Rotobo Mo

(社)ロシア東欧貿易会 モスクワ事務所発行 No.1 2002 年
5 月号
発刊のことば
ヨーロッパ最大の都市モスクワ。経済もダイナミックに動いています。その息吹
をダイレクトにお届けするためにメールマガジンを創刊いたしました。今後月 1 回
発行いたします。ご意見、ご要望をお寄せ下さい。
禁無断転載
目次
1.
ロシアのカラーTV市場 … 2
2.
ロシアの外国貿易: 2001年の実績と最近のトレンド … 4
3.
[インタビュー] スカジーチェ パジャールスタ!!
丸紅㈱CIS 総代表(兼)モスクワ支店長 山口広治さん … 7
4.
日ロビジネス最前線 … 10
5.
ロシア地域情報 … 10
6.
売りたい・買いたい … 10
7.
お薦めビジネスランチ … 12
8.
お薦めインターネットサイト … 12
9.
モスクワで流行っているもの … 12
10. 求人・求職コーナー … 13
11. ロ東貿の出版物 … 14
12. ロ東貿関連の行事 … 15
ロ東貿のホームページにも情報が満載!!
http://www.rotobo.or.jp
見てね!
1
ロシアのカラーTV市場
最近のロシアの報道およびロシア最大のTVメーカーであるルビーン社のオレイニク社長
との会談から、ロシアのカラーTV市場の現在を紹介する。
■ 市場占有率
1999 年(250 万台) 2000 年(350 万台) 2001 年(440 万台)
Samsung
24% Samsung
24% Samsung(120 万台)
LG
23%
LG
23%
LG(100 万台)
23%
Rekord/Gorizont/Rubin 12% 同
15%
Rubin(30 万台)
7%
JVC
7%
JVC
5%
Daewoo(20 万台)
4.5%
Philips
6%
Philips
5% Thomson(15 万台)
Sony
6%
Sony
5%
Rolsen(12 万台)
2.7%
Shivaki
5%
Rolsen
5%
Sokol(6 万台) 1.4%
Panasonic
3%
Shivaki
3%
その他ロシア製(7 万台)
1.6%
Rolsen
2%
Panasonic
2.5% ベラルーシ製(60 万台) 13.6%
Toshiba
2%
Toshiba
1.5%
その他の外国ブランド 6%
同 4%
その他のロシアブランド
4%
同 7%
27%
3.5%
ロシアのカラーTV市場が年を追うごとに拡大していること、韓国製が60%という圧倒
的なシェアを持っていることが分かる。但し、日本ブランドはシェアは落としたものの、大
画面・高機能機種にシフトし、利益率は上がっていると見られる。
残念ながら日本ブランドTVは東南アジアや欧州から出荷され、第三国企業を経由してロ
シアに入るケースが多いため規模は推定するしかないが、VTRやビデオカメラ等他のAV
製品を含めて年間5∼7億ドルではないだろうか。
2001年10月時点でまだロシアの家庭の22%がロシア製白黒TVを見ており、外国
製TVを2台持っている家庭は全体の10%に過ぎないことから、今後も安定したTV需要
が期待される。
ちなみに、VTRを持っている家庭は39%という数字がある。
■ ロシア企業の健闘
圧倒的な外国製TVの攻勢の中、ベラルーシを含めた国産TVは意外に健闘しているとい
うべきであろう。
2001年にベラルーシ製TV(Horizont, Vityazj)60万台、ロシア製(Rubin, Sokol,
Rolsen 他)60万台、合計120万台(シェア27%)の実績を持つ。同クラスの外国製
2
品より価格が10∼15%低いことが魅力となっている。ブラウン管をはじめほとんどの部
品は(95%とも言われる)輸入のため、品質の問題もなく、デザインも洗練されている。
また、ソ連時代から耳に馴染んだブランド名も強みと言える。
2002年にはベラルーシ製、ロシア製とも80万台程度に販売を伸ばすと見られている。
国内トップ企業「ルビーン」社のオレイニク社長は、現在の年産30万台を2002年には
55万台に拡大するのが悲願であると語っている。
■ 関税の問題と現地生産
ベラルーシ製が攻勢を強めている、ロシアのTV製造企業はベラルーシ製TVに関税をか
けるよう政府に要望を出した(現在は関税なし)。また、TVの関税を 20%から 15%に引き
下げる動きに対して反対、逆に輸入部品については関税引下げを要望している(現在は平均
15%)
。
韓国勢 Samsung はノヴゴロドで6万台を、LGはフリャージノ(モスクワ郊外)で35万
台を現地生産している。
Thomson はカリーニングラードで年間4万台を組み立てており、今後も増やす予定という。
