更してください。
→
歪み補正ファイルは3Dモデルファイルとしてよく使われるAlias Wavefront OBJ形式(拡張子.obj)で
書き出されます。メッシュステージ全体を(0,0,0)-(1,1,0)範囲に広がる平面メッシュとして表現し、ソー
ス映像をテクスチャマッピングで貼り付けられるようになっています。これを再びAmaterasにメッシュ
として読み込む場合は、メニューから[編集]→[項目を追加]で[メッシュファイルを読み込み…]または[メ
ッシュファイルを外部参照で読み込み…]を選択して読み込みます。前者は歪み補正データを読み込んで投
影補正プロジェクトファイル内に保持しますが、後者は外部ファイルとして参照する形で読み込みます。
外部参照しているため、投影補正プロジェクトファイルを開く時には同じ場所に同名の歪み補正ファイル
が存在している必要があります。また、外部参照しているメッシュではポイント編集ができません。外部
参照での読み込みは、自動補正など他の手段で更新された歪み補正ファイルをAmaterasで再編集する場
合に使用します。
ブレンディングファイルはマスクやエッジブレンディング、ポイント編集による輝度補正やオーバーレイ
画像などの合成結果を、白黒の濃淡画像で書き出したものです。通常の画像ファイルなので、一般的な画
像編集ソフトウェアで再編集できます。Amaterasに読み込む場合は、
「投影補正設定」ウィンドウでメッ
シュステージを選択し、下部の[オーバーレイ]タブでファイルを読み込んで[ブレンドモード]で[マスク]
を指定します。すでにエッジブレンディングや輝度調整が適用されていると、二重に補正されて暗くなり
すぎるので注意してください。
投影補正の実例
ここからは、具体的な実例を挙げながら投影補正機能の使い方について説明していきます。
ベゼル補正
液晶モニターを並べて大きなディスプレイを作ろうとすると、映像を分割して表示してもディスプレイの
枠の幅だけ映像に隙間ができてしまい、遠目で見て映像がつながっていないように見えてしまいます。こ
の枠で見えなくなっている部分の映像を省くことで、ひと続きの映像に枠がかかっているだけのように自
然に見せることができます。このような映像補正を「ベゼル補正」と呼びます。
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10 投影補正機能の使い方
→
ここでは操作用PCと表示用PCの2台をLAN接続し、複数PC環境での映像補正を行います。表示用P
Cの2つの映像出力にはそれぞれ映像分割アダプタのMatrox DualHead2Goを取り付けて横に広い
3840x1200ピクセルの画面とし、全体で3840x2400ピクセルの広いデスクトップを4台のWUXGA
液晶モニターで構成しました。
上図のように、表示用PCは横長の画面が2枚、①②と縦に並んでいるように認識されています。
操作用PCのIPアドレスを192.168.0.100、表示用PCを192.168.0.101と設定し、どちらも
AmaterasPlayer.exe –address 192.168.0.100
としてAmaterasを起動することで、操作用PCにはAmaterasのGUIが(写真左)、表示用PCの上半分
(メインディスプレイ全体)には全画面化されたAmaterasが表示されます。
ここで表示用PCは上下の2画面を渡った全体に映像を表示したいので、
「投影補正設定」ウィンドウで「デ
フォルトステージ」を選択し、メッシュステージの[表示範囲を指定]にチェックを入れて[幅]を3840、[高
さ]を2400に設定します。
これで表示用PC全体にAmaterasの投影補正出力の画面が表示されるので、Windowsの”ピクチャ/サン
プルピクチャ/ペンギン.jpg”をAmaterasの「メイン」ウィンドウにドラッグ&ドロップして開きます。ベ
ゼル補正されていないので中央のペンギンの羽やくちばしがズレているように見えます。
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10 投影補正機能の使い方
そこで、4画面それぞれを独立して調整できるように、この「デフォルトステージ」にあと3つ「四角形
メッシュ」を追加します。GUIの「メイン」ウィンドウを[投影補正出力編集]スタイルに切り替えて、この
4つのメッシュが1/4ずつメッシュステージを埋めるように[移動/リサイズ]ボタンから調整します。
続いて「メイン」ウィンドウを[投影補正ソース編集]スタイルに切り替え、それぞれのメッシュをソース
映像内で対応する1/4の範囲にリサイズします。
ここまでの作業を進めても表示用PCの画面だけ見ると最初と変わりませんが、今度は4つの液晶モニタ
ーに表示されたそれぞれの映像の切り出し元を自由に変更できるようになっています。表示用PCの画面
を見ながら、ベゼルで欠けている分だけソース映像内でのそれぞれのメッシュの切り出し範囲を縮小しま
す。もちろん画面とベゼルの大きさの比率を測って正確に[移動/リサイズ]ボタンから設定しても構いませ
ん。
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10 投影補正機能の使い方
正しくベゼル補正ができれば、このように遠目から見て全体の映像がつながっているように映像を表示す
ることができます。編集の終わった投影補正プロジェクトを保存しておけば、次回のAmateras起動時に
も同じ設定でベゼル補正が行われます。Amaterasを使って画像や映像、キャプチャ映像など、好きな映
像をこの大きな画面で表示できます。
2画面スパン投影
2台のプロジェクターを並べて、これをつなげた横長の広い投影画面を実現してみましょう。
→
2台のプロジェクターをただ並べただけだと、左の写真のように投影像がきちんと並ばず、重なった部分
は明るくなってしまいます。これらを補正して右の写真のような投影補正を行います。
ここでは1台のノートPCから2台のプロジェクターに別々の映像を出力し、操作用の液晶画面と合わせ
て合計3画面を構成します。ノートPCが2画面出力に対応していない場合、Matrox DualHead2Goな
どの映像分割アダプタを利用することもできます。
この例では小型のLEDプロジェクターで実験しているため、プロジェクター1台あたりの解像度は1280
x800ピクセルです。上図のように、操作用の液晶画面①が1920x1200ピクセルで、その横に並んでい
る合計2560x800ピクセルの2画面②③が投影範囲、すなわちメッシュステージになります。
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10 投影補正機能の使い方
幅1920ピクセルの液晶画面の右からメッシュステージを表示するため、
「デフォルトステージ」の[表示
範囲を指定]にチェックを入れ、[左端]に1920、[幅]に2560、[高さ]に800を設定します。これで[投影
画面]ウィンドウを表示し、[投影補正出力編集]スタイルにして[Alt]+[Enter]キーで全画面表示すると、2
台のプロジェクターを覆うように映像が投影されます。
この例では、Windowsの”ピクチャ/サンプルピクチャ/灯台.jpg”をAmaterasの「メイン」ウィンドウに
ドラッグ&ドロップして開きます。
まず2台のプロジェクター画面を独立して編集してできるように、
「デフォルトステージ」にもう1枚「四
角形メッシュ」を追加し、[移動/リサイズ]ボタンから[投影補正出力編集]スタイル内での2つのメッシュ
が半分ずつ「デフォルトステージ」を覆うように調整します。
この時はまだ、2台のプロジェクターからは同じ映像がそのまま投影されています。
2台のプロジェクターの映像の一部が重なっているため、
「メイン」ウィンドウを[投影補正ソース編集]ス
タイルに切り替えて、下図のように投影像の重なりに合わせて切り出し範囲を調整します。
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10 投影補正機能の使い方
映像の四隅や重なっている部分など、必要にあわせて[制御点数]ボタンから制御点を増やして微調整を行
います。
歪み補正の編集が終わって映像がつながっても、投影像の重なった部分は輝度が高くなってしまっていま
す。これをエッジブレンディングで修正します。メッシュを選択し、[エッジ]タブで重なっている側の[エ
