アニュアルレポート 2016 ANNUAL REPORT 2016 大塚家具は、 前に進みます。 01 ● IDC OTSUKA 大塚家具は、お客さまの幸せを いちばん大事に想い大切にします。 インテリアには暮らしを変えるチカラがある。 お客さまの「想い」と、大塚家具の「提案」で、 お客さまの幸せを共に創り、 幸せへの想いに応えていきます。 紡いできた歴史を大切にしながら 新たな未来を創造していく IDC 大塚家具の姿勢を 新ロゴデザインに込めました。 ANNUAL REPORT 2016 ● 02 長期の実績推移と沿革 お客さまに愛され、選ばれる お店づくりを目指して。 「顧客満足のためにできることは何か?」 創業以来、私たちが追求し続けてきたことです。 インテリアアドバイザーによるきめ細かな対応、豊富な品揃えと広大なショールーム。 これからの発想と実行の原点は、お客さまの満足です。 時代が変わり、お客さまの期待やニーズも変わりました。顧客満足の精神に立ち返り、私たちは前に進みます。 「住まうこと」のすべてに貢献できる企業を目指して、果敢に挑み続けます。 大阪南港ショールーム (1997年~) 名古屋栄ショールーム (2007年~) 有明本社ショールーム (1996年~) 新宿ショールーム (1999年~) 1993 03 ● IDC OTSUKA 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 沿革 中期経営計画 目標数値 594 億円 営業利益 19 億円 当期純利益 14 億円 売上高 1969年 3月 株式会社大塚家具センターとして創業 4月 第1号店を春日部駅西口に開設 1979年 7月 本社を千代田区九段北に移転 1980年 6月 1984年 6月 株式を店頭登録銘柄として登録 (現 東京証券取引所JASDAQ (スタンダード) 上場銘柄) 本社を千代田区有楽町に移転 1989年 9月 「横浜サービスセンター」 設置 「IDCジャパン横浜ショールーム」 開設 (百万円) 80,000 1993年 4月 会員制総合インテリアショールーム 「日比谷ショールーム」 開設 1994年 7月 関西第1号店として 「神戸ショールーム」 開設 1995年 6月 「大阪ショールーム」 ( 1997年9月 「なんばショールーム」 に改称) 開設 1996年 3月 70,000 銀座本店(2010年~) 60,000 本社を江東区有明に移転 (現 本社所在地) 4月 日本最大(家具・インテリア専門店として) 「有明本社ショールーム」 開設 1997年 4月 埼玉県最大 「春日部ショールーム」 開設 9月 西日本最大級 「大阪南港ショールーム」 開設 1998年 1月 「青海サービスセンター」 設置 4月 「名古屋ショールーム」 新装オープン 1999年 3月 「幕張ショールーム」 開設 50,000 40,000 30,000 6月 初の九州地区出店となる 「小倉ショールーム」 開設 9月 首都圏最大級 「新宿ショールーム」 開設 10月 「大阪港サービスセンター」 設置 2002年 9月 九州最大級 「福岡ショールーム」 開設 2004年 4月 神奈川県最大級 「横浜みなとみらい ショールーム」 開設 10月 初の東北地区出店となる 「郡山ショールーム」 開設 2005年 12月 「所沢アウトレット」 開設 2006年 「横浜アウトレット」 開設 5月 9月 2007年 20,000 2月 4月 (2008年9月 「所沢ショールーム」 に変更) 子会社として秋田木工株式会社設立 東海地区最大級 「名古屋栄ショールーム」 開設 「Modern Style Shop淀屋橋」 開設 10月 「名古屋星崎ショールーム」 開設 2009年 5月 「九州サービスセンター」 設置 10月 「仙台ショールーム」 開設 「仙台サービスセンター」 設置 10,000 2010年 10月 「銀座ショールーム」 開設 (2011年6月 「銀座本店」 に改称) 2011年 2月 「立川ショールーム」 開設 2014年 9月 2015年 10月 0 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 (E)2017 (E) 2016年 1月 「LIFE STYLE SHOP名古屋駅前」 開設 子会社としてリンテリア株式会社設立 初の北海道進出となる 「IDC OTSUKA サッポロファクトリー」開設 (現店舗を太字で記載) ANNUAL REPORT 2016 ● 04 新しいビジョンと変わらないこと/変えること 新しいビジョンに向かって、 変わらないこと 変えること 「住」を良くしたいという想い コーポレートガバナンス体制の強化 「良いものを安く」を提供し続ける事 ビジネスモデルの再構築 人を大切にした経営 消費者からの適正な認識 品質へのこだわり 店舗レイアウト・運営 単品買い需要への対応 販促活動とブランディング 05 ● IDC OTSUKA 、 私たちは走り出しました。 大塚家具のビジョン 「住」 は、 成長市場となる。 その成長市場で 「住まうこと」に必要な全てを 提供する企業へ INDEX 01 イントロダクション 07 トップメッセージ 11 家具市場の概況 13 大塚家具の強み 17 ビジネスモデルの変革 24 資本政策 25 コーポレートガバナンス 29 業績推移 31 貸借対照表 32 損益計算書 キャッシュ・フロー計算書 33 株式情報 34 会社概要 ANNUAL REPORT 2016 ● 06 トップメッセージ 大塚家具は 前に進みます。 代表取締役社長 企業価値向上に向けて 2015年12 月期は、新しい経営体制の発表を経て、 ビジネス モデルの再構築に向けスタートを切り、 「新生・大塚家具」 とし 来店頻度向上を企図したインテリアアクセサリーの充実など、 段階的にリニューアルを進めてきました。 ての幕開けの年となりました。 7月には、企業価値向上に向け、新ブランドビジョンを発表し、 2月には 「ビジネスモデルの変革」、 「積極的な株主還元」、 「開 暮らしを創造することを目指す新たなビジョンに基づき、 「企業 かれたガバナンス」 を骨子とする中期経営計画を策定しまし た。従来型のビジネスモデルから脱却し、創業以来の強みを生 かしながらも、 これからの「住」需要に応えるビジネスモデルを 再構築すること、 ビジネスモデルの転換を図る3年間は十分な 利益を確保することが難しい状況であり、株主の皆さまに報い るためDOE (株主資本配当率) を重視した積極的な株主還元 を実施すること、 そして課題となっていたコーポレートガバナン ス体制を強化するとともに、 コンプライアンスを徹底することを 高度な専門性を発揮しながら、顧客と共に考え、共に新しい ブランドロゴ」 「企業スローガン」 、 も一新しました。 10月には、閉鎖的なイメージからの脱却とインテリアを通じて 幸せを共に創る 「パートナー」 であり続けることを目指し、従来 の「価格のための会員制」から、お客さまとの継続的な関係を 築く 「IDCパートナーズ」 へ移行しました。 また10月には、お客さまより下取りや買い取りをした家具の 査定・補修・修理・管理・卸売り等を目的とし、当社100%出資 子会社「リンテリア株式会社」 を設立しました。下取りや買い取 お示ししました。 りを行ない、廃棄物を減らし資源を有効活用することで、買い 新たな経営体制がスタートした第2四半期以降は、中期経営 し、 より気軽にライフスタイルの変化に合ったインテリアを実現 計画に則ったビジネスモデルの再構築に向けた営業・マーケ ティング活動を行いました。 4月より店舗では、 「気軽さ」 と 「充実したサービス提供」 を両立 させる店舗を目指し、入口のオープン化、 お客さまが単独でご 覧いただいてもわかりやすいライフスタイル提案型の展示、 07 ● IDC OTSUKA 替えに伴う既存家具の処分に対するお客さまの抵抗感を軽減 していただける仕組みを導入しました。 11月、12月には、展示商品構成を見直し、一から売り場を作り 直して 「新しいOTSUKA」 に生まれ変わるため、 「全館全品売り つくし」 を実施し、2016年の大リニューアルに向けての準備を 整えました。 株式会社大塚家具は1969年の創業以来、総合インテリア企業として、お客さまにより豊かな住空間を提供すること を使命に、世界中の優れた商品を、 リーズナブルな価格と充実したサービスとともに提供することに注力してまいり ました。 「安いもの」ではなく、 「良いものを安く」が、昔も今もこれからも、大塚家具の基本です。 豊富な品揃え・リーズナブルな価格・充実したサービスという変わらぬ当社の強みを生かしつつ、 これからは、 お客さま と共に考え、共に新しい暮らしを創るパートナーとして、 より多くのお客さまに利用していただけるよう、気軽さと充実 したサービス提供の両立を目指し、店舗のリニューアルやオペレーション改革に取り組んでおります。 また、広告手法 の見直し、法人向け営業やリユース家具事業の強化も推進し、当社が有する住空間に関するサービスをより多くの方 に認知、 ご利用いただけるよう努めてまいります。 また、 ビジネスモデルの転換期において、2015年より社外取締役を2名から6名に増員し、 コーポレートガバナンス 体制の強化及びコンプライアンスの徹底を図っております。各々の個性や強みを最大限生かして経営に取り組み、 当社を取り巻く市場環境の変化を考慮した事業戦略を推進し、企業価値向上に向け全力を尽くしてまいります。 総合インテリアのリーディングカンパニーとして更なる飛躍を遂げる所存でおりますので、今後とも変わらぬご支援 ご指導を賜りますようお願い申し上げます。 国内家具市場の推移・質的変化 2015年は、新しいビジネスモデルを一定程度整備することが 近年、新設住宅着工戸数は減少しており、国内家具市場は基 できました。2016年は、 そのビジネスモデルを浸透させ、実効 本的に縮小傾向であるとの見方が強まっていますが、空き家を 性のあるものとして定着させていくことが最大のテーマである 除く住宅のストック数は年々増加しており、既存の住宅を改善 と考えています。 し、 自分らしい住まいを実現したいという想いや、住宅に対する 何かしらの問題意識を持っている方は多いのではないでしょう 引き続き、中期経営計画に沿って、既存店改革・新規出店・提 か。 また、 「衣・食・住」 の中で、 日本の 「衣」 ・ 「食」 は極めて成熟し 携販売強化・BtoB事業の強化など各種施策に取り組みます。 ていますが、 「住」 に関しては他の先進国と比較して、 まだまだ さらに、中価格帯への顧客の呼び戻し、 「買い替え・単品買い」 成長の余地があります。住まうことへの関心が高まる中、 それ 需要の掘り起こし、法人需要の取り込み、生まれ変わった当社 についてのソリューションを提供できれば、家具市場は大きな の認知拡大に努めます。 成長市場になり得ると考えています。 創業以来の強みを生かしながら、新しいビジネスモデルの構 日本の家具市場では、近年質的な変化が見受けられます。 築・浸透に取り組み、全社一丸となって企業価値向上に向け 1990年代、 インテリアは住宅という空箱を満たすための「備 邁進していきます。 品」 として捉えられる傾向にありましたが、新築需要が減少し 始めた2000年代以降は、衣食とともに「ライフスタイル」 を 構成する要素としてのインテリアへの関心が高まっています。 