フィリップスは2001年に企業として15%の減収で26億ユーロの赤字を出したが、
ロシアでの販売は35%拡大したため、今後現地生産を推進するという。それによりTVの
販売価格を10∼15%下げ、シェアを2∼3%拡大することが目標。Made in Russia の
フィリップスTVが市場に出るのは 2003 年の第3四半期の予定。工場はカリーニングラー
ドとアレクサンドロフで、29インチまでのTVを製造する。
日本企業については現地生産の話を聞かない。 (Ⅰ)
データソース: Vremja novostej 2001 年 10 月 15 日付け、イズベスチヤ 2002 年 4 月 2 日付け、
コメルサント・デイリー 2002 年 4 月 13 日付け他
広 告
会計事務所「RUFAUDIT」
①外国企業事務所の年間税務申告・報告書作成・提出
②外国企業事務所の資産税精算
③現地職員の給与精算
④現地職員の社会統一税精算・報告書作成・提出
⑤外国人駐在員所得税申告書作成・提出
⑥事務所年間会計検査
詳しくはホームページをご覧下さい。 www.bdo.ru
3
ロシアの外国貿易
− 2001年の実績と最近のトレンド−
下記は経済発展貿易省付属全ロシア景気研究所の資料に基づき、2001 年のロシア外国貿
易の実績および 1997 年から 2001 年までの 5 年間にわたるロシア外国貿易の主な統計トレン
ドを分析してみたものである。
(第1表)2001年のロシアの地域別外国貿易高 (単位 百万ドル)
全体
うち
CIS
以外
%
CIS
諸国
%
2000 年
貿易高
輸出
輸入
136955
103070
33885
バランス
69185
2001 年
貿易高
輸出
輸入
141890
100653
41237
バランス
59416
2001 年対 2000 年(%)
貿易高
輸出
輸入
103.6
97.7
121.7
111544
89269
22275
66994
116334
86213
30121
56092
104.3
96.6
135.2
81.4
25411
86.6
13801
65.7
11610
96.8
2194
82.0
25556
85.7
14440
73.0
11116
94.4
3324
100.6
104.6
95.7
18.6
13.4
34.3
3.2
14.3
27.0
18.0
5.6
2001 年は輸出が前年比 2.3%減の約 1007 億ドル、輸入が 21.7%増の約 412 億ドルで、貿
易高は前年比 3.6%増の約 1419 億ドルであった。CIS 諸国との貿易高は約 256 億ドルで、前
年比 0.6%増加し、CIS 以外諸国との貿易は約 1163 億ドルで、4.3%増加した。
(第2表)ロシアの商品別輸出構成 (%)
全体
食料品、農産品
鉱物製品、電力
化学品、ゴム
木材、紙・パルプ製品
繊維、衣服、履物
金属、貴石およびその製品
機械、設備、輸送手段
その他
1997 年
100.0
1.9
48.4
8.3
4.2
1.1
24.0
10.7
0.9
1998 年
100.0
2.1
42.8
8.7
4.9
1.1
27.6
11.4
0.8
1999 年
100.0
1.3
44.9
8.5
5.1
1.1
26.1
10.9
1.8
2000 年
100.0
1.6
53.8
7.2
4.3
0.8
21.6
9.0
1.4
2001 年
100.0
2.8
54.4
7.0
4.5
0.7
19.3
10.3
1.0
1997 年∼2001 年の間に、主要輸出品目である鉱物製品・電力のシェアが 48.4%から 54.4%
まで大幅に伸びた。一方、機械・設備の割合はここ 5 年ほとんど変っていない。
燃料・エネルギー等低付加価値製品の国際価格への依存度がロシア貿易において相変わら
ず高い。その価格変動が特に厳しかった 2001 年はこうした傾向がなお顕著であった。機械・
設備等高付加価値製品の割合を高め、鉱物製品のシェアを減らし、先進国の外国貿易構成に
より近い貿易構成を構築すべきであるとロシア政府は以前から強調してはいるが、これがな
かなか実現できない。しかも、2001 年には石油価格が下落したにも関わらず、石油が主で
ある鉱物製品のシェアは一段と高くなった。
4
(第 3 表)ロシアのGDPに占める輸出の割合 (%)
公定レートによる計算
為替購買力による計算
1992 年
1997 年
54.3
4.1
20.8
9.1
1998 年
26.5
7.8
1999 年
2000 年
39.1
7.6
42.0
8.4
2001 年
n.a.
n.a.