ッジ]について[有効化]にチェックを入れます赤いガイド線が表示されるので、重なっている範囲を囲むよ
うにマウスの左ドラッグで範囲指定します。プロジェクターの色設定によってはまだ重なり部分が目立つ
こともあるので、マウスの右ボタンを押しながら上下にドラッグしてグラデーションのかかり方を変更し、
輝度を均一化します。
編集を終えたら、投影補正プロジェクトをファイルに保存して「投影補正設定」ウィンドウを閉じます。
これで2台のプロジェクターを使った投影補正が完成しました。他の映像も再生してみて、結果を確認し
ます。「投影補正設定」ウィンドウの[ファイル]メニューから[テストパターン]を選び、より精密に調整を
行うこともできます。最終的には、実際に投影したい映像を投影しながら調整していくと良いでしょう。
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10 投影補正機能の使い方
投影補正データの読み込みと修正
自動調整システムなどによって得られた投影補正データを、Amaterasに読み込む方法について説明しま
す。カメラフィードバックによる自動補正システムを使用すれば、ピクセル単位で正確に計測された投影
補正データをわずかな時間で自動的に取得することができます。Amaterasではこれを読み込み、さらに
細部を修正したりマスクなどを描き足したりすることができます。
ここでは、魚眼レンズ付きFullHDプロジェクター2台でドームスクリーン全体に投影するシアターについ
て考えます。
自動調整システムにより、前面プロジェクター用補正データ”fisheye_front.aac”と、背面プロジェクター
用補正データ” fisheye _back.aac”が取得できたとします。
(この補正データファイルに含まれる歪み補正
データ(左図)とブレンディングデータ(右図)
)
これを2画面出力できるPCで、液晶画面を操作用に、1920x1080ピクセル解像度のプロジェクター2
画面をその右に並べてデスクトップを構成します。
Amaterasの「投影補正設定」ウィンドウで、
「デフォルトステージ」の[表示範囲を指定]にチェックを入
れ、[左端]に1920、[幅]に3840、[高さ]に1080を設定します。これで[投影画面]ウィンドウを表示し、
[投影補正出力編集]スタイルにして[Alt]+[Enter]キーで全画面表示すると、2台のプロジェクターを覆う
ように映像が投影されます。
「投影補正設定」ウィンドウで既存の「四角形メッシュ」を選択し、メニューから[編集]→[項目を削除]を
選んでこれを削除します。代わりに[編集]→[項目を追加]→[メッシュファイルを読み込み…]を選択し、自
動調整システムで取得した” fisheye _front.aac”と” fisheye _back.aac”を読み込みます。この2つのメ
ッシュを、[投影補正出力編集]スタイルの「メイン」ウィンドウで左半分と右半分に配置します。補正デ
ータがドームの地平線以下までのデータを含んでいる場合、これをカットしたければ[ファイル]→[ソース
マスクの選択]→[ドーム円周]を選択します。
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10 投影補正機能の使い方
これで、
「ファイルライブラリ」からドーム映像をダブルクリックして再生すれば、ドームスクリーンに正
しく投影補正されたドーム映像が投影されます。
自動調整データの形式によっては、歪み補正データの他にブレンディング画像データが別に用意されるも
のもあります。この場合は、それぞれ対応するメッシュを選んで[オーバーレイ]タブからこれを読み込み、
[ブレンドモード]を[マスク]にして適用します。
ドーム映像が無事投影されることを確認したら、この投影補正プロジェクトをファイルに保存して「投影
補正設定」ウィンドウを閉じます。次回のAmateras起動時にも、この投影補正の状態で利用することが
できます。
投影補正プロジェクトのファイルには、補正データを高速で再読み込みできるようデータを内包した状態
で保存されているため、” fisheye _front.aac”などのファイルは削除して構いません(ブレンディング画
像データが別の場合、こちらは残します)
。もし自動調整を定期的に行う場合は、補正データを読み込む際
に[メッシュファイルを読み込み…]ではなく[メッシュファイルを外部参照で読み込み…]を選択し、自動調
整システムから書き出された場所から直接ファイルを読み込みます。これにより補正データはAmateras
の投影補正プロジェクトファイルから外部参照された状態になるので、Amaterasの起動時にいつも最新
の補正データを利用することができます。
ドームスクリーンへの複数投影補正
ドームスクリーンに対して複数台のプロジェクターで全天周映像を投影する方法について説明します。
最初に、ドームスクリーンの形状を定義します。アプリケーションウィンドウ上部の[メイン]タブで、[グ
リッド]グループの[スクリーン]と[水平面]にチェックを入れます。続いて、[グリッド]グループ右下の
ア
イコンをクリックして「グリッド設定」ダイアログを開きます。この中の[環境モデル]内にある[半径]、[視
野角]、[傾斜角]の欄に、それぞれドームスクリーンの実測値を入力します。
[グリッド設定]ダイアログを閉じ、[メイン]タブ内の[表示]グループにある[スタイル]をクリックして、[投
影補正3D編集]を選択します。次に[シアター制御]タブをクリックして開き、[プロジェクター]グループの
[投影補正]ボタンをクリックして有効化します。表示される「投影補正設定」ウィンドウのメニューから、
[シーン]→[ドームスクリーン]を選択します。これで、定義したドームスクリーン形状を表示して、投影設
計を行う準備ができました。
107
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10 投影補正機能の使い方
2画面出力できるPCで、メインディスプレイを操作用に、1920x1080ピクセル解像度のプロジェクタ
ー2画面をその右に並べてデスクトップを構成します。
「投影補正設定」ウィンドウで、「デフォルトステージ」の[表示範囲を指定]にチェックを入れ、[左端]に
1920、[幅]に3840、[高さ]に1080を設定します。これで[投影画面]ウィンドウを表示し、[投影補正
出力編集]スタイルにして[Alt]+[Enter]キーで全画面表示すると、2台のプロジェクターを覆うように映
像が投影されます。
仮想プロジェクターの配置を始めます。まず、
「投影補正設定」ウィンドウの中でリストから不要な[四辺
形メッシュ]を選択して[X]ボタンをクリックして削除し、リストに [デフォルトステージ]だけが残る状態
にします。次に、メニューから[編集]→[項目を追加]→[投影メッシュを追加…]を選択して、「投影メッシ
ュ」を追加します。表示される「投影メッシュの生成」ダイアログの中で、これからステージ上の左半分
のエリア(1台目のプロジェクタ)を作成するので、[出力]の[幅]に”0.5”を設定し、[OK]をクリックしま
す。
「投影補正設定」ウィンドウのリストで新しい[投影メッシュ]が選択されているので、下部のタブで[投影]
をクリックして開きます。 [プロジェクター設定]欄の[位置]や[回転]、[垂直視野角]、[アスペクト比]など
に、わかる限りの正確な値を入力します。数値の単位はメートルまたは度です。魚眼レンズやそれに類す
るワイドコンバージョンレンズを使用している場合は[魚眼レンズ]にチェックを入れます。この[プロジェ
クター設定]で、実際のドームスクリーンとプロジェクターの関係をできるだけ正確に再現していきます。
この様子は[投影補正3D編集]表示のメイン画面で俯瞰視点から確認できます。実際にプロジェクターでド
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10 投影補正機能の使い方
ームスクリーンに投影を行い、投影されるスクリーンのグリッド線が実際のドームの形状にできるだけ一
致するように微調整を行います。この時、メイン画面内で以下のショートカットキーを使うと便利です。
[カーソルキー]([Ctrl]/[Shift]併用で微調整)
: プロジェクターの向き
[Home][End]([Ctrl]/[Shift]併用で微調整)
:プロジェクターのひねり回転