その結果、より自分らしいライフスタイルに向けて、少しずつ 買い足す単品買い需要が増えてきました。 「まとめ買い」から 「単品買い」 へと変化した消費者の購買トレンドを背景に、 これ からの「住」需要に応えるインテリアビジネスの構築が求めら れるようになりました。 ANNUAL REPORT 2016 ● 08 トップメッセージ ビジネスモデルの再構築 従前のビジネスモデルは、消費者の購入スタイルが変化する 中、販売スタイルやブランディングにおいて課題を抱えていま した。購入意志の有無に関わらず受付で氏名や住所の記載を 求め、最初から営業スタッフが接客に付くという販売スタイル や、高額な商品に焦点を当てた広告宣伝は、消費者の中に抵抗 感や入りづらいイメージを定着させる原因となりました。 当社は実際には、暮らしを豊かにする品質の良いリーズナブル な商品を豊富に取り揃えています。過去においては、低価格帯 の商品を扱う家具店の台頭や中価格帯におけるメインプレー ヤーとして即座に想起される家具店の不在により、顧客は低 価格帯へ流出していました。 しかし今後、当社が「良いものを 安く」 提供する中価格帯のメインプレーヤーとして認知される ようになれば、低価格帯から中価格帯へと顧客が回帰していく と確信しています。比較的安定した需要のある高価格帯につ いても、引き続き注力していきます。 当社が本中期経営計画期間において最優先で取り組むべきこ とは、 ビジネスモデルの再構築です。 まず、店舗運営の仕方、会 員制ビジネスのあり方を見直し、顧客により快適にお買い物を していただけるような姿にすること。 さらに、 そのような変化を遂 げた当社の姿を多くの消費者に知っていただくこと。 このような 取り組みにより、 「衣・食・住」 の中で 「住」 を充実させようという消 費者のニーズに応え得るビジネスモデルを構築していきます。 そのための戦略として、気軽さと充実したサービス提供の両立 を目指し、既存店を改革し、商圏人口の多い未出店地域への 新規出店も進めていきます。 また、商圏人口の少ない地方都市 においては、地方百貨店等との提携販売強化により、顧客の 取り込みを図っていきます。さらに、 日本が観光立国として今後 積極的に海外から人を呼び込む流れの中で、当社がもとより 得意とするBtoB事業の強化にも注力していきたいと考えて います。 中期経営計画とその後の価値創造 既存店改革 中・高価格帯の 「単品買い」 取り戻し ビジネスモデルの変革 成長と収益性向上 提携販売強化 法人需要取り込み 企業価値向上 2017年度 営業利益19億円 資本政策 コーポレートガバナンス強化 09 ● IDC OTSUKA 新規出店 DOE重視 2017年4.4% ホテル・高齢者住宅・企業 人材育成 資本政策 ビジネスモデルの再構築に伴い、受付から専任アドバイザーが 当社は2015年に策定した中期経営計画において、2017年度 案内する運用から、臨機応変に接客に入る運用に変更したこと に売上高594億円、営業利益19億円、当期純利益14億円の で、接客の機会は 「与えられるもの」 ではなく、 「自ら作り出すも 達成を計画しています。 しかしながら、 この計画を達成しても の」 へと変化しました。 それにより、販売現場においては、 インテ なお、満足のいく利益水準ではないと考えています。 ビジネス リアに関する広範かつ専門的なスキルに加え、お客さま一人 モデルを転換する中期経営計画期間中、十分な利益水準を 一人に合わせた柔軟な接客スキルが必要とされるようになり、 達成することが難しい状況の中、株主の皆さまに報いるため、 研修・教育にも変化が求められています。当社では、かねてよ DOE(株主資本配当率) を重視し、2015年12月期の配当金 り取り組んできた質の高いコンサルティングサービスを提供 を1株当たり40円から80円に引き上げました。 また、2016年 するプロフェッショナルの育成はもちろん、それぞれのお客さ 2月には、 資本効率向上を目的とし、 100万株を上限とする自己 まに適時適切に柔軟な対応ができる人材の育成にも注力して 株式取得を発表しました。 この3年間でのビジネスモデル転換 いきます。 そのために、当社独自の教育研修プログラムや社内 後は、利益水準を向上させるとともに、ROEを意識した適正な 資格制度により、高度な専門知識と技術を磨くとともに、販売・ 自己資本を確保していきたいと考えています。 接客における社外研修への参加機会も増やし、新たなスキル 修得に向けた取り組みも始めています。 ガバナンス BtoB事業や外商活動など今後より注力していく分野において は、本社と店舗の連携を強化しています。店舗スタッフにコント 本中計期間は、 ビジネスモデルの大きな転換点を迎える重要 ラクト営業部門での現場研修を積ませ、同部門で長年培ってき な局面にあり、 ストラテジー、 マーケティング、 コンプライアンス たノウハウを身に付け、 それを店舗での活動に生かし、各地域 等、 あらゆる面において外部からの助言や監督が不可欠です。 での法人営業・外商活動を活性化していきます。 現在、当社のガバナンス体制は社内取締役4名、社外取締役 6名、監査役4名は全員社外となっており、それぞれの分野に また、会社全体として持続可能な体制を確立するため、経営や おいて強みを持ったメンバーでバランス良く構成されています。 販売現場をリードしていく人材の育成にも重要課題として取り また、女性も4名在籍しており、 ダイバーシティの観点にも配慮 組んでいます。 マネジメント層には、管理職研修の受講や取締 しています。2015年11月には、指名報酬諮問委員会を設置 役会への陪席により、会社全体を見渡す広い視野を養う機会 し、役員の人事や報酬等に関する決定プロセスにおいて、独立 を設けています。 さらに、次期管理職候補の研修プログラム 性及び客観性を確保しています。社外役員と社内の主要部門 も新設しました。中長期的な観点で将来の経営を担う人材の に通じた社内役員との組み合わせで、様々なバックグラウン 育成に積極的に取り組んでいます。 ド・経験・知見を集約し、企業価値向上に向け一丸となって取り 組んでいます。 ガバナンス体制 取締役 監査役 2007年3月 社外比率0% 社外比率66.6% 社外比率28.6% 社外比率100% 2014年3月 2015年3月 2016年3月 社外比率60.0% 社外比率100% 社外取締役・社外監査役 ANNUAL REPORT 2016 ● 10 家具市場の概況 国内家具市場の概況 日本の家具市場規模は、1991年に6兆円を超えて以降縮小 2000年代以降、家具・インテリアは、住宅という空箱を満たす し、近年は約3兆円の水準となっています。 その背景には、家具 ための「備品」 から、自分らしいライフスタイルの実現に向けて 市場と関連の深い新設住宅着工戸数の減少が挙げられます。 少しずつ買い足す 「ライフスタイルを構成する要素」 へと変化し 家具市場は、過去において大規模小売店法による規制で競争 てきました。 「衣・食・住」の中で、 「衣」 ・ 「食」 は極めて成熟して が緩やかだったため、寡占化の遅れた市場でした。 しかし、規制 いるのに対し、 「住」の分野は未成熟であり十分に成長の余地 緩和と景気の停滞による競争の激化に伴い、家具小売の企業 があります。住まうことへの関心や問題意識が高まる中、消費 数は減少し、寡占化が徐々に進行しています。 また、低価格帯 者の潜在的なニーズを喚起し、 それについてのソリューション の商品を扱う家具店の台頭やインターネットを介した販売の を提供することで、家具市場は大きな成長市場になり得ると 普及など競争環境も変化しています。 当社は考えています。 家具市場 規 模・新設住宅着工戸数・IDC大塚家具売上高の推移 輸入家具(百万円:左軸) 国産家具(百万円:左軸) IDC大塚家具売上高(万円:左軸) 新設住宅着工戸数(戸:右軸) 8,000,000 7,000,000 1,800,000 1,600,000 1,400,000 6,000,000 1,200,000 5,000,000 1,000,000 4,000,000 800,000 3,000,000 600,000 2,000,000 400,000 1,000,000 0 200,000 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 大手家具小売業・卸売業・製造業企業数の推移 主要家具販売店の売上高及び市場シェア 企業名 小売業 1,600 卸売業 1,400 1,200 製造業 643 800 600 467 340 231 400 200 0 361 310 506 1996 461 1999 352 2002 200 303 2004 281 170 263 2007 555 99.9% 554 1.6% 76 95.0% 72 0.2% 155 70.0% 109 0.3% 1,549 27.7% 429 1.2% (株)バルス 325 34.0% 111 0.3% (株)ナフコ 2,222 23.2% 516 1.5% (株)良品計画 2,602 15.6% 406 1.2% 76 75.0% 57 0.2% 1.2% (株)カッシーナ (株)アクタス 245 (株)ミサワ 130 イケアジャパン(株) 191 (株)ニトリホールディングス 2015 2014売上高(億円) 家具売上シェア 家具売上高(億円) 市場シェア (株)大塚家具 (株)島忠 578 1,000 全国百貨店家具売上高 771 55.0% 424 4,172 45.8% 1,911 5.5% 62,124 1.3% 785 2.3% (出典)国産・輸入家具市場規模:株式会社アイク家具経済研究所、新設住宅着工戸数:国土交通省建築着工統計調査 大手家具小売業・卸売業・製造業 企業数の推移 (*売上高3億円以上、税引前利益4千万円以上) :株式会社ファニチャーリサーチ 「家具企業要覧」 他社売上高・家具売上シェア・家具売上高:各社決算短信と株式会社矢野経済研究所 「ホームファッションブランド2015」 をもとに当社作成 11 ● IDC OTSUKA 0 大塚家具の市場ポジション 当社では、家具からカーテン・照明・インテリアアクセサリーま 一方で、当社の従前のビジネスモデルは、 「新築・まとめ買い」 で、国内はもとよりヨーロッパ・アメリカ・アジアなど世界中から などの顕在需要に対し効果的に機能する反面、新築需要に対 選りすぐり、極めて豊富な種類の商品を取り扱っています。 する依存度が高く、新設住宅着工戸数などの外部環境に業績 また価格帯においても、普及品から最高級品まで取り扱い、 が影響を受ける側面もありました。 家具業界では最も幅広い品揃えを誇っています。 現在は、従来の強みを生かしながらも、重要性を増している 「買 さらに、長年培ってきた商品開発力と他社に先駆け確立した い替え・単品買い」需要を積極的に獲得していくため、 ビジネス 流通システムによる商品調達力を背景に、最低価格保証を含 モデルの再構築に取り組んでいます。 め、 高い価格競争力を実現しています。 2015年には、欧米に比べて遅れている家具のセカンダリー 加えて、 コンサルティングサービスに代表される充実したサー 市場の創出も念頭にリユース事業にも着手しました。 