GDPに占める輸出の割合は 1992 年から金融危機の 1998 年まで、約 54%から約 26%ま
でという半分以上にも減少したが、金融危機の後に国内価格と輸出価格との格差が大きくな
ったため、この割合が伸び始め、2000 年には既に 42%という金融危機直前の水準よりはる
かに高いレベルとなった。しかし、為替購買力を比較して計算すれば、GDPに占める輸出
割合はまだ約 8%という非常に低いレベルにあることが分かる。
(第 4 表)主要製品別の生産高に占める輸出の割合 (%)
1997 年
41.5
34.4
35.2
14.5
80.6
29.3
82.8
4.9
石油
石油製品
天然ガス
石炭
肥料
丸太材
パルプ
自動車
1998 年
45.3
32.8
34.5
15.7
86.5
34.1
77.6
8.3
1999 年
44.2
30.2
34.6
16.7
83.2
40.1
79.1
7.3
2000 年
44.7
36.0
33.2
25.7
82.9
42.4
82.4
12.2
2001 年
45.9
39.8
32.8
n.a.
81.8
53.4
83.7
n.a.
国際石油価格の大きな変動や 1998 年の金融危機による輸出利益率の拡大にもかかわらず、
石油生産に占める輸出のシェアが 1998 年∼2001 年の間にほとんど変化しなかったことが注
目される。丸太の輸出への依存度が急激に高まっていることやパルプの相変わらず高い数字、
そして僅かながら車の輸出割合の伸びも指摘しよう。
(第 5 表)ロシアの商品別輸入構成 (%)
全体
食料品、農産品
鉱物製品、電力
化学品、ゴム
木材、紙・パルプ製品
繊維、衣服、履物
金属、貴石およびその製品
機械、設備、輸送手段
その他
1997 年
100.0
25.1
5.8
14.4
3.6
4.5
7.1
35.3
4.2
1998 年
100.0
24.8
5.4
15.1
3.8
4.1
7.2
35.6
4.0
1999 年
100.0
26.7
4.0
16.0
3.6
5.2
7.3
33.3
3.9
2000 年
100.0
21.9
6.3
17.9
3.8
5.9
8.2
31.7
4.3
2001 年
100.0
24.9
7.0
17.0
4.0
4.6
8.3
33.2
1.0
輸入は、ルーブルの為替レートの安定化やルーブルの購買力実質成長、そしてロシア国内
の需要拡大のために最近増加している。とりわけ 2000 年には 11.5%増、2001 年には 21.7%
増を示した。品目別輸入構成には最近大きな変動は見られない。
5
(第 6 表)ロシアの方法別輸入構成 (%)
一般輸入
非公式(かつぎや)
輸入
1997 年
73
27
1998 年
75
25
1999 年
77
23
2000 年
76.5
23.5
2001 年
77
23
1998 年の金融危機の結果、個人取引による貿易が打撃を受けたとよく言われるが、輸入
総額に占めるこの割合は相変わらず大きく、4分の1に近い程、個人輸入業者の力があると
結論できそうだが、この取引の関税統計には若干疑問が残る。
(第 7 表)ロシア国内小売高に占める輸入品の割合 (%)(* 予測)
国産品
輸入品
1992 年
77
23
1997 年
51
49
1998 年
52
48
1999 年
63.5
36.5
2000 年
60
40
2001 年*
58.5
41.5
1998 の金融危機後、国産品の競争力が急に上がった結果、小売高に占める国産品のシェ
アは 1999 年に 10 パーセント以上伸びた。ただ、2001 年にはこれが再び低下しており、金
融危機が国内産業に与えた活性化の影響が終わったと見るべきであろう。
(第8表)2001 年のロシアの主要貿易相手国 (百万ドル 対前年比)
1位 独 14936.9 (114%) 2位 ベラルーシ 9190.4 (99%) 3位 伊 9106.5 (108%)
4位 ウクライナ 9088.9 (105%) 5位 米国 7343.4 (100%) 6位 中国 7257.6 (117%)
7位 蘭 5945.8 (117%) 8位 英国 5292.9 (96%) 9位 ポーランド 5103.7 (99%)
10 位 カザフスタン 4704.7 (106%) 11 位 フィンランド 4366.5 (108%)