[PageUp] [PageDown]([Ctrl]/[Shift]併用で微調整)
:プロジェクターの画角
テンキーの[2][4][6][8]([Ctrl]/[Shift]併用で微調整)
:プロジェクターの前後左右移動
テンキーの[3][9]([Ctrl]/[Shift]併用で微調整)
:プロジェクターの上下移動
テンキーの[+][-]([Ctrl]/[Shift]併用で微調整)
:プロジェクターの垂直シフト
テンキーの[*][/]([Ctrl]/[Shift]併用で微調整)
:プロジェクターの水平シフト
実際には、プロジェクターの正確な位置や角度の計測は難しく、レンズ特有の非線形な歪みの影響もあり、
この微調整だけで完全に正確な投影補正は困難です。それでもできるかぎり正確な投影補正パラメータを
見つけ出すことで、以降の調整作業が楽になります。
1台目のプロジェクターの調整が終わったら、2台目も同様に調整を行います。同じ型のプロジェクター
を使用しているのであれば、1台目のプロジェクターの「投影メッシュ」を選択して、メニューから[編集]
→[項目をコピー]、[項目を貼り付け]で複製した方が簡単かもしれません。傾斜のないドームであれば、新
しいプロジェクターの「投影メッシュ」を選択して、 [プロジェクター設定]の下部にある[回転…]ボタン
をクリックして[水平回転角度]を”180”で実行すると、対向するプロジェクターを簡単に設置できます。
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10 投影補正機能の使い方
この2台目のプロジェクターについて、表示画面内での表示範囲を設定するため、
「投影補正設定」ウィン
ドウの[形状]タブで[移動/リサイズ]ボタンをクリックし、[右]に”0.5”を入力して実行することで、表示画
面上の右半分に投影メッシュを移動します。
[プロジェクター設定]での微調整を終えたら、アプリケーションウィンドウ上部の[メイン]タブで[スタイ
ル]から[投影補正出力編集]→[デフォルトステージ]を選択します。2台のプロジェクターで投影している
ドームスクリーンのグリッドが並んで表示されるので、それぞれの投影メッシュについて、これまでの投
影補正のように「投影補正設定」ウィンドウの[形状]タブから制御点数を増やし、ドームスクリーンの形
状にグリッドが一致するまで、また2台のプロジェクターで投影されたグリッドの重なりが完全に一致す
るまで、制御点の編集による微調整を行います。必要であれば、グリッドをより細かく細分化して微調整
を行ってください。
すべてのプロジェクターの歪み補正調整が終わったら、次にブレンディングの調整を行います。
「投影補正
設定」ウィンドウのメニューから[ファイル]→[テストパターンを選択]→[全白]を選択します。すべてのプ
ロジェクターから全白画面が投影され、投影が重なった部分が白く光って見えます。ここで、メニューか
ら[ファイル]→[エッジブレンドを生成]を選択すると、歪み補正によるメッシュの重なりをもとに自動でブ
レンディングの計算が行われます。その結果、ドームスクリーン上で前面が均一な輝度に補正されている
はずです。プロジェクターの個体差により若干の白浮きや黒浮きが見える場合は、対応する投影メッシュ
を選択して[エッジ]タブで[エッジ]の[生成結果]を選択し、[カーブ]や[ガンマ値]を微調整します。
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10 投影補正機能の使い方
ドームスクリーンの端より下の映像を隠したい場合は、メニューから[ファイル]→[ソースマスクを選択]
→[ドーム円周]を選択します。
十分なブレンディング結果が得られたら、メニューから[テストパターンを選択]→[非表示]を選択して全城
画面を解除します。この投影補正プロジェクトを保存し、アプリケーションウィンドウ上部の[シアター制
御]タブで[投影補正]を解除して、全天周映像を試写してみましょう。
3Dモデルへのマッピング(面への割り付け)
平面ではない物体をスクリーンにして、これを包むようにプロジェクターで映像を投影する「3Dプロジ
ェクションマッピング」を考えます。どこから見ても歪みのない投影を実現するためには、スクリーンと
なる物体の正確な3Dモデルを作成し、これに貼り付けるテクスチャマッピングの画像(または動画)と
して映像を用意します。3Dモデルにはテクスチャ座標を定義してテクスチャを貼り付けますが、実際の
物体にもテクスチャを貼り付けるように映像の投影位置を部分的に微調整していくことになります。
Amaterasによる3Dモデルへのマッピングは、単純な平面だけで構成されている物体への「面への割り
付け」による簡単な方法と、どんな物体にも対応できますが手間の増える「投影メッシュ」による方法の
2種類があります。いずれもテクスチャ座標の定義された3Dモデルと、テクスチャとして展開された映
像の用意が必要です。
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10 投影補正機能の使い方
ここでは、単純な立方体への「面への割り付け」による3Dプロジェクションマッピングについて説明し
ます。プロジェクター1台と、投影されるための適当な大きさの立方体の箱を用意してください。
PCにプロジェクターを接続し、
「画面の解像度」で操作用の画面とプロジェクターの2画面が横に並べま
す。この例では小型のLEDプロジェクターで実験しているため、操作用の液晶画面①が1920x1200ピク
セルで、その横に並んでいるプロジェクターの画面②が1280x800ピクセルです。
液晶画面の方でAmaterasを起動し「投影補正設定」ウィンドウで[ファイル]→[新規プロジェクト]を選択
して投影補正を初期化します。
「投影画面」ウィンドウを表示して、メニューから[表示]→[投影補正出力編
集]→[デフォルトステージ(127.0.0.1)]を選択します。この「投影画面」ウィンドウをプロジェクター
側に移動し、[Alt]+[Enter]キーを押して全画面表示にします。
操作画面の[メイン]タブで表示スタイルを[投影補正ソース編集]に切り替えます。「ファイルライブラリ」
ウィンドウで”Projection”フォルダ内の”cube.mp4”ファイルをダブルクリックして開き、2秒目あたりの
6つの面が表示されているタイミングで一時停止状態にします。
「投影補正設定」ウィンドウで「四角形メッシュ」を2つ追加し、合計3つの四角形メッシュを用意します。
これらを制御点の編集か[移動/リサイズ]ボタンから編集して、ソース映像の左下の3面の正方形の場所に
レイアウトします。
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10 投影補正機能の使い方
プロジェクターから立方体に映像を投影します。
「メイン」ウィンドウを[投影補正出力編集]スタイルに切
り替え、それぞれの四角形メッシュの四隅の制御点を移動して立方体の角に合わせます。立方体の面によ
っては4隅を合わせても映像が片寄って見える場合があります。その面については[投影補正ソース編集]
で[制御点数]ボタンから制御点を増やし、微調整します。
映像が無事投影されることを確認したら、この投影補正プロジェクトをファイルに保存して「投影補正設
定」ウィンドウを閉じます。次回のAmateras起動時にも、この投影補正の状態で利用することができま
す。
3Dモデルへのマッピング(投影メッシュ)
より複雑な形状に3Dマッピングを行う場合は、
「投影メッシュ」を利用した投影補正を行います。これは、
プロジェクターで物体に投影している様子をAmateras内でシミュレーションしてベースとなる投影補正
を行い、メッシュ変形でさらに微調整するという流れになります。
ここでは、自動車の模型に2台のプロジェクターから投影して、全方向から見ることのできる3Dプロジェ
クションマッピングを考えます。自動車の3Dモデルには”bin/correction/samples/car.3ds”を使用し
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10 投影補正機能の使い方
ますが、実際にこの3Dモデルと同じ形状の模型を用意するのは難しいと思われるので、ここでは手順だ
けを確認してください。
「2画面スパン投影」と同じように操作画面(1920x1200)と2台のプロジェクター(1280x800)を