ビスは、 品揃え・価格とともに当社の重要な強みです。 新しいビジネスモデルの実効性を高め、市場シェアの拡大を 目指していきます。 主要家具販売店の取扱商品価格比較 最高級品 高級品 中級品 IDC大塚家具 専門店A 百貨店 専門店B 専門店C 専門店D 普及品 ANNUAL REPORT 2016 ● 12 大塚家具の強み 豊富な品揃え 当社は、1969年の創業以来培われた商品価値を正しく見定め 得意分野がそれぞれ異なる国内外の工場ネットワークを活用し る確かな 「眼」 を生かして、国内外26ヶ国・約450社の協力工場 て、オリジナル商品を開発しています。デザインカテゴリーに と世界でも類を見ないネットワークを構築しています。世界各国 加え、お客さまのニーズに応じた機能・素材面での開発なども の工場の技術・デザイン水準などとともに、為替動向などの 行なうことで、あらゆるお客さまのテイストやライフスタイルに 環境変化を見極めながら、最も有利な条件下での商品調達や 対応する過不足のない商品構成の実現を目指しています。 開発を行なっています。 開発・販売・アフターサービスまで一貫して行なっている当社 工 場ネットワークから集まる商 品に関する膨 大な情 報 が だからこそ、様々な場面でのお客さまの声を商品開発にフィー 70,000種以上の品揃えを支えています。世界中から最も競争 ドバックすることができるのです。 力のある商品を選び抜いているからこそ、お客さまに自信を このような商品開発により、店舗の展示やお客さまへのプレゼ もって提供できるコストパフォーマンスの高い商品を揃えるこ ンテーションがしやすくなり、魅力的なトータルインテリア提案 とができるのです。 を行うことも可能になります。 協力企業分布 原産国別売上高比率推移(%) 100 80 60 10.0 11.1 10.8 10.7 10.0 日本 13.3 14.5 16.6 16.4 17.8 アメリカ 26.1 25.2 23.9 23.2 23.7 0.2 2.1 0.2 2.3 0.1 2.5 0.0 2.4 0.0 2.2 46.4 45.9 47.1 46.2 40 20 0 協力企業数 48.0 2011 13 ● IDC OTSUKA 2012 2013 2014 2015 米州 293 19 イギリス 7 イタリア 52 カナダ 1 ノルウェー 2 シンガポール 1 パキスタン 1 スイス 2 フィリピン 1 スウェーデン 1 フランス 4 3 ベトナム 3 2 イラン 1 スペイン インドネシア 2 タイ ベルギー 2 オセアニア オーストラリア 1 デンマーク 18 台湾 2 その他 オーストリア 1 ドイツ 19 中国 10 オランダ 1 トルコ 1 欧州 アジア 日本 (計450社) リーズナブルな価格 かつての家具業界の流通は、 「商品を製造する工場」 「企画する そのものも低減します。 したがって仕入原価が大幅に引き下げ メーカーや産地問屋」 「品揃えをして在庫を持つ問屋」 「販売する られ、高い粗利率を確保しながらも、販売価格を低く設定するこ 小売」 の4段階で構成されていました。多段階の流通には、品揃 とができるのです。全社の在庫と受注状況を一元管理するとと えにかかるコストや在庫のリスクを分散するという機能もありま もに、市場動向の分析に基づいた計画発注を行うことで、適正 すが、複雑な流通経路を経ることにより価格は高くなります。 な在庫管理に努めています。 また、 もともと競争力のある商品を 当社は1969年の創業以来、他社に先駆け独自の流通システム 中心に在庫を持つため、当社独自の販売ノウハウによって計画 構築しました。問屋や商社といった中間業者を介さない工場と 的に販売し、売れ残りリスクを商品価格に転嫁させることなく、 の直接取引のため、中間マージンをカットします。また、計画 リーズナブルな価格を実現しています。 発注による大量取引により、工場の生産性が上がり、製造原価 製 造 企 画・ 開 発 在 庫 販 売 工 場 I DC 大 塚 家 具 (メーカー/商社/問屋/小売の役割を同時に) 消費者 当 社 国産・輸入品 子会社 秋田木工株式会社 1910年、秋田県湯沢市で創業した 「秋田曲木製作所」 は、 ドイ ツで発明された曲木技術を磨き上げ、軽くて丈夫な曲木家具 を1世紀にわたり作り続けてきた専門工房です。2006年9月、 高齢社会も背景に、軽くて動かしやすく安心して使える丈夫な 家具の開発・製造を充実させることを目的とし、当社100%出資 により 「秋田木工株式会社」 を設立しました。また、優れた家具 職人を守り、職人の技術を次世代に継承することで、機械では 生み出せない繊細なフォルムとお客さまのニーズを反映した 機能性や実用性を兼ね備えた商品の開発・製造を実現してい ます。秋田木工株式会社の伝統技術と日本を代表するデザイ ナーのコラボレーションが生み出した数々の商品は高く評価 され、 グッドデザイン賞にも選定されています。 リンテリア株式会社 2015年10月、 お客さまより下取りや買い取りをする家具の査 定・補修・修理・管理・卸売り等を目的とし、当社100%出資に より 「リンテリア株式会社」 を設立しました。下取りや買い取りを 行ない、廃棄物を減らし資源を有効活用することで、環境問題 にも配慮しています。 買い替えに伴う既存家具の処分に対する お客さまの抵抗感を軽減し、 より気軽にライフスタイルの変化 に合ったインテリアを実現していただける仕組みを導入しまし た。 また、確かなメンテナンスにより蘇った商品は、 インテリアの 質を維持しながらもコストは抑えたいというニーズにも応えら れると考えています。 ANNUAL REPORT 2016 ● 14 大塚家具の強み 充実したサービスを支える人材基盤 当社では、約900名のインテリアアドバイザーが、高度な専門 知識を生かし、 お客さまのニーズに合わせ、個々の商品説明か ら暮らし方に合わせたスタイリングまで丁寧にコンサルティン グをしながら、住空間を提案します。インテリアのプロフェッ ショナル育成のために、当社ではスタイリング技術や商品知識 など、経験や実力に応じて受講できる総合的なプログラムを 整えています。その上で、 インテリアに関する一般的な諸資格 の要件はもちろん、 さらに広範かつ高度な知識と技術、そして 優れた実績を要件とする社内資格制度 「IDCインテリアプロ フェッショナル制度」 を設けて、高度な専門知識と技術を備えた 人材の充実に努めています。 販売現場を支える本社各部門も、互いに、あるいは店舗と連携 しながら業務に当たっています。日々の接客から汲み取ったお 客さまのニーズを、協力工場各々の得意分野を生かした当社 オリジナル商品の開発に役立て、お客さまの視点を意識した 商品開発を行う 「商品部」 、迅速かつ効果的な営業戦略の立案・ 管理を行う 「営業本部」 、物流の拠点であるサービスセンターを 統括し、入出荷・在庫管理・配送等・物流業務全般を担う 「流通 本部」 。一級建築士をはじめとする各種専門家を擁する 「コント 15 ● IDC OTSUKA ラクト営業部」 では、店舗に属する法人・外商担当スタッフに、 同部での現場研修機会を設けノウハウを共有し、各地域での 法人・外商活動の活性化に努めるなど、 BtoB事業の強化を 図っています。 2015年10月には、執行役員規程を改正し、従来の部門を統括 するマネジメント職に加え、販売現場等で専門的分野を担当 するエキスパート職にも執行役員の選任枠を設けるなど、 個々の専門性を徹底的に磨き、 レベルアップしたいという意欲 を支援する体制を整えました。 さらに、優秀な人材確保のため、様々な雇用制度や福利厚生 制度を設けています。キャリアプランの変更やライフステージ の変化等により退職した場合に、一定の要件を満たせば同等 の処遇で再雇用する制度や就業時間の短縮制度を取り入れて います。また2015年11月には、従業員インセンティブ・プラン 「株式付与ESOP信託」 を導入しました。社員の帰属意識を醸成 し、経営参画意識、業績向上や株価上昇に対する意識を高める ことにより、中長期的な企業価値向上に注力していきます。 営業部門 ビジネスモデル改革でより重要性を増した顧客基盤、販売社員の模範となるべく奮闘 「お客さまのお話をしっかり伺う。」 私が接客の際に最も大切にしていることです。需要の変化に合わせ店 舗もリニューアルし、受付からご案内に入る前提だった従来の接客から、 お客さまのご要望を察知し自然 な流れで接客に入る体制に変わりました。 こちらから一方的に説明を行なうのではなく、 まずはお客さま に楽しくお話ししていただけるような環境・雰囲気をつくり、潜在的なニーズは何かを全神経を総動員し て推し量り、 お客さまの期待以上のご満足をご提供できるよう努めています。 私は、2015年にマネジメント職ではなく営業職として当社初の執行役員に任命され、外商部隊を任され ています。外商部門では、法人・個人、既存・新規を問わず幅広くアプローチし、 リレーションを構築してい く中で、店舗への集客、買い替え・単品買いや継続利用の促進等に努めています。店舗内に限らず、 お客 さまと頻繁に接点を持ち、 きめ細かなサービスを提供することで、深く長くお付き合いのできる強固な 顧客基盤の確立に向け尽力しています。 外商活動においても、 販売現場においても、 全営業社員の鑑となれるよう努めるとともに、 接客が当社の 最も大切な仕事だという当社の普遍の姿勢を示していこうと考えています。 直井 丈宏 執行役員 有明本社ショールームシニアエキスパート* 商品部門 カテゴリー別ナンバーワンを目指した商品開発 お客さまの声、市場トレンドや取引先からの情報、販売データ等様々な情報を精査・分析し、商品開発 や商品構成の再構築・充実に努めています。同時に、定期的に全国の店舗を訪れ、販売現場の社員か らの要望を聞き、 意見交換をしています。 近年重要性を増している 「買い替え・単品買い」 需要に対しては、 価格帯別構成も注視し、 主力の中価格 帯アイテムにおいて、 サイズやカラーなどバリエーションを幅広く展開し、既にお持ちの家具と組み合わ せやすい商品の開発に取り組んでいます。 2016年には、商品部の中で商品開発と販売促進で分かれていたチームを統合し、商品カテゴリー別に チームを設ける組織再編を行ないました。開発から商品情報の発信、 カテゴリー別の研修など販売 現場と今まで以上に深い連携を図り、「総合」だけでなく 「種目別」 でも開発力・販売力ともに業界ナン バーワンを目指します。 また、 マンツーマン接客で属人的に行なってきた商品価値の伝達に加え、 ビジュ アルマーチャンダイジングにも注力し、 ビジネスモデル変革・浸透に向けて着実に歩みを進めていきた いと考えています。 栗原 真由子 商品部次長* 流通部門 お客さまを 「想像」 することが、お客さまを 「創造」 することにつながる 流通サービス部では、在庫管理、 メーカーへの発注、お客さまへの配送等物流業務全般を担っており、 商品を確実にお届けすることだけでなく、配送も含めご満足いただけるように、最終営業としてサービ スの向上に努めています。お客さまにお届けする一瞬のために、常にお客さまを 「想像」 し、いかに期待 に応え、感動をお届けできるかを考え、付加価値の高いサービスを提供できるよう奮励しています。