12 位 トルコ 3760.5 (109%)
13 位 仏 3704.2 (120%) 14 位 日本 3627.8 (109%) 15 位 バージン諸島 3048.4 (92%)
EU諸国がロシア貿易高の中に占める割合は 36.9%、CIS 諸国の割合は 18%、中・東欧諸
国の割合は 13.7%である。ドイツの地位が相変わらず強い。中国やトルコとの貿易には「非
公式」輸入(個人取引)の占めるシェアが他国より比較的大きいと言える。なお、14 位日
本の次の 15 位にあるバージン諸島の数字が高いが、この理由は同国がオフショア・ビジネ
スの基地であるためであろう。 (V)
6
山口 広治さん
丸紅㈱CIS総代表兼
モスクワ支店長
(やまぐち こうじ)
上智大学卒ロシア語学科 72 年丸紅入社ソ連向け繊維機械輸出担当
81 年∼87 年モスクワ駐在 99 年 4 月 CIS 総代表兼モスクワ支店長
として赴任、現在に至る。
― 現在、何人くらいのスタッフですか。
事業会社のフジフィルム、日産を含めて日本人 12 人、ロシア人約 100 人です。ロシア内で
はモスクワとサハリンに日本人がいます。ハバロフスクはロシア人だけでやっています。他の
CIS ですと日本人がいるのはカザフ、ウズベキスタンでウクライナは現地人がやっています。
みんなよくやってくれていますよ。ロシア人スタッフには優秀な人材が多く、ローカリゼーシ
ョンとか、そういったことも考えています。
― ロシアとのビジネスは近年伸びていると思いますが、どのようなテンポでしょうか?
今回の赴任は 1999 年の 4 月からなんですが、その頃と比べて現在は全体で 2 倍の売上があ
ります。来年からは 3 倍から 4 倍くらいになって行くと思います。商売は大きく伸びていますね。
非鉄金属等ロシアからの買いも増えてきています。売りの商売では、前述した事業会社の自動車
や写真関係はひと頃の 2 倍強伸びていますね。建設機械がよく売れています。
― ロシアでビジネスをやっていてこれはまだまだ問題だと思われることはありますか?
どこの国でも固有の問題点があると思いますが、ロシアといったらやっぱり一番難しいのは、
まず資本の蓄積がまだ十分ではないということと今国家保証が出ないということから、なかなか
金額の大きなプロジェクトができないということですね。そしてリスクのとり方が難しいという
ことです。例えば化学品等は昔のソ連は大変な量を買っていたわけですよ。相当量は今でもどこ
かから買っていると思いますが、うまくリスクをとっているかあるいはリスク覚悟でやっている
会社、おそらく日本ではなく欧米の会社がリスクを取りながら大きな商売をしているんじゃない
かと思います。我々日本勢はリスクを取るといっても、ロンドンクラブ等で相当痛い目に会って
いますからなかなかできない。
でも最近になってロシア経済の好調のせいもあってちゃんとしたお客は非常にパフォーマン
スが良いわけです。そういうお客に対しては今からある程度リスクを取ってやって行こうという
風に会社のスタンスもだいぶ変わってきました。良いお客を見つけて行こうということなんです。
まあ、一言でいうと簡単なんですけどね、それしかないんです。
― よく言われる障害として許認可の問題がありますが。
そうですね、許認可っていうのは取るものだから手間がかかってもこれは取らざるを得ない
わけです。事業会社なんかは税関の問題等で割とありますが、決定的な問題ではありません。
― 最近、JBIC のツーステップローン供与や NEXI の引受拡大の動きが見られますが?
まず、国家保証が要らないということで、画期的なことだと思います。JBIC は最大限のこ
とをしてくれていると思います。あとは使う方の問題もかなりあると思うんですね、ロシア側の
問題もあるし。ロシア側の問題というのは、ロシア企業やロシアの銀行の問題ですが、銀行シス
テムや審査システムの問題があって、ある意味では国家保証よりも難しい点があるかもしれない
7
ですね。我々としてはもちろんツーステップローンを使いたいですが、ロシア側に体制を早く整
えて使ってもらうということになると思います。銀行は数字を、いわゆる信頼性を見るわけだか
ら、ひじょうにプラグマティックにくるわけですよ。そうするとそういう条件を満たす企業はど
こかということですね。
― 今後のロシアはどうご覧になりますか?
