10 流通政策論 Japanese Distribution Policy 講義・半期・2単位 加藤 司 対象年次:全年次 【授業の目標及びテーマ】 戦後の日本の流通政策の展開過程を振返ることで、それぞれの時代の経済的課題との関係性を明らか にしながら、日本の流通政策の特質を理解する。 【授業の概要】 近年,流通では買い物難民が現れる等,市場メカニズムによって解決出来ない問題が生まれている。 「大店法」が廃止された2000年以降、大型店は周辺住民の環境(騒音、ゴミ、駐車場)基準をクリアーできる限り、基 本的に出店が自由になった。市場メカニズムに対する信奉が増える一方で,郊外型SCの開発が活発化し、中心 市街地の商店街の衰退に拍車がかかり、シャッター通りと言われるほどに疲弊した。日本の流通政策は、戦後の 過剰労働力の吸収という課題から始まって、それぞれの時代の経済的状況と密接に関係している。経済と流通政 策との関係という切り口から、日本の流通政策の歴史的展開を議論することにしたい。 【授業計画】 第1回:はじめに 第2回:復興期の流通政策 第3回:独禁法の改正 第4回:物価問題と流通政策 第5回:高度成長期の流通政策 第6回:石油ショックと大店法 第7回:独禁法と系列化政策 第8回:中央卸売市場法 第 9回:ボランタリーチェーンによる組織化政策 第10回:バブル崩壊と流通規制緩和 第11回:大店法の廃止とまちづくり三法 第12回:まちづくり三法の改正 第13回:買い物難民対策と流通政策 第14回:まとめ(1) 第15回:まとめ(2) 【評価方法・評価基準】 提出されたレポート、授業への参加意欲と学期末試験の成績を総合的に判断する。 【テキスト又は参考書】 加藤司・石原武政編著『地域商業の競争構造』中央経済社、2009年。 石原武政・加藤司編著『日本の流通政策』中央経済社、2009年。 【受講生へのコメント】 商業概論や小売商業論、卸売商業論の講義を受講した学生に対し、これまで断片的にしか話すことが できなかった流通政策についての問題を議論するので、是非受講して欲しい。 − 19 −
© Copyright 2024 Paperzz