お客 さま満足にこだわり続けることは、継続的に当社をご利用いただけるお客さまを 「創造」 することに繋が ると信じています。 2015年には、 リユース事業にも着手しました。お客さまの買い替えに伴う既存家具の処分に対する 抵抗感を和らげることで、潜在的な買い替えニーズに訴えられていると感じています。加えて、中長期 的な観点では、不要な家具を商品へと蘇らせ、環境に配慮した循環型社会へも貢献できると考えて います。業界のリーディングカンパニーであり続けたという強い思いを持ち、流通という当社のライフ ラインを担う立場として、ひたむきにお客さま 「創造」 に尽力していきます。 風巻 穣 流通サービス部長* *2016年3月末現在 ANNUAL REPORT 2016 ● 16 ビジネスモデルの変革 国内家具市場の推移 近年、新設住宅着工戸数は減少傾向にありますが、空き家を除く住宅のストック数は年々増加しています。また、 「 衣・食・住」 の中 で、日本の 「衣」 ・ 「食」 は極めて成熟しているのに対し、 「住」 に関しては他の先進国と比較して、 まだまだ成長の余地があります。住ま うことへの関心や問題意識が高まる中、 それらについてのソリューションを提供できれば、家具市場は大きな成長市場になり得ると 考えています。 日本の住宅市場の推移 180 住宅ストック数 (万戸:右軸) 168 160 149 4,449 140 120 100 4,140 3,807 120 4,730 5,002 5,243 5,000 4,000 116 80 109 98 新設住宅着工戸数 (万戸:左軸) 60 6,000 40 3,000 2,000 1,000 20 0 0 1988 1993 1998 2003 2008 2013 国内家具市場の質的変化 1990年代、 インテリアは住宅という空箱を満たすための「備品」 として捉えられる傾向にありましたが、新築・婚礼まとめ買い需要 が減少し始めた2000年代以降は、 「ライフスタイル」 を構成する要素としてのインテリアへの関心が高まっています。その結果、 より自分らしいライフスタイルに向けて、少しずつ買い足す単品買い需要が増えてきました。 「まとめ買い」から 「単品買い」へと 変化した消費者の購買トレンドを背景に、 これからの「住」需要に応えるインテリアビジネスの構築が求められるようになりました。 1990年代の 「住」 需要 まとめ買い需要 17 ● IDC OTSUKA 新築需要 減少 ●住宅という箱の 「備品」 としてのインテリア ●空箱を満たすための備品一式 2000年代以降の 「住」 需要 ●衣食とともに、 「ライフスタイル」 を構成する 要素としてのインテリア ●より自分らしいライフスタイルに向けて、 少しずつ買い足すもの 単品買い需要 これまでのビジネスモデル 購入意志の有無に関わらず、最初から営業スタッフが接客につくというこれまでの販売スタイルは、消費者に当社への抵抗感を根 付かせる原因となりました。また、高額な商品に焦点を当てた広告宣伝により、消費者の中で入りづらいイメージが定着し、来店 の妨げとなりました。消費者の購入スタイルの変化を背景に、当社のビジネスモデルは転換点を迎えることとなりました。 これまでの大塚家具のビジネスモデル 課 題 消費者のIDC大塚家具に対する印象 背 景 販売スタイルの転換 「受付や接客に抵抗を感じる」 会員制で運営してきた 過去からの見直しの遅れ 「価格が高そう」 広告宣伝活動の 軌道修正の遅れ (今の住需要に適していない) ブランディングの 再構築 (誤解から、 ターゲット消費者も敬遠) 国内家具市場構造の変化 過去においては、低価格帯の商品を扱う家具店の台頭や中価格帯のメインプレーヤーとして即座に想起される家具店の不在によ り、消費者は低価格帯へ流出していました。今後は、品質の良いものをリーズナブルな価格で提供する、中価格帯のメインプレー ヤーとしての当社の認知を拡大し、低価格帯から中価格帯への顧客回帰を促進します。比較的安定した需要のある高価格帯には、 引き続き注力していきます。 家具市場の変化とその背景 高価格帯 過去 今後 主要企業 高価格帯には比較 的安定した需要 中価格帯 消費者流出 低価格帯 低価格帯の商品を扱う 家具店の参入や出店攻 勢、中価格帯には魅力 的なプレイヤーがいな いとの(誤った)認識に より、流出 IDC大塚家具 専門店 A IDC大塚家具 専門店 B 百貨店 消費者流入 当社が中価格帯のメイ ンプレイヤーとして認知 されることで、低価格帯 から中価格帯へ消費者 が回帰 専門店 C 専門店 D ANNUAL REPORT 2016 ● 18 ビジネスモデルの変革 ビジネスモデルの再構築 当社が最優先で取り組むべきビジネスモデルの再構築に向け、顧客により快適なお買い物をしていただけるよう、店舗運営の仕方 や会員制ビジネスのあり方を見直しています。さらに、 そのような変化を遂げた当社の姿の認知拡大に努めます。このような取り組 みにより、消費者の 「住」 需要に応えるビジネスモデルを構築していきます。 最優先で取り組むべきこと ビジネスモデルの再構築 ● 店舗運営・会員制ビジネスモデルの見直し ● 消費者からの適正な認識の形成 これからの 「住」需要に応えるビジネスの構築 施策 1 既存店改革 1. 「気軽に入れる・見られる」ことを伝えるマーケティング、コミュニケーションにより、暮らしを豊かにする店としての認知を 拡大します。 2.気軽に入れる店舗作り、消費者が立ち寄りたくなる魅力的な企画、インテリアアクセサリーの強化等を通して、来店頻度の向上 を促します。 3.顧客の声を反映させながら店舗レイアウトの見直しや教育研修を実施し、消費者の顕在ニーズ、潜在ニーズに最大限応えられ るよう店舗や人材に磨きをかけます。 4.顧客管理を強化し、家具の買い取りに注力することにより、買い替えを促進します。 以上のサイクルを効率よく回し、改革を進めていきます。 顧客管理の強化 家具買い取り 認知 リピート 4 既存店 改革 19 ● IDC OTSUKA 2 来店・受付 接客・購買 店舗レイアウトの見直し 営業教育 「気軽に入れる・見られる」 ことを伝えるマーケティング /コミュニケーション 1 3 来店促進の企画 インテリアアクセサリーの強化 -店舗リニューアル- 「気軽さ」 と 「充実したサービス提供」 を両立させる店舗を目指し、段階的に店舗リニューアルを進めています。 エントランス周りを入り やすいオープンな雰囲気へと切り替え、 スタッフの案内がなくても分かりやすいよう、 デジタルサイネージの設置や店内サイン・POP 等を見直しています。 また、 これまでお客さまニーズの高い中価格帯商品と比較して高価格帯商品の展示面積が大きく、 「高額品を 中心に扱う店」 というイメージに繋がっていたことを踏まえ、展示構成を見直しました。中価格帯を拡充する一方、高額品について はそのグレードに相応しい世界観の演出に取り組んでいます。 さらに、来店頻度の向上を企図して、 ファブリックや小物などのイン テリアアクセサリーを充実させました。一方で、各種相談や問い合わせ窓口としてのサービスカウンターを新設するなど、当社の強み である充実したサービスへのアクセス向上を図っています。 今後も、 各店の特性に合わせて随時リニューアルを進めていきます。 -IDC パートナーズ- 「価格のための会員制」 から、 お客さまと継続的な関係を築く 「IDCパートナーズ」へ 移行しました。 かつて、値崩れや価格競争を避けるため 「定価表示・値引き販売」 が慣 例であった家具業界において、当社は1993年に 「会員制」 を導入し、販売を 「会員」 に限定することで業界との摩擦を解消し、透明性の高い「実売価格表示」 を実現しま した。 その後、業界全体にオープンプライス化やオリジナル商品化が進み、 「価格のた めの会員制」 は役割を終えたと判断し、2015年10月、 お客さまと継続的な関係を築 く 「IDCパートナーズ」 の導入に至りました。 お客さまの住環境をより快適なものにで きるよう、家具を長くよりよい状態でお使いいただくためのメンテナンスやリフォーム 等のサービスをはじめ、 ライフステージの変化に合わせた買い替え・買い足しに活用 できるポイントサービスの機能も拡充しました。継続的にご利用いただける 「パート ナー」 となるべく、 お客さまからの支持拡大に努めていきます。 -リユース事業- 買い替え需要の創出に向け、 リユース事業の本格化に着手しました。 また、資源を無駄にすることなく良いモノを使い継ぐ、環境に 配慮した仕組みでもあります。 お客さまがお使いの家具を下取りすることで、買い替えに伴う既存家具の処分に対するお客さまの 抵抗感を軽減し、 ライフスタイルの変化に合ったインテリアを実現していただくことができます。将来的には信頼できるリユース市場 を確立し、 家具・インテリア市場の活性化を目指します。 ANNUAL REPORT 2016 ● 20 ビジネスモデルの変革 施策 2 新規出店 当社は、主要都市への店舗展開を継続的に進め、2009年の仙台ショールームオープンにより、一旦は希望していたエリアへの出店 が実現しましたが、今回の改革を進めるにあたり、今後さらに大型店や専門店の出店も進めていきます。大型店については、相応の 商圏人口がありながら、 当社として未出店の地域、 千葉・梅田・札幌での出店を検討しています。 2016年1月には、札幌市に 「IDC OTSUKA サッポロファクトリー」 を開設し、北海道への大型店出店とBtoB事業の基盤固めに着手 しました。 ショールームネットワーク *2016年3月末現在 東海 札幌 名古屋星崎ショールーム(4,670㎡) 2016年1月 オープン * IDC OTSUKA サッポロファクトリー (438㎡) 名古屋栄ショールーム(11,178㎡) LIFE STYLE SHOP名古屋駅前(304㎡) 関西 東北 大阪南港ショールーム(22,242㎡) 仙台ショールーム(11, 291㎡) 神戸ショールーム(8,566㎡) Modern Style Shop 淀屋橋(475㎡) 関東 有明本社ショールーム(24,673㎡) 九州 横浜みなとみらいショールーム(19,500㎡) 福岡ショールーム(9,628㎡) 新宿ショールーム (13,602㎡) 春日部ショールーム(10,772㎡) 銀座本店(7,007㎡) 立川ショールーム (4,421㎡) 横浜アウトレット(4,189㎡) 所沢ショールーム(1,537㎡) 千葉 梅田 ● 既存店舗 ● 出店検討地域 * 中期経営計画における道内への大型店出店を見据え開設したサテライト店舗 (有明本社ショールーム分室) となります。 施策 3 提携販売強化 商圏人口の少ない地方都市においては、地方百貨店との提携販売強化により、顧客の取り込みを図ります。 IDC大塚家具 カタログ提供 商品提供 (卸) 21 ● IDC OTSUKA 地方百貨店 (外商部門など) 営業 小売販売 地方都市の顧客 施策 4 B to B 事業の強化 当社では、 ホテルや高齢者施設、企業の役員・応接室などの家具・内装などのBtoB事業にも取り組んでいます。日本が観光立国とし て今後積極的に海外から人を呼び込む流れの中で、 これらの需要はますます増えていくと考えられます。一級建築士をはじめとする 各種の専門家を擁するコントラクト営業部門を今後さらに強化し、市場のニーズに応えていきます。 