接続し、これを横に並べて2560x800ピクセルのメッシュステージを用意します。
「メイン」ウィンドウで表示スタイルを[投影補正3D編集表示]に切り替えます。「投影補正設定」ウィン
ドウのメ ニュー から [シー ン]→ [モデ ルファ イル ] →[ モデルフ ァイル を開 く…]で ”bin/correction/
samples/car.3ds”ファイルを開きます。読み込まれたモデルの向きや位置を修正したい場合は[シーン]
→[モデルファイル]→[シーンの編集…]から修正できますが、今回はこのままで良いでしょう。この表示ス
タイルでは、マウスの左ドラッグでモデルを周囲から見まわすことができます。また、マウスの右ボタン
を押しながら上下にドラッグして視点位置を前後に、マウスの中ボタンを押しながらドラッグして視点位
置を上下左右に移動できます。
読み込まれた3Dモデルを確認したら、表示スタイルを[投影補正出力編集]に切り替えます。
「投影補正設
定」ウィンドウで「四角形メッシュ」を削除し、メニューから[編集]→[項目を追加]→[投影メッシュを追
加…]を選択して投影メッシュを追加します。表示される「投影メッシュの生成」ダイアログは、そのまま
の設定で構いません。通常の4角形メッシュのように「投影メッシュ」が追加されますので、もうひとつ
「投影メッシュ」を追加し、これらをメッシュステージ上に左右同じサイズで並べます。
「投影補正設定」ウィンドウで投影メッシュのひとつを選択し、下部のタブ
で[投影]を選択します。ここで表示される[プロジェクター設定]には、投
影に使用しているプロジェクターの位置や向き、画角などを正確に指定し
ます。これによって、このプロジェクターから見た自動車模型の様子が投
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10 投影補正機能の使い方
影メッシュ内に再現されます。ただ、実際の環境では正確に位置や向きを求めるのは難しいので、この3
Dモデルの緑色のワイヤーフレームが自動車の模型に正確に投影されるよう、インタラクティブにこのプ
ロジェクターの設定値を探っていくことになります。
[プロジェクター設定] の[アスペクト比]はプロジェクターの表示解像度から計算することができます。こ
こでは1280x800ピクセルの解像度のプロジェクターを使用しているので、アスペクト比は1280/800
= 1.6になります。[垂直視野角]は、プロジェクターの縦方向の画角を度単位で設定します。仕様書などか
ら画角がわかればその値を入力します。画角が不明であれば「メイン」ウィンドウの投影メッシュ上でマ
ウスのホイールを回転することでインタラクティブにが画角を調整できるので([Ctrl]キーや[Shift]キー
を押しながらだと微調整)
、実際の投影範囲と見比べながら適切な値を探します。プロジェクターの位置や
向きを探るには、まずプロジェクターがどの方向から自動車模型に投影しているか、を考えます。投影メ
ッシュ上で[Alt]キーを押しながらマウスの左ボタンを押してドラッグすると、3Dモデルを見まわすよう
に投影メッシュのプロジェクターが回転します。これでおおよそのプロジェクターの位置と向きを調整し
たら、マウスの左ドラッグで向きの変更、中ドラッグで上下左右への移動、右ドラッグで前後移動を行い
(いずれも[Ctrl]キーや[Shift]キー併用で微調整)、投影された3Dモデルの形状が自動車模型と一致する
まで根気良く調整を行います。このプロジェクター設定の調整次第で、以後の微調整の手間が省け、最終
的な品質も向上します。
2つの投影メッシュについて、この仮想プロジェクターの調整を行います。ここでは2台のプロジェクター
で全方向からの映像投影を行うので、下図のようなプロジェクター設定になりました。
プロジェクター設定の微調整を続けても、どうしても映像の一部が合わない場合があります。これにはプ
ロジェクター設定だけではなく、模型の形状が3Dモデルと完全に一致していなかったり、プロジェクタ
ーのレンズに投影像の歪みだったりと、様々な要因がありえます。そこでさらに微調整を行うため、
「投影
補正設定」ウィンドウの下部で[形状]タブを選択し、[制御点数]ボタンをクリックして[高解像度]に設定し
ます。こうして増やした制御点を編集して、自動車の模型に投影された3Dモデルの投影像を見ながらさ
らに編集を行います。「投影補正設定」ウィンドウのメニューから[表示]→[カーソル]にチェックを入れて
十字カーソルを表示すると、投影像の中で編集している点がわかりやすくなるでしょう。
形状調整が終わったら、2台のプロジェクターで映像が重なっている部分の輝度補正を行います。輝度補正
はメッシュステージのマスク機能やオーバーレイ画像によるブレンディング画像でも行うことができます
が、簡単な補正であれば「ポイント編集」を使うのが便利です。輝度が見やすいよう、
「投影補正設定」ウ
ィンドウのメニューから[ファイル]→[テストパターンの選択]→[全白]を選択します。「投影補正設定」ウ
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10 投影補正機能の使い方
ィンドウの下部で[ポイント]タブを選択し、
「メイン」ウィンドウで投影像が明るすぎる部分のポイントを
選択して[-]キーで輝度を下げます。メッシュやポイントなどが邪魔で作業しにくい場合は、メニューの[表
示]から不要なものを非表示にします。2つのプロジェクターからの投影像が重なるブレンディングの辺り
では、グラデーションをかけて均等に輝度を馴染ませるか、より形状の一致した方を残してもう片方を暗
く消すように調整していきます。
輝度調整も終えたら、実際に映像を投影して見ながら結果を確認します。
「ファイルライブラリ」ウィンド
ウから”Projection”フォルダ内の”car.mp4”ファイルをダブルクリックして開きます。結果を確認するた
めに制御点やポイントなどを一時的に非表示にするには[@]キーを押します。実際の映像を流しながら投影
補正の結果を確認し、気になる部分があればさらに再調整を行います。
映像が無事投影されることを確認したら、この投影補正プロジェクトをファイルに保存して「投影補正設
定」ウィンドウを閉じます。次回のAmateras起動時にも、この投影補正の状態で利用することができま
す。
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11 よくある質問と回答
11 よくある質問と回答
この章では、Amaterasを使用する中でよくある質問や便利なノウハウなどを紹介します。
PC環境の設定
Amaterasで安定したカクつきのない動画再生を行うために推奨される、PCの設定を紹介します。

NVIDIA設定(GeForce/Quadroカードの場合)
デスクトップ上で右クリックして表示されるメニューから「NVIDIA コントロールパネル」を起動します。
「3D設定」の「3D設定の管理」を選びます。右側に表示される設定の中から「グローバル設定」の「電源
管理モード」を「パフォーマンス最大化を優先」にしておきます。消費電力が増えますが、グラフィック
性能が向上しカクつきが軽減されます。

電源設定
投影を行うPCでは、ディスプレイの電源が切れたりスリープ状態になったりしては困ります。
「コントロールパネル」の「電源オプション」から「高パフォーマンス」を選択し、「プラン設定の変更」
の中で「ディスプレイを暗くする」「ディスプレイの電源を切る」「コンピュータをスリープ状態にする」
をすべて「なし」にしておくことをお勧めします。
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11 よくある質問と回答
また「詳細な電源設定の変更」から、以下のように設定を変更しておくと、より再生が安定します。
「ハードディスク」
「次の時間が経過後ハードディスクの電源を切る」を「なし(0)
」
「デスクトップの背景の設定」
「スライドショー」を「一時停止」
「スリープ」
「次の時間が経過後スリープする」を「なし」
「次の時間が経過後に休止状態にする」を「なし」
「プロセッサの電源管理」
「最小のプロセッサの状態」を「100%」
「システムの冷却ポリシー」を「アクティブ」
「最大のプロセッサの状態」を「100%」

デスクトップテーマ
