二〇一七年度川崎 市 予 算 要 望 書 二〇一七年度川崎市予算要望書 日本共産党川崎市議会議員団 日本共産党川崎市議会議員団 予算要望書の提出にあたって 目 次 要望書本文 2 第八章 震災・防災対策を抜本的に強める 第九章 市民の命と健康を守り、 公害のな い、環境にやさしい川崎に し、 安心して住み続けられる川崎を 第七章 ﹁川崎に住んでよかった﹂と思え る良好な環境の形成を。豊かな自然を残 第六章 労働者の生活と権利を守り、正規 雇用を増やす施策を 第五章 地域経済の担い手を守り、成長を 促す支援策を 共に生きる社会へ 第 四 章 障 が い 者・ 児 の 基 本 的 人 権 を 守 り、障がいの有無で分け隔てされない、 いまこそ、国の社会保障切り捨て 第三章 に抗し、 市民生活を守る防波堤の役割を を支える教育の実現のために 第二章 一人ひとりの子どもたちが大切に され、すべての子どもたちの成長・発達 第一章 子育て支援策の充実で、安心して 子育てできる川崎を 4 4 27 39 55 69 91 97 第十章 市 民・ 地 域 に ね づ い た 豊 か な 文 化・スポーツ政策を 第十一章 女性の地位向上と社会参加の向 上を 第十二章 青年の願いにこたえる施策の充 実を 第十三章 核兵器廃絶の機運を高め、平和 を守る憲法9条を生かした取り組みを強 める 第十四章 不要不急の大規模事業をやめ、 福祉・くらしの充実に全力をあげる自治 体に 第十五章 主権者市民が真に主役として参 加し、意見表明できる民主的な仕組み・ 市政運営を 区民要望書 ︹一︺川崎区 ︹二︺幸区 ︹三︺中原区 ︹四︺高津区 ︹五︺宮前区 ︹六︺多摩区 ︹七︺麻生区 ―2― 予算要望書の提出にあたって 安倍政権の反動的暴走は、戦後政治のなかで最も危険な姿をむきだしにしています。 昨年九月一九日に、圧倒的多くの国民の反対と憲法学者の﹁違憲﹂との声を押し切り、憲法九条を蹂躙して 自衛隊の海外での武力行使に道を開く安保法制=戦争法を強行して一年。この法制は全面的な運用段階に入っ ています。自衛隊が派遣されている南スーダンPKOは大規模な戦闘が発生しており、安倍政権のいう〝内戦 状態でない〟などという言い訳は成立しなくなっています。ところが政府は、南スーダンPKOに派遣する自 衛隊に﹁駆けつけ警護﹂や﹁宿営地共同防護﹂の新たな任務を加え、その任務遂行のための武器使用も認めよ うとしています。そんなことになれば自衛隊員が﹁殺し、殺される﹂危険が現実のものになりかねません。自 衛隊を南スーダンから撤退させ、非軍事の人道支援、民生支援を抜本的に強化すること、これが憲法9条を持 つ日本が世界に誇れる国際貢献です。 日本経済と国民の暮らしも危機に直面しています。民間消費支出が名目で0・1%低下、家計消費支出はほ ぼ1年にわたって前年比マイナスが続いています。そのため政府も総額 ・1兆円もの経済対策を打ち出さざ るを得なくなっています。しかし、その中心を占めるのはリニア建設への公的資金投入など大型開発事業への バラまきです。安倍政権はさらに、社会保障の全面的な削減に踏み出そうとしています。これは国民への負担 増と生活不安を一層募らせ、民間消費を活性化させるという求められる経済政策とは完全に逆行する最悪の政 策といわなければなりません。働き方の問題でも、異常な長時間労働の規制はまったなしです。しかし、安倍 政権は、労働者派遣法の改悪に次ぐ改悪を積み重ねてきたのみならず、労働時間規制をなくし、残業代支払い 義務をなくしてしまう残業代ゼロ法案を出しています。 TPP問題では、重要農産物を交渉対象にしないよう求めた国会決議にも反する内容の法案をしゃにむに通 そうとしています。食料主権と国内産業を犠牲にするTPP法案は廃止すべきです。さらに、安倍政権は原発 再稼働を強行的に実施していますが、7月の鹿児島知事選で県民は川内原発の一時休止を公約に掲げた知事を 選びました。いまこそ原発ゼロの国民の声にこたえて原発ゼロを決断し、原発再稼働を中止すべきです。沖縄 基地問題では島ぐるみの新基地建設反対の運動とあらゆる選挙で示された沖縄県民の圧倒的な民意を踏みつけ にして本体工事を強行しています。 しかし、安倍政権の暴走は、国民との矛盾を劇的に広げ、自らの墓穴を掘るものとなっています。 28 日本共産党川崎市議会議員団 団 長 市古 映美 副団長 石田 和子 副団長 佐野 仁昭 斉藤 隆司 石川 建二 井口 真美 勝又 光江 大庭 裕子 渡辺 学 宗田 裕之 片柳 進 戦争法成立後も国民の批判はさらに広がり、立憲主義・民主主義を守れという国民の運動は、戦後かつてな い動きとなって現れています。日本経済は﹁好循環﹂どころか、悪循環の危険領域に入っています。このよう に、どの分野でも、安倍政権は大きな矛盾と行き詰まりに直面しています。 国の悪政のもとで、いま川崎市・市長に求められているのは、 ﹁住民福祉の増進﹂という自治体の本旨に立ち かえり、国の悪政から市民の暮らしを守る防波堤として、市民の切実な要求に応えることです。そのために も、不要不急の大規模開発を抜本的に見直し、市政運営の軸足を市民要求実現によって市内の中小零細企業も 商店街も元気になって活性化する、そのことによって雇用拡大もはかるという、 〝好循環サイクル〟へと転換す ることが必要です。 この要望書は、広範な市民や各界から寄せられた要望・意見などを集約したものを予算要望項目としてまと めたものです。これら市民の強い願い・要望を二〇一七年度予算編成にあたり、積極的に取り入れられるよう 申し入れるものです。 二〇一六年十一月四日 川崎市長 福 田 紀 彦 様 ―3― 要望書本文 第一章 子育て支援策の充実で、安心して子育てできる川崎を カ国のうち 位となっています。1人親世帯で言えば ・6%、2人 54 る。保育料補助をもっと拡充してほしい﹂ ﹁子どもの医療費助成を東京都並みに中学3年生まで行なってほしい﹂等の 子育て世代の市民から﹁仕事をしなければ生活がままならないのにあずける先がなく、でも仕事をしていないと保 育所の入所申請ができず、どうしろというのか﹂ ﹁川崎は公立の幼稚園がなく、私立ばかり、入園料も保育料も高すぎ らしを支え、子育てへの経済的支援の拡充、子育てのセーフティーネットの確立が必要です。 会を奪うだけでなく、乳幼児がすこやかに育つための環境にも大きな影響を及ぼします。雇用対策をはじめ国民の暮 定し、貧困対策を急ぐべきです。貧困による格差の広がりは、子育てが困難という状況をうみだし、教育や進学の機 定検討会﹂を設置、実態調査を行ないました。川崎市においても、県待ちにしないで川崎市の実態にあった計画を策 た。横浜市は2015年度に学識経験者や子どもを支援している団体、行政機関等による﹁子ども貧困対策の計画策 道府県は子どもの貧困対策についての計画を定めるよう努める﹂とし、神奈川県はそのための実態調査を行ないまし 就労・経済的支援を講じるとしています。子どもを貧困から守る支援は待ったなしに求められています。大綱は﹁都 の貧困対策推進法﹂が施行、 ﹁子どもの貧困対策に関する大綱﹂が同年8月に策定され、教育・生活・保護者に対する 84 声が寄せられています。こうした要望に応え、安心して子育てができる川崎にするために、安心して預け働くことの ―4― 現政権が大企業・金持ち優遇の経済政策を進める一方で、雇用破壊や社会保障切り捨てが行われ、子どもの貧困率 は2013年調査で ・3%と、6人に1人の子どもが貧困状態に陥る過去最悪の事態となっています。調査を始め た1985年以降最も高く、OECD加盟国 25 に1人の割合で貧困が広がり、母子世帯の ・8%が﹁生活が苦しい﹂と答えています。2014年1月に﹁子ども 34 16 できる保育事業の拡充、小児医療費助成制度の拡充や私立幼稚園保育料の市独自の補助の増額は今や喫緊の課題で す。これらの抜本的な子育て支援策を講じることが急務です。 これまでの保育制度を大きく変える﹁子ども・子育て支援新制度﹂が2015年4月からスタートしました。川崎 市でも運営の基準や職員配置基準等が条例で定められました。実施にあたっては、保育の質を後退させない、子ども の最善の保育を受ける権利を保障し、保護者が安心して預けて働くことができる内容にすることが求められます。 2016年度に創設された川崎市のこども未来局には、子どもの権利条例に基づき、子どもの人権がしっかり守ら れる施策の展開を求めます。 神奈川県の2016年度産科医療及び分娩に関する調査結果によると、医師数は ・3人、助産師 ・ 人の不足と 42 25 助成の拡大が求められます。妊婦の救急搬送も、現場滞在時間が 分以上かかった割合が 年は 08 ・2%で、政令市 14 医科大学病院内に、NICU 床、GCU︵新生児治療回復室︶ 床を保有する総合周産期母子医療センターが開設 中ワースト1位という状況のなか、2010年3月に本市の周産期救急医療システムの基幹病院として聖マリアンナ 30 回ま ハイリスク出産を防ぐため妊婦健診をだれでも安心して受けることができるよう、一人当たり8万9千円、 での助成がされていますが、健診内容によっては自己負担が数千円に及ぶ場合があることから全額無料にするための なっているとのことです。医師と助産師の確保対策に取り組み、安心して出産できる環境整備が急がれます。 22 17 24 床になりました。その後、妊婦救急搬送の滞在時間が ・4%、2013年は8・2%、2014年は 分以上かかった ・8%、2015 30 11 する、NICUの病床数は 床、GCUは 割合は、2011年は9・5%、2012年は 年は191件中 件、6・8%と大幅に減少しました。 10 54 されました。2011年には、市立川崎病院、聖マリアンナ医科大学病院、日本医科大学武蔵小杉病院の3病院の有 12 24 ―5― ︵一︶安心して出産できる環境を整備する カ所で、昨年度と同数です。2015年度の市内における 26 本市の出生数はここ数年1万4300人前後で推移してきましたが、2015年度中の出生は1万5015人に増 え、出生率は0・ %、合計特殊出生率は1・ %といずれも政令市中1位です。2015年4月現在の市内の分娩 41 、診療所8、助産所6カ所、計 12 病院の分娩件数は7023件、診療所は3210件、助産所では333件と、助産所での出産は全体の約3%です。 取り扱い病院は、病院 99 13 2015年度中のNICUの入院延患者数及び稼働率は、市立川崎病院2067人、 ・1%、聖マリアンナ医科 大学病院4297人、 ・8%、日医大武蔵小杉病院2190人、 %と、満床に近い状況で稼働率は前年度とほぼ 同じです。 99 94 ① 妊婦健診 回まで全額公費助成する。 ② 産科医の確保に全力を尽くし、分娩医療機関を新設・増床・再開し、安心してお産ができる体制を拡充する。 ③ 川崎病院に開設された助産師外来について、助産師の人材確保を図り、助産師外来の充実を図る。 件、2015年度は234件の実績でした。以下、要望します。 市立川崎病院に助産師外来が2013年3月に開設され、医師がローリスクと診断した妊婦の健診を助産師が分担 し、妊娠、出産、育児に対する不安や様々なニーズに対し、きめ細かな対応を図っています。2014年度は313 97 床です。さらなる新設・増床を進め、ハイリスク妊婦の救 24 ⑤ ﹁川崎市地域保健医療計画及び周産期医療計画﹂に助産所の活用がもりこまれましたが、総合周産期医療のネッ トワークを確立し、連携して市民の安心なお産の場を確保する。 急体制や母子の救命に力を尽くす。 に 床の整備目標に対し、現在の市内のNICUは ④ 川崎市地域保健医療計画において、NICUは出産人口1千人あたり2床必要としており、2012年度まで 14 不妊治療に対し、国の助成のうえに市独自の上乗せ助成を行なう。 公立病院として入院助産のケースの受入れを積極的に図る。現在、3カ所の指定病院を増やす。 診や、異常時の搬送が出来ない状態があります。入院助産の指定病院である市立川崎病院と多摩病院において、 入院助産について、助産所の嘱託医・嘱託医療機関は、入院助産の指定を受けていないため、妊婦のポイント健 保健上必要があるにもかかわらず、経済的な理由で病院等での出産が困難な妊産婦に対し、公費助成を行なう で実施し、廃止した嘱託医両機関の担当医師の研修や症例検討会の実施や補助金の交付を実施する。 う。助産師会の要望があれば助産師と医療機関とをマッチングする会合を適宜開催する。2011年から 年ま ⑥ 分娩を取扱う助産所の開設には嘱託医、嘱託医療機関確保が絶対条件ですが、身近な川崎市内で確保が出来な い施設があるのが現状です。嘱託医と嘱託医療機関の確保に行政支援を行い、嘱託医療機関に必要な支援を行な ⑦ ⑧ 13 ―6― 30 ︵二︶出産後の母子支援を充実し、安心して乳児期の子育てができるサポート体制を充実する 出産後早期退院︹5日目︺が通常化するなか、出産による体力消耗、急激な体の変化、頻回授乳、慣れない育児へ の不安と、母親の心身に大きな負担がかかることから、この時期に適切な母子ケアが必要ですが、核家族化や祖父母 月から産後ケア事業が始まりました。助産師会に委託し、宿泊型 の高齢化や就労でサポート体制が困難なケース、育児不安を抱える方も増えています。育児不安を早期解消し、児童 虐待を未然防止することが必要です。2014年 カ所で実施しています。ニーズが大変増えていることから、2015年度は宿泊型150件、 4年度中の3ヶ月健診受診率は ・7%、1歳半健診は ・5%です。 96 談、支援の必要性から、地域サポート担当として、助産師を各区1人配置する。 人から、2区に兼務となり4人に減員されました。母子手帳の交付の際から、出産後の母乳など母子保健の相 区役所保健福祉センターの再編で、地域見守り支援センターが創設されましたが、助産師が、各区1人、計7 ・4%、3歳児健診は 2015年の出生数1万5015人中、新生児訪問件数は1万1449件、こんにちは赤ちゃん訪問は1846件 で計1万3295人、実施率 %で、100%の実施をめざすことが必要です。乳幼児健診について、直近の201 ました。出産後の育児等の支援が必要な方が増大しています。予算の増額が求められています。 643回、訪問型は398件、424回の実績で、予算額1509万円余に対し、決算額は100万円余オーバーし は7カ所、訪問型は 10 をし、継続性が担保されていたが、新生児訪問で気になるケース等が民間医療機関への委託で継続しづらくなっ ⑤ 2016年度から、3ヶ月健診が民間医療機関に委託されました。従来、新生児訪問事業で3ヶ月健診の案内 低所得者については無料とするなど、必要な母子が使いやすいよう改善する。 ④ ﹁産前・産後家庭支援ヘルパー派遣事業﹂について、利用者への補助額を増額すると同時に、横浜市のように ③ 保健師を増員し、4カ月未満の全ての家庭に﹁新生児訪問﹂や﹁こんにちは赤ちゃん訪問﹂の実施をめざし、 継続的に母親へのきめこまやかな育児支援や育児相談にのる。未実施の親子への訪問など支援体制をつくる。 られるようにする。 ② 産後ケア事業の予算を増額し、より充実した母体ケア、乳児ケア、育児相談、育児指導を行なう体制を整える。 生活保護世帯とともに、住民税非課税世帯は自己負担なしとし、必要とする母子が利用料の心配なく支援が受け ① 97 91 97 たのではないかと危惧する声が寄せられている。未受診の把握と、従来行なってきた未受診者への訪問が遅くな ―7― 17 ⑥ ⑦ る懸念、健診時に母親の悩みを受け止め、育児相談のサポートができたが委託したことで医療的な相談はできて も、母乳にともなう育児相談や、家族に関する相談などができない心配がある。母子保健の後退と言わざるを得 ない。3ヶ月健診を元の直営にもどす。 直営の健診は、1歳6カ月児、3歳児健診のみとなった。未受診者の把握をしっかりと行い、訪問する。子ど もの安全、成長や発達を行政として確認する体制をつくる。育児相談に丁寧にのり、気になる親子について、関 係機関と連携をしながら、適切な支援を継続して行なう。 川崎市妊娠・出産包括支援事業として、妊娠出産SOS事業、産前産後サポート事業が助産師会に委託されま した。女性の生涯、今後の母子保健につながる重要な事業です。少子高齢化社会を担う次世代の健全育成におい ても大変有効な施策です。更なる事業の継続と充実をはかるため予算の増額を図る。 ⑧ 助産師会の会員は各地区で新生児訪問事業に協力している。母子訪問活動の実態に見合う新生児訪問指導料の 増額を図る。 ヵ所です。区別に 53 万1528人に対し、2014年度は 万8432人と3万6904人も増え、2 ① 保育園併設の地域子育て支援センターの増設を行なう。 ② こども文化センターを活用した連携型の地域子育て支援センターを増設し、乳幼児の遊べる環境を整え、専任 ―8― ⑨ 不育症の治療費に対し助成を行なう。 ︵三︶地域子育て支援センターを増設する 家から歩いていける距離に、誰でも気軽に集まって子ども同士、親同士または異世代で交流でき、子育ての悩みや 相談ができる場として子育て支援センターを小学校区に1ヵ所まで増設することが必要です。同時に、個々の子育て ヵ所で合計 26 支援活動と地域の保育園など、公共機関との連携や協同する取り組みの強化を図ることが必要です。現在、認可保育 所併設は ヵ所、旧公立幼稚園に単独型6ヵ所、こども文化センターに児童館型を 利用者︵親子︶は2013年度 52 万2198人と若干減少しましたが、市民ニーズが高いことが窺われます。地域で歩いていける範囲 52 に増設していくことが必要です。 015年度は 49 見ると川崎区9ヵ所、幸区7ヵ所、中原区7ヵ所、高津区8ヵ所、宮前区8ヵ所、多摩区6ヵ所、麻生区8ヵ所です。 21 の専門職種を配置する。 ③ 単独型地域子育て支援センターは全市で6ヵ所ありますが、旧公立幼稚園舎と園庭を活用し、最も多く利用さ れています。施設管理の点からも、同センターに担当係長を配置する。 ︵四︶小児医療費助成制度の所得制限を撤廃し、通院助成対象年齢を中学校卒業まで拡大する。 ﹁子どもの命に親 子どもの貧困が広がるなか、中学卒業までの医療費を無料にという願いは大きく広がるとともに、 の所得は関係ない﹂という所得制限撤廃の要望も大きく広がっています。本市は小学3年生までを対象としています が、県内 市町村の中で、助成対象年齢は最低です。さらに、2017年度から小学6年生まで医療費助成の対象を 拡大することと引き換えに、小学4年生から6年生は通院1回ごとに上限500円の一部負担金を導入しようとして います。通院助成対象学年を小学6年生まで拡大に必要な事業費の見込額は約6億7500万円で、一部負担金の導 入で約1億5千万円を縮減できるとしていますが、2016年度、県内で中学3年生まで助成している 自治体も、 自治体も、一部負担金を導入していません。財政力が豊かな川崎市で出来ないはずが 14 ① 小児医療費助成制度の所得制限を撤廃する。 ② 通院助成対象を中学校卒業まで拡大する。 ③ 一部負担金を導入しない。 なくても早期通院できるよう一刻も早い拡充が求められます。 医療費負担のために、受診抑制につながっている実態や、虫歯治療、アレルギーなどの持病を持つ子どもがいる家 庭、学校健診で治療が必要と診断されても、医療費負担で病院に行けない実態等があります。お財布の中身を心配し ありません。一部負担金の導入は保護者が望む無料化が図られません。 小学6年生まで助成している 15 ④ ひとり親家庭医療費助成制度事業についても一部負担金を導入しない。 ⑤ 入院医療費助成を高校生まで拡充する。 ―9― 33 ︵五︶豊かな幼児教育を保障する 園です。 本市は若い世代の人口が急増しているにもかかわらず、幼稚園の数は増えておらず、2015年度も そのうち、2015年度に子ども・子育て支援新制度の﹁幼稚園﹂に4園︵川崎区3園、麻生区1園︶移行しまし た。 2016年度の私立幼稚園の定員超過率は、市全体では数年ぶりに100%を割り、 ・3%となりました。10 0%を超過している区は幸区115・2%、中原区113%、川崎区110%、高津区102%です。 86 万8千円の補助額になりました。2015年度から、市民税非課税世帯・Bランクの兄姉がいない1人目︵プラ ス7万2千円︶ 、2人目、及び兄姉が1人いる1人目︵プラス3万2千円︶の増額がありました。2016年度には、 額 幼稚園保育料補助について、2014年度から、幼児教育の無償化にむけた取組の一環として、国が生活保護を受 けている世帯と小学校1年∼3年の兄姉がいる全ランクの多子世帯の補助額及び兄姉がいない3人目以降について年 97 万4115円︶と保育料平均額︵月2万9495円× カ月︶の年額は合計 万8055円です。昨年より、20 多 子 世 帯 及 び ひ と り 親 世 帯 の 保 護 者 負 担 の 軽 減 対 策 が と ら れ ま し た。 し か し、 川 崎 市 の 私 立 幼 稚 園 の 入 園 料 平 均 額 ︵ 48 2016年度の幼稚園における障害児保育は、 園中 園、449人を受け入れていますが、 園は受け入れてい ません。特別支援教育研究研修事業として障害児保育を行なっている園に対して補助を行なっていますが、引き続き でも横浜市並みの単独の加算を求めます。 ラス6000円、本市のDランクに当たるEランクの一人目にプラス4万500円の単独加算を行ないました。本市 準を独自にFランクまで設定し、本市のCランクにあたるDランクの一人目にプラス1万7千円、ひとり親世帯にプ 171円あがりました。市独自の入園料補助の創設と保育料補助の単独加算が求められます。横浜市では、補助の基 12 59 27 環境の検証の調査を行なうことが必要です。 ① 私立幼稚園の保育料の補助の増額を国に求めるとともに、市として、小学校1∼3年の兄姉のいる世帯のB、 C、D、Eランクの一人目への増額、C、Dランクの兄姉がいない一人目の増額を行なう。 保育料負担のために幼稚園にも保育園にも通えない子がいないかどうか、及び私立幼稚園の定員超過における教育 の補助と申込がある場合は受け入れ、障害のある子どもの保育、教育を受ける権利をしっかり保障すべきです。 86 ② 私立幼稚園の入園料 万円の補助制度を創設する。 10 ― 10 ― 30 13 ③ す べ て の 子 ど も 支 援 施 策 を 一 体 的 に 推 進 す る 一 貫 と し て、 各 区 役 所 に 子 ど も 支 援 室 が 設 置 さ れ た に も 関 わ ら ず、2016年度解体された。本市の幼児教育が全て私立幼稚園が担っているもとで、幼児教育を市として推進 する要として幼児教育センターが担ってきた機能について、教育センター、子ども未来局と連携する各区役所の 部署を明確に定める。 ④ 私立幼稚園の定員超過における教育環境調査・検証を行い、幼稚園の就園児増加地域に公立幼稚園を整備する。 延長保育の助成額を増やす。 を保障する。 ⑤ 私立幼稚園の保育料が払えず入園できない子どもがいないかの調査・相談を行い、必要な支援策をはかる。 ⑥ 障がい児受け入れのための人的保障の支援の増額を図るとともに、入園要望があるのに入園できない場合の相 談にのる部署を明確にする。特に子ども・子育て新制度に移行する幼稚園については、障害児の受入れ先の確保 ⑦ 最低基準上の保育士4人に1人の加配、年休代替保育士1人の加配、看護師、栄養士、調理員、事務職員の配置、障 ました。その結果、幼保連携型認定こども園の職員配置は認可保育所と同等の市単独加算として、休憩休息保育士を た。市が制定する認可条例や運営の基準は本市の単独加算も含め、認可保育所と同等の条例化をすべきと求め質疑し 市 町 村 の 責 任 で 保 育 の 質 を 引 き 上 げ、、 す べ て の 子 ど も が 等 し く 保 育 を う け る 権 利 を 保 障 す る こ と を 求 め て き ま し ました。私たちは認可保育所の増設で待機児解消を進めると同時に、新制度で導入された保育所以外の施設でも国や ③事業所内保育、④居宅訪問型保育で保育の場を確保するとしています。認定こども園への移行も強制ではなくなり 19 ― 11 ― ⑧ 1学級 人という定員を少人数に改善するよう国に要求する。 ︵六︶保育事業の充実をはかる 対象とする少人数の単位で預かる﹁地域型保育﹂として、①家庭的保育︵保育ママ︶、②小規模保育︵定員6∼ 人︶、 所、幼稚園、認定こども園のほか、新制度では、新たに市町村の認可事業として、待機児童の多い0歳から2歳児を 2015年度から子ども・子育て支援新制度︵以下新制度︶がスタートしました。 新制度は、保育関係者の運動で、当初削除されようとした児童福祉法 条第1項の市町村の保育実施義務が残り、 保育所は基本的に現行制度を維持すると同時に2項で認可外だった事業の活用が促進されることとなりました。保育 24 35 害児受け入れの加配について確保されました。 家庭的保育事業では、①家庭的保育事業と小規模保育事業C型について、現行基準どおりに、保育士、幼稚園教諭、 看護師、保健師のいずれかの有資格者とすることについて、②小規模保育事業B型について、国の示した保育士有資 格者割合2分の1ではなく、A型と同様100%がベストであり、少なくても4分の3、あるいは3分の2の条例化 条第2項に規定する保育士と同等以上の知識及 を求めました。いずれも別途要綱等で定めるとされました。20 15 年4月1日付﹁川崎市家庭的保育事業等の認 可・運営基準に関する取扱要綱﹂で、①について、 ﹁認可基準条例第 び経験を有すると市長が認める者﹂とは、看護師、准看護師、又は幼稚園教諭のいずれかの資格を有し、3歳未満児 の保育・看護の実務経験が2年以上あるものをいう﹂と定めました。 ﹁保育士については、公定価格上の保育士比率向上加算を活用し、保育士の割合の向上に努めること﹂ ②について、 ﹁安定した保育体制を確保するため、第2項で算定された保育士・保育従事者に加え、1名の保育士の加配に努める 事﹂ ﹁A型B型について看護師及び栄養士の配置に努めること﹂とされました。 2016年4月の①認可保育所の定員は、新築・建替・増築及び既存保育所の定員増、川崎認定保育園からの認可 化により、認可保育所と認定こども園︵3カ所、260人︶の定員の合計は、前年比1700人増の2万4205人、 施設数は前年比 カ所増の297カ所となりました。 一方、認可保育所の申請は、過去最大の2万7739人となり、申込率は、就学前児童の ・ %となりました。 入所申請して入所できなかった入所不承諾︵保留児︶は2554人ですが、本市は国の定義に基づき2548人を待 51 68 保育所の緊急増設を抜本的に進めることなしに、いわゆる﹁隠れ待機児童﹂の解消はできません。あらゆる手立てを でなく、認可保育所に申請する人すべてが入所できるように整備することがどうしても必要です。真正面から、認可 国民生活基礎調査などあらゆる指標から子どものいる若い世帯の貧困の実態が深刻さを増していることがわかりま す。入所できなければ仕事に就けず収入が増えないため困窮から脱出できません。本来、ランクをつけて選考するの 数を待機児童とすべきです。 量で判断できることが明確になりました。私たちが一貫して指摘してきたように、入所申請して入所できなかった人 機児童から除外して、待機児童は﹁6人﹂としました。この間のわが会派の質疑のなかで、待機児童の定義は市の裁 33 ― 12 ― 26 また、②新制度の地域型保育施設は、前年度より8カ所、定員が170人増えて、 カ所、定員534人となりま した。①②の合計は348施設となり、定員は2万4739人で前年比1860人増となりました。 24 尽くし整備拡充することを求めます。 また、園庭のない保育園が増えています。2015年度中に認可保育所が 園増えましたが、そのうち、園庭のな い保育所は8園です。近隣の公園に認可、認可外問わずいくつもの保育園から遊びにきており、地域からも園庭のあ る保育所を整備すべきとの意見があがっています。 27 園、公設民営8園、民設民営は241園にのぼり、認可保育所の総数は294カ 2016年4月現在、公設公営 所です。運営主体別に見ると、株式会社が126園、全体の %を占めます。次いで社会福祉法人が111園、全体 45 の %を占めます。民営園のなかで株式会社が占める割合は、社会福祉法人より多くなり、 %となり、企業参入が 43 ますます進んでいます。 ・1%に対し、株式会社2社が %で、最 46 ・1%でした。結果として人件費が押さえ込まれています。企業が参入しやすくするための国の規制緩和のも 名定員の認可保育所の運営費に占める平均人件費比率は社会福祉法人 する仕組みという疑念をもたざるをえないことをこの間の決算議会で明らかにしてきました。また2013年には、 企業参入の大きな問題点として、㈱﹁こどもの森﹂系列の認可保育園では、運営費から多額の国債購入や本社に上 納金をあげていること、 ︵株︶日本保育サービスは、親会社に多額の講師料派遣料を支払っており、公金が本社に環流 験を重ね専門性を高めていくためには、安定した雇用・労働環境が必要です。 子どもの育つ保育現場には、安定性と継続性、経験を積んだ保育士がバランスよくいなければなりません。営利を あげるために人件費を切り詰めざるを得ない企業参入は保育にはなじみません。保育士が働き続けることができ、経 51 万円少ないとされ、専門職にふさわ 保育士確保対策が急務になっています。保育士の賃金は全産業の平均より月 しい処遇改善が必要です。2015年度の国の公定価格は月 万円弱です。2016年度、国は、保育士の処遇改善 とで違法ではないとしていますが、到底市民は納得できるものではありません。是正の指導を強く求めるものです。 低は 66 策を示したものの、賃金アップは平均して6千円程度でした。また、勤続 年以上の昇級は見込まれておらず、経験 10 ② 認可保育園の申請が急増していることについて、市は若い世代の転入による就学前児童の増加、大規模集合住 宅入居者の申請率が非常に高く、入居開始後からしばらくの間上昇すると分析しているが、それだけではなく、 ① 認可保育園に申請して入所できなかった人数を待機児童として認め、認可保育園を緊急整備して、待機児童を 解消する。 1万7100円の賃金改善を図りましたが、さらに処遇改善、確保対策に力を尽くすことを求めます。 の蓄積が重要な保育士の昇級財源は確保すべきです。市独自の処遇改善の上乗せを行なうことで、職員一人当たり月 11 20 ― 13 ― 38 39 60 経済的な必要性から申請が増加していることも要因のひとつと考える。﹁川崎市こども未来応援プラン﹂の﹁保育 の確保方策﹂による2016年度の計画は2万5822人としているが、実際の保育所定員は、2万4739人 で、既に計画より1093人不足している。2016年度当初予算による定員増1390人では、到底足りない と指摘し、国の安心子ども基金等を活用して緊急に整備計画を増やすべきと予算議会で主張した結果、505人 分の定員増の補正予算が組まれ、2017年4月の保育所定員は、2万6634人になります。しかし、201 6年4月の申請は2万7576人でしたから、その申請数からしても不足することは明らかです。 ア 市は﹁こども未来応援プラン﹂において20 17 年度の確保方策の目標値を2万800 2人と示していま す。保育の必要量を何によって供給するかについては、市民の要望に応え、児童福祉法 条1項にもとづき、 市町村の保育実施義務を明確にしている認可保育所の整備を基本とする。 イ これまでの認可保育所に対する市の上乗せ補助を継続する。 ウ 国有地・県有地が利用できるよう国及び県に積極的に働きかけ、認可保育園を増設する。 エ 全庁あげて市有地を活用して保育所を整備する。 オ 民有地を借りて、認可保育園を新設する社会福祉法人に、土地の賃借料の補助を拡充する。 場所を確保する﹂等の要綱や取り扱い要領を定める。 戸以上、整備する際に、保育所の整備をするか、 ③ 保育士の処遇改善を充実させる。 ア 保育所、認定こども園、小規模保育等に勤務する保育士等、全ての職員対象に、国の公定価格上の処遇改善 加算に加え、市単独で加配職員分の加算を行なうことで、職員一人あたり月額1万7100円の賃金改善がは ― 14 ― 24 カ 保育園の整備用地を確保するためのマッチング事業を拡大する。 キ 2016年度から、戸数 戸以上の共同住宅を建設する際に、保育所整備について、総合調整条例による指 導助言を行なうことになったが、引続き行なう。あわせて、 月から実施︵予定︶する、協力要請制度につい ㎡以上を 50 10 万円の寄付金を建設業者に要請する。︵基本的に181戸以上の共同住宅の建設には、 て、保育ニーズが高い駅周辺に、1戸あたりの床 も し く は1 戸 あ た り 60 50 人以上の認可保育所を。それ以下の戸数は小規模保育所の整備︶ 30 ク 子どもの成長発達を保障するために園庭の確保について、横浜市のように、 ﹁遊技場の基準面積の確保が困難 な場合は付近の公園等を代えて認める場合にあっては、基準面積の2分の1以上、またはプール遊びのできる 20 ④ ⑤ かられたが、さらに増額する。 イ 国に対して、①全産業の平均並みの賃金を保障する公定価格の設定をする。②勤続 年以上の昇級財源を確 保し、経験を積んだ職員の処遇改善を抜本的に図る。③児童福祉法の最低基準を改定し、保育士等の配置を厚 くすることを強く要望する。 ウ 保育士宿舎借り上げ支援事業について、補助内容、補助対象の保育士の要件を拡充するよう国に要請する。 エ 保育士の資格取得支援事業を継続する。 家庭的保育事業、小規模保育事業等の市条例の資格要件及び有資格者の割合について ア ﹁取扱要綱﹂で、努力規定とされている部分について、実質確保できるよう行政としても指導と支援を行な う。保育士資格取得支援を継続し充実させる。 イ 認可保育園と同等の職員の上乗せ加配を行なう。居宅訪問型保育事業の家庭的保育者は、認可保育所での保 育が困難な障害児や病児が対象になるので対象児に即した専門職種とする。 ウ 連携施設の確保の際に、行政がサポートする。嘱託医による乳児健診は連携施設に行くのが困難な時には、 直接当該保育所にて健診が受けられるようにする。連携施設に月 万円支払うことになっているが、連携保育 条の8が新設され、市町村が株式を含む法人と協定を結ぶことで公 エ 川崎認定保育園、おなかま保育室、地域保育園から﹁新制度﹂へ移行にともなって、必要な施設整備費、保 育士確保への支援を引続き行なう。移行は5年間の猶予があるので、支援を充実させながら協議を事業者と丁 寧に行なう。 企業参入について、児童福祉法の改定で を定めています。今回の措置で初期投資が軽減できるので現在以上に企業参入が予想されますが、保育所の継続 性、保育の専門性を考えるならば、安易にすすめるべきではありません。 ア 児童憲章、児童福祉法、子どもの権利条例にもとづく保育が実施できるのか厳しくチェックするしくみをつ くる。 イ 企業立の保育所の本部・本社への資金の移動を行なう場合の具体的な手続きを定め、使途の確認、厳しい テェックを行い、社会福祉法人の会計基準に準拠した資金収支計算書等を提出させる。 ― 15 ― 11 の内容が確実に図られているかも含め、運営について地域型保育事業者の相談に行政として親身にのる。 48 私連携法人となり、市町村の公有財産を時価より安価、又は無償で貸与、又は譲渡して保育所を運営する仕組み 56 ⑥ 子ども子育て支援法 条は、入所について﹁正当な理由がなければ、これを拒んではならない﹂と施設・事業 者に応諾義務を負わせています。ただし、定員を超過した申し込みがあった時は﹁公正な選考﹂をしなければな りません。 ﹁正当な理由﹂については、定員に関する以外は﹁特別な支援が必要な子どもの状況と施設・事業所の 受入れ能力・体制の確保が厳しい﹂﹁保育料の滞納﹂﹁保護者とのトラブル﹂などをあげています。障害児につい て加配や施設整備の状況を正当な理由とすることもできます。保護者とのトラブルも何をトラブルとするのか、 施設、事業者の認識次第で契約を結ばなくても問題とはならないなど、応諾義務を課してはいるものの、入所し たくても契約を結べないことも考えられます。 ア 安易な契約拒否がうまれないよう施設側の応諾義務について引き続き指導する。 ⑦ その他新制度移行に伴って ア 保育士の処遇改善について、税金である給付費が待遇改善に使われず株式会社の内部留保や他の事業に回さ れる危険性が指摘されています。使途制限を設けるよう国に強く働きかける。 イ 新制度の施設について、給付費の使途、職員定着率などの情報を毎年公開する。 ウ 区役所保健福祉センターでの業務が煩雑膨大になり、かつ、新しい制度になったことから、担当職員の増員 と研修を充実させ、市民の不安解消も含め丁寧な対応が出来る体制を整える。 エ 保育料は国の徴収基準をもとに市町村が応能負担で決めることになるが、従来以下の保育料設定にする。 オ 公定価格を超えた部分について保育料以外の実費及び上乗せ徴収が原則自由となるが、保護者の所得が子ど もの保育の内容に直結し、所得格差が保育格差となる仕組みとなっている。すべての子どもに平等な保育を求 めるためにも保育料以外の徴収について市は、引き続き認めないこととする。低所得や多子世帯への保育料の 減免を行なう。 カ 公定価格は本来、安全で平等な保育を保障する価格設定が必要であり、国に対し、増額も含め要望する。 ⑧ 公立保育園の民営化を止める 2 0 0 5 年 か ら 公 立 保 育 所 の 民 営 化 が 毎 年 進 め ら れ、 2 0 1 7 年 4 月 時 点 に お け る 公 立 保 育 所 は 、 園 と な り、さらに2018年4月には 園になります。私たちは、民営化によるコスト削減は人件費削減=労働条件悪 40 することを指摘してきました。民営化の論拠とした多様なニーズも公立保育園でできないことはないことも明ら 化に直結し、福祉水準の低下を招く危険性が高まること、保育士の離職率を高め、さらに人材確保が困難に直面 36 ― 16 ― 30 かになりました。 川崎市は、第2期保育基本計画において、公立保育所の高い専門性や地域に果たしてきた子育て支援の役割を 評価し、地域における子ども・子育て支援や民間保育所の運営に対する支援などの役割を担う﹃新たな公立保育 所﹄を各区3カ所設置するとしました。しかし、地域のこども・子育て支援機能は、特段﹃新たな公立保育所﹄ に特化することなく、地域に身近な公立保育所が継続して果たしていくべきです。また、 ﹁新たな公立保育所﹂が 民間保育所への支援と適切な指導・監督に向けた人材を育成するとありますが、はじめから、今ある公立保育所 をわざわざ民営化しなければよかったことです。公立保育所の担う公平性、永続性を担保するため、公立保育園 をこれ以上民営化すべきではありません。 園について、園舎を不動産鑑定評価額の4分の1の価格で譲渡し、土地を無償で貸し付けるとし、大師、 入った指導を行なう。 を十分に行い、特に職員の定着率については資料の提供を求め、検証すると同時に職員の処遇についても立ち ア 民営化にあたっては﹁保育士配置のバランスの取れた構成とし、未経験の新任保育士を配置する場合には、 新人1名に対し教育担当の保育士を1名配置する﹂。市は民営法人に対し、円滑な運営がされているかの検証 ︵そのうえにたって︶ して反対してきた理由です。これらを課題とするならば、民営化も止めるべきです。 討すると発表しました。まさに、今回、市が指定管理制度の課題としてあげたことは、私達が導入の時から一貫 会社も対象とする方向で検討するとしています。また他施設と合築の4園については別途民設民営化の手法を検 下作延中央、坂戸、宮崎、宿河原の5園は社会福祉法人や公益財団法人などに限定するが、その他の6園は株式 単体の 市は、指定管理者制度の課題として、保育の継続性、地域や保護者の関係性、職員の雇用の問題などいくつか 課題があるとして指定管理から民設化するとしました。2013年度、指定管理運営保育園 園のうち、建物が 15 イ 選考基準や選考過程を民主的に公開し、選考委員会に保育士、保護者を入れる。 ウ 父母・川崎市・事業者による三者協議会を今後も定期的に開催する。 エ 市はリスク管理を引き続き徹底する。 ⑨ 認可保育園は地域の公的な子育て支援をにない、機能の充実を図る ア ﹁新たな公立保育所﹂に、地域の子育て支援や、民間保育所への人材育成支援などを担う職員を増員する。施 ― 17 ― 11 設の老朽化が進んでおり、新たな公立保育所の機能強化を視野に入れた老朽化対策を進める。立て替えや長寿 命化にあたり、園庭の確保をしながら研修室や相談室、職員室の拡張等を図る。順次、立て替えや長寿命化を はかり、担う役割にふさわしい環境を整備する。 イ就学前人口の増加している中原区、高津区など、民間の保育所の急増や、地域支援の公平性の観点から、新た な公立保育所のブランチ園を増やす。 ウ 園庭開放や育児相談、出前保育など地域に開かれた子育て支援を担って実施している公立保育園を地域子育 て支援センターとして保育相談や地域活動事業の充実をはかる。そのための施設改善と人的配置を行なう。 エ 園児や地域の乳幼児の健康や栄養・食事の相談指導のためにすべての保育園に看護師や栄養士を配置する。 ― 18 ― オ 子育て支援事業として認可保育園における一時保育を段階的に増やす。 カ 給食業務の委託化は質の低下につながらないようしっかりと検証し、保護者の意見要望に応え、委託を安易 にしない。 キ アレルギー除去食を実施している民間保育園に職員増員の補助を行なう。 ク 乳幼児の生活する場として安全点検を常に実施し、大規模改修予算及び小破修繕予算を大幅に増額し、必要 な修繕は直ちに実施する。トイレはドライ方式に改良し、備品費も増額し必要な備品を整備する。 ケ 園児の布団丸洗い乾燥を実施する。 コ 病児保育を各区で実施する。 時以降の延長保育は拠点園だけでなくニーズの高い園から計画的に実施する。 サ わが党は、2011年度にむけた予算要望書から、庁内に﹁児童虐待対策担当チーム﹂を設置し、虐待対策・予防 事業の体系化を図り、虐待の未然防止に力を注ぐこと、子どもと家庭に関わる部署の連携を強め、虐待の早期発見・ なのは﹁虐待を起こさない﹂ための、予防的な支援です。 児 童 虐 待 は 重 大 な 人 権 侵 害 で す。 徹 底 的 に ﹁ 子 ど も を 守 る ﹂ 立 場 に 立 ち 、 子 ど も の 安 全 を 確 保 す る 必 要 が あ り ま す。虐待を受けた子どもは深く傷つき、その後の子どもの心を支える息の長い支援が必要です。そして何よりも大事 ︵七︶児童虐待を未然に防止し、子どもの人権を守るための制度や機能の充実を図る 19 早期対応、再発防止など児童虐待に関わる切れ目のない支援の充実のための体制整備を推進することを毎年度求めて きました。 児童虐待対策の強化のために、2012年5月に児童福祉審議会から提出された︵2011年に発生した2歳児の お子さんの虐待死亡事例の︶ ﹁検証報告書﹂に示された提言内容を、2013年度の予算要望書に盛り込むと同時に、 児童相談所と保健福祉センターの専門職種の増員を含めた人員配置と体制の整備・強化、ならびにその連携強化等に ついて具体化を図るべきと主張し、質問してきました。 ﹁子育て支援・児童虐待対策推進検討委員会﹂を設 川崎市はこの﹁検証報告書﹂の提言を受けて2012年8月に、 置し、2013年度からおおむね5年間を対象とした﹁児童家庭支援・児童虐待対策基本方針﹂を策定しました。 2013年度は、各区保健福祉センターに専門的かつ総合的支援の提供に必要となるマネジメント機能を強化する として﹁児童家庭課﹂を設置し、社会福祉職・心理職・保育士を配置。児童相談所の多様かつ複雑な支援ニーズに対 ― 19 ― 応するため、ケースワーカーへの組織的バックアップ体制を構築するとともに、保健医療領域の専門性を強化するた めに保健師を配置し、両機関が連携強化する推進体制が示されました。その結果、児童相談所では多様化、複雑化し ている相談支援ニーズに対して、様々な専門職の知識、技術などを有効に活用し、一時保護や施設入所が必要なケー ス、虐待などのリスクが高いケースについて、法的措置による介入も視野に入れた高度な相談支援を行なっています。 また各区保健福祉センター児童家庭課では所管する制度やサービスを活用し、児童や家庭の様々な支援のニーズに 対応するため他職種共同による支援体制を構築し、保育所や学校等の連携を図りながら地域における継続的な支援や 見守りに取り組んでいます。また、2013年度から新たに保健福祉センターにおいても虐待の相談・通告件数が集 計されるようになりました。連携にあたっては子ども本部の児童家庭支援・虐待対策室が中心となって児童相談所及 び各区児童家庭課と連携を図りながら施策を推進するとともに、各区児童家庭課が所管する﹁要保護児童対策地域協 議会﹂により、要保護児童等のケース管理について情報の共有に努めるなど、一定の前進が図られてきました。 2016年5月に公表された﹁2015年度の児童相談所における児童虐待相談、通告件数﹂は1920件で前年 度より128件、7・1%増加し過去最多を更新しています。特に心理的虐待が大幅に増加、1049件で、 ・6% 緊急的、かつ多発的に発生し、相談は複雑、多様化しています。 加によるもので、DV被害者支援の対策が求められます。また、区役所への相談通告件数は614件でした。通告は を占めました。2010年度432件の2・4倍以上になっています。これは、子どもの面前での配偶者間暴力の増 54 児童相談所には強制的な介入から被虐待児のケアや家族再統合に至る援助、区役所への後方支援まで多種多様かつ 高度な専門性を要する業務が集中して求められています。本市では地区担当が継続相談のケースワークに平行して新 規ケースの初期対応や緊急対応、さらには重篤ケースの家族再統合まで担い、対応件数も増加しています。専任で実 施できる人員配置、体制整備が必要です。 2015年度に、子ども本部児童家庭支援・虐待対策室に児童相談所の総括部分と位置づけ、室長を専任にすると ともに、社会福祉職、事務職員の増員をはかり、児童相談所には、一時保護所の設置や相談・通告件数などを勘案し、 ケース進行管理の徹底を図り、緊急対応時の支援体制の充実や区役所との連携強化、所内管理体制の充実等を図るた めに、子ども家庭センター及び中部児童相談所に、新たに副所長を設置、子ども家庭センター及び各児童相談所に、 初動体制の強化、定期的なケース進行管理の徹底などを目的として、相談調整担当の社会福祉職を増員するととも に、子ども家庭センターと中部児童相談所に心理職を増員し、体制強化が図られました。 しかしながら、3児童相談所における地区担当の1人あたりの平均持ちケース件数は、2012年が ケース、2 014年 ケース、2015年118ケースと年々増えていることから、人員増を図り担当ケースを減らすべきと、 会福祉職が1名増員、北部児童相談所に社会福祉職1名、心理職1名増員されました。この効果について、着目して いきます。 、児童相談所と保健福祉センター児童家庭課に専門職種を増員し、体制を強化、双方が連 以上述べたようにこの間、 携した取組を進めてきたにもかかわらず、2016 年度から区保健福祉センターの大きな組織再編を行なったこと で、児童家庭課で構築されてきた専門性と児童相談所との連携の継続性が担保されるのか大きな危惧を抱くものです。 ① これまで培ってきた、児童相談所と児童家庭課の連携をしっかり継続させる。 ② これまで図ってきた体制の強化の効果と課題を検証し、必要な対策を講じる。 ③ 各児童相談所は各区の児童家庭課、児童家庭支援センターと連携し、後方支援に力を尽くす。 ④ 地域支援体制のルール化と保健福祉センター内の体制整備を充実させる。保健福祉センターにおいて、虐待対 応、虐待予防を可能にするため、受理会議を開催し組織決定を行ない、原則、 時間以内に安全確認を行なうな ⑤ 要保護児童対策地域協議会と各区の実務者会議をより充実させ、保育所、学校、地域などが連携し、個別的な ど組織体制の整備を図ったが、今後も引き続き取り組む。原則複数対応が可能になる人員増をはかる。 48 ― 20 ― 82 この間求めてきました。その結果、2016年度子ども家庭センターに社会福祉職が3名増員、中部児童相談所に社 99 支援を必要とするケースについて具体的な支援が図られるよう、引き続き、要保護児童対策地域協議会の充実を 図り、地域ネットワークの充実や関係機関との連携を図る。 ⑥ 心理的虐待が増加していることから、保健福祉センターにおいてDV被害者の相談にあたる女性相談員の勤務 時半までです。夜間休日の緊急なDV被害 を常勤化する。女性相談員のバックアップ体制をはかる部署を明らかにする。2016年度に、DV被害に関わ る総合相談窓口が開設されたが、非常勤の相談員2名体制で受付は の相談体制を整備する。 ⑦ 保健福祉センターの通告・相談の年齢別をみると、ゼロ歳から3歳未満が、最も多くなっている。出産前後の 不安定な母親への継続的な支援と出産後間もない母子対象の産後ケア、育児相談事業の充実がますます必要であ る。区役所での保健師、助産師、保育士等の人員配置を充実させるとともに、産後ケア事業を充実する。低所得 者の利用料負担を減免するなど、必要とする母子が利用料を心配することなく支援がうけられるようにする。 ︵再掲︶ ⑧ 児童家庭支援センターは市内2カ所︵幸区、多摩区︶の他、新たに麻生区白山、川崎区浜町の児童養護施設に も併設し、現在4ヵ所で運営されている。児童家庭支援センターを各区に整備する。 ⑨ 里親の増員をはかるとともに、里親への支援を行なう。 ︵八︶どの子にも安心して過ごせる放課後対策を 2014年、川崎市放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準に関する条例が制定され、2015年4月1日 から施行されています。児童福祉法の改正及び子ども子育て支援法により、放課後児童健全育成事業︵以下、学童保 育事業という︶の設備及び運営の基準を定めるものです。本条例の対象となる事業は、本市で行なわれるすべての放 の民間放課後児童健全育成事業者が届出を行なっています。 課後児童健全育成事業であり、市が放課後児童健全育成事業を包含して実施するわくわくプラザ事業と、市に届け出 を行なう事業者が対象です。2016年度、 ― 21 ― 16 本事業における支援は﹁保護者が労働などにより昼間家庭にいない小学生﹂で、発達段階に応じた主体的な遊びや 生活が可能となるよう、自主性、社会性、及び創造性の向上、基本的な生活習慣の確立を図り、当該児童の健全な育 14 成を図ることを目的として行われなくてはならない﹂ ︵第5条︶と定めています。学童保育について、自治体の実施責 き、概ね1・ 人を超える場合は学校との調整により専用区画を確保するとのことです。 ㎡以上でなければならず、 86 80 36 ﹁事業の実施促進﹂として児童福祉法第 条の7の2項に﹁社会福祉法人その他の多様な事業 児童福祉法の改正で、 者の能力を活用した放課後児童健全育成事業の実施を促進し、放課後児童健全育成事業に係る供給を効率的かつ計画 す。 くと予測されていることからすれば、学校内の専用室確保はますます困難になるのではないかと危惧されるところで で専用区画が確保できるのか。今でも学校内の専用室の確保に苦慮しているのに、今後5年間の見込み量も増えてい また、子ども子育て支援事業計画では、2016 年度の放課後児童健全育成事業の量の見込みは6314人です が、実際は7976人で、見込みを上回っています。2017年度の見込みは6544人となっていますが、学校内 後児童健全育成事業としての遊びと生活及び静養の環境は、それぞれ確保・保障する方向性をもつべきだと考えます。 ﹁厚生 学校教育の図書室を﹁遊びと生活の機能並びに静養するための機能﹂としての専用区画になる根拠について、 労働省との協議で了解された﹂から合法だとしていますが、本来、学校教育法における図書室で読書する環境と放課 校あります。 校、プール更衣室は1 人を超える場合には学校との調整により専用区画を確保するとのことで 40 したが、実際は図書室・図工室・特別活動のほかプール更衣室まで含めています。図書室は 40 40 任が強化され、これまで定めがなかった最低基準が示されたことは保護者らの大きな運動の成果といえます。 ﹁設置の基準﹂について︵第8条︶、 ﹁遊び及び生活の場としての機能並びに静養するための機能﹂を備え 条例では、 た専用区画として、児童一人につき、概ね1・ ㎡以上でなければならないとしています。支援の単位はおおむね 人以下とされ︵第9条︶ 、 65 2016年4月時点の在校児童数7万1950人中、わくわくプラザ事業の定期利用登録児童数は、7976人。 