ターゲット ホテル 概 要 当社営業担当 ● インバウンド需要の成長期待 ● 改装ラッシュで家具のニーズあり コントラクト 営業部門 高齢者 住宅 企 業 ● 高齢化を背景とした成長期待 ● 新設計画が多く、家具へのニーズあり ● 競合他社が未開拓のマーケット ● 役員室・会議室の家具へのニーズあり 店舗 営業社員 効果 平準化による効果 当社の売上の谷となっている 「閑散期」 と 「平日」 。例えば3、 4月の引越しシーズンに比べ、1、6月の閑散期の売上は約2/3程度と なっています。こうした谷をなくしていくことが、本中期経営計画期間において売上を伸ばす鍵となります。季節変動による谷は単品 買い需要の取り込みにより、曜日変動による谷はBtoB事業の強化により、有効に人材を活用し、売上の底上げを図ります。 繁閑差とその対応方針 月次ベースの売上変動イメージ 閑散月 繁忙月 単品買い需要の取り込み 曜日ベースの売上変動イメージ 平日 土日祝日 (1日あたり) (1日あたり) 法人向け営業を強化 ANNUAL REPORT 2016 ● 22 -B to B 実績例- ザ・プリンス ヴィラ軽井沢 (ホテル) サンシティパレス塚口 (高齢者マンション) アンダーズ東京 (ホテル) アデニウム墨田本所 (モデルルーム) スプリングバレーブルワリー東京 (レストラン) 23 ● IDC OTSUKA 資本政策 資本政策についての考え方 適正な自己資本を維持しつつ、株主還元の充実、収益力強化に向けた資本活用を目指します。 3つの課題をバランスよく検討し、 企業価値の増大につなげていきます。 財務戦略・株主還元方針 当社は2017年度に売上高594億円、営業利益19億円、当期純利益14億円を達成する計画です。 しかし、 この計画を達成しても なお、利益は低水準です。 ビジネスモデルを転換する中期経営計画期間中、株主の皆さまに対し利益水準において十分に報いる ことが難しい状況の中、強固な財務体質を背景に、積極的な株主還元施策を実施します。 本中期経営計画期間中は、株主還元指標として、DOE (株主資本配当率) を重視し、2015年12月期の1株当たり配当金を40円 から80円に引き上げました。また、2016年2月には、資本効率向上を目的とし、100万株を上限とする自己株式取得を発表しまし た。ビジネスモデル転換後は、ROEの向上を追求し、資本効率も意識した適正な自己資本水準を確保していきたいと考えています。 ROEの方向性 本中計 (%) 次期中計(予定) 8~10% 10.0 求 を追 に 続的 5.0 E RO 上 の向 継 1.3% 0.0 2014 2015 2016 (E) 2020 (E) 市場環境 消費税引き上げによる 需要減退等で厳しい オリンピック関連需要などで上向く 事業戦略・施策 ビジネスモデルの転換及び 既存店収益力強化 新店投資、成長分野への進出 財務戦略・施策 積極的な株主還元を実施 成長分野への積極投資を遂行 経営指標 売上高、営業利益、ROE DOEと配当金の見通し 本中計 (%) 5.0 347 1.0 0.0 1株当たり配当金 345 4.3 3.0 2.0 次期中計(予定) • 本中計ではDOEを重視 • 自己資本は現行水準維持 (自己株式取得分を勘案) 4.0 ディスクレイマー 右記の予想は、本資料の発表日現 在において入手可能な情報に基づ き作成したものであり、様々なリス クや 不 確 定 要 素が 含まれていま す。実際の配当は、予想とは異なる 可能性があります。 2017 (E) • 次期中計では配当性向を重視 • 資本効率も意識し適正な自己資本 水準を確保 (億円) 319 319 350 4.4 4.4 300 250 自己資本 200 DOE 2.1 2014 2015 40円 80円 2016 (E) 2017 (E) 80円 80円 150 2020 (E) 100 注:DOE=配当金総額÷自己資本 ANNUAL REPORT 2016 ● 24 コーポレートガバナンス ガバナンスについての考え方 コーポレートガバナンス強化の方針 コーポレートガバナンス強化への取り組み 当社は、 コーポレートガバナンス・コードの趣旨に深く賛同する 当社の取締役会は、過半数が独立社外取締役であるだけでな ことを公表しています。 く、多様なバックグラウンドを持つ経験豊かなメンバーで構成 変革期にある当社では、 ビジネスモデルの再構築と次世代経営 されています。取締役会等の会議体における活発な議論を 者層の育成という課題を念頭に、独立社外取締役を過半数と 通じて経営を監督し、企業価値向上に努めています。 また、 するなど取締役会の機能の充実に重点を置き、 コーポレート コーポレートガバナンス強化を推進する専門部署を設置し、 ガバナンス・コードを踏まえ、透明・公正かつ迅速・果断な意思 株主総会、取締役会等の会議体の支援に取り組んでいます。 決定を行う体制の確立を目指しています。 コーポレートガバナンス・コードへの対応では、 ジャスダック上場 企業でありながら、一部上場と同様に11項目全てを積極的に 開示しています。 大塚家具のコーポレートガバナンス体制 株主総会 取締役会 諮問 大塚 久美子 長沢 美智子 (社外) 佐野 春生 宮本 惠司 指名報酬諮問委 員 会 (社外) 山田 和男 緒方 節子 (社外) 監査役会 大塚 雅之 渡邊 太門 (社外) 阿久津 聡 (社外) 監査 稲岡 稔 (社外) 田路 至弘 朝永 久見雄 (社外) (社外) 西山 都 (社外) 連携 会計監査人 隅元 慶幸 (社外) 監査 連携 監査 選定・解職・監督 答申 選任・解任 選任・解任 選任・解任 代表取締役社長 諮問委 員 会 コンプライアンス・リスク管理委員会 (C R委員会) 連携 適 時 開 示部会(C R専門部会) 監督 執行役員 業務執行部門 25 ● IDC OTSUKA 助言 内部監査室 内部監査 顧問弁護士 社内取締役プロフィール 当社代表取締役社長就任以後、一貫してガバナンス体制の構築 大塚 久美子 を通じた健全な企業文化の醸成に尽力。また、中長期的な企業価 値向上・持続的成長へ向けてリーダーシップを発揮。 佐野 春生 長期にわたり商品開発等を担い、近時は流通部門を担当するな ど、豊富な業務経験を有しており、当社の経営の要として活動。 平成 3年4月 株式会社富士銀行(現 株式会社みずほフィナンシャルグループ)入行 昭和63年 4月 当社入社 平成 6年4月 当社入社 経営企画室長 平成11年 8月 幕張ショールーム店長 平成 8年3月 取締役経営企画室長兼営業管理部長 平成15年 6月 商品部長 平成16年4月 当社顧問 平成17年 3月 執行役員商品部長 平成17年7月 株式会社クオリア・コンサルティング代表取締役 平成21年 3月 取締役上席執行役員商品部長 平成19年1月 フロンティア・マネジメント株式会社執行役員 平成23年 3月 取締役商品部長 平成21年3月 当社代表取締役社長 平成25年12月 取締役上席執行役員商品流通本部長兼商品部長 平成21年4月 代表取締役社長兼営業本部長 平成26年 8月 取締役上席執行役員流通本部長 平成26年4月 代表取締役社長 平成27年 3月 取締役流通本部長 平成26年7月 取締役 平成27年 6月 取締役専務執行役員流通本部長 平成27年1月 代表取締役社長 平成27年 8月 取締役専務執行役員流通本部長兼経営企画室長 (現任) 平成27年3月 代表取締役社長兼営業本部長 (現任) 山田 和男 長期にわたり営業活動の第一線を担い、現場視点での深い知識・ 経験を有する。営業諸施策の企画、実行及び営業部門、特に店舗 営業を統括し、当社の経営の要として活動。 大塚 雅之 コントラクト営業、業務管理、総務、家具製造子会社の秋田木工株 式会社取締役等を経験。コントラクト営業部門を統括し、企業間取 引事業の中枢となり、当社の経営の要として活動。 昭和54年 7月 当社入社 平成13年 2月 当社入社 昭和61年 ~ 横浜ショールーム店長を含む各店舗の店長を歴任 平成18年10月 秋田木工株式会社取締役 平成21年12月 営業本部担当部長 平成20年 9月 当社社長付部長兼建装部次長 平成22年 7月 有明本社ショールーム店長 平成21年12月 業務管理部担当次長兼建装部担当部長 平成23年 8月 新宿ショールーム店長 平成22年 7月 営業本部担当部長(法人営業部門担当) 平成24年 8月 営業本部担当部長 平成24年 3月 執行役員(営業本部コントラクト営業担当) 平成26年 6月 業務管理部長 平成26年 8月 執行役員(総務部担当) 平成27年 3月 取締役営業副本部長 平成27年 3月 取締役営業副本部長 平成27年 6月 取締役執行役員営業副本部長 平成27年 6月 取締役執行役員営業副本部長兼コントラクト営業部長 (現任) 平成28年 2月 取締役執行役員営業副本部長兼有明本社ショールーム店長 (現任) *2016年3月25日現在 社外取締役・社外監査役のスキルセット ストラテジー 阿久津 聡 ブランドマネジメント研究の専門家としての豊富な知見 を有する。 *1 長沢 美智子 弁護士として長年にわたり培われた企業法務に係る知 識及び経験を有する。 *2 宮本 惠司 小売業を営む他の上場会社の取締役を経験したことによ る豊富な知見を有する。 *3 緒方 節子 国内外複数の戦略コンサルティング会社での勤務経験、 市場開発・事業提携サポートをした豊富な知見を有する。 *3 渡邊 太門 大手金融機関での取締役・執行役として投資運用業務 に従事、資本市場及びガバナンス分野に関する豊富な 知見を有する。 *3 朝永 久見雄 ファンドマネージャー及び小売部門のアナリストとして活 動。小売業界に関する豊富な知見を有する。 *3 稲岡 稔 小売業を営む他の上場会社の取締役を経験したことに よる豊富な知見やCSR、社会的貢献に注力した実績を 有する。 *3 西山 都 公認会計士として内部統制コンサルティング業務に従 事した経験を有する。 *2 田路 至弘 企業法務分野の弁護士として長年にわたり培われた企 業法務に係る知識及び経験を有する。 *3 隈元 慶幸 企業法務分野の弁護士として長年にわたり培われた企 業法務に係る知識及び経験を有する。 *3 経営実務 *社外取締役・社外監査役全員を独立役員として指定しております。 *1 平成22年より当社社外取締役 *2 平成25年より当社社外取締役 *3 平成27年より当社社外取締役 マーケティング・ ブランディング 小売業界動向・ 業界環境分析 コンプライアンス・ リスク管理 財務・資本市場 男性 女性 ANNUAL REPORT 2016 ● 26 コーポレートガバナンス 社外取締役・社外監査役の声 取締役 長沢 美智子 客観的な視点から、監督と助言を行うことで、中長期的な企業価値向上を目指す 社外取締役の果たすべき役割は、執行と分離した独立性と客観性を持った観点から、経営における実 効性のモニタリングと、中長期的な企業価値向上、並びに一般株主の利益の観点から、経営の方針や 改善についてのアドバイジングであると考えています。私は、弁護士として、 これまで培ってきた知識と 経験を生かして、 とりわけ経営実務、 コンプライアンス、 リスク管理を検討する際には、積極的に見解を 示すように心掛けています。 中期経営計画1ヵ年目、変革期におけるモニタリング機能の充実 「開かれたガバナンス」 「 、ビジネスモデルの変革」 「 、積極的な株主還元」 を骨子とした中期経営計画に沿って、当社は一丸となって 様々な課題に取り組んでいます。