Windows7の場合には、デスクトップを右クリックして[個人設定]を選択し、デスクトップテーマを
「Windows7ベーシック」にします。ウィンドウの半透明合成効果などが無効化され、グラフィックス性
能が向上します。壁紙などは自由に設定して構いません。スクリーンセーバーなどもオフにしておくこと
をお勧めします。
※一部の環境では、映像中に切れ目(ティアリング)が発生することが報告されています。もしAmateras
上でティアリングが発生するようであれば、Aeroテーマの「Windows7」を試してみてください。

常駐アプリケーションとダイアログ表示
上映中の画面にダイアログなどが表示されては困ります。上映時にはWindows Updateの自動更新や
Windows Defender、アンチウイルスなどもオフにすることをお勧めします。

メインディスプレイの設定
複数のディスプレイが接続されたPCで、そのうち一台で映像を投影する場合には、そのディスプレイを
Windowsの「メインディスプレイ」にして下さい。メインディスプレイにするには、デスクトップ上で右
クリックして「画面の解像度」を選択し、このディスプレイを選択して「メインディスプレイにする」を
クリックします。これによりAmateras本体あるいは「投影画面」ウィンドウを最大化したときに、その
画面で最大のパフォーマンスで描画されます。
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11 よくある質問と回答
AMATERASの上映設定
Amaterasで安定したカクつきのない動画再生を行うために推奨される、上映時の設定を紹介します。

画質設定
アプリケーションウィンドウ上部の[ウィンドウ]タブで[オプショ
ン]グループの[設定]ボタンをクリックし、
「オプション設定」ダイア
ログを開きます。[動作速度と画質]の中にある[内部描画解像度]と
[PIP分割解像度]を変更することにより、画質と動作速度(再生時の
余裕)のバランスを変更することができます。デフォルトの内部描画
解像度である2048から1024にすることで、画質(実効解像度)を
犠牲にして描画速度を向上させることができます。これはCPUやグ
ラフィックスカードが高性能でない場合に効果があります。同様に
PIP分割解像度も同様で、デフォルトの64から下げることでPIP映像
の形状がやや粗くなりますが描画速度を向上させることができます。

垂直同期設定
動画の再生がカクつく場合、
「オプション設定」ダイアログの[フレームレートの最大値]を変更することで、
動作を改善できることがあります。デフォルトでは30fpsで、映像中に切れ目(ティアリング)が発生し
ないように、毎秒30回描画します。もしこの設定でカクつきが見られる場合には、[適応して調整(可能
な場合)]にすると改善することがあります。[制限なし(ティアリングあり)]にすると、可能な限りの速
度で描画更新を行いますが、ディスプレイの書き換えタイミングと同期しないのでティアリングが発生し
ます。
※ [適応して調整]は現在のところGeForce580/680でしか動作確認しておりません。

動画のエンコード
Amaterasでは、wmvや.movなど様々な動画形式のファイルを読み込むことができますが、安定した動
画再生を行うには付属のAMATERAS Movie Encoderでムービーをエンコードしておくことをお勧めし
ます。

情報表示の非表示
一部の環境では、[情報表示](ショートカットキー[I])で表示されるフレームレートや再生時間などを表
示の描画は描画に負担をかけます。これを非表示にすることで動作速度が改善されることがあります。

映像表示画面の削減
Amaterasでの映像表示画面は、スクリーンやPIP、投影補正など様々な映像要素をリアルタイムに合成し
て表示しています。そのため、
「メイン」ウィンドウ以外に「PIP」ウィンドウや「投影画面」ウィンドウ、
「サブ」ウィンドウなどを表示すると非常に負荷が高くなります。プレビューや投影補正の編集中は構いま
せんが、上映時に最大の動作性能を発揮させるためには不要な表示画面をすべて閉じるようにします。1
台のPCで再生と投影を行うには「投影画面」ウィンドウを使うと便利ですが、さらに動作性能を上げる
には「投影画面」ウィンドウを使わず、アプリケーションウィンドウで[Alt]+{Enter}キーでメインウィン
ドウを全画面表示にします([Escape]キーで元に戻す)
。複数の画面がある場合は、
「投影補正設定」ウィ
ンドウの「デフォルトステージ」を選択して[表示範囲を指定]から全画面表示する表示範囲を指定します。
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11 よくある質問と回答
操作上のTIPS

リボンのたたみ方
Amaterasのウィンドウ右上にある[^]アイコンをクリックすると、リボンバーを消すことができます。メ
ニューをクリックするとリボンバーがメニューのように開きます。メインウィンドウなどメニュー以外を
クリックすると、リボンバーは自動的に消えます。ディスプレイが狭い場合に使うと便利です。

終了時に設定を保存しない
[ファイル]メニューの下端に[設定を保存]ボタンがあります。このボタンをクリックして、Amaterasの各
種設定の保存・非保存を切り替えることができます。オン(黄色く光っている状態)の時、各種設定を終
了時に保存します。常設の上映環境でAmaterasを使用するときなど、すべての設定を終えて一度保存し
た後、この[設定を保存]を解除しておくことで、利用者がAmaterasを誤操作しても次回起動時に正しい設
定で起動させることができます。
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12 スクリプトリファレンス
12 スクリプトリファレンス
Player / PIPPlayer
ドーム映像(Player)またはPIP映像(PIPPlayer)の再生制御を行います。PIP映像を操作するにはPlayer
をPIPPlayerに読み替えて使用してください。PlayerもPIPPlayerも、2つの映像ソース(Sourceオブジ
ェクト)を内包しています。ファイルの読み込み(loadFileやplayFile)を行うと、これが交互に使用され、
最初に再生された時に選択されているトランジション(遷移)効果をかけて映像が切り替わります。2つ
の映像ソースを直接操作することで同時再生など複雑な制御を行えますが、このPlayerおよびPIPPlayer
オブジェクトはこれらを簡単に扱うために用意されています。
Player.loadFile(“ファイルパス”, 開始点=0.0, 再生長さ=-1.0)
Player.playFile(“ファイルパス”, 開始点=0.0, 再生長さ=-1.0)
Player.getFileName()
Player.unload()
Player.play()
Player.pause()
Player.stop()
Player.isLoaded()
Player.isReady()
Player.isPlaying()
Player.isFinished()
Player.isVisible()
Player.isMovie()
Player.setSpeed(速度倍率)
Player.getSpeed()
Player.prevFrame()
Player.nextFrame()
Player.setTime(再生位置)
Player.getTime()
Player.setDuration(再生長さ)
Player.getDuration()
Player.setImageDuration(再生長さ)
Player.getImageDuration()
Player.getFPS()
Player.setLoop(true/false)
Player.getLoop()
Player.toggleLoop()
Player.setPlayByDropFile(true/false)
Player.getPlayByDropFile()
Player.fadeIn(フェード時間=-1.0)
Player.fadeOut(フェード時間=-1.0)
Player.setFade(フェーダーの濃さ)
Player.getFade()