そのうち、保護者就労児童数は7608人です。 人を超えるのが 校、 人以上が 校もあります。児童一人につ 40 川崎市の放課後児童健全育成事業の根本的な問題は、学童保育事業を全児童対策事業である﹁わくわくプラザ事業﹂ と一体のものとして実施されていることです。そのため、 ﹁わくわくプラザ事業﹂が﹁学童保育事業﹂を﹁包括﹂する 同じ保障をするためにも、届出をした民間事業者が事業継続できるよう、具体的な支援策を講じるべきです。 せ、自主学童保育等民間事業者の行なう事業を選択する児童が、わくわくプラザ事業における事業を選択する児童と 的に増大させるものとする﹂が新設され、さらに3項で﹁必要な支援を行なう﹂と明記されました。法の改正にあわ 56 ― 22 ― 17 65 名に対して2名配置すると言っても、その職員がわくわく事業の という理由により、学童保育事業に必要な専用室や職員も、わくわくプラザ事業と一体化された中で、実態のないも のとなっています。専任の職員︵学童指導員︶を スタッフリーダーやチーフサポーターなどわくわくプラザ事業の責任者との兼務では、 ﹁専任﹂と位置付けた意味があ りません。 市は、わくわくプラザにおける放課後児童健全育成事業の支援員の専任義務について、﹁﹃放課後子ども教室﹄など すべての児童と一体的に実施する際に、放課後児童健全育成事業の利用者が利用者以外の児童とともに、遊びや生活 の時間を過ごすことが望ましいことから、両事業において適切な人数の職員が配置されている場合に、放課後子ども 教室に従事する者と協力し、放課後児童支援員等が、利用者以外の児童の安全管理等を合わせて行なうことを妨げる ものではない﹂ ︵厚労省通知︶から、今後も包含する形で全ての児童を対象としてわくわくプラザ事業を引き続き実施 していくとしています。しかし、 ﹁放課後児童支援員及び補助員は、支援の単位ごとに専ら当該支援の提供に当たる者 でなければならない﹂ ︵第9条の5︶と定めていることからすれば、﹁専任﹂としてあたれるよう、今後、棲み分けの 検討を求めます。 ﹁子どもの権利条例﹂でも﹁子どもはその置かれた状況に応じ、子どもにとって必要な支援を受けることができる﹂ とされているわけですから、昼間うちへ帰っても保護者がいない子どもが、保護者がいる家庭と同じように﹁寂しい 思いをしない﹂という環境を整備することは、この条例の第3条﹁市は子どもの権利を尊重し、あらゆる施策を通じ てその保障に努めるものとする﹂とした市の責務の実践にほかなりません。 1 ﹁川崎市放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準に関する条例﹂に則り、学童保育事業としての環境整備を 行なう。 名とする基準を守り、対象となるすべての児童が利用 ① ﹁学童保育﹂と﹁わくわくプラザ事業﹂を個別の事業として位置付ける。 ② 定員を上回る利用児童があった場合は、支援の単位は できるようにする。 ④ ﹁学童保育事業﹂を実施する専用室を﹁わくわくプラザ事業﹂実施スペースとは区別し、基準に見合うように にあたっては、業務として位置づけ、賃金の保障を行なう。 ③ 放課後児童支援員は﹁わくわくプラザ﹂のスタッフと兼務ではなく﹁専任﹂として配置する。また、県の研修 40 ― 23 ― 40 整備する。当面、現状の学校の敷地及び校舎内で 人以上の場合の専用室の確保が困難な状況にかんがみ、届出 をした民間放課後児童クラブに対し、家賃補助、人件費補助等の必要な支援を行なう。着替えや私物をしまえる ⑤ ﹁川崎市放課後児童健全育成事業の設備および運営の基準に関する条例﹂の対象となった民間の事業所が果た 障がい児の利用がある場合には、障がいの程度に合わせて職員の加配を行なう。 ような個別のロッカーの設置を行なう。 ⑥ している役割にかんがみ、条例を遵守するためにかかる費用︵面積基準を守るための引越し費用や家賃、施設改 分から8時へと繰り上げる。 善にかかる費用、放課後児童支援員の増員にかかる費用、研修費用等︶への助成をすること。 2 ﹁わくわくプラザ﹂事業の改善について ① 夏休みや冬休みなど長期の休校時には、開設時間を現在の8時 ② 夏休みの学校プールの使用を再開し、職員の配置を行なう。 ⑨ スタッフ体制については、正規職員の複数配置を基本とし、職員の専門性を高める。サポーターの時給を10 ⑧ ﹁子育て支援・わくわくプラザ﹂は個別の事業とせずに利用者負担を無料にする。 て、利用者に知らせる。 ⑦ ﹁子ども運営会議﹂ ﹁保護者懇談会﹂を充実し、運営に利用者の意見が反映できるようにする。その内容につい 対策を行なう。 ⑥ 施設が2階以上にあり、階段を利用しなければならない施設は車いす等の利用が可能なように、バリアフリー の配置を市の責任で行なう。少なくとも、各区に1名以上の巡回指導員を配置する。居場所の確保も行なう。 ⑤ 障害のある児童の実情に合わせた対応ができるように、スタッフは、増員だけでなく専門的知識を有した職員 なく、就学援助を受けている世帯については、おやつ代を免除する。 ④ おやつに公費助成を行ない、保護者の負担軽減を行なう。おやつ代について、被保護世帯における対応だけで 入れる。 ③ おやつのメニューを補食としてとらえ、内容を充実する。地元の食材なども使用した手作りおやつなどを取り 30 運営やスタッフの対応について、問題点や意見について、相談者のプライバシーが守られるように、市として 00円以上に引き上げ、経験年数に応じた賃金体系にできるよう改善する。 ⑩ ― 24 ― 40 相談窓口を設置する。 年代等の建物について カ所が改築していますが、昭和 年代が1カ所、 年代が カ 3 こども文化センターの環境の改善を図る こども文化センターや、地域子育て支援センター等、地域の子育て支援の充実を図ることは大切です。現在、こ ども文化センターを活用した児童館型地域子育て支援センター カ所を含め、 カ所のこども文化センターが活動 しています。うち、昭和 万人、小学生約 万人、中学生 17 万人、高校生約6万人で、合計すると年約144万人余です。過去3年間の推移を見ても増加し、前年度比で 所あるなど、老朽化対策が必要です。2015年度の延べ利用実績は、乳幼児約 40 26 改善を図る。 地域性から、 ﹁ 川 崎 市 こ ど も・ 若 者 ビ ジ ョ ン ﹂ の め ざ す 活 動 を 必 要 と し て い る 地 域 に つ い て 、 こ ど も 文 化 セ ン ターを活用して、困難を抱える子ども・若者を支援する、事業を行う。 ︵九︶子どもの貧困対策を抜本的に強め、安心して過ごせる居場所づくりを進める ⑦ ⑥ 休止している小杉こども文化センターの活動スペースを確保したが、狭いため、外のスペースを使うなど環境 ⑤ 音楽室の個所数を増やす。 う指導する。 ④ こども文化センターで行なうイベントは予算も確保し、子どもたちの興味や関心に合わせた企画を充実するよ ③ 図書・遊具などの予算を増やし、新しいものを整備する。 ② 未設置の冷暖房設備について、緊急にすべてを設置する。 り替えてゆく。 ① 老朽化した建物の施設整備計画を策定する。その際、可能なところでは、自然エネルギーを活用した施設に切 約 万人余増加するなど、多くの子どもたちに利用されています。 約 50 80 14 57 33 40 子どもを取り巻く環境が厳しさを増し、家庭や地域において孤立したり、生きづらさや不安を抱える子どもや若者 が増えています。こどもの心に寄添い、ありのままの自分が認められる、こどものSOSを受け止める大人の存在が ― 25 ― 35 25 今、求められています。地域における子どもの居場所づくりを促進する取組として、市が策定した﹁川崎市子ども・ 若者ビジョン﹂の基本的な方向性は、1、地域社会全体で子ども・若者を見守り、支える仕組みをつくる。2、すべ ての子ども・若者の健やかな成長を促進する。3、困難を抱える子ども・若者を支援するとしています。この基本的 万円︶が 団体、B区分︵200 な方向性の具現化にむけ、今年度の地域子ども・子育て活動支援助成モデル事業が8月から始まります。事業を推進 する事業者の選定がされ、A区分︵年間200日以上活動している団体=補助金 万円︶が6団体決まりました。 12 ⑤ ④ る。 まともな食事は給食だけという児童が増えている。食の保障、学習権・進学権の保障、経済的保障を充実させ 施計画を策定する。 て、実施された実態調査の分析に基づき、どういう対策がいつまでにとるのかを明確にした川崎市の貧困対策実 子 ど も 未 来 局 が 中 心 に な り 教 育 委 員 会、 経 済 労 働 局 の 参 画 で 設 置 さ れ た 子 ど も の 貧 困 対 策 の 担 当 部 会 に お い ② 地域に根ざした活動が継続できるよう、モデル事業から本格実施に向けて取組む。その際、補助金を増額する ③ 南部地域に、子どもの権利条例を具現化し、子どもの豊かな居場所となっている子ども夢パークのような施設 を整備する。 ① 目的に添う活動が推進できるよう、事業者の自主性を尊重するとともに、相談にのる。 くりを進めるとしています。 子ども食堂を実施予定としている団体が6団体あるほか、小学生までを対象とした子どもの預かり事業や不登校児 や特別支援学級児を対象とした学習支援、乳幼児親子の居場所を提供する事業者等、地域に置ける子どもの居場所づ 日に満たないが、先例となる取組を行なう団体=補助金 80 ⑥ 市として貧困率を下げる目標を設定し、生活支援、教育支援、保護者の就労支援、経済的支援を充実させる。 ― 26 ― 40 第二章 一人ひとりの子どもたちが大切にされ、すべての子どもたちの 成長・発達を支える教育の実現のために 安倍政権は﹁国家安全保障戦略﹂に﹁我が国と郷土を愛する心を養う﹂と明記し、国民の責務を書いています。 ﹁人格の完成をめざす権利としての教育﹂から﹁国防のための教育﹂に変質させようとする﹁教育再生﹂のねらいが はっきりと示されています。安倍﹁教育再生﹂の一番の特徴は、競争主義的な教育をいっそう安上がりにすすめる新 自由主義的改革の徹底です。 ﹁全国学力テスト﹂の結果公表でさらに競争を激化させ﹁6334制の見直し﹂など複数 ― 27 ― 型学校体系の導入、 ﹁飛び級﹂なども検討されています。 川崎市における﹁習熟度別学習の推進﹂もこうした流れの中のひとつと危惧します。 教育課程の編成権をもつ一つ一つの学校が、すべての子どもの学力を保障する立場から、教育行政による特定の授 業方法の押し付けはやるべきではありません。 安倍教育再生のもうひとつの特徴は、教育内容に介入し、国家主義的な教育をすすめようとしていることです。 ﹁道徳の教科化﹂は、学習指導要領を一部改訂する形で、小学校では2018年度から、中学校では2019年度か ら本格実施されます。昨年9月に﹁改正﹂された検定基準では、教科書で﹁生命の尊厳、社会参画、自然、伝統と文 化、先人の伝記、スポーツ、情報への対応等現代的な課題﹂のすべてを扱うことが求められるなど、より押し付けを するものとなっています。 2015年2月に起きた、川崎市の中学1年生の事件は、不登校になるなどヘルプのサインを発していたにもかか わらず、おとながそれにしっかり応えられず、命を救えなかった悲惨な事件でした。絶対風化させることなく、引き 続き市民とともに課題解決をしていく必要があります。 ・3%で、なかでも﹁ひとり親 ﹁過度な競争主義﹂の強まりのもとで、2014年度、川崎市では不登校の中学生が1003人︵全体の3・7%、 全国平均2・7%︶となって、ほとんど改善されていません。 子どもの貧困が深刻な社会問題になっています。2012年の子どもの貧困率は 家庭﹂の貧困率は ・6%になっています。 16 安倍政権が2013年8月から3年間で、生活保護基準を6・5%切り下げ、約650億円を削減したことが、状 54 況をさらに深刻にしています。この切り下げによって、就学援助を申請した1万1610人のうち、1739人が認 定されませんでした。 就学援助では、この間、申請方法の改善、部活動のユニホーム代を支給項目に入れるなどの改善が行われてきまし た。しかし、支給項目の更なる拡大、支給金額の増額などが必要になっています。 ﹁高校無償化﹂が廃止され、所得制限を導入した﹁高等学校等就学支援金制度﹂﹁奨学のための給付金﹂制度が実施 されて2年目となりました。就学支度金が支給されなかった世帯は2割です。﹁奨学のための給付金﹂は910万円 以上の収入のある世帯から徴収した授業料を原資とするもので、権利としての教育という理念からは、外れたもので す。 月、小中合築で建て替えられた東橘中学校で給食がスタートしました。安全でおいしい給食を実施し 2015年 ていくうえで、自校調理方式の給食の優位性は明白なものになっています。 2017年 月から、センターでの調理による給食が全校実施される予定ですが、給食会計の公会計化、学校の生 徒の動線にあった配膳室の整備、学校の実態に即した配膳員の複数配置、食教育を重視した栄養士の配置など学校現 場の切実な願いを実現していくべきです。 都道府県の中で、中学校1年生の 人以下学級を実現し 少人数学級の効果はすでに実証済みです。京都より東に ていないのは、神奈川県︵川崎市︶だけです。教職員給与が政令市に移管される2017年度を期に、川崎市でも実 現させることが求められています。 35 れます。 に指導できない﹂が %前後、生徒の休養日についても﹁とれていない﹂が約 %という結果でした。改善が求めら 子どもの健康と教師の多忙化からみても今の中学校の運動部活動については、見直す必要があります。教育委員会 が行った抽出による運動部顧問へのアンケートでも﹁自由な時間や休養の時間が取れない﹂ ﹁校務が忙しくて思うよう 教職員の長時間労働が大きな問題になっています。川崎市では正確な勤務実態さえ把握されていません。教職員の 長時間労働を是正し、子どもたちと向き合う時間を保障していくことは切実な要求になっています。 26 26 特別支援教育は引き続き、すべての障害をもつ子どもたちの全面発達を保障することを基本に、教職員の欠員をた だちに解決し、必要な人的配置をして川崎で築き上げてきた水準をさらに発展させることが必要です。 60 ― 28 ― 12 12 ︵一︶憲法・子どもの権利条約・川崎市子どもの権利に関する条例にもとづいた教育をすすめる 1 子どもの権利条約・子どもの権利条例にもとづき、子どもの命と人権を大切にし、体罰・いじめなどをなくして いく教育をすすめる。 ① 子どもの意見表明・話し合いの場面を増やし、子どもを主権者として正しく権利行使ができるよう育てていく 教育をすすめる。 ② 暴力や差別・偏見をなくし、人権を大切にする教育をすすめる。安易に警察を導入しない。 ― 29 ― ③ いじめを人権問題として捉えた教育を全校で実施する。 ④ 全国に先駆けて核兵器廃絶平和都市宣言を行い、人権と共生のまちづくりを進めてきた川崎市にふさわしく、 平和館の予算を増額し、子どもたちが平和と人権について学ぶ機会を増やす取り組みをすすめる。 ⑤ ﹁日の丸・君が代﹂の強制など、子どもの内心の自由を侵すような教育は行わない。 歳選挙権の実施に伴う主権者教育は、子どもの権利条約・子どもの権利条例にのっとり、すすめること。 ⑥ 定してより多くの専任教員が配置されるようにする。 4 夜間中学校について 多様な生徒が学ぶ夜間学級では、その実態に即してきめ細かく指導するため十分な教職員の配置は必須です。夜 間学級は随時入学であるため、諸外国の卒業・入学時期との関係で9月入学も4月同様に多いこと等を考慮し、安 3 神奈川県が予算計上を見送った朝鮮学校経常費補助金について、県に復活を要請すると同時に、川崎市で復活さ せ、拡充させる。 2 一面的な﹁学校評価﹂を行わず、保護者・地域・教職員の教育行政に対する意見を尊重し、合意づくりをすすめ る。 18 ︵二︶ 人学級を早期に実現し、すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめる 1 国と県に対して 人学級の早期実現を要求する。少人数学級の中学3 年生までの拡充を計画的にすすめる。当 面、川崎市独自で小学校3年生、中学校1年生の少人数学級を実現する。そのための教室の確保をすすめ、常勤の れもあり、教職員の長時間労働の原因にもなっている。適正な運動部活動のあり方を、教育委員会が責任をもって 休養日がとれていない状況もあることが判明した。行き過ぎた運動部活動はスポーツ障害などの影響が生じるおそ 4 学校図書館に常勤の図書館司書を計画的に配置する。 5 適正な運動部活動について、抽出によるアンケート調査においても、中学校の運動部顧問の半数以上が充分な休 養が取れていない、部活動指導にあたって忙しさを感じている状況が明らかになった。また、生徒も週1回さえも ③ 全校に生徒指導担当教諭を配置するために川崎市が独自の支援策をとる。 ④ 児童支援コーディネーター専任化事業については、現在のように加配なしで後追いの非常勤講師を配置する方 式では学校現場の多忙化を解消できないことは明らかであり、定数加配の条件で進める。 ② 教育困難に陥った学級や不登校など生徒指導上の課題を抱える学校を支援するため、教職員を配置する。 ① 通常学級に在籍する特別な支援が必要な子どもたちへの有効な支援を実施するため、正規教職員の加配を実施 する。 3 次に掲げる要望事項に対して、教育委員会はいままで県に要望する旨の回答でした。2017年度からの教職員 給与の財源の政令市移管により、川崎市としての積極的対応を要望します。 ② 定数内欠員を解消することができるように新規採用者を増やす。特に、中学校と特別支援学校の欠員解消を強 力に進める。 ① 教育委員会内に担当職員をきちんと配置し、現場の実態を正確につかみ、法令通りの正規職員の配置を行い、 欠員を解消する。 2 教職員の定数内欠員が小・中・特別支援学校で387名にも及ぶという異常な事態、特に中学校、特別支援学校 での定数内欠員は深刻である。 教職員を市独自で採用する。 30 ガイドラインをつくり周知に努めるなど、改善をすすめる。また、外部指導者の予算を増額する。 ― 30 ― 30 ︵三︶安全でおいしい栄養ゆたかな学校給食の実現を 1 中学校給食を実施するにあたって ① センター給食でも﹁当日搬入・当日調理﹂を厳守し、安全で安心な給食を実施する。 ② 南部学校給食センターから配送だけで1時間前後かかると予想されている学校が複数あり、配送体制やルート の再検証と見直しを行ない、配送時間の大幅短縮をはかる。 ③ 栄養士が中心になって、食物アレルギーへのきめ細かい対応ができるよう、給食センターでは 栄養士の増員 など万全の体制にする。 ④ 中 部 セ ン タ ー に も、 見 学 コ ー ス を 設 置 す る 。 敷 地 的 に 北 部 給 食 セ ン タ ー で は 見 学 コ ー ス は 難 し い と の こ と だ が、給食業務の透明性をしっかり確保するためにも調理状況が、常時市民にわかるモニタールームを確保する。 ⑤ 学校に整備する配膳室は、各中学校の実情と学校側の要望をよく聞いて整備を進める。 ⑥ 生徒の口に入るまで配膳室から教室まで、安全・安心の給食を届けるために、また、現場の教員の過度の負担 にならないよう、異物混入防止などの安全面から、大人が見守る中で各教室まで給食が届くよう、せめて各学年 に1人ずつで各校に最低3人以上、大規模校はそれに見合う数の配膳員の配置を行なう。 ⑦ 既存エレベーターがある中学校では学校の実情、要望に応じて配膳に活用できるようにする。 ⑧ 中学校給食についても自校調理方式にまさるものはない。引き続き自校調理校を増やす方向を検討する。 2 小学校給食の改善・充実を ① 自校献立を増やし、米飯給食を増やす。国産の食材を100%使用する。地元でとれた食材を取り入れる。商 店街との連携をはかり、遺伝子組み換え食品は使用しない。現行の学校給食物資規格基準書を順守する。 ② 給食食材の放射線測定を継続し、引き続き保護者への情報公開を徹底する。 ③ 食育の充実の視点から栄養士を全校配置する。それが実現するまで、兼務校には、非常勤の栄養士を配置する。 ④ 給食調理室と設備の改善を促進する。床はドライ方式とする。特に洗浄シンクは3槽式に整備する。調理員専 用のトイレは洋式に改修する。 ⑤ 小学校給食の調理業務のこれ以上の民間委託は行わない。 ― 31 ― ︵四︶教育関連予算の大幅増額をはかり、学校施設・設備を抜本的に改善する 1 学校施設長期保全計画は緊急性の状況に合わせ、前倒しでテンポをあげ、実施する。同時に老朽校舎の改築を計 画的にすすめる。 2 過大規模校の解消を早期に実現する。過大規模校の解消は、分離・新設で行なう。 3 都市再開発、マンション建設の急増に伴う就学人口の社会増は教育活動に支障をきたしている。学校施設の新 設、拡充、改築などは遅れることなく取り組む。いまでも、飽和状態でさらに就学人口の増加が予想される武蔵小 杉駅周辺については、校舎増築などにより校庭の縮小も余儀なくされ、﹁学校設置基準﹂を充足できなくなってい ― 32 ― る。少人数学級や少人数指導も教室不足から困難になるなど教育活動上に支障をきたす巨大再開発は見直す。 4 どの児童・生徒にも学校での移動を保障するため、エレベーター未設置校への設置は、テンポをあげて計画的に 取り組む。すでに障害がある児童・生徒が在籍する学校については、早急に整備する。 5 プール未設置校6校、格技室未設置校 校について、早期に整備をすすめる。 6 老朽化した水道管の敷設替えをすすめる。 7 学校トイレは各階タテ1列を改修すれば﹁トイレ快適化事業﹂が完了とされているが、古くて臭いのひどいトイ レが多くの学校に残っており、和式トイレの比率が高い学校も多い。トイレの改修・改善を最優先課題としてすす める。 8 特別教室へのエアコンの設置を計画的に進める。避難場所となる体育館へのエアコン設置を早急にすすめる。 9 固定式の黒板は、職員にとっても児童・生徒にとっても使いにくいので、全部の学校に、可動式の黒板を設置す る。特に、低学年の教室から早急に設置する。 ① 子どもたちが気持ちよく使えるトイレ施設になっているかを実態調査し、劣悪な施設を優先して改修する。 ② 洋式トイレの設置拡充をすすめ、洋式トイレの比率を高める。 ③ トイレ床の張り替え・改修︵ウエット式からドライ式へ︶や人感センサーの設置をすすめる。 13 体育授業時等に使用する更衣室の早期整備をはかる。 教職員の休憩室の計画的設置をする。 11 10 虫などが入ってきて窓を開けられないなどの要望がある学校に網戸を設置する。 プールへの循環式ろ過装置の設置をはかる。 市立総合科学高校のメンテナンス費用を大幅に増額し、体育館外壁のひび割れによる壁の落下を予防するための 改修工事などを行なう。 校舎のバリアフリー化をすすめる。 学校運営費・微破損修理費を抜本的に増額する。修繕費も公共工事の差金に頼ることなく増額する。 プール清掃の委託費を増額する。 プール監視員の予算を増額し、夏休み中のプール開放を再開する。 臭いがひどいトイレが多いため、業者に委託しているトイレ清掃の委託費を増額し、実施回数を増やす。 3年に1回の窓ガラス清掃をさらに期間を短縮して行なう。 学校のコピー機、印刷機を児童・生徒数に応じて増設置する。 ︵五︶子どもをとりまく環境対策の推進をはかる 1 携帯、スマートフォンなどによるSNSやゲームなど通話通信サービスは、いじめ、犯罪などのトラブルの原因 のひとつになっている。安全なインターネット等の利用について、啓発活動、さらに広い範囲での問題意識・ルー ルの共有化など、積極的な取り組みをすすめる。 2 地域交通安全員を必要な箇所に必要な時間配置を行なう。 3 引き続き、通学路の安全点検を定期的に行い、危険個所の改善・安全対策を急ぐ。 4 道交法の改訂もあり、正しい自転車の乗り方を周知していく必要がさらに増している。自転車の交通安全教育を 進める。 校も減らしてしまった。そのことから、神奈川県の中学生の進路は、全 ︵六︶高校入試の改善をはかり、給付型奨学金制度を拡充する 1 神奈川県は、県立高校をこの 年間で 12 25 ― 33 ― 14 13 12 21 20 19 18 17 16 15 ・0%、川崎市は、旧南部学区が ・9%、旧北部学区が ・7%になっている︵全国平均 国でも最悪の状況になっている。2014年度卒業生では、公立中学校から公立・私立の全日制高校に入学した中 学生は、神奈川県は 91 4 定時制の1クラス定員は 人とし、募集定員の増を行なうときは、学級増で対応し、必要な教職員の配置を行な う。 2 県に対して私学助成金の増額を要求し、保護者負担の軽減に努める。 3 市独自の給付型奨学金の予算増額をはかり、該当者全員に支給する。入学支度金については、支給月を3月にす ること。 に、公立全日制の入学定員枠を増やすことを要求する。 % の進路希望が実現しなかった。さら %︶。全日制公立高校に進学できなかった中学生が定時制や通信制高校に進学している状況である。公立高校 87 全 日 制 の 進 路 希 望 が 実 現 し な か っ た 生 徒 は 1 2 6 4 人 で、 公 立 希 望 者 の は 90 1 川崎市初の中高一貫校を作り、受験競争の低年齢化を市教委自ら推し進めたことは問題である。 歳の段階で選 別することになり、さらに競争教育の低年齢化はさけられない。入学者の決定については﹁無作為の抽選﹂とする。 な中学校生活を始める前に、不合格になった多数の児童が受けたダメージは計り知れない。 川崎市初の中高一貫校には昨年度も542名が受験し、初年度の800名より若干減ったものの、結果422名も の多数の不合格者を出すことになった。今日の受験競争の低年齢化を市教委自らが推し進めていることになり、新た ︵七︶ ﹁市立高校改革推進計画﹂を抜本的に見直す 35 12 2 全日制公立高校進学への希望実現率は全市的には %、旧南部地区︵川崎区、幸区、中原区︶では希望実現率は ・3%にとどまっている。さらに、卒業生全体に占める全日制公立高校普通科への進学率は %であり、県平均 37 の %を大幅に下回り、県内では最も狭き門になっている。せめて、市立高校においての全日制普通科の定員増を 76 強く求める。 3 定時制高校の再編にあたっては、橘高校の定時制課程は廃止しない。 4 定時制高校の給食費は無料にする。 ― 34 ― 24 92 69 54 ︵八︶特別支援教育を充実させる 1 特別支援学校、特別支援学級に通学する児童生徒が増加している実態をふまえ、教室や作業室の増設、老朽化対 策など施設設備の早期充実をおこなう。 2 すべての特別支援学校へのスクールカウンセラーの配置を行なう。 3 通学保障体制を充実させる。スクールバスの増車とともに、正規添乗員を常時複数にする。 4 特別支援教育サポート事業を、ニーズに応じたサポーターの増員とサポーターの勤務条件の改善を行なう。 5 特別支援教育における学級担任は5人に1人の配置を県に要望する。最終的には市単独を含めて配置する。 6 特別支援学校の増設を神奈川県に強く要請する。当面、聾学校の分教室を分校として整備する。 7 特別支援学級担任の研修を充実させる。 8 通級指導教室︵ほとんどの学習は在籍校で受けながら、定期的に通って一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導 を受ける教室。現在、市内には言語7ヵ所、情緒等7ヵ所、難聴1ヵ所︶の充実をはかる。 ① 小学生から中学生まで﹁ことばの教室﹂での指導を必要としているすべての子どもたちを通級の対象として認 め、必要な教室と教職員の定数を確保する。 ② 移動や交通が不便なために通級を諦めるケースもあることから、通学の負担を減らすために近隣の小学校︵例 えば中学校区ごと︶に、巡回教室をつくる。 ③ 在籍校の授業を抜ける必要が最小限になるよう通級の指導時間の枠︵放課後・土曜日・夏季休業中など︶を増 やす。そのために必要な教員増を図る。 ④ 指導にあたる教員が増えないため、指導の回数が減った、担任の先生と話す時間が少なくなった、あるいは、 通級の先生の負担が大きいことを不安に思う保護者が多い。通級の教員定数増を県に求めると同時に、市独自に 通級の教員増を図る。 ⑤ 人口増加が著しい地域︵川崎区、中原区、高津区︶の児童数増加に伴い、要支援の児童も増加していることに 対応するため、通級指導教室を増設する。 9 学齢期の児童が高次脳機能障害になった場合、学校に復帰するにあたっての受け入れ体制、教育方法をどのよう にするのか、教育方針を確立する。 ― 35 ― ろう教育について ① 聴覚障害の特性に配慮していることを示すために﹁聾学校﹂の名称を維持することを強く要望する。 ② 聴覚障害のある児童・生徒の教育にあたっては、手話によるコミュニケーションが成立する集団の確保が必要 であることから、川崎市立聾学校の生徒数を増やすための対策を引き続き講じること。 ③ 就学相談の場にろう教育の専門家を配置すること。 ︵九︶義務教育費の保護者負担を軽減する 1 学校徴収金については具体的に保護者負担が軽減されるように、 ﹁公費・私費区分の要綱﹂の見直しについて各学 校への周知を徹底させる。 2 高い修学旅行費の保護者負担を軽減するための見直しを行なう。とくに、企画手数料は公費負担とする。 3 就学援助については、認定基準を生活保護基準の1・0から1・2に引き上げる。 ① 卒業アルバム代等卒業記念品援護費、メガネ代を支給品目として復活させ、校外活動費の支給限度額を650 0円に戻す。 ② 国が就学援助項目で新たに追加された生徒会費、PTA会費について、就学援助費として支給する。 ③ 入学準備費をせめて横浜市並みにする、支給月についても2、3月にすること。 4 教育活動の一環として実施する自然教室の食事代の公費負担を復活させる。社会見学など指導のために要する経 費に該当するものについて公費負担を検討する。 ︵十︶教職員の健康を守り、労働関係法が遵守される学校運営をすすめる。 1 教職員の長時間・時間外労働、学校の多忙化解消のために、抜本的な対策を講じる。 ① 教職員の長時間・時間外労働の実態を明らかにするために、各学校で管理職の責任で、教職員の始業・終業時 刻を適性に把握するための実態調査をし、措置を講じる。 ② 2006年4月の文科省通知﹁使用者は労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとに始業、終業時 ― 36 ― 10 刻を確認し、これを記録すること﹂を、川崎市教委が守っていない責任は重大である。労基法、労働安全衛生法 を遵守し、ただちに、始業と終業の時刻を適正に管理するシステムを実施する。 条 ③ 給特法に基づき、教職員には時間外労働を命じない原則にのっとり、教職員の業務の精選、協業のあり方の見 直しなどを進める。 ④ 給特法に規定する限定4項目以外の業務を、勤務時間を超えて行わなければならないときは、労働基準法 第2項に基づいて割り振り変更を行い、違法な時間外勤務を行わせないようにする。 教職員の負担として大きな比重を占めている、給食事務の公会計化や就学援助事務の合理化・簡素化を実施す ⑤ 市教委として、提出書類の削減や、研究推進校の募集枠を大幅に削減し教師が子どもと向き合える時間を保障 する。 ⑥ る。 2 増加している学校現場でのパワーハラスメントを根絶するため、他の自治体でも進められている﹁パワーハラス メント防止指針﹂を作成する。 3 労働安全衛生法の規定にもとづいて、安全衛生委員会を定期的に開催し、過重労働の防止対策を実施する。産業 医による職場巡視を行ない、当面、全校で年に1回行われるよう産業医の増員をはかる。 4 脳ドック、骨ドックの実施など教職員健康診断の項目の充実をはかる。 5 教育に成果主義を持ち込むことはやめるよう県に要望する。 6 管理職の民主的任用制度を確立し、全ての教職員に開かれた制度とする。 7 2014年7月4日付総務省通知﹁臨時非常勤職員及び任期付職員の任用等について﹂では、 ﹁再度の任用の場合 であっても新たな任期と前の任期の間に一定の期間を置くことを直接求める規定は地方公務員法をはじめとした関 係法令において存在しない﹂としている。ここからみても、臨時的任用教員の任用空白期間は実施しない。 8 臨時的任用教員の賃金・休暇などの勤務条件を、同一労働・同一賃金の原則に基づき、早急に改善する。 9 市非常勤講師の賃金・勤務時間・交通費などの勤務条件を、同一労働・同一賃金の原則に基づき、早急に改善す る。 ― 37 ― 32 県費教職員の政令市移管にあたって、市職員と同じ扱いにするなどの単純化を排し、教職員固有の職務や勤務態 様の特殊性を尊重し、教職員の勤務条件や処遇が改悪されることがないようにする。 10 県費教職員の政令市移管にあたって、特に、年休の時間単位での取得制度を維持する。諸手当や諸休暇制度につ いては、これまで県教委が﹁教職員固有の制度﹂として実施してきたものであり、これを市としても引き継ぎ、さ らに整備していく。 この方向での市教委の努力が、川崎の教育を発展させるための優秀な教職員を獲得し、異常な数の大量欠員を解 消し、学校の教育力を高めることにつながる。 ︵十一︶子どもと学校を大切にし、ゆきとどいた教育を進めるために、教育委員会の権限を強化する。 1 総合教育会議が動き出したが、教育委員会の﹁政治的中立﹂を保障し、市長から独立して自主的に決定できる権 限を拡大する。 2 教育委員会の権限に属する事務の決定を、市長は尊重し予算面での実現に努力する。 3 教育委員の公選をめざし、当面は準公選制を実施する。 ︵十二︶中央図書館を含む市立図書館の整備を 1 中原図書館は返却ボックスを休日だけでなく、開館中も使用できるようにする。 2 中原図書館のみならず、利用状況に応じて各開館時間を9時から 時に延長する。 3 各区図書館の職員が一部民間委託になっている。図書館法の精神にてらし、書架整理や貸し出しなどは図書館機 能の後退につながるものであり、民間委託をやめる。 ︵十三 ︶ 主権者教育をすすめる 5 ブランクエリアの解消に努めるとともに、移動図書館の充実をはかる。 6 分館構想を復活させ、ブランクエリアに市民館・図書館分館をつくる。 7 貴重な図書を有する県立川崎図書館については、川崎市に存続させるため、神奈川県に要望する。 4 各区図書館に専属の図書館司書を配置する。その際、他の業務と兼任させない。 21 ― 38 ― 11 第三章 いまこそ、国の社会保障切り捨てに抗し、市民生活を守る防波堤 の役 割 を 条が定める国の責任を後 ﹁国はすべて 社会保障は、憲法 条で明記されているように﹁健康で文化的な最低限度の生活を営む権利﹂であり、 の生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない﹂と﹁国の責任﹂を 明確にしています。しかし、安倍政権は社会保障の基本方針に﹁自助自立﹂を据え、憲法 退させてきました。4年間で削った社会保障の自然増は総額1兆3200 億円にも上り、年平均3300 億円とな り、毎年2200億円を削った小泉﹁構造改革﹂路線を上回るものです。 歳から ∼ 歳にまで先送りし 公的年金は、4年間で3・4%も削減し、国民年金の平均受給額が月5万円なのに、貧しい年金をさらに削り込む ものです。さらに、物価下落時などの﹁マクロ経済スライド﹂ ︵物価上昇以下に抑制︶の未実施分を翌年度以降にまと めて削減する改悪法案を国会に提出しています。また、年金支給開始年齢を現在の 68 70 ようとしています。株高をつり上げるために年金積立金の株式運用割合を %から %に引き上げたことによる20 50 65 進めてきました。さらに今後、入院ベッド削減、 ます。 歳以上の窓口負担2割化、市販類似薬の保険はずしを計画してい 医療では 歳から 歳の窓口負担︵1割から2割︶の引き上げ、療養病床の入院給食の負担増︵1食260円から 460円へ︶ 、紹介状なしで大病院を受診した患者に5000円の負担を求めるなど、受診閉め出しと患者追い出しを 15年度の損失は5兆3千億円にもなりました。国民の大事な年金資金に大穴を開けるやり方は許せません。 24 すすむものです。さらに、2015年8月から合計所得160万円︵年金収入280万円︶以上の利用者負担が2割 に引き上げられました。また、非課税世帯の施設利用者の居住費・食費の補助=補足給付︶の対象要件を厳しくし、 100万人の方が打ち切りになると言われていました。 ﹁要介護1、2﹂を特別養護老人ホームから閉め出したのに続き、生活援助や福祉用具の貸与まで原則自己負担とす る方針です。 ﹁要支援1、2﹂に続き、﹁要介護1、2﹂のサービスも保険給付から外すもので、批判が噴出していま ― 39 ― 25 25 74 介護では、 ﹁要支援1、2﹂の方のヘルパー、デイサービスの保険給付はずし、特別養護老人ホーム入所を﹁要介護 3﹂以上に限定、介護報酬も過去最大規模の引き下げです。﹁介護離職ゼロ﹂どころか、﹁介護共だおれ﹂社会につき 75 70 す。 生活保護を不正受給が横行しているかに描き、生活扶助費の切り下げ、冬期加算の削減など連続削減を強行してい ます。 さらに、今後も毎年3千億円から5千億円の社会保障費の﹁自然増﹂削減を決定しており、社会保障の連続大改悪 が進められようとしています。 国民皆保険制度の根幹をなす国民健康保険制度の見直しも焦点になっています。国保はこの 数年来、滞納世帯 数、資格証明書並びに短期保険証の発行数ともに高止まりしたままです。国保は、年金暮らしや自営業の方、それに が全体の ・6%を占める等、低所得層の加入割合が高まっていると同時に無保険者も増えています。こうした国保 加えて雇用の悪化が進むなか、派遣・非正規労働者や失業された方々が多く加入しています。総所得200万円未満 10 の深刻な実態を顧みず、厚生労働省は、国保の都道府県単位化︵広域化︶を進めようとしています。 年度 ・7% 国保は、社会保障及び国民保険の向上に寄与するもの︵国民健康保険法第1条︶とされ、国の運営責任を明確にし た︵同法第4条︶制度です。事業主負担のない国保は、適切な国庫負担なしには成り立たないのは政府も認めていた 国保財政の原則です。ところが、国保の総会計に占める国庫支出の割合を1984年度の約 %から 09 24 後期高齢者医療制度について、政府が決定した新制度は、 歳以上を形式だけは国保や健保に戻しつつ、引き続き 現役世代とは﹃別勘定﹄にするというものです。さらに所得の少ない人への保険料軽減措置の縮小ももりこまれてい 合を計画的に戻すなかで図られるべきであり、それまでは川崎市の一般会計からの繰り入れを行なうべきです。 に半減してきたことが国保財政の厳しくなった要因です。真に持続可能な国保制度にしていくためには、国庫負担割 50 憲法 条が定める生存権保障にふさわしい制度へ改革することを国に強く求めていくべきです。同時に、国の福祉と る医療制度への改革をはかるべきです。今こそ、連続改悪でずたずたにされた年金、医療、介護、福祉をたてなおし、 ます。後期高齢者医療制度は即時廃止し、老人保健制度に戻すべきです。国庫支出を増額して誰もが安心してかかれ 75 川崎市は、1997年3月﹁かわさき健康都市宣言﹂をしました。しかし、病気の早期発見のための特定健診やが ん検診の受診率は低く、健康寿命を延ばすためにも受診率の向上への取り組みが求められます。 川崎市特定検診実施計画では、2012年度の特定健診受診率の目標は %ですが、実際は ・6%、という極め て低い実施率でした。受診料を元に戻すことを含め抜本的な受診率向上の取り組みを求めます。 60 22 ― 40 ― 77 社会保障切り捨ての防波堤の役割を果たすことを、強く求めるものです。 25 市長は﹁がん検診の受診率を政令市トップレベルに引き上げる﹂と公約しました。 ﹂計画で 年後のがん検診の受診率の目標値を示しています。胃がん検診は %に対し、 川崎市は﹁健康つくり 最新の2014年度の実施率は3・8%︵政令市比較・ 位︶、肺がん検診 %の目標に対し ・3%︵8位︶、大腸 10 30 18 30 15 15 がん検診は %に対し ・9%︵ 位︶、子宮頸癌健診は %にたいし ・7%︵ 位︶、乳がん検診は %に対し ・ 21 10 33 10 30 32 ﹁地区担当﹂と﹁地域サポート﹂担当を置き、 ﹁地区担当﹂は、中学校区単位あたりを1つの地 ﹃地域支援機能﹄は, 区エリアとし、1地区あたり2人程度の保健師を配置。保健師が、積極的に地域に出向き個々のニーズに対応し,支 せん。 どのように図るのか。それぞれ配置されていた専門職種が統合されましたが、人員増がなければ機能の推進は出来ま べての地域住民﹂に拡大することで事業展開が不鮮明になり、それぞれの課で積み上げてきた専門性の継続と連携を しました。しかし、あまりにも進め方がトップダウンといわざるをえず、 ﹁子ども、障がい者、高齢者を一体的に﹂ ﹁す その枠組みを外し、 ﹁総合調整機能﹂ ﹁地域支援機能﹂ ﹁専門的機能﹂に再編し、地域見守り支援センターを新たに設置 などがあり、児童福祉法、介護保険法、障害者総合支援法などの法令にもとづき専門職種が配置されていましたが、 いう考え方を示しました。保健福祉センターには﹁高齢・障害課﹂﹁児童家庭課﹂﹁地域保健福祉課﹂﹁子ども支援室﹂ めすべての地域住民とするとし、自助、共助、公助に、新たに、自助の次に﹁互助﹂=地域住民が互いに助け合うと をつくるという、高齢者を対象としたものでした。ところが川崎市は、その対象を高齢者や障がい者、こどもをはじ 地域包括ケアシステムは、2014年のいわゆる﹁医療・介護総合確保法﹂の改定において、高齢者が可能な限り 住み慣れた地域で、自立した生活ができるよう医療と介護、介護予防、日常生活支援などが包括的に確保される体制 地域包括ケアシステムについて 神奈川県は県内の准看護師の養成学校を廃止する方針を打ち出し、すでに養成学校の廃止がはじまっています。川 崎市として市内の看護師不足の解消、看護師養成に全力を挙げて取り組むことを求めます。 ている自治体もあります。がん検診の受診料の負担を引き下げて、受診率の大幅改善が必要です。 て相当な開きがあります。名古屋市、浜松市は、大腸がん検診にも無料クーポン券を交付、ワンコイン健診を実施し 1%︵8位︶です。 。受診率は無料クーポン券で受診できる子宮頸ガン健診、乳がん検診以外は、下がり、目標に対し 17 援が必要とする人には﹁地域サポート﹂担当の、社会福祉職や心理職、栄養士、歯科衛生士等の専門多職種と連携を ― 41 ― 30 図り、相談支援を行なうこととしています。従来、保健師と最も連携しながら業務を行なってきた助産師は、地区担 当ではなく、 ﹁地域サポート﹂担当となり2つの区を併任することになりましたが、各区に1人とすべきであり、助産 師、保健師の人員増が求められます。地域において、支援を必要とする人、例えば、足腰が弱っているひとり暮らし 高齢者で自力で区役所まで行けない方や情報が入っていない,行政ともつながりがない障がいのある方、要保護家庭 等支援が必要でも自ら区役所に行けない方への対応について、区役所がまず出向いて訪問し、対応することを求めま す。 ﹁地域支援機能﹂としての地域づくり、人づくりという役割をもつことが示されて ﹁総合調整機能﹂の一貫として、 いますが、この役割を担うのも保健師とされています。いわゆる﹃互助﹄の部分をつくる仕事です。その為に、民生 委員、児童委員や、社会福祉協議会等との連携を図り、地域を見守り、支援する機能を育てるということです。今で も民生委員が足りず、仕事が次々増やされているなかで、さらに担う役割が増えるということですが、本来行政が担 うべきことまで、過度な負担を負わせるべきではありません。しっかり意見を聞くことを求めます。 保健福祉センターの﹁児童家庭課﹂は、2013年に﹁係﹂から﹁課﹂に位置づけをあげ、保健師、保育士、心理 職、社会福祉職,助産師など他職種が協働して児童家庭の専門機能をになう﹁児童家庭相談サポート﹂担当を設置し ました。妊婦相談、特定妊婦への支援、産前産後の母子支援、乳幼児育児相談、子育て支援、﹁要保護対策地域協議 会﹂の運営、児童虐待対応などをになってきました。出産前から乳幼児期、学童期と成長過程に添って支援し、積み 上げてきた﹁児童家庭相談サポート﹂の役割、機能をしっかり継続すべきです。 ︵一 ︶ 安心して暮らせる老後のために 1 後期高齢者医療制度はそのまま継続している。高齢者差別のこの制度は廃止することこそ必要。存続している間 は、短期証の発行はしない。保険料の改定にあたっては、これ以上の値上げをしないため、あらゆる努力をする。 川崎市独自でも保険料、医療費自己負担の軽減制度を確立する。 2 特定健診の検査内容を以前の老人健診の内容に戻し、費用負担を元にもどす。 3 敬老パスは高齢者の自立支援のためにも現行制度は絶対後退させない。さらに無料パスを復活させる。当面、応 能負担にする。 ― 42 ― 4 高齢者医療費助成制度を復活し、 崎市独自策として無料とする。 長寿祝い金制度を元に戻す。 歳まで高齢者本人負担を1割とする。 歳以上の高齢者医療の窓口負担を川 8 福祉住宅は存続し、増設する。 9 低所得者も入居できる養護老人ホーム、軽費老人ホームを拡充、整備する。生活保護者も入居できるサービス付 き高齢者住宅を引き続き整備する。 7 高齢者の就労事業を拡大する。 6 ﹁老人憩いの家﹂の未設置3中学校区︵今井、はるひ野、長沢︶への整備を早急にすすめる。老朽化している憩い の家の改修バリアフリー化を計画的にすすめる。 ペースとして活用できる工夫をし、場所の確保を市としても支援する。 5 高齢者が元気で自立して暮らしていくにあたって、身近に集える場所の確保が求められている。居場所づくりの ために、使える場所の情報を提供し、公共施設を積極的に開放する。世田谷区のように空き家等を活用して公共ス 75 生活支援型配食サービスは介護認定にかかわらず、一人暮らし、高齢者世帯の食事の用意が充分できない人に食 事の提供ができる制度にする。 認知症高齢者対策を充実させる。医療センター機能の充実とセンターの箇所数を増やす。 一人暮らし・高齢者世帯などでの孤独死をなくすため﹁高齢者見守りネットワーク事業﹂の拡充をはかる。 訪問理・美容サービスの一律自己負担をやめ、低所得者には低料金とする。 介護労働者の待遇改善に取り組む。介護職員の賃金を引き上げるため、川崎市としても支援する。 ヘルパー養成について、すべての民間事業所に門戸を開放し、補助を実現する。市独自でもヘルパー養成講座を 受ける人に補助制度を創設する。 高齢者の健康づくりや介護予防の観点から、いきいきセンターやいこいの家の提供、介護予防とともに、プー ― 43 ― 74 ﹁高齢者福祉のしおり﹂を公共施設での配布だけでなく、高齢者のいる全世帯に配布する。 介護援助手当は対象者を要介護3以上を対象として復活させる。 生活支援ヘルパー派遣事業の時間を拡充する。介護保険対象外でも軽度生活援助事業として、日常生活上の援助 が必要な人に派遣する。 13 12 11 10 14 19 18 17 16 15 20 ル・体育館施設の利用についても年齢にかかわりなく、無料券の発行などでさらなる健康維持の増進をすすめる。 介護保険に関連して これまでの介護保険は、①要支援1からでも在宅サービスは使える、②要介護1以上であれば、特別養護老人ホー ムに入所申請をして待つことができる、③介護サービス利用料は所得に制限なく1割負担、④低所得者は介護保険施 設・ショートステイの部屋代・食事代の補助がある、という4つの特徴があった。 それが2015年度以降の制度改定で、①要支援1、2のホームヘルパーとデイサービスは介護保険から外され、 市町村の事業︵総合事業︶へ移行する、②特養ホーム新規入所は要介護1・2の人は原則として対象外とされ、締め 出される、③合計所得160万円以上︵年金収入の場合は280万円以上︶の人の利用料が2割負担に引き上げられ る、④非課税世帯でも配偶者が住民税課税であり、預貯金が一定額︵単身者1000万円︶あれば、介護保険施設、 ショートステイの食事代・部屋代補助は打ち切るーとされた。 しかし、これは第一段階にすぎない。2025年に向けてさらに要介護1、2の人を削減のターゲットにする、利 用料負担を2割に引き上げるという方針が政府の﹁骨太の方針2015﹂から見えている。 こうした動きから見れば、総合事業がもはや要支援1、2のホームヘルプ・デイサービスにとどまらず、要介護1、 2まで﹁軽度者﹂の介護サービス全体を切り捨てていく﹁受け皿﹂としての役割を持たされる可能性があることを意 味する。 国のねらう総合事業は﹁多様なサービス﹂ ︵無資格・安物サービスや自助・互助サービス︶に要支援のホームヘルプ サービス・デイサービスを置き換えていく仕組みである。こうした仕組みづくりに加担する総合事業になるか、市町 村の努力で現行サービスを維持・保障することを基本にした総合事業になるかは、これからの川崎市の取り組みと姿 勢にかかってくる。 ところが、2016年度より、川崎市が導入した総合事業ではホームヘルプサービスは報酬計算が月単位から週単 位に変ったため、全体的に介護報酬が8割から9割に削減された。そのため事業所によっては、総合事業に該当する 高齢者を受け入れないという事業所もでている。さらに、デイサービスでは、報酬単価が個々のサービスとなったた め、事業所の収入が大幅にダウンするところが出てきている。これらのことが結果的に、要支援者の介護難民をつく りだすことが危惧される。 ― 44 ― スーパー基準緩和サービスに至っては、川崎市がやることは、原則広告・宣伝だけで、利用者負担100%で、民 間サービスを100%活用するという、まさに公的責任の放棄と低所得者をサービスから締め出すことに繋がりかね ない、というものを行おうとしていることは放置できない。 1 新総合事業実施にあたって ① 事業費の単価について、現行相当サービスについては、サービスの質︵事業の継続、質の高い人材確保︶の担 保や介護職員の処遇維持のために現行の予防給付の報酬を維持する必要があったが、報酬単価を現行の % に し、さらに週単位に変更したが、せめて以前の月単位に戻すこと。 ② 地域包括支援センターは総合事業の開始、医療介護連携、認知症初期支援チーム、地域包括ケアシステムへの 対応など機能・強化が求められている。地域包括支援センターの人員体制・財政支援強化をすすめる。 ③ 最初からチェックリストで選別するのではなく、要介護認定申請を希望する人には申請を受け付ける。 ④ 介護保険の趣旨︵自己決定︶に基づき、利用者が生活支援サービスの提供者を選べるようにする。 2 すでに実施している市単事業である高齢者在宅福祉サービスは各事業の項目、受益者負担など後退させない。 3 低所得者の保険料・利用料負担の軽減は急務。介護保険料・利用料の軽減措置を制度として確立するよう国に強 く要請する。川崎市の軽減制度もその基準を抜本的に引き上げ、関係者に周知する。預貯金の所持基準をせめて横 浜市なみにする。 4 特養ホームの待機者は4822人︵2016年4月1日付︶依然として深刻な事態になっている。川崎市の特養 ホーム整備は依然として大幅に遅れている。特養ホームの待機者は老健施設に入院している高齢者の中にもかなり いる。実態に見合う計画の見直しをすすめ、整備にあたっては国有地・公有地、県有地の活用をすすめ、さらに民 有地を市として確保し、待機者解消をめざす。引き続き、多床室の整備をすすめる。ホテルコストに対する市独自 の支援策を創設する。 5 特養ホームへの入所が﹁やむを得ない事情﹂がある場合を除き、要介護3以上になった。﹁やむを得ない事情﹂は 極めて限定的であり、現在、要介護1、2の方の入居利用を占める﹁介護者不在﹂ ﹁住宅問題﹂などが入所対象にな るか不透明。病院、老健施設、無料低額宿泊所などに﹁漂流﹂を強いられる高齢者の存在が社会問題化しているな かで、どう地域の受け皿をつくるか、川崎市としても真剣に検討すること。 ― 45 ― 90 6 補足給付の見直しがされた。申請をする際、入所者とその配偶者の貯金通帳などの写しと、金融機関に対する残 高照会承諾書の提出を義務付けることを介護保険法施行規則に明記したが、介護保険の実施主体である川崎市の裁 量権もあることが明確になったことからも、生活保護よりも厳しい要件を課すような、配偶者など含めての残高照 会承諾書の提出まで義務付けないこと。さらに、 ﹁補足給付﹂が受けられない人が出ないように国に対して、施行前 に戻すよう働きかける。 7 地域の身近なところに、地域密着型小規模特養ホーム、老健施設、グループホーム、小規模多機能型施設の建設 を積極的にすすめ、必要な財政的支援をおこなう。 8 同時に住み慣れた家で介護を受けながら住み続けたい、という願いにこたえる。