会社経営の変革期において、議論を重ね一歩一歩着実にかつ速やかに進めていくことが大切だと 考えています。 まだ過程ではありますが、2年目の今年は、新しいビジネスモデルの構築に向けた取り組みをより充実させていく年で しょう。当社は、 ミクロ的には、住空間の心地よい変化を求める個々の方々へ一層良いものを見いだして提供し、 さらに、国内外の 市場環境等の変化に合わせて、変わり続けていくことも必要です。会社がそのような成長をする中で、起こりうるリスクを見落とさな いように、他の社外役員との意見交換を十分に行い、 モニタリング機能を充実させていくことに努めたいと考えています。 ダイバーシティを考慮した経験豊かなメンバーによる建設的な議論 当社は、社内取締役4名、社外取締役6名、監査役4名は全員社外と、社外役員が多数を占めています。 また、取締役会のメンバーは 多様なバックグラウンドと卓越した専門性を有しており、企業価値向上を目指し取締役会では幅広い観点から積極的に意見が 出され、自由闊達で建設的な議論がなされています。中期経営計画の中で挙げております 「コーポレートガバナンスの強化」 は、 成果を挙げつつあると評価しています。 取締役 宮本 惠司 会社の向かうべき方向性は正しい、基盤整備の一年目 中期経営計画で示した、環境変化に応じたビジネスモデルの改革は正しいと考えています。過去の 当社のビジネス手法は、 強い購入意思を持って店舗にいらしたお客さまに、 その場でご購入いただくと いう 「クローズモデル」 でした。 これからは、 より多くの方とより頻繁に接点を持ち、 消費者ニーズを敏感 に察知し、 潜在顧客を自ら開拓し、 将来にわたる継続した関係を築いていく 「オープンモデル」 へ生まれ 変わります。 まだまだ途上段階のものが多いですが、 その基盤整備が進んだ1年であったと思います。 宝の持ち腐れとならぬよう、マーケティング・広告・販売手法に改善の余地 当社には、 インテリアに関する豊富な知識・経験を持ち丁寧な接客の出来る人材及び、国内外のネットワークを生かした高品質で 世界で類を見ない品揃えがあると自負しています。一方で、 その強みを生かし切れていないのも事実です。販売時にはお客さまに喜 んでいただけても、 その後の持続的なフォローの仕組みが十分ではない。真面目に商品開発に取り組んでいても、 その商品の価値 を伝えきれていない。特に、マーケティング・広告・販売手法において課題が多くあると感じています。小売業に永年携わってきた 知見を生かし、社外取締役として、会社の改革が、社内だけの理論に陥っていないか、客観的な視点を持ち込み、課題解決に資する よう努めています。 十分な成長可能性のあるインテリア市場、小売業で培った知見を生かしてサポート 日本の住空間は成熟しておらず、十分な成長可能性を秘めています。 「こういう豊かな住空間で暮らしたい」 と思っていただけるよ う啓発していくことも当社の使命です。当社が開始したリユース事業も市場活性化に有効であると考えています。当社の社員は、 真面目できちんとしていますが、 さらに貪欲さをプラスして、全社員が一丸となって目標に向かって果敢に挑戦し続けることで、今後 大きく成長していけると信じています。一生懸命挑んでいる姿に、成功して欲しいと願っていますし、 「ご意見番」 として厳しいことも 言いつつ、全面的に協力したいと考えています。 27 ● IDC OTSUKA 取締役 緒方 節子 大塚家具の存在意義・存在価値を明確にし、社会的責任を全うすることで成長する 会社の存在意義・存在価値が社会において認められているかという事が、企業として大事なポイント だと考えています。家具やインテリアグッズ、 また 「住」 全般を通して、 「 私たちは何ができるのか」 、 「社会は私たちの業態に何を求めているのか」 を常に意識し、会社の在り方・運営、将来像を問い続け ることが大切です。 また、市場展開においては、他社と 「競合」 するだけではなく 「協業」 することも含め て、市場における自分たちの役割を考え、 それを果たしていく時代になっていると思います。そうして、 大塚家具だからこそ出来ること、社会における当社の役割と責任を明確にしていくことが会社の成長 に繋がると信じています。 お客さまのニーズに応えるコンシェルジェ機能の充実 世の中に物が溢れている現代においては、顧客戦略が重要になっています。顧客が何を期待し、何を必要としているのか、顧客目線に 徹しなければ、事業発展は成り得ません。特に、当社のようにお客さまの資産となる耐久財を扱う企業が取り組むべきは、 お客さまの 志向やライフスタイルに合わせた商品やサービスを幅広く提供するコンシェルジェ機能の充実です。当社がもとより得意とするコンサ ルティングサービスを、今後より徹底したコンシェルジェ機能に作り上げていくことで、企業として持続性を保てると考えています。 事業を企画する上で、 「俯瞰力と現場力」 の掛け算が重要 執行側では、日々の業務や短期的な目標にフォーカスしやすく、近視眼的な思考に陥ることがままあります。社外取締役の役割は、 現場の力を最大限に生かせるよう、長期的かつ俯瞰的な視点から会社がどのように運営されるべきかを執行側と議論・共有し、社内 だけでは気付きにくい点、商慣習や社内文化にも新たな論点を提起することだと考えています。戦略コンサルティング会社での勤務 経験、様々な業種の市場開発・事業提携をサポートした知見を生かし、大塚家具の成長に貢献していきます。 監査役 田路 至弘 ビジネス転換局面におけるリスク管理に重きを置いた監査 監査役の本来の役割は、取締役の意思決定・職務執行が法令・社内手続きを遵守して行われている か、監査人の監査の方法・結果が相当であるかを監査し、株主に対する受託者責任を果たすことであ ると考えています。当社は、2015年に策定した中期経営計画を軸にビジネスモデルの再構築を行っ ており、大きな転換局面にあります。変化に伴い発生するリスクの評価においては、客観性を持った 社外取締役の意見も非常に重要になります。監査役としては、社外取締役とも情報・意見交換を密に 行い、内部統制システムが正しく構築され、機能しているかを強く意識して監査に当たっています。 走りながら検討し続けてきた一年 当社は、 ダイバーシティを考慮したコーポレートガバナンス体制を構築し、取締役会関連規程の改正、執行役員体制の整備、指名報酬 諮問委員会の設置を行ないました。一連の改革は滞ることなく着手されてきたと感じており、3月に新体制をスタートしてからの 9ヶ月間に、 ビジネスモデルの変換を積極的に進めてきた中で、 よくやったと言えるのではないかと思います。これで完璧ということ のないものですが、取締役会では、経営を監督する立場である社外取締役も増え、多様な専門性を有するメンバーにより多角的な 視点から、活発な議論が交わされ、執行側も外部の意見を真摯に受け止め、 より良い体制を構築しようとしています。 経験を積んだ経営層の育成が重要な課題 厳しい競争を勝ち抜いていく為に、当社に求められるのは、適時的確な意思決定ができる会議体の設置、権限委譲、豊富な経験を 積んだ経営層の育成等を進め、意思決定プロセスの効率化・迅速化を図り、代表取締役社長が全面的に関与する体制から脱却して いくことです。ビジネスモデルの変革期において、大胆かつ良い方向に変化することに期待していますし、監査役としても、経営体制 の適合性、 コンプライアンス体制、内部統制システムなどを厳しくチェックし、経営層を育てようという会社の姿勢をバックアップ していきたいと考えています。 ANNUAL REPORT 2016 ● 28 業績推移 1993 年 1994 年 1995 年 1996 年 1997 年 1998 年 1999 年 2000 年 2001 年 2002 年 売上高 20,720 23,629 28,062 39,219 44,367 49,241 57,994 65,989 71,214 68,813 売上総利益[売上比%] 8,360[40.4] 10,050[42.5]12,970[46.2]18,722[47.7] 22,001[49.6]25,045[50.9]30,456[52.5]35,729[54.1]38,480[54.0]37,572[54.6] 販売費及び一般管理費[売上比%] 8,971[43.3] 9,849[41.6] 11,619[41.4]14,496[36.9]17,948[40.5]21,333[43.3] 24,078[41.5]28,297[42.9]30,961[43.5] 31,811[46.2] 運 賃[売上比%] 1,018[4.9] 1,025[4.3] 1,188[4.2] 1,625[4.1] 1,902[4.3] 2,182[4.4] 2,632[4.5] 2,943[4.5] 2,769[3.9] 広告費[売上比%] 976[4.7] 1,143[4.8] 1,887[6.7] 2,344[6.0] 4,023[8.2] 3,718[6.4] 4,288[6.5] 3,694[5.2] 4,238[6.2] 3,052[6.9] 2,416[3.5] 人件費[売上比%] 2,931[14.1] 3,021[12.8] 3,403[12.1] 4,113[10.5] 4,694[10.6] 5,081[10.3] 6,133[10.6] 7,061[10.7] 8,211[11.5] 8,880[12.9] 賃借料[売上比%] 2,657[12.8] 3,117[13.2] 3,284[11.7] 3,880[9.9] 4,945[11.1] 6,112[12.4] 7,590[13.1] 9,506[14.4] 11,307[15.9] 11,616[16.9] その他[売上比%] 1,387[6.7] 営業利益[売上比%] △610[△2.9] 200[0.9] 1,350[4.8] 4,226[10.8] 4,053[9.1] 3,712[7.5] 6,378[11.0] 7,432[11.3] 7,518[10.6] 5,760[8.4] 経常利益[売上比%] 128[0.6] 363[1.5] 1,320[4.7] 4,012[10.2] 5,304[12.0] 3,577[7.3] 6,595[11.4] 7,557[11.5] 7,646[10.7] 5,879[8.5] 2[0.0] 108[0.5] 631[2.2] 1,338[3.4] 流動資産 13,545 15,224 16,216 19,506 20,638 21,310 23,002 24,079 26,303 23,345 固定資産 9,046 9,082 8,605 9,121 12,361 12,722 14,566 15,527 15,648 20,078 総資産 22,592 24,307 24,821 28,628 33,000 34,033 37,569 39,606 41,951 43,423 流動負債 5,928 8,977 8,946 11,257 14,063 13,285 13,715 11,952 10,655 10,050 固定負債 2,196 915 992 1,329 713 737 792 450 547 547 純資産 14,467 14,414 14,883 16,041 