昔の体制、まあ共産主義に戻らないとすれば、ロシアにはもう成長以外の道はありません。
それをどうやって我々が捉えていくかというのが一番のポイントです。捉え方の問題でしょうね。
― 今後のロシアに対してはどの面に対して力を入れて行かれますか。
ロシアはこれまで 10 年間がむしゃらに改革を進めてきたわけです。これからもどんどん進
めていくと思います。この改革は、エリツィンさんが古いものを壊し、プーチンさんが新しいも
のを作っているわけですが、政治的にも経済的にもひじょうに安定してきているし、この改革路
線をどんどん進めれば必然的に経済は良い方向に行くでしょう。我々としてはその方向に沿って
やっていくわけですが、今後投資ということを考えていかないとプロジェクトものが動かなくな
ってきいますよね。ヨーロッパもアメリカも皆来ている。いわゆる一流ブランドというのは、ほ
とんど入ってきていますね。それに対して日本は直接投資という形ではロシアへはほとんどきて
いないという状況ですからね。
ロシアには、すごくリッチになっている分野と昔から全然変わってない分野があるわけです
が、ロシア政府としては当然この昔から変わっていない分野の嵩上げをしていかなくてはならな
いんですね。それには、良い会社をどんどん作っていってそこからちゃんと給料を払わせるとい
うことですよね。最近は農民の生活は良くなってきていますが、やはり農民の生活レベルを上げ
るにも、良いものを作ってそれを売っていくということしかないわけです。その中でどう我々が
商機と捕らえて入っていけるのかがロシアで商売をやっていく上で一番大事なことですね。デイ
リーに仕事をしているとなかなか細かい点を捉えるのは難しいんですが、数字が確実に状況を示
しています。車の商売とかの消費物資の商売とかはどんどん大きくなって、なんにもせずとも大
きくなってきているしね。それは食料品にしろ家具や日用品にしろ、何も大学の教授がこういっ
たからって言うんじゃなくて増えているわけです。
― 街では日産マキシマを良く見かけますが、あのクラスの車が売れているというのはやはり相
当購買力が付いてきたということでしょうか。
おかげさまでよく売れています。98 年の金融危機でうちは在庫をひじょうに多く持ったんで
すよね。その後、99 年に売れた車は 1400cc とか 1600cc とかが中心でした。マキシマは 2500∼
3000cc なのですがその頃は売れ行きが悪かったんですね。ところが 2000 年以降は 2000cc 以上
がものすごく売れているんですよ。それが消費が伸びていることを如実に示していますね。
― 今後ロシアは WTO にもおそらく加盟するでしょう。
そうそう。それでどんどん構造改革をやって、大切なのは投資がどれだけ増えるかというこ
とですね。今は増えているとはいえ、あらゆる分野で増やしていくには政府が強力なリーダーシ
ップのもとますます構造改革をしていくということしかないですね。そして構造改革以外ででき
ることは、中小企業を雨後の竹の子のように増やしてくことですね。ロシアは基本的には膨大な
需要があるんですよ。潜在需要、投資需要はたいへんなものですね。世界一あると思います。そ
れにうまく投資が結びついてこないというのは、まだ改革が足りないのではないのかと感じます。
8
― ロ東貿に望むことはありますか。
ロシアはこのように消費が伸びるんだということ、どうしてこの現象が起きるんだというこ
とをつぶさに検証していただいて、分かりやすく説明してほしい。そうすればなぜロシアが今調
子良いのかが分かる。やはりまだ日本にはかなり否定的な見方がありますからね。エリツィンさ
んのこととか、経済危機のこととかありますから、なかなか素直にロシアの回復振りを捉えてい
ないところがあると思います。これを極めて明快に簡潔に言ってもらうと我々も助かるし、今か
らロシアに来ようかという人に対してももう一段踏み込んだ説明、PR にもなる。我々、民間企
業はまず今日明日の仕事がありますからなかなかそうジェネラルに捉えられないわけですよね。
ですからロ東貿にはある意味、オピニオンリーダーになっていただきたいですね。
投資にしても、投資法の本なんかはあちこちでいろんなものが出ていますが、法律面でも実
際面でも変更追加が多いので、一回毎に問題にぶち当たってやっていくしか今の現状では手が無
いような感じがするんですよね。そういうのをうまく整理しながらセオリーを作ってもらい、そ
れに基づいてセミナーをしてもらったり文章にしてもらったりするとたいへん助かります。
― 仕事以外の時間はどう過ごされていますか?