一人暮らし高齢者、認知症高齢 者をはじめ、高齢者が地域で安心して暮らし続けていけるよう、医療と介護の連携した地域ケアの充実・推進をは ― 46 ― かる。 ︵二︶地域医療の充実をすすめる 1 小児医療費助成制度、重度障害者医療費助成制度における一部負担金の導入は引き続き行わない。小児医療費助 成制度については、所得制限を撤廃し、通院対象年齢を中学校卒業まで拡大する。︵再掲︶ 2 救急医療体制の充実をはかる。 ① 中部小児急病センターだけが 時以降の深夜帯を開設していないため、この時間帯は中部地域から南部・北部 のセンターまで行くか、受診をがまんする実態がある。小児科医師を確保し、中部センターの深夜帯の診療を早 急に開設する。 3 医師、看護師不足を解消する。 ① 人口が増えているにもかかわらず、分娩できる産科病棟が少ない。少子化対策からも民間病院も含めて行政と ③ 休日夜間歯科診療所、在宅輪番制病院などの整備、拡充を図り、補助金を増額する。 ④ 小児を含む救急医療に対する補助金は、削減しない。 ② 川崎病院に設置されている南部小児急病センターを北部小児救急センターのように独立してつくるなどして、 地域の小児科医師の協力を得られやすい体制にする。 23 しての支援策を講じる。 ② 医師、看護師が不足している小児科、産婦人科に、支援策を講じる。 ③ 市の看護師修学資金枠を広げ、貸与額の増額を行なう。 ④ 院内保育に対する助成を大幅に増やす。 ⑤ 離職している看護師を堀りおこし、看護師不足を解消する。 4 医療施設を整備し、医療内容の向上と予防活動を前進させる。 ① 市立病院での差額ベッドの拡大と差額料金の拡大は行わない。 ② 中部を中心とした人口密集地域に、小児専門医療機関の整備を国、県に働きかける。 ③ 理学療法士、作業療法士養成機関の建設を県と協議してすすめる。 ― 47 ― ④ 介護型療養病床の廃止を行わないことを国に働きかけるとともに、市としても、今後さらに老健施設を増やす。 5 子どものアレルギー対策に取り組む。 ① 民間の医療機関でも、アレルギー検診が無料で受けられるようにする。 ② 給食の安全やアレルギー対策、食教育の観点からも、一小学校に一人の栄養士の配置を国に要求する。実現す るまで市単独でも対策を講じる。 6 市民の健康づくりをすすめる。 ① 節目健診を拡充し、健診内容に肝臓がん健診︵腹部エコーと腫瘍マーカー︶を新設する。 ② 基本健診が特定健診に替わったことにより後退させられた、これまで市が行なってきた基本健診の検査内容を 復活する。また、特定健診の項目にのせられないものは、市の独自健診として行なう。 歳から隔年で行われている子宮がん検診は、毎年行なう。 ③ ④ 歳から隔年で行われている乳がん検診については、 歳に戻して、毎年行なう。 ⑤ 市が行なってきたがん検診の検査内容は後退させず、拡充を図る。また、検査費用は元に戻す。がん検診の項 目に、前立腺がん検診を加える。 30 ⑥ 歳以上の健診時、市単独で聴力検査を行なう。 7 特定疾患医療給付の医療費助成制度を市独自に設ける。特定疾患療養費補助金は復活する。B型肝炎、C型肝炎 を難病指定するよう国に働きかけるとともに、市単独でインターフェロンの投与についても支援する。 40 20 65 8 透析治療を受けながら社会への復帰を果たす。 ① 人工透析患者の重度障害者福祉タクシー券は、 年度、660円から500円となり、168枚に増枚されま した。福祉有償タクシーを利用すれば、何とかやりくりできますが、一般のタクシーを利用すれば、不足する事 態となっています。福祉有償タクシーの台数を大幅に増やすことと、重度障害者福祉タクシー券の増枚を行なう。 ② 自己歩行困難な透析患者が車いすでも通院出来るよう、福祉有償送迎サービス事業者への救済を含め、利用者 の経済的、精神的負担の影響がなく、安心して利用できるよう支援を行なう。 ③ 介護施設に併設された透析施設での治療ができるよう、国に要望する。 ④ ﹁病院施設︵透析施設︶併設を備えた高齢者向け優良賃貸住宅﹂を増設する。 ⑤ 災害時透析患者支援マニュアルが定めるネットワークの通信訓練への参加徹底を引き続き推進する。また、災 害時に、近隣する複数の透析施設で相互に助け合うためのブロックの形成及び、ブロック内通信を可能とする簡 易無線の整備を行なう。 ⑥ 災害後の避難所において、ともすれば健常児と見られがちな透析者の特性を考慮した事前の要援護者登録の市 内での徹底推進、および早期の透析再開を行えるよう、透析可能地域への集団移送方法を具体化する。 ⑦ 障害児者・透析者が負担なく医療が受けられるよう﹁重度身体障害者医療費助成制度︵マル障︶﹂を継続的かつ 安定的に維持する。 ⑧ 県が発行した﹁災害時透析患者支援マニュアル﹂の市内病院及び、透析施設への周知徹底を行なう。 ⑨ 災害時において透析治療が受けられない日数を考えると、避難所に低カリウム食品などの透析食が必要。避難 所への透析食、医薬品、医療機器の安定的な供給が行われるようにする。また、透析施設への水・電気の供給を 速やかに行なうシステムを構築する。 在宅の重度障害者への訪問看護体制をひきつづき充実強化する。 繊維筋痛症の実態調査と、周知、サポート体制を強化する。 老朽化した休日診療所の改築を行い、機能の改善を行なう。 子宮頸がんワクチンによる健康被害の救済については、国に求めるとともに、来年度以降も行なう。 ― 48 ― 25 9 HIV感染者・エイズ患者の医療とカウンセリングを充実し、エイズへの正しい知識を広げるための教育・広報 活動をひきつづき充実させる。 13 12 11 10 肺炎球菌予防ワクチン助成額を増やし、県内一番の窓口負担︵4500円︶を引き下げる。 ︵三︶国民健康保険・年金制度を改善する 国民健康法施行令の改正により本市は国民健康保険料の算定方式を、2012年度から住民税方式から旧但し書き 方式への変更に伴い、収入のある非課税世帯、低所得で扶養家族の多い世帯、障害者控除や寡婦︵夫︶控除、医療控 除をうけている福祉的要素の大きい世帯がもっとも負担増になりました。併せて激変緩和策として3年間、独自軽減 策が図られてきましたが、それでも低所得世帯ほど値上げ額が大きいものでした。 2015年度から国民健康保険料の賦課方式と賦課割合を変更しました。賦課方式は﹁所得割総額﹂、﹁被保険者均 等割総額﹂ 、 ﹁世帯別平等割総額﹂の3方式から、 ﹁所得割総額﹂と﹁被保険者均等割総額﹂の2方式に変更するととも から100分の に変更しました。 65 60 に、賦課割合を﹁所得割総額﹂=応能割を100分の から100分の に、 ﹁被保険均等割総額﹂=応益割を100 分の 40 65 60 億円︵想定︶をあてるとしています。 10 国は、法定軽減として、2014年度に基準額の算定において、 ﹁世帯の被保険者数﹂に世帯主と単身世帯も対象と することで5割軽減の対象を拡大。2割軽減の﹁被保険者数に乗じる金額﹂を 万円から 万円に引き上げることで は、従前の独自軽減と同様、国民健康保険特別会計から約 新たな独自軽減策は、子育て世帯の負担緩和及び障害者控除の適用を受けている被保険者を対象として、基礎控除 後の総所得金額から一定金額を控除する軽減措置です。2015年度以降のこの本市独自の軽減措置の財源について 下げることは反対してきました。 保険料の負担を軽減するための特例措置が2014年度で終了することに伴う新たな軽減措置を以下のように併せ て行なうものですが、低所得者にとって負担増になる﹁所得割総額﹂=応能割・100分の を100分の に引き 20 45 しかし、こうした軽減措置がとられたものの、国民のくらしは消費税の増税や医療、介護の負担増に併せ、年金の 受給額が減らされ、ますます大変になっています。2016年4月末の資格証明書発行数は4694件にのぼり、国 の引き上げ、財政支援の基準額の引き上げ等を実施しました。 対象を拡大しました。また、2015年度から、保険者支援制度として、現行の7割・5割軽減の財政支援の補助率 35 保世帯の2・ %を占めます。また、所得階層別に見ると2015年度は年間所得200万円以下の世帯は未申告を 34 ― 49 ― 14 含め加入世帯の ・6%を占め、低所得階層が増大しています。 %に戻すことを求める。 1 国保加入者の健康と命を守る国保に改善する。 ① 国に対して、国保の総会計に占める国庫負担の割合を計画的に引き上げ、198 4年度まで実施されてきた 証を交付するとしていることを、各区役所の保険年金課に周知徹底することを求めます。 生活困窮のために保険料を払えず資格証明書を交付されている人が、医療を受ける必要が生じ、かつ、医療機関に 対する医療費の一時払いが困難であるという申し出を区役所に行った場合、特別な事情から緊急対応として短期保険 国民保険料 現行の所得減少減免や生活困窮減免制度の周知をもっと徹底し、払いたくても払えない世帯に適用す ること、可能な分納相談等、親身に対応すべきことを求めます。 77 ② 国保料を低額におさえ、医療費総額に対する保険料の賦課率を引き下げる。国民健康保険財政基盤安定化へ国 庫補助金の大幅増額を要求する。低所得者層の保険料軽減のために、応益割・応能割の現行割合を 対 にもど す。 65 短期証の方が滞納した保険料を誠実に分納している場合には、正規の保険証に戻す。 ⑦ 歳と 歳の健康診断事業のPRを徹底し、受診率を高めるとともに、年齢を拡大する。 ⑧ 傷病手当金制度を新設する。 ⑨ 組合国保の事務費を全額国庫負担とするよう引き続き国に要求し、市独自でも事務費補助を引き上げる。 ④ 軽減対策として、市民税非課税世帯には所得割額を賦課しない。 ⑤ 資格証明書は滞納の理由を精査し、一律的に発行しない。 ⑥ 保険料滞納世帯に対する制裁措置、財産調査、差し押さえ等を無差別には行わない。 ③ 国保料の減免規定を拡大し、減免制度のPRを徹底し納付相談窓口でも市民に徹底する。国保医療費一部負担 減免制度を拡大し市民に徹底する。 35 2 年金制度の改善を求める。 ① 最低保障年金制度を確立するよう国に働きかける。年金積立金は年金給付以外に使わないよう、ひきつづき国 に求める。 38 ― 50 ― 50 35 ② 2015年度から行われている﹁マクロ経済スライド﹂により、公的年金は大幅な目減りとなっています。さ らに、政府・厚生労働省は﹁マクロ経済スライド﹂による﹁調整﹂を2040年まで続ける試算までだしていま す。老後の生活保障の土台である基礎年金を大幅に削りこむ、現行の﹁マクロ経済スライド﹂は中止するよう国 に求める。 ︵四︶低所得者、生活困窮者対策を強める 安倍政権は、2013年8月、2014年4月、2015年4月の3度にわたる生活扶助基準の引き下げを行って きました。その削減幅は平均6・6%にのぼります。さらに2015年7月には住宅扶助額の引き下げ、同年 月に は冬季加算の引き下げが行われました。その上増税などによる物価上昇も加わり、生活保護受給者の生活は﹁2食を 1食に減らした﹂ ﹁入浴は三日に一度﹂﹁孫への小遣いもあげられず、兄妹の葬式にも行けない﹂など極めて厳しい状 態に置かれています。安倍政権は、さらに生活保護を﹁不正受給だらけ﹂のように描いて制度や受給者を攻撃する バッシングを繰り返し、第1次安倍政権が廃止し、強い批判を受けて民主党政権時代に復活した生活保護の母子加算 を、再び切り捨てようとするなど、さらに生活保護制度の切り捨て・改悪をすすめようとしています。 生活保護制度は、国民の生存権をまもる﹁最後の砦﹂です。生活保護基準は、国民生活の最低基準を具体化したも のであり、住民税の非課税限度額、就学援助、最低賃金、国保・介護の負担減免、公営住宅の家賃減免など他の制度 の基準とも連動しています。生活保護基準の引き下げは、憲法が保障した人権を国民から奪いとる攻撃にほかなりま せん。 貧困の拡大は、リストラ応援による雇用・賃金の破壊、地方経済や農林水産業の切り捨て、年金・医療の連続改悪 など、歴代政権の悪政・失政が引き起こしたものです。その責任を無視して生活保護受給者バッシングを行い低所得 者と貧困を競い合わせる︱こうした政治から転換し、生活保護を使いやすい制度に変革することが、今こそ求められ ています。 川崎市の生活保護受給者は2万4312世帯、3万2097人︵2016年6月速報値︶にのぼっています。一方、 生活保護制度の捕捉率は2割程度にとどまっており、必要な人が生活保護を利用できていない実態が続いています。 市の体制を強化し、深刻化する子ども・子育て世代の貧困への対応をはじめ生活保護世帯への支援を強めることが必 ― 51 ― 11 要です。生活困窮者自立支援法にもとづく﹁だいJ OBセンター﹂を市民の要望にあわせて利用しやすくすることが 必要です。 2015 年5 月に川崎区で起きた簡易宿泊所の火災は、川崎市の低所得者・生活困窮者の多くが﹁一時的な宿所﹂ を事実上の住居として長期間生活しているという状況を明らかにしました。川崎市が、廉価で安全な住宅を確保する ことをはじめ、すべての人に健康で文化的な生活を営む権利を保障する立場で、低所得者・生活困窮者対策を充実さ せることが求められています。 1 生活保護基準引き下げをやめるように国に求める。生活保護世帯への支援を強める。 ① これ以上の生活保護基準の引き下げを行わないよう国に要望する。 ② 老齢加算を復活させ、引き下げた生活扶助・住宅扶助基準を元に戻し、削減された冬期加算を元に戻すよう国 に要望する。 ③ 後発医薬品使用の事実上の強制をやめるよう国に要望する。 ④ 生活保護は憲法に保障された国民の権利であることを、広く市民に知らせる活動に取り組む。 ⑤ 生活保護受給者の就労支援を実態に合わせて強化する。メンタルの不調など、個々の状況にあわせて就労プロ グラムへの参加を強制しない。 ⑥ 生活保護世帯の医療費の保険外負担について助成を拡大する。福祉事務所に医療券を発行してもらわなくとも 診察を受けられるようにするために、健康保険証のような医療証制度を作るよう国に要望する。 ⑦ 生活保護世帯の熱中症対策として、クーラー設置またはクーラー修理費用を支給すること、夏季加算を新設す ることを国に要望する。厚労省の﹁保護の実施要領﹂に基づき、社会福祉協議会から冷房設備の購入資金を借り た場合、収入認定しないことを徹底する。 ⑧ 川崎市が行なっていた、以下の生活保護世帯への福祉施策を復活させる。 ア 夏季・年末慰問金︵2003年度廃止︶ イ 水道・上下水道料金の減免︵2006年度廃止︶ ウ 入浴券の月4回の支給︵2006年度廃止︶ 2 生活保護ケースワーカーを増員し、﹁水際作戦﹂をやめて丁寧な対応を行なう。 ― 52 ― ① 川崎市の生活保護ケースワーカーの配置状況は、一人当たり ・8世帯︵2016年7月現在︶であり、社会 福祉法が定める一人当たり 世帯という基準に見合うようケースワーカーを増員する。 ② ﹁生活保護制度は、憲法 条に定める生存権を保障する制度であり、生活保護の申請は国民の権利である﹂とい う立場から研修を行い、ケースワーカーのレベルアップに努める。 81 ③ 受付窓口で相談者を追い返すような﹁水際作戦﹂をやめ、親切に相談に応じる。親族による扶養を前提とする ような対応をしない。住宅扶助の引き下げにもとづく転居などを強制せず、対応を丁寧・柔軟に行なう。 ④ 暴力団対策・ ﹁不正﹂受給対策などとして行なっている警察官OBの採用はやめる。 3 悪質な業者による﹁貧困ビジネス﹂が横行しないよう、きめ細やかな防止対策を講じる。 ① 無料低額宿泊所および法的位置づけのない同様の﹁無届け施設﹂等について、消防法・建築基準法の適合状況 および居住者の生活実態・利用状況などについて調査を行なう。 ② 工場・店舗の跡地や倉庫、マンションやアパートなどを利用して、狭い部屋に生活困窮者を住まわせて生活保 護を受けさせるという﹁貧困ビジネス﹂が広がっている。こうした施設の実態調査を行なう。 ③ 簡易宿泊所、第2種社会福祉事業宿泊所、法的位置づけのない﹁無届け施設﹂に居住する生活保護受給者に、 生活支援と居住支援を徹底する。 ④ ﹁社会福祉法にもとづく第2種社会福祉事業に係るガイドライン﹂について、利用者の生活の質の向上の面と、 地域住民の要望にこたえる面から、適宜見直しを図る。 4 生活困窮者への支援を強める。 ① 生活資金貸付制度を生活困窮者の生活実態に即して運用するとともに、額の引き上げを図る。 ② 生活保護世帯の上下水道の基本料金減免制度を復活させ、さらに非課税世帯まで減免を拡充する。 5 子ども・子育て世代の貧困への対応を強め、﹁貧困の世代間連鎖﹂を断ち切る︵再掲︶。 ① 就学援助制度を必要とする児童生徒が確実に活用できるように、プライバシー保護に配慮して教育委員会でも 申請を受けつけるようにする。 ② 貧困から子どもを守る支援策として、生活保護・就学援助世帯の入学祝金、修学旅行支度金、卒業アルバム代 補助を復活させる。就学援助世帯へのメガネ支給、社会見学等の実費支給補助を復活するとともに、補助範囲を PTA会費、生徒会費、体育実技用具費等にも拡充する。 ― 53 ― 80 25 ︵五︶ホームレスへの支援を強める 低賃金の派遣・期間工などの労働者を大量に生み出した労働者派遣法の改悪や、社会保障制度の連続改悪により、 ホームレスとなる人が後を絶ちません。川崎市は市内のホームレスを383人と発表していますが、これには﹁ネッ トカフェ難民﹂ ﹁ファミレス難民﹂など、事実上住居を失って生活している方は含まれていません。失業者を支援する 制度を強化すること、社会保障を拡充することが求められています。 2015年5月に川崎区で起きた簡易宿泊所の火災事故は、住居を失った生活困窮者の生命を守る対策が急がれる ことを示しました。自立支援センターの機能を充実させ、健康管理とともに就職支援・生活支援を根気よく行なうこ とが必要です。 1 市独自に、公園の清掃や道路の管理などの公的就労事業を充実させる。臨時的な就労の場を確保する。 2 年末年始や連休などにおけるホームレスの緊急援護措置のための宿泊施設を充実させる。 3 寝たきり状態や認知症など要介護状態で発見される高齢のホームレスの受け入れ体制をつくる。福祉住宅・特養 ホームに、こうした高齢ホームレスに対応する枠をつくる。 4 ホームレス状態にある人が生活保護を受ける際に、安易に簡易宿泊所を紹介するのではなく、民間賃貸住宅等へ の直接入所をすすめる。 5 自立支援センターを退所した人が安定的な地域生活を送れるよう生活支援を強める。﹁アフターケア事業﹂の定 員を大幅に増員する。 6 自立支援センター利用者から﹁食事はおにぎりとタクアンだけ﹂﹁夏場は冷房があるのに使われず眠れない﹂﹁居 室が相部屋で安心して休めない﹂などの声が聞かれます。自立支援センターの生活環境が劣悪なため、入所を辞 退・断念する事例が後を絶ちません。また入所者の就労のための活動に支障をきたしています。食事の充実、冷暖 房の利用促進、門限や入浴時間の柔軟な設定など、円滑な自立ができるようにセンターの運営をあらためる。 ︵六︶同和行政の終結に伴い、人権に名を借りた特別予算を撤廃する。 ― 54 ― 第四章 障がい者・児の基本的人権を守り、障がいの有無で分け隔てされ ない、共に生きる社会へ 2014年1月、日本政府はようやく障害者権利条約を批准しました。その具体的な国内法の整備として2013 年に成立した障害者差別解消法が 年4月に施行され、障がい者の社会参加の促進、障がいの有無で分け隔てせず、 共に生きることができる社会の実現への重要な第一歩が記されました。 障がい者の社会参加には、社会的障壁を取り除く障害者差別解消法と、障がい者の暮らしを支える福祉施策が﹁車 の両輪﹂にならなければなりません。差別解消法は、差別を受けたときの相談窓口や救済制度が法的に位置づいてい 年4月には、 ないなど、いまだ不十分な側面があります。暮らしを支える福祉制度については、2003年4月から、国の障がい 者施策が措置制度から支援費制度へ変わり、障がい者への応能負担が導入され、そのわずか2年後の いっぽうで、2013年度には障がい者のバス乗車券交付事業を﹁ふれあいフリーパス﹂へと移行する際に、それま 支 援 セ ン タ ー の 廃 止 を 強 行 し、 3 カ 所 の 就 労 支 援 セ ン タ ー に 統 合 す る な ど 、 就 労 支 援 も 決 し て 充 実 し て い ま せ ん 。 部前市政で削減された福祉施策を復活させることなく、さらに精神障がい者の雇用支援を専門に行ってきた社会参加 阿部前市政は、長く続いた革新市政時代に築かれた充実した障害者福祉施策を、4次にわたる﹁行革﹂で次々と削 減してきました。2013年に当選した福田市長は、 ﹁障がい者雇用日本一﹂をめざすと打ち出しました。しかし、阿 国が悪政を行なうときこそ、地方自治体は福祉を充実し、防波堤となるべきです。その立場から、私たちは議会に おいて、市独自で障がい者の方々の負担軽減の施策をとるよう、繰り返し求めてきました。 残ったままです。このような悪法は抜本的に変えなければなりません。 にじり、最大の問題である﹁応益負担﹂﹁障害程度区分﹂は変わらず、重度であればあるほど負担が重くなる事態は 制度へと踏み出す﹁骨格提言﹂もつくられました。ところが、2012年に成立した総合支援法は、その合意を踏み にじるものだとして自立支援法違憲訴訟など全国で大きなたたかいとなり、政府と訴訟団が基本合意を結び、新たな 障がい者に1割の利用料を応益負担させる﹁障害者自立支援法﹂へと改悪されました。これは障がい者の人権を踏み 06 で無料だった軽度の障がい者と、障がい者の付き添いの方を有料にしてしまいました。また、2015年度には通所 ― 55 ― 16 施設への定率加算を %から5%へと半減させました。約3億円に及ぶ大幅カットで、それぞれの施設は大打撃を受 10 けています。福祉に効率化は絶対になじみません。障がいのあるなしにかかわらず、この町で生きていくことができ る川崎にするために、川崎市が行なう事業、予算を抜本的に増やすことを強く求めます。 熊本地震は、ふたたび災害弱者への対策の重要性を浮き彫りにしました。熊本地震を教訓化し、災害時の障がい者 への対策の強化を求めます。 1 障がい者の権利を守る取り組みについて ① 障害者差別解消法に基づいて自治体が差別解消に率先して取り組む仕組み作りをする。 ア 当事者の意見をよく聞き、障がい者差別解消条例を制定する。 イ 障害者差別解消法は﹁全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊 厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを踏まえ、﹂﹁障害を理由とする差 別の解消を推進し、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合 いながら共生する社会﹂を実現すると宣言している。この精神にのっとり、障がい者の人権を軽視する風潮を 懸念し、差別解消法が求める差別のない社会のあり方や、合理的配慮の姿について普及啓発活動を市として積 極的に行なう。 ウ ﹁対応要領﹂を事業者向けだけでなく市民向けにわかりやすくパンフレットにまとめ、市民の目に触れるよう にする。 ﹁対応要領﹂は現場の実態に合わせて、より充実させる。 エ ﹁対応要領﹂では、差別に関する相談窓口を相談対象業務の所管課のほか、各局、区役所などの人事担当課、 総務企画局総務部人事課、としている。﹁対応要領﹂の周知に当たり、このことを明記し、相談者が直接、各局 などの人事担当課、総務局人事課にも相談することを認め、その電話番号を付した一覧表を掲載する。各人事 担当課では、対応要領を担当する職員を明確にする。 オ 対応要領の対象に、指定管理者など市の事業を委託される受託業者を加える。 カ 障害者差別解消支援地域協議会は、具体的に差別の解消に資する有効な権限を持つ組織として、他都市の動 向などにかかわらず直ちに設置する。 キ 本市には、障がい者施策を推進する当事者団体が数多くあり、相談窓口としても、情報提供の場としても、 新たに相談に来る人に周知することは有益である。地域みまもり支援センター、高齢・障害課などの窓口で ― 56 ― ﹁障害福祉の案内・ふれあい﹂を渡すとともに各団体のパンフなどをわかりやすいところに置く。視覚障がい者 には言葉で案内する。 ② 成年後見制度の普及は喫緊の課題であり、周知を図る必要があるが、現在のパンフレットは難しくてわかりに くい。障がい者・高齢者用のわかりやすいものをつくる。後見人等の報酬に対する助成が減額されたが、対象と なる低所得の被後見人の負担が増えるのは制度の意味をなさない。助成額を増やす。 ③ 障がい者の権利問題などの相談に応じてきた﹁かわさき障害者110番﹂を復活させる。 2 障がい者の暮らしを支える施策を充実させる。 ① 2011年に川崎市心身障害者手当の対象者を重度重複障がい者に限定し﹁特別障害者手当﹂としたが、もと の﹁心身障害者手当﹂とし、対象者を元にもどす。 ② 応益負担の弊害をなくすため、収入認定は配偶者があっても障がい者本人とする。 ③ 障害程度区分によってサービスの種類や支給量を制限する制度を改めるよう、国に働きかける。当面、市とし て、この制度の弊害から障がい者を守るため、制度が利用できない人に対し、必要なサービスを提供できるよう 各種制度を充実させる。 ④ マクロ経済スライドにより、障害者年金の削減や上昇の抑制が行われている。物価が上がるのに年金が上がら ない仕組みをやめるよう国に強く働きかける。 ⑤ 医療費について ア 低所得1、2の方の医療費は、自立支援医療、他科の医療費も含めすべて無料にする。 イ 重度障害者医療費助成制度における一部負担金の導入は引き続き行わない。︵再掲︶。精神障がい者は、精神 福祉手帳1級の通院のみが重度障害者医療費助成制度の対象となったが、多くは2級であり、しかし医療の重 要性は変わらない。入院の負担はとても大きく、2級と入院も対象とする。 ウ 知的障がい者がけがや病気で入院しなければならなくなったとき、多床室では生活できないため個室になら ざるを得ない。この費用負担がとても重い。この場合の差額ベッド代は、医師の判断による個室の利用という ことで無料にするよう徹底する。また、市立病院のショートステイがいつもいっぱいで、付き添いをしなけれ ばならない。家族にも生活があり、どうしてもできないときがある。入院時の介護者派遣制度を確立する。 ― 57 ― エ ストーマ装具の給付金額の残余の繰り越しを認める。 3 相談支援体制の充実を ① 相談支援事業について ア 相談支援は﹁障害に関する生活のしづらさや困難さに幅広く対応するための入り口﹂ ︵第4期ノーマライゼー ションプラン︶である。地域みまもり支援センターができ地域担当が置かれたが、具体的には障害福祉担当の 部署が手厚くなければ、支援へとつながらない。各区の障がい福祉担当の職員を増員し、アウトリーチまで支 援の手を広げる。 イ 相談支援センターは、その人のライフプランや障害の状況に合わせた個別の対応が長い期間にわたって必要 であり、相談者が増えている現状では、各区で基幹型1ヵ所、地域型3ヵ所ではまったく足りない。オーバー ― 58 ― ワークで職員が辞めていく事例も出ている。箇所数を直ちに増やす。相談員は、地域型には、非常勤一人分の 増員が図られたが、継続性の確保のために、基幹型、地域型とも正職員の増員を図る。 ウ 基幹型は、 時間365日相談を受けることになっているが、現状では夜間に携帯電話に出ることができる だけで、とても訪問などはできる体制ではない。夜間体制を作り、緊急の相談があった場合訪問ができるよう にする。 カ 障害者相談員の研修について、ピアカウンセリングの講習など充実させる。 るとともに、市として加算する。 いのは報酬単価が低くて運営できないためであり、独立して運営できるよう、報酬単価の引き上げを国に求め ん多かった。今後ケアマネジメントが十分できるよう、指定特定相談支援事業所の箇所数を増やす。増加しな オ サービス等利用計画書は作成の際、ケアマネジメントが行わなければ、単なる一時的なサービス支給決定に すぎない。昨年度までに義務付けられた作成の際、期限に間に合わず﹁セルフプラン﹂にするケースがたいへ 談支援センターに精神障がいの専門相談員を配置する。 エ 精神障がい専門の相談窓口はどうしても必要である。地域活動支援センターA型の相談支援活動を復活させ る。また、精神障がい者や発達障がい者からの相談が急増していることに対応するため、基幹型及び地域型相 24 4 障がい児の豊かな育ちを保障する対策を ① 児童の福祉サービス利用料は、親の収入にかかわらず無料にし、経済的理由で早期発見、療育が遅れることが 絶対にないようにする。 ② 療育センターは継続した安定的な運営が求められる。指定管理制度は民間の競争原理を活用して効率化を求め るものであり、川崎市は一度は非公募にしても二回は続けられないことにしている。行政としてのスキルの継承 という点からも直営に戻す。 ③ 障がい児の在宅サービスの充実を図る。 ア 障害児者日中一時支援事業はどれも利用希望がたいへん多い。箇所数を増やし、毎日希望するときに利用で きるよう整備する。 ― 59 ― イ 放課後等デイサービスは、箇所数が急増しているいっぽう、設置基準などがあいまいなまま推移しているた め、一人ひとりの障害に応じた対応ができない事態が生まれる懸念がある。国がガイドラインを公表したが、 細かな基準は設定されておらず、療育の趣旨に沿った運営できるよう、市としてガイドラインを具体化し、指 導する。指導に当たっては集団指導だけにせず、各事業所を計画的に訪問する。 ④ 児童の移動介護の年齢制限の制約を緩和し、幼児期からの支援を充実する。児童に対して、親の就労を理由と する移動支援の利用料が、1回1000円、上限1万円というのは高すぎる。児童の利用料は無料にする。 ⑤ 医療型障害児入所施設=ソレイユ川崎の職員の労働条件を改善し、職員体制を強化する。ショートステイの利 用要望がたいへん多いが、今の職員や施設の体制ではこたえられない。事業者と相談し、定員通り受け入れられ る体制をつくる。 ⑥ 重症心身障がい児入所施設増設の要望がたいへん高まっている。高津区以南に新設する。 5 地域生活支援の充実を ① 20 15 年度に強行した、定率加算の5 % 削減を元に戻し、 % とする。国の報酬単価は実質マイナスであ り、消費税の増税もあり﹁報酬単価が上がっているから加算する必要がない﹂という理屈は成り立たない。今後 も、市の独自加算を削減しない。 ② 高等部卒業後の﹁在宅ゼロ﹂を継続し、ひきつづき通所施設の新設のために力を尽くす。 10 ③ 地域活動支援センターの増設について、設置希望には予算を増額してすべてこたえる。 ④ 夕方支援の必要性については、請願が採択され、市としてもアンケート調査を行い認識しているが、具体策が 決まらないのは、どの事業で対応するにしても職員を確保するための予算がないからである。制度の創設を国に 要望する。当面、ヘルパーなどの養成を進めるとともに、人件費の確保を行なって、必要な夕方支援を国に要望 するとともに、市としても実現する。 ⑤ 指定管理制度では安定的な運営ができないため、市直営で運営している﹁わーくす﹂は、ひきつづき直営とし、 老朽化した﹁わーくす﹂の改善を図る。 ⑥ 通所施設の運営を安定化させるため、家賃、人件費などの固定費に補助する。 ⑦ 障害児者日中一時支援事業を増やす︵再掲︶。障がい者児生活サポート事業︵あんしんサポート・障がい児ファ ミリーサポート・生活サポート︶の生活支援と家事援助の対象となる支援策を充実させ、障がい者の要望にもと づき必要なときにはしっかりとサービスが供給される体制をとる。あんしんサポート事業は、5時間以上利用し ても、時間に応じて報酬が増えるようにする。その場合利用料にはね返らないよう補助する。あんしんサポート の報酬単価を生活サポート並に増額する。 ⑧ 多くの障がい者団体や関係者が切望しているショートステイについて ア 拠点型通所事業所を、計画を前倒しして早期に全区につくる。人件費補助を手厚く行い、職員体制を確保す る。 イ レスパイト事業を復活させ、家賃や人件費補助を行なう。 ウ 介護者が入院などした場合に対応するため、1カ月、3カ月といった﹁ミドルステイ﹂の制度をつくる。 エ 市立病院のショートステイでは、医療ケアを必要とする重度障がい者も利用できるようにする。 6 住まいの支援について ① グループホームについて ア 入所施設が少ない本市においては、安心して生活できる住まいを提供するためにグループホームの増設は欠 かせない。ニーズに合わせ整備数を抜本的に引き上げる。グループホームの6割は北部地域となっている。南 部地域に増設し、地域差をなくす。 ― 60 ― イ 市の世話人体制確保加算と新規開設、増築した場合の初期加算を継続・充実する。 ウ 夜間の泊まりを夜勤として対応できるよう、夜間支援体制加算を抜本的に増額する。 エ グループホームは、利用料を日割で計算するため、利用者が入院したり土日に帰宅すると事業者の収入が減 り、市が単独加算︵入院時加算と家賃補助加算︶を行っていてもなお、運営が厳しい。固定費に見合う市単独 の補助を増額する。 オ 自 動 火 災 報 知 機 の 設 置 の 義 務 化 に 伴 い、 3 0 0 平 方 メ ー ト ル を 超 え て 共 同 住 宅 の 一 部 を 借 り 上 げ て い る グ ループホームの運営に支障をきたしている。消防法を遵守するために必要な支援を行う。 カ 身体障がい者が入所できるグループホームの整備を強力に推進する。 ② 入所施設について ア 南部に建設予定の入所施設を一日も早く完成させる。 イ 柿生学園は老朽化が深刻であり、生活の場としての施設の建て替えはほかの市の資産といっしょにせず、直 ちに建て替えの検討に入る。 ウ 民設民営の施設の老朽化対策についての検討を急ぐ。とりわけ川崎授産学園の建て替えは多額の費用を要す ることから独自の助成を行い、建て替え計画を直ちに具体化する。それまでの間、修繕費を抜本的に増額し、 生活に支障のないようにする。 エ 市内各入所施設の施設職員の待遇を改善し、人材確保の支援を強化するために市の補助金を抜本的に増額す る。 ③ 高齢障がい者の住居について、特別養護老人ホームの障がい者受け入れ枠を拡大する。その際、介護保険では 1割負担が発生するので、利用料補助を行う。高齢の親と障害を持つ子が同居できる廉価な住宅を整備する。 7 雇用・就労支援 ① 障害者優先調達法の施行により、2013年度から実施されている﹁川崎市障害者優先調達推進方針﹂の調達 目標は﹁前年度実績を上回ること﹂とされており、この目標では全庁あげて優先的に調達しようという立場には 立てない。長期的展望も持ち、確実に調達量が増える目標を設定する。 ② 庁内で実際にどういう仕事を調達するかは各局の現場に任されているため、どういう発注を行なえるのかわか ― 61 ― らないと、仕事は広がらない。 ﹁障害者就労施設等の物品買入れ・役務提供情報リスト﹂﹁障害者就労支援施設等 紹介シート﹂を活用するよう各局に働きかけるとともに、それぞれを充実させる。 ③ 障がい者の市職員への雇用枠を増やし、年齢も拡大する。仕事の内容を障がいの特性にあったものに工夫する ことでさらに枠が広がる。事前に相談する体制をつくる。 ④ 精神障がい者の雇用義務化に向け、チャレンジ雇用などに精神障がい者を積極的に受け入れ、正規職員への雇 用の可能性を広げる。 ⑤ チャレンジ雇用の定員を増やす。その際、個別の障がいの専門知識を持った人をコーディネーターにし、一人 一人に最適の職種をさがすとともに、現場でも適切なアドバイスを行なう体制をつくる。 ― 62 ― ⑥ 就労援助センターでは、登録者が増えている一方、なかなか就労先が決まらず、援助する職員が足りなくなっ ている。センターを各区1ヵ所に整備する。職員を増員する。 ⑦ 市自身が、しごとセンターを積極的に活用する。しごとセンターの存在をもっと広く広報する。 ⑧ 障がい者と事業者を結ぶマッチング事業を市の主導で繰り返し行なう。 9 移動支援の充実を図り自立と社会参加を保障する。 ① バス券がフリーパスになったと同時に軽度障がい者と介護者は有料にしたことは関係者から強い批判の声が上 がっている。ひとりで外出できない障がい者にとっては、介護者の交通費が負担できなければ結局外出を控えざ るを得ない。フリーパスは障害の程度にかかわらず、介護者とともにすべて無料とする。紛失した場合は再発行 する。 ② タクシー券は、500円券のみでなく、100円券を作る。 時までの利用時間を延長して設定する。台数を増やし、全区に ③ タクシー券の交付を受けず車で移動している障がい者に対しては、同等程度のガソリン券を発行する。 ④ 本市は、移動支援は1ヵ月あたり 時間を標準時間として、標準時間を超えた申請に対しては各区のサービス 調整会議、市の審査会の承認を得ることになっているが、これは障がい者の自由な移動を阻害している。時間の 上限設定をやめ、申請制度をやめる。 ⑤ 福祉キャブ運行規定を緩和し、1回4時間、 配置する。 20 40 ⑥ 福祉運送事業は、タクシーの半額くらいで利用できるが、利用料だけでは事業が運営できず、撤退する事業者 も生まれている。事業が継続できるよう市の補助を行なう。 ⑦ 障がい者が安心して歩けるまちづくりを促進し、歩行権、交通権、移動権を保障する。 ア 東急電鉄はすべてのホームにホームドアの設置をすすめている。他の鉄道会社に対し駅のホームドアの設置 を強く求めるとともに、特に危険な駅については、市としての対策を検討する。 イ 歩道導入部の車道との段差をつけないよう改善する。歩道の切り下げが急なため車椅子では通れない道路箇 所を調査し、至急改善する。 ウ 混雑した電車の中などでペースメーカーを入れている人のまわりで携帯電話を使用されないよう、ペース メーカーを使用していることを示すハートプラスマークを、もっと広く周知する。 23 者差別解消法により不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供が差別と規定された。さらに平成 年︵201 25 ア 川崎市の﹁事業者選定等に関する手引き﹂では、指定管理者を非公募として更新するのは1回のみとされ、 3 期目からは公募によることとしている。これでは事業の安定性や継続性は担保されない。障がい者福祉に していく必要がある﹂と指摘されている。このようにセンターの強化は強く求められているところである。 ニーズがより高まっていくと予想されることから、市内唯一の聴覚障害者情報提供施設としてさらに体制を強化 5年︶4月に神奈川県手話言語条例が成立する等、聴覚障害者を取り巻く法整備と社会参加が進み、情報保障の 27 ― 63 ― エ ストーマーの手入れができる多目的トイレが整備されていない公共施設について、改築を待たずに早急に整 備する。 オ 利用料などが有料の市内の公共施設にはすべて、障がい者割引を設定する。障がい者割引の制度を各施設の 入り口のわかりやすいところに大きく掲示する。 ⑧ J Rに対し、精神障がい者も障害者割引の対象とするよう、働きかける。 聴覚障がい者への施策について ① 川崎市聴覚障害者情報文化センターについて 健康福祉局指定管理者選定評価委員会の﹁指定管理者制度活用事業 総括評価シート﹂では﹁平成 年︵20 11年︶の障害者基本法の改正において手話は言語であると規定され、平成 年︵2013年︶に成立した障害 10 とって継続性は絶対に必要であり、聴覚障害者文化センターの指定管理にあたっては、繰り返し非公募で指定 できる施設にする。同手引きの﹁次期指定管理期間における指定管理料は⋮当初の指定期間における指定管理 料と同水準とする﹂という文言は、事業を拡大すれば他は経費を削減しなければならないということであり、 この部分は削除し必要経費を指定管理料として確保する。 イ センターは手狭になっており、多彩な事業を展開するために移転も含めて検討する。 ウ 手話通訳、要約筆記の派遣は、ニーズが高まっており、指定管理料の積算にあたっては、大幅なニーズの拡 大を予測し、現在よりも増額する。派遣に対して今後も利用料は無料とする。派遣依頼はFAXで行うことに なっているが、近年はFAXを持っていない人もおり、メールで行えるようにする。 エ ろうあ者社会生活教室・日曜教室を充実させる。 オ 手話を日常的に言語として使えるよう、社会的な普及が必要である。手話奉仕員養成カリキュラムの講座数 を抜本的に増やす。入門編は各区で開催する。基礎編、上級編を定期的に開催できるよう予算を確保する。会 場確保に苦労しているため、市が確保する。 カ 聴覚障害者情報文化センターへのアクセス手段の確保は強い要望である。急ぎ検討する。 ② 区役所における手話通訳者、ろうあ者相談員への相談が急増している。現在の川崎、高津、宮前、多摩︵以上 週1回半日︶ 、麻生︵月1回半日︶の派遣を全区役所での開所時間を通じての配置とする。手話ができる人がいる ことを窓口に掲示する。タブレット端末による遠隔手話通訳は導入しない。 ③ 振動呼び出し器など、日常生活用具の新機種への更新を認め、対象範囲を広げる。 ④ 近年ほとんどの産婦人科病院で行えるようになった新生児聴覚検査で、1000人に1人か2人の割合で、高 度難聴児が発見されると言われている。聴覚障がいがあると判明したとき、医療的なケアとともに両親に適切な 福祉的な情報が届くよう、各病院で相談窓口を紹介する広報物をつくる。 ⑤ かつての養護学校が障がいの種別を統合して﹁特別支援学校﹂と名称も変わっていることに対し、 ﹁それぞれの 障がいの特性に合わせた専門的な教育があいまいになっていくのではないか﹂という懸念がだされている。とり わけ専門性の高い﹁ろう学校﹂はその名称を存続し、教員の専門性も継承できるようにする。手話によるコミュ ニケーション能力を高められるだけの生徒数を確保する努力をはらう。ろう学校内の聴覚支援センターの体制を 強化する。 ― 64 ― ⑥ ハローワークに配置されている手話協力員の配置時間の拡大を国に求める。 ⑦ 難聴者に対応する、磁気ループをすべての公共施設に設置する。ポータブルタイプの貸し出しを行なう。 視覚障がい者への施策について ① 視覚障害者情報文化センターは指定管理制度が導入されたが、盲人図書館が培ってきた専門性を維持し発展さ せるため、今後はずっと非公募とする。予算と職員を増やし、良質で十分なサービスを行えるようにする。運営 にあたっては当事者の意見をよく聞く。 ② スクランブル式交差点では、無音だとどこが青になっているかわからず、聴覚障害者にはとても不便である。 歩行者用信号の青を知らせる音響式信号を設置するよう、交通管理者と協議する。エスコートゾーンを拡大する。 ③ ﹁盲女性家庭生活訓練﹂には多数の参加者がある。予算が消費税増税後も据え置かれており増額する。 ④ 公的印刷物について ア ﹁障害福祉の案内・ふれあい﹂の音声版を作成する。 イ 市政だよりの点字版、音声版を希望者に配布する。 ウ 選挙のお知らせと選挙公報の点字版、音声版を希望するすべての視覚障がい者に、投票に間に合うように配 布する仕組みをつくる。 エ 納税通知書など税関係の書類を、希望者には点字版で郵送する。 オ これらの配布を希望する視覚障がい者の有無を調査するため、障害者手帳申請の情報をもとに、視覚障がい 者の意向調査を行う。調査結果を選管など他局とも共有する。 カ 視覚障がい者に対して市から発送する郵便物の封筒には、すべて発信元の名称を点字表記する。 ⑤ 日常生活用具の充実について ア カラリーノ︵色判別器︶を日常生活用具に加える。 イ パソコンソフトの支給対象を3級以下に拡大する。 ウ 点字表記のついた視覚障がい者用の製品であるワンセグ放送を受信できるラジオ︵地デジラジオ︶を加える。 ⑥ 特養ホームに入所している視覚障がい者の外出の際、障害福祉サービスの同行援護を認める。 ― 65 ― 11 障がいの特性に合わせた支援を ① 精神障がい者支援対策をすすめる。 ア 支援の手が届かずに苦しんでいる精神障がい者や、ひきこもり状態にある人に対し、医療や福祉につなげる ための訪問支援や家族への総合支援ができる体制が強く求められている。区役所の窓口も全市に1カ所の精神 保健福祉センターや百合丘障害者センターも人員が少なく、求められている水準の支援には程遠い。専門知識 を身につけ訪問支援を専門に行う体制をつくる。 イ かつて市直営だった地域生活支援センター・カシオペアは、退院後の地域生活にスムーズに移行できるよ う、入院時から一貫して支援してきた。この事業を引き継いだ井田地域生活支援センターは指定管理者による 運営になったが、 ﹁プレ支援﹂など、入院時から長期的に寄り添った支援を直営時と同じように行うための条件 整備を行う。指定管理者が途中で変わるような事態は避けなければならないが、いまの仕組みでは変わらざる を得ないので、直営に戻す。 ウ グループホームへの円滑な移行のため、体験宿泊できる施設を﹁桜の風﹂以外にも増やす。体験宿泊への補 助金を継続する。病院敷地内の地域移行支援型ホームの設置は引き続き認めない。 エ 地域生活に移行しても長期的な支援を欠かすことができないことから、精神障がいを専門とする相談支援セ ンターを少なくとも各区に1カ所設置する。 オ 市内で完結する精神科救急医療体制を早急に作る。﹁庁内検討会を立ち上げ具体的な解決策について検討を 進める﹂とのことだったが、対策を緊急に進める。 年度︵2017年 カ 精神障がい者が精神科以外の疾患で救急車を呼ぶ、いわゆる他科救急について、 ﹁消防局や救急医療機関と連 携した実態調査の準備に着手しており、来年度︵2017年度︶の実施に向けて、庁内及び医療機関との具体 的な調整を進めている﹂ ﹁これらの調査結果をもとに必要な施策について検討を進め、平成 ク 社会参加支援センターの廃止により、系統的な精神障がい者の就労支援が大変困難になった。精神障がい者 キ 入院医療援護金を増額する。県内で統一した運用をしているとのことであり、他自治体に働き掛けるととも に、市独自にも増額を検討する。 017年度に効果が出るよう、急ぎ実施する。 度︶に策定する次期地域医療計画へ反映させる﹂とのことで、ようやく一歩を踏み出しているが、具体的に2 29 ― 66 ― 12 に特化した就労支援を行なうため、新たな就労支援センターを各区に1カ所ずつ開設する。 ケ 自立支援医療と精神障害手帳は2年に1回の更新を義務付けられており、身体・知的障害とは違う仕組みと なっている。これを見直す。更新の際、医師の診断書が必要となっており、他の障害に比べこの負担が大き い。診断書発行費用の助成を行なう。 コ グループホームの入居者は、担当区役所がもとの居住地となっている。各種届出のたびに遠くの区役所に行 くことが困難になっている入居者が増えており、書類の受付などを最寄りの区役所で行えるようにする。 サ 2015年から始めた﹁相談支援緊急一時支援事業﹂は、家族から一時的に離れて滞在し相談支援を行なう ために宿泊もできるという制度で、精神障がい者のレスパイトとしても利用できる。初年度は1床のみであ り、各区に増やす。この機能は大変要望があることから、制度を関係団体や家族会に周知する。 シ 精神障がい者が地域活動支援センターに通う場合、障がいの特性から毎日通うことができず、休むことを認 めることで利用を継続できるという事例が多い。しかし運営補助は利用者が何人来たかという数字で算定され る た め 休 む 人 が 多 い と 補 助 が 減 額 さ れ る。 こ れ で は 精 神 障 が い 者 の 通 所 施 設 と し て や っ て い く こ と は で き な い。運営費補助を固定費補助として抜本的に増額する。 ス 精神障がい者のための社会参加、援助の場として公的施設・公共施設に精神障がい者がいこい、働き、集え る喫茶店などの場を現在の3ヵ所からさらに増やす。 セ J Rに対し、精神障がい者も障害者割引の対象とするよう、働きかける。︵再掲︶ ソ 差別解消法の施行に伴い、精神障がいへの理解を広げ、差別や偏見をなくす事業を市として旺盛に展開する。 タ 精神障がいの正しい知識を促すよう学校教育の中で必要な学習時間の確保及び、教職員への精神医療保健の 研修等を行なう。 ② 発達障害の専門的な支援を充実する。 ア 発達障害は専門的な知識を持ってその人に合わせた対応ができるかどうかで、一生を大きく左右する。保健 福祉センターの窓口、保育園、幼稚園、学校などでの系統的な研修をひきつづき行なう。 イ 発達障害者支援センターを増設する。 ウ 発達障害の子どもを持つ親が自らの経験や知識を生かした交流を通じて支えあう、 ﹁親による親の支援﹂であ るペアレント・メンター事業を行う。 ― 67 ― エ サポートカードは、内容、活用方法など、当事者の意見をよく聞いて改善する。 ③ 高次脳機能障がいについて ア まだあまり高次脳機能障害が知られていないため、家族が障がいを疑って相談に来ても、適切な支援に結び つかない事例がいまだにある。各区の保健福祉センター、とりわけ地域みまもり支援センターなど、ファース トコンタクトになりうる窓口の職員の研修を行う。 イ 高次脳機能障害地域活動支援センターを全区に設置し、現在のような相談支援と日中活動だけでなく、高次 脳機能障がいに関するあらゆる相談、リハビリ、就労支援などを行う。 ウ 高次脳機能障がいは交通事故による頭部打撲や脳血管障害、低酸素脳症などが原因となっており、医師が診 断・治療できなければ、予後に大きな影響を及ぼす。市立病院をはじめ、市内の救急病院が診断・治療できる ようにするとともに、急性期を脱した後適切なリハビリが受けられるよう医療体制を整える。高次脳機能障が ― 68 ― いの診断・治療ができる医療機関のリストを区役所の相談窓口に置く。 エ ピアカウンセリングが実施するできるよう支援する。 オ 高次脳機能障がいに特化した作業所、グループホームを設置し、障がいの特性を理解した職員を配置する。 障がいを理解する企業を開拓し、ジョブコーチなど就労支援を行なう。 カ 事 故 な ど に 遭 遇 し 自 分 で 様 子 を う ま く 伝 え ら れ な い と き に、 高 次 脳 機 能 障 が い を も っ て い る こ と を 示 す サ ポートカードやハートフルマークのようなカードを検討する。 ﹁パラムーブメント﹂として位置づけた障がい者スポーツの振興を一過性のものにせず、長期的な視野に立った支 援を。 ③ 障がい者を対象にしたスポーツ大会への派遣費用に補助を継続・増額する。 ② 各区のスポーツセンターにおいて、 ﹁障害者の日﹂を設定し、必要な設備と指導員を配置し、障がい者スポーツ のすそ野を広げ、気兼ねなくスポーツに親しめるようにする。そのための指導員を養成し配置する。 ① 要望の強い障がい者総合スポーツセンターを温水プール、体育館、宿泊施設を備えたものにし、早期に整備す る。当面、中原区井田にある障害者用のプールを改修し、利用できるようにする。 13 災害時に障がい者が不安なく暮らせるための対策を緊急にとる。 ① 障がい者が利用しているグループホーム、通所施設などの耐震補強を福祉施策として行い、すべての施設の耐 震補強を直ちに行なう。 ② 本市では、通常の避難所を1次避難所、福祉避難所を2次避難所として、まず1次避難所に集まってから、市 が手配して2次避難所に移動するという計画になっており、2次避難所として協定を結んでいる施設は公表して いないが、熊本地震の教訓から1次避難所、2次避難所という考え方をやめ、福祉避難所として協定を結んだ各 施設がその特徴や所在地を公表し、自分が避難する福祉避難所を決めておくようにすること、周辺の住民もそれ を認識するよう、周知するという仕組みに変える。 ③ 通所施設などを利用していない在宅の障がい者の安否確認の方法をマニュアル化しておく。 ④ 2次避難所として協定を結んだ施設には、あらかじめ市から備蓄物資を届ける。 ⑤ ストーマーの備蓄を行なうため、各避難所が必要な障がい者と協議を行なう。 第五章 地域経済の担い手を守り、成長を促す支援策を ・2%、4万2287事業所が従業員300人以下 2014年経済センサスによると、川崎市の民営事業所数の の中小企業で占められ、労働人口 万4757 人の ・7 % が働いています。中小企業の経営と雇用を支えること 75 99 しかし、安倍自公政権の経済政策によって、中小企業の経営は一層困難に直面しています。国内の中小企業数は減 少し続け、1986年の約533万から2014年は約381万へと ・5%減少しました。小規模事業所数は約4 は、市民生活を守るために重要な課題です。 55 77万から325万へと ・9%も減少し、休廃業・解散が高水準で続いています。 