男性の料理に関する 意識・実態の変化 日清オイリオグループ㈱ ○小林愛子、松山綾、上田善博 【背景】 1997年に「男性の料理に関する意識・実態調査」を実施。 男性の料理実施率や意識、腕前は、社会・家庭・消費環境 による影響を受け変化していることが推測される。 <男性の料理に関する意識・実態調査> 対象:既婚男性 20-60代 ⇒大方の男性が料理を作れるものの 趣味の領域 1997 2009 ・男性アイドルグルー プによる料理番組が ブーム ・家庭科の男女共修実施 1993年中学校 1994年高等学校 ・有職主婦の増加 (妻就業世帯割合: 2000年 54.8% →2009年 60.7%) ・巣ごもり消費による 自炊の増加 ・男性の料理が話題に (料理本、料理教室、 弁当作り等) 【目的】 男性の料理に関する意識・実態について、 1997年からの変化、及び2009年の動向を把握する。 【調査方法】 1997年 2009年 調査対象 既婚男性 20-60代 既婚男性 20-60代 調査時期 1997年10月 2009年7月 調査項目 男性の料理に関する実態・ 意識、食生活、生活全般、 プロフィール等について (計37問) 男性の料理に関する実態・ 意識、食生活、生活全般、 プロフィール等について (計53問) サンプル数 384名 799名 調査手法 郵送調査 インターネット調査 ※各年代構成は、日本の実年代構成に合わせて補正したデータを使用 【結果】 1.男性の料理実施状況について 2.男性の料理に対する意識について 3.男性の料理の腕前について 1.男性の料理実施状況について 料理を作る頻度 ほぼ毎日 0% 1997年(n=376) 週数回 20% 専業主婦(n=348) パートタイム(n=213) フルタイム(n=230) 100% 9.8% 25.8% 2009年(n=799) 妻の就業形態別 月数回 年数回 全く作らない 40% 60% 80% 0% 20% 40% 60% 18.7% 28.2% 34.4% 「週数回」以上作る割合は、大幅に増加 妻が働いている人ほど、頻度が高い 80% 100% 2.男性の料理に対する意識について 料理を作る理由(家庭で料理を作る人) 47.2% 40.0% 40 ポジティブな項目が全体的に増加 経済的な理由も高い割合 家 族 の 作 った (買 っ た )も の が 口 に 合 わ な いか ら 「自 分 で な け れ ば 」 と いう 料 理 法 や 味 付 け があ る から 自 分 が 作 った 料 理 を 食 べ て み た いか ら 作 った 料 理 を ほ め て く れ る 人 が いる か ら 家 族 (友 人 ・知 人 ) の喜 ぶ 顔 を 見 る の が 楽 し いか ら 興 味 が あ り 、好 き だ から 料 理 を 作 る 手 作 り の方 が 経 済 的 であ る か ら 0 46.0% 20 自 分 の老 後 のた め 60 料 理 を 作 る こ と に自 信 があ る から (%) 2009年 n=599 n=248~252 1997年 [複数回答] 料理を行う際の意識 [複数回答] 39.6% 37.3% 40 料理に対する積極性と、生活者視点が増加 24.7% 24.6% イ ン ス タ ン ト食 品 や レ ト ル ト食 品 を よ く利 用 す る 多 少 高 く ても 良 質 な食材を選 ん で い る 食 品 の お 買 い得 商 品 情 報 に関 心 が あ る 新 し い メ ニ ュー に チ ャレ ン ジ す る こ と があ る 料 理 を 通 じ て家 族 の コミ ュ ニケ ー シ ョンを 図 って い る 0 49.9% (%) 60 簡便性 経済性 積極性(家庭で料理を作る人) n=799 2009年 n=358~381 1997年 n=599 2009年 n=251~254 1997年 20 3.男性の料理の腕前について 本を見たり、人に聞いたりすることなく自分で作れるメニュー 茶碗蒸 し グ ラタ ン :和食 :ワンディッシュメニュー 魚 の煮 付 け 手 作 り ハン バ ー グ 肉 じ ゃが 「ワンディッシュメニュー」が大幅にアップ 「和食」は大きな変化はなし 唐揚げを揚げる と ん か つを 揚 げ る 天 ぷら を 揚 げ る だ し か ら 取 った 味 噌 汁 すき焼き ス パ ゲ テ ィー を 茹 で て 味付 け お 好 み焼 き 市 販 の ルー で カ レー ラ イス 野 菜 サ ラダ チ ャー ハン 野 菜 炒 め ・焼 そ ば ご飯 を 炊 く 目 玉 焼 き ・玉 子 焼 き トー ス トを 焼 く イ ン スタ ン トラー メ ン (袋 麺 ) 0 n=799 2009年 n=358~381 1997年 (%) 100 80 60 40 20 ワンディッシュメニューを作れる人 カレーライス (%) 100 80 スパゲティー 1997年(n=377) 2009年(n=799) +31.7 (%) 100 +25.5 80 60 60 40 40 20 20 0 0 30代 40代 50代 60代 +34.7 +22.8 +27.8 20代 2009年(n=799) +35.5 +16.4 全体 1997年(n=379) +35.3 全体 20代 30代 40代 20、50、60代が大幅にアップし、全体が増加 50代 60代 和食を作れる人 魚の煮付け (%) 60 天ぷら 1997年(n=377) 2009年(n=799) (%) 60 1997年(n=378) 2009年(n=799) +21.0 +20.7 40 +1.6 40 +0.5 20 20 0 0 全体 20代 30代 40代 50代 60代 全体 20代 全体に大きな変化は見られなかったが、 20代では大幅に増加 30代 40代 50代 60代 料理を覚えた方法(2009年) [複数回答] 20代(n=40) 30代(n=160) 40代(n=179) 50代(n=207) 60代(n=213) (%) 80 52.9% 60 35.4% 40 21.6% 20 学 校 の家 庭 科 の授 業 で学 ん だ 20代は「母親」「学校の授業」から、 60代は「妻」から料理を覚える イ ン タ ー ネ ット で覚 えた 妻 から 学 んだ 母 親 から 学 んだ 料 理 雑 誌 ・料 理 本 を 見 て覚 え た 自 然 に でき る よ う に な った 0 【まとめ】 1.男性の料理実施状況について ・料理の実施率は増加していた。 ・実施率の増加には、妻の就業率の増加が影響していることが 推測された。 2.男性の料理に対する意識について ・料理を作る理由についてポジティブな意識が増加していた。 「経済性」に関する項目も高くみられた。 ・料理を行う際の意識について、「積極性」と同時に 「経済性」「簡便性」など生活者としての意識が増加していた。 3.男性の料理の腕前について ・「ワンディッシュメニュー」を中心として料理を作れる割合が増加した。 ・「和食」を作れる割合はあまり増加していなかった。 ・20代では「和食」を作れる割合、「母親」「学校」から料理を覚えた 割合が高かった。 ・60代では「ワンディッシュメニュー」を作れる人が増加し、 「妻」から学んだ人が多かった。 【考察】 ・男性の料理の位置付けは、 「趣味」から「日常」へとなりつつある。 ・特徴的な実態がみられた20代、60代の 影響により、男性の料理には、さらなる 変化が予測される。
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