出張が結構多くて土日もモスクワにいないことが多いんですが、モスクワにいれば家族と一
緒に買い物ですね。それが結構気分転換になります。あとは、サウナですね。それとおいしいレ
ストランがあればできる限りトライしています。 (I) (N)
広 告
IBR社 ニューレポート: ロシアの輸出ライセンス制度、その法律と実際
− 原子力関連、軍民両用技術、ハイテクの輸出に際して −
LICENSING IN RUSSIAN EXPORT CONTROL: LAW AND CURRENT PRACTICES
70 ページ, 図 14, 表 3, 付録 3 点
→ http://www.ibrco.ru/ntd/TRS07N2002.html
Scope of the Manual
•
•
•
goals and objectives of export control (EC) in Russian Federation (RF);
the legislative and regulatory bases of EC in RF;
legislative and executive federal authorities involved in the formation and operation of EC system
in RF;
• general chart of export licensing;
• detailed EC procedures as adopted for particular categories of the exported commodities,
technologies, technical and other documentation, etc.;
• the list and descriptions of documents that are to be prepared in order to pass EC procedures;
• the list and descriptions of documents proving the observance of EC rules;
• terms and costs of particular EC procedures;
• departmental and internal EC systems and principles of their operation;
• typical technologies used to infringe EC rules;
• the amenability for EC infringements as provided for by the current RF legislation
• a brief survey of the published facts on EC system violation in RF
• recommendations to foreign partners on the observance of EC rules and procedures in making
deals with Russian enterprises
価格: E-mail $450 Had copy $490+送料
IBR社 WEB: http://www.ibrco.ru
E-mail: [email protected]
℡113-8718
9
日ロビジネス最前線
「ヒノキ」プレゼンテーション
5月30日、日本の高級化粧品(同社では「肌粧品」と呼んでいる)メーカーである「ヒノキ」
(本社 東京、工場 伊豆長岡)がナショナル・ホテルでプレゼンテーションを行い、70人以上
の出席者で賑わった。
同社は2000年5月から㈱マルナカインターナショナル(東京、中尾社長)を通じてロシア
市場への販売を開始し、フィットネス・クラブの大手である「プラネット・フィットネス」(モ
スクワ3ヶ所、サンクト・ペテルブルグ2ヶ所)に商品を置く形で順調に売上を伸ばしてきたが、
この度ロシア販売総代理店「オリエントプロ」(ナウモワ社長)がモスクワに設立され、「プラネ
ット・フィットネス」以外へも販売拡大を図るという。
日本の化粧品はロシア人の間で大人気を博しており、資生堂やカネボウの製品を目にするのも
当たり前になってきた。ロシア人女性は美容には惜しみなくお金を使うので、中産階級の拡大と
ともに、
「ヒノキ」の未来も明るいと言えよう。 (I)
ロシア地域情報 : 沿海州
イズベスチヤ(2002年4月4日)に掲載された露中貿易に関する興味深い記事を紹介する。
本当にこのような施設ができるのか今後注目する必要がある。
国境貿易経済センターの建設
ロシア沿海州と中国黒龍江省の国境に貿易経済センターを建設するプロジェクトが始動した。
これが完成すれば露中貿易を根本的に変える可能性がある。この施設はパスポートコントロール
および通関に関して特別のステイタスを持ち、両国のトレーダーはビザ無しで入ることができる。