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12 スクリプトリファレンス
Player.setFadeTo(フェーダーの濃さ, 変化時間)
Player.isFading()
Player.setFadeDuration(変化時間)
Player.getFadeDuration()
Player.setCropSource(true/false)
Player.getCropSource()
Player.setCropSourceRegion(左端, 上端, 幅, 高さ)
Player.getCropSourceRegionX()
Player.getCropSourceRegionY()
Player.getCropSourceRegionWidth()
Player.getCropSourceRegionHeight()
Player.setTransition(開始時の遷移効果, 終了時の遷移効果, 遷移時間)
Player.getTransitionInType()
Player.getTransitionOutType()
Player.getTransitionDuration()
Player.setBufferLength(フレーム数)
Player.getBufferLength()
Player.getNumRemainBuffers()
Player.getSource(映像ソース番号)
Player.getFrontSource()
Player.getBackSource()
Player.getCurrentSource()
Player.flipSources()
Player.setVolume(音量)
Player.getVolume()
Player.setVolumeTo(音量, 変化時間)
Player. setMute(true/false)
Player. getMute()
Player. setInfo(true/false)
Player. getInfo()
Player. setCacheBar(true/false)
Player. getCacheBar()
Player. setPerfInfo(true/false)
Player. getPerfInfo()
Source
映像ソースとなるオブジェクトです。このSourceオブジェクトは画像、連番画像、動画またはキャプチャ
映像のいずれかを読み込み、再生する機能を持っています。ドーム映像用にSource1、Source2、PIP映
像用にPIPSource1、PIPSource2という名前のオブジェクトとして定義されています。下記のリファレ
ンスではSourceをこれらの名前で読み替えて使用してください。ドーム映像用のSource1とSource2は
Playerオブジェクトに、PIPSource1とPIPSource2はPIPPlayerオブジェクトによって管理されており、
Player.getSource()やPlayer.getFrontSource()などで取得することもできます。映像ソースを直接操作
することで細かい映像制御が行えますが、トランジション効果を簡単に実現するにはPlayerやPIPPlayer
オブジェクトを利用する方が便利です。
Source.loadFile(“ファイル名”, 開始点=0.0, 再生長さ=-1.0)
Source.getFileName()
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12 スクリプトリファレンス
Source.unload()
Source.play()
Source.pause()
Source.stop()
Source.isLoaded()
Source.isReady()
Source.isPlaying()
Source.isFinished()
Source.isVisible()
Source.isMovie()
Source.setSpeed(速度倍率)
Source.getSpeed()
Source.prevFrame()
Source.nextFrame()
Source.setTime(再生位置)
Source.getTime()
Source.setDuration(再生長さ)
Source.getDuration()
Source.setImageDuration(再生長さ)
Source.getImageDuration()
Source.getFPS()
Source.setLoop(true/false)
Source.getLoop()
Source.toggleLoop()
Source.setAlpha(不透明度)
Source.getAlpha()
Source.setAlphaTo(不透明度,変化時間)
Source.setAlphaAfter(待ち時間, 不透明度, 変化時間)
Source.isAlphaFading()
Source.getWidth()
Source.getHeight()
Source.getAspect()
Source.setBufferLength(フレーム数)
Source.getBufferLength()
Source.getNumRemainBuffers()
PIP
ピクチャインピクチャ(PIP)映像のレイアウトや表示設定を管理するオブジェクトです。
PIP.isVisible()
PIP.setCenter(方向, 高さ)
PIP.getAzimuth()
PIP.getAltitude()
PIP.setSize(大きさ)
PIP.getSize()
PIP.setDistance(距離)
PIP.getDistance()
123
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12 スクリプトリファレンス
PIP.setShift(水平シフト量, 垂直シフト量)
PIP.setShiftX(水平シフト量)
PIP.getShiftX()
PIP.setShiftY(垂直シフト量)
PIP.getShiftY()
PIP.setResolution(分割解像度)
PIP.getResolution()
PIP.setNumClones(複製数)
PIP.getNumClones()
PIP.setCloneSpace(複製間隔)
PIP.getCloneSpace()
PIP.setEdgeWidth(ブレンド幅)
PIP.getEdgeWidth()
PIP.setBlendMode(ブレンドモード)
PIP.getBlendMode()
PIP.selectPreset(“プリセット名”)
PIP.getCurrentPresetName()
BGM
映像と独立して音声ファイルを読み込み、再生制御するためのオブジェクトです。
BGM.loadFile(“ファイルパス”, 開始点=0.0, 再生長さ=-1.0)
BGM.playFile(“ファイルパス”, 開始点=0.0, 再生長さ=-1.0)
BGM.getFileName()
BGM.unload()
BGM.play()
BGM.pause()
BGM.stop()
BGM.isPlaying()
BGM.setTime(再生位置)
BGM.getTime()
BGM.setDuration(再生長さ)
BGM.getDuration()
BGM.setLoop(true/false)
BGM.getLoop()
BGM.toggleLoop()
BGM.setVolume(音量)
BGM.getVolume()
BGM.setVolumeTo(音量, 再生長さ)
BGM.setMute(true/false)
BGM.getMute()
BGM.setTransition(true/false)
BGM.getTransition()
BGM.setTransitionDuration(遷移時間)
BGM.getTransitionDuration()
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12 スクリプトリファレンス
Light
バーチャルライトの制御を行うためのオブジェクトです。
Light.setColor(赤, 緑, 青, 白)
Light.setColorTo(赤, 緑, 青, 白, 変化時間)
Light.on(変化時間)
Light.off(変化時間)
Light.isOn()
Light.getRed()