18,223 20,010 23,060 27,203 30,748 32,825 64.0 59.3 60.0 56.0 55.2 58.8 61.4 68.7 73.3 75.6 [%] 自己資本当期純利益率 (ROE) 0.0 0.8 4.3 8.7 13.9 10.4 15.1 16.2 13.4 10.7 総資産当期純利益率[%] 0.0 0.5 2.6 5.0 7.7 5.9 9.1 10.6 9.5 8.0 10,800 10,800 10,800 10,800 10,800 10,800 10,800 21,600 21,600 21,600 1株当たり当期純利益[円] 0.21 10.08 58.45 123.90 220.64 184.47 301.42 276.51 179.15 157.90 1株当たり配当金[円] 15.00 15.00 15.00 15.00 15.00 15.00 15.00 15.00 15.00 15.00 従業員数[人] 573 576 638 772 901 1,060 1,276 1,454 1,592 1,728 店舗面積[㎡] 44,488 45,232 51,986 62,127 95,177 108,546 155,606 176,918 195,759 205,387 店舗数[店] 18 16 16 12 12 12 13 13 14 15 設備投資額 201 134 204 2,094 1,587 651 390 436 396 236 減価償却費 180 170 166 192 271 400 433 456 508 451 ネットキャッシュフロー 20 100 619 1,350 2,453 2,187 3,484 4,311 3,994 3,483 輸入品の売上高構成比率[%] 6.4 17.1 27.9 38.2 47.2 48.2 46.8 44.4 45.7 50.0 当期純利益[売上比%] 自己資本比率[%] 発行済株式総数[千株] 1,541[6.5] 1,856[6.6] 2,531[6.5] 3,353[7.6] 3,933[8.0] 4,003[6.9] 4,497[6.8] 4,977[7.0] 4,659[6.8] 2,382[5.4] 1,992[4.0] 3,255[5.6] 4,071[6.2] 3,869[5.4] 3,410[5.0] *株式会社大塚家具単体での業績を掲載しています。 *2006年より、 「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」 の適用に伴い、株主資本、株主資本比率、株主資本当期純利益率、総資本利益率をそれぞれ純資産、 自己資本比率、 自己資本当期純利益率に変更しております。 *ネットキャッシュフロー= 税引後利益+減価償却額-手元流動性流出額 (配当金+役員賞与) 29 ● IDC OTSUKA (単位:百万円) 2003 年 73,052 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 68,805 69,649 70,062 72,769 66,803 57,925 56,912 54,366 54,520 56,230 55,501 58,004 39,593[54.2] 37,333[54.3] 38,591[55.4]37,923[54.1]39,337[54.1]35,230[52.7]30,605[52.8]31,064[54.6] 30,551[ 56.2] 30,848[56.6] 31,069[55.3] 30,598[55.1] 30,830[53.2] 33,539[45.9] 33,306[48.4]33,240[47.7]32,686[46.7]34,658[47.6]33,960[50.8]32,057[55.3]31,197[54.8] 29,401[54.1] 29,664[54.4] 30,226[53.8] 31,000[55.9] 30,392[52.4] 2,530[3.5] 1,616[2.3] 1,648[2.4] 1,664[2.4] 1,884[2.6] 1,846[2.8] 1,616[2.8] 1,636[2.9] 1,537[2.8] 1,478[2.7] 1,521[2.7] 1,550[2.8] 1,567[2.7] 5,325[7.3] 5,215[7.6] 5,649[8.1] 5,529[7.9] 5,658[7.8] 5,021[7.5] 3,890[6.7] 3,524[6.2] 3,036[5.6] 3,138[5.8] 3,417[6.1] 3,860[7.0] 2,795[4.8] 9,181[12.6] 9,232[13.4] 9,551[13.7] 9,944[14.2] 10,591[14.6]10,641[15.9] 10,514[18.2]10,243[18.0]10,150[18.7] 10,402[19.1] 10,686[19.0] 11,009[19.8]11,156[19.2] 12,054[16.5] 12,583[18.3] 11,997[17.2] 11,427[16.3] 11,931[16.4]12,229[18.3]11,968[20.7]11,743[20.6] 10,735[19.7] 10,492[19.2]10,175[18.1]10,161[18.3]10,143[17.5] 4,446[6.1] 4,658[6.8] 4,393[6.3] 4,120[5.9] 4,591[6.3] 4,221[6.3] 4,068[7.0] 4,049[ 7.1] 3,940[7.2] 4,152[7.6] 4,425[7.9] 4,419[8.0] 6,054[8.3] 4,027[5.9] 5,350[7.7] 5,236[7.5] 4,679[6.4] 1,269[1.9] △1,451[△2.5]△132[△0.2] 1,150[ 2.1] 1,183[ 2.2] 843[ 1.5] △402[△0.7] 437[0.8] 6,253[8.6] 4,422[6.4] 5,471[7.9] 5,350[ 7.6] 4,780[6.6] 1,456[2.2] △1,337[△2.3] 1,317[2.4] 1,004[1.8] △242[△0.4] 633[1.1] 3,626[5.0] 1,295[1.9] 3,649[5.2] 3,397[4.8] 2,799[3.8] △530[△0.8]△1,490[△2.6]△255[△0.4] 203[0.4] 38[0.1] 1,304[2.4] 4,730[8.2] 640[1.2] 856[1.5] 473[0.9] 359[0.6] 28,012 26,894 29,403 28,055 29,945 28,765 25,354 23,867 25,393 25,334 26,595 30,312 29,325 23,311 23,474 29,079 24,867 23,857 17,859 18,353 18,846 16,358 16,390 21,062 16,398 16,386 51,323 50,368 58,483 52,923 53,803 46,625 43,707 42,714 41,751 41,725 47,657 46,710 45,712 11,551 9,815 11,399 10,902 11,209 9,218 8,286 7,982 8,069 7,849 8,433 9,518 8,828 1,400 1,131 3,960 2,455 1,764 811 765 711 1,015 1,076 2,973 2,527 2,419 38,371 39,421 43,123 39,564 40,830 36,595 34,655 34,019 32,666 32,799 36,250 34,665 34,464 74.8 78.3 73.7 74.8 75.9 78.5 79.3 79.6 78.2 78.6 76.1 74.2 75.4 10.2 3.3 8.8 8.2 7.0 △1.4 △4.2 △0.7 0.6 2.0 2.5 1.3 1.0 7.7 2.5 6.7 6.1 5.2 △1.1 △3.4 △0.6 0.5 1.5 1.8 1.0 0.8 21,600 21,600 21,600 21,600 21,600 19,400 19,400 19,400 19,400 19,400 19,400 19,400 19,400 165.14 57.39 171.29 171.94 144.31 △27.32 △76.84 △13.18 10.51 34.21 46.19 25.53 19.38 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00 40.00 40.00 40.00 40.00 40.00 40.00 40.00 80.00 1,630 1,638 1,611 1,655 1,767 1,784 1,747 1,678 1,673 1,673 1,749 1,749 1,744 198,389 222,723 207,060 193,571 206,816 206,816 197,719 177,590 156,796 153,751 153,751 154,055 154,055 14 16 16 16 19 19 18 17 16 15 15 16 16 29 319 209 356 586 156 418 354 110 184 187 665 97 390 338 258 280 311 304 275 241 249 253 226 204 162 3,638 1,249 3,420 3,119 2,529 △904 △2,008 △790 △323 99 330 △64 △219 52.5 51.2 52.3 50.9 50.8 50.9 52.5 52.3 51.9 53.5 54.0 52.8 53.7 ANNUAL REPORT 2016 ● 30 貸借対照表 資産の部 (単位:百万円) 負債の部 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 (単位:百万円) 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 25,393 25,334 26,595 30,312 29,325 流動負債 8,069 7,849 8,433 9,518 8,828 7,123 7,320 7,431 11,519 10,971 支払手形 1,479 1,378 1,429 1,816 1,395 460 171 165 125 98 買掛金 2,264 2,140 2,158 2,106 2,292 3,050 2,784 3,077 2,360 2,932 未払金 201 226 155 411 520 13,045 13,570 14,801 15,009 14,035 1,651 1,635 1,648 1,756 1,653 86 81 202 674 - 27 87 49 194 108 前受金 1,800 1,791 2,222 2,168 2,318 927 870 867 891 901 預り金 294 299 337 318 