このセンターができれば、かつぎ屋貿易は激減し、金融は4∼5倍に拡大して50∼70億ド
ルに達すると見られている。第二期工事終了後のセンターの利益は年間1千万ドルを見込んでい
る。このようなセンターの建設は既に1999年6月2日付けの政府間(沿海州と黒龍江省)協
定にあったが、現在まで着手が遅れていた。センター建設のために沿海州のポグラニーチヌイ村
は200haの土地を提供した。センターができれば、ロシア人は誰でもパスポートを見せるだ
けで、マイカーで乗り入れることができ、ビジネスを済ませ、帰宅することができる。中国人も
同様だ。しかも、中国では禁じられているカジノも楽しむことができる。但し、元来た方向に戻
らねばならず、通り抜けはできない。
工事は3期に分けて行われる。第1期は敷地60haで、ビジネスセンター、保税倉庫、ホテ
ル、店舗、インフラ施設が建設される。第2期はレジャー用キャンプ地、レストラン、スポーツ
10
施設、スキー場が、第3期は軽工業、食品工業、木材加工業の企業が建てられる。
プロジェクトを任せられたのはイーゴリ・ベリチュークという、前ナズドラチェンコ知事の時
代には副知事を務めていた人物が率いるコンサルタント会社「プリモーリエ」だ。
総工費1億2千万ドル、そのうち64%は直接投資で、36%がクレジットだという。
売りたい・買いたい
ロシア企業から日本企業への「何かを売りたい」あるいは「何かを買いたい」という情報をご
紹介します。但し、これらロシア企業の信頼性ないしオファーの内容につきましては当会は責任
を負えませんので、ビジネスリスクは各自でご判断下さい。
[買いたい]
買いたいもの: 珪藻土浄化設備 ― 100年分の埋蔵量を持つ珪藻土産地を取得。食品
産業用(特にビール製造)の濾過パウダーを作りたい。そのために珪藻土からアルミニウム
塩、鉄分、粘土質を取り除く設備が必要。日本によい設備ありと聞いた。
[ ご関心の方は池田までご連絡下さい ― [email protected] ]
有限会社 Kardinal(ウリヤノフスク)
設立: 1995年
業種: ガソリンの販売、石油基地とガソリンスタンドを2軒所有
年商: 1125万ドル(2001年)
主用取引相手: TNK、Yukos,Sibur
[買いたい]
買いたいもの: 日本の中古の設備(オーディオカセット、ビデオカセット製造用)
会社名: NBC Ltd.
(ニージュニイ・ノブゴロド)−機械製造企業
担当者: Oleg Plekhanov, Chief Manager [email protected] ℡8312-19-4470
[売りたい]
売りたいもの: 発明「簡単に脱着できるタイヤ/ホイールシステム」
(特許申請中)
発明者: Makarjyan A.M.(ロストフ・ナ・ダヌー在住のエンジニア)
特長: ①設備や特殊な工具なしに、簡単にタイヤの脱着ができる
②ホイールの凹面とタイヤの凸面が噛合うことにより、タイヤは装着される
③パンク等で空気圧が減っても、ホイールからタイヤが外れない工夫あり
④従来大きな容積と重量が負担となっていたスペアホイールの搭載が不要となる
⑤トラックにも乗用車にも適用可
連絡先: 池田 [email protected] まず資料を差し上げ、本人にもご紹介します。
11
お薦めビジネスランチ
СУШИ ВЁСЛА (スシ・ヴョースラ)
住所: Никольская ул. 25 (地下鉄「ルビャンカ」駅1分) ℡937−0521
ビジネスランチ: 月−金12:00−16:00 360ルーブル($12)
ルビャンカ広場の一角、ジェツキー・ミールの向かいにあるノーチラス・ビルの地下1階。
店の名前は「漕ぎ方やめ!」(櫂を干せ)というロシア語と「スシ」をかけてあり、店内も櫂
のインテリアが照明も兼ねるおしゃれな作り。回転寿司コーナーもある。ロシア人ビジネスマン
で賑わっている。ビジネスランチは、寿司を中心にお茶、味噌汁、ヤキソバまたは炒飯、デザー
トとしてティラミスまで付いており、味も立派! 一度試してみてはいかがでしょうか。
お薦めインターネットサイト
Russigator
ロシア情報ステーション http://www.ai.wakwak.com
ロシアの政治、経済、人物辞典、歴史、憲法、生活、美術等の説明、紹介がかなり詳細に
盛り込まれており、初心者にも分かりやすいコンテンツ。ニュースもほぼ毎日更新されてい
るのでロシアに関するホットな情報が日本語で読める。掲示板も政治に関するものと一般に
関するものがありロシアに興味のある人が書きこみに参加していて情報交換の場にもなって
いる。HP 管理者は株式会社 CPM (CPM は東京に本社を置くコンサルティング会社です)。
モスクワで流行っているもの
高級マンション, 郊外の別荘,
ハイパーマーケット, 日本レストラン,
コーヒー専門店, 緑茶, ドラッグストア,
女性ドライバー, 海外旅行,
フィットネスクラブ, 日焼けサロン, エステ,
ボーリング, スキー場, レンタルビデオ, 携帯電話
次に来るものは?