28 ﹁規制緩和﹂と円安による﹁株価引き上げ﹂策を行いましたが、内閣府が発表した︵8月 日︶4 安倍自公政権は、 ∼6月期の国内総生産は、物価変動の影響を省いた実質で個人消費が前期比0・2%増とわずかな上昇にとどまり、 31 生活実感に近い名目値で個人消費は0・1%減となりました。このような個人消費の低迷を受けて、企業の設備投資 15 ― 69 ― 14 は実質で0・4% の減、2期連続のマイナスとなりました。8 月 日 に 閣 議 決 定 さ れ た 安 倍 政 権 の 第2 次 補 正 予 算 は、一般会計ベースで4兆1143億円と第2次安倍政権発足以来最大なもので、 ﹁アベノミクスの好循環﹂が破綻し ていることを示しています。 また、安倍政権は、参議院選挙後の臨時国会で、TPP協定の批准を強行しようとしています。﹁国会決議﹂では農 作物の重要5項目︵米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖︶は、 ﹁関税撤廃を認めない﹂とされているにもかかわらず、T PP協定では重要5項目農地3割の品目で関税が撤廃され、残る7割も関税率が引き下げられ、しかも、発効7年後 には、日本だけが残った関税の撤廃に向けた協議を約束しました。TPP協定は、アメリカを中心とする巨大多国籍 企業の利益追求のために、関税を撤廃し、職の安全、医療、雇用、保険・共済、国・自治体の調達など、あらゆる分 野の﹁非関税障壁﹂を撤廃するものです。しかも、ISD条項︵投資家・国家間の紛争解決条項︶によって、多国籍 企業が政府や自治体の施策に介入・干渉する﹁権利﹂を保障するもので、断じて認められるものではありません。 このような経済状況の中で、市内経済は、2014年工業統計調査によると市内の﹁製造品出荷額等﹂は、4兆5 484億円で前年度比2・7%増となっていますが、その %を占めるのが大企業の石油・化学・輸送機・鉄鋼で、 億円︵0・9%減︶など、横ばいか減少となっています。これを従業者規模別にみると、 ∼299人規模で0・5% の増、300人以上で3・5%増と横ばい状態なのに対し、4∼ ています。 人規模の事業所がマイナス1・1%の減少となっ 30 万円程度、工 市内のある金属加工の工場では﹁元請け自体の仕事が減ってしまい、メインの取引先からの発注は 場 の 家 賃 に 消 え て し ま う。 同 業 者 は み な 同 様 で 仕 事 の 回 し が で き な い ﹂ と 受 発 注 の 減 少 が 同 業 種 全 体 の 問 題 だ と 指 民間事業所数は、直近の2014年経済センサスによると、2年前の前回調査と比べ製造業は319事業所の減、 建設業も300事業所の減など、ものづくりや地域経済を支えてきた分野で厳しい状況が示されています。 29 摘、仕事量は何とか確保しているという、はん用機械メーカーでも、 ﹁人件費、福利厚生費が経費の %を占める。賃 15 川崎市では、今年4月﹁川崎市中小企業活性化のための成長戦略に関する条例﹂が制定され、川崎市の責務として ﹁中小企業の活性化を総合的かつ計画的に策定し、実施する﹂ことを定め、その際、﹁小規模事業者の事情の考慮﹂を 求められていることを示しています。 金を上げたくても上げられない。とくに従業員の社会保険料の負担が大きく大変﹂と、中小企業の支援が様々な面で 70 ― 70 ― 24 市内中小事業者が多い金属製品では590億円︵1・8%増︶、印刷264億円︵0・5%減︶、プラスチック278 81 行うとしています。 しかし、条例制定後の初の予算として2016年度予算は、約320億円は、前年度比1・4%増となりましたが、 融 資 の 預 託 金 や 先 端 産 業 へ の 支 援 を 除 い た 中 小 企 業 支 援 額 は、 億 円 程 度 と 一 般 会 計 の 予 算 の 0 ・ 4 % に 過 ぎ ま せ ん。条例が求める﹁中小企業の成長発展﹂ ﹁持続的発展﹂を支えるには、いわゆる﹁成長分野﹂に重点を置いた経済対 策を改め、小規模事業者をはじめ、個々の企業の﹁成長﹂を支える﹁ものづくり﹂を継続できる支援が求められてい ます。そのために、地域循環型の経済対策で地域経済の再生を図ることが必要です。全市で行なったプレミアム付き 商品券は、投入された税金の2倍以上の効果が明らかになりましたが、その効果をより地域の中小店にもたらすため には、仙台市のように中小店舗だけ利用できる専用券を発行するなど、市独自の対策も課題となりました。このよう な経験を活かし、今後も引き続きプレミアム付き商品券の取り組みを進めることを求めます。また、地域経済活性化 のためにこれまでも提案してきた﹁住宅リフォーム助成制度﹂の創設や地産地消の推進、公共部門での市内企業の優 先発注や技術・商品の購入など、今まで以上に取り組みを強めることが必要です。 さらに、経営困難ななか、納税が困難になった場合の救済策や、税制面での不利益を改めてゆくことも重要です。 今年4月から始まった﹁地方税﹂の﹁申告型猶予の換価﹂制度の周知や、 ﹁所得税法 条﹂の廃止を国に求めてゆくこ となど、納税者の立場に立った支援も﹁事業継続﹂の力になるものです。 中小企業対策について ② 大田区で実施したように、市内全事業所の実態調査を行う。 ③ ﹁川崎市中小企業活性化のための成長戦略に関する条例﹂の検証にあたって設置される﹁専門部会﹂は製造業・ 建設業・商業・農業など各分野から実態が把握できるようにする。 援策を強化する。 1 ﹁中小企業振興条例﹂の実効性ある施策のために ① ﹁川崎市中小企業活性化のための成長戦略に関する条例﹂に位置づけられた、市の﹁責務﹂を果たすためにも、 融資対策を除く中小企業予算を一般会計の2%︵約120億円︶に引き上げる。とりわけ、小規模事業者への支 56 ④ 減少する小規模事業者の事業継続を図るため、電気料や家賃補助など固定費の助成を行う。 ⑤ 小規模事業者に市の支援策の情報が届くようにする。 ― 71 ― 28 名のコーディネーターが日常的に活 2 中小企業の受注拡大・販路拡大を図る施策のために ① コーディネーターは、2016年度も前年度同様の6名体制となっている︵産学連携コーディネーター2名、 技術コーディネーター1名、海外展開コーディネーター3名︶大阪市では 動し、実績をあげている。市内中小企業は、国内での受発注の拡大を望んでおり、国内での受発注を拡大する コーディネートを増やすための、コーディネーターの増員を図る。また、商工会議所が行う﹁小規模企業持続的 発展支援窓口事業﹂は、専門家とともに巡回指導を行い、融資制度に必要な事業計画の策定を援助する活動を行 うもので、さらなる補助金の増額を図る。 ② 展示会への補助金を抜本的に増額し、参加企業数を引き上げる。1社あたりの補助額を現在の 万円から 万 円に引き上げる。補助率も2分1から3分の2まで引き上げ、出展費用の負担を減らす。また、商工会議所が行 20 ③ ② ﹁かわさきデータベース﹂の登録企業は1254社︵2016年2月時点︶だが、市内には3000社もの製 環境・災害・福祉など必要な行政課題を市内中小企業に呼びかけ、開発された商品を購入するなど、行政と市 の補助金の支払いを、事業着手前に一部支払いができるよう分割して支払うよう支払方法を改める。 上げ、補助率も2分の1から3分の2まで引き上げる。また、事業者が事業に着手しやすいように、事業終了後 3 中小・零細企業が持続できるよう、技術革新への支援を強化する。 ① ﹁新技術・新製品開発支援事業﹂の予算を増額し、補助限度額を1件あたり100万円から500万円に引き ﹁専門家派遣﹂事業は、小規模事業者が利用しやすくするため1回あたりの利用料︵15428円︶を無料にする。 造業がある。未登録企業の登録を促進するとともに、自社のホームページ制作への助言や補助を行う。 ④ ところで広報する。 額を行う。 中小企業の技術・製品を公共施設や区役所や市のショーウィンドー、オーロラビジョンなど、市民の目のつく により、技術開発、経営相談をはじめとして展示会パンフの作成など﹁伴走型﹂支援を行うもので、補助金の増 う﹁テクノ・プラーザ事業﹂は市内大手企業などのOB人材テクノアドバイサー︵登録者数387名︶の専門家 10 内中小企業の連携した事業を展開する。開発された技術・商品を庁内各部局に宣伝を強化し、全庁挙げてKIS ― 72 ― 50 S製品など市内中小企業の技術・商品が採用されるよう働きかける。 4 経済対策として、自然エネルギー活用の技術開発・普及を支援するとともに、学校・市民館など自然エネルギー の活用を広げる。 ① 自然エネルギーの技術開発を進めるために、独自の補助制度を創設する ② 市内の自然エネルギー活用の技術について情報収集を行い、優れた技術については、市としてPRを行う。 ③ 住宅用太陽光発電設備設置補助事業の補助金を拡充し、市内での普及を進める。神奈川県に対し、補助制度の 創設を求める。 ています。同レポートは経営者が後継者の育成期間には5年以上かかると考えていること、また、課題・問題点とし て﹁技術・信用力の低下﹂ ﹁借入金・保証の問題﹂などをあげている経営者が多いとしています。このことから、技術 を支え、経営を支える支援が求められていることがわかります。 ① 高い技術を持ちながらも営業面での弱さを抱える小規模事業者に対し、市として積極的に訪問し、どのような 技術があるのか把握する。事業継続のための支援策など情報提供を行う。 ② ﹁職業訓練校﹂など技術講習の機会を広げる。また、予算を増やす。 ③ 従業員の技術習得に関わる事業者の負担をなくし、賃金の補助を行う。 ― 73 ― 5 災害に備えた技術・商品の開発を促進する ① 市内の防災・災害対策の技術・商品の開発を促すために、新たな補助制度を創設する。 ② 市内の防災・災害対策に関する技術の情報収集を行い、市として積極的に採用するとともに、普及のための支 援を行う。 6 ものづくりの技術継承と後継者対策を行う。 2015年8月に川崎市産業振興財団が行った﹁川崎市内中堅・中小企業実態調査レポート﹂によると、経営者の 年代について、 代以降と答えたのは ・6%にのぼり、3年前の調査と比較して3ポイント増加しました。そのう 29 ちの3割、全年代では5割が﹁後継者は決まっていない﹂と回答しており、後継者不足は依然として大きな課題となっ 70 ④ 世代交代に伴う、新たな設備投資が出来るよう、支援を講じる。 ⑤ 子どもたちに﹁ものづくり﹂への関心を高めるため、 ﹁ものづくり﹂の楽しさ、素晴らしさを授業の中に取り入 れ、子どもたちが﹁ものづくり﹂に接する機会を増やす。 ⑥ マイスター制度を充実させ、奨励金制度の創設を行う。マイスターの技術を広くPRし、技術の継承に役立て る。 ⑦ 商工会議所が行う﹁KCCI企業家カレッジ、経営改革セミナー﹂﹁経営革新塾﹂﹁川崎インターシップ事業﹂ など人材育成事業の補助金を増額する 7 融資制度を改善し、より使いやすいものにする。 ① 市が金利負担を行い、一定期間を金利ゼロで貸し出すなど、より負担の少ない公的融資制度を実施する。 ② 金融機関に対し、引き続き借り換えなど貸出条件の変更の申し出に対応するよう求める。 ③ 100万円までのつなぎ融資を市の独自審査で実施する。 ④ 消費税を経費とみなし、市独自の審査により融資の対象とする。 ⑤ 税金の滞納があっても税金の分納証明があれば、融資の対象とする。その際、返却期間を1年以内と限定せず に、事業の実態に見合ったものにする。 ⑥ ﹁無担保・無保証人融資制度﹂の利用資格である﹁営業実績1年以上﹂を﹁6カ月以上﹂に短縮するよう国に働 きかける。 8 工場アパートの整備を図り、産業の集積と操業環境に苦しむ事業者への支援を行う。 ① 市が工場アパートの整備を行うための公的な財政的支援を行う。 ② 整備にあたっては、市内工業会や工業団地周辺の小規模事業者も加わった検討を引き続き行う。 ③ 操業環境が厳しくなったり、道路拡張工事に伴う工場移転対策としても、工場アパートの整備を行う。 9 市内中小企業の防災対策を支援する 中小・零細企業が防災対策を講じられるよう、引き続き技術支援を行うとともに、防災対策費への補助を行う。 ― 74 ― 大企業の下請けいじめをなくす ﹁下請中小企業の適正な利益﹂を含み、 ﹁労働条件の改善﹂が可能となるよう、親 ﹁下請振興法﹂は、下請け単価は、 企業と下請け企業が﹁協議﹂して決定しなければならないと定めています。しかし、実際には、福利厚生費を見積り で上乗せして計上しても、支払金額は以前と変わらず、名目だけの福利厚生費の計上となっているなど、社会保障費 の負担増が、下請け︵関連︶業者の負担となっているケースなど、 ﹁下請けいじめ﹂があるのが実態です。このような 実態を把握し、 ﹁振興基準﹂を実効性あるものにすることが求められます。 ① ﹁下請いじめ﹂などの実態を訪問調査などで把握する。また、市として、相談窓口を設置する。 ② 大企業、元請け企業に対し、 ﹁下請代金支払遅延等防止法﹂を守らせ、﹁下請いじめ﹂を起こさないよう指導す るとともに、発注停止や下請け単価の切り下げなど不当行為は摘発して、是正させる。 消費税の %への増税は延期ではなく中止を国に求める。 市税の徴収にあたっては、中小業者の生活再建と事業再生支援に役立つよう、運用の改善を図る。 売掛金や年金などの差し押さえはやめ、生命保険の強制解約をしないこと。 明らかに差し押さえ禁止財産が振り込まれた貯金口座の差し押さえはしない。 先日付き小切手の強要はしない。 ③ 所得税法第 条の廃止を国に求める。 自営業や農業従事者の配偶者や家族など家族従業者の﹁働き分﹂を必要経費と認めない﹁所得税法第 条﹂が国 連女性差別撤廃委員会により﹁女性の経済的自立を事実上妨げていることを懸念﹂ ﹁家族経営における女性のエンパ 56 10 ﹁納税者の実態﹂に合わせた救済措置を講じる。2015年4月より納税 納税が困難になっている事業者に対し、 者の﹁申請﹂に基づく﹁換価の猶予制度︵国税徴収法第151条の2︶に続き、今年4月より地方税にも新設され 家族従事者として果たしている役割が適切に評価されるよう、税制等の在り方を検討する﹂との答弁を引き出した。 に勧告された。国会においても、この勧告を受けて日本共産党の宮本徹衆議院議員が内閣府の姿勢を質し、 ﹁女性が ワーメントを促進するために、家族経営における女性の労働を認めるよう所得税法の見直しを求める﹂と日本政府 56 た﹁申請に基づく換価の猶予﹂を納税が困難な事業者に知らせ、税の分納による救済を図る。 ― 75 ― 10 12 11 13 14 ︵二︶市内建設業の振興策を実効性あるものにする 兆円をピーク 建 設 産 業 を 取 り 巻 く 情 勢 に つ い て は、 全 国 的 な 傾 向 と し て、 建 設 投 資 に つ い て は 1 9 9 2 年 度 の に、2010年にはピーク時の半分程度まで減少し、東日本大震災からの復旧、復興に向けた震災関連工事等の増加 によって、増加傾向にあるとしながら、2014年、 84 年は 兆円とほぼ横ばいとなっています。オリンピックに向 48 万業者をピークに2013年度末に 万業者と、ピーク時の8割程度ま 建設業許可業者数は、1999年度末の で減少しており、建設業就業者数についても同様に、1997年平均の約685万人をピークに減少を続け、201 けた建設需要の増加が見込まれますが、オリンピック需要を除けば、建設需要自体は減少傾向にあります。 15 3年平均では約499万人と、ピーク時の7割程度まで減少しています。 者対策の抜本的強化が求められています。 また、建設業就業者数のうち約3割が 歳以上である一方、 歳以下は約1割であり、全産業を大幅に上回るペー スで高齢化が進展しています。このため、深刻な担い手不足が広がっており、処遇改善や職業訓練の強化など、後継 47 将来の担い手不足が深刻な状況におかれている市内建設業の振興策として実効性ある取り組みを強く求めます。 とどまっています。 提案してきましたが、営業活動の強化、経営基盤の安定化を図ることに置き換え、事業者の経営努力を促す施策等に ての積極的な取り組みを求め、住宅リフォーム助成条例の制定など、直接的な振興策の実施を早急に具体化すべきと 今年4月から、中小企業活性化条例が施行されましたが、建設産業については、独自の業種として位置付けられて いません。これまでも予算要望の中で、市内経済を活性化する基幹産業となる市内建設業振興に向けて、川崎市とし 2年前との比較で、2848人の減となっています。 川崎市内でも、直近の2014年川崎市経済センサス基礎調査結果によると、事業所の減少率は2年前との比較 で、調査対象の全産業の中で、製造業に次いで高く、7・2%、300事業所が減り、3843事業所。従業者数は、 29 ① ﹁住宅リフォーム助成制度﹂を創設する。 建設業振興策として、 ② ﹁高崎市まちなか商店リニューアル助成事業補助金﹂をきっかけに全国に広まっている商店街リニューアル助 成 事 業 を 参 考 に、 市 内 中 小 商 業 者 の 店 舗 改 修 に 対 し て、 リ フ ォ ー ム 助 成 制 度 を 検 討 す る。 さ ら に、﹁ 町 工 場 リ フォーム﹂についても検討する。 ― 76 ― 60 55 ③ 木造住宅の耐震改修助成制度について、新たに、部分耐震、一部屋耐震など拡充され、補助割合も2分の1か ら、3分の2まで拡充されましたが、補助限度額が下げられました。補助限度額を元に戻し、年間耐震対策実施 件数を抜本的に引き上げるための予算と人的配置を拡充する。横浜市や、杉並区などで実施されている﹁感震ブ レーカー﹂設置補助事業を川崎市でも実施する。 ④ 旧耐震の建物を建て替えた時にも、解体費の一部など助成制度を創設する。 ⑤ 経済労働局として、市内中小建設業者、建設労働者団体等との連携を通して、情報発信等のイベントに取り組 まれてきた。こうした実績をさらに発展させるためにも、建設業振興課を新設し、個別産業として支援を強化す る。市内建設業者、建設労働者のしっかい調査を行なう。 ⑥ 改修までに時間のかかっている教育・福祉施設などの補修工事について、当初予算を増額し、年度当初から発 注を進める。 ⑦ 介護保険外の﹁川崎市高齢者住宅改造費助成事業﹂について、店舗併用住宅の店舗部分の改修工事等、現在対 象外になっているものについて、助成対象工事として拡大し、限度額を増額する。 ⑧ 登戸土地区画整理事業の住宅移転、建て替えの仕事を地元中小建設業者が受注できるよう誘導する。個々の権 利者からの相談に対して、建設業協会や建築士事務所協会を紹介するとしているが、合わせて、川崎建設組合連 合への紹介も対象にする。 ⑨ 中小企業活性化条例の制定を踏まえ、特養ホームや市営住宅、学校や保育所などの生活・福祉型投資を優先し て市内業者の仕事を確保する。 ⑩ 市内中小建設業者育成と技術技能の向上を図るために、入札にあたっては地域制限の活用を堅持する。公共工 事での元請けが下請け業者を選択する際、市内に本社がある業者に優先発注するよう元請業者に対し指導し、市 内中小建設業者の受注機会を広げる。 下水道・水道管の老朽管の計画的敷設替えを進める。整備にあたっては、入札参加資格の等級区分B、Cラン 行う。 ⑪ 中学校給食を自校調理方式で実施する学校を増やすよう、引き続き検討する。配膳室等の整備は、市内業者で ⑫ クの仕事が極端に少ない状況を打開するために、現在、7千万円以上という設定を1億円以上にする。 ⑬ 深刻な後継者不足への対策として、 ﹁技能フェスティバル﹂や﹁かわさき市民まつり﹂などでの体験ブースの設 ― 77 ― 置や交流の場の設置等取り組まれているが、さらに実効性あるものにするために、職業訓練校等の充実強化のた めに、長期・短期課程の一校あたり、および訓練生一人あたりの補助金を増額する。不況により就職できない新 卒者の職業訓練の場として活用するために、引き続き市内高校への資料配布を行い、体験入学等を実施する。 ⑭ 引き続き、川崎市住宅相談運営委員会の運営費補助の増額、相談日の拡充と相談場所をわかりやすい場所に設 置する。 ⑮ アスベスト被害を防ぐために ア 建設時は使用することが義務付けられていた耐火被覆材について、現在、 ﹁民間建築物吹き付けアスベスト対 策事業制度﹂の対象外となっている住宅の解体時におけるアスベスト除去費について、川崎市として市民負担 を軽減するために助成制度を設ける。 90 ― 78 ― イ アスベストでの被害者を救済するために市としての独自の制度を検討する。 ︵三︶商店街の活性化のために 商店街を日常生活に欠かせない機能を持った﹁地域の公共財産﹂と位置づけ、住民、商店街、行政が一体となった 取り組みで活性化を進めていくために次の諸点を実現する。 ① 施行された﹁川崎市中小企業活性化のための成長戦略に関する条例﹂は大企業の役割として﹁中小企業の活性 化に関する施策に協力する﹂ ﹁中小企業に関する団体との連携に努める﹂と定めたことから、大店舗やチェーン店 の商店街への加盟を促進するよう条例の趣旨を生かし積極的に推進していく。 ② ﹁川崎市地域商業活性化協議会﹂で位置づけられた地元商店会とチェーン店・大型店と消費者が意見交換できる 場としての﹁連絡協議会﹂を、商店街連合会からの要望を待つだけでなく、川崎市としても協議会を積極的に開 催するよう働きかける、 ③ 商店街の街路灯LED化設置補助率を市単独でも3分の2に引き上げる。 ④ 商店街街路灯電気代の補助率 %︵2015年度現在︶を %に引き上げる。 ⑤ 商店街の空き店舗対策事業として﹁空き店舗活用アワード事業﹂や﹁商人デヴュー塾﹂などがすすめられてい るが、空き店舗を活用し創業を始める創業者への財政支援がない。店舗賃借料補助や店舗改装費補助など財政的 70 補助などを行う。 ⑥ 商店街が行なうイベント事業のランク付けはやめる。商店街を活性化するために、商店街が消費者と密着し、 ﹁買いやすく、楽しく﹂という消費者の要望にこたえるとともに、高齢者にもやさしく、社会貢献を果たせ、魅力 ある商店街として発展することを目的に、商店街魅力アップ支援事業を希望する商店街の期待に応えるよう抜本 的な予算の増額を図る。手続きも簡素化する。 ⑦ 商店街のアーケードや街路灯の撤去は期間限定で2分の1補助される。撤去は期日が決められ、アーケードは 2019年、街路灯は2017年完了工事まで、その後は4分の1補助となる。補助率を引き上げ、期間の限定 はなくす。 ⑧ 福祉施設や教育施設の給食材料は、 ﹁川崎市中小企業活性化のための成長戦略に関する条例﹂で物品の調達は市 内中小業者の受注機会の増大を図るよう定めているので地元の商店で購入する。 ⑨ 昨年実施されたプレミアム付き商品券の利用は大型店舗は %、 億2千万円、中小店舗出は %、8億6千 万円だった。仙台市は大型店と中小店舗で利用できる共通券と、中小店舗のみ利用の専用券など工夫した取り組 24 26 ⑩ 川崎市がすすめる登戸のまちづくり事業で商店が減り続けている。まちづくりに商店街づくりをしっかり位置 づけ、商店街が活性化され、営業が継続できるように対策を講じ、継続的に相談に乗れるようにする。 ⑪ 商業アドバイス事業やコンサルタント事業のアドバイザーは団体が希望する人選にする。無料の派遣回数を増 やす。 ︵四︶市内中小企業への官公需の発注額を増やす ① 川崎市契約条例及び、川崎市中小企業活性化のための成長戦略条例に基づき、市内中小業者の受注機会の増大 を図ることが規定されており、この方針に基づき、原則として市内に本社があることを入札参加資格とし、また、 市所管の出資法人、出資法人以外の団体で補助金等を支出し当該団体がそれに基づき事業を行う場合には、関係 部局から市内中小企業への優先発注を要請しているが、さらに徹底するように対策を講じる。 ― 79 ― 74 みで商品券利用全体の %、 億円が中小店で利用された。他都市の経験などを生かし川崎市独自にプレミアム 28 商品券の発行を行ない、事業費やプレミアム分、宣伝費・印刷代を全て補助する。 59 ② WTO対象を回避する分離・分割発注について 協定の対象となる工事の発注について、共同企業体を採用する工事発注において、市内中小企業も構成員とし て参加可能な入札条件を設定しているが、 ﹁等々力硬式野球場改築工事﹂の総合評価落札方式における入札で、大 手ゼネコンを幹事会社とするJ Vと地元企業によるJ Vでは、金額で5千万円、主観評価項目の得点で0・5点 しか違いがなかった。こうした結果を踏まえ、地元優先発注が実効性あるものとなるように改善する。 ③ 道路維持管理費を増やして、拠点駅周辺地域、幹線道路などで毎年選定されているような適正な街路樹の維持 管理を行う。公園の維持補修費を増やす。待機児、待機者が深刻な保育園、特別養護老人ホームなど生活密着型 の公共投資を増やして、市民要求実現と同時に市内官公需発注を増やす。異常気象が続く中、時間雨量 ミリ対 応の雨水処理計画では、浸水被害を防げない。予算を抜本的に増やして、官公需の発注を増やす。 ︵五︶入札制度について 1 最低制限価格︵低入札調査基準価格︶設定のさらなる引き上げについて ﹁施工の工夫等による一定のコスト縮減の余地が存在することもあり得る﹂として、最低制限価格の対象とはせ ず、低入札価格調査を実施しているとし、WTO政府調達協定工事以外の工事は最低制限価格の対象としていない としているが、現実には、工夫の余地などないことは明白である。最低制限価格の対象案件をさらに広げる。 2 入札ミスの防止対策について 昨年来、設計、積算ミスにより、入札を中止し、落札業者と再協議に及ぶ事例が後を絶たない。﹁行革﹂による職 員削減と、団塊の世代の大量退職による技術力低下が要因の一つと推測される。チェック体制の強化、研修機会の 拡大など一定の改善を図ったというが、引き続き発生している事態を踏まえ、引き続き、技術職員の増員と育成体 制を抜本的に強化することが必要である。 ① 設計、積算のアウトソーシングの進行により、 ﹁設計内容に設計者自身でなければその意図が正確に伝えること ができないものについては外部委託している﹂として、工事監理についても外部委託が進んでいる。現場でのト ラブルや設計ミスなど問題点も明らかになっている。また、現場での打ち合わせがいちいち、委託業者↓行政↓ 委託業者となり、その都度工期の遅れを生み出している。基本設計、詳細設計についての責任者を明確にし、現 ― 80 ― 52 場監理のアウトソーシングは止める。 ② 積算疑義申し立て手続きにより入札が中止になるケースがあとを絶たない。疑義申し立て手続き制度は、あく までもやむを得ない措置として実施されたものであり、疑義申し立てをされないような設計積算能力を研鑽し、 積算精度を上げる対策を早急に講じる。 3 引き続き年度当初よりの早期発注と年度内の発注の平準化をはかる。早期発注の支障となっている関係機関との 調整については、事務手続き等の迅速化など、関係機関に早期発注に向けた改善を要望する。 88 90 価点数に対して、建設業者を独自評価した主観点数︵技術評価点数︶をほぼ1対1の割合で合算して、その合計 である総合評点で格付けを行なっている。また、神奈川県も、6項目についての主観点数を配点し、客観点数に 加えた総合評点で格付けを行なっている。次回競争入札参加資格申請においては、過去の工事実績及び工事成績 ― 81 ― 4 総合評価落札方式等の入札制度について ここ数年、土木系四業種︵土木、下水管きょ、舗装、水道施設︶の市内業者向け案件では、低価格入札が頻発し ている。しかも、失格基準価格での競争になって、﹁価格以外の評価項目及び配点︵主観評価点︶﹂で高得点を有す る一部の業者に発注が偏る傾向があり、入札参加業者が減少し、かえって競争性が阻害されている。しかも、実績 がなければ来年度に予定されている業者登録更新に際し、実績が積み上げることができず、ランクを下げて登録せ ざるを得ない業者も増えている。総合評価方式を採用する一般競争入札の発注標準金額、及び、失格基準価格の引 土木、舗装では予定価格の3億円以上の工事に、下水管きょ、水道施設では予定価格4億円以上、建築では予 き上げを行う。 ① 定価格6億円以上の工事にそれぞれ引き上げる。失格基準価格の算定式を、現行の﹁調査基準価格 %︵予定価 格の %︶ ﹂から﹁調査基準価格の %︵予定価格の %前後︶﹂程度に引き上げる。 97 5 市内建設業者を保護・育成する。 ① 競争入札参加資格申請︵業者登録︶における格付け方法については、現在、該当業種に対応する﹁経営事項審 査の総合評定値︵客観点数︶ ﹂だけを基に格付けし、ランクが決定している。国土交通省においては、経営事項評 83 を主観点︵発注者別評価点︶として適切に評価し、客観点との合計点数での格付け方法に改正するように求める。 また、業者登録更新時期を機に、物価上昇、人件費の上昇に伴い、高騰する工事費を考慮し、それぞれの格付け 基準金額も引き上げる。特に水道工事において、B、Cランクが極端に減っている。B、Cランクの格付け基準 価格を引き上げ、B、Cランクの事業者への発注件数を増やす。 ② 神奈川県の事例を参考に、優良工事・社会貢献企業発注を川崎市でも実施する。 ③ 大規模災害時に、川崎市からの応援要請により特設作業隊を派遣して災害復旧に大きく貢献している﹁災害時 協定﹂を締結している業者が、景気の低迷と同時に、入札制度の改定に伴う競争の激化により、減少し続けてい る。 ﹁災害時協定﹂締結業者の減少は、災害時の応急対応に著しく支障をきたすことが懸念される。よって、﹁災 害時協定﹂締結業者の中でも、災害時に被災地へ事業者を派遣する団体などに属する事業者を保護、育成し、災 害時に貢献する業者を支えるために、主観評価項目の配点や﹁災害時協定﹂締結事業者への﹁インセンティブ﹂ を付加した案件発注を拡大する。土木において、導入から 年がたった﹁アシストかわさき﹂ ︵災害対応等評価項 目︶の主観評価項目を見直し、総合評価方式による入札において評価対象とするばかりではなく、通常の一般競 争入札の参加資格においても十分に活用できる実効性のある内容に改善する。 ④ 将来の公共工事を担う後継者育成を積極的に行なっている事業者についても、主観評価項目で適切に評価する など、優先発注に努める。 ⑤ Bランク工事において、各道路公園センターで発注する工事について、下位ランク規模の一般競争入札案件に ついて、行政区もしくは、南、中、北の3分割のような地域制限を加えた案件を試行実施しているが、早期に本 格的に実施する。 6 低入札でいくつもの工事を落札する事業者について適正な工事の履行が危惧されるところから、他都市でも実施 しているように、低入札調査案件を受託した事業者については、現在、工事の確実な履行のための誓約書を提出さ せているが、当該工事完了まで低入札での落札件数を制限する。 7 指名競争入札工事について、1千万円未満から3千万円未満︵建築工事については、6千万円未満︶に拡大する。 8 資源物の収集、ミックスペーパー、粗大ごみの収集を民間に委託しているが、適正な労働環境を保証するに足る 委託料とは言えない金額によって、人の確保が困難になり、事業継続に支障をきたしている。委託料算定に当たっ ― 82 ― 10 ては、必要な人員を確保できるように、適正な積算金額に改める。また、パッカー車など市の基準に基づき車両整 備をしながら、委託期間が短いことによって初期投資を回収できない可能性があることから、年々、請け負う事業 者が減っているといわれている。少なくとも委託期間を5年程度に延ばすことを検討すべきである。 ︵六︶公契約制度について ① 物価上昇等により工事における作業報酬下限額が引き上げられた。あわせて、委託についても引き上げる方向 で見直していく。 作業報酬下限額を定めるために勘案する額について、生活保護基準から最低賃金に変更されたが、現状の最低 賃金では、1000円に満たない状況であり、直ちに、時給1000円以上に引き上げ、さらに、時給1500 円をめざす。 ② 作業報酬審議会の審議経過について、公表する。 ③ すべての委託事業について、公契約制度の対象事業とする。その際、官製ワーキングプアの問題が社会問題に なっている。特に委託事業においてその大半を占める労務費について、受注業者のもとで働く労働者が、税金や 社会保険・雇用保険を支払える賃金水準となるような制度設計を行なう。少なくとも、時給1500円以上に引 き上げる。 ④ 制定した﹁公契約制度﹂に基づき、入札工事における建設労働者の適正な賃金の確保と公共工事の透明性確保 について、実施後の実態について検証する。現場訪問した労働組合からは、現場作業員に公契約制度の周知が徹 底されていないということが指摘されている。公契約制度対象工事であることと作業報酬下限額の掲示及び書面 を交付することを義務付けるだけに止まらず、周知徹底方法について改善し、現場作業員に公契約制度対象工事 現場であること、自らの職種の作業報酬下限額について確実に周知できるよう、重要事項説明書のようなものを 発行して、署名を求めるように義務付ける。 ⑤ 入札条件の中に、細かく規定を定め、適正な価格での発注を保障する制度を構築する。 ⑥ 予定価格6億円以上という条例適用工事金額の範囲を、可能な限り引き下げ、対象を広げる。 ⑦ 公契約条例対象の契約に従事する労働者には、自身の作業報酬を記載した台帳を閲覧できる権利があり、下限 ― 83 ― 額を下回る賃金の場合は、受注者又は市に申し出ができることとされているが、そうした権利についてはまだま だ知られていない。改めて、チラシや広告等に当該内容について周知徹底する。 ⑧ いわゆる﹁ひとり親方﹂労働者については、的確に履行されているか、改めて、実施された工事契約をもとに 調査、検証する。 ⑨ 労働組合が適用労働者に代わり申立てするものについても可能にする。 ︵七︶消費者の権利を守り、消費者行政の強化を 食品の偽装表示やずさんな安全管理、製品事故、不当契約や詐欺、偽装、個人情報の漏洩など、消費者の安心・安 全を脅かす事件が繰り返されています。こうした中で、消費者基本法に明記された﹁消費者の権利﹂である﹁基本的 ― 84 ― な需要が満たされる権利﹂ ﹁健全な生活環境が確保される権利﹂ ﹁安全が確保される権利﹂ ﹁選択の機会が保障される権 利﹂ ﹁必要な情報が提供される権利﹂ ﹁消費者教育の機会が提供される権利﹂ ﹁消費者の意見が消費者行政に生かされる 権利﹂ ﹁被害者が適切かつ迅速に救済される権利﹂が守られていません。 ﹁規制緩和﹂路線を突き進み、﹁事前規制から事後チェック﹂の名で、国民の安全にかかわる規制まで 安倍政権は、 緩和しています。 ﹁一般医薬品のインターネット販売﹂や事業者の届出だけで済まされる﹁機能性表示食品制度﹂が行 われ、 ﹁医療関連業務における労働派遣の拡大﹂ ﹁医薬品の承認期間の短縮﹂なども検討され、 ﹁消費者重視﹂の言葉と は裏腹に﹁産業優先﹂の消費者行政策が進められています。中でも、TPP︵環太平洋連携協定︶の推進によって、 関税撤廃はもとより、食の安全、医療や保険をはじめ﹁非関税障壁﹂についても撤廃しようとしていることは重大で、 ISDS条項によって経済主権まで放棄するTPPは、 ﹁消費者基本法﹂の立場からも、断じて受け入れられるもので はありません。 こうした状況の中で、本市の消費者行政が消費者基本法に明記された消費者の権利を守る立場で消費者行政を進め てゆくことは、大変重要なことです。現在、 ﹁川崎市消費者行政推進計画﹂の見直しが行われていますが、相談活動の 名体制となりました。2015年度 充実はもちろんのこと、今後さらに重要となる﹁消費者の権利﹂を守るため、調査や情報提供、啓発活動など市民と 連携した取り組みが﹁計画﹂の柱に位置づけられる必要があります。 本市では、今年4月より土曜日の電話相談が始まり、相談員も1名増員し、 15 代が ・4%、 代以上が の相談件数は8849件、前年度に比べ0・9%の増となり、インターネットを通じたデジタルコンテンツによるワ ンクリック請求や架空請求など不当請求に関する相談が増加しました。年齢別に見ると 19 70 ・7%と高齢者の被害が依然多いのが特徴です。相談に結びついていない多くの事例があると見られ、引き続く出 40 前講座など身近な場所で分かりやすい啓発活動が求められています。 ① 食品の安全のための規制が﹁非関税障壁﹂として撤廃・削減され、残留農薬や食品添加物などの規制緩和や輸 入牛肉の規制見直しなどが行われるTPPは行わないよう国に働きかける。 ② 現在の﹁食品表示法﹂の﹁食品表示基準﹂では、同一商品を2箇所以上の工場で製造する場合、製造所固有記 号を認めているが、これは、記号での表示は消費者に分かりにくく、適切ではない。また、心臓疾患などへの対 策として、米国やカナダ、韓国などで義務化されている﹁トランス脂肪酸﹂の表示義務が見送られているなど問 題がある。国に見直しを求めていく。 ③ 輸入食品、食材の安全性を確保するため、検査体制の強化を国に働きかける。市の食品衛生監視員︵現在6名︶ を増やし、食品検査項目︵2014年度、総検体数703検体。前年度753検体︶を増やす。 ④ 食品等の放射能汚染からの安全性を確保するために ア 引き続き市内農産物、川崎港で取れた魚介類、市内を流通する食品に対する検査と検査結果の公表を引き続 き行う。2015 年度の実績は、市内農産物では 検体︵前年度 検体︶、川崎港で採取された魚介類 検体 ︵前年度 30 62 検体︶ 、市内を流通する食品は225検体︵前年度223検体︶など、前年度と同様に行われている 28 ⑧ 学校教育の中で﹁消費者の権利﹂を学ぶとともに、デジタルコンテンツなどの実際の被害について学習する。 ⑤ 北部消費者センターを設置し、北部地域の相談体制を強化する。 ⑥ 宮前区役所でも出張相談を行う。各区出張所でも行うなど身近なところで相談を実施する。 ⑦ 相談員を専門職として正規職員化する。専門性に見合った待遇とする。研修にあたっては、業務として賃金、 交通費を保証する。 イ 給食用物資の食品サンプリング調査を継続するとともに、サンプル数を増やす。水道水中の放射性物質の検 査も継続する。 が、引き続き検査品目を広げていく。 64 ― 85 ― 17 ⑨ 高齢者に対しては、高齢者の集まる場所など、身近な生活の場で出前講座を行うなど、気軽に学べる場を提供 する。 ⑩ 多重債務者の相談にあたっては、その背景に生活困窮がある場合は、他の部局とも連携して、生活再建ができ るよう支援する。 ⑪ 災害時の﹃価格安定や生活必需品の提供を確保するために、協定店を増やすなど、事業者との連携を図れるよ うにする。 ︵八︶市内農業を守り発展させる ― 86 ― TPP協定の国会審議において、安倍政権はTPP交渉の経過を何一つ明らかにせず、4月5日に衆議院特別委員 会で提出された資料は、ほぼ黒塗りとなっていたなど、戦後の国会史上でも前例のない異常な秘密主義で批准を強行 しようとしています。これには、 ﹁国民に充分な情報﹂を求めた﹁国会決議﹂を完全に無視するもので、国民と国会に まともに情報提供できない協定は、撤回するしかありません。また、アメリカ国内でも、大統領選挙の候補者が﹁各 国政府の環境、食品の安全、健康を守るルールを妨害するいかなる貿易協定にも参加すべきではない。この基準はT PPにも適応すべき﹂と慎重姿勢︵民主党︶をとったり、 ﹁国の製造業を破壊し、米国を外国政府の決定に従わせるも の﹂と反対︵共和党︶するなど、TPP推進を見直す動きが出てきています。こうしたもとでも、安倍政権は、この TPPを批准するために、2つのウソをつき国民を欺こうとしています。 一つは、 ﹁聖域を守る﹂とした﹁国会決議﹂を完全に踏みにじったことです。﹁国会決議﹂では農産物の重要5項目 ︵コメ、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖︶は、﹁関税撤廃を認めない﹂としています。ところがTPP協定では重要5項 目のうち3割の品目で関税が撤廃され、残る7割でも関税率引き下げなどが行われ、 ﹁無傷な品目は一つもない﹂こと が明らかになりました。しかも発効7年後には、日本だけが、残った関税の撤廃に向けた協議を約束しました。こん な協定に調印しておきながら、 ﹁聖域を守った﹂などというのは、国民への大ウソというほかありません。 月に発表された﹁試算﹂では、GDPの押し上げ効 もう一つは、TPPによる農業や関連産業、地域経済への深刻な打撃を、 ﹁ない﹂として正反対に描きだす、まやか しの﹁経済効果試算﹂です。3年前に安倍内閣が発表した試算では、TPPによるGDPの押し上げ効果は3・2兆 円、農林水産物の生産額は3兆円の減少でした。ところが昨年 12 果は 兆円と4倍に膨らみ、農林水産物へのマイナス効果は1300億∼2100億円と 分の1となりました。T 安倍政権は﹁強い農業、儲かる農業﹂ということを盛んに唱えていますが、その本質は、企業の参入による輸出中 心の農業です。 を保障しています。 SD条項︵投資家・国家間の紛争解決条項︶によって、多国籍企業が政府や自治体の施策に介入・干渉する﹁権利﹂ そもそもTPPは、アメリカを中心とする巨大多国籍企業の利潤追求のために、関税を撤廃し、食の安全、医療、 雇用、保険・共済、国・自治体の調達など、あらゆる分野の﹁非関税障壁﹂を撤廃するというものです。しかも、I す。まやかしの﹁試算﹂で国民を欺き、TPP協定を押し通すことは許されません。 PP が発効しても農産物の国内生産量は減少せず、食料自給率も低下しないという、あり得ない前提にたっていま 20 裏を返せば、国内には外国産農産物が大規模に入り、今でさえ価格低下に喘ぎ、利益も薄い農家に大打撃を与える ことになります。農水省の試算では農業就業人口は 年間で 万人減少しました。TPP推進で、農業就業者の減少 51 %台に落ち込むことも考えられます。世界はいま﹁食料はいつでも輸入できる﹂状況ではありません。日本農業を にさらに拍車がかかり、農業がいっそう弱体化します。そうなれば、食料自給率は向上するどころか、国の試算通り、 10 農業のあり方について国連は、大規模な企業的農業が環境を破壊し、逆に飢餓を広げていると批判し、中小農家の 役割を重視しています。 私たちは、米国を中心とする巨大多国籍企業に日本を丸ごと売り渡す、亡国のTPP協定の国会承認に断固反対し ます。各国の経済主権、食料主権を尊重した、平等・互恵の投資と貿易のルールをつくることを強く求めます。さら に、農産物の価格保障・所得補償を抜本的に強化し、安心して再生産できる農業をつくることを求めます。先進国最 低レベルの %まで落ち込んだ食料自給率を %まで引き上げることを目標にすえて、農林水産業を再生させること を求めます。 50 める改悪です。 農業委員の公選制の廃止、事業内容からの﹁意見の公表、建議等﹂の削除など﹁農民の代表機関﹂としての役割を弱 また、TPP推進の前提として、農業委員会法や農業生産法人、農業協同組合制度の﹁見直し﹂が多くの農業従事 者の反対の中で強行されました。2015年に農業委員会法﹁改正﹂が成立し、2016年4月に施行されました。 39 ― 87 ― 14 再生し、食料自給率を向上させることは待ったなしです。 20 ﹁農地の番人﹂と位置付けられてきた農業委員会制度を骨抜きにする問題です。農地の管理につい 第一の問題点は、 てはこれまで、農業委員会に許認可権が与えられ、農業委員会のもとに、地域の農業者による自治的な仕組みにより 農地が守られてきました。ところが、法改悪により農業委員会制度の根幹である公選制が廃止され、市長による任命 制に変えられ、さらに、農業者からの﹁建議﹂が除外されるなど、農業者の﹁自治﹂が大きく後退させられました。 このことにより農業委員会は、農民の代表機関としての権限を弱め、市長など行政機関の恣意的な選任が懸念され、 国が強行する農地の﹁最適化、流動化﹂のため、行政の下請機関に変えられることに等しい内容です。 農業委員会は今後も、農家とその農地、集落を守るため、地域の農業者の多様な意見を生かすべきです。 第二の問題点としては、今回の制度変更による規制緩和で、企業の参入が大幅に拡大し、日本の家族農業が壊され、 これまで守り続けた農地制度の根幹が壊されるからです。 市内の耕作地減少により農業生産量は年々減り続け深刻な事態となっています。都市農業を守るために、今こそ支 ― 88 ― 農業委員会を構成する﹁認定農業者﹂には、株式会社でもなれることから、 ﹁農家﹂だけでなく、大手企業が農業委 員会へ参入することも充分可能となっています。﹁農家の代表﹂、 ﹁農地の番人﹂と言われてきた農業委員会が、企業の 参入へと、役割が大きく変わることも考えられます。 ﹁農地の集積、集約化﹂が必須の役割と位置付けられていま 新しく設けられた﹁農地利用最適化推進委員会﹂とは、 す。そして、農地の﹁最適化﹂の名のもとに、農地は﹁農地中間管理機構﹂に集められ、機構を通じて、代々守り続 けてきた農地が、 ﹁地域を知らない﹂企業等に預けることになります。借手企業等にとっては、優良農地が初期投資も 安く借り受けられ大きな利益を上げられます。しかし、農家は休耕地で置くと1・8倍の課税により、貸出すように 強いられます。また、貸し出しても優良な田畑のまま維持・管理されるのかわかりません。農家と農地を守り、地域 を守る、安心安全な農産物の生産を応援する対策を強化すべきです。 第三の問題点は、制度変更によって、日本の食糧自給率がいっそう低下することになるからです。 これらの問題を抱えた法改悪がなされている下で、川崎市においても﹁川崎市農業委員会の選挙による委員の定数 に関する条例﹂の一部改正が、今年 月改定を目指し進められています。﹁農業利用最適化推進委員﹂の新設、農業委 べきで、そのために役立つ農業委員会にすべきことを強く求めておきます。 などがその内容ですが、家族経営を基本にした多様な農家や生産組織などが、展望をもって生産できる環境をつくる 員の選出方法を選挙制と市長の選任制の併用から市長の任命制への変更に伴う﹁︵仮称︶農業委員評価委員会︶の新設 12 援策を強化することが求められています。しかし、市内農業への支援策が逆に後退しています。2016年度の農業 予算の主な内訳の中に、農商工等連携推進事業と農業担い手経営高度化支援事業という新たな事業が盛り込まれまし た。その一方で、生産振興と消費者との交流を目的として行われてきた出荷推進対策事業と直売団体育成支援対策事 業の2つの事業が廃止されました。 直売団体育成支援対策事業というのは、セレサモスに出荷した約300軒の農家の方の売り上げの2%を支援して もらうものです。2014年度は284件約900万円とのことです。バックアップが少しでもあるということで出 荷者の意欲にもつながっていました。役割が終わった、などとんでもないことです。農業担い手経営高度化支援事業 は市内でわずか3人から5人しか選ばれません。しかも、選ばれる対象者は年間300万円以上の農業収入のある人 に限られ、それは市内農業者のわずか4%にすぎません。直売団体育成支援対策事業の対象者は約300人いたもの がたった4%に絞られました。これまで頑張ってきた農業者の皆さんに納得のいくものではありません。 この出荷推進対策事業と直売団体育成支援対策事業がこれまでの川崎の農地と農業を守ってきたという歴史的な役 割を考え、復活すべきです。 特産品の多摩川梨、市内産野菜などは地域で新鮮で安くて安心と市民に大変な人気があり生産が需要に追いつかな いという厳しい都市農業の中でも希望と可能性を秘めた側面があることをしっかりと捉え、市内農家経営の新たな可 能性を引き出し、担い手の確保・育成、遊休農地の有効利用など、市内農業の発展のためにあらゆる知恵と力を尽く すことが求められています。 1 全品目の関税を撤廃させるTPP協定から直ちに撤退するよう国に対し要請する。 ② 家族経営を基本にした多様な農家や生産組織などが展望を持って生産できる環境を作りに役立つ委員会にする。 安心安全な農産物の生産を応援できる委員会にする。 2 農業委員会について ① 農家とその農地を守るため、地域の農業者の多様な意見を反映できるようにする。 ③ 3 農地・生産緑地地区について ― 89 ― ① 農地の相続税納税猶予制度を改善し、農地相続者が農地を手放なさなくて済むよう国につよく要望する。 ② 遊休・耕作放棄地など、市が買い上げることや、借り上げができるようにして農地の拡大を図る。 ③ 老朽化している生産緑地指定の標識は予算を増やして更新を急ぐ。 農業用水路や堰などを確保するため定期的な清掃、保全改修を行う 4 農業生産支援、農業経営支援について ① 農業生産で水を確保するために新たに井戸を掘る費用、井戸電動ポンプ施設を設置する費用に補助を行う。井 戸の運用にかかる電動ポンプの電気代、水質検査の費用を補助する。 ② ③ 農業用機械を購入する時の助成︵現在補助率 %︶を引き上げる。 ④ 病害虫など発生したときの早急な相談体制をJ A任せにせず市も確立する。 ⑤ 鳥獣被害は営農意欲を低下させる。J A任せにせず市としての緊急対策を急ぐ ミリにする。 ア 鳥獣被害の実態調査を市が行なう。 イ 捕獲檻設置計画を市独自でも立て、効果的な被害防止対策を立てる。特に被害が拡大しているハクビシンに 対し効果的な対策を急ぐ。電器柵設置には農地の形状などに合わせ電気式・ソーラー式・バッテリー式を活用 する。防鳥、防獣ネット網目は ウ 鳥獣被害に対して、全面的に被害補償を行なう。県に補償額の増額を要求する。 エ 捕獲した鳥獣の処理対策費用を負担し、引き取り先を確保する。 台風被害、雪・降雹被害など気候変動による被害への対策を立案・準備しておく。防雪、防雹ネット設置の場 合などには小規模農家の実態に併せ支援する。国・県に対し支援強化を要請する。 ⑨ 農業者を育てるため、農業経営に関しての情報、技術について啓蒙を図り、自立のための教育・研修を行なう。 ⑩ 農業経営のための融資制度や補助金制度を誰もがわかるようにまとめたパンフレットを作り普及する。 ― 90 ― 40 ⑦ 施設園芸農業の奨励金を引き上げる。施設整備・運用に必要な経費を助成する。 ⑧ 歴史ある多摩川梨を保存するため、申請する全ての梨園に対し、多目的ネットの補助金を交付する。耐用年数 を過ぎた梨棚の更新費用の助成も行なう。 ⑥ 18 5 出荷支援、地産地消について ① 市内農業を守り、発展させるため市場出荷のさい価格補償を基本にし、所得補償を組み合わせる。現在、対象 品目6品目だけなので価格補償品目を拡大していく。出荷推進対策事業費、直売団体育成支援対策事業費を復活 する。 ② かわさき農産物ブランド事業を発展させ、品目の拡大をすすめ予算の増額を行なう。 ③ 新鮮な地元農産物の季節野菜を小・中学校給食へ提供できるようにする。福祉施設の給食にも地元野菜の使用 を働きかける。生産量の確保など関係各団体との協議など急いで進める。 ④ 放射線量濃度測定は、市内1ヶ所・ 品目でされている︵2015年度実績︶が、引き続き検査箇所を増やし、 品目を広げていく。 ⑤ 禅寺丸柿は、生産が激減している。歴史的に川崎市民の財産と位置づけ、保存・育成のための奨励事業を進め る。禅寺丸ワインは市のイベントなどに活用する。市の広報などに積極的に掲載し宣伝する。 6 市民が農に親しむために ① 住民の農業体験機会を拡大する体験型農園をさらに増やすように地権者に働きかける。圃場提供に対する補助 金を出す。 ② 市民が土とみどりに親しみ収穫の喜びを味わえるよう、市民要望のつよい市民農園、ふれあい農園の維持保全 に全力をあげ、拡充にも力を入れる。学校農園を積極的に増やす。生産緑地でも市民農園として活用できるよう に制度改正を、国に要求する。 ③ 障害者が農業にふれあえる福祉農園を拡充する。新たな用地を確保する。 第六章 労働者の生活と権利を守り、正規雇用を増やす施策を 働く人の実質賃金は5年連続マイナス︵2015年5月厚労省︶です。非正規労働者の増大に伴い、労働者の賃金 は低下し、1997年から2013年の 年間で労働者の平均年収は 万円も減収となっています。安倍首相は同政 70 ― 91 ― 28 16 権下で就業者数が増加したと強調しますが、低賃金の非正規雇用ばかりが増え賃金水準は抑えられています。国際通 貨基金︵IMF︶も2016年8月発表した対日審査報告で賃金と最低賃金の引き上げを日本政府に勧告しています。 内閣府の試算で、不本意に非正規労働者となっている労働者や求職活動を断念した人を含めた﹁広義の失業率﹂が 2016年1月∼3月期、8・4%にのぼったことが明らかになり、同期、完全失業者だけを対象にした完全失業率 は3・2%。非正規の増加などで雇用の実態が深刻であることを示しています。政府統計で、集計している完全失業 者は、仕事についておらず、仕事があればすぐに就くことができ、求人活動をしていた人に限定されています。月末 1週間に少しでも仕事をした人は、それ以外の期間、仕事に就いていなくでも完全失業者に含まれません。