354 5 6 - - - 賞与引当金 110 99 88 84 102 715 492 144 155 196 42 37 33 32 41 37 31 60 57 80 その他 136 159 156 149 149 △0 △1 △2 △1 - 固定負債 1,015 1,076 2,973 2,527 2,419 16,358 16,390 21,062 16,398 16,386 受入保証金 243 208 174 139 106 役員退職慰労引当金 449 466 481 480 485 有形固定資産 3,110 2,937 2,855 2,844 2,781 厚生年金基金解散損失引当金 - - - 507 507 建物 1,183 1,063 1,012 883 830 繰延税金負債 - 72 1,969 1,058 974 24 16 14 10 14 資産除去債務 322 328 348 340 345 機械及び装置 4 3 3 2 2 9,084 8,926 11,407 12,045 11,247 車両運搬具 7 3 2 2 1 611 587 569 411 399 1,271 1,263 1,252 1,108 1,107 建設仮勘定 8 - - 426 426 無形固定資産 77 100 120 194 168 ソフトウェア 63 53 33 181 143 その他 13 47 86 12 25 13,170 13,352 18,086 13,359 13,436 投資有価証券 5,530 7,039 11,767 7,153 7,232 関係会社株式 77 77 77 77 97 長期前払費用 0 1 1 1 2 6,709 6,130 6,127 6,019 5,996 繰延税金資産 725 - - - - その他 129 112 114 109 109 △1 △8 △1 △1 △1 41,751 41,725 47,657 46,710 45,712 流動資産 現金及び預金 受取手形 売掛金 商品 前渡金 前払費用 未収還付法人税等 繰延税金資産 その他 貸倒引当金 固定資産 構築物 工具、器具及び備品 土地 投資その他の資産 差入保証金 貸倒引当金 資産合計 31 ● IDC OTSUKA 未払費用 未払法人税等 販売促進引当金 負債合計 純資産の部 (単位:百万円) 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 株主資本 33,049 32,113 32,228 31,960 31,578 資本金 1,080 1,080 1,080 1,080 1,080 資本剰余金 3,690 3,690 3,690 3,690 3,772 資本準備金 3,690 3,690 3,690 3,690 3,690 28,279 28,144 28,259 27,991 27,608 利益準備金 270 270 270 270 270 別途積立金 27,720 27,220 27,120 27,220 26,920 289 654 869 501 418 △0 △800 △800 △800 △882 評価・換算差額等 △382 685 4,021 2,704 2,886 その他有価証券評価差額金 △382 685 4,021 2,704 2,886 純資産 32,666 32,799 36,250 34,665 34,464 負債純資産合計 41,751 41,725 47,657 46,710 45,712 利益剰余金 繰越利益剰余金 自己株式 損益計算書/キャッシュ・フロー計算書 損益計算書 (単位:百万円) 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 売上高 54,366 54,520 56,230 55,501 58,004 商品売上高 54,297 54,458 56,171 55,442 57,945 68 61 59 59 59 売上原価 23,815 23,671 25,160 24,903 27,174 商品売上原価 23,786 23,647 25,136 24,883 27,155 28 24 24 19 18 売上総利益 30,551 30,848 31,069 30,598 30,830 販売費及び一般管理費 29,401 29,664 30,226 31,000 30,392 1,150 1,183 843 △402 437 159 176 172 178 197 受取利息及び配当金 71 86 100 97 77 その他 88 90 72 80 120 営業外費用 6 43 12 17 2 固定資産除却損 0 29 1 0 0 その他 5 13 10 17 1 経常利益 1,304 1,317 1,004 △242 633 特別利益 8 17 517 2,149 0 特別損失 914 100 49 954 28 税引前当期純利益 397 1,234 1,472 952 604 30 30 157 706 267 法人税等調整額 164 564 457 △227 △22 当期純利益 203 640 856 473 359 不動産賃貸収入 不動産賃貸原価 営業利益 営業外収益 法人税、住民税及び事業税 キャッシュ・フロー計算書 (単位:百万円) 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 営業活動によるキャッシュ・フロー 928 1,384 528 763 269 投資活動によるキャッシュ・フロー 700 388 324 4,066 △75 財務活動によるキャッシュ・フロー △775 △1,576 △741 △742 △741 852 197 110 4,088 △547 現金及び現金同等物の期首残高 6,270 7,123 7,320 7,431 11,519 現金及び現金同等物の期末残高 7,123 7,320 7,431 11,519 10,971 現金及び現金同等物の増減額 ANNUAL REPORT 2016 ● 32 株式情報 株式数等 株式数分布 43,000,000株 発行可能株式総数 発行済株式総数 19,400,000株 (うち自己株式760,034株) 1単元の株式数 100株 11,857名 株主数 東京証券取引所 JASDAQ(スタンダード) 上場金融商品取引所名 8186 証券コード *2015年12月31日現在 個人 その他 53.05% 金融機関 25.77% 金融商品 取引業者 その他 の法人 2.45% 14.58% 所有者別分布状況 外国法人等 所有株式数(単元) 49,983 金融機関 25.77 4,745 2.45 28,276 14.58 金融商品取引業者 その他の法人 4.15% 所有株式数の割合(%) 外国法人等 8,058 4.15 個人・その他 102,879 53.05 *自己株式760,034株は「個人・その他」 に含まれております。 *2015年12月31日現在 大株主 氏名または名称 持株数(千株) 持株比率(%) 株式会社ききょう企画 1,892 9.75 大塚 勝久 1,863 9.61 日本生命保険相互会社 1,140 5.88 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 720 3.71 東京海上日動火災保険株式会社 624 3.22 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(三井住友信託銀行再信託分・株式会社三井住友銀行退職給付信託口) 570 2.94 大塚 春雄 507 2.62 株式会社ジャックス 480 2.47 大塚家具従業員持株会 405 2.09 大塚 千代子 371 1.91 *2015年12月31日現在 *持株比率は発行済株式総数に対する持株数の割合を記載しております。 *上記のほか、当社保有の自己株式760,034株 (3.92%) があります。 株価の推移 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 最高(円) 938 997 1,265 1,174 2,488 最低(円) 575 610 751 870 987 33 ● IDC OTSUKA 会社概要 取締役 大塚 久美子 取締役専務執行役員流通本部長 兼 経営企画室長 佐野 春生 取締役執行役員営業副本部長 兼 有明本社ショールーム店長 取締役執行役員営業副本部長 兼 コントラクト営業部長 大塚 雅之 取締役 (社外) 阿久津 聡 取締役 (社外) 株式会社 大塚家具 OTSUKA KAGU, LTD. 所 在 地 東京都江東区有明三丁目6番11号 山田 和男 資 本 金 10億8,000万円 おおつか まさゆき 創 業 1969年3月 設 立 1972年8月 さ の はる お やま だ がず お あ く つ さとし ながさわ み ち こ 長沢 美智子 みやもと けい じ 宮本 惠司 取締役 (社外) 緒方 節子 取締役 (社外) 渡邊 太門 常勤監査役 (社外) 監査役 (社外) 監査役 (社外) 監査役 (社外) 執行役員 名 称 取締役 (社外) 取締役 (社外) 監査役 おおつか く み こ 代表取締役社長 兼 営業本部長 常務執行役員 内部監査室・広報室・総務部・業務管理部管掌 名 称 秋田木工 株式会社 AKITA MOKKO Co., Ltd. わたなべ た もん 所 在 地 秋田県湯沢市 ともなが く み お 設 立 2006年9月 主な業務内容 商品開発、製造 名 称 リンテリア 株式会社 RE-INTERIA, LTD. 所 在 地 東京都江東区 設 立 2015年10月 主な業務内容 リユース おが た せつ こ 朝永 久見雄 いなおか みのる 稲岡 稔 にしやま みやこ 西山 都 とう じ よしひろ 田路 至弘 くまもと よしゆき 隈元 慶幸 かね こ まさゆき 金子 正幸 よし だ よし や 吉田 佳也 執行役員 人事部長 執行役員 営業副本部長 兼 営業推進部長 藤野 欽靖 執行役員 コーポレートガバナンス推進室長 喜多 卓則 ふじ の よしのぶ き た たかのり なお い ともひろ 執行役員 有明本社ショールームシニアエキスパート 直井 丈宏 執行役員 財務部長 子会社 すぎたに ひと し 杉谷 仁司 ●当冊子に関するお問い合わせ先 財務部 TEL:03-5530-5522 ●IDC大塚家具ホームページURL http://www.idc-otsuka.jp/ *2016年3月25日現在 *当冊子の作成にあたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を 払っておりますが、 その正確性・完全性を保証するものではありません。 ANNUAL REPORT 2016 ● 34 株式会社 大塚家具 【本 社】 〒135-8071 東京都江東区有明三丁目6番11号 東京ファッションタウンビル東館 私書箱2004号 TEL. 03-5530-4321 (代) FAX.03-5530-5550 http://www.idc-otsuka.jp/ IDC大塚家具は、株式会社大塚家具のコーポレート・ブランドネームです。 2016.4
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