12
求人・求職コーナー
【求 職】
z
モスクワ大学ジャーナリスト学部ロ日マスメディア文化センター5年生
z
日本語、英語堪能
z
学業の一環として日本の経済、ビジネス、文化に触れるため、日本企業モスクワ事務所
で1∼2ヶ月業務補助として働くことを希望(無給でよい)
連絡先: ロ日マスメディア文化センター事務局マリーナ・サヴィンツェワ
電話 203-2858
[email protected]
またはロ東貿ボロンツォフ [email protected]
*このコーナーに掲載ご希望の方は [email protected] まで。
広 告
外資系保険会社AIG Russia 日本企業向け特別プログラム
スタッフの海外傷害保険等、日本企業のみを対象とした格安のオファーです。ぜひ
お問い合わせ下さい。
AIG Russia Insurance Company has been providing high standard insurance services to
corporate clients in Russia since 1994. It's the sole entity in Russia with Standard & Poor's
highest "AAA" rating. Due to the fact that Japan Corporate Market has vital importance for
AIG Group all over the world, AIG Russia has designed and customised a specialised
insurance product for Japan corporations and firms doing business in Russia. The mentioned
program is aimed for exclusively Japan Businesses and encompasses Accident and Health
Insurance for corporate employees. It's worthy to mention that insurance rates in respect to
this program are quite low, compared to average market rates. Moreover, all the contract &
business procedures have been simplified to meet Japan Businesses corporate needs and
budgets.
For more information please contact Gor Karapetian at
[email protected] , AIG A&H Department.
tel: (095) 935-8950,
13
ロ東貿の出版物
調査月報
2001年12月号 特集◆ソ連解体から10年
―新興独立諸国の群像―
2002年1月号 Ⅰ. 北東アジア経済の新発展に向けて―日ロ経済関係を中心に
Ⅱ. 正念場のロシア経済−2002∼2003年を占う−
Ⅲ. モスワワでの代表事務所設立と運営の諸問題(5)
Ⅳ. ロシアの新興財閥の企業戦略について
Ⅴ. タジキスタン共和国の市場経済化:その政策体系と進歩状況
Ⅵ. モルドバの再出発−移行には厳しい社会的な対価があった−
Ⅶ. ロシア連邦アストラハン州について
経済速報
No.1223 4月5日 特別寄稿 アゼルバイジャン経済改革支援セミナーへの参加報告
No.1224 4月15日 2001 年のCIS 諸国の経済(上)
No.1225 4月25日 2001 年のCIS 諸国の経済(下)
No.1226 5月15日 資料紹介『ヴラースチ』誌のロシア業界シリーズを読む
No.1227 5月25日 特別寄稿 ロシアのWTO 加盟交渉の焦点と見通し
エコノミックトレンド
2001年No.2 CIS諸国の経済トレンド
技術関係
2月20日 ロシア技術ニュースレター No.6 バイオテクノロジー関連研究開発機関その2
3月 ロシア極東技術フォーラム(2001年11月コムソモーリスク・ナ・アムーレ, 2002年
2月 ウラジオストック)報告書
14
ロ東貿関連の行事
6 月 5 日(水) モンゴル投資セミナー(東京)
6 月 30 日(日)∼7 月 5 日(金) 極東ミッション(高垣会長団長、ウラジオストック、
ハバロフスク)
7 月 3 日(水)∼4 日(木) 第18回日本ブルガリア経済合同会議(ソフィア)
7 月 11 日(木)∼12 日(金) EBRDセミナー(東京)
秋 第7回日本ウズベキスタン経済合同会議(東京)
対ロシア支援事業
・ 企業経営指導
①サランスク缶詰工場(コンデンスミルク、グリーンピース缶等製造)
平成 13 年度より継続して実施中
②ノヴゴロド機械製作工場(梱包機械製造) 8 月より指導開始
③㈱RAKS-M(エカテリンブルグ、アルミサッシ製造) 8 月より指導開始
・ 日本におけるロシア人企業家研修 − 随時実施しておりますので、詳しくは当会
ホームページをご覧下さい。 www.rotobo.or.jp
ご意見,ご要望,ご質問,メールアドレスの変更・追加に関しては下記へご連絡下さい。
[email protected]
編集責任者 池田正弘 編集スタッフ V,N,D
(社)ロシア東欧貿易会 モスクワ事務所
Moscow, Krasnopresnenskaya nab.12
Hetel Mezhdunarodnaya-2 room 534
Tel. 7-095-258-2362 Fax.7-095-258-2365
15