仕事が見 つからないため求職活動を断念した人や、育児や介護のため仕事に就けない人も除かれています。完全失業者に加え て、過去1年間に求職活動をしたことがあるもの、適当な仕事がなかったり、出産育児、介護などのために仕事を続 けられそうになかったりして、求職活動をやめた人も失業者の中に含めています。さらに、正社員になれずやむなく 非正規の職についた労働者も加えて﹁広義の失業率﹂を算出しています。 大企業の内部留保の一部を労働者の賃上げや非正規社員の正社員化に使い、働く人の所得を増やせば、消費を活発 にし、内需を増やすことになり、企業活動も活性化することになります。このことで健全な経済成長への好循環をつ くりだしていけます。 安定した雇用の拡大の面では、解雇の規制、非正規雇用労働者の正社員化と均等待遇、 ﹁サービス残業﹂の根絶、長 時間・過密労働の是正、最低賃金の引き上げ、労働災害の防止と認定基準の緩和など、人間らしく働けるルールを確 立することが求められます。 ﹁成長戦略﹂の名でいっそうの労働法制の規制緩和による雇用の破壊です。強 しかし、安倍内閣が推進する内容は、 行採決された労働者派遣法は、 ﹁正社員ゼロ﹂﹁生涯ハケン﹂を押し付ける悪法で、審議すればするほど問題点が明ら かです。 ﹁臨時的・一時的業務﹂ ﹁専門業務﹂に限定するという規制を取り払い、派遣労働をいっそう拡大する内容で す。派遣労働者は派遣会社で無期雇用にならない限り、最長3年で派遣契約を切られ使い捨てられるか、同じ会社で 働いても、次々職場を変えさせられることになります。昨年9月には、業務規程も期間制限もなくす労働者派遣法の 改悪が強行されました。 ﹁同一労働同一賃金﹂推進法も修正で均等待遇が均衡待遇に後退し、派遣労働者の待遇改善に つながらないのは明らかです。 ﹁雇用維持﹂から﹁労働移動﹂へと変貌させる国の﹁労働市場政策﹂ではなく、派遣法 の抜本改正を求め﹁正社員が当たり前﹂の雇用にするべきです。 ― 92 ― 最低賃金は、賃金の最低額を保証し、国民経済を健全に発展させるために法律で定めているものです。派遣労働者 やパートタイマーなど非正規雇用の労働者の賃金は、最低賃金ぎりぎりというところが少なくありません。賃金の底 上げに最低賃金の大幅な引き上げは欠かせません。 さらに安倍内閣は﹁過労死防止対策推進法﹂に相反する法制度の検討もすすめています。何時間働いても取り決め た残業時間しか認めない裁量労働制の拡大や労働時間規制がルーズになりやすいフレックスタイム制の要件緩和、労 働時間規制自体を外す﹁高度プロフェッショナル﹂制度の導入で、﹁残業代ゼロ﹂﹁ただ働きと長時間労働自由の国﹂ づくりをねらっています。労働法制の規制緩和を許せば、労働基準の底が抜けるほど、雇用の質の悪化し、日本社会 全体が、労働者を﹁使い捨て﹂にする﹁ブラック企業﹂となり、労働者の暮らしはますます悪くなります。 ・5万人、労働者の %、年収200万円以下の労働者は ・ 川崎市内でも、年収300万円以下の労働者は、 5%、 万人にのぼっています︵2012年﹁就業構造基本調査﹂︶。深刻なのは、所得の低い労働者が大幅に増え、 31 44 年間で 万人から約 万9千人と約9万9千人増えたものの、正規労働者は %から 70 26 ・2%に減少 62 万1千人、全労働者の3割、女性では6割を占めるまでとなりました。年収300 71 年収100万円から199万円の階級では1・9倍にも増えていることです。川崎市内の労働者は、1997年から 2012年の し、非正規労働者は1・7倍の 15 万円以下の所得階層が全体の %と、8%も増えました。 22 62 川崎市の有効求人倍率は、0・ 倍︵川崎1・ 、川崎北0・ 、2016年5月時点︶と全国の1・ 倍を大き く下回っています。東京都では、数値目標を設定し、非正規労働者を正規労働者にすること、 ﹁不本意非正規﹂をなく 43 09 60 36 の約2割331万人にのぼり、そのうちの %、159万人が転職を希望しています。こうした不本意非正規雇用者 の調査によると、非正規の職についた理由として﹁正規の職員・従業員の仕事がない﹂というのが非正規雇用者全体 用した中小企業への支援する﹁正社員雇用型﹂を実施するなど正規雇用促進をはかっています。2015年の総務省 すために社内転換で正規雇用化する企業への支援を行う﹁正社員転換型﹂や若年非正規労働者を正規労働者として採 79 国の補助金や﹁キャリアサポートかわさき﹂に頼った事業の雇用状況の実態は、就職決定者の内訳をみると正規雇 用が %、非正規雇用が %です。2015年度に正規雇用を希望する登録者が実際に正規で就業したのは ・9% られています。川崎市でも、東京都のように正規雇用への転換を促進すべきです。 は川崎市でも推計で約5万5千人になると考えられ、非正規雇用から正規雇用への転換をすすめる支援が切実に求め 48 です。2007 年6 月に開設した当初は正規雇用の決定率は 36 % で し た が、 年 々 正 規 雇 用 の 決 定 率 は 減 少 し て い ま 64 70 ― 93 ― 19 30 す。キャリアサポートかわさきの求人開拓員数は、国の緊急雇用制度がなくなった2013年 名から4名に減り、 市職員の非正規化が増大しています。阿部前市長は4次により﹁行革プラン﹂により 年間で市職員数をのべ27 33人削減しその一方、非正規職員数は1・ 倍増やしています。市が低賃金の不安定雇用を自ら増やすことは、安 ふまえた高度な経営判断﹂と述べて追認し、労働者の雇用を守る立場に立とうとしませんでした。 申し入れることや雇用対策本部の設置を神奈川労働局に働きかけることなどを求めてきましたが、市長は﹁関連法を 大企業が集中する本市において、半導体大手ルネサスエレクトロニクスに続き、2016年1月東芝︵株︶が、企 業ぐるみで退職強要を繰り返すような違法性の疑いのあるリストラを横行させています。企業に対し雇用維持努力を 市の職員体制を強化し、市内企業を訪問して企業の実態をつかみ、求人開拓をして、正規雇用を増やすために市内 企業の雇用創出に力を入れるべきです。 件数を増やすためには、市独自で求人開拓員を増やすことが必要です。 その結果、求人開拓件数は2012年度7226件から2015年度は2904件と4割です。正規雇用の求人開拓 11 定雇用を推進すべき行政の在り方として問題であり、とりわけ職員削減部門が、児童福祉や公衆衛生を保全するなど 10 市民生活密着分野に多数が占められていることは、 ﹁福祉増進﹂という自治体の本来の役割を投げ捨てるものと言わざ るをえません。 30 42 26 養ホームの増設など地域密着型公共事業を拡充することは、建設関連の雇用創出にもなり、約 万人の雇用を創出す ることができます。 ア イ ウ エ オ 市が委託する就業マッチング事業を行う﹁キャリアサポートかわさき﹂など、違法行為を続ける企業があれ 労働者を酷使・選別し、使い捨てにする﹁ブラック企業﹂は、名前を公表し是正させる。 女性労働者の生活と権利を守り、女子保護規定の復活を国に要求する。 全国一律最低賃金、時給1000円以上を国に働きかける。 1 雇用の確保と権利を守る。 労働者を切り捨てる﹁労働者派遣法﹂﹁労働契約法﹂を抜本改正することを国に要請する。 47 ― 94 ― 42 市民の切実な願いにこたえる施策をすすめれば、認可保育園の増設で職員約1100人︵ カ所× 人︶特別養護 老人ホーム増設約3500人︵ カ所× ︶、教員の定数内欠員の解消と 人以下学級を中学校まで実現で1189 70 人、消防職員を国基準の必要数まで増員して165人。合計約6千人の新たな雇用が生まれます。また、保育所や特 50 ば求人の対象にさせない。 カ 市内に生産拠点がある東芝︵株︶の大規模リストラについて、市として厚労省通達︵2013年3月︶に基 づき雇用対策本部を設置するように神奈川労働局に申し入れる。 2 市内大企業は、雇用や地域経済への社会的責任を果していく。 ア 大企業に、労働者を切り捨てる﹁派遣切り・期間工切り﹂、また、不当なリストラをやめるように申し入れ る。東芝︵株︶についても、労働者の雇用を守る立場でリストラの現状を明らかにさせる。 イ 大企業のリストラによる下請け企業地域経済への影響について調査を行なう。また、地域経済に大きな影響 を与えるリストラや事業者の撤退などの計画に対して市として情報把握する枠組みをつくり是正を強く求める。 ウ 市は、3年以上働いている派遣社員に対して、企業が直接雇用を行なうように申し入れる。 エ 過労死を発生させないゆとりある労働環境の抜本改革の実行を求める。労災認定について﹁申請されたらす みやかに認定する﹂を原則とさせる。 オ 本人と家族の合意のない単身赴任は行わせない。家庭崩壊を招くような長期間赴任はやめ、家族の絆を保っ た十分な優遇措置を講じさせるよう企業に要求する。 カ サービス残業、長時間残業をなくし、雇用を確保する。 キ 育児・介護休業法の周知徹底をし、不利益扱いを禁止するよう、企業に要求する。 ク 高校・大学等の新卒者が、希望する職業につけるように、新規採用枠を増やす。また、内定取り消しや入職 時期の繰り下げやオワハラ︵内定をエサに就職活動を終えるよう迫る︶を是正させる。 3 市民に対するサービスが充分担えるような公務労働者の雇用を ア 市の職員の人員削減は行なわない。 イ 消防・福祉・教育・技術系等の公務労働者の雇用を増やし、恒常的に業務に従事している非正規公務員は、 期間の定めのない雇用︵長期雇用︶に転換する。 ウ 保育士などの臨時職員を採用する場合は、最低賃金1500円にする。 ― 95 ― 4 失業者・非正規雇用の生活を守り、再就職を援助するために緊急対策を実施する。 ア 失業者への対策・生活支援を強化し、ワンストップで対応各区役所に相談窓口を設置する。 イ 市が開拓した求人情報を共有化するとともにハローワークに支援員を配置させ、市はハローワークと連携を 強化して生活就労支援を充実させる。また、幸・宮前・多摩区役所で実施しているハローワーク求人端末等の 設置及びハローワーク職員の配置を他の区役所にも導入する。 ウ 市の雇用対策事業で雇い入れた人については要望を聞き実態をつかんで、正規の仕事に就けるよう市独自の 取組を実施する。 エ 東京都で実施しているように数値目標を明確にして﹁正社員転換型﹂、﹁正社員雇用型﹂の支援を行ない、正 規雇用を拡大する。 オ 単年度雇用の求人開拓ではなく、市内中小企業の実情に詳しい団体等に委託して専任の求人開拓員を市独自 に正規で雇用する。 カ ﹁キャリアサポートかわさき﹂を利用した人が、希望の職種につき、正規雇用につながるようにする。 キ パート・契約社員などの非正規労働者を雇用する中小企業等が非正規労働者の処遇、教育、研修、福利厚生 にかかる制度を整えた場合に助成を支給する。 ク 住宅ローンの繰り延べができるよう緊急貸付や信用保証などを実施する。 ケ 住宅確保給付事業の周知を図る。 コ 生活資金の無利子制度を創設する。 サ 税金や社会保険、公共料金などの負担軽減や支払い延期措置を実施する。 シ コネクションズかわさきの体制の強化をはかるとともに、プライバシーが守られて相談が出来るようなブー スをつくり、施設の充実をはかる。南部地域にも設置をする。 ス 川崎市立高校定時制と若者サポートステーション︵現在、コネクションズかわさき︶との連携の就労支援﹁寄 り添い型支援﹂をすべての定時制高校で実施する。 5 生活・労働相談活動を充実させるために左記の項目について要求する。 ア 労働相談は、労働者の勤務形態にあわせて休日・夜間にも設け、回数を増やして充実させる。 ― 96 ― イ 相談を受けた最初の相談窓口は、相談内容をしっかりと把握し、関係機関につながるまで最後まで責任を もって対応する。 ウ 民間で行なう労働相談活動についても広報するなど周知徹底して支援する。 エ パートタイマーや派遣労働者の労働契約・労働条件の相談窓口を充実させ、雇用主・受け入れ企業に徹底す る。 オ 外国人労働者の就労実態の調査を行なう。市内在住の外国人・外国人労働者への言語援助、仕事と生活の相 談活動を進める。 6 身体・知的障がい者、高齢者の雇用率を遵守させ、拡大に努める。精神障がい者も雇用の実現をはかる。状況悪 化の実態を公表し、大企業の社会的責任を必ず果させる。中小企業の障がい者・高齢者の雇用を増やすために、助 成策を講じる。 7 ﹁かわさき労働情報﹂の内容は、情報提供や啓発活用に役立たせるとともに、法制度や新たな事業の開設のおりに 企業に出向いて説明を行い徹底させる。実態を把握する中で、内容の充実をはかる。公共の施設に一定部数を置い て、自由に持参できるようにする。 第七章 ﹁川崎に住んでよかった﹂と思える良好な環境の形成を。豊かな 自然を残し、安心して住み続けられる川崎を ﹁まちづくりと福祉は一つ﹂であり、住民の声がまちづくりに生かされ、いまも、これから ま ち づ く り の 基 本 は、 も、快適に豊かに住み続けることができることです。 しかし、これまでのまちづくりは、住民参加を基本とする都市計画制度は名ばかりで、拠点駅を中心に、行き過ぎ た容積率緩和に伴う高度化、過密都市化が既存住民の声を無視して推し進められてきました。大手デベロッパーの投 ― 97 ― 資目的のまちづくりによって、既存住民の生活が犠牲になる事態があとを絶ちません。住宅の高層化、人口過密化し た地域では、保育園、学校、幼稚園、公園の不足など子育て教育環境の悪化、風害、日照被害、交通渋滞などの住環 境の悪化を引き起こします。いっぽう、拠点から外れた地域では、商店の減少、交通不便の拡大などが顕著に起こっ ています。これは都市マスタープランがかかげる﹁安心のふるさとづくり﹂とは程遠い実態となっています。現在、 ﹁新たな総合計画﹂の策定を踏まえ、都市計画マスタープランの見直しが2016年度末をめざして進められています が、都市マスタープランの見直しにあたっては、住民参加の原則を徹底し、この拠点開発と規制緩和による土地の高 度利用計画の抜本的見直しを行うべきです。 まちづくりのやり方にも問題があります。 年間に200メートル近い超高 J R南武線・横須賀線・東急東横線が交差する武蔵小杉駅周辺の再開発は、この 層マンションが 棟も建設され、人口は1万人以上増加しました。長年このまちに住み続けてきた住民にさまざまな その後、2013年 月、日医大武蔵小杉病院の再開発計画が示されました。明らかにされた再開発計画は、日医 大グランドへの新病院建設と合わせ、病院跡地に180メートルの超高層マンションを2棟建設するというものでし せんでした。 たが、川崎市は﹁開発計画は法にそった合法的なもの﹂という一点張りで、住民の意見を微塵も取り入れようとしま 小杉町2丁目計画は、川崎市が第1種住居地域の規制を緩和して容積率を600%に、高さを180メートルにし て開発事業を誘導してきました。それに対して、周辺住民は何度も話し合い、交渉、請願・陳情を繰り返してきまし す。また、日照被害やビル風、交通混雑など様々な環境問題が深刻になっています。 い た イ ン フ ラ 整 備 の 遅 れ が 表 面 化 し、 保 育 園 の 不 足、 学 校 の 過 密 化、 駅 ホ ー ム の 大 混 雑 な ど 問 題 が 表 面 化 し て い ま 環境悪化を引き起こし、さらにいま、再開発の波は北側地区に拡大しています。急激な人口増で当初から危惧されて 10 狭い敷地に超法規的なやり方で再開発を進めようとしています。次々とタワービルが建っていくなか、ビル風対策ひ さらに2016年8月に、小杉駅北口地区開発︵旧ホテル・ザ・エルシー跡など︶の事業者による説明会が開かれ ました。敷地面積0・4ヘクタール高さ170メートル、容積率は920%、低炭素ガイドラインを導入するなどで ついての評価を市としては持っていない﹂などと答えて、あまりにも無責任な回答に住民は驚きました。 いて、どう検討してきたのか﹂という質問が出され、川崎市は﹁個々の建設計画について判断するので、複合日影に た。市の説明に対して、住宅密集地に複数のタワーマンションが林立することから﹁日影、風害などの複合被害につ 12 ― 98 ― 17 とつとっても効果的な対応がないまま、限界にきている公共交通機関への対応もあいまいなまま計画を推し進めるや り方は、まさにまちこわしとしか言いようがありません。 形式的な住民参加ではなく、計画が固まる前の段階から、計画策定の当事者として実質的な参画が保障される住民 参加が実現してこそ、市民が安心して暮らせる持続可能なまちづくりになります。 戸以上、専用面積 ここ数年の間、巨大ワンルームマンションの建設が川崎市で顕著になっています。管理上の問題、災害時の心配、 地域コミュニティからの孤立などの不安が住民の間に広がっています。 年9月からワンルーム形式建設の指導要綱 の一部が改正され、届出対象部屋数 区すべてで条例や要綱で定めている中 ㎡以上に設定し、管理人の駐在時間に基準を設けました。 16 公的資金の投入になります。リニア中央新幹線は、大深度トンネル工事により、市民・地権者の了解なく工事が進め も及ぶ大規模事業で、今まで、J R東海は自己資金で行い税金の投入はないとしてきましたが、低利融資という形で、 安倍新内閣は、参議院選挙後に打ち出した経済対策として、J R東海が推進するリニア中央新幹線の大阪までの全 線開業を最大で8年も前倒しするため、3兆円もの財政投融資を行うことをその目玉としました。総事業費9兆円に う、公共交通機関が網羅されるなど、交通弱者を解消する具体的な取り組みが求められています。 通に重点が置かれ、交通弱者に対する施策があまりにも少ないといえます。高齢者も障害者も気軽に外出できるよ 自治体は、高齢者、障がい者、子どもたちなどが、安心して外出できる﹁移動権﹂を確保するように交通体系を整 備しなければなりません。しかし、2013年度に策定された﹁川崎市総合都市交通計画﹂は、拠点と拠点を結ぶ交 ゲリラ豪雨が恒常化し、いままでには考えられないような河川の決壊、浸水被害が全国で起きています。安心して 住み続けられるまちをつくるために、雨水対策や、生活道路の整備が必要です。 設がどうしても必要です。 困の広がりの中で市営住宅の入居申し込みには5千人以上が落選しています。市民生活を守るためには市営住宅の増 廉価で良質な住宅を保障するのは、公営住宅法第1条に定められている﹁健康で文化的な生活を営むに足りる住宅 を整備﹂するという行政の責任です。ストック活用計画で、市営住宅の新設をずっとおさえてきましたが、格差と貧 取り入れるべきです。そして、本市でも条例化し、規制を強化すべきです。 で、コミュニティの形成のために、建設戸数の一定割合をファミリータイプにすることを義務付けています。これを し か し 各 地 で 起 こ っ て い る 問 題 を 解 決 す る に は ま だ 不 十 分 で す。 東 京 都 の 25 られることから、これまでも、地元住民・地権者への説明は不十分なまま、計画が推し進められてきました。市内に ― 99 ― 23 15 建設される﹁たて抗﹂から出される建設発生土の処分方法や 年以上にも及ぶ工事公害は、市民にとっても見過ごす 2017年度は緑の基本計画の最終年度です。﹁市域の %を緑に﹂と決め、行政の果たすべき役割も明確に示した 計画をやりあげる努力をしなければなりません。そのためには、斜面緑地については、優先的に残すと決めたAラン ニア中央新幹線の工事は中止すべきです。 消費、事故発生時の乗客の安全確保など、多くの課題が残された輸送技術です。環境破壊、市民に負担をもたらすリ ことのできない問題です。もともと、リニア新幹線の﹁超電導磁気浮上方式﹂は、強力な磁力線の影響や膨大な電力 10 クはもちろんのこと、B・Cランクも積極的に残す手立てを講じるべきです。農地は、有効な手だてがほとんど打た れないまま、減り続けています。抜本的な保全策を講じる必要があります。﹁歩いていけるところに公園を﹂と定めた 公園の整備目標は必ず実現しなければなりません。 ︵一︶よびこみ型のまちづくりをやめ、徹底した住民合意で安心安全なまちづくりをすすめる 1 都市マスタープランの見直しにあたっては、全市の広範な市民意見を取り入れ、市域全体の均衡のとれた発展を めざす。今以上に高度利用による人口密集地域を作らない。 2 2017年度から順次都市マスタープラン区別構想の見直しが始まるが、前回作成された区民提案を尊重し、さ らに区民の創意を生かしたものになるよう、区民の意見集約を行う。区民の意見を最大限取り入れる。 3 都市計画マスタープランに、地域防災計画、各種ハザードマップをリンクさせ、安全性を徹底して見直す。 4 武蔵小杉地区の再開発計画において、都市計画審議会に出された市民の圧倒的多くの意見は﹁もうこれ以上超高 層マンションはいらない﹂というものであった。この声に真摯にこたえ、武蔵小杉地区の再開発計画は、抜本的に 見直す。 5 東日本大震災で超高層マンションはエレベーターが動かなければ家に帰ることもできず、長周期地震動で被害が 大きくなることも検証された。市内にはこれ以上の超高層マンションの建設をやめ、震災時にも安全な中層住宅や 公共施設の整備に転換する。 6 地区計画は、用途地域の規制をより強化するために考え出された方法であり、国会でも市議会でも、住民の意見 を反映できる手法として喧伝されてきた。この手法を使ってよりいっそう高度利用を促進するために作られたので ― 100 ― 30 はない。用途地域の規制よりも緩和するための地区計画は行わない。 7 2015年2月から運用を開始した名ばかりの﹁低炭素﹂を口実に容積率を緩和するガイドラインの運用は直ち にやめる。 8 都市計画決定にあたっては、当初の計画に反するものであっても住民の意見が多数のものであるならきちんと反 映させる、住民参加の都市計画制度へと抜本的に改革する。日医大の再開発の際に行われた、計画素案が確定する 前の段階で住民と話し合う仕組みを制度化する。 9 環 境 ア セ ス メ ン ト は、 単 体 の 建 物 だ け に 行 う の で は な く 、 そ の 建 物 が で き る こ と に よ っ て そ の 町 が ど う な る の か、以前にできた建物と合わせると複合的に環境がどうなるかという、広い地域の環境を総合的にアセスメントす る﹁戦略的アセス﹂の手法を取り入れるよう、制度を改善する。 タワーマンションが林立する小杉地域などで、2棟以上のマンションによって近隣にまったく日が当たらなくな る実態がある。複合日影規制の検討を急ぐ。 風害に対する対策を行なう。コンピューターシミュレーションを使った最新の手法で正確な予測を行ない、甚大 な被害がある場合は建設を止める。世田谷区二子多摩川で風害対策・調査を行なっているように、小杉地区でも、 風害対策を川崎市独自で実施する。 マンションを建設する際、同一事業者が土地を分割し時期をずらして環境アセスメントを逃れるやり方は、条例 や規則の改正で規制してきたが、それでも網の目をくぐって逃れる事業者が後を絶たない。アセス逃れを許さない 断固たる制度をつくる。 ワンルーム形式集合住宅等の建設指導要綱に、建設戸数の一定割合をファミリータイプにすることを義務付ける 条項を加える。東京都の多くの区がつくっているように要綱を条例化する。 巨大マンション建設を容易にする手法として、別々の建物を廊下でつなぎ﹁1棟﹂だとするやり方が依然として 横行している。1棟ずつなら適用される日かげや通路の確保など、住民の安全を守る規制が適用されずに済むやり 方は当然ただされるべきである。本市として規制の方策を検討するとともに、国に対して規制するよう求める。 同一事業者が宅地を小分けにして、総合調整条例の手続きを逃れるやり方を規制する。 都市計画法第 条の規定では、開発行為に関する完了公告が出されるまでの間は、原則として当該開発区域にお いて建築物は建築できないこととなっているが、建築物本体で崖面を押さえる場合など、やむを得ず開発行為と並 37 ― 101 ― 10 11 12 13 14 16 15 行して建築物を建築しなければ開発行為の工事を完了させることができない場合に限り建築制限を解除することが できることとなっている。この建築制限解除を行なった場合は、当該建築工事については建築基準法の工事中の安 全に関する規定が適用されるため、都市計画法で定められる開発行為の許可基準が適用されなくなる。そのため、 開発行為であれば当然担保される安全対策が建築基準法ではまったくゆるやかになるため、川崎市麻生区などでは 建築途上の切り土が崩壊する事態が起きた。この矛盾を解決するため、建築制限解除を行なう場合には、開発許可 基準に順ずる工事中の安全対策をするよう工夫する。 総合調整条例の事業計画の住民説明は﹁住民説明会﹂を義務付ける。多くの場合、住民が求めれば事業者も説明 会を行なっており、義務付けることに問題はない。また﹁説明会﹂を行なうまでは﹁住民説明報告書﹂の提出はで きないものとする。 住民と事業者の話し合いがうまくいかないとき、狛江市のまちづくり条例では、学識経験者と市民公募委員によ る﹁まちづくり委員会﹂が﹁調整会﹂を開催できるとしている。これは公開の口頭審理で両者同席のもとで資料も 提出させて話し合いを行い、委員会が勧告を行うことができる。条例ではこの勧告は尊重しなければならないと規 定している。本市の紛争調整条例を、住民本位の公平な第三者を含めた話し合いができ、それが計画に反映する制 度に改善する。 行政が必要と認めた公共施設の提供を義務付ける対象面積が3ヘクタールというのは大きすぎる。もっと対象面 積を狭める。 ︵二︶安心して住み続けられる住宅の確保は福祉の基本。公営住宅の充実を 1 市営住宅について ① 市営住宅の申し込みは依然として高く、2016年5月募集では9・2倍である。最高倍率は高津区千年新町 住宅の156倍である。収入要件を低くするなどの入居資格基準を厳しくしても、5800人が落選している。 市民に廉価で良質な住宅を提供するのは自治体の責務であり、これらの事態はその責務を果たしていない。住宅 の戸数を抜本的に増やす。築年数の浅いアパートで借り上げ住宅を再開し、供給する。 ② 定期的な大規模修繕をほとんどしてこなかったことから、かなり傷んでいる住宅が多い。もっと計画的に建て 替えを行なう。大規模修繕を行なう際には、トイレの洋式化、結露防止など室内のリフォームも行なう。その ― 102 ― 17 18 19 際、生活の質が落ちないよう十分に配慮し、居住者への説明を十分に行う。また、緊急に対応が必要な場合、計 画を待たずに要求に基づき実施する。 ③ たいへん要望の強い高齢者、障害者の一階への移転を進める。その場合、 ﹁現在と同等の住宅﹂という要件を居 住者の実態に合わせて見直す。 ④ 建物、室内のバリアフリー化を促進する。要求が強いところには、エレベーター設置を進める。 ⑤ 市営住宅の管理を代行している住宅供給公社の窓口は市内に2ヵ所しかなく、各種の届出などにたいへん不便 であり、これまでのように区役所の窓口で気軽に相談することもできなくなった。すべての区役所に窓口を復活 させる。効率を追求するあまり住民サービスが低下している代行をやめ、市が直接管理運営を行なう。 2 シルバーハウジングに配置されているLSA︵生活援助員︶は、緊急時に対応できる資格を持った人を配置する。 LSAの人件費は居住者負担となっているが、市営住宅に入居している高齢者に家賃以上の負担を課すのはおかし ― 103 ― い。人件費は市が負担する。 3 ベランダにBSアンテナを設置することを許可する。 4 県営住宅を増やすよう県に働きかける。BSアンテナの設置を許可するよう県に申し入れる。 ︵三︶市街地の水害を解消し、河川改修を促進する 1 雨水対策については、2016年度中にコンピューターシミュレーションによる浸水予想から重点対策地域を決 め、そこから対策を行うことになっている。時間雨量 ㎜ 以上の豪雨がひん発している状況に対応するため、1年 間の地域数を抑えたりせず、同時進行で対応を急ぐ。 4 雨水幹線の整備を進める際には、枝管も同時に整備し、逆流が懸念される樋管の維持管理、しゅんせつを定期的 務付ける。 3 新たに申請される戸建て住宅地等の宅地開発計画において、既存住宅地に浸水被害をもたらさないよう、流出係 数の見直し等、雨水流出対策を強化する。戸建ての開発でも事業規模に応じた雨水貯留槽や貯水池などの設置を義 2 次々に起きる新たな浸水被害地域にもそれぞれの土地に見合った雨水流出抑制対策などをたて、個別の浸水対策 を急ぐ。 60 に行う。 5 各河川の保水、貯留機能を高めるため、公園、学校、公共施設などに貯留機能施設をつくる。開発行為に対して は提供公園の地下に雨水流出抑制施設を設置させる。 6 洪水ハザードマップの改定に伴い、関係住民に周知を徹底する。 7 多摩川、鶴見川の改修計画の促進を国、県に働きかける。 ︵四︶道路建設費、維持補修費を生活道路優先にする 1 生活道路の維持補修費を抜本的に増額し、市民からの陳情にすぐ対応できるようにする。工事発注を年間で平準 化し、年度の後半に工事が集中しないようにする。とりわけ4、5月の発注を増やす。 2 私道舗装助成の市民負担をなくす。 3 私道に埋設している水道管、下水管は、初回は市の補助があるが、2回目は全額自費となる。様々な事情で私道 となっていても共同で管を使用している場合は公道と同じように敷設替えの際には助成するよう制度をつくる。 4 実現が不可能になっている都市計画道路は計画変更を行なって中止する。 ︵五︶交通体系を住民本位に整備する 1 コミュニティ交通の実現なしに、市内すみずみの交通不便地域の解消はありえない。﹁総合都市交通計画﹂を見直 し、丘陵地などにくまなくコミュニティ交通が入り、主要な幹線道路のバスや駅に接続するなど、市全体の総合的 な交通網の整備を行う計画を改めて作る。 2 市内3カ所でコミュニティ交通の本格運行、試行運行などが始まっているが、要求は強いにもかかわらず、それ 以上に広がらない。最大の障害は運営費の赤字の手当てがないことである。強い要望にこたえ、運営費補助を創設 する。 3 J R南武線﹁武蔵小杉︱尻手﹂間の連続立体交差事業を推進する。 ― 104 ― 4 リニア中央新幹線は、その安全性に疑問があり、不要不急の大規模事業であり、なおかつ川崎市の自然破壊にな ることから、建設中止を国とJ R東海に求める。 5 市バス事業について ① 路線の民間譲渡、営業所の民間委託など、経費の削減が先行し、市民の移動の権利と安全を保障する公共交通 機関としての役割が問われている。これ以上の民間委託はやめ、人員を増やして市が直接責任を持って市バス事 業を運営する。 ② 市の職員も委託先の民間会社の社員も、運転手の賃金や労働時間などの労働条件を改善し、ゆとりを持って運 転にあたれるようにする。 ― 105 ― ③ バス専用レーンを拡充し、定時運行を確保する。 ④ バス停上屋は条件のあるところはほぼ設置したとのことだが、道路の拡幅などで新たに条件ができた所など、 設置できる箇所はまだ残されている。これで終わりとせず、条件がある所には直ちに設置する。上屋がない停留 所には夜間の安全対策のため照明をつける。 ⑤ 停留所のベンチはどこでも要望が強い。条件を満たさない箇所でも設置の工夫をする。補修を定期的に行う。 ⑥ 市バスにも小型バスを導入し、生活道路にも路線をつくる。 6 広い道路に自転車専用路を設置する。 7 利用者が集中する駅周辺において、自転車等駐輪場の増設を急ぐ。機械式はたいへん利用しやすく、土地がなく ても増設できるため、機械式を増やす。一部の無人駐輪場では障がい者割引がなく、すべての駐輪場で障がい者割 引ができるようにする。 8 自転車置き場が2段式になっている所では、上の段に自転車を上げることができず、利用できない。また、無人 式の駐輪場にしたところでは、自転車一台あたりの幅が狭く、左右に自転車が入っていると真ん中は空いていても 利用できない。ニーズに合った施設にきりかえる。 9 自転車等駐車場の料金体系は、施設整備費も含んで計算しているが、駐輪施設は都市施設であり、市が設置すべ きものである。利用者負担は管理運営費のみとし、値下げする。 第三京浜の野川インターチェンジ建設計画の白紙撤回を国に求める。 10 ︵六︶川崎に残る豊かな緑を守り、公園の整備を 1 斜面緑地と丘陵部のみどりの保全をいっそう旺盛に ① 緑の基本計画が策定されてからも、緑の喪失は止まらず、300㎡以上の緑のまとまり︵樹木の集団︶は、2 006年から2011年の5年間で ヘクタール減少している。行政のできる保全として、特別緑地保全地区な どの手法による保全に全力をあげる。現在A、B、Cランクに指定されている﹁保全すべき緑地﹂はすべて保全 する。 ② ﹁自然的環境への保全の配慮﹂書の提出によって、緑が実際に保全されるよう、実効性ある制度に改善する。 ③ 緑地保全には、地権者に対する粘り強い働きかけがなければならない。そのための人員と予算を確保する。 ④ 多摩丘陵を縦断する﹁多摩丘陵自然遊歩道﹂を整備する。トイレの設置を検討する。 ⑤ みどりの保全にかかわるボランティア団体は年々増加しており、市民の強い要求であることがわかる。これら の団体に対する補助金は年間数万円であり、団体が増えると減らされる。これらの団体がなければ本市の緑地の 維持活動は不可能であり、みどりの基本計画でもいっそう支援することになっている。希望にこたえられるだけ の予算措置を行い、十分な活動を保障する。 ⑥ 緑地保全協定による奨励金は、固定資産税と都市計画税の1・1倍としているが、かつては1・5倍であった。 元の1・5倍に戻す。これが地権者が緑地保全に踏み出す大きな一歩となる。保存樹林や生け垣などへの奨励金 の増額を行う。緑化基金だけに頼らない支援を行う。 2 公園整備について ① ﹁緑の基本計画﹂では、街区公園の整備について﹁子どもやお年寄りでも歩いて行ける範囲に確保する﹂とし て、小学校区を構成する町丁目の3分の2に整備することとした。計画策定後8年たって、未整備地区 地区の 大限の努力を行う。そのために予算と、土地を探すための人員を確保する。 用地が出るのを待っていたからである。目標達成年次である2017年度に残る 地区で目標達成するために最 うち、新たに公園ができたのはたった3カ所である。その最大の問題は、土地取得費が確保されず、寄付や公共 32 ② 既存の公園、街路樹の手入れが十分行き届いておらず、道路公園センターの苦情の大きな要因となっている。 予算を抜本的に増やす。遊具の点検と草刈の回数を増やす。街路樹のせん定は主要道路は1年に1回だが、その 29 ― 106 ― 40 他は2∼3年に1回である。これをどこも1年に1回にする。 ③ 雨の日でも子どもたちが遊べるログハウスなど屋根つきの施設を公園内に整備する。 3 多摩川をすべての市民の憩いの場にするため、簡易型水洗トイレの設置を促進するとともに、可能なところには 水洗トイレを優先して設置する。川崎市が管轄する部分の草刈りの頻度を抜本的に増やす。国の管理部分について も頻度を増やすよう国に要望する。 4 サイクリングコースは、多摩区布田橋付近の延伸は決定したが、川崎区、幸区も延伸し、市内すべてをつなげる。 スピードを出して走る自転車への苦情が多い。歩行者、ランナー、自転車のルール作りを進める。 5 多摩川河川敷マラソンコースは傷みが激しい。部分的な手当てでなく、河川管理に支障のない範囲で抜本的な改 修を行う。 地震が起きてもおかしくないと専門家も指摘しています。 ﹁高い確率で発生が見込まれる首都直下地震や毎年発生する台風、突然の大雨など、いつどこ 総合計画においても、 で起こるか分からない、さまざまな災害に対して、過去の教訓を踏まえながら、的確な対策を進めていかなければな ― 107 ― 6 東 京 湾 に 残 さ れ た 貴 重 な 多 摩 川 干 潟 の 保 全 に 全 力 を あ げ る。 全 市 の 小 中 学 校 を 対 象 に 自 然 観 察 会 な ど を 行 な っ て、川崎の子どもたちに多摩川の豊かな自然を継承する。羽田連絡道路は干潟の生物や野鳥にとって有害で貴重な 環境学習の場を奪う事業であり、中止する。 7 多摩川に生息する外来種を排除し、多摩川の生態系を守るよう関係機関に働きかける。 8 旧向ヶ丘遊園地内の貴重な緑地を守るよう、小田急電鉄と誠意ある交渉を行う。 第八章 震災・防災対策を抜本的に強める 東日本大震災の発生から丸5年が経過した4月 日に発生した熊本地震では、 日未明に発生した本震と合わせ、 断層地震としては例の少ない震度7が2度も襲い、新耐震基準の建物であっても倒壊や半壊の被害を受けるなど大き 16 な被害をもたらしています。確認されただけで全国に3千カ所以上もの活断層があり、いつどこで熊本地震のような 14 りません﹂としています。改めて、そのことを肝に銘じて実効性ある対策を日々更新していくべきです。 地震災害における第一の課題は、旧耐震基準木造住宅の早急な耐震化です。 現在、川崎市耐震改修促進計画においては、本年末における耐震性が不十分とする住宅について、4万8800戸 と試算されています。さらに、同計画の中で、木造住宅と共同住宅等を合わせた﹁住宅総数﹂で見た場合、本年末に おける耐震化の数値目標 %は、建て替えなどにより達成される見込みとしながら、 ﹁﹃木造戸建て﹄のみを見た場合、 % を 達 成 す る た め に は、 本 年 度 末 で 建 て 替 え や 自 費 改 修 を 含 め、 約 1 万 4 9 9 0 戸 の 耐 震 化 が 必 要 と 年間にわたる﹁行革﹂による職員削減によって、十分に災害対策を担えない現 川崎市においては、阿部前市政の 状が生まれています。そうした事態に対策をとるどころか、 ﹁自助、共助、公助﹂という考え方を持ち込み、自助・共 地震災害に対して、さらなる制度の拡充が求められています。 なっている﹂としています。しかし、これまでに補助制度を利用して耐震改修した実績は695件であり、切迫する 耐震化率の 90 準の強化は、義務化されておらず、石油コンビナートの企業が独自に取り組んでいる範囲にとどまっています。 ﹁港湾施設の適切な維持管理の推進﹂が盛り込まれ、港湾管理者が民有港湾施設の維持管 港湾法の一部改正により、 理状況、耐震性に関する立ち入り検査を実施し、必要に応じ勧告命令を行えるようになりました。しかし、新耐震基 神奈川県石油コンビナート等防災アセスメント調査報告書が発表され、今後、防災計画の見直しが行われる予定で す。しかし、その内容は、現状追認という域を出ず、東日本大震災の教訓が生かされていないといわざるを得ません。 流出被害を防止し、臨海部石油コンビナートの被害を食い止めるために、液状化対策の強化が求められています。 川崎臨海部石油コンビナート地帯の防災対策については、それぞれの事業所ごとに石油タンクなどの耐震化の期限 前倒し実施や、プラント設備の維持管理の徹底など法令遵守はもちろんのこと、液状化による側方流動による堤防の を明確にし、自治体職員が先頭に立ち、地域防災力の向上を住民とともに取り組むことを強く求めます。 することは許されません。そのことは、災害発生後の自治体運営を困難にすることにもつながります。自治体の責務 災害対策基本法では、国民の安全を確保する災害対策の実施は、基本的に政府、自治体の義務になっており、国民 の生命と財産を守るのは、まさに国及び地方自治体の第一の使命です。自助、共助を強調して、自治体の責務を放棄 助を中心とする対策に大きく変質させられています。 12 川崎臨海部石油コンビナート等地区には、石油では、京浜臨海部の %、神奈川県内の %を占める約790万キ ロリットルを貯蔵し、高圧ガスでは京浜臨海部の %、神奈川県内の % を占める 億9600 万N 立方メートル 98 85 65 11 55 ― 108 ― 90 ︵ノルマル立方メートル︶と国内でも有数のコンビナートです。東日本大震災でも液状化や 基の石油タンクにおけ 福井地裁は、2016年4月 日、関西電力高浜原発3・4号機の再稼働差し止めを求める仮処分申請について、 差し止めを命じる画期的な決定を下しました。今回は、法的な即効性のある仮処分決定であり、司法の判断によって 被災者をはじめ、国民の原発からの撤退を求める声を無視して各地の原発を再稼働させようとしています。 る苦しみを押し付けています。放射能による被害の深刻な実態に目を背け、そうした耐えがたい苦しみを受けている 福島では、国の一方的な指定解除により帰宅可能とされながらも、帰宅を希望する住民が少なく、働く場所や生活 物資を売る店など回復しておらず、未だに帰れない状況のままで、東京電力による補償が打ち切られるなど、さらな 福島第一原発事故は、今なお収束しておらず、高濃度汚染水による海洋汚染は、深刻な事態をもたらしています。 放射能の影響は、震災後6年目を迎えている今も、時間と空間を超えて、甚大な被害を広げ続けています。 早期に実施することが求められます。 るスロッシング漏えいなどが発生しました。国の法改正を実効性あるものに強化し、川崎臨海部の実効ある耐震化を 16 原発の再稼働が実際に差し止められる全国初のケースとして、きわめて大きな意義があります。 日、伊方原発3号機︵愛媛県伊方町︶ その一方で、再稼働に反対する国民多数の声を押し切って四国電力は8月 を再稼働させました。新規制基準の施行後に稼働した原発は、九州電力川内原発1・2号機と関西電力高浜原発3・ 倍政権はこの判決を重く受け止め、全国の原発の再稼働を中止し、原発政策からの即時撤退を強く求めます。 え、原発を輸出しようとすることは多くの犠牲者を冒涜するものであり、許しがたい暴挙といわざるを得ません。安 権と電力会社は、今回の決定を重く受け止め、高浜原発はもとより、全国の原発の再稼働を断念すべきです。そのう てはまるものであり、昨年5月の大飯原発3・4号機の差し止め判決などに続く、きわめて重要な判断です。安倍政 う政府の原発再稼働の進め方そのものを根底から覆すものです。今回の論旨は、高浜原発に限らず、全国の原発にあ 基準は合理性を欠くものである﹂と厳しく断じています。これは、 ﹁新規制基準を満たした原発は再稼働させる﹂とい かし、今回の決定は、 ﹁新規制基準は緩やかにすぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されていない。新規制 いることへの市民の怒りが広がっています。政府は、新規制基準が﹁世界最高の基準﹂だと繰り返してきました。し 4号機︵司法判断により停止中︶に続いて5基目です。事故への不安、避難の困難さなど安全がないがしろにされて 12 また、神奈川県内において、原子炉2基を積む原子力空母﹁ジョージ・ワシントン﹂が、2015年5月 日、日 本での任務を終え、離日しましたが、 月1日、原子力空母﹁ロナルド・レーガン﹂が横須賀港に入港しました。大 10 18 ― 109 ― 14 地震が東京湾を直撃すれば、空母の原子炉が津波による引き波で冷却できなくなり、陸上からの電力・水などの供給 もストップし、艦内の安全装置も作動しなくなり、深刻な原子力事故が引き起こされる危険があります。横須賀の原 子力空母の母港化を撤回し、東京湾の非核化に川崎市がイニシアチブを発揮することを求めます。 1 甚大な大規模災害においても、人命を守り、最小の被害に抑えるために ① 市内には未だに4万8800戸の旧耐震基準木造住宅が残されており、木造住宅耐震改修助成制度の継続拡充 は必須であり、補助金額の上限を前年度までの基準に戻す。特に、高齢者や障がい者などの災害弱者の世帯につ いては、上限200万円までの全額補助制度を実施する。段階的な耐震補強も行える現行の制度を継続する。 ② 家具の転倒防止対策について、事前の設置計画の検証や設置個所等の事後検証などが行われていない現行の制 度を抜本的に見直し、一人暮らし高齢者などに限定せず、高齢者世帯や子育て世帯等さらに対象を広げる。特 に、災害時要援護者については対象とし、専門家による家具の配置や固定方法等助言と助成を行なう。 旧耐震の建物を建て替えた時にも、解体費の一部など助成制度を創設する。︵再掲︶ 件に関わって建て替えが困難な住宅など、新たに条件緩和を含めた柔軟な制度を検討し、不燃化耐震化の促進に 資する実効性のある内容にする。 滑動崩落防止対策工事の自己負担分をなくす。 ア 2007年から9年経過したが、未だにスクリーニング調査にとどまっています。具体的な対策のテンポを 抜本的に早めて、早期に安全を確保する。 イ 大規模盛土滑動崩落防止事業が必要とされた地域に対し、宅地開発時は法的に認められながら、新たな基準 によって対策工事が必要とされることから、国の動向を注視するにとどまらず、国に対して積極的に働きか け、助成率を100%にするなど市民が利用しやすい制度に改善する。 長周期地震動対策について、建築基準法の強化が国で検討されていたが、具体化までのスケジュールがさらに 伸びている。総合設計制度における許可基準の改正では、防災倉庫の設置と防災対応トイレの設置義務、環境負 荷軽減にとどまっている。構造的な見直しを含め、超高層マンション等における長周期地震動対策の早期実施を ― 110 ― ③ 年度から耐震診断士派遣事業を活用して耐震診断を実施している自治会、町内会の会館について、公共性に ④ 鑑み、耐震補強工事費は全額助成する。 ⑦ ⑥ ⑤ 来年度条例化が検討されている小田地区幸町地区を対象地域とする不燃化推進条例について、水路敷等接道要 09 国に要望する。 ⑧ 現在実施している民間マンションへの耐震診断制度や耐震改修助成制度などについて、マンション管理組合へ の情報提供など、制度の周知をさらに徹底する。 2 応急避難施設、防災備蓄等、応急対策の強化について ① 市立小中学校・高校等を震災時の避難所に指定している川崎市は、2016年4月現在、人口147万人に対 して指定避難所数は全市合計で175ヵ所しかない。国・県・市有地・工場跡地等を確保して﹁防災公園﹂とし て整備する。 ② 小中学校など市内175ヵ所の避難所に対し、すべての避難所にアレルギー疾患及び、人工透析患者用非常食 を備蓄品として用意する。関係局と協議を行なうとしていた﹁個々の状況に合わせたストーマ用具の備蓄﹂を新 年度実施する。 ③ 小中学校施設・体育館の防災・避難所機能を整備する。事前に利用計画等を作成し、避難所運営会議の中で徹 底する。避難所への経路のバリアフリーを行なう。ケーブルテレビ・電話・LANの端末、トイレの洋式化、受 水槽の災害時活用などを進める。 熊本地震で明らかになったプライバシー確保対策について、段ボールやカーテンを利用した間仕切りなど、新 たな防災備蓄として常備する。電源確保を目的に、灯油式発電機の設置、複数熱源化、及び太陽光発電設備のあ る学校への蓄電池の設置を進めているというが、すべての避難所の屋上に蓄電機能を備えた太陽光発電施設を設 置する。 ④ 学校施設の調理室・給食室や家庭科室などにある調理器具を活用して炊き出し等ができるように、複数熱源化 の取り組みを早急に推進する。 ⑤ 災害時のトイレ対応について 避難所の仮設トイレの設置数を増やすと同時に、汚物処理袋の備蓄も併せて行う。 すべての避難所にマンホールトイレを設置する。帰宅困難者用としての位置付けに限定せず、設置個所を増や す。広域避難場所において、便槽付きトイレも設置する。 ⑥ 避難所運営会議について ― 111 ― 避難所運営会議の開催率100%をめざしつつ、同時に﹁救助の措置﹂に係る活動は基本的に行政事務であり、 避難所︵被災者収容所︶の管理運営は災害救助法に基づく行政責任であることを明確にし、全避難所での市職員 の配置・体制をきちんと整備する。 ⑦ 熊本地震における課題として、受援体制が整備されていないことがあげられた。救援物資や災害ボランティア の受け入れなど、社会福祉協議会や民間NPOなどと連携し、他都市との災害連携協定を見直し、受援体制を強 化する。 3 消防力の抜本的拡充を急ぐ。 ① 消防職員は2016年4月1日現在、国基準よりも163名少ない中で活動している。今後予測される大規模 災害への備えと、市民の生命と財産を守るためにも、国基準を下回っている職員数について、一刻も早く充足さ ― 112 ― せる。 地域ある。耐震性防火水槽の整備計画を見直し、いっき ② 消防局が認定している﹁消火活動困難地域﹂に耐震性貯水槽の整備に引き続き取り組む。その際、飲み水にも 供用できる循環式貯溜水槽の設置も併せて進める。 ③ 耐震性防火水槽 震災時の消火活動に使う消防水利の空白・未充足が に空白を埋めるよう促進する。 祉サービス利用者や通所施設等利用者など所属するところがある障がい者は、生活再建に向けた支援が提供されて 指定されることを想定していない職員がいるなど、障がい者の避難所として混乱をきたしているとのことです。福 害特性の把握などのスキル不足、福祉避難所の対象施設で、相談支援スキルを持った職員がいない、福祉避難所に 5 障がい者等安心して避難できる福祉避難所の整備を 熊本地震では、福祉避難所については、指定される前に障がい者施設等に障がい者が直接避難した事例がありな がら、自治体職員が福祉避難所として指定調整する場合のそれぞれの施設の特徴などの把握や振り分けるための障 4 市民のライフラインを確保するため、水道事業におけるバックアップ機能を強化し、即応性の高い地下水を供給 できる生田浄水場を復活する。 41 いたということですが、どこにもつながっていない障がい者は、取り残される可能性が高いことが指摘されていま す。また、民間の介護施設や介護事業所など、災害時に安否確認等対応に当たることに対して、過度な民間事業者 の職員の疲労困憊の課題も挙げられています。こうした熊本の事例を踏まえ、改めて災害弱者への対策を強化する ことが求められます。 ① 熊本地震の教訓から、災害時には、1次2次の区別なく障がい者が避難することを前提として、現在、市及び 社会福祉法人等が運営する社会福祉施設189施設を福祉避難所として事前に公表し、避難者 人に対し1人配 置基準となっている国の基準に上乗せして、川崎市として加算し、職員の増員を可能にする。災害対応について BCP︵業務継続計画︶を作成すること、避難所開設訓練など福祉避難所職員のスキルアップを援助する。同時 に日ごろから、行政と民間の相談支援事業所との連携を強化し、災害時の相談支援体制について相談支援セン ターの業務間マニュアルへ盛り込む。保健所や保健福祉センターなど、指定調整業務のスキルアップに取り組む。 ② 要援護者対策について 東日本大震災時に、要援護者の安否確認の徹底、防災情報の周知、応急対応時の要援護者と支えるネットワー クの構築など、具体的な問題点も明らかになっている。要援護者名簿を自治会等に管理を任せるだけにとどまら ず、区役所機能の強化とあわせ、市の責任で対応を検討する。 ③ 熊本地震でも明らかになったボランティアの受援体制の強化、災害弱者の安否確認、情報提供の体制の強化な ど、地域防災ネットワーク、医療福祉防災ネットワークなどでの教訓を活かすことが、改めて重要であることが 明らかになった。区役所の保健福祉関係部署と、介護事業者、医療機関、障害者団体などとの日常的な連携が欠 か せ な い 。 現 在 、 各 区 で 地 域 防 災 ネ ッ ト ワ ー ク 等 の 取 り 組 み が 進 め ら れ て い る が、 ま だ 緒 に つ い た ば か り で あ る。区役所を中心としたネットワークの確立と同時に、中学校区ごとのネットワーク化を目指してさらに強化す る。同時に、地域防災計画へ災害弱者支援に関連する各団体からの要望について反映させる。 ④ ﹁災害時要援護者のための防災行動ガイド﹂が見直されたが、さらに、障がい者や高齢者などそれぞれの特徴に 合わせて、本人、家族、支援協力者向けなど対象者を想定した、わかりやすくきめ細かいものに改訂する。 ⑤ 県が、人工透析が必要な腎臓疾患患者のための﹁災害時透析患者支援マニュアル﹂で定めるネットワークの再 確認として、市は透析病院・施設の被害状況などの受け入れ態勢、対応の情報確認のための通信訓練を各病院・ 施設に徹底する。特に、停電時における通信手段として衛星電話、パソコン、FAX等の無停電電源装置等設備 ― 113 ― 10 の拡充を検討する。 また、大規模災害時には、市内施設では透析を受けることができない場合に、災害時の周辺都市における透析 施設間連携を図ることや、移動手段の確保など、事前に協定を結び、患者移送マニュアルの作成を行う。東京都 が作成している﹁災害時に対する透析医療活動マニュアル﹂のようなものを川崎市独自に作成する。 ⑥ 災害情報の周知徹底については、屋外防災無線のデジタル化と合わせて、受信機・拡声器の設置台数を増や す。合わせて、音声だけに限らず、視覚によるもの等いかなる障がい者であっても周知できる対策を徹底する。 