Light.getGreen()
Light.getBlue()
Light.getWhite()
Light.setLightMap(“ファイルパス”)
Light.getLightMap()
Light.selectPreset(“プリセット名”, 変化時間)
Light.getCurrentPresetName()
Screen
ドームスクリーンの基本設定やグリッド表示設定を行うためのオブジェクトです。
Screen.setFOV(視野角)
Screen.getFOV()
Screen.setTilt(傾斜角)
Screen.getTilt()
Screen.setDirection(正面方向)
Screen.getDirection()
Screen.setFrame(true/false)
Screen.getFrame()
Screen.setFrameColor(赤, 緑, 青, 透明度)
Screen.getFrameColorRed()
Screen.getFrameColorGreen()
Screen.getFrameColorBlue()
Screen.getFrameColorAlpha()
Screen.setFrameSubDiv(水平分割数, 垂直分割数)
Screen.getFrameSubDivAzimuth()
Screen.getFrameSubDivElevation()
Screen.setFrameWidth(線幅)
Screen.getFrameWidth()
Screen.setGrid(true/false)
Screen.getGrid()
Screen.setLabels(true/false)
Screen.getLabels()
Screen.setSafeArea(true/false)
Screen.getSafeArea()
Screen.setSafeAreaCenter(方向, 高度)
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12 スクリプトリファレンス
Screen.getSafeAreaAzimuth()
Screen.getSafeAreaElevation()
Screen.setSafeAreaSize(幅, 高さ)
Screen.getSafeAreaWidth()
Screen.getSafeAreaHeight()
Screen.setSafeAreaColor(赤, 緑, 青, 透明度)
Screen.getSafeAreaColorRed()
Screen.getSafeAreaColorGreen()
Screen.getSafeAreaColorBlue()
Screen.getSafeAreaColorAlpha()
Screen.setSafeAreaLineWidth(線幅)
Screen.getSafeAreaLineWidth()
Screen.setPIPArea(true/false)
Screen.getPIPArea()
Screen.setPIPAreaColor(赤, 緑, 青, 透明度)
Screen.getPIPAreaColorRed()
Screen.getPIPAreaColorGreen()
Screen.getPIPAreaColorBlue()
Screen.getPIPAreaColorAlpha()
Screen.setPIPAreaLineWidth(線幅)
Screen.getPIPAreaLineWidth()
Screen.setOffscreenSize(解像度)
Screen.getOffscreenSize()
Playlist
プレイリストの制御を行うオブジェクトです。
Playlist.loadFile(“ファイルパス”)
Playlist.playFile(“ファイルパス”)
Playlist.getFileName()
Playlist.unload()
Playlist.play()
Playlist.pause()
Playlist.isPlaying()
Playlist.prev()
Playlist.next()
Playlist.playOrNext()
App
アプリケーションの終了など、アプリケーション全体に関わる機能を提供するオブジェクトです。
App.execute(“スクリプト”)
App.exit()
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Renderer
アプリケーションの全体的な描画設定を行うためのオブジェクトです。
Renderer.setBackground(赤, 緑, 青, 透明度)
Renderer.getBackgroundRed()
Renderer.getBackgroundGreen()
Renderer.getBackgroundBlue()
Renderer.getBackgroundAlpha()
Renderer.setSwapInterval(垂直同期待ち数)
Renderer.getSwapInterval()
Renderer.setMaximizePerformance(true/false)
Renderer.getMaximizePerformance()
Network
ネットワークに関する設定を確認するためのオブジェクトです。
Network.isServer()
Network.isClient()
Network.getServerAddress()
Network.getServerPort()
Network.send (“スクリプト”)
Network.sendToClients(“スクリプト”)
Network.sendToClient(“クライアントIPアドレス”, “スクリプト”)
Projectors
プロジェクターの制御を行うためのオブジェクトです。
Projectors.setEmulate(true/false)
Projectors.isEmulated()
Projectors.on(“プロジェクター名”=”all”)
Projectors.off(“プロジェクター名” =”all”)
Projectors.isOn(“プロジェクター名” =”all”)
Projectors.show(“プロジェクター名” =”all”)
Projectors.hide(“プロジェクター名” =”all”)
Projectors.isShown(“プロジェクター名” =”all”)
Projectors.shutterOpen(“プロジェクター名” =”all”)
Projectors.shutterClose(“プロジェクター名” =”all”)
Projectors.shutterTo(シャッター閉度, “プロジェクター名” =”all”)
Projectors.getShutter(“プロジェクター名” =”all”)
Projectors.stereoOn(“プロジェクター名” =”all”)
Projectors.stereoOff(“プロジェクター名” =”all”)
Projectors.bool isStereo(“プロジェクター名” =”all”)
Projectors.showGUI()
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12 スクリプトリファレンス
Projectors.hideGUI()
Projectors.toggleGUI()
Projectors.setGUIVisible(bool bShow)
Projectors.isGUIVisible()
TCP/IP
TCP/IPで外部機器にデータ送信を行うためのオブジェクトです。
TCP.open(“チャンネル名”)
チャンネル名形式:”192.168.0.1:6000”
TCP.close(“チャンネル名”)
TCP.isOpened(“チャンネル名”)
TCP.send(“チャンネル名”, “メッセージ”)
TCP.sendBinary(“チャンネル名”, “バイナリメッセージ”)
バイナリメッセージ形式:”12, 13, 0”
UDP/IP
UDP/IPで外部機器にデータ送信を行うためのオブジェクトです。
UDP.open(“チャンネル名”)
チャンネル名形式:”192.168.0.1:6000”
UDP.close(“チャンネル名”)
UDP.isOpened(“チャンネル名”)