6 原発から撤退し、再生可能なエネルギーへ転換し、直面する原子力災害から市民の安全を守る ① 一たび事故が発生すれば、長期間、広範囲に被害を与え、子どもたちの命と健康を蝕むことになる危険がある 原発からすみやかに撤退し、同時並行で再生可能エネルギーの普及をすすめることを国に対して要求する。 ② 徹底した放射能汚染の調査及び除染を行えるよう、地方自治体に対して専門家の派遣、相談体制の強化、財政 的支援など、十分な支援体制を国に求める。 ③ 東芝原子力研究センター実験炉について、必要に応じて立ち入り調査を行なう。文科省の資料では、東芝の実 験炉に200リットル容器で116本の放射性固体廃棄物が保管されていることになっている。その保管状況や 管理体制について確認する。 ④ 原子力空母における過酷事故を想定し、EPZとしての緊急避難計画の策定、市立病院等へのヨウ素剤等の備 蓄を行ない、万が一の事態に備え、市民の命と安全の確保に万全を期す。 7 あらゆる石油コンビナート災害から労働者と住民の命を守る緊急対策を Ⅰ、被害予測︵地震津波被害予測を抜本的に見直し、労働者・住民が参加した安全総点検運動をすすめる︶ 長周期地震動による被害想定でも﹁最大規模では、防油堤内の広い範囲で流出火災となる﹂としている。県は、 災害想定の見直しを﹁消防庁から新たなアセスメント手法が示された際に実施﹂するとしているが、被害想定を 抜本的に見直さないかぎり十分な対策は立てられない。被害予測の抜本的な見直しを早急に実施するよう求める。 少なくとも、川崎市の津波ハザードマップにおいて想定している慶長型地震を前提とした被害予測を基に対策 を行なう。 ― 114 ― ① 被害想定においては、科学的知見と過去の大地震・津波を踏まえ、最大規模での地震を前提とした地震動・ 津波の各被害を前提に、液状化も含め想定する。 ② 危険物、高圧ガス、LNG、毒物・劇物、放射性物質等の所在等を明らかにした石油コンビナート・ハザー ドマップを作成し、情報を分かりやすく公開する。 Ⅱ、予防対策︵護岸や構造物︿危険物タンク・防油堤等﹀での耐震化・耐津波化を万全にする︶ 巨大地震と津波の発生時には、護岸と構造物が破壊されることで危険物等が流出し、火災や爆発・有毒ガスの 漏えいなど、コンビナート地区内外に大災害がもたらされる危険性がある。 ︵1︶ 護岸対策について ① 港湾法の一部改正により、 ﹁港湾施設の適切な維持管理の推進﹂が盛り込まれ、港湾管理者が民有港湾施設の 維持管理状況、耐震性に関する立ち入り検査を実施し、必要に応じ勧告命令を行えるようになった。ただち に、同法の規定に基づき、民間港湾施設の一斉点検を行ない、耐震基準の満たない埠頭の耐震化を早期に指導 監督する。コンビナート地区のすべての護岸を耐震化する。 ② 津波の高さと衝撃に耐え危険物の流出を防げるよう、堤防を強化するとともに、防油堤では鉄筋コンクリー トと盛土とを併用した構造とするなど、耐震性補強と津波対策を推進する。 ︵2 ︶ 危険物タンクや防油堤等における期限を前倒しして、耐震化等を早急に実施し、耐津波対策についても早急 に具体化する。 ① 500キロリットル以上のタンクについて、2017年までに耐震化を完了する。 ② 開放点検義務のない小型タンクも含めたすべてのタンクの開放点検や耐震化、浮き屋根式屋外タンクを新法 基準につくりかえる耐震化を、各事業所で2017年度の早い時期までに緊急実施させるように、国等関係機 関と協議し具体化する。 ③ 省令改正を行ない、浮き屋根式屋外タンクに屋根を設置するインナーフロート化を早急に実施させるよう、 国に対して申し入れる。同時にタンク爆発防止のため、屋根と浮き屋根板の間にチッ素等の不活性ガスを封入 するように、関係機関とともに、対策を強化する。 ④ 石油タンク防油堤内すべてのタンクが破壊されても海に流れ出さないよう、防油堤の容量基準を見直すよう ― 115 ― に国に要望する。同時に、区画をより細分化させる。現行の センチ程度の仕切りで対応できるのか、不等沈 ︵3︶ 危険物タンク・施設の安全性を確保するため、規制が緩和されてきた保安点検のあり方を見直す。 ① 規制緩和によって施設・タンク等の保安点検が自主的な届出となっており、しかも、1千キロリットル以上 の特定屋外タンクは、7 年から 年周期となっているため、保安技術の適切な継承が保たれるのか疑問であ ⑥ 工場設備の緊急制御に必要な中央制御室や構内配電設備、非常用発電機などが津波浸水の影響を受けないか 総点検し、必要に応じて設置場所を移動させ、防水扉などを設置させるよう、必要な法整備を国に要望する。 設定と実施等、抜本的な震災・津波対策の財政的支援を含め、具体化を国に要望する。 ⑤ 各技術基準の検証や民間企業の減災対策への支援について要望しているとのことだが、引き続き、津波が危 険物漏えいと大規模火災を引き起こす危険性をふまえて、津波想定、避難対策、タンク・施設の耐津波基準の 下や液状化によって仕切りが破壊されることはないのか、再点検する。 30 る。行政による定期的な立入り検査、点検周期の短期化を義務づけるように、国に対して要望する。 ② 液状化対策について、異常現象が発生しなければ通報義務がない石油コンビナート等災害防止法の法改正を 行なうよう要望すると同時に、現行条例の規定を活用して、事業者に、異常現象がなくても液状化が発生した 場合に被害の報告を義務づける。 Ⅲ、応急対策︵労働者と住民の命と安全を守る消防体制と避難対策を︶ ︵1︶ コンビナート地区労働者と近隣住民の安全確保のため、コンビナート防災の専門性を備えた公設消防力を強 化するとともに、公設消防と自衛消防・共同防災組織とが効果的に連動できるようにする。 ① 川崎臨海部においては、他都市に比べて住宅地に近接していることから、特に、コンビナート防災に対して 公設消防が必要な役割を担えるよう、消防車輌・消防艇・他消防資機材および人員を増強する。石油コンビ ナート地区内各島について一定の配備エリアを検討の上、各区域に対応した公設消防の増強をすすめる。 ︵2︶ あらゆる石油コンビナート災害に対応した石油コンビナート地区労働者と近隣住民との避難場所・避難経路 の確保、ならびに的確な避難指示の伝達も含めて、避難計画を確立する。 川崎臨海地区には5つの島があるが、運河が火の海となった場合、陸の孤島となって労働者が逃げ場を失うこ とが心配される。 ― 116 ― 15 安全性の高い避難路の確保と避難対策の確立は、緊急の課題である。よって、次のことについて、国と協議を 行ない、具体化を図る。 ① コンビナート地区労働者の避難については、災害の様々な状況に対応した避難経路・避難場所へ誘導できる 避難計画と誘導体制を確立する。特に、東扇島地区で働く派遣労働者に対して、避難場所、避難方法を周知徹 底する。 首都高速湾岸線をはじめ、現在の橋・トンネル・海路等、各島からのあらゆる避難路の安全性確保や整備を 実施する。緊急時に他事業所敷地内を横断できる措置をとるとともに、労働者の避難と海上脱出のために、各 人工島の護岸に道路を敷設する。第2層の4つの島と第1層との間の運河で、未利用運河を埋め立て、陸続き にする。 ② 近隣住民の避難については、近接する事業所が取り扱う危険物に対して避難場所と経路が適切であるか総点 検を行ない、行政の責任で実態に合った避難計画を早急に策定する。また、コンビナート地区労働者の避難も 想定して、各避難場所が十分な広さや施設、救援物資等を備えているかを調査し、必要に応じて避難場所を再 編する。 Ⅳ、災害遮断︵コンビナート地区と市街地との分離、災害拡大の遮断を︶ 市街地と隣接している石油コンビナート地区で災害が発生した場合、さまざまな危険物による災害を市街地へ拡 大させない一つの根本的な方法として、石油コンビナート地区と市街地とを分離・遮断することについて、国等関 係機関と協議し、具体化を検討する。 ① 近隣市街地への火災や有毒ガス漏えい、津波火災等の拡大を防ぐため、石油コンビナート地区と市街地を分 離し災害を遮断する対策の早急な具体化をはかる。災害遮断帯や遮断壁等を設置する。石油コンビナート地区 と市街地との間にある内奥運河や道路・鉄道を耐震性や防潮堤機能を備えた盛り土構造とするなど、災害遮断 のための抜本的な対策を検討すること。 ② コンビナート災害遮断の対策では、労働者の内陸部への安全な避難が保障されなければならない。 災害遮断の対策では、コンビナート地区からの労働者の安全な避難路を確保すること。 ― 117 ― 9 市民とともに防災対策の強化を急ぐ ① 現在実施している自主防災組織リーダー等養成研修を﹁市民防災まちづくり学校﹂として発展させ、防災リー ダーの育成を強化する。 ② 震災時ハザードマップの活用など、川崎市の防災情報を活用し、地域の実情に合わせた、自主防災組織ごとの 防災マップを全ての町内会自治会での作成を目標に取り組む。 ③ 学校教育での防災教育を充実するとともに、防災キャンプや避難所生活体験訓練、防災意識向上など﹁防災教 育研究推進校﹂を増やし、学校の管理職・防災担当者・教職員への防災研修を強める。 また、2014年9月から川崎市がJ R川崎駅の大型スクリーンで放映していた市のPR動画は﹁企業と行政など ― 118 ― 第九章 市民の命と健康を守り、公害のない、環境にやさしい川崎に 世紀の世界を持続可能な経済・社会とするためには、温室効果ガスの大幅削減を実現する対策など地球環境の保 全の見通しを立てること、国内の公害被害の早急な救済や、アスベスト対策や大気・土壌汚染対策など身の回りの公 はありません。 この間の市議会での川崎市の成人ぜん息患者医療費助成制度について再検討を求める質問に対し、福田市長が﹁見 直し﹂に言及しました。これまでの川崎公害反対闘争と裁判結果を全面否定するものであり、到底認められるもので 回復への一助となる役割を果たし、全国に誇る宝となっています。 2007年1月から全市、全年齢を対象に﹁成人ぜん息患者医療費助成条例﹂を実施しました。本制度は市民の健康 川崎市は判決と市民の強い願いを受けとめ、それまでの﹁川崎市成人呼吸器疾患医療費助成要綱﹂を拡充・発展させ、 川崎市では、大気汚染に苦しむ被害者が、企業と国等を被告として大気汚染公害訴訟を提起しました。1998 年、横浜地方裁判所川崎支部は自動車排出ガスとぜん息の因果関係を認めた判決︵2次∼4次︶を言い渡しました。 者負担の原則、予防原則、国民・住民の参画、徹底した情報公開の視点が欠かせません。 害・環境対策に真剣に取り組み、前進させることが必要です。そのためにも公害問題の解決には、少なくとも、汚染 21 が協力し公害を克服﹂ ﹁工場から排出されているのはばい煙でなく水蒸気﹂などとする、市民運動や公害裁判の果たし た役割を軽視し、事実と反するものでした。現在も工場からの煙には大気汚染物質が含まれており、PM2・5や光 化学オキシダントなど大気汚染の課題は残っており、 ﹃公害は克服した﹄とは言えません。実際に川崎市では、道路沿 % ︵ 20 13 年 川 崎 市 学 校 保 健 統 計 調 査 ︶ 道を中心に深刻な大気汚染の状況が発生し、全市的にぜん息で苦しむ市民が増え続け、特に北部で大幅に増えていま す。全国の児童のぜん息罹患率は平均4%なのに対し、川崎市では9・ 日の﹁平 環境省がぜん息発症の原因を解明するために行なっている﹁そらプロジェクト調査﹂につづき、昨年7月 成 年度大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査結果の訂正について﹂でも、 ﹁大気汚染とぜん息の発症に有意な 486人となりました。 と2・4倍にのぼります。成人ぜん息患者医療費助成制度の適用者は2015年度の1年間で1120人増加し、6 56 全国の公害患者の会連合会の﹁ぜん息患者等実態調査﹂では、川崎市や東京都が行なった自治体独自のぜん息患者 医療費助成制度によって約 万人の患者が治療に専念でき、健康を維持し回復した方もみられると、制度の重要性が 補償法に準ずる制度として内容を充実するべきです。 を﹁アレルギー対策﹂と位置づけていますが、 ﹁大気汚染公害被害者の救済﹂と目的を位置づけなおし、公害健康被害 治体の責任で医療費の無料化などに取り組むのは当然です。川崎市成人ぜん息患者医療費助成条例﹂では、その目的 正の関連性が認められた﹂とされました。自動車排ガスがぜん息を引き起こすという因果関係は明らかです。国と自 24 排出が大きい石炭火力に依存するエネルギー政策に固執しており、再生可能エネルギーによる電力供給は1割程度に になりました。世界で自然エネルギーへの転換が進む中、安倍政権は原発再稼動をすすめるとともに温室効果ガスの い多数派です。約2年にわたる﹁稼働原発ゼロ﹂の時期を通じて日本社会は﹁電気不足﹂とはならないことが明らか した。この﹁原発固執政治﹂は、大きな破たんに陥っています。世論調査では、再稼働反対は5∼6割と、揺るがな 約2割を原発で賄うために原発の再稼働に突き進み、川内原発1・2号機に続いて、伊方原発3号機を再稼動させま ﹁収束﹂とは程遠く、溶け落ちた核燃料の位置や状態はいまだ把握できず、汚染水が増え続けてい 福島第1原発は、 ます。それにもかかわらず、安倍政権は原発を﹁重要なベースロード電源﹂とし、2030年度の発電電力量のうち 持・発展させることが必要です。 通 り 飲 ま ず に 節 約 し た ﹂ な ど の 実 態 が 寄 せ ら れ て い ま す。 ぜ ん 息 患 者 医 療 費 助 成 制 度 は 見 直 し や 廃 止 で は な く 、 維 明らかになりました。この調査には﹁医療費の負担を減らすため、病院に行く回数を減らしている﹂ ﹁薬を医師の指示 10 ― 119 ― 25 すぎません。 月、国連気候変動枠組条約第 回締約国会議︵COP ︶は、工業化前の1850年頃と比べて、気 2015年 温上昇を2度を大きく下回り少なくとも1・5度に抑える努力をするという﹁パリ協定﹂を採択し、2023年以降 21 ∼ % 40 50 ﹁家 私たちが行なった市民アンケートでは、普通ごみ収集が2013年9月から週2回に減った後の影響について、 の中で、ごみの保管に困っている﹂ %、﹁ごみ置き場で、ごみがあふれている﹂ %、﹁カラス被害が増えた﹂6% 最大限の努力を払い、エネルギー利用率の引き上げや省エネの徹底を図るべきです。 の削減を実現すべきです。そのために自治体の実効ある取り組みが欠かせません。再生可能エネルギーの大量普及に 0年までに %の削減︵1990年比︶にとどまっています。1990年比で2030年までに少なくとも 5年ごとに自国の活動を見直し取り組みを強化する、としました。一方、日本政府の温室効果ガス削減目標は203 21 17 する。また、条例適用患者が更新手続きをスムーズに行えるよう行政サービスを行なう。 ⑤ 制度活用を推進するために、市民への広報を強化する。特に小児ぜん息医療費助成条例適用者で 歳を迎え、 治癒していない患者および医療機関に対し、成人ぜん息患者医療費助成条例への切り替え手続き方法を周知徹底 ③ 気管支ぜん息だけでなく、助成対象疾病に﹁慢性気管支炎﹂﹁肺気腫﹂を追加する。 ④ 早期発見・早期治療をすすめるため、診断書・血液検査・レントゲン撮影など診断のための検査にかかる費用 についても助成を拡充する。 ② 成人ぜん息患者医療費助成制度の﹁見直し﹂をしない。患者一割負担を廃止し無償にする。市独自財政だけで なく、自動車メーカーに対し社会的貢献として財源拠出を要請する。 1 公害被害者救済施策の強化について ① 川崎市成人ぜん息患者医療費助成条例の目的を﹁アレルギー対策﹂ではなく、 ﹁大気汚染公害被害者の救済﹂と 位置づけなおし、公害健康被害補償法に準ずる制度として内容を充実する。 を果たすべきです。 など、過半数の市民の中で公衆衛生上の問題が起きていることが明らかになりました。市は公衆衛生を保全する役割 33 ⑥ 予防事業の充実を図る。 ⑦ ﹁ぜん息のため仕事が続けられなくなった﹂﹁仕事ができず生活保護となった﹂などの事例が後を絶たない。生 20 ― 120 ― 12 18 活補償費を新設する。 ⑧ 条例適用患者に対して通院バス券を発行し、あわせて健康回復事業等への積極的参加が図れるよう努力する。 ⑨ 川崎市は国への予算要望にあたり、毎年度﹁川崎市成人ぜん息患者医療費助成条例﹂への財源補助の要望書を 提出しているが、それに加えPM2・5を指標とする新たな公害被害者救済制度の創設を国に働きかける。 2 環境改善の強化について ① 二酸化窒素︵NO 2︶環境目標値0・ pp m の達成こそ、深刻な大気汚染の解決にとって重要である。規制 緩和された環境基準︵0・ pp m ∼0・ pp m ︶ではなく、川崎市が環境目標値として掲げている0・ p 02 02 3 住民参画による公害根絶、環境保全監視体制について ① 環境影響評価審議会委員の人員を増やし、被害者、住民団体として継続的に環境保全に取り組んでいる団体の 代表の参加を保証する。 ⑥ 市役所本庁舎の建て替えとあわせて川崎市役所前に電光掲示盤を戻し、PM2・5の速報値を加える。 明らかにし、その対策を講じる。 ④ PM2・5の実態把握をするため、すべての測定局に測定器をただちに設置する。 ⑤ NOx ・PM法にもとづき、市独自に対策重点地区︵当面、池上、遠藤町、二子各自排局︶を設定し、被害者 及び住民代表を参加させ、抜本的対策が講じられるよう地域対策協議会を設置する。目標が達成されない原因を 含めて調査を行ない、原因を究明する。そのためにも小児ぜん息・成人ぜん息の患者数のデータを町別に示す。 ③ 2007年∼2015年の間に麻生区で小児ぜん息・成人ぜん息の制度適用者が1482人から2934人に 倍加するなど、川崎北部地域で条例適用者数が激増している。交通量や大型車の混入率・周辺地域の地形などを ② 自動車排出ガス測定局を増設し、市内全域のNO 2の実態を把握し、その対策を講じること。また、監視体制 強化について関係機関に働きかけること。 化する。 p m をいつまでに達成するのか、具体的な目標と対策を示す。さらに、PM2・5︵微小粒子状物質︶対策を強 06 ② 市民の自主測定運動を引き続き奨励援助する。 ― 121 ― 04 4 自治体として地球温暖化防止の緊急対策を ① 川崎市独自にCO 2削減目標を定め、対策を強化する。特にCO 2を大量に排出する電力、鉄鋼関係、自動車走 行規制を含め抜本的な対策を図る。企業の排出規制を強める。 2 ② 横浜市など他都市の経験を踏まえ、事業所ごとのCO 排出量を公表する。 5 アスベスト被害を防ぎ、被害者救済策を ① 建設時は使用することが義務付けられていた耐火被覆材について、現在、 ﹁民間建築物吹き付けアスベスト対策 事業制度﹂の対象外となっている住宅の解体時におけるアスベスト除去費について、川崎市として市民負担を軽 減するために助成制度を設ける。︵再掲︶ ② アスベストでの被害者を救済するために市としての独自の制度を検討する。︵再掲︶国と企業の責任を明確に し、全面的に救済する制度を国に要望する。 ③ ﹁石綿の健康被害の救済に関する法律﹂をすべてのアスベスト被害者を対象とし、十分な救済・補償が受けられ るよう抜本改正するよう国に求める。アスベストによる呼吸器疾患にかかった市民に対し、医療費や生活費を補 助する。 6 原子力発電から再生可能エネルギー政策への転換を ① 住宅用太陽光発電を短期間に大量に普及するために設置件数と補助率を大幅に引き上げる。 ② すべての公共施設や希望する民間保育園・私立幼稚園に太陽光パネルを設置し学校教育の中で再生可能エネル ギーの重要性を教えると同時に体験教育を強める。 ③ 風力、太陽光、太陽熱、バイオマス、小型の水力、地中熱利用、工場等の廃熱利用など再生可能エネルギーの 活用への支援を強める。 7 公衆衛生の役割を果たし、資源循環型社会へ ① ﹁家の中でごみの保管に困っている﹂ ﹁ごみ置き場のごみがあふれている﹂ ﹁カラス 普通ごみ収集の削減により、 ― 122 ― 被害が増えた﹂など公衆衛生が悪化していることが明らかになった。収集回数削減後の公衆衛生・生活環境への 影響調査を実施し、収集回数を週3 回に戻すことを含め、市民の公衆衛生環境を保全する対策を具体的に検討 し、実施する。 ② 事業系ごみの処理手数料の値上げは中小企業の営業に大きなダメージを与えることになるため、行わない。事 業系ごみの分別が不十分なため、処理業者の大きな負担となっている。市が排出事業者に対して分別を要望し、 周知徹底する。 ③ 普通ごみ収集の有料化は引き続き行なわず、無料収集を堅持する。 ― 123 ― 8 浮島処分場での放射性物質を含む廃棄物の処理について 引き続き市民に公開・公表しながら、焼却灰や内水・放流水などのモニタリングを行なう。プルトニウム、ストロ ンチウムなど未測定の核種の検査を行なう。生物濃縮が指摘される周辺海域の魚についても継続的に測定する。ゼオ ライト添加方式以外に安全で効果的な処理方法がとれないか、調査し検討する。 第十章 市民・地域にねづいた豊かな文化・スポーツ政策を 人びとに生きる力を与える芸術・文化は、社会の進歩に不可欠です。 子どもたちの健全な成長を保障していくためにも、人々の自由で豊かな発展のためにも、芸術・文化が果たす役割 には大きなものがあります。文化芸術振興基本法は、文化を自由に作り楽しむのは国民の権利であり、それを保障す ることは国・地方自治体の責務としています。芸術・文化活動が直面する要望を支援し、文化の自由を守り、多面的 な発展を支えることが求められます。 川崎市は、2014年度から 年間の長期にわたる﹁第2期文化芸術振興計画﹂を策定しました。基本目標は、① 文化芸術や地域の特性・資源を生かしたまちづくり、②人材の育成と共同による文化芸術の振興、③市民が文化あふ れる環境・活動できる環境の整備をかかげていますが、文化芸術活動はあくまで市民主体のものでなければ、こうし 10 た目標を達成することはできません。2013年7月から8月にかけて実施した﹁文化・芸術の振興について﹂の市 民アンケート結果では、川崎市の文化・芸術に対する満足度について、﹁満足している﹂﹁やや満足している﹂を合わ せた値は ・4%と、6年前よりも2・5%増加した一方、 ﹁わからない﹂と答えた人は ・8%で、 ・1%増えて 22 ことは、大きな意味をもちます。子どもの権利条約の第 条がうたう﹁文化的権利﹂の具体化と実施が求められてい 主的な規律で克服することが大事です。同時に、子どもたちが豊かな人間性を育むうえで、すぐれた文化を提供する 子育て世代が増えている川崎市にとって、次の時代をになう子どもたちが健やかに成長し、明日への希望と夢をも てるようにするのは社会全体の責任です。子どもたちを社会的退廃から守るために、暴力的・退廃的文化を社会の自 め、低額化を求めます。 1割増の負担を強いる改正を求めました。市民の文化・芸術の振興と相反するものです。施設利用料金の負担増を止 市は行財政改革プログラムで〝市民サービスの受益と負担の適正化〟を図るためとして2017年4月から、とど ろきアリーナ、スポーツセンター、武道館、市民館、教育文化会館、有馬・野川生涯学習施設等の利用料金を現行の とって欠かせません。 術 文 化 施 設 の 低 料 金 化 と 上 演 演 目 に あ わ せ た 利 用 時 間 の 設 定 は、 利 用 者 の 切 実 な 要 求 で あ り、 地 域 文 化 の 活 性 化 に 第2期計画では、身近で利用できる施設の整備の拡充や地域で培ってきている行事や文化団体などに光をあて、地 域の文化活動の掘り起しをして文化の魅力をより多くの市民と共有し育て発展させていくことが大切です。また、芸 す。 の中間見直しを行う予定としています。施設増設などを含め、市民要望を反映した文化芸術振興施策の推進を求めま 川崎市は人口が急増し施設を利用したくても利用できないということから、文化芸術に触れ参加するという機会が 不十分になっています。多くの市民が活動できる環境整備が待ったなしで求められています。2018年度には計画 す。 います。川崎市に力を入れてほしいことは、 ﹁市民が文化芸術を親しむ機会の充実﹂が ・5%とトップになっていま 54 35 教育をすすめることを重視しなければなりません。その中で、学校における芸術文化鑑賞活動の位置づけを明確に し、学校運営費などによる学校公演、上映活動への助成を強めることが大切です。 成の拡充などが必要です。 ます。この実現を阻んでいる経済的障害をなくすため、子どものための芸術文化活動をすすめる文化団体への運営助 31 ― 124 ― 24 豊かな老後を保障するうえでも文化の果たす役割は重要です。高齢者や障害者の自主的文化活動がすすめられるよ う、地域で指導者、施設、資材などに関して公的機関が一定の援助をおこなうことが必要です 条︶、﹁健康で文化的な最低限度の生活を営む権利﹂︵第 2011年8月に施行されたスポーツ基本法は、これまでのスポーツ振興法︵1961年制定︶を全面的に改正し たものです。この法律によって、 ﹁スポーツは国民の権利﹂という基本理念を明確に位置づけました。それは、日本国 憲法の﹁生命自由及び幸福追求にたいする国民の権利﹂︵第 条︶にあると言えます。 は市内 カ所︵区により1∼3カ所︶で実施。年間で1施設あたり利用者一人1時間利用の換算で320人分の枠で し、地域のスイミングスクール等と連携した﹁こどもの泳力向上プロジェクト事業﹂に切換えました。2016年度 多様な観点から検討していく必要がある﹂としています。一方で、2015年度から小学校のプール開放事業を廃止 比べ面積が狭く、既に市街化が進んでいるという現状があることから、市民のスポーツ活動場所を充実させる方策を 各年齢に応じた多様なスポーツ種目の教室やイベントの等の充実﹂をあげています。本計画で、 ﹁川崎は他の大都市に ﹁今後、重要だと思うスポーツ振興策﹂の1位・8割の人が﹁活動場所﹂の確保、2位に﹁幼児から高齢者・障害者の れからの実践がためされます。川崎市が2010年度に行なった﹁スポーツに関する市民アンケート﹂の結果では、 ④スポーツに挑戦する楽しみがあるまち、⑤スポーツを通して川崎の魅力・活力を楽しめるまちとしていますが、こ てスポーツを元気に楽しむことができるまち、③スポーツを通して仲間とふれあい、地域での交流が楽しめるまち、 ポーツで川崎をもっと楽しく﹂を掲げ、基本方針に、①スポーツを身近に楽しむことができるまち、②生涯にわたっ れるレクリエーションも含めて計画の対象としていると位置づけました。基本理念として﹁川崎でスポーツを、ス 2012年9月に川崎市スポーツ推進計画は、その法律の理念にもとづいて作成されました。本計画は、競技性の 高いスポーツだけでなく、ウォーキングなどの体を動かす活動や、遊びの要素を取り入れながらスポーツとして行わ 13 2018年度に本計画の見直しが予定されていますが、こうした課題解決は急務であり、対応が求められます。 2015年 月に障害者がスポーツ・レクリエーション等の活動を通し、障害者スポーツの振興と障害者の心身の 健康増進、社会参加推進を図り、障害の有無にかかわらずスポーツを行うことができる社会の実現を目的に、川崎市 事業に替わるものではありません。水泳指導者を配置して小学校のプール開放事業を再開するべきです。 行なわれていますが、対象はプールが苦手な児童の水泳教室であり、地域の子ども達が利用する小学校のプール解放 14 障害者スポーツ協会が設立されました。障害者のある人もない人も、子どもも高齢者も、いつでもどこでもだれもが 10 ― 125 ― 25 スポーツできる権利を保障するための身近な環境整備、運動広場の増設などが自治体としての義務が課せられていま す。 2016年3月、2021年までの6年間を取組期間として﹁かわさきパラムーブメント推進ビジョン﹂が策定さ れました。東京オリンピック・パラリンピックを契機として、誰もが暮らしやすいまちづくりを進めるとしていま す。第1期推進期間︵2016・2017年度︶では、心のバリアフリーの推進、障害者スポーツの推進、スポーツ による体力向上や健康づくり、駅や道路・観光施設・スポーツ施設のバリアフリー化等を進めるとしています。誰も がスポーツに親しめる環境づくりが重要です。 ︵一 ︶ 市民が主体の文化芸術活動を推進する。 1 文化予算を抜本的にふやし、川崎市総合文化団体連絡会への補助金が削減されている、削減前にもどす。 また、公益活動芸術創造団体や演劇集団にたいする団体活動費助成制度をつくる。高価な楽器や道具などの購入資金 及び維持整備のための補助を行うとともに、融資制度を新設する。 2 か わ さ き 市 民 公 益 活 動 助 成 金 の 予 算 を 抜 本 的 に 増 や す。 助 成 金 の 周 知 を 広 く 行 う と と も に 事 務 手 続 き を 緩 和 し て、多くの市民が様々活動に参加しやすくする。 3 青少年を対象とする文化団体や、青少年舞台芸術活動は高校生主体で行なっており好評です。引き続き市内の青 少年文化団体主体で運営し、予算を増額する。 4 ﹁かわさき演劇まつり﹂の演劇講座は2年に一度である。継続性、人材育成から毎年開催できるようにする。 5 学校教育の柱の1つとして、文化・芸術に親しみ、その感受性をやしなう情操教育をすすめることを重視し、川 崎市が芸術文化鑑賞活動として位置づけ学校運営費などによる学校公演、上演活動の助成制度を創設する。 6 憲法を守る立場から市民・団体が取り組んでいる企画に対し、市の後援要請がある場合は拒否せず、推奨するこ と。 7 ﹁演劇のまち、かわさき﹂を﹁音楽のまち、かわさき﹂﹁スポーツのまち、かわさき﹂と同様に位置づけ、それに ふさわしい予算処置を行う。 ― 126 ― ︵二︶豊かな市民文化をはぐくむ、使いやすい文化施設を身近なところに 1 文化芸術活動の場として欠かせない施設が少なく確保が困難となっている、施設不足解消を図る。 2 分館構想を復活させ、ブランクエリアに市民館・図書館分館をつくる。︵再掲︶ 3 市民の教育・文化活動を支援する立場から、施設利用料金の値上げを止め、低額化を図る。市内の文化・教育団 体、グループの利用については、教育文化会館・市民館ホールの利用料の免措置取扱要綱を広く周知し、さらなる 軽減措置を行う。 ふれあいネット活用について ― 127 ― 4 会館の閉館時間は午後9時が多いが、ホール使用は主催者の延長要望に応えられる体制にする。 5 県立川崎図書館は分散せず、川崎市内に残す。また、産業に関する資料だけでなく、一般市民に親しまれる蔵書 を増やすなど魅力ある図書館のあり方を広く市民の意見を聞くとともに、運営審議会を設けて改革を図る。 6 絵画、写真など美術活動の発表の場が少なく、市民館の申し込みは、2年から3 年待ちになっている。駅前の ギャラリー、空き店舗などを借り上げ、市民館並みの使用料で開放する。 7 太鼓・バンドなど音の出せる会場が圧倒的に不足している。若者が周囲に気兼ねすることなく活動ができるよう に防音対応の演奏会場、練習場を確保する。こども文化センターで防音装置のあるスタジオがない中原区と多摩区 にすみやかに整備をする。 8 安い利用料で何日も芝居の稽古や、創作活動に使える﹁芸術の家﹂を、空き工場や大きな空き店舗を活用してつ くる。 9 ﹁ミューザかわさき﹂は、特定の音楽団体に限らず、市内の音楽団体の発表の場を保障する。市民がよい音楽に気 軽に親しめる工夫を保障する運営方針を堅持する。そのための助成が必要であれば、市民の文化活動助成として手 当てする。 ﹁ラゾーナ川崎プラザソル﹂は、市民文化育成の目的を果たすことができるように、運営団体に補助を行い、利用 料を大幅に下げる。 ﹁アートセンター﹂は、市民が芸術文化を発信し、創造するという基本理念を実現するものにする。管理、運営、 企画を市民参加で行う。 10 11 12 ① 施設不足から予約が殺到し、利用制限の強化が行なわれている。施設の不正利用の改善のために現場職員の体 制を強化することで対応する。 ② 登録区分の種類による利用制限をなくし、どの施設も利用できるようにする。 ③ 個人情報については、できるだけ簡略化し、プライバシーの保護につとめる。 ︵三 ︶ 地域の文化・歴史的遺産などを保全し、将来に受け継ぐ 1 文化財保護条例を改正し、歴史的な遺構や文化景観などの保存整備計画を作って、東海道、大山街道、円筒分水、 二ヶ領用水など、市内の歴史的風土・建築物・町並みや街道を復元・保存する。文化財保護のための補助金を抜本 的に増額する。文化財保護費は、保護対象が決まってから予算をつけるやり方を改め、文化財調査員の増員で、保 護対象を増やして調査・研究をすすめるとともに文化財保護にむけて実効ある施策を推進する。引き続き国に対 し、文化財保護に関する財源の拡充を求める。 2 貴重な戦争遺産である﹁明治大学平和教育登戸研究所資料館﹂を本市の平和教育に活用する。その存在を市民に 広報するとともに、全国に発信する。また、館の運営、保存のための助成を行なう。 3 文化財に指定された、奈良時代の武蔵国橘樹郡衙をはじめ、千年伊勢山台周辺から影向寺にいたる大規模な歴史 的埋蔵文化財を保存し活用していくことは重要な意義ある事業である。影向寺から遺跡全体を市民が安全に見学で きるような歴史公園として整備、交通環境を整える。 4 郷土芸能などの無形文化財を守り、引き続き保存会を全面的に助成し、継承させる。また、おはやしなど、引き 続き郷土芸能の復活にも力を入れ支援する。 5 市民ミュージアムは、指定管理を止め市の直営として博物館、美術館としての機能を充実する。 6 国際交流センターを中心に外国の人たちとの文化交流が行われている。身近な地域で多様な国々との異文化交流 ができるよう発展させていく。また、多くの市民が利用できるようにシャトルバスを運行させる。 7 川崎の公害問題を風化させないため、未来を見据え、公害を繰り返さない決意を込めた資料館を建設する。 ︵再掲︶ ︵四︶市民の健康と青少年の育成のために、スポーツ施設の充実をはかる ― 128 ― 1 2012年川崎市スポーツ推進計画が策定された。アンケート調査をもとに、だれもがスポーツをする権利を保 障するために身近な環境の整備、運動広場の増設を推進する。 2 市民が活動するスポーツ団体には、使用料金を減額し借りやすくする。学校法人の使用には減額措置を引き続き 行う。 3 私立学校や企業所有のグラウンド・体育館などを市民開放できるように申し入れを行なう。市民開放の日を設け た際、市の斡旋で貸し出すなども検討する。 4 スポーツができる、ボールが使える公園、広場等を整備拡充する。また既存の公園でボールが使用できるように 防球ネットなど設置をすすめる。 多摩川をすべての市民いこいの場として活用できるよう、国に申し入れるとともにあらゆるスポーツ団体が活用 ― 129 ― 5 一般市民が使えるサッカー場、パークボール場、グランドゴルフ、フットサルの競技場及び練習場を建設する。 また、少年サッカー専用グラウンドを整備する。 6 スケートボードができる広場を増設・整備する。その際、計画段階から利用者などの参加を保障し、利用者の声 を十分に反映させたものにする。 7 すべての小学校のプールを開放する。指導員の研修と人員を確保する。 8 等々力フィッシングセンターを4月∼6月・9月∼ 月の期間について、土・日だけでなく平日も朝6時から営 どの子も利用できるように、各区にプレイパークを作る。 ﹁スポーツ推進委員﹂の位置付けを高め、指導力の向上を図る。そのために研修費補助や必要経費の補助を充実す 業する。 9 等々力緑地内のプールは年間9万人が利用し、 ﹁残してほしい﹂という多数の声があり、温水プールを含め新たに 設置する。 10 民間のスポーツ施設等にAED設置のための補助を行う。 野球やサッカーなど利用している多摩川河川敷のグランド、マラソンコース、サイクリングロードなど、草刈り も含め利用しやすいように整備を定期的に行う。また、国が所管する区域についても定期的な整備を申しいれる。 る。 11 10 13 12 14 できるよう工夫して整備する。また、民間企業の施設も開放できるように申し入れる。 簡易型水洗トイレの設置を促進するとともに、可能なところには、水洗トイレを優先して設置する。 多摩川のサイクリングコースを市内すべてつなげる。 富士見公園内の市立体育館の建て替え中は、市は責任をもって近隣に代替施設を確保する。 才以上の高齢者には、スポーツセンター利用割引を実施する。 障がい者専用のスポーツ施設を建設する。専任の指導者を配置し、温水プール、体育館、宿泊施設などを備えた ものにする。 ︵再掲︶ 既存の市民スポーツ施設に障がい者利用のため整備を行い、障がい者スポーツ教室を積極的に開設する。そのた めの指導員を養成し、配置する。 ︵再掲︶ 75 市内に一箇所もないアイススケート場をつくる。 市内各区に飲食可能な文化交流、スポーツなどが楽しめる低額で利用できる公的施設を建設する。 第十一 章 女性の地位向上と社会参加の向上を 年、日本では﹁男女共同参 ﹁女子に対するあらゆる形態の差別に関する条約﹂︵1979年︶が国連で採択されて 画社会基本法﹂が1999年に公布・施行され 年がたちました。この間、育児介護休業法、DV防止法、男女雇用 37 ない﹂と厳しく指摘。民法改正や選択議定書批准、日本軍慰安婦問題の解決を再度強調し、新たに所得税法見直し、 が要因です。今年3月に発表された、国連女性差別撤廃委員会の﹁総括所見﹂は﹁前回の勧告が完全に履行されてい しかし、世界経済フォーラムが2015 年に公表した社会進出や政治参加の性別格差ランキングでは日本は14 5ヵ国中101位です。日本の順位が低いのは、経済的な機会︵106位︶と政治参加︵104位︶の2分野の遅れ れました。 きました。安倍政権は﹁一億総活躍社会﹂をかかげ、 ﹁女性の活躍﹂を成長戦略の中核とし、女性活躍推進法が施行さ 機会均等法、パート労働法など法律上の整備がすすめられ、地方条例の制定・計画策定などの取り組みも進められて 17 ― 130 ― 19 18 17 16 15 20 22 21 最低基準の生活を保障するための年金制度改定が入りました。他にも政治への女性の進出、女性に対する暴力の防 止、雇用、農業、教育、高齢女性の貧困、マイノリティー女性への対策等が勧告されています。 日本の女性の現実はどうかといえば、 一、働いている女性の7割は、妊娠・出産時に仕事を辞めており、女性の2人に1人は非正規雇用です。 一、政治分野の指標となる国会議員の比率は世界平均で %を超えましたが、日本は衆議院 ・6%。参議院 ・0% 13 ています。 一、男女の賃金格差は是正されず、男性を100とした所定内給与額では、女性 一、自営業・農業女性の自家労賃もいまだ認められていません。 ・2です。 一、相次ぐ労働法制の改悪、非正規雇用の増大、長時間労働、セクハラ・マタハラの横行で女性の雇用状況は悪化し です。 ﹁意思決定機関に3割の女性﹂という国連女性差別撤廃委員会の目標からはかなり隔たっています。 11 一、配偶者間の殺人、傷害、暴行5807件のうち5417件︵ ・3%︶は、女性が被害者です。 一、女性の生き方にかかわる結婚や出産などを揶揄され、中傷されています。 でなく、非正規雇用・パート労働を余儀なくされ、貧困から抜け出せません。 一、子育て、家事、育児、仕事を一人でこなさなくてはならないシングルマザーにとって、雇用状況が良くないだけ 72 一、所得税法第 条を廃止し、自営業・農業に従事する家族の働き分を経費として認めるなど、雇用労働の場での事 す。 休業制度の周知徹底と育児介護休業の取得しやすい環境整備の拡充など、人間らしく働けるルールをつくることで このような現実を是正するために求められている方向は、次のようになります。 一、雇用については、正規雇用の拡大、男女共通の労働時間短縮、不払い残業の根絶、母性保護の拡充、育児・介護 93 められます。妊娠・出産にかかる費用負担の軽減をはかり、保育所増設により待機児童を解消し、父母が心身とも にゆとりをもてる子育て環境が必要です。﹁保育園落ちた﹂ブログへの共感に見られるとおり、待機児童解消は待っ たなしです。 一、公人によるセクハラ・女性蔑視、差別を許さず、厳しい処分と再発防止策が必要です。 ― 131 ― 20 一、格差と貧困拡大のなかで、 ﹁安心して子育てできる社会環境をつくり、経済的保障の充実を図る﹂ことが切実に求 実上の平等の実現が必要です。 56 一、暴力から女性の人権を守るため、DV法、ストーカー法などに基づき、被害者の保護及び安全と安心の確保、自 立支援の充実、生活再建などの取り組みの強化が求められます。また、加害者の更生対策の確立など再発防止、子 どもへのケアを図ることが求められます。 このような状況を踏まえると、川崎市においては、日本国憲法が示している﹁基本的人権の尊重・両性の平等﹂の 理念と国連女性差別撤廃条約を生かした、女性の地位向上と社会参加の向上をはかれるような、男女共同参画基本計 画の策定と実施が必要となります。女性がいきいきと働くことのできる社会は、企業や経済を活性化させ、男性の雇 用や労働条件を改善し、税収増を通じてお年寄りや子どもたちの福祉にも新たなメリットを生み出していきます。女 性の地位の改善が社会全体の利益につながります。 以下5項目について具体的に提案します。 年 4 月、 課 長 級 16 18 2 女性の雇用条件改善のために 強く企業を指導することを県や労働局に求める。 ① 女子保護規定の復活を国に求める。 ② リストラが横行し、パート、派遣労働など、非正規雇用が増大している。その多くを女性が占めているなかで、 低賃金、母性を無視した長時間労働などが横行している。労働法令を遵守して安心して働くことができるよう、 35 ③ 産前産後休業制度・育児休業制度が﹁労働者の権利として確保﹂できるようすべての企業に適用させ、賃金保 ― 132 ― 1 男女平等の取り組みをすすめる 18 ③ 教育現場での男女平等、女性の人権尊重、女性の地位向上をすすめる教育を今後も重視する。 ④ ありとあらゆる機会を捉えて、男女平等の取り組みを進める。 ⑤ 公人によるセクハラ、女性蔑視を許さず、厳しい処分と再発防止に取り組む。 %︵ ① 第 3 期 川 崎 市 男 女 平 等 推 進 行 動 計 画 の 実 行 に あ た り、 第 2 期 計 画 で 未 達 成 で あ る 審 議 会 の 女 性 委 員 比 率 % ︵ 年6月、 ・3%︶を早期に達成し、女性委員ゼロの審議会をなくす。 ・2%、部長級9・6%、局長級6・0%︶ 29 ② 市職員における女性の管理職の比率を を早期に達成する。 15 障、期間の延長などの内容充実を指導し、啓発し男女ともに働き続けられるための条件整備を行なう。 ④ 介護休暇・休業制度については、育児介護休業法に基づき、最低一年間の休業、回数及び対象の拡大、賃金保 障などを国に働きかける。 時半までである。夜間休日の緊急なDV被 3 DV被害者などの保護対策強化 ① 心理的虐待が増加していることから、保健福祉センターにおいてDV被害者の相談にあたる女性相談員の勤務 を常勤化する。女性相談員のバックアップ体制をはかる部署を明らかにする。2016年度に、DV被害に関わ る総合相談窓口が開設されたが、非常勤の相談員2名体制で受付は 害の相談体制を整備する。 ② DV被害者の実態調査を経年的に行ない、実態を正確に把握し、さらなる対応の強化をはかる。 ③ 被害者救済のためのシェルターのさらなる増設と運営費補助金のさらなる拡充を行なう。シェルターに入ると 1日8千円が必要となり長くいられないことから、被害者に対する補助を行なう。 ④ DV加害者から逃れてきた母子も受け入れている﹁ヒルズすえなが﹂は築 年が経過し、維持が大変になって いることから改築するとともに、母子生活支援施設を増設し、子育てが困難な母子家庭の援助をいっそうきめ細 やかに行なう。 ⑤ さまざまな事情により、自立して生活することが困難な女性が生活自立や社会自立できるよう支援する﹁女性 自立支援センター﹂の設置を急ぐ。 30 川崎市男女共同参画センターが公募する男女共同参画共同事業費を増額する。 強化し、災害時における女性特有の悩みに対応できる体制をつくる。 地域の医療機関、助産機関、保健センター、保育・教育機関、男女共同参画センター等との連携をひきつづき 4 女性と防災 ① 災害対策、運営対策への女性の参加の比率を高め、今後もさらなる女性の視点や声を反映させる。 ② ③ ― 133 ― 16 すくらむネットが主催する﹁男女平等フォーラム﹂の開催方法やテーマを、市民団体・グループも加わった実 とから、すくらむネットに市民団体も参加できるようにする。 6 すくらむネットについて ① 男女共同参画の理念を広め、具体的に進めていくためには、広範囲な市民グループや団体の力が必要であるこ ② 行委員会方式にし、多くの市民が参加し、解決しなければならないテーマを共有し取り組む。 第十二 章 青年の願いにこたえる施策の充実を ﹁ 歳選挙権﹂が実施されました。これによって全国で新た 2016年参議院選挙から選挙権年齢が引き下げられ、 に240 万人、川崎市内ではおよそ2万4600 人が新しく有権者となりました。長年の政治教育は十分に行われ ず、主権者教育の不十分さは、若者の政治的関心の低さの要因の一つと指摘されてきました。 歳選挙権を前に政治 生は少なくありません。また、就職活動の時期になれば、学業に専念できません。就職したあとも奨学金の返済で苦 生は、高い学費によって、アルバイトに追われ、学ぶ機会を奪われ、重すぎる負担で精神的に追いつめられている学 著となり奨学金を受ける生徒・学生が、進学をあきらめたり、退学・休学せざるをえない事態が広がっています。学 ﹁過度の競争主義﹂の強まりとともに、経済的格差から全日制公立高校に進学できず、定時制や通信制高 高校生は、 校に進学している状況があります。経済状況の悪化が家庭を直撃し、授業料減免や奨学金などの制度の不十分さが顕 がり、希望を奪うものとなっていることは重大です。 一人ひとりの自由な学び、青年が成長できる環境が十分保障されているとはいえません。青年の中に格差と貧困が広 勢が切り開かれる一方、青年がおかれている日本の現状は、深刻で厳しい実態が広がっています。高校生・大学生の そ、民主主義の国の教育といえます。主権者を育む政治教育を守り、発展させていくことが求められます。同時に情 とは、文科省も認めたように生きた教育として重要です。生徒も教師も自由闊達に政治や社会の問題を語り合えてこ 教育を盛んにすることは日本の民主主義の重要な課題です。現役の高校生が加わり、現実の政治課題を取り上げるこ 18 しんでいる青年が増えています。働く青年のあいだには、低賃金や雇用破壊︵派遣・請負・期間社員など非正規雇 ― 134 ― 18 用︶ 、長時間労働、ブラック企業がまん延しています。 日に、今春の大学生等と中学・高校生の就職状況調査結果を発表し、高校新卒者の就職内定 厚生労働省は、5月 率 ・7%、高校新卒者の就職状況調査結果を発表し、高校新卒者の就職内定率 ・7%︵前年0・2%増︶、大学等 97 すると、大学生等卒業生に対する就職者の割合は ・7%で﹁一時的な仕事に就いた者﹂と﹁進学も就職もしていな 卒業者の就職率は ・5%︵同0・8%増︶となりましたが、一方、内定率に現れない厳しい実態があることに着目 20 い者﹂が合わせて ・6%です。高校生は4・3%︵4万5594人︶が進路未定です︵文部科学省学校基本調査速 74 97 は、就業率は ・7%と前年同月に比べ0・6%上昇したものの、正規労働者は3324万人と2万人減少、非正規 く︵5・8%︶ 、離職率も高いため求人をせざるをえないものとなっています。2014年6月総務省の労働力調査で 報2016・8︶ 。就職状況は改善していますが、求職者が増えていない状況に加えて、内実は非正規雇用の比率が高 10 労働者は1936万人と 万人増加しました。非正規労働者のなか若者が半数を占めています。 57 36 歳から 歳までの若年無業者は 25 歳の年長フリー 24 34 15 万人、フリーターの人数は180万人です。 歳∼ 63 20 12年5 月発表した労働力調査によると、4月の完全失業率は、年代別にみると、 歳から 歳の青年層は 9・4%と最も深刻です。大卒者の3割以上が3年以内に離職し、この傾向は変わっていません。内閣府調査201 2年では、 34 ・6%が﹁賃金の条件がよい会社にかわりたい﹂とし、職業生活の﹁賃金﹂についての満足度︵D.I.︶は、 ちに貧困に陥ることにはならない場合がありますが、 ∼ 歳というのは、職業を確保し、技術や能力を身につけ、 過密労働で疲労とストレスのもとにおかれています。若い世代の中には、親元で生活し、家族に収入があれば、ただ 正規社員が2・8%、非正規社員がマイナス2%と、ともに最も低いものとなっています。青年の職場では、長時間 員の ターは2009年以降増加を続けています。2013年﹁若者雇用実態調査﹂では、 ﹃転職したいと思っている﹄正社 15 30 年の自殺率を上昇させている警告しています。川崎市においては 歳から 歳までの死因は自殺で %と全国平均よ 29 20 りも %高く、原因・動機別自殺者の割合では勤務問題があげられ、川崎市は全国で3番目となっています。これは 20 が増えています。内閣府の2012年版自殺対策白書は、非正規雇用の割合の増加など若年層の雇用情勢の悪化が近 れない﹂ ﹁まともな職がない﹂ということから、﹁自己責任﹂であるかのような風潮がつくられ、心に病を抱える世代 経験を積み自立して生活を送る中で、家庭をもち、人間らしい生活を営む大事な時期です。ところが、 ﹁正規職員にな 20 政治や社会の責任であり、青年に責任を押しつけることがあってはなりません。 青年が人間らしく自立して生きていくための環境整備や施策を促進していくことが自治体に求められます。 ― 135 ― 97 44 10 2015年年度川崎の市立高校生5校の内定状況は、全日制で ・6%︵前年度 ・5%︶、定時制で ・6%︵前 年 ・7%︶ 。昨年度は 人、今年度は 人が未内定のまま卒業しました。求人数は、増加傾向にあるものの、200 12 98 99 91 川崎市の非正規雇用者は2012年には雇用者の3分の1を超える 万1千人、 年の約 万1千人から 万人近 く増加しています。 ︵2012年就業構造基本調査︶。また、若年無業者数は、およそ1万1千人︵2013年︶。 歳 の関係づくりを構築し、社会参加への道につなげる支援が必要です。 実施をしています。中断をさせることなく充実させていくことが大切です。若者のニートやひこもり対策など、人と 業を終了したため、川崎市では、かわさき若者サポートステーションをクネクションズかわさきに名称を変更して、 の円滑な誘導、学力を含む基礎力向上に向けた継続支援を行なうものです。しかし、2016年度から、国は委託事 置づけました。この事業は、特にニート状態に陥るリスクの高い高校中退者等に対して訪問支援による学校教育から 年度から国は各自治体で委託する地域若者サポートステーションを活用して﹁高校中退者等アウトリーチ事業﹂を位 して職業的自立支援を行なっている地域若者サポートステーションとの連携の強化を訴えています。また、2010 得る方法がわからず苦労する生徒が多いことが明らかになった﹂としています。中途退学した生徒に対して、学校と という実態もあります。内閣府の﹁若者の意識調査に関する調査﹂では、 ﹁高等学校を中途退学した後に適切な情報を たのとことです。 ﹁生徒に勧めたくないような働き方の不安定雇用の就職先が増えている﹂ ︵市立高校の進路担当教員︶ 8年599社あったのが2011年には400社に激減し、過去に卒業生を送り出してきた企業からの求人も半減し 16 97 11 10 15 ∼ 歳を 歳までに引き上げ推計値をだしています。無業者数が高年齢化し、その数は年々増加傾向にあり、対策が 22 が少なすぎるのが問題ではないか﹂ ﹁増税するならお金持ちからにしてほしい﹂﹁ブラック企業を根絶﹂と、青年が不 加する多くの若者の姿があります。格差や貧困、不安定雇用、就職難のなかで、必死に努力しながら、 ﹁まともな仕事 東日本大震災・福島第一原発事故・熊本地震などをきっかけに、被災地へのボランティア活動や原発反対の運動に参 日常の生活が脅かされる動きについて、自分たちの問題ととらえ、現実的な危機感を高めたものといえます。また、 の回復﹂ ﹁個人の尊厳﹂をと、学生や高校生が行動にたちあがり、国内外で大きな反響を及ぼしました。青年たちは、 こうした高校生・学生などの青年をとりまく現状は厳しく、社会的支援が求められますが、同時にいつの時代でも 正義感と探究心を持っているのが青年の特徴でもあります。この1∼2年、﹁安保法制=戦争法案廃案を﹂﹁立憲主義 を増やすことが求められます。 急がれます。 ﹁福祉増進﹂ ﹁雇用の安定﹂をすべき行政のあり方として、不足している保育士、介護士などの正規雇用 39 ― 136 ― 86 35 当な社会の現実に目をむけ、日本のあり方について考えています。人と人との結びつきや社会的連帯を大切に思い、 ﹁今の社会はこのままでいいのか﹂という模索を強めていきているのが青年の特徴です。 ︵一︶高校生・大学生など、青年の雇用対策にとりくむ 1 川崎市の正規職員を増やす。特に不足をしている教員、消防士、保育士や介護職などに携わる福祉関係職員など 正規職員を増強する。 ― 137 ― 2 川崎市内の大企業に、新規採用を増やしていくように申し入れる。 3 市内大企業に対し、青年労働者の積極的雇用を強く求めると同時に、違法な派遣切りや、不当な解雇を是正させ るように申し入れをする。 4 新期大卒者及び既卒者の合同就職説明会の回数を増やすとともに、他の青年にも対象を広げて、説明会を開き、 企業とのマッチングを推進する。 5 失業している若者や新卒未就職者などに職業訓練や資格取得の機会を提供するとともに、技術や技能、資格を取 得できる場を市独自で設置する。 6 ﹁就職準備セミナー﹂及び﹁無料職業紹介﹂の相談窓口体制を充実させる。実態に合わせ職業訓練場を設置し、就 業できる条件を広げる 7 青年労働者の労働相談窓口を強化し、青年労働者の労働環境の改善に努める。 8 青年の求職状況調査及び、新規雇用実態調査にもとづき、具体的な対策を講じる。青年の就職活動に対する支援 を抜本的に強化し、広報活動を強化する。 9 公の機関が関与する正規雇用の橋渡しとなる国のトライアル事業を新卒者以外にも対象を広げ、市の制度として たちあげる。 青年労働者の職場の実態調査を実施し、労働者を酷使・選別し、使い捨てにする﹁ブラック企業﹂は、名前を公 表させるだけではなく是正させる。市が委託するキャリアサポートかわさきが求人開拓する企業、違法行為を続け 東京都で実施する奨励金制度を本市でも創設し、市内中小企業が若者を正規雇用化及び職場定着を促進できるよ る企業があれば求人の対象にさせないようにする。 10 11 う、奨励金を支給する。 ●高校生等の就労支援 ① 市内企業が学校に出向き、直接事業内容を説明して、職に結び付ける事業を市独自で実施する。 ② 新卒未就職者等就業支援事業の職種を増やし、市独自で正規雇用の拡大につなげるようにする。市の事業であ ることから、定着して就労できているか実態を把握していく。 ③ 高卒予定者・合同就職説明会の回数を増やし充実させる。 ④ すべての市立高校・定時制高校での進路指導において、職業指導を充実させ就職を専門的に行なうことができ るように、就職支援相談員の体制をはかる。 ― 138 ― ⑤ 川崎市立高校定時制と若者サポートステーション︵現在、コネクションズかわさき︶との連携の就労に︵寄り 添い型支援︶をすべての定時制高校で実施する。︵再掲︶ ⑥ 県立田奈高校が実施している有給職業体験事業を市内の企業に協力を呼びかけて、市として事業をたちあげる。 ⑦ 市内高校卒業者の就職援助を強化する。すべての就職希望者が就職できるように市内中小企業を訪問し、市長 先頭に庁内あげて求人開拓をして雇用確保する。 ⑧ 生徒が希望する職につけるように企業開拓を行なう就職指導支援員を各高校に配置する。 ⑨ 就職を希望している市立中学・高校卒業生の就職の実態を把握し、内定取り消しや入職繰り下げ、オワハラな どが起きることがないように企業に申し入れる。 ⑩ 就職できなかった市内高校卒業生について、コネクションズかわさきと連携して就職相談や職業訓練の場など の支援を行ない、生徒との関係を途切らせないようにする。 ︵二︶青年の権利を守り、自立した生活をおくれるよう支援する 歳選挙権が実施されました。学校現場では、主権者を育む政治教育を守り、生徒も教師も自由闊達に政治や社 1 会の問題を語り合える教育環境をつくる。学校教育の場以外では、政治や社会のことを学ぶ機会が少ないため、気 軽に話し合える場や主権者教育のセミナーなど開催し、関心を高める環境をつくっていく。 2 青年労働者の雇用上の権利を確立するため、使用者との雇用契約が書面によりきちんと交わされるよう、市内企 18 業への申し入れや実態調査を実施し徹底指導する。 3 不当労働行為から青年労働者を守るようPRを徹底し、街頭やインターネットを利用した労働問題の相談ができ るように相談活動を強化する。とりわけ、利用者が増えている街頭での労働相談は、回数や場所を増やす。 コネクションズかわさきに青年が気軽に安心して利用できるように、またプライバシーに配慮し、施設内を充実さ せる。相談支援スタッフを増やしていく。また南部地域にも設置する。 4 ﹁若年者のキャリアカウンセリング﹂を、若者の生活実態に合わせた場所・時間帯に相談窓口を増やしカウンセリ ングの充実をはかる。 5 キャリアサポートかわさきは、開設当初は若年者対象の﹁若者キャリアサポートかわさき﹂として設置された。 青年の特質から、 ﹁若者キャリアサポート﹂として位置付けをもって立ち上げる。 6 低賃金のために自立できず生活支援を必要とする若者が気軽に相談できる窓口を各行政区に設置する。 7 新卒で就職が出来なかった青年や離職した青年などに、自立して生活できる生活資金制度を創設する。 県 作 成 し た﹁ 働 く 権 利 ﹂ ﹁労働条件﹂が青年向け﹁パンフレット﹂を、市立中学、高校の全生徒に普及・活用 8 収入の少ない単身青年労働者に家賃補助制度をつくる。 ●高校生の支援 ① し、授業の中でも取り入れる。また、神奈川労働局の職員や弁護士などを招いて、労働法制の﹁出前講座﹂を行 なう。ブラックバイトが社会問題となっている。また、アルバイトでも権利が保障されることが一目でわかる高 校生向けリーフレットを市独自で作成し、市立高校全生徒に配布する。ポスターなど神奈川県と連携して掲示す るなど啓発を強める。 ② 高校では進学率が義務教育と実態が変わらず、公立の学校で授業料を徴収することは高校教育の現実にそぐわ ないことから、高校授業料無償化にするように国に申し入れる。 ③ 高校を中途退学した生徒に対して、自宅に訪問するアウトリーチ事業を実施して支援をはかる。 ●大学生等の支援 ① 給付制の奨学金制度を国に申し入れるとともに、市独自で実施した大学生の奨学金制度を短大や専門学校に拡 大させる。経済的理由で進学を断念する青年をうむことがないように給付型の大学奨学金の創設及び無理し奨学 金を拡充する。 ― 139 ― ︵三︶文化芸術スポーツの自主的活動を支援する 1 バンド演奏や多様なパフォーマンスなどが可能なライブスタジオと練習場を全区に設置する。 2 青年の自主的な文化・芸術、スポーツ活動に対し、施設使用料の減額など助成を行なう。低廉で、夜間・早朝な ど、いつでも使える、文化、芸術活動を支援する拠点施設を各行政区に整備する。 3 商店街の空き店舗などを活用し、青少年の文化芸術活動の拠点として整備する。 4 スケートボード、BMXなど、川崎の中部・北部に安心して練習できる施設をつくる。 5 川崎駅前のさいか屋跡地などに、青少年が自主性と社会性を身に着け、自ら社会参加できる施設︵音楽、スポー ツ、学習など青少年の様々なニーズにこたえるハード・ソフトの両面での多機能を備えた施設︶を整備する。その ― 140 ― 際、様々な問題に対応できるような幅広い人材スタッフと大学生ボランティアを活用する。 ︵四︶川崎市子ども・若者実態調査方法のあり方を改善する。 1 青年実態をより反映できるよう5年に1度の3年にする。調査対象者を増やし雇用形態や実態など内容を充実さ せ改善する。 第十三 章 ﹁核兵器廃絶﹂の機運を高め、平和を守る憲法9条を生かした取 り組 み を 強 め る 広島、長崎の被爆から 年を経て、核兵器の禁止・廃絶へ、世界が大きく動こうとしています。2015年、5年 に一度の核不拡散条約︵NPT︶再検討会議が国連で開催され、日本からは1000人を超す代表団、市民が参加し、 633万筆の署名が提出されました。NPT再検討会議では、核兵器の非人道性を告発し、 ﹁核兵器の人道的影響に関 71 する﹂共同声明への賛同は160カ国︵史上最大︶、国連加盟国の8割にぼっています。毎年の国連総会では﹁核兵器 禁止条約の国際交渉を開始する﹂ための決議が圧倒的多数の賛成で採択され、2015年、その法的措置を議論する 作業部会が設置され、核兵器禁止条約を本格的に議論する画期的な会議が、2016年2月から開かれています。8 月には作業部会の最終会合が国連欧州本部で開かれ、9月の国連総会に対し、核兵器禁止条約の交渉を2017年に 開始するよう勧告しました。これには国連加盟国の過半数となる106か国の支持がありました。2016年5月に は、オバマ米大統領が広島を訪問。原爆を投下した核超大国の現職大統領が爆心地の公園に足を運び、被爆者を前に ﹁核兵器なき世界を追求﹂すると演説。8月にはオバマ大統領は核兵器の﹁先制不使用﹂など﹁核兵器なき世界﹂に向 けた米国政府の政策変更を検討していると報道されています。 一方、日本政府は、国連総会での核兵器禁止の国際交渉開始を求める決議案に対して1996年に初めて提案され てから2015 年の総会にいたるまで 年連続で﹁棄権﹂しています。先ほどの作業部会の設置に対しても﹁棄権﹂ し、 ﹁棄権﹂したのに会議に出てきて核保有国が主張する﹁段階的アプローチが現実的﹂などと核保有国の代弁者とし て振舞い、8月の国連総会に対する核兵器禁止条約の交渉開始を求める勧告に対しても棄権しました。オバマ大統領 の核兵器の﹁先制不使用﹂に対しても安倍首相は﹁抑止力を弱める﹂として反対の意向を示したと報道されるなど、 唯一の被爆国とはとても思えない態度を示しています。 被爆 年をへて、唯一の被爆国である日本政府が、被爆国にふさわしい役割を発揮するべきです。非核三原則の厳 守とアメリカの﹁核の傘﹂から離脱をして、核兵器禁止条約の実現に向けて先頭に立つべきです。 国民の世論と運動は広がり、 ﹁戦争法廃止﹂の署名は1500万人を超えています。戦争法が施行されたことによっ て、戦後はじめて、日本の自衛隊が〝海外で外国人を殺し、戦死者を出す〟危険が現実のものとなっています。南スー ダンのPKO︵国連平和維持活動︶に派遣されている自衛隊の任務拡大、イラクやシリアでの過激組織ISに対する 軍事作戦への自衛隊の参加、アフガニスタンの治安部隊を支援する軍事活動への自衛隊の参加などが、最初の﹁殺し、 殺される﹂ケースになりかねません。地方自治体に対しても、港湾、道路などは、自衛隊、軍隊が優先的に利用され、 指定公共機関である放送、通信、電力、交通機関なども協力が義務付けられるなど自治体と市民を戦争動員させる内 容になっています。戦争法は一刻も放置できません。その廃止は急務です。 ― 141 ― 20 安倍政権は、2015年9月、国民多数の反対の意思も、8割の国民の﹁審議が不十分﹂という声も、9割以上の 憲法学者の﹁憲法違反﹂との厳しい指摘も、いっさい無視して安保法制=戦争法を強行しました。戦争法強行後も、 71 安倍晋三首相は、2016年7月の参議院選挙では、街頭演説で憲法に一言も触れず、選挙が終わると任期中の改 憲に向け、国会の憲法審査会で改憲の発議案の検討を始めようとしています。見過ごせないのは安倍首相がさっそく 自民党の改憲案が﹁ベース﹂ ︵土台︶になると言い出したことです。自民党の改憲案はまず﹁日本国民は、正当に選挙 された国会における代表者を通じて行動し﹂ ﹁政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする﹂とい う現行憲法の前文そのものを削除し、国民主権と恒久平和主義を否定。さらに憲法9条の戦力不保持を削除して﹁国 防軍﹂を置くことや、国民の権利は﹁公益及び公の秩序に反してはならない﹂と、基本的人権を制限。現行憲法の最 高法規の章の冒頭に掲げられた第 条﹁基本的人権は⋮侵すことのできない永久の権利﹂も全面削除しています。緊 急事態条項では、緊急事態における地方自治体、国民への要請は、 ﹁協力を求める﹂から﹁指示に従わなければならな い﹂としました。このような国民主権、平和主義、基本的人権、地方自治という憲法原則を軒並み破壊する改憲は、 絶対に許されるものではありません。 隻体制となり、約一千人の米軍兵士が増強されま 日本第2の基地県である神奈川県では、日米ガイドラインとそれを実行するための戦争法を一体で、基地強化、米 軍・自衛隊の一体化が進められています。横須賀では、2015年から原子力空母ロナルド・レーガンが配備され、 ミサイル駆逐艦2隻とミサイル巡洋艦1隻が追加され過去最多の の演習ができる世界最新の作戦指揮訓練センターが建設され、すでに米陸軍と陸上自衛隊がインド洋の架空の島に展 兵の計画・訓練・指揮を一元的に行う司令部を持つ中央即応集団が座間に移転。相模補給廠内に、作戦・指揮・管制 共同作戦できる体制ができています。キャンプ座間では、米陸軍の第1軍前方司令部が発足し、陸上自衛隊の海外派 れ、各艦船のコンピュータとデータリンクしており、米軍と自衛隊の調整センターがすでに稼働するなど、平時から が可能な状況が作られつつあります。厚木基地では、空母航空団の早期警戒機や戦闘機も次々と新型のものに変更さ 米第7艦隊司令部に常駐し、共同交戦能力というシステムが日米どちらの艦船、戦闘機にも搭載され、日米共同作戦 す。米海軍作戦部長は﹁米空母打撃軍と海上自衛隊は共同で作戦を行う統合化を進めている﹂と述べ、自衛隊幹部が 14 機配備、木更津にオスプレイ整備工場の設置が発表され、オスプレイの本市上空の飛来が予 川崎市も参加する﹁平和首長会議﹂は、核兵器廃絶の実現と世界恒久平和実現を目的に世界161カ国、7095 るとともに、米軍基地の縮小・撤去を国に強く求めます。 ― 142 ― 97 開することを想定した合同演習が実施されています。オスプレイの厚木基地での離着陸訓練が実施され、横田基地へ のCV︱ オスプレイ 10 想されます。このような戦争法の実施に向けた基地強化と米軍・自衛隊の一体化のためのすべての策動の中止を求め 22 都市、日本では1639自治体︵自治体の ・1%︶にまで広がっています。﹁核兵器廃絶平和都市宣言﹂を全国に先 駆けて作った川崎市は、核兵器廃絶の実現と平和施策の先頭に立つことは当然の責務です。核兵器廃絶に背を向け、 憲法9条を破壊する戦争法を強行採決した政府に、核兵器廃絶と戦争法の廃止を求めるべきです。若者を再び戦場に 送り出すことにつながる自衛隊への協力は拒否するべきです。平和施策の推進のための特別の予算と企画を進めるべ きです。日本が起こした過去の侵略戦争の歴史や平和、憲法について知る機会を保障し、戦争被害の事実を後世に伝 える場、戦争遺跡の保存など、平和施策のいっそうの充実が今ほど求められているときはありません。 1 非核三原則︵核兵器を作らず、持たず、持ち込ませず︶を法制化するよう、国に求める。国に対して安保法制= 戦争法の廃止を求める。オスプレイ配備の反対と低空飛行訓練の中止を求める。 2 ﹁平和首長会議﹂ ﹁非核自治体協議会﹂へ市長は参加し、広島市・長崎市などとの連帯・交流を深め、平和首長の 行動計画に基づき川崎市として﹁核兵器廃絶﹂を求める具体的な行動計画を作る。﹁平和首長会議﹂の﹁2020ビ ジョン﹂ ︵①すべての核兵器の実戦配備の即時解除、②核兵器禁止条約締結に向けた具体的交渉の開始、③核兵器禁 止条約の締結、④2020年を目標とするすべての核兵器の解体︶の実現に向けた行動を国に求める。 3 平和推進事業費︵平和推進補助事業費も含む︶は毎年減額され続けており、 年前と比べると599万円から2 13万円へと3分の1に、平和啓発事業費も 年前の %となっている。平和施策の特別の推進を図るためにもこ れらの予算の増額をする。 32 10 4 平和事業を市民参加で進めるために、﹁︵仮称︶平和推進委員会﹂を立ち上げ、施策の充実を図る。 5 ﹁核兵器廃絶平和都市宣言﹂の普及に努める。各学校で﹁平和都市宣言﹂を掲示するとともに、平和施策の普及を 図る。 10 巡回平和展は、地域のボランティアの協力を得るなど、創意工夫で体制を充実し、引き続き各区で開催する。 市民の平和学習を保証し、企画などへの後援や公共施設の利用を推進する。 市民の平和活動を支援する﹁平和推進事業補助金制度﹂の各企画に対する補助金を増額する。 ﹁平和教育﹂の推進を図るために、市内の小中学校を対象にした﹁反核・平和作文コンクール﹂を再開する。 6 平和館や市内に残る戦争遺跡等を活用するなど﹁平和教育﹂﹁平和学習﹂の推進を図る。 子どもの平和学習を進めるために、引き続き﹁平和大使﹂の助成を行う。 ① ② ③ ④ ⑤ ― 143 ― 94 ⑥ 改訂された平和ノートの活用を推進する。市民に広く周知していく。 7 ﹁平和館﹂事業の充実を図る。 ① 平和館の来場者数は年々増えており昨年度は5万1千人になった。しかし、展示企画事業費は年々予算が削減 され、2016年度︵277万円︶は 年度の3分の2、 年前の %の予算となっている。平和事業の重要性 を考え、予算の大幅なアップを行う。 12 ⑦ 平和館の図書機能は、基本構想通り 万冊を確保する。 ⑧ 平和館のホームページ、フェイスブックを、資料などのタイトルを一覧表で紹介したり、来館者の感想などを 紹介するなど、充実させる。 の充実を図る。また、小中学校の見学会など学校教育の一環として利用できるよう、教育委員会と連携する。 ⑥ 平和館の展示内容が更新された。子どもにもわかりやすくするため、アナウンスの子ども版を作る。引き続き 教育関係者などの方々の意見などを展示内容に反映させる。来館した子どもの感想などを参考にしながら、内容 ⑤ ﹁川崎と戦争﹂ ︵川崎の軍需産業、朝鮮人連行、旧陸軍登戸研究所、川崎の空襲など︶の調査を引き続きすすめ るとともに、その成果を展示など市民に公表する。 ④ 平和問題の研究・調査に当たっては、現在の嘱託の専門職員をはじめ、学問・実践に秀でた専門家の協力を得 るなど、チームで調査研究を進める。また、それにふさわしい予算を措置する。 ② 平和館のより積極的な活用は、専門家とともに市民参加で検討し、計画に反映させる。 ③ 平和館・平和公園が米軍基地跡地に建設された経過など、平和館の由来もパンフレットや館内表示をするなど 市民に知らせる。 10 8 憲法を遵守し、自衛隊への協力は行わない。 ① 憲法の平和原則を遵守する立場を堅持する。 ② 国民保護計画は撤回する。 ③ ﹁東京湾非核宣言﹂を関係自治体にも働きかけ、その実現を目指す。川崎港の﹁非核宣言﹂を率先して行い米第 7艦隊の東京湾への入港を拒否するよう関係都市と連携を図る。 ④ 自衛隊の海外派兵に反対する。PKOへの市職員の協力は行わない。 ⑤ 武器製造に関連する企業に対しては、市の土地を貸したりするなど、軍事利用につながる協力はしない。 ⑥ 米軍及び自衛隊の音楽祭の後援は行わない。この音楽祭への小・中・高校生の出演は行わない。 ― 144 ― 14 10 ⑦ 自衛官の募集業務は、中止する。中・高校生の自衛隊勧誘の協力は行わない。また、学校への自衛官募集のポ スターの掲示も行わない。 ⑧ 退職した自衛官の役職者採用は中止する。 ⑨ 市立中学校での﹁総合的な学習の時間﹂などを利用した自衛隊への体験入隊や職場体験学習は、働きかけてく る自衛隊出張所側の目的としても、また、内容的にも自衛官募集業務の一環として行われており、今後、行わな いように学校に徹底する。 9 戦争の記録を保存し、平和学習を促進する。 ① 文化庁も重要と認める全国 の戦争遺跡に選ばれている﹁旧陸軍登戸研究所﹂について、市の文化財として位 置づける。明治大学が整備した﹁資料館﹂への財政的支援を行う。文化庁の調査結果が発表になった時には、パ ンフレットの作成など、その結果を広く市民に知らせる。市内にある旧日本軍の壕や施設などを調査し、同様に 保全に努める。生田緑地内や周辺の濠の調査を進め、調査・保存に努める。︵再掲︶ ② ﹁明治大学平和教育登戸研究所資料館﹂や市内戦争遺跡を平和教育の大切な資源としてとらえ、教育委員会とも 連携して、学校教育のなかに生かす。教職員にその内容など紹介・周知する。︵再掲︶ ③ 戦争に関する証言・資料収集、編集などを引き続き行う。証言映像など制作された資料を編集し各図書館に置 くなど、市民が気軽に活用できるようにする。 ④ 日本の侵略戦争の実相、他民族に与えた被害、朝鮮人強制連行、強制労働、旧日本軍﹁慰安婦﹂の実態など、 市としても積極的に掘り起こし、市民に知らせる。 ﹁原爆被爆者援護条例﹂を制定し援護事業を充実させる。 原爆症認定制度の抜本的改善を求めた原爆症認定集団訴訟では、地裁 件中 件で勝訴しています。その間、2度 にわたり認定審査方針の見直しを行わせましたが、被爆の実態にも司法の判断にも、みあったものになっていませ 26 22 ― 145 ― 50 ん。被爆者の健康被害と生活難の対策をより充実させる。 10 第十四章 不要不急の大規模事業をやめ、福祉・くらしの充実に全力をあ げる 自 治 体 に 2015年度の決算では、 億円生じるとされた収支不足がないどころか、2025年から返済予定だった減債基 金に対して 億円返済したうえ、2億円の黒字となっています。財政調整基金にも 億6千万円積み立てた結果、基 億8千万円から 億4100万円へと倍加しました。健全化指標も実質公債費比率が201 ﹁2015年度予算案について﹂の収支見通しでは、2015年度は 億円の収支不足、2016年度は基準財政収 入額と需要額の差がゼロとなるため不交付団体になるものの124億円、2017年度187億円、2018年度 下回り、きわめて健全な財政となっています。 4年度の8・2%から2015年度は7・5%とさらに改善するなど、すべての指標において健全化基準をはるかに 金残高は2014年度 21 予算で約 億円もの不要不急の大規模事業がその必要性や緊急性について十分な説明がないまま進められようとして の橋梁工事費、事業費240億円もの東扇島堀込部埋立土地造成事業の調査費で2億4千万円計上するなど、新年度 補助金の拡充や、大型船舶の2隻同時着岸を可能とするための1号岸壁の延伸などのほか、臨港道路東扇島水江町線 一方で福田市長の税金の使い方の特徴は、市民要求には限定的に応える一方で、大規模事業はめじろ押しだという ことです。際立っていたのが港湾費で、川崎港コンテナターミナルへの航路を誘導するため1FEU当たり5千円の 針を打ち出しました。 収支見通しをもとに市長は﹁財政が厳しい﹂を強調し、市民サービスをゼロから見直す﹁スクラップ&ビルド﹂の方 はプラスになったわけですから、収支不足は4年も前倒しで解消したことになります。こうした不正確な試算による 億円の収支不足が出て、収支がプラスに転じるのは2019年度からとしていました。しかし、今回の決算では収支 54 います。しかも、2016年から2018年の3年間で326億円の収支不足が生じると予測しながら、まさに同時 期にほぼ同額の300億円もかけて羽田連絡道路建設を行うことも明らかになりました。しかし、高齢者施策の予算 は細かく削減され、新たな障害者施策もほとんどないことから、社会保障関連経費の増加が収支不足の理由にはなら ないことを指摘しました。子育て支援や高齢者への福祉施策については、福田市長の公約であった﹁小学校6年生ま ― 146 ― 50 54 で無料化する﹂とした小児医療費助成は、所得制限を残したまま小学校6年生まで引き上げるのと引き換えに、通院 28 28 10 90 一回につき上限500円の自己負担を設けるなど公約を反故にした形になりました︵2017 年度実施予定︶。特別 養護老人ホームの開設は、事業者が見つからなかったとして今年度の整備が見送られました。待機者解消にはほど遠 い状況です。 さらに、来年度実施を目指し﹁全庁的な使用料・手数料の見直し﹂方針を示し、標準的受益者負担割合と大きなか い離がある使用料・手数料について、サービス提供に要するコストとその利用状況︵原価計算︶に基づく改定を行う として、とどろきアリーナ、スポーツセンター、石川記念武道館、余熱利用市民施設、教育文化会館・市民館など使 用料の値上げ、事業系一般廃棄物処理手数料など、市民や中小企業にさらなる負担増が具体化されました。 そのうえ、今年のサマーレビューではさらに﹁高齢者外出支援乗車事業﹂﹁重度障害者医療費助成制度﹂﹁成人ぜん 息患者医療費助成制度﹂などについて見直しを検討しているとされています。 ― 147 ― 福田市長が﹁川崎市を一歩先へ、もっと先へ﹂と命名された2014年度予算でしたが、一歩先へ進んだのは大規 模事業ばかりであり、子育て、高齢者、中小企業、市民生活は置き去りにされてきたのが特徴だったと指摘せざるを 得ません。しかも、臨港道路東扇島水江町線や羽田連絡道路をはじめ、国道357の整備や川崎港の過大な拡張計画 も含めて、同時進行で進められている大規模公共事業によって延べ数千億円規模の整備費用が見込まれており、確実 に 増 え る の は 本 市 の 莫 大 な 財 政 負 担 と 長 期 債 務 だ け で す。 し か も、 莫 大 な 長 期 債 務 の 財 源 捻 出 が 必 要 と な る こ と か ら、新たに行財政改革によって福祉と市民サービスをいっそう切り捨て、市民負担増が押しつけられようとしていま す。 ﹁本市の持続可能な成長﹂ ﹁ 将 来 の 市 民 サ ー ビ ス の 安 定 的 な 提 供 ﹂ ど こ ろ か、 市 民 に は 耐 え が た い 痛 み の 強 要 が 待っているだけです。このようなやり方は、これまでの高速川崎縦貫道路の行き詰まりや1990年代以降﹁税源培 養になる﹂と言って始めた川崎港コンテナターミナル事業の失敗などで、川崎市はすでに経験済みです。 ﹁住民福祉の増進﹂という自治体の本来の使命に立ち返り、ムダな大規模事業はきっぱりと中止・凍結する 今こそ、 べきです。以上の立場から、左記の項目について要望するものです。 1 税金ムダづかい・不要不急の大規模開発・公共事業を中止・削減し、予算の使い方は自治体本来の使命である福 利・くらしの充実を最優先にする。 2 川崎港コンテナターミナルの大拡張計画など川崎港の開発だけで今後 年間で約1千億円︵臨港道路東扇島水江 町線を含む︶もかかる国際コンテナ戦略港湾計画から川崎市は撤退し、計画を中止する。 10 3 2つの埋立地をつなぐ臨港道路東扇島水江町線︵総事業費540億円︶は、市民生活にとって必要性はなく、つ くる理由もすべて破たんし、いまでも自動車公害が全国一ひどい池上新町付近に新たな自動車公害を呼び込む道路 であり、建設は今からでも中止する。 4 羽田連絡道路の建設計画︵総事業費300億円︶は、市民生活にとっての必要性が説明できず、貴重な自然環境・ 多摩川河口干潟を破壊し、殿町側に新たな自動車公害と事故の危険を呼び込むものであり、ただちに中止する。 5 1 メ ー ト ル 1 億 円 以 上 の ば く 大 な 事 業 費 が か か る 高 速 川 崎 縦 貫 道 路 建 設 は、 現 在 の 1 期 ル ー ト の 残 工 事 を 中 止 し、公害まき散らし・まちこわしの2期ルートの計画も中止する。 6 地域経済・雇用拡大に大きな効果は期待できない﹁国際戦略総合特区﹂﹁国家戦略特区﹂構想、ライフイノベー ション研究開発拠点整備の名による莫大な税金投入は中止する。 7 輸出自動車保管スペース、コンテナ保管用地、倉庫用地などの理由で打ちだされた、事業費240億円の東扇島 掘込部埋立土地造成事業は不要不急の大規模事業であり、中止する。 8 京急大師線連続立体事業は、小島新田駅∼川崎大師駅までとし、高速川崎縦貫道路と一緒にトンネルを掘る計画 の川崎大師∼川崎駅までの別線区間は凍結する。 9 臨海部の企業誘致のための土地購入や助成制度︵イノベート川崎︶を改め、土地購入のあり方は市内の福祉・教 育施設、公園等の整備目的に重点化する。 第十五章 主権者市民が真に主役として参加し、意見表明できる民主的な 仕組 み ・ 市 政 運 営 を 憲法は地方自治について第八章で規定しています。明治憲法には地方自治について何らの規定も設けられていませ んでしたが、日本国憲法は特に一章を設け、そこに四ヵ条の原則規定をかかげて、法律をもってしてもこれを改変す ることのできないものとしました。﹁地方が治まって、はじめて国全体が治まる。地方の政治は国の政治の根源とな るものである﹂との考えのもと、国の民主政治の根源となり、基礎となる地方自治の重要性を意識し、これに制度的 ― 148 ― 保障を与え、その確立を期した結果です。 ところが、いま、安倍政権は憲法改悪を目論みながら、参院選ではまったく触れないままやり過ごしながら、選挙 直後の会見では、自民党改憲草案をもとに憲法論議を開始すると述べました。現憲法遵守義務のある首相でありなが ら、かつ、このような詐欺的やり方で改憲にしゃにむにすすむやり方はあってはならないことです。 そもそも、首相が〝たたき台〟とする自民党改憲草案は、現憲法の国民主権・基本的人権尊重・平和主義の三大要 素を廃止し、国防軍や緊急事態条項を設けるなど極めて問題のあるもので、地方自治についても重大な改変が加えら れようとしています。 条は、 ﹁地方自治は、住民の参画を基本とし、住民に身近な行政を自主的、自立的かつ総合的に実施するこ 改憲案 とを旨として行う。住民は、その属する地方自治体の役務の提供を等しく受ける権利を有し、その負担を公平に分担 する義務を負う﹂としています。 地方自治について﹁自主性・自立性﹂を過度に強調することにより、国の地方自治に対する責任、特に社会保障分 野における国の責任が放棄される恐れがあります。また、住民が、その属する地方自治体の役務の提供を受ける代わ 条1項が﹁地 りに、 ﹁その負担を公平に分担する義務を負う﹂と定めることにより、地方自治の運営に必要な財源について、各地方 自治体の住民が納める税金によることを原則にしようとする狙いがあるといえます。このことは、第 条は1項で﹁地方自治体は、基礎地方自治体及びこれを包括する広域地方自治体とすることを基本とし、その 同 種類は法律で定める﹂とし、道州制に道を開くようになっています。3項では、 ﹁国及び地方自治体は法律の定める役 ます。 い自治体では、これまで行なわれてきた福祉、保育、教育等のサービスが切り捨てられたりする危険性があるといえ と規定していることからも明らかです。自治体によって住民が負担する税金の額に大きな差が生じたり、税収の少な 方自治体の経費は条例の定めるところにより課する地方税その他の自主的な財源をもって充てることを基本とする﹂ 96 ことにより、国が行うべき福祉政策等を地方自治体に一方的に負担させる恐れがあります。他方で、基地問題等、地 元の住民の意思が十分に反映されるべき政策課題について、 ﹁国の専権事項﹂として、地方自治体の関与が排除される 第 条は、 ﹁地方自治体の長、議会の議員及び法律の定めるその他の公務員は、当該地方自治体の住民であって日本 恐れもあります。 ― 149 ― 92 割分担を踏まえ、協力しなければならない﹂としています。﹁国と地方自治体の役割分担を法律で定める﹂と規定する 93 94 国籍を有するものが直接選挙する﹂としています。従来の判例では、定住外国人に法律で選挙権を付与することは憲 法 上 禁 止 さ れ て な い と さ れ て い ま し た。 し か し、 本 条 に よ り、 明 文 を も っ て 外 国 人 の 参 政 権 は 認 め ら れ な い こ と と なってしまいます。 特に、国政と比べて地方自治体による選挙はより地域に密着した性質をもっているにもかかわらず、長期間居住し ている外国人も含めて一律に外国籍だけを理由に選挙権を否定することは問題です。 第 条の﹁地方自治体は、その事務を処理する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる﹂は、地 方自治体の財産管理などが広く国の役割として規定されることにより、国の権限強化、中央集権的な構造を確保され ることになります。その結果、地方自治体の自主性が損なわれる恐れがあります。このように、地方自治を破壊する ような内容の憲法改定案には断固反対するものです。 地方分権法の成立後、地方自治体は独自施策を実施できるよう、裁量権がいっそう拡大されました。こうした立場 から、各自治体では独自の取り組みを強めています。しかし他方で、小泉内閣による﹁三位一体の改革﹂以降、国か らの財源が削減され、また一般財源化される分野が拡大することにより、自治体独自の施策がそれを理由に中止・凍 結に追い込まれている事態も進行しています。今こそ、地方自治体が﹁地方自治の本旨﹂︵住民自治・団体自治︶に 則った市政運営を徹底することが求められています。 阿部前市長のもとで、川崎市の市政運営を決める﹁総合計画・基本構想﹂を定め、 ﹁自助・共助・公助のバランスの とれた地域社会﹂ ﹁まちづくりを担うさまざまな主体のパートナーシップに基づく協働の取り組み﹂を強調し、その理 念に基づいた市政運営を支える仕組みづくりとして、 ﹁自治基本条例﹂ ﹁パブリックコメント条例﹂ ﹁住民投票条例﹂も 制定されました。 月議会に今後 年ほどを展望する﹁基本構想﹂、 年間の﹁基本計画﹂、2∼4年間の実 福田市長は、2015年 施計画の3層構造で成る新総合計画を提案、可決されました。この中には、市民の切実な要求を実現する施策の展開 30 10 が著しくゆがめられていることになります。 です。これでは、公助に至らないようにするのが、市民自治だといわんばかりだからです。これでは市民自治の内容 ているように、自助・共助で市民同士が支え合い、助け合う仕組み、受け皿が市民自治とされているのは重大な問題 により市民自治を推進する﹂で、直接の目標が﹁市民の支え合いを中心としたコミュニティ形成を支援する﹂とされ はほとんどありません。その一方で貫かれているのは、自助・共助︵互助︶の強調です。基本政策5の﹁参加と協働 12 ― 150 ― 95 本来、住民自治、市民自治とは、国における主権者が国民であるのと同様、地方自治体の主権者は住民・市民であ り、市政運営の基本は主権者である住民・市民から付託された権限を行使するものだということを意味します。﹁市民 の支え合いを中心としたコミュニティ﹂をどのように形成していくかは市民が自主的に決めることであって、市民自 治の問題とは関係がないものです。市民自治の概念をゆがめることなく、市政運営の基本に主権者市民を位置づける べきであり、また、 ﹁参加と協働により﹂﹁市民自治を推進する﹂というなら、市の施策に対する市民の声を真摯に反 映する仕組みの充実に努めることこそ、求められています。 市長は﹁対話と現場主義﹂をモットーとし、2016年9月議会定例会の提案説明でも、﹁﹃対話と現場主義﹄は私 の市政運営の基本姿勢でございます﹂と述べました。しかし、 ﹁総合計画﹂案について市民の意見を聞くための市民車 人の市民が討議してきた﹂﹁インターネットで動画配信し、市政だよりに掲載す 座集会は1回だけでした。前回、阿倍前市長がタウンミーテングを各区で大ホールで行なったと同様、各区で実施す るよう求めたのに対し、市長は、 ﹁ るから前回よりもすすんでいる﹂と答えるのみでした。市政だよりや動画では市長とのやり取りはできないし、14 7万市民の中で 人の市民が討議してきただけではとても十分とはいえません。市民とのやり取りを抜きにして、市 ければなりません。さらに、市長の標榜する﹁対話と現場主義﹂からはほど遠いものといわなければなりません。こ の点でも、市民が主体的に参加する仕組みを保証すべきです。 ︵一︶住民自治の精神の徹底から、市民が主権者であることをきちんと位置付ける 1 その立場から、自治基本条例を次のように改定する。 ① 自 治 基 本 条 例 に は、 主 権 者 は 市 民 で あ る こ と が 明 記 さ れ て い な い 。 市 民 は 行 政 の 手 伝 い を す る も の で あ っ た り、行政と同列なのではなく、主権者であることを明記する。 2 住民投票条例は住民が真に使えるものに改正する。 ① 住民投票の対象事項は、 ﹁市長が意思決定していない、つまり施策として形になっていないものしか投票の対象 にならない﹂ことが、条例制定の委員会審議の中で明らかになった。これでは、市民が問題に気がついたときに ― 151 ― 30 長が一方的に情報を市民に伝えること、これが市長の考える﹁市民参加﹂だとしたら、あまりにもお粗末だといわな 30 は多くの場合、住民投票にはかけられないことになる。市民が住民投票にかけて市民の意思を問いたいと思う問 題は対象になるように、対象事項は﹁現在または将来の住民の福祉に重大な影響を与え、または与える可能性の ある事項﹂のみにする。 ② 住民発議にとって必要な署名数を投票資格者総数の一〇分の一にしていることも、住民投票を発議しにくくし て、市民の手を縛ることになっている。必要な署名数は投票資格者総数の二〇分の一にする。 ③ 住民投票は﹁間接民主主義を補完するための制度﹂と市自身も認めていることから、議会への協議は削除する。 ④ 投票日は、問題によっては機を逸することがないように、国政・地方選挙と投票日とは別にして、単独投票日 とする。 3 まちづくり育成条例を、市民が主権者と位置づけ、抜本的に改正する。 4 総合計画・基本計画の策定にあたっては、市民が主権者であることをきちんと位置づける。市民に十分な説明を 行ない、市民意見を反映するようにする。 5 地方自治法第1条の﹁住民福祉の増進﹂という立場から、これ以上の﹁行革﹂はやめ、市民要求実現に全力をあげる。 ︵二︶市民参加を実効的なものにするため、次の各制度を改正する。 1 市民意見を充分市政に反映できるよう、パブリックコメント制度を改正・活用すべきである。 ① パブリックコメント制度の目的に、 ﹁市政運営に市民意見を反映するため﹂を加え、政策決定過程にパブリック 市民意見を募集したい事案については、該当地域や全市を対象に説明会を開くなど、あらかじめ市の考え方を 持ち帰って意見を述べられるようにする。受取人払いの封筒をつける。 パブリックコメントはホームページだけでなく、区役所や図書館など公共施設に印刷物を置き、誰もが自由に コメントの内容をどう取り入れるか検討する場を加える。 ② ③ 説明する機会を設け、市民が理解したうえで意見を述べるようにする。 2 いまある区民会議は公募委員を増やすなどで、市民の声が反映できる仕組みにすること。 ― 152 ― 3 各区の区長の選出については準公選制を導入する。 4 審議会等の市民公募委員を増やし、議事録を公開する。 ︵三︶団体自治の精神を徹底する立場から、左の事項を実現する。 1 自治体行政を住民から遠ざけ、小規模自治体の自治権を奪い、切り捨てることのにつながる道州制と市町村合併 の押しつけはやめるよう、国に要求する。 2 市が計画している大都市制度︵ ﹁特別自治市﹂︶は、県から各種県税を移行させ、事務権限も移行させることによ り、道州制への移行を視野に入れたものであり、撤回する。 ― 153 ― 区民要望書 ︹一︺川崎区 ︵中央地域︶ 5 東海道かわさき宿交流館の入り口前のスペースに、 高齢者など歩行者が休憩できるベンチを設置する。 6 2016年度中は渡田保育園仮園舎として利用して いる大島上町 7の市有地について、保育施設・高 齢者施設・コミュニティ施設など市民が利用できる施 設として活用する。 7 日進町交差点北東側にある、小川町の現在の自転車 等駐輪場の所に観光バスの駐車場を設置する。 ア 川崎駅南口改札口を開設するようにJ R東日本に 働きかける。 福祉センター再整備計画にともなう特別養護老ホー ム・障がい者入所施設を早期に推進する。 八丁暇駅から福祉センターへ向かう点字ブロック・ エスコートゾーンを切れ目なく整備する。 8 京急八丁畷駅前の安全対策を早期に実施する。 9 川崎中学校にプールを設置する。 イ 区内各駅にホームドアを設置するよう鉄道事業者 に働きかける。乗降客数の多いJ R川崎駅ホーム、京 置する。 急川崎駅ホームは市独自に手立てをとり、速やかに設 1 J R川崎駅・京急川崎駅を安全・安心に利用できる よう整備する。 22 − 民間借り上げ方式による市営住宅を建設する。 ﹁開かずの踏切﹂となっている堤根の東海道線矢向 踏切に、歩行者と自転車用の跨線橋を設置する。 ウ J R川崎駅、京急川崎駅ホームには、点字ブロッ ク上に柱が立っている箇所がある。ホーム上に誘導員 を配置するなど、急いで安全対策を講じるよう、鉄道 事業者に要望する。 2 J R川崎駅前の放置自転車対策の一方策として、レ ンタルサイクルとコミュニティサイクル制度を導入す る。 3 川崎駅前︵東口︶に機械式自転車駐輪場を設置する。 4 こども文化センターに冷暖房、時計を設置する。 京町2丁目の通学路交差点に信号機を設置し、児童 の安全を守る。 旧東海道の小川町地区をモール化し、客の回遊性を 高め、商店街の活性化を図る。 市立川崎図書館利用者の利便性向上のため、自転車 等駐輪場を設置する。 建て替え計画のない京町市営住宅︵5階建て︶にエ レベーターを設置する。 ― 154 ― 10 11 13 12 14 15 16 17 元木町交差点は県下で交通事故ワースト3︵201 4年度︶である。歩道・車道分離式信号機に改善する。 市電通り渡田小学校付近に信号機を設置する。 市民が自由に作物を栽培できる市民農園をつくる。 新川通りの歩道上の駐輪場を早期に移設して自転車 用レーンをつくり、障害者や高齢者の歩行の安全を確 保する。 待機児解消のため川崎区内に認可保育園を増設する。 銀柳街・小川町など浸水・冠水がたびたび起こる地 域での対策をすすめる。 3 生態系保持空間に指定されている河口干潟をはじ め、都市部では貴重な自然を有する多摩川を保全し、 市民の憩いの場として再生させる。市民に利用しやす いよう河川敷の整備を積極的に行なう。 ア 多摩川河川敷のサイクリングコースは毎年点検を して、防犯灯を整備する。 イ 多摩川に親しみ利用しやすくするために、味の素 中瀬門より河川敷までの道路を設けるよう企業に働き かける。中瀬・大師河原地域の河川敷グランド利用者 かねてより地元町内会から要望が出されている京町 3丁目ももたろう公園にトイレを設置する。 エ バードウォッチング用などのために野鳥の案内板 を設置する。 ウ 多摩川河口付近の貴重な動植物が最近減少してい る。保護するための取り組みを早急にはかる。 のための駐車場を確保する。 川崎市防災センターを改築し、特別養護老人ホーム を併設する。 ︵大師地域︶ 5 大師地域の雨水による浸水被害対策をすすめる。特 に池上新町地域の雨水浸水対策では、貯留管の整備な 4 公園のない町、東門前二・三丁目、昭和町二丁目、 大師駅前一丁目に公園を整備する。 剪定を行う。 点までの旧市電敷の緑道については、防犯対策からも 7 産業道路沿道の街路樹の植え替えを行ない、環境改 善を行なう。特に、池上交差点から産業道路浜町交差 6 地元商店街を破壊するさらなる大型店の出店は、中 止させる。 ど抜本的改善を早急にすすめる。 1 羽田発着枠の再拡大によって、殿町上空を通り、臨 海部コンビナートを飛行するルートを解禁しようとす る国の提案を断固拒否し、今でも早朝の北風時左旋回 による騒音被害を受ける大師地域にこれ以上の被害の 拡大は許さない。北風時左旋回についても、数年で廃 止するとしてきた約束の通り、減便し廃止するよう求 める。 2 大師支所の区民課業務の区役所への統合を止め、保 健・福祉機能は、充実・強化する。 ― 155 ― 18 21 20 19 23 22 24 25 の共同のバス停にする。 13 8 横 羽 線・ 産 業 道 路 の 自 動 車 排 ガ ス 対 策 と し て、 ディーゼル車、大型車の交通規制と自動車の通過課徴 東扇島内に街灯が少なく防犯上の不安を訴える方が 少なくない。東扇島内の道路に街灯を設置する。バス ︵田島地域︶ 16 池上新町・冥加公園の植栽の完成を急ぐ。 東扇島の﹁ダイワコーポレーション前﹂﹁かわさき ファズ物流センター前︵正門前︶ ﹂などのバス停につい 藤崎4丁目のスターブル付近の風害について調査を 行なう。 意と同時に、対象地域の拡大と事業の促進を図る。 つけ的な内容ではなく、地域の実情を考慮し、住民合 作成などソフト面も充実する。小田二・三丁目の住宅 年度から新たな事業に変更され て、臨港バス・京急バスの共同バス停と市営バスのバ る。利用者の利便性をはかるために市営・臨港・京急 た。実効性のあるものにするためにも、国からの押し 総 合 整 備 事 業 は、 ス 停 が、 数 十 メ ー ト ル 離 れ た 別 の バ ス 停 と な っ て い 5 浅田から産業道路沿いに大師方面へのバス路線を開 設する。 住民と共同して、避難経路の確保、耐震マニュアルの 4 小田地区、桜本地区など住宅密集地域の耐震対策に ついては、不燃化と同時に他都市の事例など参考に、 る。 3 小田公園リフレッシュパーク事業に合わせ、京町通 に架かる歩道橋を撤去し、信号機付横断歩道を設置す 小田地区に市民館図書館分館を建設する。 1 2 田島支所の区民課業務の区役所への統合を止め、保 健・福祉機能は、充実・強化する。 − 金制度を実施する。沿道の長時間駐車を禁止し、アイ ローソン前の横断歩道に視覚障 地上新町2 害者向けの音の出る信号機を設置する。 覆ってしまう箇所があるため、草を刈る回数を増やす。 停 に 上 屋 と 照 明 を 設 置 す る。 夏 場 に は 雑 草 が 歩 道 を 18 19 ドリングストップを厳守する。 9 京急大師線立体交差事業完成後の上部利用は緑の散 歩道とし、多摩川河畔と結んだ町づくりをすすめる。 特別養護老人ホーム﹁大師の里﹂前に、保育施設が 設置されたが、引き続き、田町・扇町・四谷下町・日 の出地域に保育園をつくる。 池上新町の商業施設物流センターによる交通量増 加、大気汚染悪化に対する対策を具体的に検討する。 臨港道路東扇島水江町線整備は中止する。 京 急 小 島 新 田 駅 前﹁ い つ く し ま 跨 線 橋 ﹂ に、 エ レ ベーターを設置する。 以前から要望されている殿町地域から京急小島新田 駅に向かう国道409号線を横断する横断歩道に視覚 障がい者向けの音の出る信号機を設置する。 − 08 ― 156 ― 10 11 13 12 14 15 17 16 6 市道池田浅田線︵京町通︶から天飛トンネル、教育 文化会館前を通り、市役所前に向かうバス路線を新設 川崎駅利用者の増加が見込まれるが、新川崎駅の新た な改札口の設置を引き続きJ Rに要望し早期に実現す る。 5 新川崎駅前のバス停に上屋を設置する。構造上の課 題があるならば補強などの対応で早期の設置を行う。 する。 7 小田三丁目踏切付近の歩車分離など安全対策を早急 に行なう。 6 新川崎駅前ロータリーのタクシー不足を解消する。 UDタクシー専用としているが、タクシー不足が解消 するまで一般タクシーの乗り入れを行う。 8 夕方に渋滞を招いている追分交差点の鋼管通方面か ら駅方面への車線数の増設など、所轄警察と協議しな がら、早急に対策を講じる。 7 古市場方面から新川崎駅へ、また日吉地域から新川 崎駅・区役所へのアクセスが可能になるコミュニティ バスを検討する。幸区日吉合同庁舎内で行われてきた 事業の区役所への一元化が進められ、日吉地域住民の 区役所利用頻度が増加している。育児・障がい者・高 齢者の利便性向上のため、区役所を中心とした小型バ スなどの運行を検討する。 8 矢上川橋の幸区側に補助灯つきの信号機を設置する。 9 J R鹿島田踏切の遮断機が上がると待機していた歩 行者と自転車が車道にまで広がって危険であり、自動 車の走行を妨げているので、踏切前後の歩道拡幅、踏 切内の歩道拡幅を検討する。 日吉地域の浸水解消対策を早期に具体化する。雨水 貯留管排水区外の対策として各戸に雨水を貯留する水 ガメなどを設置する補助制度を新設する。 北加瀬・南加瀬地域の歩道敷にあるU字溝個所を調 査し、L型側溝に改善する。 ― 157 ― 9 川崎市防災センターを改築し、特別養護老人ホーム を併設する。 ︹二︺幸区 1 国道1号線の二車線化への着実な実施と人に優しい 歩道、自転車の専用道路を確保するとともに、 年前 の都市計画についても見直しを検討する。 2 J R南武線の武蔵小杉駅∼尻手駅間の連続立体交差 事業を促進する。事業化までの対策として踏切遮断時 間の短縮をJ Rに強力に働きかける。特に電車通過後 速やかに遮断機が上がるようにする。 3 ﹁新川崎地区・地区計画﹂で鹿島田跨線橋南側の鹿島 田跨線歩道橋から﹁新交通広場﹂へのアクセスはエレ ベーターだけとなっているが、シンカモールを経由し ないでも利用できるエスカレーターを設置する。 4 鹿島田駅西地区再開発事業や周辺の開発によって新 10 11 63 2の交差点は交通量が多く子ども 北加瀬1丁目 や、高齢者が渡るには危険、信号機を設置できるよう 関係機関に引き続き要望し早期の設置を行う。 川崎駅西口北のバス停留所の屋根を、日除け・雨よ け の た め、 歩 行 部 分 を カ バ ー で き る サ イ ズ に 変 更 す ︵ 神 明 町2 ︶は交通量が多くなかなか渡れない。 高齢化率の高い河原町地域への循環バスを増便する。 367付近のT字路︵コンビニ横、横浜市 塚越3 との市境︶にカーブミラーを設置する。 特に高齢者が渡るには危険であり、信号機を設置する。 57 幸町交番前交差点を右折できるようにする。 西口通りを含めラゾーナに向かう道路は未だに解消 されていない。土・日・祝日のラゾーナの交通渋滞を 川崎ミューザ・シンフォニーホール前交差点をスク ランブル式にする。 通称プール道路の歩道部分の改善が進められたが、 水の浸み出しやごみの投棄がある。対策と定期的な清 幸区から川崎駅東口方面へ行けるバスを運行する。 多摩川河川敷の木下紙業からラジオ日本のアンテナ 塔までを整備して、緑が少ない幸区民の憩いの場にす る。可能な限り区内バス停には屋根を付ける。 − − 33 − 解消する。 不足している川崎駅西口の駐輪場を増設する。公営 駐輪場の増設とともに、J R利用の通勤者の駐輪場は J Rの責任で確保するよう申し入れる。 多摩川古市場河川敷のトイレの簡易水洗化の増設を すすめる。 河原町団地内の孤独死実態調査をおこない、独居老 人対策を強化する。市営住宅の高齢者独居者に、県営 と同じように緊急ボタンを設置する。また、高齢者緊 急通報システムの利用料の低額化を行う。 川崎市民が多く利用するJ R矢向駅を安全・安心に 利用するために、横浜市・J Rと協力し橋上駅舎化の 早期実現をはかる。 臨港バス神明営業所へ曲がる幸警察署先の交差点 る。 26 25 南河原公園の噴水・カナールの水の循環を改善し、 定 期 的 に 水 の 入 れ 換 え、 浄 水 し て 衛 生 面 の 確 保 を 行 掃の徹底など環境整備をすすめる。 27 南河原地域の保育園には園庭がなく、近くの公園に 遊 び に 行 く。 子 ど も た ち の 遊 び と 安 全 の た め に、 砂 い、子どもが安心して水遊びができるようにする。 28 区内公園の砂場に猫などの糞尿対策としてシートを 設置しているが、未設置箇所については管理を地域の 場・遊具等の点検整備をする。 29 国道一号線、尻手交差点の尻手駅方面から川崎駅西 口方面に横断歩道を設置する。︵近くの横断歩道まで 協力を得て早期に設置する。 30 体的に厳しい︶ は距離があり、高齢者にとって歩道橋の上り下りは身 31 ― 158 ― 24 23 12 13 14 16 15 17 18 19 20 22 川崎駅付近に、西口と東口を結ぶ自転車道を新設す る。 1︶に上る堤防の階段中 ﹁一 区内の歩道面にも、自転車の通行が﹁可・不可﹂ 方通行・両方﹂等のわかりやすい表示をする。 八兵衛橋︵南加瀬4 6 央に手すりを設置する。 − る。 イ 2016年4月時点で、保育園の保留児童数が、 ゼロ、1、2歳で721人という異常事態を解消す るため、区内全域に認可保育園の増設をすすめる。 エ 子どもたちの居場所として重要な役割を果たして いる子ども文化センターの集会室のうち、エアコン 子育て支援センターは小学校区に1ヵ所ずつの設 ウ 置をめざす。 がついていない6センターにエアコンを設置する。 カ 井田病院のシャトルバスの運行については、適宜 調査を行ない、他の駅からの運行を検討するなど、 老人いこいの家を未設置地区になっている今井地 オ 域への建設を急ぐ。 警察署の支所として一定の期間活用することに キ なった上小田中6丁目の警察官舎独身寮跡地は、市 運行を復活させる。 学校トイレの悪臭対策を強化する。清掃が不十分で 悪臭の元となる便器の尿石、尿の飛び散りなどに対し 民ニーズの高い保育園等の活用を県に要望して、土 ︹三︺中原区 1 福祉・医療施設の整備をすすめる。 