UDP.send(“チャンネル名”, “メッセージ”)
UDP.sendBinary(“チャンネル名”, “バイナリメッセージ”)
バイナリメッセージ形式:”12, 13, 0”
Serial
シリアル通信(RS-232C)で外部機器にデータ送信を行うためのオブジェクトです。
Serial.open(“チャンネル名”)
チャンネル名形式:”COM3:9600”
Serial.close(“チャンネル名”)
Serial.isOpened(“チャンネル名”)
Serial.send(“チャンネル名”, “メッセージ”)
Serial.sendBinary(“チャンネル名”, “バイナリメッセージ”)
バイナリメッセージ形式:”12, 13, 0”
OSC
Open Sound Controlプロトコルで外部機器にデータ送信を行うためのオブジェクトです。
OSC.setEnabled(true/false)
OSC.isEnabled()
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OSC.send(“チャンネル名”, 数値)
チャンネル名形式:”/external/volume”
OSC.send(“チャンネル名” , 数値1, 数値2)
OSC.send(“チャンネル名”, 数値1, 数値2, 数値3)
OSC.send(“チャンネル名”, “文字列”)
MIDI
MIDIプロトコルで外部機器にデータ送信を行うためのオブジェクトです。
MIDI.setEnabled(true/false)
MIDI.isEnabled()
MIDI.setInDeviceName(“デバイス名”)
MIDI.getInDeviceName()
MIDI.setOutDeviceName(“デバイス名”)
MIDI.getOutDeviceName()
MIDI.open()
MIDI.close()
MIDI.isInOpened()
MIDI.isOutOpened()
MIDI.setMasterValue(値)
MIDI.getMasterValue()
MIDI.setMasterValueTo(値, 変化時間=1.0)
MIDI.masterOn(変化時間=1.0)
MIDI.masterOff(変化時間=1.0)
MIDI.masterToggle(変化時間=1.0)
MIDI.setThreshold(閾値)
MIDI.getThreshold()
MIDI.setNote(チャンネル番号, 値)
MIDI.setNoteTo(チャンネル番号, 値, 変化時間)
MIDI.getNote(チャンネル番号)
MIDI.noteOn(チャンネル番号, 変化時間)
MIDI.noteOff(チャンネル番号, 変化時間)
MIDI.noteToggle(チャンネル番号, 変換時間)
MIDI.setCtrlChange(チャンネル番号, 値)
MIDI.setCtrlChangeTo(チャンネル番号, 値, 変化時間)
MIDI.getCtrlChange(チャンネル番号)
MIDI.ctrlChangeOn(チャンネル番号, 変化時間)
MIDI.ctrlChangeOff(チャンネル番号, 変化時間)
MIDI.ctrlChangeToggle(チャンネル番号, 変化時間)
MIDI.setPitchBend(チャンネル番号, 値)
MIDI.setPitchBendTo(チャンネル番号, 値, 変化時間)
MIDI.getPitchBend(チャンネル番号)
MIDI.pitchBendOn(チャンネル番号, 変化時間)
MIDI.pitchBendOff(チャンネル番号, 変化時間)
MIDI.pitchBendToggle(チャンネル番号, 変化時間)
MIDI.setGroupValue(グループ番号, 値)
MIDI.getGroupValue(グループ番号)
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MIDI.setGroupValueTo(グループ番号, 値, 変化時間)
MIDI.groupOn(グループ番号, 変化時間=1.0)
MIDI.groupOff(グループ番号, 変化時間=1.0)
MIDI.groupToggle(グループ番号, 変化時間=1.0)
MIDI.setGroupValue(“グループ名”, 値)
MIDI.getGroupValue(“グループ名”)
MIDI.setGroupValueTo(“グループ名”, 値, 変化時間=1.0)
MIDI.groupOn(“グループ名”, 変化時間=1.0)
MIDI.groupOff(“グループ名”, 変化時間=1.0)
MIDI.groupToggle(“グループ名”, 変化時間=1.0)
MIDI.play(“ファイルパス”)
MIDI. showGUI()
MIDI.hideGUI()
MIDI.toggleGUI()
MIDI.isGUIVisible()
DMX
DMXプロトコルで外部機器にデータ送信を行うためのオブジェクトです。
DMX.setEnabled(true/false)
DMX.isEnabled()
DMX.setMasterValue(値)
DMX.getMasterValue()
DMX.setMasterValueTo(値, 変化時間=1.0)
DMX.masterOn(変化時間=1.0)
DMX.masterOff(変化時間=1.0)
DMX.masterToggle(変化時間=1.0)
DMX.setThreshold(閾値)
DMX.getThreshold()
DMX.setValue(チャンネル番号, 値)
DMX.getValue(チャンネル番号)
DMX.setValueTo(チャンネル番号, 値, 変化時間=1.0)
DMX.on(チャンネル番号, 変化時間=1.0)
DMX.off(チャンネル番号, 変化時間=1.0)
DMX.toggle(チャンネル番号, 変化時間=1.0)
DMX.setGroupValue(グループ番号, 値)
DMX.getGroupValue(グループ番号)
DMX.setGroupValueTo(グループ番号, 値, 変化時間)
DMX.groupOn(グループ番号, 変化時間=1.0)
DMX.groupOff(グループ番号, 変化時間=1.0)
DMX.groupToggle(グループ番号, 変化時間=1.0)
DMX.setGroupValue(“グループ名”, 値)
DMX.getGroupValue(“グループ名”)
DMX.setGroupValueTo(“グループ名”, 値, 変化時間=1.0)
DMX.groupOn(“グループ名”, 変化時間=1.0)
DMX.groupOff(“グループ名”, 変化時間=1.0)
DMX.groupToggle(“グループ名”, 変化時間=1.0)
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12 スクリプトリファレンス
DMX. showGUI()
DMX.hideGUI()
DMX.toggleGUI()
DMX.isGUIVisible()
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謝辞
サンプル映像提供
・Aurora 3D
Aurora 3D Project – http://aurora3d.jp/
・Mille Fiore
Fulldome Ambient/馬場ふさ子 – http://fulldomeambient.com/
・Projection
株式会社ジュリアジャパン – http://www.juliajapan.co.jp/
環境モデル提供
・日立シビックセンター
有限会社ライブ – http://www.live-net.co.jp/
開発協力
・日本科学技術振興財団/プレアデスシステム – http://pleiades.jsf.or.jp/
・株式会社プリズム – http://www.eizou.com/
AMATERAS Media Player ver.2.1 ユーザーズガイド
2013年8月24日 第2版
株式会社オリハルコンテクノロジーズ
http://www.orihalcon.co.jp/
[email protected]
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