いまだ不足している特別養護老人ホーム、小規模 ア 特養ホーム、小規模多機能型介護施設を区内でもあ らゆる方法で適地を確保し、建設する。人口急増地 間小学校の体育館、玉川小学校の校舎と体育館、井 ア 校舎・体育館などで雨漏りに困っている小中学校 については、雨漏り対策の補修を早急に行なう︵平 なく早急に対応すること。 学校施設長期保全計画を理由に、老朽化等により各 学校から出ている補修など次の要求を先送りすること 2 教育環境の改善をすすめる。 地の確保につとめる。 清掃委託業者と現状について調査を行い対応を図る。 付ける。 して小便器はセンサー式自動洗浄フラッシュ弁を取り ば洋式トイレに便座部を交換する。また、悪臭対策と 学校トイレ快適化計画を加速する。全面改修まで長 期間要する場合は、各校ですべてが和式トイレであれ 等の苦情が出ている。保育園側との調整を行う。 区内児童公園の平日の日中は近隣の保育園の園庭と なり遊具などが占領され、地域の幼児が利用できない − 域である丸子地区に地域包括支援センターを整備す ― 159 ― 32 33 34 35 36 37 田小学校の校舎複数箇所、大戸小学校の校舎・外壁 のひび割れ、中原中学校の体育館、大雨の日は滝の ような水が落ちる宮内中学校の体育館など︶。 イ 古くて臭いもきつい学校トイレについては早期に 改修を行なう︵東住吉小学校の外トイレ、中原小学 校の旧校舎のトイレ、玉川中学校の西側トイレ︶。 あわせて和式トイレの比率が多い学校は洋式トイレ を増やす。 老朽化している下小田中小学校校舎の一部を増改 築することになったが、改築待ちにせず、古くて臭 住吉中学校の家庭科室、視聴覚室等の特別教室 ⑤ する。 特に聾学校では、補聴器は汗などの水分で故障 しやすく、また自力での体調管理が難しい児童生 徒がいることから、図書室、家庭科室、美術室に エアコンを設置する。 溜池式で排水口の水はけも悪い木月小学校プー エ 古いプールで困っている学校は循環式化や全面改 修も含め、プールを改善する。 ① ひび割れが多く排水口も危険な大戸小学校プー ルの改修・循環式化。 ② 築 年で水深160㎝ の古い規格で、 ヵ所以 ルの全面改修。 ③ オ その他の学校施設の改善について。 ① 玉川小学校の運動場のデコボコを平らに改修す る。 ② 6年前に改修された住吉小学校の給食室は、耐 ― 160 ― いのきつい旧校舎のタイル張りのトイレの改修をす すめる。また、狭く老朽化した給食室についても改 月は ④ 500人近い生徒数の体育の水泳指導や部活動 ② にエアコンを設置する。未改修の万年塀をフェン スに改修する。 玉川中学校の体育館はJ R南武線に面し、窓を 震性や設備面、衛生上の問題が心配されており、 より利用頻度が高く劣化が他校より早いため、全 西中原中学校の体育館は1500人近い生徒に 閉め切るため夏場の暑さは深刻。体育館にエアコ 中原中学校の美術室や技術室にエアコンを設置 ③ 早急に改修する。 ④ にもエアコンを設置する。 ンを設置する。理科室、被服室、調理室、図書室 ③ 校のプールの全面改修。 ウ 特別教室等へのエアコン設置を推進する。 ① 今井中学校の利用頻度の多い理科室は南向きに すること。 上亀裂がある住吉中学校プールの循環式化・改修 40 により、現在の濾過機では限界がある西中原中学 築をする。 48 ℃を超え授 設置されているため、6月∼ 30 業が難しい。理科室にエアコンを設置する。 10 ④ ⑤ 面改修を急ぐ。当面、床及び床下バネを全面改修 い、少年野球場や最近要求が出ているパークボール に つ い て は 再 度、 関 係 団 体 等 を 含 め て 協 議 を 行 な を設置する。 イ 多摩沿線道路の信号機、横断歩道が設置されてい る付近の階段、スロープを整備する。また、手すり 5 交通安全対策を強め、道路の改修をすすめる。 ア 区内の交通事故多発地域を総点検し、交通安全対 策を確立する。 場の設置などの具体的な設置計画を急ぐ。 する。 今井中学校ではグラウンドの砂塵や雨・風によ る放送機器の劣化が激しく、放送・視聴覚機器を 修理、抜本的に改修する。 住吉中学校にエレベーターを設置する。同校は 各階に生徒用トイレが1カ所しかなく、トイレ快 適化事業も遅れている。トイレ新設も検討する。 3 相変わらず草ボーボーの箇所が目立つ公園の樹木の 剪定と草刈り、多摩川河川敷の草刈り、幹線道路の歩 オ 大戸小学校の主要な通学路になっている下小田中 4丁目の歩道︵水路の上部︶のアップダウンを解消 急ぐ。 エ 409号線歩道のアップダウンを解消し、U字型 側溝の蓋のガタつきを解消する。透水性舗装工事を 間対応のものにする。 する。また、危険な交差点の﹁止まれ﹂の標識を夜 道路危険箇所を総点検し、夜間に効果があるソー ウ ラ式の﹁危険と注意﹂を促す表示板を計画的に設置 する。私有地や駐車場の出入り口についてもポーラ スアスファルトある舗装工事等など安全対策とバリ アフリー化を促進する。 カ 刈宿小学校の通学児童との接触事故が起きている 木月住吉町 付近︵住吉中学校そば︶のT字路のカ ラー舗装を行う。 歩道が整備されたところで、東電、NTTの電柱 キ ― 161 ― 道部分の整備など定期的に行なう。河川敷の土手の階 段に手すりを設置して安全対策を図る。 4 文化スポーツ施設を充実させる。 ア 玉川地区ならびに新城・上小田中地域に生涯学習 活動と市民活動の拠点施設を整備する。図書館分館 機能も確保する。 イ 等々力緑地の整備をすすめる。 再 整 備 が す す む 等 々 力 緑 地 は ス ポ ー ツ だ け で な く、市民利用施設の整備も必要である。 中央園路に桜並木を復活させる。 水デッキ、護岸の整備、蓮池を配置する。 ① 室内プール設置を必ずすすめる。 ② 遅れている釣り池のしゅんせつを実施する。親 ③ 等々力下水処理場の上部の暫定利用は、市民が憩 ウ える芝生の多目的広場に整備する。また、上部利用 18 が歩行者の妨げになって危険である。すぐに電柱の 移設ができなくても、安全対策をはかる。︵宮内交 差点︶ ク 南武沿線道路と木月大町∼全龍寺の歩道部分の樹 木が育ちすぎて、根の張り出しがひどくなり、歩道 が隆起したり、沿線家屋の下まで根っこが侵入し、 迷惑をかけており、それらの改善に取り組む。南武 沿線道路のでこぼこ状態がひどくなった歩道につい て、透水性舗装打ちかえ工事︵バリアフリー化︶を 促進する。 ケ 自転車と共生するまち中原として、一定の幅員が 確保できる歩道については、 ﹁自転車専用レーン﹂を 設置し、それができない場合は﹁交通ルールの見え る化﹂として、車道に自転車の通行帯をカラー舗装 し、自転車のマークと進行方向の矢印をつける。 コ 武蔵新城駅西口から駅に入る変形5差路の安全対 策をはかる。 大谷戸小学校の児童の通学路になっている変形5 サ 差路の安全対策をはかる。 シ 渋滞が発生しないように法政通り商店街から40 9号線を渡る交差点の信号機を含め周辺の交差点の 待ち時間を改善し、歩行者が安心して横断できるよ うに警察とともに安全対策を図る。 総合自治会館から409 号線を渡る人が多いた ス め、横断歩道の整備をする。 6 下水道整備、水路対策をはかる。 ア 下水道整備完了地域のL型側溝整備を積極的に推 進する。 エ 既設側溝の不完全な箇所は蓋かけをし、早急に改 良する。側溝は定期的に清掃し、老朽化のはげしい イ 雨水貯留管のバイパス管の設置を急ぐ。 矢上川の河川管理道路に下水本管敷設を急ぎ、水 ウ 洗化を促進する。 側溝については改修する。 歩道として使っている水路上にかかった溝蓋板を オ 総点検し、ガタつきを直すためにロングパキンを敷 く。また、使用していない水路の暗渠化を計画的に すすめる。 イ 小杉陣屋町、井田三舞町、井田杉山町、下小田中 三丁目、下小田中六丁目、及び井田病院周辺地域に ス、コミュニティバス路線を新設する。 7 交通空白地域をなくす。 ア 国際交流センターをアクセスし、下小田中地域を 通って武蔵小杉駅などの主要駅までを結ぶ小型バ は、小型バス、コミュニティバスを導入する。 宮内新横浜線を利用して溝の口・新城・小杉駅バ ウ ス路線を新設する。 ブレーメン・オズ通り商店街を運行してきた通勤 エ 時のバス路線の復活を求める住民と丁寧な話し合い をすすめ、バスの運行をはじめ交通アクセス問題の ― 162 ― 解決を図る。 8 南武線及びJ R線、東横線関連では、次の施策をす すめる。 ア 武蔵小杉駅以南の連続立体交差事業をすすめる。 イ 高架下の活用は市民のための施設を最大限確保す るよう引き続き努力する。 ウ 向河原駅前踏切が拡幅されたが、ひきつづき児童 の安全確保のための努力をする。武蔵小杉駅から向 河原駅区間の線路カーブ区間はとくに騒音が著し い。ロングレール化などで騒音対策を実施するよう J R東日本に働きかける。 エ 混雑が激しいJ R武蔵小杉駅プラットホームにつ いて、安全性を確保するため、階段の増設、ホーム 幅の拡幅を行なうこと。線路への落下事故防止のた めホームドアを設ける。横須賀線ホームにもホーム 9 住みよい市民本位のまちづくりをすすめる。 ア 武蔵小杉駅周辺は人口増加が著しいにも関わら ず、緑地の確保は大幅に遅れている。上丸子小学校 区など、中原区で公園の優先配置地区になっている 7地区について、公園の設置をすすめる。 イ 二 カ 領 用 水 の 清 流 化 を 促 進 し、 清 掃 と し ゅ ん せ つ、 定 期 的 に 維 持 用 水 を 放 流 し、 水 質 浄 化 を は か る。親水化未整備地域は年次計画を立てて完成を急 ぐ。 ウ 渋川の整備・親水化を地元住民と協議してすすめ る。当面、カルガモや動植物の生態系を確保しなが ら定期的に雑草刈りの作業を行なう。渋川の親水化 整備に伴い、清流を活かした自然エネルギー・水力 発電整備をすすめる。 エ 井田・上平間市営バス営業所は、公共施設の併設 など有効活用をはかる。 この間の武蔵小杉周辺再開発・超高層マンション オ 建設では以下の対応が求められている。 オ 御幸踏切は相変わらず遮断時間が長い。NEC側 と 協 議 し、 横 須 賀 線 小 杉 駅 の 方 へ の 迂 回 路 を つ く ドアを設置する。 る。踏切の閉鎖時間をテロップで知らせること。人 ③ 周辺商店街が活力を取り戻せるように、市が知 る。 ② 児童、生徒の急増で、周辺小中学校の受け入れ は限界にきている。小学校の新設を早期にすすめ をすすめる。 ① 子どもの育ちを保障していくためにも園庭が確 保された認可保育園の整備や、周辺に公園の整備 道跨線橋のペンキ塗り替えを実施する。 カ 騒音がひどい横須賀線の多摩川を渡る陸橋部分に 防音壁などをつくる騒音対策について、J R東日本 と協議し改善する。 武蔵野南線による騒音振動対策を強化するよう、 キ J R貨物に要請する。 ― 163 ― 恵だしも含め、商店街との協議をすすめ、実りあ る成果がだせるよう努力する。 ④ 超高層マンションの防災対策を具体化する。 ⑤ この周辺の文化施設があまりにも貧弱であり、 事業者とも協議して、区民が気軽に利用できる文 キ 井田山、伊勢山台など、区内に残された貴重な斜 面緑地を保全するため、積極的に買収、保全協定締 結などの措置をとる。特に、開発が頓挫している斜 面緑地への対策を急ぐ。 な財源措置をはかる。江川せせらぎの藻の発生・悪 ク 江川のせせらぎ水路整備事業、井田山緑地を含む 区民の健康の森にかかわる維持管理計画を作成し、 ⑥ 小杉全体のまちづくりに責任をもつ行政の窓口 を明確にし、再開発にあたっては、川崎市の考え 臭の原因を明らかにし、抜本的に水質改善をはかる。 化施設を整備する。 方 を 丁 寧 に 説 明 し、 住 民 の 意 見 を 積 極 的 に 聴 取 行政の責任を明確にし、住民の意見を反映した十分 し、その内容を計画に反映するよう事業者に指導 ケ 第三京浜の高架下︵中原区内に隣接する区間を含 めて︶の防災・騒音・大気汚染などの抜本対策をお こなう。 多摩川宮内河川敷をマウンドアップした土盛りを コ 行なう。また、この基準面にあわせて護岸工事を計 画する。 河川敷のサッカー場に排水管を敷設し、水はけを サ 良くするよう国土交通省に働きかけ、実現する。 東京湾の富栄養化対策によってすすめられている シ 下水の高度処理水化事業の進捗状況を公表するとと もに、自治体負担の軽減策を抜本的にはかる。 に聞き入れて、誠意をもって対応する。 ― 164 ― し、その内容含めて住民に明らかにすること。 ⑦ 風害については、マンションなどを誘致してき た川崎市が責任をもって対応すること。 ⑧ 今後も超高層マンション建設が計画され、小杉 周辺は超過密都市になろうとしている。住宅地へ の建設は風害、複合日影、交通渋滞など、重大な 環境破壊を引き起こす。日本全体は急激な人口減 少時代を迎え、川崎市も2030年を境に少子化 年、100年先のまちづくり、 人口減少社会にふさわしい人間が大切にされるま 時代を迎える。 ちづくりこそ求められている。高度経済成長期の 規制緩和の都市再生の手法である小杉駅周辺再開 発のやり方を抜本的に見直すこと。 カ 武蔵新城駅の広場地下に耐震性貯水槽の設置をは かる。 宮内新横浜線整備によって立退きをはじめ影響を セ 受ける住民や事業者に対しては意見や要望を積極的 時計が未整備となっている公園については、計画 ス 的に整備をすすめる。 50 ソ 雨水工事をきっかけに、短期間に3度の地盤沈下 をおこしている新城地域の地盤︵地質︶調査を行な う。 7年間にもわたる富士通改築工事は、周辺住民の タ 意見要望をよく聞く場をもち、丁寧な対応をはかる。 宮内市営住宅七号棟の解体後の跡地については、 チ 地域住民の要望にこたえた活用を行う。 ツ 住民に説明もないまま宮内に開設された遺体保管 所については、市として業者に責任ある対応を求め るとともに、国に対して法的整備を求め、本市とし ︹四︺高津区 1 高津区の人口急増に対応した場所に認可保育園を新 設する。 2 高津地区内に公有地・民有地を活用し、特別養護老 人ホームを整備する。 3 J R溝口駅南口のバス・タクシー乗り場を含むター ミナル広場の本整備と野川・柿生線道路整備を進める。 イ 溝口第3駐輪場内に、買物客用のスペースが設置 されたが、整備員を配置して、誘導、周知を行ない、 4 溝口駅北口周辺の自転車等駐車場を増設する。 ア 東急溝の口駅複々線の高架下に未整備の駐輪場を 早期に整備する。 商店街周辺の放置自転車をなくす。 5 東急田園都市線高津駅周辺は放置自転車禁止区域に 指定されたが、駅近に放置自転車がみられるので駐輪 場を増設し、整備員を配置し、駐輪場への誘導を行な のためにも、駅員を常時複数配置する。 7 平瀬第2踏切側からの津田山駅までの交通アクセス の利便を図るために、水路の上部を活用して歩行道路 ― 165 ― て、規制できる条例等を制定する。市内の遺体保管 所の実態調査を行ない、住民とのトラブルが起きな いように南部斎苑、北部斎苑等に保管場所を整備す る。 平間配水所用地等の有効活用について ア 防災公園として整備し、日常的には市民が気軽に スポーツなど、健康増進に役立つ広場として活用で 6 J R津田山駅の橋上駅舎化の着工が始まるが、近隣 住民との騒音、振動対策などの話し合いを進め、J R う。 このなかに図書館機能をもつ市民利用施設を検討 イ する。 の万全な安全対策を図る。工事中を含め、緊急時対応 に開催するよう申し入れをする。 東日本とも協力して住民要望に最大限こたえ,工事中 中原区内の地下を走る予定となっているリニア新幹 線について、町内会や住民の対象の説明会をJ R東海 きるようにする。 10 11 を確保する。駅前広場に車停めを設置する。 8 津田山駅の橋上駅舎の完成までは、ホームと駅舎を 結ぶインターホンを設置する。定期券、長距離切符の 下作延3丁目 番地内の道路の陥没を防ぐ対策を講 じる。 久地駅近くの歩道陸橋が老朽化し、錆が各所に見ら れるので、改修する。 年度以降も引きつづき行なう。運行ルートやダイヤに 9 緑ヶ丘霊園にお彼岸やお盆などお墓参りのお客さん の多い時期だけ期間限定のミニバスの運行を2017 府中街道から二子3丁目と4丁目東工大寮の間の道 路の舗装を行なう。 下作延交差点の交通安全対策を早急に図る。 大 山 踏 切 の 歩 行 者、 自 転 車 の 交 通 安 全 対 策 の た め に、都市計画道路溝ノ口線の整備促進を図る。近隣住 設する。 ついてもきめ細かに設定する。霊園内にあずまやを増 溝の口駅から新城駅までの南武沿線道路の歩道が狭 い部分の歩道を確保し、安全対策を図る。坂戸踏切付 販売を復活することをJ Rに要望する。 26 民への説明会を行ない、丁寧な説明に努める。完成ま 年以上かかる計画のため、安全対策として、せ 近の安全性を図る。第3踏切と南武線の立体交差する ところの南武沿線道路の線路側が通行止めになって遣 われていない。坂戸踏切近くの自動車学校の土地を買 収し歩道の整備を行なう。 溝口九四一番地︵かすみ堤︶の自然を守る。円筒分 水、二ケ領用水、梅林、大山街道と続く歴史と自然の 回廊として保存する。また、毎年のように全国的に、 でに めて、踏切内の歩道の幅員を確保する。下り線の踏切 久地2丁目地内と平瀬川測道・護岸測道の傷み等の 改修を行なうとともに、川の方向に沈下していないか う、財務省との協議、交渉を引き続き行なう。 置づけを上げて、地域の2次避難所として保存するよ ゲリラ豪雨の被害が起きている。かすみ堤を防災の位 都市計画道路溝ノ口線の整備とあわせ、溝口・栄橋 の信号待機場所︵栄隆寺側︶の傾斜を緩やかにし、安 全をはかる。 栄橋交差点から二子2丁目間の大山街道の道路や交 差点の損傷箇所が多いことから、全面舗装整備する。 の点検を行う。 栄橋から二子・坂戸緑道までの旧平瀬川・二ヶ領用 水の水路について、貴重な緑、水辺、景観や災害対策、 諏訪2丁目、 丁目間から多摩沿線道路と交差する 歩道の整備等住民の意見を反映した整備を進める。 16 武蔵溝ノ口駅から、北部身体障害者会館までの道路 に点字ブロックとエスコートゾーンを敷設する。 下作延の﹁宮の下﹂交差点に音響メロディーを設置 する。 21 22 23 ― 166 ― 16 17 18 の遮断時間の短縮をJ R東日本に要望する。 10 19 20 11 10 12 13 14 15 急勾配箇所を緩やかにするとともに、路面の傷みの改 修を行なう。 多摩川河川敷のバーベキュー対策について、指定管 理者による運営だが、行政として責任をもつために関 係する機関で検討・協議の場を今後も継続的にもうけ る。バーベキューについて、周辺の商店街や住民の意 見、要望を引き続き把握する。 二子新地駅から多摩川入口までの商店街道路が狭い ので、歩行者、車がスムーズに運行できるような対策 を引き続き講じる。 多摩川河川敷の砂塵公害防止や清掃など、沿線住民 の生活に支障をきたさないよう、充分な維持管理を行 なう。グランドの整備と拡充を行なう。水はけが悪い グランドの整備を行なう。花畑︵瀬田、久地︶の管理 をゆきとどいたものにする。 高速川崎縦貫道路二期ルート及びインターチェンジ 関連施設は白紙撤回し、抜本的に再検討する。 平瀬川墜道の拡幅計画事業にかかわる津田山町内会 館は市の責任で再建する。 地下室マンション建設等の乱開発から、七面山付近 一帯、久本神社付近一帯の斜面緑地を守る措置・対策 回復、育成に努める。 坂戸・ミツトヨ・KSP側交差点の横断歩道に信号 機を設置し、ミツトヨのセットバックの協力を得て、 歩道を確保する。 末長踏切と第三京浜区間︵小杉・菅線道路︶に歩道 を新設する。 坂戸踏切の近くの空家対策について、土地、建物の 所有者に対し、特別措置法に基づく働きかけを積極的 に行なう。少なくとも、電線のつる対策、ごみ対策、 公園側の道路の安全対策について、打開策を検討し、 可能な対策を講じる。 府 中 街 道 の 久 地 地 内︵ 堰 前 橋 ∼ 久 地 消 防 出 張 所 前 ︶ 区間は、安全な歩道づくりをすすめる。 下水道の未整備地区を住民の合意のもと早急に整備 する。平瀬川に面した久地2丁目地内の下水道未整備 地域について、住民の要望にそった整備を早急に進め る。 上作延小学校と南原小学校周辺に交番を設置する。 二ヶ領本川の中長期的な整備として護岸対策も含 め、検討をすすめる。 多摩川の堤防の上にある東急﹁南二子﹂のバス停に 行く道の安全を適宜確認し草狩りや道路の安全を図る。 二ケ領用水を市民に親しまれる﹁水と緑の回廊﹂と して引き続き整備を進める。清流化の促進、親水緑道 下作延3丁目5番地内の道路排水対策として測道に きらりデッキに市民にわかりやすい電光案内標識を 設置する。 を講じる。 の新設とともに地域住民と協力しながら水辺の自然の 39 40 ― 167 ― 31 32 33 34 35 37 36 38 24 25 26 27 28 29 30 グレーティングを新設する。 こども文化センターの集会室に冷房を設置する。全 トイレを洋式化する。 溝の口駅から向ヶ丘遊園駅まで、及び二子玉川から 登戸・向ヶ丘遊園までのバス便を増やす。 溝の口駅から有馬第2団地行きのバス便を増やす。 溝の口及び梶が谷駅から井田病院行きのシャトルバ スを運行する。 溝の口駅南口から高田町行きのバスを増便する。 梶が谷駅西側に、交番を設置する 梶ヶ谷駅に駐輪場を増設する 人口急増地の蟹ケ谷・子母口地域に保育園を増設す る。 千年地域に、老人いこいの家をつくる。 子母口小の仮校舎跡地の活用について、貴重な公有 地であり、住民の意見要望を反映した活用計画を立て る。十分な広さの避難場所、またスポーツができる多 目的な公園と集会所を併設する。 梶が谷地域に市民館・図書館分館を建設する。 橘樹郡衙︵たちばなぐんが︶遺跡が﹁古代の緑地公 園﹂として整備され、国史跡に指定されたが、民有地 の取得を進め、水場、トイレを設置する。 久末城法谷に現存する旧海軍通信隊地下壕を文化財 に指定し、市民に公開する。 橘地域に、スポーツ施設︵グラウンドを含む︶を設 置する。 久末や末長・新作・蟹ヶ谷、上作延などの残された 貴重な緑を守るため、地権者の協力を得て、緑地の保 全を積極的にすすめる。 ﹁ た ち ば な 公 園 ﹂ の 全 面 整 備 を 急 ぐ。 公 園 に マ ン ホールトイレ,かまどベンチ等防災機能を整備する。 旧西部公園事務所の有効活用について、管理運営も 含 め て 住 民 の 意 見 要 望 を 把 握 し て、 地 域 の コ ミ ュ ニ ティに利する活用を図る。 高津区内の既設公園の老朽化した遊具等を早期に改 修、改善する。 児 童 の 通 学 路 と な っ て い る 矢 上 川 の 五 反 田 橋 に、 ﹁人道橋﹂をもう一本設置する。 横浜との市境道路︵久末地域︶の危険な箇所に街路 灯を増設する。 蟹ケ谷三番地の久末方面への通り抜け道路の安全対 策を、地域住民︵横浜市を含め︶と協議の上、早期に 解決する。 久末方面からの溝ノ口駅行きのバス増便をはかる。 また、久末団地線の井田病院行を設置する。久末地域 にコミュニティバスの運行をはかる。道中坂下から東 山田駅へのバス路線の延伸をはかる。 市営住宅の劣化調査をすすめ、新作・明石穂・上作 延住宅などを早期に改修する。エレベーターを既設住 宅に早期に設置する。インターホンを設置する。 ― 168 ― 55 56 57 58 59 60 61 62 63 41 42 44 43 48 47 46 45 50 49 52 51 53 54 市営住宅の集会所は、地域住民にわけへだてなく開 放する。 急傾斜崩壊危険区域の防護壁等による安全対策工事 を急ぐ。 上作延地域から緑ケ丘霊園への避難路の整備をひき 続き行う。 第三京浜野川インターチェンジ建設計画について は、周辺住民の合意を前提にし、抜本的に再検討する。 丸子茅ヶ崎線の千年交差点と中原街道の拡幅を早期 に進める。 橘処理センターの汚染調査を定期的に行い、地域住 民に情報を逐次知らせる。 市営住宅のバリアフリー化を進める。特に、和風ト イレの洋風トイレ化を早期に進める。 グランドゴルフの専用グランドを市内に設置する。 上作延地域で、ボール遊びができる公園を増やし、 トイレの整備を進める。 公園の少ない新作・末長・上作延地域に公園の設置 をすすめる。 市営蟹ヶ谷槍が崎住宅周辺に防災無線、防災公園を 設置する。 市営上作延団地の空き室を早期に改修して、随時困 千年新町公園の水はけを良くするように整備する。 番地が飛んでわかりづらいので、○丁目○番地の住 居表示に変更する。 窮者から受け入れる。 市営久末団地からルックハイツ日吉までの歩道の整 備をすすめる。 橘中学校区に市民館・図書館分館をつくる。 子母口こども文化センターの物置、廊下に手洗い場 を、梶ヶ谷こども文化センターのトレーニング室に冷 房を整備する。こども文化センターのトイレの洋式ト イレを増やす。 ︹五︺宮前区 ︵1︶交通の利便性・安全性の改善に向けて ③ 白幡台地区・高山団地周辺へのコミュニティ交通 の導入を検討する。 化に向けた支援を行なう。 政的支援とともに、道路環境を整備するなど、事業 ② 宮前区地域交通環境整備事業とともに、野川南台 地区のコミュニティ交通に対して、運行経費への財 行なう。 鷲ヶ峰・菅生が丘地域からの改善の検討を引き続き 宮前区役所及び周辺公共施設への交通アクセスの ① 改 善 を 図 る。 と り わ け、 五 所 塚 地 域 や 野 川 地 域、 区役所へのアクセス改善を行なう有馬・東有馬地 ④ 区のコミュニティ交通を早期に実現するよう、運行 ― 169 ― 78 79 79 64 65 66 67 68 69 70 72 71 73 74 76 75 77 経費に対する財政支援を実施する。 ⑤ 向ヶ丘遊園駅から宮前平駅・たまプラーザ駅など 田園都市線に結ぶ路線の本格実施と通勤・通学時間 帯の増便を図る。 ⑪ 宮前平駅の駅施設の再整備にあたっては、住民の 声が反映できるよう地域住民と東急電鉄との話し合 いの場を設ける。 ス停に双方の時刻表が記載されているが、駅の再整 宮前平駅前のバス乗り場では、同系統のバスの乗 ⑫ り場が北口と南口で分かれている。現在、各々のバ 鷺沼駅・宮前平駅から聖マリアンナ医科大学病院 ⑥ へのバス便の新設・増便を行う。 発着場所などの情報の掲示を行う。 ⑬ 宮前平駅の再整備にあたって、図書の返却ポスト の設置を行う。 備にあたって、改札口など分かりやすい場所にバス ⑦ 柿 生 線、 犬 蔵 線、 鷺 沼 線 を は じ め と し て、 朝 の ラッシュ時や雨天時の乗り残しを解消するため、実 態調査を行ない、増便・増車・ダイヤ改正を至急検 討する。梶が谷駅と溝の口駅を結ぶ溝 系統を神木 本町まで延伸する。 宮崎台駅前の交通混雑解消のため、駐車スペース ⑭ の確保を行なう。 は東急電鉄に対し、鷺沼までの複々線化の要望を出 ⑨ 東急田園都市線の鷺沼駅までの複々線化計画を促 進する。昨年度の予算要望に対する回答では、市で 険を感じる箇所は少なくない。障がいの特性によっ え、歩道の整備など障がい者にとって使い辛さや危 構 想 ﹂ な ど に よ り、 整 備 が 進 め ら れ て い る と は い ⑧ 東急田園都市線の鷺沼駅、宮崎台駅のホームドア 対策を早期に進めるよう事業者に働きかける。 し て お り、 東 急 電 鉄 か ら﹁ 今 後 の 需 要 動 向 を 踏 ま て改善内容は異なることから、当事者の皆さんから 駅周辺や公共施設のバリアフリー化については、 ⑮ ﹁川崎市福祉のまちづくり条例﹂﹁バリアフリー基本 え、国や自治体と連携して検討する﹂と回答を得て 話を聞くことが大切である。 ︵2︶災害に強い街づくりのために ンを設置する。 平駅前から区役所に至る横断歩道にエスコートゾー 福祉施設周辺のバリアフリー化及び、安全歩行の 総点検を障がいのある方たちとともに行なう。宮前 いるとのこと。ラッシュ時の混雑率は183%と改 善されたとは言え、依然として高い混雑率であり、 早期の改善が求められます。 ⑩ 駅前整備にあたっては、地元商店街、区民の声を 反映できる協議の場を設置し、駅前広場の拡大、タ クシー乗り場の増設、駐輪場の設置、西口広場の整 備の具体化を図る。国、東急に働きかけを強める。 ― 170 ― 23 対応となる﹁災害用簡易エアマットの備蓄﹂を残る ① 宮前区防災計画の見直しを進め、最大の被害想定 に見合った防災備蓄ができるようにする。区役所の モニタリングポストにより常時観測を行なってい 総合研究所、中原大気観測所、麻生大気観測所︶で ① 川崎市では、原発事故当時、学校や保育園など一 斉調査を行いましたが、その後は市内3箇所︵環境 どもの生活する場所を定期的に観測し、情報を公開 射線量観測を学校施設・保育園施設・公園など、子 る。宮前区内でも、常時観測を行なうとともに、放 小学校8校について整備を行う。 ② 市の管理する土砂災害警戒区域への対策を講じる。 ③ 日本精工健康保険組合鷲沼運動場は、現在、災害 時のヘリコプター︵消防局︶の発着所に指定されて する。 ― 171 ― いるが、区民の一時避難場所としても活用できない ① 年金や健康保険など区民の疑問や相談に対応でき るよう、相談機能の充実を図る。 ② 宮前区役所までの交通アクセスを改善する。︵再 掲︶ えるようにする。 出張所2階にある会議室︵区民活動支援コーナー ③ でなく区役所管理部分︶を地域住民の催しなどに使 ︵4︶向丘出張所の機能再編にあたって 北部市場での食品の放射能検査を引き続き行なう ④ とともに、検査品目を増やす。 ② 宮前区の汚染地図を製作する。 か、検討する。 ③ ④ 大震災を想定した斜面地・造成地の安全対策を引 農地など民有地についても、地権者等から要望が き続き、予防対策が進むよう、公的支援を強化する。 ある場所は、可能な限り観測を行なう。 ミ 集中豪雨などが頻発する現状に見合った下水道計 ⑤ 画になるよう、時間降雨量 ミリの基準を見直す。 新たな宅地開発を行なう場合には、時間降雨量 民に公表する。 ︵3︶引き続き、区内の放射線観測を持続的に行ない、区 関係住民の意見や要望を積極的に反映させる。 量確保対策を具体化する。親水化事業については、 ⑥ 宮崎排水路の整備を行なう。 ⑦ 下水道の幹・枝線工事を促進し、普及率を引き続 き高める。平瀬川、矢上川、有馬川の水質浄化と水 する。 リを超える雨量にも耐えうる整備を行なうよう指導 52 52 ︵5︶子どもがのびのび育つ環境を ① 保育園の待機児童解消に向け、新設・増設に引き 続き全力をあげる。防衛省の用地を活用するなど、 菅生地域の保育園不足を解消する。 ② 鷺沼子育て支援センターにおいて、一時保育事業 を行えるようにする。そのため、専任職員の配置を 行なう。 ③ 小・中学校の窓ガラスの清掃を、3年に一度から 1年に一度は実施する。 ④ 小学校・中学校の老朽箇所の改善と、トイレの改 修を進める。 ⑤ エレベーターの未設置校︵野川小、西野川小、南 野川小、鷺沼小、宮崎台小、稗原小、菅生中︶に、 設置をする。 ⑥ 人口増による教室不足が懸念される犬蔵中学校 は、建て替え、または改築計画をつくる。 くプラザ﹂において、学童保育の対象児童が放課後 さびしい思いをしないように、2クラス分のスペー スが確保できているところは、条例に従い、対象児 童に対する専用室・専任職員を配置し、学童保育の 機能が果たせるようにする。また、図書室が使用施 設になっている宮崎台小、西有馬小、向丘小、犬蔵 小、生活科ルームを使用している宮崎小、児童室を 利用している富士見台小、特別活動室を利用してい る土橋小は、専用室の確保を行う。 ⑩ 子どもたちが雨の日でも遊べるログハウスを東高 根公園に整備できるよう県と協議する。 ︵6︶公的な住環境の整備を ① 市営住宅の大規模改修工事にあたっては、住民へ の説明を丁寧に行い、一時転居の要望があれば応え る。 ② 市営住宅の建て替えにあたっては、住民の要望を よく聞き取るとともに、生活環境があまり変わらぬ よう配慮する。高齢者や障がい者の場合、引っ越し ⑦ 中学校給食は教育の一環として位置づけ、自校方 式︵小学校との連携も含め︶を犬蔵中学校だけでな く、他校にも普及できるよう条件整備を行なう。 しまう。このような場合でも、個人の負担が生じな ③ 地震災害への関心が高まっている。予防策として 有効とされている家具の転倒防止を市営住宅内でも いよう移転費用を支給する。 作業を事業者に依頼せざるを得ず、費用もかさんで ⑧ 自主学童ホールの運営費への補助を実施する。直 営・自主運営を含め、すべての小学校区で学童保育 が利用できるよう、 ﹁わくわくプラザ﹂とは区別し た、学童保育事業を進める。 ⑨ ﹁学童保育事業﹂が整備されるまでの間、﹁わくわ ― 172 ― 拡げる。家具の転倒防止対策の啓発を強化する。 ④ 住民の高齢化も進んでおり、エレベーター化を条 件のあるところは、早急に進める。 ⑤ 有馬・高山・野川・清水台・鷲ヶ峰・菅生・南平 などの市営住宅の雨漏りや結露防止策を引き続き進 める。アルミサッシ化、集中アンテナ化など、大規 模修繕の年次計画を促進する。県と協議し県営住宅 の改善を促進する。 ⑥ 高齢者向けの﹁グループ・リビング﹂への設置・ 運営に対する、補助制度を復活し、整備促進を図る。 ︵7︶環境破壊・工事公害等の懸念があることから、リニ ア新幹線の整備に反対する ① リニア新幹線は宮前区を通過するが、周辺の電磁 波の影響、地下水への影響など、環境に与える影響 の調査が不十分であり、改めて環境影響評価を行な うよう、J R東海に対して要請すること。 ② 宮前区︵隣接も含め︶には、梶ヶ谷・犬蔵3丁目・ 汐見台を含め3ヵ所の立坑が掘られ、建設残土の搬 出 な ど が 行 わ れ、 尻 手 黒 川 道 路 の 交 通 量 を 増 加 さ せ、渋滞の原因となる。立て坑の整備には反対する。 ③ 梶ヶ谷操車場内に設置が計画されている立て坑 は、その一部を鉄道移送するとしているが、現状で も、貨物ターミナルの騒音は地元住民の生活を脅か している。梶ヶ谷ターミナルの騒音対策も進める。 ︵8︶乱開発から住環境を守る ① 敷地を故意に分割し造成することで﹁総合調整条 例﹂の対象から逃れる﹁条例逃れ﹂の建築や造成の 規制を図る。 ② 神木本町4丁目宅地造成工事のように、開発の規 制基準を、意図的にわずかに下回り、規制を逃れる ような工事については、その規模に見合った雨水貯 留施設や公園など環境対策を講じるよう指導し、協 力を仰ぐ。 ③ 有馬九丁目に開発された巨大墓地について、住環 境の悪化をもたらすことがないように、横浜市・事 業者にその対策を働きかける。 ④ 初山1丁目の宅地開発に関連する私有地は、住民 の合意なく売却は行わない。 ︵9︶緑地を守る、公園の整備を進める ① 農地、斜面緑地、山林の保全策を、買い取りを含 め抜本的に強化する。野川地域に自然歩道の設置を 進める。 ― 173 ― ② 市民農園を増やす。利用期間を2年から5年に延 ばす。待機解消は、箇所数を増やすことで改善する。 ③ 小台公園・平4丁目公園など、子どもの利用が多 い公園については、簡易トイレを含め、トイレの設 置について、近隣住民と協議する。 ① 宮前平駅前の交差点は、交通事故が多く安全対策 が求められる。右折信号など対策を講じる。 ② 小学校周辺の交通安全対策を進める。とりわけ、 神木本町4丁目と5丁目の境の道路は狭隘な道路で ていて安全対策が早急に求められる。地元町会、学 ありながら、向丘中学校、平小学校の通学路となっ ④ 野川地区など公園ゼロ地域をなくすため、低未利 用地の活用など、早期に整備を進める。 ⑪ 菅生、犬蔵、初山、野川、馬絹地域における生活 道路の整備と安全対策を引き続き促進する。ゆりか ⑩ LED街路灯・防犯等の設置を地域の実情に合わ せ促進する。 長沢交差点の歩行者用の信号機の設置を行なう。 ⑧ ⑨ 平2丁目8番地9番地の境のT字路への横断歩道 を設置する。 ⑦ 鷺沼駅前、セブンイレブン前の交差点に信号機の 設置を行なう。 ⑤ 有馬第2住宅内の4つ角に点滅信号を設置する。 ⑥ 有馬第2団地前バス停横の交差点に信号機の設置 を行なう。 配置を行なう。 ④ 有馬第2団地の建て替えに伴う、工事車両の通行 には、道路渋滞をきたさないよう、適切な整理員の 校関係者と協議し、安全対策を講じる。 ③ 宮前区スポーツセンターから最寄のバス停までの 歩道に点字ブロックを設置する。 ⑥ 有馬こども公園の東側ネットを高くする。 ⑦ 公園施設を見直し、ゲートボールなどの運動がで きる広場をつくり、チャイム付き時計塔など整備す る。また、防災放送システムの設置をすすめる。公 園の階段、遊具、外灯、ごみ箱、樹木の剪定、砂場 など定期点検を強化する。 ⑧ 五所塚第一公園は地名の由来となった塚がある歴 史的公園として位置づけ、それにふさわしい維持管 理を引き続き行なう。 ⑨ 生田緑地ゴルフ場の市民開放︵凧上げ・写生会・ 休場日の開放など︶を広く市民からの意見をもと に、充実させる。 ⑩ 戦争遺跡を含む歴史的遺産の調査・保存を行なう。 ︶安心できる住環境のために ― 174 ― ⑤ 宮崎第四公園の斜面緑地を保全する対策を講じる。 宮崎第一・第四公園を少年野球やソフトボールグ ランドとして整備する。 ︵ 10 ︵ ︵ ご通りの安全対策を図るとともに、将来、電柱の埋 設化を検討する。 ︶道路・鉄道公害から環境を守る ① 第三京浜、国道246号線、尻手黒川道路など主 要幹線道路環境測定を引き続き実施し、住民の意見 をもとに道路公害防止策を進める。 ︵ ② 障害を持つ方の居場所づくりを進める市民団体や NPO法人等の運営費を補助する。 ③ 障 が い を 持 つ 中・ 高 校 生 の 放 課 後 の 居 場 所 で あ る、タイムケア事業を充実する。 ④ 施設入居者の通院や買い物など移動を円滑に進め るための支援策を充実する。 区役所周辺の横断歩道にエスコートゾーンを設置 ⑤ 障がい者の認定区分については、実態を反映した ものとなるよう、区としても十分な審査を行なう。 ⑥ する。 ︶コミュニティの場の整備 ① スポーツセンターへの送迎バスなど区内各地域か らの利便性を高める。 ② 出張所2階にある会議室︵区民活動支援コーナー でなく区役所管理部分︶を地域住民の催しなどに使 えるようにする。︵再掲︶ ③ 田園都市線沿線地域に特別養護老人ホームを早期 に建設する。 ④ 宮前平中学校区、馬絹地域などに老人憩いの家を 早期に建設する。デイサービス施設の併設をあわせ て検討する。 ⑤ 野川地域にコミュニティーセンターを設置する。 ― 175 ― ② 現在、宮前平駅前にある自動車排ガス測定機を増 やし、PM2・5︵微小粒子状物質︶の観測を行な う。 ③ 東名高速道路・国道246号線の騒音対策の未実 施区間に遮音壁などの設置を国・道路公団に実施さ せる。 ④ 第三京浜野川インター計画は中止し、道路予定地 を市民の利用施設などにあてる。 ⑤ 梶ヶ谷貨物ターミナルの騒音対策を引き続き進め る。 ︵再掲︶ ︶障がいを持っていても、安心して暮らせるために ① 精神・身体・知的のそれぞれの障害者が地域で生 活できるよう、地域の作業所・通所・入所施設・グ ループホームが存続できるよう、支援策を講じる。 13 11 12 ︵ ︶商業の活性化のために ① 区内への大型店の出店を規制し、商店街活性化対 策を抜本的に強化する。 ② 空き店舗対策の補助を増額し、事業の推進を図る。 ③ 街路灯のLED化を支援する。電気料の補助を増 やす。 ④ 街路灯のESC事業への移管を希望する商店街に ついては、引き続き移管を行う。 ︵その他の要求︶ ① 宮崎の住居表示を進める。 ② 剪定をきめ細かく行ない、落ち葉の清掃など歩行 者の安全を確保する。 ︹六︺多摩区 ︵1︶ ﹁水と緑のまち多摩区﹂にふさわしい環境と史跡の 2 多摩川の護岸整備については、豊かな自然が残るよ う最大限の配慮をし、釣りが楽しめるようにする。 3 稲田多摩川公園の整備について、五反田川放水路の 建設工事が終わったあと、スポーツ広場として民有地 の 借 り 上 げ も 含 め て 拡 充 整 備 す る。 野 球 用 の バ ッ ク ネット、水洗トイレ、水飲み場を設置する。 4 多摩川サイクリングコースの布田橋より上流の延伸 は決まったが、住民の強い要望にこたえ、完成を急ぐ。 5 河川敷の企業・学校グランドの土日の市民準開放を すすめるよう、企業に強く働きかける。 6 緑の基本計画で不足している公園の未設置地域への 対策を急ぐ。とりわけ、請願が採択されている中野島 の南部地域に公園を設置する。 7 区内の歴史的な寺院の文化財を区民に紹介し、観覧 する機会を作る。 8 戦時中に企業や市民が作った、生田緑地内や周辺の 壕の調査を進め保存し、平和教育などに活用する。 る。 と り わ け A, B ラ ン ク に 指 定 さ れ て い る 樹 林 地 1 区内に残る緑地を保全するため、保全策がとられて いない緑地を明らかにしてそれぞれの対策を明確にす 鉄道政策審議会答申﹁東京圏における今後の都市鉄道 区民の切実な要求である。2016年4月に出された 1 小田急線の混雑緩和と踏切解消のため、小田急線・ 向ヶ丘遊園駅∼新百合丘駅間の複々線地下二層化は、 ︵2︶区内の鉄道・駅・駅周辺の整備等をすすめる は、保全のために体制を作り交渉する。西生田4丁目 の あ り 方 に つ い て ﹂ で は﹁ 地 域 の 成 長 に 応 じ た 鉄 道 保全を の樹林地の保全を急ぐ。 ― 176 ― 14 ネットワークの充実に資するプロジェクト﹂として、 なう。 り、小学生の通学にも差し支えることから、対策を行 しまうなど、PTAの努力だけでは足りない状況であ 8 市道稲田堤三号線は、小学生の通学路であり、PT Aが安全のための看板を立てているが、すぐに壊れて 7 生田5、6丁目、西生田地域など、コミュニティバ スも通れない地域に、乗り合いタクシーを導入する。 便する。 6 市バス・カリタス線を延伸し、中野島駅方面にバス 路線をつくる。多摩川住宅に乗り入れる路線を朝夕増 この複々線化が示されている。市と小田急が検討を始 めるべきであり、市としてその可能性について調査を 開始する。 2 小田急線の快速急行が登戸駅、向ケ丘遊園駅を通過 するダイヤは、強い不満の声があがっている。小田急 電鉄に、登戸駅、向ヶ丘遊園駅に﹁快速急行﹂を止め るよう強く求める。 3 J R稲田堤駅の橋上化は住民の協力を得て早く着工 できるよう真摯に努力する。駅前の観光道踏切の安全 る。市として安全性を確保する。 4 J R中野島駅の橋上駅舎化は決定されたが、現在の 計画ではかなり先になる。危険性を鑑みれば、1年で なう。水利組合任せにしないで、市が定期的な清掃、 農業の衰退とともに、水路の管理ができなくなって いる。区内に張り巡らされている水路の維持管理を行 ︵3︶区内の文化・スポーツ施設等公共施設の整備を ― 177 ― 対策は喫緊の課題であり、市民から区長にも要望があ 9 生田浄水場用地の有効利用として、スポーツ広場な どが計画されているが、周辺の道路が狭く交通安全に がっている。あらゆる工夫をして横断者の対策などを 行なう。橋上化までの間は、踏み切りの遮断時間を短 懸念の声がでている。利用者の車両は府中街道のみを 使うようにするなど、安全対策を行う。 縮するほか、交通量の調整をするよう市として検討す る。工事中の安全対策について、J Rと綿密に協議す る。通勤時間帯の混雑を解消するため、スイカ専用の 久地駅周辺の歩行者安全対策を急ぎ、駐輪場用地確 保のため全力を注ぐ。 も早く着手するよう検討する。橋上化するまでの間、 フタの維持補修などを行なう。周辺環境の整備も併せ 通用口を臨時で設ける。 北口に臨時改札を設置するよう、J Rと具体的に交渉 行なう。 る。拡幅は無理とのことであるが、たいへん危険であ 5 京王稲田堤駅北口から、J Rに乗り換える利用者が 増 加 し、 朝 夕 は 駅 前 の 道 路 い っ ぱ い に 人 が 歩 い て い する。 10 11 1 生田地区市民館図書館分館は強い市民要求であり、 この地域に生涯学習の拠点を整備する。 2 生田中学校区には枡形老人いこいの家が整備されて いるが、高齢化が進み、谷を挟んで立地している三田 地域の高齢者は利用できない。中学校区に2ヶ所目で あっても三田地域に老人いこいの家を建設する。 納得と合意を前提にすすめる。 3 ブロックまたは町会単位で将来のまちづくりについ ての話し合いの場をもつようにする。 4 清算金をゼロにするための政策的検討をすすめる。 5 移転工法を決定する前については、住民との話し合 いの場をもち、従後地での生活・営業が再建・継続で 6 借家、借店人の権利を守り、移転にともなう損失補 償は住民合意の移転補償を行なう。損失補償の内容は きるよう権利者の意見を尊重する。 り、この際、体育館、プールを合築し武道場を併設す 具体的に住民に示し、合意の移転補償とする。公営住 3 菅中学校の体育館は、外壁がはがれ鉄筋がむき出し になるなど、老朽化が著しい。プールも老朽化してお る。ここに地域開放施設と給食室を作れば、避難所と 7 借地・借家問題で、民間同士のトラブルについて、 市がいつでも気軽に相談にのれるよう対策をたてる。 宅への優先入居を斡旋する。 4 南生田小学校は今後も児童が増え続け、明らかに教 室が足りない。校舎が老朽化しており、鉄筋がむき出 得る。 事業区域内での水害対策や水路清掃などを進め、蚊 などの発生を防ぐ。 ― 178 ― しても地域にとってたいへん重要な施設になる。 しになっているところもある。プレハブではなく増築 地区計画や地区整備計画を決定する際、その計画を 事前に広く住民に知らせ、策定前に全権利者の合意を 路線商店街の振興を考える。 する。弱小権利者を保護する。その際、優先して周辺 9 登戸・向ヶ丘遊園駅北口など、共同化ビル計画をつ くる場合、地元商店会、住民、全商店主の意見を尊重 8 仮店舗で営業を希望する人の対策をたて、仮設店舗 で営業する事業者の仮設倉庫を建設する。 で対応する。校舎東側のトイレの快適化工事を行なう。 5 稲田中学校、宿河原小学校、三田小学校など、要望 がたいへん強いトイレの改修を急ぐ。 ︵4︶登戸土地区画整理事業を住民本位にすすめる 1 重点区域以外でも、事業を早くすすめてほしいとの 要望が強い区域については積極的に事業を推進する。 その際、上下水道排水計画をつくり、暫定排水施設措 置も検討する。 2 仮換地指定は早い時期に、住民へ事前説明を行ない 10 11 ︵6︶災害に強い多摩区を 1 丘陵地の安全対策を急ぐ。 イ 大地震による滑動崩落が心配される谷埋め盛り土 の対策を急ぎ、 ﹁宅地耐震化推進事業﹂の対象地区に なっている南生田や西生田地域の対策を具体的に進 める。 ロ 土砂災害警戒区域に指定されている地域での警戒 避難体制の整備、対象住民への情報提供のあり方な ど、 具 体 的 な 対 策 を 行 な う。 と り わ け、 ハ ザ ー ド が、小田原市飯泉取水堰からの取水に頼る体系にする と、大規模な災害時にバックアップがとれず、自己水 源をもっていることが市民の飲み水の確保に絶対に必 要であることが明らかになってきている。企業団の経 営を改善することも含め、再構築計画を抜本的に見直 して、生田浄水場を復活する。︵再掲︶ ︵7︶川崎高速縦貫道路・堰インターチェンジ計画は撤回 する ︹七︺麻生区 1 新百合ヶ丘駅周辺の交通渋滞解消のための対策を講 じる。 ① 市道麻生2号線については、金程のバス通りまで 拡幅を急ぐ。 ― 179 ― マップの周知徹底が求められており、説明会を参加 しやすい会場で繰り返し行う。 ハ 建築制限解除の手法でガケ地の安全対策が手薄に なる事例が西生田で発生した。この対策を検討する。 2 生田地域は避難所に行くのに起伏があり、とても避 難できない。町会や自治会などとよく相談し、避難所 を増やす。 ② 南口方面の渋滞に路線バスが巻き込まれている現 状を解決するための対策を講じる。 4 岡上438番地先︵小田急線鶴川第三踏切から東進 する道路と和光大学通りとが合流する地点︶の交差点 2 柿生駅南口駅前通りの交通安全対策を急ぐ。 3 小田急線の麻生区内の踏み切りの安全対策を行う。 ︵登戸・町田間の小田急高架化を要望する︶ 4 登戸、中野島地域の水害解消のため、登戸雨水幹線 はできたが、枝線の工事を急ぐ。 踏切への自動車通行規制も検討する。︵時間規制、一 は学童の通学路となっているため、安全対策として、 5 生田浄水場廃止の理由は神奈川県内広域水道企業団 の借金を返すためということに収斂されてきている 設や既設調整池の改修などによる活用を図る。 る。対策のため、東生田小学校より上流に調整池の新 3 近年のゲリラ豪雨により、時間雨量 ミリにしか対 応していない五反田川の上流域の水害が危惧されてい 35 野︶に早急につくる。なお柿生中学校区については、 方通行など︶ 中学校区にひとつ、老人いこいの家をつくる方針に てらして、まだできていない2学校区︵長沢、はるひ 5 小田急線向ヶ丘遊園∼新百合ヶ丘間の地下二層複々 線化を急ぐ。 西生田中学校区︵細山、高石1∼3丁目地域︶に、 老人いこいの家の建設計画をすすめる。地理的配慮か 岡上を除く地域として選定する。 6 柿生1号踏切の混雑解消を急ぐ。 7 柿生駅北口改札口の混雑の解消を行う。特にマルエ ツ側、線路に沿って改札口までの混雑解消を急ぐ。 ら百合丘複合福祉施設︵老人いこいの家︶とは独立し たものとする。 緑の環境を守るため、多摩美地域のふれあいの森、 市民健康の森につながるよみうりランド外周の緑、黒 8 丘陵地の多い麻生区では、交通困難地域解消が強く 求められており、コミュニティ交通実現が急がれてい 麻生台地域、多摩美・細山・栗平・白鳥・五月台地域 川地域、片平の柿生緑地、岡上、早野地域の緑地をは ﹁島田成長の森﹂の木々が成長し、うっそうとしてい る。防犯上も心配という声があることから、整備を急 15 市内農産物の価格保障の充実、その際、農産物の輸 入調整もして国内農産物を守る。 ぐ。 16 る。路線については、高石地域につづき、岡上地域、 な ど で の 実 現 を 急 ぐ。 高 石 地 域 の コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス じめ、保全すべき緑地を基本的に全部保全する。 田市の連携を強化する。 農業の後継者育成の農業研修センターの設立で都市 農業の将来の見える対策を講じる。あわせて、相続税 対策については、ひきつづき国に働きかけ、継続を可 能にする。 年々交通量が増えてきている上麻生四丁目の鶴亀松 公園付近に、大気汚染測定器を取り付ける。 防災行政無線の放送が、聞こえない地域について、 さらなる改善を行う。また、広報車による広報を充実 ― 180 ― 13 14 ﹁山ゆり号﹂については安定した運行のため、財政的支 援を強化する。 9 百合ヶ丘駅北側にある︵世田谷町田線にそって︶ミ ニストップ︵コンビニ︶東側と駐車場に挟まれた通路 は、現在通行できず、多くの人が駐車場を通行してい る。ふさがっている通路を歩道にする。 岡上地域居住の高齢者の為に、敬老パス代わりに、 小田急電車利用券の交付を行う。 ︵バス路線がないた め、敬老パスの利用ができない︶ の ︵多摩区菅仙石4丁目1読売ラ 多摩美2丁目 ンド遊園地の外周道路︶のT字路に信号機を設置する。 17 岡上跨線橋に、人と自転車が通行できるように改善 する。鶴川駅南部再開発事業との関連で、川崎市と町 17 17 18 19 10 11 12 させる。 災害時の備蓄置き場のない中学校への備蓄倉庫の設 置を急ぐ。また、備蓄食料の必要量の確保を行う。備 蓄物資の搬送が困難な小学校への備蓄倉庫の設置を急 ぐ。 米軍ジェット機の騒音が麻生区全域に広がってい る。区内上空を飛行しないよう県に申し入れる。 観測装置を百合丘1カ所だけでなく、複数設置し、 実態調査を行う。 基地周辺の自治体が参加する、障害自治体会議に、 川崎市も参加し、騒音対策を強化する。 岡 上 は 歩 い て い け る 範 囲 に、 身 近 な 公 園 が 数 少 な く、要望は切実である。特に、和光大学周辺、及び五 反田橋付近に子どもが安心して遊べる児童公園の設置 を急ぐ。 ︵五反田橋、北東部の駐車場の買収を考える︶ 百 合 丘 第 2 公 園、 五 力 田 見 晴 し 公 園、 白 鳥 諏 訪 公 園、栗平東公園、葉積緑地にトイレを設置する。 新百合ヶ丘総合病院にアクセスする無料バスを走行 させる。 虹ヶ丘から新百合ヶ丘へのバスの増便を行う。 横浜市営地下鉄3号線の新百合ヶ丘駅までの延伸を 進める。 新百合ヶ丘駅のバスターミナルの階段に手すりを設 置する。 ― 181 ― 20 21 22 23 24 26 25 27
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